説明

制御装置および方法、並びにプログラム

【課題】よりユーザの状態に適した制御を行うことができるようにする。
【解決手段】撮像制御部141は、撮像部125を制御し、車両制御システム100が搭載される車両を操作するユーザを撮像させ、そのユーザの画像を取得する。付帯品検出部142は、撮像制御部141の制御により取得されたユーザの画像を解析し、ユーザが装着している付帯品を検出する。設定部143は、付帯品検出部142において検出された付帯品に応じて制御設定を行う。処理実行部144は、設定部143により設定された制御設定値181に基づいて、車載デバイス102を制御する所定の制御処理を実行する。本発明は、例えば、車両制御装置に適用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置および方法、並びにプログラムに関し、特に、よりユーザの状態に適した制御を行うことができるようにした制御装置および方法、並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば自動車等の車両、若しくは車両に搭載される各種設備の設定等を制御する装置がある(例えば、特許文献1乃至特許文献3参照)。
【0003】
例えば、特許文献1においては、音声帯域信号のレベルを測定し、騒音レベルと音声区間を検出し、音声認識を行う装置が提案されている。また、例えば、特許文献2においては、個人の温感と相関のある情報を記憶し、温感に応じて空調の温度や風量を調節する装置が提案されている。さらに、例えば、特許文献3においては、太陽の位置とドライバーの目をカメラにより検出し、その位置を基にサンバイザを自動的に降ろす装置が提案されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−114700号公報
【特許文献2】特開2007−308096号公報
【特許文献3】特開2008−44603号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、例えば、運転者がマスクをしている場合、一般的に、マスクをしていないときに比べて運転者の声量が小さくなったり、声質が変わったりするが、特許文献1に記載の方法の場合、運転者の付帯品に応じた制御は行われておらず、運転者がマスクをしているからといって制御を変えることはないので、精度よく音声認識することができない恐れがあった。
【0006】
また、例えば、運転者がマスクをしている場合、一般的に、運転者が風邪をひく等、体調を崩していることが考えられるが、特許文献2に記載の方法の場合、運転者の付帯品に応じた制御は行われておらず、運転者がマスクをしているからといって制御を変えることはないので、例えば冷房を効かせ過ぎたりして、運転者の体調をさらに悪化させる恐れがあった。
【0007】
さらに、例えば、運転者がサングラス(sunglasses)をしている場合、一般的に運転者の視界は、サングラスをしていないときに比べて暗くなるが、特許文献3に記載の方法の場合、運転者の付帯品に応じた制御は行われておらず、運転者がサングラスをしているからといって制御を変えることはないので、必要以上に暗くなってしまい、安全な運転の妨げとなってしまう恐れがあった。
【0008】
本発明は、このような状況に鑑みて提案されたものであり、ユーザの付帯品を検出し、その付帯品に応じた制御を行うことにより、よりユーザの状態に適した制御を行うことができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一側面は、所定の装置のユーザを撮像する撮像手段と、前記撮像手段による撮像により得られた前記ユーザの画像内に存在する付帯品を検出する検出手段と、前記検出手段より検出された前記付帯品に応じて、前記装置の制御用の設定を行う設定手段と、前記設定手段により設定された設定値を用いて前記装置を制御する制御手段とを備える制御装置である。
【0010】
本発明の第1の側面においては、所定の装置のユーザが撮像され、撮像により得られたユーザの画像内に存在する付帯品が検出され、検出された付帯品に応じて、装置の制御用の設定が行われ、設定された設定値を用いて装置が制御される。
【0011】
従って、よりユーザの状態に適した制御を行うことができることができる。
【0012】
この撮像手段は、例えば、撮像部により構成され、検出手段は、例えば、付帯品検出部により構成され、設定手段は、設定部により構成され、制御手段は、処理実行部により構成される。
【0013】
前記設定手段は、前記検出手段により前記ユーザの画像に存在するサングラスが検出された場合、前記設定を実際よりも暗い状態に合わせて最適化することができる。
【0014】
前記設定手段は、ナビゲーション画面の表示を明るくするように前記設定を行うことができる。
【0015】
前記設定手段は、インスツルメンタルパネルの照明を明るくするように前記設定を行うことができる。
【0016】
前記設定手段は、自動防眩機能が作動しにくくなるように作動条件の閾値の前記設定を行うことができる。
【0017】
前記設定手段は、オートライト機能が作動し易くなるように作動条件の閾値の前記設定を行うことができる。
【0018】
前記設定手段は、各種照明が明るくなるように前記設定を変更することができる。
【0019】
前記設定手段は、オートサンバイザ機能が作動しにくくなるように作動条件の閾値の前記設定を行うことができる。
【0020】
前記制御手段は、サンバイザの透過率を高くするように前記設定を変更することができる。
【0021】
前記設定手段は、前記検出手段により前記ユーザの画像に存在する眼帯が検出された場合、操作に対する影響をより低減させるように前記装置の制御用の設定を行うことができる。
【0022】
前記設定手段は、前記ユーザに対してより多く休憩を提案するように前記設定を行うことができる。
【0023】
前記設定手段は、前記装置と他の装置との間隔を広くとるように前記設定を行うことができる。
【0024】
前記設定手段は、前記装置と他の装置との間隔を示す情報を出力するように前記設定を行うことができる。
【0025】
前記設定手段は、警告灯による警告に併せて、音声による警告を行うことができる。
【0026】
前記設定手段は、前記検出手段により前記ユーザの画像に存在するマスクが検出された場合、操作に対する影響をより低減させるように前記装置の制御用の設定を行うことができる。
【0027】
前記設定手段は、香りによる警告を他の方法による警告に変更するか、若しくは、香りを強くするように前記設定を行うことができる。
【0028】
前記設定手段は、指示入力方法を音声入力以外の方法に変更するか、若しくは、音声入力のセンサの感度を向上させるように前記設定を行うことができる。
【0029】
前記ユーザの状態を判定するユーザ状態判定手段をさらに備えることができる。
【0030】
前記ユーザ状態判定手段により前記ユーザが花粉症であると判定された場合、前記設定手段は、換気設定を内気循環にすることができる。
【0031】
前記ユーザ状態判定手段により前記ユーザが花粉症であると判定された場合、前記設定手段は、空気清浄機の清浄度合いを高くするように設定を行うことができる。
【0032】
前記ユーザ状態判定手段により前記ユーザが風邪であると判定された場合、前記設定手段は、エアコンディショナの目標温度設定を高くするように設定を行うことができる。
【0033】
本発明の一側面はまた、制御装置の制御方法であって、前記制御装置の撮像手段は、所定の装置のユーザを撮像し、前記制御装置の検出手段は、撮像により得られた前記ユーザの画像内に存在する付帯品を検出し、前記制御装置の設定手段は、検出された前記付帯品に応じて、前記装置の制御用の設定を行い、前記制御装置の制御手段は、設定された設定値を用いて前記装置を制御する制御方法である。
【0034】
従って、よりユーザの状態に適した制御を行うことができることができる。
【0035】
本発明の一側面はさらに、コンピュータを、所定の装置のユーザを撮像する撮像手段と、前記撮像手段による撮像により得られた前記ユーザの画像内に存在する付帯品を検出する検出手段と、前記検出手段より検出された前記付帯品に応じて、前記装置の制御用の設定を行う設定手段と、前記設定手段により設定された設定値を用いて前記装置を制御する制御手段として機能させるためのプログラムである。
【0036】
従って、よりユーザの状態に適した制御を行うことができることができる。
【発明の効果】
【0037】
本発明によれば、制御することができる。特に、よりユーザの状態に適した制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明を適用した車両制御システムの構成例を示すブロック図である。
【図2】撮像部の設置例を説明する図である。
【図3】車両制御処理の流れの例を説明するフローチャートである。
【図4】車両制御処理の流れの、他の例を説明するフローチャートである。
【図5】車両制御処理の流れの、さらに他の例を説明するフローチャートである。
【図6】本発明を適用した車両制御システムの他の構成例を示すブロック図である。
【図7】車両制御処理の流れの、さらに他の例を説明するフローチャートである。
【図8】本発明を適用したパーソナルコンピュータの構成例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
図1は、本発明を適用した車両制御システムの構成例を示すブロック図である。
【0040】
図1に示される車両制御システム100は、例えば自動車等の車両に搭載され、その車両を操作するユーザの状態を検出し、そのユーザの状態に応じて、車両または車両に搭載された設備の制御を行うシステムである。より具体的には、車両制御システム100は、車両を操作するユーザを撮像し、例えばマスクやサングラス(sunglasses)等の、そのユーザの付帯品を検出し、検出された付帯品に応じて、車両または車両に搭載された設備の制御を行う。
【0041】
図1に示されるように、車両制御システム100は、制御を行う車両制御装置101と、制御される車載デバイス102により構成される。
【0042】
車両制御装置101は、図1に示されるように制御部111、ROM(Read Only Memory)112、RAM(Random Access Memory)113、入力部121、出力部122、記憶部123、通信部124、および撮像部125を有する。
【0043】
制御部111は、例えば、図示せぬCPU(Central Processing Unit)等により構成されるマイクロコンピュータにより構成される。制御部111は、ROM112に記憶されているプログラム、または記憶部123からRAM113にロードされたプログラムに従って各種処理を実行する。RAM113にはまた、制御部111が各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶される。
【0044】
制御部111は、プログラムを実行する等して所定の機能を実現し、入力部121乃至撮像部125を制御し、車載デバイス102の制御を行う。図1の制御部111内に示される各機能ブロックは、この制御部111がプログラムを実行する等して実現される機能を示す。制御部111は、機能ブロックとして、例えば基本的な制御を行う基本制御部131を有する。この基本制御部131は、撮像制御部141、付帯品検出部142、設定部143、および処理実行部144を有する。
【0045】
撮像制御部141は、撮像部125を制御し、車両制御システム100が搭載される車両を操作するユーザを撮像させ、そのユーザの画像を取得する。付帯品検出部142は、撮像制御部141の制御により取得されたユーザの画像を解析し、ユーザの画像内に存在する(画像内に写っている)付帯品(例えば、サングラス、眼帯、またはマスク等)を検出する。なお、このときに行われる画像解析の方法や付帯品有無の判定方法は任意である。
【0046】
付帯品検出部142は、サングラス検出部151、眼帯検出部152、およびマスク検出部153を有する。サングラス検出部151は、ユーザが装着する(かけている)サングラスを検出する。眼帯検出部152は、ユーザが装着する眼帯を検出する。マスク検出部153は、ユーザが装着するマスクを検出する。なお、もちろん、付帯品検出部142がこれら以外の付帯品を検出するようにしてもよい。
【0047】
設定部143は、付帯品検出部142において検出された付帯品(例えば、サングラス、眼帯、またはマスク等)に応じて、車載デバイス102の制御用の設定を行い、記憶部123に記憶される制御設定値181を更新したり、制御設定値181を新規作成して記憶部123に記憶させたり、記憶部123に記憶される制御設定値181を削除したりする。
【0048】
処理実行部144は、設定部143により設定された制御設定値181に基づいて、車載デバイス102を制御する所定の制御処理を実行する。
【0049】
制御部111は、また、基本制御部131の他に、季節情報取得部161、ユーザ情報取得部162、およびユーザ状態判定部163の機能ブロックを有することができる。
【0050】
季節情報取得部161は、例えば記憶部123やRAM113に記憶される図示せぬ時刻情報から、現在の季節を示す季節情報を取得し、それをユーザ状態判定部163に供給する。ユーザ情報取得部162は、例えば記憶部123に記憶される、予め登録されたユーザに関する情報であるユーザ情報182を取得し、それをユーザ状態判定部163に供給する。
【0051】
ユーザ状態判定部163は、例えばマスク検出部153によりマスクが検出された場合、季節情報取得部161により取得された現在の季節を示す季節情報や、ユーザ情報取得部162により取得されたユーザ情報182に基づいて、ユーザ状態を判定する。例えば、ユーザ状態判定部163は、マスクをしたユーザが風邪をひいているのか、花粉症であるのか等を判定する。設定部143は、このユーザ状態判定部163による判定結果に基づいて車載デバイス102を制御する所定の制御処理の設定を行う(制御設定値181を生成、更新、または削除する)。
【0052】
制御部111は、さらに、基本制御部131の他に、問いかけ取得部171および問いかけ判定部172の機能ブロックを有することができる。
【0053】
問いかけ取得部171は、例えば記憶部123に記憶される、ユーザに対して行う問いかけの1日当たりの制限回数を示す問いかけ回数183を取得し、それをユーザ状態判定部163に供給する。問いかけ判定部172は、ユーザに対する問いかけを、問いかけ回数183に規定される所定の回数行ったか否かを判定する。
【0054】
設定部143は、この問いかけ判定部172による判定結果に基づいて車載デバイス102を制御する所定の制御処理の設定を行う(制御設定値181を生成、更新、または削除する)。
【0055】
ROM112は、書き換え不可能な記憶領域を有し、例えば工場出荷時等に書き込まれたソフトウェアプログラムやデータを記憶する。RAM113は、書き換え可能な記憶領域を有し、実行中のソフトウェアプログラムや、処理中のデータを一時的に保持する。
【0056】
入力部121は、例えば、ボタン、スイッチ、タッチパッド、マイクロホン等の、ユーザ操作や情報を受け付ける各種入力デバイスを有する。入力部121は、ユーザ操作や音声等の情報を受け付けると、その情報を制御部111に供給する。
【0057】
出力部122は、例えばスピーカ、LED(Light Emitting Diode)、モニタ、または出力端子等の出力デバイスを有する。出力部122は、制御部111より供給される出力用の情報(例えば、データ、音声、または画像等)を、適切な出力デバイスを用いて出力する(音声出力や画像表示を含む)。
【0058】
記憶部123は、例えばフラッシュメモリやハードディスク等のような、書き換え可能な不揮発性の記憶領域を有する。記憶部123は、例えば、車載デバイス102の制御用の設定値である制御設定値181、予め登録されたユーザに関する情報であるユーザ情報182、および、ユーザに対して行われる問いかけの1日当たりの制限回数を示す問いかけ回数183を記憶し、それらの情報を、必要に応じて適宜、制御部111に供給する。
【0059】
通信部124は、例えばモデム等の、所定の規格の通信インタフェースを有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)を含む任意のネットワークを介しての、有線または無線の通信処理を行う。
【0060】
撮像部125は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ等の所定の撮像素子を有し、被写体を撮像し、得られた画像データを制御部111に供給する。
【0061】
車載デバイス102は、車両に搭載される設備、すなわち、制御部111によって制御される装置を示す。車載デバイス102には、ナビゲーション装置191、防眩装置192、照明装置193、走行補助装置194、警告装置195、換気装置196、空気清浄機197、およびエアコンディショナ198が含まれる。
【0062】
ナビゲーション装置191は、例えば、目的地までの経路案内、現在地通知、または周辺情報紹介等、画像や音声等で運転者に各種情報の提供を行う。ナビゲーション装置191は、制御部111により、提供する情報の内容、情報提供の方法およびタイミング、画面の明るさ、並びに音声入力の感度等が制御される。
【0063】
防眩装置192は、外部環境やユーザ指示等に基づいてルームミラー(rearview mirror)の反射率やフロントガラス(windshield)の透過率を低減させる。例えば、状況に応じて反射率を自動的に調整する自動防眩機能を有するルームミラーや、状況に応じて透過率を自動的に調整する自動防眩機能を有するフロントガラスにより構成される。この自動防眩機能は、例えば、イメージセンサ等により光源と運転者の位置関係を把握し、所定の明るさ以上の光が運転者の目に照射されるような場合、反射率や透過率を低減させることにより運転者に照射される光の量を低減させ、運転者の視界を確保する機能である。防眩装置192は、制御部111により、例えば、ルームミラーの反射率やフロントガラスの透過率の調整が行われる(自動防眩機能が作動する)条件(例えば明るさ)の閾値や、その反射率や透過率の調整量が制御される。
【0064】
照明装置193は、例えば、前照灯(headlight)、車幅灯(position lamp)、霧灯(fog lamp)、AFS(Adaptive Front Lighting System)ランプ、後退灯(backup lamp)、室内灯(room lamp)、およびインスツルメンタルパネルの照明等の各種照明により構成される。照明装置193は、制御部111により、例えば、各種照明の明るさ調整が制御される。また、例えば、照明装置193の、照度センサにより検出される周囲の明るさに応じて点灯および消灯が制御されるオートライト機能を備える照明については、制御部111により、点灯と消灯との切り替え制御が行われる明るさ設定等が制御される。
【0065】
走行補助装置194は、車両の走行制御を補助する装置であり、例えば、設定した速度で車両を自動走行させるACC(Auto Cruise Control)により構成される。走行補助装置194は、制御部111により、例えば、ACCによる他の車両との車間距離を確保する機能の、車間距離設定等が制御される。
【0066】
警告装置195は、不適切な操作等や危険な状態等に対して運転者等に警告を行う装置である。警告装置195は、制御部111により、警告の方法や度合い等が制御される。
【0067】
換気装置196は、車室内の空気を車外に排出して外気を取り入れたり、車室内で空気を循環させたりする装置である。換気装置196は、制御部111により、例えば、換気の方法等が制御される。
【0068】
空気清浄機197は、空気中の微粒子の除去や脱臭等を行う装置である。空気清浄機197は、制御部111により、例えば、空気の清浄度合い等が制御される。
【0069】
エアコンディショナ198は、温風や冷風を出力して車室内の気温調整を行ったり、車室内の空気の湿度調整を行ったりする装置である。エアコンディショナ198は、制御部111により、例えば、目標温度設定等が制御される。
【0070】
図2は、撮像部125の設置例を説明する図である。図2に示されるように、撮像部125は、例えば、車両制御装置101が搭載される車両のステアリングホイール201に、そのステアリングホイール201を操作するユーザ(例えば車両の運転者)の顔付近を撮像可能な姿勢で設置される。
【0071】
もちろん、例えば助手席付近や後部座席付近等、撮像部125がこれ以外の位置に設置されるようにしても良い。例えば、撮像部125が助手席や後部座席に位置するユーザを撮像することができるようにしてもよい。また、撮像部125が複数のカメラ等により構成されるようにし、複数の位置においてユーザを撮像するようにしてもよい。
【0072】
次に、この車両制御装置101により実行される、車載デバイス102の制御を行う車両制御処理の流れについて説明する。最初に、付帯品検出部142が、ユーザが装着するサングラスの検出を行い、その検出結果に基づいて制御を行う場合の車両制御処理の流れの例を、図3のフローチャートを参照して説明する。
【0073】
車両制御処理が開始されると、撮像制御部141は、ステップS101において、撮像部125を制御し、ユーザである運転者を撮像させ、その運転者の画像(例えば運転者の顔付近の画像)を取得する。ステップS102において、付帯品検出部142のサングラス検出部151は、運転者の画像を解析し、画像内に存在するサングラスの検出を行う。ステップS103において、サングラス検出部151は、その検出結果に基づいて、運転者がサングラスを装着しているか否か(若しくは、運転者がサングラスを携帯しているか否か)を判定する。
【0074】
画像内においてサングラスが検出され、運転者がサングラスを装着していると判定された場合、処理はステップS104に進む。ステップS104において、設定部143は、ナビゲーション装置191のナビゲーション画面を明るくするように、制御設定値181に含まれる、ナビゲーション装置191のモニタの明るさ設定値を更新する。
【0075】
また、ステップS105において、設定部143は、照明装置193であるインスツルメンタルパネルの照明を明るくするように、制御設定値181に含まれる、照明装置193のインスツルメンタルパネルの照明の明るさ設定値を更新する。
【0076】
さらに、ステップS106において、設定部143は、防眩装置192であるルームミラーの自動防眩機能が作動しにくくなるように、制御設定値181に含まれる、自動防眩機能の作動条件(例えば明るさ等)の閾値を更新する。
【0077】
また、ステップS107において、設定部143は、照明装置193のオートライト機能が作動し易くなるように、制御設定値181に含まれる、オートライト機能の作動条件(例えば明るさ等)の閾値を更新する。
【0078】
さらに、ステップS108において、設定部143は、照明装置193の各種照明を明るくするように、制御設定値181に含まれる、照明装置193の各種照明の明るさ設定値を更新する。
【0079】
また、ステップS109において、設定部143は、防眩装置192であるフロントガラスの自動防眩機能であるオートサンバイザ機能(自動日除け機能)が作動しにくくなるように、制御設定値181に含まれる、オートサンバイザ機能の作動条件(例えば明るさ等)の閾値を更新する。
【0080】
さらに、ステップS110において、設定部143は、防眩装置192であるフロントガラスの自動防眩機能であるオートサンバイザ機能(自動日除け機能)の透過率が高くなるように、制御設定値181に含まれる、オートサンバイザ機能の透過率設定(調整量)を更新する。
【0081】
ユーザ(運転者)がサングラスを装着している場合、ユーザがサングラスを装着していない場合よりも、ユーザの視界が暗くなる。したがって、設定部143は、上述したように、車載デバイス102の各種設定のうちユーザの視界の明るさに関係する設定について、サングラスの装着の影響を低減させるように制御設定値181を更新する。つまり、設定部143は、車載デバイス102の設定を、実際よりも暗い状態に合わせて最適化する。
【0082】
ステップS110の処理が終了すると、処理はステップS111に進む。また、ステップS103において、運転者がサングラスを装着していないと判定された場合、処理はステップS111に進む。
【0083】
ステップS111において、処理実行部144は、更新された制御設定値181に基づいて(更新された設定値を反映させるように)、車載デバイス102の、少なくとも設定値を更新したデバイスの制御処理を実行する。
【0084】
ステップS111の処理が終了すると、車両制御処理が終了する。ユーザが車両に搭乗中、以上のような車両制御処理が適宜実行される。
【0085】
このような車両制御を実行することにより、車両制御装置101は、ユーザの付帯品に応じて、よりユーザの状態に適した制御を行うことができる。
【0086】
なお、以上においては、ユーザの付帯品の例としてサングラスの場合について説明したが、付帯品は任意であり、これ以外であっても良い。例えば、眼鏡、レンズが有色のカラーコンタクトレンズ、または、日除け用の網やカラーフィルム等、ユーザ(運転者)の視界の明るさに影響を与えるような付帯品であれば、車両制御装置101は、上述したサングラスの場合と同様に車載デバイス102を制御することができる。
【0087】
ところで、上述したサングラスの場合、一般的に、装着時の方が未装着時よりもユーザの視界が暗くなるが、逆に、装着時の方が未装着時よりもユーザの視界が明るくなる付帯品の場合、設定部143は、車載デバイス102の設定を実際よりも明るい状態に合わせて最適化するように、図3のフローチャートを参照して説明したような制御を実行すればよい。
【0088】
次に、付帯品検出部142が、ユーザが装着する眼帯の検出を行い、その検出結果に基づいて制御を行う場合の車両制御処理の流れの例を、図4のフローチャートを参照して説明する。
【0089】
車両制御処理が開始されると、撮像制御部141は、ステップS131において、撮像部125を制御し、ユーザである運転者を撮像させ、その運転者の画像(例えば運転者の顔付近の画像)を取得する。ステップS132において、付帯品検出部142の眼帯検出部152は、運転者の画像を解析し、画像内に存在する眼帯の検出を行う。ステップS133において、眼帯検出部152は、その検出結果に基づいて、運転者が眼帯を装着しているか否か(若しくは、運転者が眼帯を携帯しているか否か)を判定する。
【0090】
画像内において眼帯が検出され、運転者が眼帯を装着していると判定された場合、処理はステップS134に進む。ステップS134において、設定部143は、ナビゲーション装置191がユーザ(運転者)に対して休憩提案を通常より早くするように、制御設定値181に含まれる、ナビゲーション装置191の案内用設定値を更新する。
【0091】
眼帯を装着している場合、ユーザの視界は通常よりも遮られており、一般的に眼の疲労度が激しくなる。そこで制御部111は、運転者が、眼帯を装着していない通常の場合よりも多く休憩をとり、眼の疲労度を頻繁に緩和させ、安全運転を行うことができるように、ナビゲーション装置191が運転者に対して休憩を取るように通常よりも頻繁に促すように制御する。このようにすることにより、この案内に従って運転者が通常よりも多く休憩をとることが期待される。
【0092】
また、ステップS135において、設定部143は、車間距離を通常より広く維持するように、制御設定値181に含まれる、走行補助装置194であるACCの車間距離設定を更新する。
【0093】
ACC利用時であっても、例えば危険な場合などには、運転者が減速や回避等の操作を行わなければならない。しかしながら、眼帯を装着している場合、ユーザの視界は通常よりも遮られており、一般的に、距離感の感覚が鈍る等、眼帯を装着していない通常の場合よりも操作能力が低下する恐れがある。そこで制御部111は、運転者が安全運転を行う事ができるように、眼帯を装着していない通常の場合よりも車間距離を広く確保するように制御する。このようにすることにより、運転者が余裕を持って減速や回避操作を行うことができることが期待される。
【0094】
さらに、ステップS136において、設定部143は、例えばナビゲーション装置191が車間距離を運転者に提示するように、制御設定値181の設定を更新する。一般的に眼帯を装着している場合、眼帯を装着していない通常の場合よりも操作能力が低下する恐れがある。そこで制御部111は、運転者が安全運転を行うことができるように、車間距離を提示させるように制御する。このようにすることにより、運転者が車間距離を意識して車間距離を十分に確保することが期待される。
【0095】
また、ステップS137において、設定部143は、警告装置195が警告の際に、警告灯や案内表示の他に、音声による警告も併せて行うように、制御設定値181に含まれる、警告方法の設定を更新する。一般的に、眼帯を装着している場合、ユーザの視界は通常よりも遮られており、ユーザは、視覚による警告に気づきにくくなる。そこで制御部111は、ユーザがより容易に警告を把握することができるように、音声による警告も併せて行うように制御する。
【0096】
以上のように、設定部143は、車載デバイス102の各種設定のうちユーザの視覚に関係する設定について、眼帯の装着の安全運転(操作)に対する影響をより低減させるように制御設定値181を更新する。つまり、設定部143は、車載デバイス102の設定を、安全運転をより重視するように最適化する。
【0097】
ステップS137の処理が終了すると、処理はステップS138に進む。また、ステップS133において、運転者が眼帯を装着していないと判定された場合、処理はステップS138に進む。
【0098】
ステップS138において、処理実行部144は、更新された制御設定値181に基づいて(更新された設定値を反映させるように)、車載デバイス102の、少なくとも設定値を更新したデバイスの制御処理を実行する。
【0099】
ステップS138の処理が終了すると、車両制御処理が終了する。運転者が車両に搭乗中、以上のような車両制御処理が適宜実行される。
【0100】
このような車両制御を実行することにより、車両制御装置101は、ユーザの付帯品に応じて、よりユーザの状態に適した制御を行うことができる。
【0101】
なお、以上においては、ユーザの付帯品の例として眼帯の場合について説明したが、付帯品は任意であり、これ以外であっても良い。例えば、つば付きの帽子やお面等、ユーザ(運転者)の視界の広さに影響を与えるような付帯品であれば、車両制御装置101は、上述した眼帯の場合と同様に車載デバイス102を制御することができる。
【0102】
次に、付帯品検出部142が、ユーザが装着するマスクの検出を行い、その検出結果に基づいて制御を行う場合の車両制御処理の流れの例を、図5のフローチャートを参照して説明する。
【0103】
車両制御処理が開始されると、撮像制御部141は、ステップS151において、撮像部125を制御し、ユーザである運転者を撮像させ、その運転者の画像(例えば運転者の顔付近の画像)を取得する。ステップS152において、付帯品検出部142のマスク検出部153は、運転者の画像を解析し、画像内に存在するマスクの検出を行う。ステップS153において、マスク検出部153は、その検出結果に基づいて、運転者がマスクを装着しているか否か(若しくは、運転者がマスクを携帯しているか否か)を判定する。
【0104】
画像内においてマスクが検出され、運転者がマスクを装着していると判定された場合、処理はステップS154に進む。ステップS154において、設定部143は、警告装置195が行う香りによる警告(香り警告)を他の方法による警告に変更するか、若しくは、香りを強くするように、制御設定値181に含まれる、警告の設定を更新する。
【0105】
一般的に、マスクを装着している場合、ユーザの鼻がマスクで覆われるため、ユーザの香りに対する感度は、マスクを装着していない通常の場合よりも鈍くなる。そこで制御部111は、運転者が、警告を容易に把握する事ができるように、警告の際の香りを強くするか、若しくは、他の方法で警告が行われるように制御する。
【0106】
また、ステップS155において、設定部143は、ナビゲーション装置191が受け付けるユーザ指示の入力方法を音声入力から他の方法に変更するか、若しくは、音声入力の感度を上げるように、制御設定値181に含まれる、ナビゲーション装置191のユーザ指示入力の方法に関する設定を更新する。
【0107】
一般的に、マスクを装着している場合、ユーザの口がマスクで覆われるため、マスクを装着していない通常の場合に比べて、声量が小さくなったり、声質が変化したりする恐れがある。したがって、ナビゲーション装置191がユーザ指示を音声入力により受け付ける場合、ユーザがマスクを装着していると、ユーザ指示を正しく受け付けにくくなる恐れがある。そこで制御部111は、ナビゲーション装置191がユーザ指示をより正確に受け付ける事ができるように、制御設定値181に含まれる、ナビゲーション装置191のユーザ指示入力の受付方法を変更するか、若しくは、音声入力に使用されるマイク(音声センサ)の感度を上げるように制御する。
【0108】
ステップS155の処理が終了すると、季節情報取得部161は、現在の季節(時期や日時)を示す季節情報を取得し、ユーザ情報取得部162は、記憶部123に記憶されているユーザ情報182に含まれる、運転者の持病を示す持病情報を取得する。
【0109】
ステップS156において、運転者の持病情報および季節情報が取得されると、ユーザ状態判定部163は、それらの情報に基づいて、運転者の健康状態を判定する。
【0110】
ステップS157において、ユーザ状態判定部163は、ステップS156の判定結果に基づいて、運転者が花粉症を発症しているか否かを判定する。例えば、運転者の持病に、現在の季節に対応する花粉症が含まれるとき、ユーザ状態判定部163は、運転者がマスクをする原因が花粉症の発症であると判定する。運転者が花粉症を発症していると判定された場合、処理はステップS158に進む。
【0111】
ステップS158において、設定部143は、換気装置196が換気モードを、外気を遮断して内気を室内で循環させる内気循環にするように、制御設定値181に含まれる空調設定を更新する。外気を取り入れると花粉が車室内に入り込む恐れがあるので、制御部111は、外気を遮断することにより、運転者の花粉症の症状を極力悪化させないように、換気装置196の動作モードを内気循環にする。
【0112】
また、ステップS159において、設定部143は、空気清浄機197の清浄度合いを高くするように、制御設定値181に含まれる清浄度設定を更新する。これにより、制御部111は、車室内の空気から花粉をより除去することができ、運転者の花粉症の症状の悪化を抑制することができる。
【0113】
ステップS159の処理が終了すると、問いかけ取得部171は、記憶部123に記憶されている問いかけ回数183を取得する。
【0114】
ステップS160において、問いかけ判定部172は、その問いかけ回数183に基づいて、本日、現在までに行われた問いかけの回数が、問いかけ回数183により設定されている所定の値以内であるか否かを判定する。所定の値以内であると判定された場合、処理はステップS161に進む。
【0115】
ステップS161において、設定部143は、例えば、「今日の状態はいかがですか?」、「お大事に」、または「○○の薬が効きますよ」等の運転者への任意の問いかけを、ナビゲーション装置191が、問いかけ回数183に設定された所定回数行うように、制御設定値181に含まれる問いかけの設定を更新する。このような問いかけにより、車両制御装置101が自分の体調を考慮した制御を行ってくれているという、安心感を運転者に与えることができる。また、運転者自身、自分の体調を意識することができ、体調に合わせて安全運転を行うようになることが期待できる。
【0116】
ステップS161の処理が終了すると、処理はステップS167に進む。また、ステップS160において、問いかけ回数が所定値を超えたと判定された場合、処理は、ステップS167に進む。つまり、問いかけは1日当たり所定回数しか行われない。限度を超えて執拗に問いかけを行うと、逆に運転者を不快にさせる恐れがある。設定部143は、問いかけの回数を所定回数以下に制限することにより、運転者を不快にさせないようにすることができる。
【0117】
また、ステップS157において、例えば、運転者の持病に現在の季節に対応する花粉症が含まれておらず、運転者が花粉症を発症していないと判定された場合、処理はステップS162に進む。ステップS162において、ユーザ状態判定部163は、ステップS156の判定結果に基づいて、運転者が風邪をひいているか否かを判定する。運転者が風邪をひいていると判定された場合、処理はステップS163に進む。
【0118】
ステップS163において、設定部143は、エアコンディショナ198が、車室内の室温を、運転者が風邪をひいていない健康な状態であるときよりも高くするように、制御設定値181に含まれるエアコンディショナ198の目標温度設定を更新する。つまり、設定部143は、エアコンディショナ198の目標温度設定を、運転者が健康であるときよりも高くする。
【0119】
これにより、エアコンディショナ198が、運転者の体調に合わせて温度調整を行うことができるようになり、例えば冷房の効きすぎ等で運転者の体調を悪化させることを抑制することができる。
【0120】
ステップS164において、設定部143は、例えばナビゲーション装置191の目的地設定時に、運転者が風邪をひいていないときよりも、ユーザが病院や薬局等の医療関係施設を目的地として探索し、設定し易くするように、制御設定値181に含まれるナビゲーション装置191の設定を更新する。一般的に、運転者が風邪をひいている場合、運転者は、車両を運転して病院や薬局などの医療関係施設に向かう可能性が、運転者が健康な状態のときよりも高い。そこで、例えば、ナビゲーション装置191の目的地設定用のGUIにおいて、現在地の最寄りの病院を示すアイコンが地図画像上に優先的に表示されたり、「最寄りの病院を検索する」等の、病院探索専用のGUIボタンが生成されて表示されたりするようにすることにより、制御部111は、ナビゲーション装置191の操作性を向上させることができる。
【0121】
ステップS165において、問いかけ判定部172は、その問いかけ回数183に基づいて、本日、現在までに行われた問いかけの回数が、問いかけ回数183により設定されている所定の値以内であるか否かを判定する。所定の値以内であると判定された場合、処理はステップS166に進む。
【0122】
ステップS166において、設定部143は、例えば、「今日の状態はいかがですか?」、「お大事に」、または「○○の薬が効きますよ」等の運転者への任意の問いかけを、ナビゲーション装置191が、問いかけ回数183に設定された所定回数行うように、制御設定値181に含まれる問いかけの設定を更新する。このような問いかけにより、車両制御装置101が自分の体調を考慮した制御を行ってくれているという、安心感を運転者に与えることができる。また、運転者自身、自分の体調を意識することができ、体調に合わせて安全運転を行うようになることが期待できる。
【0123】
ステップS166の処理が終了すると、処理はステップS167に進む。また、ステップS165において、問いかけ回数が所定値を超えたと判定された場合、処理は、ステップS167に進む。つまり、運転者を不快にさせないように、問いかけは1日当たり所定回数しか行われないようになされている。
【0124】
また、ステップS153において運転者がマスクをしていないと判定された場合、若しくは、ステップS162において運転者が風邪をひいていないと判定された場合、処理はステップS167に進む。
【0125】
ステップS167において、処理実行部144は、更新された制御設定値181に基づいて(更新された設定値を反映させるように)、車載デバイス102の、少なくとも設定値を更新したデバイスの制御処理を実行する。
【0126】
ステップS167の処理が終了すると、車両制御処理が終了する。運転者が車両に搭乗中、以上のような車両制御処理が適宜実行される。
【0127】
このような車両制御を実行することにより、車両制御装置101は、ユーザの付帯品に応じて、よりユーザの状態に適した制御を行うことができる。
【0128】
なお、以上においては、ユーザの付帯品の例としてマスクの場合について説明したが、付帯品は任意であり、これ以外であっても良い。例えば、お面やマフラー等、ユーザ(運転者)の口や鼻が覆われてしまうような付帯品であれば、車両制御装置101は、上述したマスクの場合と同様に車載デバイス102を制御することができる。
【0129】
以上においては、サングラスの検出、眼帯の検出、およびマスクの検出等、各付帯品について個別に検出を行うように説明したが、これに限らず、撮像により得られたユーザの画像に対して、サングラス、眼帯、およびマスク等、複数種類の付帯品の検出を行うようにしてもよい。この場合、検出された付帯品に応じて、上述したような制御が適宜実行される。このようにすることにより、車両制御装置101は、どのような付帯品が存在するかを識別し、その識別結果に応じて、車載デバイス102の制御を適切に行うことができる。
【0130】
なお、以上においては、ユーザの付帯品に応じて制御設定を行うように説明したが、これに限らず、車両制御装置101が、ユーザの付帯品の変化を検出し、その変化に応じて車載デバイス102の制御設定を更新するようにしてもよい。
【0131】
図6は、本発明を適用した車両制御システムの他の構成例を示すブロック図である。
【0132】
図6において、車両制御システム300は、図1の車両制御システム100と同様に、車両制御装置301が車載デバイス102を制御するシステムである。車両制御装置301は、図1の車両制御装置101に対応し、基本的に車両制御装置101と同様の構成を有し、同様の機能を実現する。ただし、車両制御装置301は、車両制御装置101の制御部111の代わりに制御部311を有する。
【0133】
図6に示されるように、制御部311は、プログラムを実行する等して所定の機能を実現し、入力部121乃至撮像部125を制御し、車載デバイス102の制御を行う。制御部311は、機能ブロックとして、例えば、撮像制御部141、画像解析部321、変化判定部322、設定部143、および処理実行部144を有する。
【0134】
画像解析部321は、撮像制御部141の制御により得られたユーザの画像(例えばユーザの顔付近の画像)を解析する。変化判定部322は、その解析結果に基づいて、ユーザの見かけの変化の検出を行い、その有無を判定する。例えば、ユーザの画像において、ユーザが装着する付帯品が、予め登録されたユーザの画像におけるユーザの付帯品と異なる場合、変化判定部322は、付帯品が変化したと判定する。
【0135】
このような、図6の車両制御装置301により実行される車両制御処理の流れの例を、図7のフローチャートを参照して説明する。
【0136】
車両制御処理が開始されると、撮像制御部141は、ステップS301において、撮像部125を制御し、ユーザである運転者を撮像させ、その運転者の画像(例えば運転者の顔付近の画像)を取得する。ステップS302において、画像解析部321は、その運転者の画像を解析し、被写体であるユーザの変化の検出を行う。ステップS303において、変化判定部322は、その検出結果に基づいて、運転者の画像において、被写体である運転者に見かけの変化が存在するか否かを判定する。
【0137】
見かけの変化が存在しないと判定された場合、処理はステップS304に進む。ステップS304において、設定部143は、制御設定値181に対して、変化が無いことに基づく設定の更新を行う。ステップS304の処理が終了すると、処理はステップS313に進む。
【0138】
また、ステップS303において、見かけの変化があると判定された場合、処理はステップS305に進む。ステップS305において、変化判定部322は、運転者の画像において、被写体である運転者の身体の部分の変化があるか否かを判定する。変化があると判定された場合、処理は、ステップS306に進む。ステップS306において、設定部143は、制御設定値181に対して、身体の部分変化に基づく設定の更新を行う。
【0139】
ステップS306の処理が終了すると、処理はステップS307に進む。また、ステップS305において、身体の部分の変化が存在しないと判定された場合、ステップS306の処理が省略され、処理はステップS307に進む。
【0140】
ステップS307において、変化判定部322は、運転者の画像において、被写体である運転者の付帯物がいつもと同じであるか否かを判定する。いつもと同じと判定された場合、処理は、ステップS308に進む。ステップS308において、設定部143は、制御設定値181に対して、通常の付帯物に基づく設定の更新を行う。ステップS308の処理が終了すると、処理はステップS313に進む。
【0141】
また、ステップS307において、付帯物がいつもと異なると判定された場合、処理はステップS309に進む。
【0142】
ステップS309において、変化判定部322は、運転者の画像において、被写体である運転者の付帯物としていつも無い物あるか否かを判定する。運転者がいつも装着していない付帯物があると判定された場合、処理は、ステップS310に進む。ステップS310において、設定部143は、制御設定値181に対して、付帯物が多いことに基づく設定の更新を行う。
【0143】
ステップS310の処理が終了すると、処理はステップS311に進む。また、ステップS309において、いつもない付帯物がないと判定された場合、処理はステップS311に進む。
【0144】
ステップS311において、変化判定部322は、運転者の画像において、被写体である運転者の付帯物としていつもあるものが無いか否かを判定する。運転者がいつも装着している付帯物がないと判定された場合、処理は、ステップS312に進む。ステップS312において、設定部143は、制御設定値181に対して、付帯物が少ないことに基づく設定の更新を行う。
【0145】
ステップS312の処理が終了すると、処理はステップS313に進む。また、ステップS311において、いつもある付帯物があると判定された場合、処理はステップS313に進む。
【0146】
ステップS313において、処理実行部144は、更新された制御設定値181に基づいて(更新された設定値を反映させるように)、車載デバイス102の、少なくとも設定値を更新したデバイスの制御処理を実行する。
【0147】
ステップS314において、制御部311は、車両制御処理を終了するか否かを判定し、終了しないと判定された場合、ステップS301に戻り、それ以降の処理が繰り替えされる。また、ステップS314において、車両制御処理が終了されると判定された場合、車両制御処理が終了される。
【0148】
このような車両制御を実行することにより、車両制御装置301は、ユーザの付帯品等の変化に応じて制御設定値181を更新することができ、よりユーザの状態に適した制御を行うことができる。
【0149】
なお、以上においては、車両または車両に搭載されたデバイスの設定が更新される場合について説明したが、これに限らず、車両以外の装置に搭載されるデバイスの設定が更新されるようにしてもよい。つまり、本発明は、任意の装置を操作するユーザの付帯品の検出結果に基づいて、その装置を制御する制御装置に適用することができる。
【0150】
上述した一連の処理は、ハードウエアにより実行させることもできるし、ソフトウエアにより実行させることもできる。この場合、例えば、図8に示されるようなパーソナルコンピュータとして構成されるようにしてもよい。
【0151】
図8において、パーソナルコンピュータ400のCPU401は、ROM402に記憶されているプログラム、または記憶部413からRAM403にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM403にはまた、CPU401が各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶される。
【0152】
CPU401、ROM402、およびRAM403は、バス404を介して相互に接続されている。このバス404にはまた、入出力インタフェース410も接続されている。
【0153】
入出力インタフェース410には、キーボード、マウスなどよりなる入力部411、CRT(Cathode Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)などよりなるディスプレイ、並びにスピーカなどよりなる出力部412、ハードディスクなどより構成される記憶部413、モデムなどより構成される通信部414が接続されている。通信部414は、インターネットを含むネットワークを介しての通信処理を行う。
【0154】
入出力インタフェース410にはまた、必要に応じてドライブ415が接続され、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどのリムーバブルメディア421が適宜装着され、それらから読み出されたコンピュータプログラムが、必要に応じて記憶部413にインストールされる。
【0155】
上述した一連の処理をソフトウエアにより実行させる場合には、そのソフトウエアを構成するプログラムが、ネットワークや記録媒体からインストールされる。
【0156】
この記録媒体は、例えば、図8に示されるように、装置本体とは別に、ユーザにプログラムを配信するために配布される、プログラムが記録されている磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROM(Compact Disc - Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disc)を含む)、光磁気ディスク(MD(Mini Disc)を含む)、もしくは半導体メモリなどよりなるリムーバブルメディア421により構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに配信される、プログラムが記録されているROM402や、記憶部413に含まれるハードディスクなどで構成される。
【0157】
なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。
【0158】
また、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0159】
また、本明細書において、システムとは、複数のデバイス(装置)により構成される装置全体を表わすものである。
【0160】
また、以上において、1つの装置(または処理部)として説明した構成を分割し、複数の装置(または処理部)として構成するようにしてもよい。逆に、以上において複数の装置(または処理部)として説明した構成をまとめて1つの装置(または処理部)として構成されるようにしてもよい。また、各装置(または各処理部)の構成に上述した以外の構成を付加するようにしてももちろんよい。さらに、システム全体としての構成や動作が実質的に同じであれば、ある装置(または処理部)の構成の一部を他の装置(または他の処理部)の構成に含めるようにしてもよい。つまり、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0161】
100 車両制御システム
101 車両制御装置
102 車載デバイス
111 制御部
131 基本制御部
141 撮像制御部
142 付帯品検出部
143 設定部
144 処理実行部
163 ユーザ状態判定部
172 問いかけ判定部
181 制御設定値
300 車両制御システム
301 車両制御装置
321 画像解析部
322 変化判定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の装置のユーザを撮像する撮像手段と、
前記撮像手段による撮像により得られた前記ユーザの画像内に存在する付帯品を検出する検出手段と、
前記検出手段より検出された前記付帯品に応じて、前記装置の制御用の設定を行う設定手段と、
前記設定手段により設定された設定値を用いて前記装置を制御する制御手段と
を備える制御装置。
【請求項2】
前記設定手段は、前記検出手段により前記ユーザの画像に存在するサングラスが検出された場合、前記設定を実際よりも暗い状態に合わせて最適化する
請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記設定手段は、ナビゲーション画面の表示を明るくするように前記設定を行う
請求項2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記設定手段は、インスツルメンタルパネルの照明を明るくするように前記設定を行う
請求項2に記載の制御装置。
【請求項5】
前記設定手段は、自動防眩機能が作動しにくくなるように作動条件の閾値の前記設定を行う
請求項2に記載の制御装置。
【請求項6】
前記設定手段は、オートライト機能が作動し易くなるように作動条件の閾値の前記設定を行う
請求項2に記載の制御装置。
【請求項7】
前記設定手段は、各種照明が明るくなるように前記設定を変更する
請求項2に記載の制御装置。
【請求項8】
前記設定手段は、オートサンバイザ機能が作動しにくくなるように作動条件の閾値の前記設定を行う
請求項2に記載の制御装置。
【請求項9】
前記制御手段は、サンバイザの透過率を高くするように前記設定を変更する
請求項2に記載の制御装置。
【請求項10】
前記設定手段は、前記検出手段により前記ユーザの画像に存在する眼帯が検出された場合、操作に対する影響をより低減させるように前記装置の制御用の設定を行う
請求項2に記載の制御装置。
【請求項11】
前記設定手段は、前記ユーザに対してより多く休憩を提案するように前記設定を行う
請求項10に記載の制御装置。
【請求項12】
前記設定手段は、前記装置と他の装置との間隔を広くとるように前記設定を行う
請求項10に記載の制御装置。
【請求項13】
前記設定手段は、前記装置と他の装置との間隔を示す情報を出力するように前記設定を行う
請求項10に記載の制御装置。
【請求項14】
前記設定手段は、警告灯による警告に併せて、音声による警告を行う
請求項10に記載の制御装置。
【請求項15】
前記設定手段は、前記検出手段により前記ユーザの画像に存在するマスクが検出された場合、操作に対する影響をより低減させるように前記装置の制御用の設定を行う
請求項1に記載の制御装置。
【請求項16】
前記設定手段は、香りによる警告を他の方法による警告に変更するか、若しくは、香りを強くするように前記設定を行う
請求項15に記載の制御装置。
【請求項17】
前記設定手段は、指示入力方法を音声入力以外の方法に変更するか、若しくは、音声入力のセンサの感度を向上させるように前記設定を行う
請求項15に記載の制御装置。
【請求項18】
前記ユーザの状態を判定するユーザ状態判定手段をさらに備える
請求項16に記載の制御装置。
【請求項19】
前記ユーザ状態判定手段により前記ユーザが花粉症であると判定された場合、
前記設定手段は、換気設定を内気循環にする
請求項16に記載の制御装置。
【請求項20】
前記ユーザ状態判定手段により前記ユーザが花粉症であると判定された場合、
前記設定手段は、空気清浄機の清浄度合いを高くするように設定を行う
請求項16に記載の制御装置。
【請求項21】
前記ユーザ状態判定手段により前記ユーザが風邪であると判定された場合、
前記設定手段は、エアコンディショナの目標温度設定を高くするように設定を行う
請求項16に記載の制御装置。
【請求項22】
制御装置の制御方法であって、
前記制御装置の撮像手段は、所定の装置のユーザを撮像し、
前記制御装置の検出手段は、撮像により得られた前記ユーザの画像内に存在する付帯品を検出し、
前記制御装置の設定手段は、検出された前記付帯品に応じて、前記装置の制御用の設定を行い、
前記制御装置の制御手段は、設定された設定値を用いて前記装置を制御する
制御方法。
【請求項23】
コンピュータを、
所定の装置のユーザを撮像する撮像手段と、
前記撮像手段による撮像により得られた前記ユーザの画像内に存在する付帯品を検出する検出手段と、
前記検出手段より検出された前記付帯品に応じて、前記装置の制御用の設定を行う設定手段と、
前記設定手段により設定された設定値を用いて前記装置を制御する制御手段
として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−208540(P2010−208540A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−57944(P2009−57944)
【出願日】平成21年3月11日(2009.3.11)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】