制御装置および認証方法
【課題】生体情報モニタに含まれる各測定器の間での測定対象の患者の同一性を認証できる制御装置を提供する。
【解決手段】血圧計20、体温計30、およびパルスオキシメータ40に接続された制御装置であって、制御装置は、これら測定器から無線で測定値の入力を受付けるための入力部101〜103と、入力された測定値から、各測定器での被測定者の同一性を認証するために用いる生体情報として脈拍数を取得するための取得部110と、各測定器から得られた脈拍数を比較することで、各測定器での被測定者の同一性を認証するための認証部104と、認証結果に応じた情報を出力する処理を実行するための処理部106、107とを備える。
【解決手段】血圧計20、体温計30、およびパルスオキシメータ40に接続された制御装置であって、制御装置は、これら測定器から無線で測定値の入力を受付けるための入力部101〜103と、入力された測定値から、各測定器での被測定者の同一性を認証するために用いる生体情報として脈拍数を取得するための取得部110と、各測定器から得られた脈拍数を比較することで、各測定器での被測定者の同一性を認証するための認証部104と、認証結果に応じた情報を出力する処理を実行するための処理部106、107とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は制御装置および認証方法に関し、特に、生体情報モニタに含まれる各測定器を制御するための制御装置および該制御装置における認証方法に関する。
【背景技術】
【0002】
院内で使用する生体情報モニタとして、各種生体情報を測定するためのそれぞれの測定器が1つの筐体に同梱された一体型が一般に用いられている。この生体情報モニタは、それぞれの測定器が上記1つの筐体から離れて患者の各測定部位に装着される。
【0003】
それぞれの測定器と筐体とはケーブルで接続される場合もあるが、ユーザビリティ向上の観点よりケーブルレスとされることが多くなっている。
【0004】
ケーブルレスとされることで、それぞれの測定器は筐体から完全に独立して用いられることになるため、上記筐体に収められるセットとされている測定器の一部が他のセットに含まれる測定器と入れ替わってしまう可能性も出てくることとなった。測定器の一部が他のセットに含まれる測定器と入れ替わってしまうことで、本来、一組の測定器は対応した患者に用いられるものとして各測定結果が関連付けられて管理されるところ、一部の測定結果が他の患者の測定結果となってしまうということがあり得る。そのため、一組の測定器のそれぞれの装置間で、測定対象の患者の同一性を確認することが必要となる。
【0005】
この課題を解決するために、一般的には、各機器に患者に関連付けたバーコードを貼付し、当該バーコードをそれぞれの装置で読み取ることで確認する方法や、測定器ごとに患者の指紋や手の平の静脈など生体情報を用いて同一性を認証する方法が考えられる。また、たとえば特表2005−534378号公報(以下、特許文献1)や特表2008−518708号公報(以下、特許文献2)は、各測定器が脈拍パターンなどの生体情報を用いて個人を特定する方法を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特表2005−534378号公報
【特許文献2】特表2008−518708号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、各測定器でバーコードや指紋など生体情報を用いて認証する方法では、測定器ごとにバーコードリーダや生体情報認証装置を搭載しておく必要があり、装置の大型化、コストの上昇などの問題がある。また、測定器ごとに測定前に読み取る操作が必要となり、操作が煩雑になる、という問題もある。
【0008】
また、特許文献1、2に開示されている方法では、予め患者の生体情報を測定器ごとに登録しておく必要がある、という問題がある。
【0009】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであって、特別な操作を必要とせずに、高精度で、生体情報モニタに含まれる各測定器の間での測定対象の患者の同一性を認証できる制御装置および当該制御装置における認証方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明のある局面に従うと、制御装置は生体情報を測定するための第1の測定装置および第2の測定装置それぞれでの測定対象の生体の同一性を認証するための制御装置であって、第1の測定装置における第1の測定値の入力を受付けるための第1の入力手段と、第2の測定装置における第2の測定値の入力を受付けるための第2の入力手段と、第1の測定値と第2の測定値とを用いて測定対象の生体の同一性を認証するための演算手段とを備える。演算手段は、第1の測定値と第2の測定値とから、認証に用いるための生体情報を取得するための取得手段と、第1の測定値から取得された生体情報で表わされる生体値と第2の測定値から取得された生体情報で表わされる生体値とを比較することで、測定対象の生体の同一性を認証するための認証手段と、認証手段での認証結果に応じた情報を出力するための出力手段とを含む。
【0011】
好ましくは、第1の測定値から取得された生体情報で表わされる生体値と第2の測定値から取得された生体情報で表わされる生体値とは脈拍数である。
【0012】
好ましくは、認証手段は、同一の生体から得られる生体値のばらつきの範囲を予め記憶しておき、第1の測定値から取得された生体情報で表わされる生体値と第2の測定値から取得された生体情報で表わされる生体値とが上記ばらつきの範囲内にあるときに、第1の測定値と第2の測定値とが同一の生体から測定された測定値であるとして測定対象の生体の同一性を認証する。
【0013】
好ましくは、出力手段は、認証が成功であった場合、第1の測定値と第2の測定値とを関連付けて出力する。
【0014】
より好ましくは、第1の入力手段は、第1の測定値と共に当該第1の測定値の測定対象の生体の識別情報の入力を受け付け、出力手段は、認証が成功であった場合、第1の測定値と第2の測定値とを関連付け、さらに、これらを測定対象の生体の識別情報と対応付けて出力する。
【0015】
好ましくは、出力手段は、認証が不成功であった場合、その旨を報知する情報を出力する。
【0016】
好ましくは、出力手段は、認証が成功であった場合、第1の測定装置および第2の測定装置に対して、生体情報を測定する測定動作を実行させるためのコマンドを出力する。
【0017】
好ましくは、第1の測定装置および第2の測定装置は、それぞれ、血圧、体温、および血中酸素濃度のいずれかであって、それぞれ異なる生体情報を測定するものであり、第1の測定装置および第2の測定装置は、さらに、当該生体情報に加えて、演算手段で同一性を認証する処理に用いられる生体情報を測定し、それらを含めて、それぞれ、第1の測定値および第2の測定値とする。
【0018】
本発明の他の局面に従うと、認証方法は生体情報を測定するための第1の測定装置および第2の測定装置それぞれでの測定対象の生体の同一性を認証するための認証方法であって、第1の測定装置から入力された第1の測定値と、第2の測定装置から入力された第2の測定値とから、認証に用いるための生体情報を取得するステップと、第1の測定値から取得された生体情報で表わされる生体値と第2の測定値から取得された生体情報で表わされる生体値とを比較することで、測定対象の生体の同一性を認証するステップと、認証するステップでの認証結果に応じた情報を出力するステップとを備える。認証するステップは、予め記憶されている、同一の生体から得られる生体値のばらつきの範囲内に、第1の測定値から取得された生体情報で表わされる生体値と第2の測定値から取得された生体情報で表わされる生体値とがあるときに、第1の測定値と第2の測定値とが同一の生体から測定された測定値であるとして測定対象の生体の同一性を認証する。
【発明の効果】
【0019】
この発明によると、特別な操作を必要とせずに、高精度で、生体情報モニタに含まれる各測定器の間での測定対象の患者の同一性を認証できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】実施の形態にかかる生体情報モニタの構成の具体例を示す図である。
【図2】生体情報モニタに含まれる血圧計の装置構成の具体例を示すブロック図である。
【図3】生体情報モニタに含まれる体温計の装置構成の具体例を示すブロック図である。
【図4】生体情報モニタに含まれるパルスオキシメータの装置構成の具体例を示すブロック図である。
【図5】生体情報モニタに含まれる制御装置の装置構成の具体例を示すブロック図である。
【図6】第1の実施の形態にかかる生体情報モニタでの動作概要を表わした図である。
【図7】第1の実施の形態にかかる制御装置の機能構成の具体例を示すブロック図である。
【図8】第1の実施の形態にかかる制御装置での動作を表わすフローチャートである。
【図9】制御装置での画面例を表わす図である。
【図10】制御装置での画面例を表わす図である。
【図11】制御装置での画面例を表わす図である。
【図12】第2の実施の形態にかかる生体情報モニタ1での動作概要を表わした図である。
【図13】第2の実施の形態にかかる制御装置の機能構成の具体例を示すブロック図である。
【図14】第2の実施の形態にかかる制御装置での動作を表わすフローチャートである。
【図15】変形例にかかる生体情報モニタの構成の具体例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。
【0022】
<システム構成>
図1は、本実施の形態にかかる生体情報を管理するためのシステムの構成の具体例を示す図である。図1に示されるシステムは、以降の説明において「生体情報モニタ」とも称される。
【0023】
図1を参照して、本実施の形態にかかる生体情報モニタ1は、生体情報を測定するための測定器としての血圧計20、体温計30、およびパルスオキシメータ40と、これらと電気的に接続された制御装置10とを含む。生体情報モニタ1には、少なくとも2つの測定器が含まれる。含まれる測定器はこれら測定器に限定されず、これらに替えて他の測定器が含まれていてもよいし、これら測定器に加えて他の測定器が含まれてもよい。
【0024】
2つ以上含まれる測定器のうちのいずれか1つには、バーコードを読み取って得られたデータを出力するためのバーコードリーダ60が接続される。本例では、血圧計20に接続されているものとする。
【0025】
制御装置10と、測定器としての血圧計20、体温計30、およびパルスオキシメータ40とは、互いに通信可能に接続されている。この通信は特定の通信に限定されないが、好ましくは無線通信である。たとえば、電波を利用したRFID(Radio Frequency IDentification)などの無線通信や、赤外線を利用したBluetooth(登録商標)などの無線通信や、無線LAN(Local Area Network)を利用した無線通信や、ZigbeeやANTなどの規格による無線通信などが該当する。また、人体を介した通信(いわゆる人体通信)であってもよい。
【0026】
生体情報モニタ1に含まれる制御装置10は、さらに、処理装置2と電気的に接続されている。処理装置2は一般的なパーソナルコンピュータなどで構成される装置であって、たとえば電子カルテなどの、被測定者から得られた測定値を管理するための管理アプリケーション2Aが搭載されている。
【0027】
生体情報モニタ1に含まれる制御装置10と処理装置2との通信は、特定の通信に限定されず、専用回線を介した通信であってもよいし、LANやインターネットなどのネットワークを介した通信であってもよいし、制御装置10と測定器との間の通信と同様に無線通信であってもよい。
【0028】
図1では、1つの処理装置2に対して1組の生体情報モニタ1が接続されている例が示されているが、1つの処理装置2に対して複数組の生体情報モニタ1が接続されていてもよい。
【0029】
制御装置10は、一般的なパーソナルコンピュータなどの装置で構成される。制御装置10は無線通信を介して血圧計20、体温計30、およびパルスオキシメータ40のそれぞれから測定値を受信し、それを用いた処理を行なう。そして、処理後の情報を処理装置2に対して送信する。また、表示部13(図5参照)を備えて、処理後の情報を表示する。
【0030】
バーコードリーダ60は印刷されたバーコードを光学的に読み取り、接続された血圧計20に対して読み取られた情報を送信する。その前提として、被測定者には、それぞれ、着衣や身体の一部に装着された装置や体表などに当該被測定者を識別する情報を表わしたバーコードが印刷されている。この識別する情報を以降、「患者ID」と称する。バーコードリーダ60が当該バーコードを読み取ることで、患者IDが生体情報モニタ1に入力される。
【0031】
以降の説明では、生体情報モニタ1への患者IDの入力は、患者IDを表わしたバーコードをバーコードリーダ60で読み取ることによって行なわれるものとしている。しかしながら、生体情報モニタ1への患者IDの入力はこの方法に限定されない。他の例として、測定器の1つがキーボードなどの入力装置に接続され、当該入力装置で患者IDを入力することで入力されてもよいし、記憶媒体に患者IDが記憶されていて、バーコードリーダ60に替えて当該記憶媒体から読み取るための読取装置で患者IDを読み取ることで入力されてもよい。たとえば、被測定者が携帯した、または被測定者の体内に埋め込まれた、通信機能を有したチップに患者IDが記憶されており、当該チップと通信を行なう装置を用いて患者IDを入力してもよい。
【0032】
<装置構成>
図2は、血圧計20の装置構成の具体例を示すブロック図である。
【0033】
血圧計20は、通常の血圧計と同様の構成を有する。詳しくは図2を参照して、血圧計20は、全体を制御するためのCPU(Central Processing Unit)21と、CPU21で実行されるプログラムや測定値を記憶するためのメモリ22と、測定動作を実行するための測定部23と、バーコードリーダ60と通信を行なうための第1通信部24と、制御装置10と上述の無線通信を行なうための第2通信部25とを含む。
【0034】
血圧計20は、空気袋(カフ)を包含した図示しない測定帯に接続される。この測定帯が被測定者の上腕や手首などの測定部位に巻き回されることで、測定部位の皮下の動脈の圧力変化が空気袋に伝播する。測定部23は空気袋の内圧を測定するための圧力センサ23Aと図示しない空気袋の内圧調整機構とを含み、空気袋の内圧を規定されたパターンで調整する過程で圧力センサ23Aで得られた空気袋の内圧変化に基づいて、被測定者の血圧を測定する。また、その際に、測定部23は空気袋の内圧変化に基づいて、被測定者の脈拍数を測定する。
【0035】
図3は、体温計30の装置構成の具体例を示すブロック図である。
体温計30は、概ね、通常の電子体温計と同様の構成を有する。詳しくは図3を参照して、体温計30は、全体を制御するためのCPU31と、CPU31で実行されるプログラムや測定値を記憶するためのメモリ32と、体温を測定するため体温測定部33と、脈拍数を測定するため脈拍数測定部34と、制御装置10と上述の無線通信を行なうための通信部35とを含む。
【0036】
体温測定部33は、筐体表面から熱が伝達される位置に設けられた、サーミスタ等の温度センサ33Aを含む。体温計30のプルーブ部と言われる細長形状の測定部分が被測定者の腋下や舌下、直腸などの測定部位に挟みこまれるなどして接触することで、筐体表面から熱が伝達され、その熱に応じて温度センサ33Aの抵抗値が変化する。体温測定部33は、温度センサ33Aの抵抗値に基づいて、被測定者の体温を測定する。
【0037】
脈拍数測定部34は、たとえば血圧計20で脈拍数を測定するための構成と同様の構成を有する。一例として、脈拍数測定部34は図示しない空気袋に接続され、この空気袋が被測定者の上腕や手首などの皮膚から動脈までの距離が短い位置に固定されることで、当該部位の皮下の動脈の圧力変化が空気袋に伝播する。脈拍数測定部34は空気袋の内圧を測定するための圧力センサ34Aを含み、圧力センサ34Aで得られた空気袋の内圧変化に基づいて、被測定者の脈拍数を測定する。
【0038】
図4は、パルスオキシメータ40の装置構成の具体例を示すブロック図である。
パルスオキシメータ40は、通常のパルスオキシメータと同様の構成を有する。詳しくは図4を参照して、パルスオキシメータ40は、全体を制御するためのCPU41と、CPU41で実行されるプログラムや測定値を記憶するためのメモリ42と、測定動作を実行するため測定部43と、制御装置10と上述の無線通信を行なうための通信部45とを含む。
【0039】
測定部43は、受光素子などである光センサ43Aを含む。図示しない発光素子から、赤色光と赤外光とを指先や耳たぶなどの測定部位に対して照射させ、光センサ43Aで当該測定部位を透過、または反射した光を受光する。血液中のヘモグロビンは酸素との結合の有無により赤色光と赤外光との吸光度が異なるので、測定部43は、光センサ43Aの受光量に基づいて血中酸素濃度を測定する。また、その際に、測定部43は、光センサ43Aの受光量の変化に基づいて、被測定者の脈拍数を測定する。
【0040】
図5は、制御装置10の装置構成の具体例を示すブロック図である。
制御装置10は、上述のように、一般的なパーソナルコンピュータと概ね同様の構成を有する。詳しくは図5を参照して、制御装置10は、全体を制御するためのCPU11と、CPU11で実行されるプログラムやCPU11での演算で用いるための情報や受信した測定値などを記憶するためのメモリ12と、表示部13と、血圧計20と上述の無線通信を行なうための第1通信部14と、体温計30と上述の無線通信を行なうための第2通信部15と、パルスオキシメータ40と上述の無線通信を行なうための第3通信部16と、処理装置2と通信するための第4通信部17とを含む。
【0041】
[第1の実施の形態]
<動作概要>
生体情報モニタ1は、被測定者ごとに、または複数の被測定者で用いられる。すなわち、含まれる2以上の測定器のそれぞれで被測定者の生体情報を測定する。このとき、各測定器では、当該測定器での測定対象とする生体情報と、制御装置10での認証に用いられる生体情報とが測定される。各測定器からは当該測定器での測定対象とする生体情報と制御装置10での認証に用いられる生体情報とが関連付けられて制御装置10に対して無線で送信され、制御装置10で認証処理が行なわれる。その結果、認証成功であった場合には、制御装置10にて各測定器での測定対象とする生体情報が関連付けられ、処理装置2に対して送信される。
【0042】
なお、第1の実施の形態の説明では、制御装置10での認証に用いられる生体情報として脈拍数を用いるものとしている。しかしながら、制御装置10での認証に用いられる生体情報は脈拍数に限定されず、個体を識別し得る範囲で個体ごとに値の異なる生体情報であれば、他の情報であってもよい。他の情報として、たとえば脈波や心電パターン(R−R間隔)や体温やインピーダンスなどを用いることができる。
【0043】
図6は、第1の実施の形態にかかる生体情報モニタ1での動作概要を表わした図である。
【0044】
図6を参照して、動作が開始すると、ステップS01でバーコードリーダ60で患者IDを読み取り、その情報を血圧計20に送る。ステップS03で血圧計20を用いて、当該血圧計20での測定対象の生体情報としての、被測定者の血圧を測定する。また、ステップS05で当該血圧計20を用いて、制御装置10での認証用の生体情報としての、当該被測定者の脈拍数を測定する。血圧計20は得られた患者ID、血圧値、および脈拍数を関連付けて、ステップS07で制御装置10に対して送信する。血圧値および脈拍数は一つのデータとして送信されてもよい。
【0045】
ステップS09で体温計30を用いて、当該体温計30での測定対象の生体情報としての、被測定者の体温を測定する。また、ステップS11で当該体温計30を用いて、制御装置10での認証用の生体情報としての、当該被測定者の脈拍数を測定する。体温計30は得られた体温と脈拍数とを関連付けて、ステップS13で制御装置10に対して送信する。
【0046】
ステップS15でパルスオキシメータ40を用いて、当該パルスオキシメータ40での測定対象の生体情報としての、被測定者の血中酸素濃度を測定する。また、ステップS17で当該パルスオキシメータ40を用いて、制御装置10での認証用の生体情報としての、当該被測定者の脈拍数を測定する。パルスオキシメータ40は得られた血中酸素濃度と脈拍数とを関連付けて、ステップS19で制御装置10に対して送信する。血中酸素濃度および脈拍数は一つのデータとして送信されてもよい。
【0047】
なお、これら測定器を用いた測定の順は図6に表わされた順には限定されない。
ステップS21で制御装置10は、各測定器から送信された情報を用いて認証処理を行なう。すなわち、制御装置10は、各測定器から送信された、当該測定器で制御装置10での認証用の生体情報として測定された脈拍数を比較し、これらが同一の被測定者から得られたものであるか否かを判断することで、各測定器で当該測定器で測定対象の生体情報として測定されることで得られた測定値が、同一の被測定者から得られたものであることを認証する。
【0048】
ステップS21での認証が成功である場合、つまり、これら脈拍数が同一の被測定者から得られた脈拍数であると認証された場合、ステップS23で制御装置10は、各測定器から送信された、当該測定器での測定対象としての生体情報である測定値のそれぞれを関連付ける。そして、ステップS25で、これら一群の関連付けられた測定値を患者IDと対応付けて、処理装置2に対して送信する。また、ステップS27で、これら一群の関連付けられた測定値を患者IDで特定される被測定者の測定値として表示部13で表示する。
【0049】
処理装置2では、搭載されている管理アプリケーション2Aの実行に従って、受信した測定値に対する管理処理を実行する(ステップS29)。たとえば、関連付けられている患者IDに対応した被測定者の電子カルテに測定値を書き込む処理、などが該当する。
【0050】
<機能構成>
測定器としての血圧計20、体温計30、およびパルスオキシメータ40の機能構成は、通常の測定のための機能構成と概ね同様である。すなわち、測定器としての血圧計20、体温計30、およびパルスオキシメータ40は、次のような動作を行なうための機能を有している。
【0051】
図示しない操作スイッチなどから測定開始を指示する操作信号の入力を受付けることでCPUがメモリに記憶されているプログラムを読み出すことで測定部において測定動作が行なわれる。その際、当該生体情報モニタ1に含まれる各測定器では、メモリに記憶されているプログラムに従って、当該測定器での測定対象とする生体情報に併せて、制御装置10での認証用の生体情報(この例では脈拍数)が測定される。CPUは、この動作によって得られた当該測定器での測定対象とする生体情報である測定値と制御装置10での認証用の生体情報である測定値とを関連付けてメモリに記憶する。そして、予め規定されているタイミングや、所定の指示操作を検知したことに応じて、CPUは、関連付けられた測定値を制御装置10に対して送信する。
【0052】
図7は、第1の実施の形態にかかる制御装置10の機能構成の具体例を示すブロック図である。図7に示される各機能は、制御装置10のCPU11がメモリ12に記憶されているプログラムを読み出して実行することで、主にCPU11に形成されるものである。しかしながら、少なくとも一部が電気回路などのハードウェア構成によって形成されてもよい。
【0053】
図7を参照して、第1の実施の形態にかかる制御装置10は、血圧計20から送信される情報の入力を第1通信部14を介して受付けるための第1入力部101と、体温計30から送信される情報の入力を第2通信部15を介して受付けるための第2入力部102と、パルスオキシメータ40から送信される情報の入力を第3通信部16を介して受付けるための第3入力部103と、各測定器から入力された情報から、制御装置10での認証用の測定値である脈拍数と、当該測定器での測定対象の生体情報である測定値とを取得するための取得部110と、各測定器から入力された制御装置10での認証用の測定値を用いて認証を行なうための認証部104と、認証結果に応じて各測定器から入力された当該測定器での測定対象である生体情報である測定値を関連付ける処理を行なうための処理部105と、関連付けられた測定値を患者IDで特定される被測定者の測定値として表示部13に表示する処理を実行するための表示処理部106と、関連付けられた測定値を患者IDと対応付けて第4通信部17を介して処理装置2に対して送信する処理を実行するための送信処理部107とを含む。
【0054】
認証部104は、制御装置10での認証に用いる生体情報としての脈拍数の、同一の被測定者から得られたと判断し得る基準としてのばらつきのしきい値(たとえば±5bpm等)を予め記憶しておく。そして、各測定器から入力された脈拍数を比較し、これらの値が、しきい値として予め記憶しているばらつきの範囲内にある場合には、各測定器で測定された脈拍数が同一の被測定者から測定された脈拍数である、つまり、各測定器における被測定者の同一性を認証する。
【0055】
処理部105は、認証部104において上のように認証成功であった場合、これら脈拍数と関連付けて各測定器から入力された当該測定器での測定対象の生体情報である測定値(血圧値、体温、および血中酸素濃度)が、いずれも、脈拍数が測定された被測定者と同一の被測定者から得られたものであるとして、血圧値、体温、および血中酸素濃度を関連付ける処理を行なう。関連付ける処理の一例として、メモリ12に予め患者IDに応じた記憶領域を設けておき、関連付けられた測定値を、当該記憶領域に、同じ測定タイミングを表わすようにして記憶させる処理が挙げられる。他の処理として、各測定値に血圧計20から送信された患者IDを付加する処理が挙げられる。
【0056】
一方、認証部104において認証が不成功であった場合、つまり、脈拍数が一つでも上記ばらつき範囲外にあった場合、処理部105は、これら脈拍数と関連付けて各測定器から入力された当該測定器での測定対象の生体情報である測定値(血圧値、体温、および血中酸素濃度)が同一の被測定者から測定されたものでないとして、これら測定値を関連付ける処理を行なわない。この場合、表示処理部106においてエラーや警告を表示部13に表示するための処理が行なわれてもよい。また、この処理と共に、表示部13に測定値を表示する処理が行なわれてもよい。また、表示部13での表示に替えて(または加えて)、スピーカや振動機構を有する場合には、警告音や警告を報知するバイブレーションなどで同一の被測定者から測定されたものでないことを報知するようにしてもよい。
【0057】
なお、好ましくは、各測定器は時計機能を有し、測定動作を行なった際に測定時を特定する情報を取得して、測定値と共に制御装置10に対して送信する。認証部104は、測定時が所定の時間内にある認証用の測定値を用いて上述の認証を行なう。たとえば脈拍数などの生体情報は、運動や食事、投薬などのイベントの発生や時間帯、心理状態などによって変化が大きくなる場合もある。そのため、所定の時間内(たとえば15分以内)などの測定値を用いて認証を行なうことで、認証精度を向上させることができる。
【0058】
なお、この場合、認証部104は、認証用の測定値が上記所定の時間内に測定されたものでないと判断された場合には認証不成功として、エラーや警告を出力するようにしてもよい。
【0059】
<動作フロー>
図8は、第1の実施の形態にかかる制御装置10での動作を表わすフローチャートである。図8のフローチャートに表わされた動作は、制御装置10のCPU11がメモリ12に記憶されているプログラムを読み出して実行し、図7に示される各機能を発揮させることによって実現される。また、図9〜図11は、制御装置10での動作に伴って表示部13に表示される画面例を表わす図である。
【0060】
図8を参照して、CPU11は各測定器からの測定値の入力を待機する。
このとき、メモリ12に先に測定値と共に入力した患者IDが記憶されている場合、次も当該患者IDに対応付けられた測定値が入力されるものとして、CPU11は、図9に示されるような、先に測定値と共に入力した患者ID(000012)に対応した各測定値がまだ入力されていないことを表わした画面(未測定)を表示するようにしてもよい。
【0061】
各測定器から測定値を受信したことを検知すると(ステップS101でYES)、ステップS102でCPU11は、入力された測定値から認証用の測定値を取得する。そして、CPU11は認証用の測定値を用いて認証処理を行なう。すなわち、CPU11は各測定器で測定された脈拍数を比較して、これらが予め記憶している所定のばらつきの範囲内であるか否かを判断することで、同一の被測定者から得られた測定値であるか否かを判断する。
【0062】
認証の結果、各測定器から入力された脈拍数がいずれも予め規定されたばらつきの範囲内であった場合には(ステップS103でYES)、CPU11は、各測定器での測定値が同一の被測定者から得られた測定値である、つまり、各測定器の被測定者の同一性を認証して、ステップS105でこれら測定器から入力された血圧値、体温、および血中酸素濃度を関連付けるための処理を実行する。ここでは、一例として、予め患者IDに対応してメモリ12に用意されている記憶領域に、これら測定値を格納する処理が該当する。また他の処理として、各測定値に、血圧計20から入力された患者IDを付加する処理であってもよい。
【0063】
ステップS107でCPU11は、関連付けした測定値を、患者IDに対応した被測定者の測定値として表示部13に表示させる。図10は、認証成功の場合の画面の具体例を表わしており、血圧値に関連付けて入力された患者ID(000012)と、血圧値、体温、および血中酸素濃度(SpO2)とが関連付けられて、一つの画面で表示されている。
【0064】
なお、好ましくは、CPU11は当該画面において、脈拍数も表示する。この脈拍数は、いずれかの測定器から入力された脈拍数であってもよいし、各測定器から入力された脈拍数の平均値など複数の測定器からの脈拍数の値を処理して得られるものであってもよい。
【0065】
さらに、メモリ12に予め患者IDと被測定者を特定する情報(たとえば名前)との対応が記憶されている場合、CPU11は、患者IDに対応した被測定者を特定する情報と共に測定値を表示させてもよい。
【0066】
そして、ステップS109でCPU11は、関連付けた測定値を患者IDと対応付けて処理装置2に対して送信する。
【0067】
一方、上記認証が不成功であった場合、すなわち、各測定器から入力された脈拍数のうちの一つでも上記予め記憶している所定のばらつきの範囲内にない場合には(ステップS103でNO)、CPU11は、各測定器から入力された測定値の中に同一の被測定者から得られたものでない測定値が含まれているとして、ステップS111でCPU11は、その旨を表わすエラーまたは警告を表示部13に表示させる。図11は、認証不成功の場合の画面の具体例を表わしており、各測定器からの脈拍数が一致していないことを示したメッセージが表示されている。
【0068】
認証が不成功の場合としては、たとえば血圧計20、体温計30、およびパルスオキシメータ40のうちのいずれかが、他の測定器と異なる被測定者の生体情報を測定するのに用いられた場合が挙げられる。この場合、制御装置10に入力される測定値は同一の被測定者から得られたものではない。
【0069】
他の場合として、この生体情報モニタ1が複数の存在してそれぞれ異なる被測定者に対して用いられている場合であって、第1の被測定者の測定に用いた測定器から第2の被測定者に対して用いる生体情報モニタ1の制御装置10に取り違えて測定値を送信した場合が挙げられる。特に、制御装置10と各測定器とは無線通信を行なうものであるため、他の生体情報モニタに含まれる制御装置に対して測定値を送信する、という取り違えが起こり得る。そこで、図11の画面には、さらに、測定器の取り違えが発生していないか、つまり、制御装置10と同じ生体情報モニタに含まれる測定器から測定値が送信されたか、を確認するためのメッセージが表示されている。
【0070】
なお、この表示に併せて、各測定値から入力された血圧値、体温、および血中酸素濃度(SpO2)を、血圧値に関連付けて入力された患者ID(000012)と共に表示するようにしてもよい。このようにすることで、エラーであっても、測定値を確認することが可能となる。
【0071】
<第1の実施の形態の効果>
第1の実施の形態にかかる生体情報モニタ1においてこのような動作が行なわれることで、生体情報モニタ1に含まれる複数の測定器がそれぞれ制御装置10から独立して用いられて生体情報の測定を行なってその結果を制御装置10に対して送信する場合に、各測定器からの測定値を同一の被測定者から測定された測定値として認証し、関連付けることができる。
【0072】
このとき、各測定器で測定された認証用の測定値を利用して認証を行なうことで、各測定器で被測定者の識別情報(患者ID)を読み取る構成や読み取る操作を不要として、高精度で認証することができる。
【0073】
[第2の実施の形態]
<動作概要>
第2の実施の形態では、制御装置10が各測定器での測定動作を制御する。すなわち、第2の実施の形態にかかる生体情報モニタ1では、測定開始にあたって、各測定器は少なくとも認証用の生体情報である測定値を測定し、制御装置10に対して送信する。制御装置10においてこれらの測定値を用いて各測定器での被測定者の同一性の認証が成功した場合、制御装置10は各測定器に対して当該測定器での測定対象である生体情報の測定の開始を指示する。
【0074】
なお、第2の実施の形態の説明でも、制御装置10での認証に用いられる生体情報として脈拍数を用いるものとしている。しかしながら、制御装置10での認証に用いられる生体情報は脈拍数に限定されず、個体を識別し得る範囲で個体ごとに値の異なる生体情報であれば、脈波や心電パターン(R−R間隔)や体温やインピーダンスなどの他の情報であってもよい。
【0075】
図12は、第2の実施の形態にかかる生体情報モニタ1での動作概要を表わした図である。
【0076】
図12を参照して、動作が開始すると、ステップS31でバーコードリーダ60で患者IDを読み取り、その情報を血圧計20に送る。ステップS33で血圧計20を用いて、制御装置10での認証用の生体情報としての、当該被測定者の脈拍数を測定する。血圧計20は得られた患者IDおよび脈拍数を関連付けて、ステップS35で制御装置10に対して送信する。
【0077】
ステップS37で体温計30を用いて、制御装置10での認証用の生体情報としての、当該被測定者の脈拍数を測定する。体温計30は得られた脈拍数をステップS39で制御装置10に対して送信する。
【0078】
ステップS41でパルスオキシメータ40を用いて、制御装置10での認証用の生体情報としての、当該被測定者の脈拍数を測定する。パルスオキシメータ40は得られた脈拍数をステップS43で制御装置10に対して送信する。
【0079】
なお、このとき、上記ステップS33、S37、S41で脈拍数の測定と共に、当該測定器の測定対象である生体情報が測定されて、脈拍数と共に制御装置10に送信されてもよい。
【0080】
ステップS45で制御装置10は、各測定器から送信された脈拍数を比較し、これらが同一の被測定者から得られたものであるか否かを判断することで、各測定器の被測定者の同一性を認証する。ここでの認証は、第1の実施の形態にかかる制御装置10での認証と同様である。
【0081】
ステップS45での認証が成功の場合、ステップS47で制御装置10は各測定器に対して、当該測定器の測定対象とする生体情報の測定を指示するためのコマンド(制御信号)を送信する。
【0082】
制御装置10からのコマンドに従って、各測定器では、当該測定器での測定対象とする生体情報を測定する動作が実行され(ステップS49、S51、S53)、ステップS55で得られた測定値が各測定器から制御装置10に対して送信される。
【0083】
ステップS57で制御装置10は、各測定器から送信された測定値のそれぞれを関連付ける、そして、ステップS59で、これら一群の関連付けられた測定値を先に脈拍数と共に血圧計20から送信された患者IDと対応付けて処理装置2に対して送信する。また、ステップS61でこれら一群の関連付けられた測定値を患者IDで特定される被測定者の測定値として表示部13で表示する。
【0084】
処理装置2では、搭載されている管理アプリケーション2Aの実行に従って、受信した測定値に対する管理処理を実行する(ステップS63)。
【0085】
<機能構成>
測定器としての血圧計20、体温計30、およびパルスオキシメータ40の機能構成は、第1の実施の形態にかかる生体情報モニタ1と同様に、通常の測定の機能構成と概ね同様である。しかしながら、第2の実施の形態にかかる生体情報モニタ1では、各測定器が制御装置10からのコマンドを受付けて、そのコマンドに従って当該測定器での測定対象である生体情報を測定する動作を開始する機能を有する点が異なる。
【0086】
図13は、第2の実施の形態にかかる制御装置10の機能構成の具体例を示すブロック図である。図13に示される各機能は、制御装置10のCPU11がメモリ12に記憶されているプログラムを読み出して実行することで、主にCPU11に形成されるものである。しかしながら、少なくとも一部が電気回路などのハードウェア構成によって形成されてもよい。
【0087】
図13を参照して、第2の実施の形態にかかる制御装置10は、図7に示された第1の実施の形態にかかる制御装置10の機能に加えて、各測定器に対して測定を指示するコマンド(制御信号)を出力し、各測定器での測定動作を制御するための制御部109を含む。制御部109は、認証部104での認証が成功である場合には上記コマンドを各測定器に対して出力し、認証が不成功であった場合には出力しない。
【0088】
<動作フロー>
図14は、第2の実施の形態にかかる制御装置10での動作を表わすフローチャートである。図14のフローチャートに表わされた動作は、制御装置10のCPU11がメモリ12に記憶されているプログラムを読み出して実行し、図13に示される各機能を発揮させることによって実現される。
【0089】
図14に示される第2の実施の形態にかかる制御装置10の動作は、図8に示された第1の実施の形態にかかる制御装置10の動作と比較すると、ステップS103とステップS105との動作の間に、各測定器に対してコマンドを出力して各測定器から測定値の入力を受付ける動作が加わる点が異なる。
【0090】
詳しくは、図14を参照して、第2の実施の形態にかかる制御装置10では、各測定器から入力された脈拍数を比較してこれらが予め規定された所定の範囲内にあると認証された場合(ステップS103でYES)、ステップS201でCPU11は、各測定器に対して当該測定器で測定対象とする生体情報の測定動作の開始を指示するコマンドを送信する。そして、各測定器からの測定値の入力を待機する。
【0091】
上記コマンドに従って動作した各測定器から測定値の入力を受付けると(ステップS203でYES)、ステップS105でCPU11は、これら測定器から入力された血圧値、体温、および血中酸素濃度を関連付けるための処理を実行する。
【0092】
以降、第1の実施の形態にかかる制御装置10と同様の処理が実行される。
<第2の実施の形態の効果>
第2の実施の形態にかかる生体情報モニタ1においてこのような動作が行なわれることで、当該生体情報モニタ1では、含まれる各測定器の被測定者の同一性が認証された後に、各測定器での測定動作が開始される。これによって、たとえば、連続して短い時間間隔で各測定器で測定を行なう場合になどにおいて、認証の成功をトリガとして当該連続的な測定動作を開始させることが可能となる。このようにすることで、1回の測定ごとに認証を行なう必要がなく、このような連続的な測定の場合に処理を容易にすることができる。
【0093】
なお、図12に示された動作概要では、血圧計20での脈拍数の測定(ステップS33)、体温計30での脈拍数の測定(ステップS37)、およびパルスオキシメータ40での脈拍数の測定(ステップS41)が、この順で時系列的に行なわれる例が示されている。これらの測定順が図12に示された順であることは言うまでもなく、同時に行なわれてもよい。
【0094】
同時に行なわれた場合には、制御装置10はステップS45の認証処理において、少なくとも1つの脈拍数が上記予め規定されたばらつきの範囲内にない場合には認証不成功として、各測定器に対してコマンドを送信しない。そのため、この場合には、各測定器での測定が開始されない。
【0095】
図12のように、脈拍数の測定が時系列的に順に行われた場合、制御装置10は、図12、図14に示されたように、すべての測定器からの脈拍数の入力を受付けた後に認証処理を行なってもよいし、2つの測定器からの脈拍数の入力を受付けた時点で、当該2つの脈拍数を用いて認証処理を始めてもよい。
【0096】
後者の場合、たとえば図12の例で説明すると、血圧計20からの脈拍数の入力、および体温計30からの脈拍数の入力を受付けた時点で、これら脈拍数を比較し、上記予め規定されたばらつきの範囲内であるか否かを判断する。その後、脈拍数の入力を受付けるたびに認証処理を行なう。このとき、先の認証処理によって脈拍数が規定以上にばらついていると判断された場合、つまり、認証不成功であった場合、その後の認証処理を不要とすることができる。すなわち、図12の例で説明すると、血圧計20からの脈拍数の入力、および体温計30からの脈拍数の入力を受付けた時点でのこれら脈拍数を用いた認証が不成功であった場合、次のパルスオキシメータ40からの脈拍数の入力を待たずに認証不成功とすることができ、その時点で、各測定器にコマンドを送信しない、つまり、これら測定器を用いて測定動作を行なわない、ということを決定することができる。このように認証処理を行なうことで認証処理に要する時間を短縮することができ、認証結果をすばやく報知することができる。
【0097】
[変形例1]
生体情報モニタ1と処理装置2との用いられ方として、生体情報モニタ1が被測定者の自宅に備えられ、処理装置2が医療機関に備えられ、制御装置10と処理装置2とがたとえばインターネットなどで通信可能に構成され、医療機関において処理装置2を用いて、制御装置10のメモリ12に記憶された被測定者の測定値を読み込む、という使い方が想定される。これは、自宅にて被測定者が日々の生体情報を測定し、遠方にある医療機関でその測定値を用いて遠隔判断を行なう、などの場合に該当する。
【0098】
この場合、一例として、処理装置2からは患者IDを含む送信要求を制御装置10に対して送信し、当該要求を受け取った制御装置10が、当該患者IDに対応した、関連付けられている一群の測定値を処理装置2に対して送信する、ということで上記使い方が実現される。
【0099】
ところで、他の例として、(医療機関に備えられた)処理装置2に測定器70が接続され、医療機関を訪れた被測定者が測定器70を用いて測定すると共に、処理装置2で、制御装置10のメモリ12に記憶された測定値を読み込む場合も想定される。測定器70は、たとえば血圧計、体温計、またはパルスオキシメータなどのどのような測定器であってもよいし、これらすべてであってもよい。このときに上述のように患者IDによって測定値を要求するとなると、被測定者や医師等は患者IDを処理装置2に対して入力する操作が必要となる。そこで、変形例として、上述の認証処理を利用して容易に制御装置10から処理装置2に測定値を送信する例について説明する。
【0100】
制御装置10での各測定器での被測定者が同一であるか否かの上述の認証を第1の認証とすると、変形例にかかる制御装置10は上記第1の認証に加えて、処理装置2に送信する際に第2の認証を行なう。第2の認証の処理は、第1の認証の処理と同様である。
【0101】
図15は、変形例にかかる生体情報モニタ1の構成の具体例を示す図である。図15を参照して、変形例においては、処理装置2に測定器70が接続され、測定器70から当該測定器70での測定値が処理装置2に対して送信される。測定器70は、たとえば血圧計、体温計、またはパルスオキシメータなどのどのような測定器であってもよいし、これらすべてであってもよい。この測定器70も生体情報モニタ1に含まれる測定器と同様の、認証用の生体情報を測定する機能、つまり、上の例では脈拍数を測定する機能を有する。
【0102】
処理装置2は制御装置10に対して測定値の送信を要求する際に、測定器70で測定された認証用の生体情報である脈拍数を含んだ測定値を送信する。制御装置10では、メモリ12に各測定器からの測定値と共に認証用の測定値である脈拍数を記憶しておき、要求に含まれる脈拍数とメモリ12に記憶される脈拍数とが予め規定されたばらつきの範囲内(たとえば±5bpm等)であるか否かを判断することでこれら測定値が同一の被測定者から得られた測定値であるか否かを認証する、第2の認証を行なう。
【0103】
第2の認証が成功である場合、制御装置10はメモリ12に記憶されている、関連付けられた測定値を処理装置2に対して送信する。
【0104】
このようにすることで、患者IDを入力する操作を不要として、処理装置2において、被測定者が同一である測定値を制御装置10から得ることができる。
【0105】
[変形例2]
なお、以上の説明では、生体情報モニタ1に制御装置10が含まれるものとしている。しかしながら、制御装置10は、いずれかの測定器に組み込まれてもよい。つまり、いずれかの測定器が制御装置10としても機能してもよい。一例として、血圧計20が制御装置10として機能する場合が想定される。
【0106】
この場合、血圧計20は自身で測定された測定値(血圧値)と脈拍数とを記憶すると共に、体温計30およびパルスオキシメータ40から、それぞれ、体温と脈拍数、血中酸素濃度と脈拍数、の入力を受付けて、自身で測定された脈拍数と入力された脈拍数とを用いて、これらが同一の被測定者から測定されたものであることを認証する。
【0107】
このとき、血圧計20と体温計30との間の通信、および血圧計20とパルスオキシメータ40との間の通信に人体通信を利用することで、各測定器が被測定者に測定のために装着されている状態で測定値が血圧計20に送信されることになり、時間的な同期を確認することができる。
【0108】
[変形例3]
なお、以上の説明では、各測定器での被測定者が同一の被測定者であることを認証するために生体情報としての測定値が用いられている。上の例では脈拍数が用いられている。また、脈拍数に限定されず、個体ごとに識別し得る範囲で値の異なる生体情報であってもよいとされている。
【0109】
ここで、さらに他の例として、各測定器と制御装置10との間の通信(変形例2の場合には制御装置10の機能を有する測定器と他の測定器との間の通信)に人体通信が用いられる場合、認証のための生体情報として、かかる人体通信の抵抗値が用いられてもよい。なぜなら、人体通信の抵抗値は人体の組織によって変化するものであり、個体ごとに識別し得る範囲で値の異なるものであるためである。つまり、人体通信の抵抗値もまた生体に依存するものであるため、生体情報に含まれる。
【0110】
さらに、一般的なパーソナルコンピュータで構成された制御装置10に上述の処理を実行させるためのプログラムを提供することもできる。このようなプログラムは、コンピュータに付属するフレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disk-Read Only Memory)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)およびメモリカードなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体にて記録させて、プログラム製品として提供することもできる。あるいは、コンピュータに内蔵するハードディスクなどの記録媒体にて記録させて、プログラムを提供することもできる。また、ネットワークを介したダウンロードによって、プログラムを提供することもできる。
【0111】
なお、本発明にかかるプログラムは、コンピュータのオペレーティングシステム(OS)の一部として提供されるプログラムモジュールのうち、必要なモジュールを所定の配列で所定のタイミングで呼出して処理を実行させるものであってもよい。その場合、プログラム自体には上記モジュールが含まれずOSと協働して処理が実行される。このようなモジュールを含まないプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
【0112】
また、本発明にかかるプログラムは他のプログラムの一部に組込まれて提供されるものであってもよい。その場合にも、プログラム自体には上記他のプログラムに含まれるモジュールが含まれず、他のプログラムと協働して処理が実行される。このような他のプログラムに組込まれたプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
【0113】
提供されるプログラム製品は、ハードディスクなどのプログラム格納部にインストールされて実行される。なお、プログラム製品は、プログラム自体と、プログラムが記録された記録媒体とを含む。
【0114】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0115】
1 生体情報モニタ、2 処理装置、2A 管理アプリケーション、10 制御装置、11,21,31,41 CPU、12,22,32,42 メモリ、13 表示部、14,24 第1通信部、15,25 第2通信部、16 第3通信部、17 第4通信部、20 血圧計、23,43 測定部、23A,34A 圧力センサ、30 体温計、33 体温測定部、33A 温度センサ、34 脈拍数測定部、35,45 通信部、40 パルスオキシメータ、43A 光センサ、60 バーコードリーダ、70 測定器、101 第1入力部、102 第2入力部、103 第3入力部、104 認証部、105 処理部、106 表示処理部、107 送信処理部、109 制御部、110 取得部。
【技術分野】
【0001】
この発明は制御装置および認証方法に関し、特に、生体情報モニタに含まれる各測定器を制御するための制御装置および該制御装置における認証方法に関する。
【背景技術】
【0002】
院内で使用する生体情報モニタとして、各種生体情報を測定するためのそれぞれの測定器が1つの筐体に同梱された一体型が一般に用いられている。この生体情報モニタは、それぞれの測定器が上記1つの筐体から離れて患者の各測定部位に装着される。
【0003】
それぞれの測定器と筐体とはケーブルで接続される場合もあるが、ユーザビリティ向上の観点よりケーブルレスとされることが多くなっている。
【0004】
ケーブルレスとされることで、それぞれの測定器は筐体から完全に独立して用いられることになるため、上記筐体に収められるセットとされている測定器の一部が他のセットに含まれる測定器と入れ替わってしまう可能性も出てくることとなった。測定器の一部が他のセットに含まれる測定器と入れ替わってしまうことで、本来、一組の測定器は対応した患者に用いられるものとして各測定結果が関連付けられて管理されるところ、一部の測定結果が他の患者の測定結果となってしまうということがあり得る。そのため、一組の測定器のそれぞれの装置間で、測定対象の患者の同一性を確認することが必要となる。
【0005】
この課題を解決するために、一般的には、各機器に患者に関連付けたバーコードを貼付し、当該バーコードをそれぞれの装置で読み取ることで確認する方法や、測定器ごとに患者の指紋や手の平の静脈など生体情報を用いて同一性を認証する方法が考えられる。また、たとえば特表2005−534378号公報(以下、特許文献1)や特表2008−518708号公報(以下、特許文献2)は、各測定器が脈拍パターンなどの生体情報を用いて個人を特定する方法を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特表2005−534378号公報
【特許文献2】特表2008−518708号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、各測定器でバーコードや指紋など生体情報を用いて認証する方法では、測定器ごとにバーコードリーダや生体情報認証装置を搭載しておく必要があり、装置の大型化、コストの上昇などの問題がある。また、測定器ごとに測定前に読み取る操作が必要となり、操作が煩雑になる、という問題もある。
【0008】
また、特許文献1、2に開示されている方法では、予め患者の生体情報を測定器ごとに登録しておく必要がある、という問題がある。
【0009】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであって、特別な操作を必要とせずに、高精度で、生体情報モニタに含まれる各測定器の間での測定対象の患者の同一性を認証できる制御装置および当該制御装置における認証方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明のある局面に従うと、制御装置は生体情報を測定するための第1の測定装置および第2の測定装置それぞれでの測定対象の生体の同一性を認証するための制御装置であって、第1の測定装置における第1の測定値の入力を受付けるための第1の入力手段と、第2の測定装置における第2の測定値の入力を受付けるための第2の入力手段と、第1の測定値と第2の測定値とを用いて測定対象の生体の同一性を認証するための演算手段とを備える。演算手段は、第1の測定値と第2の測定値とから、認証に用いるための生体情報を取得するための取得手段と、第1の測定値から取得された生体情報で表わされる生体値と第2の測定値から取得された生体情報で表わされる生体値とを比較することで、測定対象の生体の同一性を認証するための認証手段と、認証手段での認証結果に応じた情報を出力するための出力手段とを含む。
【0011】
好ましくは、第1の測定値から取得された生体情報で表わされる生体値と第2の測定値から取得された生体情報で表わされる生体値とは脈拍数である。
【0012】
好ましくは、認証手段は、同一の生体から得られる生体値のばらつきの範囲を予め記憶しておき、第1の測定値から取得された生体情報で表わされる生体値と第2の測定値から取得された生体情報で表わされる生体値とが上記ばらつきの範囲内にあるときに、第1の測定値と第2の測定値とが同一の生体から測定された測定値であるとして測定対象の生体の同一性を認証する。
【0013】
好ましくは、出力手段は、認証が成功であった場合、第1の測定値と第2の測定値とを関連付けて出力する。
【0014】
より好ましくは、第1の入力手段は、第1の測定値と共に当該第1の測定値の測定対象の生体の識別情報の入力を受け付け、出力手段は、認証が成功であった場合、第1の測定値と第2の測定値とを関連付け、さらに、これらを測定対象の生体の識別情報と対応付けて出力する。
【0015】
好ましくは、出力手段は、認証が不成功であった場合、その旨を報知する情報を出力する。
【0016】
好ましくは、出力手段は、認証が成功であった場合、第1の測定装置および第2の測定装置に対して、生体情報を測定する測定動作を実行させるためのコマンドを出力する。
【0017】
好ましくは、第1の測定装置および第2の測定装置は、それぞれ、血圧、体温、および血中酸素濃度のいずれかであって、それぞれ異なる生体情報を測定するものであり、第1の測定装置および第2の測定装置は、さらに、当該生体情報に加えて、演算手段で同一性を認証する処理に用いられる生体情報を測定し、それらを含めて、それぞれ、第1の測定値および第2の測定値とする。
【0018】
本発明の他の局面に従うと、認証方法は生体情報を測定するための第1の測定装置および第2の測定装置それぞれでの測定対象の生体の同一性を認証するための認証方法であって、第1の測定装置から入力された第1の測定値と、第2の測定装置から入力された第2の測定値とから、認証に用いるための生体情報を取得するステップと、第1の測定値から取得された生体情報で表わされる生体値と第2の測定値から取得された生体情報で表わされる生体値とを比較することで、測定対象の生体の同一性を認証するステップと、認証するステップでの認証結果に応じた情報を出力するステップとを備える。認証するステップは、予め記憶されている、同一の生体から得られる生体値のばらつきの範囲内に、第1の測定値から取得された生体情報で表わされる生体値と第2の測定値から取得された生体情報で表わされる生体値とがあるときに、第1の測定値と第2の測定値とが同一の生体から測定された測定値であるとして測定対象の生体の同一性を認証する。
【発明の効果】
【0019】
この発明によると、特別な操作を必要とせずに、高精度で、生体情報モニタに含まれる各測定器の間での測定対象の患者の同一性を認証できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】実施の形態にかかる生体情報モニタの構成の具体例を示す図である。
【図2】生体情報モニタに含まれる血圧計の装置構成の具体例を示すブロック図である。
【図3】生体情報モニタに含まれる体温計の装置構成の具体例を示すブロック図である。
【図4】生体情報モニタに含まれるパルスオキシメータの装置構成の具体例を示すブロック図である。
【図5】生体情報モニタに含まれる制御装置の装置構成の具体例を示すブロック図である。
【図6】第1の実施の形態にかかる生体情報モニタでの動作概要を表わした図である。
【図7】第1の実施の形態にかかる制御装置の機能構成の具体例を示すブロック図である。
【図8】第1の実施の形態にかかる制御装置での動作を表わすフローチャートである。
【図9】制御装置での画面例を表わす図である。
【図10】制御装置での画面例を表わす図である。
【図11】制御装置での画面例を表わす図である。
【図12】第2の実施の形態にかかる生体情報モニタ1での動作概要を表わした図である。
【図13】第2の実施の形態にかかる制御装置の機能構成の具体例を示すブロック図である。
【図14】第2の実施の形態にかかる制御装置での動作を表わすフローチャートである。
【図15】変形例にかかる生体情報モニタの構成の具体例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。
【0022】
<システム構成>
図1は、本実施の形態にかかる生体情報を管理するためのシステムの構成の具体例を示す図である。図1に示されるシステムは、以降の説明において「生体情報モニタ」とも称される。
【0023】
図1を参照して、本実施の形態にかかる生体情報モニタ1は、生体情報を測定するための測定器としての血圧計20、体温計30、およびパルスオキシメータ40と、これらと電気的に接続された制御装置10とを含む。生体情報モニタ1には、少なくとも2つの測定器が含まれる。含まれる測定器はこれら測定器に限定されず、これらに替えて他の測定器が含まれていてもよいし、これら測定器に加えて他の測定器が含まれてもよい。
【0024】
2つ以上含まれる測定器のうちのいずれか1つには、バーコードを読み取って得られたデータを出力するためのバーコードリーダ60が接続される。本例では、血圧計20に接続されているものとする。
【0025】
制御装置10と、測定器としての血圧計20、体温計30、およびパルスオキシメータ40とは、互いに通信可能に接続されている。この通信は特定の通信に限定されないが、好ましくは無線通信である。たとえば、電波を利用したRFID(Radio Frequency IDentification)などの無線通信や、赤外線を利用したBluetooth(登録商標)などの無線通信や、無線LAN(Local Area Network)を利用した無線通信や、ZigbeeやANTなどの規格による無線通信などが該当する。また、人体を介した通信(いわゆる人体通信)であってもよい。
【0026】
生体情報モニタ1に含まれる制御装置10は、さらに、処理装置2と電気的に接続されている。処理装置2は一般的なパーソナルコンピュータなどで構成される装置であって、たとえば電子カルテなどの、被測定者から得られた測定値を管理するための管理アプリケーション2Aが搭載されている。
【0027】
生体情報モニタ1に含まれる制御装置10と処理装置2との通信は、特定の通信に限定されず、専用回線を介した通信であってもよいし、LANやインターネットなどのネットワークを介した通信であってもよいし、制御装置10と測定器との間の通信と同様に無線通信であってもよい。
【0028】
図1では、1つの処理装置2に対して1組の生体情報モニタ1が接続されている例が示されているが、1つの処理装置2に対して複数組の生体情報モニタ1が接続されていてもよい。
【0029】
制御装置10は、一般的なパーソナルコンピュータなどの装置で構成される。制御装置10は無線通信を介して血圧計20、体温計30、およびパルスオキシメータ40のそれぞれから測定値を受信し、それを用いた処理を行なう。そして、処理後の情報を処理装置2に対して送信する。また、表示部13(図5参照)を備えて、処理後の情報を表示する。
【0030】
バーコードリーダ60は印刷されたバーコードを光学的に読み取り、接続された血圧計20に対して読み取られた情報を送信する。その前提として、被測定者には、それぞれ、着衣や身体の一部に装着された装置や体表などに当該被測定者を識別する情報を表わしたバーコードが印刷されている。この識別する情報を以降、「患者ID」と称する。バーコードリーダ60が当該バーコードを読み取ることで、患者IDが生体情報モニタ1に入力される。
【0031】
以降の説明では、生体情報モニタ1への患者IDの入力は、患者IDを表わしたバーコードをバーコードリーダ60で読み取ることによって行なわれるものとしている。しかしながら、生体情報モニタ1への患者IDの入力はこの方法に限定されない。他の例として、測定器の1つがキーボードなどの入力装置に接続され、当該入力装置で患者IDを入力することで入力されてもよいし、記憶媒体に患者IDが記憶されていて、バーコードリーダ60に替えて当該記憶媒体から読み取るための読取装置で患者IDを読み取ることで入力されてもよい。たとえば、被測定者が携帯した、または被測定者の体内に埋め込まれた、通信機能を有したチップに患者IDが記憶されており、当該チップと通信を行なう装置を用いて患者IDを入力してもよい。
【0032】
<装置構成>
図2は、血圧計20の装置構成の具体例を示すブロック図である。
【0033】
血圧計20は、通常の血圧計と同様の構成を有する。詳しくは図2を参照して、血圧計20は、全体を制御するためのCPU(Central Processing Unit)21と、CPU21で実行されるプログラムや測定値を記憶するためのメモリ22と、測定動作を実行するための測定部23と、バーコードリーダ60と通信を行なうための第1通信部24と、制御装置10と上述の無線通信を行なうための第2通信部25とを含む。
【0034】
血圧計20は、空気袋(カフ)を包含した図示しない測定帯に接続される。この測定帯が被測定者の上腕や手首などの測定部位に巻き回されることで、測定部位の皮下の動脈の圧力変化が空気袋に伝播する。測定部23は空気袋の内圧を測定するための圧力センサ23Aと図示しない空気袋の内圧調整機構とを含み、空気袋の内圧を規定されたパターンで調整する過程で圧力センサ23Aで得られた空気袋の内圧変化に基づいて、被測定者の血圧を測定する。また、その際に、測定部23は空気袋の内圧変化に基づいて、被測定者の脈拍数を測定する。
【0035】
図3は、体温計30の装置構成の具体例を示すブロック図である。
体温計30は、概ね、通常の電子体温計と同様の構成を有する。詳しくは図3を参照して、体温計30は、全体を制御するためのCPU31と、CPU31で実行されるプログラムや測定値を記憶するためのメモリ32と、体温を測定するため体温測定部33と、脈拍数を測定するため脈拍数測定部34と、制御装置10と上述の無線通信を行なうための通信部35とを含む。
【0036】
体温測定部33は、筐体表面から熱が伝達される位置に設けられた、サーミスタ等の温度センサ33Aを含む。体温計30のプルーブ部と言われる細長形状の測定部分が被測定者の腋下や舌下、直腸などの測定部位に挟みこまれるなどして接触することで、筐体表面から熱が伝達され、その熱に応じて温度センサ33Aの抵抗値が変化する。体温測定部33は、温度センサ33Aの抵抗値に基づいて、被測定者の体温を測定する。
【0037】
脈拍数測定部34は、たとえば血圧計20で脈拍数を測定するための構成と同様の構成を有する。一例として、脈拍数測定部34は図示しない空気袋に接続され、この空気袋が被測定者の上腕や手首などの皮膚から動脈までの距離が短い位置に固定されることで、当該部位の皮下の動脈の圧力変化が空気袋に伝播する。脈拍数測定部34は空気袋の内圧を測定するための圧力センサ34Aを含み、圧力センサ34Aで得られた空気袋の内圧変化に基づいて、被測定者の脈拍数を測定する。
【0038】
図4は、パルスオキシメータ40の装置構成の具体例を示すブロック図である。
パルスオキシメータ40は、通常のパルスオキシメータと同様の構成を有する。詳しくは図4を参照して、パルスオキシメータ40は、全体を制御するためのCPU41と、CPU41で実行されるプログラムや測定値を記憶するためのメモリ42と、測定動作を実行するため測定部43と、制御装置10と上述の無線通信を行なうための通信部45とを含む。
【0039】
測定部43は、受光素子などである光センサ43Aを含む。図示しない発光素子から、赤色光と赤外光とを指先や耳たぶなどの測定部位に対して照射させ、光センサ43Aで当該測定部位を透過、または反射した光を受光する。血液中のヘモグロビンは酸素との結合の有無により赤色光と赤外光との吸光度が異なるので、測定部43は、光センサ43Aの受光量に基づいて血中酸素濃度を測定する。また、その際に、測定部43は、光センサ43Aの受光量の変化に基づいて、被測定者の脈拍数を測定する。
【0040】
図5は、制御装置10の装置構成の具体例を示すブロック図である。
制御装置10は、上述のように、一般的なパーソナルコンピュータと概ね同様の構成を有する。詳しくは図5を参照して、制御装置10は、全体を制御するためのCPU11と、CPU11で実行されるプログラムやCPU11での演算で用いるための情報や受信した測定値などを記憶するためのメモリ12と、表示部13と、血圧計20と上述の無線通信を行なうための第1通信部14と、体温計30と上述の無線通信を行なうための第2通信部15と、パルスオキシメータ40と上述の無線通信を行なうための第3通信部16と、処理装置2と通信するための第4通信部17とを含む。
【0041】
[第1の実施の形態]
<動作概要>
生体情報モニタ1は、被測定者ごとに、または複数の被測定者で用いられる。すなわち、含まれる2以上の測定器のそれぞれで被測定者の生体情報を測定する。このとき、各測定器では、当該測定器での測定対象とする生体情報と、制御装置10での認証に用いられる生体情報とが測定される。各測定器からは当該測定器での測定対象とする生体情報と制御装置10での認証に用いられる生体情報とが関連付けられて制御装置10に対して無線で送信され、制御装置10で認証処理が行なわれる。その結果、認証成功であった場合には、制御装置10にて各測定器での測定対象とする生体情報が関連付けられ、処理装置2に対して送信される。
【0042】
なお、第1の実施の形態の説明では、制御装置10での認証に用いられる生体情報として脈拍数を用いるものとしている。しかしながら、制御装置10での認証に用いられる生体情報は脈拍数に限定されず、個体を識別し得る範囲で個体ごとに値の異なる生体情報であれば、他の情報であってもよい。他の情報として、たとえば脈波や心電パターン(R−R間隔)や体温やインピーダンスなどを用いることができる。
【0043】
図6は、第1の実施の形態にかかる生体情報モニタ1での動作概要を表わした図である。
【0044】
図6を参照して、動作が開始すると、ステップS01でバーコードリーダ60で患者IDを読み取り、その情報を血圧計20に送る。ステップS03で血圧計20を用いて、当該血圧計20での測定対象の生体情報としての、被測定者の血圧を測定する。また、ステップS05で当該血圧計20を用いて、制御装置10での認証用の生体情報としての、当該被測定者の脈拍数を測定する。血圧計20は得られた患者ID、血圧値、および脈拍数を関連付けて、ステップS07で制御装置10に対して送信する。血圧値および脈拍数は一つのデータとして送信されてもよい。
【0045】
ステップS09で体温計30を用いて、当該体温計30での測定対象の生体情報としての、被測定者の体温を測定する。また、ステップS11で当該体温計30を用いて、制御装置10での認証用の生体情報としての、当該被測定者の脈拍数を測定する。体温計30は得られた体温と脈拍数とを関連付けて、ステップS13で制御装置10に対して送信する。
【0046】
ステップS15でパルスオキシメータ40を用いて、当該パルスオキシメータ40での測定対象の生体情報としての、被測定者の血中酸素濃度を測定する。また、ステップS17で当該パルスオキシメータ40を用いて、制御装置10での認証用の生体情報としての、当該被測定者の脈拍数を測定する。パルスオキシメータ40は得られた血中酸素濃度と脈拍数とを関連付けて、ステップS19で制御装置10に対して送信する。血中酸素濃度および脈拍数は一つのデータとして送信されてもよい。
【0047】
なお、これら測定器を用いた測定の順は図6に表わされた順には限定されない。
ステップS21で制御装置10は、各測定器から送信された情報を用いて認証処理を行なう。すなわち、制御装置10は、各測定器から送信された、当該測定器で制御装置10での認証用の生体情報として測定された脈拍数を比較し、これらが同一の被測定者から得られたものであるか否かを判断することで、各測定器で当該測定器で測定対象の生体情報として測定されることで得られた測定値が、同一の被測定者から得られたものであることを認証する。
【0048】
ステップS21での認証が成功である場合、つまり、これら脈拍数が同一の被測定者から得られた脈拍数であると認証された場合、ステップS23で制御装置10は、各測定器から送信された、当該測定器での測定対象としての生体情報である測定値のそれぞれを関連付ける。そして、ステップS25で、これら一群の関連付けられた測定値を患者IDと対応付けて、処理装置2に対して送信する。また、ステップS27で、これら一群の関連付けられた測定値を患者IDで特定される被測定者の測定値として表示部13で表示する。
【0049】
処理装置2では、搭載されている管理アプリケーション2Aの実行に従って、受信した測定値に対する管理処理を実行する(ステップS29)。たとえば、関連付けられている患者IDに対応した被測定者の電子カルテに測定値を書き込む処理、などが該当する。
【0050】
<機能構成>
測定器としての血圧計20、体温計30、およびパルスオキシメータ40の機能構成は、通常の測定のための機能構成と概ね同様である。すなわち、測定器としての血圧計20、体温計30、およびパルスオキシメータ40は、次のような動作を行なうための機能を有している。
【0051】
図示しない操作スイッチなどから測定開始を指示する操作信号の入力を受付けることでCPUがメモリに記憶されているプログラムを読み出すことで測定部において測定動作が行なわれる。その際、当該生体情報モニタ1に含まれる各測定器では、メモリに記憶されているプログラムに従って、当該測定器での測定対象とする生体情報に併せて、制御装置10での認証用の生体情報(この例では脈拍数)が測定される。CPUは、この動作によって得られた当該測定器での測定対象とする生体情報である測定値と制御装置10での認証用の生体情報である測定値とを関連付けてメモリに記憶する。そして、予め規定されているタイミングや、所定の指示操作を検知したことに応じて、CPUは、関連付けられた測定値を制御装置10に対して送信する。
【0052】
図7は、第1の実施の形態にかかる制御装置10の機能構成の具体例を示すブロック図である。図7に示される各機能は、制御装置10のCPU11がメモリ12に記憶されているプログラムを読み出して実行することで、主にCPU11に形成されるものである。しかしながら、少なくとも一部が電気回路などのハードウェア構成によって形成されてもよい。
【0053】
図7を参照して、第1の実施の形態にかかる制御装置10は、血圧計20から送信される情報の入力を第1通信部14を介して受付けるための第1入力部101と、体温計30から送信される情報の入力を第2通信部15を介して受付けるための第2入力部102と、パルスオキシメータ40から送信される情報の入力を第3通信部16を介して受付けるための第3入力部103と、各測定器から入力された情報から、制御装置10での認証用の測定値である脈拍数と、当該測定器での測定対象の生体情報である測定値とを取得するための取得部110と、各測定器から入力された制御装置10での認証用の測定値を用いて認証を行なうための認証部104と、認証結果に応じて各測定器から入力された当該測定器での測定対象である生体情報である測定値を関連付ける処理を行なうための処理部105と、関連付けられた測定値を患者IDで特定される被測定者の測定値として表示部13に表示する処理を実行するための表示処理部106と、関連付けられた測定値を患者IDと対応付けて第4通信部17を介して処理装置2に対して送信する処理を実行するための送信処理部107とを含む。
【0054】
認証部104は、制御装置10での認証に用いる生体情報としての脈拍数の、同一の被測定者から得られたと判断し得る基準としてのばらつきのしきい値(たとえば±5bpm等)を予め記憶しておく。そして、各測定器から入力された脈拍数を比較し、これらの値が、しきい値として予め記憶しているばらつきの範囲内にある場合には、各測定器で測定された脈拍数が同一の被測定者から測定された脈拍数である、つまり、各測定器における被測定者の同一性を認証する。
【0055】
処理部105は、認証部104において上のように認証成功であった場合、これら脈拍数と関連付けて各測定器から入力された当該測定器での測定対象の生体情報である測定値(血圧値、体温、および血中酸素濃度)が、いずれも、脈拍数が測定された被測定者と同一の被測定者から得られたものであるとして、血圧値、体温、および血中酸素濃度を関連付ける処理を行なう。関連付ける処理の一例として、メモリ12に予め患者IDに応じた記憶領域を設けておき、関連付けられた測定値を、当該記憶領域に、同じ測定タイミングを表わすようにして記憶させる処理が挙げられる。他の処理として、各測定値に血圧計20から送信された患者IDを付加する処理が挙げられる。
【0056】
一方、認証部104において認証が不成功であった場合、つまり、脈拍数が一つでも上記ばらつき範囲外にあった場合、処理部105は、これら脈拍数と関連付けて各測定器から入力された当該測定器での測定対象の生体情報である測定値(血圧値、体温、および血中酸素濃度)が同一の被測定者から測定されたものでないとして、これら測定値を関連付ける処理を行なわない。この場合、表示処理部106においてエラーや警告を表示部13に表示するための処理が行なわれてもよい。また、この処理と共に、表示部13に測定値を表示する処理が行なわれてもよい。また、表示部13での表示に替えて(または加えて)、スピーカや振動機構を有する場合には、警告音や警告を報知するバイブレーションなどで同一の被測定者から測定されたものでないことを報知するようにしてもよい。
【0057】
なお、好ましくは、各測定器は時計機能を有し、測定動作を行なった際に測定時を特定する情報を取得して、測定値と共に制御装置10に対して送信する。認証部104は、測定時が所定の時間内にある認証用の測定値を用いて上述の認証を行なう。たとえば脈拍数などの生体情報は、運動や食事、投薬などのイベントの発生や時間帯、心理状態などによって変化が大きくなる場合もある。そのため、所定の時間内(たとえば15分以内)などの測定値を用いて認証を行なうことで、認証精度を向上させることができる。
【0058】
なお、この場合、認証部104は、認証用の測定値が上記所定の時間内に測定されたものでないと判断された場合には認証不成功として、エラーや警告を出力するようにしてもよい。
【0059】
<動作フロー>
図8は、第1の実施の形態にかかる制御装置10での動作を表わすフローチャートである。図8のフローチャートに表わされた動作は、制御装置10のCPU11がメモリ12に記憶されているプログラムを読み出して実行し、図7に示される各機能を発揮させることによって実現される。また、図9〜図11は、制御装置10での動作に伴って表示部13に表示される画面例を表わす図である。
【0060】
図8を参照して、CPU11は各測定器からの測定値の入力を待機する。
このとき、メモリ12に先に測定値と共に入力した患者IDが記憶されている場合、次も当該患者IDに対応付けられた測定値が入力されるものとして、CPU11は、図9に示されるような、先に測定値と共に入力した患者ID(000012)に対応した各測定値がまだ入力されていないことを表わした画面(未測定)を表示するようにしてもよい。
【0061】
各測定器から測定値を受信したことを検知すると(ステップS101でYES)、ステップS102でCPU11は、入力された測定値から認証用の測定値を取得する。そして、CPU11は認証用の測定値を用いて認証処理を行なう。すなわち、CPU11は各測定器で測定された脈拍数を比較して、これらが予め記憶している所定のばらつきの範囲内であるか否かを判断することで、同一の被測定者から得られた測定値であるか否かを判断する。
【0062】
認証の結果、各測定器から入力された脈拍数がいずれも予め規定されたばらつきの範囲内であった場合には(ステップS103でYES)、CPU11は、各測定器での測定値が同一の被測定者から得られた測定値である、つまり、各測定器の被測定者の同一性を認証して、ステップS105でこれら測定器から入力された血圧値、体温、および血中酸素濃度を関連付けるための処理を実行する。ここでは、一例として、予め患者IDに対応してメモリ12に用意されている記憶領域に、これら測定値を格納する処理が該当する。また他の処理として、各測定値に、血圧計20から入力された患者IDを付加する処理であってもよい。
【0063】
ステップS107でCPU11は、関連付けした測定値を、患者IDに対応した被測定者の測定値として表示部13に表示させる。図10は、認証成功の場合の画面の具体例を表わしており、血圧値に関連付けて入力された患者ID(000012)と、血圧値、体温、および血中酸素濃度(SpO2)とが関連付けられて、一つの画面で表示されている。
【0064】
なお、好ましくは、CPU11は当該画面において、脈拍数も表示する。この脈拍数は、いずれかの測定器から入力された脈拍数であってもよいし、各測定器から入力された脈拍数の平均値など複数の測定器からの脈拍数の値を処理して得られるものであってもよい。
【0065】
さらに、メモリ12に予め患者IDと被測定者を特定する情報(たとえば名前)との対応が記憶されている場合、CPU11は、患者IDに対応した被測定者を特定する情報と共に測定値を表示させてもよい。
【0066】
そして、ステップS109でCPU11は、関連付けた測定値を患者IDと対応付けて処理装置2に対して送信する。
【0067】
一方、上記認証が不成功であった場合、すなわち、各測定器から入力された脈拍数のうちの一つでも上記予め記憶している所定のばらつきの範囲内にない場合には(ステップS103でNO)、CPU11は、各測定器から入力された測定値の中に同一の被測定者から得られたものでない測定値が含まれているとして、ステップS111でCPU11は、その旨を表わすエラーまたは警告を表示部13に表示させる。図11は、認証不成功の場合の画面の具体例を表わしており、各測定器からの脈拍数が一致していないことを示したメッセージが表示されている。
【0068】
認証が不成功の場合としては、たとえば血圧計20、体温計30、およびパルスオキシメータ40のうちのいずれかが、他の測定器と異なる被測定者の生体情報を測定するのに用いられた場合が挙げられる。この場合、制御装置10に入力される測定値は同一の被測定者から得られたものではない。
【0069】
他の場合として、この生体情報モニタ1が複数の存在してそれぞれ異なる被測定者に対して用いられている場合であって、第1の被測定者の測定に用いた測定器から第2の被測定者に対して用いる生体情報モニタ1の制御装置10に取り違えて測定値を送信した場合が挙げられる。特に、制御装置10と各測定器とは無線通信を行なうものであるため、他の生体情報モニタに含まれる制御装置に対して測定値を送信する、という取り違えが起こり得る。そこで、図11の画面には、さらに、測定器の取り違えが発生していないか、つまり、制御装置10と同じ生体情報モニタに含まれる測定器から測定値が送信されたか、を確認するためのメッセージが表示されている。
【0070】
なお、この表示に併せて、各測定値から入力された血圧値、体温、および血中酸素濃度(SpO2)を、血圧値に関連付けて入力された患者ID(000012)と共に表示するようにしてもよい。このようにすることで、エラーであっても、測定値を確認することが可能となる。
【0071】
<第1の実施の形態の効果>
第1の実施の形態にかかる生体情報モニタ1においてこのような動作が行なわれることで、生体情報モニタ1に含まれる複数の測定器がそれぞれ制御装置10から独立して用いられて生体情報の測定を行なってその結果を制御装置10に対して送信する場合に、各測定器からの測定値を同一の被測定者から測定された測定値として認証し、関連付けることができる。
【0072】
このとき、各測定器で測定された認証用の測定値を利用して認証を行なうことで、各測定器で被測定者の識別情報(患者ID)を読み取る構成や読み取る操作を不要として、高精度で認証することができる。
【0073】
[第2の実施の形態]
<動作概要>
第2の実施の形態では、制御装置10が各測定器での測定動作を制御する。すなわち、第2の実施の形態にかかる生体情報モニタ1では、測定開始にあたって、各測定器は少なくとも認証用の生体情報である測定値を測定し、制御装置10に対して送信する。制御装置10においてこれらの測定値を用いて各測定器での被測定者の同一性の認証が成功した場合、制御装置10は各測定器に対して当該測定器での測定対象である生体情報の測定の開始を指示する。
【0074】
なお、第2の実施の形態の説明でも、制御装置10での認証に用いられる生体情報として脈拍数を用いるものとしている。しかしながら、制御装置10での認証に用いられる生体情報は脈拍数に限定されず、個体を識別し得る範囲で個体ごとに値の異なる生体情報であれば、脈波や心電パターン(R−R間隔)や体温やインピーダンスなどの他の情報であってもよい。
【0075】
図12は、第2の実施の形態にかかる生体情報モニタ1での動作概要を表わした図である。
【0076】
図12を参照して、動作が開始すると、ステップS31でバーコードリーダ60で患者IDを読み取り、その情報を血圧計20に送る。ステップS33で血圧計20を用いて、制御装置10での認証用の生体情報としての、当該被測定者の脈拍数を測定する。血圧計20は得られた患者IDおよび脈拍数を関連付けて、ステップS35で制御装置10に対して送信する。
【0077】
ステップS37で体温計30を用いて、制御装置10での認証用の生体情報としての、当該被測定者の脈拍数を測定する。体温計30は得られた脈拍数をステップS39で制御装置10に対して送信する。
【0078】
ステップS41でパルスオキシメータ40を用いて、制御装置10での認証用の生体情報としての、当該被測定者の脈拍数を測定する。パルスオキシメータ40は得られた脈拍数をステップS43で制御装置10に対して送信する。
【0079】
なお、このとき、上記ステップS33、S37、S41で脈拍数の測定と共に、当該測定器の測定対象である生体情報が測定されて、脈拍数と共に制御装置10に送信されてもよい。
【0080】
ステップS45で制御装置10は、各測定器から送信された脈拍数を比較し、これらが同一の被測定者から得られたものであるか否かを判断することで、各測定器の被測定者の同一性を認証する。ここでの認証は、第1の実施の形態にかかる制御装置10での認証と同様である。
【0081】
ステップS45での認証が成功の場合、ステップS47で制御装置10は各測定器に対して、当該測定器の測定対象とする生体情報の測定を指示するためのコマンド(制御信号)を送信する。
【0082】
制御装置10からのコマンドに従って、各測定器では、当該測定器での測定対象とする生体情報を測定する動作が実行され(ステップS49、S51、S53)、ステップS55で得られた測定値が各測定器から制御装置10に対して送信される。
【0083】
ステップS57で制御装置10は、各測定器から送信された測定値のそれぞれを関連付ける、そして、ステップS59で、これら一群の関連付けられた測定値を先に脈拍数と共に血圧計20から送信された患者IDと対応付けて処理装置2に対して送信する。また、ステップS61でこれら一群の関連付けられた測定値を患者IDで特定される被測定者の測定値として表示部13で表示する。
【0084】
処理装置2では、搭載されている管理アプリケーション2Aの実行に従って、受信した測定値に対する管理処理を実行する(ステップS63)。
【0085】
<機能構成>
測定器としての血圧計20、体温計30、およびパルスオキシメータ40の機能構成は、第1の実施の形態にかかる生体情報モニタ1と同様に、通常の測定の機能構成と概ね同様である。しかしながら、第2の実施の形態にかかる生体情報モニタ1では、各測定器が制御装置10からのコマンドを受付けて、そのコマンドに従って当該測定器での測定対象である生体情報を測定する動作を開始する機能を有する点が異なる。
【0086】
図13は、第2の実施の形態にかかる制御装置10の機能構成の具体例を示すブロック図である。図13に示される各機能は、制御装置10のCPU11がメモリ12に記憶されているプログラムを読み出して実行することで、主にCPU11に形成されるものである。しかしながら、少なくとも一部が電気回路などのハードウェア構成によって形成されてもよい。
【0087】
図13を参照して、第2の実施の形態にかかる制御装置10は、図7に示された第1の実施の形態にかかる制御装置10の機能に加えて、各測定器に対して測定を指示するコマンド(制御信号)を出力し、各測定器での測定動作を制御するための制御部109を含む。制御部109は、認証部104での認証が成功である場合には上記コマンドを各測定器に対して出力し、認証が不成功であった場合には出力しない。
【0088】
<動作フロー>
図14は、第2の実施の形態にかかる制御装置10での動作を表わすフローチャートである。図14のフローチャートに表わされた動作は、制御装置10のCPU11がメモリ12に記憶されているプログラムを読み出して実行し、図13に示される各機能を発揮させることによって実現される。
【0089】
図14に示される第2の実施の形態にかかる制御装置10の動作は、図8に示された第1の実施の形態にかかる制御装置10の動作と比較すると、ステップS103とステップS105との動作の間に、各測定器に対してコマンドを出力して各測定器から測定値の入力を受付ける動作が加わる点が異なる。
【0090】
詳しくは、図14を参照して、第2の実施の形態にかかる制御装置10では、各測定器から入力された脈拍数を比較してこれらが予め規定された所定の範囲内にあると認証された場合(ステップS103でYES)、ステップS201でCPU11は、各測定器に対して当該測定器で測定対象とする生体情報の測定動作の開始を指示するコマンドを送信する。そして、各測定器からの測定値の入力を待機する。
【0091】
上記コマンドに従って動作した各測定器から測定値の入力を受付けると(ステップS203でYES)、ステップS105でCPU11は、これら測定器から入力された血圧値、体温、および血中酸素濃度を関連付けるための処理を実行する。
【0092】
以降、第1の実施の形態にかかる制御装置10と同様の処理が実行される。
<第2の実施の形態の効果>
第2の実施の形態にかかる生体情報モニタ1においてこのような動作が行なわれることで、当該生体情報モニタ1では、含まれる各測定器の被測定者の同一性が認証された後に、各測定器での測定動作が開始される。これによって、たとえば、連続して短い時間間隔で各測定器で測定を行なう場合になどにおいて、認証の成功をトリガとして当該連続的な測定動作を開始させることが可能となる。このようにすることで、1回の測定ごとに認証を行なう必要がなく、このような連続的な測定の場合に処理を容易にすることができる。
【0093】
なお、図12に示された動作概要では、血圧計20での脈拍数の測定(ステップS33)、体温計30での脈拍数の測定(ステップS37)、およびパルスオキシメータ40での脈拍数の測定(ステップS41)が、この順で時系列的に行なわれる例が示されている。これらの測定順が図12に示された順であることは言うまでもなく、同時に行なわれてもよい。
【0094】
同時に行なわれた場合には、制御装置10はステップS45の認証処理において、少なくとも1つの脈拍数が上記予め規定されたばらつきの範囲内にない場合には認証不成功として、各測定器に対してコマンドを送信しない。そのため、この場合には、各測定器での測定が開始されない。
【0095】
図12のように、脈拍数の測定が時系列的に順に行われた場合、制御装置10は、図12、図14に示されたように、すべての測定器からの脈拍数の入力を受付けた後に認証処理を行なってもよいし、2つの測定器からの脈拍数の入力を受付けた時点で、当該2つの脈拍数を用いて認証処理を始めてもよい。
【0096】
後者の場合、たとえば図12の例で説明すると、血圧計20からの脈拍数の入力、および体温計30からの脈拍数の入力を受付けた時点で、これら脈拍数を比較し、上記予め規定されたばらつきの範囲内であるか否かを判断する。その後、脈拍数の入力を受付けるたびに認証処理を行なう。このとき、先の認証処理によって脈拍数が規定以上にばらついていると判断された場合、つまり、認証不成功であった場合、その後の認証処理を不要とすることができる。すなわち、図12の例で説明すると、血圧計20からの脈拍数の入力、および体温計30からの脈拍数の入力を受付けた時点でのこれら脈拍数を用いた認証が不成功であった場合、次のパルスオキシメータ40からの脈拍数の入力を待たずに認証不成功とすることができ、その時点で、各測定器にコマンドを送信しない、つまり、これら測定器を用いて測定動作を行なわない、ということを決定することができる。このように認証処理を行なうことで認証処理に要する時間を短縮することができ、認証結果をすばやく報知することができる。
【0097】
[変形例1]
生体情報モニタ1と処理装置2との用いられ方として、生体情報モニタ1が被測定者の自宅に備えられ、処理装置2が医療機関に備えられ、制御装置10と処理装置2とがたとえばインターネットなどで通信可能に構成され、医療機関において処理装置2を用いて、制御装置10のメモリ12に記憶された被測定者の測定値を読み込む、という使い方が想定される。これは、自宅にて被測定者が日々の生体情報を測定し、遠方にある医療機関でその測定値を用いて遠隔判断を行なう、などの場合に該当する。
【0098】
この場合、一例として、処理装置2からは患者IDを含む送信要求を制御装置10に対して送信し、当該要求を受け取った制御装置10が、当該患者IDに対応した、関連付けられている一群の測定値を処理装置2に対して送信する、ということで上記使い方が実現される。
【0099】
ところで、他の例として、(医療機関に備えられた)処理装置2に測定器70が接続され、医療機関を訪れた被測定者が測定器70を用いて測定すると共に、処理装置2で、制御装置10のメモリ12に記憶された測定値を読み込む場合も想定される。測定器70は、たとえば血圧計、体温計、またはパルスオキシメータなどのどのような測定器であってもよいし、これらすべてであってもよい。このときに上述のように患者IDによって測定値を要求するとなると、被測定者や医師等は患者IDを処理装置2に対して入力する操作が必要となる。そこで、変形例として、上述の認証処理を利用して容易に制御装置10から処理装置2に測定値を送信する例について説明する。
【0100】
制御装置10での各測定器での被測定者が同一であるか否かの上述の認証を第1の認証とすると、変形例にかかる制御装置10は上記第1の認証に加えて、処理装置2に送信する際に第2の認証を行なう。第2の認証の処理は、第1の認証の処理と同様である。
【0101】
図15は、変形例にかかる生体情報モニタ1の構成の具体例を示す図である。図15を参照して、変形例においては、処理装置2に測定器70が接続され、測定器70から当該測定器70での測定値が処理装置2に対して送信される。測定器70は、たとえば血圧計、体温計、またはパルスオキシメータなどのどのような測定器であってもよいし、これらすべてであってもよい。この測定器70も生体情報モニタ1に含まれる測定器と同様の、認証用の生体情報を測定する機能、つまり、上の例では脈拍数を測定する機能を有する。
【0102】
処理装置2は制御装置10に対して測定値の送信を要求する際に、測定器70で測定された認証用の生体情報である脈拍数を含んだ測定値を送信する。制御装置10では、メモリ12に各測定器からの測定値と共に認証用の測定値である脈拍数を記憶しておき、要求に含まれる脈拍数とメモリ12に記憶される脈拍数とが予め規定されたばらつきの範囲内(たとえば±5bpm等)であるか否かを判断することでこれら測定値が同一の被測定者から得られた測定値であるか否かを認証する、第2の認証を行なう。
【0103】
第2の認証が成功である場合、制御装置10はメモリ12に記憶されている、関連付けられた測定値を処理装置2に対して送信する。
【0104】
このようにすることで、患者IDを入力する操作を不要として、処理装置2において、被測定者が同一である測定値を制御装置10から得ることができる。
【0105】
[変形例2]
なお、以上の説明では、生体情報モニタ1に制御装置10が含まれるものとしている。しかしながら、制御装置10は、いずれかの測定器に組み込まれてもよい。つまり、いずれかの測定器が制御装置10としても機能してもよい。一例として、血圧計20が制御装置10として機能する場合が想定される。
【0106】
この場合、血圧計20は自身で測定された測定値(血圧値)と脈拍数とを記憶すると共に、体温計30およびパルスオキシメータ40から、それぞれ、体温と脈拍数、血中酸素濃度と脈拍数、の入力を受付けて、自身で測定された脈拍数と入力された脈拍数とを用いて、これらが同一の被測定者から測定されたものであることを認証する。
【0107】
このとき、血圧計20と体温計30との間の通信、および血圧計20とパルスオキシメータ40との間の通信に人体通信を利用することで、各測定器が被測定者に測定のために装着されている状態で測定値が血圧計20に送信されることになり、時間的な同期を確認することができる。
【0108】
[変形例3]
なお、以上の説明では、各測定器での被測定者が同一の被測定者であることを認証するために生体情報としての測定値が用いられている。上の例では脈拍数が用いられている。また、脈拍数に限定されず、個体ごとに識別し得る範囲で値の異なる生体情報であってもよいとされている。
【0109】
ここで、さらに他の例として、各測定器と制御装置10との間の通信(変形例2の場合には制御装置10の機能を有する測定器と他の測定器との間の通信)に人体通信が用いられる場合、認証のための生体情報として、かかる人体通信の抵抗値が用いられてもよい。なぜなら、人体通信の抵抗値は人体の組織によって変化するものであり、個体ごとに識別し得る範囲で値の異なるものであるためである。つまり、人体通信の抵抗値もまた生体に依存するものであるため、生体情報に含まれる。
【0110】
さらに、一般的なパーソナルコンピュータで構成された制御装置10に上述の処理を実行させるためのプログラムを提供することもできる。このようなプログラムは、コンピュータに付属するフレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disk-Read Only Memory)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)およびメモリカードなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体にて記録させて、プログラム製品として提供することもできる。あるいは、コンピュータに内蔵するハードディスクなどの記録媒体にて記録させて、プログラムを提供することもできる。また、ネットワークを介したダウンロードによって、プログラムを提供することもできる。
【0111】
なお、本発明にかかるプログラムは、コンピュータのオペレーティングシステム(OS)の一部として提供されるプログラムモジュールのうち、必要なモジュールを所定の配列で所定のタイミングで呼出して処理を実行させるものであってもよい。その場合、プログラム自体には上記モジュールが含まれずOSと協働して処理が実行される。このようなモジュールを含まないプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
【0112】
また、本発明にかかるプログラムは他のプログラムの一部に組込まれて提供されるものであってもよい。その場合にも、プログラム自体には上記他のプログラムに含まれるモジュールが含まれず、他のプログラムと協働して処理が実行される。このような他のプログラムに組込まれたプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
【0113】
提供されるプログラム製品は、ハードディスクなどのプログラム格納部にインストールされて実行される。なお、プログラム製品は、プログラム自体と、プログラムが記録された記録媒体とを含む。
【0114】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0115】
1 生体情報モニタ、2 処理装置、2A 管理アプリケーション、10 制御装置、11,21,31,41 CPU、12,22,32,42 メモリ、13 表示部、14,24 第1通信部、15,25 第2通信部、16 第3通信部、17 第4通信部、20 血圧計、23,43 測定部、23A,34A 圧力センサ、30 体温計、33 体温測定部、33A 温度センサ、34 脈拍数測定部、35,45 通信部、40 パルスオキシメータ、43A 光センサ、60 バーコードリーダ、70 測定器、101 第1入力部、102 第2入力部、103 第3入力部、104 認証部、105 処理部、106 表示処理部、107 送信処理部、109 制御部、110 取得部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体情報を測定するための第1の測定装置および第2の測定装置それぞれでの測定対象の生体の同一性を認証するための制御装置であって、
前記第1の測定装置における第1の測定値の入力を受付けるための第1の入力手段と、
前記第2の測定装置における第2の測定値の入力を受付けるための第2の入力手段と、
前記第1の測定値と前記第2の測定値とを用いて前記同一性を認証するための演算手段とを備え、
前記演算手段は、前記第1の測定値と前記第2の測定値とから、前記認証に用いるための生体情報を取得するための取得手段と、
前記第1の測定値から取得された前記生体情報で表わされる生体値と前記第2の測定値から取得された前記生体情報で表わされる生体値とを比較することで、前記同一性を認証するための認証手段と、
前記認証手段での認証結果に応じた情報を出力するための出力手段とを含む、制御装置。
【請求項2】
前記第1の測定値から取得された前記生体情報で表わされる前記生体値と前記第2の測定値から取得された前記生体情報で表わされる前記生体値とは脈拍数である、請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記認証手段は、同一の生体から得られる生体値のばらつきの範囲を予め記憶しておき、前記第1の測定値から取得された前記生体情報で表わされる生体値と前記第2の測定値から取得された前記生体情報で表わされる生体値とが前記範囲内にあるときに、前記第1の測定値と前記第2の測定値とが同一の生体から測定された測定値であるとして前記同一性を認証する、請求項1または2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記出力手段は、前記認証が成功であった場合、前記第1の測定値と前記第2の測定値とを関連付けて出力する、請求項1〜3のいずれかに記載の制御装置。
【請求項5】
前記第1の入力手段は、前記第1の測定値と共に当該第1の測定値の測定対象の生体の識別情報の入力を受け付け、
前記出力手段は、前記認証が成功であった場合、前記第1の測定値と前記第2の測定値とを関連付け、さらに、これらを前記測定対象の生体の識別情報と対応付けて出力する、請求項4に記載の制御装置。
【請求項6】
前記出力手段は、前記認証が不成功であった場合、その旨を報知する情報を出力する、請求項1〜5のいずれかに記載の制御装置。
【請求項7】
前記出力手段は、前記認証が成功であった場合、前記第1の測定装置および前記第2の測定装置に対して、前記生体情報を測定する測定動作を実行させるためのコマンドを出力する、請求項1〜6のいずれかに記載の制御装置。
【請求項8】
前記第1の測定装置および前記第2の測定装置は、それぞれ、血圧、体温、および血中酸素濃度のいずれかであって、それぞれ異なる生体情報を測定するものであり、
前記第1の測定装置および前記第2の測定装置は、さらに、当該生体情報に加えて、前記演算手段で前記同一性を認証する処理に用いられる生体情報を測定し、それらを含めて、それぞれ、前記第1の測定値および前記第2の測定値とする、請求項1〜7のいずれかに記載の制御装置。
【請求項9】
生体情報を測定するための第1の測定装置および第2の測定装置それぞれでの測定対象の生体の同一性を認証するための認証方法であって、
前記第1の測定装置から入力された第1の測定値と、前記第2の測定装置から入力された第2の測定値とから、前記認証に用いるための生体情報を取得するステップと、
前記第1の測定値から取得された前記生体情報で表わされる生体値と前記第2の測定値から取得された前記生体情報で表わされる生体値とを比較することで、前記同一性を認証するステップと、
前記認証するステップでの認証結果に応じた情報を出力するステップとを備え、
前記認証するステップは、予め記憶されている、同一の生体から得られる生体値のばらつきの範囲内に、前記第1の測定値から取得された前記生体情報で表わされる生体値と前記第2の測定値から取得された前記生体情報で表わされる生体値とがあるときに、前記第1の測定値と前記第2の測定値とが同一の生体から測定された測定値であるとして前記同一性を認証する、認証方法。
【請求項1】
生体情報を測定するための第1の測定装置および第2の測定装置それぞれでの測定対象の生体の同一性を認証するための制御装置であって、
前記第1の測定装置における第1の測定値の入力を受付けるための第1の入力手段と、
前記第2の測定装置における第2の測定値の入力を受付けるための第2の入力手段と、
前記第1の測定値と前記第2の測定値とを用いて前記同一性を認証するための演算手段とを備え、
前記演算手段は、前記第1の測定値と前記第2の測定値とから、前記認証に用いるための生体情報を取得するための取得手段と、
前記第1の測定値から取得された前記生体情報で表わされる生体値と前記第2の測定値から取得された前記生体情報で表わされる生体値とを比較することで、前記同一性を認証するための認証手段と、
前記認証手段での認証結果に応じた情報を出力するための出力手段とを含む、制御装置。
【請求項2】
前記第1の測定値から取得された前記生体情報で表わされる前記生体値と前記第2の測定値から取得された前記生体情報で表わされる前記生体値とは脈拍数である、請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記認証手段は、同一の生体から得られる生体値のばらつきの範囲を予め記憶しておき、前記第1の測定値から取得された前記生体情報で表わされる生体値と前記第2の測定値から取得された前記生体情報で表わされる生体値とが前記範囲内にあるときに、前記第1の測定値と前記第2の測定値とが同一の生体から測定された測定値であるとして前記同一性を認証する、請求項1または2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記出力手段は、前記認証が成功であった場合、前記第1の測定値と前記第2の測定値とを関連付けて出力する、請求項1〜3のいずれかに記載の制御装置。
【請求項5】
前記第1の入力手段は、前記第1の測定値と共に当該第1の測定値の測定対象の生体の識別情報の入力を受け付け、
前記出力手段は、前記認証が成功であった場合、前記第1の測定値と前記第2の測定値とを関連付け、さらに、これらを前記測定対象の生体の識別情報と対応付けて出力する、請求項4に記載の制御装置。
【請求項6】
前記出力手段は、前記認証が不成功であった場合、その旨を報知する情報を出力する、請求項1〜5のいずれかに記載の制御装置。
【請求項7】
前記出力手段は、前記認証が成功であった場合、前記第1の測定装置および前記第2の測定装置に対して、前記生体情報を測定する測定動作を実行させるためのコマンドを出力する、請求項1〜6のいずれかに記載の制御装置。
【請求項8】
前記第1の測定装置および前記第2の測定装置は、それぞれ、血圧、体温、および血中酸素濃度のいずれかであって、それぞれ異なる生体情報を測定するものであり、
前記第1の測定装置および前記第2の測定装置は、さらに、当該生体情報に加えて、前記演算手段で前記同一性を認証する処理に用いられる生体情報を測定し、それらを含めて、それぞれ、前記第1の測定値および前記第2の測定値とする、請求項1〜7のいずれかに記載の制御装置。
【請求項9】
生体情報を測定するための第1の測定装置および第2の測定装置それぞれでの測定対象の生体の同一性を認証するための認証方法であって、
前記第1の測定装置から入力された第1の測定値と、前記第2の測定装置から入力された第2の測定値とから、前記認証に用いるための生体情報を取得するステップと、
前記第1の測定値から取得された前記生体情報で表わされる生体値と前記第2の測定値から取得された前記生体情報で表わされる生体値とを比較することで、前記同一性を認証するステップと、
前記認証するステップでの認証結果に応じた情報を出力するステップとを備え、
前記認証するステップは、予め記憶されている、同一の生体から得られる生体値のばらつきの範囲内に、前記第1の測定値から取得された前記生体情報で表わされる生体値と前記第2の測定値から取得された前記生体情報で表わされる生体値とがあるときに、前記第1の測定値と前記第2の測定値とが同一の生体から測定された測定値であるとして前記同一性を認証する、認証方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2012−200266(P2012−200266A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−64395(P2011−64395)
【出願日】平成23年3月23日(2011.3.23)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
【出願人】(503246015)オムロンヘルスケア株式会社 (584)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月23日(2011.3.23)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
【出願人】(503246015)オムロンヘルスケア株式会社 (584)
【Fターム(参考)】
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