制御装置及びプログラム
【課題】第1の処理と第2の処理とが実行される場合に、第2の処理を適切に実行するための技術を提供する。
【解決手段】
制御装置は、第1の処理実行手段と、第2の処理実行手段と、記憶手段と、特定手段とを備える。第1の処理実行手段は、画像データを表示する表示手段に画像データを供給する第1の処理を実行する。第2の処理実行手段は、第1の処理とともに実行される第2の処理であって、第1のデータに対して特定の画像処理が実行された第2のデータを生成する前記第2の処理を実行する。第1の処理実行手段は、記憶手段に記憶される第2のデータの数が所定の閾値よりも少ないと特定される第1の場合に、単位期間当たり第1の割合で第1の処理を実行し、記憶手段に記憶される第2のデータの数が所定の閾値以上であると特定される第2の場合に、単位期間当たり第1の割合よりも多い第2の割合で第1の処理を実行する。
【解決手段】
制御装置は、第1の処理実行手段と、第2の処理実行手段と、記憶手段と、特定手段とを備える。第1の処理実行手段は、画像データを表示する表示手段に画像データを供給する第1の処理を実行する。第2の処理実行手段は、第1の処理とともに実行される第2の処理であって、第1のデータに対して特定の画像処理が実行された第2のデータを生成する前記第2の処理を実行する。第1の処理実行手段は、記憶手段に記憶される第2のデータの数が所定の閾値よりも少ないと特定される第1の場合に、単位期間当たり第1の割合で第1の処理を実行し、記憶手段に記憶される第2のデータの数が所定の閾値以上であると特定される第2の場合に、単位期間当たり第1の割合よりも多い第2の割合で第1の処理を実行する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の処理を並行して実行する制御装置及び制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、第1の処理で実行される内容に応じて、第2の処理で実行される内容を変更する技術がある。例えば特許文献1では、印字処理を行うプリンタにおいて、印字処理の実行対象である印字ジョブのデータ量に応じて、スプール処理(印字ジョブのデータを一時的にデータ格納手段に格納する処理)を実行するか否かを切り替えている。具体的には、印字ジョブのデータ量が規定値未満であると判断される場合は、一旦印字ジョブをスプールする。一方、印字ジョブのデータ量が規定値以上であると判断される場合は、印字ジョブをスプール処理することなく、ラスタライズ処理を実行している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−212250号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、第1の処理が画像データを表示する表示手段に前記画像データを供給する処理であって、第2の処理が第1のデータに対して特定の画像処理が実行された第2のデータを生成する処理である場合については、言及されていなかった。本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、第1の処理と第2の処理とが実行される場合に、第2の処理を適切に実行することができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的を達成するために、本発明の第1の装置は、画像データを表示する表示手段に前記画像データを供給する第1の処理を実行する第1の処理実行手段と、前記第1の処理とともに実行される第2の処理であって、第1のデータに対して特定の画像処理が実行された第2のデータを生成する前記第2の処理を実行する第2の処理実行手段と、前記第2の処理によって生成された前記第2のデータを記憶させる記憶手段と、前記記憶手段によって記憶される前記第2のデータの数を特定する特定手段と、を備え、前記第1の処理実行手段は、前記記憶手段に記憶される前記第2のデータの数が所定の閾値よりも少ないと特定される第1の場合に、単位期間当たり第1の割合で前記第1の処理を実行し、前記記憶手段に記憶される前記第2のデータの数が前記所定の閾値以上であると特定される第2の場合に、単位期間当たり前記第1の割合よりも多い第2の割合で前記第1の処理を実行することを特徴とする。
【0006】
この構成により、第1の処理が単位期間当たりに実行される割合を少なくすることによって、第2の処理が単位期間当たりに実行される割合を増加させることができる。そのため、第2の処理の実行を適切に実行することができる。
【0007】
例えば、第1の処理が単位期間当たりに実行される割合を少なくすることによって、第2の処理によって生成される第2のデータの数を増加させることができる。この結果、第2の処理に続いて実行される処理であって、第2のデータを用いて実行される処理が遅延することを防止することができる。
【0008】
また、上記の装置において、前記第1のデータが、前記記憶手段に記憶されているか否かを判断する判断手段をさらに備え、前記第2の処理は、前記判断手段によって、前記第1のデータが前記記憶手段に記憶されていると判断されることを条件として実行され、前記第1の処理実行手段は、前記判断手段によって、前記第1のデータが前記記憶手段に記憶されていないと判断された第3の場合に、前記記憶手段に記憶される前記第2のデータの数に関わらず、単位期間当たり前記第2の割合で前記第1の処理を実行すること特徴とすることが好ましい。
【0009】
この構成により、第1のデータが記憶されていないために第2の処理が実行されていない場合は、第1の処理が単位期間当たりに実行される割合を減少させずに済むため、第1の処理が充実した内容で実行される状態を維持することができる。
【0010】
また、上記の装置において、前記第1の処理実行手段は、複数の前記画像データを前記表示手段に順次供給することを特徴としてもよい。
【0011】
また、上記の装置において、前記第1の処理実行手段は、前記表示手段に表示される複数の画像データのうち、第1の画像データの表示が完了してから、前記第1の画像と異なる第2の画像データの表示が完了するまでの期間を長くすることによって、単位期間当たり前記第1の割合で前記第1の処理を実行することを特徴とすることが好ましい。
【0012】
この構成により、それぞれの画像データの表示が完了するまでの期間を変更することによって、第1の処理が単位期間あたりに実行される割合を減少させることができる。
【0013】
また、上記の装置において、前記第1の処理実行手段は、前記表示手段に表示される1または複数の前記画像データのデータサイズを小さくすることによって、単位期間当たり前記第1の割合で前記第1の処理を実行することを特徴とすることが好ましい。
【0014】
この構成により、画像データのデータサイズを小さくすることによって、第1の処理が単位期間あたりに実行される割合を減少させることができる。
【0015】
また、上記の装置において、前記第1の場合に前記表示手段に表示される前記1または複数の画像データは単一の色で表現される画像データであり、前記第2の場合に前記表示手段に表示される前記1または複数の画像データは複数の色で表現される画像データであることを特徴としてもよい。
【0016】
この構成により、画像データに使用される色の数を変更することによって、第1の割合を、第2の割合に比べて減少させることができる。
【0017】
また、上記の装置において、前記第1の場合に前記表示手段に表示される前記1または複数の画像データは第1の解像度で表現される画像データであり、前記第2の場合に前記表示手段に表示される前記1または複数の画像データは第1の解像度よりも高い解像度である第2の解像度で表現される画像データであることを特徴としてもよい。
【0018】
この構成により、使用される画像データの解像度を変更することによって、第1の割合を、第2の割合に比べて減少させることができる。
【0019】
また、上記の装置において、さらに、前記第2のデータを被記録媒体に印刷する第3の処理を実行する第3の処理実行手段を備え、前記第3の処理実行手段は、前記記憶手段に前記第2のデータが記憶されていない場合に、前記第3の処理の実行を待機し、前記記憶手段に前記第2のデータが記憶されている場合に、前記記憶手段に記憶される前記第2のデータに対して順次第3の処理を実行し、前記第2のデータの数は、前記第3の処理が実行されることによって減少することを特徴とすることが好ましい。
【0020】
また、上記の装置において、前記第2の処理は、RIP(Raster Image Processer)処理であることを特徴としてもよい。
【0021】
なお、この発明は、制御装置及び制御装置で実行される方法、これらの方法または装置の機能を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体等の種々の態様で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】第1実施例におけるプリンタの構成を示すブロック図。
【図2】各処理を時系列に沿って表現したタイムチャートを示す図。
【図3】単位期間当たりにCPU30が実行する処理の割合を示した図。
【図4】条件(A)、(B)を考慮して、各処理を時系列に沿って表現したタイムチャートを示す図。
【図5】各UI処理を実行する際のUIの動作の比較を示した図。
【図6】画像処理全体の概略を説明した図。
【図7】第1実施例で実行されるUI処理を示すフローチャート。
【図8】第1実施例で実行されるRIP処理を示すフローチャート。
【図9】第1実施例で実行される印刷処理を示すフローチャート。
【図10】第2実施例での各UI処理を実行する際のUIの動作の比較を示した図。
【図11】第3実施例での各UI処理を実行する際のUIの動作の比較を示した図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態について以下の順序で説明する。
A.第1実施例:
A−1.プリンタの構成:
A−2.画像処理の概要:
A−2−1.各処理の関係
A−2−2.UI処理の概要
A−3.画像処理:
A−3−1.UI処理:
A−3−2.RIP処理:
A−3−3.印刷処理:
B.第2実施例:
C.第3実施例:
D.まとめ:
【0024】
A.第1実施例:
A−1.プリンタの構成:
図1は、第1実施例におけるプリンタ10の概略構成を表すブロック図である。
【0025】
第1実施例のプリンタ10は、制御部20、表示部61、操作部62、印刷実行部63、ネットワークインターフェース64を備えており、それぞれがバス線で接続されている。また、プリンタ10は、ネットワークインターフェース64と接続されたLAN(ローカルエリアネットワーク)80を介して端末装置70と接続されている。
【0026】
制御部20は、CPU30とメモリ40とを備える。CPU30は、メモリに格納されている画像処理プログラム41に従って処理を実行する。CPU30が当該画像処理プログラムに従って処理を実行することによって、各手段51〜56の機能が実現される。メモリ40は、前記画像処理プログラム41と、後述する印刷待ちページカウンタ42と、後述するRIP処理中フラグ43と、を格納する。また、メモリ40は、メモリ40内のデータ記憶領域44に、端末装置から送信されるRIP未処理データ44aと、後述するRIP処理によって生成されるRIP済みデータ44bと、を格納する。
【0027】
表示部61は、パネルを備えており、各種の画面を表示する。操作部62は、複数のボタンを備えている。ユーザは、操作部62を操作することによって、表示部61に表示される項目を選択する。なお、表示部61は、タッチパネルであってもよい。この場合、表示部61は、操作部62としても機能し、ユーザは、表示部61に表示された画面内の一部の領域に触れることによって項目を選択する。
【0028】
印刷実行部63は、レーザ方式等の印刷機構を備えている。制御部20は、ネットワークインターフェース64と接続されたLAN(ローカルエリアネットワーク)80を介して端末装置70から送信されるRIP未処理データをRIP処理することによって、データ記憶領域44に記憶されているRIP処理済みデータ44bを印刷実行部63に印刷出力させることができる。
【0029】
A−2.画像処理の概要:
A−2−1.各処理の関係:
次に、第1実施例で実行される画像処理についての概要を説明する。第1実施例では、制御部20は、以下の3つの処理を並行して実行する。すなわち、制御部20は、(1)表示部61に画像データを表示するUI処理と、(2)PCから送信されたPDLで記述された印刷データ(以下、RIP未処理データ44a)に対して実行されるRIP(Raster Image Processer)処理と、(3)RIP処理されたRIP処理済みデータ44bを、用紙に印刷する印刷処理と、の3つの処理を並行して実行する。なお、RIP処理とは、ページ記述言語(PDL)で記述されたオブジェクトを、描画コマンドに基づいてビットマップ形式のラスターイメージで表現されるデータに変換する処理である。
【0030】
ここで、比較例として、本願の発明を実施していない場合の一例を示す。図2は、上述した3つの処理が実行される場合の一例を時系列に沿って表現したタイムチャートを示す図である。なお、図中の数字(1)〜(9)は、電源が投入されてから処理されるデータを、処理されるページ順に示したものである。例えば、(5)は、電源が投入されてから5ページ目の用紙に印刷処理されるデータであることを示す。
【0031】
図示するように、期間T1は、端末装置70からRIP未処理データを受信する前の期間である。すなわち、メモリ40にはRIP未処理データが記憶されていない。従って、制御部20は、RIP処理、及び印刷処理を実行せず、UI処理のみを実行する。RIP未処理データ44aが端末装置70から送信され、メモリ40に記憶されたことが確認されると(時刻P1)、制御部20は、RIP処理中フラグ43をオンにし、当該RIP未処理データ44aに対してRIP処理を実行する。当該RIP未処理データ44aに対するRIP処理が完了し、RIP処理済みデータ44bがメモリ40に記憶されると(時刻P2)、制御部20は、印刷待ちページカウンタ42をインクリメント(+1)し、RIP処理が実行されたRIP処理済みデータ44bに対して印刷処理を開始する。なお、印刷待ちページカウンタ42は、RIP処理が実行され、印刷処理が実行されるのを待機するRIP処理済みデータ44bの数を示すカウンタである。また、印刷処理の開始とは、プリンタ10の図示しない給紙トレイから給紙を開始することである。
【0032】
制御部20は、RIP未処理データ44aがメモリ40内に記憶されている限りRIP処理を実行し続ける。制御部20は、1ページ分のRIP処理が完了するたびに、印刷待ちページカウンタ42をインクリメントする。
【0033】
1ページ目のRIP処理済みデータ44bに対する印刷処理が完了すると(時刻P3)、制御部20は、印刷待ちページカウンタ42をデクリメント(−1)する。なお、印刷処理の完了とは、RIP処理済みデータ44bが用紙に印刷され、原稿がプリンタ10の図示しない排紙トレイから排紙されることである。
【0034】
制御部20は、以下の2つの条件を満たしたときに印刷処理を開始する。すなわち、制御部20は、(1)RIP済みデータ44bがメモリ40内に記憶されたことと、(2)印刷実行部63が給紙を開始できるタイミングを経過していることと、の2つの条件をともに満たしたときに印刷処理を開始する。
【0035】
ここで、(2)について説明する。制御部20は、メモリ40内に複数のRIP処理済みデータ44bが記憶されていたとしても、当該複数のRIP処理済みデータ44bのうち、第1のRIP処理済みデータの印刷処理を開始してから特定の期間Tfが経過するまでは、第1のRIP処理済みデータの次に印刷される第2のRIP処理済みデータの印刷を開始することができない。換言すれば、複数のRIP処理済みデータ44bが記憶されている場合は、制御部20は、第1のRIP処理済みデータの印刷処理を開始してから当該特定の期間Tfが経過した後に、第2のRIP処理済みデータの印刷処理を開始することができる。
【0036】
図示するように、5ページ目に処理されるデータ(図中(5))までのデータに関しては、制御部20は、印刷処理が実行される上記2つの条件のうち、(1)の条件が満たされた状態で、(2)の条件が満たされるのを待機している。具体的には、RIP処理済みデータ44bが、上述した期間Tfを経過する前に生成される。従って、制御部20は、上述した特定の期間Tfで印刷処理を実行することができる。
【0037】
しかしながら、6ページ目以降に処理されるデータ(図中(6)〜(9))に関しては、(1)の条件が満たされる前に(2)の条件が満たされる。具体的には、RIP処理済みデータ44bが生成される前に、上述した特定の期間Tfが経過する。従って、制御部20は、特定の期間Tfが経過したにもかかわらず、(1)の条件が満たされるのを待機しなければならない。その結果、特定の期間Tfごとに印刷処理を実行する場合に比べて、印刷処理に要する期間が長くなる。
【0038】
そこで、第1実施例のプリンタ10では、制御部20は、以下に示す条件に従って上述した3つの処理(UI処理、RIP処理、及び印刷処理)を実行する。すなわち、RIP処理が実行されているか否かについての条件と、RIP処理が完了したRIP処理済みデータ44bの数の条件とに応じて、UI処理の内容を変更する。第1実施例では、具体的には、(A)RIP処理が実行されているとき(すなわち、RIP処理中フラグ43がオンであるとき)と、(B)RIP処理済みデータ44bがメモリ40内に5未満しか記憶されていないとき(すなわち、印刷待ちページカウンタ42が5未満であるとき)との条件がともに満たされる場合に、制御部20は、CPU30において単位期間当たりにUI処理が実行される割合が小さい(すなわち、CPU30に対する負荷の小さい)UI処理を実行する。一方、(A)と(B)との条件のうち、少なくともいずれかの条件が満たされない場合に、制御部20は、CPU30において単位期間当たりにUI処理が実行される割合が大きい(すなわち、CPU30に対する負荷の大きい)UI処理を実行する。
【0039】
図3は、単位期間当たりにCPU30が実行する処理の割合を示した図である。図示するように、負荷の小さいUI処理を実行する際は、負荷の大きいUI処理を実行する場合に比べて、短い期間でUIを表示する処理を実行することができる。そのため、相対的に、RIP処理を実行する期間を増加させることができる。その結果、制御部20は、RIP処理済みデータ44bを生成する速さを向上することができる。
【0040】
なお、上述した(B)の条件に関して、第1実施例では、制御部20は、メモリ40内に記憶されるRIP処理済みデータ44bの数が5以上であるか否かに応じて、実行されるUI処理を切り替えているが、当該切り替えの閾値となるRIP処理済みデータ44bの数は任意に変更することが可能である。例えば、RIP済みデータの数が10以上である場合に、制御部20は負荷の小さいUI処理を実行することもできる。
【0041】
このように、第1実施例において、上述した条件(A)、(B)に従って処理が実行されるのは、以下の理由による。まず、(A)の条件が課される理由について説明する。RIP処理が実行されていないときは、CPU30においてUI処理が実行される時間を増加させても弊害がないと考えられる。そのため、RIP処理が実行されていない期間は、制御部20は、負荷の大きいUI処理を実行する。次に、(B)の条件が課される理由について説明する。RIP処理済みデータ44bの数が5以上である場合(すなわち、印刷待ちページカウンタ42が5以上であるとき)は、印刷処理を実行するに際してRIP処理が完了するのを待機するような状況が生じにくいと考えられる。換言すれば、上述した特定の期間Tfが経過したにもかかわらず、RIP処理済みデータ44bがメモリ40内に記憶されるのを待機しなければならない状況が生じにくいと考えられる。そのため、制御部20は、負荷の大きいUI処理が実行する。
【0042】
図4は、条件(A)、(B)を考慮して、上述した3つの処理が実行される場合を時系列に沿って表現したタイムチャートである。図示するように、期間T11では、RIP処理が実行されていない(すなわち、(B)の条件は満たされているが、(A)の条件が満たされていない)ため、制御部20は負荷の大きいUI処理を実行する。時刻P11を経過すると、制御部20はRIP処理を開始する。このとき、(A)の条件とともに、(B)の条件も満たされる。従って、制御部20は、時刻P11から、RIP処理済みデータ44bが5以上となる時刻(時刻P12)まで、負荷の小さいUI処理を実行する。時刻P12を経過すると、RIP処理済みデータ44bの数が5以上となる(すなわち、(A)の条件は満たされるが、(B)の条件は満たされない)ため、制御部20は負荷の大きいUI処理を実行する。この後、時刻P13以降の期間では、RIP処理済みデータの数が5未満となるが、RIP処理が実行されていない(すなわち、(B)の条件は満たされているが、(A)の条件が満たされていない)ため、制御部20は負荷の大きいUI処理を実行し続ける。
【0043】
このように、(A)と(B)との条件に従って処理が実行されることによって、制御部20は、メモリ40内に記憶されるRIP処理済みデータ44bの数が少ない場合に、RIP処理にかける時間を増加させることができる。その結果、制御部20は、特定の期間Tfで印刷処理を継続することができる確率を高めることができる。
【0044】
A−2−2.UI処理の概要:
次に、負荷の大きいUIを表示する処理と、負荷の小さいUIを表示する処理と、の違いについて説明する。図5は、各UI処理を実行する際のUIの動作の比較を示した図である。(A)は負荷の大きいUI処理におけるUIの動作を示し、(B)は負荷の小さいUI処理におけるUIの動作を示している。
【0045】
一般に、特定の期間内に遷移する画像データの枚数が多いほど、CPU30において単位期間当たりにUI処理が実行される割合が高くなる。このため、第1実施例では、複数の画像データをアニメーションとして順次表示する場合に、特定の期間内に遷移する画像データの枚数を変化させることによって、CPU30がUI処理に要する期間を変化させる。第1実施例では、負荷の大きいUI処理とは、特定の期間内に遷移する画像データの枚数が多い処理を意味する。なお、UI処理で表示部61に表示するための画像データは、予めメモリ40内に記憶されている。
【0046】
(A)に図示するように、高負荷のUI処理においては、制御部20は、特定の期間で(1)から(5)までの5枚の画像データを表示部61に表示する。第1実施例では、(1)の画像データの表示が完了してから、(5)の画像データの表示が完了するまでの期間は1秒間であるとして説明する。
【0047】
(A)では、制御部20は、以下のように画像データを変化させるUI処理を実行する。すなわち、制御部20は、(1)の画像データの表示状態維持(0.15秒)→(1)の画像データから(2)の画像データへの遷移(0.1秒)→(2)の画像データの表示状態維持(0.15秒)→(2)の画像データから(3)の画像データへの遷移(0.1秒)→(3)の画像データの表示状態維持(0.15秒)→(3)の画像データから(4)の画像データへの遷移(0.1秒)→(4)の画像データの表示状態維持(0.15秒)→(4)の画像データから(5)の画像データへの遷移(0.1秒)という流れでUI処理を実行する。
【0048】
一方、(B)に図示するように、低負荷のUI処理においては、制御部20は、特定の期間で、(1)、(3)、(5)の3枚の画像データを表示する。すなわち、(B)においては、(A)で使用される(1)〜(5)の画像データのうち、(1)、(3)、及び(5)の3枚の画像データが使用される。(B)においても、(A)と同様に、(1)の画像データの表示が完了してから、(5)の画像データの表示が完了するまでの期間は1秒間であるとして説明する。
【0049】
(B)では、制御部20は、以下のように画像データを変化させるUI処理を実行する。すなわち、制御部20は、(1)の画像データの表示状態維持(0.4秒)→(1)の画像データから(3)の画像データへの遷移(0.1秒)→(3)の画像データの表示状態維持(0.4秒)→(3)の画像データから(5)の画像データへの遷移(0.1秒)という流れでUI処理を実行する。
【0050】
このように、画像の遷移のために要する期間(すなわち、表示状態維持を除く期間)は、(A)では0.4秒であるのに対し、(B)では0.2秒である。この結果、(B)では、(A)に比べて、CPU30がUI処理を実行するための期間を減少させることができる。
【0051】
A−3.画像処理:
次に、第1実施例で実施される画像処理について説明する。図6は、画像処理全体の概略を説明した図である。上述したように、当該画像処理で実行される処理は、3種類に分類される。具体的には、図示するように、UI処理と、RIP処理と、印刷処理と、に分類される。
【0052】
また、図示するように、それぞれの処理において、制御部20は、印刷待ちページカウンタ42と、RIP処理中フラグ43とを適宜参照する。また、それぞれの処理の結果に応じて、制御部20は、印刷待ちページカウンタ42と、RIP処理中フラグ43との内容を書き換える。
【0053】
それぞれの3つの処理は、ユーザが操作部62を操作し、プリンタ10の電源が投入されることにより開始される。電源が投入されると、制御部20は上述した印刷待ちページカウンタ42と、RIP処理中フラグ43とを初期化する。具体的には、制御部20は、印刷待ちページカウンタ42を0とし、かつ、RIP処理中フラグ43をオフとする。
【0054】
上述したように、印刷待ちページカウンタ42と、RIP処理中フラグ43との初期化が完了すると、制御部20は、UI処理と、RIP処理と、印刷処理とを並行して実行する。以下、3つの処理について詳述する。
【0055】
A−3−1.UI処理:
まず、UI処理について説明する。図7は、第1実施例で実行されるUI処理を示すフローチャートである。
【0056】
制御部20は、RIP処理中フラグ43を参照し、RIP処理中フラグがオフとなっているか否かを確認する(S102)。RIP処理中フラグ43がオフとなっていることが確認された場合は(S102 YES)、制御部20は高負荷のUI処理を実行する(S108)。
【0057】
一方、RIP処理中フラグ43がオンとなっていることが確認された場合は(S102 NO)、制御部20は、印刷待ちページカウンタ42を参照し、印刷待ちページカウンタ42が5以上であるか否かを確認する(S104)。印刷待ちページカウンタ42が5以上であると確認された場合は(S104 YES)、制御部20は、メモリ40内に十分な数のRIP処理済みデータ44bが記憶されていると判断し、高負荷のUI処理を実行する(S108)。一方、印刷待ちページカウンタ42が5未満であると確認された場合は(S104 NO)、制御部20は、メモリ40内に十分な数のRIP処理済みデータ44bが記憶されていないと判断し、低負荷のUI処理を実行する(S108)。こうすることで、メモリ内にRIP処理済みデータ44bが不足していると判断される場合は、制御部20は、CPU30がUI処理のために割り当てる期間を減少させ、代わりにRIP処理のために割り当てる期間を増加させることができる。
【0058】
A−3−2.RIP処理:
次に、RIP処理について説明する。図8は、第1実施例で実行されるRIP処理を示すフローチャートである。
【0059】
制御部20は、RIP未処理データ44aがメモリ40内に記憶されているか否かを確認する(S202)。S202の処理は、RIP未処理データ44aがメモリ40内に記憶されていることが確認されるまで繰り返し実行される。
【0060】
RIP未処理データ44aがメモリ40に記憶されていることが確認された場合は(S202 YES)、制御部20は、上述したRIP処理中フラグ43をオンにする(S204)。
【0061】
続いて制御部20は、用紙1ページ分に対応するRIP未処理データ44aにRIP処理を実行する(S206)。その後、制御部20は、RIP処理されたRIP処理済みデータ44bをメモリ40に記憶し(S208)、印刷待ちページカウンタ42の値をインクリメントする(S210)。
【0062】
続いて、制御部20は、S206でRIP処理を実行したRIP未処理データ44aに関して、全てのページのRIP処理が完了したか否かを特定する(S212)。具体的には、制御部20は、当該RIP未処理データ44aが複数ページで構成されていると判断される場合に、最後のページのRIP処理の実行が完了したか否かを特定する。
【0063】
RIP処理が実行されていないページが存在すると特定された場合は(S212 YES)、制御部20は、S206に処理を移行し、RIP処理が実行されていないページのRIP処理を実行する。一方、全てのページに対してRIP処理が実行されたと特定された場合は(S212 NO)、制御部20は、上述したRIP処理中フラグ43をオフとし(S214)、処理をS202に移行する。
【0064】
A−3−3.印刷処理:
次に、印刷処理について説明する。図9は、第1実施例で実行される印刷処理を示すフローチャートである。
【0065】
まず、制御部20は、印刷の給紙を行うことが可能なタイミングか否かを特定する(S302)。例えば、図2における1枚目のRIP処理済みデータ44b(図中(1))については、ポイントAのタイミングであるか否かを特定する。印刷の給紙を行うことが可能なタイミングであると特定されない場合は(S302 NO)、制御部20はS308に処理を移行する。
【0066】
なお、印刷の給紙が可能なタイミングとは、以下の2つの場合が想定される。すなわち、(1)RIP処理済みデータが存在せず、印刷処理が実行されていない場合と、(2)RIP処理済みデータに対して印刷処理が実行されているが、給紙が開始されてから上述した特定の期間Tfだけ経過しており、次のRIP処理済みデータ44bの印刷が開始できる場合と、の2つの場合が想定される。
【0067】
印刷の給紙を行うことが可能なタイミングであると特定された場合は(S302 YES)、制御部20は、RIP処理済みデータ44bがメモリ40に記憶されているか否かを特定する(S304)。RIP処理済みデータ44bが記憶されている場合(S304 YES)は、制御部20は、当該RIP処理済みデータ44bを用紙に印刷するため、用紙の給紙を開始する(S308)。一方、RIP処理済みデータ44bが記憶されていない場合(S304 NO)、制御部20は、S308に処理を移行する。
【0068】
続いて制御部20は、いずれかのRIP処理済みデータ44bに対する印刷処理の実行が完了し、原稿が排紙されたか否かを特定する(S308)。例えば、図2における1枚目のRIP処理済みデータ44b(図中(1))については、ポイントBを経過したタイミングであるか否かを特定する。排紙が完了したタイミングであると特定された場合は(S308 YES)、制御部20は、印刷待ちページカウンタ42をデクリメントする(S310)。
【0069】
このように、図9に示した印刷処理では、制御部20は、給紙が可能なタイミングと、排紙が完了したタイミングとを連続的に監視している。これらのいずれのタイミングでもない場合は、制御部20は、S302とS308との処理を交互に実行し続ける。一方、給紙が可能なタイミングである場合(例えば図2のポイントA)は、制御部20は、S304、S306の処理を実行する。一方、排紙が完了したタイミングである場合(例えば図2のポイントB)は、制御部20は、S310の処理を実行する。
【0070】
B.第2実施例:
続いて、本発明の第2実施例について、図10を参酌して説明する。図10は、第2実施例での各UI処理を実行する際のUIの動作の比較を示した図である。なお、プリンタ10の構成、及び上述した3つの処理(UI処理、RIP処理、印刷処理)は第1実施例と同様であるため、説明を省略する。
【0071】
一般に、表示される画像データの内容が同じであっても、カラーの画像データを表示させる場合は、モノクロの画像データを表示させる場合に比べて、画像データを遷移させるために要する期間が長くなる。換言すれば、カラーの画像データを表示させる場合は、モノクロの画像データを表示させる場合に比べて、CPU30で実行されるUI処理の期間が長くなる。
【0072】
これを踏まえて、第2実施例においては、図示するように、高負荷のUI処理では、カラーの画像データを遷移させる。一方、低負荷のUI処理では、モノクロの画像データを遷移させる。こうすることで、制御部20は、画像データサイズの大きいカラーの画像データを使用するか、画像データサイズの小さいモノクロの画像データを使用するかを切り替えることによって、RIP処理を適切に実行することができる。
【0073】
なお、第2実施例で示したUIは、複数の画像データが遷移する場合を示したが、これに代えて、単一の画像データを表示し続ける静止画のUIであってもよい。
【0074】
C.第3実施例:
続いて、本発明の第3実施例について、図11を参酌して説明する。図11は、第3実施例での各UI処理を実行する際のUIの動作の比較を示した図である。なお、プリンタ10の構成、及び上述した3つの処理(UI処理、RIP処理、印刷処理)は第1実施例と同様であるため、説明を省略する。
【0075】
一般に、表示される画像データの内容が同じであっても、解像度の高い画像データを表示させる場合は、画像データのデータサイズが大きくなるため、解像度の低い画像データを表示させる場合に比べて、画像データを遷移させるために要する期間が長くなる。換言すれば、解像度の高い画像データを表示させる場合は、解像度の低い画像データを表示させる場合に比べて、CPU30で実行されるUI処理の時間が長くなる。
【0076】
図示するように、第3実施例においては、高負荷のUI処理では、第1の解像度の画像データを遷移させる。一方、低負荷のUI処理では、第2の解像度の画像データを遷移させる。例えば、第1の解像度は、600(dpi)×600(dpi)とし、第2の解像度は、300(dpi)×300(dpi)とする。こうすることで、高解像度の画像データを使用するか、低解像度の画像データを使用するかを切り替えることによって、RIP処理を適切に実行することができる。
【0077】
なお、第3実施例で示したUIは、複数の画像データが遷移する場合を示したが、これに代えて、第2実施例と同様に、単一の画像データを表示し続ける静止画のUIであってもよい。
【0078】
D.まとめ
以上の説明において、制御部20によって実行される画像処理プログラムのうち、図7のS102〜S108が本発明の第1の処理実行手段によって実行される処理に相当する。また、図8のS202〜S214が第2の処理実行手段によって実行される処理に相当する。また、図9のS302からS310が第3の処理実行手段によって実行される処理に相当する。また、図8のS208が記憶手段によって実行される処理に相当する。また、図7のS104が特定手段によって実行される処理に相当する。また、図7のS102が判断手段によって実行される処理に相当する。
【0079】
また、UI処理が本発明の第1の処理に相当し、RIP処理が本発明の第2の処理に相当し、印刷処理が第3の処理に相当する。
【0080】
また、RIP未処理データが本発明の第1のデータに相当し、RIP処理済みデータが本発明の第2のデータに相当する。
【0081】
以上説明したように、プリンタ10は、画像データを表示する表示部61に画像データを供給するUI処理と、RIP未処理データ44aに対するRIP処理とを実行する。
制御部30は、メモリ40に記憶されるRIP処理済みデータ44bの数を特定する。特定されたRIP未処理データ44bの数が所定の閾値(例えば5つ)よりも少ないと判断される場合は、制御部20は低負荷のUI処理を実行する。一方、特定されたRIP未処理データ44bの数が所定の閾値以上であると判断される場合は、制御部20は高負荷のUI処理を実行する。このように、CPU30においてUI処理が単位期間あたりに実行される割合を切り替えることによって、プリンタ10は、RIP処理を適切に実行することができる。
【0082】
なお、本発明における技術的範囲は、上述した実施例に限られるものではなく、以下に示すような種々の態様によって実施することが可能である。
【0083】
(1)上述した各実施例では、第2の処理としてRIP処理を実行する場合を記載したが、異なる構成であってもよい。例えば、制御装置がスキャナ装置である場合において、第2の処理は、プリンタ10の図示しないスキャン実行部によってスキャンが実行された画像データに対して実行される画像処理であって、スキャンの実行に伴った画像処理(例えば、拡大処理、変倍処理等)であってもよい。
【0084】
この場合、ユーザがプリンタ10の操作部27を操作することによってスキャンの実行を指示する、いわゆるプッシュスキャンであってもよいし、ユーザがプリンタ10と端末装置70の操作部を操作することによってスキャンの実行を指示する、いわゆるプルスキャンであってもよい。
【0085】
また、制御装置がプリンタであってもよいし、端末装置であってもよい。また、第2のデータは、プリンタ内に記憶されてもよいし、端末装置に記憶されてもよい。
【0086】
(2)上述した各実施例では、複数の画像が順次遷移するアニメーションの形態のUI処理について説明したが、他の構成に適用してもよい。例えば、ユーザが表示部(画面)を指で押圧し、表示部を指でスクロールさせることによって表示部を遷移させる、いわゆるフリック動作による画像データの遷移に本願の発明を適用してもよい。
【0087】
また、上述した各実施例におけるUI処理では、画像データが表示部61に表示される構成について説明したが、文字列によって構成される画像データが表示される構成であってもよい。
【0088】
また、上述した第1実施例では、特定の期間内に遷移する画像データの枚数を変化させることによって、CPU30がUI処理に要する期間を変化させている。ここで、上述した第1実施例では、制御部20は、各画像データの表示状態が維持される期間を変化させることによって、特定の期間内に遷移する画像データの枚数を変化させているが、異なる構成であってもよい。例えば、制御部20は、第1の画像データから、第1の画像データの次に表示される第2の画像デーへ遷移する期間を変化させることによって、特定の期間内に遷移する画像データの枚数を変化させてもよい。
【0089】
(3)上述した第2実施例では、高負荷のUI処理が特定の期間内に第1の枚数のカラーの画像データを遷移させる処理であって、低負荷のUI処理が特定の期間内に第1の枚数のモノクロの画像データを遷移させる処理であることを記載したが、異なる構成であってもよい。すなわち、高負荷のUI処理が特定の期間内に第1の枚数のカラーの画像データを遷移させる処理であって、低負荷のUI処理が特定の期間内に第1の枚数よりも少ない第2の枚数のモノクロの画像データを遷移させる処理であってもよい。
【0090】
また、高負荷のUI処理が特定の期間内に第1の枚数のモノクロの画像データを遷移させる処理であって、低負荷のUI処理が特定の期間内に第2の枚数のカラーの画像データを遷移させる処理であってもよい。例えば、カラーの画像データであっても、遷移させる画像データの枚数が少なければ、モノクロの画像データよりも、CPU30において単位期間当たりに実行されるUI処理の割合が少なくて済む。
【0091】
(4)上述した各実施例の他に、例えば、制御部20は、高負荷のUI処理として、画像データのサイズが大きい画像データを遷移させ、低負荷のUI処理として、画像データサイズの小さい画像データを遷移させてもよい。なお、画像データのサイズとは、画像データを表現するための画素の数によって決定されるサイズである。
【0092】
(5)上述した実施例では、CPU30が画像処理プログラム41に従って処理を実行することによって、各手段51〜56の機能が実現されるが、各手段51〜56の少なくとも1個は、論理回路等のハードウェアで実現されてもよい。
【符号の説明】
【0093】
10…プリンタ、20…制御部、30…CPU、40…メモリ、41…印刷プログラム、42…印刷待ちページカウンタ、43…RIP処理中フラグ、44…データ記憶領域、44a…RIP未処理データ、44b…RIP処理済みデータ、51…第1の処理実行手段、52…第2の処理実行手段、53…第3の処理実行手段、54…記憶手段、55…特定手段、56…判断手段、61…表示部、62…操作部、63…印刷実行部、64…ネットワークインターフェース、70…端末装置、80…LAN
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の処理を並行して実行する制御装置及び制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、第1の処理で実行される内容に応じて、第2の処理で実行される内容を変更する技術がある。例えば特許文献1では、印字処理を行うプリンタにおいて、印字処理の実行対象である印字ジョブのデータ量に応じて、スプール処理(印字ジョブのデータを一時的にデータ格納手段に格納する処理)を実行するか否かを切り替えている。具体的には、印字ジョブのデータ量が規定値未満であると判断される場合は、一旦印字ジョブをスプールする。一方、印字ジョブのデータ量が規定値以上であると判断される場合は、印字ジョブをスプール処理することなく、ラスタライズ処理を実行している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−212250号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、第1の処理が画像データを表示する表示手段に前記画像データを供給する処理であって、第2の処理が第1のデータに対して特定の画像処理が実行された第2のデータを生成する処理である場合については、言及されていなかった。本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、第1の処理と第2の処理とが実行される場合に、第2の処理を適切に実行することができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的を達成するために、本発明の第1の装置は、画像データを表示する表示手段に前記画像データを供給する第1の処理を実行する第1の処理実行手段と、前記第1の処理とともに実行される第2の処理であって、第1のデータに対して特定の画像処理が実行された第2のデータを生成する前記第2の処理を実行する第2の処理実行手段と、前記第2の処理によって生成された前記第2のデータを記憶させる記憶手段と、前記記憶手段によって記憶される前記第2のデータの数を特定する特定手段と、を備え、前記第1の処理実行手段は、前記記憶手段に記憶される前記第2のデータの数が所定の閾値よりも少ないと特定される第1の場合に、単位期間当たり第1の割合で前記第1の処理を実行し、前記記憶手段に記憶される前記第2のデータの数が前記所定の閾値以上であると特定される第2の場合に、単位期間当たり前記第1の割合よりも多い第2の割合で前記第1の処理を実行することを特徴とする。
【0006】
この構成により、第1の処理が単位期間当たりに実行される割合を少なくすることによって、第2の処理が単位期間当たりに実行される割合を増加させることができる。そのため、第2の処理の実行を適切に実行することができる。
【0007】
例えば、第1の処理が単位期間当たりに実行される割合を少なくすることによって、第2の処理によって生成される第2のデータの数を増加させることができる。この結果、第2の処理に続いて実行される処理であって、第2のデータを用いて実行される処理が遅延することを防止することができる。
【0008】
また、上記の装置において、前記第1のデータが、前記記憶手段に記憶されているか否かを判断する判断手段をさらに備え、前記第2の処理は、前記判断手段によって、前記第1のデータが前記記憶手段に記憶されていると判断されることを条件として実行され、前記第1の処理実行手段は、前記判断手段によって、前記第1のデータが前記記憶手段に記憶されていないと判断された第3の場合に、前記記憶手段に記憶される前記第2のデータの数に関わらず、単位期間当たり前記第2の割合で前記第1の処理を実行すること特徴とすることが好ましい。
【0009】
この構成により、第1のデータが記憶されていないために第2の処理が実行されていない場合は、第1の処理が単位期間当たりに実行される割合を減少させずに済むため、第1の処理が充実した内容で実行される状態を維持することができる。
【0010】
また、上記の装置において、前記第1の処理実行手段は、複数の前記画像データを前記表示手段に順次供給することを特徴としてもよい。
【0011】
また、上記の装置において、前記第1の処理実行手段は、前記表示手段に表示される複数の画像データのうち、第1の画像データの表示が完了してから、前記第1の画像と異なる第2の画像データの表示が完了するまでの期間を長くすることによって、単位期間当たり前記第1の割合で前記第1の処理を実行することを特徴とすることが好ましい。
【0012】
この構成により、それぞれの画像データの表示が完了するまでの期間を変更することによって、第1の処理が単位期間あたりに実行される割合を減少させることができる。
【0013】
また、上記の装置において、前記第1の処理実行手段は、前記表示手段に表示される1または複数の前記画像データのデータサイズを小さくすることによって、単位期間当たり前記第1の割合で前記第1の処理を実行することを特徴とすることが好ましい。
【0014】
この構成により、画像データのデータサイズを小さくすることによって、第1の処理が単位期間あたりに実行される割合を減少させることができる。
【0015】
また、上記の装置において、前記第1の場合に前記表示手段に表示される前記1または複数の画像データは単一の色で表現される画像データであり、前記第2の場合に前記表示手段に表示される前記1または複数の画像データは複数の色で表現される画像データであることを特徴としてもよい。
【0016】
この構成により、画像データに使用される色の数を変更することによって、第1の割合を、第2の割合に比べて減少させることができる。
【0017】
また、上記の装置において、前記第1の場合に前記表示手段に表示される前記1または複数の画像データは第1の解像度で表現される画像データであり、前記第2の場合に前記表示手段に表示される前記1または複数の画像データは第1の解像度よりも高い解像度である第2の解像度で表現される画像データであることを特徴としてもよい。
【0018】
この構成により、使用される画像データの解像度を変更することによって、第1の割合を、第2の割合に比べて減少させることができる。
【0019】
また、上記の装置において、さらに、前記第2のデータを被記録媒体に印刷する第3の処理を実行する第3の処理実行手段を備え、前記第3の処理実行手段は、前記記憶手段に前記第2のデータが記憶されていない場合に、前記第3の処理の実行を待機し、前記記憶手段に前記第2のデータが記憶されている場合に、前記記憶手段に記憶される前記第2のデータに対して順次第3の処理を実行し、前記第2のデータの数は、前記第3の処理が実行されることによって減少することを特徴とすることが好ましい。
【0020】
また、上記の装置において、前記第2の処理は、RIP(Raster Image Processer)処理であることを特徴としてもよい。
【0021】
なお、この発明は、制御装置及び制御装置で実行される方法、これらの方法または装置の機能を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体等の種々の態様で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】第1実施例におけるプリンタの構成を示すブロック図。
【図2】各処理を時系列に沿って表現したタイムチャートを示す図。
【図3】単位期間当たりにCPU30が実行する処理の割合を示した図。
【図4】条件(A)、(B)を考慮して、各処理を時系列に沿って表現したタイムチャートを示す図。
【図5】各UI処理を実行する際のUIの動作の比較を示した図。
【図6】画像処理全体の概略を説明した図。
【図7】第1実施例で実行されるUI処理を示すフローチャート。
【図8】第1実施例で実行されるRIP処理を示すフローチャート。
【図9】第1実施例で実行される印刷処理を示すフローチャート。
【図10】第2実施例での各UI処理を実行する際のUIの動作の比較を示した図。
【図11】第3実施例での各UI処理を実行する際のUIの動作の比較を示した図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態について以下の順序で説明する。
A.第1実施例:
A−1.プリンタの構成:
A−2.画像処理の概要:
A−2−1.各処理の関係
A−2−2.UI処理の概要
A−3.画像処理:
A−3−1.UI処理:
A−3−2.RIP処理:
A−3−3.印刷処理:
B.第2実施例:
C.第3実施例:
D.まとめ:
【0024】
A.第1実施例:
A−1.プリンタの構成:
図1は、第1実施例におけるプリンタ10の概略構成を表すブロック図である。
【0025】
第1実施例のプリンタ10は、制御部20、表示部61、操作部62、印刷実行部63、ネットワークインターフェース64を備えており、それぞれがバス線で接続されている。また、プリンタ10は、ネットワークインターフェース64と接続されたLAN(ローカルエリアネットワーク)80を介して端末装置70と接続されている。
【0026】
制御部20は、CPU30とメモリ40とを備える。CPU30は、メモリに格納されている画像処理プログラム41に従って処理を実行する。CPU30が当該画像処理プログラムに従って処理を実行することによって、各手段51〜56の機能が実現される。メモリ40は、前記画像処理プログラム41と、後述する印刷待ちページカウンタ42と、後述するRIP処理中フラグ43と、を格納する。また、メモリ40は、メモリ40内のデータ記憶領域44に、端末装置から送信されるRIP未処理データ44aと、後述するRIP処理によって生成されるRIP済みデータ44bと、を格納する。
【0027】
表示部61は、パネルを備えており、各種の画面を表示する。操作部62は、複数のボタンを備えている。ユーザは、操作部62を操作することによって、表示部61に表示される項目を選択する。なお、表示部61は、タッチパネルであってもよい。この場合、表示部61は、操作部62としても機能し、ユーザは、表示部61に表示された画面内の一部の領域に触れることによって項目を選択する。
【0028】
印刷実行部63は、レーザ方式等の印刷機構を備えている。制御部20は、ネットワークインターフェース64と接続されたLAN(ローカルエリアネットワーク)80を介して端末装置70から送信されるRIP未処理データをRIP処理することによって、データ記憶領域44に記憶されているRIP処理済みデータ44bを印刷実行部63に印刷出力させることができる。
【0029】
A−2.画像処理の概要:
A−2−1.各処理の関係:
次に、第1実施例で実行される画像処理についての概要を説明する。第1実施例では、制御部20は、以下の3つの処理を並行して実行する。すなわち、制御部20は、(1)表示部61に画像データを表示するUI処理と、(2)PCから送信されたPDLで記述された印刷データ(以下、RIP未処理データ44a)に対して実行されるRIP(Raster Image Processer)処理と、(3)RIP処理されたRIP処理済みデータ44bを、用紙に印刷する印刷処理と、の3つの処理を並行して実行する。なお、RIP処理とは、ページ記述言語(PDL)で記述されたオブジェクトを、描画コマンドに基づいてビットマップ形式のラスターイメージで表現されるデータに変換する処理である。
【0030】
ここで、比較例として、本願の発明を実施していない場合の一例を示す。図2は、上述した3つの処理が実行される場合の一例を時系列に沿って表現したタイムチャートを示す図である。なお、図中の数字(1)〜(9)は、電源が投入されてから処理されるデータを、処理されるページ順に示したものである。例えば、(5)は、電源が投入されてから5ページ目の用紙に印刷処理されるデータであることを示す。
【0031】
図示するように、期間T1は、端末装置70からRIP未処理データを受信する前の期間である。すなわち、メモリ40にはRIP未処理データが記憶されていない。従って、制御部20は、RIP処理、及び印刷処理を実行せず、UI処理のみを実行する。RIP未処理データ44aが端末装置70から送信され、メモリ40に記憶されたことが確認されると(時刻P1)、制御部20は、RIP処理中フラグ43をオンにし、当該RIP未処理データ44aに対してRIP処理を実行する。当該RIP未処理データ44aに対するRIP処理が完了し、RIP処理済みデータ44bがメモリ40に記憶されると(時刻P2)、制御部20は、印刷待ちページカウンタ42をインクリメント(+1)し、RIP処理が実行されたRIP処理済みデータ44bに対して印刷処理を開始する。なお、印刷待ちページカウンタ42は、RIP処理が実行され、印刷処理が実行されるのを待機するRIP処理済みデータ44bの数を示すカウンタである。また、印刷処理の開始とは、プリンタ10の図示しない給紙トレイから給紙を開始することである。
【0032】
制御部20は、RIP未処理データ44aがメモリ40内に記憶されている限りRIP処理を実行し続ける。制御部20は、1ページ分のRIP処理が完了するたびに、印刷待ちページカウンタ42をインクリメントする。
【0033】
1ページ目のRIP処理済みデータ44bに対する印刷処理が完了すると(時刻P3)、制御部20は、印刷待ちページカウンタ42をデクリメント(−1)する。なお、印刷処理の完了とは、RIP処理済みデータ44bが用紙に印刷され、原稿がプリンタ10の図示しない排紙トレイから排紙されることである。
【0034】
制御部20は、以下の2つの条件を満たしたときに印刷処理を開始する。すなわち、制御部20は、(1)RIP済みデータ44bがメモリ40内に記憶されたことと、(2)印刷実行部63が給紙を開始できるタイミングを経過していることと、の2つの条件をともに満たしたときに印刷処理を開始する。
【0035】
ここで、(2)について説明する。制御部20は、メモリ40内に複数のRIP処理済みデータ44bが記憶されていたとしても、当該複数のRIP処理済みデータ44bのうち、第1のRIP処理済みデータの印刷処理を開始してから特定の期間Tfが経過するまでは、第1のRIP処理済みデータの次に印刷される第2のRIP処理済みデータの印刷を開始することができない。換言すれば、複数のRIP処理済みデータ44bが記憶されている場合は、制御部20は、第1のRIP処理済みデータの印刷処理を開始してから当該特定の期間Tfが経過した後に、第2のRIP処理済みデータの印刷処理を開始することができる。
【0036】
図示するように、5ページ目に処理されるデータ(図中(5))までのデータに関しては、制御部20は、印刷処理が実行される上記2つの条件のうち、(1)の条件が満たされた状態で、(2)の条件が満たされるのを待機している。具体的には、RIP処理済みデータ44bが、上述した期間Tfを経過する前に生成される。従って、制御部20は、上述した特定の期間Tfで印刷処理を実行することができる。
【0037】
しかしながら、6ページ目以降に処理されるデータ(図中(6)〜(9))に関しては、(1)の条件が満たされる前に(2)の条件が満たされる。具体的には、RIP処理済みデータ44bが生成される前に、上述した特定の期間Tfが経過する。従って、制御部20は、特定の期間Tfが経過したにもかかわらず、(1)の条件が満たされるのを待機しなければならない。その結果、特定の期間Tfごとに印刷処理を実行する場合に比べて、印刷処理に要する期間が長くなる。
【0038】
そこで、第1実施例のプリンタ10では、制御部20は、以下に示す条件に従って上述した3つの処理(UI処理、RIP処理、及び印刷処理)を実行する。すなわち、RIP処理が実行されているか否かについての条件と、RIP処理が完了したRIP処理済みデータ44bの数の条件とに応じて、UI処理の内容を変更する。第1実施例では、具体的には、(A)RIP処理が実行されているとき(すなわち、RIP処理中フラグ43がオンであるとき)と、(B)RIP処理済みデータ44bがメモリ40内に5未満しか記憶されていないとき(すなわち、印刷待ちページカウンタ42が5未満であるとき)との条件がともに満たされる場合に、制御部20は、CPU30において単位期間当たりにUI処理が実行される割合が小さい(すなわち、CPU30に対する負荷の小さい)UI処理を実行する。一方、(A)と(B)との条件のうち、少なくともいずれかの条件が満たされない場合に、制御部20は、CPU30において単位期間当たりにUI処理が実行される割合が大きい(すなわち、CPU30に対する負荷の大きい)UI処理を実行する。
【0039】
図3は、単位期間当たりにCPU30が実行する処理の割合を示した図である。図示するように、負荷の小さいUI処理を実行する際は、負荷の大きいUI処理を実行する場合に比べて、短い期間でUIを表示する処理を実行することができる。そのため、相対的に、RIP処理を実行する期間を増加させることができる。その結果、制御部20は、RIP処理済みデータ44bを生成する速さを向上することができる。
【0040】
なお、上述した(B)の条件に関して、第1実施例では、制御部20は、メモリ40内に記憶されるRIP処理済みデータ44bの数が5以上であるか否かに応じて、実行されるUI処理を切り替えているが、当該切り替えの閾値となるRIP処理済みデータ44bの数は任意に変更することが可能である。例えば、RIP済みデータの数が10以上である場合に、制御部20は負荷の小さいUI処理を実行することもできる。
【0041】
このように、第1実施例において、上述した条件(A)、(B)に従って処理が実行されるのは、以下の理由による。まず、(A)の条件が課される理由について説明する。RIP処理が実行されていないときは、CPU30においてUI処理が実行される時間を増加させても弊害がないと考えられる。そのため、RIP処理が実行されていない期間は、制御部20は、負荷の大きいUI処理を実行する。次に、(B)の条件が課される理由について説明する。RIP処理済みデータ44bの数が5以上である場合(すなわち、印刷待ちページカウンタ42が5以上であるとき)は、印刷処理を実行するに際してRIP処理が完了するのを待機するような状況が生じにくいと考えられる。換言すれば、上述した特定の期間Tfが経過したにもかかわらず、RIP処理済みデータ44bがメモリ40内に記憶されるのを待機しなければならない状況が生じにくいと考えられる。そのため、制御部20は、負荷の大きいUI処理が実行する。
【0042】
図4は、条件(A)、(B)を考慮して、上述した3つの処理が実行される場合を時系列に沿って表現したタイムチャートである。図示するように、期間T11では、RIP処理が実行されていない(すなわち、(B)の条件は満たされているが、(A)の条件が満たされていない)ため、制御部20は負荷の大きいUI処理を実行する。時刻P11を経過すると、制御部20はRIP処理を開始する。このとき、(A)の条件とともに、(B)の条件も満たされる。従って、制御部20は、時刻P11から、RIP処理済みデータ44bが5以上となる時刻(時刻P12)まで、負荷の小さいUI処理を実行する。時刻P12を経過すると、RIP処理済みデータ44bの数が5以上となる(すなわち、(A)の条件は満たされるが、(B)の条件は満たされない)ため、制御部20は負荷の大きいUI処理を実行する。この後、時刻P13以降の期間では、RIP処理済みデータの数が5未満となるが、RIP処理が実行されていない(すなわち、(B)の条件は満たされているが、(A)の条件が満たされていない)ため、制御部20は負荷の大きいUI処理を実行し続ける。
【0043】
このように、(A)と(B)との条件に従って処理が実行されることによって、制御部20は、メモリ40内に記憶されるRIP処理済みデータ44bの数が少ない場合に、RIP処理にかける時間を増加させることができる。その結果、制御部20は、特定の期間Tfで印刷処理を継続することができる確率を高めることができる。
【0044】
A−2−2.UI処理の概要:
次に、負荷の大きいUIを表示する処理と、負荷の小さいUIを表示する処理と、の違いについて説明する。図5は、各UI処理を実行する際のUIの動作の比較を示した図である。(A)は負荷の大きいUI処理におけるUIの動作を示し、(B)は負荷の小さいUI処理におけるUIの動作を示している。
【0045】
一般に、特定の期間内に遷移する画像データの枚数が多いほど、CPU30において単位期間当たりにUI処理が実行される割合が高くなる。このため、第1実施例では、複数の画像データをアニメーションとして順次表示する場合に、特定の期間内に遷移する画像データの枚数を変化させることによって、CPU30がUI処理に要する期間を変化させる。第1実施例では、負荷の大きいUI処理とは、特定の期間内に遷移する画像データの枚数が多い処理を意味する。なお、UI処理で表示部61に表示するための画像データは、予めメモリ40内に記憶されている。
【0046】
(A)に図示するように、高負荷のUI処理においては、制御部20は、特定の期間で(1)から(5)までの5枚の画像データを表示部61に表示する。第1実施例では、(1)の画像データの表示が完了してから、(5)の画像データの表示が完了するまでの期間は1秒間であるとして説明する。
【0047】
(A)では、制御部20は、以下のように画像データを変化させるUI処理を実行する。すなわち、制御部20は、(1)の画像データの表示状態維持(0.15秒)→(1)の画像データから(2)の画像データへの遷移(0.1秒)→(2)の画像データの表示状態維持(0.15秒)→(2)の画像データから(3)の画像データへの遷移(0.1秒)→(3)の画像データの表示状態維持(0.15秒)→(3)の画像データから(4)の画像データへの遷移(0.1秒)→(4)の画像データの表示状態維持(0.15秒)→(4)の画像データから(5)の画像データへの遷移(0.1秒)という流れでUI処理を実行する。
【0048】
一方、(B)に図示するように、低負荷のUI処理においては、制御部20は、特定の期間で、(1)、(3)、(5)の3枚の画像データを表示する。すなわち、(B)においては、(A)で使用される(1)〜(5)の画像データのうち、(1)、(3)、及び(5)の3枚の画像データが使用される。(B)においても、(A)と同様に、(1)の画像データの表示が完了してから、(5)の画像データの表示が完了するまでの期間は1秒間であるとして説明する。
【0049】
(B)では、制御部20は、以下のように画像データを変化させるUI処理を実行する。すなわち、制御部20は、(1)の画像データの表示状態維持(0.4秒)→(1)の画像データから(3)の画像データへの遷移(0.1秒)→(3)の画像データの表示状態維持(0.4秒)→(3)の画像データから(5)の画像データへの遷移(0.1秒)という流れでUI処理を実行する。
【0050】
このように、画像の遷移のために要する期間(すなわち、表示状態維持を除く期間)は、(A)では0.4秒であるのに対し、(B)では0.2秒である。この結果、(B)では、(A)に比べて、CPU30がUI処理を実行するための期間を減少させることができる。
【0051】
A−3.画像処理:
次に、第1実施例で実施される画像処理について説明する。図6は、画像処理全体の概略を説明した図である。上述したように、当該画像処理で実行される処理は、3種類に分類される。具体的には、図示するように、UI処理と、RIP処理と、印刷処理と、に分類される。
【0052】
また、図示するように、それぞれの処理において、制御部20は、印刷待ちページカウンタ42と、RIP処理中フラグ43とを適宜参照する。また、それぞれの処理の結果に応じて、制御部20は、印刷待ちページカウンタ42と、RIP処理中フラグ43との内容を書き換える。
【0053】
それぞれの3つの処理は、ユーザが操作部62を操作し、プリンタ10の電源が投入されることにより開始される。電源が投入されると、制御部20は上述した印刷待ちページカウンタ42と、RIP処理中フラグ43とを初期化する。具体的には、制御部20は、印刷待ちページカウンタ42を0とし、かつ、RIP処理中フラグ43をオフとする。
【0054】
上述したように、印刷待ちページカウンタ42と、RIP処理中フラグ43との初期化が完了すると、制御部20は、UI処理と、RIP処理と、印刷処理とを並行して実行する。以下、3つの処理について詳述する。
【0055】
A−3−1.UI処理:
まず、UI処理について説明する。図7は、第1実施例で実行されるUI処理を示すフローチャートである。
【0056】
制御部20は、RIP処理中フラグ43を参照し、RIP処理中フラグがオフとなっているか否かを確認する(S102)。RIP処理中フラグ43がオフとなっていることが確認された場合は(S102 YES)、制御部20は高負荷のUI処理を実行する(S108)。
【0057】
一方、RIP処理中フラグ43がオンとなっていることが確認された場合は(S102 NO)、制御部20は、印刷待ちページカウンタ42を参照し、印刷待ちページカウンタ42が5以上であるか否かを確認する(S104)。印刷待ちページカウンタ42が5以上であると確認された場合は(S104 YES)、制御部20は、メモリ40内に十分な数のRIP処理済みデータ44bが記憶されていると判断し、高負荷のUI処理を実行する(S108)。一方、印刷待ちページカウンタ42が5未満であると確認された場合は(S104 NO)、制御部20は、メモリ40内に十分な数のRIP処理済みデータ44bが記憶されていないと判断し、低負荷のUI処理を実行する(S108)。こうすることで、メモリ内にRIP処理済みデータ44bが不足していると判断される場合は、制御部20は、CPU30がUI処理のために割り当てる期間を減少させ、代わりにRIP処理のために割り当てる期間を増加させることができる。
【0058】
A−3−2.RIP処理:
次に、RIP処理について説明する。図8は、第1実施例で実行されるRIP処理を示すフローチャートである。
【0059】
制御部20は、RIP未処理データ44aがメモリ40内に記憶されているか否かを確認する(S202)。S202の処理は、RIP未処理データ44aがメモリ40内に記憶されていることが確認されるまで繰り返し実行される。
【0060】
RIP未処理データ44aがメモリ40に記憶されていることが確認された場合は(S202 YES)、制御部20は、上述したRIP処理中フラグ43をオンにする(S204)。
【0061】
続いて制御部20は、用紙1ページ分に対応するRIP未処理データ44aにRIP処理を実行する(S206)。その後、制御部20は、RIP処理されたRIP処理済みデータ44bをメモリ40に記憶し(S208)、印刷待ちページカウンタ42の値をインクリメントする(S210)。
【0062】
続いて、制御部20は、S206でRIP処理を実行したRIP未処理データ44aに関して、全てのページのRIP処理が完了したか否かを特定する(S212)。具体的には、制御部20は、当該RIP未処理データ44aが複数ページで構成されていると判断される場合に、最後のページのRIP処理の実行が完了したか否かを特定する。
【0063】
RIP処理が実行されていないページが存在すると特定された場合は(S212 YES)、制御部20は、S206に処理を移行し、RIP処理が実行されていないページのRIP処理を実行する。一方、全てのページに対してRIP処理が実行されたと特定された場合は(S212 NO)、制御部20は、上述したRIP処理中フラグ43をオフとし(S214)、処理をS202に移行する。
【0064】
A−3−3.印刷処理:
次に、印刷処理について説明する。図9は、第1実施例で実行される印刷処理を示すフローチャートである。
【0065】
まず、制御部20は、印刷の給紙を行うことが可能なタイミングか否かを特定する(S302)。例えば、図2における1枚目のRIP処理済みデータ44b(図中(1))については、ポイントAのタイミングであるか否かを特定する。印刷の給紙を行うことが可能なタイミングであると特定されない場合は(S302 NO)、制御部20はS308に処理を移行する。
【0066】
なお、印刷の給紙が可能なタイミングとは、以下の2つの場合が想定される。すなわち、(1)RIP処理済みデータが存在せず、印刷処理が実行されていない場合と、(2)RIP処理済みデータに対して印刷処理が実行されているが、給紙が開始されてから上述した特定の期間Tfだけ経過しており、次のRIP処理済みデータ44bの印刷が開始できる場合と、の2つの場合が想定される。
【0067】
印刷の給紙を行うことが可能なタイミングであると特定された場合は(S302 YES)、制御部20は、RIP処理済みデータ44bがメモリ40に記憶されているか否かを特定する(S304)。RIP処理済みデータ44bが記憶されている場合(S304 YES)は、制御部20は、当該RIP処理済みデータ44bを用紙に印刷するため、用紙の給紙を開始する(S308)。一方、RIP処理済みデータ44bが記憶されていない場合(S304 NO)、制御部20は、S308に処理を移行する。
【0068】
続いて制御部20は、いずれかのRIP処理済みデータ44bに対する印刷処理の実行が完了し、原稿が排紙されたか否かを特定する(S308)。例えば、図2における1枚目のRIP処理済みデータ44b(図中(1))については、ポイントBを経過したタイミングであるか否かを特定する。排紙が完了したタイミングであると特定された場合は(S308 YES)、制御部20は、印刷待ちページカウンタ42をデクリメントする(S310)。
【0069】
このように、図9に示した印刷処理では、制御部20は、給紙が可能なタイミングと、排紙が完了したタイミングとを連続的に監視している。これらのいずれのタイミングでもない場合は、制御部20は、S302とS308との処理を交互に実行し続ける。一方、給紙が可能なタイミングである場合(例えば図2のポイントA)は、制御部20は、S304、S306の処理を実行する。一方、排紙が完了したタイミングである場合(例えば図2のポイントB)は、制御部20は、S310の処理を実行する。
【0070】
B.第2実施例:
続いて、本発明の第2実施例について、図10を参酌して説明する。図10は、第2実施例での各UI処理を実行する際のUIの動作の比較を示した図である。なお、プリンタ10の構成、及び上述した3つの処理(UI処理、RIP処理、印刷処理)は第1実施例と同様であるため、説明を省略する。
【0071】
一般に、表示される画像データの内容が同じであっても、カラーの画像データを表示させる場合は、モノクロの画像データを表示させる場合に比べて、画像データを遷移させるために要する期間が長くなる。換言すれば、カラーの画像データを表示させる場合は、モノクロの画像データを表示させる場合に比べて、CPU30で実行されるUI処理の期間が長くなる。
【0072】
これを踏まえて、第2実施例においては、図示するように、高負荷のUI処理では、カラーの画像データを遷移させる。一方、低負荷のUI処理では、モノクロの画像データを遷移させる。こうすることで、制御部20は、画像データサイズの大きいカラーの画像データを使用するか、画像データサイズの小さいモノクロの画像データを使用するかを切り替えることによって、RIP処理を適切に実行することができる。
【0073】
なお、第2実施例で示したUIは、複数の画像データが遷移する場合を示したが、これに代えて、単一の画像データを表示し続ける静止画のUIであってもよい。
【0074】
C.第3実施例:
続いて、本発明の第3実施例について、図11を参酌して説明する。図11は、第3実施例での各UI処理を実行する際のUIの動作の比較を示した図である。なお、プリンタ10の構成、及び上述した3つの処理(UI処理、RIP処理、印刷処理)は第1実施例と同様であるため、説明を省略する。
【0075】
一般に、表示される画像データの内容が同じであっても、解像度の高い画像データを表示させる場合は、画像データのデータサイズが大きくなるため、解像度の低い画像データを表示させる場合に比べて、画像データを遷移させるために要する期間が長くなる。換言すれば、解像度の高い画像データを表示させる場合は、解像度の低い画像データを表示させる場合に比べて、CPU30で実行されるUI処理の時間が長くなる。
【0076】
図示するように、第3実施例においては、高負荷のUI処理では、第1の解像度の画像データを遷移させる。一方、低負荷のUI処理では、第2の解像度の画像データを遷移させる。例えば、第1の解像度は、600(dpi)×600(dpi)とし、第2の解像度は、300(dpi)×300(dpi)とする。こうすることで、高解像度の画像データを使用するか、低解像度の画像データを使用するかを切り替えることによって、RIP処理を適切に実行することができる。
【0077】
なお、第3実施例で示したUIは、複数の画像データが遷移する場合を示したが、これに代えて、第2実施例と同様に、単一の画像データを表示し続ける静止画のUIであってもよい。
【0078】
D.まとめ
以上の説明において、制御部20によって実行される画像処理プログラムのうち、図7のS102〜S108が本発明の第1の処理実行手段によって実行される処理に相当する。また、図8のS202〜S214が第2の処理実行手段によって実行される処理に相当する。また、図9のS302からS310が第3の処理実行手段によって実行される処理に相当する。また、図8のS208が記憶手段によって実行される処理に相当する。また、図7のS104が特定手段によって実行される処理に相当する。また、図7のS102が判断手段によって実行される処理に相当する。
【0079】
また、UI処理が本発明の第1の処理に相当し、RIP処理が本発明の第2の処理に相当し、印刷処理が第3の処理に相当する。
【0080】
また、RIP未処理データが本発明の第1のデータに相当し、RIP処理済みデータが本発明の第2のデータに相当する。
【0081】
以上説明したように、プリンタ10は、画像データを表示する表示部61に画像データを供給するUI処理と、RIP未処理データ44aに対するRIP処理とを実行する。
制御部30は、メモリ40に記憶されるRIP処理済みデータ44bの数を特定する。特定されたRIP未処理データ44bの数が所定の閾値(例えば5つ)よりも少ないと判断される場合は、制御部20は低負荷のUI処理を実行する。一方、特定されたRIP未処理データ44bの数が所定の閾値以上であると判断される場合は、制御部20は高負荷のUI処理を実行する。このように、CPU30においてUI処理が単位期間あたりに実行される割合を切り替えることによって、プリンタ10は、RIP処理を適切に実行することができる。
【0082】
なお、本発明における技術的範囲は、上述した実施例に限られるものではなく、以下に示すような種々の態様によって実施することが可能である。
【0083】
(1)上述した各実施例では、第2の処理としてRIP処理を実行する場合を記載したが、異なる構成であってもよい。例えば、制御装置がスキャナ装置である場合において、第2の処理は、プリンタ10の図示しないスキャン実行部によってスキャンが実行された画像データに対して実行される画像処理であって、スキャンの実行に伴った画像処理(例えば、拡大処理、変倍処理等)であってもよい。
【0084】
この場合、ユーザがプリンタ10の操作部27を操作することによってスキャンの実行を指示する、いわゆるプッシュスキャンであってもよいし、ユーザがプリンタ10と端末装置70の操作部を操作することによってスキャンの実行を指示する、いわゆるプルスキャンであってもよい。
【0085】
また、制御装置がプリンタであってもよいし、端末装置であってもよい。また、第2のデータは、プリンタ内に記憶されてもよいし、端末装置に記憶されてもよい。
【0086】
(2)上述した各実施例では、複数の画像が順次遷移するアニメーションの形態のUI処理について説明したが、他の構成に適用してもよい。例えば、ユーザが表示部(画面)を指で押圧し、表示部を指でスクロールさせることによって表示部を遷移させる、いわゆるフリック動作による画像データの遷移に本願の発明を適用してもよい。
【0087】
また、上述した各実施例におけるUI処理では、画像データが表示部61に表示される構成について説明したが、文字列によって構成される画像データが表示される構成であってもよい。
【0088】
また、上述した第1実施例では、特定の期間内に遷移する画像データの枚数を変化させることによって、CPU30がUI処理に要する期間を変化させている。ここで、上述した第1実施例では、制御部20は、各画像データの表示状態が維持される期間を変化させることによって、特定の期間内に遷移する画像データの枚数を変化させているが、異なる構成であってもよい。例えば、制御部20は、第1の画像データから、第1の画像データの次に表示される第2の画像デーへ遷移する期間を変化させることによって、特定の期間内に遷移する画像データの枚数を変化させてもよい。
【0089】
(3)上述した第2実施例では、高負荷のUI処理が特定の期間内に第1の枚数のカラーの画像データを遷移させる処理であって、低負荷のUI処理が特定の期間内に第1の枚数のモノクロの画像データを遷移させる処理であることを記載したが、異なる構成であってもよい。すなわち、高負荷のUI処理が特定の期間内に第1の枚数のカラーの画像データを遷移させる処理であって、低負荷のUI処理が特定の期間内に第1の枚数よりも少ない第2の枚数のモノクロの画像データを遷移させる処理であってもよい。
【0090】
また、高負荷のUI処理が特定の期間内に第1の枚数のモノクロの画像データを遷移させる処理であって、低負荷のUI処理が特定の期間内に第2の枚数のカラーの画像データを遷移させる処理であってもよい。例えば、カラーの画像データであっても、遷移させる画像データの枚数が少なければ、モノクロの画像データよりも、CPU30において単位期間当たりに実行されるUI処理の割合が少なくて済む。
【0091】
(4)上述した各実施例の他に、例えば、制御部20は、高負荷のUI処理として、画像データのサイズが大きい画像データを遷移させ、低負荷のUI処理として、画像データサイズの小さい画像データを遷移させてもよい。なお、画像データのサイズとは、画像データを表現するための画素の数によって決定されるサイズである。
【0092】
(5)上述した実施例では、CPU30が画像処理プログラム41に従って処理を実行することによって、各手段51〜56の機能が実現されるが、各手段51〜56の少なくとも1個は、論理回路等のハードウェアで実現されてもよい。
【符号の説明】
【0093】
10…プリンタ、20…制御部、30…CPU、40…メモリ、41…印刷プログラム、42…印刷待ちページカウンタ、43…RIP処理中フラグ、44…データ記憶領域、44a…RIP未処理データ、44b…RIP処理済みデータ、51…第1の処理実行手段、52…第2の処理実行手段、53…第3の処理実行手段、54…記憶手段、55…特定手段、56…判断手段、61…表示部、62…操作部、63…印刷実行部、64…ネットワークインターフェース、70…端末装置、80…LAN
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データを表示する表示手段に前記画像データを供給する第1の処理を実行する第1の処理実行手段と、
前記第1の処理とともに実行される第2の処理であって、第1のデータに対して特定の画像処理が実行された第2のデータを生成する前記第2の処理を実行する第2の処理実行手段と、
前記第2の処理によって生成された前記第2のデータを記憶させる記憶手段と、
前記記憶手段によって記憶される前記第2のデータの数を特定する特定手段と、を備え、
前記第1の処理実行手段は、
前記記憶手段に記憶される前記第2のデータの数が所定の閾値よりも少ないと特定される第1の場合に、単位期間当たり第1の割合で前記第1の処理を実行し、
前記記憶手段に記憶される前記第2のデータの数が前記所定の閾値以上であると特定される第2の場合に、単位期間当たり前記第1の割合よりも多い第2の割合で前記第1の処理を実行することを特徴とする、制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の制御装置であって、
前記第1のデータが、前記記憶手段に記憶されているか否かを判断する判断手段をさらに備え、
前記第2の処理は、前記判断手段によって、前記第1のデータが前記記憶手段に記憶されていると判断されることを条件として実行され、
前記第1の処理実行手段は、前記判断手段によって、前記第1のデータが前記記憶手段に記憶されていないと判断された第3の場合に、前記記憶手段に記憶される前記第2のデータの数に関わらず、単位期間当たり前記第2の割合で前記第1の処理を実行する
ことを特徴とする、制御装置。
【請求項3】
請求項1または2のいずれかに記載の制御装置であって、
前記第1の処理実行手段は、複数の前記画像データを前記表示手段に順次供給する
ことを特徴とする、制御装置。
【請求項4】
請求項3に記載の制御装置であって、
前記第1の処理実行手段は、前記表示手段に表示される複数の画像データのうち、第1の画像データの表示が完了してから、前記第1の画像と異なる第2の画像データの表示が完了するまでの期間を長くすることによって、単位期間当たり前記第1の割合で前記第1の処理を実行する
ことを特徴とする、制御装置。
【請求項5】
請求項1または2のいずれかに記載の制御装置であって、
前記第1の処理実行手段は、前記表示手段に表示される1または複数の前記画像データのデータサイズを小さくすることによって、単位期間当たり前記第1の割合で前記第1の処理を実行する
ことを特徴とする、制御装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかに記載の制御装置であって、
前記第1の場合に前記表示手段に表示される前記1または複数の画像データは単一の色で表現される画像データであり、
前記第2の場合に前記表示手段に表示される前記1または複数の画像データは複数の色で表現される画像データである
ことを特徴とする、制御装置。
【請求項7】
請求項1乃至5のいずれかに記載の制御装置であって、
前記第1の場合に前記表示手段に表示される前記1または複数の画像データは第1の解像度で表現される画像データであり、
前記第2の場合に前記表示手段に表示される前記1または複数の画像データは前記第1の解像度よりも高い解像度である第2の解像度で表現される画像データである
ことを特徴とする、制御装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれかに記載の制御装置であって、さらに、
前記第2のデータを被記録媒体に印刷する第3の処理を実行する第3の処理実行手段を備え、
前記第3の処理実行手段は、
前記記憶手段に前記第2のデータが記憶されていない場合に、前記第3の処理の実行を待機し、
前記記憶手段に前記第2のデータが記憶されている場合に、前記記憶手段に記憶される前記第2のデータに対して順次第3の処理を実行し、
前記第2のデータの数は、前記第3の処理が実行されることによって減少する
ことを特徴とする、制御装置。
【請求項9】
請求項1乃至9のいずれかに記載の制御装置であって、
前記第2の処理は、RIP(Raster Image Processer)処理である
ことを特徴とする、制御装置。
【請求項10】
コンピュータに、
画像データを表示する表示手段に前記画像データを供給する第1の処理を実行する第1の処理実行手段と、
前記第1の処理とともに実行される第2の処理であって、第1のデータに対して特定の画像処理が実行された第2のデータを生成する前記第2の処理を実行する第2の処理実行手段と、
前記第2の処理によって生成された前記第2のデータを記憶させる記憶手段と、
前記記憶手段によって記憶される前記第2のデータの数を特定する特定手段として機能させるプログラムであって、
前記第1の処理実行手段は、
前記記憶手段に記憶される前記第2のデータの数が所定の閾値よりも少ないと特定される第1の場合に、単位期間当たり第1の割合で前記第1の処理を実行し、
前記記憶手段に記憶される前記第2のデータの数が前記所定の閾値以上であると特定される第2の場合に、単位期間当たり前記第1の割合よりも多い第2の割合で前記第1の処理を実行するプログラム。
【請求項1】
画像データを表示する表示手段に前記画像データを供給する第1の処理を実行する第1の処理実行手段と、
前記第1の処理とともに実行される第2の処理であって、第1のデータに対して特定の画像処理が実行された第2のデータを生成する前記第2の処理を実行する第2の処理実行手段と、
前記第2の処理によって生成された前記第2のデータを記憶させる記憶手段と、
前記記憶手段によって記憶される前記第2のデータの数を特定する特定手段と、を備え、
前記第1の処理実行手段は、
前記記憶手段に記憶される前記第2のデータの数が所定の閾値よりも少ないと特定される第1の場合に、単位期間当たり第1の割合で前記第1の処理を実行し、
前記記憶手段に記憶される前記第2のデータの数が前記所定の閾値以上であると特定される第2の場合に、単位期間当たり前記第1の割合よりも多い第2の割合で前記第1の処理を実行することを特徴とする、制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の制御装置であって、
前記第1のデータが、前記記憶手段に記憶されているか否かを判断する判断手段をさらに備え、
前記第2の処理は、前記判断手段によって、前記第1のデータが前記記憶手段に記憶されていると判断されることを条件として実行され、
前記第1の処理実行手段は、前記判断手段によって、前記第1のデータが前記記憶手段に記憶されていないと判断された第3の場合に、前記記憶手段に記憶される前記第2のデータの数に関わらず、単位期間当たり前記第2の割合で前記第1の処理を実行する
ことを特徴とする、制御装置。
【請求項3】
請求項1または2のいずれかに記載の制御装置であって、
前記第1の処理実行手段は、複数の前記画像データを前記表示手段に順次供給する
ことを特徴とする、制御装置。
【請求項4】
請求項3に記載の制御装置であって、
前記第1の処理実行手段は、前記表示手段に表示される複数の画像データのうち、第1の画像データの表示が完了してから、前記第1の画像と異なる第2の画像データの表示が完了するまでの期間を長くすることによって、単位期間当たり前記第1の割合で前記第1の処理を実行する
ことを特徴とする、制御装置。
【請求項5】
請求項1または2のいずれかに記載の制御装置であって、
前記第1の処理実行手段は、前記表示手段に表示される1または複数の前記画像データのデータサイズを小さくすることによって、単位期間当たり前記第1の割合で前記第1の処理を実行する
ことを特徴とする、制御装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかに記載の制御装置であって、
前記第1の場合に前記表示手段に表示される前記1または複数の画像データは単一の色で表現される画像データであり、
前記第2の場合に前記表示手段に表示される前記1または複数の画像データは複数の色で表現される画像データである
ことを特徴とする、制御装置。
【請求項7】
請求項1乃至5のいずれかに記載の制御装置であって、
前記第1の場合に前記表示手段に表示される前記1または複数の画像データは第1の解像度で表現される画像データであり、
前記第2の場合に前記表示手段に表示される前記1または複数の画像データは前記第1の解像度よりも高い解像度である第2の解像度で表現される画像データである
ことを特徴とする、制御装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれかに記載の制御装置であって、さらに、
前記第2のデータを被記録媒体に印刷する第3の処理を実行する第3の処理実行手段を備え、
前記第3の処理実行手段は、
前記記憶手段に前記第2のデータが記憶されていない場合に、前記第3の処理の実行を待機し、
前記記憶手段に前記第2のデータが記憶されている場合に、前記記憶手段に記憶される前記第2のデータに対して順次第3の処理を実行し、
前記第2のデータの数は、前記第3の処理が実行されることによって減少する
ことを特徴とする、制御装置。
【請求項9】
請求項1乃至9のいずれかに記載の制御装置であって、
前記第2の処理は、RIP(Raster Image Processer)処理である
ことを特徴とする、制御装置。
【請求項10】
コンピュータに、
画像データを表示する表示手段に前記画像データを供給する第1の処理を実行する第1の処理実行手段と、
前記第1の処理とともに実行される第2の処理であって、第1のデータに対して特定の画像処理が実行された第2のデータを生成する前記第2の処理を実行する第2の処理実行手段と、
前記第2の処理によって生成された前記第2のデータを記憶させる記憶手段と、
前記記憶手段によって記憶される前記第2のデータの数を特定する特定手段として機能させるプログラムであって、
前記第1の処理実行手段は、
前記記憶手段に記憶される前記第2のデータの数が所定の閾値よりも少ないと特定される第1の場合に、単位期間当たり第1の割合で前記第1の処理を実行し、
前記記憶手段に記憶される前記第2のデータの数が前記所定の閾値以上であると特定される第2の場合に、単位期間当たり前記第1の割合よりも多い第2の割合で前記第1の処理を実行するプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−35173(P2013−35173A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−171591(P2011−171591)
【出願日】平成23年8月5日(2011.8.5)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月5日(2011.8.5)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
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