説明

制御装置及び車両

【課題】構造の複雑化を抑制しつつ、路面段差通過時の乗り心地の向上を図ることができる制御装置及び車両を提供すること。
【解決手段】車輪2がキャスター角αを有して懸架されている。よって、車輪2へ付与される回転駆動力が増加(減少)されると、その増加(減少)により発生される変動力によって、懸架装置6が伸長(短縮)され、車高(車輪2と車体フレームBFとの間の距離)が高く(低く)される。これにより、路面の段差を通過する際に発生する車高変化に対し、その車高変化とは逆位相の車高変化を回転駆動力の増減により発生させることができるので、車両の姿勢を一定に維持して、乗り心地の向上を図ることができる。また、アクティブサスペンションによる姿勢制御のように、油圧源や油圧配管などを別途設ける必要がなく、その分、構造を簡素化することができるので、部品コストの削減や車両の軽量化を図ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車輪と、その車輪と車体との間に介装される懸架装置と、前記車輪に回転駆動力を付与する車輪駆動装置とを備える車両に対し、前記車輪駆動装置を駆動して、前記車輪の回転状態を制御する制御装置及び車両に関し、特に、構造の複雑化を抑制しつつ、路面段差通過時の乗り心地の向上を図ることができる制御装置及び車両に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車体の姿勢を制御する技術としては、アクティブサスペンションが知られている。アクティブサスペンションは、車輪と車体との間に介装される油圧シリンダと、その油圧シリンダに油圧源から供給される油圧を調整する圧力制御弁と、車体の姿勢を検出するセンサと、そのセンサの検出値に基づいて圧力制御弁の動作を制御するコントローラとを備え、油圧シリンダを油圧により伸縮させることで、車体の姿勢を水平に維持する(特許文献1)。
【0003】
また、他の技術としては、車輪の駆動力を制御する技術がある。この技術は、車輪を電動モータにより駆動する構成とし、車輪が路面段差を通過する際の車輪速の変動を検出すると共に、その検出結果に基づいて、車輪の駆動力を増減補正することで、車輪速の変動を抑制して、車体の振動前後方向の振動を低減する(特許文献2)。
【特許文献1】特開2000−264033号公報
【特許文献1】特開2005−20831号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前者の技術では、油圧源や油圧配管が必要になるなど、装置が大掛かりとなるため、装置コストが嵩むと共に、車両全体としての重量が増加するという問題点があった。一方、後者の技術では、車両前後方向の振動を低減できるのみであり、車両上下方向の振動を低減することができないため、乗り心地の向上が不十分であるという問題点があった。
【0005】
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、構造の複雑化を抑制しつつ、路面段差通過時の乗り心地の向上を図ることができる制御装置及び車両を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成するために、請求項1記載の制御装置は、車輪と、その車輪と車体との間に介装される懸架装置と、前記車輪に回転駆動力を付与する車輪駆動装置とを備える車両に対し、前記車輪駆動装置を駆動して、前記車輪の回転状態を制御するものであり、前記車体の姿勢を制御する姿勢制御手段を備え、前記車両は、前記車輪が所定のキャスター角を有した状態で前記懸架装置によって前記車体に懸架されるものであり、前記姿勢制御手段は、前記車輪駆動装置から前記車輪へ付与される回転駆動力を増加又は減少させ、その回転駆動力の増加又は減少により発生する変動力によって、前記懸架装置を伸長又は短縮させることで、前記車体の姿勢を制御する。
【0007】
請求項2記載の制御装置は、請求項1記載の制御装置において、前記車体の姿勢変化を検出する姿勢検出手段を備え、前記姿勢制御手段は、前記姿勢検出手段により検出された前記車体の姿勢変化に基づいて、前記車輪駆動装置の駆動状態を制御する。
【0008】
請求項3記載の制御装置は、請求項1又は2に記載の制御装置において、前記車輪が走行する路面の状態変化を検出する路面検出手段を備え、前記姿勢制御手段は、前記路面検出手段により検出された前記路面の状態変化に基づいて、前記車輪駆動装置の駆動状態を制御する。
【0009】
請求項4記載の制御装置は、請求項2又は3に記載の制御装置において、前記車両は、前記車輪を複数備え、前記懸架装置が前記複数の車輪にそれぞれ対応して複数設けられると共に、前記車輪駆動装置が前記複数の車輪に対してそれぞれ独立に回転駆動力を付与可能に構成されるものであり、前記路面検出手段は、前記複数の車輪にそれぞれ対応する複数の位置において前記路面の状態変化を検出可能に構成され、前記姿勢制御手段は、前記姿勢検出手段により検出された前記車体の姿勢変化または前記路面検出手段により検出された前記路面の状態変化の少なくともいずれか一方に基づいて、前記複数の車輪に付与する回転駆動力をそれぞれ独立に制御する。
【0010】
請求項5記載の制御装置は、請求項1から4のいずれかに記載の制御装置において、前記車輪駆動装置が電動モータにより構成されている。
【0011】
請求項6記載の車両は、請求項1から5のいずれかに記載の制御装置を備えている。
【発明の効果】
【0012】
請求項1記載の制御装置によれば、車輪が所定のキャスター角を有した状態で懸架されているので、姿勢制御手段によって、車輪駆動装置から車輪へ付与される回転駆動力が増加されると、その回転駆動力の増加により発生される変動力によって、懸架装置が伸長され、車高(車輪と車体との間の距離)が高くされる。
【0013】
一方、姿勢制御手段によって、車輪駆動装置から車輪へ付与される回転駆動力が減少されると、その回転駆動力の減少により発生される変動力によって、懸架装置が短縮され、車高(車輪と車体との間の距離)が低くされる。
【0014】
なお、これはキャスター角が後傾(懸架装置の車体接続部側が車輪支持側よりも車両後方に位置する)の場合であり、キャスター角が前傾(懸架装置の車体接続部側が車輪支持側よりも車両前方に位置する)の場合には、車輪駆動装置から車輪へ付与される回転駆動力の増加(減少)に伴い、懸架装置が短縮(伸長)され、車高が低く(高く)される。
【0015】
即ち、本発明の制御装置によれば、車両が路面の段差を通過する際には、その路面段差の通過によって発生する車高変化(車体の上下変位)に対し、その車高変化とは逆位相の車高変化を姿勢制御手段により発生させることができるので、車体の姿勢を一定に維持して、乗り心地の向上を図ることができるという効果がある。
【0016】
そして、本発明の制御装置によれば、アクティブサスペンションによる姿勢制御のように、油圧源や油圧配管などを別途設ける必要がなく、その分、構造を簡素化することができるので、部品コストの削減や車両の軽量化を図ることができるという効果がある。
【0017】
請求項2記載の制御装置によれば、請求項1記載の制御装置の奏する効果に加え、車体の姿勢変化を検出する姿勢検出手段を備え、その姿勢検出手段により検出された車体の姿勢変化に基づいて、姿勢制御手段が車輪駆動装置の駆動状態を制御するので、例えば、路面の段差を通過した後に続く車高変化(車体の上下変位)を早期に収束させて、乗り心地のより一層の向上を図ることができるという効果がある。
【0018】
請求項3記載の制御装置によれば、請求項1又は2に記載の制御装置の奏する効果に加え、車輪が走行する路面の状態変化を検出する路面検出手段を備え、その路面検出手段により検出された路面の状態変化に基づいて、姿勢制御手段が車輪駆動装置の駆動状態を制御するので、路面の段差を通過する前に予め、或いは、路面の段差の通過と同時に、懸架装置を伸縮させる見込み制御を行うことができるので、車体の姿勢変化量をより小さくして、乗り心地のより一層の向上を図ることができるという効果がある。
【0019】
請求項4記載の制御装置によれば、請求項2又は3に記載の制御装置の奏する効果に加え、車両が複数の車輪毎に車高(車輪と車体との間の距離)を変更可能に構成されると共に、路面検出手段が複数の車輪毎に路面の状態変化を検出可能に構成され、かつ、姿勢制御手段が複数の車輪に付与する回転駆動力をそれぞれ独立に制御可能に構成されるので、車体全体としての姿勢をより高精度に制御して、乗り心地のより一層の向上を図ることができるという効果がある。
【0020】
請求項5記載の制御装置によれば、請求項1から4のいずれかに記載の制御装置の奏する効果に加え、車輪駆動装置が電動モータにより構成されているので、かかる電動モータで車輪に回転駆動力を付与すると共にその回転駆動力を増減することで、車高(車輪と車体との間の距離)を高い応答性で変更することができるという効果がある。
【0021】
請求項6記載の車両によれば、請求項1から5のいずれかに記載の制御装置を備える車両と同様の効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の好ましい実施の形態について添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施の形態における制御装置100が搭載される車両1の上面視を模式的に示した模式図である。なお、図1の矢印FWDは、車両1の前進方向を示す。
【0023】
まず、車両1の概略構成について説明する。車両1は、図1に示すように、車体フレームBFと、その車体フレームBFに支持される複数(本実施の形態では4輪)の車輪2と、それら各車輪2を独立に回転駆動する車輪駆動装置3と、各車輪2を独立に操舵駆動するアクチュエータ装置4と、各車輪2と車体フレームBFとの間に介装される懸架装置6とを主に備えている。
【0024】
本発明における車両1は、車輪2に付与する回転駆動力を増減して、懸架装置6を伸縮させることで、車両1の姿勢を制御するように構成されている(図3参照)。これにより、路面Gの段差を通過する際には、車両1の上下変位を抑制して、姿勢を一定に維持することで、乗り心地の向上を図ることができる(図6参照)。
【0025】
次いで、各部の詳細構成について説明する。車輪2は、図1に示すように、車両1の進行方向前方側に位置する左右の前輪2FL,2FRと、進行方向後方側に位置する左右の後輪2RL,2RRとの4輪を備え、これら前後輪2FL〜2RRは、懸架装置6により車体フレームBFに懸架されると共に、ステアリング装置20,30により操舵可能に構成されている。
【0026】
ステアリング装置20,30は、各車輪2を操舵するための操舵装置であり、図1に示すように、各車輪2を揺動可能に支持するキングピン21と、各車輪2のナックルアーム(図示せず)に連結されるタイロッド22と、そのタイロッド22にアクチュエータ装置4の駆動力を伝達する伝達機構部23とを主に備えて構成されている。
【0027】
アクチュエータ装置4は、上述したように、各車輪2を独立に操舵駆動するための操舵駆動装置であり、図1に示すように、4個のアクチュエータ(FL〜RRアクチュエータ4FL〜4RR)を備えて構成されている。運転者がハンドル54を操作した場合には、アクチュエータ装置4の一部(例えば、前輪2FL,2FRのみ)又は全部が駆動され、ハンドル54の操作量に応じた舵角が付与される。
【0028】
ここで、本実施の形態では、FL〜RRアクチュエータ4FL〜4RRが電動モータで構成されると共に、伝達機構部23がねじ機構で構成される。電動モータが回転されると、その回転運動が伝達機構部23により直線運動に変換され、タイロッド22に伝達される。その結果、各車輪2がキングピン21を揺動中心として揺動駆動され、各車輪2に所定の舵角が付与される。
【0029】
車輪駆動装置3は、各車輪2を独立に回転駆動するための回転駆動装置であり、図1に示すように、4個の電動モータ(FL〜RRモータ3FL〜3RR)を各車輪2ごとに(即ち、インホイールモータとして)配設して構成されている。運転者がアクセルペダル53を操作した場合には、各車輪駆動装置3から回転駆動力が各車輪2に付与され、各車輪2がアクセルペダル53の操作量に応じた回転速度で回転される。
【0030】
懸架装置6(6FL〜6RR)は、各車輪2を車体フレームBFに対して懸架するための可動装置であり、図1に示すように、車輪2毎に合計4個が配置され、それぞれ独立に作動可能に構成されている。ここで、図2及び図3を参照して、懸架装置6の詳細構成について説明する。
【0031】
図2及び図3は、車両1の側面視を模式的に図示した側面図である。なお、図2及び図3では、図面を簡素化して、理解を容易とするため、車輪2や車体フレームBF等が模式的に図示されている。
【0032】
懸架装置6は、上述したように、車輪2と車体フレームBFとの間に介装され、車輪2を車体フレームBFに対して変位可能に連結する可動装置であり、コイルスプリング61と、ショックアブソーバー62とを主に備えて構成されている。
【0033】
ここで、懸架装置6は、図2に示すように、車両1の後方(図2左方向)へ傾斜されており、車輪2には、キャスター角αが付与されている。そのため、車輪2に付与される回転駆動力(回転トルク)が増減されると、その増減により変動力が発生して、懸架装置6が伸長短縮される。
【0034】
例えば、車輪駆動装置3から車輪2に一定の回転駆動力(回転トルク)が付与され、車両1が一定の速度で走行している場合において、車輪駆動装置3から車輪2に付与される回転トルクが増加されると、加速状態となり、車輪2の回転速度が増加されることで、図3(a)に示すように、車輪2から路面Gへ車両進行方向とは逆方向(図3(a)左方向)への接線力Faが作用される。
【0035】
同時に、車輪2には、図3(a)に示すように、路面Gから接線力Faが車両進行方向(図3(a)右方向)へ反作用として作用される。この場合、上述したように、車輪2には、キャスター角αが付与されているので、接線力Faをキャスター角α方向へ分解した成分(即ち、Fa×cosα)が懸架装置6へ引張力として作用される。これにより、懸架装置6が伸長され、車両1の車高(車輪2と車体フレームBFとの間の距離)が高くされる。
【0036】
一方、車両1が一定の速度で走行している場合において、車輪駆動装置3から車輪2に付与される回転トルクが減少されると、減速状態となり、車輪2の回転速度が減少されることで、図3(b)に示すように、車輪2から路面Gへ車両進行方向(図3(b)右方向)への接線力Faが作用される。
【0037】
同時に、車輪2には、図3(b)に示すように、路面Gから接線力Faが車両進行方向と逆方向(図3(b)左方向)へ反作用として作用される。この場合には、接線力Faの内のキャスター角α方向成分(即ち、Fa×cosα)が懸架装置6へ圧縮力として作用され、懸架装置6が短縮される。その結果、車両1の車高(車輪2と車体フレームBFとの間の距離)が低くされる。
【0038】
図1へ戻って説明する。アクセルペダル52及びブレーキペダル53は、運転者により操作される操作部材であり、各ペダル52,53の踏み込み状態(踏み込み量、踏み込み速度など)に応じて、車両1の走行速度や制動力が決定され、車輪駆動装置3の作動制御が行われる。
【0039】
ステアリング54は、運転者により操作される操作部材であり、その操作状態(回転角度、回転速度など)に応じて、車両1の旋回半径などが決定され、アクチュエータ装置4の作動制御が行われる。
【0040】
制御装置100は、上述のように構成された車両1の各部を制御するための制御装置であり、例えば、各ペダル52,53が操作された場合には、車輪駆動装置3の駆動制御を行う一方、ハンドル54が操作された場合などには、アクチュエータ装置4の駆動制御(旋回制御)を行う。
【0041】
次いで、図4を参照して、制御装置100の詳細構成について説明する。図4は、制御装置100の電気的構成を示したブロック図である。制御装置100は、図4に示すように、CPU71、ROM72及びRAM73を備え、これらはバスライン74を介して入出力ポート75に接続されている。また、入出力ポート75には、車輪駆動装置3等の複数の装置が接続されている。
【0042】
CPU71は、バスライン74により接続された各部を制御する演算装置である。ROM72は、CPU71により実行される制御プログラム(例えば、図5に図示されるトルク制御処理のフローチャート)や固定値データ等を格納した書き換え不能な不揮発性のメモリであり、RAM73は、制御プログラムの実行時に各種のデータを書き換え可能に記憶するためのメモリである。
【0043】
車輪駆動装置3は、上述したように、各車輪2(図1参照)を回転駆動するための装置であり、各車輪2に回転駆動力を付与する4個のFL〜RRモータ3FL〜3RRと、それら各モータ3FL〜3RRをCPU71からの命令に基づいて駆動制御する駆動回路(図示せず)とを備えている。
【0044】
アクチュエータ装置4は、上述したように、各車輪2を操舵駆動するための装置であり、各車輪2に操舵駆動力を付与する4個のFL〜RRアクチュエータ4FL〜4RRと、それら各アクチュエータ4FL〜4RRをCPU71からの命令に基づいて駆動制御する駆動回路(図示せず)とを備えている。
【0045】
なお、本実施の形態では、各舵角センサ(図示せず)を備え、この舵角センサが各伝達機構部23にそれぞれ設けられ、その伝達機構部23において回転運動が直線運動に変換される際の回転数を検出する非接触式の回転角度センサとして構成されている。この回転数は、タイロッド22の変位量に比例するので、CPU71は、舵角センサから入力された検出結果(回転数)に基づいて、各車輪2の舵角を得ることができる。
【0046】
車両速度センサ装置32は、路面Gに対する車両1の速度(絶対値及び進行方向)や上下変位を検出すると共に、それらの検出結果をCPU71に出力するための装置であり、前後、左右及び上下方向加速度センサ32a,32b,32cと、それら各加速度センサ32a,32b,32cの検出結果を処理してCPU71に出力する処理回路(図示せず)とを備えている。
【0047】
前後方向加速度センサ32aは、車両1(車体フレームBF)の前後方向(図1上下方向)の加速度を検出するセンサであり、左右方向加速度センサ32bは、車両1(車体フレームBF)の左右方向(図1左右方向)の加速度を検出するセンサである。
【0048】
また、上下方向加速度センサ32cは、車両1(車体フレームBF)の上下方向(図1紙面垂直方向)の加速度を検出するセンサである。なお、本実施の形態では、これら各加速度センサ32a,32b,32cが圧電素子を利用した圧電型センサとして構成されている。
【0049】
CPU71は、車両速度センサ装置32から入力された各加速度センサ32a,32bの検出結果(加速度値)を時間積分して、2方向(前後及び左右方向)の速度をそれぞれ算出すると共に、それら2方向成分を合成することで、車両1の速度(絶対値及び進行方向)を得ることができる。
【0050】
また、CPU71は、車両速度センサ装置32から入力された上下方向加速度センサ32cの検出結果(加速度値)を時間積分して、上下方向の速度を算出すると共に、それを更に時間積分することで、車両1(車体フレームBF)の上下方向変位(絶対値及び変位方向)を得ることができる。
【0051】
サスストロークセンサ装置33は、懸架装置6(ショックアブソーバー62)のストローク量を検出すると共に、その検出結果をCPU71に出力するための装置であり、各懸架装置6FL〜6RRのストローク量をそれぞれ検出する4個のFL〜RRサスセンサ33FL〜33RRと、それら各センサ33FL〜33RRの検出結果を処理してCPU71に出力する処理回路(図示せず)とを備えている。
【0052】
CPU71は、これら各サスセンサ33FL〜33RRの検出結果(各ショックアブソーバー62のストローク量)が入力されると、前後及び左右のストローク量の差などに基づいて、車両1(車体フレームBF)のピッチ角やロール角を求めることができる。
【0053】
接地荷重センサ装置34は、各車輪2の接地面が路面Gから受ける荷重を検出すると共に、その検出結果をCPU71に出力するための装置であり、各車輪2が受ける荷重をそれぞれ検出するFL〜RR荷重センサ34FL〜34RRと、それら各荷重センサ34FL〜34RRの検出結果を処理してCPU71に出力する処理回路(図示せず)とを備えている。
【0054】
なお、本実施の形態では、各荷重センサ34FL〜34RRがピエゾ抵抗型の3軸荷重センサとして構成されている。これら各荷重センサ34FL〜34RRは、各車輪2のサスペンション軸(図示せず)上に配設され、上述した車輪2が路面Gから受ける荷重を車両1の前後方向(図1上下方向)、左右方向(図1左右方向)及び上下方向(図1紙面垂直方向)の3方向で検出する。
【0055】
なお、CPU71は、接地荷重センサ装置34から入力された各荷重センサ34FL〜34RRの検出結果(接地荷重)より、各車輪2の接地面における路面Gの摩擦係数μを次のように推定する。
【0056】
例えば、前輪2FLに着目すると、FL荷重センサ34FLにより検出される車両1の前後方向、左右方向および上下方向の荷重がそれぞれFx、Fy及びFzであれば、前輪2FLの接地面に対応する部分の路面Gにおける車両1前後方向の摩擦係数μは、前輪2FLが路面Gに対してスリップしているスリップ状態ではFx/Fzとなり(μx=Fx/Fz)、前輪2FLが路面Gに対してスリップしていない非スリップ状態ではFx/Fzよりも大きい値であると推定される(μx>Fx/Fz)。
【0057】
車両1の左右方向の摩擦係数μyについても同様であり、スリップ状態ではμy=Fy/Fzとなり、非スリップ状態ではFy/Fzよりも大きな値と推定される。なお、摩擦係数μを他の手法により検出することは当然可能である。他の手法としては、例えば、特開2001−315633号公報や特開2003−118554号に開示される公知の技術が例示される。
【0058】
車輪回転速度センサ装置35は、各車輪2の回転速度を検出すると共に、その検出結果をCPU71に出力するための装置であり、各車輪2の回転速度をそれぞれ検出する4個のFL〜RR回転速度センサ35FL〜35RRと、それら各回転速度センサ35FL〜35RRの検出結果を処理してCPU71に出力する処理回路(図示せず)とを備えている。
【0059】
なお、本実施の形態では、各回転センサ35FL〜35RRが各車輪2に設けられ、各車輪2の角速度を回転速度として検出する。即ち、各回転センサ35FL〜35RRは、各車輪2に連動して回転する回転体と、その回転体の周方向に多数形成された歯の有無を電磁的に検出するピックアップとを備えた電磁ピックアップ式のセンサとして構成されている。
【0060】
CPU71は、車輪回転速度センサ装置35から入力された各車輪2の回転速度と、予めROM72に記憶されている各車輪2の外径とから、各車輪2の実際の周速度をそれぞれ得ることができ、その周速度と車両1の走行速度(対地速度)とを比較することで、各車輪2がスリップしているか否かを判断することができる。
【0061】
ミリ波レーダ装置36は、各車輪2が走行する路面の状態変化(段差など)を検出すると共に、その検出結果をCPU71に出力するための装置であり、各車輪2が走行する路面の状態変化をそれぞれ検出する4個のFL〜RRレーダ36FL〜36RRと、それら各レーダ36FL〜36RRの検出結果を処理してCPU71に出力する処理回路(図示せず)とを備えている。
【0062】
なお、本実施の形態では、各レーダ36FL〜36RRが、ミリ波を出射する出射部と対象物(路面)から反射してきたミリ波を受信する受信部とを備え、その伝搬時間やドップラー効果によって生じる周波数差などに基づいて、対象物(路面上の段差)の位置や形状などを検出するように構成されている。
【0063】
アクセルペダルセンサ装置52aは、アクセルペダル52の操作状態を検出すると共に、その検出結果をCPU71に出力するための装置であり、アクセルペダル52の踏み込み状態を検出する角度センサ(図示せず)と、その角度センサの検出結果を処理してCPU71に出力する制御回路(図示せず)とを主に備えている。
【0064】
ブレーキペダルセンサ装置53aは、ブレーキペダル53の操作状態を検出すると共に、その検出結果をCPU71に出力するための装置であり、ブレーキペダル53の踏み込み状態を検出する角度センサ(図示せず)と、その角度センサの検出結果を処理してCPU71に出力する制御回路(図示せず)とを主に備えている。
【0065】
ステアリングセンサ装置54aは、ステアリング54の操作状態を検出すると共に、その検出結果をCPU71に出力するための装置であり、ステアリング54の操作状態を検出する角度センサ(図示せず)と、その角度センサの検出結果を処理してCPU71に出力する制御回路(図示せず)とを主に備えている。
【0066】
なお、本実施の形態では、各角度センサが電気抵抗を利用した接触型のポテンショメータとして構成されている。CPU71は、各センサ装置52a〜54aの制御回路から入力された検出結果により各ペダル52,53の踏み込み量及びステアリング54の操作角を得ると共に、その検出結果を時間微分することにより、各ペダル52,53の踏み込み速度(操作速度)及びステアリング54の回転速度(操作速度)を得ることができる。
【0067】
傾斜センサ装置55は、車両1の重力方向に対する傾斜角を検出すると共に、その検出結果をCPU71に出力するための装置であり、車両1の傾斜角を検出する傾斜センサ(図示せず)と、その角度センサの検出結果を処理してCPU71に出力する制御回路(図示せず)とを主に備えている。
【0068】
なお、本実施の形態では、傾斜センサがサーボ型傾斜角センサとして構成されており、傾斜角に伴って角変位を発生する振り子と、その振り子の角変位を検出して電気信号に変換する振り子位置検出器と、電気信号を増幅しトルカコイルに帰還電流を流し、振子を元の平衡な位置に戻すサーボアンプとを備える。
【0069】
図4に示す他の入出力装置35としては、例えば、雨量を検出するための雨量センサなどが例示される。
【0070】
次いで、図5を参照して、トルク制御処理について説明する。図5は、トルク制御処理を示すフローチャートである。この処理は、制御装置100の電源が投入されている間、CPU71によって繰り返し(例えば、0.2ms間隔で)実行される処理であり、車輪2に付与する回転駆動力(回転トルク)を増減させることで、懸架装置6を伸縮させて、車両1の姿勢を制御する。
【0071】
なお、図5の説明においては、図6及び図7を適宜参照する。図6は、車輪2が走行する路面Gの状態を模式的に図示した模式図である。また、図7は、図6に示す路面Gを走行する際の各種状態量の時間変化を模式的に図示した模式図であり、図7(a)は路面Gの高さ変化を、図7(b)は本発明のトルク制御を行わない場合の車両1の上下変位を、図7(c)は車輪2に付与する回転駆動力の大きさの時間変化を、図7(d)は本発明のトルク制御を行った場合の車両1の上下変位を、それぞれ示している。
【0072】
CPU71は、トルク制御処理に関し、まず、車輪2が走行する路面上に段差を検出したか否かを判断する(S1)。なお、段差の検出は、上述したように、ミリ波レーダ装置36を使用して、各車輪2についてそれぞれ行う。
【0073】
S1の処理の結果、車輪2が走行する路面上に段差が検出されない場合には(S1:No)、平坦面を走行しているか、或いは、路面Gの段差に差し掛かった状態か通過した状態であると判断される(図6(b)又は図6(c)参照)。
【0074】
よって、この場合には(S1:No)、懸架装置6のサスストローク(ストローク量)が変化したか否かを判断する(S2)。なお、サスストロークに検出は、上述したように、サスストロークセンサ装置33を使用して、各車輪2についてそれぞれ行う。
【0075】
S2の処理の結果、懸架装置6のサスストロークが変化していないと判断される場合には(S2:No)、車輪2が平坦路を走行しており、かつ、車両1の上下変位も既に収束していると判断されるので(図7の時間t1以前の状態参照)、車輪2に付与する回転駆動力を増減させることなく、このトルク制御処理を終了する。
【0076】
一方、S1の処理において、車輪2が走行する路面上に段差が検出された場合(S1:Yes)、或いは、段差は検出されないが、懸架装置6のサスストロークが変化した場合には(S1:No、S2:Yes)、車輪2が路面Gの段差を通過する直前の状態(図6(a)及び図7の時間t1直前)であるか、或いは、車輪2が路面Gの段差に差し掛かった状態か通過した状態(図6(b)又は図6(c)、図7の時間t1以降)であると判断される。
【0077】
よって、この場合には(S1:Yes、又は、S1:No、S2:Yes)、車輪2が路面Gの段差を通過することで、車両1(車体フレームBF)の上下方向への変位が発生する又は発生すると判断されるので、車輪2のトルク制御を行い、車両1の上下変位を低減させるべく、S3以降の処理を実行する。
【0078】
まず、S3の処理では、ステアリング54の操作角を検出し(S3)、そのステアリング54の操作角が所定角以上であるか否かを判断する(S4)。その結果、S4の処理において、ステアリング54の操作角が所定角以上であると判断される場合には(S4:Yes)、比較的急な旋回中であり、この状態で車輪2のトルク制御を行うと、車輪2へ付与する回転駆動力(回転トルク)を増加させた際にスリップを誘発するおそれがあると判断されるので、S5以降の処理をスキップして、このトルク制御処理を終了する。
【0079】
一方、S4の処理において、ステアリング54の操作角が所定角以上ではないと判断される場合には(S4:No)、比較的緩やかな旋回中であるか、直進走行中であり、トルク制御の実行が可能な状態であると判断できるので、次いで、車両1の加速度を検出し(S5)、S6の処理へ移行する。なお、上述したように、ステアリング54の操作角はステアリングセンサ装置54aにより、車両1の加速度は車両速度センサ32により、それぞれ検出する。
【0080】
S6の処理では、車両1が所定値以上の加速中又は制動中であるか否かを判断する(S6)。その結果、車両1が所定値以上の加速中又は制動中であると判断される場合には(S6:Yes)、この状態で車輪2のトルク制御を行うと、車輪2へ付与する回転駆動力(回転トルク)を増加させた際に、加速中の車両1が更に加速する或いは車両1の制動(停車)が阻害されるおそれが有ると判断されるので、S7以降の処理をスキップして、このトルク制御処理を終了する。
【0081】
一方、S6の処理において、車両1が所定値以上の加速中又は制動中ではないと判断される場合には(S6:No)、車両1が定速走行中であるか、比較的緩やかな加減速中であり、トルク制御の実行が可能な状態であると判断できるので、次いで、車両1(即ち、路面G)の傾斜角を検出し(S7)、下り傾斜であるか否かを判断する(S8)。なお、車両1の傾斜角は、上述したように、傾斜センサ装置55により検出する。
【0082】
S8の処理において、下り傾斜であると判断される場合には(S8:Yes)、その下り傾斜の傾斜角が所定値以上であるか否かを判断する(S9)。その結果、下り傾斜の傾斜角が所定以上であると判断される場合には(S9:Yes)、この状態で車輪2のトルク制御を行うと、車輪2へ付与する回転駆動力(回転トルク)を増加させた際に、車両1が下り傾斜に沿って不用意に加速するおそれが有ると判断されるので、S10以降の処理をスキップして、このトルク制御処理を終了する。
【0083】
一方、S8の処理において、下り傾斜ではないと判断される場合(S8:No)、或いは、下り傾斜であるが、傾斜角が所定角以上ではないと判断される場合には(S8:Yes、S9:No)、上り傾斜か、比較的緩やかな下り傾斜であり、トルク制御の実行が可能な状態であると判断できるので、次いで、車両速度を検出し(S10)、その車両速度に基づいて、車輪2に付与する回転駆動力(回転トルク)の変化量を算出した後(S11)、S12の処理へ移行する。
【0084】
なお、車両速度は、上述したように、車両速度センサ装置32により検出する。また、S11の処理では、車両速度やサスストローク・上下方向加速度に基づいて、段差に到達するまでの時間(図6(a)参照)、段差を通過するのに要する時間(図6(b)参照)、車両1の姿勢変化量などを算出し、その時間や姿勢変化量に基づいて、車輪2に付与する回転駆動力(回転トルク)の増減タイミング、増減時間や増減量を算出する(図7(c)参照)。
【0085】
S12の処理では、S11の処理において算出したトルク変化量(回転駆動力の変化量)に基づいて、車輪駆動装置3の駆動制御を車輪2毎に行い(S12)、このトルク制御処理を終了する。
【0086】
その結果、車輪駆動装置3から車輪2へ付与される回転駆動力が増加(又は減少)されると、その回転駆動力の増加(又は減少)により発生される変動力によって、懸架装置6が伸長(短縮)され、車高(車輪2と車体フレームBFとの間の距離)が高く(低く)される。
【0087】
これにより、車輪2が路面Gの段差を通過することによって発生する車高変化(車体フレームBFの上下変位、図7(b)参照)に対し、その車高変化とは逆位相の車高変化を車両1に発生させ(図7(d)参照)、車体の姿勢を一定に近づけることができるので、乗り心地の向上を図ることができる。
【0088】
また、本発明によれば、車両1(車体フレームBF)の姿勢変化をサスストロークセンサ装置33及び上下方向加速度センサ32cにより検出し、その検出された車両1の姿勢変化に基づいて、車輪駆動装置3の駆動状態を制御するので、路面Gの段差を通過した後に続く車高変化(図6(c)及び図7の時間t1以降参照)を早期に収束させて、乗り心地のより一層の向上を図ることができる。
【0089】
更に、本発明によれば、車輪2が走行する路面の段差(状態変化)を検出するミリ波レーダ装置36を備え、そのミリ波レーダ装置36により検出された路面の段差の状態に基づいて、車輪駆動装置3の駆動状態を制御するので、路面Gの段差を通過する前に予め(又は、路面の段差の通過と同時に、図6(a)又は図6(b)及び図7の時間t1参照)、懸架装置6を伸縮させるという見込み制御を行うことができるので、車両1(車体フレームBF)の姿勢変化量をより小さくして、乗り心地のより一層の向上を図ることができる。
【0090】
ここで、図5に示すフローチャート(トルク制御処理)において、請求項1記載の姿勢制御手段としてはS12の処理が、請求項2記載の姿勢検出手段としてはS2の処理が、請求項3記載の路面検出手段としてはS1の処理が、それぞれ該当する。
【0091】
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
【0092】
例えば、上記実施の形態で挙げた数値は一例であり、他の数値を採用することは当然可能である。
【0093】
上記実施の形態では、懸架装置6がコイルスプリング61とショックアブソーバー62とを備えて構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、ショックアブソーバー62の減衰機能を省略して構成しても良い。
【0094】
上記実施の形態では、段差の検出にミリ波レーダ36を使用する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、他の波長の電波等を用いても良く、或いは、GPSを利用したナビゲーションシステムを使用して、段差を検出するようにしても良い。即ち、GPSで自車の位置を把握すると共に、ナビゲーションシステムが備える地図データ内の段差と自車とを比較して、段差を検出するようにしても良い。
【0095】
上記実施の形態では、キャスター角が角度αで後傾(懸架装置6の車体接続部側が車輪支持側よりも車両後方に位置する)して構成される場合を説明したが(図3参照)、必ずしもこれに限られるものではなく、キャスター角を前傾(懸架装置6の車体接続部側が車輪支持側よりも車両前方に位置する)させて構成することは当然可能である。
【0096】
なお、この場合には、上記実施の形態の場合(図3参照)とは逆に、車輪駆動装置3から車輪2へ付与される回転駆動力の増加(減少)に伴い、懸架装置6が短縮(伸長)され、車高が低く(高く)される。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】本発明の一実施の形態における制御装置が搭載される車両の上面視を模式的に示した模式図である。
【図2】車両の側面視を模式的に図示した側面図である。
【図3】車両の側面視を模式的に図示した側面図であり、(a)は加速時の状態を、(b)は減速時の状態を、それぞれ示している。
【図4】制御装置の電気的構成を示したブロック図である。
【図5】キャンバー制御処理を示すフローチャートである。
【図6】車輪が走行する路面の状態を模式的に図示した模式図であり、(a)は車輪が段差に乗り上げる前の状態を、(b)は車輪が段差を通過している状態を、(c)は車輪が段差を通過した後の状態を、それぞれ示している。
【図7】図6に示す路面Gを走行する際の各種状態量の時間変化を模式的に図示した模式図であり、(a)は路面の高さ変化を、(b)は本発明のトルク制御を行わない場合の車両の上下変位を、(c)は車輪に付与する回転駆動力の大きさの時間変化を、(d)は本発明のトルク制御を行った場合の車両の上下変位を、それぞれ示している。
【符号の説明】
【0098】
100 制御装置
1 車両
BF 車体フレーム(車体)
2 車輪
2FL 前輪(車輪、左車輪)
2FR 前輪(車輪、右車輪)
2RL 後輪(車輪、左車輪)
2RR 後輪(車輪、右車輪)
3 車輪駆動装置
3FL〜3RR FL〜RRモータ(車輪駆動装置の一部)
6(6FL〜6RR) 懸架装置
61 コイルスプリング(懸架装置の一部)
62 ショックアブソーバー
α キャスター角
G 路面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車輪と、その車輪と車体との間に介装される懸架装置と、前記車輪に回転駆動力を付与する車輪駆動装置とを備える車両に対し、前記車輪駆動装置を駆動して、前記車輪の回転状態を制御する制御装置において、
前記車体の姿勢を制御する姿勢制御手段を備え、
前記車両は、前記車輪が所定のキャスター角を有した状態で前記懸架装置によって前記車体に懸架されるものであり、
前記姿勢制御手段は、前記車輪駆動装置から前記車輪へ付与される回転駆動力を増加又は減少させ、その回転駆動力の増加又は減少により発生する変動力によって、前記懸架装置を伸長又は短縮させることで、前記車体の姿勢を制御することを特徴とする制御装置。
【請求項2】
前記車体の姿勢変化を検出する姿勢検出手段を備え、
前記姿勢制御手段は、前記姿勢検出手段により検出された前記車体の姿勢変化に基づいて、前記車輪駆動装置の駆動状態を制御することを特徴とする請求項1記載の制御装置。
【請求項3】
前記車輪が走行する路面の状態変化を検出する路面検出手段を備え、
前記姿勢制御手段は、前記路面検出手段により検出された前記路面の状態変化に基づいて、前記車輪駆動装置の駆動状態を制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記車両は、前記車輪を複数備え、前記懸架装置が前記複数の車輪にそれぞれ対応して複数設けられると共に、前記車輪駆動装置が前記複数の車輪に対してそれぞれ独立に回転駆動力を付与可能に構成されるものであり、
前記路面検出手段は、前記複数の車輪にそれぞれ対応する複数の位置において前記路面の状態変化を検出可能に構成され、
前記姿勢制御手段は、前記姿勢検出手段により検出された前記車体の姿勢変化または前記路面検出手段により検出された前記路面の状態変化の少なくともいずれか一方に基づいて、前記複数の車輪に付与する回転駆動力をそれぞれ独立に制御することを特徴とする請求項2又は3に記載の制御装置。
【請求項5】
前記車輪駆動装置が電動モータにより構成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の制御装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載の制御装置を備えていることを特徴とする車両。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−11656(P2008−11656A)
【公開日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−180331(P2006−180331)
【出願日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【出願人】(591261509)株式会社エクォス・リサーチ (1,360)
【Fターム(参考)】