説明

制御装置及び運転安全性保護方法

【課題】運転者の保護者が、運転者(保護対象者)の運転動作の制限を自ら設定し、また、この運転動作の制限に応じて運転動作の制御を行えるようにする。
【解決手段】車両を使用する使用者を識別する情報又は使用者が分類されるカテゴリを識別する情報と、使用者の行為又は使用者の運転時の車両状態と、その行為又は車両状態が検出された場合の動作制御方法とを規定した制御情報を制御情報格納部130に格納する。ある運転者が車両を実際に運転する際には、使用者認証部140において特定された運転者に対応する制御情報を参照して、車載検出部から供給される検出結果情報に対応する動作制御方法を特定し、動作制御部150が、その動作制御方法に基づいて車載装置の動作制御(駆動制御、警告報知、保護者への通報)などを行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の動作を制御する制御装置、及び、運転者の安全性を保護する運転安全性保護方法に関する。
【背景技術】
【0002】
運転者(特に初心者ドライバや高齢者ドライバ)の運転支援や運転者の安全性の保護などを図るために、従来、ACC(Adaptive Cruise Control:車間自動制御システム)などのような自動制御系の技術が存在する。
【0003】
また、例えば、下記の特許文献1には、運転者の運転状態を監視して熟練度(運転技量)を決定し、この熟練度に応じて運転特性を設定するための情報を作成する技術が開示されている。また、下記の特許文献2には、ドライバの運転技量に応じたパラメータを定めて車両の走行制御を行う技術が開示されている。また、下記の特許文献3には、運転者の不足能力に関する情報に基づいて、運転動作における能力補正を行うことで、簡単に運転支援を行える技術が開示されている。また、下記の特許文献4には、運転者の年齢を推定し、推定年齢に応じた運転支援を行う技術が開示されている。
【0004】
また、高齢者ドライバや初心者ドライバとは関係なく、運送メーカは自社ドライバの運行管理、健康管理を実施している。昨今では、飲酒運転を禁止するための装置などを搭載するメーカも存在している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−71153号公報
【特許文献2】特開平9−132060号公報
【特許文献3】特開2001−354088号公報
【特許文献4】特開2009−15548号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1〜4に開示されている技術はいずれも、運転者の運転支援の自動化や精度の向上などを図るものであり、運転者の細かい特徴(身体的又は年齢的な特徴や運転の癖など)を検出して、その検出結果に応じた運転支援を行うものであって、教育・指摘を目的としたものではない。
【0007】
一方、ACCなどのような自動制御系の技術では、一般的に運転者の特徴に特化することなく運転制御が行われるが、この運転制御は、個々人に適応するものではなく、一律的な操作制限であって、保護者などの第3者がこの機能の使用是非を決定できるものではない。
【0008】
車両の運転は常に危険が付きまとうものであるが、運転者が危険に遭遇するのではないかという心配の度合いは、運転者の性格や運転技量、運転者との関係(保護者なのか、他人なのか)など、個別のケースに応じて大きく異なってくる。例えば、運転者が運転の際に行ってはいけない動作や行わないほうがよい動作、また、もしもこうした動作が行われそうになった場合の対応法などは、運転者の保護者毎に様々である。特に軽認知症の運転者への運転許容は心配される。しかしながら、従来の技術によれば、運転者の保護者が、運転者(保護対象者)の運転動作の制限を自ら設定し、この運転動作の制限に応じて運転動作の制御を行うことはできない。
【0009】
本発明は、上記の課題を解決するため、運転者の保護者が、運転者(保護対象者)の運転動作の制限を自ら設定し、また、この運転動作の制限に応じて運転動作の制御を行うことを可能にする制御装置及び運転安全性保護方法を提供することを目的とする。
【0010】
なお、本明細書では、車両を運転する運転者を保護対象者と呼び、その運転者に対して何らかの責任を負う人を保護者と呼ぶ。保護者は、例えば、保護対象者による運転を心配する者である。具体的には、運転者(保護対象者)は、高齢者ドライバ、初心者ドライバ、ペーパドライバ、軽認知症患者などであり、保護者はその家族であると想定すると、本発明への理解が深まるはずである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本発明の制御装置は、車両を使用する使用者の車両運転行為を支援又は保護する制御装置であって、
前記使用者を識別する情報又は前記使用者が分類されるカテゴリを識別する情報と、前記使用者の行為又は前記使用者の運転時の車両状態と、その行為又は車両状態が検出された場合の動作制御方法とを規定した制御情報を格納する制御情報格納手段と、
前記車両を実際に使用する運転者を特定する使用者認証手段と、
前記制御情報格納手段に格納されている前記制御情報を参照して、前記運転者を識別する情報又は前記運転者が分類されるカテゴリを識別する情報と、前記運転者の行為又は前記運転者の運転時の車両状態を検出する車載検出手段から供給される検出結果情報とに対応する動作制御方法を特定し、前記特定された動作制御方法に基づいて車載装置の動作制御を行う動作制御手段とを、
有している。
この構成により、あらかじめ設定された運転動作の制限に応じて、運転者の運転動作の制御を行うことが可能となる。
【0012】
さらに、本発明の制御装置は、上記の構成に加えて、前記制御情報を設定する設定者の認証を行う設定者認証手段と、
前記設定者認証手段による認証に成功した設定者に設定許可を与えて、前記設定者による操作によって前記制御情報の設定を行い、前記設定者により設定された前記制御情報を前記制御情報格納手段へ格納する制御設定手段とを、
有している。
この構成により、設定者(例えば運転者の保護者)が、運転者(保護対象者)の運転動作の制限を自ら設定することが可能となる。
【0013】
さらに、本発明の制御装置は、上記の構成に加えて、前記制御情報を設定する設定者の認証を行って、前記認証に成功した設定者に設定許可を与えて、前記設定者による操作によって前記制御情報の設定を行うことを可能とする設定装置と通信を行う設定装置通信手段を有しており、
前記設定者により設定された前記制御情報を前記設定装置通信手段によって受信し、前記制御情報格納手段へ格納するよう構成されている。
この構成により、設定者は、遠隔の設定装置から制御情報の設定を行うことが可能となる。
【0014】
さらに、本発明の制御装置は、上記の構成に加えて、前記動作制御手段が、前記車両の駆動装置の動作制御を行うように構成されている。
この構成により、あらかじめ設定された運転動作の制限に応じて、車両の駆動制御を行うことが可能となる。
【0015】
さらに、本発明の制御装置は、上記の構成に加えて、前記動作制御手段が、車載報知手段から前記運転者へ、前記車載検出手段の検出結果情報に対応した警告を報知するように構成されている。
この構成により、あらかじめ設定された運転動作の制限に応じて、運転者への警告報知を行うことが可能となる。
【0016】
さらに、本発明の制御装置は、上記の構成に加えて、前記動作制御手段が、通信を行うことが可能な通信手段から所定の連絡先へ、前記車載検出手段の検出結果情報に対応した通知を送信するように構成されている。
この構成により、あらかじめ設定された運転動作の制限に応じて、所定の連絡先(例えば、保護者)への通知を行うことが可能となる。
【0017】
さらに、本発明の制御装置は、上記の構成に加えて、前記動作制御手段が、前記車載装置の動作制御を行った内容を集約するとともに、対応する動作制御を行わないようにするための設定を提案する情報を作成するよう構成されている。
この構成により、例えば、運転者が制限を破った事項(違反事項)をカルテ風に電子用紙に要約でき、さらに、その違反行為を抑止するような設定方法を設定者へ提案することが可能となる。
【0018】
また、上記目的を達成するため、本発明の運転安全性保護方法は、車両を使用する使用者の車両運転行為を支援又は保護する制御装置において実行される運転安全性保護方法であって、
前記使用者を識別する情報又は前記使用者が分類されるカテゴリを識別する情報と、前記使用者の行為又は前記使用者の運転時の車両状態と、その行為又は車両状態が検出された場合の動作制御方法とを規定した制御情報を格納する制御情報格納ステップと、
前記車両を実際に使用する運転者を特定する使用者認証ステップと、
前記制御情報格納ステップで格納された前記制御情報を参照して、前記運転者を識別する情報又は前記運転者が分類されるカテゴリを識別する情報と、前記運転者の行為又は前記運転者の運転時の車両状態を検出する車載検出手段から供給される検出結果情報とに対応する動作制御方法を特定し、前記特定された動作制御方法に基づいて車載装置の動作制御を行う動作制御ステップとを、
有している。
この処理により、あらかじめ設定された運転動作の制限に応じて、運転者の運転動作の制御を行うことが可能となる。
【0019】
さらに、本発明の運転安全性保護方法は、上記の処理に加えて、前記制御情報を設定する設定者の認証を行う設定者認証ステップと、
前記設定者認証ステップによる認証に成功した設定者に設定許可を与えて、前記設定者による操作によって前記制御情報の設定を行い、前記設定者により設定された前記制御情報を格納する制御設定ステップとを、
有している。
この処理により、設定者(例えば運転者の保護者)が、運転者(保護対象者)の運転動作の制限を自ら設定することが可能となる。
【0020】
さらに、本発明の運転安全性保護方法は、上記の処理に加えて、前記動作制御ステップにおいて、前記車両の駆動装置の動作制御を行う。
この処理により、あらかじめ設定された運転動作の制限に応じて、車両の駆動制御を行うことが可能となる。
【0021】
さらに、本発明の運転安全性保護方法は、上記の処理に加えて、前記動作制御ステップにおいて、車載報知手段から前記運転者へ、前記車載検出ステップにおける検出結果情報に対応した警告を報知する。
この処理により、あらかじめ設定された運転動作の制限に応じて、車両の駆動制御を行うことが可能となる。
【0022】
さらに、本発明の運転安全性保護方法は、上記の処理に加えて、前記動作制御ステップにおいて、通信を行うことが可能な通信手段から所定の連絡先へ、前記車載検出ステップにおける検出結果情報に対応した通知を送信する。
この処理により、あらかじめ設定された運転動作の制限に応じて、所定の連絡先(例えば、保護者)への通知を行うことが可能となる。
【発明の効果】
【0023】
本発明は、上記構成によって、運転者の保護者が、運転者(保護対象者)の運転動作の制限を自ら設定し、この運転動作の制限に応じて運転動作の制御を行うという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施の形態における制御装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態における制御装置の制御情報設定時の動作の一例を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施の形態における制御装置の動作制御時の動作の一例を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施の形態において、保護対象行為、動作制御方法、保護対象カテゴリの対応を規定する制御情報の具体例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態における制御装置及び運転安全性保護方法について説明する。
【0026】
まず、本発明に係る構成について説明する。図1は、本発明の実施の形態における制御装置の構成の一例を示すブロック図である。図1に図示されている車載制御装置100は、設定者認証部110、制御設定部120、制御情報格納部130、使用者認証部140、動作制御部150を有している。また、各種検出部200、各種動作部310、報知部320、通信部330、操作インタフェース(操作I/F)などには、車両に搭載されている機能又は車載ナビゲーション装置の一機能が利用可能である。
【0027】
設定者認証部110は、操作を行うユーザ(設定者)が設定処理を行う権限を有しているか否かを認証する認証処理を行う機能を有している。なお、この認証処理に用いることが可能な認証技術は任意であり、例えば、ユーザID/パスコードの入力による認証、虹彩、指紋、声紋などを用いた生体認証、ICカード認証、個人認証キーによる認証などが利用可能である。設定者認証部110は、この認証処理に成功した場合(すなわち、設定処理を行う権限を有するユーザであると認められた場合)には、ユーザによる制御情報の設定処理(制御設定部120の動作)を許可し、一方、この認証処理に失敗した場合(すなわち、設定処理を行う権限を有するユーザであると認められなかった場合)には、ユーザによる制御情報の設定処理(制御設定部120の動作)を不許可とする。なお、設定者は、保護者の意図する設定を行うことが可能であり、保護者自身が設定者であってもよい。
【0028】
また、制御設定部120は、設定処理を行う権限を有する設定者が、特定の車両を運転する運転者(保護対象者)の使用制限を設定する機能を有している。設定者は、例えばモニタ(不図示)に出力される表示を参照しながら操作インタフェース(操作I/F)を通じて入力を行うことで、制御設定部120を用いて、保護対象者が特定の車両を運転する際の使用制限を設定することが可能である。なお、設定者は、特定の車両を使用(運転)する使用者を登録することが可能であり、また、この使用者が高齢であることや初心者、ペーパドライバであることなど、その使用者のプロフィール情報を設定することも可能である。車両の使用者は、保護者にとっての保護対象者である。
【0029】
なお、使用制限の詳細については後述するが、基本的には、各使用者(あるいは、使用者が属する各カテゴリ)に対応して、特定の車両で動作する各種動作部310の動作制御を規定することが行われる。制御設定部120において設定された使用制限(動作制御)は、制御情報として制御情報格納部130に格納される。また、制御情報格納部130に格納された制御情報は、再度制御設定部120にて更新又は削除可能であることが望ましい。
【0030】
また、制御情報格納部130は、制御設定部120において設定された使用制限(動作制御)を、制御情報として格納する機能を有している。なお、制御情報格納部130にデフォルト(メーカ出荷時)で制御情報を格納しておき、制御設定部120において設定者がカスタマイズできるようにしてもよい。また、制御情報格納部130に格納された制御情報は、動作制御部150によって読み出し及び参照可能である。制御情報格納部130は、情報を記憶できる任意のメモリであり、例えば不揮発性メモリによって実現可能である。
【0031】
また、使用者認証部140は、特定の車両を使用(運転)する使用者(運転者であり、保護対象者でもある)を特定するための認証処理を行う機能を有している。なお、設定者認証部110と同様に、この認証処理に用いることが可能な認証技術は任意であり、例えば、ユーザID/パスコードの入力による認証、虹彩、指紋、声紋などを用いた生体認証、ICカード認証などが利用可能である。使用者認証部140は、この認証処理によって、各種動作部210の動作対象となるユーザが誰か、あるいは、そのユーザがどのカテゴリに属するかを特定する。使用者認証部140によって特定されたユーザの情報(あるいは、そのユーザがどのカテゴリに属するかを示す情報)は、動作制御150に提供される。なお、制御設定部120で特定のユーザに対する使用制限が設定する場合には、使用者認証部140において、当該特定のユーザであることを識別できる必要があり、従って、制御設定部120で指定された特定のユーザの識別情報が、使用者認証部140において参照可能であり、使用者認証部140が、この識別情報に基づいてユーザ認証を行えるようにすることが望ましい。
【0032】
また、使用者認証部140が単に使用者の属するカテゴリのみを判断する場合には、例えば、使用者の運転免許証などに含まれている情報から、生年月日(高齢者カテゴリに属するか否か)や免許取得年月日(初心者カテゴリに属するか否か)の情報を参照するだけでもよい。また、使用者の運転癖などを検出し(例えば、ブレーキの踏み込みタイミングなど)、使用者が初心者(ペーパドライバ)かどうかの予測を行うようにしてもよい。
【0033】
また、動作制御部150は、使用者認証部140で特定されたユーザの情報(あるいは、そのユーザのカテゴリの情報)に対応する動作制御情報を制御情報格納部130から読み出し、その動作制御情報に規定されている動作制御を行う機能を有している。動作制御部150は、例えば、各種検出部200から得られる検出結果情報に対して規定されている各種動作部310の動作制御や、報知部220からの警告報知、通信部230を通じた通報(保護者への通報)などを行うことが可能である。報知部220からの警告報知は、例えば、モニタ上に警告メッセージを表示したり、スピーカから警告音声を出力したりすることである。また、通信部230を通じた通報は、例えば、所定の登録メールアドレスや登録電話番号など、保護者に情報が届く連絡先へ情報を送信することである。
【0034】
さらに、動作制御部150は、運転者が行った違反行為などに伴う動作制御の内容を集約するとともに、こうした動作制御を行わないようにするための設定を提案する情報を作成するよう構成されていてもよい。また、動作制御部150は、運転者の違反行為(動作制御を行うトリガとなった行為)を抑止するような設定方法を設定者へ提案する情報を作成するよう構成されていてもよい。例えば、動作制御部150は、運転者が制限を破った事項(違反事項)をカルテ風に電子用紙に要約してもよい。カルテ風の情報には、例えば、違反項目(例えば、一時停止違反など)の一覧、さらには、運転者の違反項目に対応した設定項目のオン/オフの提案(一時停止線の手前で警告を報知する設定、一時停止線の手前で減速する制御を行う設定など)が含まれる。こうしたカルテ風の情報は、車載装置のモニタから確認できるようにしてもよく、保護者(設定者)へ通信回線経由で送られてもよい。保護者(設定者)は、この情報を参照することで、各運転者の違反行為(ひいては、運転動作そのもの)を把握し、さらに、各運転者の違反行為を抑止するための設定などを個別にかつ簡単に設定することが可能となる。
【0035】
なお、車載制御装置100における制御情報設定時の動作に関しては、設定者認証部110、制御設定部120、制御情報格納部130が関連しており、車載制御装置100における動作制御時の動作に関しては、制御情報格納部130、使用者認証部140、動作制御部150が関連している。制御情報の設定は、例えば、PC(Personal Computer:パーソナルコンピュータ)などの別の装置で行うことが可能であり、別の装置で用意された制御情報を、可搬型メモリや通信媒体などを通じて制御情報格納部130へ格納してもよい。また、図1には、車載制御装置100の各機能がブロックによって模式的に図示されているが、実際には、ハードウェア及び/又はソフトウェア(コンピュータによって実行可能なプログラム)によって実現可能である。また、ここでは、車載制御装置100としているが、本発明の主要な動作を行う制御装置は必ずしも車両に搭載されている必要はない。すなわち、本発明に係る制御装置は、車両の各種検出部200や各種動作部210などと何らかの接続インタフェースを介して接続可能であれば、必ずしも車両に搭載されている必要はない。
【0036】
次に、本発明に係る動作について説明する。まず、本発明の実施の形態における車載制御装置100の制御情報設定時の動作について説明する。図2は、本発明の実施の形態における制御装置の制御情報設定時の動作の一例を示すフローチャートである。
【0037】
図2において、まず、設定者認証部110において、操作を行うユーザが設定処理を行う権限を有しているか否かを認証する認証処理を行う(ステップS1001)。この認証処理が成功したか否かによって、ユーザが設定処理を行う権限を有するか否かの確認が行われる(ステップS1002)。
【0038】
ステップS1001の認証処理に成功した場合には、そのユーザは、設定処理を行う権限を有していると判断され、例えば認証成功の通知を行うとともに、そのユーザの設定処理を許可する(ステップS1003)。
【0039】
認証に成功したユーザは、設定者として設定処理を行うことが可能である。そのユーザは、例えば操作インタフェース(操作I/F)を通じて制御設定部120を操作し、各種検出部200において検出された状況に応じた使用制限(動作制御)を設定する設定処理を行う。ユーザによる設定処理において設定された使用制限(動作制御)は、制御情報として制御情報格納部130に格納される(ステップS1004)。
【0040】
一方、ステップS1001の認証処理に成功しなかった場合には、そのユーザは、設定処理を行う権限を有していないと判断され、例えば認証失敗の通知を行うとともに、そのユーザの設定処理を許可せず(ステップS1005)、処理は終了となる。
【0041】
次に、本発明の実施の形態における車載制御装置100の動作制御時の動作について説明する。図3は、本発明の実施の形態における制御装置の動作制御時の動作の一例を示すフローチャートである。
【0042】
図3において、まず、使用者認証部140において、車両を使用(運転)する運転者を認証する認証処理を行う(ステップS2001)。なお、この認証処理に用いることが可能な認証技術は任意であり、例えば、ユーザID/パスコードの入力による認証、虹彩、指紋、声紋などを用いた生体認証、ICカード認証、個人認証キーによる認証などが利用可能である。この認証処理によって、各種動作部210の動作対象となるユーザが誰か、あるいは、そのユーザがどのカテゴリに属するかの特定が行われる(ステップ2002)。
【0043】
ステップS2001の認証処理において、ユーザ(あるいは、そのユーザのカテゴリ)が特定された場合には、動作制御部150がそのユーザ(あるいは、そのユーザのカテゴリ)に対応する制御情報を読み出す(ステップS2003)。そして、動作制御部150は、読み出された制御情報に基づいて、各種動作部210の動作制御、報知部220からの警告報知、通信部230を通じた通報の送信など、制御情報に定められた動作制御を行う(ステップS2004)。
【0044】
一方、ステップS2001の認証処理でユーザが特定できなかった場合には、不特定のユーザに対して定められた動作制御を行う(ステップS2005)。なお、不特定のユーザに対しては、任意の動作制御方法が設定可能である。例えば、不特定のユーザに対しては、特定の車両の使用(運転)をまったく認めないか、あるいは、限定された使用のみ可能とすることが望ましい。
【0045】
また、不特定のユーザに対して行う動作制御(ステップS2005における動作制御)においても、図2に図示されている制御情報の設定動作によって制御情報として設定可能であることが望ましく、すなわち、ステップS2005における動作制御においても、動作制御部150が、不特定のユーザに対して行う動作制御を規定した制御情報を読み出し、その制御情報に基づく動作制御を行うことが望ましい。
【0046】
次に、車両の具体的な使用制限(動作制御)の設定について説明する。
【0047】
例えば、図2のステップS1004における使用制限(動作制御)の設定において、設定者は、特定のユーザ、及び/又は、特定のカテゴリに対して、車両の動作制御を行うべき使用者(運転者)の行為(以降、保護対象行為と呼ぶ)と、その動作制御方法とを設定することが可能である。すなわち、設定者は、例えば特定のユーザに対して個別に、どのような保護対象行為が行われた場合に、どのような動作制御方法を実行するかを設定することが可能である。また同様に、設定者は、例えば特定のカテゴリに対して個別に、どのような保護対象行為が行われた場合に、どのような動作制御方法を実行するかを設定することが可能である。
【0048】
具体的には、保護対象行為、動作制御方法、保護対象カテゴリの対応として、例えば図4に図示されている表のように設定することが可能である。
【0049】
(1)飲酒運転
運転者が飲酒していることが検出された場合には、運転を禁止(運転不可)し、運転者へ警告を報知し、保護者へ通報する。また、全ユーザ(あるいは、全カテゴリ)に共通とする。
【0050】
(2)急発進・急加速
急発進・急加速が検出された場合には、急発進・急加速とならないよう車両の駆動制御を行い、運転者へ警告を報知する。また、全ユーザ(あるいは、全カテゴリ)に共通とする。
【0051】
(3)家族以外の同乗
家族以外の同乗が検出された場合には、運転者へ警告を報知する。また、全ユーザ(あるいは、全カテゴリ)に共通とする。
【0052】
(4)右左折の怠慢動作
右左折の怠慢動作(例えば、右左折時の合図不履行)が検出された場合には、運転者へ警告を報知する。また、全ユーザ(あるいは、全カテゴリ)に共通とする。
【0053】
(5)車間距離
安全な車間距離を保持できていないことが検出された場合には、安全な車間距離となるよう車速の駆動制御を行い、運転者へ警告を報知する。また、全ユーザ(あるいは、全カテゴリ)に共通とする。
【0054】
(6)信号無視
信号を遵守しなかったことが検出された場合には、無謀な運転を抑えるよう(速度の低下など)車両の駆動制御を行い、運転者へ警告を報知し、保護者へ通報する。また、全ユーザ(あるいは、全カテゴリ)に共通とする。
【0055】
(7)手持ち通話
携帯電話の手持ち通話が検出された場合には、運転又は通話を禁止(運転不可又は通話不可)し、運転者へ警告を報知し、保護者へ通報する。また、全ユーザ(あるいは、全カテゴリ)に共通とする。
【0056】
(8)ハンズフリー通話
ハンズフリー通話が検出された場合には、運転者へ警告を報知する。また、全ユーザ(あるいは、全カテゴリ)に共通とする。
【0057】
(9)シートベルト未着装
シートベルト未着装が検出された場合には、運転を禁止(運転不可)し、運転者へ警告を報知し、保護者へ通報する。また、全ユーザ(あるいは、全カテゴリ)に共通とする。
【0058】
(10)連続長時間運転
連続長時間運転が検出された場合には、運転者へ警告を報知する。また、全ユーザ(あるいは、全カテゴリ)に共通とする。
【0059】
(11)緊急通報サービスの利用
緊急通報サービスの利用が検出された場合には、保護者へ通報する。また、全ユーザ(あるいは、全カテゴリ)に共通とする。
【0060】
(12)徘徊
徘徊が検出された場合には、運転者へ警告を報知し、保護者へ通報する。また、高齢者ドライバを対象とする。
【0061】
(13)ルート逸脱
ルート逸脱が検出された場合には、運転者へ警告を報知する。また、高齢者ドライバを対象とする。
【0062】
(14)高速道路逆進入・逆脱出
高速道路逆進入・逆脱出が検出された場合には、逆走を防ぐよう車両の駆動制御を行い(車両停止)、運転者へ警告を報知し、保護者へ通報する。また、高齢者ドライバを対象とする。
【0063】
(15)高速道路の最低制限速度以下の走行
高速道路の最低制限速度以下の走行が検出された場合、運転者へ警告を報知する。また、高齢者ドライバを対象とする。
【0064】
(16)最高速度超過
最高速度超過が検出された場合、運転者へ警告を報知する。また、初心者ドライバ(ペーパドライバを含む)を対象とする。
【0065】
(17)追い越し車線通行区分違反
追い越し車線通行区分違反が検出された場合、運転者へ警告を報知する。また、初心者ドライバ(ペーパドライバを含む)を対象とする。
【0066】
なお、図4に示す保護対象行為及び動作制御方法の有効/無効設定や、保護対象カテゴリの設定などはいずれも一例である。
【0067】
保護対象行為については、設定者は、例えばあらかじめ登録されている保護対象行為を選択できるようにしてもよく、あるいは、自分で新たな保護対象行為を定めることができるようにしてもよい。また、動作制御方法については、設定者は、例えば、各種動作部210における特定の動作の制御(車両制御)、報知部220による警告報知、通信部230を通じた通報の送信などの項目に関して、その有効/無効を選択できるようにしてもよく、あるいは、自分で新たな動作制御方法及びその有効/無効を定めることができるようにしてもよい。
【0068】
さらに、動作制御方法について、各保護対象行為それぞれに対して、どのような車両制御方法を行うか、どのような警告報知方法を行うか、どのような通報方法(どの通報対象とするか)を行うかなどを細かく設定できるようにしてもよい。例えば、飲酒運転に対して、単に車両制御を有効とするだけではなく、その制御においてエンジンはかかかるものの発進はできないように制御する動作を規定してもよく、あるいは、エンジンをかけることもできないように制御する動作を規定してもよい。また、通報方法においても、電話を用いるのかメールを用いるのか、あるいは、通報対象とする電話番号やアドレスなどを個別に設定してもよい。
【0069】
また、図4に示す表では、各保護対象行為に対する動作制御方法が、保護対象カテゴリ別に設定されているが、上述のように、ユーザ個別に設定することも可能である。この場合、設定者は、例えば保護対象者(運転者)を特定する情報を入力し、図4に示す保護対象カテゴリの欄において保護対象者(運転者)を特定する情報が指定されるようになる。
【0070】
このようにして、保護対象行為、動作制御方法、保護対象カテゴリの対応が設定可能であるが、この設定情報(図4に図示されている表)が制御情報として制御格納部130に格納される。
【0071】
次に、制御情報に基づく車両の具体的な使用制限(動作制御)について説明する。
【0072】
動作制御部150は、車両の運転者であると特定されたユーザ(あるいは、その運転者の属するカテゴリ)に応じた制御情報を制御情報格納部130から読み出し、その制御情報に従った動作制御を行う。具体的には、例えば、運転者が高齢者の場合には、保護対象カテゴリが「共通カテゴリ」に設定されている使用制限(図4の(1)〜(11))に加えて、保護対象カテゴリが「高齢者カテゴリ」に設定されている使用制限(図4の(12)〜(15))に従った動作制御を行う。なお、例えば、車両の運転者が高齢者でありかつ初心者の場合には、保護対象カテゴリが「共通カテゴリ」、「高齢者カテゴリ」、「初心者カテゴリ」に設定されている使用制限(図4の(1)〜(17))に従った動作制御を行うことが望ましい。
【0073】
また、車両の運転者がある特定のユーザであると識別された場合には、「共通カテゴリ」に加えて、そのユーザが保護対象として指定されている使用制限に従った動作制御が行われる。なお、このとき、そのユーザの属するカテゴリが特定された場合(例えば、そのユーザが「高齢者カテゴリ」に属することが特定された場合)には、そのカテゴリに係る使用制限が適用されてもよく、あるいは、そのカテゴリに係る使用制限は適用されずにユーザ個別に設定された使用制限のみ適用されるようにしてもよい。
【0074】
なお、使用制限に詳細な設定がなされている場合には、その詳細な設定に従った動作制御が行われることが望ましい。例えば上述のように、飲酒運転に対してエンジンはかかかるものの発進はできないように制御する旨が規定されている場合には車両駆動部の動作を制御し、エンジンをかけることもできないように制御する旨が規定されている場合にはエンジン点火部の動作を制御するなど、個別に異なる動作制御を行うことが可能となる。
【0075】
図4に示されている具体的な保護対象行為、動作制御方法、保護対象カテゴリの対応が制御情報として設定されている場合には、動作制御部150は、以下のような動作制御を行うことが可能である。
【0076】
(1)飲酒運転
各種検出部200を車載の呼気検査器とし、各種動作部310をエンジン点火部とし、呼気検査器によって運転者が飲酒していることが検出された場合には、エンジン点火部におけるエンジン点火動作を禁止することで運転を禁止(運転不可)し、報知部320から運転者へ警告を報知し、通信部330から保護者へ通報する。
【0077】
(2)急発進・急加速
各種検出部200をアクセルペダル開度検出器又は加速度センサとし、各種動作部310を車両駆動部とし、加速検出器によって急発進・急加速が検出された場合には、急発進・急加速とならないよう車両の駆動制御を行い、報知部320から運転者へ警告を報知する。
【0078】
(3)家族以外の同乗
各種検出部200を車内カメラ及び顔認識システムやシート圧センサとし、顔認識システムによって家族以外の同乗が検出された場合には、報知部320から運転者へ警告を報知する。
【0079】
(4)右左折の怠慢動作
各種検出部200をウインカの動作を監視する機能、ナビゲーション装置の道路地図から交差点などでの右左折を判断する機能とし、合図不履行などの右左折の怠慢動作が検出された場合には、報知部320から運転者へ警告を報知する。
【0080】
(5)車間距離
各種検出部200を車間検出システム(車外撮像カメラやミリ波レーダ)とし、各種動作部310を車両駆動部とし、車間検出システムによって安全な車間距離を保持できていないことが検出された場合には、安全な車間距離となるよう車両の駆動制御を行い、報知部320から運転者へ警告を報知する。
【0081】
(6)信号無視
各種検出部200を車外撮像カメラ及び走行認識システムとし、各種動作部310を車両駆動部とし、信号を遵守しなかったことが検出された場合には、無謀な運転を抑えるよう(速度の低下など)車両の駆動制御を行い、報知部320から運転者へ警告を報知し、通信部330から保護者へ通報する。
【0082】
(7)手持ち通話
各種検出部200を車内カメラ及び動作検出システムとし、各種動作部310を車両駆動部又は干渉電波発信器とし、運転者による携帯電話の手持ち通話が検出された場合には、運転又は通話を禁止(運転不可又は通話不可)し、報知部320から運転者へ警告を報知し、通信部330から保護者へ通報する。
【0083】
(8)ハンズフリー通話
各種検出部200を車内カメラ及び動作検出システムとし、ハンズフリー通話が検出された場合には、報知部320から運転者へ警告を報知する。
【0084】
(9)シートベルト未着装
各種検出部200を車載のシートベルト着装検知器とし、各種動作部310を車両駆動部とし、シートベルト着装検知器によってシートベルト未着装が検出された場合には、運転を禁止(運転不可)し、報知部320から運転者へ警告を報知し、通信部330から保護者へ通報する。
【0085】
(10)連続長時間運転
各種検出部200をナビゲーション装置とし、ナビゲーション装置によって連続長時間運転が検出された場合には、報知部320から運転者へ警告を報知する。
【0086】
(11)緊急通報サービスの利用
各種検出部200を緊急通報サービスへの通信機能とし、緊急通報サービスの利用が検出された場合には、通信部330から保護者へ通報する。
【0087】
(12)徘徊
各種検出部200としてナビゲーション装置とし、徘徊が検出された場合には、報知部320から運転者へ警告を報知し、通信部330から保護者へ通報する。
【0088】
(13)ルート逸脱
各種検出部200としてナビゲーション装置とし、ルート逸脱が検出された場合には、報知部320から運転者へ警告を報知する。
【0089】
(14)高速道路逆進入・逆脱出
各種検出部200をナビゲーション装置とし、各種動作部310を車両駆動部とし、高速道路逆進入・逆脱出が検出された場合には、逆走を防ぐよう車両の駆動制御を行い、報知部320から運転者へ警告を報知し、通信部330から保護者へ通報する。
【0090】
(15)高速道路の最低制限速度以下の走行
各種検出部200をナビゲーション装置とし、各種動作部310を車両駆動部とし、高速道路の最低制限速度以下の走行が検出された場合、報知部320から運転者へ警告を報知する。
【0091】
(16)最高速度超過
各種検出部200を速度検出器とし、最高速度超過が検出された場合、報知部320から運転者へ警告を報知する。
【0092】
(17)追い越し車線通行区分違反
各種検出部200を車外撮像カメラ及び走行レーン認識システムとし、追い越し車線通行区分違反が検出された場合、報知部320から運転者へ警告を報知する。
【0093】
なお、上述の保護対象行為に対する動作制御方法や、利用される各種検出部200及び各種動作部310などはいずれも一例である。
【0094】
以上、説明したように、本発明の実施の形態によれば、高齢者(高齢者ドライバ)や若者(初心者ドライバ)など、運転及び自動車利用に何らかの保護が必要な者に対して、その保護者が、保護対象者の運転制約や禁止事項のような車両の使用制限などを設定することが可能となる。また、保護者は、保護対象者個別に車両の使用制限などを設定することも可能であり、また、保護対象カテゴリ別に車両の使用制限などを設定することも可能である。こうした設定を行うことで、保護対象者は、保護者が設定した使用制限(運転制約)の範囲内でのみ運転が可能であり、その結果、保護対象者の安全運転が保たれるようになる。また、保護者に対して通報が行われた場合には、保護者は保護対象者の運転行動(例えば危険運転など)を把握することが可能となる。
【0095】
現状、従来の技術では、禁止、抑制を行う技術として、車メーカの自動制御に頼らざるを得ない状況で、従来の安全措置は、ACCなどの自動制御を車購入時のメーカオプションで付帯させている。しかしながら、自動制御装置は、図4に示すような運転モラルや操作自体の禁止、抑制を行うものではない。また、個々の運転者に対して禁止、抑制を行いたいという要望があるにもかかわらず、車両に一律で設定されることは、車両を共用する家族の利便性を低下させるため適切ではない。一方、本発明を利用することで、高齢者及び初心者の運転者を持つ保護者(例えば、家族)が、彼らの運転する車両に事前に保護制限を設定し、彼らの危険運転を禁止、抑制できるようになる。
【0096】
また、元来、初心者ドライバである子供には、親が運転モラル(例えば、高速の渋滞突入時のハザード点灯や、追い越し車線通行区分違反の不作法なドライバへの右ウインカ点灯など)を教育してきた。また、高齢者ドライバは、身体能力的に運転することが危険であれば、家族が代行運転するなどして、高齢者に運転させない家族努力があった。しかしながら、現在、車を取り巻く家族事情は変わって、高齢者ドライバである親との別居や運転モラルを教えられない家族が多く、危険運転を是正されずに運転する高齢者ドライバ及び初心者ドライバ(ペーパドライバ)が減少することは期待できない。一方、本発明を利用することで、保護者は、保護対象者の危険運転の通知を受け取ることができるようになるため、その通知内容に基づいて保護者による保護対象者の教育が可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0097】
本発明は、運転者の保護者が、運転者(保護対象者)の運転動作の制限を自ら設定し、また、この運転動作の制限に応じて運転動作の制御を行うという効果を有しており、車両の動作を制御する技術に適用される。
【符号の説明】
【0098】
100 車載制御装置
110 設定者認証部
120 制御設定部
130 制御情報格納部
140 使用者認証部
150 動作制御部
200 各種検出部
310 各種動作部
320 報知部
330 通信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両を使用する使用者の車両運転行為を支援又は保護する制御装置であって、
前記使用者を識別する情報又は前記使用者が分類されるカテゴリを識別する情報と、前記使用者の行為又は前記使用者の運転時の車両状態と、その行為又は車両状態が検出された場合の動作制御方法とを規定した制御情報を格納する制御情報格納手段と、
前記車両を実際に使用する運転者を特定する使用者認証手段と、
前記制御情報格納手段に格納されている前記制御情報を参照して、前記運転者を識別する情報又は前記運転者が分類されるカテゴリを識別する情報と、前記運転者の行為又は前記運転者の運転時の車両状態を検出する車載検出手段から供給される検出結果情報とに対応する動作制御方法を特定し、前記特定された動作制御方法に基づいて車載装置の動作制御を行う動作制御手段とを、
有する制御装置。
【請求項2】
前記制御情報を設定する設定者の認証を行う設定者認証手段と、
前記設定者認証手段による認証に成功した設定者に設定許可を与えて、前記設定者による操作によって前記制御情報の設定を行い、前記設定者により設定された前記制御情報を前記制御情報格納手段へ格納する制御設定手段とを、
有する請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記制御情報を設定する設定者の認証を行って、前記認証に成功した設定者に設定許可を与えて、前記設定者による操作によって前記制御情報の設定を行うことを可能とする設定装置と通信を行う設定装置通信手段を有しており、
前記設定者により設定された前記制御情報を前記設定装置通信手段によって受信し、前記制御情報格納手段へ格納するよう構成されている請求項1に記載の制御装置。
【請求項4】
前記動作制御手段が、前記車両の駆動装置の動作制御を行うように構成されている請求項1に記載の制御装置。
【請求項5】
前記動作制御手段が、車載報知手段から前記運転者へ、前記車載検出手段の検出結果情報に対応した警告を報知するように構成されている請求項1に記載の制御装置。
【請求項6】
前記動作制御手段が、通信を行うことが可能な通信手段から所定の連絡先へ、前記車載検出手段の検出結果情報に対応した通知を送信するように構成されている請求項1に記載の制御装置。
【請求項7】
前記動作制御手段が、前記車載装置の動作制御を行った内容を集約するとともに、対応する動作制御を行わないようにするための設定を提案する情報を作成するよう構成されている請求項1に記載の制御装置。
【請求項8】
車両を使用する使用者の車両運転行為を支援又は保護する制御装置において実行される運転安全性保護方法であって、
前記使用者を識別する情報又は前記使用者が分類されるカテゴリを識別する情報と、前記使用者の行為又は前記使用者の運転時の車両状態と、その行為又は車両状態が検出された場合の動作制御方法とを規定した制御情報を格納する制御情報格納ステップと、
前記車両を実際に使用する運転者を特定する使用者認証ステップと、
前記制御情報格納ステップで格納された前記制御情報を参照して、前記運転者を識別する情報又は前記運転者が分類されるカテゴリを識別する情報と、前記運転者の行為又は前記運転者の運転時の車両状態を検出する車載検出手段から供給される検出結果情報とに対応する動作制御方法を特定し、前記特定された動作制御方法に基づいて車載装置の動作制御を行う動作制御ステップとを、
有する運転安全性保護方法。
【請求項9】
前記制御情報を設定する設定者の認証を行う設定者認証ステップと、
前記設定者認証ステップによる認証に成功した設定者に設定許可を与えて、前記設定者による操作によって前記制御情報の設定を行い、前記設定者により設定された前記制御情報を格納する制御設定ステップとを、
有する請求項8に記載の運転安全性保護方法。
【請求項10】
前記動作制御ステップにおいて、前記車両の駆動装置の動作制御を行う請求項8に記載の運転安全性保護方法。
【請求項11】
前記動作制御ステップにおいて、車載報知手段から前記運転者へ、前記車載検出ステップにおける検出結果情報に対応した警告を報知する請求項8に記載の運転安全性保護方法。
【請求項12】
前記動作制御ステップにおいて、通信を行うことが可能な通信手段から所定の連絡先へ、前記車載検出ステップにおける検出結果情報に対応した通知を送信する請求項8に記載の運転安全性保護方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−192031(P2011−192031A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−57749(P2010−57749)
【出願日】平成22年3月15日(2010.3.15)
【出願人】(502324066)株式会社デンソーアイティーラボラトリ (332)
【Fターム(参考)】