説明

制御装置

【課題】取扱説明書を参照する操作にかかる時間を短縮できる制御装置を提供すること。
【解決手段】測定機構2に接続され、測定機構2を制御する制御装置3において、測定機構2に対する複数の動作処理であって、それぞれ一連の実行処理手順が記述された複数の動作処理を記憶する記憶部35と、動作処理を行う一連の操作処理手順が表示された領域に対応する所定領域に設けられる動作処理の実行を指示する指示情報を選択するコードリーダ40と、コードリーダ40で選択された指示情報をもとに、指示情報に対応する動作処理を行う一連の実行処理手順を記憶部から取り出し、一連の実行処理手順に従って動作処理を実行させる処理制御部31aと、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検体と試薬との反応物の光学的特性を測定して検体の分析処理を行う測定機構と接続された制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、生化学分析等の分析を自動で行う自動分析装置が広く知られている。自動分析装置は、測定機構と制御装置とを有している。測定機構は、反応テーブルおよび試薬保冷庫を有し、反応テーブルは、内部に測光部を備え、試薬保冷庫には、検体と反応させる試薬を収容した試薬ボトルが収納してある。また、反応テーブルには、反応容器が収容してあり、試薬ボトルから試薬を分注する一方、検体容器から検体を分注する。その後、測光部が、反応容器において反応させた検液(試薬と検体とからなる混合液)を測定する。制御装置は、測定された測定値から検体の分析を行う。
【0003】
ところで、自動分析装置は、分析処理を開始するまでに様々な手順があり、オペレーションがかなり複雑である。特に、面倒なオペレーションとして、検査の受付、検査パラメータの設定、試薬IDの読取等を総称した所定のマニュアル動作、分析の開始、終了などの当該装置のオペレーションなどがある。加えて、自動分析装置のオペレータとしては、操作方法等を熟知した熟練者だけでなく、夜間勤務を行うアルバイタ等の装置に不慣れなオペレータも存在することから、操作性の改善が要望されている。この要望に対して、特定の操作作業内容を識別コードとしてコード化し、識別コードに対応する操作作業内容の処理を自動的に実行する自動分析装置が開示されている(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−315871号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に示す自動分析装置は、コード化されていない操作方法が不明な場合またはエラーメッセージが表示された場合は、取扱説明書を参照して操作を行なう必要があり、作業に時間を要していた。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、取扱説明書を参照する操作にかかる時間を短縮できる制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、被制御装置に接続され、該被制御装置を制御する制御装置において、前記被制御装置に対する複数の動作処理であって、それぞれ一連の実行処理手順が記述された複数の動作処理を記憶する記憶部と、前記動作処理を行う一連の操作処理手順が表示された領域に対応する所定領域に設けられる該動作処理の実行を指示する指示情報を選択する選択部と、前記選択部で選択された前記指示情報をもとに、該指示情報に対応する動作処理を行う前記一連の実行処理手順を前記記憶部から取り出し、該一連の実行処理手順に従って該動作処理を実行させる処理制御部と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
また、本発明にかかる制御装置は、上記の発明において、前記選択部は、前記所定領域に設けられた前記指示情報を示すコードを選択するコードリーダであることを特徴とする。
【0009】
また、本発明にかかる制御装置は、上記の発明において、前記選択部は、前記指示情報が表示された選択領域を選択するポインティングデバイスであることを特徴とする。
【0010】
また、本発明にかかる制御装置は、上記の発明において、前記記憶部は、前記指示情報と該指示情報に対応する前記一連の実行処理手順との対応関係を示す関係テーブルを有し、前記処理制御部は、前記関係テーブルを参照して前記指示情報に対応する前記一連の実行処理手順を前記記憶部から取り出すことを特徴とする。
【0011】
また、本発明にかかる制御装置は、上記の発明において、前記記憶部は、選択された指示情報の履歴を格納し、前記履歴の指示情報に対応する動作処理を続行するか否かを確認する確認処理部を備え、前記処理制御部は、前記確認処理部から前記履歴に対応する動作処理を続行する旨の入力がある場合に、該履歴をもとに次の指示情報を選択し、該処理情報に対応する動作処理を動作処理単位毎に実行することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、取扱説明書に記載された作業内容をコード化し、コードを読み込むことによって作業内容の処理を自動的に実行するようにしたので、取扱説明書を参照する操作にかかる時間を短縮できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、本発明の実施の形態1にかかる自動分析装置の構成を示す模式図である。
【図2】図2は、本発明の実施の形態1にかかる取扱説明書の一例を示す模式図である。
【図3】図3は、本発明の実施の形態1にかかる関係テーブルの一例を示す模式図である。
【図4】図4は、本発明の実施の形態1にかかる命令実行処理を示すフローチャートである。
【図5】図5は、図1に示す自動分析装置の変形例を示す模式図である。
【図6】図6は、図4に示す命令実行処理の変形例を示すフローチャートである。
【図7】図7は、本発明の実施の形態2にかかる自動分析装置の構成を示す模式図である。
【図8】図8は、本発明の実施の形態2にかかる取扱説明画面の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の自動分析装置および制御装置を実施するための形態について説明する。本発明は、以下に例示する実施の形態や変形例に限らず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲であれば、種々の変形が可能である。また、図面の記載において、同一部分には同一符号を付している。
【0015】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1にかかる自動分析装置の構成を示す模式図である。図1に示す自動分析装置1は、検体等の試料の成分を生化学的または免疫学的に分析する。自動分析装置1は、反応容器内で生じる反応を光学的に測定する測定機構2と、測定機構2の駆動制御を行うとともに、測定機構2における測定結果の分析を行う制御装置3とで構成される。
【0016】
測定機構2は、検体および検査項目に対応する試薬を反応容器に分注し、反応容器内で生じる反応を光学的に測定する。分析処理にかかる各駆動機構は、制御部31によって、それぞれ制御されている。また、光学的測定が終了した反応容器は、そのまま廃棄される場合もあり、洗浄後に再度検体の分析に使用される場合もある。
【0017】
制御装置3は、自動分析装置1の各構成部位の処理および動作を制御する制御部31と、測定機構2による測定結果に基づいて検体に対する分析処理等を行なう分析部32と、分析に関する諸情報を出力する出力部33と、種々の情報を入力するためのキーボード、出力部33を構成するディスプレイの表示画面上における任意の位置を指定するためのマウス等を用いて構成され、検体の分析に必要な諸情報や分析動作の指示情報等を外部から取得する入力部34と、検体の分析結果等を含む諸情報および各自動分析装置1を識別する識別情報としての装置IDを記憶する記憶部35と、を有する。
【0018】
また、制御部31は、選択部としてのコードリーダ40と接続されている。コードリーダ40は、取扱説明書5に設けられた指示情報としての実行処理命令をコード化した実行コードを、実行コード群50から選択して読み取り、制御部31に出力する。ここで、取扱説明書5には、記述された一連の操作処理手順を示す文書に対応して実行コードが設けられ、各実行コードは、階層的な処理に対応した所定領域に配置される。
【0019】
さらに、記憶部35は、実行コード群50の各実行処理手順に対応した処理プログラムP1と、指示情報に対応する各処理実行と処理プログラムP1との対応関係を示す関係テーブルTB1とを記憶する。
【0020】
また、制御部31は、処理制御部31aを有する。処理制御部31aは、入力された実行処理命令を制御部31から受けると、受信した実行コードに付された実行処理命令に対応する処理プログラムP1を、関係テーブルTB1を参照して対象の処理プログラムを出力し、出力された処理プログラムを実行する。
【0021】
ここで、取扱説明書5について、図2を参照して説明する。図2は、本発明の実施の形態1にかかる取扱説明書5の一例を示す模式図である。図2に示す取扱説明書5は、各処理の処理手順が階層的に記述され、各処理の文書に対応した実行処理命令をコード化した実行コードが実行コード群50内にそれぞれ付されている。各実行コードを、図1に示すコードリーダ40が読み取ることによって、制御部31に実行処理命令を入力させる。また、各処理毎の一連の操作処理手順に対応する動作処理が領域5a,5b,5cに記述されている。
【0022】
なお、図中、「2.分析準備」に対応する実行コード51は、分析準備にかかる処理2.1.〜2.3.をすべて実行するような実行処理命令をコード化している。各実行コードは、処理の階層によって、下位の位置する一連の処理を行うようコード化されている。ある特定の処理のみを実行する場合、たとえば、「2.1.2.キャリブレーション分析確認」を実行する場合、実行コード511bを選択して読み取ることで、自動的に「2.1.2.キャリブレーション分析確認」にかかる一連の処理のみを実行することができる。階層的な実行処理命令として設けられた実行コード51,52,511,513,521,522または処理単位の実行処理命令として設けられた実行コード511a,511b,513aを選択して読み取ることにより、簡易に所望の処理を一連の実行処理手順通りに行うことができる。
【0023】
また、同位の処理を連動して行うようにしてもよい。図2に示す取扱説明書5において、「2.分析準備」および「3.分析実行」に対応したコード51,52を読み取ると、それぞれ2.1.〜2.3.,3.1.〜3.2.の一連の処理が実行されるが、「2.分析準備」実行後に連続して「3.分析実行」の処理を行うように設定することも可能である。
【0024】
つづいて、関係テーブルTB1について、図3を参照して説明する。図3は、本発明の実施の形態1にかかる関係テーブルTB1の一例を示す模式図である。図3に示す関係テーブルTB1は、各実行処理命令に対する実行処理と処理プログラムとの対応関係を示しており、処理制御部31aは、対応関係を参照して、取得した実行処理命令に対応した処理プログラムを出力する。
【0025】
つぎに、コードリーダ40から取得した実行処理命令を実行する命令実行処理について、図4を参照して説明する。図4は、本発明の実施の形態1にかかる命令実行処理を示すフローチャートである。まず、処理制御部31aは、実行処理命令を取得すると(ステップS102)、関係テーブルTB1を参照して実行処理命令に対応する処理プログラムを取得する(ステップS104)。
【0026】
処理プログラムを取得後、処理制御部31aは、取得した処理プログラムを実行する(ステップS106)。取得された処理プログラムによって、下位に位置する一連の処理を実行後、処理制御部31aは、次に行なう実行処理命令があるか否かを確認する(ステップS108)。ここで、次に行なう実行処理命令がある場合(ステップS108:Yes)、処理制御部31aは、ステップS102に移行して命令を取得し、上述した一連の処理を行う。また、実行処理命令がない場合(ステップS108:No)、処理制御部31aは、命令実行処理を終了する。
【0027】
なお、命令実行処理において、入力処理または選択処理がある場合、処理制御部31aは、適宜出力部33に入力処理または選択処理を行う旨を報知させる。このとき、装置担当者は、報知された画面上に設けられた選択ボタンから入力処理を行ってもよく、コードリーダ40を用いてコードを読み取って選択処理を行ってもよい。入力処理として、たとえば、検体の入力処理が挙げられ、キーボード等を用いて入力してもよく、コードリーダ40を用いて、検体容器に付されたコードを読み取って入力してもよい。
【0028】
上述した自動分析装置1によって、取扱説明書5に付された、実行処理命令をコード化したコードをコードリーダ40が読み取ることで、自動分析装置1に命令し、所望の処理を自動的に実行させることが可能となるため、取扱説明書5を参照し、参照した操作を行なう反復作業をなくし、処理にかかる時間を短縮させることができる。また、不慣れな装置担当者であっても、コードを読み取るのみで処理を行うことができるため、操作間違いを防止し、適切な処理を短時間で行なうことが可能となる。
【0029】
ここで、実行する一連の処理において、過去に行なった処理記録である履歴をもとに自動的に次処理を選択して実行してもよい。図5は、図1に示す自動分析装置の変形例を示す模式図である。図5に示す自動分析装置1は、図1に示す構成に加え、制御部31が、確認処理部31bを有し、記憶部35が処理履歴である履歴M1を記憶する。その他の構成は、図1に示す構成と同様である。
【0030】
また、図6は、図4に示す命令実行処理の変形例を示すフローチャートである。図6に示す命令実行処理は、まず図4に示す命令実行処理と同様に、処理制御部31aは、実行処理命令を取得すると(ステップS202)、関係テーブルTB1を参照して実行処理命令に対応する処理プログラムを取得し(ステップS204)、処理制御部31aは、取得した処理プログラムを実行する(ステップS206)。
【0031】
実行後、処理制御部31aは、実行した処理プログラムの処理履歴が履歴M1にあるか否かを、記憶部35を参照して確認する(ステップS208)。記憶部35に処理履歴がある場合(ステップS208:Yes)、処理制御部31aは、処理履歴に対応した処理プログラムP1の処理を続行するか否かを確認するよう確認処理部31bに指示する(ステップS210)。処理制御部31aは、確認処理部31bから処理続行の旨の情報を取得すると(ステップS210:Yes)、処理履歴に対応した処理プログラムP1を、記憶部35の関係テーブルを参照して取得し(ステップS212)、取得した処理プログラムを実行する(ステップS214)。
【0032】
処理履歴に対応する処理を実行後、処理制御部31aは、命令実行処理として行った一連の処理を処理履歴として記憶部35の履歴M1に記憶させ(ステップS222)、次に行なう実行処理命令があるか否かを確認する(ステップS224)。ここで、次に行なう実行処理命令がある場合(ステップS224:Yes)、処理制御部31aは、ステップS202に移行して命令を取得し、上述した一連の処理を行う。また、次に行なう実行処理命令がない場合(ステップS224:No)、処理制御部31aは、命令実行処理を終了する。なお、確認処理部31bから処理続行しない旨の情報を取得すると(ステップS210:No)、処理制御部31aは、ステップS222に移行して、一連の処理を処理履歴として記憶する。
【0033】
また、ステップS208において、記憶部35に処理履歴がない場合(ステップS208:No)、処理制御部31aは、連続して行う実行処理命令があるか否かを確認する(ステップS216)。ここで、連続して行なう実行処理命令がある場合(ステップS216:Yes)、処理制御部31aは、命令に対応する処理プログラムを取得し(ステップS218)、取得した処理プログラムを実行する(ステップS220)。実行後、処理制御部31aは、ステップS222に移行して、一連の処理を処理履歴として記憶部35に記憶する。なお、ステップS216において、連続して行なう実行処理命令がない場合(ステップS216:No)、処理制御部31aは、ステップS222に移行して今回行なった一連の処理を処理履歴として記憶する。
【0034】
なお、履歴M1の各処理履歴には、処理実行後の実施記録の印刷処理または記憶処理等の情報を処理履歴として含んでもよい。印刷処理または記憶処理を含めることで、異なる装置担当者による操作であっても共通の実施記録管理を行なうことができる。また、処理履歴の有効範囲を、装置全体の処理履歴としてもよく、装置担当者単位の処理履歴としてもよい。装置担当者単位の処理履歴を有効とする場合は、装置立ち上げ時のログイン情報等で設定することが可能である。ここで、履歴に対応した処理は、処理が複数ある場合に、各処理単位で実行し、その都度続行確認を行なってもよい。
【0035】
図6に示す命令実行処理によって、特に、頻度の高い処理を一層簡易に操作して処理を行うことが可能となり、行なうべき処理にかかる時間を短縮することができる。
【0036】
上述した実施の形態1によって、取扱説明書に付された、実行処理命令をコード化したコードをコードリーダが読み取ることで、自動分析装置に命令し、所望の処理および連続した一連の処理を自動的に実行させることが可能となるため、取扱説明書を参照し、参照した操作を行なう反復作業を短縮し、処理にかかる時間を省略させることができる。
【0037】
(実施の形態2)
つぎに、本発明の実施の形態2について説明する。図7は、本発明の実施の形態2にかかる自動分析装置の構成を示す模式図である。図7に示す自動分析装置6は、図1に示す自動分析装置1と同様、反応容器内で生じる反応を光学的に測定する測定機構7と、測定機構7の駆動制御を行うとともに、測定機構7における測定結果の分析を行う制御装置8とで構成される。
【0038】
また、制御装置8は、自動分析装置6の各構成部位の処理および動作を制御する制御部81と、測定機構7による測定結果に基づいて検体に対する分析処理等を行なう分析部82と、分析に関する諸情報を出力する出力部83と、種々の情報を入力するためのキーボード、出力部83を構成するディスプレイの表示画面上における任意の位置を指定するためのマウス等を用いて構成され、検体の分析に必要な諸情報や分析動作の指示情報等を外部から取得する、選択部としての役割を含む入力部84と、検体の分析結果等を含む諸情報および各自動分析装置6を識別する識別情報としての装置IDを記憶する記憶部85と、を有する。記憶部85は、実行処理命令に対応する処理プログラムP2と、各実行処理命令と処理プログラムとの対応関係を示す関係テーブルTB2とを記憶する。
【0039】
ここで、出力部83は、図8に示すような取扱説明画面W1を表示画面上に表示する。図8は、本発明の実施の形態2にかかる取扱説明画面の一例を示す模式図である。図8に示す取扱説明画面W1は、図2に示した取扱説明書5のように、各処理項目が階層的に表示され、各処理の文書に対応した実行処理命令をコード化した実行ボタンが実行ボタン群90内にそれぞれ設けられている。処理を実行させる場合は、マウス等のポインティングデバイスまたはキーボードを操作して各実行ボタンを選択することによって、制御部81に指示情報としての実行処理命令を入力させる。また、各処理毎の一連の操作処理手順に対応する動作処理が領域9a,9b,9cに記述されている。
【0040】
また、各実行ボタン91,92,911,913,921,922を選択することで、選択した処理の下位に位置する階層的に構成される一連の実行処理命令を入力し、実行ボタン911a,911b,913aを選択することで、単一の処理の実行処理命令を入力する。なお、記憶部85に記憶される処理履歴によって、各処理の組み合わせによって処理が実行される場合もある。取扱説明画面による操作を終了する場合は、終了ボタンB1を選択する。
【0041】
制御部31は、実行処理命令の入力があると、処理制御部81aに処理の実行を行うよう指示する。処理制御部81aが行う実行処理は、図4に示す命令実行処理に従って実行される。このとき、処理制御部81aは、記憶部85の関係テーブルTB2を参照し、対応する処理プログラムP2を取得する。また、制御部81に確認処理部を設け、記憶部85に履歴を記憶させて、図6に示す命令実行処理を行ってもよい。なお、確認処理部および履歴は、図5に示す確認処理部31bおよび履歴M1と同様の効果を有する。
【0042】
上述した実施の形態2にかかる制御装置によって、取扱説明画面に設けられた、実行処理命令の実行ボタンを選択することで、自動分析装置に命令し、所望の処理および連続した一連の処理を自動的に実行させることが可能となるため、取扱説明書あるいは取扱説明画面を参照し、参照した操作を行なう反復作業を短縮し、処理にかかる時間を省略させることができる。
【0043】
以上のように、本発明の実施の形態1,2にかかる制御装置によって、実行処理に対応した実行コードまたは実行ボタンを選択することで、所望の処理を自動的に実行することができ、処理にかかる操作時間を短縮し、かつ正確な処理を行うことが可能となる。
【0044】
なお、図2に示す取扱説明書5を異なる機種間で適用してもよい。異なる装置IDまたは機種であっても、各分析装置が共通の処理を行う場合に、各処理に対応するコードを読み取ることで、実行処理命令を入力することができる。実行処理命令の入力後は、各分析装置の制御部が処理を実行するため、機種、バージョンにかかわらず、1つの取扱説明書で実行処理命令の入力を行なうことが可能となる。また、図8に示す取扱説明画面W1においても、複数の分析装置を包括管理する制御装置またはネットワークを介して複数の分析装置を一元管理する管理装置を有する分析システムに適用できる。
【産業上の利用可能性】
【0045】
以上のように、本発明にかかる制御装置は、取扱説明書を参照して処理を行う場合に有用であり、特に、発生頻度の低い処理を適切に行う場合に適している。
【符号の説明】
【0046】
1,6 自動分析装置
2,7 測定機構
3,8 制御装置
5 取扱説明書
31,81 制御部
31a,81a 処理制御部
31b 確認処理部
32,82 分析部
33,83 出力部
34,84 入力部
35,85 記憶部
40 コードリーダ
50 実行コード群
90 実行ボタン群
M1 履歴
P1, P2 処理プログラム
TB1,TB2 関係テーブル
W1 取扱説明画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被制御装置に接続され、該被制御装置を制御する制御装置において、
前記被制御装置に対する複数の動作処理であって、それぞれ一連の実行処理手順が記述された複数の動作処理を記憶する記憶部と、
前記動作処理を行う一連の操作処理手順が表示された領域に対応する所定領域に設けられる該動作処理の実行を指示する指示情報を選択する選択部と、
前記選択部で選択された前記指示情報をもとに、該指示情報に対応する動作処理を行う前記一連の実行処理手順を前記記憶部から取り出し、該一連の実行処理手順に従って該動作処理を実行させる処理制御部と、
を備えたことを特徴とする制御装置。
【請求項2】
前記選択部は、前記所定領域に設けられた前記指示情報を示すコードを選択するコードリーダであることを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記選択部は、前記指示情報が表示された選択領域を選択するポインティングデバイスであることを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項4】
前記記憶部は、前記指示情報と該指示情報に対応する前記一連の実行処理手順との対応関係を示す関係テーブルを有し、
前記処理制御部は、前記関係テーブルを参照して前記指示情報に対応する前記一連の実行処理手順を前記記憶部から取り出すことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の制御装置。
【請求項5】
前記記憶部は、選択された指示情報の履歴を格納し、
前記履歴の指示情報に対応する動作処理を続行するか否かを確認する確認処理部を備え、
前記処理制御部は、前記確認処理部から前記履歴に対応する動作処理を続行する旨の入力がある場合に、該履歴をもとに次の指示情報を選択し、該処理情報に対応する動作処理を動作処理単位毎に実行することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−286410(P2010−286410A)
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−141573(P2009−141573)
【出願日】平成21年6月12日(2009.6.12)
【出願人】(510005889)ベックマン コールター, インコーポレイテッド (174)
【Fターム(参考)】