説明

制振性組成物

【課題】高温(60〜80℃)での制振性に優れ、室温(20℃付近)での加工性が良好で簡便に製造可能な制振材料用途に適した制振性組成物を提供すること。
【解決手段】樹脂成分(A)と無機充填材成分(B)とを合計で80質量%以上含有し、樹脂成分(A)中の樹脂(α)の割合が30〜70質量%、且つ樹脂成分(A)中の樹脂(β)の割合が30〜70質量%であり、樹脂(α)がOH価を18(mgKOH/g)以下のキシレン樹脂、樹脂(β)がエチレンエチルアクリレート共重合樹脂(EEA)、エチレンメチルアクリレート共重合樹脂(EMA)、エチレンブチルアクリレート共重合樹脂(EBA)、エチレン酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)、オレフィン系エラストマーから1種類を単独で、あるいは2種以上を組み合わせてなることを特徴とする制振性組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、優れた制振性能を有する組成物に関し、車輌、鉄道、航空機、家電・OA機器、精密機器、建築機械、土木建築物、靴、スポーツ用品などに適用される防振材、制振材、吸遮音材に好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来、上記の車輌、鉄道、航空機、家電・OA機器、精密機器、建築機械、土木建築物、靴、スポーツ用品などの振動の発生する箇所には、その振動エネルギーを吸収する材料として制振材が一般に使用されてきた。
【0003】
制振材のような振動エネルギーを吸収する材料として、塩化ビニル系樹脂に可塑剤を添加した軟質の塩化ビニル系樹脂が知られている。この軟質塩化ビニル系樹脂は、振動エネルギーを樹脂内部において摩擦熱として消費することで、その減衰が計られるようになっていたが、十分な振動の吸収、減衰ができなかった。
【0004】
また制振材料としては、加工性、機械的強度、材料コストの面から優れるブチルゴムやNBRなどのゴム材料が多く用いられている。ところがこれらのゴム材料は、一般の高分子材料の中では最も減衰性(振動エネルギーの伝達絶縁性能、あるいは伝達緩和性能)に優れてはいるものの、ゴム材料単独で制振材料として使用するには制振性能が低く、例えば建造物や機器類の防振構造には、ゴム材料と鋼板とを積層した積層体、あるいはこれに塑性変形して振動エネルギーを吸収する鉛コアやオイルダンパーを組み合わせた制振構造体という複合形態で使用されていた。
【0005】
従来の制振材料としてのゴム材料は、上記の如く単独では使用できず、複合化を余儀なくされていたので、必然的にその防振構造も複雑なものとなってしまうことから、制振材料自身、ゴム材料自身の高制振性化が求められていた。
【0006】
一方、キシレン樹脂にはゴムなどに対して分散させることで粘着性を付与させる改質剤としての効果がある。例えばゴム系の制振材料に粘着性を付与させる目的で配合した制振性材料(特許文献1)がある。この技術の中でキシレン樹脂は粘着性付与を目的に使用されているため、過剰にキシレン樹脂を配合した場合、制振材料表面の粘着性が強くなり、成形性が悪いために生産性が低下したり、シート状である制振材料の作業性が低下したりするといった問題を抱えていた。またキシレン樹脂が有する制振性能を利用した技術も開示されている(特許文献2)。この技術の中ではキシレン樹脂は制振性能を付与するために使用されており、キシレン樹脂由来の粘着性を無くすためにエポキシ樹脂と硬化剤を用いることで硬化型の制振材料としている。しかし硬化型の制振材料にすると製造段階などで発生する端材をリサイクルできずコストの増大に繋がる問題を抱えていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005−187772号公報
【特許文献2】特開平5−310984号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、高温(60〜80℃)での制振性に優れ、室温(20℃付近)での加工性が良好で簡便に製造可能な制振材料用途に適した制振性組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記目的を達成する為に鋭意検討した結果、特定の樹脂(α)を30〜70質量%、且つ特定の樹脂(β)を30〜70質量%の割合で構成する樹脂成分(A)に無機充填材を分散させた制振性組成物が高温(60〜80℃)での制振性能が高く、室温(20℃付近)での加工性が良好な材料であることを見出し、本発明に至ったものである。
すなわち本発明は、樹脂成分(A)と無機充填材成分(B)とを合計で80質量%以上含有し、樹脂成分(A)中の樹脂(α)の割合が30〜70質量%、且つ樹脂成分(A)中の樹脂(β)の割合が30〜70質量%であり、樹脂(α)がOH価を18(mg KOH/g)以下のキシレン樹脂、樹脂(β)がエチレンエチルアクリレート共重合樹脂(EEA)、エチレンメチルアクリレート共重合樹脂(EMA)、エチレンブチルアクリレート共重合樹脂(EBA)、エチレン酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)、オレフィン系エラストマーから1種類を単独で、あるいは2種以上を組み合わせてなることを特徴とする制振性組成物であることを特徴とする制振性樹脂組成物に関する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の制振性組成物によれば高温(60〜80℃)での制振性と、室温(20℃付近)での加工性に優れ、簡便に製造可能な制振材料用途に適した樹脂組成物を提供することが可能となり、本発明の工業的意義は大きい。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の制振性組成物は、主原料として樹脂成分(A)と無機充填材成分(B)とを用いる。本発明の制振性組成物中、樹脂成分(A)と無機充填材成分(B)との合計で80質量%以上含有し、好ましくは85%以上含有する。樹脂成分(A)と無機充填材成分(B)の合計が80質量%未満では十分な制振性能が得られない。
【0012】
また、本発明の制振性組成物において、樹脂成分(A)中に、樹脂(α)を30〜70質量%、且つ樹脂(β)を30〜70質量%含む。樹脂成分(A)中の樹脂(α)の割合が30質量%未満では十分な制振性能が得られず、70質量%以上では成形性が低下してしまう。樹脂成分(A)中の樹脂(β)の割合が30質量%以下では十分な成形性が得られず、70質量%以上では制振性能が低下してしまう。
【0013】
樹脂(α)は、OH価が18(mg KOH/g)以下のキシレン樹脂である。OH価は16(mg KOH/g)以下であることが好ましく、14(mg KOH/g)以下がさらに好ましい。なお、キシレン樹脂とはメタキシレンとホルムアルデヒドを酸触媒の存在下で反応させることで得られる樹脂である。キシレン樹脂は多くの合成樹脂や天然高分子との相溶性に優れていることから、用途の一つに粘着性を付与するための改質剤として使用されている。制振材料の主原料としてキシレン樹脂を使用した場合、得られる制振材料の表面にキシレン由来の粘着性が発生してしまい、成形加工や取り扱いが困難となる場合がある。キシレン樹脂以外の熱可塑性樹脂やフィラーを多量に配合することにより粘着性を抑制することは可能であるが、制振性能や成形性が低下する問題がある。
【0014】
ところが、本発明者らが鋭意検討した結果、OH価が18(mg KOH/g)以下のキシレン樹脂を用いた場合、キシレン樹脂の粘着性が十分に抑制されるため、得られる制振性組成物の表面の粘着性が低下し、成形加工や取り扱いが容易となることが見出された。通常、制振材料は熱プレスや押し出し成形などによってシート状に成形され、使用する箇所に合わせて形状を加工して使用される。制振材料の表面に粘着性があるとシート状に成形することが難しく、またシートを加工する際にも作業性の悪化に繋がってしまう。このような理由から制振材料の表面には粘着性のないことが望まれる。
【0015】
ここで、本発明で使用される樹脂(α)の製造方法について述べる。メタキシレンとホルムアルデヒドを酸触媒の存在下で反応させることにより、キシレン樹脂(a)を得る。あるいはキシレン樹脂(a)をフェノール(ノボラック、レゾール)やポリオール・エチレンオキサイドなどにより変性してキシレン樹脂(a’)を得る。
キシレン樹脂(a)、キシレン樹脂(a’)のOH価が18(mg KOH/g)以下であれば、キシレン樹脂(a)、キシレン樹脂(a’)は樹脂(α)として用いることができる。
【0016】
キシレン樹脂(a)、キシレン樹脂(a’)のOH価が18(mg KOH/g)より大きい場合には、キシレン樹脂(a)、キシレン樹脂(a’)を自己縮合する、あるいはフェノール(ノボラック、レゾール)やポリオール・エチレンオキサイドなどにより変性する等の方法でOH価を18(mg KOH/g)以下とし、樹脂(α)とすることができる。本発明では、前記未変性樹脂、自己縮合樹脂、各種変性樹脂を2種以上組み合わせて用いることもできる。樹脂(α)はMn=500〜1200、Mw=700〜5000であることが好ましい。
【0017】
樹脂(α)はキシレン樹脂のOH価を18(mg KOH/g)以下としたことから、樹脂の軟化点が60〜80℃付近へと上昇するため、樹脂(α)を使用した制振材料の制振性能のピーク温度は60〜80℃の高温へとシフトする。同時に、60〜80℃に制振性能のピーク値を有する制振材料はシート化した際の加工性(鋏での裁断や打ち抜き加工性)が低下してしまう。このような問題点を解決するために可塑剤を配合することは非常に有効な手段であるが、可塑剤の配合により制振性能のピーク温度が低温へとシフトしてしまう。以上のことから、制振性能のピーク温度を高温に保ち、同時に加工性の低下を解決するために室温で良好な柔軟性を有する樹脂(β)の配合が必要となる。
【0018】
樹脂(β)はエチレンエチルアクリレート共重合樹脂(EEA)、エチレンメチルアクリレート共重合樹脂(EMA)、エチレンブチルアクリレート共重合樹脂(EBA)、エチレン酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)、オレフィン系エラストマーから選ばれる1種類を単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
樹脂成分(A)中の樹脂(β)の割合は30〜70質量%であり、30質量%未満では良好な加工性が得られず、70質量%を超えると加工性は改善するが制振性能が低下してしまう。
【0019】
樹脂成分(A)は、すべて前記樹脂(α)及び樹脂(β)であっても良いが、樹脂(α)、樹脂(β)以外の樹脂(その他樹脂)も、本発明の効果を損なわない程度に充填することができる。その他樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ABS樹脂、ポリ酢酸ビニル、フェノール樹脂、変性フェノール樹脂、テルペン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0020】
本発明の制振性樹脂組成物には、上記樹脂成分(A)に振動エネルギー吸収を向上させる目的で無機充填材成分(B)を充填させることが必要である。本発明で使用される無機充填材成分(B)には鱗片状無機充填材が70質量%以上含まれることが好ましく、例えばマイカ鱗片、ガラス片、セリサイト、グラファイト、タルク、アルミニウムフレーク、窒化硼素、二硫化モリブデン、黒鉛などの鱗片状充填材が例示できる。これらの中でも、フィラーとしてマイカ鱗片を使用した場合に、より高い制振性能が得られるため好ましく、更に振動エネルギーの吸収効率が高い鱗片状のマイカである白マイカが好ましい。また、その他形状の異なる無機充填材も、本発明の効果を損なわない程度に充填することができる。鱗片状以外の形状を有する無機充填材としては、例えばガラスファイバー、カーボンファイバー、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、二酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、二酸化ケイ素、チタン酸ストロンチウム、バライト、ウイスカー、沈降硫酸バリウム、マグネシウムスリケート、アルミニウムシリケート、フェライト、クレー、ヒル石、モンモリロナイト、ステンレスフレーク、ニッケルフレーク、シリカ、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、PAN系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維、気相成長黒鉛、硼砂、キルン灰、セメント、ドロマイト、銀粉、鉄粉、鉛粉、銅粉、ニッケル粉などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0021】
無機充填材成分(B)は樹脂成分(A)に対して質量割合が0.5〜5.0であることが好ましく、1.2〜4.5であることがより好ましい。質量割合が0.5未満では該無機充填材を配合した場合の制振性能の向上効果が低く、質量割合が5を超えると組成物中における該無機充填材の含有量が多いわりに制振性能があまり向上せず且つ成形性に乏しくなってしまう。
【0022】
本発明の制振性組成物は、必要に応じて、本発明の効果を阻害しない範囲で1種以上の添加剤を添加することができる。例えば難燃性付与を目的に難燃剤、難燃補助剤など添加することが可能である。難燃剤及び難燃補助剤としては、臭素系難燃剤とアンチモン化合物を併用すると、制振性能の低下もなく良好な難燃性を得られるため好ましい。他にも、分散剤、相溶化剤、界面活性剤、帯電防止剤、架橋剤、酸化防止剤、老化防止剤、耐候剤、耐熱剤、加工助剤、光沢剤、着色剤(顔料、染料)、発泡剤、発泡助剤、滑剤などを本発明の効果を阻害しない範囲で添加することができる。また、他の樹脂とのブレンドまたは成形後の表面処理なども、本発明の効果を阻害しない範囲で行うことができる。
【0023】
本発明の制振性樹脂組成物は、上記樹脂成分(A)と無機充填材成分(B)と必要に応じて各種添加剤とを混合することで得られるが、混合方法は既知の方法を用いることができる。例えば、熱ロール、ニーダー、バンバリーミキサー、インターミキサー、二軸混練機、押出機などの装置を用いて溶融混合する方法が挙げられる。溶融混合する方法の中でも、バッチ式の混合装置を用いるのが好ましい。特に、ニーダー、バンバリーミキサー、インターミキサーのいずれかの装置で混合すると混練時間を自由に調整でき、樹脂組成物の分散状態が良好となるため好ましい。
【0024】
本発明の制振性組成物は、射出成形品、シート、フィルム、繊維、容器、発泡体、接着剤、塗料、拘束型制振シート、非拘束型制振シートなどに成形または加工され、車輌、鉄道、航空機、家電・OA機器、精密機器、建築機械、土木建築物、靴、スポーツ用品などに適応される防振材、制振材、吸遮音材として好適に利用することができる。
【実施例】
【0025】
以下に実施例を示すが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
キシレン樹脂および制振性組成物の評価方法は以下の方法によった。
(1)キシレン樹脂の分子量測定:
ゲルパーミエーションクロマトグラム法により下記条件で測定。
分子量は標準ポリスチレンにより換算した。
測定機種:昭和電工株式会社製 「Shodex GPC101」
カラム :LF804 3本
溶出溶媒 :テトラヒドロフラン 流量 1mL/min
カラム温度:40℃
【0026】
(2)キシレン樹脂のOH価測定方法:
試料をピリジン溶媒中で過剰量の無水酢酸でアセチル化し、アセチル化反応に消費されなかった余剰の無水酢酸を水酸化ナトリウム水溶液で滴定することより求めた。
・ 200mlヨウ素フラスコに樹脂1gを精秤する。(W)
・ 無水酢酸/ピリジン=1/9(v/v)溶液を作成する。
・ 樹脂が入っているヨウ素フラスコにホールピペットを用いて無水酢酸/ピリジン=1/9(v/v)溶液10mlを加え、樹脂を溶解させる。
・ 三角フラスコを湯せんにて1時間反応させる。(約95℃)
・ 反応後湯せんからヨウ素フラスコを取り出し、純水20〜30mlを加え、過剰の無水酢酸を分解すると同時に試料を室温程度まで冷却する。
・ 指示薬としてフェノールフタレインを3〜4滴加え、1N‐NaOH水溶液にて滴定する。(滴定量A)
・ 樹脂の入っていない200mlヨウ素フラスコに無水酢酸/ピリジン=1/9(v/v)溶液10mlと純水20〜30mlを入れ、よく撹拌し、1指示薬としてフェノールフタレインを3〜4滴加え、1N‐NaOH水溶液にて滴定する。(滴定量B)
・ 下記式によりOH価を算出する。
OH価(mgKOH)=(B−A)×F×56.1/W
F:1N−NaOH水溶液の力価
【0027】
(3)損失係数
制振性組成物試料を熱プレスにより170℃で成形し、厚み約1mmのシートとした。得られたシートを10mm×150mmに切り出して試験片とし、厚さ1mmの基板(アルミニウム合金 5052材)上に熱プレスにより50℃で熱圧着あるいは二液硬化型エポキシ系接着剤(セメダイン株式会社製、商品名:セメダインSG−EPO、EP008)にて接着させて非拘束型制振材を作製した。得られた非拘束型制振材を損失係数測定装置(株式会社小野測器製)を用いて、測定温度範囲が0〜80℃の条件で中央加振法により500Hz反共振点での損失係数を測定した。上記の測定温度範囲において得られた損失係数の最大値を比較することで制振性能を評価した。なお、損失係数が大きいほど制振性能が高い。
【0028】
(4)加工性評価
制振性組成物試料を熱プレスにより170℃で成形し、厚み約2mmのシートとした。20±2℃雰囲気の室内で得られたシートをジャンボ裁断機(株式会社マイツ・コーポレーション製:商品名JB−710)により裁断し、裁断箇所付近のシートの状態により加工性の評価を行った。
優(◎):裁断箇所にひび割れ等の損傷がない場合
不可(×):裁断箇所にひび割れが発生、または裁断によりシートが崩壊した場合
【0029】
(5)難燃性評価
制振性組成物試料を熱プレスにより170℃で成形し、厚み約1mmのシートとした。得られたシートを13mm×125mmに切り出して試験片とし、UL−94規格に準拠して、20mm垂直燃焼試験を行った。燃焼性がV−2以上(V−2、V−1またはV−0)である場合を合格とした。
なおUL−94についての各Vの等級の基準は下記概略の通りである。
V−0:試験片5個に10秒接炎(第1接炎)した後の火炎消化時間と第1接炎消化後直ちに10秒間再接炎(第2接炎)した後の火炎消化時間が平均5秒以下、最大10秒以下であり、第2接炎終了後のグロー消化時間のトータルが30秒以下、かつ試験片の30cm下方にある脱脂綿が着火しない。
V−1:試験片5個に10秒接炎(第1接炎)した後の火炎消化時間と第1接炎消化後直ちに10秒間再接炎(第2接炎)した後の火炎消化時間が平均25秒以下、最大30秒以下であり、第2接炎終了後のグロー消化時間のトータルが60秒以下、かつ試験片の30cm下方にある脱脂綿が着火しない。
V−2:試験片5個に10秒接炎(第1接炎)した後の火炎消化時間と第1接炎消化後直ちに10秒間再接炎(第2接炎)した後の火炎消化時間が平均25秒以下、最大30秒以下であり、第2接炎終了後のグロー消化時間のトータルが60秒以下、かつ試験片の30cm下方にある脱脂綿が着火する。
【0030】
<樹脂製造例1>
温度計、還流冷却器及び撹拌器を備えた内容積2リットルのセパラブルフラスコに50%ホルマリン(三菱ガス化学株式会社製)600g、98%工業用硫酸(三菱マテリアル株式会社製)200g及びメタキシレン(三菱ガス化学株式会社製)424gを仕込み95℃〜100℃で4時間反応させる。反応終了後、メタキシレン400gを添加し静置して樹脂相と硫酸水相とを分離した後、樹脂相を3回水洗し20〜30mmHg/140〜150℃の条件でメタキシレンを留出させた後、樹脂(a)(OH価=36(mg KOH/g)。Mn=765、Mw=1205)570gを得た。
【0031】
<樹脂製造例2>
温度計、リービッヒコンデンサー、撹拌器、スチーム導入管を備えた内容積1リットルのセパラブルフラスコに樹脂(a)500g、パラトルエンスルホン酸(和光純薬工業株式会社特級試薬)0.25gを仕込み、200℃まで加熱しスチーム流入下4時間反応させる。スチーム停止後100mmHg/190〜200℃の条件で30分間脱水を行い、樹脂(a)が自己縮合をした樹脂(α)(OH価=12.5(mg KOH/g)。Mn=1047、Mw=3480)420gを得た。
【0032】
<実施例1>
樹脂製造例2で得られた樹脂(α)16質量%に対して樹脂(β)としてオレフィン系エラストマー(ダウ・ケミカル日本株式会社製、商品名:エンゲージ8150)20.1質量%、鱗片状の無機充填材としてマイカ鱗片(株式会社ヤマグチマイカ製、商品名:CS060−DC)45質量%、無機充填材としてタルク(松村産業株式会社製、商品名:タルク3S)9.8質量%、無機充填材としてカーボンブラック(コロンビヤン・カーボン日本株式会社製、商品名:Raven−UV―B)0.1質量%、臭素系難燃剤として臭素化ジフェニルエタン(アルベマール日本株式会社製、商品名:saytex8010)6質量%、アンチモン化合物として三酸化アンチモン3質量%を60ccニーダーに一括して仕込み、170℃で15分間混練した。得られた制振性組成物の評価結果を表1に示す。
【0033】
<実施例2>
樹脂製造例2で得られた樹脂(α)25.8質量%に対して樹脂(β)としてオレフィン系エラストマー(ダウ・ケミカル日本株式会社製、商品名:エンゲージ8150)20.1質量%、鱗片状の無機充填材としてマイカ鱗片(株式会社ヤマグチマイカ製、商品名:CS060−DC)45質量%、無機充填材としてカーボンブラック(コロンビヤン・カーボン日本株式会社製、商品名:Raven−UV―B)0.1質量%、臭素系難燃剤として臭素化ジフェニルエタン(アルベマール日本株式会社製、商品名:saytex8010)6質量%、アンチモン化合物として三酸化アンチモン3質量%を60ccニーダーに一括して仕込み、170℃で15分間混練した。得られた制振性組成物の評価結果を表1に示す。
【0034】
<実施例3>
樹脂製造例2で得られた樹脂(α)16質量%に対して樹脂(β)としてオレフィン系エラストマー(ダウ・ケミカル日本株式会社製、商品名:エンゲージ8150)20.1質量%、鱗片状の無機充填材としてマイカ鱗片(株式会社ヤマグチマイカ製、商品名:CS060−DC)54.8質量%、無機充填材としてカーボンブラック(コロンビヤン・カーボン日本株式会社製、商品名:Raven−UV―B)0.1質量%、臭素系難燃剤として臭素化ジフェニルエタン(アルベマール日本株式会社製、商品名:saytex8010)6質量%、アンチモン化合物として三酸化アンチモン3質量%を60ccニーダーに一括して仕込み、170℃で15分間混練した。得られた制振性組成物の評価結果を表1に示す。
【0035】
<実施例4>
樹脂製造例2で得られた樹脂(α)16質量%に対して樹脂(β)としてエチレン酢酸ビニル共重合樹脂(三井・デュポンポリケミカル株式会社製、商品名:V5773W)20.1質量%、鱗片状の無機充填材としてマイカ鱗片(株式会社ヤマグチマイカ製、商品名:CS060−DC)54.8質量%、無機充填材としてカーボンブラック(コロンビヤン・カーボン日本株式会社製、商品名:Raven−UV―B)0.1質量%、臭素系難燃剤として臭素化ジフェニルエタン(アルベマール日本株式会社製、商品名:saytex8010)6質量%、アンチモン化合物として三酸化アンチモン3質量%を60ccニーダーに一括して仕込み、170℃で15分間混練した。得られた制振性組成物の評価結果を表1に示す。
【0036】
<実施例5>
樹脂製造例2で得られた樹脂(α)16質量%に対して樹脂(β)としてエチレンエチルアクリレート共重合樹脂(三井・デュポンポリケミカル株式会社製、商品名:2116AC)20.1質量%、鱗片状の無機充填材としてマイカ鱗片(株式会社ヤマグチマイカ製、商品名:CS060−DC)54.8質量%、無機充填材としてカーボンブラック(コロンビヤン・カーボン日本株式会社製、商品名:Raven−UV―B)0.1質量%、臭素系難燃剤として臭素化ジフェニルエタン(アルベマール日本株式会社製、商品名:saytex8010)6質量%、アンチモン化合物として三酸化アンチモン3質量%を60ccニーダーに一括して仕込み、170℃で15分間混練した。得られた制振性組成物の評価結果を表1に示す。
【0037】
<実施例6>
樹脂製造例2で得られた樹脂(α)16質量%に対して樹脂(β)としてエチレンメチルアクリレート共重合樹脂(三井・デュポンポリケミカル株式会社製、商品名:1125AC)20.1質量%、鱗片状の無機充填材としてマイカ鱗片(株式会社ヤマグチマイカ製、商品名:CS060−DC)54.8質量%、無機充填材としてカーボンブラック(コロンビヤン・カーボン日本株式会社製、商品名:Raven−UV―B)0.1質量%、臭素系難燃剤として臭素化ジフェニルエタン(アルベマール日本株式会社製、商品名:saytex8010)6質量%、アンチモン化合物として三酸化アンチモン3質量%を60ccニーダーに一括して仕込み、170℃で15分間混練した。得られた制振性組成物の評価結果を表2に示す。
【0038】
<実施例7>
樹脂製造例2で得られた樹脂(α)16質量%に対して樹脂(β)としてエチレンブチルアクリレート共重合樹脂(三井・デュポンポリケミカル株式会社製、商品名:3427AC)20.1質量%、鱗片状の無機充填材としてマイカ鱗片(株式会社ヤマグチマイカ製、商品名:CS060−DC)54.8質量%、無機充填材としてカーボンブラック(コロンビヤン・カーボン日本株式会社製、商品名:Raven−UV―B)0.1質量%、臭素系難燃剤として臭素化ジフェニルエタン(アルベマール日本株式会社製、商品名:saytex8010)6質量%、アンチモン化合物として三酸化アンチモン3質量%を60ccニーダーに一括して仕込み、170℃で15分間混練した。得られた制振性組成物の評価結果を表2に示す。
【0039】
<実施例8>
樹脂製造例2で得られた樹脂(α)16質量%に対して樹脂(β)としてオレフィン系エラストマー(ダウ・ケミカル日本株式会社製、商品名:エンゲージ8150)10.1質量%、樹脂(β)としてエチレン酢酸ビニル共重合樹脂(三井・デュポンポリケミカル株式会社製、商品名:V5773W)10.0質量%、鱗片状の無機充填材としてマイカ鱗片(株式会社ヤマグチマイカ製、商品名:CS060−DC)54.8質量%、無機充填材としてカーボンブラック(コロンビヤン・カーボン日本株式会社製、商品名:Raven−UV―B)0.1質量%、臭素系難燃剤として臭素化ジフェニルエタン(アルベマール日本株式会社製、商品名:saytex8010)6質量%、アンチモン化合物として三酸化アンチモン3質量%を60ccニーダーに一括して仕込み、170℃で15分間混練した。得られた制振性組成物の評価結果を表2に示す。
【0040】
<実施例9>
樹脂製造例2で得られた樹脂(α)16質量%に対して樹脂(β)としてオレフィン系エラストマー(ダウ・ケミカル日本株式会社製、商品名:エンゲージ8150)10.1質量%、樹脂(β)としてエチレンエチルアクリレート共重合樹脂(三井・デュポンポリケミカル株式会社製、商品名:2116AC)10.0質量%、鱗片状の無機充填材としてマイカ鱗片(株式会社ヤマグチマイカ製、商品名:CS060−DC)54.8質量%、無機充填材としてカーボンブラック(コロンビヤン・カーボン日本株式会社製、商品名:Raven−UV―B)0.1質量%、臭素系難燃剤として臭素化ジフェニルエタン(アルベマール日本株式会社製、商品名:saytex8010)6質量%、アンチモン化合物として三酸化アンチモン3質量%を60ccニーダーに一括して仕込み、170℃で15分間混練した。得られた制振性組成物の評価結果を表2に示す。
【0041】
<実施例10>
樹脂製造例2で得られた樹脂(α)16質量%に対して樹脂(β)としてオレフィン系エラストマー(ダウ・ケミカル日本株式会社製、商品名:エンゲージ8150)10.1質量%、樹脂(β)としてエチレンメチルアクリレート共重合樹脂(三井・デュポンポリケミカル株式会社製、商品名:1125AC)10.0質量%、鱗片状の無機充填材としてマイカ鱗片(株式会社ヤマグチマイカ製、商品名:CS060−DC)54.8質量%、無機充填材としてカーボンブラック(コロンビヤン・カーボン日本株式会社製、商品名:Raven−UV―B)0.1質量%、臭素系難燃剤として臭素化ジフェニルエタン(アルベマール日本株式会社製、商品名:saytex8010)6質量%、アンチモン化合物として三酸化アンチモン3質量%を60ccニーダーに一括して仕込み、170℃で15分間混練した。得られた制振性組成物の評価結果を表2に示す。
【0042】
<実施例11>
樹脂製造例2で得られた樹脂(α)16質量%に対して樹脂(β)としてオレフィン系エラストマー(ダウ・ケミカル日本株式会社製、商品名:エンゲージ8150)10.1質量%、樹脂(β)としてエチレンブチルアクリレート共重合樹脂(三井・デュポンポリケミカル株式会社製、商品名:3427AC)10.0質量%、鱗片状の無機充填材としてマイカ鱗片(株式会社ヤマグチマイカ製、商品名:CS060−DC)54.8質量%、無機充填材としてカーボンブラック(コロンビヤン・カーボン日本株式会社製、商品名:Raven−UV―B)0.1質量%、臭素系難燃剤として臭素化ジフェニルエタン(アルベマール日本株式会社製、商品名:saytex8010)6質量%、アンチモン化合物として三酸化アンチモン3質量%を60ccニーダーに一括して仕込み、170℃で15分間混練した。得られた制振性組成物の評価結果を表3に示す。
【0043】
<比較例1>
樹脂製造例2で得られた樹脂(α)16質量%に対して熱可塑性樹脂としてポリエチレン(日本ポリエチレン株式会社製、商品名:LJ803)20.1質量%、鱗片状の無機充填材としてマイカ鱗片(株式会社ヤマグチマイカ製、商品名:CS060−DC)45質量%、無機充填材としてタルク(松村産業株式会社製、商品名:タルク3S)9.8質量%、無機充填材としてカーボンブラック(コロンビヤン・カーボン日本株式会社製、商品名:Raven−UV―B)0.1質量%、臭素系難燃剤として臭素化ジフェニルエタン(アルベマール日本株式会社製、商品名:saytex8010)6質量%、アンチモン化合物として三酸化アンチモン3質量%を60ccニーダーに一括して仕込み、170℃で15分間混練した。得られた制振性組成物の評価結果を表3に示す。
【0044】
<比較例2>
樹脂製造例2で得られた樹脂(α)16質量%に対して熱可塑性樹脂としてポリエチレン(日本ポリエチレン株式会社製、商品名:LJ803)20.1質量%、鱗片状の無機充填材としてマイカ鱗片(株式会社ヤマグチマイカ製、商品名:CS060−DC)45質量%、無機充填材としてタルク(松村産業株式会社製、商品名:タルク3S)3.8質量%、無機充填材としてカーボンブラック(コロンビヤン・カーボン日本株式会社製、商品名:Raven−UV―B)0.1質量%、臭素系難燃剤として臭素化ジフェニルエタン(アルベマール日本株式会社製、商品名:saytex8010)6質量%、アンチモン化合物として三酸化アンチモン3質量%、可塑剤としてフタル酸ジ−2−エチルヘキシル(シージーエスター株式会社製、商品名:DOP)6質量%を60ccニーダーに一括して仕込み、170℃で15分間混練した。得られた制振性組成物の評価結果を表3に示す。
【0045】
<比較例3>
樹脂製造例2で得られた樹脂(α)16質量%に対して熱可塑性樹脂としてポリエチレン(日本ポリエチレン株式会社製、商品名:LJ803)20.1質量%、鱗片状の無機充填材としてマイカ鱗片(株式会社ヤマグチマイカ製、商品名:CS060−DC)54.8質量%、無機充填材としてカーボンブラック(コロンビヤン・カーボン日本株式会社製、商品名:Raven−UV―B)0.1質量%、臭素系難燃剤として臭素化ジフェニルエタン(アルベマール日本株式会社製、商品名:saytex8010)6質量%、アンチモン化合物として三酸化アンチモン3質量%を60ccニーダーに一括して仕込み、170℃で15分間混練した。得られた制振性組成物の評価結果を表3に示す。
【0046】
<比較例4>
樹脂製造例2で得られた樹脂(α)16質量%に対して熱可塑性樹脂としてポリプロピレン(日本ポリプロ株式会社製、商品名:MG03B)20.1質量%、鱗片状の無機充填材としてマイカ鱗片(株式会社ヤマグチマイカ製、商品名:CS060−DC)54.8質量%、無機充填材としてカーボンブラック(コロンビヤン・カーボン日本株式会社製、商品名:Raven−UV―B)0.1質量%、臭素系難燃剤として臭素化ジフェニルエタン(アルベマール日本株式会社製、商品名:saytex8010)6質量%、アンチモン化合物として三酸化アンチモン3質量%を60ccニーダーに一括して仕込み、170℃で15分間混練した。得られた制振性組成物の評価結果を表3に示す。
【0047】
<比較例5>
樹脂製造例2で得られた樹脂(α)16質量%に対して熱可塑性樹脂としてポリスチレン(PSジャパン株式会社製、商品名:679)20.1質量%、鱗片状の無機充填材としてマイカ鱗片(株式会社ヤマグチマイカ製、商品名:CS060−DC)54.8質量%、無機充填材としてカーボンブラック(コロンビヤン・カーボン日本株式会社製、商品名:Raven−UV―B)0.1質量%、臭素系難燃剤として臭素化ジフェニルエタン(アルベマール日本株式会社製、商品名:saytex8010)6質量%、アンチモン化合物として三酸化アンチモン3質量%を60ccニーダーに一括して仕込み、170℃で15分間混練した。得られた制振性組成物の評価結果を表4に示す。
【0048】
<比較例6>
樹脂製造例2で得られた樹脂(α)16質量%に対して熱可塑性樹脂としてアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合樹脂(UMG ABS株式会社製、商品名:Fu23)20.1質量%、鱗片状の無機充填材としてマイカ鱗片(株式会社ヤマグチマイカ製、商品名:CS060−DC)54.8質量%、無機充填材としてカーボンブラック(コロンビヤン・カーボン日本株式会社製、商品名:Raven−UV―B)0.1質量%、臭素系難燃剤として臭素化ジフェニルエタン(アルベマール日本株式会社製、商品名:saytex8010)6質量%、アンチモン化合物として三酸化アンチモン3質量%を60ccニーダーに一括して仕込み、170℃で15分間混練した。得られた制振性組成物の評価結果を表4に示す。
【0049】
【表1】

【0050】
【表2】

【0051】
【表3】



【0052】
【表4】

【0053】
表1〜4に示すように本願発明のメタキシレンとホルムアルデヒドを酸触媒下で反応することで得られた樹脂(a)のOH価を18(mg KOH/g)以下とした樹脂(α)と樹脂(β)であるEEA、EMA、EBA、EVA、オレフィン系エラストマーから選ばれる1種類を単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いた制振性組成物は、比較例のポリエチレンを用いた制振性組成物と比べ、高温(60〜80℃)での損失係数を良好に保ち室温(20℃付近)での加工性が良い。すなわち、高温(60〜80℃)での制振性能が高く、室温(20℃付近)での加工性も良好な成形材料が得られる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂成分(A)と無機充填材成分(B)とを合計で80質量%以上含有し、樹脂成分(A)中の樹脂(α)の割合が30〜70質量%、且つ樹脂成分(A)中の樹脂(β)の割合が30〜70質量%であり、樹脂(α)がOH価18(mg KOH/g)以下のキシレン樹脂であり、樹脂(β)がエチレンエチルアクリレート共重合樹脂(EEA)、エチレンメチルアクリレート共重合樹脂(EMA)、エチレンブチルアクリレート共重合樹脂(EBA)、エチレン酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)およびオレフィン系エラストマーから選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする制振性組成物。
【請求項2】
樹脂成分(A)に対する無機充填材成分(B)の質量割合が0.5〜5.0である請求項1に記載の制振性組成物。
【請求項3】
無機充填材成分(B)中の鱗片状無機充填材の割合が70質量%以上である請求項1または2に記載の制振性組成物。
【請求項4】
鱗片状無機充填材がマイカ鱗片である請求項3記載の制振性組成物。

【公開番号】特開2013−32452(P2013−32452A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−169666(P2011−169666)
【出願日】平成23年8月2日(2011.8.2)
【出願人】(000004466)三菱瓦斯化学株式会社 (1,281)
【Fターム(参考)】