説明

制振用車両部品

【課題】振動吸収機能を従来より長期間に亘って維持可能な制振用車両部品の提供を目的とする。
【解決手段】本発明に係るエンジンアンダーカバー10は、カバー本体20にウレタン発泡体30をモールド成形してなり、カバー本体20から突出した可撓リブ22がウレタン発泡体30に埋設されている。可撓リブ22は、突出方向の中間部に折り曲げ溝23を備えている。エンジンアンダーカバー10がウレタン発泡体30をエンジン90に押しつけた状態で車両のボディ91に組み付けられると、可撓リブ22は、エンジン90との間でウレタン発泡体30を挟んだ状態で、ウレタン発泡体30の弾発力によって折り曲げ溝23を中心として弾性曲げ変形する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂成形品である車両部品本体に固定されたウレタン発泡体を車両の振動源に押し付けて振動を吸収する制振用車両部品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の制振用車両部品として、車両の振動源であるエンジンにウレタン発泡体を押し付けて固定されるエンジンカバーが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−330570号公報(請求項1、図5)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述したエンジンカバーを一例とした従来の制振用車両部品は、使用期間の経過と共にウレタン発泡体が元の形状に戻り難くなる、所謂、へたりが生じて、ウレタン発泡体の振動源に対する弾発力が低下し、振動吸収機能も低下するという問題があった。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、振動吸収機能を従来より長期間に亘って維持可能な制振用車両部品の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するためになされた請求項1の発明に係る制振用車両部品(10)は、樹脂成形品である車両部品本体(20)にウレタン発泡体(30)をモールド成形してなり、ウレタン発泡体(30)を車両(91)の振動源(90)に押し付けた状態にして車両(91)に組み付けられて振動を吸収する制振用車両部品(10)において、車両部品本体(20)から突出してウレタン発泡体(30)に埋設され、振動源(90)との間でウレタン発泡体(30)を挟んだ状態で、そのウレタン発泡体(30)の弾発力によって弾性変形する弾性突部(22)を備えたところに特徴を有する。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載の制振用車両部品(10)において、ウレタン発泡体(30)には、車両部品本体(20)のうち振動源(90)との対向したベース面(20M)を被覆したウレタンベース部(11)と、ウレタンベース部(11)の表面に沿って互いに平行に延びかつウレタンベース部(11)の表面から突出して振動源(90)に押し付けられる1対のウレタン突壁部(12)とが備えられ、弾性突部(22)は、ベース面(20M)から突出して1対のウレタン突壁部(12)の芯部を構成するように配置された1対の可撓リブ(22)であるところに特徴を有する。
【0008】
請求項3の発明は、請求項2に記載の制振用車両部品(10)において、可撓リブ(22)のうちベース面(20M)からの突出方向の中間に折り曲げ溝(23)を形成して、その折り曲げ溝(23)を中心に可撓リブ(22)を弾性曲げ変形可能とすると共に、折り曲げ溝(23)のうちベース面(20M)から離れた側の溝内側面(23K)を、折り曲げ溝(23)の奥側から外に向かって徐々にベース面(20M)から離れるように傾斜させたところに特徴を有する。
【0009】
請求項4の発明は、請求項2又は3に記載の制振用車両部品(10)において、ウレタン発泡体(30)には、ウレタンベース部(11)から突出してウレタン突壁部(12)を包囲し、先端部が振動源(90)に突き合わされるウレタン包囲壁部(50)が備えられているところに特徴を有する。
【発明の効果】
【0010】
[請求項1の発明]
請求項1の制振用車両部品(10)では、車両部品本体(20)から突出した弾性突部(22)がウレタン発泡体(30)に埋設され、振動源(90)との間でウレタン発泡体(30)を挟んだ状態で、そのウレタン発泡体(30)の弾発力によって弾性変形するので、ウレタン発泡体(30)は、圧縮代を残した圧縮状態に維持される。そして、ウレタン発泡体(30)がへたった分だけ弾性突部(22)が振動源(90)側に弾性復元し、ウレタン発泡体(30)が弾性的に振動源(90)に密着した状態が長期間に亘って維持される。即ち、本発明の制振用車両部品(10)によれば、振動吸収機能を従来より長期間に亘って維持することが可能になる。
【0011】
[請求項2の発明]
請求項2の制振用車両部品(10)では、車両部品本体(20)のベース面(20M)を被覆したウレタンベース部(11)から1対のウレタン突壁部(12)を突出している。そして、それら1対のウレタン突壁部(12)が振動源(90)に押し付けられるので、1対のウレタン突壁部(12)の間の空間とウレタンベース部(11)とによって振動源(90)からの音を吸音することができる。そして、ベース面(20M)から突出して1対のウレタン突壁部(12)の芯部を構成するように配置された1対の可撓リブ(22)を弾性突部(22)としたので、それら可撓リブ(22)により、振動吸収機能を長期間に亘って維持することができると共に、車両部品本体(20)を補強することもできる。
【0012】
[請求項3の発明]
請求項3の制振用車両部品(10)では、可撓リブ(22)のうちベース面(20M)からの突出方向の中間に折り曲げ溝を形成したので、その折り曲げ溝によって可撓リブ(22)の一部が薄肉になり、折り曲げ溝(23)を中心に可撓リブ(22)を容易に弾性曲げ変形させることができる。ここで、車両部品本体(20)を成形金型で射出成形し、ベース面(20M)からの可撓リブ(22)の突出方向を成形金型の型開き方向とした場合、折り曲げ溝(23)を設けたことでアンダーカット形状になるが、本発明では、折り曲げ溝(23)のうちベース面(20M)から離れた側の溝内側面(23K)を、折り曲げ溝(23)の奥側から外に向かって徐々にベース面(20M)の基端から離れるように傾斜させたので、成形金型に型開き方向と交差する方向に直動する高価なスライド型を折り曲げ溝成形用に設けなくても、例えば市販のアンダーカット部成形用の金型構成部品(後述)を使用して金型制作費を安価に抑えることができる。
【0013】
[請求項4の発明]
請求項4の制振用車両部品(10)では、ウレタンベース部(11)から突出したウレタン包囲壁部(50)で、1対のウレタン突壁部(12)を包囲したので、制振用車両部品(10)による吸音効果を高くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1実施形態に係るエンジンアンダーカバーの斜視図
【図2】エンジンアンダーカバーの側断面図
【図3】車両に組み付けたときのエンジンアンダーカバーの側断面図
【図4】(A)型閉じ状態の成形金型の側断面図、(B)型開き状態の成形金型の側断面図
【図5】第2実施形態に係るエンジンアンダーカバーの斜視図
【図6】第3実施形態に係るエンジンアンダーカバーの斜視図
【図7】エンジンアンダーカバーの平面図
【図8】変形例に係る可撓リブの側断面図
【図9】変形例に係るエンジンアンダーカバーの側断面図
【発明を実施するための形態】
【0015】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態を、図1〜3に基づいて説明する。図1には、本発明に係る「制振用車両部品」としてのエンジンアンダーカバー10が示されている。エンジンアンダーカバー10は、カバー本体20(本発明の「車両部品本体」に相当する)にウレタン発泡体30をモールド成形してなり、エンジン90(本発明の「振動源」に相当する)の下方に配置される。
【0016】
カバー本体20は、樹脂の成形品であって、エンジン90と対向したベース面20Mから1対の可撓リブ22、22が突出した構造になっている。それら1対の可撓リブ22、22は、平板体21に沿って互いに平行に延び、突出高さが同じになっている。
【0017】
図2に示すように、可撓リブ22の突出方向の中間部には、可撓リブ22が延びる方向(図2における紙面の奥行き方向)に沿って折り曲げ溝23が形成され、可撓リブ22が折り曲げ溝23を中心に弾性曲げ変形可能になっている。折り曲げ溝23は、可撓リブ22を肉厚方向から見たときの断面形状が、三角形状になっていて、ベース面20Mから離れた側の溝内側面23Kが、折り曲げ溝23の奥側から外側(即ち、折り曲げ溝23の開口側)に向かって徐々にベース面20Mから離れるように傾斜している。なお、折り曲げ溝23は、各可撓リブ22の肉厚方向の一端側(図2における左側)に配置され、可撓リブ22の肉厚方向の一端から中央位置に亘って形成されている。
【0018】
ウレタン発泡体30は、カバー本体20のベース面20Mを被覆したウレタンベース部11と、ウレタンベース部11の表面から突出した1対のウレタン突壁部12、12とを備えている。具体的には、1対のウレタン突壁部12、12は、ウレタンベース部11から突出した1対の可撓リブ22、22を覆い、ウレタンベース部11の表面に沿って互いに平行に延びている。即ち、可撓リブ22は、ウレタン突壁部12の芯部を構成している。
【0019】
なお、ウレタンベース部11は、可撓リブ22の折り曲げ溝23に入り込でいて、可撓リブ22の先端部がウレタン突壁部12に埋設している。また、複数のウレタン突壁部12のウレタンベース部11からの突出高さは、同じになっている。
【0020】
エンジンアンダーカバー10の構成に関する説明は以上である。次に、エンジンアンダーカバー10の製造方法について説明する。エンジンアンダーカバー10を製造するには、まず、成形金型40を用いて、カバー本体20を成形する。
【0021】
図4に示すように、成形金型40は、固定型41と可動型42とを備えている。固定型41のキャビティ内面には、可撓リブ22の形状に対応したリブ成形用溝43が複数(図4には1つだけ示されている)設けられている。具体的には、固定型41のキャビティ内面には、コア受容孔41Aが複数設けられ、そのコア受容孔41Aは、市販のアンダーカット部成形用コア44(以下、単にコア44と呼ぶ)を受容可能になっている。このコア受容孔41Aは、開口端部で段突き状に断面積が大きくなっていて、コア44がコア受容孔41に受容された状態で、コア44と固定型41との間にリブ成形用溝43が形成されている。また、コア44の側部には、折り曲げ溝23の形状に対応した成形突部45が形成されている。
【0022】
コア44は、成形金型40の型開閉方向に往復動可能になっている。また、コア44は、板バネ部46(図4(B)参照)によって先端部が固定型41のコア受容孔41Aから離れる側に弾性曲げ変形可能になっていて、溝部42から離れる側に付勢されている。
【0023】
成形金型40を用いてカバー本体20を成形するには、まず、成形金型40を型閉じした状態で、溶融樹脂をキャビティ内に射出し、カバー本体20を成形する。このとき、コア44は、固定型41のコア受容孔41Aに受容された状態になっていて、リブ成形用溝43にて可撓リブ23が成形される(図4(A)参照)。
【0024】
次いで、溶融樹脂を冷却し、成形金型40を型開きする。このとき、可撓リブ22は、折り曲げ溝23が設けられているためアンダーカット形状になるが、コア44が、コア受容孔41Aから可動型42側へ突出すると共に、コア受容孔41Aが折り曲げ溝23の溝内側面23Kに摺接しながらコア受容孔41Aから離れるので、カバー本体20を容易に成形金型40から抜き出すことができる(図4(B)参照)。このように、本実施形態では、折り曲げ溝23のベース面20Mから離れた側の溝内側面23Kを、折り曲げ溝23の奥側から外に向かって徐々にベース面20Mから離れるように傾斜させたので、折り曲げ溝成形用に成形金型40に高価なスライド型を設けなくても、市販のコア44を使用して金型制作費を安価に抑えることができる。
【0025】
次に、カバー本体20にウレタン発泡体30をモールド成形する。そのためには、まず、カバー本体20を発泡成形金型にインサートして、その発泡成形金型内でウレタン樹脂を発泡させてウレタン発泡体30を成形する。
【0026】
このとき、カバー本体20が、ナイロン樹脂やABS樹脂のようにウレタン樹脂と固着する樹脂で構成されている場合には、カバー本体20にウレタン発泡体30が固着して、エンジンアンダーカバー10が得られる。
【0027】
一方、カバー本体20が、ポリプロピレン樹脂のようにウレタン樹脂と固着しない樹脂で構成されている場合には、カバー本体20にウレタン発泡体30が固着しない。ところが、発泡成形の際、ウレタン樹脂は、可撓リブ22の折り曲げ溝23に入り込んで固化する。その結果、ウレタン発泡体30が可撓リブ22の突出方向で抜け止めされる。これにより、カバー本体20がウレタン樹脂と固着しない樹脂で構成されている場合であっても、ウレタン発泡体30がカバー本体20に固定され、エンジンアンダーカバー10が得られる。
【0028】
次に、エンジンアンダーカバー10の組み付けについて説明する。そのためには、まず、エンジンアンダーカバー10をウレタン発泡体30がエンジン90の下部と対向するように配置する。次いで、1対のウレタン突壁部12,12をエンジン90へ押しつけながら、カバー本体20を、折り曲げ溝23が形成された側と反対側(図3における右側)へずらす。すると、ウレタン発泡体30は、エンジン90に押されて圧縮変形し、可撓リブ22は、エンジン90との間でウレタン発泡体30を挟んだ状態で、ウレタン発泡体30の弾発力によって折り曲げ溝23を中心として弾性曲げ変形する。そして、カバー部21をボディ91(本発明の「車両」に相当する)に組み付けることにより、カバー本体20がエンジン90から所定距離L1だけ離れた位置P1に固定される。
【0029】
次に、エンジンアンダーカバー10の作用効果について説明する。本実施形態のエンジンアンダーカバー10では、カバー本体20から突出した可撓リブ22がウレタン発泡体30に埋設され、エンジン90との間でウレタン発泡体30を挟んだ状態で、そのウレタン発泡体30の弾発力によって弾性変形するので、ウレタン発泡体30は、圧縮代を残した圧縮状態に維持される。そして、ウレタン発泡体30がへたった分だけ可撓リブ22がエンジン90側に弾性復元し、ウレタン発泡体30が弾性的にエンジン90に密着した状態が長期間に亘って維持される。即ち、本実施形態のエンジンアンダーカバー10によれば、振動吸収機能を従来より長期間に亘って維持することが可能になる。
【0030】
また、本実施形態によれば、1対のウレタン突壁部12がエンジン90に押し付けられるので、1対のウレタン突壁部12の間の空間とウレタンベース部11とによってエンジン90からの音を吸音することができる。さらに、1対の可撓リブ22でカバー本体20を補強することもできる。
【0031】
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態を図5に基づいて説明する。図5に示したエンジンアンダーカバー10Vは、ウレタン発泡体30Vに、ウレタンベース部11から突出して1対のウレタン突壁部12,12を包囲するウレタン包囲壁部50を備えた点が、第1実施形態のエンジンアンダーカバー10と大きく異なっている。ウレタン包囲壁部50は、カバー本体20Vの外縁に沿って形成されている。そして、エンジンアンダーカバー10Vをボディ91に組み付けると、1対のウレタン突壁部12,12及びウレタン包囲壁部50がエンジン90(図1参照)に押しつけられるようになっている。その他の構成については、第1実施形態と同じになっている。この構成によれば、ウレタンベース部11から突出したウレタン包囲壁部50で、1対のウレタン突壁部12を包囲したので、エンジン90とエンジンアンダーカバー10Vとの間に密閉された空間ができ、エンジンアンダーカバー10Vによる吸音効果を高くすることができる。
【0032】
[第3実施形態]
本発明の第3実施形態を図6及び図7に基づいて説明する。図6に示すエンジンアンダーカバー10Wは、カバー本体20Wとウレタン発泡体30Wの形状が第1及び第2実施形態と相違する。ウレタン発泡体30Wは、ウレタンベース部11から突出したウレタン突き当て部51を備えている。ウレタン突き当て部51は、矩形枠状の外周壁部52と、外周壁部52のうち対向する辺部の中間部を連結した区画壁部53とで構成されている。そして、外周壁部52で囲まれた空間が区画壁部53で区画されて、ウレタン凹部54,54が形成されている。
【0033】
図7に示すように、外周壁部52および区画壁部53の内部には、第1実施形態の可撓リブ22と同様の構造の可撓リブ55,56が埋設されている。具体的には、互いに平行な1対の可撓リブ55,55の間に、3つの可撓リブ56が平行配置され、可撓リブ55と可撓リブ56とは互いに直交している。それら可撓リブ55,56は、弾性曲げ変形したときに相互に干渉しないようになっている。
【0034】
本実施形態の構成によれば、エンジンアンダーカバー10Wを組み付けて、エンジン90にウレタン突き当て部51を押しつけたときに、ウレタン凹部54が閉塞されてエンジン90とウレタン発泡体30との間に密閉された空間ができ、前記第2実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0035】
[他の実施形態]
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
【0036】
(1)前記実施形態では、本発明をエンジンアンダーカバーに適用した例を示したが、エンジンカバーに適用してもよい。
【0037】
(2)図8(A)に示す可撓リブ60のように、肉厚方向の両側部に半円状の切れ込み61,61が形成されていてもよい。
【0038】
(3)また、図8(B)に示す可撓リブ62のように、肉厚方向の断面形状が、弓状になっていてもよい。
【0039】
(4)図9に示すエンジンアンダーカバー10Xのように、表面が平坦なウレタン発泡体30Xに可撓リブ22を埋設した構成であってもよい。
【符号の説明】
【0040】
10,10V,10W,10X エンジンアンダーカバー(制振用車両部品)
11 ウレタンベース部
12 ウレタン突壁部
20,20V,20W カバー本体(車両部品本体)
20M ベース面
22,55,56,60,62 可撓リブ(弾性突部)
23 折り曲げ溝
30,30V,30W,30X ウレタン発泡体
50 ウレタン包囲壁部
90 エンジン
91 ボディ(車両)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂成形品である車両部品本体(20)にウレタン発泡体(30)をモールド成形してなり、前記ウレタン発泡体(30)を車両(91)の振動源(90)に押し付けた状態にして車両(91)に組み付けられて振動を吸収する制振用車両部品(10)において、
前記車両部品本体(20)から突出して前記ウレタン発泡体(30)に埋設され、前記振動源(90)との間で前記ウレタン発泡体(30)を挟んだ状態で、そのウレタン発泡体(30)の弾発力によって弾性変形する弾性突部(22)を備えたことを特徴とする制振用車両部品(10)。
【請求項2】
前記ウレタン発泡体(30)には、前記車両部品本体(20)のうち前記振動源(90)と対向したベース面(20M)を被覆したウレタンベース部(11)と、前記ウレタンベース部(11)の表面に沿って互いに平行に延びかつ前記ウレタンベース部(11)の表面から突出して前記振動源(90)に押し付けられる1対のウレタン突壁部(12)とが備えられ、
前記弾性突部(22)は、前記ベース面(20M)から突出して前記1対のウレタン突壁部(12)の芯部を構成するように配置された1対の可撓リブ(22)であることを特徴とする請求項1に記載の制振用車両部品(10)。
【請求項3】
前記可撓リブ(22)のうち前記ベース面(20M)からの突出方向の中間に折り曲げ溝(23)を形成して、その折り曲げ溝(23)を中心に前記可撓リブ(22)を弾性曲げ変形可能とすると共に、
前記折り曲げ溝のうち前記ベース面(20M)から離れた側の溝内側面(23K)を、前記折り曲げ溝の奥側から外に向かって徐々に前記ベース面(20M)から離れるように傾斜させたことを特徴とする請求項2に記載の制振用車両部品(10)。
【請求項4】
前記ウレタン発泡体(30)には、前記ウレタンベース部(11)から突出して前記ウレタン突壁部(12)を包囲し、先端部が前記振動源(90)に突き合わされるウレタン包囲壁部が備えられていることを特徴とする請求項2又は3に記載の制振用車両部品(10)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−166639(P2012−166639A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−28149(P2011−28149)
【出願日】平成23年2月14日(2011.2.14)
【出願人】(000204033)太平洋工業株式会社 (143)
【Fターム(参考)】