説明

制電性塗料用樹脂組成物、その製造方法及び成形品

【課題】優れた制電性を有する制電性塗料用樹脂組成物を提供することを主要な目的とする。
【解決手段】制電性塗料用樹脂組成物は、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、リチウムトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メタン、およびトリフルオロメタンスルホン酸リチウムから選択された少なくとも一種の化合物を、下記一般式(4)で表されるビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステルに溶解させた状態で塗料用樹脂組成物に添加してなる。
【化4】


(式中、R1は水素原子又はメチル基を表す。R2は炭素数2〜20の有機残基を表す。R3は水素原子又は炭素数1〜11の有機残基を表す。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に制電性塗料用樹脂組成物に関するものであり、より特定的には帯電防止性に優れた制電性塗料用樹脂組成物、その製造方法およびそれを用いた成形品に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、プラスチックやガラスなどの成形物の面が帯電し、その面に埃などが付着して汚れの原因となる、制電気の高い電圧に起因してICやLSIなどの破壊、不良が起こる、電磁波ノイズにより電子機器の誤作動が起こるなどの、制電気に起因する問題がクローズアップされている。
【0003】
従来より、帯電防止法としては、界面活性剤、金属粉、カーボンなどを用い、表面や内部の導電化を図る方法が取られてきた。
【0004】
しかし、界面活性剤で導電性を付与する方法では、水分を必須成分とするため、帯電防止能が周辺雰囲気の湿度に影響されたり、持続性に欠けるという問題がある。また、金属粉やカーボンを含有する塗料で導電性を付与する方法では、透明な塗膜が得られなかったり、塗膜の色の選択が制限されるなどの問題がある。
【0005】
一方、過塩素酸リチウムなどのアルカリ金属塩を樹脂に含ませると、帯電防止性の樹脂組成物になることが知られている(特許文献1−5など)。これらの組成物は、帯電防止性の塗料として、各種合成樹脂の成形品、フィルムまたはシートなどに塗布して、制電性の光ディスク、成形品などが得られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平4−218519号公報
【特許文献2】特開平6−9899号公報
【特許文献3】特開平9−3358号公報
【特許文献4】特開平10−60322号公報
【特許文献5】特開2000−98169号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、過塩素酸リチウムなどのアルカリ金属塩を塗料用樹脂組成物に添加する場合、アルカリ金属塩は樹脂に対する溶解性が乏しく、均一な組成物を調製することができない。また、アルカリ金属塩を重合性モノマーに溶解させる場合、溶解時に重合性モノマーを加熱するので、モノマーが重合を開始し、均一な塗布膜が得られない場合がある。
【0008】
一方、アルコール類やエーテル系の溶媒に過塩素酸リチウムなどのアルカリ金属塩を溶解する場合、アルカリ金属塩が溶媒中で激しく発熱しながら溶解し、発熱を制御できない場合がある。このため、工業的には使用できないという問題がある。
【0009】
また、過塩素酸リチウムなどは腐食性を有するため、金属表面へ塗布する場合、防食のための工夫が必要である。
【0010】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、優れた制電性を有する制電性塗料用樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0011】
この発明の他の目的は、そのような制電性塗料用樹脂組成物の製造方法を提供することにある。
【0012】
この発明のさらに他の目的は、そのような制電性塗料用樹脂組成物を用いて製造した成型品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明者らは、上記課題を解決するために、鋭意検討した結果、以下の発明を完成した。
【0014】
すなわち、請求項1に記載の発明は、下記式(1)で表されるリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、下記式(2)で表されるリチウムトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メタン、および下記式(3)で表されるトリフルオロメタンスルホン酸リチウムから選択された少なくとも一種の化合物を、下記一般式(4)で表されるビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステルに溶解させた状態で塗料用樹脂組成物に添加してなる制電性塗料用樹脂組成物に係る。
【化1】

【化2】

【化3】

【化4】

(式中、R1は水素原子又はメチル基を表す。R2は炭素数2〜20の有機残基を表す。R3は水素原子又は炭素数1〜11の有機残基を表す。)
【0015】
上記一般式(4)で表されるビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステルは、異種重合性モノマーであり、優れた希釈性(低粘度化能)を有し、メタクリルタイプのものでも優れたUV硬化特性を有し、硬化物は十分な耐溶剤性を有するという特徴を示すものである。加えて本発明によれば、リチウムを有機金属化合物として、塗膜形成成分でもあるビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステルに配位させた状態で樹脂組成物中に含ませるので、樹脂組成物に対する溶解性に優れ、リチウムイオンが均一に分散された制電性塗料用樹脂組成物が得られる。また、過塩素酸塩などを用いないので、金属表面へ塗布する際に、金属表面を腐食、発錆あるいは汚染することがない。
【0016】
例えば、上記塩として、超強酸のリチウム塩であるビス(フルオロアルキルスルホニル)イミドリチウムLi(CF3SO22Nを用いる。これを例えば(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルに溶解した状態というのは、下記式(5)に示すように、極性基であるエーテル基がLi+イオンに配位している状態であり、この状態で組成物中に分散している。塗膜形成後は重合して硬化するが、Li+イオンはエーテル酸素に取り囲まれ、(CF3SO22N-イオンから離れ、裸の状態になっており、塗膜中を自由に動き、制電性に大きく寄与する。
【化5】

【0017】
また、本願発明のビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステルはビニルエーテル基を有しているため、リチウム塩を溶解させた場合であっても低粘度を維持でき、作業性に優れる。
【0018】
また、本発明の好ましい実施態様によれば、上記制電性塗料用樹脂組成物中に含まれる塗膜形成成分100部に対して、上記式(1)で表されるリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、上記式(2)で表されるリチウムトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メタン、および上記式(3)で表されるトリフルオロメタンスルホン酸リチウムから選択された少なくとも1種の化合物が、0.03部〜60.0部、さらに好ましくは0.05部〜20.0部含まれていることを特徴とする。
【0019】
このように規制するのは、上記リチウム塩の添加割合が0.03部未満であると、制電性が十分に発揮されないからである。一方、上記リチウム塩の添加割合が60.0部を超えると、制電性付与効果が飽和するので、コスト高を招来するという問題があるからである。
【0020】
なお、本明細書にいう塗膜形成成分とは、本発明の組成物を構成する樹脂と、顔料を添加する場合にはその顔料とを意味する。
【0021】
また、本発明の好ましい実施態様によれば、下記式(1)で表されるリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、下記式(2)で表されるリチウムトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メタン、および下記式(3)で表されるトリフルオロメタンスルホン酸リチウムから選択された少なくとも1種の化合物を、下記一般式(4)で表されるビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステルに溶解させた状態で塗料用樹脂組成物に添加する制電性塗料用樹脂組成物の製造方法に係る。
【化1】

【化2】

【化3】

【化4】

(式中、R1は水素原子又はメチル基を表す。R2は炭素数2〜20の有機残基を表す。R3は水素原子又は炭素数1〜11の有機残基を表す。)
【0022】
上記リチウム化合物は、上記一般式(4)で表されるビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステルに良く溶解する。したがって、均一に溶解した溶液を添加して塗料用樹脂組成物を製造できるので、均一な制電性を付与できる塗料用樹脂組成物を得ることができる。また、加熱を必要としないので、調製時に重合が開始することはない。
【0023】
また、本発明の他の局面に係る発明は、上記制電性塗料用樹脂組成物の塗膜が形成された成形品であり、前記塗膜が制電性を有することを特徴とする。
【0024】
合成樹脂成形品に制電性を付与する方法としては、制電性の樹脂で成形品を形成する方法がある。しかし、静電気の発生が問題となるのは、物体の表面である。すなわち、成形品全体を制電性の物質で作る必要はない。したがって、本発明のように、制電性の塗膜を成形品の表面に形成することで、成形品に制電性を容易に付与することができる。
【0025】
本発明の制電性塗料溶樹脂組成物を用いると、各種成形品、フィルムまたはシートに塗布して制電性の成形品、フィルム又はシートとし、例えばIC,コンデンサ、トランジスタ、LSIなどの電子部品のキャリアテープやキャリアトレイなどと称される容器として利用できる。また、透明な塗膜や、塗膜に任意の色彩を採用できる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、リチウムを有機金属化合物として、樹脂組成物中に含ませるので、樹脂組成物に対する溶解性に優れ、リチウムイオンが均一に分散された制電性塗料用樹脂組成物が得られる。また、過塩素酸塩などを用いないので、金属表面へ塗布する際に、金属表面を腐食、発錆あるいは汚染することがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0028】
本発明の制電性塗料用樹脂組成物を構成する樹脂としては、塗料に用いられる樹脂であれば、公知の樹脂が使用できる。具体的には、セルロース誘導体(ニトロセルロース、アセチルセルロース、アセチルブチルセルロース、エチルセルロース、ベンジルセルロースなど)、ビニル樹脂(塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリブテン、ポリブタジエンなど)、アクリル樹脂、ポリビニルアセタール、飽和ポリエステル樹脂、フッ素樹脂(ポリビニルフルオライド、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合樹脂、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合樹脂など)などの非反応型塗料用樹脂や、アルキド樹脂、アミノ樹脂(ブチル化尿素樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂など)、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂(ノボラック型フェノール樹脂、アルキルフェノール変性樹脂など)、アクリル樹脂(メタクリル樹脂など)、ポリイミド、シリコーン樹脂などの反応型塗料用樹脂が挙げられる。これらの樹脂は、単独でも、二種以上を組み合わせても使用できる。反応型塗料用樹脂は、たとえばアルキド樹脂、アミノ樹脂などのような1液反応型であっても、エポキシ樹脂やポリウレタンなどのような2液反応型であっても良い。
【0029】
本発明の制電性塗料用樹脂組成物は、無溶剤塗料、有機溶剤塗料、ハイソリッド型塗料、粉体塗料、水系エマルジョン塗料、カチオン電着塗料など、公知の塗料の形態で使用できる。
【0030】
本発明に係る制電性塗料用樹脂組成物は、下記一般式(4)で表されるビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステルを含む。
【化4】

(式中、R1は水素原子又はメチル基を表す。R2は炭素数2〜20の有機残基を表す。R3は水素原子又は炭素数1〜11の有機残基を表す。)
【0031】
上記一般式(4)中のR2で示される炭素数2〜20の有機残基としては、炭素数2〜20の直鎖状、分枝状又は環状のアルキレン基、構造中にエーテル結合及び/又はエステル結合により酸素原子を有する炭素数2〜20のアルキレン基、炭素数6〜11の置換されていてもよい芳香族基が好適である。これらの中でも、炭素数2〜6のアルキレン基、構造中にエーテル結合により酸素原子を有する炭素数2〜9のアルキレン基が好適に用いられる。
【0032】
上記一般式(4)の中のR3で示される炭素数1〜11の有機残基としては、炭素数1〜10の直鎖状、分枝状又は環状のアルキレン基、炭素数6〜11の置換されていてもよい芳香族基が好適である。これらの中でも、炭素数1〜2のアルキル基、炭素数6〜8の芳香族基が好適である。
【0033】
上記一般式(4)で表されるビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類としては、(メタ)アクリル酸2−ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸1−メチル−2−ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ビニロキシブチル、(メタ)アクリル酸1-メチル3−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸1−ビニロキシメチルプロピル、(メタ)アクリル酸2−メチル−3−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−メチル−3−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸1,1−ジメチル−2−ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ビニロキシブチル、(メタ)アクリル酸1−メチル−2−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ビニロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ビニロキシシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸5−ビニロキシペンチル、(メタ)アクリル酸6−ビニロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸4−ビニロキシメチルシクロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸p−ビニロキシメチルフェニルメチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシ)イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシイソプロポキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシイソプロポキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシエトキシ)イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシイソプロポキシ)イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシエトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコールモノビニルエーテル、(メタ)アクリル酸ポリプロピレングリコールモノビニルエーテルが好適である。
【0034】
これらの中でも、(メタ)アクリル酸2−ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸1−メチル−2−ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ビニロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ビニロキシシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸5−ビニロキシペンチル、(メタ)アクリル酸6−ビニロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸4−ビニロキシメチルシクロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸p−ビニロキシメチルフェニルメチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシエトキシエトキシ)エチルが好適である。
【0035】
本発明におけるビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類の製造方法としては、(メタ)アクリル酸と水酸基含有ビニルエーテル類とをエステル化する方法(製法A)、(メタ)アクリル酸ハロゲン化物と水酸基含有ビニルエーテル類とをエステル化する方法(製法B)、(メタ)アクリル酸無水物と水酸基含有ビニルエーテル類とをエステル化する方法(製法C)、(メタ)アクリル酸エステル類とハロゲン含有ビニルエーテル類とをエステル交換する方法(製法D)、(メタ)アクリル酸とハロゲン含有ビニルエーテル類とをエステル化する方法(製法E)、(メタ)アクリル酸アルカリ(土類)金属塩とハロゲン含有ビニルエーテル類とをエステル化する方法(製法F)が好適である。
【0036】
これらの中でも、(メタ)アクリル酸エステル類と水酸基含有ビニルエーテル類とエステル交換する方法(製法D)が好適であり、本発明の作用効果をより充分に発揮することができることになる。
【0037】
本発明の制電性塗料用樹脂組成物に用いられる他の重合性モノマー、プレポリマーまたはオリゴマーとしては、重合性モノマー、プレポリマーまたはオリゴマーの状態で組成物を構成し、重合して塗膜を形成する公知の重合性モノマー、プレポリマーまたはオリゴマーが含まれる。具体的には、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2−エチルへキシル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、2−ジシクロペンテノキシエチル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、その水素添加物、イソボルニル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリロイルモルホリンなどの単官能アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−へプタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、2−ブチン−1,4−ジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサン−1,4−ジメタノールジ(メタ)アクリレート、水素化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、1,5−ペンタンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタンジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニルジ(メタ)アクリレート、その水素添加物、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス−(4−(メタ)アクリロキシプロポキシフェニル)プロパン、2,2−ビス−(4−(メタ)アクリロキシ(2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル)プロパン、ビス−(2−メタアクリロイルオキシエチル)フタレートなどの二官能アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレートなどの多官能アクリレートが挙げられる。また、分子内に少なくとも3個の水酸基を炭素数3〜16までの低分子多価アルコール、あるいは該低分子多価アルコールにε−カプロラクトンなどのラクトン化合物を付加させて鎖延長させたポリオールも使用できる。具体的には、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,2,4−ブタントリオール、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、グリセリン、これらの混合物、およびこれらとε−カプロラクトン、γ−カプロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、γ−ブチロラクトンなどのラクトン化合物との付加物などが例示される。他に、シリケートオリゴマーなどが例示される。
【0038】
本発明の制電性塗料用樹脂組成物を無溶剤塗料、有機溶剤塗料、ハイソリッド型塗料として使用する場合には、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、リチウムトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メタン、およびトリフルオロメタンスルホン酸リチウムから選択された少なくとも1種の化合物を、有機溶媒、重合性モノマー、プレポリマーまたはオリゴマーのいずれかに溶解させて、本発明の制電性塗料用樹脂組成物を製造する。また、水系エマルジョン塗料として使用する場合には、上記リチウム化合物を水に溶解させて、本発明の制電性塗料用樹脂組成物を製造する。また、粉体塗料として用いる場合には、上記リチウム化合物を水、有機溶媒などに樹脂と共に溶解させた後に、溶媒を除去し、粉末化することにより本発明の制電性塗料用樹脂組成物を製造できる。
【0039】
本発明の制電性塗料用樹脂組成物は、用いる樹脂の種類により、溶剤揮発、常温固化、加温固化、縮合、重合など公知の方法により、乾燥、固化または硬化させて、塗膜を形成する。
【0040】
特に、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂などの光硬化性の樹脂を本発明の組成物として用いる場合は、活性エネルギー線、例えば紫外線、可視光線、電子線などの照射によって硬化させることができる。紫外線、可視光線で重合硬化させる場合には光重合開始剤を組成物に含ませることが好ましい。
【0041】
使用できる光重合開始剤は、光重合開始剤として公知のものであればよい。具体的には、ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4'−メチルジフェニルベンゾフェノン、3,3'−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、ジエトキシアセトフェン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパノン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−1−プロパノン、1−ヒドロキシシクロへキシルフェニルケトン、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、カンファーキノン、アントラセン、ベンジル、フェニルメチルグリオキシレートなどが挙げられる。光重合開始剤は、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0042】
さらに、重合速度を向上させるために、光重合開始剤に1種又は2種以上の光反応開始助剤や光増感剤を併用してもよい。具体的には、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノ−ルアミン、4,4'−ジエチルアミノベンゾフェイン、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸−2−ジメチルアミノエチル、ジブチルアミン、トリエチルアミン、トリエチレンテトラミン、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、トリブチルホスフィンなどが挙げられる。
【0043】
更に、本発明の組成物には、染料、顔料、充填剤、シランカップリング剤、接着性改良剤、安定剤、レベリング剤、消泡剤、沈降防止剤、潤滑剤、防錆剤などの添加剤を加えてもよい。
【0044】
本発明の制電性塗料用樹脂組成物の塗布量としては、硬化した塗膜の膜厚が1〜60μm、好ましくは3〜25μm、特に好ましくは5〜15μmである。塗膜の膜厚が1μm未満では、十分な制電性が得られず、60μmを越える場合は、密着性が低下する場合があるので好ましくない。
【実施例】
【0045】
以下、実施例に基づいて、本発明の内容を具体的に説明するが、本発明は実施例により何ら限定されるものではない。
【0046】
なお、各実施例中の部は、重量部を意味する。リチウムイミドは、上記一般式(1)で表されるリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドを意味し、リチウムメタンは、上記一般式(2)で表されるリチウムトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メタンを意味し、リチウムトリフレートは、上記一般式(3)で表されるトリフルオロメタンスルホン酸リチウムを意味する。
【0047】
以下の実施例、比較例において、表面抵抗率および体積抵抗率の測定は、URSプローブ(三菱油化(株)製、ハイレスタUP)およびリング電極(東亜電波工業(株)製、URUTRAMEGOHM METER SM−8218、SM−8301)を用いて、JIS K 6911に準じて行い、印加電圧は、100ボルト、500ボルトで測定した。
【0048】
(実施例1)
【0049】
リチウムイミドを90重量%溶解したアクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル(製法Dで製造、VEEA)溶液を準備する。このリチウムイミドを90重量%溶解したアクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル1.5部と、リチウムイミドを含有しないウレタンアクリレート(NKポリマー−UA−9125、新中村化学工業製)96部とペンタエリスリトールトリアクリレート(ライトアクリレートPE−3A,共栄化学社製)3部とを混合し、次いで、光重合開始剤ベンジルジメチルケタール4部を添加し液状組成物を得た。次に、この組成物を凹部を有する平板状の型に注いだ後、0.5j/cm2相当の紫外線を照射し、注型成型法により、表面が均一で、厚さ2mmの硬化樹脂組成物成形体を得た。この成形体の体積抵抗値は2×108Ω・cmであった。
【0050】
(比較例1)
【0051】
実施例1において、リチウムイミドを溶解しないアクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルを添加した以外は、実施例1と同様にして比較例1の硬化樹脂組成物成形体を得た。その成形体の体積抵抗値は1×1013Ω・cm以上であった。
【0052】
(実施例2)
【0053】
リチウムトリフレートを20重量%溶解したメタクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル(製法Dで製造、VEEM)溶液を準備する。このリチウムトリフレートを20重量%溶解したメタクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル10部と、ウレタンアクリレート(NKポリマー−UK−53H、新中村化学工業製)85部とポリエチレングリコールジアクリレート(NKエステルA−400、新中村化学工業製)5部とを混合し、次いで、ベンゾフェノンとメチルフェニルグリオキシレートとをそれぞれ4部添加した液状組成物を得た。この液状組成物をポリカーボネート樹脂の射出成形板(50mm×50mm×3mm)にスプレー塗布した後、熱風乾燥機(60℃)で3分間乾燥した。この成形板に、高圧水銀灯を用いて積算光量1.5j/cm2(照射時間10秒)で、空気中で紫外線を照射した。硬化被膜9μmの厚さを有する透明なポリカーボネート樹脂板を得た。この樹脂板の表面固有抵抗値は2×109Ω/sqであった。この樹脂板を湿度70%、温度80℃の条件下に1時間放置した後、表面抵抗率を測定した結果、7×1010Ω/sqであった。
【0054】
(比較例2)
【0055】
実施例2において、リチウムトリフレートを溶解しないメタクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルを添加した以外は、実施例2と同様にして比較例2のポリカーボネート樹脂板を得た。この樹脂板の表面抵抗率は、1×1013Ω/sq以上であった
【0056】
(実施例3)
【0057】
エポキシアクリレート5部、トリメチロールプロパントリアクリレート25部、ネオペンチルグリコールジアクリレート20部、アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル(製法Dで製造、VEEA)50部の混合物に、リチウムメタン0.5部を溶解し、さらに、2−メチルー2―ヒドロキシプロピルフェノン4部を添加したものを、ディスク基板上にスピンナによって塗布した後、紫外線硬化させて、制電性塗料用樹脂被覆体を得た。この被覆体の印加電圧8kVの時の帯電圧減衰を測定した。帯電圧400Vで半減期は、0.3秒以下であった。
【0058】
(比較例3)
【0059】
実施例3において、リチウムメタンの代わりに過塩素酸リチウムを溶解した以外は、実施例3と同様にして比較例3の制電性塗料用樹脂被覆体を得た。この被覆体の印加電圧8kVの時の帯電圧減衰を測定した。帯電圧3000Vで半減期は、10秒以上であった。
【0060】
(実施例4)
【0061】
リチウムイミドを2重量%溶解したアクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル(製法Dで製造、VEEA)溶液を準備する。このリチウムイミドを2重量%溶解したアクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル50部と、ポリエチレングリコールジアクリレート(オキシエチレン単位9)47部とMegafac(登録商標)178RM(DIC社製撥水剤)3部を混合し、次いで、ベンゾフェノンとメチルフェニルグリオキシレートとをそれぞれ4部添加した液状組成物を得た。この液状組成物をポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(厚さ40μm)に厚さ6μmになるように塗布した後、UV照射(400mj/cm2,10秒)して、硬化被膜6μmの厚さを有するPETフィルムを得た。このPETフィルム表面抵抗率は5×109Ω/sqであった。このフィルムを湿度70%、温度80℃の条件下に1時間放置した後、表面抵抗率を測定した結果、6×109Ω/sqであった。
【0062】
(実施例5)
【0063】
リチウムイミドを6重量%溶解したアクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル(製法Dで製造、VEEA)溶液を準備する。このリチウムイミドを6重量%溶解したアクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル1.0部と、ウレタンアクリレート(NKポリマーUA−9125、新中村化学工業製)100部とポリエチレングリコールジアクリレート(アロニックス(登録商標)M−260、東亜合成化学製)100部を混合し、次いで、ベンゾフェノンとメチルフェニルグリオキシレートとを、それぞれ4部添加した液状組成物を得た。この液状組成物をポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(厚さ60μm)に、厚さ12μmになるように塗布した後、UV照射(400mj/cm2,10秒)して、硬化被膜12μmの厚さを有するPETフィルムを得た。このフィルムについて、スタチックオネストメータを用いて6kVのコロナ放電により制電気をチャージした後、帯電圧が半分になる時間(半減期)を測定した。このフィルムの半減期は、3秒であった。
【0064】
(比較例4)
【0065】
実施例5において、リチウムイミドを添加しないアクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルを1部添加した以外は、実施例5と同様な条件でPETフィルムに塗布・UV照射を行い、硬化被膜12μmの厚さを有するPETフィルムを得た。このフィルムの半減期は、410秒であった。
【0066】
(実施例6)
【0067】
リチウムトリフレートを70重量%溶解したアクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル(製法Dで製造、VEEM)溶液を準備する。このリチウムトリフレート70重量%を溶解したアクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル90部と、ウレタンアクリレート(NKポリマーUA−9125、新中村化学製)10部とポリエチレングリコールジアクリレート(アロニックス(登録商標)M−260、東亜合成化学製)5部を添加した液状組成物を得た。この液状組成物を実施例2と同等な条件で、ポリカーボネート樹脂の射出成形板上に塗布、硬化し、硬化被覆膜6μmの厚さを有する透明なポリカーボネート樹脂板を得た。この樹脂板の表面抵抗率は、6×107Ω/sqであった。
【0068】
テレビ用パネルとしての液晶パネルは、カラーレジスト組成物の塗布及びパターニングによって作られたカラーフィルタを含む。カラーフィルタの膜厚は、約2μm程度である。カラーレジスト組成物は、アルカリ可溶性ポリマー、光開始剤、光反応性モノマー及び顔料(又は染料)を含む。液晶パネルは周知の如く、電源スイッチのON,OFF時に制電気を発生し、パネル上に埃が付着、蓄積し、画面の線明度を損なう。本発明では、上記カラーレジスト組成物中の上記アルカリ可溶性ポリマー及び/又は光反応性モノマーに、本発明に係る制電性組成物を用いてカラーレジスト組成物を作り、塗布−硬化によるパターニングを行なって、カラーフィルタを作ることにより、湿度などの環境によらない制電性を付与し、上記制電気の発生を半永久的に防止する。
【0069】
今回開示された実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明に係る制電性塗料用樹脂組成物は、家電機器部品、電子機器部品、電子材料製造機器、情報事務機部品、通信機器、ハウジング部品、光学機械部材、自動車用部品、工業用部材、家庭用雑貨品、包装流通部材など、長期間保持して高い制電性を必要とする製品、その他の各種パーツ、パッケイジ、チューブ、被覆フィルム、容器関係などの制電気対策関係に好適に利用することができる。また、カラーフィルタの製造法として、染色法,顔料分散法、電着法、印刷法、蒸着法がある。これらの製造法に本発明に係る制電性塗料用樹脂組成物を適用することができる。制電気の発生を防止して、カラーフィルタの製造工程の改良、カラーフィルタの性能を向上させることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(1)で表されるリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、下記式(2)で表されるリチウムトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メタン、および下記式(3)で表されるトリフルオロメタンスルホン酸リチウムから選択された少なくとも一種の化合物を、
下記一般式(4)で表されるビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステルに溶解させた状態で塗料用樹脂組成物に添加してなる制電性塗料用樹脂組成物。
【化1】

【化2】

【化3】

【化4】

(式中、R1は水素原子又はメチル基を表す。R2は炭素数2〜20の有機残基を表す。R3は水素原子又は炭素数1〜11の有機残基を表す。)
【請求項2】
上記制電性塗料用樹脂組成物中に含まれる塗膜形成成分100部に対して、上記式(1)で表されるリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、上記式(2)で表されるリチウムトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メタン、および上記式(3)で表されるトリフルオロメタンスルホン酸リチウムから選択された少なくとも1種の化合物が0.03部〜60.0部含まれていることを特徴とする請求項1に記載の制電性塗料用樹脂組成物。
【請求項3】
上記制電性塗料用樹脂組成物中に含まれる塗膜形成成分100部に対して、上記式(1)で表されるリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、上記式(2)で表されるリチウムトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メタン、および上記式(3)で表されるトリフルオロメタンスルホン酸リチウムから選択された少なくとも1種の化合物が0.05部〜20.0部含まれていることを特徴とする請求項2に記載の制電性塗料用樹脂組成物。
【請求項4】
下記式(1)で表されるリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、下記式(2)で表されるリチウムトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メタン、および下記式(3)で表されるトリフルオロメタンスルホン酸リチウムから選択された少なくとも1種の化合物を、
下記一般式(4)で表されるビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステルに溶解させた状態で塗料用樹脂組成物に添加する制電性塗料用樹脂組成物の製造方法。
【化1】

【化2】

【化3】

【化4】

(式中、R1は水素原子又はメチル基を表す。R2は炭素数2〜20の有機残基を表す。R3は水素原子又は炭素数1〜11の有機残基を表す。)
【請求項5】
請求項1から3のいずれか1項に記載の制電性塗料用樹脂組成物の塗膜が形成された成形品であり、前記塗膜が制電性を有することを特徴とする成形品。

【公開番号】特開2010−138374(P2010−138374A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−189930(P2009−189930)
【出願日】平成21年8月19日(2009.8.19)
【出願人】(398033921)三光化学工業株式会社 (16)
【出願人】(000004628)株式会社日本触媒 (2,292)
【Fターム(参考)】