説明

券売機

【課題】券売機管理者が券売機の操作盤の表示を確認することなく、釣銭切れや紙幣満杯状態を知ることのできるようにすること。
【解決手段】 釣銭払い出し機能を備えた券売機1において、釣銭枚数が十分な場合に発行される品目チケット7Aには、発行日時7b、品目7c、金額7d、店名7e、電話番号7fが印刷される。釣銭枚数が残り少なくなった後に発行される品目チケット7Bには、これらの印刷情報に加えて、釣銭切れマーク7g、7hがその店側に渡される半券72の部分に印刷される。釣銭切れマーク7g、7hはそれぞれ収納されている100円硬貨、10円硬貨が残り少なくなったことを表す。半券72を受け取った店員はその印刷内容から釣銭切れになることを知ることができ、券売機1の釣銭切れの発生を未然に回避できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作面に配列されている複数の品目ボタンの一つが操作されると、それに対応する食券などの券を発行する券売機に関するものである。更に詳しくは、券売機管理者などに、券売機の釣銭切れや、紙幣収納部が紙幣で満杯になったことを知らせるための改良技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
食券などの品目チケットの券売機には、一般に、その前面の操作面に縦横に複数の品目選択用の品目ボタンが配列されており、各品目ボタンには、品目および金額が印刷された品目ラベルが貼り付け、あるいは装着されている。券購入者は、紙幣あるいは硬貨を投入して、希望する品目ラベルが付されている品目ボタンを操作することにより、品目チケットを購入することができる。このような券売機は例えば下記の特許文献1に開示されている。
【0003】
ここで、券売機の操作面には一般に、投入金額などを表示するための表示部が設けられており、この表示部には釣銭切れランプ、紙幣受付禁止ランプが配置されている。券売機に用意されている釣銭が無くなると釣銭切れランプが点灯し、その旨を券購入者に知らせるようになっている。同様に、紙幣収納部が満杯になると、紙幣受付禁止ランプが点灯して、紙幣が使用できない旨を券購入者に知らせるようになっている。
【特許文献1】特開平10−143685号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように、券購入者は、操作盤に配置されている釣銭切れランプおよび紙幣受付禁止ランプから、釣銭切れや、紙幣が使用できないことを知ることができる。しかしながら、券売機の管理者、例えば、券売機が設置されている食堂などの店員などは、券を購入することは無いので、釣銭切れランプや紙幣受付禁止ランプを確認する機会が少ない。このため、券売機が釣銭切れ状態や紙幣満杯状態のまま放置されて、券購入者が不便を蒙ることが多い。
【0005】
本発明の課題は、この点に鑑みて、券売機管理者が券売機の操作盤の表示を確認することなく、釣銭切れや紙幣満杯状態を知ることのできる券売機、その釣銭収納状態表示方法、その紙幣満杯状態表示方法、および券を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明は釣銭払い出し機能を備えた券売機において、釣銭収納部に収納されている釣銭の収納状態を検出する検出手段と、品目名、金額などの所定の印刷情報と共に、前記検出手段によって検出された釣銭収納状態を表す情報を発行される券に印刷する印刷手段とを有していることを特徴としている。
【0007】
一般に、釣銭払い出しのために、10円、50円、100円などの異なる金種の硬貨が前記釣銭収納部には用意されている。したがって、前記検出手段は金種毎に釣銭収納状態を検出し、前記印刷手段は、発行される券に、金種毎の釣銭収納状態を表す情報を印刷することが望ましい。
【0008】
前記釣銭収納部の収納状態としては、釣銭切れの状態が最も重要である。したがって、前記検出手段として、釣銭が所定枚数以下になったことを検出する釣銭切れ検出手段を配置し、釣銭切れが検出された場合には、前記印刷手段は、発行される券に、釣銭切れマークを印刷することが望ましい。
【0009】
また、紙幣を用いて券売を行うことのできる券売機の場合には、紙幣を収納する紙幣収納部が満杯になったことを検出する満杯検出手段を有し、前記印刷手段は、前記紙幣収納部が満杯になったときには紙幣満杯マークを発行される券に印刷すればよい。
【0010】
次に、本発明は券売機の釣銭収納状態表示方法に関するものであり、本発明の方法は、硬貨が投入され、品目ボタンが操作されると、当該品目ボタンに割り当てられている品目名、金額などの所定情報が印刷された券を発行し、釣銭の払い出しが必要な場合には釣銭収納部から釣銭の払い出しを行い、発行される券に、前記釣銭収納部の釣銭収納状態を表す情報も併せて印刷することを特徴としている。
【0011】
ここで、前記釣銭収納部に収納される各金種の釣銭毎に、前記釣銭収納状態を表す情報を印刷することが望ましい。
【0012】
また、通常は品目名、金額などの券として必要な情報のみを印刷し、釣銭が所定枚数以下になった後にのみ、発行される券に、前記釣銭収納状態を表す情報として釣銭切れマークを印刷することが望ましい。
【0013】
次に、本発明は券売機の紙幣収納状態表示方法に関するものであり、本発明の方法は、紙幣が投入され、品目ボタンが操作されると、当該品目ボタンに割り当てられている品目および/または金額が印刷された券を発行し、投入された前記紙幣を紙幣収納部に収納し、前記紙幣収納部が満杯になった後は、発行される券に、紙幣満杯マークも併せて印刷することを特徴としている。
【0014】
一方、本発明は、釣銭払い出し機能を備えた券売機により発行された券に関するものであり、本発明による券は、品目名および金額と共に、前記券売機の釣銭収納状態を表す情報が印刷されていることを特徴としている。
【0015】
ここで、前記情報は、前記券売機の釣銭切れを表す釣銭切れマークとすることができる。また、金種毎に異なる釣銭切れマークを印刷することが望ましい。さらに、前記券売機の紙幣収納部が満杯であることを表す紙幣満杯マークも印刷することが望ましい。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように、本発明においては、券売機によって発行される券に、釣銭切れなどの釣銭収納状態を表す情報や、紙幣収納部が満杯になったことを表す情報を印刷するようにしている。したがって、食堂などの店員は、券購入者から渡された券を見ることにより、券売機の状態を知ることができる。よって、券売機の表示部を直接に目視により確認することなく、券売機の釣銭切れの発生を事前に知ることができ、また、紙幣の使用禁止状態を知ることができ、迅速に、このような状況に対応できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に、図面を参照して本発明を適用した食券の券売機の一例を説明する。
【0018】
図1(a)は本例の券売機を示す外観斜視図である。この図に示すように、券売機1は、縦長の直方体形状の筐体2を備え、その前面が一方の側端を中心として開閉可能な前面扉3とされており、その後面も一方の側端を中心として開閉可能な裏面扉4とされている。前面扉3の前面は、縦横に長方形の品目ボタン5が30個配列された操作面6となっている。各品目ボタン5を押すと、品目ボタン5に割り当てられている品目を購入するための品目チケット7が発行されるようになっている。操作面6の上側には、紙幣挿入口8、磁気カードの挿入口9、硬貨投入口10、返却レバー11、および金額表示部12が配置されている。また、操作面6の下側には、品目チケット7および釣銭の受取口13および釣銭払い出し用のおつり/精算ボタン14が配置されている。
【0019】
図1(b)に示すように、各品目ボタン5は、わずかに横長の長方形状をしており、その上半部分が品目ラベル表示部5aであり、その下半部分はボタン本体5bである。ボタン本体5bは前方に僅かに突出しており、ここを押すと、品目ボタン5に割り当てられている品目選択信号が発生する。
【0020】
品目ラベル表示部5aは透明なプラスチック素材からなり、その裏面には、着脱可能な状態で品目ラベル8が装着されている。品目ラベル8には、当該品目ボタン5に割り当てられている品目名および金額が印刷されており、品目ラベル表示部5aを透して、目視可能である。各品目ボタン5の品目ラベル表示部5aの背面側には、各品目ラベル表示部5aに対峙するように、発光ダイオードが配列された構成のバックライトパネル(図示せず)が取り付けられており、各品目ボタン5の品目ラベル8が見易くなっている。
【0021】
品目ボタン5のボタン本体5bの中央部分には、横長の長円形の表示部が形成されており、ここには、当該品目ボタン5に割り当てた品目チケットが販売可能であるか否かを表す円形の販売可能ランプの表示部5cと、当該品目チケットが売り切れ状態であることを表すための「売切」文字を表示するための売切れランプの表示部5dが配置されている。これらの表示部5c、5dの背面側には、それぞれ、販売可能ランプおよび売切れ表示ランプが配置されている。
【0022】
図1(c)に示すように、金額表示部12には、投入金額およびエラー状態を表示するための7セグメント表示器からなる表示金額表示/エラー番号表示部12aと、動作中であることを表示する動作中表示部12b、および販売中止中であることを表す販売中止表示部12cが配置されている。また、釣銭切れを表す100円硬貨切れ表示部12dおよび10円硬貨切れ表示部12eと、紙幣の使用ができないことを表す紙幣受付禁止表示部12fとが配列されている。金額表示部12の背面には、これらの表示部12b〜12fを点灯させるためのランプがそれぞれ配置されている。
【0023】
図2(a)は前面扉3を開けて券売機1の内部構成を示す斜視図である。券売機1の筐体2の内部は、仕切り板21によって左右に仕切られている。その一方の側には、上から順に、硬貨識別機22、釣銭が収納されている複数本の収納筒を備えたカセット式の釣銭収納部23および、投入された硬貨がカセット式釣銭収納部23に収納しきれない時の硬貨を収納する補助コインボックス24が取り付けられている。仕切り板21の他方の側には、上側から順に、挿入された磁気カードを読み取るための磁気カードリーダ25、紙幣識別機26、内部設定ユニット27、ロール紙ホルダ28、プリンタ29、および品目チケットおよび釣銭払い出し用のシュート30が配置されている。プリンタ29の下にはオートカッタ31が取り付けられており、ロール紙ホルダ28に装着されたロール紙32から繰り出されて、プリンタ29によって印刷された後の記録紙32aがここで切断されて、一定幅の品目チケット7が作成される。各部の駆動制御は、内部設定ユニット27により行われる。また、券売機1の筐体2の背面側には、各部の動作を司る制御盤33が配置されており、また、ICカードなどからなるバックアップ用のメモリカード34が着脱可能な状態で装着されている。このメモリカード34には、券売機1の履歴情報、売り上げ情報、設定情報などがバックアップされる。
【0024】
図2(b)は内部設定ユニット27の操作部27aを示す平面図である。内部設定ユニット27は、品目ボタンに対する品目名、金額の割り当て、その更新などの各種の設定を行うためのものである。内部設定ユニット27は前面扉3を開けて、筐体内部から引き出して操作することが可能である。また、その操作部27aには、液晶表示部41、各種の動作モードを指定するためのボタン群42、テンキー43などが配列されている。
【0025】
本例における動作モードを指定するためのボタン群42には、運用ボタン44、品目ボタン45、機器ボタン46および保守ボタン47が含まれている。品目ボタン45を押すと、品目および金額の登録、変更等を行う動作モードになり、運用ボタン44を押すと、一日の締めと印刷、売上の印刷、売り切れの設定を行う動作モードになり、機器ボタン46を押すと、時刻設定、品目チケットに印刷される印刷情報の設定などを行う動作モードになり、保守ボタン47を押すと、履歴表示および印刷などを行う動作モードになる。本例では、機器ボタン46を操作して食券情報設定モードを選択すると、食券の種類、店名/電話番号と共に、釣銭切れマークの印刷の有無を設定可能となっている。
【0026】
図3は、券売機1の制御系を示す概略構成図である。制御盤33はマイクロコンピュータを中心に構成され、CPU、ROMおよびRAMを備えており、ROM内に格納されている制御プログラムを実行することにより、プリンタ29を駆動して品目チケット7を作成する印刷手段として機能する。また、上記のように、内部制御ユニット27の操作部27aからの入力に基づき、各品目ボタン5に対して品目および金額を割り当てる登録動作、割り当てられている品目および/または金額を変更する変更動作などを行う。
【0027】
制御盤33には、各品目ボタン5の番号と、品目および金額とが対応付けされた対応テーブル51が記憶保持された記憶部52が接続されている。券売機1の操作面6に配列されている品目ボタン5の一つが操作されると、操作された品目ボタン5に割り当てられているボタン番号が制御盤33に入力される。制御盤33は、紙幣識別機26、硬貨識別機22あるいはカードリーダ25から必要額の入金があったことを確認すると、ボタン番号から対応テーブル51を検索して、操作された品目ボタン5に割り当てられている品目および金額情報を検索出力する。そして、プリンタ29を駆動して、品目および金額を搬送される記録紙32aに印刷し、オートカッタ31を駆動して印刷後の記録紙部分を幅方向に切断して、品目チケット7を作成する。作成された品目チケット7は受取口13から購入者に発行される。
【0028】
ここで、釣銭収納部23は、各金種の硬貨を収納する複数の収納筒を備えている。本例では、500円硬貨を収納する収納筒23a、100円硬貨を収納する収納筒23b、10円硬貨を収納する収納筒23cおよび50円硬貨を収納する収納筒23dが備わっている。また、収納筒23b、23cには、収納されている100円、10円硬貨のそれぞれが、所定枚数以下になったこと(ニアエンド)、および無くなったこと(リアルエンド)を検出するための釣銭切れセンサ61、62が取付けられており、これらのセンサ出力が内部設定ユニット27に入力されるようになっている。
【0029】
本例では、100円、10円硬貨がそれぞれ10枚以下になったときに、釣銭切れが間近であることを表すニアエンド検出信号が釣銭切れセンサ61、62から出力される。また、釣銭が無くなったことを検出すると、リアルエンド検出信号が出力される。釣銭切れセンサ61からリアルエンド検出信号が発生すると、操作面6の金額表示部12の100円硬貨切れ表示部12dが点灯して、釣銭切れ状態が表示される。また、釣銭切れセンサ62からリアルエンド検出信号が発生すると、金額表示部12の10円硬貨切れ表示部12eが点灯して、その旨が表示される。
【0030】
また、制御盤33には、紙幣識別機26に内蔵されている紙幣収納部が満杯になったことを検出する紙幣満杯センサ63が接続されている。紙幣満杯センサ63により紙幣収納部が満杯であることが検出されると、金額表示部12の紙幣受付禁止表示部12fが点灯して、紙幣が使用できないことを表示する。
【0031】
図4は、本例の券売機1の発券動作を示す概略フローチャートである。入金待ちの状態にある券売機1に入金があると、硬貨識別機22あるいは紙幣識別機26によって、投入された硬貨、紙幣が識別され、投入金額が算出される。投入金額は金額表示部12に表示され、販売可能な品目チケット7の品目ボタン5における販売可能表示部5cが点灯する(ステップST1、2)。購入者が品目ボタン5の一つを操作すると(ステップST3)、操作された品目ボタン5に割り当てられている品目を表す選択信号が発生して制御盤33に入力される。制御盤33では、選択信号に基づき、記憶部52のテーブル51から選択された品目および金額を検索し、プリンタ29を駆動して当該品目および金額を記録紙32aに印刷する(ステップST5)。印刷後の記録紙32aの先頭部分は所定長さでオートカッタ31により切断されて、品目チケット7として受取口13から発行される(ステップST7)。釣銭の払い出しの必要がある場合には、釣銭収納部23から釣銭額に相当する硬貨を払い出して受取口13に放出する(ステップST8)。
【0032】
ここで、釣銭収納部23における100円および10円の釣銭収納筒23b、23cに収納されている硬貨枚数が10枚以上の場合には、釣銭切れセンサ61、62からの検出出力は無い。よって、この場合には、発行される品目チケット7には品目名と金額が印刷される。図5(a)は発行された品目チケットの一例を示してある。図示の品目チケット7Aは中央のミシン目7aで切り離し可能なものであり、ミシン目7aで切り離し可能な左右の半券部分71、72には、それぞれ、発行の日時7b、品目名7cおよび金額7dが印刷されている。また、発行店の店名7eおよび電話番号7fも印刷されている。
【0033】
しかるに、釣銭収納部23における100円釣銭収納筒23bあるいは10円釣銭収納筒23cに収納されている硬貨枚数が10枚未満になると、釣銭切れセンサ61、62からニアエンド検出信号が出力される。制御盤33は、この検出信号が入力されると、以後の発券時には、上記の印刷情報に加えて、100円硬貨あるいは10円硬貨の釣銭が残り少なくなった旨を表す釣銭切れマークも併せて印刷する(図4のステップST4、ST6)。
【0034】
図5(b)には、10円および100円の双方の硬貨の収納枚数が10枚未満になった後において発行された品目チケットの例を示してある。図示の品目チケット7Bには、図5(a)に示す印刷情報が印刷されていると共に、店側に渡る半券72における発行日時7bの側方部分に、100円硬貨が残り少なくなった旨を表す釣銭切れマーク7g(−)と、10円硬貨が残り少なくなった旨を表す釣銭切れマーク7h(*)が印刷される。したがって、店員などの券売機1の管理担当者は、当該半券72に釣銭切れマーク7g、7hが印刷されていることから、100円硬貨あるいは10円硬貨の収納枚数が残り少なくなって釣銭切れ状態が近いことを知ることができる。100円硬貨のみが10枚未満になった場合には釣銭切れマーク7gのみが印刷され、10円硬貨のみが10枚未満になった場合には釣銭切れマーク7hのみが印刷される。
【0035】
したがって、半券72を見て、釣銭が完全に無くなる前に、釣銭を釣銭収納部23に補給することができる。よって、従来とは異なり、券売機1の釣銭切れ状態の発生を未然に回避することが可能になる。
【0036】
なお、100円硬貨、10円硬貨の残り枚数が零になると、釣銭切れセンサ61、62からはリアルエンド検出信号が出力される。制御盤33は、これらの信号を受け取ると、操作面6の金額表示部12における100円硬貨切れ表示部12d、10円硬貨切れ表示部12eを点灯して、釣銭切れである旨を券購入者に知らせる。
【0037】
収納筒23a〜23dに硬貨が補充されて10枚以上になった場合には、釣銭切れセンサ61、62からの出力が止み、発行される品目チケット7には釣銭切れマーク7g、7hが印刷されなくなる。また、100円硬貨切れ表示部12dおよび10円硬貨切れ表示部12eも消灯する。
【0038】
(その他の実施の形態)
上記の例において、紙幣識別機26の紙幣収納部が満杯になったことが紙幣満杯センサ63によって検出された場合にも、その旨を表す紙幣満杯マークを、品目チケット7における店側に渡る半券72に印刷してもよい。このようにすれば、店員などが、券売機1が紙幣を使用できない状態になっていることを半券72から知ることができ、紙幣の回収作業を迅速に行うことができる。
【0039】
また、上記の例において、コインボックス24にも満杯センサを取り付けておき、コインボックス24が満杯になった場合にも、それを表すマークを発行される品目チケット7に印刷するようにしてもよい。
【0040】
次に、上記の例は食券の券売機に本発明を適用した例であるが、食券以外の各種商品の券売機に本発明を同様に適用できることは勿論である。また、発行される券としては、ミシン目によって半券に切り離し可能な構造のものの他、各種の形式、構造の券であってもよい。さらに、釣銭切れ状態を表す印刷情報、紙幣満杯状態を表す印刷情報としては、マーク、文字、数字など各種の印刷形態のものを採用できる。
【0041】
また、上記の例では、釣銭が残り少なくなった後に、その旨を品目チケットに印刷している。これと共に、収納筒における硬貨の収納状態を表す情報を印刷するようにしてもよい。例えば、収納枚数が適正量の間はその旨を表す情報を印刷し、収納枚数が所定枚数以下になった場合にはその旨を表す情報を印刷するようにしてよい。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明を適用した券売機の一例を示す外観斜視図、品目ボタンの説明図、および金額表示部の説明図である。
【図2】図1の券売機の内部を示す斜視図、内部設定ユニットの操作面の説明図である。
【図3】図1の券売機の制御系を示す概略構成図である。
【図4】図1の券売機の動作を示す概略フローチャートである。
【図5】通常状態で発行される品目チケットおよび、釣銭切れ間近の状態で発行される品目チケットの各例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0043】
1 券売機
2 筐体
3 前面扉
5 品目ボタン
6 操作面
7、7A、7B 品目チケット
71、72 半券
7a ミシン目
7b 日時
7c 品目
7d 金額
7e 店名
7f 電話番号
7g,7h 釣銭切れマーク
8 品目ラベル
12 金額表示部
12d 100円硬貨切れ表示部
12e 10円硬貨切れ表示部
22 硬貨識別機
23 釣銭収納部
23a〜23d 釣銭収納筒
24 コインボックス
26 紙幣識別機
27 内部設定ユニット
27a 操作部
29 プリンタ
31 オートカッタ
33 制御盤
34 バックアップ用メモリカード
51 テーブル
52 記憶部
61、62 釣銭切れセンサ
63 紙幣満杯センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
釣銭払い出し機能を備えた券売機において、
釣銭収納部に収納されている釣銭の収納状態を検出する検出手段と、
品目名、金額などの所定の印刷情報と共に、前記検出手段によって検出された釣銭収納状態を表す情報を発行される券に印刷する印刷手段とを有していることを特徴とする券売機。
【請求項2】
請求項1において、
前記釣銭収納部には異なる金種の釣銭が収納されており、
前記検出手段は金種毎に釣銭収納状態を検出し、
前記印刷手段は、発行される券に、金種毎の釣銭収納状態を表す情報を印刷することを特徴とする券売機。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記検出手段は、釣銭が所定枚数以下になったことを検出する釣銭切れ検出手段であり、
前記印刷手段は、発行される券に、前記釣銭収納状態を表す情報として釣銭切れマークを印刷することを特徴とする券売機。
【請求項4】
請求項1、2または3において、
投入された紙幣を収納する紙幣収納部と、
前記紙幣収納部が満杯になったことを検出する満杯検出手段とを有し、
前記印刷手段は、前記紙幣収納部が満杯になったときには紙幣満杯マークを発行される券に印刷することを特徴とする券売機。
【請求項5】
硬貨が投入され、品目ボタンが操作されると、当該品目ボタンに割り当てられている品目名、金額などの所定情報が印刷された券を発行し、
釣銭の払い出しが必要な場合には釣銭収納部から釣銭の払い出しを行い、
発行される券に、前記釣銭収納部の釣銭収納状態を表す情報も併せて印刷することを特徴とする券売機の釣銭収納状態表示方法。
【請求項6】
請求項5において、
前記釣銭収納部に収納される各金種の釣銭毎に、前記釣銭収納状態を表す情報を印刷することを特徴とする券売機の釣銭収納状態表示方法。
【請求項7】
請求項6において、
釣銭が所定枚数以下になった後にのみ、発行される券に、前記釣銭収納状態を表す情報として釣銭切れマークを印刷することを特徴とする券売機の釣銭収納状態表示方法。
【請求項8】
紙幣が投入され、品目ボタンが操作されると、当該品目ボタンに割り当てられている品目および/または金額が印刷された券を発行し、
投入された前記紙幣を紙幣収納部に収納し、
前記紙幣収納部が満杯になった後は、発行される券に、紙幣満杯マークも併せて印刷することを特徴とする券売機の紙幣収納状態表示方法。
【請求項9】
釣銭払い出し機能を備えた券売機により発行された券であって、
品目名および金額と共に、前記券売機の釣銭収納状態を表す情報が印刷されていることを特徴とする券。
【請求項10】
請求項9において、
前記情報は、前記券売機の釣銭切れを表す釣銭切れマークであることを特徴とする券。
【請求項11】
請求項10において、
金種毎に異なる釣銭切れマークが印刷されていることを特徴とする券。
【請求項12】
請求項9、10または11において、
前記券売機の紙幣収納部が満杯であることを表す紙幣満杯マークが印刷されていることを特徴とする券。
【請求項13】
紙幣収納部を備えた券売機により発行された券であって、
品目名および金額と共に、前記紙幣収納部が満杯であることを表す紙幣満杯マークが印刷されていることを特徴とする券。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−134197(P2006−134197A)
【公開日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−324582(P2004−324582)
【出願日】平成16年11月9日(2004.11.9)
【出願人】(000128946)マミヤ・オーピー株式会社 (122)