説明

券媒体及び券媒体処理装置

【課題】読取率を向上することが可能な二次元コードを有する券媒体、及び、この券媒体を処理する券媒体処理装置を提供する。
【解決手段】 本実施形態によれば、改札処理に必要な改札情報の入力を受け付ける入力手段と、前記入力手段により入力された改札情報に基づいた基本二次元コードを作成する二次元コード作成手段と、前記二次元コード作成手段により作成された前記基本二次元コードを原券媒体に印刷する印刷手段と、を備え、前記印刷手段は、前記原券媒体の少なくとも一方の面に、同一の前記基本二次元コードを複数個印刷することを特徴とする券媒体処理装置が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、券媒体及び券媒体処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、改札処理の省力化を目的として、改札機が導入されている。この改札機は、利用者が駅構内や遊戯施設などの施設内に入場する場合や、施設内から出場する場合などに、入場券や乗車券などの券媒体の改札情報に基づいて入場処理または出場処理といった改札処理を行う。
【0003】
このような改札機を利用するための券媒体としては、改札情報を磁気情報として記録した磁気式の券媒体や、改札情報を記憶したメモリを有し改札機との間で無線通信が可能な券媒体(ICチップを内蔵したICカードや携帯端末機器などを含む)などが実用化されている。
【0004】
また、近年では、券媒体として、二次元コードからなる券情報を有する携帯端末機器、二次元コードが印刷された媒体を利用し、入出場処理等を行う券情報処理システムが提案されている。特に、紙などの原券媒体に二次元コードを印刷して券媒体として運用することを想定した場合、二次元コードを印刷する際の不具合、印刷された二次元コードの汚染、あるいは、券媒体を所持している利用者の手(あるいは指)が二次元コードを覆ってしまったことなどに起因した二次元コードの読取機構側での読取率の低下の対策が要求される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−59249号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本実施形態の目的は、読取率を向上することが可能な二次元コードを有する券媒体、及び、この券媒体を処理する券媒体処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本実施形態によれば、
改札処理に必要な改札情報の入力を受け付ける入力手段と、前記入力手段により入力された改札情報に基づいた基本二次元コードを作成する二次元コード作成手段と、前記二次元コード作成手段により作成された前記基本二次元コードを原券媒体に印刷する印刷手段と、を備え、前記印刷手段は、前記原券媒体の少なくとも一方の面に、同一の前記基本二次元コードを複数個印刷することを特徴とする券媒体処理装置が提供される。
【0008】
本実施形態によれば、
改札処理に必要な改札情報に基づいた同一の基本二次元コードが原券媒体の一方の面に複数個印刷された券媒体を処理する券媒体処理装置であって、前記券媒体から少なくとも1個の基本二次元コードを読み取る読取手段と、前記読取手段により読み取られた前記基本二次元コードをデコードするデコード手段と、前記デコード手段により前記基本二次元コードからデコードされた改札情報に基づいて改札処理を行う改札手段と、を備えたことを特徴とする券媒体処理装置が提供される。
【0009】
本実施形態によれば、
原券媒体と、前記原券媒体に印刷され、改札処理に必要な改札情報に基づいた基本二次元コードと、を備え、前記原券媒体の少なくとも一方の面には、同一の前記基本二次元コードが複数個印刷されたことを特徴とする券媒体が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、本実施形態における券媒体の一例を概略的に示す図である。
【図2】図2は、本実施形態における券媒体の他の例を概略的に示す図である。
【図3】図3は、本実施形態における券媒体の他の例を概略的に示す図である。
【図4】図4は、本実施形態における券媒体の他の例を概略的に示す図である。
【図5】図5は、本実施形態における券媒体の他の例を概略的に示す図である。
【図6】図6は、本実施形態における券媒体処理装置の一例である券売機の構成を概略的に示すブロック図である。
【図7】図7は、図6に示した券売機における券媒体の発行業務を説明するためのフローチャートである。
【図8】図8は、本実施形態における券媒体処理装置の他の例である改札機の構成を概略的に示すブロック図である。
【図9】図9は、図8に示した改札機における券媒体を用いた改札処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図において、同一又は類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
【0012】
図1は、本実施形態における券媒体Tの一例を概略的に示す図である。
【0013】
すなわち、券媒体Tは、原券媒体50と、改札処理に必要な改札情報に対応した券面情報51と、上記の改札情報に基づいた基本二次元コード52と、を備えた構成である。なお、ここでは、券媒体Tが乗車券である場合について説明するが、本実施形態の券媒体Tは、乗車券に限らず、遊戯施設などの施設内への入場に利用される入場券などであっても良い。
【0014】
原券媒体50は、例えば、紙によって形成された券紙やプラスチック製のカードなどである。図示した例では、原券媒体50は、略長方形状に形成されているが、その形状について特に制限はない。なお、この原券媒体50には、予め各種模様等がプレ印刷されていても良い。
【0015】
券面情報51は、例えば、黒色インクや赤色インクなどの可視インクによって原券媒体50に印刷されている(原券媒体50が感熱紙である場合には、券面情報51は、加熱されることによって発色するインクによって印刷される)。図示した例のように、券媒体Tが乗車券である場合には、券面情報51には、発駅、運賃(区数金額)、有効期限などが含まれる。また、この券面情報51には、発行駅、券売機番号、発行日時、着駅、券媒体T固有の識別情報(ID)などの各種情報が含まれていても良い。
【0016】
基本二次元コード52は、原券媒体50に印刷されている。この基本二次元コード52には、券面情報51と同様に、改札処理に必要な最小限の改札情報、例えば、乗車券として必要な発駅、区数金額、有効期限などの各種情報がエンコードされている。なお、基本二次元コード52には、さらに、券媒体T固有の識別情報(ID)がエンコードされていても良い。このような基本二次元コード52には、正誤を判定するためのチェックコードが含まれている。
【0017】
このような基本二次元コード52は、原券媒体50の少なくとも一方の面に、複数個印刷されている。印刷された複数個の基本二次元コード52は、すべて同一であり、いずれも同一の改札情報に基づいたものである。図示した例では、原券媒体50の同一面上に3個の同一の基本二次元コード52が印刷されている。
【0018】
また、この券媒体Tは、券媒体を発行する発行業務において生成される発行情報及び券媒体Tを識別するための識別情報に基づいた詳細二次元コード53を備えている。この詳細二次元コード53には、発行情報として、当該券媒体Tを発行した発行駅、券売機番号、発行日時などの各種情報がエンコードされているとともに、識別情報として、券媒体T固有の識別情報(ID)がエンコードされている。このような詳細二次元コード53には、正誤を判定するためのチェックコードが含まれている。
【0019】
このような詳細二次元コード53は、原券媒体50の少なくとも一方の面に、複数個印刷されている。印刷された複数個の詳細二次元コード53は、すべて同一であり、いずれも同一の発行情報及び同一の識別情報に基づいたものである。図示した例では、原券媒体50の同一面上に3個の同一の詳細二次元コード53が印刷されている。
【0020】
基本二次元コード52及び詳細二次元コード53は、原券媒体50の同一面に印刷されている。なお、これらの基本二次元コード52及び詳細二次元コード53は、できるだけ近接して配置されていることが望ましい。これにより、後述する券媒体処理装置側の読取機構において、これらの2種類の二次元コードを読み取る場合に、小さな読取エリアでも一度の読取動作でこれらの2種類の二次元コードを読み取ることが可能となる。
【0021】
図2は、本実施形態における券媒体Tの他の例を概略的に示す図である。
図2に示した例の券媒体Tでは、基本二次元コード52は、詳細二次元コード53よりも小さいサイズの形状を有している点で、図1に示した例の券媒体Tと相違している。ここでのサイズとは、基本二次元コード52及び詳細二次元コード53のそれぞれの一辺の長さあるいはそれぞれの面積である。
【0022】
すなわち、基本二次元コード52及び詳細二次元コード53は、例えば、いずれも略正方形状である。基本二次元コード52の一辺の長さは、詳細二次元コード53の一辺の長さよりも短い。また、基本二次元コード52が形成される面積は、詳細二次元コード53が形成される面積よりも小さい。なお、ここに示した例では、3個の同一の基本二次元コード52は同一サイズであり、また、3個の同一の詳細二次元コード53は同一サイズであり、しかも、これらの基本二次元コード52及び詳細二次元コード53がそれぞれ原券媒体50の同一面に印刷されている。
【0023】
これらの基本二次元コード52と詳細二次元コード53とで情報量を比較すると、詳細二次元コード53の情報量の方が基本二次元コード52の情報量よりも多い場合がある。つまり、比較的情報量の多い発行情報や識別情報などに基づいた詳細二次元コード53のサイズに対して、比較的情報量の少ない改札情報に基づいた基本二次元コード52のサイズは詳細二次元コード53のサイズよりも小さくすることが可能である。
【0024】
図3は、本実施形態における券媒体Tの他の例を概略的に示す図である。
図3に示した例の券媒体Tにおいて、原券媒体50の同一面には、詳細二次元コード53よりも多くの個数の基本二次元コード52が印刷されている点で、図2に示した例の券媒体Tと相違している。図2に示した例で説明したように、基本二次元コード52の情報量は詳細二次元コード53の情報量よりも少ない場合があり、この場合には、基本二次元コード52のサイズは、詳細二次元コード53のサイズより小さくすることが可能である。このため、単位面積当たり、基本二次元コード52が印刷可能な個数は、詳細二次元コードが印刷可能な個数より多くすることが可能である。
【0025】
図示した例では、2個の同一の詳細二次元コード53が原券媒体50に印刷されているのに対して、これらの詳細二次元コード53が印刷された面と同一面において、3個の同一の基本二次元コード52が原券媒体50に印刷されている。なお、ここでは、基本二次元コード52のサイズは、詳細二次元コード53のサイズよりも小さい。
【0026】
図4は、本実施形態における券媒体Tの他の例を概略的に示す図である。
図4に示した例の券媒体Tにおいて、原券媒体50の一端側に利用者の所持位置を示すマーク54が印刷されているとともに、このマークとは反対の原券媒体50の他端側に基本二次元コード52が印刷されている点で、図1乃至図3に示した例の券媒体Tと相違している。
【0027】
図示した例では、原券媒体50は長方形状であり、一方の短辺S1に近接する側が原券媒体50の一端側に相当し、他方の短辺S2に近接する側が原券媒体50の他端側に相当する。このため、マーク54は短辺S1に近接する側に印刷されており、基本二次元コード52は短辺S2に近接する側に印刷されている。なお、詳細二次元コード53も同様に、短辺S2に近接する側に印刷されている。マーク54のパターンについては特に制限はなく、利用者に対して所持位置であることが案内できるようなパターンであれば良く、例えば、「こちらを持って券媒体をかざしてください」などのメッセージが印刷されていてもよい。
【0028】
図1乃至図4に示した例の券媒体Tでは、基本二次元コード52及び詳細二次元コード53が原券媒体50の一方の面に印刷されていたが、この例に限らない。
【0029】
図5は、本実施形態における券媒体Tの他の例を概略的に示す図である。
図5に示した例の券媒体Tでは、原券媒体50の両面に、複数個の同一の基本二次元コード52、及び、複数個の同一の詳細二次元コード53がそれぞれ印刷されている点で、図1乃至図4に示した例と相違している。すなわち、原券媒体50の一方の面(あるいは表面)50Aには、券面情報51、複数個の同一の基本二次元コード52、及び、複数個の同一の詳細二次元コード53が印刷されている。また、原券媒体50の他方の面(あるいは裏面)には、複数個の同一の基本二次元コード52、及び、複数個の同一の詳細二次元コード53が印刷されている。
【0030】
原券媒体50の両面にそれぞれ印刷される基本二次元コード52のサイズは詳細二次元コード53のサイズより小さくても良いし、基本二次元コード52の個数が詳細二次元コード53の個数より多くても良いし、利用者の所持位置を示すマーク54が原券媒体50の両面に印刷されていても良い。
【0031】
なお、上記の券媒体Tにおいて、複数個の基本二次元コード52が印刷される位置、及び、複数個の詳細二次元コード53が印刷される位置については特に制限はない。利用者が券媒体を所持する場合、利用者の手(あるいは指)によって種々の券媒体Tの持ち方があり得るが、いずれの持ち方であっても、利用者が券媒体Tを読取機構にかざした際に、少なくとも1個の基本二次元コード52、場合によっては少なくとも1個の詳細二次元コードが利用者の手によって隠されることがないように、複数個の基本二次元コード52及び複数個の詳細二次元コード53がレイアウトされていればよい。
【0032】
上記のような構成の券媒体Tによれば、原券媒体50の少なくとも一方の面に、同一の基本二次元コード52が複数個印刷されているため、券媒体処理装置側の読取機構において改札処理の際に正しく読み取ることが要求される基本二次元コード52の読取率を向上することが可能となる。
【0033】
具体的には、例え原券媒体50に基本二次元コード52を印刷する際の不具合によって一部の基本二次元コード52がかすれたり判読不能となったりしても、複数個印刷された基本二次元コード52のうちの少なくとも1個の基本二次元コード52は正常に印刷される可能性が高くなる。このため、読取機構における基本二次元コード52の読取率を向上することが可能となる。
【0034】
また、例え一部の基本二次元コード52が汚染されて判読不能となったとしても、複数個印刷された基本二次元コード52のうちの少なくとも1個の基本二次元コード52は汚染されることなく正常に判読できる可能性が高くなる。このため、読取機構における基本二次元コード52の読取率を向上することが可能となる。
【0035】
さらに、例え券媒体Tを所持している利用者の手などによって一部の基本二次元コード52が覆われてしまったとしても、複数個印刷された基本二次元コード52のうちの少なくとも1個の基本二次元コード52は手などによって覆われることなく正常に判読できる可能性が高くなる。このため、読取機構における基本二次元コード52の読取率を向上することが可能となる。また、利用者が券媒体Tの持ち方を意識することなく券媒体Tを読取機構にかざした場合であっても、少なくとも1個の基本二次元コード52を読み取り可能となる可能性が高くなる。このため、利用者に対する利便性を向上することが可能となる。
【0036】
なお、読取機構において、基本二次元コード52のみならず詳細二次元コードを読み取ることが要求される場合には、原券媒体50の少なくとも一方の面に、同一の詳細二次元コード53が複数個印刷されているため、読取機構における詳細二次元コード53の読取率を向上することが可能となる。
【0037】
また、図2に示した例のように、情報量に応じて原券媒体50に印刷される二次元コードのサイズを変更することも可能である。例えば、比較的情報量の少ない基本二次元コード52のサイズは、比較的情報量の多い詳細二次元コード53のサイズよりも小さくする形成することが可能である。
【0038】
また、図3に示した例のように、改札処理の際に正しく読み取ることが必要な基本二次元コード52の印刷個数は、詳細二次元コード53の印刷個数よりも多くすることが可能である。特に、図2に示した例のように、基本二次元コード52のサイズを小さく形成することが可能な場合には、より多くの個数の基本二次元コード52を原券媒体50に印刷することが可能となる。このため、読取機構における基本二次元コード52の読取率をさらに向上することが可能となる。
【0039】
また、図4に示した例のように、利用者の所持位置を示すマーク54が原券媒体50の一端側に印刷され、基本二次元コード52が原券媒体50の他端側に印刷されることにより、基本二次元コード52を読取機構に向けてかざしやすくすることが可能である。このため、読取機構における基本二次元コード52の読取率をさらに向上することが可能となる。
【0040】
また、図5に示した例のように、基本二次元コード52が原券媒体50の両面に印刷されることにより、利用者が券媒体Tの持ち方を意識することなく券媒体Tを読取機構にかざした場合であっても、少なくとも1個の基本二次元コード52を読み取り可能となる可能性が高くなり、利用者に対する利便性を向上することが可能となるとともに、読取機構における基本二次元コード52の読取率を向上することが可能となる。
【0041】
次に、本実施形態における券媒体処理装置について説明する。ここでは、券媒体処理装置の一例として券売機及び改札機について説明するとともに、券媒体処理方法の一例として券売機における券媒体Tの発行方法及び改札機における券媒体Tを利用した改札処理について説明する。
【0042】
図6は、本実施形態における券媒体処理装置の一例である券売機2の構成を概略的に示すブロック図である。
【0043】
すなわち、券売機2は、利用者の操作に応じて券媒体Tを発行する発行業務を行う。より具体的には、券売機2は、施設内への入場券、普通乗車券、定期乗車券、回数乗車券、団体乗車券などの各種乗車券、特急券などの各種券媒体Tを発行する。なお、詳述しないが、券売機2には、券媒体Tの改札情報に基づいて利用額の不足分を精算し、精算券を発行する精算機も含まれる。
【0044】
すなわち、券売機2は、制御部21、通信部22、メモリ23、表示部24、入力手段として機能する操作部25、音声出力部26、金額処理部27、搬送部28、二次元コード作成手段として機能する二次元コード作成部29、印刷手段として機能する印刷部30などを備えている。
【0045】
制御部21は、券媒体Tの発行に際して券売機2を構成する各部の制御を行うものである。通信部22は、上位のホストコンピュータなどとの間で通信を行うインターフェースである。メモリ23は、券売機2の制御に必要な制御データや、各種券媒体Tを発行する発行業務を行うのに必要な各種データなどを記憶している。
【0046】
表示部24は、液晶表示器などで構成されている。この表示部24は、制御部21による制御に基づいて、券売機2を利用する利用者に対して券媒体Tの発行業務に必要な各種操作を案内する画面や、発行する券媒体Tの内容などの種々の情報を案内する画面などを表示する。
【0047】
操作部25は、各種ボタンや、接触を検知したのに基づいて対応する情報を出力するタッチパネルなどで構成されている。この操作部25は、制御部21による制御に基づいて、利用者による各種操作の入力を受け付けるものであり、その少なくとも一部は改札処理に必要な改札情報の入力を受け付ける。より具体的には、操作部25は、券面情報51や基本二次元コード52を生成するために必要な改札情報、例えば、券媒体Tが乗車券である場合には運賃(区数金額)などの情報の入力を受け付けたりする。表示部24及び操作部25の少なくとも一部は、例えば、タッチパネル内蔵の液晶表示器などで構成されている。
【0048】
音声出力部26は、制御部21による制御に基づいて、券売機2を利用する利用者に対して券媒体Tの発行業務に必要な各種操作を案内する音声や、発行する券媒体Tの内容などの種々の情報を案内する音声などを図示しないスピーカーから出力する。金額処理部27は、制御部21による制御に基づいて、利用者によって投入された現金あるいは金額カード(すなわちストアードフェアカードやクレジットカードなど)の金額を処理する。
【0049】
搬送部28は、制御部21による制御に基づいて、券媒体Tとなる原券媒体50を収容している収容部28Aから原券媒体50を取り出し、印刷部30に向けて原券媒体50を搬送し、排出部28Bから券媒体Tを排出する。収容部28Aに収容されている原券媒体50は、券面情報51、基本二次元コード52、及び、詳細二次元コード53のいずれも印刷されていないものである。排出部28Bから排出される券媒体Tは、少なくとも券面情報51及び二次元コード52が印刷済みのものであり、さらに、これらに加えて詳細二次元コード53が印刷済みのものである場合もある。
【0050】
二次元コード作成部29は、制御部21による制御に基づいて、操作部25により入力された改札情報に基づいて基本二次元コード52を作成する。ここでは、二次元コード作成部29は、例えば、操作部25を介して入力された情報、例えば、区数金額の他に、発駅(通常は当該券売機2が設置された駅に相当する)、有効期限などの各種情報、さらに場合によっては券媒体固有の識別情報をエンコードすることによって改札情報に対応した基本二次元コード52を作成する。
【0051】
また、この二次元コード作成部29は、制御部21による制御に基づいて、券媒体Tを発行する発行業務において生成される発行情報及び券媒体Tを識別するための識別情報に基づいた詳細二次元コード53を作成する場合もある。この場合、二次元コード作成部29は、1回の券媒体Tの発行業務において操作部25を介して入力された情報とは別に、発行情報として、当該券媒体Tを発行した発行駅(つまり、当該券売機2が設置された駅)、券売機番号、発行日時などの各種情報をエンコードするとともに、識別情報として、券媒体T固有の識別情報(ID)をエンコードすることによって、発行情報及び識別情報に対応した詳細二次元コード53を作成する。
【0052】
このような二次元コード作成部29は、1回の券媒体Tの発行業務において、基本二次元コード52及び詳細二次元コード53を作成する際、情報量に応じて基本二次元コード52のサイズ及び詳細二次元コード53のサイズを変更する場合がある。具体的には、二次元コード作成部29は、作成した詳細二次元コード53よりも小さいサイズの形状を有する基本二次元コード52を作成する。
【0053】
印刷部30は、制御部21による制御に基づいて、搬送部28により搬送された原券媒体50に対して、各種情報を印刷する。すなわち、印刷部30は、二次元コード作成部29により作成された基本二次元コード52を、搬送部28により搬送された原券媒体50に印刷する。このとき、印刷部30は、原券媒体50の少なくとも一方の面に、同一の基本二次元コード52を複数個印刷する。また、印刷部30は、当該原券媒体50に対して、改札情報に対応した券面情報(発駅、運賃(区数金額)、有効期限などの各種情報)51を印刷する。
【0054】
また、印刷部30は、二次元コード作成部29により詳細二次元コード53が作成された際には、制御部21による制御に基づいて、当該詳細二次元コード53を原券媒体50に印刷する場合もある。このとき、印刷部30は、原券媒体50の少なくとも一方の面に、同一の詳細二次元コード53を複数個印刷する。
【0055】
このような印刷部30は、原券媒体50に基本二次元コード52及び詳細二次元コード53を印刷する際、原券媒体50の同一面に詳細二次元コード53よりも多くの個数の基本二次元コード52を印刷する場合もある。特に、二次元コード作成部29が詳細二次元コード53よりも小さいサイズの形状を有する基本二次元コード52を作成した場合には、印刷部30は、詳細二次元コード53の個数よりも多くの個数の基本二次元コード52を印刷しても良い。
【0056】
また、このような印刷部30は、図示しないが、原券媒体50の一端側に所持位置を示すマーク54を印刷するとともに、当該マーク54とは反対の原券媒体50の他端側に基本二次元コード52を印刷する場合もある。
【0057】
以下に、上述した券媒体Tの発行業務について図7を参照しながら券売機2の各部の動作とともに簡単に説明する。
【0058】
まず、制御部21は、操作部25を介した券媒体Tの発行指示の入力や改札情報の入力を受け付け、且つ、金額処理部27を制御して券媒体Tを発行するのに必要な対価に相当する金額を処理したのに基づいて、当該券媒体Tの発行業務を開始する(ST11)。
【0059】
そして、制御部21は、二次元コード作成部29が各種二次元コードを作成するように制御する。二次元コード作成部29は、入力された改札情報に基づいた基本二次元コード52を作成し、必要に応じて詳細二次元コード53を作成する(ST12)。制御部21は、二次元コード作成部29によって作成された基本二次元コード52に対応したデータ及び必要に応じて詳細二次元コード53に対応したデータを印刷部30に出力する。
【0060】
そして、制御部21は、搬送部28が原券媒体50を印刷部30に向けて搬送するように制御する。搬送部28は、収容部28Aから原券媒体50を取り出し、印刷部30に向けて原券媒体50を搬送する(ST13)。
【0061】
そして、制御部21は、印刷部30が各種情報を原券媒体50に印刷するように制御する。印刷部30は、搬送された原券媒体50に対して券面情報51を印刷するとともに、同一の基本二次元コード52を複数個印刷する。また、印刷部30は、必要に応じて、基本二次元コード52が印刷された面と同一面に、同一の詳細二次元コード53を複数個印刷する(ST14)。
【0062】
そして、制御部21は、搬送部28が印刷部30での印刷が完了した券媒体Tを排出部28Bに向けて搬送するように制御する。搬送部28は、券面情報51及び基本二次元コード52が印刷済みであるとともに、場合によっては詳細二次元コード53が印刷済みの券媒体Tを排出部28Bから排出し、券媒体Tの発行業務を終了する(ST15)。
【0063】
上記のような構成の券売機2によれば、改札処理に利用される基本二次元コード52を複数個印刷した券媒体Tが発行される。このため、読取機構における読取率を向上することが可能な基本二次元コード52を有する券媒体Tを発行することが可能となる。例えば、印刷部30により基本二次元コード52を印刷する際の不具合によって一部の基本二次元コード52がかすれたり判読不能となったりしても、複数個印刷した基本二次元コード52のうちの少なくとも1個の基本二次元コード52は正常に印刷される可能性が高くなる。このため、読取機構における基本二次元コード52の読取率を向上することが可能となる。
【0064】
図8は、本実施形態における券媒体処理装置の他の例である改札機4の構成を概略的に示すブロック図である。
【0065】
改札機4は、駅構内や遊戯施設などの各種施設の改札口(あるいは出入口)などにおいて利用者が通行可能な改札通路に沿って配置されている。この改札機4は、利用者が所持している券媒体Tの改札情報に基づいて改札処理、つまり施設内に入場する際の入場処理や施設内から出場する際の出場処理などの処理を行う。このような改札処理では、改札機4は、券媒体Tから読み取った改札情報などに基づいて改札通路の通行の可否を判定する。
【0066】
すなわち、改札機4は、制御部41、通信部42、メモリ43、表示部44、ドア制御部45、読取手段として機能する読取部46、デコード手段として機能するデコード部47、改札手段として機能する改札処理部48などを備えている。
【0067】
制御部41は、券媒体Tによる改札処理に際して、改札機4を構成する各部の制御を行うものである。通信部42は、上位のホストコンピュータなどとの間で通信を行うインターフェースである。メモリ43は、改札機4の制御に必要な制御データや、改札処理を行うのに必要な各種データなどを記憶している。
【0068】
表示部44は、液晶表示器などで構成されている。この表示部44は、制御部41による制御に基づいて、改札機4を利用する利用者に対して操作を案内する画面や改札処理の結果などに対応した案内画面を表示する。ドア制御部45は、改札機4に設けられているドア機構45Aの開閉を制御するものであり、改札処理の結果に対応して改札通路を開放したり閉鎖したりする。
【0069】
読取部46は、制御部41による制御に基づいて、利用者が持参する券媒体Tから少なくとも1個の基本二次元コード52を読み取る。より具体的には、読取部46は、読み取り可能な所定の読取エリアを有しており、この読取エリアにかざされた券媒体Tから基本二次元コード52を撮像する。
【0070】
また、読取部46は、制御部41による制御に基づいて、利用者が持参する券媒体Tから少なくとも1個の基本二次元コード52及び少なくとも1個の詳細二次元コード53を読み取る場合もある。より具体的には、読取部46は、基本二次元コード52及び詳細二次元コード53が印刷された券媒体Tが読取エリアにかざされた場合、当該券媒体Tから基本二次元コード52及び詳細二次元コード53を撮像する。
【0071】
デコード部47は、制御部41による制御に基づいて、基本二次元コード52をデコードする。より具体的には、デコード部47は、基本二次元コード52から改札処理に必要な改札情報をデコードするものであり、読取部46により撮像された基本二次元コード52の画像を処理し、エンコードされていた各種情報、例えば、発駅、区数、有効期限などの各種情報を取り出す。なお、デコード部47は、基本二次元コード52から券媒体固有の識別情報をデコードして取り出す場合もある。
【0072】
また、デコード部47は、制御部41による制御に基づいて、基本二次元コード52及び詳細二次元コード53をデコードする場合もある。より具体的には、デコード部47は、基本二次元コード52から改札処理に必要な改札情報をデコードするとともに、詳細二次元コード53から発行情報や識別情報をデコードするものであり、読取部46により撮像された基本二次元コード52及び詳細二次元コード53の画像を処理してエンコードされていた各種情報を取り出す。
【0073】
このようなデコード部47は、読取部46により複数個の基本二次元コード52が読み取られたのに基づいて、いずれか1個の基本二次元コード52をデコードする場合もあるし、読み取られた複数個の基本二次元コード52のすべてをデコードする場合もある。同様にして、デコード部47は、読取部46により複数個の詳細二次元コード53が読み取られたのに基づいて、いずれか1個の詳細二次元コード53をデコードする場合もあるし、読み取られた複数個の詳細二次元コード53のすべてをデコードする場合もある。
【0074】
なお、デコード部47において各種二次元コードからデコードした内容は、当該二次元コードに含まれるチェックコードに基づいて正誤が判定される。
【0075】
改札処理部48は、制御部41による制御に基づいて、デコード部47により基本二次元コード52からデコードされた改札情報に基づいて改札処理を行う。より具体的には、改札処理部48は、券媒体Tが有する改札情報に基づいて券媒体Tの有効性、つまり、利用者の改札通路の通行を許可するか否かを判定する。
【0076】
また、改札処理部48は、制御部41による制御に基づいて、デコード部47により基本二次元コード52からデコードされた改札情報に基づいて改札処理を行うとともに、デコード部47により詳細二次元コード53からデコードされた識別情報に基づいて同一の識別情報を含んだ券媒体Tの使用の有無を判定する。より具体的には、改札処理部48は、券媒体Tが有する改札情報に基づいて券媒体Tの有効性を判定する一方で、過去に同一の識別情報を含んだ券媒体Tが使用された記録が残っていないかを確認することで不正使用の有無を判定する。
【0077】
このような改札処理部48は、デコード部47により3個以上の基本二次元コード52からそれぞれデコードされた改札情報の中に相違するものが含まれる場合に、最も多く一致する改札情報に基づいて改札処理を行う。例えば、改札処理部48は、3個の基本二次元コード52からそれぞれデコードされた改札情報のうち、2つの改札情報は一致しているものの、1つの改札情報が不一致の場合、2つが一致している改札情報に基づいて改札処理を行う。つまり、改札処理部48は、最適な改札情報を多数決方式で選択し、選択した改札情報に基づいて改札処理を行うものである。
【0078】
また、この改札処理部48は、デコード部47により3個以上の詳細二次元コード53からそれぞれデコードされた識別情報の中に相違するものが含まれる場合に、最も多く一致する識別情報に基づいて同一の識別情報を含んだ券媒体の使用の有無、つまり、不正使用の有無を判定する。例えば、改札処理部48は、3個の詳細二次元コード53からそれぞれデコードされた識別情報のうち、2つの識別情報は一致しているものの、1つの識別情報が不一致の場合、2つが一致している識別情報に基づいて不正使用の有無を判定する。つまり、改札処理部48は、最適な識別情報を多数決方式で選択し、選択した識別情報に基づいて不正使用の有無を判定するものである。
【0079】
以下に、上述した券媒体Tを用いた改札処理について図9を参照しながら改札機4の各部の動作とともに簡単に説明する。
【0080】
まず、制御部41は、読取部46を制御して、券媒体Tが所定の読取エリアにかざされたか否かを判断する(ST21)。そして、制御部41は、券媒体Tが読取エリアにかざされたと判断したのに基づいて(ST21、YES)、読取部46が読取エリアの各種二次元コードを読み取るように制御する。読取部46は、読取エリアの少なくとも1個の基本二次元コード52を撮像する。また、読取部46は、必要に応じて、読取エリアの少なくとも1個の詳細二次元コード53を撮像する(ST22)。
【0081】
そして、制御部41は、デコード部47が各種二次元コードをデコードするように制御する。デコード部47は、読取部46により撮像された少なくとも1個の基本二次元コード52の画像から改札情報をデコードする。また、デコード部47は、必要に応じて、読取部46により撮像された少なくとも1個の詳細二次元コード53の画像から識別情報をデコードする(ST23)。
【0082】
このとき、デコード部47は、撮像された複数個の基本二次元コード52からいずれか1個の基本二次元コード52のみをデコードしても良いし、すべての基本二次元コード52をデコードしても良い。同様に、デコード部47は、撮像された複数個の詳細二次元コード53からいずれか1個の詳細二次元コード53のみをデコードしても良いし、すべての詳細二次元コード53をデコードしても良い。
【0083】
そして、制御部41は、改札処理部48が改札情報に基づいて改札処理を行うように制御する。改札処理部48は、デコード部47によって基本二次元コード52からデコードされた改札情報に基づいて改札処理を行う。また、改札処理部48は、必要に応じて、デコード部47によって詳細二次元コード53からデコードされた識別情報に基づいて不正使用の有無を判定する(ST24)。
【0084】
そして、制御部41は、改札処理部48での改札処理の結果、必要に応じて不正使用の有無の判定結果に基づいて、利用者の改札通路の通行を許可するか否かを判定する(ST25)。
【0085】
制御部41は、通行を許可する旨の判定がなされた場合には(ST25、YES)、ドア制御部45を制御してドア機構45Aを駆動し、改札通路を開放する(ST26)。また、制御部41は、通行を許可しない旨の判定がなされた場合には(ST25、NO)、ドア制御部45を制御してドア機構45Aを駆動し、改札通路を閉鎖する(ST27)。以上のようなステップを経て券媒体Tによる改札処理を終了する。
【0086】
上記のような構成の改札機4によれば、利用者が券媒体Tの持ち方を意識することなく券媒体Tを読取部46にかざした場合であっても、少なくとも1個の基本二次元コード52を読み取り可能となる可能性が高くなり、利用者に対する利便性を向上することが可能となるとともに、読取部46における基本二次元コード52の読取率を向上することが可能となる。
【0087】
以上説明したように、読取率を向上することが可能な二次元コードを有する券媒体、及び、この券媒体を処理する券媒体処理装置を提供することができる。
【0088】
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0089】
2…券売機(券媒体処理装置)
21…制御部
25…操作部
29…二次元コード作成部
30…印刷部
2…券売機(券媒体処理装置)
41…制御部
46…読取部
47…デコード部
48…改札処理部
T…券媒体
50…原券媒体
51…券面情報 52…基本二次元コード 53…詳細二次元コード 54…マーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
改札処理に必要な改札情報の入力を受け付ける入力手段と、
前記入力手段により入力された改札情報に基づいた基本二次元コードを作成する二次元コード作成手段と、
前記二次元コード作成手段により作成された前記基本二次元コードを原券媒体に印刷する印刷手段と、を備え、
前記印刷手段は、前記原券媒体の少なくとも一方の面に、同一の前記基本二次元コードを複数個印刷することを特徴とする券媒体処理装置。
【請求項2】
前記二次元コード作成手段は、前記基本二次元コードに加えて、券媒体を発行する発行業務において生成される発行情報及び券媒体を識別するための識別情報に基づいた詳細二次元コードを作成し、
前記印刷手段は、前記原券媒体の少なくとも一方の面に、同一の前記詳細二次元コードを複数個印刷することを特徴とする請求項1に記載の券媒体処理装置。
【請求項3】
前記二次元コード作成手段は、前記詳細二次元コードよりも小さいサイズの形状を有する前記基本二次元コードを作成することを特徴とする請求項2に記載の券媒体処理装置。
【請求項4】
前記印刷手段は、前記原券媒体の同一面に前記詳細二次元コードよりも多くの個数の前記基本二次元コードを印刷することを特徴とする請求項2または3に記載の券媒体処理装置。
【請求項5】
前記印刷手段は、前記原券媒体の一端側に所持位置を示すマークを印刷するとともに、前記マークとは反対の前記原券媒体の他端側に前記基本二次元コードを印刷することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の券媒体処理装置。
【請求項6】
改札処理に必要な改札情報に基づいた同一の基本二次元コードが原券媒体の一方の面に複数個印刷された券媒体を処理する券媒体処理装置であって、
前記券媒体から少なくとも1個の基本二次元コードを読み取る読取手段と、
前記読取手段により読み取られた前記基本二次元コードをデコードするデコード手段と、
前記デコード手段により前記基本二次元コードからデコードされた改札情報に基づいて改札処理を行う改札手段と、
を備えたことを特徴とする券媒体処理装置。
【請求項7】
前記デコード手段は、前記読取手段により複数個の前記基本二次元コードが読み取られたのに基づいて、いずれか1個の前記基本二次元コードをデコードすることを特徴とする請求項6に記載の券媒体処理装置。
【請求項8】
前記デコード手段は、前記読取手段により読み取られた3個以上の前記基本二次元コードのそれぞれをデコードし、
前記改札手段は、前記デコード手段によりそれぞれの前記基本二次元コードからデコードされた改札情報の中に相違するものが含まれる場合に、最も多く一致する改札情報に基づいて改札処理を行うことを特徴とする請求項6に記載の券媒体処理装置。
【請求項9】
改札処理に必要な改札情報に基づいた同一の基本二次元コードが原券媒体の一方の面に複数個印刷されているとともに、券媒体を発行する発行業務において生成される発行情報及び券媒体を識別するための識別情報に基づいた同一の詳細二次元コードが原券媒体の一方の面に複数個印刷された券媒体を処理する券媒体処理装置であって、
前記券媒体から少なくとも1個の基本二次元コード、及び、少なくとも1個の詳細二次元コードを読み取る読取手段と、
前記読取手段により読み取られた前記基本二次元コード及び前記詳細二次元コードをデコードするデコード手段と、
前記デコード手段により前記基本二次元コードからデコードされた改札情報に基づいて改札処理を行うとともに、前記詳細二次元コードからデコードされた識別情報に基づいて同一の識別情報を含んだ券媒体の使用の有無を判定する改札手段と、
を備えたことを特徴とする券媒体処理装置。
【請求項10】
前記デコード手段は、前記読取手段により複数個の前記基本二次元コード及び複数個の前記詳細二次元コードが読み取られたのに基づいて、いずれか1個の前記基本二次元コード及びいずれか1個の前記詳細二次元コードをデコードすることを特徴とする請求項9に記載の券媒体処理装置。
【請求項11】
前記デコード手段は、前記読取手段により読み取られた3個以上の前記基本二次元コード及び3個以上の前記詳細二次元コードのそれぞれをデコードし、
前記改札手段は、前記デコード手段によりそれぞれの前記基本二次元コードからデコードされた改札情報の中に相違するものが含まれる場合に、最も多く一致する改札情報に基づいて改札処理を行うとともに、前記デコード手段によりそれぞれの前記詳細二次元コードからデコードされた識別情報の中に相違するものが含まれる場合に、最も多く一致する識別情報に基づいて同一の識別情報を含んだ券媒体の使用の有無を判定することを特徴とする請求項9に記載の券媒体処理装置。
【請求項12】
原券媒体と、
前記原券媒体に印刷され、改札処理に必要な改札情報に基づいた基本二次元コードと、を備え、
前記原券媒体の少なくとも一方の面には、同一の前記基本二次元コードが複数個印刷されたことを特徴とする券媒体。
【請求項13】
さらに、前記原券媒体の少なくとも一方の面には、券媒体を発行する発行業務において生成される発行情報及び券媒体を識別するための識別情報に基づいた詳細二次元コードが複数個印刷されたことを特徴とする請求項12に記載の券媒体。
【請求項14】
前記基本二次元コードは、前記詳細二次元コードよりも小さいサイズの形状を有することを特徴とする請求項13に記載の券媒体。
【請求項15】
前記原券媒体の同一面には、前記詳細二次元コードよりも多くの個数の前記基本二次元コードが印刷されたことを特徴とする請求項13または14に記載の券媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−118743(P2012−118743A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−267579(P2010−267579)
【出願日】平成22年11月30日(2010.11.30)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】