説明

券情報処理システム

【課題】 QRコード等からなる2次元バーコードを用いた券情報処理システムを構築する。
【解決手段】 所定の中央管理装置の管理の下に所定の2次元バーコードからなる券情報を生成する券情報生成手段と、生成された所定の2次元バーコードからなる券情報を通信回線網を介してその券情報を基に所定の処理を行う券情報処理機に配信する券情報配信手段と、生成された所定の2次元バーコードからなる券情報が前記所定の券情報処理機の光学読取部にかざされたときに、前記所定の中央管理装置から配信された券情報及びその光学読取部で読取られた券情報を照合する照合手段と、照合一致が得られたときに前記券情報処理機において所定の処理を行うとともに、一度その所定の処理を行ったときには同じその所定の処理を禁止する券情報処理機制御手段とからなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2次元バーコードからなる券情報を処理する券情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
2次元バーコードからなる券情報を用いて顧客管理等の所定の処理を行うことは公知である(特許文献1参照)。この2次元バーコードからなる券情報は、通常の用紙に印字することができるので、磁気カードやICカードに比べて安価であり、さらに、外部からの磁気作用等によって情報が破壊されたり、変質したりしないという特長がある。このような特長があるため、商品管理等に広く利用されている。
【特許文献1】特開平5−250389号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述のように、2次元バーコードからなる券情報は、手軽で丈夫であり、しかもQRコードと呼ばれるような情報量の大きいものも存在するので、このような2次元バーコートと近年の発達したIT技術とを組合わせることにより、鉄道の駅などにおいて効率のよい入出場処理(本発明で入出場処理というときは、入場処理又は出場処理を指している。)ができるのではないかと期待されていた。
【0004】
そこで、本発明は、上記要望に応えるためになされたものであって、その目的は、2次元バーコードとIT技術とを組合わせて入出場処理等に好適な券情報処理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る券情報処理システムは、上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、所定の中央管理装置の管理の下に所定の2次元バーコードからなる券情報を生成する券情報生成手段と、生成された所定の2次元バーコードからなる券情報を通信回線網を介してその券情報を基に所定の処理を行う券情報処理機に配信する券情報配信手段と、生成された所定の2次元バーコードからなる券情報が前記所定の券情報処理機の光学読取部にかざされたときに、前記所定の中央管理装置から配信された券情報及びその光学読取部で読取られた券情報を照合する照合手段と、照合一致が得られたときに前記券情報処理機において所定の処理を行うとともに、一度その所定の処理を行ったときには同じその所定の処理を禁止する券情報処理機制御手段と、からなることを特徴としている。
本発明の請求項2に記載の券情報処理システムは、所定の中央管理装置の管理の下に生成された所定の2次元バーコードからなる券情報は、利用者の所持する携帯端末機に通信回線網を介して送信され、その携帯端末機の表示画面に表示されるものであることを特徴としている。
本発明の請求項3に記載の券情報処理システムは、携帯端末機は、携帯電話機であることを特徴としている。
本発明の請求項4に記載の券情報処理システムは、所定の中央管理装置の管理の下に生成された所定の2次元バーコードからなる券情報は、利用者の所持するプリンタに通信回線網を介して送信され、そのプリンタによりプリントアウトされるものであることを特徴としている。
本発明の請求項5に記載の券情報処理システムは、所定の中央管理装置の管理の下に生成された所定の2次元バーコードからなる券情報は、自動券売機から発行される媒体に印字されるものであることを特徴としている。
本発明の請求項6に記載の券情報処理システムは、所定の中央管理装置の管理の下に生成される2次元バーコードからなる券情報は乗車券情報であり、所定の券情報処理機は自動改札機であることを特徴としている。
本発明の請求項7に記載の券情報処理システムは、所定の中央管理装置の管理の下に生成された2次元バーコードからなる乗車券情報は、その乗車券の乗車区間内の各駅にそれぞれ設置されている自動改札機に配信されるものであることを特徴としている。
本発明の請求項8に記載の券情報処理システムは、自動改札機は、2次元バーコードからなる乗車券情報を用いて入出場処理したときに、その入出場処理した所定の情報を所定の中央管理装置に送信するものであることを特徴としている。
本発明の請求項9に記載の券情報処理システムは、所定の中央管理装置は、自動改札機から入出場処理した所定の情報を受信したときに、その自動改札機以外の他の自動改札機にその入出場処理した所定の情報を送信することを特徴としている。
【発明の効果】
【0006】
本発明の請求項1に記載の券情報処理システムは、所定の中央管理装置の管理の下に所定の2次元バーコードからなる券情報を生成する券情報生成手段と、生成された所定の2次元バーコードからなる券情報を通信回線網を介してその券情報を基に所定の処理を行う券情報処理機に配信する券情報配信手段と、生成された所定の2次元バーコードからなる券情報が前記所定の券情報処理機の光学読取部にかざされたときに、前記所定の中央管理装置から配信された券情報及びその光学読取部で読取られた券情報を照合する照合手段と、照合一致が得られたときに前記券情報処理機において所定の処理を行うとともに、一度その所定の処理を行ったときには同じその所定の処理を禁止する券情報処理機制御手段とからなるので、2次元バーコードとインターネット等の通信回線網とを用いて、利用者の利便性を高めながら各種施設への入場処理や鉄道における入出場処理等の所定の処理を効率よく行うことができる。しかも、2次元バーコードの使用は同じ処理が1回しかできないので、不正な使用を効果的に防止することができる。
本発明の請求項2に記載の券情報処理システムは、所定の中央管理装置の管理の下に生成された所定の2次元バーコードからなる券情報は、利用者の所持する携帯端末機に通信回線網を介して送信され、その携帯端末機の表示画面に表示されるので、2次元バーコードからなる券情報は、利用者の所持する携帯端末機を介して極めて容易に入手できるので、利用者の利便性を高めることができる。
本発明の請求項3に記載の券情報処理システムは、携帯端末機は、携帯電話機であるので、利用者は、普及している携帯電話機を用いて、つまり現在使用中の携帯電話機を用いて2次元バーコードからなる券情報を容易に入手することができる。
本発明の請求項4に記載の券情報処理システムは、所定の中央管理装置の管理の下に生成された所定の2次元バーコードからなる券情報は、利用者の所持するプリンタに通信回線網を介して送信され、そのプリンタによりプリントアウトされるので、利用者は自宅や職場に設置されているプリンタを用いて2次元バーコードからなる券情報を容易に入手することができる。
本発明の請求項5に記載の券情報処理システムは、所定の中央管理装置の管理の下に生成された所定の2次元バーコードからなる券情報は、自動券売機から発行される媒体に印字されるので、利用者は、自動券売機を利用しても2次元バーコードからなる券情報を入手できるので、より利便性を高めることができる。
本発明の請求項6に記載の券情報処理システムは、所定の中央管理装置の管理の下に生成される2次元バーコードからなる券情報は乗車券情報であり、所定の券情報処理機は自動改札機であるので、利用者は、自動改札機で使用する2次元バーコードからなる乗車券を容易に入手することができる。すなわち、利用者は、インターネットを利用して2次元バーコードからなる乗車券を入手して列車に乗車することができる。
本発明の請求項7に記載の券情報処理システムは、所定の中央管理装置の管理の下に生成された2次元バーコードからなる乗車券情報は、その乗車券の乗車区間内の各駅にそれぞれ設置されている自動改札機に配信されるので、自動改札機では、2次元バーコードからなる乗車券の処理を効率よく行うことができる。
本発明の請求項8に記載の券情報処理システムは、自動改札機は、2次元バーコードからなる乗車券情報を用いて入出場処理したときに、その入出場処理した所定の情報を所定の中央管理装置に送信するので、中央管理装置では、2次元バーコードからなる乗車券の使用状態を正確に把握することができる。
本発明の請求項9に記載の券情報処理システムは、所定の中央管理装置は、自動改札機から入出場処理した所定の情報を受信したときに、その自動改札機以外の他の自動改札機にその入出場処理した所定の情報を送信するので、他の駅の自動改札機では、2次元バーコードからなる乗車券の重複使用等の不正使用を効率よく防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。図1は、一実施の形態に係る券情報処理システムの概略構成図である。ここでは、2次元バーコードからなる券情報は、列車(電車)に乗車するときに用いられる乗車券情報として示されている。
【0008】
図1中、1は、鉄道会社の本社等の所定の中央に設けられた中央管理装置であり、ホストコンピュータを中心に構成されている。この中央管理装置1は、図示しない列車運行管理装置とも接続されていて、2次元バーコードからなる乗車券の発行、使用状態等を一元的に管理できるように構成されているとともに、利用者(旅客)の開設している口座の金融機関のホストコンピュータ2とも通信回線網(公衆回線網及びインターネットを含む。)L1 を介して接続されていて、利用者が2次元バーコードからなる乗車券を購入したときの購入代金の引落し処理ができるように構成されている。
【0009】
図1中、3は、本発明の利用者の所持する携帯端末機の一種の携帯電話機(PHSを含む。)であり、基地局4及び通信回線網L1 を介して中央管理装置1と接続できるように構成されている。なお、携帯端末機としては、表示画面を有するものであれば使用でき、上述の携帯電話機3以外にPDA等を使用することも可能である。
【0010】
図1中、5は、通信回線網L1 に接続されたパーソナルコンピュータ(パソコン)であり、利用者の自宅又は職場に設けられ、このパソコン5には、プリンタ6が接続されている。
【0011】
図1中、L2 は、鉄道会社の各駅に設けられている駅務機器と中央管理装置1との間で通信を行うための通信回線網、いわゆる駅間ネットワークである。この駅間ネットワークL2 は、多くの駅務機器が接続されているが、図示の例では、図面を簡略化するために、ある一つの駅に設置されている自動改札機G及び自動券売機aのみが駅務機器制御装置、いわゆる駅制7を介して駅間ネットワークL2 に接続されている。なお、自動改札機Gは、監視盤を介して駅制7に接続されるが、ここではその監視盤は省略されている。
【0012】
図1中、C1 〜C3 は、2次元バーコードからなる本発明の券情報に相当する乗車券情報であり、ここではQRコードとして示されている。これら2次元バーコードC1 〜C3 のうち、2次元バーコードC1 は、利用者の所持する携帯電話機3の表示画面3aに表示されたものであり、2次元バーコードC2 は、プリンタ6から打出された用紙6aに印字されたものであり、そして、2次元バーコードC3 は、自動券売機aの発券口a′から発行された用紙(本発明の媒体に相当している。)a″に印字されたものである。なお、これら2次元バーコードC1 〜C3 は、QRコードからなっているが、バーのみからなるコードであってもよい。
【0013】
図2は、本発明に係る券情報処理システムで用いられる自動改札機(以下、「改札機」という。)Gの斜視図であり、その改札機Gを構成する一対の筐体のうちの一方の筐体Hを改札通路P側から見たものである。図2中、10は、筐体Hの改札通路Pの通過方向の進入(入口)側に設けられた磁気券からなる乗車券の投入口、11は、その筐体Hの上面で改札通路Pの進出(出口)側に設けられた取出口であり、12は、その取出口11の近傍に設けられた利用者に対して文字により所定の内容を案内するための表示画面である。また、図2中、13は、筐体Hの側面に設けられた利用者に対して音声により案内するためのスピーカである。
【0014】
上記投入口10及び取出口11間の筐体H内には、図示しないカードハンドラが設けられている。このカードハンドラは、投入口10から投入された乗車券を取出口11又は筐体H内に設けられた図示しない集札箱まで搬送させることができるように構成されている。そして、その搬送の途中において、投入口10に投入された磁気券からなる乗車券に記録されているデータを読取り、新たなデータを書込み、必要に応じてパンチや印字を行い、利用者へ返却する必要のある乗車券を取出口11に排出し、筐体H内に回収する必要のある乗車券を集札箱へ集札できるように構成されている。
【0015】
図2中、14は、投入口1に隣接して筐体Hの上面に設けられた光学読取部である。この光学読取部14は、周知のバーコード読取ユニットの光学読取部と同様に、光学読取部14にかざされた2次元バーコードC1 〜C3 に光線を照射し、反射光から2次元バーコードC1 〜C3 の内容を読取ることができるように構成されている。
【0016】
図2中、15はアンテナであって、筐体Hの上面で、光学読取部14よりも出口側に設けられていて、無線通信機能を備えた非接触型ICカードからなる非接触券と交信できるように構成されている。また、図2中、Bはセンサ取付ボックスであって、筐体Hの上面で、かつ、改札通路Pと反対側に設けられ、その改札通路Pに沿って設けられている。このセンサ取付ボックスB内には、反射型センサからなる人間検知器S,S,Sが改札通路Pの入口側、中央部及び出口側にそれぞれ内蔵されていて、改札通路P内の大人の利用者を検知することができるように構成されている。また、S′,S′…は、光電素子からなる透過型センサからなる人間検知器であって、一対の筐体間の改札通路P側に所定の間隔を保って設けられていて、改札通路P内の利用者位置を検知することができるように構成されている。そして、これら透過型センサからなる人間検知器S′,S′…で検知され、かつ、上述の反射型センサからなる人間検知器S,S,Sで検知されないときは、その利用者は子供(小児)の利用者と判定される。
【0017】
図1中、D1 ,D2 は、改札通路Pを開閉するドアであり、これらドアD1 ,D2 のうち、ドアD1 は改札通路Pの出口側に設けられ、ドアD2 はその入口側に設けられている。そして、これらドアD1 ,D2 は、改札機Gを統括的に制御する後述する制御器16により駆動されるように構成されている。
【0018】
制御器16は、図3に示されるように、ROM20に格納されているシステムプログラム及びRAM21に格納されているワーキングデータを用いて所定の入出場の演算処理を行う中央処理部(CPU)22を有している。CPU22は、I/Oユニット23を介して投入口10から取込んだ磁気券からなる乗車券を処理するカードハンドラ24と、ドアD1 ,D2 を駆動制御するドアドライバ25と、光学読取部14を含んで構成される光学読取ユニット26と、アンテナ15を介して非接触券に記録されているデータを読取るとともに、新たなデータを書込むためのリーダライタ27と、上位装置(駅制7)側と通信を行うための通信制御部28とが接続されている。なお、I/Oユニット23には、人間検知器S,S,S、S′,S′…のセンサアンプ等も接続されているが、ここでは省略されている。
【0019】
以下、図4(a),(b)のフローチャートを用いて制御動作について説明する。図4(a)は、利用者が2次元バーコードからなる乗車券情報を入手するためのフローチャートであり、ここでは、利用者は携帯電話機3を用いて座席指定の特急列車に乗車するための乗車券を入手する例が示されている。
【0020】
今、利用者が自己の所有する携帯電話機3を操作して中央管理装置1を発呼し、その携帯電話機3と中央管理装置1とが接続されたとする(ステップ100肯定。以下、ステップを「S」とする。)。携帯電話機1が中央管理装置1と接続されると、携帯電話機3の表示画面3aには、特急券を購入するための案内画面が表われ、その案内に従って利用者が希望する特急列車情報(特急列車の名称、乗車日時、乗車区間、禁煙席…)が携帯電話機3を介して中央管理装置1に入力される(S102)。なお、利用者の購入する乗車券の種類が回数券の場合は、区間や種別(普通回数券、土日回数券等の種別)、使用開始日等が入力される。さらに、他の種類の乗車券の場合は、その種類に応じた内容が入力される。
【0021】
さて、利用者の希望する特急列車に乗車できるときは(S104肯定)、利用者の金融機関の口座の残額が乗車券(特急券)を購入できる以上であれば(S106肯定)、利用者の携帯電話機3にその特急列車に係る乗車券情報が中央管理装置1から送信されて記憶されるとともに、中央管理装置1からその乗車券情報の乗車区間に含まれる各駅に配信されて、各駅の改札機Gにそれぞれ記憶される(S108)。
【0022】
すなわち、ここでは、利用者は、予め鉄道会社と口座引落しの契約を結んでいるときに携帯電話機3及びパソコン5(プリンタ6)を用いて乗車券を購入できるように運用されている。したがって、口座の残額が乗車券購入代金を満たすときに乗車券の購入ができ、不足するときは乗車券の購入は拒否される(S106否定、S107)。なお、ここでは、乗車券の購入代金の支払いは口座引落しとしたが、後払い等の他の支払い方法を採用してもよいことはもちろんである。
【0023】
携帯電話機3に乗車券情報が記憶されると、その携帯電話機3の表示画面には、所定の操作を行うことにより乗車券情報(特急券情報)に係る2次元バーコードC1 を表示することが可能となる。この表示された2次元バーコードC1 の使用については後に述べるが、表示画面3aには、特急列車に係る各種の情報を表示することが可能となる。すなわち、携帯電話機3には、中央管理装置1で所定の乗車券情報(特急券情報)を生成したときは、その特急券に係る基本的な情報(特急列車名、乗車日時、発着時刻、座席番号…)以外に、その特急券に係るサービス情報、例えば、乗車区間内における沿線の催し物、名物、観光名所等の案内情報も併せて提供するので、利用者はその案内情報も必要に応じて表示して見ることができる。
【0024】
上述の説明は、利用者が携帯電話機3を用いて乗車券情報(特急券)を入手した場合であるが、パソコン5及びプリンタ6を用いた場合も同様にして乗車券情報を入手することができる。この場合は、用紙6aに2次元バーコードC2 を印字して後の入出場用とされる。また、自動券売機aを用いて2次元バーコードからなる乗車券情報(特急券情報)を得るには、自動券売機aに特急券に係る情報をタッチパネルを用いて入力し、さらに購入金額を満たす金銭を投入すると、発券口a′から2次元バーコードC3 の印字された用紙a″が発行される。この自動券売機a及びパソコン5の場合も、上述の携帯電話機3の場合と同様に、乗車券情報が生成されたときは、各駅へその乗車券情報が配信される。
【0025】
なお、各駅へ配信される乗車券情報は、中央管理装置1で生成された全ての乗車券情報とすることができるが、通信負荷を軽減して配信効率を高めるために、乗車券のID(識別情報)のみ、あるいは乗車券のID、乗車券の乗車区間及び乗車券の乗車期間のみ等とすることができる。生成された乗車券情報のうち、どの項目の情報を配信するかは、乗車券の種類等によって適宜決められる。いずれにしても、各駅に配信される乗車券情報は、入場処理及び出場処理に必要な項目は全て含まれる。
【0026】
また、中央管理装置1で生成された乗車券情報は、乗車券で入場できる乗車区間の全駅へ配信されるが、通信負荷を軽減して配信効率を高めるために、自動券売機aで乗車券情報(2次元バーコードC3 )が発売されたときは、その自動券売機aの設置駅のみに配信される。さらに、出場処理に必要な乗車券情報の配信は、入場駅から入場情報を中央管理装置1が受信してから出場可能な各駅へ行うようにしてもよい。
【0027】
次に、図4(b)を用いて入出場の制御動作について説明する。先ず、利用者は、携帯電話機3を操作してその携帯電話機3の表示画面3aに2次元バーコードC1 を表示させる。そして、その表示画面3aを改札機Gの光学読取部14にかざされる(S200肯定)。光学読取部14で読取られた2次元バーコードC1 の読取情報は、駅制7及び駅間ネットワークL2 を介して中央管理装置1に送信される(図4(b)では省略)。なお、改札機Gの光学読取部14にプリンタ6で用紙6aに印字された2次元バーコードC2 がかざされた場合、及び自動券売機aから発行された用紙a″に印字された2次元バーコードC3 が光学読取部14にかざされた場合も、携帯電話機3のときと同様に読取処理される。
【0028】
改札機Gの光学読取部14にかざされた2次元バーコードC1 が初回であるとき、すなわち、未だその2次元バーコードC1 を用いた入場が行われていないときは、ドアD1 が開かれて(改札機Gがノーマルオープン型のときはそのまま)2次元バーコードC1 を用いた入場が許可されるとともに、入場した旨の所定の入場データが中央管理装置1に駅制7及び駅間ネットワークL2 を介して送信される(S202肯定、S204)。中央管理装置1は、入場データを受信すると、2次元バーコードC1 を用いた入場が行われた旨の情報を全入場可能駅に配信する(S206)。このようなネガティブ情報が各入場可能駅に送信されると、各入場可能駅にそれぞれ設置されている改札機Gの光学読取部14に2次元バーコードC1 が再度かざされた場合、その2次元バーコードC1 を用いた入場は拒否される(S202否定、S203)。この場合、ドアD1 が閉じられて表示画面12及びスピーカ13を介して入場拒否理由が利用者に報知される。なお、プリンタ6で用紙6aに印字された2次元バーコードC2 及び自動券売機aから発行された用紙a″に印字された2次元バーコードC3 の場合も、携帯電話機3のときと同様に入場処理される。
【0029】
携帯電話機3を所持した利用者が特急列車に乗車して所定の駅で降車し、その降車駅に設置されている改札機Gの光学読取部14に表示画面3aに表示されている2次元バーコードC1 をかざすと、その2次元バーコードC1 が読取られる(S208肯定)。改札機Gでは、読取られた2次元バーコードC1 の情報と中央管理装置1から配信されて記憶されている乗車券情報とを照合し、その照合一致が得られたときにドアD1 を開いて(改札機Gがノーマルオープン型のときはのまま)利用者の出場が許可されるとともに、2次元バーコードC1 を用いた出場処理が行われた旨の所定の出場データが駅制7及び駅間ネットワークL2 を介して中央管理装置1に送信される(S210肯定、S212)。
【0030】
中央管理装置1は、出場データを受信すると、2次元バーコードC1 を用いた出場が行われた旨の情報を全出場可能駅に配信する(S206)。このようなネガティブ情報が各出場可能駅に送信されると、各出場可能駅にそれぞれ設置されている改札機Gの光学読取部14に2次元バーコードC1 が再度かざされた場合、その2次元バーコードC1 を用いた出場は拒否される(S210否定、S211)。この場合、ドアD1 が閉じられて表示画面12及びスピーカ13を介して出場拒否理由が利用者に報知される。なお、プリンタ6で用紙6aに印字された2次元バーコードC2 及び自動券売機aから発行された用紙a″に印字された2次元バーコードC3 の場合も、携帯電話機3のときと同様に出場処理される。
【0031】
上述の例では、2次元バーコードは、鉄道の乗車券情報として用いられる例を示したが、劇場や遊園地等の入場券情報、各種施設の利用券情報であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明に係る券情報処理システムの概略構成図である。
【図2】改札機の斜視図である。
【図3】制御器のブロック図である。
【図4】制御動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0033】
1 中央管理装置
2 金融機関のホストコンピュータ
3 携帯電話機
3a 表示画面
4 基地局
5 パーソナルコンピュータ(パソコン)
6 プリンタ
6a 用紙
7 駅制
G 改札機
14 光学読取部
a 自動券売機
a″ 用紙
C1 ,C2 ,C3 2次元バーコード
L1 通信回線網
L2 通信回線網(駅間ネットワーク)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の中央管理装置の管理の下に所定の2次元バーコードからなる券情報を生成する券情報生成手段と、
生成された所定の2次元バーコードからなる券情報を通信回線網を介してその券情報を基に所定の処理を行う券情報処理機に配信する券情報配信手段と、
生成された所定の2次元バーコードからなる券情報が前記所定の券情報処理機の光学読取部にかざされたときに、前記所定の中央管理装置から配信された券情報及びその光学読取部で読取られた券情報を照合する照合手段と、
照合一致が得られたときに前記券情報処理機において所定の処理を行うとともに、一度その所定の処理を行ったときには同じその所定の処理を禁止する券情報処理機制御手段と、
からなることを特徴とする券情報処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の券情報処理システムにおいて、所定の中央管理装置の管理の下に生成された所定の2次元バーコードからなる券情報は、利用者の所持する携帯端末機に通信回線網を介して送信され、その携帯端末機の表示画面に表示されるものであることを特徴とする券情報処理システム。
【請求項3】
請求項2に記載の券情報処理システムにおいて、携帯端末機は、携帯電話機であることを特徴とする券情報処理システム。
【請求項4】
請求項1に記載の券情報処理システムにおいて、所定の中央管理装置の管理の下に生成された所定の2次元バーコードからなる券情報は、利用者の所持するプリンタに通信回線網を介して送信され、そのプリンタによりプリントアウトされるものであることを特徴とする券情報処理システム。
【請求項5】
請求項1に記載の券情報処理システムにおいて、所定の中央管理装置の管理の下に生成された所定の2次元バーコードからなる券情報は、自動券売機から発行される媒体に印字されるものであることを特徴とする券情報処理システム。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の券情報処理システムにおいて、所定の中央管理装置の管理の下に生成される2次元バーコードからなる券情報は乗車券情報であり、所定の券情報処理機は自動改札機であることを特徴とする券情報処理システム。
【請求項7】
請求項6に記載の券情報処理システムにおいて、所定の中央管理装置の管理の下に生成された2次元バーコードからなる乗車券情報は、その乗車券の乗車区間内の各駅にそれぞれ設置されている自動改札機に配信されるものであることを特徴とする券情報処理システム。
【請求項8】
請求項7に記載の券情報処理システムにおいて、自動改札機は、2次元バーコードからなる乗車券情報を用いて入出場処理したときに、その入出場処理した所定の情報を所定の中央管理装置に送信するものであることを特徴とする券情報処理システム。
【請求項9】
請求項8に記載の券情報処理システムにおいて、所定の中央管理装置は、自動改札機から入出場処理した所定の情報を受信したときに、その自動改札機以外の他の自動改札機にその入出場処理した所定の情報を送信することを特徴とする券情報処理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−59249(P2006−59249A)
【公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−242339(P2004−242339)
【出願日】平成16年8月23日(2004.8.23)
【出願人】(000004651)日本信号株式会社 (720)
【Fターム(参考)】