説明

刺激緩和剤および皮膚外用剤

【課題】 製剤の機能や形態に影響を与えず、配合が容易で安全性・安定性に優れる刺激緩和剤、およびそれを含む皮膚外用剤を提供する。
【解決手段】 グルコース誘導体、特には下記一般式(I)


(式中、Rは4−メトキシフェノール、4−カルボキシフェノール、3−カルボキシフェノールの残基を示す)で表されるグルコース誘導体からなる刺激緩和剤、および該刺激緩和剤を含有する皮膚外用剤。該皮膚外用剤にはさらに、皮膚への刺激原因物質(例えば、レチノールおよびその誘導体、紫外線吸収剤等の油脂性薬剤成分、防腐剤、等)を含有し得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はグルコース誘導体からなる刺激緩和剤およびこれを含む皮膚外用剤に関する。さらに詳しくは、皮膚への刺激を有効に緩和あるいは予防することができ、かつ安定性・安全性、保湿性に優れる刺激緩和剤および皮膚外用剤に関する。
【背景技術】
【0002】
皮膚外用剤には通常、水やアルコール類、塩分、油脂、ロウ類、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール、シリコーン油等の油分、粉末、界面活性剤や乳化剤、ゲル化剤等の基剤成分に加え、それぞれの目的に応じ、美白剤、抗老化剤、にきび用薬剤、収斂剤、肌荒れ防止剤、ビタミン剤などの薬剤、防腐剤や安定化剤、紫外線防御剤や色素、香料など種々の機能性成分を配合している。
【0003】
皮膚外用剤は、その使用を保証する安全性を確保した製剤設計が行われているにもかかわらず、その目的のために配合された成分にはそれ自体少なからず刺激を有するために、多数の人には安全な配合量の範囲でありながら、わずかに刺激を感じる人がいる。低級アルコール過敏症患者のように、特定の成分(低級アルコール)に対して過敏に刺激を感じる人もいる。また、いわゆる敏感肌のために敏感に刺激を感じたり、皮膚が荒れているときなどに皮膚外用剤を使用したために刺激を感じたり、アトピー性疾患患者ではその疾患ゆえに過剰に刺激を感じることもある。さらに、配合成分だけでなく、組合わせた製剤系により刺激を生じることがある。また目の周囲などの肌が敏感な部位に使用するために刺激を生じたり、粉末が配合された製剤を肌に強くこするなどの使用方法により刺激を生じる場合もある。さらに強い日差しのもとなど過酷な条件で使用するために刺激を生じるなど、使用環境により刺激を生じる場合もある。
【0004】
このように皮膚外用剤の使用においては、多種多様の刺激の原因が存在する。
【0005】
これまで皮膚刺激を緩和・予防する方法が種々検討されてきている。
【0006】
例えば低級アルコールの刺激緩和のために、各種変性アルコールを配合したり、アルコールを一定期間熟成して用いたりしていたが、これらの方法では実効はほとんど上がっていなかった。これに対し、特開昭61−227514号公報(特許文献1)では、ハイドロキノンの配糖体(アルブチンなど)と低級アルコールをそれぞれ特定量配合した、低級アルコールの皮膚刺激性を緩和せしめた皮膚外用剤を提示している。
【0007】
また、特開平10−36238号公報(特許文献2)ではサリシンを用いて刺激性および/または紅斑性皮膚症状を抑制・予防する方法が開示され、特開平10−36239号公報(特許文献3)ではフェルラ酸グルコシドを用いて刺激性および/または紅斑性皮膚症状を抑制・予防する方法が開示されている。また、特に低級アルコールに対する刺激低減方法として、特許第3308763号公報(特許文献4)では特定のグルコース誘導体を有効成分とするアルコール刺激緩和剤が開示されている。
【0008】
【特許文献1】特開昭61−227514号公報
【特許文献2】特開平10−36238号公報
【特許文献3】特開平10−36239号公報
【特許文献4】特許第3308763号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1に示される皮膚外用剤は、低級アルコールの刺激緩和効果に優れるものの、経時で製剤が着色するという問題、配合の際に系のpHに影響されるという問題、酸化安定性に劣るという問題から、配合に制限があった。
【0010】
また特許文献2に示されるサリシンは、グルコース結合基のベンジル位に水酸基を有するため、酸化安定性、光安定性、熱安定性等の安定性に問題がある。特許文献3に示されるフェルラ酸グルコシドは製造が困難で高価であり、製剤の安定性の点でも問題がある。またカルボキシル基を有するため金属塩を形成するなど、製剤の機能や形態への影響も懸念され、二重結合部のシス−トランス転換が生じて黄色に変色するといった問題もある。
【0011】
特許文献4に示すグルコース誘導体は製造が困難なものが多く、調製が容易でない。また経時で製剤が着色する、刺激緩和効果が十分でない、等の問題がある。さらに、開示されているグルコース誘導体の中でも、アルデヒド基を有する化合物は酸化安定性に劣る、pHに影響される等の問題がある。ケトン骨格を有するものは光増感性のため安全性に問題があり、さらには塩基性下、製剤成分と作用し、着色や縮合するという問題がある。ベンジル位に官能基を有しない化合物は光安定性、光安全性に問題がある。ベンジル位の水酸基のグリコシド体は安定性に劣り、経時で着色するという問題がある。二重結合を有する化合物は、酸化安定性に問題がある。メチレンジオキシ基を有する化合物は分解しやすいため経時安定性に問題がある。記載されたベンゼン環に置換基を有しない化合物は製造が容易であるが、刺激緩和効果が十分でない。
【0012】
この特許文献4に示す方法は、グルコース誘導体と低級アルコール水溶液との物理的相互作用によって低級アルコール刺激低減効果を得ているのであり、実際、特許文献4に示すグルコース誘導体を用いたところで、低級アルコール水溶液系以外においてそのような相互作用は生じず、そのため刺激緩和効果はなかった。
【0013】
このような現況にあって製剤の機能や形態に影響を与えず、配合が容易で安全性・安定性に優れる刺激緩和剤の開発が強く望まれていた。
【0014】
したがって本発明は、製剤の機能や形態に影響を与えず、配合が容易で安全性・安定性に優れ、かつ刺激緩和性に優れる刺激緩和剤、およびこれを含む皮膚外用剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題を解決するために本発明は、グルコース誘導体からなる刺激緩和剤を提供する。
【0016】
また本発明は、グルコース誘導体が下記一般式(I)
【0017】

【0018】
(式中、Rは4−メトキシフェノール、4−カルボキシフェノール、3−カルボキシフェノールの残基を示す)
で表される化合物である、上記刺激緩和剤を提供する。
【0019】
また本発明は、上記刺激緩和剤を含有する皮膚外用剤を提供する。
【0020】
また本発明は、皮膚外用剤が、皮膚への刺激原因物質をさらに含有する、上記皮膚外用剤を提供する。
【0021】
また本発明は、皮膚への刺激原因物質が、脂溶性薬剤成分である、上記皮膚外用剤を提供する。
【0022】
また本発明は、脂溶性薬剤成分が、レチノールおよびその誘導体、紫外線吸収剤、防腐剤の中から選ばれる1種または2種以上である、上記皮膚外用剤を提供する。
【発明の効果】
【0023】
本発明により、皮膚外用剤における刺激物質若しくは製剤により生じる刺激や塗布時に生じる刺激を低減若しくは予防し、安定性・安全性、保湿性に優れる刺激緩和剤および皮膚外用剤が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明について詳述する。
【0025】
本発明に用いられるグルコース誘導体は、グルコシド構造を有し、化粧品、医薬品に配合し得るものを広く包含するが、本発明では特に下記一般式(I)で示される化合物が好ましく用いられる。
【0026】

【0027】
上記一般式(I)中、Rは4−メトキシフェノール、4−カルボキシフェノール、3−カルボキシフェノールの残基を示す。
【0028】
Rが4−メトキシフェノールの残基である場合、一般式(I)で示されるグルコース誘導体は、具体的には下記式(I−1)で示される4−メトキシフェニル−D−グルコシドである。
【0029】

【0030】
Rが4−カルボキシフェノールの残基である場合、一般式(I)で示されるグルコース誘導体は、具体的には下記式(I−2)で示される4−カルボキシフェニル−D−グルコシドである。
【0031】

【0032】
Rが3−カルボキシフェノールの残基である場合、一般式(I)で示されるグルコース誘導体は、具体的には下記式(I−3)で示される3−カルボキシフェニル−D−グルコシドである。
【0033】

【0034】
上記グルコース誘導体の置換基Rと糖の結合様式はα結合、β結合のいずれでもよいが、安定性の点からβ結合が好ましい。ただしこれに制限されるものでない。またそれらの混合物でもよい。
【0035】
なお、上記式(I−1)で示される4−メトキシフェニルグルコシドのうち、α−4−メトキシフェニル−D−グルコシド(「4−メトキシフェニル−α−D−グルコシド」ともいう)は下記式(I−1−a)で示され、β−4−メトキシフェニル−D−グルコシド(「4−メトキシフェニル−β−D−グルコシド」ともいう)は下記式(I−1−b)で示される。
【0036】

【0037】

【0038】
上記式(I−2)で示される4−カルボキシフェニル−D−グルコシドのうち、α−4−カルボキシフェニル−D−グルコシド(「4−カルボキシフェニル−α−D−グルコシド」ともいう)は下記式(I−2−a)で示され、β−4−カルボキシフェニル−D−グルコシド(「4−カルボキシフェニル−β−D−グルコシド」ともいう)は下記式(I−2−b)で示される。
【0039】

【0040】

【0041】
上記式(I−3)で示される3−カルボキシフェニル−D−グルコシドのうち、α−3−カルボキシフェニル−D−グルコシド(「3−カルボキシフェニル−α−D−グルコシド」ともいう)は下記式(I−3−a)で示され、β−3−カルボキシフェニル−D−グルコシド(「3−カルボキシフェニル−β−D−グルコシド」ともいう)は下記式(I−3−b)で示される。
【0042】

【0043】

【0044】
本発明に用いられる上記各グルコース誘導体は一般に用いられる化学合成法により得ることができ、酵素を用いたグルコシド合成により得ることもできる。また市販品を用いてもよい。本発明に用いられるグルコース誘導体はアルドリッチ社、東京化成工業(株)等から市販されていて、容易に入手することができる。
【0045】
なお、合成例の一例として、以下の方法が挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0046】
[式(I−1)で示される4−メトキシフェニル−D−グルコシド]
4−メトキシフェノール22.26gにペンタアセチル−D−グルコシド20gを加え、モリブドリン酸水和物をミクロスパチュラ1杯加え、90℃に昇温して30分間加熱攪拌する。減圧蒸留で未反応の4−メトキシフェノールを除去した後、酢酸エチル300mLで抽出し、有機層を10%水酸化ナトリウム水溶液で洗浄する。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した後、濾去し、減圧濃縮して得られた残渣をカラムにて精製し、4−メトキシフェニル−D−グルコシドテトラアセテート15g得る。
【0047】
次いで、得られた4−メトキシフェニル−D−グルコシドテトラアセテート15gをメタノール300mLに溶解し、ナトリウムメトキサイド10mLを加え、2時間室温で攪拌する。アンバーライトIR120−B[H]で中和した後、濾去し、減圧濃縮する。得られた残渣をメタノールで再結晶し、目的の4−メトキシフェニル−D−グルコシド9.2gを得る。
【0048】
[式(I−2)で示される4−カルボキシフェニル−D−グルコシド]
4−ヒドロキシ安息香酸メチル21.27g、ペンタアセチル−D−グルコシド25gをDME100mLに加えた後、ミクロスパチュラ1杯のモリブドリン酸水和物を加え、90℃に昇温して30分間加熱攪拌する。空冷後、酢酸エチル300mLで抽出し、有機層を10%水酸化ナトリウム水溶液で洗浄する。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した後、濾去し、減圧濃縮して得られた残渣をカラムにて精製し、4−メトキシカルボニルフェニル−D−グルコシドテトラアセテート24.6g得る。
【0049】
次いで、得られた4−メトキシカルボニルフェニル−D−グルコシドテトラアセテート24.6gをTHF水溶液300mLに溶解し、水酸化ナトリウム10gを加え、2時間室温で攪拌する。アンバーライトIR120−B[H]で中和した後、濾去し、減圧濃縮する。得られた残渣をメタノールで再結晶し、目的の4−カルボキシフェニル−D−グルコシド15.4gを得る。
【0050】
[式(I−3)で示される3−カルボキシフェニル−D−グルコシド]
3−ヒドロキシ安息香酸メチル21.27g、ペンタアセチル−D−グルコシド25gをDME100mLに加えた後、ミクロスパチュラ1杯のモリブドリン酸水和物を加え、90℃に昇温して30分間加熱攪拌する。空冷後、酢酸エチル300mLで抽出し、有機層を10%水酸化ナトリウム水溶液で洗浄する。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した後、濾去し、減圧濃縮して得られた残渣をカラムにて精製し、3−メトキシカルボニルフェニル−D−グルコシドテトラアセテート23.0g得る。
【0051】
次いで、得られた3−メトキシカルボニルフェニル−D−グルコシドテトラアセテート24.6gをTHF水溶液300mLに溶解し、水酸化ナトリウム10gを加え、2時間室温で攪拌する。アンバーライトIR120−B[H]で中和した後、濾去し、減圧濃縮する。得られた残渣をメタノールで再結晶し、目的の3−カルボキシフェニル−D−グルコシド14.4gを得る。
【0052】
本発明に用いられるグルコース誘導体は安価で、皮膚外用剤に配合した場合に使用性もよく、製剤設計がしやすい。
【0053】
また、本発明に用いられるグルコース誘導体は、製剤に配合した際に経時で着色するなどの問題がない。さらに安定性に優れるので、製剤の機能や形態が保持され、その配合が制限されることがない。また、酸化や熱やpHや光などに対して安定である。得られた製剤の安定性が良好であるので、高温下や日差しの下などや、気温の変化が激しいような過酷な状況で保管若しくは使用される製剤についても配合が可能である。光に対して安定であり、あらゆる容器を用いた製剤に配合することができる。また、製剤系の成分の物性に影響を及ぼさないので製剤の形態や機能、製剤の使用感を損なうことなくあらゆる製剤形態をとることができる。
【0054】
また本発明に用いられるグルコース誘導体はその構造から両親媒性であるため、ワックスや油性成分などの油層、水層、アルコール類などの中間の層やそれらが混合している層のいずれにも溶解するので、いかなる製剤系にも配合が可能である。
【0055】
かかるグルコース誘導体は安全性にも優れるので、影響が懸念される口唇や目のまわりに使用される局所性製剤や一般に製剤に敏感な人やアトピーなどの疾患を有した人などへの製剤にも配合が可能であり、それらの刺激を低減化若しくは予防する効果がある。
【0056】
さらに本発明に用いられるグルコース誘導体は保湿性に優れることより、製剤系の保湿効果が向上し、肌荒れ改善若しくは防止効果が認められるという利点がある。
【0057】
本発明のグルコース誘導体からなる刺激緩和剤、およびこれを含む皮膚外用剤は、刺激原因物質の刺激を緩和する効果に優れる。該刺激原因物質は、一般に皮膚外用剤に配合し得る成分であれば特に限定されるものでないが、脂溶性薬剤成分、防腐剤に対する刺激緩和効果に特に優れる。
【0058】
脂溶性薬剤の一例を下記に示すが、これら例示に限定されるものではない。
【0059】
(1)レチノールおよびその誘導体
レチノール(別名:ビタミンA)は、all−トランス型または1,3−シス型がある。レチノール誘導体としては、酢酸レチノール(別名:ビタミンAアセテート)、パルミチン酸レチノール(別名:ビタミンAパルミテート)等が例示されるが、これら例示に限定されるものでない。
【0060】
なおレチノールおよびその誘導体の配合量は、当該成分の効果を発揮し得るに有効な量であれば特に限定されるものでないが、通常、皮膚外用剤中に0.0001〜1.0質量%程度が好ましく、より好ましくは0.03〜0.1質量%程度、特には0.05〜0.1質量%程度が好ましい。
【0061】
(2)紫外線吸収剤
紫外線吸収剤は、一般に化粧品、医薬品等に用いられ得るものであれば特に限定されるものでない。具体的には、安息香酸系紫外線吸収剤(例えば、パラアミノ安息香酸(以下、PABAと略す)、PABAモノグリセリンエステル、N,N−ジプロポキシPABAエチルエステル、N,N−ジエトキシPABAエチルエステル、N,N−ジメチルPABAエチルエステル、N,N−ジメチルPABAブチルエステル、N,N−ジメチルPABAエチルエステル等);アントラニル酸系紫外線吸収剤(例えば、ホモメンチル−N−アセチルアントラニレート等);サリチル酸系紫外線吸収剤(例えば、アミルサリシレート、メンチルサリシレート、ホモメンチルサリシレート、オクチルサリシレート、フェニルサリシレート、ベンジルサリシレート、p−イソプロパノールフェニルサリシレート等);ケイ皮酸系紫外線吸収剤(例えば、オクチルメトキシシンナメート、ジ−パラメトキシケイ皮酸−モノ−2−エチルヘキサン酸グリセリル、オクチルシンナメート、エチル−4−イソプロピルシンナメート、メチル−2,5−ジイソプロピルシンナメート、エチル−2,4−ジイソプロピルシンナメート、メチル−2,4−ジイソプロピルシンナメート、プロピル−p−メトキシシンナメート、イソプロピル−p−メトキシシンナメート、イソアミル−p−メトキシシンナメート、オクチル−p−メトキシシンナメート(2−エチルヘキシル−p−メトキシシンナメート)、2−エトキシエチル−p−メトキシシンナメート、シクロヘキシル−p−メトキシシンナメート、エチル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート、2−エチルヘキシル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート、グリセリルモノ−2−エチルヘキサノイル−ジパラメトキシシンナメート、3,4,5−トリメトキシケイ皮酸−3−メチル−4−[メチルビス(トリメチルシリキシ)シリル]ブチル、トリメトキシケイ皮酸メチルビス(トリメチルシロキシ)シリルイソペンチル等);ベンゾフェノン系紫外線吸収剤(例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4’−メチルベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸塩、4−フェニルベンゾフェノン、2−エチルヘキシル−4’−フェニル−ベンゾフェノン−2−カルボキシレート、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、4−ヒドロキシ−3−カルボキシベンゾフェノン等);3−(4’−メチルベンジリデン)−d,l−カンファー、3−ベンジリデン−d,l−カンファー;2−フェニル−5−メチルベンゾキサゾール;2,2’−ヒドロキシ−5−メチルフェニルベンゾトリアゾール;2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール;2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニルベンゾトリアゾール;ジベンザラジン;ジアニソイルメタン;4−メトキシ−4’−t−ブチルジベンゾイルメタン、;5−(3,3−ジメチル−2−ノルボルニリデン)−3−ペンタン−2−オン等が挙げられる。
【0062】
本発明では特に、刺激性を有する下記の紫外線吸収剤の刺激緩和に好適に使用される。例えば、オクチルメトキシシンナメート(市販品として、「パルソールMCX」等が例示される)、t−ブチルメトキシジベンゾイルメタン(市販品として、「パルソール1789」等が例示される)、パラジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル(市販品として、「エスカロール507D」等が例示される)、パラジメチルアミノ安息香酸メチル(市販品として、例えば「エスカロール506」等が例示される)。
【0063】
なお紫外線吸収剤の配合量は、当該成分の効果を発揮し得るに有効な量であれば特に限定されるものでないが、通常、皮膚外用剤中に0.1〜20質量%程度が好ましく、特には1.0〜10質量%程度が好ましい。
【0064】
(3)防腐剤
フェノキシエタノール、安息香酸およびその塩類、サリチル酸およびその塩類、フェノール、ソルビン酸およびその塩類、デヒドロ酢酸およびその塩類、パラオキシ安息香酸エステル類(例えばメチルパラベン、エチルパラベン、ブチルパラベンなど)、クロルクレゾール、ヘキサクロロフェン、レゾルシン、イソプロピルメチルフェノール、オルトフェニルフェノール、塩化ベンザルコニウム、塩酸クロルヘキシジン、グルコン酸クロルヘキシジン、臭化アルキルイソキノリウム、トリクリリカルバニリド、ハロカルバン、感光素201号、トリクロロヒドロキシジフェニルエーテル(トリクロサン)、メチルクロロイソチアゾリノン・メチルイソチアゾリノン液、ビサボロール、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、トリクロロ・サリチルアニリド(TCSA)、トリブロモ・サリチルアニリド(TBS)等が挙げられる。
【0065】
脂溶性薬剤成分(レチノールおよびその誘導体、紫外線吸収剤、防腐剤など)等の刺激原因物質に対する刺激緩和のためのグルコース誘導体の配合量は、これら刺激原因物質の配合量に応じて適宜、決定される。
【0066】
本発明に配合されるグルコース誘導体は、皮膚外用剤全量に対して、その配合量下限値は0.1質量%程度以上とするのが好ましく、より好ましくは0.5質量%程度以上である。また配合量の上限値は20.0質量%程度以下とするのが好ましく、より好ましくは10.0質量%程度以下である。
【0067】
本発明の皮膚外用剤は、敏感肌やアトピー患者の刺激緩和および防止効果があり、活性剤や製剤による刺激に関しても緩和する。
【0068】
本発明に配合されるグルコース誘導体は安定性に優れ、製剤中の他の成分に影響を及ぼさないことまたグルコース誘導体自身も影響されないことから、この皮膚外用剤には、一般に化粧料、医薬品に配合し得る任意の成分を広く配合し得る。例えば、紫外線吸収剤、保湿剤、ビタミン類、美白剤、収斂剤、清涼剤、各種の抽出物などの薬効成分、界面活性剤、液体油脂、固体油脂、ロウ類、エステル油、炭化水素油、シリコーン、ステロール類、水溶性高分子、油溶性高分子、キレート剤、中和剤、pH調整剤、酸化防止剤、抗菌剤、粉末、香料、色素などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0069】
本発明の皮膚外用剤の製剤形態は限定されることがなく、例えば、液状、ゲル状、ペースト状、乳液状、クリーム状、粉末状、固形状等の任意の性状や、溶液系、可溶化系、乳化系、粉末分散系、水−油二層系、水−油−粉末三層系、ジェル、エアゾール等、任意の系の剤型が適用される。
【0070】
またその使用形態も任意であり、例えば化粧水、乳液、クリーム、美容液、パック等のフェーシャル化粧料やファンデーションの他、メーキャップ化粧料、芳香化粧料、浴用剤等に用いることができるが、これら例示に限定されるものでないことはもちろんである。
【0071】
本発明の皮膚外用剤は、皮膚外用剤における刺激物質若しくは製剤により生じる刺激や塗布時に生じる刺激を低減若しくは予防し、安定性・安全性、保湿性に優れる。
【実施例】
【0072】
本発明について以下に実施例を挙げてさらに詳述するが、本発明はこれによりなんら限定されるものではない。配合量は特記しない限り質量%で示す。
【0073】
まず、本実施例で用いた試験方法、評価基準について説明する。
【0074】
[刺激緩和性]
下記に示す連続皮膚刺激試験を行い、評価した。
(試験方法)
(1)刺激原因物質および刺激緩和剤を配合した(対照例1および2(コントロール)では刺激緩和剤配合せず)各試料(被験液)0.05mLをモルモットの背部2×2cmに塗布(1回目塗布)した。
(2)24時間後に2回目の塗布を行った。
(3)さらに24時間後に3回目の塗布を行った。
(評価方法)
2回目塗布前(=1回目塗布後24時間後)、3回目の塗布前(=2回目塗布後24時間後)、および3回目塗布後24時間後に、それぞれ塗布部皮膚の状態(紅斑、浮腫などの皮膚反応)を肉眼で観察した。
【0075】
刺激緩和の評価は以下の基準で行い、3回の評点の平均値を皮膚反応スコアとした。
(皮膚反応の評価基準)
(皮膚反応の程度) 評点
紅斑が全く認められなかった 0
わずかな紅斑が認められた 1
明らかな紅斑が認められた 2
強紅斑あるいはわずかな浮腫、痂皮が認められた 3
明らかな浮腫、痂皮が認められた 4
【0076】
[製剤の安定性]
刺激原因物質および刺激緩和剤を配合した(対照例1および2の試料(コントロール)では刺激緩和剤配合せず)各試料(被験液)をスクリュー管(容量50mL)に注入し、50℃1ヶ月間、日光暴露(50MJ)の条件下で放置した後、各試料の外観を肉眼で観察し、下記基準により評価した。
(安定性評価基準)
○: 外観に特に問題がなく、着色や分離が認められなかった
△: 外観に若干着色や分離が認められたが実用上問題がない程度である
×: 外観にかなり着色や分離が認められた
【0077】
(対照例1、比較例1〜4、実施例1〜3)
刺激原因物質および刺激緩和剤を配合した下記表1〜2に示す組成で試料(対照例1試料(コントロール)では刺激緩和剤配合せず)を常法により調製し、これを用いて上記試験方法、評価基準に基づいて、刺激緩和性、安定性について評価した。刺激緩和性の結果を図1に、安定性についての結果を表3に、それぞれ示す。
【0078】
なお表1〜2中、比較例1〜4で用いた試験化合物(刺激緩和剤)はそれぞれ以下に示す化学式で示される。また実施例1〜3では、上記式(I−1−b)で示すβ−4−メトキシフェニル−D−グルコシド、上記式(I−2−b)で示すβ−4−カルボキシフェニル−D−グルコシド、上記式(I−3−b)で示すβ−3−カルボキシフェニル−D−グルコシドを、それぞれ用いた。
【0079】
なお、これら各化合物は以下のようにして調製した。
【0080】
[式(I−1−b)で示されるβ−4−メトキシフェニル−D−グルコシド]
β−4−メトキシフェノール22.26gにペンタアセチル−D−グルコシド20gを加え、モリブドリン酸水和物をミクロスパチュラ1杯加え、90℃に昇温して30分間加熱攪拌した。減圧蒸留で未反応のβ−4−メトキシフェノールを除去した後、酢酸エチル300mLで抽出し、有機層を10%水酸化ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した後、濾去し、減圧濃縮して得られた残渣をカラムにて精製し、β−4−メトキシフェニル−D−グルコシドテトラアセテート15g得た。
【0081】
次いで、得られたβ−4−メトキシフェニル−D−グルコシドテトラアセテート15gをメタノール300mLに溶解し、ナトリウムメトキサイド10mLを加え、2時間室温で攪拌した。アンバーライトIR120−B[H]で中和した後、濾去し、減圧濃縮した。得られた残渣をメタノールで再結晶し、目的のβ−4−メトキシフェニル−D−グルコシド9.2gを得た。
【0082】
[式(I−2-b)で示されるβ−4−カルボキシフェニル−D−グルコシド]
β−4−ヒドロキシ安息香酸メチル21.27g、ペンタアセチル−D−グルコシド25gをDME100mLに加えた後、ミクロスパチュラ1杯のモリブドリン酸水和物を加え、90℃に昇温して30分間加熱攪拌した。空冷後、酢酸エチル300mLで抽出し、有機層を10%水酸化ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した後、濾去し、減圧濃縮して得られた残渣をカラムにて精製し、β−4−メトキシカルボニルフェニル−D−グルコシドテトラアセテート24.6g得た。
【0083】
次いで、得られたβ−4−メトキシカルボニルフェニル−D−グルコシドテトラアセテート24.6gをTHF水溶液300mLに溶解し、水酸化ナトリウム10gを加え、2時間室温で攪拌した。アンバーライトIR120−B[H]で中和した後、濾去し、減圧濃縮した。得られた残渣をメタノールで再結晶し、目的のβ−4−カルボキシフェニル−D−グルコシド15.4gを得た。
【0084】
[式(I−3-b)で示されるβ−3−カルボキシフェニル−D−グルコシド]
β−3−ヒドロキシ安息香酸メチル21.27g、ペンタアセチル−D−グルコシド25gをDME100mLに加えた後、ミクロスパチュラ1杯のモリブドリン酸水和物を加え、90℃に昇温して30分間加熱攪拌した。空冷後、酢酸エチル300mLで抽出し、有機層を10%水酸化ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した後、濾去し、減圧濃縮して得られた残渣をカラムにて精製し、β−3−メトキシカルボニルフェニル−D−グルコシドテトラアセテート23.0g得た。
【0085】
次いで、得られたβ−3−メトキシカルボニルフェニル−D−グルコシドテトラアセテート24.6gをTHF水溶液300mLに溶解し、水酸化ナトリウム10gを加え、2時間室温で攪拌した。アンバーライトIR120−B[H]で中和した後、濾去し、減圧濃縮した。得られた残渣をメタノールで再結晶し、目的のβ−3−カルボキシフェニル−D−グルコシド14.4gを得た。
【0086】
(比較例1)
アルブチン(下記式(II)で示される化合物)を用いた。
【0087】

【0088】
(比較例2)
サリシン(下記式(III)で示される化合物)を用いた。
【0089】

【0090】
(比較例3)
メチルグルコシド(下記式(IV)で示される化合物)を用いた。
【0091】

【0092】
(比較例4)
ベンジルグルコシド(下記式(V)で示される化合物)を用いた。
【0093】

【0094】
【表1】

【0095】
【表2】

【0096】
【表3】

【0097】
図1および表3の結果から明らかなように、刺激緩和剤を配合しない対照例1、他の刺激緩和剤を配合した比較例1〜4のいずれもが、刺激緩和効果、長期安定性の両者の効果を併せもつことができないのに対し、刺激緩和剤としてグルコース誘導体を配合した実施例1〜3では、刺激緩和効果および長期安定性の両者の効果を併せもつこと画確認された。すなわち本発明により、製剤の機能や形態に影響を与えることなく、長期に亘って刺激緩和、保湿性効果を得ることができる。
【0098】
(対照例2、比較例5〜8、実施例4〜6)
刺激原因物質および刺激緩和剤を配合した下記表4〜5に示す組成で試料(対照例2試料(コントロール)では刺激緩和剤配合せず)を常法により調製し、これを用いて上記試験方法、評価基準に基づいて、刺激緩和性、安定性について評価した。刺激緩和性の結果を図2に、安定性についての結果を表6に、それぞれ示す。
【0099】
なお表4〜5中、比較例5〜8で用いた試験化合物(刺激緩和剤)はそれぞれ上記式(II)〜(V)に示す化学式で示される。また実施例4〜6では実施例1〜3と同様に、上記式(I−1−b)、(I−2−b)、(I−3−b)で示すグルコース誘導体をそれぞれ用いた。
【0100】
【表4】

【0101】
【表5】

【0102】
【表6】

【0103】
図2および表6の結果から明らかなように、刺激緩和剤を配合しない対照例2、他の刺激緩和剤を配合した比較例5〜8のいずれもが、刺激緩和効果、長期安定性の両者の効果を併せもつことができないのに対し、刺激緩和剤としてグルコース誘導体を配合した実施例4〜6では、刺激緩和効果および長期安定性の両者の効果を併せもつこと画確認された。すなわち本発明により、製剤の機能や形態に影響を与えることなく、長期に亘って刺激緩和、保湿性効果を得ることができる。
【0104】
以下に本発明の刺激緩和剤を配合した皮膚外用剤の処方例を挙げる。
【0105】
実施例7 リップスティック
(配 合 成 分) (質量%)
固形パラフィン 8.0
カルナウバロウ 2.0
キャンデリラロウ 4.0
マイクロクリスタリンワックス 6.0
水添ラノリン 15.0
グリセリルジイソステアレート 30.0
4−カルボキシフェニルグルコシド 1.0
レチノール 1.0
BHT 0.3
調合色剤(赤色系) 7.0
香料 適 量
イソプロピルパルミテート 残 余
【0106】
実施例8 化粧水
(配 合 成 分) (質量%)
レチノール 0.0001
オレイルアルコール 0.001
α−トコフェロール 0.005
POE(20)オクチルドデカノール 0.8
エタノール 8.0
4−メトキシフェニルグルコシド 1.0
メチルパラベン 0.15
乳酸 0.03
乳酸ナトリウム 0.07
精製水 残 余
【0107】
実施例9 アイリンクルオイル
(配 合 成 分) (質量%)
オリーブオイル 40.0
2−エチルヘキサン酸トリグリセリド 26.0
スクワラン 30.0
3−カルボキシフェニルグルコシド 1.0
δ−トコフェロール 1.0
レチノール 0.1
パルミチン酸レチノール 0.1
【0108】
実施例10 ナイトクリーム
(配 合 成 分) (質量%)
スクワラン 15.0
イソプロピルミリステート 5.0
二酸化ケイ素 3.0
ワセリン 6.0
グリセリルモノイソステアレート 2.0
POE(7)硬化ヒマシ油 1.5
プロピルパラベン 0.2
レチノール 0.4
4−カルボキシフェニルグルコシド 1.5
グリセリン 17.0
精製水 残 余
【0109】
実施例11 乳液
(配 合 成 分) (質量%)
(A相)
スクワラン 5.0
オレイルオレート 3.0
グリセリン 2.0
ソルビタンセスキオレイン酸エステル 0.8
ポリオキシエチレンオレイルエーテル(20EO) 1.2
レチノール 0.1
オクタン酸セチル 0.5
香料 0.3
メチルパラベン 0.2
(B相)
1,3ブチレングリコール 4.5
エタノール 3.0
4−メトキシフェニルグルコシド 1.0
カルボキシビニルポルリマー 0.2
水酸化カリウム 0.1
L−アルギニンL−アスパラギン酸塩 0.01
ウコン抽出液(乾燥質量) 0.001
ヘキサメタリン酸ナトリウム 0.05
4−カルボキシフェニル−D−グルコシド 2.0
精製水 残 余
【0110】
実施例12 アイクリーム
(配 合 成 分) (質量%)
グリセリン 14.0
4−メトキシフェニルグルコシド 1.5
カルボキシビニルポリマー 0.1
ポリオキシベヘニルエーテル 1.0
ベヘニルアルコール 4.0
ステアリルアルコール 2.0
ワセリン 5.0
ジメチコン 5.0
酢酸レチノール 0.17
酢酸トコフェロール 0.5
月見草油 0.2
ヒアルロン酸 0.1
MPCコポリマー 3.0
トリメンチラエキス 0.1
アスコルビン酸リン酸マグネシウム 0.1
加水分解卵殻膜 0.1
シリカ 3.0
エデト酸塩 0.1
パラベン 0.2
香料 0.03
イオン交換水 残 余
【0111】
実施例13 サンスクリーン
(配 合 成 分) (質量%)
オクチルメトキシシンナメート 7.5
3−カルボキシフェニルグルコシド 2.0
t−ブチルメトキシジベンゾイルメタン 0.1
二酸化チタン 5.0
デカメチルシクロペンタシロキサン 30.0
POE・メチルポリシロキサン共重合体 3.0
有機変性モンモリロナイト 0.8
1,3−ブチレングリコール 5.0
アルブチン 5.0
メチルパラベン 0.1
香料 適 量
精製水 残 余
【0112】
実施例14 クリーム
(配 合 成 分) (質量%)
(A相)
スクワラン 6.0
ワセリン 5.0
ステアリルアルコール 3.0
ステアリン酸 3.0
グリセリルモノステアレート 3.0
ポリアクリル酸エチル 1.0
t−ブチルメトキシベンゾイルメタン 7.5
ポリアミド樹脂粉末 5.0
エタノール 40.0
フェノキシエタノール 0.3
香料 適 量
(B相)
1,3−ブチレングリコール 7.0
4−カルボキシフェニルグルコシド 1.5
エデト酸三ナトリウム 0.05
カチオン性増粘剤 3.0
乳酸 0.6
精製水 残 余
(製法)
A相の成分を加熱融解し、B相を攪拌しながら加える。ホモミキサーで処理し、乳化粒子を細かくした後、攪拌しながら急冷し、クリームを得る。
【0113】
実施例15 化粧水
(配 合 成 分) (質量%)
(A相)
オクチルメトキシシンナメート 2.0
POE(20)オレイルアルコールエーテル 0.5
エタノール 60.0
香料 適 量
フェノキシエタノール 0.3
(B相)
ソルビット 4.0
ジプロピレングリコール 6.0
4−メトキシフェニルグルコシド 1.0
乳酸 0.1
クエン酸 0.1
クエン酸ナトリウム 0.05
ヒドロキシメトキシベンゾフェノン
スルホン酸ナトリウム 適 量
エデト酸三ナトリウム 適 量
精製水 残 余
(製法)
B相を調製する。一方、エタノールに、オクチルメトキシシンナメート、POE(20)オレイルアルコールエーテル、香料および防腐剤を溶解してA相を調製する。該A相をB相に加えて可溶化し、濾過して化粧水を得る。
【0114】
実施例16 乳液
(配 合 成 分) (質量%)
(A相)
ステアリン酸 2.0
セチルアルコール 0.5
流動パラフィン 10.0
ポリオキシエチレン(10)オレイン酸エステル 1.0
ソルビタントリオレート 1.0
オクチルメトキシシンナメート 3.0
ミリスチン酸イソプロピル 2.0
シリカ 3.0
イソプロピルフェノール 0.2
香料 適 量
(B相)
ジプロピレングリコール 5.0
3−カルボキシフェニルグルコシド 1.5
トリエタノールアミン 1.0
ヘクトライト 1.0
クエン酸 0.2
エタノール 55.0
精製水 残 余
(製法)
B相を調製し、70℃に保つ。A相の各成分を混合し、加熱融解して70℃に保つ。B相にA相を加えてホモミキサーで均一に乳化、攪拌しながら急冷し、乳液を得る。
【0115】
実施例17 日焼け止めヘアージェル
(配 合 成 分) (質量%)
(A相)
水溶性高分子(「カーボポール940」) 0.6
(B相)
精製水 残 余
4−メトキシフェニルグルコシド 1.0
(C相)
トリエタノールアミン 0.1
(D相)
エタノール 14.0
オクチルメトキシシンナメート 7.5
アクリル酸メトキシエチル/アクリル酸ヒドロキシ
エチル/アクリル酸ブチル共重合体 1.0
ポリエチレングリコール 1.0
ジメチコーン共重合体 4.0
メチルパラベン 0.25
プロピルパラベン 0.05
香料 適 量
(製法)
A相をB相に攪拌溶解し、C相を加えた後、分散機にて分散する。これにD相を加え、攪拌し、目的のヘアージェルを得る。
【0116】
実施例18 日焼け止め乳化ファンデーション
(配 合 成 分) (質量%)
(A相)
精製水 残 余
4−メトキシフェニルグルコシド 1.5
1,3−ブチレングリコール 5.0
エタノール 7.0
(B相)
タルク 7.0
二酸化チタン 10.0
酸化亜鉛 2.0
無水ケイ酸 2.0
ナイロンパウダー 4.0
着色顔料 2.0
(C相)
パラメトキシシンナメート 15.0
オクタメチルシクロテトラシロキサン 10.0
ロジンペンタエリスリットエステル 1.5
ジイソオクタン酸ネオペンチルグリコール 5.0
トリイソオクタン酸グリセリン 2.0
ポリオキシエチレン変性ジメチルポリシロキサン 1.5
トリメチルシロキシケイ酸樹脂 5.0
(製法)
A相を攪拌後、十分に混合粉砕されたB相を添加し、ホモミキサー処理する。C相を溶解後これに加えホモミキサー処理し、日焼け止め乳化ファンデーションを得る。
【0117】
実施例19 サンスクリーン
(配 合 成 分) (質量%)
オクチルメトキシシンナメート 7.5
t−ブチルメトキシジベンゾイルメタン 0.1
二酸化チタン 5.0
デカメチルシクロペンタシロキサン 30.0
POE・メチルポリシロキサン共重合体 3.0
有機変性モンモリロナイト 0.8
4−メトキシフェニルグルコシド 1.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
アルブチン 5.0
ブチルパラベン 0.1
香料 適 量
精製水 残 余
【0118】
実施例20 クリーム
(配 合 成 分) (質量%)
(A相)
スクワラン 6.0
ワセリン 5.0
ステアリルアルコール 3.0
ステアリン酸 3.0
グリセリルモノステアレート 3.0
ポリアクリル酸エチル 1.0
t−ブチルメトキシベンゾイルメタン 7.5
ポリアミド樹脂粉末 5.0
エタノール 40.0
メチルパラベン 0.1
エチルパラベン 0.05
香料 適 量
(B相)
1,3−ブチレングリコール 7.0
3−カルボキシフェニルグルコシド 1.0
エデト酸三ナトリウム 0.05
カチオン性増粘剤 3.0
乳酸 0.6
精製水 残 余
(製法)
A相の各成分を加熱融解し、B相を攪拌しながら加える。ホモミキサーで処理し、乳化粒子を細かくした後、攪拌しながら急冷し、クリームを得る。
【0119】
実施例21 化粧水
(配 合 成 分) (質量%)
(A相)
オクチルメトキシシンナメート 2.0
POE(20)オレイルアルコールエーテル 0.5
エタノール 60.0
香料 適 量
メチルパラベン 0.05
(B相)
ソルビット 4.0
ジプロピレングリコール 6.0
4−メトキシフェニルグルコシド 2.0
乳酸 0.1
クエン酸 0.1
クエン酸ナトリウム 0.05
ヒドロキシメトキシベンゾフェノン
スルホン酸ナトリウム 適 量
エデト酸三ナトリウム 適 量
精製水 残 余
(製法)
B相を調製する。一方、エタノールに、オクチルメトキシシンナメート、POE(20)オレイルアルコールエーテル、香料および防腐剤を溶解してA相を調製する。該A相をB相に加えて可溶化し、濾過して化粧水を得る。
【0120】
実施例22 乳液
(配 合 成 分) (質量%)
(A相)
ステアリン酸 2.0
セチルアルコール 0.5
流動パラフィン 10.0
ポリオキシエチレン(10)オレイン酸エステル 1.0
ソルビタントリオレート 1.0
オクチルメトキシシンナメート 3.0
ミリスチン酸イソプロピル 2.0
シリカ 3.0
フェノキシエタノール 0.5
香料 適 量
(B相)
ジプロピレングリコール 5.0
4−メトキシフェニルグルコシド 5.0
トリエタノールアミン 1.0
ヘクトライト 1.0
クエン酸 0.2
エタノール 55.0
精製水 残 余
(製法)
B相を調製し、70℃に保つ。A相の各成分を混合し、加熱融解して70℃に保つ。B相にA相を加えてホモミキサーで均一に乳化、攪拌しながら急冷し、乳液を得る。
【0121】
実施例23 日焼け止めヘアージェル
(配 合 成 分) (質量%)
(A相)
水溶性高分子(「カーボポール940」) 0.6
(B相)
精製水 残 余
4−メトキシフェニルグルコシド 1.5
(C相)
トリエタノールアミン 0.1
(D相)
エタノール 14.0
オクチルメトキシシンナメート 7.5
ポリブチレングリコール4800 4.0
アクリル酸メトキシエチル/アクリル酸ヒドロキシ
エチル/アクリル酸ブチル共重合体 1.0
ポリエチレングリコール 1.0
ジメチコーン共重合体 4.0
メチルパラベン 0.25
プロピルパラベン 0.05
香料 適 量
(製法)
A相をB相に攪拌溶解し、C相を加えた後、分散機にて分散する。これにD相を加え、攪拌し、目的のヘアージェルを得る。
【0122】
実施例24 日焼け止め乳化ファンデーション
(配 合 成 分) (質量%)
(A相)
精製水 残 余
3−カルボキシフェニルグルコシド 1.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
エタノール 7.0
(B相)
タルク 7.0
二酸化チタン 10.0
酸化亜鉛 2.0
無水ケイ酸 2.0
ナイロンパウダー 4.0
着色顔料 2.0
(C相)
パラメトキシシンナメート 15.0
オクタメチルシクロテトラシロキサン 10.0
ロジンペンタエリスリットエステル 1.5
ジイソオクタン酸ネオペンチルグリコール 5.0
トリイソオクタン酸グリセリン 2.0
ポリオキシエチレン変性ジメチルポリシロキサン 1.5
トリメチルシロキシケイ酸樹脂 5.0
(製法)
A相を攪拌後、十分に混合粉砕されたB相を添加し、ホモミキサー処理する。C相を溶解後これに加えホモミキサー処理し、日焼け止め乳化ファンデーションを得る。
【図面の簡単な説明】
【0123】
【図1】対照例1、比較例1〜4、実施例1〜3における刺激緩和効果を示すグラフである。
【図2】対照例2、比較例5〜8、実施例4〜6における刺激緩和効果を示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
グルコース誘導体からなる刺激緩和剤。
【請求項2】
グルコース誘導体が下記一般式(I)

(式中、Rは4−メトキシフェノール、4−カルボキシフェノール、3−カルボキシフェノールの残基を示す)
で表される化合物である、請求項1記載の刺激緩和剤。
【請求項3】
請求項1または2記載の刺激緩和剤を含有する皮膚外用剤。
【請求項4】
皮膚外用剤が、皮膚への刺激原因物質をさらに含有する、請求項3記載の皮膚外用剤。
【請求項5】
皮膚への刺激原因物質が、脂溶性薬剤成分である、請求項4記載の皮膚外用剤。
【請求項6】
脂溶性薬剤成分が、レチノールおよびその誘導体、紫外線吸収剤、防腐剤の中から選ばれる1種または2種以上である、請求項5記載の皮膚外用剤。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−257012(P2006−257012A)
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−75965(P2005−75965)
【出願日】平成17年3月16日(2005.3.16)
【出願人】(000001959)株式会社資生堂 (1,748)
【Fターム(参考)】