説明

刺繍模様の切抜き方法

【課題】 熱溶融性シート表面に刺繍された刺繍模様を切抜く場合、熟練工が手作業で切抜いたものに劣ることのないように刺繍模様の輪郭縁に沿って綺麗に切抜きができ、しかも、能率良く切抜くことができる刺繍模様の切抜き方法を提供しようとするものである。
【解決手段】 熱溶融性のシートに刺繍手段によって刺繍模様を形成し、レーザー光線照射手段によるレーザー光線を、刺繍模様の輪郭縁に沿って移動させながら照射し、しかも、その輪郭縁に沿っての照射の状態は、上記刺繍模様の輪郭縁と上記シートとに渡る広さをもって照射して、刺繍模様の輪郭縁と上記刺繍模様の輪郭縁の周りのシートとを切り離すようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、刺繍模様の切抜き方法に関し、詳しくは熱溶融性のシートに形成した刺繍模様の輪郭縁に沿ってレーザー光線を照射して、刺繍模様の輪郭縁とその周りのシートとを切り離す刺繍模様の切抜き方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の刺繍模様の切抜き方法は、まず、刺繍ミシンの刺繍枠に熱溶融性シートを張設する。
次に刺繍模様データを用いて、刺繍枠を2次元的に移動させ、上記熱溶融性シートに装飾ステッチ(刺繍模様ともいう)を形成する。
次に、ヒートカッターによって、熱溶融性シートに形成した刺繍模様を切抜く。
その切抜き手段は、まず、ヒートカッターのチップ部の先端を刺繍模様の輪郭縁に当接させる。
次に、上記刺繍模様データに基づく切抜データ(上記刺繍模様データの輪郭縁から内側にオフセットさせた切抜データ)を用いて、刺繍枠を2次元的に移動させることにより、ヒートカッターチップ部の先端を刺繍模様の輪郭縁に沿って相対的に移動させ、熱溶融性シートを熱溶断して刺繍模様を切抜いていた。
この切抜きの場合、ヒートカッターのチップ部の先端は刺繍模様の内側方向へ付勢されるようにしてあった。
ヒートカッターチップ部の先端を刺繍模様の輪郭縁に沿って相対的に移動させる場合、刺繍模様の盛上がりに嵩があると、ヒートカッターのチップ部先端が 刺繍模様の輪郭縁に押しつけられた状態で刺繍模様の輪郭縁に沿って移動し、上記の通り刺繍模様を輪郭縁に沿って上記熱溶融性シートから綺麗に切抜くことができた。(例えば、特許文献1参照)
【0003】
【特許文献1】特開平10−60773号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この従来の刺繍模様の切抜き方法では、切抜き対象の刺繍模様の縫製において、刺繍に用いる糸が細かったり、刺繍模様における針密度が低く、形成された刺繍模様が、熱溶融性シート表面からの盛上がりの嵩が小さい刺繍模様である場合には、ヒートカッターのチップ部先端は、刺繍模様内側方向への付勢力によって、刺繍模様の輪郭縁から刺繍模様へ乗りあげてしまい、熱溶融性シートが溶断されないことになる。
そこで、付勢力を弱くすると、チップ部先端が刺繍模様の輪郭縁にピッタリと沿わず、刺繍模様の輪郭縁で熱溶融性シートが溶断されなくなる。
従って、刺繍模様を輪郭縁に沿って上記熱溶融性シートから綺麗に切抜くことができなくなる問題点がある。
さらに、切抜こうとする刺繍模様が、針数、針密度、刺繍方向等の刺繍条件により、刺繍模様の部位によって縫い縮みの大きさにバラツキがある場合には、上記チップ部先端が刺繍模様の輪郭縁に沿って移動する際、上記チップ部先端の付勢力にバラツキが生じて切抜きの精度が低くなる。
さらに、切抜こうとする刺繍模様の輪郭に鋭角の部分がある刺繍模様である場合には、刺繍枠の電子的に予定されている駆動軌跡と、チップ部先端の付勢力による慣性を伴う動作軌跡とが一致せず、チップ部先端の軌跡が刺繍模様の輪郭に一致せず、切抜商品の品質精度が低く、商品価値がなくなる問題点があった。
【0005】
そこで、刺繍模様の周囲を綺麗に切抜き、商品の品質が良いものを提供する為、切抜き加工についての熟練工が、手作業で一つ一つ切抜き作業をしている。
しかし、手作業で切抜き作業をすると、作業能率が悪く、コスト高になる問題点がある。
【0006】
本件出願の目的は、熱溶融性シート表面に刺繍された刺繍模様を切抜く場合、熟練工が手作業で切抜いたものに劣ることのないように刺繍模様の輪郭縁に沿って綺麗に切抜きができ、しかも、能率良く切抜くことができる刺繍模様の切抜き方法を提供しようとするものである。
他の目的は、その場合、切抜き対象の刺繍模様が熱溶融性シート表面からの盛上がりの嵩の低い刺繍模様であるときであっても、シート表面からの盛上がりの嵩の高低に影響されず、熟練工が手作業で切抜いたものに劣ることのないように刺繍模様の輪郭縁に沿って綺麗に切抜きができ、しかも、能率良く切抜くことができる刺繍模様の切抜き方法を提供しようとするものである。
他の目的は、その場合、切抜き対象の刺繍模様が刺繍模様の部位によって縫い縮みの大きさにバラツキがある刺繍模様であるときであっても、さらに、切抜こうとする刺繍模様の輪郭に鋭角の部分がある刺繍模様であっても、刺繍模様の輪郭形状に影響されることなく、切抜商品の品質精度が高く、熟練工が手作業で切抜いたものに劣ることのないように刺繍模様の輪郭縁に沿って綺麗に切抜きができ、しかも、能率良く切抜くことができる刺繍模様の切抜き方法を提供しようとするものである。
他の目的及び利点は図面及びそれに関連した以下の説明により容易に明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願発明における刺繍模様の切抜き方法は、熱溶融性のシート13に刺繍手段によって刺繍模様15を形成し、レーザー光線照射手段21によるレーザー光線24を、上記刺繍模様15の輪郭縁18に沿って移動させながら照射し、しかも、その輪郭縁18に沿っての照射の状態は、上記刺繍模様15の輪郭縁18と上記シート13とに渡る広さをもって照射して、上記刺繍模様の輪郭縁18と上記刺繍模様の輪郭縁の周りのシート13とを切り離すようにしたものである。
【0008】
また好ましくは、熱溶融性のシート13に刺繍模様データを用いた刺繍手段によって刺繍模様15を形成し、上記刺繍模様データに基づく切抜データを用いて、レーザー光線照射手段21によるレーザー光線24を、上記刺繍模様の輪郭縁18に沿って移動させながら照射し、しかも、その輪郭縁18に沿っての照射の状態は、上記刺繍模様の輪郭縁18と上記シート13とに渡る広さをもって照射して、上記刺繍模様の輪郭縁18と上記刺繍模様の輪郭縁の周りのシート13とを切り離すものであればよい。
【0009】
また好ましくは、上記レーザー光線が照射される刺繍模様の輪郭縁においては、上記刺繍模様が刺繍模様の下に位置するシートが溶けないように上記レーザー光線を妨げるようにしたものであればよい。
【発明の効果】
【0010】
以上のように本願発明は、熱溶融性シート表面に刺繍された刺繍模様を切抜く場合、切抜き対象の刺繍模様が熱溶融性シート表面からの盛上がりの嵩の低い刺繍模様であっても、レーザー光線照射手段によるレーザー光線を、上記刺繍模様の輪郭縁に沿って移動させながら照射して、上記刺繍模様の輪郭縁と上記刺繍模様の輪郭縁の周りのシートとを切り離すようにしたので、切抜き対象の刺繍模様における盛上がりの嵩の高低に影響されることなく、熟練工が手作業で切抜いたものに劣ることのないように刺繍模様の輪郭縁に沿って綺麗に切抜かれた商品価値の高い商品ができるという品質上の効果があり、しかも、能率良く切抜くことができる作業上の効果がある。
【0011】
さらに本願発明は、熱溶融性シート表面に刺繍された刺繍模様を切抜く場合、切抜き対象の刺繍模様が刺繍模様の部位によって縫い縮みの大きさにバラツキがある刺繍模様であっても、レーザー光線照射手段によるレーザー光線を、上記刺繍模様の輪郭縁に沿って移動させながら照射し、しかも、その輪郭縁に沿っての照射の状態は、刺繍模様の輪郭縁と上記シートとに渡る広さで、かつ、縫い縮みのバラツキを許容するような広さで照射するようにしたので、刺繍模様の輪郭形状における縫い縮みの大きさにバラツキに影響されることなく、熟練工が手作業で切抜いたものに劣ることのないように刺繍模様の輪郭縁に沿って綺麗に切抜かれた商品価値の高い商品ができるという品質上の効果があり、しかも、能率良く切抜くことができる作業上の効果がある。
【0012】
さらに本願発明は、熱溶融性シート表面に刺繍された刺繍模様を切抜く場合、切抜こうとする刺繍模様の輪郭に鋭角の部分がある刺繍模様であっても、刺繍模様データに基づく切抜データに基づいて、レーザー光線照射手段によるレーザー光線を、上記刺繍模様の輪郭縁に沿って移動させながら照射するようにしたので、切抜データに基づく刺繍枠の電子的な駆動軌跡と、レーザー光線の照射軌跡とは一致する。
よって、刺繍模様の輪郭縁に沿って、加工精度高く刺繍模様を切抜くことができ、熟練工が手作業で切抜いたものに劣ることのないように刺繍模様の輪郭縁に沿って綺麗に切抜かれた商品価値の高い商品ができるという品質上の効果があり、しかも、能率良く切抜くことができる作業上の効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下本願発明の実施の形態を示す図面について説明する。図1乃至図3において、1は周知の刺繍ミシンを示す。
多頭刺繍ミシン1において、2はテ−ブル、3はテ−ブル上に立設させた立枠、4は立枠3、3相互間に架設した横枠を示す。
6は刺繍ヘッドを示し、複数台が相互に一定の間隔を隔てて横枠4に取付けて配置されている。
上記複数の刺繍ヘッド6は周知のように複数の針棒、例えば五本の針棒(図示略)と、該針棒の下端に夫々止着された針7を備えている。
8は刺繍枠を示し、テ−ブル2の上面に沿って矢印X方向及びY方向に移動するようになっている。さらに、この刺繍枠8には周知の如く刺繍をする為のシートを張設させられるようになっている。
【0014】
10は周知の刺繍ミシン1の動作を制御する為の制御装置を示し、CPU、ROM、RAM、入出力インターフェイス等からなるマイクロコンピュータ(図示略)と、各種のデータを入力するキー入力部11と、入力データ及び運転状況等を表示するディスプレイ等の表示部12を備えている。
上記マイクロコンピュータには、刺繍模様15を刺繍する為の刺繍模様データと、刺繍模様15を切抜く為の切抜きデータを含む。
上記刺繍模様データは、刺繍模様15の形状を決定するため刺繍枠8の逐次移動量を定めた枠データと、刺繍模様15の配色を決定するため針7を選択する針データとを備える。
上記切抜きデータの輪郭縁データは、上記刺繍模様データにおける刺繍模様15の輪郭縁データを基準にして、刺繍模様15の各部位の縫い縮み量の平均量分だけ刺繍模様15の内側方向へ入るようにさせたものである(例えば、縫い縮み量が最大2mm、最小1mmであるときは輪郭縁データから1.5mm内側に入る位置になる)。
【0015】
13は、刺繍に用いられる周知の熱溶融性シートを示し、刺繍模様15を形成する縫糸16の融点より低い融点のものであればよい。
従って、熱溶融性シート13としては、融点170℃の縫糸16に対して融点が60〜70℃の周知の例えば樹脂シート等であってもよい。
【0016】
21は、周知のレーザ光線照射手段を示し、レーザー発振部22とそれを制御するコントローラ(図示略)とを備えている。
レーザ光線照射手段21は、任意調節自在の広さ24aと、任意調節自在の熱容量でレーザー光線24が上記熱溶融性シート13の上面に照射されるように構成させてある。
上記照射されるレーザー光線24の広さ24aと熱容量は、夫々、上記刺繍模様の輪郭縁18と上記シート13とに渡る広さ(例えば縫い縮み量の平均が1.5mmであるときは直径2mm)で、上記レーザー光線が照射された刺繍模様の輪郭縁18においては、熱溶融性シート13は溶融するが、刺繍模様15は溶けない出力になるように、周知のように、熱溶融性シート及び縫糸の種類、刺繍枠の移動速度に合わせて決めればよい。
【0017】
上記構成のものにおいて、刺繍模様を切抜く作業について説明する。
まず、周知のように刺繍枠8に熱溶融性シート13を張設する。
次に、上記熱溶融性のシート13に刺繍手段としての刺繍ミシン1によって刺繍模様15を形成する。
即ち、上記刺繍模様データを用いて、刺繍ミシン1における刺繍枠8を2次元的に移動させ、上記熱溶融性シート13に刺繍模様15を形成する。
刺繍模様15は、図2(A)に示されるように形成される。
【0018】
次に、熱溶融性シート13に形成した刺繍模様15を切抜く。
その切抜き手段は、次の通りである。
まず、刺繍枠8を移動させて、図2(B)に示されるように上記刺繍模様15をレーザー光線照射手段21におけるレーザー発振口23の下方へ移動させる。
その移動させる位置は、刺繍模様15の輪郭縁18における切抜き開始点Sに向けて、レーザー光線24が照射するような位置に移動させる。
【0019】
次に、上記刺繍模様データに基づく切抜データを用いて、刺繍枠8を2次元的に移動させ、図3に示されるように、レーザー光線照射手段21によるレーザー光線24を、上記刺繍模様の輪郭縁に沿って相対的に移動させながら照射する。
しかも、その輪郭縁18に沿っての照射の状態は、図3(A)、(B)によく示されるように、上記刺繍模様の輪郭縁18と上記シート13とに渡る広さ24aをもって照射するようにする。
すると、レーザー光線24が照射された広さ24aにおいては、上記熱溶融性シート13の上面13aは、レーザー光線24の照射により温度が上昇し、シート13の融点(例えば70℃)に達すると、溶ける。
一方、刺繍模様15の輪郭縁18の上面17も、レーザー光線24の照射により温度が糸質により適度に上昇する。しかし、刺繍模様15を形成する縫糸16の融点(例えば170℃)は、シート13の融点より高いので、溶けない。
よって、図3(A)、(C)に示されるように、上記刺繍模様の輪郭縁18の周りのシートのみが溶けることになる。
【0020】
このようにして、引続き切抜データを用いて上記刺繍模様の輪郭縁18に沿ってレーザー光線24を相対的に移動させながら照射し、切抜データによるすべての輪郭縁18を照射する。
そして、上記切抜データを用いての切抜き作業を終了する。
すると、上記刺繍模様の輪郭縁18の周りのシートのみが溶け、上記刺繍模様の輪郭縁18と上記刺繍模様の輪郭縁の周りのシート13とを切り離すことになる。
刺繍模様の輪郭縁に沿って綺麗に切抜かれる。
切り抜いた刺繍模様15は、必要に応じて接着材加工やあて布加工等任意に裏面加工を施した後ワッペンに用いたり、衣類等の加工布に接着剤等で貼り付けて使用することができる。
なお、上記レーザー光線24が照射される刺繍模様15の輪郭縁18においては、上記輪郭縁18の上面17に存在する糸16が、刺繍模様の下に位置するシート13bが溶けないように上記レーザー光線を妨げる。妨げる態様としては、糸自身が痛まないように、吸収、反射等がある。
よって、上記シート13bは溶けず、刺繍模様15を壊すことなく、上記刺繍模様の輪郭縁18の周りのシートのみを溶かして、上記刺繍模様の輪郭縁18と上記刺繍模様の輪郭縁の周りのシートとを切り離し、刺繍模様の輪郭縁に沿って綺麗に切抜くことができる。
【0021】
なお、レーザー光線照射手段21によるレーザー光線24を、刺繍模様の輪郭縁18に沿って移動させながら照射する態様について、刺繍枠8を2次元的に移動させ、レーザー光線24を上記刺繍模様の輪郭縁に沿って相対的に移動させながら照射する態様を説明をした。
しかし、刺繍枠8を固定し、レーザー光線照射手段21によるレーザー光線24自体を移動させるように構成して、レーザー光線24を上記刺繍模様の輪郭縁に沿って移動させながら照射するようにしてもよい。
さらに、刺繍枠8とレーザー光線24自体とを共に移動させるように構成して、レーザー光線24を上記刺繍模様の輪郭縁に沿って移動させながら照射するようにしてもよい。
【0022】
なお、図1に示されるように、熱溶融性シート13を刺繍枠8に一体的に張設させたものについて説明した。しかし、熱溶融性シート13を周知のように刺繍枠8とは別の刺繍枠(図示略)に張設し、その刺繍枠を刺繍枠8に取付けたものでもよい。
さらに、刺繍模様15を形成させた後、上記熱溶融性シート13を張設させた刺繍枠を刺繍枠8から外し、刺繍ミシン1とは別体で構成させたレーザー光線照射手段に対してセットし、刺繍模様15の輪郭縁18における切抜き開始点Sに向けてレーザー光線24が照射するように、任意手段により位置決めをして、刺繍ミシン1とは別体で構成させたレーザー光線照射手段を使用して刺繍模様15を切抜いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】レーザー光線照射手段を備える刺繍ミシンの概略構成図。
【図2】刺繍ヘッドと刺繍枠とシートと刺繍模様とレーザー光線照射手段との関係を説明する為の概略斜視図で、(A)は刺繍模様が形成された状態を示し,(B)は刺繍枠8を移動させて切抜作業を開始する状態を示す。
【図3】熱溶融性シート13に形成した刺繍模様15の切抜を説明する為の図で、(A)は熱溶融性シートと、刺繍模様と、レーザー光線との関係を説明する為の拡大概略図、(B)は(A)におけるB−B線断面図(なお、参考の為、縫い縮み量の異なる輪郭縁の位置を一点鎖線で示す。)、(C)は(A)におけるC−C線断面図で、輪郭縁の周りのシートのみが溶けたものを説明する為の図。
【符号の説明】
【0024】
1・・・刺繍ミシン、2・・・テ−ブル、3・・・立枠、4・・・横枠、6・・・刺繍ヘッド、7・・・針、8・・・刺繍枠、10・・・制御装置、13・・・熱溶融性シート、15・・・刺繍模様、16・・・縫糸、17・・・上面、18・・・輪郭縁、21・・・レーザ光線照射手段、22・・・レーザー発振部、23・・・レーザー発振口、24・・・レーザー光線、24a・・・広さ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱溶融性のシートに刺繍手段によって刺繍模様を形成し、
レーザー光線照射手段によるレーザー光線を、上記刺繍模様の輪郭縁に沿って移動させながら照射し、
しかも、その輪郭縁に沿っての照射の状態は、上記刺繍模様の輪郭縁と上記シートとに渡る広さをもって照射して、上記刺繍模様の輪郭縁と上記刺繍模様の輪郭縁の周りのシートとを切り離すことを特徴とする刺繍模様の切抜き方法。
【請求項2】
熱溶融性のシートに刺繍模様データを用いた刺繍手段によって刺繍模様を形成し、上記刺繍模様データに基づく切抜データを用いて、レーザー光線照射手段によるレーザー光線を、上記刺繍模様の輪郭縁に沿って移動させながら照射し、
しかも、その輪郭縁に沿っての照射の状態は、上記刺繍模様の輪郭縁と上記シートとに渡る広さをもって照射して、上記刺繍模様の輪郭縁と上記刺繍模様の輪郭縁の周りのシートとを切り離すことを特徴とする刺繍模様の切抜き方法
【請求項3】
上記レーザー光線が照射される刺繍模様の輪郭縁においては、上記刺繍模様が刺繍模様の下に位置するシートが溶けないように上記レーザー光線を妨げるようにしたことを特徴とする請求項1又は2記載の刺繍模様の切抜き方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−104583(P2006−104583A)
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−288942(P2004−288942)
【出願日】平成16年9月30日(2004.9.30)
【出願人】(000135690)株式会社バルダン (125)
【Fターム(参考)】