剃圧調整機構付き電気振動カミソリ
【課題】剃刀刃の剃圧を自在に調整することができる剃圧調整機構付き電気振動カミソリの提供を図る。
【解決手段】Ｔ字型湿式シェーブカミソリの持ち手部を挟持するための弾性力を有する可撓性部材で形成される挟持部と、電動式バイブレーション機構を内蔵する本体部とを、スライド機構を介して摺動可能に連結し、前記本体部に対する前記挟時部の突き出し量を調整可能とする構成とした。また、これに二種以上の弾性力の異なる可撓性部材をダブルモールド成形で一体形成する構成を付加する手段も有効である。
【解決手段】Ｔ字型湿式シェーブカミソリの持ち手部を挟持するための弾性力を有する可撓性部材で形成される挟持部と、電動式バイブレーション機構を内蔵する本体部とを、スライド機構を介して摺動可能に連結し、前記本体部に対する前記挟時部の突き出し量を調整可能とする構成とした。また、これに二種以上の弾性力の異なる可撓性部材をダブルモールド成形で一体形成する構成を付加する手段も有効である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、剃刀刃の剃圧を自在に調整することができる剃圧調整機構付き電気振動カミソリに関する。
【背景技術】
【０００２】
髭や髪、あるいは皮膚の表面の体毛を除去するための刃物としてカミソリがあり、カミソリは老若男女を問わず、身だしなみを整えるために広く一般に使用されている。近年においては三枚刃や四枚刃等といった非常に薄い鋼製の刃を複数並べて切れ味を向上させている製品が主流となっているが、大別すると、これらの複数枚刃と柄を一体化させた簡易構造の使い捨てタイプと、複数枚刃をプラスチックで固定したカートリッジ式の交換タイプに分かれている。特に、出張先や旅行先のホテル等で提供される髭剃用のカミソリは、コスト等の問題から、刃と柄を一体化とした使い捨てタイプが多く、全体デザインも機能も簡素化されている。これに対し、カートリッジ式の交換タイプでは、首振りヘッド機構を備えているものが多い。
【０００３】
このような従来製品において、髭剃り時に使用されるカミソリの剃圧を調整するために、カミソリヘッド部と持ち手部のあいだに柔軟部材を設け、その素材の弾性力によって肌面に当たるカミソリ刃の剃圧を調整する方法が提案されている。例えば、棒状を成すハンドル部と、該ハンドル部の先端に連接した棒状のヘッド部と、該ヘッド部に沿って取り付けた剃刃を備え、前記ハンドル部およびヘッド部を可撓性材料で構成した「携帯用かみそり」（特許文献１参照）が提案され、公知技術となっている。
【０００４】
また、弾性接続部材をハンドルと刃ユニットとの間で弧状ラインに形成し、刃ユニットを固定することができる端部で少なくても１つの刃が弾性接続部材の弧状ラインの接線にほぼ直角平面に配置されるように弾性接続部材に固定することができる「使い捨てカミソリ」（特許文献２参照）が提案され、公知技術となっている。
【０００５】
また、携帯用のＴ字型振動カミソリであって、バッテリー接続端子が備えられたホルダーと、該ホルダーの上方に取り付けられる振動発生装置が付設された弾性部材で形成された連結柄と、該「連結柄へ連結するための連結部を下方に有する着脱自在のＴ字型替刃ユニットと、からなる本出願人による「携帯用Ｔ字型振動カミソリ器」（特許文献３参照）が提案され、公知技術となっている。
【０００６】
しかしながら、それらの提案の何れも、連結部に弾性部材を設け、その弾性部材の弾性力によってカミソリ刃を剃圧する方法を採っているため、使用される弾性部材の変形度合いの範囲内での剃圧力に限定され、使用者の好みや肌合いに合った剃圧調整ができない問題があった。
【０００７】
また、近年では、電気的に微小な振動を発生させるＴ字型の振動カミソリも多数のメーカーから製造販売されている。これらは、微小振動をカミソリに与えて髭等を立たせることにより、剃刀性の向上を図ることを目的としたものや、剃刀時の肌への滑らか感を与えることを主たる目的としているものである。しかし、係る電気振動カミソリは、発生させた振動の強さやサイクルを調整することができても、剃刀部位に押しつけたカミソリヘッド部の剃圧を調整することができないため、肌の弱い人が使用すると、その振動がダイレクトに肌に押しつけられることにより髭剃り負けを起こして肌を傷つけ、剃刀部位から出血してしまうという問題がある。係る問題を回避する手段として、振動部とカミソリ部のあいだに柔軟な素材を介在させることが考えられるが、単純に、振動部とカミソリ部のあいだに柔軟材料を介して接続すると、その材質によっては振動伝達を抑え過ぎてしまい、振動源から伝える振動力を低減してしまい、前記電気振動カミソリの目的を達成できなくなってしまう。即ち、微振動による前記効果を維持しつつ、必要以上の剃圧がかかった時はそれを逃がすことができる技術が求められているといえる。
【０００８】
そこで、本出願人は、前記種々の問題を解決すべく、持ち手部となる本体部と剃刀部間の距離と素材の関係、及び振動部とカミソリ部間の振動伝達状態に着目し、物質の持つ固有振動数と加振力の振動数をコントロールし、振動現象の共振や減衰等を考慮しながら、発生した微振動を上手く利用すれば、弾性部材の持つ弾性力による剃り圧調整を可能とすることのみならず、バイブレーション機構から得られる微振動の振幅を減衰させることなく、有効に剃刀部に振動を与えることができるのではないかとの着想の下、本発明に至ったものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００９】
【特許文献１】特開平８-３２３０６８号公報公報
【特許文献２】特表２０００-５０２２６７号
【特許文献３】特開２００７-３０７０７８号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【００１０】
本発明は、上記問題点に鑑み、剃刀刃の剃圧を自在に調整することができる剃圧調整機構付き電気振動カミソリの提供を図る。
【課題を解決するための手段】
【００１１】
本発明は、カミソリ刃の剃圧を自在に調整することができる剃圧調整機構付き電気振動カミソリであって、Ｔ字型湿式シェーブカミソリの持ち手部を挟持するための挿入口及び挿入穴が設けられた弾性力を有する可撓性部材で形成される挟持部と、電動式バイブレーション機構を内蔵する本体部とから成り、前記挟持部と前記本体部とは、スライド機構を介して摺動可能に連結し、前記本体部に対する前記挟時部の突き出し量を調整可能としたことを特徴とする剃圧調整機構付き電気振動カミソリとした。
【００１２】
また、本発明は、前記挟持部をダブルモールド成形により弾性係数の異なる二種以上の可撓性部材で一体形成し、該挟持部の素材構成が、前記挿入口に向かうに従って、弾性係数の小さい可撓性部材よりも弾性係数の大きい可撓性部材が断面比において大きくなっていく構成を採用していることを特徴とする前記記載の剃圧調整機構付き電気振動カミソリとすることもできる。
【００１３】
また、本発明は、前記挟持部において、Ｔ字型湿式シェーブカミソリの持ち手部を固定するための固定具を一以上備えたことを特徴とする前記剃圧調整機構付き電気振動カミソリとすることもできる。
【発明の効果】
【００１４】
本発明の剃圧調整機構付き電気振動カミソリによれば、挟持部が弾性力を有する可撓性部材で形成されており、使用者の肌合いに合った剃圧調整ができるという優れた効果を奏する。
【００１５】
本発明の剃圧調整機構付き電気振動カミソリによれば、剃圧を調整する機構として、本体に対して挟時部の突き出し量を調整するという簡易な構造を採用したことで、使い勝手が良い上に軽量化ならびに製造コストの低廉が図れるという優れた効果を奏する。
【００１６】
本発明の剃圧調整機構付き電気振動カミソリによれば、物質の持つ固有振動数と加振力の振動数をコントロールし、振動現象の共振と減衰を上手く利用できる構成を採用したことで、弾性部材の持つ弾性力による剃圧調整を可能とすることのみならず、バイブレーション機構から得られる振幅の減衰を抑えて、有効に剃刀部に振動を与えることができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【００１７】
【図１】本発明に係る剃圧調整機構付き電気振動カミソリの全体構成を示す説明図である。
【図２】本発明の第一実施例に係る剃圧調整機構の説明図である。
【図３】本発明の第二実施例に係る剃圧調整機構の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【００１８】
本発明の剃圧調整機構付き電気振動カミソリ１は、Ｔ字型湿式シェーブカミソリ１０の持ち手部１２を挟持するための挟持部２０に弾性力を有する可撓性部材で形成したことと、これを電動式バイブレーション機構３３を内蔵した本体部３０にスライド機構４０を介して摺動可能に連結させて、該本体部３０に対する該挟時部２０の突き出し量を調整可能とする構成を採用したことで、高い剃刀性を発揮させると共に、カミソリ負けをしないように肌を保護できることを最大の特徴とする。以下、実施例を図面に基づいて説明する。
【００１９】
なお、本実施例で示される剃圧調整機構付き電気振動カミソリ１の全体形状及び各部の形状は、下記に述べる実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内、即ち、同一の作用効果を発揮できる形状及び寸法の範囲内で変更することができるものである。
【実施例１】
【００２０】
図１は、本発明に係る剃圧調整機構付き電気振動カミソリ１の全体構成を示す説明図であり、図１（ａ）は本体部３０に対し挟時部２０が突き出していない状態で、且つ、Ｔ字型湿式シェーブカミソリ１０の持ち手部１２が挟持用穴部２１に挿入される前の状態を示し、図１（ｂ）は本体部３０に対し挟時部２０を突き出した状態で、且つ、Ｔ字型湿式シェーブカミソリ１０の持ち手部１２が挿入口２１から挿入穴２２に挿入された後の状態であり、更に請求項３に記載の固定具２３を備えた構成を示している。
【００２１】
図２は、本発明の第一実施例に係る剃圧調整機構５０の説明図であり、図２（a）は本体部３０に対し挟時部２０が突き出していない状態を示し、図２（ｂ）は本体部３０に対し挟時部２０が突き出している状態を示し、図２（ｃ）は本体部３０に対し挟時部２０が突き出し、且つ、Ｔ字型湿式シェーブカミソリ１０の持ち手部１２が挿入穴２２に浅く挟持され、該Ｔ字型湿式シェーブカミソリ１０が挟持部２０に対し突き出している状態を示している。図２（ｄ）は挟時部２０に対し本体部３０が突き出している状態を其々示している。
【００２２】
本発明に係る剃圧調整機構付き電気振動カミソリ１は、Ｔ字型湿式シェーブカミソリ１０の持ち手部１２を挟持するための弾性力を有する可撓性部材で形成される挟持部２０と、電動式バイブレーション機構３３を内蔵する本体部３０とをスライド機構４０を介して摺動可能に連結したことで、前記本体部３０に対する前記挟時部２０の突き出し量の調整を可能とする構成を採用している。
【００２３】
挟持部２０は、Ｔ字型湿式シェーブカミソリ１０の剃刀刃１１に適度な剃圧をかけることが可能な、柔軟性と弾性を有する素材で形成する。例えば、エラストマー(elastomer)や発泡樹脂（foamed plastics）等の可撓性部材を用いるのが一般的といえる。しかし、使用環境を考慮すれば、水分による加水分解し易いものを避けるために、シリコンゴム(silicone rubber)など高い耐水性を有する合成樹脂素材を用いることが望ましい。但し、ウレタン樹脂やウレタンゴムなどのポリウレタンを用いる場合においては、反発弾性率や曲げ弾性率の関係から、復元力の小さな素材では、剃刀刃１１に適度な剃圧をかけられず、また、電動式バイブレーション機構３３により発生した微細振動を吸収してしまうことになる。そこで、挟持部２０には、該剃刀刃１１に適切に振動を伝えることができ、且つ、その振動による柔らかい剃り味感等を阻害することにならない素材とする。
【００２４】
また、挟持部２０は略筒状体で形成され、中心内部には、Ｔ字型湿式シェーブカミソリ１０の持ち手部１２を挿入するための挿入口２１及び挿入穴２２が設けられている。該挿入口２１の開口面積及び挿入穴２２の深さは、一般的な使い捨て用カミソリの持ち手部１２を挟持できる寸法とする。例えば、ザ・ジレツト・カンパニーから販売されているＧｉｌｌｅｔｔｅ（登録商標）ＣＵＳＴＯＭＰＬＵＳ（登録商標）ＥＸや、貝印株式会社から販売されているベスティ（登録商標）ＥＸなど、広く流通している一般的な使い捨て用のものでは、持ち手部１２の長さが８０ｍｍから１００ｍｍ程度で、縦横を其々１０ｍｍ程度の寸法としているものが多い。そこで、例えば、挿入口２１の断面形状を略正方形状とし、縦横寸法を其々８ｍｍ程度とし、成功挿入穴２２の穴の深さを１００ｍｍから１３０ｍｍとする。挿入口２１の断面形状を略正方形状とした場合は、Ｔ字型湿式シェーブカミソリ１０を、図に示した状態から９０度回転させて装着することも可能である。
【００２５】
また、挟持部２０には、本体部３０と摺動可能に接合させるためのスライド機構４０が底面部に設けられており、例えば、図２（ａ）に示すように、挟持部２０の底面部にＬ字状の凹溝を設け、これに対して組み合わされるＬ字状の凸溝とした場合であれば、挟持部２０のヘッド部１３側端部の位置Ｐ１から反対端部の位置Ｐ３のまでの長さＬ３を有する。
【００２６】
本体部３０は、内部に振動用モータ３１とバッテリー３２から構成される電動式振動機構３３を備え、上面には前記挟持部２０の底面部に設けられるＬ字状の凹溝に対応するＬ字状の凸溝を備える。該凸溝は、位置Ｐ１から所定の距離Ｌ１だけ離れた位置Ｐ２から始まり、反対端部Ｐ４のまでの長さＬ２を有する。なお、振動用モータ３１の出力軸に偏芯ウェイトを備えて振動を発生させる場合等では、該偏芯ウェイトが位置Ｐ２近くになるように配置し、発生した振動を効率よくカミソリヘッド部１３へ伝達させることが望ましい。
【００２７】
第一実施例に係る剃圧調整機構５０は、図２に示すように、本体部３０と挟持部２０との突き出し量、及びＴ字型湿式シェーブカミソリ１０の挿入状態により剃刀部位や好みに応じて剃圧を調整する。具体的には、剃圧強さは位置Ｐ２を支点とした位置Ｐ１までの可撓性部材の長さと、位置Ｐ１からカミソリヘッド部１３の位置Ｐ５までの距離Ｌ４又は距離Ｌ５と、持ち手部１２の挿入深さにより変動する。可撓性部材の弾性力を最も作用させないようにするには、図２（ｄ）のように弾性力を作用させる位置Ｐ１から位置Ｐ２の距離Ｌ６のように短くし、持ち手部１２を挿入穴２２に深く挿入する。他方、剃圧を弱めたいのであれば、図２（ｃ）のような配置構成にすればよい。即ち、図２上では（ｄ）、（ａ）、（ｂ）、（ｃ）の順に剃圧は強い。なお、距離Ｌ４及び距離Ｌ５は、位置Ｐ１からカミソリヘッド部１３の位置Ｐ５までの長さであり、Ｔ字型湿式シェーブカミソリ１０の持ち手部１２が挿入穴２２へ挿入される深さによって変動する。係る距離Ｌ４から距離Ｌ５の挿入深さ調整は、使用するカミソリヘッド部１３の持つ固有振動数と加振力の振動数の関係から、共振等による異常な振動現象が起きた場合などに、該挿入深さを変えることによって調整する。
【実施例２】
【００２８】
図３は、本発明の第二実施例に係る剃圧調整機構の説明図であり、図３（ａ）は、挟時部２０に対しＴ字型湿式シェーブカミソリ１０の持ち手部１２が挿入穴２２に深く挟持されている状態であって、挟持部２０と本体部３０とが突き出しの関係とならない状態を示している。また、図３（ｂ）は、挟時部２０に対し、Ｔ字型湿式シェーブカミソリ１０の持ち手部１２が挿入穴２２に深く挟持されているが、挟時部２０が本体部３０に対し突き出している状態を示している。図３（ｃ）は挟時部２０に対しＴ字型湿式シェーブカミソリ１０の持ち手部１２が挿入穴２２に浅く挟持させたときの状態を示している。
【００２９】
第２の実施形態における剃圧調整機構付き電気振動カミソリ１では、ダブルモールド成形により弾性係数の異なる二種以上の可撓性部材で挟持部２０を一体形成し、該挟持部２０の素材構成が、位置Ｐ２から位置Ｐ１の挿入口２１に向かうに従って、弾性係数の小さい可撓性部材よりも弾性係数の大きい可撓性部材が断面比において大きくなっていく構成を採用している。
【００３０】
第二実施例に係る剃圧調整機構５０では、図３に示すように、挟時部２０に対しＴ字型湿式シェーブカミソリ１０の持ち手部１２を挿入穴２２に深く挟持させた状態では、カミソリヘッド部１３に作用した剃圧により挟持部２０に作用する曲げ応力に対し、弾性係数の小さい可撓性部材５１よりも弾性係数の大きい可撓性部材５２が断面比において大きいため、係る曲げ応力に対する反発弾性力Ｍ２が大きく、カミソリヘッド部１３反り角Ｒは小さくなる。これに対し、持ち手部１２を挿入穴２２に浅く挟持させた状態では、カミソリヘッド部１３に作用した剃圧により挟持部２０に作用する曲げ応力に対し、弾性係数の大きい可撓性部材５２よりも弾性係数の小さい可撓性部材５１が断面比において大きいため、係る曲げ応力に対する反発弾性力Ｍ１が小さく、カミソリヘッド部１３反り角Ｒは大きくなる。即ち、挟持部２０に対する持ち手部１２の挿入状態により、剃刀部位や好みに応じて剃圧を調整する。
【実施例３】
【００３１】
第三実施例に係る剃圧調整機構付き電気振動カミソリ１では、挟持部２おの上部に、Ｔ字型湿式シェーブカミソリ１０の持ち手部１１を固定するための固定具２３を一以上備えた構成を採用している。持ち手部１１をしっかりと保持すること、及び、使用するＴ字型湿式シェーブカミソリ１０によっては、持ち手部１１の断面形状が略長方形状のものなどにも挟持可能とするためである。具体的には、蝶ボルト等のおねじ螺合部材で挟持部２０の外側から押圧することにより持ち手部１１を保持する。この場合、柔軟な弾性部材で成形されている挟持部２０に直接めねじ等の螺合部を形成すると、該螺合部が崩れやすいため、金象又は硬質樹脂のヘリサートを用いることが望ましい。
【産業上の利用可能性】
【００３２】
本発明の剃圧調整機構付き電気振動カミソリ１は、弾性力を有する可撓性部材で形成される挟持部と、電動式バイブレーション機構を内蔵する本体部とを、スライド機構を介して摺動可能に連結し、本体部に対する挟時部の突き出し量を調整することで、適度な押圧と振動を肌部等に与えることを可能としたことを特徴とするものであるため、歯ブラシや、美顔マッサージ具、ネイル研磨具、除去作業工具の柄等に応用することができるもので、本発明に係る剃圧調整機構付き電気振動カミソリ１の産業上の利用可能性は大きいものと思量される。
【符号の説明】
【００３３】
１ 剃圧調整機構付き電気振動カミソリ
１０ Ｔ字型湿式シェーブカミソリ
１１ 剃刀刃
１２ 持ち手部
１３ カミソリヘッド部
２０ 挟持部
２１ 挿入口
２２ 挿入穴
２３ 固定具
３０ 本体部
３３ 電動式バイブレーション機構
３１ 振動用モータ
３２ バッテリー
４０ スライド機構
５０ 剃圧調整機構
５１ 弾性係数の小さい可撓性部材
５２ 弾性係数の大きい可撓性部材
Ｒ 反り角
Ｌ１〜Ｌ６ 距離
Ｐ１〜Ｐ５ 位置
Ｍ１〜Ｍ２ 耐曲げ応力
【技術分野】
【０００１】
本発明は、剃刀刃の剃圧を自在に調整することができる剃圧調整機構付き電気振動カミソリに関する。
【背景技術】
【０００２】
髭や髪、あるいは皮膚の表面の体毛を除去するための刃物としてカミソリがあり、カミソリは老若男女を問わず、身だしなみを整えるために広く一般に使用されている。近年においては三枚刃や四枚刃等といった非常に薄い鋼製の刃を複数並べて切れ味を向上させている製品が主流となっているが、大別すると、これらの複数枚刃と柄を一体化させた簡易構造の使い捨てタイプと、複数枚刃をプラスチックで固定したカートリッジ式の交換タイプに分かれている。特に、出張先や旅行先のホテル等で提供される髭剃用のカミソリは、コスト等の問題から、刃と柄を一体化とした使い捨てタイプが多く、全体デザインも機能も簡素化されている。これに対し、カートリッジ式の交換タイプでは、首振りヘッド機構を備えているものが多い。
【０００３】
このような従来製品において、髭剃り時に使用されるカミソリの剃圧を調整するために、カミソリヘッド部と持ち手部のあいだに柔軟部材を設け、その素材の弾性力によって肌面に当たるカミソリ刃の剃圧を調整する方法が提案されている。例えば、棒状を成すハンドル部と、該ハンドル部の先端に連接した棒状のヘッド部と、該ヘッド部に沿って取り付けた剃刃を備え、前記ハンドル部およびヘッド部を可撓性材料で構成した「携帯用かみそり」（特許文献１参照）が提案され、公知技術となっている。
【０００４】
また、弾性接続部材をハンドルと刃ユニットとの間で弧状ラインに形成し、刃ユニットを固定することができる端部で少なくても１つの刃が弾性接続部材の弧状ラインの接線にほぼ直角平面に配置されるように弾性接続部材に固定することができる「使い捨てカミソリ」（特許文献２参照）が提案され、公知技術となっている。
【０００５】
また、携帯用のＴ字型振動カミソリであって、バッテリー接続端子が備えられたホルダーと、該ホルダーの上方に取り付けられる振動発生装置が付設された弾性部材で形成された連結柄と、該「連結柄へ連結するための連結部を下方に有する着脱自在のＴ字型替刃ユニットと、からなる本出願人による「携帯用Ｔ字型振動カミソリ器」（特許文献３参照）が提案され、公知技術となっている。
【０００６】
しかしながら、それらの提案の何れも、連結部に弾性部材を設け、その弾性部材の弾性力によってカミソリ刃を剃圧する方法を採っているため、使用される弾性部材の変形度合いの範囲内での剃圧力に限定され、使用者の好みや肌合いに合った剃圧調整ができない問題があった。
【０００７】
また、近年では、電気的に微小な振動を発生させるＴ字型の振動カミソリも多数のメーカーから製造販売されている。これらは、微小振動をカミソリに与えて髭等を立たせることにより、剃刀性の向上を図ることを目的としたものや、剃刀時の肌への滑らか感を与えることを主たる目的としているものである。しかし、係る電気振動カミソリは、発生させた振動の強さやサイクルを調整することができても、剃刀部位に押しつけたカミソリヘッド部の剃圧を調整することができないため、肌の弱い人が使用すると、その振動がダイレクトに肌に押しつけられることにより髭剃り負けを起こして肌を傷つけ、剃刀部位から出血してしまうという問題がある。係る問題を回避する手段として、振動部とカミソリ部のあいだに柔軟な素材を介在させることが考えられるが、単純に、振動部とカミソリ部のあいだに柔軟材料を介して接続すると、その材質によっては振動伝達を抑え過ぎてしまい、振動源から伝える振動力を低減してしまい、前記電気振動カミソリの目的を達成できなくなってしまう。即ち、微振動による前記効果を維持しつつ、必要以上の剃圧がかかった時はそれを逃がすことができる技術が求められているといえる。
【０００８】
そこで、本出願人は、前記種々の問題を解決すべく、持ち手部となる本体部と剃刀部間の距離と素材の関係、及び振動部とカミソリ部間の振動伝達状態に着目し、物質の持つ固有振動数と加振力の振動数をコントロールし、振動現象の共振や減衰等を考慮しながら、発生した微振動を上手く利用すれば、弾性部材の持つ弾性力による剃り圧調整を可能とすることのみならず、バイブレーション機構から得られる微振動の振幅を減衰させることなく、有効に剃刀部に振動を与えることができるのではないかとの着想の下、本発明に至ったものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００９】
【特許文献１】特開平８-３２３０６８号公報公報
【特許文献２】特表２０００-５０２２６７号
【特許文献３】特開２００７-３０７０７８号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【００１０】
本発明は、上記問題点に鑑み、剃刀刃の剃圧を自在に調整することができる剃圧調整機構付き電気振動カミソリの提供を図る。
【課題を解決するための手段】
【００１１】
本発明は、カミソリ刃の剃圧を自在に調整することができる剃圧調整機構付き電気振動カミソリであって、Ｔ字型湿式シェーブカミソリの持ち手部を挟持するための挿入口及び挿入穴が設けられた弾性力を有する可撓性部材で形成される挟持部と、電動式バイブレーション機構を内蔵する本体部とから成り、前記挟持部と前記本体部とは、スライド機構を介して摺動可能に連結し、前記本体部に対する前記挟時部の突き出し量を調整可能としたことを特徴とする剃圧調整機構付き電気振動カミソリとした。
【００１２】
また、本発明は、前記挟持部をダブルモールド成形により弾性係数の異なる二種以上の可撓性部材で一体形成し、該挟持部の素材構成が、前記挿入口に向かうに従って、弾性係数の小さい可撓性部材よりも弾性係数の大きい可撓性部材が断面比において大きくなっていく構成を採用していることを特徴とする前記記載の剃圧調整機構付き電気振動カミソリとすることもできる。
【００１３】
また、本発明は、前記挟持部において、Ｔ字型湿式シェーブカミソリの持ち手部を固定するための固定具を一以上備えたことを特徴とする前記剃圧調整機構付き電気振動カミソリとすることもできる。
【発明の効果】
【００１４】
本発明の剃圧調整機構付き電気振動カミソリによれば、挟持部が弾性力を有する可撓性部材で形成されており、使用者の肌合いに合った剃圧調整ができるという優れた効果を奏する。
【００１５】
本発明の剃圧調整機構付き電気振動カミソリによれば、剃圧を調整する機構として、本体に対して挟時部の突き出し量を調整するという簡易な構造を採用したことで、使い勝手が良い上に軽量化ならびに製造コストの低廉が図れるという優れた効果を奏する。
【００１６】
本発明の剃圧調整機構付き電気振動カミソリによれば、物質の持つ固有振動数と加振力の振動数をコントロールし、振動現象の共振と減衰を上手く利用できる構成を採用したことで、弾性部材の持つ弾性力による剃圧調整を可能とすることのみならず、バイブレーション機構から得られる振幅の減衰を抑えて、有効に剃刀部に振動を与えることができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【００１７】
【図１】本発明に係る剃圧調整機構付き電気振動カミソリの全体構成を示す説明図である。
【図２】本発明の第一実施例に係る剃圧調整機構の説明図である。
【図３】本発明の第二実施例に係る剃圧調整機構の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【００１８】
本発明の剃圧調整機構付き電気振動カミソリ１は、Ｔ字型湿式シェーブカミソリ１０の持ち手部１２を挟持するための挟持部２０に弾性力を有する可撓性部材で形成したことと、これを電動式バイブレーション機構３３を内蔵した本体部３０にスライド機構４０を介して摺動可能に連結させて、該本体部３０に対する該挟時部２０の突き出し量を調整可能とする構成を採用したことで、高い剃刀性を発揮させると共に、カミソリ負けをしないように肌を保護できることを最大の特徴とする。以下、実施例を図面に基づいて説明する。
【００１９】
なお、本実施例で示される剃圧調整機構付き電気振動カミソリ１の全体形状及び各部の形状は、下記に述べる実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内、即ち、同一の作用効果を発揮できる形状及び寸法の範囲内で変更することができるものである。
【実施例１】
【００２０】
図１は、本発明に係る剃圧調整機構付き電気振動カミソリ１の全体構成を示す説明図であり、図１（ａ）は本体部３０に対し挟時部２０が突き出していない状態で、且つ、Ｔ字型湿式シェーブカミソリ１０の持ち手部１２が挟持用穴部２１に挿入される前の状態を示し、図１（ｂ）は本体部３０に対し挟時部２０を突き出した状態で、且つ、Ｔ字型湿式シェーブカミソリ１０の持ち手部１２が挿入口２１から挿入穴２２に挿入された後の状態であり、更に請求項３に記載の固定具２３を備えた構成を示している。
【００２１】
図２は、本発明の第一実施例に係る剃圧調整機構５０の説明図であり、図２（a）は本体部３０に対し挟時部２０が突き出していない状態を示し、図２（ｂ）は本体部３０に対し挟時部２０が突き出している状態を示し、図２（ｃ）は本体部３０に対し挟時部２０が突き出し、且つ、Ｔ字型湿式シェーブカミソリ１０の持ち手部１２が挿入穴２２に浅く挟持され、該Ｔ字型湿式シェーブカミソリ１０が挟持部２０に対し突き出している状態を示している。図２（ｄ）は挟時部２０に対し本体部３０が突き出している状態を其々示している。
【００２２】
本発明に係る剃圧調整機構付き電気振動カミソリ１は、Ｔ字型湿式シェーブカミソリ１０の持ち手部１２を挟持するための弾性力を有する可撓性部材で形成される挟持部２０と、電動式バイブレーション機構３３を内蔵する本体部３０とをスライド機構４０を介して摺動可能に連結したことで、前記本体部３０に対する前記挟時部２０の突き出し量の調整を可能とする構成を採用している。
【００２３】
挟持部２０は、Ｔ字型湿式シェーブカミソリ１０の剃刀刃１１に適度な剃圧をかけることが可能な、柔軟性と弾性を有する素材で形成する。例えば、エラストマー(elastomer)や発泡樹脂（foamed plastics）等の可撓性部材を用いるのが一般的といえる。しかし、使用環境を考慮すれば、水分による加水分解し易いものを避けるために、シリコンゴム(silicone rubber)など高い耐水性を有する合成樹脂素材を用いることが望ましい。但し、ウレタン樹脂やウレタンゴムなどのポリウレタンを用いる場合においては、反発弾性率や曲げ弾性率の関係から、復元力の小さな素材では、剃刀刃１１に適度な剃圧をかけられず、また、電動式バイブレーション機構３３により発生した微細振動を吸収してしまうことになる。そこで、挟持部２０には、該剃刀刃１１に適切に振動を伝えることができ、且つ、その振動による柔らかい剃り味感等を阻害することにならない素材とする。
【００２４】
また、挟持部２０は略筒状体で形成され、中心内部には、Ｔ字型湿式シェーブカミソリ１０の持ち手部１２を挿入するための挿入口２１及び挿入穴２２が設けられている。該挿入口２１の開口面積及び挿入穴２２の深さは、一般的な使い捨て用カミソリの持ち手部１２を挟持できる寸法とする。例えば、ザ・ジレツト・カンパニーから販売されているＧｉｌｌｅｔｔｅ（登録商標）ＣＵＳＴＯＭＰＬＵＳ（登録商標）ＥＸや、貝印株式会社から販売されているベスティ（登録商標）ＥＸなど、広く流通している一般的な使い捨て用のものでは、持ち手部１２の長さが８０ｍｍから１００ｍｍ程度で、縦横を其々１０ｍｍ程度の寸法としているものが多い。そこで、例えば、挿入口２１の断面形状を略正方形状とし、縦横寸法を其々８ｍｍ程度とし、成功挿入穴２２の穴の深さを１００ｍｍから１３０ｍｍとする。挿入口２１の断面形状を略正方形状とした場合は、Ｔ字型湿式シェーブカミソリ１０を、図に示した状態から９０度回転させて装着することも可能である。
【００２５】
また、挟持部２０には、本体部３０と摺動可能に接合させるためのスライド機構４０が底面部に設けられており、例えば、図２（ａ）に示すように、挟持部２０の底面部にＬ字状の凹溝を設け、これに対して組み合わされるＬ字状の凸溝とした場合であれば、挟持部２０のヘッド部１３側端部の位置Ｐ１から反対端部の位置Ｐ３のまでの長さＬ３を有する。
【００２６】
本体部３０は、内部に振動用モータ３１とバッテリー３２から構成される電動式振動機構３３を備え、上面には前記挟持部２０の底面部に設けられるＬ字状の凹溝に対応するＬ字状の凸溝を備える。該凸溝は、位置Ｐ１から所定の距離Ｌ１だけ離れた位置Ｐ２から始まり、反対端部Ｐ４のまでの長さＬ２を有する。なお、振動用モータ３１の出力軸に偏芯ウェイトを備えて振動を発生させる場合等では、該偏芯ウェイトが位置Ｐ２近くになるように配置し、発生した振動を効率よくカミソリヘッド部１３へ伝達させることが望ましい。
【００２７】
第一実施例に係る剃圧調整機構５０は、図２に示すように、本体部３０と挟持部２０との突き出し量、及びＴ字型湿式シェーブカミソリ１０の挿入状態により剃刀部位や好みに応じて剃圧を調整する。具体的には、剃圧強さは位置Ｐ２を支点とした位置Ｐ１までの可撓性部材の長さと、位置Ｐ１からカミソリヘッド部１３の位置Ｐ５までの距離Ｌ４又は距離Ｌ５と、持ち手部１２の挿入深さにより変動する。可撓性部材の弾性力を最も作用させないようにするには、図２（ｄ）のように弾性力を作用させる位置Ｐ１から位置Ｐ２の距離Ｌ６のように短くし、持ち手部１２を挿入穴２２に深く挿入する。他方、剃圧を弱めたいのであれば、図２（ｃ）のような配置構成にすればよい。即ち、図２上では（ｄ）、（ａ）、（ｂ）、（ｃ）の順に剃圧は強い。なお、距離Ｌ４及び距離Ｌ５は、位置Ｐ１からカミソリヘッド部１３の位置Ｐ５までの長さであり、Ｔ字型湿式シェーブカミソリ１０の持ち手部１２が挿入穴２２へ挿入される深さによって変動する。係る距離Ｌ４から距離Ｌ５の挿入深さ調整は、使用するカミソリヘッド部１３の持つ固有振動数と加振力の振動数の関係から、共振等による異常な振動現象が起きた場合などに、該挿入深さを変えることによって調整する。
【実施例２】
【００２８】
図３は、本発明の第二実施例に係る剃圧調整機構の説明図であり、図３（ａ）は、挟時部２０に対しＴ字型湿式シェーブカミソリ１０の持ち手部１２が挿入穴２２に深く挟持されている状態であって、挟持部２０と本体部３０とが突き出しの関係とならない状態を示している。また、図３（ｂ）は、挟時部２０に対し、Ｔ字型湿式シェーブカミソリ１０の持ち手部１２が挿入穴２２に深く挟持されているが、挟時部２０が本体部３０に対し突き出している状態を示している。図３（ｃ）は挟時部２０に対しＴ字型湿式シェーブカミソリ１０の持ち手部１２が挿入穴２２に浅く挟持させたときの状態を示している。
【００２９】
第２の実施形態における剃圧調整機構付き電気振動カミソリ１では、ダブルモールド成形により弾性係数の異なる二種以上の可撓性部材で挟持部２０を一体形成し、該挟持部２０の素材構成が、位置Ｐ２から位置Ｐ１の挿入口２１に向かうに従って、弾性係数の小さい可撓性部材よりも弾性係数の大きい可撓性部材が断面比において大きくなっていく構成を採用している。
【００３０】
第二実施例に係る剃圧調整機構５０では、図３に示すように、挟時部２０に対しＴ字型湿式シェーブカミソリ１０の持ち手部１２を挿入穴２２に深く挟持させた状態では、カミソリヘッド部１３に作用した剃圧により挟持部２０に作用する曲げ応力に対し、弾性係数の小さい可撓性部材５１よりも弾性係数の大きい可撓性部材５２が断面比において大きいため、係る曲げ応力に対する反発弾性力Ｍ２が大きく、カミソリヘッド部１３反り角Ｒは小さくなる。これに対し、持ち手部１２を挿入穴２２に浅く挟持させた状態では、カミソリヘッド部１３に作用した剃圧により挟持部２０に作用する曲げ応力に対し、弾性係数の大きい可撓性部材５２よりも弾性係数の小さい可撓性部材５１が断面比において大きいため、係る曲げ応力に対する反発弾性力Ｍ１が小さく、カミソリヘッド部１３反り角Ｒは大きくなる。即ち、挟持部２０に対する持ち手部１２の挿入状態により、剃刀部位や好みに応じて剃圧を調整する。
【実施例３】
【００３１】
第三実施例に係る剃圧調整機構付き電気振動カミソリ１では、挟持部２おの上部に、Ｔ字型湿式シェーブカミソリ１０の持ち手部１１を固定するための固定具２３を一以上備えた構成を採用している。持ち手部１１をしっかりと保持すること、及び、使用するＴ字型湿式シェーブカミソリ１０によっては、持ち手部１１の断面形状が略長方形状のものなどにも挟持可能とするためである。具体的には、蝶ボルト等のおねじ螺合部材で挟持部２０の外側から押圧することにより持ち手部１１を保持する。この場合、柔軟な弾性部材で成形されている挟持部２０に直接めねじ等の螺合部を形成すると、該螺合部が崩れやすいため、金象又は硬質樹脂のヘリサートを用いることが望ましい。
【産業上の利用可能性】
【００３２】
本発明の剃圧調整機構付き電気振動カミソリ１は、弾性力を有する可撓性部材で形成される挟持部と、電動式バイブレーション機構を内蔵する本体部とを、スライド機構を介して摺動可能に連結し、本体部に対する挟時部の突き出し量を調整することで、適度な押圧と振動を肌部等に与えることを可能としたことを特徴とするものであるため、歯ブラシや、美顔マッサージ具、ネイル研磨具、除去作業工具の柄等に応用することができるもので、本発明に係る剃圧調整機構付き電気振動カミソリ１の産業上の利用可能性は大きいものと思量される。
【符号の説明】
【００３３】
１ 剃圧調整機構付き電気振動カミソリ
１０ Ｔ字型湿式シェーブカミソリ
１１ 剃刀刃
１２ 持ち手部
１３ カミソリヘッド部
２０ 挟持部
２１ 挿入口
２２ 挿入穴
２３ 固定具
３０ 本体部
３３ 電動式バイブレーション機構
３１ 振動用モータ
３２ バッテリー
４０ スライド機構
５０ 剃圧調整機構
５１ 弾性係数の小さい可撓性部材
５２ 弾性係数の大きい可撓性部材
Ｒ 反り角
Ｌ１〜Ｌ６ 距離
Ｐ１〜Ｐ５ 位置
Ｍ１〜Ｍ２ 耐曲げ応力
【特許請求の範囲】
【請求項１】
カミソリ刃の剃圧を自在に調整することができる剃圧調整機構付き電気振動カミソリであって、
Ｔ字型湿式シェーブカミソリの持ち手部を挟持するための挿入口及び挿入穴が設けられた弾性力を有する可撓性部材で形成される挟持部と、
電動式バイブレーション機構を内蔵する本体部と、から成り、
前記挟持部と前記本体部とは、スライド機構を介して摺動可能に連結し、
前記本体部に対する前記挟時部の突き出し量を調整可能としたことを特徴とする剃圧調整機構付き電気振動カミソリ。
【請求項２】
前記挟持部を、
ダブルモールド成形により弾性係数の異なる二種以上の可撓性部材で一体形成し、
該挟持部の素材構成が、前記挿入口に向かうに従って、弾性係数の小さい可撓性部材よりも弾性係数の大きい可撓性部材が断面比において大きくなっていく構成を採用していることを特徴とする請求項１に記載の剃圧調整機構付き電気振動カミソリ。
【請求項３】
前記挟持部において、
Ｔ字型湿式シェーブカミソリの持ち手部を固定するための固定具を一以上備えたことを特徴とする請求項１又は請求項２に記載の剃圧調整機構付き電気振動カミソリ。
【請求項１】
カミソリ刃の剃圧を自在に調整することができる剃圧調整機構付き電気振動カミソリであって、
Ｔ字型湿式シェーブカミソリの持ち手部を挟持するための挿入口及び挿入穴が設けられた弾性力を有する可撓性部材で形成される挟持部と、
電動式バイブレーション機構を内蔵する本体部と、から成り、
前記挟持部と前記本体部とは、スライド機構を介して摺動可能に連結し、
前記本体部に対する前記挟時部の突き出し量を調整可能としたことを特徴とする剃圧調整機構付き電気振動カミソリ。
【請求項２】
前記挟持部を、
ダブルモールド成形により弾性係数の異なる二種以上の可撓性部材で一体形成し、
該挟持部の素材構成が、前記挿入口に向かうに従って、弾性係数の小さい可撓性部材よりも弾性係数の大きい可撓性部材が断面比において大きくなっていく構成を採用していることを特徴とする請求項１に記載の剃圧調整機構付き電気振動カミソリ。
【請求項３】
前記挟持部において、
Ｔ字型湿式シェーブカミソリの持ち手部を固定するための固定具を一以上備えたことを特徴とする請求項１又は請求項２に記載の剃圧調整機構付き電気振動カミソリ。
【図１】
【図２】
【図３】
【図２】
【図３】
【公開番号】特開２０１３−４３０７１（Ｐ２０１３−４３０７１Ａ）
【公開日】平成２５年３月４日（２０１３．３．４）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１１−１８５３４３（Ｐ２０１１−１８５３４３）
【出願日】平成２３年８月２６日（２０１１．８．２６）
【出願人】（５９７００９２２０）
【公開日】平成２５年３月４日（２０１３．３．４）
【国際特許分類】
【出願日】平成２３年８月２６日（２０１１．８．２６）
【出願人】（５９７００９２２０）
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