説明

削岩リグ制御システム及び制御方法

削岩機の送りモータ(2)、打撃装置(4)及び回転モータ(3)である消費体への圧力流体供給を制御する油圧流体制御システム(1)であって、前記システムが、各消費体用の調整バルブ(6,7,8)を有し、調整バルブと各消費体との間に流体導管が設けられ、前記システムが、流体導管の少なくとも一つの接続及び遮断用の少なくとも一つの電気制御式補助バルブ(14)を備えた電子制御式補助制御ユニット(11)と、削岩機の少なくとも一つの部材に関する有効流体パラメータ値を感知し、かつ、センサ信号をセンサ入力信号is値として補助制御ユニットに送るための少なくとも一つのセンサと、前記センサ入力信号is値を受信するための少なくとも一つのパラメータセンサ入力信号入力部(S1−S5,I1−I5)と、各補助バルブの信号制御用の少なくとも一つの制御信号出力部(V1−V6)とを有する処理装置(12)とを備え、前記処理装置(12)が、前記センサ入力信号is値をパラメータshould値と比較し、比較結果に対する応答として少なくとも一つの補助バルブに制御信号を出力し、前記少なくとも一つの補助バルブに関する流体導管内の流体フローを調整するように構成されている。本発明は、削岩リグ及び方法にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、削岩機の送りモータ、打撃装置及び回転モータである消費体(consumers)への圧力流体供給を制御するための制御システムに関し、前記システムは、各消費体用の調整バルブを備え、該システムでは、調整バルブと各消費物との間に流体管がつなげられている。また、本発明は、このようなシステムと制御方法を含む削岩リグにも関する。
【背景技術】
【0002】
従来の削岩プロセスでは、掘削パラメータは、様々な主油圧制御バルブを直接操作することを通して、熟練のオペレータによって手動で設定されていた。たとえ、経験豊かなオペレータが、削岩プロセスを効率的に作動させるための幾つかの感覚を持ち合わせると言うことができるとしても、どのようにすれば装置が最も効率的に操作されるか、そして、さらに過度の摩耗、過負荷及び構成要素障害等を回避することを考慮し、同時に、より効率的な掘削のために、削岩プロセスを通したトータル制御になることが強く望まれる。
【0003】
より近年のシステムでは、掘削品質を改善するために、掘削プロセスを最適化する方向でシステムを調整するように処理を行うことが提案されている。これは、ドリル送り力、回転速度及びハンマーパワーレベルのような動作パラメータを直接制御することによって達成される。また、公知の制御システムでは、不必要な停止時間を回避するために様々な抗ジャミング機能が典型的に使用されている。
【0004】
このような制御システムは、高価な特別生産されたバルブを備えた非常に複雑な油圧システム、一種のマイクロコントローラおよびCANバステクノロジーを備えた完全な電子油圧システム、又は複雑なロジックを処理するために両方の組合せになり得る。具体的には、制御は、ドリル送り力、回転速度及びハンマーパワーレベル等を制御するように様々な主油圧制御バルブを調整するための制御信号を用いて行われる。
【発明の概要】
【0005】
本発明の目的は、上述したより近年のシステムに比べてよりフレキシブルで経済的解決を提供する冒頭に示された種類のシステムを提供することにある。
【0006】
この目的は、本発明によって、冒頭に示したシステムにおいて、
流体導管の少なくとも一つの接続及び遮断用の少なくとも一つの電気制御式補助バルブを備えた電子制御式補助制御ユニットと、
削岩機の少なくとも一つの部材に関する有効流体パラメータ値を感知し、かつ、センサ信号をセンサ入力信号is値として補助制御ユニットに送るための少なくとも一つのセンサと、
前記センサ入力信号is値を受信するための少なくとも一つのパラメータセンサ入力信号入力部と、各補助バルブの信号制御用の少なくとも一つの制御信号出力部とを有するプロセッサ(processor)、即ち、処理装置と
を通して達成され、
同システムでは、前記処理装置が、前記センサ入力信号is値をパラメータshould値と比較し、比較結果に対する応答として少なくとも一つの補助バルブに制御信号を出力し、前記少なくとも一つの補助バルブに関する流体導管内の流体フローを調整するように構成されている。
【0007】
これにより、特に、制御システムの油圧側が簡単化でき、標準的な油圧機器を使用することが可能になる。
【0008】
本発明に係る制御システムは、有利には、より高い生産性で、かつ、より経済的に、より安全に掘削を行うように、既存の「非知的」掘削リグに結合され得る。
【0009】
請求項における用語「削岩機の部材」は、削岩機ダンピング構造及びフラッシング空気及び水構造に加えて消費体を含むことを意図している。
【0010】
パラメータshould値は、経験や事前試験に従って経験的に設定される個々のパラメータ制限値、パラメータ範囲及び/又はパラメータ目標値であり得る。また、本発明に係るシステムは、本質的に許容可能な個々のパラメータ値の好ましくない組合せを回避するように、様々なパラメータに対するパラメータ値の組合せを評価することも可能である。
【0011】
この明細書では、用語「流体」は、一方では、削岩機の送りモータ、打撃装置及び回転モータの形態の消費体に供給するために実際に用いられる油圧制御流体を含む。用語「流体」は、他方では、ドリルビットの前部から切り屑を掃き出すためのフラッシング空気又はフラッシング水も含む。
【0012】
好ましくは、流体パラメータ値は、消費体に関する送りモータ圧力、打撃圧力及び回転モータ圧力、並びにフラッシング空気又は水圧力及びダンピング圧力から成る他のパラメータのグループの中の一つ又は複数である。これらのパラメータは全て、簡単に監視され、かつ、作動構成要素における実際状況の指標になる。
【0013】
好ましくは、システムは、ドリルビット特性、ドリルロッド特性、岩の特性、要求掘削モードのグループの中の一つ又は複数に関するデータをオペレータが入力することを可能にするユーザーインプット入力手段を有する。
【0014】
有利には、補助制御システムは、既存の手動システムに適合するためにプラグインシステムであり、既存のシステムとの結合をより簡単にする。
【0015】
補助制御システムは、好ましくは、送り圧力センサ、回転圧力センサ、打撃ハンマー圧力センサのグループの中の少なくとも一つのセンサを有する。さらに有利には、補助制御システムは、少なくとも一つのフラッシング流体(空気;水)圧力センサを有する。
【0016】
有利には、補助バルブは、各流体導管に対する流体制限機能及び/又は流体反転機能を有し、それにより、流体フローは、その大きさに応じて影響が与えられ得るか、又は、消費体の機能を反転させるために反転される特定の要求に対して影響が与えられ得る。
【0017】
補助制御ユニットが、特定のパラメータデータレベル/コンビネーションに従って、掘削作業シーケンスを開始する場合、前記シーケンスは、好ましくは、抗ジャミング、抗プランジング、抗プラギング、同期スレッディング及びハンマーパワー調整のグループの中の少なくとも一つの機能を有し得る。
【0018】
対応する特徴によって特徴付けられる制御方法によって、対応する利点が得られる。
【0019】
この明細書において、用語「含む」「含んでいる」「含まれている」は広く解釈されるべきであり、以下に説明する要素や特徴に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】削岩リグ制御システムを図式的に示す図である。
【図2】本発明に係る制御システムの動作原理を説明する図である。
【図3】本発明による制御システムを備えた削岩リグを図式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は、削岩リグ用の制御システムを示している。複数の消費体、即ち、送りモータ2、回転モータ3及び打撃装置即ちハンマー4が、油圧流体の流体導管を介して、オペレータ制御ベーシック制御システム5(一点鎖線で示す)に接続されている。このベーシック制御システム5は、調整バルブ6,7及び8を備え、これらはオペレータによって制御される。負荷検知タイプのポンプが符号9で示されており、圧力制限バルブが符号10で示されている。
【0022】
電子的に制御される補助制御ユニット11が、少なくとも一つの導管を遮断するように、流体導管の中に接続されている。この補助制御ユニット11は、各流体導管への接続のための少なくとも一つの電気制御補助バルブと、消費体2〜4の少なくとも一つの流体パラメータ値を検知するための少なくとも一つのセンサ20を備えている。センサ信号は、信号ケーブル(図示せず)を通して、センサ入力信号is値として補助制御ユニットに送られる。少なくとも一つのパラメータセンサ入力信号入力部を備えた補助制御ユニット内の処理装置12は、前記センサ入力信号is値を受信し、各補助値の信号制御用の少なくとも一つの制御信号を送信する。具体的には、処理装置は、前記センサ入力信号is値を、メモリに記憶されているか、又は瞬時に計算されるパラメータshould値と比較し、比較結果の応答として少なくとも一つの補助値に制御信号を発し、前記少なくとも一つの補助値に関連する流体導管内の流体流を調整するように配置されている。
【0023】
実際には、補助制御ユニットは、動作を最適化する方向に削岩機及び削岩プロセスを制御する方法を提供する自律式プラグインシステムである。
【0024】
独自の特徴は以下に説明され得る。
1.本発明に係るシステムは、主に手動の掘削制御システム又は半手動掘削制御システムへのアドオンシステムであり得る。
2.それは、知的可制御性(intelligent controllability)を有する電子・油圧ハイブリッドシステム(electronics-over-hydraulic hybrid system)である。
3.このシステムは、オリジナル制御システムに最適化機能を付加できる。
4.このシステムは、シーケンス及び時間制御機能を開始し得る。
5.このようなシステムの利点は、通常の手動制御機能性に影響を及ぼすことなく、それを除去したり停止したりできることにある。
6.このシステムは設計がシンプルであり、多数の機能性によって簡単に設計される。
7.この機能は、主として、調整バルブから出る実際の油圧フローを遮断することを通して得られる。これにより、掘削制御システムを選択する時に、使用者に多くの柔軟性が与えられる。
8.このシステムは、例えば、センサ及び油圧バルブと組み合わせたマイクロコントローラユニットを通して容易に具体化される。このシステムは、油圧フロー及び圧力を制御するためのアクチュエータとしてのみ油圧コンポーネントを使用する。これにより、システムは、リグコンポーネントの機械的特性、温度変化影響及び製造公差に対する感度が低くなる。
9.このシステムにはハイドロリックロジックが築かれない。代りに、ロジック機能を操作するために処理装置が用いられる。これにより、より少ないコンポーネントで、かつ、標準的なコンポーネントを使うことが可能になる。この油圧及び処理装置能力の組み合わせが、簡単化された油圧システムを可能にし、コンポーネントの低コスト化及び組立時間の低コスト化を可能にする。
【0025】
さらに本発明に係るシステムは、上記したようにセンサを通して油圧システムパラメータを監視し、システム性能を最適化する方向で流体流を調整する。また、有利には、センサは、エアフロー(フラッシュ)率/圧力を測定するためにも使用される。
【0026】
図2には、センサ入力S1〜S5及びオペレータ入力I1〜I6を有する処理装置12における電子部品によって補助制御システムが示されている。補助バルブ制御出力信号用の制御出力はV1〜V6で示されている。
【0027】
符号13は、バルブ等を備えた補助制御ユニットの「油圧側」を示している。図面には、この場合には、送りフロー調整バルブであるフロー制御バルブ14が一実施例として示されているだけである。
【0028】
図3は、本質的に公知の種類であるが、本発明に係る補助制御ユニットが搭載された削岩リグを非常に概略的に示している。
【0029】
また、ユーザー入力装置も、ユニットにおけるプログラムファンクションを修正するために使用され得る。システムは、送り圧力、送り速度、ハンマー圧力及びポンプ圧力を最適化でき、また、ドリルビット特性、ドリルロッド特性、ロック特性及び要求掘削モードのグループの中の一つ又は複数に関連するユーザー入力データを考慮することもできる。
【0030】
本発明の実施例によれば、様々な掘削オペレーションシーケンスが、抗ジャミング、抗プランジング、抗プラギング、同期スレッディング及びハンマーパワー調整のような機能によって開始され得る。
【0031】
これらの機能は、粉砕された岩石層を掘削することにより回転トルクレベルが上がる時、高い貫通速度で空洞を掘削することにより空洞が終わった後に悪い影響を及ぼす危険がある時、泥を掘削することでドリルビットの孔をフラッシングする空気や水が詰まり、過度の摩耗や貫通速度がゼロまで低くなる危険にさらされる時にドリルビットがスタックすることを防止する。
【0032】
非常に高い送り力がネジ上に作用することを防止するためにドリルロッドを接続又は外す時に同期スレッディングが使用され、連結部又はロッドの早い故障を防止するようにする。打撃圧力及びハンマーパワーの調整は、コンポーネントの可使時間をのばすために送り力が減少された時に、ハンマーパワーを低減させることを目的としている。具体的には、本発明に係るシステムは、シャンクやドリルスチールの可使時間を拡張することを可能にする。
【0033】
送り圧力は回転トルク(回転圧力)に依存し、同時に、これら二つのパラメータの間の関係は、例えば、岩の状態とビットサイズの関数である。ユーザー入力は、この関係を改良するために使用され得る。送り圧力は、また、送り方向にも依存し、それにより、送り圧力は「フィードアップ」でその最大値になる。打撃圧力は送り圧力に依存し、これらの関係も、ユーザーインプットによって変更され得る。
【0034】
本発明の好ましい実施例によれば、補助制御ユニットは、全ての消費体への流体導管内に介在し、たとえコンディションを変更するとしても、パラメータが相互に調整される掘削オペレーションが得られるように、流体フロー及び圧力を調整することによって掘削オペレーション全体を調整する。
【0035】
蓄積されたデータは、実験に基づくデータから導き出された関数に基づく。これらの関数は、センサからの入力及び掘削オペレータからの入力に基づいて各油圧アクチュエータをどの程度調整するべきか(又は、各油圧バルブをどの程度作動するべきか)を決定し得る。
【0036】
自動モードにオペレータ入力がない時、全ての油圧コンポーネントはニュートラルモードに戻され、そして、マイクロコントローラ(処理装置)内の全ての関数は、システムを完全手動モードに戻すように無効にされる。処理装置が動力を失うか、又は故障した場合にも、システムは、完全手動モードに戻される。従って、オペレータは、手動モードで掘削を継続することができる。システムを介した全ての油圧フローの状態が、ゼロフロー制限及びゼロ圧力リダクションを持つことになる。制御システムの故障の後でさえ手動モードで掘削を継続して終わらせることができるので、これは非常に有利である。これは、従来の公知の制御システムでは不可能であり、類似の故障はリグを完全に停止させる。
【0037】
圧力が特定の制限値より上まで上昇したことを回転圧力センサが検知すると、送り圧力及び送りフローは、とりわけ、ビットサイズ及び岩盤コンディションのオペレータ入力に基づいて処理装置によって決められた値まで低減され得る。これは、抗ジャム機能と呼ばれ、ドリルビットが孔の中でスタックし、生産時間を失うことを防止する。
【0038】
プリセット制限を超えて回転圧力が停止している限り、送り圧力は低減され続け得る。
【0039】
回転圧力がプリセット制限より高い状態のままになると、送りフローは、最終的には、有利には、逆向きにされ、そして、送り圧力は、潜在的なジャミング状態から解放されるために最大化される。
【0040】
最大送り圧力は、有利には、岩盤コンディション及びビットサイズのオペレータ入力に基づいて制限されることになる。これは、空洞又は非常に柔らかい岩石層を通して掘削を行う時にプランジング状態を回避するために、最大掘削速度を制限するためにある。プランジング状態は、非常に高い速度で空洞を掘削した後にドリルビットが堅い地面にヒットした時に生じる。これは、極端な孔の逸脱、装置の損傷、又はドリルストリングのスタックを引き起こし得る。オペレーションが制御されないと、ビットは簡単にジャミングし得る。
【0041】
送り力は、ハンマーから岩への衝撃エネルギの効果的な伝達を保証するように、全ての時間でドリルビットを岩に接触した状態に維持するために使用される。必要とされる送り力のレベルは、岩に伝達される衝撃エネルギの一時関数になる。抗ジャミング機能によって、送り圧力が下げられると、ハンマー衝撃パワーは、送り圧力に基づいて同時に低減されることになる。これは、不慣れな衝撃エネルギからのドリルロッド、シャンク及び連結部へのダメージを低減させることになる。
【0042】
ダンピング圧力に加えて送り圧力が、送り力のためのパラメータとして使用され得る。
【0043】
削岩リグの効率を改善し、油圧システムを安定させるために、ポンプ負荷も、好ましくは、このシステムによって制御される。この制御は、掘削システムのモードと掘削パラメータの状況に基づくものである。
【0044】
効果的な岩石粉砕プロセスを保証し、かつ、ドリルビットのジャミングを防止するため、削岩中に、岩の切り屑を吹き飛ばすために圧縮空気が用いられる。切り屑が直ぐに一掃されないと、ドリルビットが、孔の底に堆積した切り屑に繰り返し衝撃を与えることになる。この第二の粉砕プロセスは、非常に細かい岩粉を生み出し、多くの衝撃エネルギを浪費するだけである。他の大きな影響は、ドリルビットの後ろに堆積した切り屑が、非常に素早くビットにジャミングし、それが孔の中からドリルビット及びスチールを取り出すことを非常に困難にすることにある。泥を掘削しているような時に、ドリルビット内のフラッシング孔が詰まると、エアフローが止められ得る。従って、好ましくは、フローセンシング装置が、フローコンディションを検知するために、エアフローパス中に導入される。エアフローが止められると、処理装置によって信号が送られることになり、それにより送り方向が直ちに反転されることになる。処理装置におけるこの機能は、抗プラギングと呼ばれる。
【0045】
ロッド操作中、ドリルロッドは、ドリルストリング長を延ばしたり縮めたりするために、連結されたり、連結を外されたりすることになる。ドリルロッドは、ネジ付き連結装置を介して連結される。ドリルロッドの回転及びそれらの線形運動は、ネジ部の損傷を防ぐために同期させる必要がある。本発明に係るシステムは、様々な方向に送りフロー及び圧力を調整することによって、ドリル送り及び回転を同期させる機能を有し得る。
【0046】
また、このシステムは、二重安全保護のために手動調整機能も有し得る。具体的な例としては、ハンマー最小圧力、ハンマー最大圧力及びポンプ最大圧力がある。さらに、何らかの危険な状態を防ぐために安全ロック機能が内蔵される。
【0047】
このシステムは、処理装置やセンサを使用しているので、好ましくは、広範な診断機能を有する。故障状態は、後でダウンロードして分析をするために内部メモリに記憶され得る。
【0048】
このシステムが例えば、CAN通信プロトコルを有する場合、それは、他のシステム及びMMI装置とネットワークを結ぶために必要な手段を提供する。また、他の通信手段を想定することもできる。
【0049】
システムが処理装置を有する場合、それは、好ましくは、前記is値とshould値との比較を実行するように設けられた比較回路を有する。
【0050】
好ましくは、システムは、システム動作をオペレータに警告するためのインジケータやスクリーンのようなオペレータディスプレイ及びインターフェイス手段を有する。
【0051】
本発明に係る削岩機の送りモータ、衝撃装置及び回転モータである消費体への圧力流体供給を制御するための方法では、各消費体用の調整バルブを通して調整弁と各消費体との間の導管内の流体を調整するために以下のステップが実行される。
a.流体導管の少なくとも一つへの接続及び遮断を、少なくとも一つの電気制御式補助バルブを備えた電子制御式補助制御ユニットによって行う。
b.削岩機の少なくとも一つの部材に関する有効流体パラメータ値を、少なくとも一つのセンサで検知する。
c.センサ信号をセンサ入力信号is値として補助制御ユニットに送る。
d.少なくとも一つのパラメータセンサ入力信号入力部を備えた処理装置が、前記センサ入力信号is値を受信し、各補助バルブの信号制御用の少なくとも一つの制御信号を出力する。
e.処理装置によって、前記センサ信号入力is値がパラメータshould値と比較される。
f.少なくとも一つの補助バルブに関する流体導管内の流体フローを調整するために、比較結果に対する応答として前記少なくとも一つの補助バルブに制御信号が出力される。
【0052】
本発明は、特許請求の範囲の範囲内で改良することができ、特に、本発明に係る方法は、上記にリストアップしたシステムの特徴に対応する別の方法的特徴によって補われ得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
削岩機の送りモータ、打撃装置及び回転モータである消費体への圧力流体供給を制御する制御システムであって、
前記システムが、各消費体用の調整バルブを有し、
調整バルブと各消費体との間に流体導管が設けられ、
前記システムが、
・流体導管の少なくとも一つの接続及び遮断用の少なくとも一つの電気制御式補助バルブを備えた電子制御式補助制御ユニットと、
・削岩機の少なくとも一つの部材に関する有効流体パラメータ値を感知し、かつ、センサ信号をセンサ入力信号is値として補助制御ユニットに送るための少なくとも一つのセンサと、
・前記センサ入力信号is値を受信するための少なくとも一つのパラメータセンサ入力信号入力部と、各補助バルブの信号制御用の少なくとも一つの制御信号出力部とを有する処理装置と
を備え、
前記処理装置が、前記センサ入力信号is値をパラメータshould値と比較し、比較結果に対する応答として少なくとも一つの補助バルブに制御信号を出力し、前記少なくとも一つの補助バルブに関する流体導管内の流体フローを調整するように構成されている
ことを特徴とする制御システム。
【請求項2】
消費体に関する送りモータ圧力、衝撃圧力及び回転モータ圧力、並びにフラッシング空気圧、フラッシング水圧及び処理装置から成る他のパラメータのグループの中の一つ又は複数の流体パラメータ値が処理されるように構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
システムが、ドリルビット特性、ドリルロッド特性、岩の特性、要求ドリルモードのグループの中の一つ又は複数に関するデータをオペレータが入力することを可能にするユーザーインプット入力手段を備えている
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
補助制御システムが、既存の手動システムに適合するためにプラグインシステムである
ことを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載のシステム。
【請求項5】
補助制御システムが、送り圧力センサ、回転圧力センサ、打撃ハンマー圧力センサのグループの中の少なくとも一つのセンサを備えている
ことを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載のシステム。
【請求項6】
補助制御システムが、少なくとも一つのフラッシング空気圧又はフラッシング水圧センサを備えている
ことを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載のシステム。
【請求項7】
補助バルブが、各流体導管用の流体制限機能及び/又は流体反転機能を有する
ことを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載のシステム。
【請求項8】
補助制御ユニットが、特定のパラメータデータレベル/コンビネーションに従って掘削オペレーションシーケンスを起動する手段を有し、
前記シーケンスが、抗ジャミング、抗プランジング、抗プラギング、同期されたネジ締め及びハンマーパワー調整の中の一つ又は複数を含み得る
ことを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載のシステム。
【請求項9】
削岩機が移動可能に支持された送りビームを備えたキャリア車両を有する削岩リグであって、
送りモータ、打撃装置及び回転モータである消費体への圧力流体供給を制御するために、請求項1〜8の何れか一項に記載のハイドロリック流体制御システムが設けられ、
前記システムが、各消費体用の調整バルブを有し、
前記システムが、調整バルブと各消費体との間を流体導管が繋ぎ、
前記システムが、
・流体導管の少なくとも一つの接続及び遮断用の少なくとも一つの電気制御式補助バルブを備えた電子制御式補助制御ユニットと、
・削岩機の少なくとも一つの部材に関する有効流体パラメータ値を感知し、かつ、センサ信号をセンサ入力信号is値として補助制御ユニットに送るための少なくとも一つのセンサと、
・前記センサ入力信号is値を受信するための少なくとも一つのパラメータセンサ入力信号入力部と、各補助バルブの信号制御用の少なくとも一つの制御信号出力部とを有する処理装置と
を備え、
前記処理装置が、前記センサ入力信号is値をパラメータshould値と比較し、比較結果に対する応答として少なくとも一つの補助バルブに制御信号を出力し、前記少なくとも一つの補助バルブに関する流体導管内の流体フローを調整するように構成されている
ことを特徴とする削岩リグ。
【請求項10】
削岩機の送りモータ、打撃装置及び回転モータである消費体への圧力流体の供給を制御する方法であって、
前記方法が、各消費体用の調整バルブを通して調整バルブと各消費体との間の導管内の流体を調整することを含み、
・少なくとも一つの電気制御式補助バルブを備えた電子制御式補助制御ユニットによって、少なくとも一つの流体導管の接続又は遮断が行われ、
・削岩機の少なくとも一つの部材に関する有効流体パラメータ値が、少なくとも一つのセンサで感知され、かつ、センサ入力信号is値としてセンサ信号が補助制御ユニットに送られ、
・少なくとも一つのパラメータセンサ入力信号入力部を有する処理装置が、前記センサ入力信号is値を受信し、各補助バルブの信号制御用の少なくとも一つの制御信号を出力し、
前記処理装置によって、前記センサ入力信号is値がパラメータshould値と比較され、比較結果に対する応答として少なくとも一つの補助バルブに制御信号が出力され、少なくとも一つの補助バルブに関する流体導管における流体フローが調整される
ことを特徴とする方法。
【請求項11】
消費体に関する送りモータ圧力、衝撃圧力及び回転モータ圧力、並びにフラッシング空気圧、フラッシング水圧及びダンピング圧力から成る他のパラメータのグループの中の一つ又は複数の流体パラメータ値が処理される
ことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
システムが、ドリルビット特性、ドリルロッド特性、岩の特性、要求掘削モードのグループの中の一つ又は複数に関するデータをオペレータが入力することを可能にするユーザーインプット入力手段が設けられている
ことを特徴とする請求項10又は11に記載の方法。
【請求項13】
特定のパラメータデータレベル/コンビネーションに従って掘削オペレーションシーケンスが起動され、
前記シーケンスが、抗ジャミング、抗プランジング、抗プラギング、同期されたネジ締め及びハンマーパワー調整の中の一つ又は複数を含み得る
ことを特徴とする請求項10〜12の何れか一項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2012−531545(P2012−531545A)
【公表日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−517446(P2012−517446)
【出願日】平成22年6月28日(2010.6.28)
【国際出願番号】PCT/SE2010/000184
【国際公開番号】WO2010/151203
【国際公開日】平成22年12月29日(2010.12.29)
【出願人】(398056193)アトラス コプコ ロツク ドリルス アクチボラグ (66)
【出願人】(510003210)アトラス コプコ ドリリング ソルーションズ リミテツド ライアビリティ カンパニー (3)
【Fターム(参考)】