説明

前方状況予測装置

【課題】信号サイクル情報を用いることなく、前方の信号交差点の交通流状況を予測することが可能な前方状況予測装置を提供する。
【解決手段】本発明の一実施形態に係る前方状況予測装置80は、周辺車両の走行状態情報を取得する情報取得手段81と、信号交差点のための車両の速度変化パターンを予め記憶する記憶手段83と、情報取得手段81によって取得した少なくとも1台の前方車両の走行状態情報と記憶手段83に記憶した速度変化パターンとを比較し、前方車両の減速要因又は停止要因を予測することによって、前方の交通流状況を予測する減速停止要因予測手段84と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、前方の信号交差点における交通流状況を予測する前方状況予測装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両センサを用いて直前の先行車両を認識し、この先行車両の動きに応じて自車両の運転支援を行うことが広く知られている。しかしながら、特許文献1によれば、直前の先行車両を認識するだけでは、例えば、車間距離が短い場合に急ブレーキ操作が行なわれると、自車両のブレーキ操作が遅れて危険であるとしている。この問題点に関し、特許文献1には、路車間通信や車車間通信を用いて1又は複数の周辺車両の速度や位置などの情報を取得し、この周辺車両の情報から信号交差点における自車両の停止位置を予測し、この予測に基づいて自車両の運転支援を行うことが開示されている。すなわち、特許文献1によれば、直前の先行車両だけでなく、周辺に存在する周辺車両の情報を把握することにより、交差点上流側を走行中の自車両の位置から交差点の停止線手前で信号待ちをしている車列の末尾までの車両の状況がわかるため、信号による自車両の停止位置を予測することができるとしている。
【0003】
また、特許文献1によれば、信号切り替えパラメータ等の情報を利用することにより、青信号で信号待ちの車両が解消してゆく状況を予測することができ、信号待ちの車両の末尾に到着して停止し、直後に加速するというような燃費の無駄となる走行を防止して、スムーズな走行を実現することができるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−69907号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記したように、前方車両が前方の信号交差点に対して減速、停止する場合であっても、信号灯色によって自車両の運転支援が必要でないことがある。例えば、前方車両が赤信号で減速、停止する場合、前方車両は比較的長い時間停止する可能性が高く、自車両も減速、停止を要する可能性が高いが、前方車両が青信号の右左折で減速、停止する場合には、前方車両は停止することなく右左折したり、停止したとしても一時的な停止であったりして、自車両は必ずしも減速、停止を要しないことがある。このような場合にも、前方車両の減速、停止に応じて自車両の運転支援を行ってしまうと、無駄な加減速により、燃費の悪い走行になり、スムーズな走行を実現することができなくなってしまう。
【0006】
この点に関し、特許文献1に記載のように、信号切り替えパラメータ情報、すなわち、信号サイクル情報を利用すれば、車両が減速、停止する要因が、赤信号であるか、青信号の右左折であるかを予測することが可能になると考えられる。
【0007】
しかしながら、信号サイクル情報を供給するためのインフラ設備が設置されていない信号交差点では、信号サイクル情報を得ることができず、車両が減速、停止する要因が、赤信号であるか、青信号の右左折であるかを予測することができない。
【0008】
そこで、本発明は、信号サイクル情報を用いることなく、前方の信号交差点の交通流状況を予測することが可能な前方状況予測装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の前方状況予測装置は、周辺車両の走行状態情報を取得する情報取得手段と、信号交差点のための車両の速度変化パターンを予め記憶する記憶手段と、情報取得手段によって取得した少なくとも1台の前方車両の走行状態情報と記憶手段に記憶した速度変化パターンとを比較し、前方車両の減速要因又は停止要因を予測することによって、前方の交通流状況を予測する減速停止要因予測手段と、を備える。
【0010】
本願発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、従属走行を行う車両が信号交差点に対して減速、停止を行う場合、信号灯色によって異なる特徴を有することを見出した。例えば、信号交差点が赤信号である場合、各車両がそれぞれ赤信号を認識して減速するため、先行車両の減速に引きずられ難い傾向があり、また、早く交差点に到着しても旅行時間に差がないため、減速行動、例えばアクセルOFFのタイミングやブレーキONのタイミングなどが早だしされる傾向がある。そして、後続車になるほど小さい減速度で減速、停止する傾向がある。すなわち、従属走行を行う車両の速度変化パターン(例えば、減速パターン)は、それぞれ相違する特徴がある。
【0011】
一方、信号交差点が青信号であるときに右左折する場合、必ずしも停止する必要がないため、直前車の減速に応じて減速する傾向がある。すなわち、先行車の減速に引きずられやすいため、赤信号のための減速行動と異なり、減速行動、例えばアクセルOFFのタイミングやブレーキONのタイミング、減速度などが類似する傾向がある。すなわち、従属走行を行う車両の速度変化パターンは、類似する特徴がある。
【0012】
そこで、この前方状況予測装置では、記憶手段によって、信号交差点のための車両の速度変化パターン、例えば、信号交差点が赤信号であるときの速度変化パターン(例えば、減速パターン)、又は、信号交差点が青信号であるときに右左折するときの速度変化パターン(例えば、減速パターン)を予め記憶する。そして、この速度変化パターンに、情報取得手段によって取得した前方車両の走行状態情報(例えば、速度や加減速度)がマッチングするか否かによって、減速停止要因予測手段が前方車両の減速要因又は停止要因を予測し、この予測に基づいて、前方の信号交差点における交通流状況(すなわち、前方の信号交差点において、他車両の減速、停止が行われ、その影響で自車両の減速、停止が必要か否か)を予測することができる。
【0013】
この前方状況予測装置による予測結果を用いれば、減速、停止が必ずしも必要のない赤信号以外において運転支援を抑制することが可能となるので、無駄な加減速を抑制し、燃費のよい走りやスムーズな交通流を実現することが可能となる。
【0014】
また、この前方状況予測装置によれば、信号サイクル情報を供給するためのインフラ設備を設置する必要がないという利点を有する。
【0015】
記憶手段は、信号交差点における赤信号のための車両の赤信号速度変化パターン、及び、信号交差点における青信号右左折のための車両の右左折速度変化パターンのうちの少なくとも何れかを速度変化パターンとして予め記憶することが好ましい。
【0016】
これによれば、赤信号のための速度変化パターンによるマッチングに加えて、青信号右左折のための速度変化パターンによるマッチングを行うことによって、前方車両の減速要因又は停止要因を予測することができるので、前方の信号交差点における交通流状況の予測精度を高めることができる。
【0017】
また、上記した情報取得手段は、周辺車両の前記走行状態情報として、速度情報、加速度情報、位置情報、向き情報、経路案内情報、ウインカー情報、道路線形情報、及び、ハザード情報を取得することが好ましく、上記した減速停止要因予測手段は、更に、情報取得手段によって取得した少なくとも1台の前方車両の速度情報、加速度情報、位置情報に基づいて停止位置予測を行い、前方車両の停止位置予測、位置情報、向き情報、経路案内情報、ウインカー情報、道路線形情報、及び、ハザード情報のうちの少なくとも何れかの情報に基づいて、前方車両の減速要因又は停止要因を予測することが好ましい。
【0018】
これによれば、赤信号のための速度変化パターンや青信号右左折のための速度変化パターンによるマッチングに加えて、前方車両の停止位置予測、位置情報、向き情報、経路案内情報、ウインカー情報、道路線形情報、及び、ハザード情報に基づいて、前方車両の減速要因又は停止要因を予測するので、前方の信号交差点における交通流状況の予測精度を高めることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、信号サイクル情報を用いることなく、前方の信号交差点の交通流状況を予測することができる。この予測結果を用いれば、減速、停止が必ずしも必要のない赤信号以外において運転支援を抑制することが可能となるので、無駄な加減速を抑制し、燃費のよい走りやスムーズな交通流を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】第1の実施形態に係る運転支援装置、及び、本発明の第1の実施形態に係る前方状況予測装置を示す図である。
【図2】信号交差点が赤信号である場合の車両の速度変化パターンを示す図である。
【図3】第1の実施形態の前方状況予測装置による前方状況予測処理を示すフローチャートである。
【図4】第2の実施形態に係る運転支援装置、及び、本発明の第2の実施形態に係る前方状況予測装置を示す図である。
【図5】第2の実施形態の前方状況予測装置による前方状況予測処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、各図面において同一又は相当の部分に対しては同一の符号を附すこととする。
[第1の実施形態]
【0022】
図1は、第1の実施形態に係る運転支援装置を示す図である。図1に示す運転支援装置1は、周辺監視センサ10と、車両センサ20と、ナビゲーションシステム30と、通信機類40と、電子制御ユニット(以下、前方状況予測ECU:Electronic Control Unitという。)50と、各種アクチュエータ60と、視聴覚表示装置70とを備えている。
【0023】
周辺監視センサ10は、自車両の周辺に存在する周辺車両を認識したり、先行車両や後続車両と自車両との車間距離を計測したりするためのものである。また、周辺監視センサ10は、自車両の周辺に存在する障害物を認識したり、自車両と障害物との距離を計測したりするためのものである。周辺監視センサ10は、具体的には、ミリ波レーダ、レーザレーダ及びステレオカメラ等から構成される。
【0024】
車両センサ20は、自車両の速度、加速度(減速度)、ヨーレート、ステアリング角、ブレーキペダル踏量、アクセルペダル踏量などを検出するためのものである。車両センサ20は、具体的には、車速センサ等の各値を検出するセンサからなる。
【0025】
ナビゲーションシステム30は、自車両の経路案内を行うためのものである。
【0026】
通信機類40は、車車間通信装置41、路車間通信装置42、及び、GPS装置43を含む。
【0027】
車車間通信装置41は、無線通信が可能な自車両周辺に位置する周辺車両から、周辺車両の走行状態情報を受信するためのものである。走行状態情報とは、速度、加減速度、位置などである。
【0028】
路車間通信装置42は、例えば、光ビーコン受信機であり、路側の光ビーコン送信機や情報センタから、信号交差点に関する各種情報や、道路の渋滞等の交通状況に関する情報を受信するためのものである。信号交差点に関する情報とは、信号交差点の位置、停止線の位置、信号交差点付近の道路線形情報(直進、右折及び左折などの車線情報)などである。
【0029】
GPS装置43は、GPS(Global Positioning System)を用いて、自車両が走行している位置を測定するためのものである。
【0030】
ECU50は、演算を行うCPU(Central Processing Unit)、CPUに各処理を実行させるためのプログラム等を記憶するROM(ReadOnly Memory)、演算結果などの各種データを記憶するRAM(Random Access Memory)などから構成されている。このような構成により、ECU50には、前方状況予測ECU80と運転支援ECU90とが構築されている。なお、本実施形態では、前方状況予測ECU80及び運転支援ECU90が一つのECU50で構成される一例を示すが、前方状況予測ECU80と運転支援ECU90とは別々のECUで構成されてもよい。
【0031】
前方状況予測ECU80は、車車間通信装置41によって取得した少なくとも1台の前方車両の走行状態情報に基づいて、前方車両が前方の信号交差点に対して減速、停止を行うときにその減速要因又は停止要因(赤信号、青信号右左折、渋滞など)を予測する。そして、この予測に基づいて、前方状況予測ECU80は、前方の信号交差点における交通流(すなわち、前方の信号交差点において、他車両の減速、停止が行われ、その影響で自車両の減速、停止が必要か否か)を予測する。
【0032】
運転支援ECU90は、前方状況予測ECU80の予測に基づいて、スロットルアクチュエータやブレーキアクチュエータなどの各種アクチュエータ60を制御して、ACC(Adaptive Cruise Control)走行制御を行う。又は、運転支援ECU90は、前方状況予測ECU80の予測に基づいて、ディスプレイによる画像表示や、スピーカ又はブザー等による音声表示などの視聴覚表示装置70を制御して、ドライバに安全な運転操作を誘導する。
【0033】
次に、本発明の第1の実施形態に係る前方状況予測ECU(前方状況予測装置)80について説明する。前方状況予測ECU80は、周辺車両情報取得部81と、信号交差点情報取得部82と、記憶部83と、減速停止要因予測部84とを備えている。
【0034】
周辺車両情報取得部81は、例えば車車間通信装置41を用いて、少なくとも1台の前方車両の走行状態情報として、例えば、速度、加減速度、位置などを取得する。
【0035】
信号交差点情報取得部82は、例えば路車間通信装置42を用いて、前方の信号交差点情報として、例えば、信号交差点の位置、停止線の位置などを取得する。なお、信号交差点情報取得部82は、路車間通信装置42に代えてナビゲーションシステム30に記録された情報から、前方の信号交差点情報を取得してもよい。
【0036】
ここで、前方車両が前方の信号交差点に対して減速、停止する場合であっても、信号灯色によって自車両の運転支援が必要でないことがある。例えば、前方車両が赤信号のために減速、停止する場合、前方車両は比較的長い時間停止する可能性が高く、自車両も減速、停止を要する可能性が高いが、前方車両が青信号右左折のために減速、停止する場合には、前方車両は停止することなく右左折したり、停止したとしても一時的な停止であったりして、自車両は必ずしも減速、停止を要しないことがある。このような場合にも、前方車両の減速、停止に応じて、自車両の運転支援を行ってしまうと、無駄な加減速により、燃費の悪い走行になり、スムーズな交通流を実現することができなくなってしまう。
【0037】
そこで、本願発明者らは、車車間通信による前方車両のリアルタイム情報から、対象交差点の信号灯色を予測することを考案した。図2は、信号交差点が赤信号である場合の車両の速度変化パターンを示す図である。図2(a)には、時間に対する速度変化パターンであって、信号交差点に向かって順次に従属走行する車両A〜Cの速度変化パターンが示されており、図2(b)には、位置に対する速度変化パターンであって、当該車両A〜Cの速度変化パターンが示されている。
【0038】
図2によれば、従属走行する車両A〜Cが赤信号を認識して減速、停止を行う交通流では、車両A〜Cがそれぞれ赤信号を認識して減速するため、先行車両の減速に引きずられ難い傾向がある。また、早く交差点に到着しても旅行時間に差がないため、減速行動、例えばアクセルOFFのタイミングやブレーキONのタイミングなどが早だしされる傾向がある。そして、後続車になるほど小さい減速度で減速、停止する傾向がある。すなわち、従属走行する車両A〜Cの減速パターン(速度変化パターン)は、それぞれ相違する特徴がある。
【0039】
一方、従属走行する車両A〜Cが青信号での右左折を行う交通流では、必ずしも停止する必要がないため、直前車の減速に応じて減速する傾向がある。すなわち、先行車の減速に引きずられやすいため、赤信号のための減速行動と異なり、減速行動、例えばアクセルOFFのタイミングやブレーキONのタイミング、減速度などが類似する傾向がある。すなわち、従属走行する車両A〜Cの減速パターンは、類似する特徴がある。
【0040】
そこで、記憶部83は、図2に示すような少なくとも1つの速度変化パターンを予め記憶する。すなわち、記憶部83は、赤信号を認識した場合の減速パターン(速度変化パターン)を予め記憶する。記憶部83は、図2に示すような減速行動のタイミングが異なる複数の減速パターン、すなわち、複数の従属走行車両の減速パターンを記憶することが好ましい。この場合、減速パターンそれぞれは、減速行動開始位置などと対応付けて記憶されることが好ましい。減速パターンは、例えば、予めシミュレーションや実験によって求められる。また、減速パターンは、例えば、信号交差点を実際に通過するときに履歴として求められてもよい。
【0041】
減速停止要因予測部84は、周辺車両情報取得部81によって取得された少なくとも1台の前方車両が信号交差点情報取得部82によって取得された信号交差点に対して減速、停止する場合に、その減速要因、停止要因を予測し、この予測に基づいて、前方の信号交差点における交通流状況を予測する。具体的には、減速停止要因予測部84は、信号交差点情報取得部82によって取得された信号交差点における赤信号のための減速パターンであって、記憶部83に予め記憶された当該減速パターンと、周辺車両情報取得部81によって取得された前方車両の走行状態情報(速度、加減速度)に基づく減速パターンとを比較して、これらの減速パターンのマッチングに基づいて、前方車両の減速要因、停止要因は赤信号のためか、青信号右左折のためか、又は、その他の要因か、を予測する。そして、この予測に基づいて、減速停止要因予測部84は、前方の信号交差点における交通流状況を予測する。
【0042】
なお、複数の前方車両の走行状態情報を取得できた場合には、減速停止要因予測部84は、それらの対応関係、例えば、従属走行位置や減速行動開始位置などに基づいて図2に示すような減速パターンの相違があるか否かによって、前方車両の減速要因、停止要因を予測する。
【0043】
次に、第1の実施形態の前方状況予測ECU80の動作を説明する。図3は、第1の実施形態の前方状況予測ECU80による前方状況予測処理を示すフローチャートである。
【0044】
まず、周辺車両情報取得部81によって、少なくとも1台の前方車両の走行状態情報として、速度、加減速度、位置を取得する(S01)。次に、信号交差点情報取得部82によって、前方の信号交差点情報として、交差点の位置、停止線の位置を取得する(S02)。次に、減速停止要因予測部84によって、取得した速度又は加減速度に基づいて、前方車両が減速しているか否かの判定を行う(S03)。
【0045】
前方車両が減速している場合、速度又は加減速度に基づく前方車両の減速パターンが、記憶部83に記憶した対象交差点の赤信号のための減速パターンにマッチングするか否かの判定を行う。なお、複数の前方車両の速度又は加減速が得られた場合には、従属走行位置や減速行動開始位置などに基づいて、速度又は加減速度に基づく複数の速度パターンそれぞれが、記憶部83に記憶した複数の減速パターンそれぞれにマッチングするか否かの判定を行う(S04)。
【0046】
減速パターンがマッチングする場合、減速停止要因予測部84は、前方車両の減速要因、停止要因は赤信号のためと予測し、この予測に基づき、前方の信号交差点における交通流では、自車両の減速、停止が必要である可能性が高いと予測する(S05)。
【0047】
一方、減速パターンがマッチングしない場合には、減速停止要因予測部84は、前方車両の減速要因、停止要因は青信号右左折のためと予測し、この予測に基づき、前方の信号交差点における交通流では、減速要因、停止要因は直ぐに解消する可能性が高く、必ずしも自車両の減速、停止が必要でないと予測する(S06)。
【0048】
ステップ03において、前方車両が減速していない場合、減速停止要因予測部84によって、対象交差点を通過するか否かの判定を行い(S07)、通過する場合には、前方車両は青信号を直進するものと予測する(S08)。一方、交差点を通過しない場合には、ステップ03に戻る。
【0049】
運転支援ECU90は、前方状況予測ECU80の予測に応じて、前方車両が赤信号のために減速、停止する場合に運転支援の制御を行い、自車両の減速、停止を制御する。一方、その他の予測の場合には、運転支援ECU90は、運転支援制御の実行を一時見合わせる。
【0050】
このように、第1の実施形態の前方状況予測ECU80によれば、記憶部83によって、信号交差点が赤信号であるときの減速パターン(速度変化パターン)を予め記憶する。そして、この減速パターンに、周辺車両情報取得部81によって取得した前方車両の走行状態情報(例えば、速度や加減速度)がマッチングするか否かによって、減速停止要因予測部84が前方車両の減速要因又は停止要因を予測し、この予測に基づいて、前方の信号交差点の交通流状況を予測することができる。
【0051】
この前方状況予測ECU80による予測を用いる第1の実施形態の運転支援装置1によれば、減速、停止が必ずしも必要でない赤信号以外において運転支援を抑制することができるので、無駄な加減速を抑制し、燃費のよい走りやスムーズな交通流を実現することができる。
【0052】
ところで、従来、ドライバが赤信号の情報を取得するためには、ドライバ本人が直接目視するか、何度も走行した経験から赤信号を予測するか、インフラ設備から信号サイクル情報を取得する手法が考案されてきた。
【0053】
しかしながら、ドライバの直接目視や経験による予測では認識できない状況があった。例えば、カーブなどの見通しが悪い交差点や、直前をトラックが走行しているなど、物理的にドライバが赤信号を目視できない状況では、信号灯色を確認することができない。このような状況では、センサやカメラなどを利用した車両周辺を監視する自律センサでも認識することができない。
【0054】
このように、ドライバが直接目視できなくとも、日ごろ走行する道路ではタイミング的に赤になるだろうと予測することが可能であるが、始めて走行する道路やあまり通らない道路では、赤信号タイミングを予測することが困難である。
【0055】
現在、例えば、信号サイクル情報を路側のインフラ設備から取得するシステムが考案されているが、全ての交差点にインフラ設備を設置することは困難である。また、インフラ設備が配置されていたとしても、通信の制約上、複数の交差点の情報を取得できなかったり、通信可能距離に達しないと情報を取得できなかったりなどの課題があった。例えば、この種のインフラ設備を設置することができたとしても、インフラ設備は1設備に対して1交差点の情報しか提供しないため、複数の交差点の情報を取得することができない。また、通信がスポット的であったり、通信距離が限定されていたりするため、遠くの交差点の情報を入手することができず、通信成立するまで情報を入手できない。
【0056】
しかしながら、この前方状況予測ECU80によれば、上記問題点を全て解消することができる。特に、信号サイクル情報を供給するためのインフラ設備を設置する必要がないという利点を有する。
[第2の実施形態]
【0057】
図4は、第2の実施形態に係る運転支援装置を示す図である。図4に示す運転支援装置1Aは、運転支援装置1においてECU50に代えてECU50Aを備える構成で第1の実施形態と異なっている。運転支援装置1Aのその他の構成は、運転支援装置1と同一である。
【0058】
ECU50Aは、ECU50において前方状況予測ECU80に代えて前方状況予測ECU80Aを備える構成で第1の実施形態と異なっている。ECU50Aのその他の構成は、ECU50と同一である。
【0059】
前方状況予測ECU80Aは、前方状況予測ECU80において周辺車両情報取得部81、信号交差点情報取得部82、記憶部83、減速停止要因予測部84に代えて周辺車両情報取得部81A、信号交差点情報取得部82A、記憶部83A、減速停止要因予測部84Aを備えている構成で第1の実施形態と異なっている。また、前方状況予測ECU80Aは、更に、確率演算部85を備えている構成で第1の実施形態と異なっている。前方状況予測ECU80Aのその他の構成は、前方状況予測ECU80と同一である。
【0060】
記憶部83Aは、上記した赤信号のための減速パターンに加えて、青信号右左折のための減速パターン(速度変化パターン)を予め記憶する。青信号右左折のための減速パターンは、上記したように、従属走行車両の減速パターンがそれぞれ相違する特徴を有する赤信号のための減速パターンとは異なり、従属走行車両の減速パターンが類似する特徴を有する。記憶部83Aは、減速行動のタイミングが類似する複数の減速パターン、すなわち、複数の従属走行車両の減速パターンを記憶することが好ましい。この場合、減速パターンそれぞれは、減速行動開始位置などと対応付けて記憶されることが好ましい。減速パターンは、例えば、予めシミュレーションや実験によって求められる。また、減速パターンは、例えば、信号交差点を実際に通過するときに履歴として求められてもよい。
【0061】
減速停止要因予測部84Aは、取得した前方車両の走行状態情報と赤信号のための減速パターンとのマッチングに加えて、前方車両の走行状態情報と青信号右左折のための減速パターンとのマッチングによって減速要因又は停止要因を予測し、この予測に基づいて前方の信号交差点における交通流状況を予測する。
【0062】
この構成により、前方状況予測ECU80Aは、前方の信号交差点における交通流状況の予測精度を高めることができる。
【0063】
また、前方状況予測ECU80Aは、前方車両の停止位置予測、経路案内情報、ウインカー情報、道路線形情報、及び、ハザード情報などを用いて、前方の信号交差点における交通流状況の予測精度をより高めることができる。以下に、詳細に説明する。
【0064】
周辺車両情報取得部81Aは、例えば車車間通信装置41を用いて、前方車両の走行状態情報として、速度、加減速度、位置に加えて、例えば、ナビゲーション装置の経路案内情報、ウインカー情報、及び、ハザード情報を取得する。
【0065】
信号交差点情報取得部82Aは、例えば路車間通信装置42を用いて、前方の信号交差点情報として、信号交差点の位置、停止線の位置に加えて、例えば、信号交差点付近の道路線形情報(直進、右折及び左折などの車線情報)を取得する。
【0066】
確率演算部85は、前方車両の速度、減速度、及び、位置から求める前方車両の停止位置予測、経路案内情報、ウインカー情報、道路線形情報、及び、ハザード情報を用いて重み付け確率演算を行い、赤信号のための減速、停止の確率や、青信号右左折のための減速、停止の確率を求める。なお、確率演算部85は、常時これらの情報全てを用いて確率を求めてもよいし、状況に応じてこれらの情報を取捨選択して確率を求めてもよい。
【0067】
例えば、前方車両の停止位置予測が交差点手前である場合、赤信号のための減速である確率が高く、停止位置予測が停止線を越えた位置(例えば、交差点中央付近)である場合には、青信号右左折のための減速である確率が高い。また、前方車両が交差点を右左折する向きで停止している場合には、青信号右左折待ちの確率が高い。
【0068】
また、例えば、前方車両の経路案内が交差点直進を示す場合、赤信号のための減速である確率が高く、経路案内が交差点右左折を示す場合には、青信号右左折のための減速である確率が高い。
【0069】
また、例えば、前方車両のウインカーが出ていない場合、赤信号のための減速である確率が高く、ウインカーが出ている場合には、青信号右左折のための減速である確率が高い。
【0070】
また、例えば、前方車両が直進専用レーンを走行している場合、赤信号のための減速である確率が高く、また、複数の車線に停止車両が存在する場合、赤信号のための停止である確率が高い。一方、前方車両が右左折専用レーンを走行している場合、青信号右左折のための減速である確率が高く、また、複数の車線に停止車両が存在しない場合、青信号右左折のための減速である確率が高い。
【0071】
また、例えば、前方車両がハザードを出して減速、停止している場合、赤信号停止のため減速や青信号右左折のための減速、停止である確率が低く、例えば、渋滞のための減速、停止である可能性が高い。
【0072】
減速停止要因予測部84Aは、上記したように予め記憶した減速パターンマッチングに加えて、確率演算部85によって求めた確率にも基づいて減速要因又は停止要因を予測し、この予測に基づいて、前方の信号交差点における交通流状況を予測する。
【0073】
次に、第2の実施形態の前方状況予測ECU80Aの動作について説明する。図5は、第2の前方状況予測ECU80Aによる前方状況予測処理を示すフローチャートである。
【0074】
まず、周辺車両情報取得部81Aによって、少なくとも1台の前方車両の走行状態情報として、前方車両の速度、加減速度、位置に加えて、経路案内情報、ウインカー情報、及び、ハザード情報を取得する(S01A)。次に、信号交差点情報取得部82によって、前方の信号交差点情報として、交差点の位置、停止線の位置に加えて、信号交差点付近の道路線形情報(直進、右折及び左折などの車線情報)を取得する(S02A)。次に、減速停止要因予測部84Aによって、取得した速度又は加減速度に基づいて、前方車両が減速しているか否かの判定を行う(S03)。
【0075】
前方車両が減速している場合、速度又は加減速度に基づく前方車両の減速パターンが、記憶部83Aに記憶した対象交差点の赤信号での減速パターンにマッチングするか否かの判定を行う。なお、複数の前方車両の速度又は加減速が得られた場合には、従属走行位置や減速行動開始位置などに基づいて、速度又は加減速度に基づく複数の速度パターンそれぞれが、記憶部83Aに記憶した複数の減速パターンそれぞれにマッチングするか否かの判定を行う(S04)。
【0076】
赤信号のための減速パターンにマッチングする場合、確率演算部85によって、前方車両の速度、減速度、及び、位置から求めた前方車両の停止位置予測、経路案内情報、ウインカー情報、道路線形情報、及び、ハザード情報を用いた重み付け確率演算を行い、赤信号の確率を求める(S11)。その後、減速停止要因予測部84Aによって、求めた赤信号の確率がしきい値以上であるか否かの判定を行い(S12)、赤信号の確率がしきい値以上である場合、減速停止要因予測部84Aは、前方車両の減速要因、停止要因は赤信号のためと予測し、この予測に基づき、前方の信号交差点における交通流では、自車両の減速、停止が必要である可能性が高いと予測する(S13)。一方、求めた赤信号の確率がしきい値未満である場合には、ステップ04に戻る。
【0077】
ステップ04において、赤信号のための減速パターンにマッチングしない場合には、速度又は加減速度に基づく前方車両の減速パターンが、記憶部83Aに記憶した対象交差点の青信号右左折のための減速パターンにマッチングするか否かの判定を行う。なお、複数の前方車両の速度又は加減速が得られた場合には、従属走行位置や減速行動開始位置などに基づいて、速度又は加減速度に基づく複数の速度パターンそれぞれが、記憶部83Aに記憶した複数の減速パターンそれぞれにマッチングするか否かの判定を行う(S14)。
【0078】
青信号右左折のための減速パターンにマッチングする場合、確率演算部85によって、前方車両の停止位置予測、経路案内情報、ウインカー情報、道路線形情報、及び、ハザード情報を用いた重み付け確率演算を行い、青信号右左折の確率を求める(S15)。その後、減速停止要因予測部84Aによって、求めた青信号右左折の確率がしきい値以上であるか否かの判定を行い(S16)、青信号右左折の確率がしきい値以上である場合、減速停止要因予測部84Aは、前方車両の減速要因、停止要因は青信号右左折のためと予測し、この予測に基づき、前方の信号交差点における交通流では、減速要因、停止要因は直ぐに解消する可能性が高く、必ずしも自車両の減速、停止が必要でないと予測する(S17)。一方、求めた青信号右左折の確率がしきい値未満である場合には、ステップ04に戻る。
【0079】
ステップ14において、青信号右左折のための減速パターンにマッチングしない場合には、減速停止要因予測部84Aによって、前方車両が交差点に対して停止するか否かの判定を行い(S18)、停止する場合には、前方車両の減速要因、停止要因はその他の要因(渋滞など)によるものと予測し、この予測に基づき、前方の信号交差点における交通流では、減速要因、停止要因は直ぐに解消する可能性が高く、必ずしも自車両の減速、停止が必要でないと予測する(S19)。一方、停止しない場合には、ステップ15へ移行する。
【0080】
ステップ03において、前方車両が減速していない場合には、上記したステップ07〜08の処理が行われる。
【0081】
運転支援ECU90は、前方状況予測ECU80Aの予測に応じて、前方車両が赤信号のために減速、停止する場合に運転支援の制御を行い、自車両の減速、停止を制御する。一方、その他の予測の場合には、運転支援ECU90は、運転支援制御の実行を一時見合わせる。
【0082】
このように、第2の実施形態の前方状況予測ECU80A及び運転支援装置1Aは、それぞれ、第1の実施形態の前方状況予測ECU80、運転支援装置1と同様の構成を備えているので、同様の利点を得ることができる。
【0083】
更に、第2の実施形態の前方状況予測ECU80Aによれば、記憶部83Aによって、赤信号のための減速パターンに加えて、青信号右左折のための減速パターンを予め記憶しており、減速停止要因予測部84Aによって、赤信号のための減速パターンによるマッチングに加えて、青信号右左折のための減速パターンによるマッチングに基づいて前方車両の減速要因又は停止要因を予測するので、前方の信号交差点の交通流状況の予測精度を高めることができる。
【0084】
更に、第2の実施形態の前方状況予測ECU80Aによれば、確率演算部85によって、前方車両の速度、減速度、及び、位置から求める前方車両の停止位置予測、経路案内情報、ウインカー情報、道路線形情報、及び、ハザード情報を用いて重み付け確率演算を行い、赤信号のための減速、停止の確率や、青信号右左折のための減速、停止の確率を求める。そして、減速停止要因予測部84Aは、上記の減速パターンマッチングに加えて、求めた赤信号の確率、青信号右左折の確率にも基づいて、前方車両の減速要因又は停止要因を予測するので、前方の信号交差点の交通流状況の予測精度をより高めることができる。
【0085】
このように、赤信号交差点を予測することによって、自車走行経路のボトルネックが把握でき、次の交差点の情報のみでなく、複数交差点の情報を入手することが可能となる。これにより、自車の速度パターン生成などに利用できるため、無駄な加減速を抑制し、燃費のよい走りや、スムーズな運転支援を実施することが可能となる。
【0086】
なお、本発明は上記した本実施形態に限定されることなく種々の変形が可能である。例えば、本実施形態では、速度変化パターンを予め記憶する記憶部83,83Aを自車両に備えたが、記憶部83,83Aは外部の情報センタなどに設けられていてもよい。この場合、前方状況予測ECU80,80Aと情報センタの記憶部83,83Aとで前方状況予測装置が構成される。そして、前方状況予測ECU80,80Aは、通信機類40を用いて、記憶部83,83Aから速度変化パターンを取得すればよい。
【0087】
また、本実施形態では、自車両が直接車車間通信を行う周辺車両の走行状態情報に基づいて前方の信号交差点の交通流状態を予測したが、この周辺車両が車車間通信により得た他の周辺車両の走行状態に基づいて前方の信号交差点の交通流状態を予測してもよい。
【0088】
また、第1の実施形態では、赤信号のための速度変化パターンとのマッチングにより前方の信号交差点の交通流状態を予測したが、赤信号のための速度変化パターン及び青信号右左折のための速度変化パターンのうちの少なくとも何れか一方とのマッチングにより前方の信号交差点の交通流状態を予測してもよい。
【0089】
例えば、青信号右左折のための速度変化パターンとのマッチングにより前方の信号交差点の交通流状態を予測する場合、記憶部83は、赤信号のための速度変化パターンに代えて青信号右左折のための速度変化パターンを予め記憶し、減速停止要因予測部84は、記憶部83に記憶された青信号右左折のための速度変化パターンと、周辺車両情報取得部81によって取得された前方車両の走行状態情報に基づく減速パターンとを比較して、これらの減速パターンのマッチングを行う(図3のS04)。そして、減速パターンがマッチングする場合、減速停止要因予測部84は、前方車両の減速要因、停止要因は青信号右左折のためと予測し(図3のS06)、減速パターンがマッチングしない場合には、減速停止要因予測部84は、前方車両の減速要因、停止要因は赤信号のためと予測する(図3のS05)。この場合でも、第1の実施形態と同様の利点を有することができる。
【0090】
一方、赤信号のための速度変化パターン及び青信号右左折のための速度変化パターンの両方とのマッチングにより前方の信号交差点の交通流状態を予測する形態は、第2の実施形態と同様に考えればよい。例えば、赤信号のための速度変化パターンとマッチングする場合に(図5のS04)、前方車両の減速要因、停止要因は赤信号のためと予測し(図5のS13)、赤信号のための速度変化パターンとマッチングせず、青信号右左折のための速度変化パターンとマッチングする場合には(図5のS14)、前方車両の減速要因、停止要因は青信号右左折のためと予測し(図5のS17)、青信号右左折のための速度変化パターンともマッチングしない場合には、前方車両の減速要因、停止要因はその他(渋滞など)のためと予測する(図5のS19)。この場合、予測精度を高めることができる。
【0091】
また、本実施形態では、赤信号のための速度変化パターンや、青信号右左折のための速度変化パターンとのマッチングにより前方の信号交差点の交通流状態を予測したが、その他要因のための速度変化パターンを用いて予測精度を高めてもよい。例えば、渋滞のための速度変化パターンとのマッチングを用いることも可能である。
【0092】
また、本実施形態では、速度変化パターンによるマッチングを用いたが、加速度変化パターンによるマッチングを用いてもよい。
【0093】
また、本実施形態では、前方車両の速度、減速度、及び、位置から求める前方車両の停止位置予測、経路案内情報、ウインカー情報、道路線形情報、及び、ハザード情報を用いて前方の信号交差点の交通流状態の予測精度を高めたが、その他の情報を用いてもよい。例えば、その他の情報としては、ストップランプ点灯タイミング、アクセルOFFタイミングなどの情報を用いるこのも可能である。
【0094】
また、本実施形態では、前方車両の速度、減速度、及び、位置から前方車両の停止位置を予測したが、赤信号での停止行動として、おおよその停止可能性のある場所の情報を、時間帯による特徴や対象交差点の特徴を情報センタを利用したり、路車間通信などで入手し、精度を向上してもよい。
【符号の説明】
【0095】
1,1A…運転支援装置、10…周辺監視センサ、20…車両センサ、30…ナビゲーションシステム、40…通信機類、41…車車間通信装置、42…路車間通信装置、43…GPS装置、60…各種アクチュエータ、70…視聴覚表示装置、80,80A…前方状況予測ECU(前方状況予測装置)、81,81A…周辺車両情報取得部(情報取得手段)、82,82A…信号交差点情報取得部、83,83A…記憶部(記憶手段)、84,84A…減速停止要因予測部(減速停止要因予測手段)、85…確率演算部、90…運転支援ECU。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
周辺車両の走行状態情報を取得する情報取得手段と、
信号交差点のための車両の速度変化パターンを予め記憶する記憶手段と、
前記情報取得手段によって取得した少なくとも1台の前方車両の走行状態情報と前記記憶手段に記憶した前記速度変化パターンとを比較し、前記前方車両の減速要因又は停止要因を予測することによって、前方の交通流状況を予測する減速停止要因予測手段と、
を備えることを特徴とする、前方状況予測装置。
【請求項2】
前記記憶手段は、信号交差点における赤信号のための車両の赤信号速度変化パターン、及び、信号交差点における青信号右左折のための車両の右左折速度変化パターンのうちの少なくとも何れかを前記速度変化パターンとして予め記憶する、
ことを特徴とする、請求項1に記載の前方状況予測装置。
【請求項3】
前記情報取得手段は、前記周辺車両の走行状態情報として、速度情報、加速度情報、位置情報、向き情報、経路案内情報、ウインカー情報、道路線形情報、及び、ハザード情報を取得し、
前記減速停止要因予測手段は、更に、前記情報取得手段によって取得した少なくとも1台の前方車両の速度情報、加速度情報、位置情報に基づいて停止位置予測を行い、前記前方車両の前記停止位置予測、位置情報、向き情報、経路案内情報、ウインカー情報、道路線形情報、及び、ハザード情報のうちの少なくとも何れかの情報に基づいて、前記前方車両の減速要因又は停止要因を予測する、
ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の前方状況予測装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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