説明

前立腺癌の治療及び診断の標的遺伝子のための、PKIB及びNAALADL2

本発明は、正常な器官と比較してPKIB又はNAALADL2の過剰発現を検出することにより、前立腺癌、特にホルモン不応性前立腺癌(HRPC)又は去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)を検出する方法を特徴とする。前立腺癌におけるPKIB若しくはNAALADL2の過剰発現、PKIB若しくはNAALADL2の細胞増殖機能、PKIB若しくはNAALADL2の細胞内局在、又はPKIB及びPKA−Cの間の相互作用に基づき、HRPCを含む前立腺癌を治療及び防止するための化合物を同定する方法も開示される。また、PKIB遺伝子又はNAALADL2遺伝子に対する二本鎖分子を投与することにより前立腺癌を治療する方法が提供される。本発明はまた、提供される方法において有用な、二本鎖分子とそれらをコードするベクターとを含む生成物と、その分子又はベクターを含む組成物とを提供する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
細胞に導入した場合にPKIB又はNAALADL2のin vivo発現、及び細胞増殖を阻害する単離二本鎖分子であって、互いにハイブリダイズすることで該二本鎖分子を形成するセンス鎖及びそれに相補的なアンチセンス鎖を含む、二本鎖分子。
【請求項2】
前記センス鎖が、配列番号16、配列番号17及び配列番号19から成る群から選択される標的配列に対応する配列を含む、請求項1に記載の二本鎖分子。
【請求項3】
ヌクレオチド数約19〜約25の長さを有する、請求項2に記載の二本鎖分子。
【請求項4】
介在一本鎖によって連結したセンス鎖及びアンチセンス鎖の両方を含む単一のポリヌクレオチドから成る、請求項2に記載の二本鎖分子。
【請求項5】
下記一般式を有する、請求項4に記載の二本鎖分子:
5’−[A]−[B]−[A’]−3’
式中、[A]は配列番号16、配列番号17及び配列番号19から成る群から選択される配列を含むセンス鎖であり、[B]は3個〜23個のヌクレオチドから成る介在一本鎖であり、かつ[A’]は[A]に相補的な配列を含むアンチセンス鎖である。
【請求項6】
請求項1に記載の二本鎖分子を発現するベクター。
【請求項7】
前記二本鎖分子が下記一般式を有する、請求項6に記載のベクター:
5’−[A]−[B]−[A’]−3’
式中、[A]は配列番号16、配列番号17及び配列番号19から成る群から選択される配列を含むセンス鎖であり、[B]は3個〜23個のヌクレオチドから成る介在一本鎖であり、かつ[A’]は[A]に相補的な配列を含むアンチセンス鎖である。
【請求項8】
PKIB遺伝子又はNAALADL2遺伝子を過剰発現する細胞において該遺伝子の発現を阻害する少なくとも1つの単離二本鎖分子を投与する工程を含む、癌を治療する方法であって、該二本鎖分子が、互いにハイブリダイズすることで該二本鎖分子を形成するセンス鎖及びそれに相補的なアンチセンス鎖を含む、方法。
【請求項9】
前記センス鎖が配列番号16、配列番号17及び配列番号19から成る群から選択される標的配列に対応する配列を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記二本鎖分子が、ヌクレオチド数約19〜約25の長さを有する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記二本鎖分子が、介在一本鎖によって連結したセンス鎖及びアンチセンス鎖の両方を含む単一のポリヌクレオチドから成る、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記二本鎖分子が下記一般式を有する、請求項11に記載の方法:
5’−[A]−[B]−[A’]−3’
式中、[A]は配列番号16、配列番号17及び配列番号19から成る群から選択される配列を含むセンス鎖であり、[B]は3個〜23個のヌクレオチドから成る介在一本鎖であり、かつ[A’]は[A]に相補的な配列を含むアンチセンス鎖である。
【請求項13】
前記二本鎖分子がベクターによりコードされる、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
前記ベクターによりコードされる前記二本鎖分子が下記一般式を有する、請求項13に記載の方法:
5’−[A]−[B]−[A’]−3’
式中、[A]は配列番号16、配列番号17及び配列番号19から成る群から選択される配列を含むセンス鎖であり、[B]は3個〜23個のヌクレオチドから成る介在一本鎖であり、かつ[A’]は[A]に相補的な配列を含むアンチセンス鎖である。
【請求項15】
治療すべき前記癌が前立腺癌又はホルモン不応性前立腺癌又は去勢抵抗性前立腺癌である、請求項8に記載の方法。
【請求項16】
PKIB又はNAALADL2の発現を阻害する少なくとも1つの単離二本鎖分子を含む、癌を治療するための組成物であって、該二本鎖分子が、互いにハイブリダイズすることで該二本鎖分子を形成するセンス鎖及びそれに相補的なアンチセンス鎖を含む、組成物。
【請求項17】
前記センス鎖が配列番号16、配列番号17及び配列番号19から成る群から選択される標的配列に対応する配列を含む、請求項16に記載の組成物。
【請求項18】
前記二本鎖分子が、約19ヌクレオチド〜約25ヌクレオチドの長さを有する、請求項17に記載の組成物。
【請求項19】
前記二本鎖分子が、介在一本鎖によって連結したセンス鎖及びアンチセンス鎖を含む単一のポリヌクレオチドから成る、請求項16に記載の組成物。
【請求項20】
前記二本鎖分子が下記一般式を有する、請求項19に記載の組成物:
5’−[A]−[B]−[A’]−3’
式中、[A]は配列番号16、配列番号17及び配列番号19から成る群から選択される配列を含むセンス鎖配列であり、[B]は3個〜23個のヌクレオチドから成る介在一本鎖であり、かつ[A’]は[A]に相補的な配列を含むアンチセンス鎖である。
【請求項21】
前記二本鎖分子が、ベクターによりコードされ、かつ前記組成物中に含有される、請求項16に記載の組成物。
【請求項22】
前記二本鎖分子が下記一般式を有する、請求項21に記載の組成物:
5’−[A]−[B]−[A’]−3’
式中、[A]は配列番号16、配列番号17及び配列番号19から成る群から選択される配列を含むセンス鎖であり、[B]は3個〜23個のヌクレオチドから成る介在一本鎖であり、かつ[A’]は[A]に相補的な配列を含むアンチセンス鎖である。
【請求項23】
治療すべき前記癌が前立腺癌又はホルモン不応性前立腺癌又は去勢抵抗性前立腺癌である、請求項16に記載の組成物。
【請求項24】
(a)以下:
(i)配列番号1、配列番号3又は配列番号5に対応する配列を含むmRNAを検出すること、
(ii)配列番号2又は配列番号4のアミノ酸配列を含むタンパク質を検出すること、及び
(iii)配列番号2又は配列番号4のアミノ酸配列を含むタンパク質の生物活性を検出すること、
から成る群から選択される方法のいずれか1つにより被験体由来の生体試料中における遺伝子の発現レベルを決定する工程と、
(b)該遺伝子の正常対照レベルと比較した前記発現レベルの増大を、前立腺癌と関連づける工程と、
を含む、前立腺癌を診断する方法。
【請求項25】
前記前立腺癌がホルモン不応性前立腺癌又は去勢抗性前立腺癌である、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記発現レベルが前記正常対照レベルより少なくとも10%大きい、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
前記発現レベルが、前記被験体由来の生体試料の遺伝子転写産物へのプローブのハイブリダイゼーションを検出することにより決定される、請求項24に記載の方法。
【請求項28】
前記ハイブリダイゼーション工程がDNAアレイ上で実施される、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記発現レベルが、前記配列番号2又は配列番号4のアミノ酸配列を含むタンパク質に対する抗体の結合を検出することにより決定される、請求項24に記載の方法。
【請求項30】
前記抗体が、配列番号32、配列番号33又は配列番号34から成るポリペプチドと結合する、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記被験体由来の生体試料が、生検材料、痰、血液又は尿を含む、請求項24に記載の方法。
【請求項32】
配列番号33又は配列番号34のアミノ酸配列を含むタンパク質と結合する抗体。
【請求項33】
配列番号2又は配列番号4のアミノ酸配列を含むタンパク質と結合する抗体を含む、前立腺癌を検出するための組成物。
【請求項34】
前記抗体が配列番号32、配列番号33又は配列番号34と結合する、請求項33に記載の組成物。
【請求項35】
a)試験化合物を、PKIB又はNAALADL2のポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチドと接触させる工程と、
b)前記ポリペプチドと前記試験化合物との間の結合活性を検出する工程と、
c)前記ポリペプチドと結合する前記試験化合物を選択する工程と、
を含む、前立腺癌を治療又は防止するための化合物をスクリーニングする方法。
【請求項36】
a)試験化合物を、PKIB又はNAALADL2のポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチドと接触させる工程と、
b)工程(a)の該ポリペプチドの生物活性を検出する工程と、
c)該試験化合物の非存在下で検出される該ポリペプチドの該生物活性と比較して、該PKIB又はNAALADL2のポリヌクレオチドによりコードされる該ポリペプチドの該生物活性を抑制する該試験化合物を選択する工程と、
を含む、前立腺癌を治療又は防止するための化合物をスクリーニングする方法。
【請求項37】
前記生物活性が細胞増殖の促進又はPKA−C核内蓄積活性である、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
a)候補化合物を、PKIB又はNAALADL2を発現する細胞と接触させる工程と、
b)前記試験化合物の非存在下で検出される前記発現レベルと比較して、PKIB又はNAALADL2の発現レベルを低減する前記候補化合物を選択する工程と、
を含む、前立腺癌を治療又は防止するための化合物をスクリーニングする方法。
【請求項39】
a)候補化合物を、ベクターが導入されている細胞と接触させる工程であって、該ベクターが、PKIB又はNAALADL2の転写調節領域と該転写調節領域の制御下で発現するレポーター遺伝子とを含む、接触させる工程と、
b)前記レポーター遺伝子の発現又は活性を測定する工程と、
c)対照と比較して、前記レポーター遺伝子の発現レベル又は活性レベルを低減する候補化合物を選択する工程と、
を含む、前立腺癌を治療又は防止するための化合物をスクリーニングする方法。
【請求項40】
a)試験化合物の存在下で、PKIBポリペプチド又はその機能的等価物を、PKA−Cポリペプチド又はその機能的等価物と接触させる工程と、
b)前記ポリペプチド間の結合を検出する工程と、
c)前記ポリペプチド間の結合を阻害する前記試験化合物を選択する工程と、
を含む、前立腺癌を治療又は防止するための化合物をスクリーニングする方法。
【請求項41】
前記PKIBポリペプチドの機能的等価物が、配列番号31から成るポリペプチドを含む、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記PKA−Cポリペプチドの機能的等価物が、PKIB結合ドメインのアミノ酸配列を含む、請求項40に記載の方法。
【請求項43】
(a)試験化合物の存在下で、PKIBポリペプチド又はその機能的等価物と、PKA−Cポリペプチド又はその機能的等価物と、Aktとを、該PKIBポリペプチドによるAktのリン酸化に適した条件下で、インキュベートする工程と、
(b)前記Aktのリン酸化レベルを検出する工程と、
(c)工程(b)で測定される該Aktの該リン酸化レベルを対照レベルと比較する工程と、
(d)該対照レベルと比較して該Aktの該リン酸化レベルを減少させる化合物を選択する工程と、
を含む、前立腺癌を治療又は防止するための化合物をスクリーニングする方法。
【請求項44】
前記Aktのリン酸化レベルが、配列番号35のアミノ酸配列の473位のセリン残基において検出される、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記PKIBポリペプチド又はその機能的等価物と、前記PKA−Cポリペプチド又はその機能的等価物と、Aktとが、細胞において発現され、該細胞又はその可溶化物を試験化合物と接触させることにより試験化合物の存在下でインキュベートされる、請求項43に記載の方法。
【請求項46】
前記前立腺癌がホルモン不応性前立腺癌又は去勢抵抗性前立腺癌である、請求項35、36、38、39、40及び43のいずれか一項に記載の方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図1E】
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【図1F】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2010−536365(P2010−536365A)
【公表日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−521579(P2010−521579)
【出願日】平成20年8月20日(2008.8.20)
【国際出願番号】PCT/JP2008/065234
【国際公開番号】WO2009/028521
【国際公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【出願人】(502240113)オンコセラピー・サイエンス株式会社 (142)
【Fターム(参考)】