前立腺癌を診断するために有用なバイオマーカー及びその方法

【課題】前立腺癌を示す健康状態を予測するための方法を提供する。
【解決手段】未決定健康状態を有する患者からの血液試料中の代謝産物と呼ばれる特定の小さい生化学物質の強度を測定し、これらの強度を健常個体の集団で観察される強度、及び/又は、確定された前立腺癌陽性個体の集団で観察された強度と比較する。本方法は、医師が、スクリーニングされた患者が前立腺癌に陽性である確率を決定することを可能にさせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、臨床的に前立腺癌陽性と診断された患者と正常患者との間で有意に異なる存在量又は強度(intensity)を有することが見出される小分子又は代謝産物に関する。本発明はまた、前立腺癌又は前立腺癌を発症するリスクを診断するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
前立腺癌は、生涯の間に6人に1人が罹患し、米国のみで1年に200,000人以上が診断を受け30,000人以上が死亡している(Troyer DA, Mubiru J, Leach RJ, Naylor SL. Promise and challenge: Markers of prostate cancer detection, diagnosis and prognosis. Dis Markers 2004;20(2):117-28)。これは、男性の癌による死亡原因の第2位である。前立腺癌に対する現在のスクリーニング方法には、血液試料中の前立腺特異抗原(PSA)のレベルを検出する前立腺特異抗原試験及び直腸指診(DRE)などがある。PSA試験が採用されて以来、米国で危険状態にある男性の60〜70%がこの試験を受けてきたが、前立腺癌の死亡率はわずかしか低下しなかった。これは主に以下の2つの理由による:1)PSA試験は、攻撃的な癌のサブセットを同定することができないという事実、及び2)PSA試験陽性の男性の約30%のみが陽性生検を示すという事実。前立腺癌について治療された全ての男性の中で約25%は疾病再発を示し、さらなる治療を要するが、他の症例では一部の腫瘍は全く進行せず、治療を受けないままで治りうるという事実により診断はさらに複雑である。したがって、今日の前立腺癌診断の重要課題は、この疾病の経過を予測することができないことである。同時に、これらの統計からは、従来の方法での前立腺スクリーニングは意見の分かれるものとなった。したがって、理想的な前立腺癌バイオマーカー(複数可)であれば、早期検出に好適であると共に、疾病の攻撃性を予測することができ、理想的には治療中又は術後の疾病進行をモニターすることができるであろう。
【0003】
現在、PSAは、前立腺癌に対する最良の利用可能な血清マーカーとして認められているが、改善の実質的な余地がある。1990年代初めに始まる、PSA試験の影響は、全体的な死亡率減少と同時に、転移と診断された男性の数の減少にみることができる(Mettlin CJ, Murphy GP, Rosenthal DS, Menck HR. The National Cancer Data Base report on prostate carcinoma after the peak in incidence rates in the U.S. The American College of Surgeons Commission on Cancer and the American Cancer Society. Cancer 1998;83(8):1679-84)。しかし、これは、PSAスクリーニングが前立腺癌の認識を高め、これがより多くの生検の分析を最終的に促進した事実によると考えられる。発生率の民族性関連差異、及びほとんどの研究において、行われる生検の割合が臨床実務で通常行われるより高いことのために、PSA試験の性能特性(感度及び特異性)を推定することは困難である。「前立腺癌予防試験」(Prostate Cancer Prevention Trial)(PCPT)(Thompson IM, Goodman PJ, Tangen CM, et al. The influence of finasteride on the development of prostate cancer. N Engl J Med 2003;349(3):215-24)において、高悪性度の腫瘍についての検出の偽陰性率は少なくとも15%であり、偽陽性率は70%である(即ち、高PSAを有する人の30%のみが陽性生検を有する)。「医師の健康研究」(the Physician's Health Study)(Gann PH, Hennekens CH, Stampfer MJ. A prospective evaluation of plasma prostate-specific antigen for detection of prostatic cancer. Jama1995;273(4):289-94)という別の研究では、4年の期間を超える攻撃的な癌に対する感度は87%であったが、非攻撃的な癌に対しては53%に低下した。PSA感度を評価するために他の多くの研究が実施されてきたが、最新の所見は全般的な感度がせいぜい73%であるとしている(Schroder FH, van der Cruijsen-Koeter I, de Koning HJ, Vis AN,Hoedemaeker RF, Kranse R. Prostate cancer detection at low prostate specific antigen. The Journal of urology 2000;163(3):806-12)。PSAの閾値を下げるとより多くの癌を検出するが、より多くの偽陽性及びその後のより多くの生検の代償の上である。問題をさらに複雑することに、高齢の男性集団における良性前立腺過形成(BPH)の有病率増加のために、4ng/mlのカットポイントを有するPSA試験の感度は年齢とともに減少する。
【0004】
PSAのみでは前立腺癌を診断できない。診断は複雑な過程であり、これには、身体検査、PSA試験、グリーソン等級(生検での腺構造を評価することによる)及び恐らくは他の実験室検査の結果を統合することが含まれる。
【非特許文献1】Troyer DA, MubiruJ, Leach RJ, Naylor SL.Promise and challenge: Markers of prostate cancer detection, diagnosis and prognosis. DisMarkers 2004;20(2):117-28
【非特許文献2】Mettlin CJ, Murphy GP, Rosenthal DS, Menck HR. The National Cancer Data Base report on prostate carcinoma after the peak in incidence rates in the U.S.The American College of Surgeons Commission on Cancer and the American Cancer Society. Cancer 1998;83(8):1679-84
【非特許文献3】Thompson IM, Goodman PJ, Tangen CM, et al. The influence of finasterideon the development of prostate cancer. N Engl J Med 2003;349(3):215-24
【非特許文献4】Gann PH, HennekensCH, Stampfer MJ. A prospective evaluation of plasma prostate-specific antigen for detection of prostaticcancer. Jama 1995;273(4):289-94
【非特許文献5】Schroder FH, van der Cruijsen-KoeterI, de Koning HJ, Vis AN, Hoedemaeker RF, Kranse R. Prostate cancer detection at low prostate specific antigen. The Journal of urology 2000;163(3):806-12
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前立腺癌検出を改善する必要性が存在することは明らかである。前立腺癌のリスク若しくは存在を検出できる、又は高い特異性と感度で攻撃的な疾病を予測できる試験は、極めて有益であり、前立腺癌の死亡率に影響を与えるであろう。請求の範囲に記載された発明は、前立腺癌患者と正常個体との間の存在量の異なったパターンを示す、血清試料に存在する分子の発見について記載する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、臨床的に前立腺癌陽性と診断された患者と正常患者との間で有意に異なる存在量又は強度を有することが見出される小分子又は代謝産物に関する。本発明はまた、前立腺癌又は前立腺癌を発症するリスクを診断する方法に関する。
【0007】
本発明は、前立腺癌を示す健康状態の診断のために、ハイスループットスクリーニング(HTS)アッセイを確認、実証、及び実施する方法を提供する。特定の実施例において、本方法は、
1.代謝産物の保持時間を分離及び同定する;
2.それぞれの代謝産物に特異的な記述的MS/MS断片化パターンを生成する;
3.分子構造の特徴付けをする;及び
4.ハイスループット定量又は半定量MS/MS系診断アッセイを開発する
目的のために、正常生物学的試料と前立腺癌陽性生物学的試料との間で異なる全て統計的に有意な代謝産物特徴を同定するために非標的FTMS技術を用いる前立腺癌特異的生物学的試料及び正常生物学的試料の分析、その後に分子の統計及び化学的特性を用いる最適特徴サブセットの選択、並びに、限定されないが、クロマトグラフ分離、質量分析法(MS/MS)、及び核磁気共鳴(NMR)を含む方法を用いる特徴セットの特徴付けを包含する。
【0008】
本発明は、試料中に存在する特定の小分子のレベルを測定し、それらを「正常」基準レベルと比較することにより、ヒトにおける前立腺癌又は前立腺癌を発症するリスクを診断するための方法をさらに提供する。この方法は、患者からの試料中の特定の小分子(代謝産物ともいわれる)の強度を測定し、これらの強度を正常個体の集団で観察される強度と比較する。
【0009】
本発明は、前立腺癌を診断するための1種又は複数の代謝産物マーカーを同定する方法であって、
a)1人又は複数の前立腺癌患者からの1種又は複数の試料を高分解能質量分析計に導入するステップであって、前記試料が複数の代謝産物を含むステップと;
b)代謝産物についての定量データを得るステップと;
c)前記定量データのデータベースを作成するステップと;
d)前記試料からの同定及び定量データを1種又は複数の基準試料由来の試料からの対応データと比較するステップと;
e)前記試料と前記1種又は複数の基準試料とで異なる1種又は複数の代謝産物マーカーを同定するステップと
を含む、方法を提供する。
【0010】
代謝産物マーカーは、表1に記載される代謝産物又はその任意の組合せから選択される。この方法は、最適診断に必要とされる最小数の代謝産物マーカーを選択することをさらに含みうる。高分解能質量分析計は、フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴質量分析計(FTMS)であってもよい。
【0011】
本発明は、患者における前立腺癌又は前立腺癌のリスクを診断する方法であって、
a)前記患者から試料を得るステップと;
b)前記試料を分析して、1種又は複数の代謝産物マーカーについての定量データを得るステップと;
c)前記1種又は複数の代謝産物マーカーについての定量データを1種又は複数の基準試料から得られる対応データと比較するステップと;
d)前記比較を用いて、前立腺癌又は前立腺癌のリスクを示差的に診断するステップとを含む、方法も提供する。
【0012】
1種又は複数の代謝産物マーカーは、表1に記載される代謝産物又はその任意の組合せから選択される。上記診断方法は、ステップb)において液体クロマトグラフィー質量分析法(LC−MS)によって試料を分析することを含みうる。他に、この方法がハイスループット法である場合、ステップb)は、液体クロマトグラフィー又は直接注入のいずれかの後に線形イオントラップタンデム質量分析法によって試料を分析することを含みうる。
【0013】
上記方法において、1種又は複数の基準試料は、対照個体から得られた複数の試料;以前に患者から得られた1種又は複数の基線試料;又はその組合せであってもよい。
【0014】
本発明のもう1つの実施形態において、患者における前立腺癌又は前立腺癌のリスクを診断する方法であって、
a)前記患者から試料を得るステップと;
b)前記試料を分析して、1種又は複数の代謝産物マーカーについての定量データを得るステップと;
c)前記1種又は複数の代謝産物マーカー対内部対照代謝産物のそれぞれについての比を得るステップと;
d)前記1種又は複数の代謝産物マーカー対内部対照代謝産物のそれぞれについての比を、1種又は複数の基準試料から得られた対応データと比較するステップと;
e)前記比較を用いて、前立腺癌又は前立腺癌のリスクを診断するステップと
を含む方法が、提供される。
【0015】
上記診断方法は、表1に記載される代謝産物又はその任意の組合せから選択される1種又は複数の代謝産物マーカーを含みうる。上記診断方法は、ステップb)において液体クロマトグラフィー質量分析法(LC−MS)によって試料を分析することを含みうる。他に、この方法が、ハイスループット法である場合、ステップb)は、直接注入又は液体クロマトグラフィーのいずれか及び線形イオントラップタンデム質量分析法によって試料を分析することを含みうる。
【0016】
上記方法において、1種又は複数の基準試料は、対照個体から得られた複数の試料;以前に患者から得られた1種又は複数の基線試料;又はその組合せでありうる。
【0017】
本発明は、患者における前立腺癌を治療するための治療法の効果を評価する方法であって、
a)前記患者から試料を得るステップと;
b)前記試料を分析して、1種又は複数の代謝産物マーカーについての定量データを得るステップと;
c)前記定量データを1種又は複数の基準試料から得られた対応データと比較するステップと;
d)前記比較を用いて、前記治療法が患者の健康状態を改善しているかどうかを判定するステップと
を含む方法を、さらに提供する。
【0018】
ここで、1種又は複数の代謝産物マーカーは、表1に記載された代謝産物又はその任意の組合せから選択される。上記診断方法は、ステップb)において液体クロマトグラフィー質量分析法(LC−MS)によって試料を分析することを含みうる。他に、この方法が、ハイスループット法である場合、ステップb)は、直接注入又は液体クロマトグラフィー、及び線形イオントラップタンデム質量分析法によって試料を分析することを含みうる。
【0019】
上記方法において、1種又は複数の基準試料は、対照個体から得られた複数の試料;患者から得られた1種又は複数の前治療基線試料;又はその組合せでありうる。
【0020】
本発明のさらにもう1つの実施形態において、患者における前立腺癌を治療するための治療法の効果を評価する方法であって、
a)前記患者から試料を得るステップと;
b)前記試料を分析して、1種又は複数の代謝産物マーカーについての定量データを得るステップと;
c)1種又は複数の代謝産物マーカー対内部対照代謝産物のそれぞれについての比を得るステップと;
d)前記1種又は複数の代謝産物マーカー対内部対照代謝産物のそれぞれについての比を1種又は複数の基準試料から得られた対応データと比較するステップと;
e)前記比較を用いて、前記治療法が患者の健康状態を改善しているかどうかを判定するステップと
を含む方法が提供される。
【0021】
ここで、1種又は複数の代謝産物マーカーは、表1に記載された代謝産物又はその任意の組合せから選択される。上記診断方法は、ステップb)において液体クロマトグラフィー質量分析法(LC−MS)によって試料を分析することを含みうる。他に、この方法が、ハイスループット法である場合、ステップb)は、直接注入又は液体クロマトグラフィー、及び線形イオントラップタンデム質量分析法によって試料を分析することを含みうる。
【0022】
上記方法において、1種又は複数の基準試料は、対照個体から得られた複数の試料;前記患者から得られた1種又は複数の前治療基線試料;又はその組合せでありうる。
【0023】
本明細書において記載される上記方法は、前立腺癌をモニターする他の方法、例えば、PSA試験と組み合わせてもよい。
【0024】
上記診断方法及び治療の効果を評価する方法において、1種又は複数の代謝産物マーカーは、リゾホスファチジルコリン、リゾホスファチジルエタノールアミン、リゾホスファチジルジメチルエタノールアミン、リゾホスファチジルセリン、リゾスフィンゴシルホスホリルコリン、リゾホスファチジルグリセロール、リゾホスファチジルイノシトール、血小板活性化因子(PAF)、及びその組合せを含むリゾリン脂質からなる群から選択されうる。例えば、1種又は複数の代謝産物マーカーは、ドルトンで測定して、a)495.3328、b)517.3148、c)519.3328、d)521.3480、e)523.3640、f)541.3148、g)545.3460、h)481.3171、i)531.3123、j)541.3422、k)555.3101、l)565.3394、m)567.3546、及びn)569.3687という正確な質量、又はそれに実質的に等しい質量を有する代謝産物を含みうる。1種又は複数の代謝産物についての定量データが比較される方法において、これらの代謝産物は、前立腺癌患者で低下していることが観察される。1種又は複数の代謝産物対内部対照代謝産物についての比が比較される方法において、代謝産物対内部対照代謝産物の比が前立腺癌患者において低下している。
【0025】
代謝産物a)〜g)は、リゾホスファチジルコリン関連化合物であり、代謝産物h)〜n)は、推定上N,N−ジメチルリゾホスファチジルエタノールアミン関連化合物である。代謝産物a)〜n)は、それぞれa)図7に示される通り、及び/又は表3に記載される通り;b)図8に示される通り、及び/又は表4に記載される通り;c)図9に示される通り、及び/又は表5に記載される通り;d)図10に示される通り、及び/又は表6に記載される通り;e)図11に示される通り、及び/又は表7に記載される通り;f)図12に示される通り、及び/又は表8に記載される通り;g)図13に示される通り、及び/又は表9に記載される通り;h)図14に示される通り、及び/又は表12に記載される通り;i)図15に示される通り、及び/又は表13に記載される通り;j)図16に示される通り、及び/又は表14に記載される通り;k)図17に示される通り、及び/又は表15に記載される通り;l)図18に示される通り、及び/又は表16に記載される通り;m)図19に示される通り、及び/又は表17に記載される通り;並びにn)図20に示される通り、及び/又は表18に記載される通りのMS/MSスペクトルをさらに特徴としうる。
【0026】
さらに、上記の1種又は複数の代謝産物は、分子式a)C2450NOP、b)C2648NOP、c)C2650NOP、d)C2652NOP、e)C2654NOP、f)C2848NOP、g)C2852NOP、h)C2348NOP、i)C3046NOP、j)C2552NOP、k)C2550NO10P、l)C2752NOP、m)C2754NOP、及びn)C2756NOPをさらに特徴としうる。1種又は複数の代謝産物の構造は、それぞれ以下:
【0027】
a)
【化1】

b)
【化2】

c)
【化3】

d)
【化4】

e)
【化5】

f)
【化6】

g)
【化7】

h)
【化8】

j)
【化9】

k)
【化10】

l)
【化11】

m)
【化12】

及び
n)
【化13】

【0028】
のように特徴付けすることができる。
【0029】
本発明は、新規な化合物も提供する。これらの化合物は、ドルトンで測定して、a)531.3123、b)541.3422、c)555.3101、d)565.3394、e)567.3546、及びf)569.3687という正確な質量、又はそれに実質的に等しい質量を有する代謝産物からなる群から選択される。
【0030】
上記に記載される化合物は、それぞれ
a)図15に示される通り、及び/又は表13に記載される通り;
b)図16に示される通り、及び/又は表14に記載される通り;
c)図17に示される通り、及び/又は表15に記載される通り;
d)図18に示される通り、及び/又は表16に記載される通り;
e)図19に示される通り、及び/又は表17に記載される通り;並びに
f)図20に示される通り、及び/又は表18に記載される通り
のMS/MSスペクトルをさらに特徴としうる。
【0031】
同様に、上記化合物は、それぞれ表12から表18に示される通りのMS/MSスペクトルをさらに特徴としうる。
【0032】
この化合物は、それぞれ分子式a)C3046NOP、b)C2552NOP、c)C2550NO10P、d)C2752NOP、e)C2754NOP、及びf)C2756NOPもさらに特徴としうる。さらに、上記化合物は、それぞれ推定構造
【0033】
b)
【化14】

c)
【化15】

d)
【化16】

e)
【化17】

f)
【化18】

【0034】
を特徴としうる。
【0035】
本発明の新規な化合物は、前立腺癌の診断のために、又は患者における前立腺癌の治療の効果を評価するために使用しうる。
【0036】
本発明は、前立腺癌又は前立腺癌を発症するリスクを検出する能力に有意に影響を与えることができ、人命を救いうる。これらの試料に基づく試験の統計的性能は、試験が前立腺癌についての唯一の他の血清に基づく診断試験であるPSA試験より優れることを示唆する。他に、本明細書に記載される方法とPSA試験との組合せは、それぞれの試験の全般的な診断性能を改善しうる。
【0037】
HTSアッセイを含む本発明の方法は、以下に用いることができ、ここで、特定の「健康状態」は、限定されないが、前立腺癌をいう:
【0038】
1.個体から採取された血清試料などの任意の生物学的試料を用いて前立腺癌陽性個体と前立腺癌陰性個体とを区別することができる小分子代謝産物バイオマーカーを同定すること;
【0039】
2.本明細書に記載される通り、血清、血漿、全血、及び/又はその他の組織生検などの試料において同定された代謝産物を用いて、特に前立腺癌を診断すること;
【0040】
3.一変量又は多変量統計方法、及び本明細書に記述される分子などの分子についての関連化学情報を用いて、最適診断アッセイ性能統計に必要とされる最小数の代謝産物特徴を選択すること;
【0041】
4.LC−MS/MS、MS及びNMRを用いる非標的代謝学的分析から選択されたバイオマーカー代謝産物の構造特性を同定すること;
【0042】
5.試料における選択された代謝産物レベルをアッセイするためのハイスループットトリプル四重極MS/MS法を開発すること;
【0043】
6.限定されないが、質量分析法、NMR、UV検出、ELISA(酵素結合免疫吸着検査法)、化学反応、画像分析、又はその他を含む任意の方法を用いて、患者試料のFTMS分析から開示される代謝産物の特徴の任意の組合せのレベルを決定することによって前立腺癌又は前立腺癌を発症するリスクを診断すること;
【0044】
7.薬剤(化学療法)、放射線療法、外科手術、食事療法、生活様式効果又はその他を含む、前立腺癌の任意の療法治療をモニターすること;並びに/或いは
【0045】
9.この方法において開示された任意の単一又は組合せの特徴を用いて、前立腺癌について一般集団を長期的にモニターする又はスクリーニングすること。
【0046】
リスクを評価するために文字通りあらゆる人を生涯にわたって長期的にスクリーニングできるので、前立腺癌の診断への本発明の影響は多大である。本発明の試験の性能特性が一般集団について代表的ということであれば、臨床症状の出現前にこれらの進行を検出する能力を有しうるので、この試験のみで現在利用できる他のどのスクリーニング法よりも優れることがありうる。
【0047】
本発明のこの要約は、本発明の全ての特徴を必ずしも記載するものではない。
【0048】
本発明のこれら及び他の特徴は、添付の図面に対して言及がなされる以下の説明からより明らかになる。
【発明を実施するための形態】
【0049】
本発明は、前立腺癌陽性と臨床的に診断された患者と正常患者との間で有意に異なる存在量又は強度を有することが見出される小分子又は代謝産物に関する。本発明はまた、前立腺癌又は前立腺癌を発症するリスクを診断する方法に関する。
【0050】
本発明は、前立腺癌のための診断方法を発見、実証、及び実施する新規な方法を提供する。本発明の1つの実施形態において、前立腺癌を診断するための特定のバイオマーカーを同定する方法であって、1人又は複数の前立腺癌患者からの1種又は複数の試料を高分解能質量分析計(例えば、限定的であることを望まないが、フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴質量分析計(FTMS))に導入するステップであって、前記試料が複数の代謝産物を含むステップと;代謝産物についてのデータを取得、同定、及び定量するステップと;前記定量データのデータベースを作成するステップと;前記試料からの定量データを対照患者からの1種又は複数の試料から得られた対応データと比較するステップと;異なる1種又は複数の代謝産物を同定するステップとを含む方法が提供される。本発明の方法を用いて同定される代謝産物マーカーには、表1に記載される代謝産物が含まれうる。この方法は、最適診断に必要とされる最小数の代謝産物マーカーを選択するステップをさらに含みうる。
【0051】
特定の集団における所与の健康状態の生物化学的マーカーを決定するために、健康状態(即ち、特定の疾病)を代表する患者の群及び/又は「正常の」若しくは「対照の」相手方(即ち、特定の健康状態を患わない個体)の群が必要である。次いで、特定の健康状態における患者から取得された生物学的試料は、限定されないがFTMS及び/又はLC−MSを含む分析方法を用いて、試料中に存在する生化学物質を分析することによって、正常集団から取得された同じ試料、並びに2つの群間の生化学的差異を同定することを期待して同様の健康状態カテゴリーにある患者から取得された試料と比較することができる。
【0052】
上記されたような代謝産物マーカーを発見するための方法は、非標的代謝学的戦略又は方法を用いて行うことができる。多数非標的代謝学的戦略は、NMR(Reo Nv. NMR-based metabolomics. Drug Chem Toxicol 2002;25(4);375-82)、GC−MS(Taylor J, King RD, Altmann T, Fiehn O. Application of metabolomicsto plant genotype discrimination using statistics and machine learning. Bioinformatics 2002;18 Suppl 2:S241-8)、LC−MS(Katajamaa M, Oresic M. Processing methods for differential analysis of LC/MS profile data, BMC Bioinformatics 2005;6:179)及びFTMS戦略(Aharoni A, Ric de Vos CH, Verhoeven HA, et al. Nontargeted metabolome analysis by use of Fourier Transform Ion Cyclotron Mass Spectrometry. Omics 2002;6(3):217-34、Hirai MY, Klein M, Fujikawa Y, et al. Elucidation of gene-to-gene and metabolite-to-gene networks in arabidopsis by integration of metabolomicsand transcriptomics. The Journal of biological chemistry 2005;280(27):25590-5、Hirai MY, Yano M, Goodenowe DB, et al. Integration of transcriptomicsand metabolomics for understanding of global responses to nutritional stresses in Arabidopsis thaliana. Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America 2004;101(27):10205-10)を含む科学文献に記載されてきた。本発明において示差的に発現される代謝産物の発見に用いられる代謝学的プロファイリング戦略は、現象発見による非標的FTMS戦略であった[非特許文献21、非特許文献24〜27;米国特許公開出願第2004−0029120A1号公報、カナダ特許出願第2,298,181号、及び国際公開第0157518号パンフレットも参照されたい]。非標的分析には、分析前に成分の任意の前もっての知識を有することなく又は成分の選択をすることなく、試料中の可能な限り多くの分子を測定することが含まれる。したがって、新規な代謝産物バイオマーカーを発見するための非標的分析の可能性は、予め決められた一覧の分子を検出する標的方法に対して高い。本発明は、前立腺癌を有する個体と対照個体(即ち、前立腺癌を有しない個体)とで異なる血清試料中の代謝産物成分を同定するために非標的法を用いる。
【0053】
しかし、当業者であれば、本発明として開示され、示差的に規定される代謝産物の一部又は全てを発見するために他の代謝産物プロファイリング戦略を用いることができること、及び本明細書に記載される代謝産物は、発見又は測定されるが、それらを検出及び測定するのに用いられうる分析技術とは無関係の独特の化学的実体を表すことを認めるであろう。例えば、限定的であることを決して望まないが、代謝産物検出の他の方法、例えば、他のMSベースプラットフォーム、ELISA、比色法、などを用いることができる。
【0054】
本発明はまた、患者における前立腺癌又は前立腺癌を発症するリスクを診断する方法であって、
a)前記患者から試料を得るステップと;
b)前記試料を分析して、1種又は複数の代謝産物マーカーについての定量データを得るステップと;
c)前記1種又は複数の代謝産物マーカーについての定量データを、1種又は複数の基準試料から得られた対応データと比較するステップと;
d)前記比較を用いて、前立腺癌又は前立腺癌を発症するリスクを診断するステップと
を含む方法を提供する。
【0055】
試料を分析するステップ(ステップb)は、質量分析計(MS)を用いて試料を分析することを含みうる。例えば、限定的であることを望まないが、このような質量分析計は、FTMS型、オービトラップ型、飛行時間型(TOF)又は四重極型のうちであることができる。他に、質量分析計は、付加的な前検出器質量フィルターを備えることができる。例えば、限定的であることを望まないが、このような機器は、通常、四重極−FTMS(Q−FTMS)、四重極−TOF(Q−TOF)又はトリプル四重極(TQ又はQQQ)といわれる。さらに、質量分析計は、親イオン検出モード(MS)又はMSnモード(ここで、n>=2である)のいずれかで操作することができる。MSnは、親イオンが衝突誘起解離(CID)又はフラグメントイオンを生成する他の断片化操作によって断片化し、次いで、1種又は複数のフラグメントを質量分析計で検出する状況をいう。次いで、このようなフラグメントは、さらに断片化されて、さらにフラグメントを生成する。他に、試料は、液体若しくはガスクロマトグラフィーシステムを用いて、又は直接注入によって質量分析計に導入することができる。
【0056】
本発明の方法において、身体内の任意の場所を起源とする任意の種類の生物学的試料、例えば、限定されないが、血液(血清/血漿)、CSF、尿、糞便、呼気、唾液、又は、任意の固形組織(腫瘍、隣接正常平滑骨格筋、脂肪組織、肝臓、皮膚、毛、脳、腎臓、膵臓、肺、結腸、胃、又はその他を含む)の生検を用いることができる。特に重要なものは血清である試料である。用語「血清」が本明細書において用いられるが、当業者は、血漿又は全血若しくは全血のサブ画分も用いうることを認めるであろう。
【0057】
年齢、民族性、体重、職業にわたるとともに、様々な非前立腺癌関連健康状態を示す、個体の多様な集団からの正常群及び前立腺癌陽性群の両方において、生物学的試料は得ることができる。このように対象を選択することは、データセット中に、より変動を導入するが、混同バイアス可能性を減少させ、最終的にバイオマーカーのより強固なセットをもたらす(多くの他の変化する要素が存在する中で疾病を依然として検出できるので)。
【0058】
非限定的な例において、血液試料を患者から採る場合、試料を処理しうるいくつかの方法がある。処理の範囲は、ほとんど何もないか(即ち、凍結全血)、又は特定の細胞型の分離のように複雑でありうる。最も一般的且つ日常的な手順には、全血から血清又は血漿のいずれかを調製することが含まれる。血液試料を固相支持体、例えば、ろ紙又は他の固定材料にスポットすることを含む血液試料の全ての処理法も、本発明によって企図される。
【0059】
次いで、限定的であることを決して望まないが、上記処理された血液若しくは血清又は試料は、処理された血清試料又は血液試料内に含まれる代謝産物の検出及び測定に用いられる系統的分析技術と適合させるためにさらに処理することができる。処理の種類は、ほとんどさらなる処理がない処理から微分抽出及び化学的誘導体化のように複雑な処理までの範囲でありうる。抽出法には、一般的な溶媒、例えば、メタノール、エタノール、アルコールと水との混合物、又は有機溶媒、例えば、酢酸エチル若しくはヘキサン中の超音波処理、ソックスレー抽出、マイクロ波補助抽出(MAE)、超臨界流体抽出(SFE)、促進溶媒抽出(ASE)、加圧液体抽出(PLE)、加圧熱水抽出(PHWE)及び/又は界面活性剤補助抽出(PHWE)などを挙げることができる。FTMS非標的分析並びにトリプル四重極質量分析計での直接注入のために代謝産物を抽出するのに特に重要な方法は、液体/液体抽出を行うことであり、それにより非極性代謝産物は有機溶媒に溶解し、極性代謝産物は水性溶媒に溶解する。
【0060】
抽出試料は、当技術分野で知られた任意の好適な方法を用いて分析することができる。例えば、限定的であることを決して望まないが、生物学的試料の抽出物は、直接注入又はその後のクロマトグラフィー分離のいずれによる本質的に任意の質量分析法プラットフォーム上での分析になじみやすい。典型的な質量分析計は、試料内の分子をイオン化する源、及びイオン化された分子又は分子のフラグメントを検出する検出器から構成される。一般的な源の非限定的例には、電子衝撃、エレクトロスプレーイオン化(ESI)、大気圧化学イオン化(APCI)、大気圧光イオン化(APPI)、マトリックス補助レーザー脱離イオン化(MALDI)、表面強化レーザー脱離イオン化(SELDI)、及びその派生物などが挙げられる。一般的な質量分離及び検出系には、四重極型、四重極イオントラップ型、線形イオントラップ型、飛行時間型(TOF)、磁場型、イオンサイクロトロン型(FTMS)、オービトラップ型、並びにその派生物及び組合せが含まれうる。FTMSが他のMSベースプラットフォームに対して有利な点は、低分解能機器によって見逃されるであろう多くの、ドルトンのわずか100分の1異なる代謝産物の分離を可能にするその高い分解能である。
【0061】
用語「代謝産物」とは、試料中でそのレベル又は強度が測定され、疾病状態を診断するマーカーとして用いることができる特定の小分子を意味する。これらの小分子は、本明細書において「代謝産物マーカー」、「代謝産物成分」、「バイオマーカー」、「生化学的マーカー」、又は「代謝産物特徴」とも称される。
【0062】
代謝産物は一般に、上記方法において用いられる質量分析法技術によって測定されるようなそれらの正確な質量を特徴とする。正確な質量は、「正確な中性質量」又は「中性質量」とも称される。代謝産物の正確な質量は、本明細書においてドルトン(Da)で与えられるか、又は実質的にそれに等しい質量である。「実質的にそれに等しい」とは、当業者によって認められるであろうように、正確な質量における±5ppm[part per million(百万分部当たり一部)]の差は、同一の代謝産物を示すことを意味する。質量精度は、理論質量と測定質量との間に観察される差:デルタ質量精度(Δm)=m(真値)−m(測定値)であり、これはしばしば百万分部当たり一部(ppm)で表される。ppmは、1,000,000*Δm(精度)/m(測定値)(例えば、理論質量:1000、測定質量:999.9、誤差:100ppm)として定義される。
【0063】
正確な質量は、中性代謝産物の質量として与えられる。当業者に認められるであろうように、試料の分析中に生じる代謝産物がイオン化すると、代謝産物は1個又は複数の水素原子の喪失又は獲得、及び電子の喪失又は獲得のいずれかを引き起こす。これはその正確な質量を「イオン化質量」に変化させ、これは、イオン化中に喪失され又は獲得された水素及び電子の質量だけ正確な質量から異なる。特記されない限り、正確な中性質量が本明細書において言及される。
【0064】
同様に、代謝産物がその分子式又は構造によって記載される場合、特記されない限り、中性代謝物質の分子式又は構造が与えられる。当然に、イオン化代謝産物の分子式又は構造は、イオン化中に喪失された又は獲得された水素の数だけ中性分子式又は構造から異なる。
【0065】
データは分析中に収集され、1種又は複数の代謝産物についての定量データが得られる。「定量データ」は、試料中に存在する特定の代謝産物のレベル又は強度を測定することによって得られる。測定値自体は、相対測定値(例えば、別の試料又は分布に対する強度の比較)、又は定量的測定値(例えば、Xmg/mlなどの濃度)でありうる。
【0066】
定量データは、1種又は複数の基準試料からの対応データと比較される。「基準試料」(本明細書において「対照試料」ともいう)は、特定の疾病状態のための任意の好適な基準試料である。例えば、限定的であることを決して望まないが、本発明において、基準試料は、対照個体、即ち、前立腺癌を患っていない人(本明細書において、「正常の」、「対照の」、又は「基準の」個体又は患者ともいう)からの試料であることができ;基準試料は、前立腺癌患者から得られた試料でもありうる。当業者によって理解されるであろうように、1種又は複数の基準試料は、定量データに対する比較に用いることができる。例えば、限定的であることを望まないが、1種又は複数の基準試料は、対照個体から得られた最初の基準試料でありうる。1種又は複数の基準試料は、先の日付に患者から得られた試料でもあることができ;これは生涯を通しての患者の健康状態の長期的なモニタリングを可能とするであろう。このような試料は、連続的な時間間隔にわたって収集することができる。もう1つの例において、基準試料は、施された治療の効果をモニターするために治療前(即ち、前治療)の前立腺癌患者からも得ることができる。当業者であれば、このような基準試料の組合せを本発明の方法に用いることができることも認めるであろう。
【0067】
本発明はまた、本発明の方法を用いて同定される新規な化合物を提供する。新規な化合物は、上記の通り、前立腺癌又は前立腺癌を発症するリスクの診断の代謝産物マーカーとして用いることができる。
【0068】
1つの実施形態において、この化合物は、表1に記載される代謝産物又はその任意の組合せから選択されうる。代謝産物の最適パネルは、表1に示される492個の代謝産物の群から選択されうる。例えば、限定的であることを望まないが、代謝産物マーカーの最適パネルは、519.3328、541.3148、545.3460、555.3101、541.3422、565.3394、521.3480、517.3148、567.3546、523.3640、531.3123、481.3171、495.3328、569.3687という正確な質量(ドルトンで測定)を有する代謝産物であることができ、ここで、±5ppmの差は、同一の代謝産物であることを示す。特に、血清又は組織で測定された場合、ちょうど記載された14個の代謝産物は、対照(疾病を有しない)個体に比べて前立腺癌陽性対象において、より低い濃度を示す。
【0069】
上記14個の代謝産物マーカーは、水性抽出物におけるそれらの検出及び陽又は陰のいずれかにイオン化するそれらの特性に基づいて、2群の1つに分類することができる。495.3328、517.3148、519.3328、521.3480、523.3640、541.3148、及び545.3460という正確な質量(ドルトンで測定)を有する代謝産物(ここで、±5ppmの差は、同一の代謝産物を示す)は、現に記載される方法を用いて陽イオンとして検出され;481.3171、531.3123、541.3422、555.3101、565.3394、567.3546、及び569.3687という正確な質量(ドルトンで測定)を有する代謝産物(ここで、±5ppmの差は、同一の代謝産物を示す)は、現に記載される方法を用いて陰イオンとして検出された。
【0070】
上記14個の代謝産物は、リゾリン脂質クラス、例えば、リゾホスファチジルコリン、リゾホスファチジルエタノールアミン、リゾホスファチジルジメチルエタノールアミン、リゾホスファチジルセリン、リゾスフィンゴシルホスホリルコリン、リゾホスファチジルグリセロール、リゾホスファチジルイノシトール、血小板活性化因子(PAF)、及びその組合せの代謝産物に関連する。
【0071】
リゾリン脂質種を含む上記の特定の代謝産物の濃度は、前立腺癌又は前立腺癌のリスクを診断するために検出される。上記代謝産物の任意の組合せは、診断結果に到達するために同時に、連続的に、又は異なる組合せで測定することができる。
【0072】
上記代謝産物の構造特徴付けは、当業者に周知の方法を用いて行うことができる。代謝産物を特徴付けするのに用いられうる主要な特徴には、限定されないが、正確な質量、分子式、極性、酸/塩基特性、NMRスペクトル、及びMS/MS若しくはMSnスペクトルが含まれうる。これらの特性を測定するために用いられる技術には、限定されないが、C18カラムを用いる逆相LC−MSに続けて、MS、衝突誘起解離(CID)を用いるMS/MS断片化、NMR、及び抽出による分析が含まれる。得られたデータは、特定された実験条件下で特定の代謝産物の指紋又は独特の識別子として用いることができる。本出願によって記載される任意又は全ての代謝産物は、様々な条件下で指紋化でき、代謝産物のさらなる情報、例えば、分子の構造又は性質を与えることができる。
【0073】
上記代謝産物マーカーの最適パネル内の代謝産物は、衝突誘起解離から生じるMS/MS断片化パターンによってさらに特徴付けすることができる。特に、以下の正確な質量を有する代謝産物は、以下の通りである。
【0074】
正確な質量495.3328を有する代謝産物は、496.3401([M+H]、C2451NOについて計算値496.3398)のイオン化質量を有する。MS/MSフラグメント(MS/MS m/z)(相対強度)は、496([M+H]、90%)、478(5%)、419(1%)、313(1%)、283(1%)、258(1%)、239(1%)、184(90%)、166(1%)、104(100%)、86(70%)である;図7、表3を参照。
【0075】
正確な質量517.3148を有する代謝産物は、518.3219([M+H]、C2649NOについて計算値518.3241)のイオン化質量を有する。MS/MSフラグメント(MS/MS m/z)(相対強度)は、518([M+H]、90%)、459(10%)、415(1%)、359(1%)、341(1%)、313(1%)、281(1%)、221(1%)、104(100%)、86(30%)である;図8、表4を参照。
【0076】
正確な質量519.3328を有する代謝産物は、520.3401([M+H]、C2651NOについて計算値520.3398)のイオン化質量を有する。MS/MSフラグメント(MS/MS m/z)(相対強度)は、520([M+H]、10%)、502(1%)、461(5%)、281(1%)、221(1%)、184(100%)、166(5%)、124(1%)、86(30%)である;図9、表5を参照。
【0077】
正確な質量521.3480を有する代謝産物は、522.3554([M+H]、C2653NOについて計算値522.3554)のイオン化質量を有する。MS/MSフラグメント(MS/MS m/z)(相対強度)は、522([M+H]、100%)、504(7%)、478(1%)、357(1%)、258(1%)、221(1%)、184(60%)、124(5%)、104(80%)、86(30%)である;図10、表6を参照。
【0078】
正確な質量523.3640を有する代謝産物は、524.3713([M+H]、C2655NOについて計算値524.3711)のイオン化質量を有する。MS/MSフラグメント(MS/MS m/z)(相対強度)は、524([M+H]、100%)、506(5%)、496(1%)、478(1%)、331(1%)、313(1%)、285(1%)、258(1%)、184(70%)、166(2%)、124(5%)、104(70%)、86(30%)である;図11、表7を参照。
【0079】
正確な質量541.3148を有する代謝産物は、542.3219([M+H]、C2849NOについて計算値542.3241)のイオン化質量を有する。MS/MSフラグメント(MS/MS m/z)(相対強度)は、542([M+H]、80%)、483(25%)、284(1%)、225(1%)、184(1%)、104(100%)、86(30%)である;図12、表8を参照。
【0080】
正確な質量545.3460を有する代謝産物は、546.3534([M+H]、C2835NOについて計算値546.3554)のイオン化質量を有する。MS/MSフラグメント(MS/MS m/z)(相対強度)は、546([M+H]、90%)、528(1%)、514(1%)、487(30%)、104(100%)、86(30%)である;図13、表9を参照。
【0081】
正確な質量481.3171を有する代謝産物は、480.3091([M−H]、C2347NOについて計算値480.3081)のイオン化質量を有する。MS/MSフラグメント(MS/MS m/z)(相対強度)は、480([M−H]、100%)、255(100%)、242(10%)、224(15%)、168(10%)、153(10%)、79(25%)である;図14、表12を参照。
【0082】
正確な質量531.3123を有する代謝産物は、530.3035([M−H]、C3046NOPについて計算値531.3114)のイオン化質量を有する。MS/MSフラグメント(MS/MS m/z)(相対強度)は、(530、100%)、480(100%)、255(100%)、242(10%)、224(15%)、168(10%)、153(10%)、79(25%)である;図15、表13を参照。
【0083】
正確な質量541.3422を有する代謝産物は、540.3335([M−H]、C2551NOについて計算値540.3293)のイオン化質量を有する。MS/MSフラグメント(MS/MS m/z)(相対強度)は、540([M−H]、10%)、480(100%)、255(100%)、242(10%)、224(15%)、168(10%)、153(10%)、79(25%)である;図16、表14を参照。
【0084】
正確な質量555.3101を有する代謝産物は、554.3013([M−H]、C2550NO10Pについて計算値555.3172)のイオン化質量を有する。MS/MSフラグメント(MS/MS m/z)(相対強度)は、554([M−H]、10%)、494(100%)、269(100%)、242(10%)、224(15%)、168(10%)、153(10%)、79(25%)である;図17、表15を参照。
【0085】
正確な質量565.3394を有する代謝産物は、564.3306([M−H]、C2751NOについて計算値564.3293)のイオン化質量を有する。MS/MSフラグメント(MS/MS m/z)(相対強度)は、564([M−H]、100%)、504(100%)、279(100%)、242(10%)、224(15%)、168(10%)、153(10%)、79(25%)である;図18、表16を参照。
【0086】
正確な質量567.3546を有する代謝産物は、566.3459([M−H]、C2753NOについて計算値566.3449)のイオン化質量を有する。MS/MSフラグメント(MS/MS m/z)(相対強度)は、566([M−H]、10%)、506(100%)、281(100%)、242(10%)、224(15%)、168(10%)、153(10%)、79(25%)である;図19、表17を参照。
【0087】
正確な質量569.3687を有する代謝産物は、568.3598([M−H]、C2755NOについて計算値568.3605)のイオン化質量を有する。MS/MSフラグメント(MS/MS m/z)(相対強度)は、568(m/zは[M+H]質量を表す、10%)、508(100%)、283(100%)、242(10%)、224(15%)、168(10%)、153(10%)、79(25%)である;図20、表18を参照。
【0088】
前立腺癌の診断のために選択される14個の代謝産物マーカーの構造の特徴付けに基づいて、代謝産物はリゾリン脂質に関連する分子であることが決定された。特に、これらには、限定されないが、リゾホスファチジルコリン(lysoPC)、リゾホスファチジルエタノールアミン(lysoPE)、リゾホスファチジルジメチルエタノールアミン(lysoPdmE)、リゾホスファチジルセリン(lysoPS)、リゾホスファチジルイノシトール(lysoPI)、及びリゾホスファチジルグリセロール(lysoPG)、並びに血小板活性化因子(PAF)が含まれ、ここで、グリセロール骨格は、SN1又はSN2のいずれか、例えば、16:0、18:0、18:1、18:2、18:3、20:3、20:4、20:5、22:6における脂肪酸、セラミド、又はその他に結合しており、ホスフェート含有コリン、エタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、セリン、グリセロール、又はイノシトールはSN3に存在する。
【0089】
ホスファチジルコリン(PC)及びホスファチジルエタノールアミン(PE)は、生体膜の2つの主要な脂質成分を表す。PC及びPEは、SN3位置でエタノールアミン又はコリンに結合したホスフェート基、並びにアシル、エーテル、又はビニル−エーテル結合を介してSN1及びSN2位置に結合した2つの脂肪酸を含むグリセロール骨格を含む。脂肪酸は、飽和(SN1においてより一般的)、又は不飽和(SN2においてより一般的)のいずれかでありうる。PC及びPEなどのリン脂質が様々なホスホリパーゼによって加水分解される場合、リゾPCなどのリゾリン脂質は遊離の脂肪酸と一緒に生成される。リゾリン脂質は、多くの生物学的経路並びに疾病、例えば、カルシウムシグナル伝達、アテローム性動脈硬化症及び炎症に関与してきた(非特許文献12)。
【0090】
米国公開特許出願第2004/0137541号公報(Millsら)は、癌の進行における、又は進行中の重要事象としてリゾPCの上昇に焦点を当てている。特に、Millsらは、婦人科癌におけるリゾPCの上昇について記載している。これは、14個のバイオマーカー(即ち、正確な質量519.3328、541.3148、545.3460、555.3101、541.3422、565.3394、521.3480、517.3148、567.3546、523.3640、531.3123、481.3171、495.3328、569.3687を有する代謝産物)のパネルが、前立腺癌患者の血清において低下していることを示す本発明とは対照的である。
【0091】
本発明では、前立腺癌の診断のためのハイスループット法も提供される。この方法は、親分子の断片化を含み;非限定的な例において、これはQ-Trap(商標)システムによって達成することができる。代謝産物の検出は、比色化学分析(UV、又は他の波長)、抗体系酵素結合免疫吸着検査法(ELISAs)、核酸検出アッセイのためのチップベース及びポリメラーゼ鎖反応、ビーズベース核酸検出法、ディップスティック化学分析又は他の化学反応、画像解析[例えば、磁気共鳴映像法(MRI)、陽電子放出断層撮影法(PET)スキャン、コンピュータ断層撮影(CT)スキャン]、核磁気共鳴(NMR)、並びに様々な質量分析系システムを含む様々なアッセイプラットフォームの1つを用いて行うことができる。
【0092】
本発明のさらなる実施形態において、患者における前立腺癌又は前立腺癌のリスクを診断するための方法が提供される。この方法は、
a)前記患者から試料を得るステップと;
b)前記試料を分析して、1種又は複数の代謝産物マーカーについての定量データを得るステップと;
c)前記1種又は複数の代謝産物マーカー対内部対照代謝産物のそれぞれについての比を得るステップと;
d)前記1種又は複数の代謝産物マーカー対内部対照代謝産物のそれぞれについての比を1種又は複数の基準試料から得られた対応データと比較するステップと;
e)前記比較を用いて、前立腺癌又は前立腺癌のリスクを診断するステップと
を含む。
【0093】
試料を分析するステップ(ステップb)は、質量分析計(MS)を用いて試料を分析することを含みうる。例えば、限定的であることを望まないが、このような質量分析計は、FTMS型、オービトラップ型、飛行時間(TOF)型又は四重極型のうちのものでありうる。他に、質量分析計は、付加的な前検出器質量フィルターを備えることができる。例えば、限定的であることを望まないが、このような機器は、通常、四重極−FTMS(Q−FTMS)、四重極−TOF(Q−TOF)又はトリプル四重極(TQ又はQQQ)といわれる。さらに、質量分析計は、親イオン検出モード(MS)又はMSnモード(ここでn>=2)のいずれかで操作することができる。MSnは、親イオンが衝突誘起解離(CID)又は他の断片化手段によって断片化されてフラグメントイオンを生成し、次いで、1種又は複数の該フラグメントが質量分析計によって検出される状況をいう。次いで、このようなフラグメントはさらに断片化されて、さらなるフラグメントを生成することができる。他に、試料は、液体若しくはガスクロマトグラフィーシステムを用いて又は直接注入によって質量分析計に導入することができる。
【0094】
ちょうど上記されたような方法において、1種又は複数の基準試料は、対照個体から得られた最初の基線基準試料でありうる。
【0095】
上記されたような方法において、1種又は複数の代謝産物マーカーは、表1に記載されるような代謝産物から選択することができるか、又は代謝産物は、上記14個の代謝産物でありうる。「内部対照代謝産物」は、患者に自然に存在する内因性代謝物質をいうが、但し、代謝物質は疾病と関連しておらず、疾病状態にわたって変らないという条件であり;他に、「内部対照代謝産物」は、分析前に血清試料中にスパイクされた外部標準もいう。例えば、限定的であることを望まないが、この比は、試験対象について診断スコアを決定するために用いることができる。
【0096】
代謝産物マーカー対内部対照代謝産物の比の使用は、代謝産物マーカーの絶対レベルの測定値より安定で、再現性がある測定値を与える。内部対照代謝産物は、全ての試料に存在し、疾病状態にわたって変らないので、試料対試料の変動(取り扱い、抽出などによる)は最小化される。
【0097】
本発明の診断方法において、代謝産物マーカーの測定値は、試験対象において時間経過とともに長期に取得して、代謝産物濃度及び前立腺癌の可能性、又は前立腺癌の発症のリスクにおける変化を決定することができる。試験対象は、開始点において試料を与え、主に基線値を確立し;次いで、試験対象は、開始点試料と比較される試料を時間経過と共に与えることができる。例えば、限定的であることを望まないが、上記14個の代謝産物の強度の増加は、前立腺癌のリスク減少を示し、一方、強度の低下は、前立腺癌についてのリスク増加を示す。
【0098】
本発明のさらにもう1つの実施形態において、患者における前立腺癌を治療するための治療法の効果を評価する方法であって、
a)前記患者から試料を得るステップと;
b)前記試料を分析して、1種又は複数の代謝産物マーカーについての定量データを得るステップと;
c)前記定量データを1種又は複数の基準試料から得られた対応データと比較するステップと;
d)前記比較を用いて、前記治療法が患者の健康状態を改善しているかどうかを判定するステップと
を含む方法が提供される。
【0099】
分析するステップ(ステップb)後、1種又は複数の代謝産物マーカー対内部対照代謝産物のそれぞれの比を得てもよい。この場合、1種又は複数の基準試料から得られた対応データに対する、1種又は複数の代謝産物マーカー対内部対照代謝産物のそれぞれの比は、治療法の効果を評価するために比較される。
【0100】
分析するステップ(ステップb)は、液体クロマトグラフィー質量分析法(LC−MS)によって試料を分析することを含んでもよいし、又は他に、この方法がハイスループット法である場合、直接注入又は液体クロマトグラフィー、及び線形イオントラップタンデム質量分析法によって試料を分析することを含んでもよい。
【0101】
用語「治療法」又は「治療」とは、評価されている患者の健康状態を改善することを試みうる治療法の任意の好適な過程を意味する。治療法の効果を評価する場合、患者の健康状態を改善する又は悪くさせることにおける特定の治療法の作用が測定される。そのようにすることにおいて、当業者であれば、治療法が前立腺癌を治療するために有効であるかどうかを決定することができるであろう。このような治療には、限定されないが、免疫療法(例えば、カルメットゲラン桿菌注射)、根治的前立腺摘除術、化学療法、放射線療法、ホルモン療法(抗男性ホルモンを含む)、又はその他が含まれうる。
【0102】
記載されるような方法において、1種又は複数の基準試料は、任意の好適な基準試料でありうる。例えば、限定的であることを決して望まないが、基準試料は、対照個体から得られた複数の試料、若しくは患者から得られた1種又は複数の前治療基線試料;又はその任意の組合せでありうる。そのとき代謝産物における変動が患者に特有であるので、患者からの前治療基線試料は、特に有用である。
【0103】
上記されるような方法において、1種又は複数の代謝産物マーカーは、表1に記載される代謝産物から選択してもよいし、又は代謝産物は、上記14個の代謝産物であってもよい。
【0104】
上記されるような治療法の効果は、代謝産物の測定及び基準試料との比較に基づいて評価され、それにより正常特定範囲に向けた代謝産物の復帰は、陽性治療作用を示すであろう。
【0105】
前立腺癌を治療するための治療法の効果を評価する代替方法において、1種又は複数の代謝産物マーカー対内部対照代謝産物のそれぞれについての比は、ステップb)において得ることができ;次いで、ステップc)において、1種又は複数の代謝産物マーカー対内部対照代謝産物のそれぞれの比は、1種又は複数の基準試料から得られた対応データと比較することができる。
【0106】
本発明は、前立腺癌の診断のためのハイスループット法を提供する。この方法は、親分子の断片化を含むことができ;非限定的な例において、これはQ-Trap(商標)システムによって達成しうる。代謝産物の検出は、比色化学分析(UV、又は他の波長)、抗体系酵素結合免疫吸着検査法(ELISAs)、核酸検出アッセイのためのチップベース及びポリメラーゼ鎖反応、ビーズベース核酸検出法、ディップスティック化学分析又は他の化学反応、画像解析、例えば、磁気共鳴映像法(MRI)、陽電子放出断層撮影法(PET)スキャン、コンピュータ断層撮影(CT)スキャンなど、核磁気共鳴(NMR)、並びに様々な質量分析系システムを含む様々なアッセイプラットフォームの1つを用いて行うことができる。
【0107】
HTS法には、バイオマーカー当たりのそれぞれ選択された娘イオン、並びにそれぞれの試料に添加された1種又は複数の内部標準についての娘イオンの強度、ピーク面積又は積算スキャンの測定が含まれうる。次いで、それぞれのバイオマーカー遷移を内部標準遷移で割ることによって比を生成しうる。内部標準は、機器感度の指標を与え、多数サンプリングの全域でバイオマーカー遷移シグナルの正規化を可能にする。疾病を有しない又は健常集団について生成された比は、「正規」分布についての定義パラメータとなる。次いで、正常及び前立腺陽性を含む試料の実証セットが分析され、正規分布と比較される。これは、本質的に2つの分布を生じ、1つは正常集団のためのものであり、1つは前立腺陽性集団のためのものである。次いで、2つの分布間のカットオフ比が選択され、バイオマーカーアッセイの感度及び特異性を決定する。
【0108】
本発明の方法において、本明細書において記載される代謝産物の任意の個体又は組合せは、既存の癌マーカーと組み合わせて、診断/予後の結果に到達することができる。このような既存のマーカーには、限定されないが、前立腺特異抗原(PSA)、癌胎児性抗原(CEA)、癌抗原(CA)19−9、C15−3、又はCA125が含まれうる。
【0109】
上記方法は、癌が検出される期(stage)に基づいて対象に対する適切な治療計画をより良く決定するための試験を有する医療専門家を提供しうる。診断方法は、比較的に非侵襲性であるので、多数のそうでなければ未診断の症例、特定の介入が医療専門家によって施されうる特に早期症例について同定することができる。本発明の方法は、恐らくは再発の臨床症状前に癌の再発を検出するために用いることもできる。その結果、このような知識は、再発を予防する機会改善を有しうる適切に指示された治療計画に用いることができる。
【0110】
文字通り、全ての人を生涯にわたって長期にリスクを評価するためにスクリーニングをすることができるので、前立腺癌の診断への本発明の影響は、極めて大きい。本発明の試験の性能特性が一般集団に対して代表的であるということであれば、臨床症状の出現前に疾病の進行を検出する可能性を有しうるので、唯一この試験は、現在利用できる他のスクリーニング法のいずれよりも優れていることができる。
【0111】
本発明は、以下の実施例においてさらに説明される。下記のそれぞれの実施例を含む本発明の概要は、図1に示される。
【実施例1】
【0112】
示差的に発現される代謝産物の発見及び同定
示差的に発現された代謝産物は、前立腺癌陽性臨床的に診断された患者及び正常患者において同定される。
【0113】
臨床試料
記載される前立腺癌スクリーニングアッセイのために、血清試料を、健常な前立腺癌を有しない個体及び前立腺癌陽性と専門的に診断された患者の代表集団から得た(SeraCareLifeScience社)。下記された前立腺癌の生化学的マーカーは、前立腺癌陽性患者からの24個の血清試料及び健常対照からの25個の血清試料の分析から導いた。両群における試料は、年齢、民族性、体重、職業にわたり、様々な非前立腺癌関連健康状態を示す個体の多様な集団からであった。全ての試料は、単一の時点で収集したものであり、前立腺癌試料は、腫瘍の外科的切除の直前又は直後のいずれかで採取した。全ての試料は、化学療法又は放射線療法前に採取した。
【0114】
49個の血清試料内に含まれる代謝産物は、超音波処理及び激しい混合(ボルテックス混合)によって極性及び非極性抽出物に分離した。
【0115】
血清抽出物(前立腺癌24個、正常25個)の分析は、FTMS中に直接注入、並びに陽性及び陰性の両モードにおいてエレクトロスプレーイオン化(ESI)又は大気圧化学イオン化(APCI)のいずれかによるイオン化によって行った。試料抽出物は、陰性イオン化モードについてメタノール:0.1%(v/v)水酸化アンモニウム(50:50、v/v)中、又は陽イオン化モードについてメタノール:0.1%(v/v)ギ酸(50:50、v/v)中で3倍又は6倍のいずれかに希釈した。APCIについて、試料抽出物は、希釈することなく直接注入した。7.0Tの強力にシールドされた超伝導磁石を備えたBruker Daltonics APEX IIIフーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴質量分析計(Bruker Daltonics、Billerica、MA)で全ての分析を行った。1時間当たり600μLの流量でESI源及びAPCI源を用いて試料を直接注入した。セリン、テトラアラニン、レセルピン、ヒューレットパッカード調節調合物(Hewlett-Packard tuning mix)、及び副腎皮質刺激ホルモンフラグメント4−10の標準混合を用いてイオン移動/検出パラメータを最適化した。さらに、機器製造メーカーの推奨に従って100〜1000amuの質量範囲にわたってイオン強度及び広帯域集積を最適化するように機器条件を調整した。上記標準の混合物を用いて、100〜1000amuの捕捉範囲にわたって質量精度についてそれぞれの試料スペクトルを内部的に較正した。
【0116】
抽出物及びイオン化モードの組合せを含む総計6つの別個の分析において、それぞれの試料について以下を得た:
水性抽出物
1.陽性ESI(分析モード1101)
2.陰性ESI(分析モード1102)
有機抽出物
3.陽性ESI(分析モード1201)
4.陰性ESI(分析モード1202)
5.陽性APCI(分析モード1203)
6.陰性APCI(分析モード1204)
【0117】
質量分析データ処理
線形最小二乗回帰線を用いて、それぞれの内部標準質量ピークがその理論質量と比較して<1p.p.m.の質量誤差を有するように質量軸値を較正した。Bruker Daltonics社製XMASSソフトウェアを用いて、1メガワードのデータファイルサイズを得て、2メガワードにゼロ詰めした。sinmデータ変換をフーリエ変換及び大きさ(magnitude)の計算前に行った。それぞれの分析からの質量スペクトルを積分し、それぞれのピークの正確な質量及び絶対強度を含んだピークリストを作成した。100〜2000m/zの範囲の化合物を分析した。異なるイオン化モード及び極性にわたるデータを比較して、まとめるために、全ての検出質量ピークを水素付加体形成を想定するそれらの対応する中性質量に変換した。次いで、DISCOV Ametrics(商標)ソフトウェア(Phenomenome Discoveris社、Saskatoon、SK、Canada)を用いて自然発生二次元(質量対試料強度)配列を作成した。多重ファイルからのデータを積分し、次いで、この結合ファイルを処理して全ての唯一の質量を決定した。それぞれの唯一の質量の平均を決定し、y軸を表した。この値は、等しいと統計的に判定された全ての検出された正確な質量の平均を表す。較正標準に対するこの機器の質量精度が約1ppmであることを考慮すると、これらの平均質量には、この平均質量の±2ppm以内、又はこの平均質量のさらに±5ppm以内に入る全ての質量が含まれることは当業者に明らかであろう。分析されるべく最初に選択されたそれぞれのファイルについて列を作成し、x軸を表した。次いで、選択されたそれぞれのファイルに見出だされるそれぞれの質量の強度をその代表x、y座標中に記入した。強度値を有しなかった座標はブランクのままとした。一旦配列後、データをさらに処理、視覚化及び解釈して、推定化学的同一性を割り当てた。次いで、それぞれのスペクトルをピーク取得し、検出された全ての代謝産物の質量及び強度を得た。次いで、全てのモードからのこれらのデータを合体して1試料当たり1個のデータファイルを作成した。次いで、90個の試料全てからのデータを合体及び調整し、それぞれの試料が列を表し、それぞれの唯一の代謝産物が単一の行を表す二次元の代謝産物配列を作成した。所与の代謝産物試料の組合せに対応するセルにおいて、その試料中の代謝産物の強度を表示した。データをこのフォーマットで表した場合に、試料の群(即ち、正常及び癌)間の差を示す代謝産物を決定した。
【0118】
高度データ解釈
スチューデントt検定を用いて、正常試料と前立腺癌陽性試料との間で異なる代謝産物について選択した(p<0.05)。492個の代謝産物はこの基準を満たした(表1に記載される通り)。それぞれのこれらの特徴は、2つの集団間で統計的に相違し、したがって、それぞれは、診断利用性の可能性を有する。特徴をそれらの正確な質量及び分析モードで記述し、これは共に、それぞれの代謝産物の推定分子式及び化学的特性(例えば、極性及び推定官能基)を与えるのに十分である。対照血清及び前立腺癌血清間で区別するべく492個の代謝産物の能力は、図2におけるPCAプロットによって示される。対照(灰色)と前立腺癌(黒色)との間の比較的に明らかな区別(点線で示されるような)を引くことができ、これは、492個の代謝産物が共に、対照血清に対して前立腺癌陽性血清試料を診断することができることを示す。
【0119】
しかし、492個のシグナルの商業的に有用なアッセイへの取込み及び開発は、実際的ではなく、したがって、単変量解析と化学的情報の組合せを用いて、さらなる特徴付けのために492個から14個の代謝産物のサブセットをさらに選択した。選択された14個のサブセットは、以下の2つの異なるモードで検出した:正確な質量(ドルトンで測定)495.3328、517.3148、519.3328、521.3480、523.3640、541.3148、及び545.3460を有する代謝産物(ここで、±5ppmの差は同一の代謝産物を示す)は、本出願に記載される方法を用いて陽イオンとして検出し、正確な質量(ドルトンで測定)481.3171、531.3123、541.3422、555.3101、565.3394、567.3546、及び569.3687を有する代謝産物は、本出願に記載される方法を用いて陰イオンとして検出した。全ての代謝産物質量は、12C分子を表す。
【0120】
14個の質量の診断的精度を、図3におけるPCAプロットによって示し、これは、疾病と対照との間の明らかな分離を示す。事実は、点線を用いて前立腺癌から対照を分離することは、感度84%及び特異性100%をもたらす。FTICR上で検出される14個の質量の相対強度のグラフを図4に示す(それぞれの質量について0と1との間に縮尺されたデータを用いる)。それぞれのマーカーは、前立腺癌血清対照血清において約50%(平均で)の減少又は不足を示すと思われる。
【0121】
これらの結果に基づいて、前立腺癌陽性患者血清と健常(前立腺癌陰性)個体血清との間の明らかな区別を行うことができる。したがって、前立腺癌陽性血清と前立腺癌陰性血清とを同定及び区別することができるこれらのマーカーは、現に記載されるような前立腺癌診断試験のための基礎を形成することができる。
【実施例2】
【0122】
発見された代謝産物の独立した方法確認
代謝産物及び実施例1に記載された臨床的変数とのそれらの関連を、独立した質量分析システムを用いてさらに確認した。それぞれの変数群(10個の対照及び9個の前立腺癌)からの代表的水性試料抽出物を研究中の臨床的変数間の強度が異なる代謝産物を同定する目的で質量及び強度情報を得るためにHP 1050高性能液体クロマトグラフィーを用いるLC−MS、又はABI Q-Starにインターフェースで接続された同等のもの、若しくは同等の質量分析計によって再分析した。陽性及び陰性の両方のESIモードにおいてフル−スキャン検出を用いてデータを得、得られたスペクトルデータをPhenomenoneProfilerソフトウェアを用いて較正及び調整した。特定のクロマトグラフィー条件下で約28〜34分の保持時間帯(分子種がHPLCカラムから流出する時間)を同定した。図5は、対照(A)、前立腺癌(B)、及び対照と前立腺癌との間の正味差(C)についてこの保持時間範囲内に抽出された質量スペクトルを示す。ボックス化領域は、前に記載された14個の質量のサブセットが再検出された質量範囲を示す。前に観察されたように、これらの分子は、対照に比べて前立腺癌血清の強度が有意に低下していた。HPLC連結TOF−MSを用いて検出されたそれぞれ14個の代謝産物についての平均生強度(0と1の間に縮尺)の棒グラフを図6に示す。
【実施例3】
【0123】
14個の代謝産物サブセットのMS/MS特徴付け
正確な質量及び分子式の決定、極性、酸/塩基特性、NMRスペクトル、並びにMS/MS又はMSnスペクトルを含む様々な特性を代謝産物の構造解明のために用いることができる。これらのデータは、特定の代謝産物の指紋として用いることができ、完全な構造が決定されたかどうかに拘わらず特定の代謝産物の固有の識別子である。これらのデータには、以下が含まれる:
【0124】
1.LC保持時間 目的の代謝産物を含む抽出物をC18カラムを用いる逆相LC−MSにかけ、及び標準化条件下でそれらの保持時間を測定するためにMSによる分析を施す。抽出物をLC/MS分析にかけたとき、14個の代謝産物全てが26〜34分の範囲内で共溶出した。
【0125】
2.MS/MSスペクトル 衝突誘起解離(CID)を用いてMS/MS断片化を行うことによって目的の14個の代謝産物をさらに特徴付けした。このMS/MS分析は、クロマトグラフィー分離処理から集められた画分について実時間(即ち、クロマトグラフィー溶出処理中)又はオフラインで行った。
【0126】
9個の前立腺癌試料及び10個の正常試料の抽出物からの水性画分を窒素ガス下で蒸発乾固し、水:メタノール:ギ酸(97.9:2:0.1)100μl中で戻した。戻した試料5μlをフルスキャン及びMS/MSのためにHPLC(MetaSil AQ3μmを備えたAgilent 1100システム、C18、100×2.0mmカラム、Varian社)に用いた。移動相は、溶媒Aとして水:メタノール:ギ酸(97.9:2:0.1)、及び溶媒Bとしてメタノール中0.1%ギ酸から構成された。流速0.2ml/分で、溶媒勾配は以下の通りであった:溶媒Aを最初の1分間に100%で保持し、次いで、10分にわたって線形勾配を用いてA20%及びB80%に変え、次いで、9分間A20%及びB80%に保持した;次いで、この溶媒混合物を、線形勾配を用いて次の10分間にB100%に変え、B100%で15分間保持した。最後に、20分の期間にカラムを平衡化させるためにこの溶媒混合物をA100%で保持した(総経過時間65分)。陽性及び陰性モードにおけるESI(TurboIonSpray(商標))源を取り付けたABI QSTAR(登録商標)XL質量分析計を用いてHPLCからの溶出物を分析した。
【0127】
飛行時間型フルスキャンモードについて、「TOF−MS」スキャン型を、集積時間1.0秒、質量スキャン範囲50から1500Da、及び継続時間60分で用いた。陽性ESIモードでのソースパラメータは、以下の通りであった:イオン源ガス1(GS1)55;イオン源ガス2(GS2)90;カーテンガス(CUR)40;噴霧器電流(NC)3.0;温度400℃;クラスタ分離電位(DP)60;集束電位(FP)265;クラスタ分離電位2(DP2)15。陰性ESIモードでのソースパラメータは以下の通りであった:イオン源ガス1(GS1)55;イオン源ガス2(GS2)70;カーテンガス(CUR)40;噴霧器電流(NC)0;温度400℃;クラスタ分離電位(DP)−55;集束電位(FP)−265;クラスタ分離電位2(DP2)−15。
【0128】
MS/MSモードにおいて、「Product Ion」スキャン型を、集積時間1.0秒、スキャン範囲50から650Da、及び継続時間60分で用いた。全てのソースパラメータは上記と同じであり、衝突エネルギー(CE)設定は陽性モードで20V、35V、50V、陰性モードで−20V、−35V、−50Vであった。衝突ガス(CAD、窒素)は5に設定した。
【0129】
所与の分子の構造は、規定された条件下で特有の断片化パターンを決定づけ、その分子にとって独特であり(人の指紋と同等)−分子構造に対してわずかな変化でさえも異なる断片化パターンをもたらしうる。分子の同一性の指紋を与えることに加えて、CIDによって生成されたフラグメントを用いて、代謝産物の構造に関するより確かな知識を得た。
【0130】
陽性モードバイオマーカーパネル(即ち、正確な質量495.3328、517.3148、519.3328、521.3480、523.3640、541.3148、及び545.3460を有する代謝産物)についての可能な分子式を構築した後、7個のバイオマーカー全ては、RNOPの同様な式を保有することが見出され、ここで、Rは、リン脂質コリン関連化合物でありうることを示す可変の脂肪酸型である。MS/MS解釈に基づいて提案された構造の要約を表2に示す。陽イオン化モードで検出された7個の代謝産物についての断片化スペクトルを図7から図13(衝突エネルギー20(A)、35(B)及び50(C)ボルト)に示し、フラグメントの質量及び分子式帰属を表3から表9に掲載する。それぞれの表は、CIDから得られる娘イオン、並びにフラグメントイオン及びフラグメント喪失の提案構造を掲載する。
【0131】
陽性モードESIで得られたMS/MSデータは、それぞれ7個の代謝産物がプロトンを引き抜き、それらのMS/MSスペクトルにおいて対応する分子イオン([M+H])を生じたことを示す。親イオンとして正に荷電した四級アンモニウムイオンを残すリン酸塩基のプロトン化を示唆する。四級アミン基、(CHNH、を失うことの証拠として、[M+H−60]が全ての代謝産物に観察され、これらの代謝産物におけるコリン頭基の存在を支持した。ホスホコリン(C15NO、m/z184)及びエタノール−四級アミン(C14NO、m/z104)によるフラグメントイオンは、ホスホコリン型構造を示唆する他の指標であった。分子イオンからのHOの喪失も観察され、リゾ脂質型構造に固有のsn−2位における遊離のヒドロキシ基の存在を支持した。
【0132】
sn−1脂肪酸側鎖又はその喪失のいずれかについて、弱いが、フラグメントイオンが観察された。例えば、パルミチン酸がsn−1脂肪酸であると考えられた代謝産物495.3328について、C1632O単位の喪失のためにm/z458を表すフラグメントイオンをもっともらしいとして帰属させた。強度が低いが、m/z239(C1631)における別のフラグメントイオンも存在し、sn−1脂肪酸それ自体を示す。これらの推論に基づいて、該構造は2−ヒドロキシ−1−パルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリンとして提案した。495.3328の構造は、それらのLC/MS及びMS/MSスペクトルデータの比較(フラグメントイオン比較は、表10に示す)により2−ヒドロキシ−1−パルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(商業的標準)であることが確認された。
【0133】
残りの6個の代謝産物のMS/MSスペクトルデータは、495.3328のものと非常に類似しており、唯一の相違は、sn−1脂肪酸側鎖における相違であった。代謝産物519.3328(520M−H)、521.3481(522M−H)、及び523.3640(524M−H)について、それらの親イオンからのHOの喪失は、それぞれフラグメントイオンm/z518、520及び522を生じ、それらの脂肪酸側鎖が不飽和度が増加すると共に変化することを示唆した。520について、sn−1側鎖はm/z281でのフラグメントイオンのためにリノール酸と推定された。522及び524において、m/z258における共通のフラグメントイオンは、それらの親イオンからのオレイル(C1833O)置換基及びステアリル(C1835O)置換基の喪失のためであると考えられ、したがってそれぞれオレイン酸側鎖及びステアリン酸側鎖を支持した。代謝産物541.3148(542M−H)について、m/z225におけるフラグメントイオンは、エイコサペンタエン酸側鎖の喪失と推定した。上記に検討したMS/MSデータを用いて、表2に示した通りこれら7個の前立腺癌バイオマーカーの構造を提案した。
【0134】
陰イオン化モードで検出された7個の代謝産物(即ち、正確な質量481.3171、531.3123、541.3422、555.3101、565.3394、567.3546、及び569.3687を有する代謝産物)の断片化スペクトルを図14から図20に示す(衝突エネルギー20、35及び50ボルト)。7個のバイオマーカーの中から4個(541.3422、565.3394、567.3546、569.3687)は、同様の式RNOPを保有することが見出され、ここで、Rは可変脂肪酸型であり、リン脂質エタノールアミン関連化合物でありうることを分子式は示した。表11は、分子式及びMS/MSデータに基づく分子の推定構造を要約したものである。表12から表18は、フラグメントイオン質量、フラグメント及びフラグメント喪失の推定式、並びにそれぞれのフラグメントについての推定構造を掲載する。
【0135】
エレクトロスプレーイオン化(ESI)での陰性モードにおいて、それぞれ7個の分子は、プロトンを失い、それらのMS/MSスペクトル中に対応する分子イオン([M−H)を生じる。これは、親イオンとして負に荷電したリン酸イオンを残す、リン酸基の脱プロトン化を示唆する。MS/MSスペクトルにおける卓越したシグナルとしてマーカー481.3168及び541.3422(パルミチル、C1631、m/z255)、565.3394(リノレイル、C1831、m/z279)、567.3546(オレイル、C1833、m/z281)、並びに569.3687(ステアリル、C1835、m/z283)のsn−1脂肪酸側鎖についてフラグメントイオンを観察した。569.3687のMS/MSスペクトルをその対応するリゾリン脂質エタノールアミン対応物、2−ヒドロキシ−1−ステアリル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン(C2348NOP、厳密な質量:481.317)(商業的標準)と比較すると、多くの類似性が観察された(表19)。569.3687の親イオン[M+H]からの初期のフラグメント喪失は、式Cに関連する60ドルトン単位の質量喪失に対応していた。このフラグメント喪失は、sn2−ヒドロキシホスホエタノールアミン型の一般式と類似するC2348NOPの式を有する481.3171を除く上記パネルのマーカー全てに一致した。569.3687のフラグメントm/z508をそのリゾホスホエタノールアミン商業的標準(m/z480)の親イオンと比較すると、わずか28ドルトン単位の差が見られ、これはバイオマーカーパネルについてN,N−ジメチルホスホエタノールアミン型の構造の誘導をもたらす。sn2脂肪酸、m/z242、168、153及び79の喪失後のフラグメント喪失は、7個のバイオマーカー全てについて常に観察され、分子上の骨格のもっともらしいジメチルエタノールアミン型をさらに支持する。
【0136】
報告されたMS/MSデータがリゾリン脂質種の分子と一致する一方、本発明には、官能基又は報告されたフラグメントが現に示されない仕方で結合される構造も含まれる。
【実施例4】
【0137】
ハイスループット商業法開発
ハイスループットスクリーニング(HTS)法を前立腺癌を診断するために開発した。下記方法は、世界的に多くの実験室に配置されている現在の実験室機器及びトリプル四重極質量分析計に適合している(Hopfgartner G, Varesio E, Tschappat V, Grivet C, Bourgogne E, Leuthold LA. Triple quadrupolelinear ion trap mass spectrometer for the analysis of small molecules and macromolecules. J Mass Spectrom 2004;39(8):845-55、Xia YQ, Miller JD, Bakhtiar R, Franklin RB, Liu DQ. Use of a quadrupole linear ion trap mass spectrometer in metabolite identification and bioanalysis. Rapid Commun Mass Spectrom2003;17(11):1137-45)。
【0138】
ハイスループットスクリーニング(HTS)を、Agilent 1100 LCシステムと結合された線形イントラップ質量分析計(Q-trap 4000、Applied Biosystem社)を用いて行った。血清試料を実施例1に記載したように抽出した。水性画分をアクリロニトリルと1:3で混合し、それぞれの試料の分析に使用前にタンパク質を沈殿させた。内部標準(メタノール中レセルピン:陰性ESIに対して100μg/mL;陽性ESIに対して1μg/mL)15μL及び3:1(アクリロニトリル):(ddHO中1%ギ酸)108μLを試料アリコートそれぞれ12μLに総容量135μLになるように加えた。この試料100μLをフロー注入分析(FIA)によりABI4000QTRAP中にオートサンプラーで注入した。キャリア溶媒は、60:40(メタノール):(ddHO中1%ギ酸)であり、APCI源への流速は450μL/分であった。
【0139】
MS/MS HTS法(陰性及び陽性ESI)を、イオンスプレープローブを有するTurboV(商標)源を備えた四重極線形イオントラップABI 4000QTRAP質量分析計で開発した。ソースガスパラメータは以下の通りであった:陰性ESI:(CUR:10.0、CAD:6、IS:−4500、TEM:500、GS1:50、GS2:60、インターフェースヒーターオン。「化合物」設定は以下の通りであった:入口電位(EP):−10、及び衝突セル出口電位(CXP):−10.0);陽性ESI:(CUR:10.0、CAD:6、IS:5500、TEM:500、GS1:30、GS2:60、インターフェースヒーター オン。「化合物」設定は以下の通りであった:入口電位(EP):10、及び衝突セル出口電位(CXP):15.0)。
【0140】
この方法は、多重反応モニタリング(MRM)に基づき、これはそれぞれのバイオマーカーについての2つのMRM遷移、及びそれぞれの方法について総計16のMRMに対する内部標準(レセルピンであるが、他の化合物を使用してもよい)についての2つのMRM遷移からなった。それぞれの遷移を、それぞれ陽性及び陰性ESIモードについて100ミリ秒又は70ミリ秒間モニターした。1試料当たりの総捕捉時間は約1分であった。簡単には、それぞれの方法で、表20に示されるようにそれぞれ14個のバイオマーカーMRM遷移(7個の親由来)及び2個の内部標準(IS)MRM遷移(1個の親由来)の強度を測定した。次いで、1患者当たりの7個の測定されたバイオマーカー遷移:IS遷移の最小平均正規化log(2)変換比を決定することによって患者スコアを生成した。次いで、この値を正常個体から生成されたスコアの分布と比較し、それに従って前立腺癌リスク因子を帰属させた。それぞれの方法についてそれぞれ7個のバイオマーカーについてバイオマーカー遷移対内部標準遷移のピーク面積比をプロットすることによって上記方法を用いて、ABI 4000QTRAPはMRM遷移ピーク面積を正確に測定することができることが確認された。さらに、HTS法は、抽出されたヒト基準血清物質の一連の希釈液も取り込み、これは機器の直線性の判定及び保証を可能にする。較正曲線がR値<0.98を有する場合、この試料実験は失敗と考えられ、試料は再実験することが必要である。
【0141】
上記の通り、前立腺癌HTSトリプル−四重極法は、分子の半分が陰性モードで検出され、他の半分が陽性モードで検出されるという事実により2つの独立したデータ獲得成分を含む。
【0142】
陽性モードで検出された7個のリゾホスファチジルコリン分子(即ち、495.3328、517.3148、519.3328、521.3480、523.3640、541.3148、及び545.3460という正確な質量を有する代謝産物)について、測定に用いられた遷移は、図21Aに示し、それぞれのバイオマーカーについて1分子当たり2個の娘イオン遷移[(a及びb(546.3を除く)、ここで単一遷移を用いた)及び1試料当たり2個の内部標準遷移(1及び2)を含む。したがって、それぞれのバイオマーカー遷移をそれぞれの内部標準遷移で割ると、1バイオマーカー当たり26の比が得られる。正常基準血清試料も機器の直線性を評価するために種々の希釈で分析し、これについてR−二乗係数を計算することができる。それぞれの遷移比の下記に得られるデータについての平均−R二乗値を図21Aに示す。496.3/184.2alに対する希釈液の平均強度の試料プロットを図21Bに示す。次いで、比のデータを対照集団の平均に対して正規化して、log(2)変換した。次いで、患者当たりの最小比値を最終結果スコアとして選択した。次いで、これらの患者スコアの分布を視覚化し、最適診断カットオフ点を決定した。
【0143】
発見の局面のために用いた同じ24個の前立腺癌血清試料を、147個の男性対照試料の拡大された独立セットとともに本方法を用いて再分析した。対照及び前立腺癌のコホートにおけるそれぞれ26の遷移についての平均比(log変換されていない)を図21Cに示す。予期されたように、それぞれの比の強度は、対照に比べて前立腺癌コホートにおいてより低い。
【0144】
これらの対象について最終患者スコア(1患者当たり最小検出対数比)を図22Aにおける散布図に示す。結果は、24人の前立腺癌患者(黒色三角)の患者スコアは、大部分の疾病を有しない男性対象(薄灰色四角)より有意に低かったことを明らかに示す。図22Bに示されるように、患者スコアに基づいて対象の分布をプロットすることは以前の所見に酷似しており、前立腺患者の分布(黒色棒)の左へのシフトを示し、対照に対して大多数の前立腺癌患者において全体的により低い患者スコアを示した。カットオフ患者スコアを図22Aの点線で示された−1.25に設定すると、感度約75%(即ち、癌患者の75%が−1.25未満のスコアを有する)、及び特異性約91%(即ち、対照男性集団の91%が−1.25を超えるスコアを有する)を得た。患者スコアを用いてt検定から生成されたp値は、対照試料と前立腺癌試料との間で1.09E−14であった。
【0145】
陰性モードで検出された7個のリゾ脂質種(481.3171、531.3123、541.3422、555.3101、565.3394、567.3546、及び569.3687)について、HTS法についての娘イオン遷移を図23Aに示す。この方法は、陽性モードと同様であり、1親イオン当たり生成された4つの比(2つの内部標準測定からの)を有し、患者試料当たり総計28の比を得た。それぞれの比について多数の希釈血清試料の分析から得られる平均r−二乗値も図23Aに示す。例として、第1の遷移比(480.3/255.4al)についての標準曲線のプロットを図23Bに示す。予期されたように、図23Cの棒グラフに示されるように、対照に比べてそれぞれの遷移についての比は、前立腺癌コホートでより低かった。
【0146】
陰性モードで検出された7個の代謝産物についての最終患者スコア(1患者当たり最小検出対数比)を図24Aの散布図に示す。この結果は、24人の前立腺癌患者(黒色三角)の患者スコアが、大部分の疾病を有しない男性対象(薄灰色四角)より有意に低かったことを明らかに示す。図24Bに示されるように、患者スコアに基づく対象の分布をプロットすることは、以前の所見に酷似しており、前立腺患者(黒色棒)の分布の左へのシフトを示し、対照に比べて大多数の前立腺癌患者の患者スコアが全体的により低いことを示した。カットオフ患者スコアを図24Aの点線で示された−1.00に設定すると、感度約79%(即ち、癌患者の79%は、−1.00未満のスコアを有する)及び特異性約81%(即ち、対照男性集団の81%が−1.25を超えるスコアを有する)を生じる。患者スコアを用いてt検定から生成されたp値は、対照試料と前立腺癌試料との間で4.11E−14であった。
【0147】
当業者に知られているように、カットオフ値は、それぞれ感度又は特異性のいずれかに有利に働くように上又は下に移動させることができる。この性能は、PSA試験で達成できる性能より優れている。この方法は正確で、血清試料に対して迅速に行うことができるので、男性集団をスクリーニングすることは、そうでなければ未検出の事例を同定することが期待され、したがって、前立腺癌死亡率に大きな影響を与えるであろう。
【0148】
当業者にまた、知られているように、測定された遷移の様々なサブセット及びそれらの比を用いて診断精度を最適化することができる。同様に、それぞれ陽性及び陰性モードの一連の分析を行い、次いで、その結果を積み重ね又は組み合わせることは、感度及び特異性を改善することもできる。例えば、ただ一つの方法(陽性モード)を用いて間違って診断された患者は、陰性モードで正しく分類することができるし、又は逆の場合も同じである。他に、陽性及び陰性の両モードからのデータを最初に取得し、その後総累積データセットに基づいて1人の患者スコアを生成させることができる。
【0149】
全ての引用は参照により本明細書によって組み込まれる。
【0150】
本発明を1つ又は複数の実施形態に関して記載してきた。しかし、請求の範囲に規定されるように、本発明の範囲を逸脱することなく、多くの変形及び変更を行うことができることは当業者に明らかである。
【0151】
【表1】













【0152】
【表2】

【0153】
【表3】

【0154】
【表4】

【0155】
【表5】

【0156】
【表6】

【0157】
【表7】

【0158】
【表8】

【0159】
【表9】

【0160】
【表10】

【0161】
【表11】

【0162】
【表12】

【0163】
【表13】

【0164】
【表14】

【0165】
【表15】

【0166】
【表16】

【0167】
【表17】

【0168】
【表18】

【0169】
【表19】

【0170】
【表20】

【図面の簡単な説明】
【0171】
【図1】前立腺癌の存在に関連するリゾリン脂質種に関する代謝産物を含む代謝産物の発見、同定及び特徴付けに関与するステップの概要を示す図である。
【図2】p値0.05未満を有する492の質量から生成された主要成分分析(PCA)プロットを示す図である。プロット上の各点は、1人の患者の試料を表し、点線は、その間で大部分の前立腺癌対象(黒色)と対照(灰色)とを分離できる境界を表す。
【図3】p値<0.05を有する492から選択された14個の質量のサブセットから生成されたPCAプロットを示す図である。14個の質量を用いるだけで、前立腺癌の対象(黒点)と対照対象(灰色点)との間の高度の区別が明らかである。点線は、2つのコホート間の境界を示し、これはカットオフ値として用いる場合、感度84%(癌の84%を検出)及び特異性100%(癌、又は偽陽性として分類される対照はない)を生じる。
【図4】対照(灰色)及び前立腺癌対象(黒色)における14個の選択された質量の平均相対強度の棒グラフを示す図である。誤差バー=±1s.d.
【図5】飛行時間(TOF)MSを用いて検出された、HPLCでのクロマトグラフィー分離の16分から18分の間に溶出する代謝産物の一連の抽出質量スペクトルを示す図である。ボックスは、対照血清(A)の約450と600ドルトンとの間で検出された代謝産物質量の領域を示すが、前立腺癌陽性血清(B)は不在である。下側パネル(C)は、対照スペクトルと前立腺癌スペクトルとの正味の差を示す。
【図6】HPLCに続けてTOF−MSを用いて検出された14個の代謝産物のグラフを示す図である。誤差バー=±1s.d.
【図7】衝突エネルギー電圧がそれぞれ20(A)、35(B)及び50(C)ボルトにおける、495.3328(496.3401[M+H])についてのMS/MS抽出質量スペクトルを示す図である。
【図8】衝突エネルギー電圧がそれぞれ20(A)、35(B)及び50(C)ボルトにおける、517.3148(518.3219[M+H])についてのMS/MS抽出質量スペクトルを示す図である。
【図9】衝突エネルギー電圧がそれぞれ20(A)、35(B)及び50(C)ボルトにおける、519.3328(520.3401[M+H])についてのMS/MS抽出質量スペクトルを示す図である。
【図10】衝突エネルギー電圧がそれぞれ20(A)、35(B)及び50(C)ボルトにおける、521.3480(522.3554[M+H])についてのMS/MS抽出質量スペクトルを示す図である。
【図11】衝突エネルギー電圧がそれぞれ20(A)、35(B)及び50(C)ボルトにおける、523.3640(524.3713[M+H])についてのMS/MS抽出質量スペクトルを示す図である。
【図12】衝突エネルギー電圧がそれぞれ20(A)、35(B)及び50(C)ボルトにおける、541.3148(542.3219[M+H])についてのMS/MS抽出質量スペクトルを示す図である。
【図13】衝突エネルギー電圧がそれぞれ20(A)、35(B)及び50(C)ボルトにおける、545.3460(546.3534[M+H])についてのMS/MS抽出質量スペクトルを示す図である。
【図14】衝突エネルギー電圧がそれぞれ20(A)、35(B)及び50(C)ボルトにおける、481.3171(480.3091[M−H])についてのMS/MS抽出質量スペクトルを示す図である。
【図15】衝突エネルギー電圧がそれぞれ20(A)、35(B)及び50(C)ボルトにおける、531.3123(530.3035[M−H])についてのMS/MS抽出質量スペクトルを示す図である。
【図16】衝突エネルギー電圧がそれぞれ20(A)、35(B)及び50(C)ボルトにおける、541.3422(540.3335[M−H])についてのMS/MS抽出質量スペクトルを示す図である。
【図17】衝突エネルギー電圧がそれぞれ20(A)、35(B)及び50(C)ボルトにおける、555.3101(554.3013[M−H])についてのMS/MS抽出質量スペクトルを示す図である。
【図18】衝突エネルギー電圧がそれぞれ20(A)、35(B)及び50(C)ボルトにおける、565.3394(564.3306[M−H])についてのMS/MS抽出質量スペクトルを示す図である。
【図19】衝突エネルギー電圧がそれぞれ20(A)、35(B)及び50(C)ボルトにおける、567.3546(566.3459[M−H])についてのMS/MS抽出質量スペクトルを示す図である。
【図20】衝突エネルギー電圧がそれぞれ20(A)、35(B)及び50(C)ボルトにおける、569.3687(568.3598[M−H])についてのMS/MS抽出質量スペクトルを示す図である。
【図21】A)陽性ESIトリプル四重極HTS法に用いられた親−娘イオン遷移のリスト並びに5個の希釈試料にわたって線形性の計算から得られるR−平方相関係数、B)遷移496.3/184.2alについての標準曲線、C)前立腺対象(黒色)及び対照対象(灰色)におけるそれぞれの遷移についての平均比(バイオマーカー:ISピーク面積)を示す図である。
【図22】A)147個の男性対照(灰色四角)及び24個の前立腺癌患者(黒色三角)についての陽性ESI HTS患者スコアの散布図、B)瓶化患者スコアによる対照集団対象(灰色)及び前立腺癌対象(黒色)の分布を示す頻度ヒストグラムを示す図である。
【図23】A)陰性ESIトリプル四重極HTS法に用いられる親−娘イオン遷移のリスト並びに5個の希釈試料にわたって線形性の計算から得られるR−平方相関係数、B)遷移480.3/255.4alについての標準曲線、C)前立腺対象(黒色)及び対照対象(灰色)におけるそれぞれの遷移についての平均比(バイオマーカー:ISピーク面積)を示す図である。
【図24】A)147個の男性対照(灰色四角)及び24個の前立腺癌患者(黒色三角)についての陰性ESI HTS患者スコアの散布図、B)瓶化患者スコアによる対照集団対象(灰色)及び前立腺癌対象(黒色)の分布を示す頻度ヒストグラムを示す図である。
【0172】
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
前立腺癌を診断するための1種又は複数の代謝産物マーカーを同定する方法であって、
a)1人又は複数の前立腺癌患者からの1種又は複数の試料を高分解能質量分析計に導入するステップであって、前記試料が複数の代謝産物を含むステップと;
b)代謝産物についての定量データを得るステップと;
c)前記定量データのデータベースを作成するステップと;
d)前記試料からの定量データを1種又は複数の基準試料由来の試料からの対応データと比較するステップと;
e)前記試料と前記1種又は複数の基準試料とで異なる1種又は複数の代謝産物マーカーを同定するステップと
を含み、
前記1種又は複数の代謝産物マーカーが、表1に記載される代謝産物又はその任意の組合せから選択される、方法。
【請求項2】
最適診断のために必要とされる最小数の代謝産物マーカーを選択するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
高分解能質量分析計が、フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴質量分析計(FTMS)である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
患者における前立腺癌又は前立腺癌のリスクを診断する方法であって、
a)前記患者から試料を得るステップと;
b)前記試料を分析して、1種又は複数の代謝産物マーカーについての定量データを得るステップと;
c)前記1種又は複数の代謝産物マーカーについての定量データを1種又は複数の基準試料から得られた対応データと比較するステップと;
d)前記比較を用いて、前立腺癌又は前立腺癌のリスクを診断するステップと
を含み、
前記1種又は複数の代謝産物マーカーが、表1に記載される代謝産物又はその任意の組合せから選択される、方法。
【請求項5】
ステップb)が、液体クロマトグラフィー質量分析法(LC−MS)によって試料を分析することを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
ハイスループット法であり、ステップb)が、直接注入又は液体クロマトグラフィー、及び線形イオントラップタンデム質量分析法によって試料を分析することを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
1種又は複数の基準試料が、対照個体から得られた複数の試料;以前に患者から得られた1種又は複数の基線試料:又はその組合せである、請求項4〜6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
1種又は複数の代謝産物マーカーが、リゾホスファチジルコリン、リゾホスファチジルエタノールアミン、リゾホスファチジルジメチルエタノールアミン、リゾホスファチジルセリン、リゾスフィンゴシルホスホリルコリン、リゾホスファチジルグリセロール、リゾホスファチジルイノシトール、血小板活性化因子(PAF)、及びその組合せを含むリゾリン脂質からなる群から選択される、請求項4に記載の方法。
【請求項9】
1種又は複数の代謝産物マーカーが、ドルトンで測定して、a)495.3328、b)517.3148、c)519.3328、d)521.3480、e)523.3640、f)541.3148、g)545.3460、h)481.3171、i)531.3123、j)541.3422、k)555.3101、l)565.3394、m)567.3546、及びn)569.3687という正確な質量、又はそれに実質的に等しい質量を有する代謝産物を含み;前記代謝産物が、前立腺癌患者で低下している、請求項4に記載の方法。
【請求項10】
代謝産物a)〜g)がリゾホスファチジルコリン関連化合物であり、代謝産物h)〜n)がN,N−ジメチル−リゾホスホエタノールアミン関連化合物である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
1種又は複数の代謝産物が、それぞれ
a)図7に示される通り、及び/又は表3に記載される通り;
b)図8に示される通り、及び/又は表4に記載される通り;
c)図9に示される通り、及び/又は表5に記載される通り;
d)図10に示される通り、及び/又は表6に記載される通り;
e)図11に示される通り、及び/又は表7に記載される通り;
f)図12に示される通り、及び/又は表8に記載される通り;
g)図13に示される通り、及び/又は表9に記載される通り;
h)図14に示される通り、及び/又は表12に記載される通り;
i)図15に示される通り、及び/又は表13に記載される通り;
j)図16に示される通り、及び/又は表14に記載される通り;
k)図17に示される通り、及び/又は表15に記載される通り;
l)図18に示される通り、及び/又は表16に記載される通り;
m)図19に示される通り、及び/又は表17に記載される通り;並びに
n)図20に示される通り、及び/又は表18に記載される通り
のMS/MSスペクトルをさらに特徴とする、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
1種又は複数の代謝産物が、それぞれ分子式a)C2450NOP、b)C2648NOP、c)C2650NOP、d)C2652NOP、e)C2654NOP、f)C2848NOP、g)C2852NOP、h)C2348NOP、i)C3046NOP、j)C2552NOP、k)C2550NO10P、l)C2752NOP、m)C2754NOP、及びn)C2756NOPをさらに特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
1種又は複数の代謝産物が、それぞれ構造
a)
【化1】

b)
【化2】

c)
【化3】

d)
【化4】

e)
【化5】

f)
【化6】

g)
【化7】

h)
【化8】

j)
【化9】

k)
【化10】

l)
【化11】

m)
【化12】

及び
n)
【化13】

をさらに特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
患者における前立腺癌又は前立腺癌のリスクを診断する方法であって、
a)前記患者から試料を得るステップと;
b)前記試料を分析して、1種又は複数の代謝産物マーカーについての定量データを得るステップと;
c)前記1種又は複数の代謝産物マーカー対内部対照代謝産物のそれぞれについての比を得るステップと;
d)前記1種又は複数の代謝産物マーカー対内部対照代謝産物のそれぞれについての比を、1種又は複数の基準試料から得られた対応データと比較するステップと;
e)前記比較を用いて、前立腺癌又は前立腺癌のリスクを診断するステップと
を含み、
前記1種又は複数の代謝産物マーカーが、表1に記載される代謝産物又はその任意の組合せから選択される、方法。
【請求項15】
ステップb)が、液体クロマトグラフィー質量分析法(LC−MS)によって試料を分析することを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
ハイスループット法であり、ステップb)が、直接注入又は液体クロマトグラフィー、及び線形イオントラップタンデム質量分析法によって試料を分析することを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
1種又は複数の基準試料が、対照個体から得られた複数の試料;以前に患者から得られた1種又は複数の基線試料;又はその組合せである、請求項14〜16のいずれかに記載の方法。
【請求項18】
1種又は複数の代謝産物マーカーが、リゾホスファチジルコリン、リゾホスファチジルエタノールアミン、リゾホスファチジルジメチルエタノールアミン、リゾホスファチジルセリン、リゾスフィンゴシルホスホリルコリン、リゾホスファチジルグリセロール、リゾホスファチジルイノシトール、血小板活性化因子(PAF)、及びその組合せを含むリゾリン脂質からなる群から選択される、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
1種又は複数の代謝産物マーカーが、ドルトンで測定して、a)495.3328、b)517.3148、c)519.3328、d)521.3480、e)523.3640、f)541.3148、g)545.3460、h)481.3171、i)531.3123、j)541.3422、k)555.3101、l)565.3394、m)567.3546、及びn)569.3687という正確な質量、又はそれに実質的に等しい質量を有する代謝産物を含み;前記代謝産物対内部対照代謝産物の比が、前立腺癌患者で低下している、請求項14に記載の方法。
【請求項20】
代謝産物a)〜g)がリゾホスファチジルコリン関連化合物であり、代謝産物h)〜n)がN,N−ジメチル−リゾホスホエタノールアミン関連化合物である、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
1種又は複数の代謝産物が、それぞれ
a)図7に示される通り、及び/又は表3に記載される通り;
b)図8に示される通り、及び/又は表4に記載される通り;
c)図9に示される通り、及び/又は表5に記載される通り;
d)図10に示される通り、及び/又は表6に記載される通り;
e)図11に示される通り、及び/又は表7に記載される通り;
f)図12に示される通り、及び/又は表8に記載される通り;
g)図13に示される通り、及び/又は表9に記載される通り;
h)図14に示される通り、及び/又は表12に記載される通り;
i)図15に示される通り、及び/又は表13に記載される通り;
j)図16に示される通り、及び/又は表14に記載される通り;
k)図17に示される通り、及び/又は表15に記載される通り;
l)図18に示される通り、及び/又は表16に記載される通り;
m)図19に示される通り、及び/又は表17に記載される通り;並びに
n)図20に示される通り、及び/又は表18に記載される通り
のMS/MSスペクトルをさらに特徴とする、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
1種又は複数の代謝産物が、それぞれ分子式a)C2450NOP、b)C2648NOP、c)C2650NOP、d)C2652NOP、e)C2654NOP、f)C2848NOP、g)C2852NOP、h)C2348NOP、j)C2552NOP、k)C2550NO10P、l)C2752NOP、m)C2754NOP、及びn)C2756NOPをさらに特徴とする、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
1種又は複数の代謝産物が、それぞれ構造
a)
【化14】

b)
【化15】

c)
【化16】

d)
【化17】

e)
【化18】

f)
【化19】

g)
【化20】

h)
【化21】

j)
【化22】

k)
【化23】

l)
【化24】

m)
【化25】

及び
n)
【化26】

をさらに特徴とする、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
患者における前立腺癌を治療するための治療法の効果を評価する方法であって、
a)前記患者から試料を得るステップと;
b)前記試料を分析して、1種又は複数の代謝産物マーカーについての定量データを得るステップと;
c)前記定量データを1種又は複数の基準試料から得られた対応データと比較するステップと;
d)前記比較を用いて、前記治療法が患者の健康状態を改善しているかどうかを判定するステップと
を含み、
前記1種又は複数の代謝産物マーカーが、表1に記載される代謝産物又はその任意の組合せから選択される、方法。
【請求項25】
ステップb)が、液体クロマトグラフィー質量分析法(LC−MS)によって試料を分析することを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
ハイスループット法であり、ステップb)が、直接注入又は液体クロマトグラフィー、及び線形イオントラップタンデム質量分析法によって試料を分析することを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
1種又は複数の基準試料が、対照個体から得られた複数の試料;患者から得られた1種又は複数の前治療基線試料;又はその組合せである、請求項24〜26のいずれかに記載の方法。
【請求項28】
1種又は複数の代謝産物マーカーが、ドルトンで測定して、a)495.3328、b)517.3148、c)519.3328、d)521.3480、e)523.3640、f)541.3148、g)545.3460、h)481.3171、i)531.3123、j)541.3422、k)555.3101、l)565.3394、m)567.3546、及びn)569.3687という正確な質量、又はそれに実質的に等しい質量を有する代謝産物を含み;前記代謝産物が、前立腺癌患者で低下している、請求項24に記載の方法。
【請求項29】
1種又は複数の代謝産物が、それぞれ
a)図7に示される通り、及び/又は表3に記載される通り;
b)図8に示される通り、及び/又は表4に記載される通り;
c)図9に示される通り、及び/又は表5に記載される通り;
d)図10に示される通り、及び/又は表6に記載される通り;
e)図11に示される通り、及び/又は表7に記載される通り;
f)図12に示される通り、及び/又は表8に記載される通り;
g)図13に示される通り、及び/又は表9に記載される通り;
h)図14に示される通り、及び/又は表12に記載される通り;
i)図15に示される通り、及び/又は表13に記載される通り;
j)図16に示される通り、及び/又は表14に記載される通り;
k)図17に示される通り、及び/又は表15に記載される通り;
l)図18に示される通り、及び/又は表16に記載される通り;
m)図19に示される通り、及び/又は表17に記載される通り;並びに
n)図20に示される通り、及び/又は表18に記載される通り
のMS/MSスペクトルをさらに特徴とする、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
1種又は複数の代謝産物が、それぞれ分子式a)C2450NOP、b)C2648NOP、c)C2650NOP、d)C2652NOP、e)C2654NOP、f)C2848NOP、g)C2852NOP、h)C2348NOP、j)C2552NOP、k)C2550NO10P、l)C2752NOP、m)C2754NOP、及びn)C2756NOPをさらに特徴とする、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
1種又は複数の代謝産物が、それぞれ構造、
a)
【化27】

b)
【化28】

c)
【化29】

d)
【化30】

e)
【化31】

f)
【化32】

g)
【化33】

h)
【化34】

j)
【化35】

k)
【化36】

l)
【化37】

m)
【化38】

及び
n)
【化39】

をさらに特徴とする、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
患者における前立腺癌を治療するための治療法の効果を評価する方法であって、
a)前記患者からの試料を得るステップと;
b)前記試料を分析して、1種又は複数の代謝産物マーカーについての定量データを得るステップと;
c)前記1種又は複数の代謝産物マーカー対内部対照代謝産物のそれぞれについての比を得るステップと;
d)前記1種又は複数の代謝産物マーカー対内部対照代謝産物のそれぞれについての比を、1種又は複数の基準試料から得られた対応データと比較するステップと;
e)前記比較を用いて、前記治療法が患者の健康状態を改善しているかどうかを判定するステップと
を含み、
前記1種又は複数の代謝産物マーカーが、表1に記載される代謝産物又はその任意の組合せから選択される、方法。
【請求項33】
ステップb)が、液体クロマトグラフィー質量分析法(LC−MS)によって試料を分析することを含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
ハイスループット法であり、ステップb)が、直接注入又は液体クロマトグラフィー、及び線形イオントラップタンデム質量分析法によって試料を分析することを含む、請求項32に記載の方法。
【請求項35】
1種又は複数の基準試料が、対照個体から得られた複数の試料;患者から得られた1種又は複数の前治療基線試料;又はその組合せである、請求項32〜34のいずれかに記載の方法。
【請求項36】
1種又は複数の代謝産物マーカーが、ドルトンで測定して、a)495.3328、b)517.3148、c)519.3328、d)521.3480、e)523.3640、f)541.3148、g)545.3460、h)481.3171、i)531.3123、j)541.3422、k)555.3101、l)565.3394、m)567.3546、及びn)569.3687という正確な質量、又はそれに実質的に等しい質量を有する代謝産物を含み;代謝産物対内部対照代謝産物の比が、前立腺癌患者で低下している、請求項32に記載の方法。
【請求項37】
1種又は複数の代謝産物が、それぞれ
a)図7に示される通り、及び/又は表3に記載される通り;
b)図8に示される通り、及び/又は表4に記載される通り;
c)図9に示される通り、及び/又は表5に記載される通り;
d)図10に示される通り、及び/又は表6に記載される通り;
e)図11に示される通り、及び/又は表7に記載される通り;
f)図12に示される通り、及び/又は表8に記載される通り;
g)図13に示される通り、及び/又は表9に記載される通り;
h)図14に示される通り、及び/又は表12に記載される通り;
i)図15に示される通り、及び/又は表13に記載される通り;
j)図16に示される通り、及び/又は表14に記載される通り;
k)図17に示される通り、及び/又は表15に記載される通り;
l)図18に示される通り、及び/又は表16に記載される通り;
m)図19に示される通り、及び/又は表17に記載される通り;並びに
n)図20に示される通り、及び/又は表18に記載される通り
のMS/MSスペクトルをさらに特徴とする、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
1種又は複数の代謝産物が、それぞれ分子式a)C2450NOP、b)C2648NOP、c)C2650NOP、d)C2652NOP、e)C2654NOP、f)C2848NOP、g)C2852NOP、h)C2348NOP、j)C2552NOP、k)C2550NO10P、l)C2752NOP、m)C2754NOP、及びn)C2756NOPをさらに特徴とする、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
1種又は複数の代謝産物が、それぞれ構造
a)
【化40】

b)
【化41】

c)
【化42】

d)
【化43】

e)
【化44】

f)
【化45】

g)
【化46】

h)
【化47】

j)
【化48】

k)
【化49】

l)
【化50】

m)
【化51】

及び
n)
【化52】

をさらに特徴とする、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
ドルトンで測定して、a)531.3123、b)541.3422、c)555.3101、d)565.3394、e)567.3546、及びf)569.3687という正確な質量、又はそれに実質的に等しい質量を有する代謝産物からなる群から選択される化合物。
【請求項41】
それぞれ
a)図15に示される通り、及び/又は表13に記載される通り;
b)図16に示される通り、及び/又は表14に記載される通り;
c)図17に示される通り、及び/又は表15に記載される通り;
d)図18に示される通り、及び/又は表16に記載される通り;
e)図19に示される通り、及び/又は表17に記載される通り;並びに
f)図20に示される通り、及び/又は表18に記載される通り
のMS/MSスペクトルをさらに特徴とする、請求項40に記載の化合物。
【請求項42】
それぞれ分子式a)C3046NOP、b)C2552NOP、c)C2550NO10P、d)C2752NOP、e)C2754NOP、及びf)C2756NOPをさらに特徴とする、請求項41に記載の化合物。
【請求項43】
それぞれ構造
b)
【化53】

c)
【化54】

d)
【化55】

e)
【化56】

f)
【化57】

をさらに特徴とする、請求項42に記載の化合物。
【請求項44】
前立腺癌の診断のための請求項40〜43のいずれかに記載の1種又は複数の化合物の使用。
【請求項45】
前立腺癌患者における治療法の効果を評価するための請求項40〜43のいずれかに記載の1種又は複数の化合物の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2013−92527(P2013−92527A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−259409(P2012−259409)
【出願日】平成24年11月28日(2012.11.28)
【分割の表示】特願2009−500679(P2009−500679)の分割
【原出願日】平成19年3月23日(2007.3.23)
【出願人】(504353730)フェノメノーム ディスカバリーズ インク (16)
【Fターム(参考)】