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前立腺癌マーカポリペプチド、該ポリペプチドに対する抗体、及び該ポリペプチドを利用した前立腺癌の診断方法
説明

前立腺癌マーカポリペプチド、該ポリペプチドに対する抗体、及び該ポリペプチドを利用した前立腺癌の診断方法

【課題】前立腺癌マーカポリペプチド、該ポリペプチドに対する抗体、及び該ポリペプチドを利用した前立腺癌の診断方法を提供する。
【解決手段】特定のアミノ酸配列を含む、前立腺癌マーカポリペプチド、該前立腺癌マーカポリペプチドに対する抗体、及び特定のアミノ酸配列を含む、前立腺癌マーカポリペプチドの少なくとも1種を検出することを特徴とする、前立腺癌の診断方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、前立腺癌マーカポリペプチド、該ポリペプチドに対する抗体、及び該ポリペ
プチドを利用した前立腺癌の診断方法に関するものである。さらに詳細に述べると、アン
ドロゲン依存性前立腺癌、及びアンドロゲン非依存性前立腺癌それぞれに特異的なマーカ
ポリペプチド、それらに対する抗体、及び該マーカポリペプチド及び抗体を利用した前立
腺癌の診断方法、及び治療用医薬組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、前立腺癌は、米国において男性の罹患率第1位、かつ死亡率第2位の癌で、日本
でも高齢化と生活の欧米化の影響でその患者数が急激に増加しているが、前立腺癌は初期
症状がないため、転移を伴う進行癌の状態で発見されることが多い。
また現在、前立腺癌の腫瘍マーカとして前立腺特異抗原(Prostatic pecific Antigen
; PSA)が広く使われているが、PSAを用いた診断では、偽陽性が多く、良性と悪性との境
界領域が広い等の問題があり(非特許文献1)、新たな腫瘍マーカが検討されてきた。例
えば、前立腺癌特異性のアンドロゲンで調節された細胞表面セリンプロテアーゼである20
PlF12/TMPRS2に由来する腫瘍マーカ(特許文献1)、ヒト前立腺癌において発現されるC
型レクチン膜貫通抗原(特許文献2)、その他、多くの前立腺癌特異的タンパク質の発見
に伴う腫瘍マーカ(特許文献3)などである。しかし、これまで確度が高い診断を可能に
する前立腺癌マーカは発見、又は実用化されていなかった。
【0003】
さらに、初期の前立腺癌は増殖するために男性ホルモン(アンドロゲン)が必要であり
、そのため、アンドロゲン遮断療法が行われる。一方、該前立腺癌はアンドロゲン非依存
性を獲得して再増殖を始めるため、通常、該遮断療法の効果は2年以内に失われる。その
ため前立腺癌がアンドロゲン非依存性を獲得すると多くの患者は1年以内に死亡するので
、前立腺癌がアンドロゲン非依存性を獲得しているか否かを判断することは重要であるに
も係わらず、アンドロゲン非依存性の獲得を示す前立腺癌マーカは存在せず、アンドロゲ
ン非依存性前立腺癌に対し、ホルモン療法以外の治療法を早期から実施することができな
かった。
【特許文献1】特表2002−517185号公報
【特許文献2】特表2003−507042号公報
【特許文献3】特表2002−520054号公報
【非特許文献1】Chan DW, Sokoll LJ. Prostate-specific antigen: update 1997. J IntFed Clin Chem 1997; 9: 120-5
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、アンドロゲン依存性前立腺癌マーカポリペプチド、及びアンドロゲン非依存
性前立腺癌マーカポリペプチド、該マーカポリペプチドに特異的な抗体、及び該マーカポ
リペプチド及び抗体を利用した前立腺癌の診断方法、及び治療用医薬組成物を提供するこ
とを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、前立腺癌組織からタンパク質を取り出し、アガロース2DE法と液体ク
ロマトグラフィー又はタンデム質量分析を組み合わせ、プロテオーム解析により発現タン
パク質の解析を行った。その結果、Gene Bank データベースに登録されたタンパク質の
中から新たにアンドロゲン依存性前立腺癌、及びアンドロゲン非依存性前立腺癌のマーカ
となるポリペプチドを見出すことができた。本発明は、かかる研究成果に基づきなされた
ものである。
【0006】
したがって、本発明は、配列番号1〜35のいずれか1のアミノ酸配列を含む、前立腺
癌マーカポリペプチドを提供する。
また、本発明は、配列番号1〜35のいずれか1のアミノ酸配列から、アミノ酸残基1
以上の置換、欠失、付加及び/又は挿入によって変異したアミノ酸配列を含み、かつ配列
番号1〜35のいずれか1のアミノ酸配列を含む、前立腺癌マーカポリペプチドに対する
抗体産生を誘導する変異ポリペプチドを提供する。
【0007】
さらに、本発明は、下記(1)又は(2)のポリペプチド断片であって、かつ配列番号1〜3
5のいずれか1のアミノ酸配列を含む、前立腺癌マーカポリペプチドに対する抗体産生を
誘導するポリペプチド断片を提供する。
(1) 配列番号1〜35いずれか1のアミノ酸配列を含む、前立腺癌マーカポリペプチド
;及び
(2)配列番号1〜35のいずれか1のアミノ酸配列から、アミノ酸残基1以上の置換、欠
失、付加及び/又は挿入によって変異したアミノ酸配列を含み、かつ配列番号1〜35の
いずれか1のアミノ酸配列を含む、前立腺癌マーカポリペプチドに対する抗体産生を誘導
するポリペプチドである。
【0008】
さらに本発明は、配列番号1〜35のいずれか1のアミノ酸配列を含む、前立腺癌マー
カポリペプチドの少なくとも1種を検出することを特徴とする、前立腺癌の診断方法を提
供する。
さらに、本発明は、配列番号18〜35のいずれか1のアミノ酸配列を含む、前立腺癌
マーカポリペプチドの少なくとも1種を検出することを特徴とする、アンドロゲン非依存
性前立腺癌の診断方法を提供する。
さらに、本発明は、下記(a)、(b)又は(c)を含む、配列番号1〜35のいずれか1に記
載されたアミノ酸配列を含む前立腺癌マーカポリペプチドに対し特異性を有する抗体製造
用組成物を提供する。
(a) 配列番号1〜35のいずれか1に記載されたアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(b) 配列番号1〜35のいずれか1のアミノ酸配列から、アミノ酸残基1以上の置換、
欠失、付加及び/又は挿入によって変異したアミノ酸配列を含み、かつ配列番号1〜35
のいずれか1のアミノ酸配列を含む、前立腺癌マーカポリペプチドに対する抗体産生を誘
導するポリペプチド;及び
(c) (a)又は(b)のポリペプチド断片であって、かつ配列番号1〜35のいずれか1のア
ミノ酸配列を含む、前立腺癌マーカポリペプチドに対する抗体産生を誘導するポリペプチ
ド断片である。
【0009】
さらに本発明は、配列番号1〜35のいずれか1のアミノ酸配列を含む、前立腺癌マー
カポリペプチドに特異性を有する抗体を提供する。
さらに本発明は、前記抗体製造用組成物を哺乳動物に投与することを含む、配列番号1
〜35のいずれか1のアミノ酸配列を含む前立腺癌マーカポリペプチドに特異性を有する
抗体を製造する方法を提供する。
さらに本発明は、配列番号1〜35のいずれか1のアミノ酸配列を含む前立腺癌マーカ
ポリペプチドに特異性を有する抗体を、少なくとも1種含有する、前立腺癌治療用医薬組
成物を提供する。
さらに本発明は、配列番号18〜35のいずれか1のアミノ酸配列を含む前立腺癌マー
カポリペプチドに特異性を有する抗体を、少なくとも1種含有する、アンドロゲン非依存
性前立腺癌治療用医薬組成物、又はアンドロゲン非依存性前立腺癌形成阻害用医薬組成物
を提供する。
【0010】
さらに本発明は、配列番号1〜35のいずれか1のアミノ酸配列を含む前立腺癌マーカ
ポリペプチドに特異性を有する抗体を、少なくとも1種含有する、前立腺癌診断用キット
を提供する。
さらに本発明は、配列番号18〜35のいずれか1のアミノ酸配列を含む前立腺癌マ
チドに特異性を有する抗体を、少なくとも1種含有する、アンドロゲン非依存性前立腺癌
診断用キットを提供する。
さらに本発明は、下記(i)、(iii)を含む、前立腺癌診断用核酸プローブを提供する。
(i) 配列番号36〜70のいずれか1のヌクレオチド配列と、相補的なヌクレオチド配
列を有するポリヌクレオチド;
(ii) 配列番号36〜70のいずれか1のヌクレオチド配列と、相補的なヌクレオチド配
列の部分配列を含むヌクレオチド断片;又は
(iii) 配列番号36〜70のいずれか1のヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドと
、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズする、ポリヌクレオチド又はヌクレオチド
断片である。
【0011】
さらに、本発明は、配列番号36〜70のいずれか1のヌクレオチド配列を含む、ポリ
ヌクレオチドの少なくとも1種を検出することを含む、前立腺癌の診断方法を提供する。
さらに本発明は、配列番号36〜70のいずれか1のヌクレオチド配列の部分配列を含
むヌクレオチド断片からなる前立腺癌診断用プライマー(フォワードプライマー)、及び
配列番号36〜70のいずれか1のヌクレオチド配列と、相補的なヌクレオチド配列の部
分配列を含むヌクレオチド断片からなる、前立腺癌診断用プライマー(リバースプライマ
ー)を提供する。
【0012】
さらに本発明は、前記前立腺癌診断用核酸プローブを含む、前立腺癌診断用キットを提
供する。
さらに本発明は、下記(iv)、(v)又は(vi)を含む、アンドロゲン非依存性前立腺癌診断
用核酸プローブを提供する。
(iv) 配列番号53〜70のいずれか1のヌクレオチド配列と、相補的なヌクレオチド配
列を有するポリヌクレオチド;
(v) 配列番号53〜70のいずれか1のヌクレオチド配列と、相補的なヌクレオチド配
列の部分配列を含むヌクレオチド断片;又は
(vi) 配列番号53〜70のいずれか1のヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドと、
ストリンジェントな条件下でハイブリダイズする、ポリヌクレオチド又はヌクレオチド断
片である。
【0013】
さらに本発明は、配列番号53〜70のいずれか1のヌクレオチド配列を含む、ポリヌ
クレオチドの少なくとも1種を検出することを含む、アンドロゲン非依存性前立腺癌の診
断方法を提供する。
さらに本発明は、配列番号53〜70のいずれか1のヌクレオチド配列の部分配列を含
むヌクレオチド断片からなるアンドロゲン非依存性前立腺癌診断用プライマー(フォワー
ドプライマー)、及び配列番号54〜70のいずれか1のヌクレオチド配列と、相補的な
ヌクレオチド配列の部分配列を含むヌクレオチド断片からなる、アンドロゲン非依存性前
立腺癌診断用プライマー(リバースプライマー)を提供する。
【0014】
さらに本発明は、前記前立腺癌診断用核酸プローブを含む、アンドロゲン非依存性前立
腺癌診断用キットを提供する。
(定義)
本明細書で用いる用語「前立腺癌マーカポリペプチド」とは、ヒト前立腺癌細胞抽出液
から抽出され、アガロース二次元電気泳動によりゲル上に展開して得られた、ヒト前立腺
癌細胞に特異的なスポットから分離されたポリペプチドをいう。なお、該前立腺癌マーカ
ポリペプチドは、前立腺癌細胞から一般的に発現するポリペプチドであるが、アンドロゲ
ン非依存性を獲得した前立腺癌細胞において特徴的に発現量が変化するものがある。なお
、当該前立腺癌マーカポリペプチドは、癌細胞から分離、又は単離された形態のポリペプ
チドを含むものである。
【0015】
また、本明細書中で用いる用語「血清中抗体」とは、血清中に存在し、配列番号1〜3
5にいずれか1を含むポリペプチドと結合する抗体IgGを意味する。また、本明細書中で
用いる用語「抗体」、及び「標式化抗体」とは、配列番号1〜35にいずれか1を含むポ
リペプチド、その変異ポリペプチド、及びこれらのポリペプチド断片を免疫原として作成
されたポリクローナル抗体、又はモノクローナル抗体を意味する。
【発明の効果】
【0016】
本発明により、新規な、かつ優れた前立腺癌マーカポリペプチド、アンドロゲン非依存
性前立腺癌マーカポリペプチド、これら前立腺癌マーカポリペプチドに特異的な抗体、及
び該マーカポリペプチド及び抗体を利用した前立腺癌の診断方法、及び治療用医薬組成物
を得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(前立腺癌マーカポリペプチドの検索に用いた前立腺癌組織)
本発明の前立腺癌マーカポリペプチド検索に用いる、アンドロゲン依存性前立腺癌細胞
とアンドロゲン非依存性前立腺癌細胞は、従来知られている方法で作成することができる
(1)。例えば、アンドロゲン依存性ヒト前立腺癌細胞として、市販されているLNCaP細胞
株(American Type Culture Collection (ATCC), Rockville, MD, USA)を用いるこ
とができる。該LNCaP細胞株を、ウシ胎仔血清10%を含有する培養培地(例えば、Roswell
Park Memorial Institute (RPMI) medium)中で維持、培養した後、該培養LNCaP
細胞1x107個を0.1 ml マトリゲル(Matrigel, Becton Dickinson Labware, NJ, US
A) に混入して、雄ヌードマウス (BALB/c strain) の皮下に接種し、腫瘍が100から2
00 mm3になったところで、精巣を摘除する。該腫瘍は一次的に縮小するが、まもなく再
増殖を始める。このときの精巣摘除前の腫瘍をアンドロゲン依存性前立腺癌、精巣摘除後
に再増殖した腫瘍をアンドロゲン非依存性前立腺癌として用いることができる。
【0018】
(ヒト正常前立腺組織とヒト前立腺癌組織の採取)
本発明で用いたヒト正常前立腺組織と前立腺癌組織は、手術を施した患者の摘除検体か
ら採取した。主として、神奈川県相模原市にある北里大学病院泌尿器科で手術を受けた患
者から同意を得て採取されたものである。該正常前立腺組織は、例えば、膀胱癌治療のた
めに膀胱全摘除術が行われたときに同時に合併切除される前立腺から採取されたものであ
る。また、前立腺肥大症により前立腺切除術が実施されたときに非癌前立腺組織も採取し
た。さらにヒト前立腺組織は、前立腺癌治療のために前立腺全摘除術もしくは前立腺切除
術が行われたときに摘除される前立腺、或いは、前立腺癌診断の際に実施される前立腺生
検術のときに採取されたものである。このとき、事前に男性ホルモン遮断療法が施されて
いて、前立腺癌が再増殖を始めた症例の前立腺癌をアンドロゲン非依存性前立腺癌とした

【0019】
(前立腺癌マーカポリペプチドの検索)
前記検索用の前立腺癌組織から得た細胞抽出物に含まれるポリペプチドを、常法である
アガロース二次元電気泳動法によりゲル上に展開した(2)。すなわち、タンパク質の混合
液をまず各タンパク質が保有する電荷(等電点)で分離し(一次元目)、続いて分子量で
分離する(二次元目)手法である。最も一般的な方法は固定化pH勾配二次元電気泳動法
(イモビライン2DE)であり、例えば、アマシャムバイオサイエンス(株)から販売さ
れているキットを用いて実施することができる。
【0020】
この方法は、あらかじめpH勾配が固定化されたポリアクリルアミドゲルを一次元目に
用い、続いてSDSポリアクリルアミドゲルで分子量によってタンパク質を分離する手法
であるが、一次元目にアクリルアミドゲルを用いるため、高分子量タンパク質が分離でき
ないという欠点がある(3)。
【0021】
本発明者らが用いたアガロース二次元電気泳動法は、一次元目にアガロースゲルを用い
ることでこの欠点を克服したものである。典型的な該アガロース二次元電気泳動法の手法
を説明する。まず、アガロース1%、D−ソルビトール12%、5M尿素、1Mチオ尿素
、及び両性担体(例えば、ファルマライト、アマシャムバイオサイエンス(株))を混合
し、直径3.4 mm、長さ180 mmのガラス管に注入して1次元目のゲルを作成する。この一
端にタンパク質混合液、細胞抽出液、組織抽出液、又は血清などのサンプルを注入し、5
00〜1000ボルトの電圧をかけることにより電気勾配を作り、等電点電気泳動を行な
う。二次元目は5〜20%の濃度に調製したSDS−ポリアクリルアミドゲルを作成し、
電気泳動をかける(SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動、SDS−PAGE)。所
望の時間、電気泳動した後、二次元電気泳動ゲルをクーマジー染色、銀染色、シプロルビ
ー染色などで染色して可視化する。このようにして、サンプルに含まれるポリペプチドを
ゲル上のスポットとして得ることができる。
【0022】
(ゲル上のポリペプチド(タンパク質)の同定)
該ポリペプチドの同定は、プロテオーム解析により行なうことができる。すなわち、ア
ガロース二次元電気泳動法に、自動ライン化された液体クロマトグラム−タンデム質量分
析法 (LC/MS/MS) を組み合わせた公知の方法で実施できる(4)。すなわち、まず、ゲル
のタンパク質スポットをトリプシンなどでゲル内消化することでペプチドに分解する。様
々な部位で切断された、色々な長さの各ペプチド断片をLC/MS/MSで測定すると、ペプチド
の正確な質量が質量プロダクトイオン、又はマスタグとして得ることができる。このマス
タグの質量スペクトルのデータを使って、ゲノム解析で作製されたデータベースを検索し
、ポリペプチドを同定することができる。本発明者らは、該ペプチド断片の質量スペクト
ルデータを、解析ソフトウエア(SEQUEST)を用いて解析し、米国NCBIのデータベースを用
いて同定した。
【0023】
(二次元電気泳動ゲルの定量的スポット解析)
二次元電気泳動ゲルの乾燥後、該ゲルの像を画像ファイルとしてコンピュータに取り込
み、画像解析ソフトウエア(例えば、Phoretix 2D Advanced Version 5.01 (Nonlin
ear Dynamics Ltd, UK)など)を用いて、各タンパク質スポット毎に定量した。また、
同様の画像解析ソフトウエアによって、各ゲルのタンパク質スポットの適合、解析ができ
るので、ここからT検定などの統計学的手法を用いて、対照群別の比較検討を行った。
【0024】
(前立腺癌マーカポリペプチド)
このような二次元電気泳動ゲルと、プロテオーム解析により、本発明では、配列番号1
〜35のいずれか1のアミノ酸配列を含む、前立腺癌マーカポリペプチドを得ることがで
きた。これらのポリペプチドは、それぞれ特定の機能、又は発現する臓器などが知られて
いたが、本発明者らが見出すまで、前立腺癌との関係は全く知られていなかった。したが
って、本発明者らは、これらのポリペプチドが前立腺癌マーカとして利用できることを初
めて見出したのである。
【0025】
本発明の前立腺癌マーカポリペプチドを、従来知られていた名称などで列記する。なお
、それぞれのマーカポリペプチドに付された番号は、本明細書に添付された配列表のアミ
ノ酸配列番号と一致している。なお、該前立腺癌マーカの具体的な同定手順は、本明細書
の実施例1〜3に具体的に記載されている。
【0026】
1.KIAA0336 遺伝子産物(KIAA0336 gene product)
2.TAR RNA-相互作用タンパク質(TRIP TAR RNA-interacting protein, TRIP)
3.RAD50 ホモログ(RAD50 homolog)
4.仮想タンパク質 FLJ10839 (Hypothetical protein FLJ10839)
5.富ロイシンPPR-モチーフ包含(Leucine-rich PPR-motif containing)
6.RNA ヘリカーゼ KIAA0801 (RNA helicase KIAA0801)
7.ユビキチン特異性プロテアーゼ 7 (Ubiquitin specific protease 7)
8.カルシウム(ca2+)恒常性内部原形質網状質タンパク質
(Calcium (ca2+) homeostasis endoplasmic reticulum protein)
【0027】
9.関連ヌクレオポリン133kDa、又はMGC21133タンパク質
(Nucleoporin 133kDa, Protein for MGC21133)
10.RNA ヘリカーゼ関連タンパク質(RNA helicase-related protein)
11.MOP-4(MOP-4)
12.インスリン減成酵素(Insulin-degrading enzyme)
13.MCM5 ミニクロモソーム維持欠陥5,細胞分画サイクル46
(MCM5 minichromosome maintenance deficient 5, cell division cy
cle 46 (S. cerevisiae))
14.電圧依存性アニオン選択チャンネルタンパク質 1、又はVDAC1
(Voltage-dependent anion-selective channel protein 1 (VDAC-1))
【0028】
15.プロヒビチン(Prohibitin)
16.NipSnap1タンパク質(NipSnap1 protein)
17.ペロキシレドキシン 4 (Peroxiredoxin 4)
18.スプライシングコアクチベータサブユニットSRm300
(Splicing coactivator subunit SRm300)
19.ロンプロテアーゼホモログ(Lon protease homolog)
20.ピュロマイシン感受性アミノペプチダーゼ
(Puromycin-sensitive aminopeptidase)
【0029】
21.EBNA-2 コアクチベータ (100kD) (EBNA-2 co-activator (100kD))
22.JKTBP1
23.GTP-結合性タンパク質ベータ鎖ホモログ
(GTP-binding protein beta chain homolog)
24.核・塩素イオンチャンネルタンパク質
(Nuclear chloride ion channel protein)
25.ウィリアム−ベウレン症候群染色体領域1ホモログ
(William-Beuren syndrome chromosome region 1 homolog)
26.抗酸化性タンパク質 2 (Antioxidant protein 2 )
【0030】
27.ペルオキシレドクシン 1 (Peroxiredoxin 1)
28.コフィリン 1 (Cofilin 1)
29.クルッペルタイプ亜鉛フィンガータンパク質、もしくは、PEG3
(Kruppel-type zinc finger protein, PEG3)
30.スカフフォルドアッタッチメント因子B、又はHSP27 ERE-TATA-結合性タンパク質
(Scaffold attachment factor B, HSP27 ERE-TATA-binding protein)
31.スプライソゾーム関連タンパク質130(Spliceosome-associated protein 130)
32.T 細胞により認識される扁平上皮癌抗原3、又はSART3
(Squamous cell carcinoma antigen recognized by T cells 3, SA
RT3)
33.ユビキチン活性化酵素 E1 (Ubiquitin-activating enzyme E1)
34.カリオフェリン(インポルチン)ベータ1(Karyopherin (importin) beta 1)
【0031】
35.ha1225 遺伝子産物(The ha1225 gene product)
これら前立腺癌マーカポリペプチドを、アンドロゲン依存性前立腺癌の群とアンドロゲ
ン非依存性前立腺癌の群とで発現を統計学的に比較検討したところ、p<0.1において非依
存群で増加したマーカポリペプチドが12個、減少したマーカポリペプチドが6個認められ
た。すなわち、前記前立腺癌マーカポリペプチドのうち、特にアンドロゲン非依存性前立
腺癌に特異的なマーカが見出された。該アンドロゲン非依存性前立腺癌のマーカポリペプ
チドは次のとおりである。
【0032】
(アンドロゲン非依存性を獲得した後、発現量が増加するマーカポリペプチド)
18.スプライシングコアクチベータサブユニットSRm300
19.ロンプロテアーゼホモログ
20.ピュロマイシン感受性アミノペプチダーゼ
21.EBNA-2 コアクチベータ (100kD)
22.JKTBP1
23.GTP-結合性タンパク質ベータ鎖ホモログ
24.核・塩素イオンチャンネルタンパク質
25.ウィリアム−ベウレン症候群染色体領域1ホモログ
26.抗酸化性タンパク質 2
27.ペルオキシレドクシン 1
28.コフィリン 1
(アンドロゲン非依存性を獲得した後、発現量が減少するマーカポリペプチド)
【0033】
29.クルッペルタイプ亜鉛フィンガータンパク質
30.スカフフォルドアッタッチメント因子B、又はHSP27 ERE-TATA-結合性タンパク質
31.スプライソゾーム関連タンパク質130
32.T 細胞により認識される扁平上皮癌抗原3
33.ユビキチン活性化酵素 E1
34.カリオフェリン(インポルチン)ベータ1
35.ha1225 遺伝子産物
【0034】
したがって、抗体などを用いた検査により、被検者の血液中などに、前記1〜35の前
立腺癌マーカポリペプチドが見出された場合、該被験者を前立腺癌患者、又は前立腺癌ハ
イリスク者と判定することができる。また、被験者に、前記18〜28の前立腺癌マーカ
ポリペプチドの少なくとも1種の増加、及び/又は29〜35の前立腺癌マーカポリペプ
チドの少なくとも1種の減少が観察される場合、該被験者はアンドロゲン非依存性前立腺
癌を有するか、又はそのハイリスク者と判定することができる。
【0035】
したがって、被験者から得た検体と、該前立腺癌マーカポリペプチドを検出することに
より、前立腺癌を診断することができる。さらに、被験者から得た検体から、配列番号1
8〜35のいずれか1のアミノ酸配列を含む、前立腺癌マーカポリペプチドの少なくとも
1種を検出することにより、アンドロゲン非依存性前立腺癌の診断を行なうことができる
。該前立腺癌マーカポリペプチドの検出は、被験者から得た検体と、該前立腺癌マーカポ
リペプチドに対する抗体とを接触させることにより行なうことができる。
【0036】
本発明で用いる抗体は、配列番号1〜35のいずれか1のアミノ酸配列を含む、前立腺
癌マーカポリペプチドに特異性を有する抗体である。該抗体は、ポリクローナル抗体、又
はモノクローナル抗体のいずれであってもよい。
本発明の抗体を用いる免疫検定(測定)法を挙げると、酵素免疫測定法(EIA)、酵素イム
ノメトリックアッセイ法(ELISA)、蛍光免疫測定法(FIA)、放射線免疫測定法(RIA)、発光
免疫測定法、イムノブロット法、ウエスタンブロット法、免疫染色法などがある。
ウエスタンブロット法は、生体試料中に存在する当該タンパク質の分子量を知るために
有効である。この方法は、例えば、臓器組織由来の粗抽出液などの生体試料液をアクリル
アミドゲル電気泳動させた後、メンブランに転写し、当該タンパク質、又は当該ペプチド
を認識する抗体と反応させ、生成する免疫複合体を標識第二抗体を用いて検出するもので
ある。この方法では、該免疫複合体と結合する標識第二抗体の標識量を測定する。
【0037】
免疫染色法は、組織、及び細胞における対象ポリペプチドの発現部位を解析するために
有効である。この方法は、例えば、スライドガラス上に固定された組織切片、細胞などを
、本発明の抗体と反応させ、生成する免疫複合体を標識第二抗体を用いて検出することに
より実施する。この方法では、該免疫複合体と結合した標識第二抗体の標識量を測定する

【0038】
前記前立腺癌マーカポリペプチドを認識する抗体を用いる免疫検定の好ましい例として
、ELISA法を挙げることができる。このELISA法は、一般的な競合法、サンドイッチ法など
の手法に従って実施でき、更に液相系でも、固相系でも実施できる。
ELISA法の好ましい実施態様は次のとおりである。まず、標準抗原(例えば、精製した当
該ペプチド)を適当な担体に固定化し、ブロッキングする。次いで、検出が望まれるマー
カペプチドを含有するサンプル、及び当該抗体を、上記固定化標識抗原と接触させて、抗
体-免疫複合体、及び抗体-標準抗原免疫複合体を競合的に生成させる。生成した抗体-免
疫複合体の量を測定し、予め作製した検量線からサンプル中の、又は当該ポリペプチドの
質量を決定することができる。
【0039】
本発明の抗体と標準抗原との反応性が予め判っており、検量線などが作成できる場合に
は、前記固定化標準抗原の代わりに、当該ポリペプチドを含有するサンプルを固定化して
用いることもできる。
上記ELISA法の実施態様においては、当該抗体を第一抗体として用い、この第一抗体に
対する第二抗体を標識して用いることもできる。この場合は抗体-免疫複合体の量は、こ
れに結合した標識第二抗体の標識量を測定することにより容易に求めることができる。上
記方法の変法として、標識した第二抗体を用いることなく、第一抗体を、例えば酵素で標
識して利用することもできる。更に、第一抗体をビオチンで標識し、第二抗体の代わりに
アビシン、又はストレプトアビシンに酵素を結合させたものを用いてもよい。
【0040】
(本発明の抗体の調製)
本発明で用いる抗体は、本発明の前立腺癌マーカポリペプチドを認識し、抗原抗体反応
するものであれば、ポリクローナル抗体、又はモノクローナル抗体の何れであってもよい
。本発明の抗体の製造に用いる抗原となる、ポリペプチド、ペプチド又はその断片には下
記のものがある:
(1) 配列番号1〜35のいずれか1のアミノ酸配列を含む、前立腺癌マーカポリペプチ
ド;
(2) 配列番号1〜35のいずれか1のアミノ酸配列から、アミノ酸残基1以上の置換、
欠失、付加及び/又は挿入によって変異したアミノ酸配列を含み、かつ配列番号1〜35
のいずれか1のアミノ酸配列を含む、前立腺癌マーカポリペプチドに対する抗体産生を誘
導する変異ポリペプチド;及び
(3) 前記(1)又は(2)のポリペプチド断片であって、かつ配列番号1〜35のいずれか1
のアミノ酸配列を含む、前立腺癌マーカポリペプチドに対する抗体産生を誘導するポリペ
プチド断片である。
【0041】
なお、該ポリペプチド断片は、前立腺癌マーカポリペプチドに対する抗体産生を誘導す
ることができれば、特にその長さに制限はないが、通常、少なくとも15アミノ酸残基、
好ましくは、少なくとも20アミノ酸残基、特に好ましくは、少なくとも25アミノ酸残
基を含むものである。なお、これらの(1)又は(2)のポリペプチド、又は(3)そのペプチド
断片を、抗体誘導に好ましい成分と組み合わせて、抗体製造用組成物として用いることが
できる。本発明で用いる抗体を下記の方法で調製することができる。
【0042】
(モノクローナル抗体の調製)
まず、モノクローナル抗体産生細胞を次のように作成することができる。本発明の前記
(1)又は(2)のポリペプチド、又は(3)そのペプチド断片を、単独で、又は担体、希釈剤な
どと組み合わせて温血動物に投与する。投与に際して抗体産生能を高めるため、完全フロ
イントアジュバントや不完全フロイントアジュバントを投与してもよい。該投与は通常2
〜6週毎に1回ずつ、計2〜10回程度行なう。投与する温血動物の例を挙げると、サル
、ウサギ、イヌ、モルモット、マウス、ラット、ヒツジ、ヤギ、ニワトリなどがあり、特
にマウス、及びラットが好ましい。
【0043】
モノクローナル抗体産生細胞の作製に際しては、抗原で免疫された温血動物、例えばマ
ウスから抗体価の認められた個体を選択し、最終免疫の2〜5日後に脾臓、又はリンパ節
を採取する。そして、採取された組織に含まれる抗体産生細胞を同種、又は異種動物の骨
髄腫細胞と融合させることにより、モノクローナル抗体産生ハイブリドーマを調製するこ
とができる。
【0044】
抗血清中の抗体価の測定は、例えば、後述する標識化タンパク質と抗血清とを反応させ
たのち、抗体に結合した標識剤の活性を測定することにより行なうことができる。融合操
作は既知の方法、例えば、ケーラーとミルスタインの方法〔ネイチャー(Nature)、256
、495 (1975)〕に従い実施することができる。融合促進剤の例を挙げると、ポリエチレ
ングリコール(PEG)やセンダイウィルスなどがあり、特にPEGが好ましい。
【0045】
該骨髄腫細胞の例を挙げると、NS−1、P3U1、SP2/0、AP−1などの温血
動物の骨髄腫細胞があり、特にP3U1が好ましい。
融合時における抗体産生細胞(脾臓細胞)数と骨髄腫細胞数との好ましい比率は、1:
1〜20:1程度である。細胞融合は、PEG、好ましくはPEG1000〜PEG60
00を10〜80%程度の濃度で添加し、20〜40℃、好ましくは30〜37℃で1〜
10分間インキュベートすることにより効率良く実施できる。
【0046】
得られたモノクローナル抗体産生ハイブリドーマのスクリーニングは種々の方法で行な
うことができる。例えば、前立腺癌マーカポリペプチドの抗原を直接、又は担体とともに
吸着させた固相(例えば、マイクロプレート)に、ハイブリドーマ培養上清を添加し、次
に放射性物質や酵素などで標識した抗免疫グロブリン抗体(細胞融合に用いた細胞がマウ
スの場合、抗マウス免疫グロブリン抗体が用いられる。)、又はプロテインAを加え、固
相に結合したモノクローナル抗体を検出する方法;抗免疫グロブリン抗体、又はプロテイ
ンAを吸着させた固相にハイブリドーマ培養上清を添加し、放射性物質や酵素などで標識
したマーカポリペプチドを加え、固相に結合したモノクローナル抗体を検出する方法など
が挙げられる。
【0047】
モノクローナル抗体の選別は、常法に従って行なうことができる。通常、HAT(ヒポ
キサンチン、アミノプテリン、チミジン)を添加した動物細胞用培地で行なうことができ
る。また、選別、及び育種用培地としては、ハイブリドーマが生育できるものならばどの
ような培地を用いても良い。例えば、牛胎児血清1〜20%、好ましくは10〜20%含
むRPMI 1640培地、牛胎児血清1〜10%を含むGIT培地(和光純薬工業(株))、又
はハイブリドーマ培養用無血清培地(SFM-101、日水製薬(株))などを用いることがで
きる。
【0048】
培養温度は、通常20〜40℃、好ましくは約37℃である。培養時間は、通常5日〜
3週間、好ましくは1週間〜2週間である。培養は、通常、炭酸ガス5%の湿潤環境下で
行なう。ハイブリドーマ培養上清の抗体価は、上記の抗血清中の抗体価の測定と同様にし
て測定できる。
【0049】
モノクローナル抗体の分離、精製は、常法に従って行なうことができる。例えば、通常
、免疫グロブリンの分離、精製に利用される、塩析法、アルコール沈殿法、等電点沈殿法
、電気泳動法、イオン交換体(例、DEAE)による吸脱着法、超遠心法、ゲルろ過法、抗原
結合固相による方法、並びにプロテインA又はプロテインGなどの活性吸着剤により抗体
のみを採取し、結合を解離させて抗体を得る特異的精製法などである。
【0050】
(ポリクローナル抗体の調製)
本発明のポリクローナル抗体は、常法に従って製造することができる。例えば、免疫抗
原自体、又はその抗原性ペプチド断片とキャリアタンパク質との複合体をつくり、前記モ
ノクローナル抗体の製造法と同様に温血動物に免疫を行ない、該免疫動物から本発明のタ
ンパク質に対する抗体含有物を採取して、抗体の分離精製を行なうことにより製造するこ
とができる。
【0051】
温血動物の免疫に用いる免疫複合体を調製する場合、キャリアタンパク質の種類、及び
該キャリアタンパク質とハプテンとの混合比は、キャリアタンパク質に架橋させたハプテ
ンに対して抗体が効率よく産生されれば、特に制限されない。例えば、ウシ血清アルブミ
ン、ウシサイログロブリン、又はヘモシアニンをキャリアタンパク質として用いた場合、
これらを重量比でハプテン1に対し、約0.1〜20、好ましくは約1〜5の割合で架橋
させるのが好ましい。
【0052】
また、ハプテンとキャリアタンパク質のカップリングには、種々の縮合剤を用いること
ができる。該縮合剤の例を挙げると、グルタルアルデヒド、カルボジイミド、マレイミド
活性エステル、チオール基、ジチオビリジル基を含有する活性エステル試薬等がある。該
縮合生成物を、温血動物に対して、抗体産生が可能な部位にそれ自体、又は担体、希釈剤
とともに投与する。
【0053】
投与に際して抗体産生能を高めるため、完全フロイントアジュバントや不完全フロイン
トアジュバントを投与してもよい。投与は、通常約2〜6週毎に1回ずつ、計約3〜10
回程度行なう。ポリクローナル抗体は、前記方法で免疫された温血動物の血液、腹水など
から採取することができる。抗血清中のポリクローナル抗体価の測定は、上記の抗血清中
の抗体価の測定と同様にして行なうことができる。また、ポリクローナル抗体の分離精製
は、上記のモノクローナル抗体の分離精製と同様に免疫グロブリンの分離、精製法により
行なうことができる。
【0054】
本発明のガン診断用キットは、このようにして得られたポリクローナル、又はモノクロ
ーナル抗体を含むものである。該ガン診断用キットは、配列番号1〜35のいずれか1の
アミノ酸配列を含む、前立腺癌マーカポリペプチドに特異性を有する抗体を、少なくとも
1種利用することで、前立腺癌の診断に使用することができる。また、該ガン診断用キッ
トは、配列番号18〜35のいずれか1のアミノ酸配列を含む前立腺癌マーカポリペプチ
ドに特異性を有する抗体を、少なくとも1種を利用することにより、アンドロゲン非依存
性前立腺癌を診断することができる。
【0055】
なお、該診断用キットは、必要に応じて、免疫反応用ウェル、染色剤、検出用の酵素標
識抗体、洗浄液、抗体希釈液、検体希釈液、酵素基質、酵素基質液希釈液、その他の試薬
を含むものである。
また、配列番号1〜35のいずれか1のアミノ酸配列を含む前立腺癌マーカポリペプチ
ドに特異性を有する抗体は、前立腺癌特異的タンパク質の発現を抑制するものであるから
、ガン化の予防、進行遅延、及び治療に使用することができる。特に、配列番号18〜3
5のいずれか1のアミノ酸配列を含む前立腺癌マーカポリペプチドに特異性を有する抗体
は、前立腺癌のアンドロゲン非依存性獲得を阻害し、アンドロゲン非依存性前立腺癌の進
行遅延、及び治療に使用することができる。
【0056】
本発明の前記前立腺癌マーカポリペプチドに対する抗体を含む医薬組成物は、経口的に
、又は非経口的に投与することができ、さらに該非経口的投与は、組織への局所的な投与
を含む。
本発明の医薬組成物を経口投与する場合、汎用されている担体などの製剤用成分、例え
ば、充填剤、増量剤、結合剤、崩壊剤、崩壊抑制剤、緩衝剤、等張化剤、乳化剤、分散剤
、安定化剤、コーティング剤、界面活性剤、吸収促進剤、保湿剤、湿潤剤、吸着剤、滑沢
剤及び賦形剤などを用いることができる。また、必要に応じて着色剤、保存剤、香料、風
味剤、甘味剤などの添加剤を用いてもよい。
【0057】
製薬用成分の具体的な例を挙げると、乳糖、白糖、塩化ナトリウム、ブドウ糖、尿素、
デンプン、炭酸カルシウム、カオリン、結晶セルロース、ケイ酸などの賦形剤、水、エタ
ノール、単シロツプ、ブドウ糖液、デンプン液、ゼラチン溶液、カルボキシメチルセルロ
ース、セラツク、メチルセルロース、リン酸カリウム、ポリビニルピロリドンなどの結合
剤、乾燥デンプン、アルギン酸ナトリウム、カンテン末、ラミナラン末、炭酸水素ナトリ
ウム、炭酸カルシウム、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ラウリル硫酸ナ
トリウム、ステアリン酸モノグリセリド、デンプン、乳糖などの崩壊剤、白糖、ステアリ
ン酸、カカオバター、水素添加油などの崩壊抑制剤、第4級アンモニウム塩、ラウリル硫
酸ナトリウムなどの吸収促進剤、グリセリン、デンプンなどの保湿剤、デンプン、乳糖、
カオリン、ベントナイト、コロイド状ケイ酸等の吸着剤、精製タルク、ステアリン酸塩等
の滑沢剤などである。さらに必要に応じて、上記の各剤形について公知のドラッグデリバ
リーシステムの技術を採用し徐放化、局所適用化(トローチ、バッカル剤、舌下錠等)、
薬物放出制御、腸溶性化、胃溶性化などを施すことができる。
【0058】
また、本発明の医薬組成物を非経口投与する場合、点滴、静脈注射、皮下注射、筋肉注
射などの注射による投与、油脂製坐剤、水溶性坐剤、座剤による直腸投与などの形態とす
ることができる。該調剤は、製薬分野における通常の担体を用い、常法により容易に行な
うことができる。
本発明の抗体を含む医薬組成物は、例えば、ヒト、その他の哺乳動物(例えば、ラット
、マウス、モルモット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ウマ、ネコ、イヌ、サルなど)に
対して投与することができる。該抗体の投与量は、対象の状態、投与ルートなどにより適
宜変わるが、例えば、注射剤の形態で体重60kgの成人患者に投与する場合は、一日に
つき約50〜500mg程度、好ましくは約100〜250mg程度、より好ましくは約12
0〜200mg程度を静脈から投与するのが好ましい。
【0059】
また、本発明の前立腺癌マーカポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、すなわち
、配列番号36〜70のいずれか1のヌクレオチド配列を含む、ポリヌクレオチドの少な
くとも1種を検出することにより、被験者が前立腺癌を有するか、又はそのそのハイリス
ク者であるか否かを判定することができる。特に、配列番号53〜70のいずれか1のヌ
クレオチド配列を含む、ポリヌクレオチドの少なくとも1種を検出することにより、被験
者がアンドロゲン非依存性前立腺癌を有するか、又はそのハイリスク者であるか否かを判
定することができる。
【0060】
本発明の前立腺癌マーカポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを検出する、前立
腺癌の診断方法では、被験者から得た検体、例えば、血液、細胞抽出液、生検試料などに
含まれるポリヌクレオチドを検出する。
該ポリヌクレオチドの検出は、本発明の前立腺癌マーカポリペプチドをコードするポリ
ヌクレオチドを、その部分配列を有する合成DNAプライマーを用いてポリメラーゼ連鎖
反応法(PCR)によって増幅するか、又は適当なベクターに組み込んだポリヌクレオチド
を、本発明のポリペプチドの一部、又は全領域をコードするポリヌクレオチド、又は合成
DNAを用いて標識したものとのハイブリダイゼーションによって行なうことができる。
該ハイブリダイゼーションの方法は、例えば、モレキュラー・クローニング(5)に記載の
方法などで行なうことができる。該ハイブリダイゼーションは、ハイストリンジェントな
条件、例えば、ナトリウム濃度が約19〜40mM、特に約19〜20mMで、温度が約
50〜70℃、特に約60〜65℃の条件で行なうのが好ましい。また、ナトリウム濃度
が約19mMで温度が約65℃の場合が最も好ましい。
【0061】
本発明では、下記(i)、(ii)又は(iii)を含む、前立腺癌診断用核酸プローブを用いるこ
とができる。
(i) 配列番号36〜70のいずれか1のヌクレオチド配列と、相補的なヌクレオチド配
列を有するポリヌクレオチド;
(ii) 配列番号36〜70のいずれか1のヌクレオチド配列と、相補的なヌクレオチド配
列の部分配列を含むヌクレオチド断片;又は
(iii) 配列番号36〜70のいずれか1のヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドと
、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズする、ポリヌクレオチド又はヌクレオチド
断片である。
【0062】
特に、配列番号53〜70のいずれか1のヌクレオチド配列と相補的なヌクレオチド配
列を有するポリヌクレオチドは、アンドロゲン非依存性癌診断用核酸プローブとして用い
ることができる。
また、本発明の前立腺癌マーカポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを、PCR
法によって検出する場合、常法で行なうことができる。
該PCR法では、配列番号36〜70のいずれか1種のヌクレオチド配列に対するセン
ス鎖断片をフォワードプライマーとして、アンチセンス鎖断片をリバースプライマーとし
て用いる。
特に、配列番号53〜70のいずれか1のヌクレオチド配列の部分配列を含むヌクレオ
チド断片からなるプライマー(フォワードプライマー)、及び配列番号53〜70のいず
れか1のヌクレオチド配列と、相補的なヌクレオチド配列の部分配列を含むヌクレオチド
断片からなるプライマー(リバースプライマー)を用いることにより、アンドロゲン非依
存性前立腺癌の診断を行なうことができる。
【0063】
なお、該フォワードプライマーの長さは、特に制限する必要はないが、通常14〜60
bpであり、かつリバースプライマーの長さも特に制限する必要はないが、通常14〜60
pbとするのが好ましい。
本発明の前立腺癌診断用キットは、本発明の前立腺癌マーカポリペプチドをハイブリダ
イゼーションによって検出する場合、配列番号36〜70のいずれか1のポリペプチド配
列の一部、又は全領域をコードするポリヌクレオチド、又は合成DNAを用いて標識した
ものを、前立腺癌診断用核酸プローブとして含む。
【0064】
また、該前立腺癌診断用キットが、アンドロゲン非依存性前立腺癌の検出を目的とし、
該前立腺癌マーカポリペプチドをハイブリダイゼーションによって検出する場合、配列番
号53〜70のいずれか1のポリペプチド配列の一部、又は全領域をコードするポリヌク
レオチド、又は合成DNAを用いて標識したものを、前立腺癌診断用核酸プローブとして
含む。
【0065】
本発明の前立腺癌診断用キットは、本発明の前立腺癌マーカポリペプチドをPCR法に
よって検出する場合、配列番号36〜70のいずれか1種のヌクレオチド配列に対するセ
ンス鎖断片をフォワードプライマーとして、アンチセンス鎖断片をリバースプライマーと
して含む。また、本発明の前立腺癌診断用キットが、アンドロゲン非依存性前立腺癌の検
出を目的とし、前立腺癌マーカポリペプチドをPCR法によって検出する場合、配列番号
53〜70のいずれか1種のヌクレオチド配列に対するセンス鎖断片をフォワードプライ
マーとして、アンチセンス鎖断片をリバースプライマーとして含むものである。
【0066】
本発明の前立腺癌マーカポリペプチドは、そのコードされているポリヌクレオチドであ
る、配列番号36〜70のヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドを、適当な発現ベ
クターに組み込み、かつ該発現ベクターで適当な宿主を形質転換し、該宿主を増殖させる
ことにより製造することができる。
【0067】
本発明の前立腺癌マーカポリペプチドの発現ベクターは、該ポリペプチドをコードする
ポリヌクレオチドから目的とするDNA断片を切り出し、該DNA断片を適当なベクター
中のプロモーターの下流に連結することで製造することができる。
ここで用いるベクターには、大腸菌由来のプラスミド(例、pBR322,pBR32
5,pUC12,pUC13)、枯草菌由来のプラスミド(例、pUB110,pTP5
,pC194)、酵母由来プラスミド(例、pSH19,pSH15)、λファージなど
のバクテリオファージ、レトロウイルス,ワクシニアウイルス,バキュロウイルスなどの
動物ウイルス、pA1−11、pXT1、pRc/CMV、pRc/RSV、pcDNA
I/Neoなどがある。
【0068】
本発明で用いるプロモーターは、使用する宿主に対応した適切なプロモーターであれば
いかなるものでもよい。例えば、動物細胞を宿主として用いる場合は、SRαプロモータ
ー、SV40プロモーター、LTRプロモーター、CMVプロモーター、HSV-TKプ
ロモーターなどがある。該宿主がエシェリヒア属菌である場合は、trpプロモーター、
lacプロモーター、recAプロモーター、λPLプロモーター、lppプロモーター
、T7プロモーターなどがあり、該宿主がバチルス属菌である場合は、SPO1プロモー
ター、SPO2プロモーター、penPプロモーターなど、該宿主が酵母である場合は、
PHO5プロモーター、PGKプロモーター、GAPプロモーター、ADHプロモーター
などがあり、さらに該宿主が昆虫細胞である場合は、ポリヘドリンプロモーター、P10
プロモーターなどである。
【0069】
本発明の発現ベクターには、さらに所望によりエンハンサー、スプライシングシグナル
、ポリA付加シグナル、選択マーカー、SV40複製オリジンなどを含むものを用いるこ
とができる。該選択マーカーとしては、例えば、ジヒドロ葉酸還元酵素遺伝子、アンピシ
リン耐性遺伝子、ネオマイシン耐性遺伝子などがある。また、必要に応じて、宿主に適し
たシグナル配列を、本発明のポリペプチドのN端末側に付加する。該宿主がエシェリヒア
属菌である場合は、PhoAシグナル配列、OmpAシグナル配列などが、該宿主がバチルス属
菌である場合は、α−アミラーゼシグナル配列、サブチリシンシグナル配列などが、該宿
主が酵母である場合は、MFαシグナル配列、SUC2・シグナル配列などが、該宿主が
動物細胞である場合には、インシュリンシグナル配列、α−インターフェロンシグナル配
列、抗体分子シグナル配列などを利用できる。このように構築した本発明のポリペプチド
をコードするDNAを含有するベクターを用いて、形質転換体を製造することができる。
【0070】
本発明で用いる宿主には、例えば、エシェリヒア属菌、バチルス属菌、酵母、昆虫細胞
、昆虫、及び動物細胞などがある。該バチルス属菌を形質転換するには、例えば、モレキ
ュラー・アンド・ジェネラル・ジェネティックス(Molecular & General Genetics)
,168巻,111(1979)などに記載の方法がある。酵母を形質転換するには、例え
ば、メソッズ・イン・エンザイモロジー(Methods in Enzymology),194巻,18
2−187(1991)、プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ
・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユーエスエー(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),75
巻,1929(1978)などの方法がある。昆虫細胞又は昆虫を形質転換するには、例え
ば、バイオ/テクノロジー(Bio/Technology),6, 47-55(1988)などに記載の方法があ
る。また、動物細胞を形質転換するには、例えば、細胞工学別冊8新細胞工学実験プロト
コール.263−267(1995)(秀潤社発行)、ヴィロロジー(Virology),52
巻,456(1973)に記載の方法がある。このようにして、本発明のポリペプチドをコ
ードするDNAを含有する発現ベクターで形質転換された形質転換体を作製することがで
きる。
【0071】
該宿主がエシェリヒア属菌、バチルス属菌である形質転換体を培養する際、培養に使用
される培地としては液体培地が適当であり、その中には該形質転換体の生育に必要な炭素
源、窒素源、無機物その他が含くまれている。ここで炭素源としては、例えば、グルコー
ス、デキストリン、可溶性澱粉、ショ糖など、窒素源としては、例えば、アンモニウム塩
類、硝酸塩類、コーンスチープリカー、ペプトン、カゼイン、肉エキス、大豆粕、バレイ
ショ抽出液など、また無機栄養分としては、例えば、塩化カルシウム、リン酸二水素ナト
リウム、塩化マグネシウムなどある。また、酵母エキス、ビタミン類、生長促進因子など
を添加してもよい。培地のpHは約5〜8が望ましい。
【0072】
エシェリヒア属菌を培養する培地としては、例えば、グルコース、カザミノ酸を含むM
9培地〔ミラー(Miller),ジャーナル・オブ・エクスペリメンツ・イン・モレキュラー
・ジェネティックス(Journal of Experiments in Molecular Genetics),431
−433,Cold Spring Harbor Laboratory, New York1972〕が好ましい。
また、プロモーターを効率よく働かせるために、例えば、3β−インドリルアクリル酸
のような薬剤を加えることができる。宿主がエシェリヒア属菌の場合、培養は通常約15
〜43℃で約3〜24時間行ない、必要により、通気や撹拌を加えることもできる。宿主
がバチルス属菌の場合、培養は通常約30〜40℃で約6〜24時間行ない、必要により
通気や撹拌を加えることもできる。
【0073】
宿主が酵母である形質転換体を培養する培地としては、例えば、バークホールダー(Bu
rkholder)最小培地〔Bostian, K. L. ら、プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル
・アカデミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユーエスエー(Proc. Natl. Acad.
Sci. USA),77巻,4505(1980)〕や0.5%カザミノ酸を含有するSD培地
〔Bitter, G. A. ら、プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ
・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユーエスエー(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),81
巻,5330(1984)〕がある。該培地のpHは約5〜8に調整するのが好ましい。
培養は通常約20℃〜35℃で約24〜72時間行ない、必要に応じて通気や撹拌を加え
る。
【0074】
宿主が昆虫細胞である形質転換体を培養する場合、グレイスインセクト培地(Grace's
Insect Medium: Grace, T.C.C.,Nature,195,788(1962))に非動化した10%ウシ血清
等の添加物を加えた倍地などを用いる。該培地のpHは約6.2〜6.4に調整するのが
好ましい。培養は通常約27℃で約3〜5日間行ない、必要に応じて通気や撹拌を加える

【0075】
また、宿主が動物細胞である形質転換体を培養する場合、培地としては、例えば、約5
〜20%の胎児牛血清を含むMEM培地〔サイエンス(Science),122巻,501(1
952)〕,DMEM培地〔ヴィロロジー(Virology),8巻,396(1959)〕,R
PMI 1640培地〔ジャーナル・オブ・ザ・アメリカン・メディカル・アソシエーシ
ョン(The Journal of the American Medical Association)199巻,519(1
967)〕,199培地〔プロシージング・オブ・ザ・ソサイエティ・フォー・ザ・バイ
オロジカル・メディスン(Proceeding of the Society for the Biological Medi
cine),73巻,1(1950)〕などを用いる。pHは約6〜8であるのが好ましい。培
養は通常約30℃〜40℃で約15〜60時間行ない、必要に応じて通気や撹拌を加える
。このようにして、形質転換体の細胞内、細胞膜又は細胞外に本発明のポリペプチドを産
生させることができる。
【0076】
上記培養物から本発明のポリペプチドを分離精製するには、常法に従う。例えば、本発
明のポリペプチドを培養菌体、細胞から抽出するに際して、培養後、公知の方法で菌体又
は細胞を集め、これを適当な緩衝液に懸濁し、超音波、リゾチーム及び/又は凍結融解な
どによって菌体あるいは細胞を破壊したのち、遠心分離やろ過によりポリペプチドの粗抽
出液を得る方法などである。該緩衝液の中に尿素や塩酸グアニジンなどの変性剤や、トリ
トンX−100TMなどの界面活性剤が含まれていてもよい。培養液中にポリペプチドが分
泌される場合には、培養終了後、公知の方法で菌体又は細胞と上清とを分離し、上清を集
める。このようにして得られた培養上清、又は抽出液中に含まれるポリペプチドの精製は
、公知の分離・精製法を適宜組み合わせて行なう。これらの公知の分離・精製法としては
、塩析や溶媒沈澱法などの溶解度を利用する方法、透析法、限外ろ過法、ゲルろ過法、及
びSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法などの主として分子量の差を利用する方法
、イオン交換クロマトグラフィーなどの荷電の差を利用する方法、アフィニティークロマ
トグラフィーなどの特異的親和性を利用する方法、逆相高速液体クロマトグラフィーなど
の疎水性の差を利用する方法、等電点電気泳動法などの等電点の差を利用する方法などが
ある。
【0077】
該ポリペプチドが遊離体で得られた場合には、公知の方法よって塩に変換することがで
き、逆に塩で得られた場合には公知の方法により、遊離体または他の塩に変換することが
できる。なお、組換え体が産生するポリペプチドを、精製前又は精製後に適当なタンパク
修飾酵素を作用させることにより、任意に修飾を加えたり、ポリペプチドを部分的に除去
することもできる。タンパク修飾酵素としては、例えば、トリプシン、キモトリプシン、
アルギニルエンドペプチダーゼ、プロテインキナーゼ、グリコシダーゼなどがある。この
ようにして生成した本発明のポリペプチドは、特異抗体を用いたエンザイムイムノアッセ
イやウエスタンブロッティングなどにより確認することができる。
【実施例1】
【0078】
前立腺癌細胞株からのポリペプチド試料の抽出
American Type Culture Collection (ATCC, Rockville, MD, USA)から入手した
、ヒト前立腺癌細胞株LNCaPを前立腺癌マーカポリペプチドを検索するサンプリングとし
て使用した。LNCaP細胞を、ウシ胎仔血清10%を含有するRPMI倍地(Roswell Park Memor
ial Institute medium: RPMI)中で、CO25%湿潤環境下、37℃で培養した。また、本
実施例では、LNCaP細胞を日本SLC(静岡、日本)から購入したオスヌードマウス (BALB/
c strain)に移植した。
【0079】
まず、LNCaP細胞1x107個をマトリゲル0.1 ml (Matrigel: Becton Dickinson Labw
are, NJ, USA) に混入し、該混合物を雄ヌードマウスの背部皮下に移植した。癌組織
が100から200 mm3になったところで、精巣を摘除した。癌組織は一次的に縮小したが、
まもなく再増殖を始めた。該癌が200から400 mm3に達したところで摘出した。精巣摘除
前に採取した癌をアンドロゲン依存性 (Androgen Dependent; AD)、精巣摘除後に再増
殖した癌をアンドロゲン非依存性 (Androgen Independent; AI) とした。
【実施例2】
【0080】
癌マーカポリペプチド分布マップの作製
実施例1で得た癌細胞を20倍重量のタンパク抽出液でホモジュナイズし、超遠心した
後、得られた上清をプロテオーム解析に使用した。本発明者らは、該プロテオーム解析を
アガロース二次元電気泳動法にタンデム質量分析法(MS/MS)を組み合わせて実施した。
【0081】
アガロース二次元電気泳動法は、一次元目の等電点電気泳動にアガロースを適用した公
知の方法によって行った(2)。すなわち、前記抽出液100μl(タンパク質1mgに相当)を
直径3.4 mm、長さ180 mmのアガロースゲル上端に置き、700 vの電荷を20時間かけた。
その後、このゲルを195×120 mmのSDS-PAGEゲル (12%均一ゲルと6-10%濃度勾配ゲル)の
上に置き、SDSサンプルバッファー (SDS2%、グリセロール10%、2-メルカプトエタノール
5%、ブロモフェニルブルー0.02%、0.05Mトリス-HCl, pH 6.5) を上部から流して、60
mAで泳動した。泳動終了後、ゲルをクーマジーブリリアントブルーR-350 (Coomasie
Brilliant Blue R-350)で染色した。
【0082】
前立腺癌のアガロース二次元電気泳動ゲル上の合計324個のタンパク質スポットの同定
を進め、ゲル間で重複しているスポットを除いて303個のスポットに番号をつけて二次元
電気泳動ゲルマップを作成した。高分子タンパク質領域に重点をおいた6-10%濃度勾配ゲ
ルから108個(図1)、中低分子タンパク質領域に重点を置いた12%均一ゲルから195個(
図2)のスポットに番号を付した。その後、これらスポットから、合計233個のタンパク
質を同定することができた。
【0083】
なお、図1及び2は、実施例1のアンドロゲン非依存性前立腺癌細胞に由来する、癌マ
ーカポリペプチドの分布を示すマップである。また、得られた二次元電気泳動ゲルは乾燥
後、画像ファイルとしてコンピュータに取り込み、画像解析ソフトウエア(Phoretix 2D
Advanced Version 5.01 : Nonlinear Dynamics Ltd, UK)を用いてタンパク質ス
ポットの定量解析を行った。
【実施例3】
【0084】
実施例2で得られた二次元電気泳動ゲルのスポットを、公知の液体クロマトグラム−タ
ンデム質量分析法(LC-MS/MS)によって同定した。すなわち、ゲル上のスポットを切り出し
、タンパク質をトリプシンでゲル内消化したのちに約15pmolに相当する量をLC-MS/MSに
かけた。ここから得られたペプチド断片の質量情報を解析ソフトウエア(SEQUEST)を用い
て解析し、米国NCBIのデータベースにより前記ゲル上のスポットに含まれるタンパク質を
同定した。タンパク質のアミノ酸配列と塩基配列もNCBIデータベースによった。なお、2
003年9月1日現在、下記URLでプロテオーム解析ソフトウエア(SEQUEST)を入手す
ることができる。
【0085】
URL: http://fields.scripps.edu/sequest/index.html
またNCBIデータベースのURLは次のとおりである。
URL: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query.fcgi/
前記NCBIデータベースで同定した全タンパク質233個をMedLineを用いて検索したところ
、これまで前立腺癌との関連性が報告されていないタンパク質35個が含まれており、すな
わち、新たな前立腺癌マーカポリペプチドが見出された。
【0086】
ここで同定されたタンパク質は、本明細書の実施の態様の項に列挙されている。それぞ
れのタンパク質に付された番号は、本明細書に添付された配列表のアミノ酸配列番号と一
致している。
【実施例4】
【0087】
アンドロゲン非依存性前立腺癌マーカポリペプチドの選別
二次元電気泳動ゲルは乾燥後に画像ファイルとしてコンピュータに取り込み、画像解析
ソフトウエアPhoretix 2D Advanced Version 5.01 (Nonlinear Dynamics Ltd, U
K)を用いてタンパク質スポットの定量解析を行った。アンドロゲン依存群5検体と非依存
群5検体の二次元電気泳動ゲルのタンパク質スポットを個別にPhoretix 2D Advanced V
ersion 5.01で定量比較し、2群間における各スポットの発現量をT検定によって統計学
的に検定した。
【0088】
アンドロゲン依存群と非依存群とでタンパク質の発現を統計学的に比較検討したところ
、実施例3で見出された前立腺癌マーカポリペプチドのうち、p<0.1において非依存群で
増加したタンパク質が12個、減少したタンパク質が6個認められた。同様に、p<0.05では
、増加したタンパク質が7個、減少したタンパク質が4個認められた。
【0089】
図3に、前立腺癌のアンドロゲン非依存性獲得に伴い統計学的有意差 (p<0.05) をも
って量的増減を示したタンパク質スポットと、その定量比較グラフを示した。図3におい
て、ADはアンドロゲン依存群を、AIはアンドロゲン非依存群をPNは、図1及び2における
タンパク質スポット特定番号(Protein-identification number)を示す。なお、該PNは
実施例で用いるタンパク質スポットの固有番号であり、本明細書の配列表の配列番号とは
一致していない。
【0090】
また、肉眼的に各群のゲルで増減のみられたポリペプチドも含めて文献的に検討したと
ころ、従来、前立腺癌との関連が報告されていないものは17個あった(図3)。これら
は、配列表に記載されている配列番号18〜36のアミノ酸配列を含む、ポリペプチドで
ある。これらポリペプチドの電気泳動像を解析の結果、配列番号18〜28のアミノ酸配
列を含むポリペプチドは、前立腺癌がアンドロゲン非依存性を獲得した場合に発現量が増
加し、配列番号29〜36のアミノ酸配列を含むポリペプチドは、発現量が減少すること
が明らかになった。
【実施例5】
【0091】
ヒト前立腺癌における前立腺癌マーカポリペプチドの発現
ヒト前立腺癌における、前記前立腺癌マーカポリペプチドの発現を、抗体を用いたウエ
スタンブロットにより確認した。
(ヒト前立腺癌サンプルの調製)
本実施例で用いたヒトの前立腺癌組織、及び正常前立腺組織は、神奈川県相模原市にあ
る北里大学病院泌尿器科で手術を受けた患者から同意を得て採取した。患者の詳細は以下
のとおりである。
【0092】
1.NP1:正常前立腺組織:51歳男性、膀胱癌にて合併摘除された前立腺から正常前立
腺組織を採取した。
2.P8:正常前立腺組織:70歳男性、前立腺癌にて前立腺全摘除術を施行された。非癌
部位から正常前立腺組織を採取した。
3.P3:正常前立腺組織:60歳男性、膀胱癌にて合併摘除された前立腺から正常前立
腺組織を採取した。
4.P5:前立腺癌組織(アンドロゲン依存性):50歳男性、前立腺癌にて前立腺全摘
除術を施行された。肉眼的に癌部位から前立腺癌組織を採取した。
5.P1:前立腺癌組織(アンドロゲン非依存性):80歳男性、前立腺癌にてアンドロ
ゲン除去療法を試行後に再発し、尿閉となったため、経尿道的前立腺切除術が施行された
。切除組織はアンドロゲン非依存性前立腺癌であり、これを採取した。
【0093】
6.CaP5:前立腺癌組織(アンドロゲン非依存性):64歳男性、前立腺癌のため、
6ヶ月間の術前アンドロゲン除去療法を施行後に前立腺全摘除術を施行された。肉眼的に
癌部位から前立腺癌組織を採取した。
得られた癌組織を20倍重量のタンパク抽出液でホモジュナイズし、超遠心後の上清を用
いて検討を行った。
まず、LNCaPマウス接種モデルの癌抽出液と前記ヒト前立腺組織抽出液のタンパク質濃
度を公知のBradford法で定量し、SDSサンプルバッファー (SDS2%、グリセロール10%、2-
メルカプトエタノール5%、ブロモフェニルブルー0.02%、0.05Mトリス-HCl、pH 6.5)で希
釈して2 mg/mlに調製した。これを97℃で15分間インキュベートしてサンプルを調製した

【0094】
該サンプルを各10μlずつ12.5% SDS-PAGEゲルで電気泳動した。このゲルのタンパク質
をPVDF膜上に転写した。これを3%ゼラチン溶液でブロッキングして、当該タンパク質の
一次抗体溶液で反応させ、アルカリフォスファターゼ標識の二次抗体を反応させた。
(前立腺癌マーカポリペプチドと抗体)
使用した一次抗体は下記のとおりである。
配列番号3のアミノ酸配列を含む前立腺癌マーカポリペプチド(Rad50):市販の抗ヒトR
AD50ウサギポリクローン性抗体(AB3754, Chemicon International, Inc., CA, USA

配列番号11.のアミノ酸配列を含む前立腺癌マーカポリペプチド(Mop-4):市販の抗ヒ
トMOP4ウサギポリクローン性抗体(AB5442P, Chemicon International, Inc., CA,
USA)
配列番号14のアミノ酸配列を含む前立腺癌マーカポリペプチド(VDAC-1):市販の抗ヒ
トVDAC-1ヤギポリクローン性抗体(sc-8828, Santa Cruz Biotechnology, Inc., CA
, USA)
配列番号19のアミノ酸配列を含む前立腺癌マーカポリペプチド(LON protease):配
列番号19のアミノ酸配列のポリペプチド断片(配列番号71)を合成し、キャリアタン
パク質と組み合わせてウサギの皮下に8回接種後、血清を採取し、該血清を一次抗体とし
て使用した。
【0095】
ポリペプチド断片 CFDIAFPDEQAEALAVER (配列番号:71)
配列番号21のアミノ酸配列を含む前立腺癌マーカポリペプチド(EBNA-2 co-activato
r; p100):配列番号21のアミノ酸配列のポリペプチド断片(配列番号72)を合成し
、キャリアタンパク質と組み合わせてウサギの皮下に8回接種後、血清を採取し、該血清
を一次抗体として使用した。
【0096】
ポリペプチド断片 RPASPATETVPAFSERTC (配列番号:72)
配列番号30のアミノ酸配列を含む前立腺癌マーカポリペプチド(Scaffold attachmen
t factor B, HSP27 ERE-TATA-binding protein):配列番号30のアミノ酸配列のポ
リペプチド断片(配列番号73)を合成し、キャリアタンパク質と組み合わせてウサギの
皮下に8回接種後、血清を採取し、該血清を一次抗体として使用した。
【0097】
ポリペプチド断片 CRMQAQWEREERERLEIAR (配列番号:73)
配列番号33のアミノ酸配列を含む前立腺癌マーカポリペプチド(Ubiquitin-activatin
g enzyme E1):市販の抗ヒトUbiquitin-activating enzyme E1マウスモノクローン性
抗体 (MAB3520, Chemicon International, Inc., CA, USA)
使用した二次抗体は下記とおりで、購入して使用した。
【0098】
抗マウスIgG(アルカリフォスファターゼ標識)(115-055-003, Jackson ImmunoResea
rch Laboratories, Inc., PA, USA)
抗ウサギIgG(アルカリフォスファターゼ標識)(172-1016, Bio-Rad Laboratories,
CA, USA)
抗ヤギIgG(アルカリフォスファターゼ標識)(AP-5000, Vector Laboratories, Inc
., CA, USA)
(結果)
配列番号3のアミノ酸配列を含む前立腺癌マーカポリペプチド(Rad50)の抗体による検
出結果:
Rad50は正常前立腺組織で強い発現が認められるが、前立腺癌組織では発現が減少して
いた(図4)。
【0099】
配列番号11.のアミノ酸配列を含む前立腺癌マーカポリペプチド(Mop-4)の抗体による
検出結果:
Mop-4は正常前立腺組織で強い発現が認められるが、前立腺癌組織では発現が減少して
いた(図5)。
配列番号14のアミノ酸配列を含む前立腺癌マーカポリペプチド(VDAC-1)の抗体による
検出結果:
VDAC-1は正常前立腺組織で発現が少なく、前立腺癌組織では発現が増加していた(図6
)。
【0100】
配列番号19のアミノ酸配列を含む前立腺癌マーカポリペプチド(LON protease)の抗
体による検出結果:
LON proteaseは正常前立腺組織で発現が少なく、前立腺癌組織では発現が増加してい
た。さらに、アンドロゲン依存群に比べて非依存群で発現が増加していた(図7)。
配列番号21のアミノ酸配列を含む前立腺癌マーカポリペプチド(EBNA-2 co-activato
r; p100)の抗体による検出結果:
EBNA-2 co-activator; p100は正常前立腺組織で強い発現が認められるが、前立腺癌
組織では発現が減少していた。また、アンドロゲン依存群に比べて非依存群で発現が増加
していた(図8)。
【0101】
配列番号30のアミノ酸配列を含む前立腺癌マーカポリペプチド(Scaffold attachment
factor B, HSP27 ERE-TATA-binding protein)の抗体による検出結果:
該マーカポリペプチドは、正常前立腺組織で発現が少なく、前立腺癌組織では発現が増
加していた。また、アンドロゲン依存群に比べて非依存群で発現が減少していた(図9)

【0102】
配列番号33のアミノ酸配列を含む前立腺癌マーカポリペプチド(Ubiquitin-activatin
g enzyme E1)の抗体による検出結果:
Ubiquitin-activating enzyme E1は正常前立腺組織で発現が少なく、前立腺癌組織で
は発現が増加していた。また、アンドロゲン依存群に比べて非依存群で発現が減少してい
た(図10)。
【実施例6】
【0103】
逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)による分析
アンドロゲン依存性、及びアンドロゲン非依存性のヒト前立腺癌における、前立腺癌マ
ーカポリペプチドをコードする、配列番号53から70のmRNA発現レベルを、RT-PCを用
いて次のように分析することができる。
まず、前立腺組織中のmRNAの抽出を、ISOGEN RNA 分離キット(ISOGEN RNA isolation
kit, ISOGEN社)を用いて製造業者の仕様書にそって行なう。RT-PCRは、タカラRNA LA
PCR キットVer. 1.1(Takara RNA LA PCR kit Ver. 1.1,タカラ酒造、大津)を
用いて公知の方法に拠って行なう(6)。
【0104】
すなわち、第1鎖 cDNAは総RNA (1.5μg)をテンプレートとして合成する。ランダム
ヘキサマー(Random hexamer, 50 pM)を5 mM MgCl2, 1 x RNA PCR 緩衝液, 10
mM dNTP mix, 20 U リボヌクレアーゼ阻害剤を含む反応液で30℃10分、55℃15分
、99℃5分間、インキュベートする。蒸留水で40μlになるよう希釈した後、そのうちの5
μlに2.5 U Tag ポリメラーゼ(タカラ酒造),1.5 mM MgCl2, 1 x RNA PCR 緩
衝液, 10 mM dNTP mix, そして、フォワードプライマー及びリバースプライマーそ
れぞれ20 pMを加え、DNA サーマルサイクラー(ASTEC、福岡)を用いて35サイクル増幅す
る。PCR産物を3%アガロースゲル電気泳動によって分析する。この分析のために用いるプ
ライマー/プローブのセットの最適な配列を、コンピュータによって決定する。
【0105】
本明細書の配列表の配列番号は、以下に説明する配列を示す。なお、配列番号1〜35
のアミノ酸配列を有するポリペプチドは、これまで前立腺癌との関係が知られておらず、
本発明者らにより初めて前立腺癌との関係が知られたものである。また、配列番号36〜
70のポリヌクレオチドは、配列番号1〜35のいずれか1のポリペプチドをコードする
mRNA 又はDNAである。また、下記説明における略号「NCBI」は、データベース Nationa
l Center for Biotechnology Information を意味し、「PN」は、図1及び2の電気
泳動像におけるスポットの番号を意味する。
【0106】
(配列番号:1) 本発明の前立腺癌マーカポリペプチドのアミノ酸配列を示す。該配列
は、KIAA0336遺伝子産物のアミノ酸配列でもある。該遺伝子産物は、脳cDNAライブラリー
に見られ、モチーフデータベースから、シグナル伝達、核酸調節、細胞骨核に関与するこ
とが報告されている。NCBI Accession No.7662062, PN:029
(配列番号:2) 本発明の前立腺癌マーカポリペプチドのアミノ酸配列を示す。該配列
は、TAR RNA-相互作用タンパク質(TRIP TAR RNA-interacting protein, TRIP)又
はTRIPポリペプチドと考えられている遺伝子産物のアミノ酸配列でもある。胎児心でmRNA
が高発現することが報告されている。Reed (1998)により卵巣癌cDNAライブラリーから分
離され、MSで83kDだがSDS-PAGEでは160kDなので,ダイマー形成していると考えられてい
る(Wilson, 1998)。NCBI Accession No.4758690, PN:041
(配列番号:3) 本発明の前立腺癌マーカポリペプチドのアミノ酸配列を示す。該配列
は、RAD50 ホモログ(RAD50 homolog: S.cerevisiae)のアミノ酸配列でもある。該ホ
モログがアデノウイルスの腫瘍性タンパク質(oncoprotein)とRAD50-MRE11-NBS1複合体を
不活化させて発癌性を発揮することが報告されている。
NCBI Accession No.19924129, PN:045
【0107】
(配列番号:4) 本発明の前立腺癌マーカポリペプチドのアミノ酸配列を示す。該配列
は、仮想ポリペプチドFLJ10839のアミノ酸配列でもある。SAPモチーフがあるため,DNA結
合部位を有すると思われるが、これまで機能は不明であった。
NCBI Accession No.20471264, PN:049
(配列番号:5) 本発明の前立腺癌マーカポリペプチドのアミノ酸配列を示す。該配列
は、富ロイシンPPR-モチーフ包含(Leucine-rich PPR-motif containing)遺伝子産物
のアミノ酸配列でもある。該遺伝子産物は、肝臓芽腫のcDNAで高発現し、そのアミノ酸配
列から機能推定により、細胞骨格,細胞内輸送,転写,核細胞質閉鎖に関与していると考
えられている。
NCBI Accession No.18959202, PN:054
【0108】
(配列番号:6) 本発明の前立腺癌マーカポリペプチドのアミノ酸配列を示す。該配列
は、RNA ヘリカーゼ KIAA0801 (RNA helicase KIAA0801)のアミノ酸配列でもある
。NCBI Accession No.7662318, PN:057.2
(配列番号:7) 本発明の前立腺癌マーカポリペプチドのアミノ酸配列を示す。該配列
は、ユビキチン特異性プロテアーゼ 7 (Ubiquitin specific protease 7)のアミ
ノ酸配列でもある。該プロテアーゼ7は、P53遺伝子を安定化させてp53を介する成長阻害
やアポトーシスを補助する癌抑制タンパクであると報告されている。
NCBI Accession No.4507857, PN:058
【0109】
(配列番号:8) 本発明の前立腺癌マーカポリペプチドのアミノ酸配列を示す。該配列
は、カルシウム(ca2+)恒常性内部原形質網状質タンパク質(Calcium (ca2+) homeostas
is endoplasmic reticulum protein)のアミノ酸配列でもある。該タンパク質は、脳c
DNAライブラリー、又はヒト赤白血病(HEL)細胞cDNA発現ライブラリーから発現が確認され
、Ca2+の恒常性に働き、分化成長に関係することが報告されている。
NCBI Accession No.18204653, PN:061
【0110】
(配列番号:9) 本発明の前立腺癌マーカポリペプチドのアミノ酸配列を示す。該配列
は、MGC21133タンパク質(Nucleoporin 133kDa, Protein for MGC21133)のアミノ酸
配列でもある。該タンパク質は、メラノーマ細胞で発現し、mRNAの核外輸送を担っている
という報告がある。NCBI Accession No.18043079, PN:065
(配列番号:10) 本発明の前立腺癌マーカポリペプチドのアミノ酸配列を示す。該配
列は、RNA ヘリカーゼ関連タンパク質(RNA helicase-related protein)又はその関
連ポリペプチドと考えられる遺伝子産物のアミノ酸配列でもある。該遺伝子産物は、ヒト
膵島cDNAライブラリーで確認され、デッドボックスポリペプチドファミリー(DEAD box
protein family)と考えられている。NCBI Accession No.11267525, PN:069
【0111】
(配列番号:11) 本発明の前立腺癌マーカポリペプチドのアミノ酸配列を示す。該配
列は、MOP-4のアミノ酸配列でもある。該MOP-4は、ヒト単球に発現し、ユビキチン−プロ
テアソーム系でのタンパク分解の第1段階でユビキチンと結合、カスケードを開始させる
ことが報告されている。NCBI Accession No.11990422, PN:070
(配列番号:12) 本発明の前立腺癌マーカポリペプチドのアミノ酸配列を示す。該配
列は、インスリン減成酵素(Insulin-degrading enzyme)のアミノ酸配列でもある。該
酵素は、インスリン、グルカゴン、及びβアミロイドを分解する活性を有する。アルツハ
イマー病では、βアミロイドの脳背髄液中への産生量に変化がないにもかかわらず、βア
ミロイドが脳に沈着するので、該酵素の減少が原因といわれている。
NCBI Accession No.20548083, PN:091
【0112】
(配列番号:13) 本発明の前立腺癌マーカポリペプチドのアミノ酸配列を示す。該配
列は、MCM5ミニクロモソーム維持欠陥5,細胞分画サイクル46(MCM5 minichromo
some maintenance deficient 5, cell division cycle 46 (S. cerevisiae))遺
伝子産物のアミノ酸配列でもある。該遺伝子産物は、Burkitリンパ腫で発現することが報
告されている。NCBI Accession No.13177775, PN:0102
(配列番号:14) 本発明の前立腺癌マーカポリペプチドのアミノ酸配列を示す。該配
列は、電圧依存性アニオン選択チャンネルタンパク質 1 (Voltage-dependent anion-s
elective channel protein 1 (VDAC-1))のアミノ酸配列でもある。該タンパク質はB
CL-2ファミリーのアポトーシス調節に関与することが報告されている。
NCBI Accession No.130683, PN:231
【0113】
(配列番号:15) 本発明の前立腺癌マーカポリペプチドのアミノ酸配列を示す。該配
列は、プロヒビチン(Prohibitin)のアミノ酸配列でもある。プロヒビチンは、DNA合成
阻害、及びPHBの変異により乳癌発症に関与する可能性が報告されている。
NCBI Accession No.464371, PN:244.2
(配列番号:16) 本発明の前立腺癌マーカポリペプチドのアミノ酸配列を示す。該配
列は、ニプスナップ1タンパク質(NipSnap1 protein)のアミノ酸配列でもある。該タン
パク質は、C.エレガンス(C.elegance)染色体IIIの遺伝子産物に類似し、細胞内顆粒移動
に関係することが報告されている。NCBI Accession No.17380144, PN:258
(配列番号:17) 本発明の前立腺癌マーカポリペプチドのアミノ酸配列を示す。該配
列は、ペロキシレドキシン 4 (Peroxiredoxin 4)のアミノ酸配列でもある。該タン
パク質は、サイトカインや免疫系の転写に関与していることが報告されている。
NCBI Accession No.3024727, PN:259
【0114】
(配列番号:18) 本発明のアンドロゲン依存性前立腺癌マーカ、及びアンドロゲン非
依存性前立腺癌マーカとなるポリペプチドのアミノ酸配列である。前立腺癌がアンドロゲ
ン非依存性を獲得すると、該癌マーカの発現は上昇する。該配列は、スプライシングコア
クチベータサブユニットSRm300 (Splicing coactivator subunit SRm300)のアミノ
酸配列でもある。該サブユニットSRm300は、RNA結合性ポリペプチド及び
AT-富要素結合因子などとして知られている。SRM160及び前駆mmrと会合して、核スペック
ル内に存在し、SRM160/SRM300デプリートスプライシン反応の再構成に関与することが報
告されている。NCBI Accession No.19923466, PN:002
(配列番号:19) 本発明のアンドロゲン依存性前立腺癌マーカ、及びアンドロゲン
非依存性前立腺癌マーカとなるポリペプチドのアミノ酸配列である。前立腺癌がアンドロ
ゲン非依存性を獲得すると、該癌マーカの発現は上昇する。該配列は、ロンプロテアーゼ
ホモログ(Lon protease homolog)のアミノ酸配列でもある。該ホモログは、DNA損傷
時にSOS遺伝子群が誘導され、その修復に働くことが報告されている。
NCBI Accession No.12644239, PN:092.2
【0115】
(配列番号:20) 本発明のアンドロゲン依存性前立腺癌マーカ、及びアンドロゲン非
依存性前立腺癌マーカとなるポリペプチドのアミノ酸配列である。前立腺癌がアンドロゲ
ン非依存性を獲得すると、該癌マーカの発現は上昇する。該配列は、ピュロマイシン感受
性アミノペプチダーゼ(Puromycin-sensitive aminopeptidase)のアミノ酸配列でもあ
る。該ペプチダーゼは神経ペプチドの活性化、細胞増殖と多様性に必要なプロテアーゼで
あり、胎児脳のcDNAライブラリーから同定され、かつ白血病細胞でビタミンDで刺激する
と増加することが報告されている。NCBI Accession No.2499902, PN:099
(配列番号:21) 本発明のアンドロゲン依存性前立腺癌マーカ、及びアンドロゲン非
依存性前立腺癌マーカとなるポリペプチドのアミノ酸配列である。前立腺癌がアンドロゲ
ン非依存性を獲得すると、該癌マーカの発現は上昇する。該配列は、EBNA-2 コアクチベ
ータ(EBNA-2 co-activator (100kD))のアミノ酸配列でもある。EBNA-2 コアクチベ
ータは、特定遺伝子の翻訳を活性化し、かつEBV関連のB細胞の転写に必須であり、さらに
ショウジョウバエのメラニン合成に関与することが報告されている。
NCBI Accession No.7657431, PN:116, 088
【0116】
(配列番号:22) 本発明のアンドロゲン依存性前立腺癌マーカ、及びアンドロゲン非
依存性前立腺癌マーカとなるポリペプチドのアミノ酸配列である。前立腺癌がアンドロゲ
ン非依存性を獲得すると、該癌マーカの発現は上昇する。該配列は、異種核酸リボ核ポリ
ペプチドD様ホモログ(JKTBP)のアミノ酸配列でもある。該ホモログについて、RNAのスプ
ライシングと移動に関与することが報告されている。
NCBI Accession Nos.7446333, 4512253, PN:223
【0117】
(配列番号:23) 本発明のアンドロゲン依存性前立腺癌マーカ、及びアンドロゲン非
依存性前立腺癌マーカとなるポリペプチドのアミノ酸配列である。前立腺癌がアンドロゲ
ン非依存性を獲得すると、該癌マーカの発現は上昇する。該配列は、GTP-結合性タンパク
質ベータ鎖ホモログ(GTP-binding protein beta chain homolog)のアミノ酸配列で
もある。該ホモログは、GTP-結合性ポリペプチドβ鎖ホモログ、HMC B複合ポリペプチド
12.3などとして知られ、リンパ球活性化機能、インスリン様生育因子(IGF-1)であるラッ
トRACK1 (Rn.2568)のレセプターと類似することなどが報告されている。
NCBI Accession No.5174447, PN:233, 237
【0118】
(配列番号:24) 本発明のアンドロゲン依存性前立腺癌マーカ、及びアンドロゲン非
依存性前立腺癌マーカとなるポリペプチドのアミノ酸配列である。前立腺癌がアンドロゲ
ン非依存性を獲得すると、該癌マーカの発現は上昇する。該配列は、核・塩素イオンチャ
ンネルタンパク質(Nuclear chloride ion channel protein)のアミノ酸配列でもあ
る。NCBI Accession No.2073569, PN:243
(配列番号:25) 本発明のアンドロゲン依存性前立腺癌マーカ、及びアンドロゲン非
依存性前立腺癌マーカとなるポリペプチドのアミノ酸配列である。前立腺癌がアンドロゲ
ン非依存性を獲得すると、該癌マーカの発現は上昇する。該配列は、ウィリアム−ベウレ
ン症候群染色体領域1ホモログ(William-Beuren syndrome chromosome region 1 h
omolog)のアミノ酸配列でもある。該ホモログは、Wbscr1 代用スプライス産物、及び
William-Beuren症候群染色体領域 1ホモログ等として知られ、mRNA利用のレベルでポリ
ペプチド合成の開始を刺激する機能が報告されている。
NCBI Accession No.18204592, PN:251
【0119】
(配列番号:26) 本発明のアンドロゲン依存性前立腺癌マーカ、及びアンドロゲン非
依存性前立腺癌マーカとなるポリペプチドのアミノ酸配列である。前立腺癌がアンドロゲ
ン非依存性を獲得すると、該癌マーカの発現は上昇する。該配列は、抗酸化性タンパク質
2 (Antioxidant protein 2 )のアミノ酸配列でもある。該タンパク質は、細胞の
レドックス制御に関連し、過酸化水素を減らし、短鎖有機脂肪酸及びリン脂質過酸化物を
減らし、リン脂質の代謝制御及び酸化障害に対する防御における役割が報告されている。
NCBI Accession Nos.1718024, 4758638, PN:266
(配列番号:27) 本発明のアンドロゲン依存性前立腺癌マーカ、及びアンドロゲン非
依存性前立腺癌マーカとなるポリペプチドのアミノ酸配列である。前立腺癌がアンドロゲ
ン非依存性を獲得すると、該癌マーカの発現は上昇する。該配列は、ペルオキシレドクシ
ン 1 (Peroxiredoxin 1)のアミノ酸配列でもある。ペルオキシレドクシン 1は、細
胞内の過酸化水素を調節することで生育因子とTNFαのシグナル伝達をコントロールして
おり、酸化ストレス下に出現するということが報告されている。
NCBI Accession No.548453, PN:284
【0120】
(配列番号:28) 本発明のアンドロゲン依存性前立腺癌マーカ、及びアンドロゲン非
依存性前立腺癌マーカとなるポリペプチドのアミノ酸配列である。前立腺癌がアンドロゲ
ン非依存性を獲得すると、該癌マーカの発現は上昇する。該配列は、コフィリン非筋肉ア
イソフォーム(Cofilin, non-muscle isoform )(18 kDa リンポリペプチド)1のアミ
ノ酸配列でもある。該アイソフォームは、アクチンと結合し、その細胞質から核への移動
を助け、LIM-キナーゼによりリン酸化された際、アクチンを脱重合させることが報告され
ている。NCBI Accession No.116848, PN:297
(配列番号:29) 本発明のアンドロゲン依存性前立腺癌マーカ、及びアンドロゲン非
依存性前立腺癌マーカとなるポリペプチドのアミノ酸配列である。前立腺癌がアンドロゲ
ン非依存性を獲得すると、該癌マーカの発現は低下する。該配列は、クルッペルタイプ亜
鉛フィンガータンパク質(Kruppel-type zinc finger protein, PEG3)のアミノ酸配
列でもある。該タンパク質は、成人脳で高発現し、グリオーマ細胞にトランスフェクショ
ンさせると癌原性消失するので腫瘍抑制ポリペプチドと考えられている。
NCBI Accession No.11494024, PN:028
【0121】
(配列番号:30) 本発明のアンドロゲン依存性前立腺癌マーカ、及びアンドロゲン非
依存性前立腺癌マーカとなるポリペプチドのアミノ酸配列である。前立腺癌がアンドロゲ
ン非依存性を獲得すると、該癌マーカの発現は低下する。該配列は、スカフフォルドアッ
タッチメント因子B、又はHSP27 ERE-TATA-結合性タンパク質(Scaffold attachment f
actor B, HSP27 ERE-TATA-binding protein)のアミノ酸配列でもある。該タンパク
質は、HSP27プロモーター結合タンパクで,各種乳癌の細胞ラインの核内で発現し、乳癌
の原因遺伝子候補と考えられている。NCBI Accession No.21264343, PN:043
(配列番号:31) 本発明のアンドロゲン依存性前立腺癌マーカ、及びアンドロゲン非
依存性前立腺癌マーカとなるポリペプチドのアミノ酸配列である。前立腺癌がアンドロゲ
ン非依存性を獲得すると、該癌マーカの発現は低下する。該配列は、スプライソゾーム関
連タンパク質130(Spliceosome-associated protein 130)のアミノ酸配列でもある。
該タンパク質は、スプライシング因子3b,サブユニット3(130kDa)及びスプライセオソーム
会合ポリペプチド130などとして知られ、スプライセオソームにおいて機能する複合体SF3
bの構成要素であることが報告されている。
NCBI Accession No.11034823, PN:059
【0122】
(配列番号:32) 本発明のアンドロゲン依存性前立腺癌マーカ、及びアンドロゲン非
依存性前立腺癌マーカとなるポリペプチドのアミノ酸配列である。前立腺癌がアンドロゲ
ン非依存性を獲得すると、該癌マーカの発現は低下する。該配列は、T細胞により認識さ
れる扁平上皮癌抗原3(Squamous cell carcinoma antigen recognized by T cel
ls 3, SART3)のアミノ酸配列でもある。該抗原は、腫瘍特異性T細胞を誘導して腫瘍免
疫に働き、また,mRNAスプライシングにも関与すること、及び大腸癌で発現,正常組織で
は発現していないことが報告されている。
NCBI Accession No.7661952, PN:062
【0123】
(配列番号:33) 本発明のアンドロゲン依存性前立腺癌マーカ、及びアンドロゲン非
依存性前立腺癌マーカとなるポリペプチドのアミノ酸配列である。前立腺癌がアンドロゲ
ン非依存性を獲得すると、該癌マーカの発現は低下する。該配列は、ユビキチン活性化酵
素E1(Ubiquitin-activating enzyme E1)のアミノ酸配列でもある。ユビキチン活性
化酵素E1は、ユビキチン−プロテアソーム系でのタンパク分解の第1段階でユビキチン
と結合、カスケードを開始させることが報告されている。
NCBI Accession No.4507763, PN:074.2, 078
【0124】
(配列番号:34) 本発明のアンドロゲン依存性前立腺癌マーカ、及びアンドロゲン非
依存性前立腺癌マーカとなるポリペプチドのアミノ酸配列である。前立腺癌がアンドロゲ
ン非依存性を獲得すると、該癌マーカの発現は低下する。該配列は、カリオフェリン(kar
yopherin)ベータ1、又はインポルチン(importin)ベータ1のアミノ酸配列でもある。
該遺伝子産物は、核内シグナルをもつタンパクと結合して、このタンパクを細胞質から核
内へ輸送し、RANと結合することにより輸送は終了することが報告されている。NCBI Acc
ession No.19923142, PN:103
(配列番号:35) 本発明のアンドロゲン依存性前立腺癌マーカ、及びアンドロゲン非
依存性前立腺癌マーカとなるポリペプチドのアミノ酸配列である。前立腺癌がアンドロゲ
ン非依存性を獲得すると、該癌マーカの発現は低下する。該配列は、ha1225 遺伝子産物
(The ha1225 gene product)のアミノ酸配列でもある。該遺伝子産物は、ヒトαグル
コシダーゼに関連することが報告されている。
NCBI Accession No.577295, PN:118
【0125】
(配列番号:36) 配列番号1の前立腺癌マーカポリペプチドをコードするmRNA 又は
cDNAのヌクレオチド配列を示す。
(配列番号:37) 配列番号2の前立腺癌マーカポリペプチドをコードするmRNA 又は
cDNAのヌクレオチド配列を示す。
(配列番号:38) 配列番号3の前立腺癌マーカポリペプチドをコードするmRNA 又は
cDNAのヌクレオチド配列を示す。
(配列番号:39) 配列番号4の前立腺癌マーカポリペプチドをコードするmRNA 又は
cDNAのヌクレオチド配列を示す。
(配列番号:40) 配列番号5の前立腺癌マーカポリペプチドをコードするmRNA 又は
cDNAのヌクレオチド配列を示す。
【0126】
(配列番号:41) 配列番号6の前立腺癌マーカポリペプチドをコードするmRNA 又は
cDNAのヌクレオチド配列を示す。
(配列番号:42) 配列番号7の前立腺癌マーカポリペプチドをコードするmRNA 又は
cDNAのヌクレオチド配列を示す。
(配列番号:43) 配列番号8の前立腺癌マーカポリペプチドをコードするmRNA 又は
cDNAのヌクレオチド配列を示す。
(配列番号:44) 配列番号9の前立腺癌マーカポリペプチドをコードするmRNA 又は
cDNAのヌクレオチド配列を示す。
(配列番号:45) 配列番号10の前立腺癌マーカポリペプチドをコードするmRNA 又
はcDNAのヌクレオチド配列を示す。
【0127】
(配列番号:46) 配列番号11の前立腺癌マーカポリペプチドをコードするmRNA 又
はcDNAのヌクレオチド配列を示す。
(配列番号:47) 配列番号12の前立腺癌マーカポリペプチドをコードするmRNA 又
はcDNAのヌクレオチド配列を示す。
(配列番号:48) 配列番号13の前立腺癌マーカポリペプチドをコードするmRNA 又
はcDNAのヌクレオチド配列を示す。
(配列番号:49) 配列番号14の前立腺癌マーカポリペプチドをコードするmRNA 又
はcDNAのヌクレオチド配列を示す。
(配列番号:50) 配列番号15の前立腺癌マーカポリペプチドをコードするmRNA 又
はcDNAのヌクレオチド配列を示す。
(配列番号:51) 配列番号16の前立腺癌マーカポリペプチドをコードするmRNA 又
はcDNAのヌクレオチド配列を示す。
【0128】
(配列番号:52) 配列番号17の前立腺癌マーカポリペプチドをコードするmRNA 又
はcDNAのヌクレオチド配列を示す。
(配列番号:53) 配列番号18の前立腺癌マーカポリペプチドをコードするmRNA 又
はcDNAのヌクレオチド配列を示す。
(配列番号:54) 配列番号19の前立腺癌マーカポリペプチドをコードするmRNA 又
はcDNAのヌクレオチド配列を示す。
(配列番号:55) 配列番号20の前立腺癌マーカするmRNA又はcDNAのヌクレオチド配
列を示す。
(配列番号:56) 配列番号21の前立腺癌マーカポリペプチドをコードするmRNA 又
はcDNAのヌクレオチド配列を示す。
(配列番号:57) 配列番号22の前立腺癌マーカポリペプチドをコードするmRNA 又
はcDNAのヌクレオチド配列を示す。
【0129】
(配列番号:58) 配列番号23の前立腺癌マーカポリペプチドをコードするmRNA 又
はcDNAのヌクレオチド配列を示す。
(配列番号:59) 配列番号24の前立腺癌マーカポリペプチドをコードするmRNA 又
はcDNAのヌクレオチド配列を示す。
(配列番号:60) 配列番号25の前立腺癌マーカポリペプチドをコードするmRNA 又
はcDNAのヌクレオチド配列を示す。
(配列番号:61) 配列番号26の前立腺癌マーカポリペプチドをコードするmRNA 又
はcDNAのヌクレオチド配列を示す。
(配列番号:62) 配列番号27の前立腺癌マーカポリペプチドをコードするmRNA 又
はcDNAのヌクレオチド配列を示す。
【0130】
(配列番号:63) 配列番号28の前立腺癌マーカポリペプチドをコードするmRNA 又
はcDNAのヌクレオチド配列を示す。
(配列番号:64) 配列番号29の前立腺癌マーカポリペプチドをコードするmRNA 又
はcDNAのヌクレオチド配列を示す。
(配列番号:65) 配列番号30の前立腺癌マーカポリペプチドをコードするmRNA 又
はcDNAのヌクレオチド配列を示す。
(配列番号:66) 配列番号31の前立腺癌マーカポリペプチドをコードするmRNA 又
はcDNAのヌクレオチド配列を示す。
(配列番号:67) 配列番号32の前立腺癌マーカポリペプチドをコードするmmr 又
はcDNAのヌクレオチド配列を示す。
(配列番号:68) 配列番号33の前立腺癌マーカポリペプチドをコードするmRNA 又
はcDNAのヌクレオチド配列を示す。
【0131】
(配列番号:69) 配列番号34の前立腺癌マーカポリペプチドをコードするmRNA 又
はcDNAのヌクレオチド配列を示す。
(配列番号:70) 配列番号35の前立腺癌マーカポリペプチドをコードするmRNA 又
はcDNAのヌクレオチド配列を示す。
(配列番号:71) 配列番号19の前立腺癌マーカポリペプチドのポリペプチド断片の
アミノ酸配列を示す。
(配列番号:72) 配列番号21の前立腺癌マーカポリペプチドのポリペプチド断片の
アミノ酸配列を示す。
(配列番号:73) 配列番号30の前立腺癌マーカポリペプチドのポリペプチド断片の
アミノ酸配列を示す。
【0132】
(参考文献)
1. Miyake H, Hara S, Arakawa S, Kamidono S, Hara I. Optimal timing
and dosage of chemotherapy as a combined treatment with androgen withd
rawal in the human prostate LNCaP tumour model. Br J Cancer. 2001, 8
4:859-63.
2. Oh-Ishi M, Satoh M, Maeda T. Electrophoresis. 2000 May; 21(9): 165
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3. Klose J, Kobalz U. Two-dimensional electrophoresis of proteins: an
updated protocol and implications for a functional analysis of the gen
ome. Electrophoresis 1995, 16: 1034-59
4. Wilm M, Shevchenko A, Houthaeve T, Breit S, Schweigerer L, Fotsis
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by nano-electrospray mass spectrometry. Nature 1996, 379: 466-9
5. Molecular Cloning, 2nd Ed,J. Sambrook et al., Cold Spring Harbor L
ab. Press, 1989)
6. Uchida T, Gao JP, Wang C et al. Mol Urol. 2001 Summer;5(2):71-8
【図面の簡単な説明】
【0133】
【図1】図1は、高分子タンパク質領域に重点をおいた6-10%濃度勾配ゲルのアガロース2次元電気泳動により得られた、前立腺癌に含まれるタンパク質の分布マップを示す。
【図2】図2は、中低分子タンパク質領域に重点をおいた12%濃度均一ゲルのアガロース2次元電気泳動により得られた、前立腺癌に含まれるタンパク質の分布マップを示す。
【図3】図3は、アンドロゲン依存群、及びアンドロゲン非依存群において、量的増減を示したタンパク質スポットと、その定量比較グラフを示す。
【図4】図4は、前立腺癌マーカポリペプチドであるRad50の前立腺癌組織における発現を示す電気泳動の像である。
【図5】図5は、前立腺癌マーカポリペプチドであるMop-4の前立腺癌組織における発現を示す電気泳動の像である。
【図6】図6は、前立腺癌マーカポリペプチドであるVDAC-1の前立腺癌組織における発現を示す電気泳動の像である。
【図7】図7は、前立腺癌マーカポリペプチドであるLON proteaseの前立腺癌組織における発現を示す電気泳動の像である。
【図8】図8は、前立腺癌マーカポリペプチドであるEBNA-2 co-activator; p100の前立腺癌組織における発現を示す電気泳動の像である。
【図9】図9は、前立腺癌マーカポリペプチドであるScaffold attachment factor B, HSP27 ERE-TATA-binding proteinの前立腺癌組織における発現を示す電気泳動の像である。
【図10】図10は、Ubiquitin-activating enzyme E1の前立腺癌組織における発現を示す電気泳動の像である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
配列番号1〜35のいずれか1のアミノ酸配列を含む、前立腺癌マーカポリペプチド。
【請求項2】
配列番号1〜35のいずれか1のアミノ酸配列から、アミノ酸残基1以上の置換、欠失、
付加及び/又は挿入によって変異したアミノ酸配列を含み、かつ配列番号1〜35のいず
れか1のアミノ酸配列を含む、前立腺癌マーカポリペプチドに対する抗体産生を誘導する
変異ポリペプチド。
【請求項3】
下記(1)又は(2)のポリペプチド断片であって、かつ配列番号1〜35のいずれか1のアミ
ノ酸配列を含む、前立腺癌マーカポリペプチドに対する抗体産生を誘導するポリペプチド
断片:
(1) 配列番号1〜35いずれか1のアミノ酸配列を含む、前立腺癌マーカポリペプチド

(2)配列番号1〜35のいずれか1のアミノ酸配列から、アミノ酸残基1以上の置換、欠
失、付加及び/又は挿入によって変異したアミノ酸配列を含み、かつ配列番号1〜35の
いずれか1のアミノ酸配列を含む、前立腺癌マーカポリペプチドに対する抗体産生を誘導
するポリペプチド。
【請求項4】
少なくとも15アミノ酸残基を含む、請求項3記載のポリペプチド断片。
【請求項5】
少なくとも20アミノ酸残基を含む、請求項3記載のポリペプチド断片。
【請求項6】
少なくとも25アミノ酸残基を含む、請求項3記載のポリペプチド断片。
【請求項7】
配列番号1〜35のいずれか1のアミノ酸配列を含む、前立腺癌マーカポリペプチドの少
なくとも1種を検出することを特徴とする、前立腺癌の診断方法。
【請求項8】
被験者から得た検体と、該前立腺癌マーカポリペプチドに対する抗体とを接触させる工程
を有する、請求項7記載の診断方法。
【請求項9】
配列番号18〜35のいずれか1のアミノ酸配列を含む、前立腺癌マーカポリペプチドの
少なくとも1種を検出することを特徴とする、アンドロゲン非依存性前立腺癌の診断方法

【請求項10】
被験者から得た検体と、該前立腺癌マーカポリペプチドに対する抗体とを接触させる工程
を有する、請求項9記載の診断方法。
【請求項11】
下記(a)、(b)又は(c)を含む、配列番号1〜35のいずれか1に記載されたアミノ酸配列
を含む、前立腺癌マーカポリペプチドに対し、特異性を有する抗体製造用組成物:
(a) 配列番号1〜35のいずれか1に記載されたアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(b) 配列番号1〜35のいずれか1のアミノ酸配列から、アミノ酸残基1以上の置換、
欠失、付加及び/又は挿入によって変異したアミノ酸配列を含み、かつ配列番号1〜35
のいずれか1のアミノ酸配列を含む、前立腺癌マーカポリペプチドに対する抗体産生を誘
導するポリペプチド;又は
(c) (a)又は(b)のポリペプチド断片であって、かつ配列番号1〜35のいずれか1のア
ミノ酸配列を含む、前立腺癌マーカポリペプチドに対する抗体産生を誘導するポリペプチ
ド断片。
【請求項12】
(c)のポリペプチド断片が、少なくとも15アミノ酸残基を含む、請求項11記載の抗体
製造用組成物。
【請求項13】
(c)のポリペプチド断片が、少なくとも20アミノ酸残基を含む、請求項11記載の抗体
製造用組成物。
【請求項14】
(c)のポリペプチド断片が、少なくとも25アミノ酸残基を含む、請求項11記載の抗体
製造用組成物。
【請求項15】
配列番号1〜35のいずれか1のアミノ酸配列を含む、前立腺癌マーカポリペプチドに特
異性を有する抗体。
【請求項16】
モノクローナル抗体である、請求項15記載の抗体。
【請求項17】
請求項11記載の組成物を哺乳動物に投与することを含む、配列番号1〜35のいずれか
1のアミノ酸配列を含む前立腺癌マーカポリペプチドに特異性を有する抗体を製造する方
法。
【請求項18】
配列番号1〜35のいずれか1のアミノ酸配列を含む前立腺癌マーカポリペプチドに特異
性を有する抗体を、少なくとも1種含有する、前立腺癌治療用医薬組成物。
【請求項19】
配列番号18〜35のいずれか1のアミノ酸配列を含む前立腺癌マーカポリペプチドに特
異性を有する抗体を、少なくとも1種含有する、アンドロゲン非依存性前立腺癌治療用医
薬組成物。
【請求項20】
配列番号18〜35のいずれか1のアミノ酸配列を含む前立腺癌マーカポリペプチドに特
異性を有する抗体を、少なくとも1種含有する、アンドロゲン非依存性前立腺癌形成阻害
用医薬組成物。
【請求項21】
配列番号1〜35のいずれか1のアミノ酸配列を含む前立腺癌マーカポリペプチドに特異
性を有する抗体を、少なくとも1種含有する、前立腺癌診断用キット。
【請求項22】
配列番号18〜35のいずれか1のアミノ酸配列を含む前立腺癌マーカポリペプチドに特
異性を有する抗体を、少なくとも1種含有する、アンドロゲン非依存性前立腺癌診断用キ
ット。
【請求項23】
下記(i)、(ii)又は(iii)を含む、前立腺癌診断用核酸プローブ:
(i) 配列番号36〜70のいずれか1のヌクレオチド配列と、相補的なヌクレオチド配
列を有するポリヌクレオチド;
(ii) 配列番号36〜70のいずれか1のヌクレオチド配列と、相補的なヌクレオチド配
列の部分配列を含むヌクレオチド断片;又は
(iii) 配列番号36〜70のいずれか1のヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドと
、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズする、ポリヌクレオチド又はヌクレオチド
断片。
【請求項24】
配列番号36〜70のいずれか1のヌクレオチド配列を含む、ポリヌクレオチドの少なく
とも1種を検出することを含む、前立腺癌の診断方法。
【請求項25】
被験者から得た検体と、請求項23記載の前立腺癌診断用核酸プローブを接触させること
を含む、請求項24記載の診断方法。
【請求項26】
被験者から得た検体に含まれるポリヌクレオチドをポリメラーゼ連鎖反応(PCR)で増
幅することを含む、請求項24記載の診断方法。
【請求項27】
配列番号36〜70のいずれか1のヌクレオチド配列の部分配列を含むヌクレオチド断片
からなる前立腺癌診断用プライマー。
【請求項28】
配列番号36〜70のいずれか1のヌクレオチド配列と、相補的なヌクレオチド配列の部
分配列を含むヌクレオチド断片からなる、前立腺癌診断用プライマー。
【請求項29】
請求項23記載の前立腺癌診断用核酸プローブを含む、前立腺癌診断用キット。
【請求項30】
さらに請求項27及び28記載の前立腺癌診断用プライマーを含む、請求項29記載の前
立腺癌診断用キット。
【請求項31】
下記(iv)、(v)又は(vi)を含む、アンドロゲン非依存性前立腺癌診断用核酸プローブ:
(iv) 配列番号53〜70のいずれか1のヌクレオチド配列と、相補的なヌクレオチド配
列を有するポリヌクレオチド;
(v) 配列番号53〜70のいずれか1のヌクレオチド配列と、相補的なヌクレオチド配
列の部分配列を含むヌクレオチド断片;又は
(vi) 配列番号53〜70のいずれか1のヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドと、
ストリンジェントな条件下でハイブリダイズする、ポリヌクレオチド又はヌクレオチド断
片。
【請求項32】
配列番号53〜70のいずれか1のヌクレオチド配列を含む、ポリヌクレオチドの少なく
とも1種を検出することを含む、アンドロゲン非依存性前立腺癌の診断方法。
【請求項33】
被験者から得た検体と、請求項31記載の核酸プローブを接触させることを含む、請求項
32記載の診断方法。
【請求項34】
被験者から得た検体に含まれるポリヌクレオチドをポリメラーゼ連鎖反応(PCR)で増
幅することを含む、請求項32記載の診断方法。
【請求項35】
配列番号53〜70のいずれか1のヌクレオチド配列の部分配列を含むヌクレオチド断片
からなるアンドロゲン非依存性前立腺癌診断用プライマー。
【請求項36】
配列番号53〜70のいずれか1のヌクレオチド配列と、相補的なヌクレオチド配列の部
分配列を含むヌクレオチド断片からなる、アンドロゲン非依存性前立腺癌診断用プライマ
ー。
【請求項37】
請求項31記載の前立腺癌診断用核酸プローブを含む、アンドロゲン非依存性前立腺癌診
断用キット。
【請求項38】
さらに請求項35及び36記載のアンドロゲン非依存性前立腺癌診断用プライマーを含む
、請求項37記載の前立腺癌診断用キット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−196211(P2012−196211A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−89013(P2012−89013)
【出願日】平成24年4月10日(2012.4.10)
【分割の表示】特願2003−313565(P2003−313565)の分割
【原出願日】平成15年9月5日(2003.9.5)
【出願人】(503360115)独立行政法人科学技術振興機構 (1,734)
【Fターム(参考)】