説明

前駆体ポリマからの導電性ポリマ、その作製方法およびその使用

ヘテロアリールの単位およびSi、Sn、GeまたはPbの単位を含む前駆体ポリマ、これらの前駆体ポリマを製造する方法、導電性ポリマを調製するためにこれらの前駆体ポリマを利用する用途が本明細書中に開示されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、その全体を本願に引用して援用する2006年2月16日出願の米国仮出願第60/773,906号の利益を請求する。
【0002】
本発明は、Si、Ge、SnまたはPbを含む前駆体ポリマ、このような前駆体ポリマを製造する方法、これらの前駆体ポリマを利用して導電性ポリマを調製する用途に関する。
【背景技術】
【0003】
本質的に導電性のポリマは、エレクトロニックパッケージング、有機発光ダイオード(LED)、エレクトロクロミック窓およびディスプレイ、揮発性有機ガスセンサなどの用途において、幅広い実用性がある。特に関心のある本質的に導電性のポリマは、比較的低いバンドギャップ(Eg)を有する。バンドギャップは、2つの電子エネルギー準位(伝導帯および価電子帯)間のエネルギー差を指す。所与のポリマが示すバンドギャップは、ポリマを形成するために使用するモノマ(1つまたは複数)の構造を含めた様々な因子に依存する。たとえば、チオフェンおよび置換チオフェンモノマから形成される本質的に導電性のポリマが知られている。ポリ(チオフェン)は、2.1電子ボルト(eV)のバンドギャップを有し、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(別名PEDOT)は、1.7eVのバンドギャップを有し、ポリ(2−デシルチエノ[3,4−b]チオフェン)は、0.92eVのバンドギャップを有し、ポリ(2−フェニルチエノ[3,4−b]チオフェン)は、0.85eVのバンドギャップを有する。チエノ[2,3−b]チオフェン、チエノ[3,2−b]チオフェンならびに他の縮合および置換チオフェン類の重合単位を含む本質的に導電性のポリマも知られている。
【0004】
これら本質的に導電性のポリマを作製する現在利用可能なプロセスの多くに関連する数々の欠点がある。たとえば、コンデンサを作製するために広く使用されている、導電性PEDOTポリマを作製する現在の1つのプロセスは、モノマである3,4−エチレンジオキシチオフェン(別名EDOT)と塩化第二鉄とを含む浴へのタンタル/酸化タンタル基板の浸漬プロセスによるものである。EDOTは塩化第二鉄の存在下では不安定であるため浴寿命はわずか48時間であり、収率は30%未満と低く、一般に、PEDOTは、コンデンサ、浴壁などを含めたすべての表面上に堆積することになる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
導電性ポリマに直接変換することができるより安定な出発材料の継続的必要性が、当技術分野では残っている。さらに、より便利で効率的、かつより高分子量の生成物により優れた機械的特性を提供することになる、導電性ポリマを作製する改善されたプロセスの必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態においては、前駆体ポリマが下記構造によるポリマを含む。
【化1】


;または
【化2】


式中、Arはヘテロアリール基であり、RおよびRは出現するごとに独立にC〜C12アルキル、C〜C12ハロアルキルまたはアリールであり、Xは、O、S、(YRまたは(CRであり、ここで、xは、0、1、2、3または4であり、RおよびRは独立に、水素原子、C〜C12アルキルまたはC〜C12ハロアルキルであり、Yは出現するごとに独立に、Si、Ge、SnまたはPbであり、nは約10以上である。このポリマは、そのコポリマまたは前記ポリマの少なくとも1種を含むブレンドを含む。
【0007】
別の実施形態においては、ポリマが下記構造によるポリマを含む。
【化3】


;または
【化4】

;
式中、Arはヘテロアリール基であり、RおよびRは出現するごとに独立にC〜C12アルキル、C〜C12ハロアルキルまたはアリールであり、Xは、O、S、(YRまたは(CRであり、ここで、xは、0、1、2、3または4であり、RおよびRは独立に、水素原子、C〜C12アルキルまたはC〜C12ハロアルキルであり、Yは出現するごとに独立に、Si、Ge、SnまたはPbであり、mは約3以上であり、pは約5以上である。このポリマは、そのコポリマまたは前記ポリマの少なくとも1種を含むブレンドを含む。
【0008】
別の実施形態において、導電性共役ポリマを調製する方法は、下記構造を有する前駆体ポリマ、
【化5】


;または
【化6】


そのコポリマまたは前記ポリマの少なくとも1種を含むブレンドを変換して(式中、Arは出現するごとにヘテロアリール基であり、RおよびRは出現するごとに独立にC〜C12アルキル、C〜C12ハロアルキルまたはアリールであり、Xは、O、S、(YRまたは(CRであり、ここで、xは、0、1、2、3または4であり、RおよびRは独立に、水素原子、C〜C12アルキルまたはC〜C12ハロアルキルであり、Yは出現するごとに独立に、Si、Ge、SnまたはPbであり、nは約10以上である。)、下記構造を有する導電性共役ポリマを形成することを含む。
【化7】


;または
【化8】


式中、Arはヘテロアリール基であり、RおよびRは出現するごとに独立にC〜C12アルキル、C〜C12ハロアルキルまたはアリールであり、Xは、O、S、(YRまたは(CRであり、ここで、xは、0、1、2、3または4であり、RおよびRは独立に、水素原子、C〜C12アルキルまたはC〜C12ハロアルキルであり、Yは出現するごとに独立に、Si、Ge、SnまたはPbであり、mは約3以上であり、pは約5以上である。
【0009】
他の実施形態には、前駆体ポリマを加工する方法および前駆体ポリマから調製される物品が含まれる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本明細書中には、1つ以上のシリコン(Si)含有基、ゲルマニウム(Ge)含有基、スズ(Sn)含有基または鉛(Pb)含有基によって結合しているヘテロアリール類の単位を含む前駆体ポリマ、これらの前駆体ポリマを調製する方法、ならびにこれらの前駆体ポリマを用いて導電性共役ポリマを調製する方法が開示されている。これらの前駆体ポリマは多くの場合、それらのヘテロアリールモノマ相当物よりも安定であるため、これらの前駆体ポリマにより、導電性ポリマを調製するための便利で容易な方法が提供される。たとえば、EDOTおよびチエノ[3,4−b]チオフェン(別名T34bT)は冷凍する必要があるが、Si、Ge、Snおよび/またはPbを含む単位によって分離されているEDOTとチエノ[3,4−b]チオフェンとの単位を含む前駆体ポリマは周囲温度で安定である。
【0011】
加えて、これらの前駆体ポリマは、安価な出発材料、たとえば、対応する二官能性シリルジハライドモノマ類から調製することができる。これらの前駆体ポリマの多くは、重量平均分子量対数平均分子量(Mw/Mn)の値が約2で多分散系に近いことがわかっている。さらに、これらの前駆体ポリマは、高い熱安定性など、多くの望ましい機械的特性を有する。たとえば、nが約10以上である下記一般構造、
【化9】


を有する前駆体ポリマは、分解温度が440℃と高いため、非常に高い熱安定性を有する。
【0012】
本明細書中には、化学酸化、電気化学酸化または臭素変換(bromine conversion)により前駆体ポリマを変換することによって得られる導電性共役ポリマも開示されている。たとえば、固体膨潤状態にある前駆体ポリマの電気化学酸化により導電性共役ポリマを得ることができる。別の実施形態においては、熱処理を伴って臭素に前駆体ポリマをさらすことにより共役ポリマを得ることができる。さらに、前駆体ポリマを導電性共役ポリマに固体の状態で変換することにより、導電性ポリマを調製するための他の公知のプロセスと比較してより高い収量で導電性ポリマが得られる。これらの導電性共役ポリマは、様々な用途、たとえば、エレクトロニックパッケージング、有機発光ダイオード(LED)、エレクトロクロミック窓およびディスプレイ、光透過性電極、揮発性有機ガスセンサ、ならびに本明細書中に記載されている他の用途において有用である。
【0013】
これらの前駆体ポリマは、成形、回転、浸漬、インクジェット、噴霧、スクリーン印刷、溶融加工、他の周知のプロセスなど、標準的な技法を用いて容易にフィルムに加工される。これらの前駆体ポリマは、オキソ基板(たとえば、酸化タンタル、酸化インジウムスズなどを含む酸化物基板)との付着性が優れていることがわかっている。
【0014】
本明細書中には、下記一般構造(1)および(2)を有する前駆体ポリマが開示されている。
【化10】


(1)
または
【化11】


(2)
式中、Arはヘテロアリール基であり、RおよびRは独立にC〜C12アルキル、C〜C12ハロアルキルまたはアリールであり、XはO、S、xが0、1、2、3または4である(YR、RおよびRが独立に水素原子、C〜C12アルキルまたはC〜C12ハロアルキルで、xが0、1、2、3または4である(CRである。各Yは独立にSi、Ge、SnまたはPbである。前駆体ポリマの繰り返し単位の数(n)は、約10を超えていてよく、具体的には約15を超えていてよい。具体的には、nは約10〜約350でよく、より具体的には約15〜約300、さらにより具体的には約20〜約250でよい。
【0015】
一実施形態において、RおよびRは独立に、C〜C12アルキル、より具体的にはメチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシルまたはオクチルであり、さらにより具体的にはメチルまたはオクチルであり、XはO、YはSiまたはGeである。
【0016】
別の実施形態において、構造(1)および(2)による前駆体ポリマは、約1:99〜約99:1のSi:Ge比で、具体的には約10:90〜約90:10のSi:Ge比で、より具体的には約25:75〜約75:25のSi:Ge比で、さらにより具体的には約40:60〜約60:40のSi:Ge比でSiおよびGeを含むことができる。
【0017】
出発材料または調製条件を変えることによって、所望のポリマサイズおよび重量を得ることができる。さらに、これらのポリマ前駆体は、適当なエンドキャップ試薬を使用することにより特定の末端基を有することができる。たとえば、トリメチルシリルクロリドにより、トリメチルシリル末端基を有する前駆体ポリマがもたらされるはずである。加えて、前駆体ポリマの分子量を調整することによって、加工条件を変えることができる。たとえば、スプレーコーティングに対しては、nの値が小さい低分子量、低粘度の前駆体ポリマを調製することができる。
【0018】
前駆体ポリマは、対応するヘテロアリールモノマまたはその誘導体から便利に調製することができる。一実施形態においては、ヘテロアリールモノマを脱プロトン化し、塩基の存在下で適当な種RYZと反応させ、その後前駆体ポリマに変換する。
【化12】


およびRは独立にC〜C12アルキル、C〜C12ハロアルキルまたはアリールであり、YはSi、Ge、SnまたはPbであり、各Zは独立にCl、BrまたはIである。適切な塩基には、たとえば、アルキルリチウム(たとえば、t−ブチルLi、n−ブチルLi、sec−ブチルLi)、リチウムジアルキルアミド(たとえば、リチウムジイソプロピルアミド)または等価の塩基度の他の塩基が含まれる。前駆体ポリマ調製の条件は、以下でより詳細に提供する。
【0019】
Si、Ge、SnまたはPb単位が存在する調製した前駆体ポリマにより、従来のポリマのように加工することができる高分子量ポリマが可能となる。加えて、前駆体ポリマは、溶液処理を可能にする様々な溶媒に可溶性である。Si、Ge、SnまたはPbから張り出しているアルキル基の長さを調整することにより、有機溶媒への溶解度の調整が可能となる。加えて、前駆体ポリマの多くに、圧縮成形、射出成形、溶融紡糸などによる溶融加工を可能にする融解転移がある。
【0020】
ヘテロアリールは骨格中の剛直部分であるが、前駆体ポリマ中のSi、Ge、SnまたはPbの単位により前駆体ポリマ骨格中での回転が可能となる。このような基の組合せは、屈曲性/剛直主鎖型液晶と類似している。前駆体ポリマ中のヘテロアリール基が結晶化して半結晶性材料をもたらすことができる。このような結晶性は、非晶質共役ポリマと比較してより高い導電性につながる。したがって、前駆体ポリマをよりπ共役の導電性ポリマに変換した場合に、この結晶性を可能な限り維持することができ、それにより、形成した導電性ポリマの導電性が高まる。
【0021】
上記一般構造(1)および(2)中のヘテロアリール(Ar基)は特に限定されず、所望の物理的および電気化学的特性を有する導電性ポリマがもたらされるように選択することができる。前駆体ポリマを調製するために使用する例示的なヘテロアリールモノマには、以下に開示されているヘテロアリールモノマ、ならびにそれらの誘導体が含まれる。例示的な誘導体には、たとえば対応する有機金属に変換する(たとえば、マグネシウムを添加して周囲温度プロセス用のジグリニャール試薬(di−Grignard reagent)を形成する)ことができるハロゲンによるアリール水素原子の置換が含まれる。
【0022】
適切なヘテロアリールモノマには、下記一般構造(I)、(II)および(III)を有する無置換および2−もしくは6−置換チエノ[3,4−b]チオフェンおよびチエノ[3,4−b]フランが含まれる。
【化13】


(I)
【化14】


(II)
【化15】


(III)
式中、QはSまたはOであり、Rは水素原子、C〜C12アルキル、ペルフルオロアルキルを含めたC〜C12ハロアルキル(以下の「ハロアルキル」の定義を参照のこと)、C〜C12アルコキシ、C〜C12ハロアルコキシ、アリール、−C〜Cアルキル−O−C〜Cアルキル、または−C〜Cアルキル−O−アリールである。具体的には、QはSまたはOであり、Rは水素原子である。
【0023】
下記一般構造(IV)を有する3,4−エチレンジオキシチオフェン、3,4−エチレンジチアチオフェン、3,4−エチレンジオキシピロール、3,4−エチレンジチアピロール、3,4−エチレンジオキシフラン、3,4−エチレンジチアフランおよび誘導体が含まれる。
【化16】


(IV)
式中、Qは出現するごとに独立にSまたはOであり、QはS、O、またはRが水素原子もしくはC〜CアルキルであるN−Rであり、Rは出現するごとに水素原子、C〜C12アルキル、C〜C12ハロアルキル、C〜C12アルコキシ、C〜C12ハロアルコキシ、アリール、−C〜Cアルキル−O−C〜Cアルキルまたは−C〜Cアルキル−O−アリールである。一実施形態では、モノマが一般構造(IV)を有する。ただし、QがSでQはOである場合には、Rは水素原子ではない。
【0024】
下記一般構造(V)を有するイサチアナフテン、ピリドチオフェン、ピリジノチオフェン、および誘導体が含まれる。
【化17】


(V)
式中、QはS、O、またはRが水素原子もしくはC〜CアルキルであるN−Rであり、Qは出現するごとに独立にCHまたはNであり、Rは出現するごとに独立に水素原子、C〜C12アルキル、C〜C12ハロアルキル、C〜C12アルコキシ、C〜C12ハロアルコキシ、アリール、−C〜Cアルキル−O−C〜Cアルキル、または−C〜Cアルキル−O−アリールである。
【0025】
下記一般構造(VI)を有するオキサゾール、チアゾール、および誘導体が含まれる。
【化18】


(VI)
式中、QはSまたはOである。
【0026】
下記一般構造(VII)を有するピロール、フラン、チオフェン、および誘導体が含まれる。
【化19】


(VII)
式中、QはS、O、またはRが水素原子もしくはC〜CアルキルであるN−Rであり、Rは出現するごとに独立に水素原子、C〜C12アルキル、C〜C12ハロアルキル、C〜C12アルコキシ、C〜C12ハロアルコキシ、アリール、−C〜Cアルキル−O−C〜Cアルキル、または−C〜Cアルキル−O−アリールである。一実施形態では、モノマが一般構造(VII)を有する。ただし、QがSである場合には、少なくとも一方のRは水素原子ではない。
【0027】
下記一般構造(VIII)を有するビチオフェン、ビフラン、ビピロール、および誘導体が含まれる。
【化20】


(VIII)
式中、Qは出現するごとに独立に、S、O、またはRが水素原子もしくはC〜CアルキルであるN−Rであり、Rは出現するごとに独立に水素原子、C〜C12アルキル、C〜C12ハロアルキル、C〜C12アルコキシ、C〜C12ハロアルコキシ、アリール、−C〜Cアルキル−O−C〜Cアルキル、または−C〜Cアルキル−O−アリールである。
【0028】
下記一般構造(IX)を有するターチオフェン、ターフラン、ターピロール、および誘導体が含まれる。
【化21】


(IX)
式中、Qは出現するごとに独立に、S、O、またはRが水素原子もしくはC〜CアルキルであるN−Rであり、Rは出現するごとに独立に水素原子、C〜C12アルキル、C〜C12ハロアルキル、C〜C12アルコキシ、C〜C12ハロアルコキシ、アリール、−C〜Cアルキル−O−C〜Cアルキル、または−C〜Cアルキル−O−アリールである。
【0029】
下記一般構造(X)を有するチエノチオフェン、チエノフラン、チエノピロール、フラニルピロール、フラニルフラン、ピロリルピロール、および誘導体が含まれる。
【化22】


(X)
式中、Qは出現するごとに独立に、S、O、またはRが水素原子もしくはC〜CアルキルであるN−Rであり、Rは出現するごとに独立に水素原子、C〜C12アルキル、C〜C12ハロアルキル、C〜C12アルコキシ、C〜C12ハロアルコキシ、アリール、−C〜Cアルキル−O−C〜Cアルキル、または−C〜Cアルキル−O−アリールである。
【0030】
下記一般構造(XI)を有するジチエノチオフェン、ジフラニルチオフェン、ジピローリルチオフェン、ジチエノフラン、ジピロリルフラン、ジピロリルピロール、および誘導体が含まれる。
【化23】


(XI)
式中、Qは出現するごとに独立に、S、O、またはRが水素原子もしくはC〜CアルキルであるN−Rであり、QはC(R、S、OまたはN−Rであり、Rは出現するごとに独立に水素原子、C〜C12アルキル、C〜C12ハロアルキル、C〜C12アルコキシ、C〜C12ハロアルコキシ、アリール、−C〜Cアルキル−O−C〜Cアルキル、または−C〜Cアルキル−O−アリールである。
【0031】
下記一般構造(XII)を有するジチエニルシクロペンテノン、ジフラニルシクロペンテノン、ジピローリルシクロペンテノン、および誘導体が含まれる。
【化24】


(XII)
式中、Qは出現するごとに独立に、S、O、またはRが水素原子もしくはC〜CアルキルであるN−Rであり、EはOまたはC(Rであり、Rは出現するごとに電子求引基である。
【0032】
他の適切なヘテロアリールモノマには、下記一般構造(XIII)を有するヘテロアリールモノマが含まれる。
【化25】


(XIII)
式中、Qは出現するごとに独立にSまたはOであり、Qは出現するごとに独立に、S、O、またはRが水素原子もしくはC〜CアルキルであるN−Rであり、Rは出現するごとに独立に水素原子、C〜C12アルキル、C〜C12ハロアルキル、C〜C12アルコキシ、C〜C12ハロアルコキシ、アリール、−C〜Cアルキル−O−C〜Cアルキル、または−C〜Cアルキル−O−アリールである。一実施形態において、Qは出現するごとにOであり、Qは出現するごとにSであり、Rは出現するごとに水素原子である。
【0033】
下記構造(XIV)によるジチエノビニレン、ジフラニルビニレン、およびジピロリルビニレンが含まれる。
【化26】


(XIV)
式中、Qは出現するごとに独立に、S、O、またはRが水素原子もしくはC〜CアルキルであるN−Rであり、Rは出現するごとに独立に水素原子、C〜C12アルキル、C〜C12ハロアルキル、C〜C12アルコキシ、C〜C12ハロアルコキシ、アリール、−C〜Cアルキル−O−C〜Cアルキル、または−C〜Cアルキル−O−アリールであり、Rは出現するごとに水素原子、C〜Cアルキルまたはシアノである。
【0034】
下記構造(XV)による1,2−トランス(3,4−エチレンジオキシチエニル)ビニレン、1,2−トランス(3,4−エチレンジオキシフラニル)ビニレン、1,2−トランス(3,4−エチレンジオキシピロリル)ビニレン、および誘導体が含まれる。
【化27】


(XV)
式中、Qは出現するごとに独立に、CH、SまたはOであり、Qは出現するごとに独立に、S、O、またはRが水素原子もしくはC〜CアルキルであるN−Rであり、Rは出現するごとに独立に水素原子、C〜C12アルキル、C〜C12ハロアルキル、C〜C12アルコキシ、C〜C12ハロアルコキシ、アリール、−C〜Cアルキル−O−C〜Cアルキル、または−C〜Cアルキル−O−アリールであり、Rは出現するごとに水素原子、C〜Cアルキルまたはシアノである。
【0035】
下記構造(XVI)によるクラス、ビス−チエニルアリーレン類、ビス−フラニルアリーレン類、ビス−ピロリルアリーレン類、および誘導体が含まれる。
【化28】


(XVI)
式中、Qは出現するごとに独立に、S、O、またはRが水素原子もしくはC〜CアルキルであるN−Rであり、Rは出現するごとに独立に水素原子、C〜C12アルキル、C〜C12ハロアルキル、C〜C12アルコキシ、C〜C12ハロアルコキシ、アリール、−C〜Cアルキル−O−C〜Cアルキル、または−C〜Cアルキル−O−アリールであり、
【化29】


はアリールを示す。例示的なアリール基には、フラン、ピロール、N−置換ピロール、フェニル、ビフェニル、チオフェン、フルオレン、9−アルキル−9H−カルバゾールなどが含まれる。
【0036】
下記構造(XVII)によるビス(3,4−エチレンジオキシチエニル)アリーレン類のクラス、関連化合物および誘導体が含まれる。
【化30】


(XVII)
式中、Qは出現するごとに独立にSまたはOであり、Qは出現するごとに独立に、S、O、またはRが水素原子もしくはC〜CアルキルであるN−Rであり、Rは出現するごとに独立に水素原子、C〜C12アルキル、C〜C12ハロアルキル、C〜C12アルコキシ、C〜C12ハロアルコキシ、アリール、−C〜Cアルキル−O−C〜Cアルキル、または−C〜Cアルキル−O−アリールであり、
【化31】


はアリールを示す。
【0037】
構造(XVII)による例示的なビス(3,4−エチレンジオキシチエニル)アリーレン類には、QがすべてOであり、Qが共にSであり、Rがすべて水素原子であり、
【化32】


が1および4位置で結合しているフェニルである化合物が含まれる。別の例示的な化合物では、QがすべてOであり、Qが共にSであり、Rがすべて水素原子であり、
【化33】


が2および5位置で結合しているチオフェンである。
【0038】
下記構造(XVIII)による化合物のクラスが含まれる。
【化34】


(XVIII)
式中、Qは出現するごとに独立にSまたはOであり、Qは出現するごとに独立に、S、O、またはRが水素原子もしくはC〜CアルキルであるN−Rであり、QはC(R、S、OまたはN−Rであり、Rは出現するごとに独立に水素原子、C〜C12アルキル、C〜C12ハロアルキル、C〜C12アルコキシ、C〜C12ハロアルコキシ、アリール、−C〜Cアルキル−O−C〜Cアルキル、または−C〜Cアルキル−O−アリールである。一実施形態において、Qは出現するごとにOであり、Qは出現するごとにSであり、Rは出現するごとに水素原子であり、Rはメチルである。
【0039】
下記構造(XIX)による化合物のクラスが含まれる。
【化35】


(XIX)
式中、Qは出現するごとに独立に、S、O、またはRが水素原子もしくはC〜CアルキルであるN−Rであり、QはC(R、S、OまたはN−Rであり、Rは出現するごとに独立に水素原子、C〜C12アルキル、C〜C12ハロアルキル、C〜C12アルコキシ、C〜C12ハロアルコキシ、アリール、−C〜Cアルキル−O−C〜Cアルキル、または−C〜Cアルキル−O−アリールである。
【0040】
下記構造(XX)による化合物のクラスが含まれる。
【化36】


(XX)
式中、Qは出現するごとに独立に、S、O、またはRが水素原子もしくはC〜CアルキルであるN−Rであり、Qは出現するごとにC(R、S、OまたはN−Rであり、Rは出現するごとに独立に水素原子、C〜C12アルキル、C〜C12ハロアルキル、C〜C12アルコキシ、C〜C12ハロアルコキシ、アリール、−C〜Cアルキル−O−C〜Cアルキル、または−C〜Cアルキル−O−アリールである。
【0041】
下記構造(XXI)による化合物のクラスが含まれる。
【化37】


(XXI)
式中、Qは、S、O、またはRが水素原子もしくはC〜CアルキルであるN−Rであり、Qは出現するごとに独立にSまたはOである。
【0042】
下記構造(XXII)による化合物のクラスが含まれる。
【化38】


(XXII)
式中、Qは出現するごとに独立に、S、O、またはRが水素原子もしくはC〜CアルキルであるN−Rであり、Qは出現するごとに独立にSまたはOである。
【0043】
下記構造(XXIII)による化合物のクラスが含まれる。
【化39】


(XXIII)
式中、QはS、O、またはRが水素原子もしくはC〜CアルキルであるN−Rであり、Qは出現するごとに独立にSまたはOであり、Rは出現するごとに独立に水素原子、C〜C12アルキル、C〜C12ハロアルキル、C〜C12アルコキシ、C〜C12ハロアルコキシ、アリール、−C〜Cアルキル−O−C〜Cアルキル、または−C〜Cアルキル−O−アリールである。一実施形態において、一方のRはメチルであり、他方のRは−C〜Cアルキル−O−フェニルまたは−C〜Cアルキル−O−ビフェニルである。
【0044】
下記構造(XXIV)による化合物のクラスが含まれる。
【化40】


(XXIV)
式中、Qは出現するごとに独立に、S、O、またはRが水素原子もしくはC〜CアルキルであるN−Rであり、Qは出現するごとに独立にSまたはOであり、Rは出現するごとに独立に水素原子、C〜C12アルキル、C〜C12ハロアルキル、C〜C12アルコキシ、C〜C12ハロアルコキシ、アリール、−C〜Cアルキル−O−C〜Cアルキル、または−C〜Cアルキル−O−アリールである。一実施形態において、一方のRがメチルであり、他方のRがジェミナル炭素中心(geminal carbon center)当たり−C〜Cアルキル−O−フェニルまたは−C〜Cアルキル−O−ビフェニルである。
【0045】
下記構造(XXV)による化合物のクラスが含まれる。
【化41】


(XXV)
式中、Qは出現するごとに独立に、S、O、またはRが水素原子もしくはC〜CアルキルであるN−Rであり、Qは出現するごとに独立にSまたはOであり、Rは出現するごとに独立に水素原子、C〜C12アルキル、C〜C12ハロアルキル、C〜C12アルコキシ、C〜C12ハロアルコキシ、アリール、−C〜Cアルキル−O−C〜Cアルキル、または−C〜Cアルキル−O−アリールであり、
【化42】


はアリールを示す。一実施形態において、一方のRがメチルであり、他方のRがジェミナル炭素中心当たり−C〜Cアルキル−O−フェニルまたは−C〜Cアルキル−O−ビフェニルである。
【0046】
下記構造(XXVI)による化合物のクラスが含まれる。
【化43】


(XXVI)
式中、Qは出現するごとに独立に、S、O、またはRが水素原子もしくはC〜CアルキルであるN−Rであり、Qは出現するごとに独立にSまたはOであり、Rは出現するごとに独立に水素原子、C〜C12アルキル、C〜C12ハロアルキル、C〜C12アルコキシ、C〜C12ハロアルコキシ、アリール、−C〜Cアルキル−O−C〜Cアルキル、または−C〜Cアルキル−O−アリールである。
【0047】
下記構造(XXVII)による化合物のクラスが含まれる。
【化44】


(XXVII)
式中、Qは出現するごとに独立に、S、O、またはRが水素原子もしくはC〜CアルキルであるN−Rであり、Qは出現するごとに独立にSまたはOであり、Rは出現するごとに独立に水素原子、C〜C12アルキル、C〜C12ハロアルキル、C〜C12アルコキシ、C〜C12ハロアルコキシ、アリール、−C〜Cアルキル−O−C〜Cアルキル、または−C〜Cアルキル−O−アリールである。
【0048】
1種類のヘテロアリールモノマを前駆体ポリマに変換する場合には、ホモポリマを調製することができる。場合により、2種以上の異なるヘテロアリールモノマを使用してコポリマを調製することができる。他のコポリマには、2種以上のSi、Ge、SnおよびPb基から選択される単位を有するが、1種類のヘテロアリールを有するコポリマが含まれる。さらに、他のコポリマには、2種以上のSi、Ge、SnおよびPb基から選択される単位と、2種以上のヘテロアリールモノマとを有するコポリマが含まれる。これらのコポリマには、ランダムコポリマ、ブロックコポリマまたは交互コポリマが含まれる。2種類以上のヘテロアリールモノマおよび/または2種類以上のSi、Ge、SnおよびPb基(たとえば、コア原子Yが異なっていても、ペンダントアルキル基RおよびRが異なっていても、その両方であってもよい異なる2種以上のRYZ)を選択することによって、場合に応じた物理的特性および他の特性を有する幅広いコポリマを調製することができる。
【0049】
下記一般構造(3)を有する例示的なランダムコポリマを調製することができる。
【化45】


(3)
式中、ArおよびArは、それぞれ独立にヘテロアリール基であり、RおよびRは出現するごとに独立に、C〜C12アルキル、C〜C12ハロアルキルまたはアリールであり、YおよびYは出現するごとに独立にSi、Ge、SnまたはPbであり、f:gの比は約5:95〜約95:5であり、pは約5以上である。これらはランダムコポリマであるため、fおよびgは、ポリマ内の必ずしも互いに結合しているとは限らない単位の総数を表す。一実施形態において、Arは、
【化46】


であり、RおよびRは共にメチル基であり、YはSiであり、YはGeである。
【0050】
上で開示したヘテロアリールモノマ(I)、(II)および(III)から調製される例示的な前駆体ポリマには、下記一般構造を有する前駆体ポリマが含まれる。
【化47】


式中、Q、R、R、R、X、nおよびYは上で定義したとおりである。
【0051】
上で開示したヘテロアリールモノマ類(IV)から調製される例示的な前駆体ポリマには、下記一般構造を有する前駆体ポリマが含まれる。
【化48】


【化49】


式中、Q、Q、R、R、R、X、nおよびYは上で定義したとおりである。上記に基づき、当業者は、ヘテロアリールモノマ(V)〜(XXVII)から調製される前駆体ポリマの一般構造を、想定することができる。
【0052】
本明細書中で使用する「アルキル」には、直鎖、分岐および環状脂肪族飽和炭化水素基が含まれ、規定の数の炭素原子、直鎖では一般に1〜約12個の炭素原子、分岐および環状では一般に3〜約12個の炭素原子を有する。アルキルの例には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、3−メチルブチル、t−ブチル、n−ペンチル、sec−ペンチル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびオクチルが含まれるが、これらに限定されない。具体的なアルキル基には低級アルキル基が含まれ、それらアルキル基は1〜約8個の炭素原子、1〜約6個の炭素原子または1〜約4個の炭素原子を有する。
【0053】
本明細書中で使用する「ハロアルキル」は、規定の数の炭素原子を有し、1つ以上のハロゲン原子で、一般に最大許容ハロゲン原子数になるまで置換されている(「ペルハロゲン化(perhalogenated)」、たとえば、ペルフルオロ化されている)直鎖、分岐および環状アルキル基を指す。ハロアルキルの例には、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、2−フルオロエチルおよびペンタ−フルオロエチルが含まれるが、これらに限定されない。
【0054】
本明細書中で使用する「アルコキシ」には、上で定義したようなアルキル基が含まれ、指示した数の炭素原子が酸素橋(−O−)を介して結合している。アルコキシの例には、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、2−ブトキシ、t−ブトキシ、n−ペントキシ、2−ペントキシ、3−ペントキシ、イソペントキシ、ネオペントキシ、n−ヘキソキシ、2−ヘキソキシ、3−ヘキソキシおよび3−メチルペントキシが含まれるが、これらに限定されない。
【0055】
「ハロアルコキシ」は、酸素橋を介して結合した上で定義したようなハロアルキル基を指す。
【0056】
本明細書中で使用する用語「アリール」は、1つ以上の芳香環中に炭素のみを含む芳香族基を指す。このような芳香族基は、炭素原子もしくは非炭素原子または炭素基もしくは非炭素基でさらに置換することができる。典型的なアリール基は、別個の環、縮合環、ペンダント環を1つまたは2つ含み、6〜約12個の環原子を含むが、環員としてヘテロ原子は含まない。必要であれば、アリール基を置換することができる。このような置換として、たとえば、3,4−メチレンジオキシ−フェニル基を形成するために、N、OおよびSから独立に選択されるヘテロ原子を場合により1個または2個含む5〜7員の飽和環状基への縮合を挙げることができる。アリール基には、たとえば、フェニル、1−ナフチルおよび2−ナフチルを含めたナフチル、フルオレンおよびビフェニルが含まれる。
【0057】
本明細書中で使用する「ハロ」または「ハロゲン」は、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードを指す。
【0058】
標準的な命名法を用いて化合物が記載されている。たとえば、示したいずれの基によっても置換されていない任意の位置は、示した結合、すなわち水素原子によってその原子価が満たされていると理解される。2つの文字または記号間にはないダッシュ(「−」)を使用して、置換基の結合点を示す。たとえば、−CHOは、カルボニル基の炭素を介して結合している。
【0059】
2種以上の前駆体ポリマを含むブレンドも、本発明では考えられる。加えて、上記前駆体ポリマのうちの少なくとも1種と、追加のポリマとを含むブレンドも考えられる。この追加のポリマは、導電性ポリマ、非導電性ポリマ、熱可塑性物質、または上記のうち少なくとも1種を含む組合せでよい。
【0060】
前駆体ポリマは、対応するヘテロアリールモノマまたはその誘導体から便利に調製することができる。一実施形態において、ヘテロアリールモノマを二重に脱プロトン化し、塩基の存在下で適当な種RYZと反応させ、その後、前駆体ポリマに変換する。RおよびRは独立にC〜C12アルキルであり、YはSi、Ge、SnまたはPbであり、各Zは独立にCl、BrまたはIである。適切な塩基には、たとえば、アルキルリチウム(たとえば、t−ブチルLi、n−ブチルLi、sec−ブチルLi)、リチウムジアルキルアミド類(たとえば、リチウムジイソプロピルアミド)、等価の塩基度の他の塩基)が含まれる。非溶媒、たとえば、ペンタン/ヘキサンを用いて溶媒からポリマを沈殿させ、その後、たとえばソックスレ抽出など連続的な手順により非溶媒で洗浄することによって、上記で得られた前駆体ポリマを精製することができる。
【0061】
以下の一般スキーム(4)および(5)に概略を示すような酸化[Ox]反応プロセスによって、前駆体ポリマを導電性ポリマに変換することができる。
【化50】


(4)
【化51】


(5)
式中、Ar、R、R、X、Y、n、mおよびpは先に定義したとおりである。化学酸化もしくは電気化学酸化によって、または臭素変換によって、この酸化プロセスをもたらすことができる。
【0062】
前駆体ポリマの導電性ポリマへの変換により、導電性ポリマの骨格構造中にSi、Ge、SnまたはPb単位の一部を保持する導電性ポリマがもたらされる。得られた導電性ポリマはシグマ共役を有し、このシグマ共役により、他のプロセスによるヘテロアリール化合物から調製される他の導電性ポリマとは異なるものとなる。たとえば、下記構造、
【化52】


を有する前駆体ポリマが、化学酸化、電気化学酸化、あるいは臭素および任意選択の熱にさらすことにより変換すると、−SiMe−単位によって結合している複数のEDOT結合を有し、その場合別の−SiMe−単位に遭遇する前などに別の複数のEDOT基を有する導電性ポリマに変換する。
【0063】
前駆体ポリマの変換により得られる導電性ポリマ中にSi、Ge、SnまたはPb単位の一部を保持することには、いくつかの利点がある。まず、繰り返し単位の数は前駆体ポリマと導電性ポリマとの間でほぼ同じであるため、導電性ポリマはその高分子量の大半を保持する。この高分子量により、より良い機械的特性を有する導電性ポリマがもたらされる。第二に、Si、Ge、SnまたはPbはヘテロアリールのπ系と共役し、シランが四面体配置を有する。これにより、完全にπ共役したポリマ類よりも共役長が長くなり、前駆体ポリマから調製される導電性ポリマが、より低い酸化電位、したがってより高くに位置する最高被占分子軌道(HOMO)を有することになる。
【0064】
一方法において、前駆体ポリマを液体中で化学的に酸化する。適切な酸化剤には、有機酸、有機残渣を含む無機酸、無機酸の、FeCl、Fe(ClOなどの鉄(III)塩が含まれる。H、KCr、アルカリまたはアンモニウム過硫酸塩、アルカリ過ホウ酸塩、過マンガン酸カリウム、NOBF、あるいはテトラフルオロホウ酸銅などの銅塩などの酸化剤を使用することもできる。加えて、臭素、ヨウ素および酸素を酸化剤として有利に使用することができる。過硫酸塩、ならびに有機酸および有機残渣を含む無機酸の鉄(III)塩は、腐食性ではないため好ましい。有機酸の適切な鉄(III)塩の例は、メタンスルホン酸やドデカンスルホン酸などC〜C30のアルキルスルホン酸、2−エチルヘキシルカルボン酸などC〜C20の脂肪族カルボン酸、トリフルオロ酢酸やペルフルオロオクタン酸などC〜C20の脂肪族ペルフルオロカルボン酸、シュウ酸などの脂肪族ジカルボン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸など、場合によりC〜C20のアルキルで置換された芳香族スルホン酸の鉄(III)塩である。上記有機酸の鉄(III)塩の混合物を使用することもできる。有機残渣を含む無機酸の鉄(III)塩の例は、C〜C20のアルカノール類の硫酸セミエステル類の鉄(III)塩、たとえば、ラウリル硫酸塩の鉄(III)塩である。
【0065】
酸化化学反応を行うための適切な液体は、反応に悪影響を及ぼさず、好ましくは不活性である。適切な液体は、経済性、環境要因などに基づいてさらに選択されるが、有機物であっても、水性であっても、これらの混合であってもよい。適切な有機液体は、メタノールやエタノールなどの脂肪族アルコール類、アセトンやメチルエチルケトンなどの脂肪族ケトン類、酢酸エチルなどの脂肪族カルボン酸エステル類、トルエンやキシレンなどの芳香族炭化水素、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素、アセトニトリルなどの脂肪族ニトリル類、ジクロロメタンなどの塩素化炭化水素、ジメチルスルホキシドなどの脂肪族スルホキシド類など、ならびに上記有機酸の少なくとも1種を含む混合物でよい。具体的には、水性液体、すなわち、水および/または低級アルコール類、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミドなどの水混和性有機液体を含む液体を使用する。
【0066】
化学酸化プロセスにおけるすべての導電性ポリマのために熱が必要なわけではない。しかしながら、熱を使用して、導電性ポリマへの変換を加速することができる。化学酸化剤にポリマをさらす間、またはさらした後に、ポリマに熱を与えることができる。典型的な反応条件には、0〜約100℃の温度が含まれる。所望の導電性ポリマが調製されるまでの期間、酸化を継続する。変換度は最終用途に応じて異なり、過度の実験なしに当業者によって容易に決定される。重合時間は数分から最大約48時間で、利用する反応器の寸法、反応温度、利用する酸化剤などを含めた多くの因子に依存する。
【0067】
一実施形態においては、臭素にさらすことによって、上記一般スキーム(4)〜(5)に概要を示すように前駆体ポリマを導電性共役ポリマに変換する。臭素にポリマを気相でさらすことによって、または臭素を溶液とし、この溶液にポリマをさらすことによって、臭素を与えることができる。前駆体ポリマはこの溶液に溶解しても、または溶解せず膨張するだけであってもよい。
【0068】
臭素および熱を使用して前駆体ポリマを導電性ポリマへと酸化する別の実施形態においては、前駆体ポリマはシリル含有ポリマである。
【0069】
臭素および熱を使用して前駆体ポリマを導電性ポリマに酸化するさらに別の実施形態においては、前駆体ポリマはゲルマニウム(Ge)含有ポリマである。
【0070】
一実施形態においては、FeClや前述の酸化剤などの化学酸化剤によって、上記一般スキーム(4)〜(5)に概要を示すように前駆体ポリマを導電性共役ポリマに変換する。化学酸化剤を使用する場合、反応溶液への塩の添加を利用して、前駆体ポリマを十分に酸化する。この目的のための適切な塩には、有機可溶性塩類、無機塩類、イオン性液体、ポリスチレンスルホン酸塩、ポリアクリル酸ナトリウム塩、ポリ(メタ)アクリル酸ナトリウム塩などの高分子電解質などが含まれる。例示的な塩には、テトラフルオロボレート、ヘキサフルオロホスフェート、過塩素酸塩、ハライド、トルエンスルホネートおよび他の脂肪酸スルホン酸塩、トリフルオロメチルスルホネート、ビストリフルオロメタンスルホンイミド、スルフェート、カーボネートもしくは過硫酸塩を伴うテトラアルキルアンモニウム、アンモニウム、リチウムまたはナトリウムカチオンが含まれる。
【0071】
別の実施形態においては、化学酸化剤NOBFによって、上記一般スキーム(4)〜(5)に概要を示すように(Si、Ge、Sn、Pb)前駆体ポリマを導電性ポリマに変換する。
【0072】
水/酸化剤溶液を用いることによって、前駆体ポリマ類、具体的にはポリアリールシラン類を、固体状態の導電性共役ポリマに変換することができる。ポリマ前駆体を成形(cast)する場合、先に記載したような塩を成形プロセス中に添加する。次いで、成形したポリマ前駆体を適切な酸化剤で酸化して、導電性ポリマをもたらすことができる。このプロセスにより、ポリマ前駆体を導電性ポリマフィルムに変換するための清潔で効率的な方法がもたらされる。
【0073】
導電性共役ポリマを調製するための代替方法は、前駆体ポリマを導電性共役ポリマに変換するための電気化学酸化によるものである。この反応には、従来の電解質電池を使用することができる。一実施形態においては、作用電極、具体的には、白金、金、ガラス状炭素およびインジウムドープ酸化スズ作用電極からなる群から選択されるボタン作用電極あるいはITOなどの非ボタン電極と、白金フラッグ、すなわち白金フラッグ対電極と、Ag/Ag非水系参照電極とを備える、電解質と動作可能に連通している三電極構成(作用電極、対電極および参照電極)を使用する。
【0074】
適切な電解質には、テトラアルキルアンモニウム塩、たとえば、テトラエチルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム塩、ならびにトリフルオロメタンスルホン酸リチウムなどカチオンの塩が含まれる。適切な対イオンには、ビストリフルオロメチルスルホンイミド、トシラート、過塩素酸塩、テトラフルオロボレート、ヘキサフルオロホスフェートなどの無機イオン、およびクロリド、ブロミド、ヨードなどのハライド、ならびにトシラート、トリフラート、トリフルオロメチルスルホンイミドなどの有機アニオン、またはポリアニオン、たとえば、ポリスチレンスルホネート、アクリル酸のアニオン型が含まれるが、これらに限定されない。溶媒、たとえば、水、エタノール、メタノール、アセトニトリル、プロピレンカーボネート、テトラグリム(tetraglyme)、塩化メチレン、クロロホルムおよびテトラヒドロフランを使用して、電解質溶液を調製することができる。特定の溶媒は、水、アセトニトリルおよびプロピレンカーボネートである。
【0075】
他の適切な電解質には、ブチルメチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート(BMIM PF)やブチルメチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート(BMIM BF)などのイオン性液体が含まれる。
【0076】
特定の電解質には、過塩素酸テトラブチルアンモニウム/アセトニトリル、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート、テトラブチルアンモニウムヘキサフルオロホスフェート/アセトニトリル、リチウムトリフルオロメタンスルホネート/アセトニトリルおよびリチウムトリフラート/アセトニトリルが含まれる。電解質の例示的な濃度は0.1Mである。
【0077】
特定の作用電極はガラス状炭素電極で、好ましい電解質は過塩素酸テトラブチルアンモニウム/アセトニトリルである。別の特定の作用電極は白金ボタン電極で、好ましい電解質はリチウムトリフルオロメタンスルホネート/アセトニトリルである。
【0078】
一実施形態においては、酸化ステップの前に、調製した前駆体ポリマを基板上にコーティングすることができる。インクジェット印刷、スクリーン印刷、ロールツーロール印刷プロセス、スピンコーティング、メニスカスおよびディップコーティング、スプレーコーティング、刷毛コーティング、ドクターブレード塗布、カーテンキャスティング、スプレーキャスティングなどにより前駆体ポリマを塗布して、層を形成することができる。次いで、先に記載したプロセスのうちいずれか1つにより、基板上の前駆体ポリマフィルムを固体状態の導電性共役ポリマに変換することができる。
【0079】
前駆体ポリマ、具体的にはポリアリールシラン類を水/塩溶液とし、前駆体ポリマのアリール成分の酸化電位以上の電位を印加することによって、固体状態の導電性共役ポリマに変換することができる。ポリマ前駆体を成形する場合、成形プロセス中に塩を添加する。例示的な塩には、テトラフルオロボレート、ヘキサフルオロホスフェート、過塩素酸塩、ハライド、トルエンスルホネートおよび他の脂肪酸スルホン酸塩、トリフルオロメチルスルホネート、ビストリフルオロメタンスルホンイミド、スルフェート、カーボネートもしくは過硫酸塩を伴うテトラアルキルアンモニウム、アンモニウム、リチウムまたはナトリウムカチオンが含まれる。
【0080】
場合により、前駆体ポリマを、フィルムを調製するまたは様々な基板をコーティングするためにさらに使用することができる導電性共役ポリマに変換することができる。
【0081】
これらの前駆体ポリマは、繊維の圧縮成形、射出成形、溶融紡糸、融解延伸などによって溶融加工可能であることがわかっている。繊維を調製する別の方法には、ポリマ前駆体の電界紡糸を行うことを含み、次いで、これらのポリマ前駆体を導電性共役ポリマに変換することができる。
【0082】
別の実施形態においては、前駆体ポリマを加熱しなら液晶形成することができる。
【0083】
前駆体ポリマは、その化学構造に応じて、非晶質であっても半結晶性であってもよいことがわかっている。たとえば、ビチオフェンと−Si(Me)−との繰り返し単位を含む前駆体ポリマは、半結晶性であることがわかった。
【0084】
ヘテロアリールを分岐アルキル基で置換することによって、非晶質前駆体ポリマを調製することができる。この分岐により前駆体ポリマの粘度が低減されることになり、またこの分岐は結晶性を低下させることができる。このような非晶質ポリマは、超臨界流体を溶媒として用いて(たとえば、超臨界CO)加工することができる可能性がある。加えて、シロキサン含有(Si−O−Si)前駆体ポリマも、超臨界液体を用いる加工のための候補である。
【0085】
ポリマ前駆体から共役ポリマを調製する記載のプロセスは、この技法を用いて多くの異なる共役ポリマを作製する可能性を示す幅広い芳香族部分の影響を受けやすい。さらに、前駆体ポリマの溶解度、およびガラス転移温度などの物理的特性は、異なる置換基が結合しているSi、Ge、SnおよびPb基を用いることによって変更することができる。
【0086】
コーティングすることができる適切な基板には、固体材料(屈曲性または剛直)が含まれ、たとえば、ガラス、プラスチックなどの有機ポリマ、シリコン、鉱物、半導体材料、セラミック、金属、金属酸化物など、ならびに上記材料の2種以上の組合せでよい。基板は本質的に導電性であっても、絶縁性であってもよい。
【0087】
これらの前駆体ポリマの多くは可溶性であるが、前駆体ポリマから調製された共役ポリマは不溶性であるため、固体膨潤状態における電解重合による共役ポリマの調製を使用して、ある共役ポリマを別のポリマの上に、先の層に影響を及ぼすことなくパターニングすることができる。このようなプロセスは、多層電子デバイスを作製する際には必須条件となる。
【0088】
上記の導電性ポリマを含むフィルムおよび材料は、静電防止コーティング、導電性コーティング、エレクトロクロミックデバイス、光起電デバイス、ディスプレイ用途向け発光ダイオード、発光ダイオード用ホール注入層、近赤外発光ダイオード、インジウムドープ酸化スズ交換用透明導電性コーティング、フラットパネルディスプレイ、フレキシブルディスプレイ、光画像形成可能な回路、印刷可能な回路、薄膜トランジスタデバイス、電池、電気スイッチ、コンデンサコーティング、耐食コーティング、電磁遮蔽、センサ、バイオセンサ、ディマーブル(dimmable)ミラー、III型スーパーキャパシタ、LED照明などを含めた様々な用途において利用することができる。ポリマの電気伝導率は、必要に応じて、当技術分野において公知であるアニオン(p−ドープポリマ用)やカチオンドーパント(n−ドープポリマ用)など従来のドーパントをポリマにドーピングすることによって、先に述べた用途のいずれかの要件を満たすように容易に変更することができる。
【0089】
以下の例示的な実施例は、どのようにポリマを作製し使用するのかをさらに説明するために提供されるが、特許請求の範囲に記載されている本発明の範囲を限定するものではない。
【実施例】
【0090】
(実施例1)
<3,4−エチレンジオキシチオフェン(EDOT)から調製される前駆体ポリマの調製>
EDOT(× mol)を250mlの真空乾燥三つ口丸底フラスコに取り、その後無水テトラヒドロフラン(THF)をカニューレ挿入した。この反応混合物中に、−78℃(ドライアイス−アセトン浴)でn−ブチルリチウム(n−BuLi)(2× mol)を液滴添加した。この反応混合物を室温で1時間撹拌し、その後、15分の時間をかけてジアルキルジクロロシラン(1× mol)を液滴添加した。この反応物を、窒素雰囲気下48時間室温で撹拌した後、水を用いて急冷(quench)した。n−ペンタンを用いて溶液から沈殿させることによって、EDOT前駆体ポリマを得た。このEDOT前駆体ポリマ1Aを真空乾燥し、ペンタンまたはペンタン−THF(50−50)混合物で洗浄することによって精製した。
【化53】

【0091】
追加のヘテロアリールを前駆体ポリマに調製した。すべての前駆体ポリマを、H−NMR、13C−NMR、示差走査熱量測定(DSC)および熱重量分析によって分析した。これらの前駆体ポリマおよびそれらの物理的特性(数平均分子量(Mn)、多分散指数(PDI)、ガラス転移温度(T)および熱劣化の開始)概要を、表1に提供する。
【0092】
【表1】

【0093】
前駆体ポリマ1Aは、THF、塩化メチレン、クロロホルム、DMF、DMSOおよび他の有機溶媒に可溶性であることがわかった。前駆体ポリマ1Bは、沸騰したDMFおよびDMSOに可溶性で、冷却すると溶液から沈殿する。前駆体ポリマ1Cは、加熱するとTHF、クロロホルムおよびDMFに可溶性となり、冷却しても可溶性のままである。
【0094】
前駆体ポリマ1D〜1Gも、実施例1Aの手順に従って調製した。ポリジメチルギリル(polydimethylgilyl)EDOTの調製(1H):テフロン(登録商標)の撹拌子(stir bar)と、テフロン(登録商標)のストッパ2つと、窒素雰囲気精製装置(nitrogen blanket)とのシュレンクライン(Schlenkline)接続部とを有する50mLの三つ口丸底フラスコに、窒素雰囲気精製装置の下で1mLのシリンジを用いて3,4−エチレンジオキシチオフェンを0.007035モル(1g、0.75mL)入れた。この反応フラスコに、窒素雰囲気精製装置の下で新たに蒸留した乾燥THF(12mL)をカニューレ挿入した。この溶液を3分間撹拌し、−78℃のドライアイス/アセトンスラリーに漬浸させた。シリンジを用いて、撹拌反応槽に、20分の時間をかけて2.28MのnBuLiを0.0142モル(6.23mL)液滴添加した。反応混合物をこの温度で45分間維持した後、水/氷スラリーを用いてゆっくりと0℃にした。反応混合物をこの温度でさらに45分間維持した後、氷浴を取り除くことによって室温にした。反応物を室温でさらに30分間維持した。この反応混合物に、シリンジにより1時間かけてジクロロジメチルゲルマンを1.224g(0.81mL)添加した。その後、反応物をさらに96時間撹拌した。メタノールを0.5mL添加することによって反応を終了させ、ペンタン50mlが入っている100mlのビーカーに反応混合物の中身を注いだ。生じた沈殿物を真空ろ過によって分離した。残留物をさらなるペンタンで洗浄し、次いで、困難を伴って熱いDMF10mLに入れた。その後、この溶液を50mlの脱イオン水に注ぎ、この時点で黄褐色の沈殿物が生じた。この沈殿物をヘキサンで数回洗浄した後、100℃で−50Kpaの真空オーブン内で24時間乾燥させた。
【0095】
ポリ(50−50−ジメチルシリルジメチルギリル、EDOT)(1J)の調製を、1Hを調製するための手順と同様にして行ったが、反応混合物の中身が確実にほぼ同量のジクロロジメチルゲルマンおよびジクロロジメチルシランを有するように、ジクロロジメチルゲルマンおよびジクロロジメチルシランを同時に添加した。得られたポリマ1Jはクロロホルムに可溶である。
【0096】
ポリ(25−75−ジメチルシリルジメチルギリル、EDOT)(1K)の調製を、1Hを調製するための手順と同様にして行ったが、反応混合物の中身のジクロロジメチルシラン:ジクロロジメチルゲルマンの比が確実に約1:3となるように、ジクロロジメチルゲルマンおよびジクロロジメチルシランを同時に添加した。
【0097】
ポリ(75−25−ジメチルシリルジメチルギリル、EDOT)(1L)の調製を、1Hを調製するための手順と同様にして行ったが、反応混合物の中身のジクロロジメチルシラン:ジクロロジメチルゲルマンの比が確実に約3:1となるように、ジクロロジメチルゲルマンおよびジクロロジメチルシランを同時に添加した。
【0098】
ポリマ前駆体1Hおよび1J〜1Lを、熱重量分析(TGA)および示差走査熱量測定(DSC)によって分析した。
【0099】
(実施例2)
<EDOT前駆体ポリマの電気化学酸化>
EDOT前駆体ポリマ1Aを、電気脱シリル化(electrodesilylation)プロセスにより、ジメチルシランの単位を含むEDOTポリマ2Aに変換した。
【化54】


酸化の後、芳香族単位は酸化/導電状態にあり、一般に絶縁性であるまたはバンドギャップがより大きい繰り返し芳香族構造となるスキームに示すような繰り返し単位をもたらすために還元が必要なだけであることを理解されたい。作用電極として白金ボタンを、対電極として白金フラッグを、参照電極としてAg/Ag非水系を含む三電極電池を、モノマを含まない0.1Mのヘキサフルオロリン酸テトラブチルアンモニウム/アセトニトリル(TBAPF/ACN)電解質溶液の存在下で使用した。参照電極を、フェロセン−フェロセニウム酸化還元を用いて較正し、0.457対標準水素電極(NHE)であることがわかった。EDOT前駆体ポリマ1AをPtボタン上に液滴成形し、電気化学重合の前に約10分間電解質中で保持した。走査速度50mV/sでサイクリックボルタンメトリ(cyclovoltammetry)を用いることによって、電気化学重合を行った。EDOTポリマ前駆体1Aは、PEDOTを形成するためのEDOTの酸化重合に対応する、開始が0.88Vでありピークが1.2V(対Ag−Ag非水系参照)である酸化プロセスを示した。カソード方向へ走査を反転させると、先のカソード走査で得られた2Aの酸化型の中性型への還元に対応する2つの広い還元プロセスが観測された。このことは、重合の後、無色から透明な薄青色へ、その後、中性型における透明な濃青色へと色が変化した前駆体フィルムの目視検査によっても確認された。第2の走査時には、前駆体の酸化重合に対応する電流の大きな減少が、第1の走査における1Aの2Aへの変換を示す。2Aは、PEDOT(EDOTの電気化学重合により得られる)に似た酸化還元挙動を示したが、このことはいずれの場合にも類似の共役種が形成されることを示している。
【0100】
別個に、前駆体ポリマを塩化メチレンおよび0.1Mの塩に溶解させ、この前駆体ポリマにより、溶液から電極上へのポリマの電気化学変換を行うことができる。
【0101】
図1は、固体状態にある前駆体ポリマ1Aの電気化学酸化的変換の例である。使用した電解質は、Ptボタン上で実施される0.1Mのトリフルオロメタンスルホン酸リチウム/アセトニトリルであった。
【0102】
前駆体ポリマ1Bも2Bへと酸化重合したところ、開始が0.34Vで、ピーク電位がビス−3,4−エチレンジオキシチオフェン(BEDOT)のピーク電位と類似の0.66Vであった。2Bは、EDOTまたは1Aから得られるPEDOTに似た酸化還元挙動を示した。1Aと比較してより低い1Bの酸化電位は、より低い酸化電位でPEDOTを合成する際に役立つ。
【0103】
前駆体ポリマ1Cの2Cへの電気化学変換も同様にして行ったところ、酸化ピークの開始が0.34Vで、ピークは0.61Vであった。第1のCV走査における1Cの2Cへの完全変換は、第1および第2の走査におけるモノマの酸化に対応する電流および類似の還元電流の大きな減少により明らかである。2Cは、BEDOT−N−メチルカルバゾール(BEDOT−NMCz)から得られるポリカルバゾールに似た酸化還元挙動を示したが、このことはいずれの場合にも類似の共役種が形成されることを示している。
【0104】
図2は、固体状態にある前駆体ポリマ1Cの電気化学酸化的変換の例である。使用した電解質は、Ptボタン上で実施される0.1Mのトリフルオロメタンスルホン酸リチウム/アセトニトリルであった。
【0105】
前駆体ポリマ1D、1E、1F、1Hおよび1Iも、実施例2の手順に従って共役ポリマにうまく変換した。前駆体ポリマ1EをDSCによって分析したところ、融解転移(図4、第2の走査、加熱速度10℃/分)が示すように半結晶性であることがわかっている。より高温では、この融解物は液晶相へと規則化する。前駆体ポリマ1Eの広角X線散乱(WAXS)は、ポリマ鎖の結晶性および格子面間隔を示す(図5)。
【0106】
(実施例3)
<BEDOT−NMCz前駆体ポリマのin−situ分光電気化学>
厚さ0.1μmの1Cのフィルムを、ITOをコーティングしたガラス上に、0.1w/v%のDMF溶液から回転成形し、上述のように2Cに電気化学的に重合した。2CでコーティングされたITO−ガラスを、三電極電池における作用電極として、対電極としてのITOをコーティングしたガラスおよび参照電極としてのAg−Ag非水系と共に0.1MのTBAPF/ACN電解質の存在下で使用した。対電極として使用する他方のITOでコーティングしたガラスを作用電極から0.5cm離して保持し、Ag/Ag参照電極をUVキュベット内のそれら電極の間に保持した。クロノクーロメトリ技法(chronocoulometry technique)を用いて、光学的測定の間、電位を一定に保持した。1Cは可視領域において吸収ピークを示さなかったが、中性状態(電位−0.4V対Ag−Ag非水系で)における2Cは427nm(2.9eV)で吸収ピークを示し、このことは共役ポリマの形成を示していた。吸収ピークの開始は、共役ポリマのπ−π転移に対応する501nm(2.48eV)で観測される。2Cは、λmaxから共役ポリマ2Cの酸化型に対応する610nm(2.03eV)へのレッドシフトを(+0.4V(対Ag−Ag)を印加すると)示した。これらの結果は、モノマBEDOT−NMCzから得られるポリマについての報告値と一致し、これにより前駆体1Cから共役ポリマが形成されていることが確認される。前駆体1Aおよび1Bから得られる共役ポリマも、対応するモノマから得られるポリマに類似した光学特性を示した。
【0107】
(実施例4)
<前駆体ポリマ1Hおよび1J〜1Lの酸化重合>
前駆体1Hの薄膜を、溶液から作用電極上に成形した。1×1cmの白金フラッグを対電極として、またフェロセン/フェロセニウム対を用いて0.45V対標準水素電極(NHE)となるよう較正したAg/Agを参照として用い、1MのTBAPF/ACN支持電解質中でサイクリックボルタンメトリを行った。コポリマ中のSiの含有量が高くなればなるほど、前駆体ポリマの酸化電位も高くなることがわかった。同様の実験を前駆体ポリマ1J〜1Lについて行った。白金およびガラス状炭素作用電極を用いたポリマ前駆体についてのピーク電位を表2に提供する。
【0108】
【表2】

【0109】
(実施例5)
<臭素(Br)を用いた前駆体ポリマの変換>
臭素に前駆体ポリマを気相でさらすことによって、または臭素を含む溶液に前駆体ポリマをさらすことによって、前駆体ポリマを共役ポリマに変換することができる。熱を加えて変換速度を増大させることができる。前駆体ポリマ1A、1B、1C、1D、1E、1Fおよび1Iを、臭素変換を用いて共役ポリマにうまく変換した。
【0110】
図3は、臭素変換の後、ヒドラジンによる還元を用いた前駆体ポリマ1Aの共役ポリマ2Aへの変換の走査である。
【0111】
臭素蒸気および熱を用いて前駆体ポリマ1Bを共役ポリマ2Bに変換した。共役ポリマ2Bのスイッチング応答を、Ptボタンおよび0.1Mの電解質/ACN溶液を用いて決定した。2Bのスイッチング応答は、電荷を100%保持すると15秒で約300スイッチであることがわかった。
【0112】
前駆体ポリマ1Hを、以下の手順に従って共役ポリマ2Hに変換した。1Hの希釈THF溶液から石英上に薄膜を回転成形し、その紫外−可視−近赤外スペクトルを取得した。このフィルムは、近赤外および可視領域に無視できるほどの吸収を示す。EDOTのπおよび/またはσ−π*転移に対応する強いピークが、266nm前後に見られる。臭素にさらすと、透明なフィルムは茶色になり、時間が経つと濃青色になり、また近赤外領域において吸収性が高くなり、尾(tail)が可視領域に及ぶ1081nmおよび938nmに中心があるブロードな二峰性のピークを示す。紫外線領域におけるピークは281nmにレッドシフトすると共に、より吸収性となる。このフィルムを熱にさらすと(60℃、2分)、紺色になる。このフィルムのスペクトルは、2つのピークが953nmの最大吸収と融合することを示している。可視領域における尾ならびに281nmのピークは減衰する。この結果は、ドープPEDOTと類似している。次いで、このフィルムをヒドラジン蒸気に2分間さらすことによって、化学還元を行った。フィルムは紫外および可視領域で吸収性が高くなり、尾が近赤外領域にまで及んでいた。このフィルムは、対応するλmaxが509nmである透明性の高い薄いピンク色を示す。この現象は、還元したPEDOTに特有である。同じ処理の下では前駆体ポリマ1J〜1Lについて類似の結果が得られる。
【0113】
(実施例6)
<2Hおよび2J〜2Lの光電子工学特性>
それぞれ共役ポリマ2H、2J、2Kおよび2Lを得るための、ITOでコーティングしたガラス上への1H、1J、1Kおよび1Lの定電位(1.2V参照Ag/Ag0.455V、35秒)変換により得られるポリマの性質を調査するために、分光電気化学的研究を行い、PEDOTの性質と比較した。これらの結果は、PEDOTの最大吸収波長をポリマのゲルマニウム/シリコン比に応じて変えることができることを示している。
【0114】
(実施例7)
<溶融加工>
前駆体ポリマをその融解温度よりも高く加熱し、スパチュラを用いて融解物から繊維を延伸することによって、前駆体ポリマ1Eの融解延伸繊維を調製した。
【0115】
(実施例8)
<溶融加工および電気化学変換>
前駆体ポリマ1EをPtボタン上へ溶融加工し、その後、0.1MのTBAPF/ACN電解質溶液に浸した。走査速度50mV/sでサイクリックボルタンメトリを用いることによって、電気化学重合を行った。
【0116】
(実施例9)
<ビス−EDOT−チオフェン(BEDOT−T)およびビス−EDOT−ベンゼン(BEDOT−B)を含むシラン前駆体ポリマの調製、ならびにそれら前駆体ポリマの導電性ポリマへの酸化的変換>
モノマ3(BEDOT−T(3a)またはBEDOT−B(3b))(1当量)の無水THF溶液を窒素下で調製することによって、ビス−EDOT−チオフェン(BEDOT−T)およびビス−EDOT−ベンゼン(BEDOT−B)を含むシラン前駆体ポリマを調製し、ドライアイス/アセトン冷却浴により−78℃に冷却した。この前もって冷却した溶液に、n−ブチルリチウム(2当量)をシリンジによって液滴添加した。1時間後、氷/水槽により反応混合物を0℃まで15分間温め、その後、この溶液にジクロロジメチルシラン(1当量)を液滴添加した。30分後、氷槽を取り除いた。反応溶液を室温で3日間撹拌した。この混合物をn−ペンタンに注ぐことによって、反応混合物から粗ポリマ(4)を沈殿させた。得られた沈殿物を、溶媒としてACNを用いるソックスレー抽出によって精製した。前駆体ポリマ4aおよび4bは共に、テトラヒドロフランおよびクロロホルムに可溶性であることがわかった。前駆体ポリマ4aのGPCでは数平均分子量、M=80,667であった。前駆体ポリマ4bのGPCでは数平均分子量、M=82,760であった。
【化55】

【0117】
これらの前駆体ポリマ4aおよび4bを、固体酸化的変換によって導電性共役ポリマ5aおよび5bに変換した。前駆体ポリマ、4aまたは4bの1wt%CHCl溶液を調製した。前駆体ポリマ/CHCl溶液に白金ボタン(直径2mm)を浸すことによって、この溶液から前駆体の薄膜をコーティングし、その後、約10分間空気乾燥させた。次いで、サイクリックボルタンメトリにより、0.1MのTBAPF/ACN(10mL)溶液中、走査速度100mV/sで前駆体の電気化学変換を行った。
【0118】
0.1MのTBAPF/ACN中で三極電池構成をCHI400のポテンシオスタットと共に用いて電気化学実験を行った。参照電極は、バイコール(Vycor)チップが取り付けられ、0.1Mの硝酸銀(AgNO)/ACNおよび0.1MのTBAPF/ACN溶液で満たされたガラス毛管本体に浸漬した銀線で構成される非水系Ag/Ag電極であった。このAg/Ag参照電極を、10mMのフェロセン/ACN溶液を用いて0.4385V対標準水素電極(NHE)となるように較正した。すべての電気化学測定において、1cmの白金フラッグを対電極として使用した。この「従来の電気化学重合」とは、モノマを電解質溶液に溶解させ、電位を作用電極に印加することによって、モノマの酸化が起こって対応するポリマが形成される方法である。重合の後、ポリマでコーティングされたPt作用電極をACNで洗浄して、残留モノマおよびオリゴマを取り除いた。ポリマの電気化学プロセスを分離するために、モノマを含まない溶液中でポリマのサイクロボルタモグラムを得た。電気化学的固体酸化架橋(「SOC」)加工では、固体変換によるポリマおよび変換時のモノマを含まない溶液を洗浄する必要はなかった。
【0119】
前駆体ポリマ4aを白金作用電極上に液滴成形し、その後10分間風乾させた。前駆体ポリマ4aを、固体状態における電気脱シリル化によって共役ポリマ5aに変換した。4aは、開始が0.3Vでピークが0.6Vである酸化を示した。走査をカソード方向に反転させると、ポリ(5a)の酸化導電型の中性型への還元に対応する0.39Vおよび−0.05Vにおける2つの還元ピークを観測した。第2のアノード走査においては、0.6Vにおけるピークの消滅により、前駆体ポリマ4aのポリマ5aへの完全変換が示され、また代わりに0.19Vおよび0.49Vにブロードな酸化ピークが表示された。4aと、モノマ3aの従来の重合により得られるポリマとによるCVを比較すると、類似の酸化ピークが見られたが、前駆体ポリマでは酸化ピークが約0.1V増大していた。
【0120】
前駆体ポリマ4aの導電型5aへの変換は、茶色から青色への変色によって視覚的に観測された。還元プロセス中、緑色と、茶色と、最終的にはオレンジ色とが、それぞれ0.3V、0.2Vおよび−0.4Vで見られた。異なる電位におけるこれらの色は、インジウムドープ酸化スズ(ITO)でコーティングしたガラス(寸法7mm×50mm×0.7mm、Rs=15〜25Ω、磨いていないフロートガラス)のスライドガラス上のフィルムにクロノークメトリにより対応する電位を印加した後は、安定を保っていた。
【0121】
4aの5aへの変換に使用したものと同じ三電極アセンブリを用いることによって、前駆体ポリマ4bを酸化型5bに変換した。4bは、開始が0.3Vでピークが0.6Vである典型的な酸化還元挙動を示した。走査をカソード方向へ反転させると、酸化された4bの還元が、0.31Vのピークと共に観測された。第2の走査においては、5bの酸化の開始が0.1Vで観測され、対応するピークが0.37Vで観測された。さらに、前駆体ポリマの酸化ピークがないため、作用電極上に重合可能な単位は残っていない。加えて、5bを酸化および還元すると、紫色および赤味がかった黄色がそれぞれ観測された。
【0122】
比較のため、従来の酸化電気化学によりポリ(3a)およびポリ(3b)を調製した。サイクリックボルタンメトリにより0.1MのTBAPF/ACN(10mL)溶液中100mV/sの走査速度で、10mMのモノマ溶液からモノマ(3aまたは3b)を電気化学的に重合した。得られたポリマを、ACNで数回洗浄した。すすぎプロセスの後、この作用電極を、0.1MのTBAPF/ACN(10mL)のモノマを含まない溶液に挿入し、その後、走査速度100mV/秒でポリマのボルタモグラムを得た。ポリ(3b)のサイクリックボルタンメトリは、SOCポリマ4bによる酸化プロセスに対して類似のパターンを示した。しかしながら、ポリ(3b)の還元についてのピークは、4bの還元ピークよりも0.3V小さい0Vで観測された。
【0123】
モノマ類の酸化還元挙動と対応する前駆体シランポリマ類の酸化還元挙動とを比較するために、0.1MのTBAPF/電解質/ジクロロメタン中の白金作用電極上への従来の電気化学重合により、同じ環境ですべてのサイクリックボルタモグラムを行った。前駆体ポリマは共に、対応するモノマと同じ酸化開始およびピーク電位を有していることが観測された。前駆体ポリマの還元ピークが0.1V高い電位にあることが、これらのモノマとの唯一の差異であった。
【0124】
ITO−ガラススライド上に前駆体ポリマをスピンコーティングし、従来の電気化学重合により、0.1MのTBAPF/ACN溶液中10mMのモノマからITO/ガラススライド上にポリ(3a)およびポリ(3b)を堆積させた。TBAPF/ACN溶液中10mMのFeClおよび10mMのヒドラジンにこれらのフィルムを1分間浸漬した後、ポリマ類の酸化および還元フィルムの紫外−可視光スペクトルをそれぞれ得た。
【0125】
紫外−可視−近赤外スペクトル分析については、5aとポリ(3a)が、また5bとポリ(3b)が、酸化型におけるスペクトルでも還元型におけるスペクトルでも、同程度のパターンを有する。5aおよびポリ(3a)の酸化型は、それぞれ1164nmおよび1280nmに主ピークを有し、775nm前後に影のピークを有する。これらのポリマの還元型のスペクトルは、それぞれ524nmおよび538nmの近接したλmaxを示した。加えて、ポリ(3a)の還元型には900nmの別のピークがあるが、このピークは5aのスペクトルにはなかった。酸化状態においては、5aについてブルーシフトがあり、このことは、サイクリックボルタンメトリによって観測されたこのシランポリマのより高い酸化電位を裏付ける。加えて、データは共に、5aによって得られるより短い共役を示す。
【0126】
5bおよびポリ(3b)の酸化型は、それぞれ632nm、1318nmおよび592nm、1099nmの2つのピークを有する。これらのポリマの還元状態については、5bおよびポリ(3b)がそれぞれ461nmおよび454nmのλmaxを、875nmおよび894nmの影のピークと共に有する。5aとは対照的に、酸化型における5bについてはレッドシフトがある。
【0127】
互いに間隔が2mmである幅2mmの4本の金リード線を有する通常のガラス基板上へのスピンコーティングにより4aおよび4bのフィルムを作製した。0.1MのTBAPF/ACN溶液中10mMのFeClへの浸漬による絶縁性ポリマの導電性ポリマへの変換の後、光学的形状測定(optical profilometry)によってポリマの厚さを測定した。
【0128】
厚さ0.3μmのフィルムを酸化した後には、5aおよび5bの導電率が、平均約10−2S/cm(5a=10−2および5b=10−2)であった。3日間の中性フィルムのヨウ素(I)ドーピングの後には、5aは0.8S/cmの導電率を示したが、5bはFeClを用いることによる酸化フィルムと同じ導電率を示した。Iをドーピングしたフィルムは、フィルムを空気に2週間さらした後には、同じ導電率を保持した。導電率測定に使用する基板は、スライドガラス上に堆積させた4本の幅5mmの蒸着金リード線で構成されていた。各組の金リード線間の間隔は5mmであった。上記スライド上に溶液をスピンコーティングすることによって、すべてのフィルムを調製した。導電率を測定する前に、0.1MのTBAPF/ACN溶液中10mMのFeClに基板を単に1分間浸漬することによって、ガラス基板上の絶縁性ポリマを導電性ポリマに変換した。Keitley Instrumentsの224定電流源および2700マルチメータを利用した四探針コリニアアレイ(collinear array)を用いて電気伝導率を測定した。アウター金リード線に電流を流し、その後、インナーリードの電圧を測定した。最低3回の電流測定を施し、抵抗値がこれらの異なる電流レベルで同じであることがわかった。
【0129】
熱分析を行った。2種の前駆体ポリマ(4a、4b)および対応する導電性ポリマ(5a、5b)のガラス転移温度(T)を、TA InstrumentsのDSC 2920を用いる示差走査熱量測定(DSC)によって調べた。DSCでは、試料を100℃まで加熱し、−50℃に到達するまで急速に冷却し、その後、走査速度10℃/分で加熱することによってDSC分析を行った。これらのポリマのTを表3に示す。
【0130】
Hi−Res TGA 2950を用いる熱重量分析(TGA)によって、これらのポリマの熱安定性も調べた。表3には、これらのポリマの分解温度が含まれるが、これらの分解温度が、系内により多量のシランユニットを有するポリマの熱安定性を示している。
【0131】
【表3】

【0132】
(実施例10)
<水中でのビス−EDOT−チオフェン(BEDOT−T)を含むシラン前駆体ポリマの固体変換>
【化56】


6a
【0133】
固体状態にあるBEDOT−T(6a、80kDa)の電気化学変換では、0.1MのTBAPF/ジクロロメタン(DCM)(10ml)の溶液に、BEDOT−T(6a)62.0mgを溶解させた。その後、得られた溶液を白金電極上で液滴成形し、DCMを蒸発させて、白金電極上に前駆体ポリマのフィルムを設けた。その後、このコーティング付き電極を、Ag/AgCl参照電極および白金フラッグ対電極と共にブライン(飽和NaCl水)に浸漬した。3つの別々の例において、ポリマを処理してBEDOT−Tの酸化よりも酸化したが、ある実験では上限電位が0.95V、第2の実験では上限電位が0.85V、第3の実験では上限電位が0.75Vであった。3つの実験すべてについての特徴は、<0.65Vのより低電位における電流の強度が、BEDOT−Tの酸化を上回る各エクスカーションで増大し続けることである。このことは、共役ポリマの形成を示し、より低い電位の酸化還元プロセスは、導電性ポリマ6bについての対応する酸化/還元である。
【0134】
他の実験では、上記の例のブラインを、i)水中10mMのNaClまたはii)水中10mMのNaClと水中10mMのLiトリフルオロメタンスルホネートとの混合物に置き換えた。さらに他の実験では、白金電極の代わりにインジウムドープ酸化スズ電極を使用した。さらに他の実験では、上記の例のポリマ前駆体を、3,4−エチレンジオキシチオフェン−ジメチルシリル繰り返し単位を含むポリマ前駆体で置き換えた。
【0135】
固体状態にあるBEDOT−T(6a)の化学変換では、0.1MのTBAPF/ジクロロメタン(DCM)(10ml)の溶液に、BEDOT−T(6a)62.0mgを溶解させた。その後、ポリマ溶液でスライドガラスを飽和させ、その後1000rpmにおける回転成形を行うことによって、顕微鏡スライドガラス上にポリマのフィルムを調製した。3つの別々の例において、前駆体ポリマを下記酸化剤、水中50mMの過硫酸アンモニウム、アセトニトリル中50mMの硫酸第二鉄、水中50mMのトシル酸第二鉄のうちの1つで処理して、導電性ポリマ6bを得た。
【0136】
本発明を説明する背景における(特に、添付の特許請求の範囲の背景における)用語「a」および「an」および「the」、ならびに類似の指示語(referent)の使用は、本明細書中に他に指示がない限り、または文脈によって明らかに矛盾していない限り、単数形も複数形にも及ぶものと解釈されるものである。用語「備える(comprising)」、「有する(having)」、「含む(including)」および「含む(containing)」は、特に断りのない限り、非限定的な用語(open−ended term)(すなわち、「を含むが、限定されない(including,but not limited to)」を意味する)と解釈されるものである。本明細書中における値の範囲の列挙は、本明細書中に他に指示がない限り、単にその範囲内にある別個の各値を個々に言及する簡単な方法としての役割を果たすだけのものであり、別個の各値は、あたかも本明細書中で個別に言及されているかのように、本明細書中に組み込まれている。本明細書中に開示されているすべての範囲が包括的で、結合可能である。
【0137】
本発明の基本的な特徴は、上記開示に完全に説明されている。当業者は本発明を理解し、本発明の基本精神から逸脱することなく、また添付の特許請求の範囲および均等物から逸脱することなく様々な変形を行うことができる。さらに、本発明のすべての可能な変更形態における上述の要素の任意の組合せは、本明細書中に他に指示がない限り、または文脈によって明らかに矛盾していない限り、本発明によって包含される。
【図面の簡単な説明】
【0138】
【図1】3,4−エチレンジオキシチオフェン(EDOT)単位およびジメチルシリル単位を含む前駆体ポリマの導電性共役ポリマへの固体変換を示す図である。
【図2】ビス−3,4−エチレンジオキシチオフェン N−メチルカルバゾール(BEDOT−NMCz)単位およびジメチルシリル単位を含む前駆体ポリマの導電性共役ポリマへの固体変換を示す図である。
【図3】臭素蒸気/熱変換の後、ヒドラジンによる還元を用いた、3,4−エチレンジオキシチオフェン(EDOT)単位およびジメチルシリル単位を含む前駆体ポリマの共役ポリマへの変換の走査を示す図である。
【図4】ビチオフェン単位およびジメチルシリル単位を含む前駆体ポリマのDSC走査を示す図である。
【図5】ビチオフェン単位およびジメチルシリル単位を含む前駆体ポリマの広角X線散乱(WAXS)ディフラクトグラム(diffractogram)を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記構造によるポリマであって、
【化1】


;または
【化2】


式中、
Arがヘテロアリール基であり、
およびRが出現するごとに独立に、C〜C12アルキル、C〜C12ハロアルキルまたはアリールであり、
Xが、O、S、(YRまたは(CRであり、ここで、xは、0、1、2、3または4であり、RおよびRは独立に、水素原子、C〜C12アルキルまたはC〜C12ハロアルキルであり、
Yが出現するごとに独立に、Si、Ge、SnまたはPbであり、
nが約10以上であるポリマ、
そのコポリマまたは前記ポリマの少なくとも1種を含むブレンドを含むことを特徴とする前駆体ポリマ。
【請求項2】
請求項1に記載のポリマであって、
Arが、
下記一般構造(I)、(II)および(III)を有するヘテロアリールにおいて、
【化3】


(I)
【化4】


(II)
【化5】


(III)
式中、QがSまたはOであり、Rが、水素原子、C〜C12アルキル、C〜C12ハロアルキル、C〜C12アルコキシ、C〜C12ハロアルコキシ、アリール、−C〜Cアルキル−O−C〜Cアルキルまたは−C〜Cアルキル−O−アリールであるヘテロアリール、
下記一般構造(IV)を有するヘテロアリールにおいて、
【化6】


(IV)
式中、Qが出現するごとに独立にSまたはOであり、Qが、S、OあるいはRが水素原子またはC〜CアルキルであるN−Rであり、Rが出現するごとに水素原子、C〜C12アルキル、C〜C12ハロアルキル、C〜C12アルコキシ、C〜C12ハロアルコキシ、アリール、−C〜Cアルキル−O−C〜Cアルキルまたは−C〜Cアルキル−O−アリールであるヘテロアリール、
下記一般構造(V)を有するヘテロアリールにおいて、
【化7】


(V)
式中、Qが、S、OあるいはRが水素原子またはC〜CアルキルであるN−Rであり、Qが出現するごとに独立にCHまたはNであり、Rが出現するごとに独立に、水素原子、C〜C12アルキル、C〜C12ハロアルキル、C〜C12アルコキシ、C〜C12ハロアルコキシ、アリール、−C〜Cアルキル−O−C〜Cアルキルまたは−C〜Cアルキル−O−アリールであるヘテロアリール、
下記一般構造(VI)を有するヘテロアリールにおいて、
【化8】


(VI)
式中、QがSまたはOであるヘテロアリール、
下記一般構造(VII)を有するヘテロアリールにおいて、
【化9】


(VII)
式中、Qが、S、OあるいはRが水素原子またはC〜CアルキルであるN−Rであり、Rが出現するごとに独立に、水素原子、C〜C12アルキル、C〜C12ハロアルキル、C〜C12アルコキシ、C〜C12ハロアルコキシ、アリール、−C〜Cアルキル−O−C〜Cアルキルまたは−C〜Cアルキル−O−アリールであるヘテロアリール、
下記一般構造(VIII)を有するヘテロアリールにおいて、
【化10】


(VIII)
式中、Qが出現するごとに独立に、S、OあるいはRが水素原子またはC〜CアルキルであるN−Rであり、Rが出現するごとに独立に、水素原子、C〜C12アルキル、C〜C12ハロアルキル、C〜C12アルコキシ、C〜C12ハロアルコキシ、アリール、−C〜Cアルキル−O−C〜Cアルキルまたは−C〜Cアルキル−O−アリールであるヘテロアリール、
下記一般構造(IX)を有するヘテロアリールにおいて、
【化11】


(IX)
式中、Qが出現するごとに独立に、S、OあるいはRが水素原子またはC〜CアルキルであるN−Rであり、Rが出現するごとに独立に、水素原子、C〜C12アルキル、C〜C12ハロアルキル、C〜C12アルコキシ、C〜C12ハロアルコキシ、アリール、−C〜Cアルキル−O−C〜Cアルキルまたは−C〜Cアルキル−O−アリールであるヘテロアリール、
下記一般構造(X)を有するヘテロアリールにおいて、
【化12】


(X)
式中、Qが出現するごとに独立に、S、OあるいはRが水素原子またはC〜CアルキルであるN−Rであり、Rが出現するごとに独立に、水素原子、C〜C12アルキル、C〜C12ハロアルキル、C〜C12アルコキシ、C〜C12ハロアルコキシ、アリール、−C〜Cアルキル−O−C〜Cアルキルまたは−C〜Cアルキル−O−アリールであるヘテロアリール、
下記一般構造(XI)を有するヘテロアリールにおいて、
【化13】


(XI)
式中、Qが出現するごとに独立に、S、OあるいはRが水素原子またはC〜CアルキルであるN−Rであり、Qが、C(R、S、OまたはN−Rであり、Rが出現するごとに独立に、水素原子、C〜C12アルキル、C〜C12ハロアルキル、C〜C12アルコキシ、C〜C12ハロアルコキシ、アリール、−C〜Cアルキル−O−C〜Cアルキルまたは−C〜Cアルキル−O−アリールであるヘテロアリール、
下記一般構造(XII)を有するヘテロアリールにおいて、
【化14】


(XII)
式中、Qが出現するごとに独立に、S、OあるいはRが水素原子またはC〜CアルキルであるN−Rであり、EがO、またはRが出現するごとに電子求引基であるC(Rであるヘテロアリール、
下記一般構造(XIII)を有するヘテロアリールにおいて、
【化15】


(XIII)
式中、Qが出現するごとに独立にSまたはOであり、Qが出現するごとに独立に、S、OあるいはRが水素原子またはC〜CアルキルであるN−Rであり、Rが出現するごとに独立に、水素原子、C〜C12アルキル、C〜C12ハロアルキル、C〜C12アルコキシ、C〜C12ハロアルコキシ、アリール、−C〜Cアルキル−O−C〜Cアルキルまたは−C〜Cアルキル−O−アリールであるヘテロアリール、
下記一般構造(XIV)を有するヘテロアリールにおいて、
【化16】


(XIV)
式中、Qが出現するごとに独立に、S、OあるいはRが水素原子またはC〜CアルキルであるN−Rであり、Rが出現するごとに独立に、水素原子、C〜C12アルキル、C〜C12ハロアルキル、C〜C12アルコキシ、C〜C12ハロアルコキシ、アリール、−C〜Cアルキル−O−C〜Cアルキルまたは−C〜Cアルキル−O−アリールであり、Rが出現するごとに水素原子、C〜Cアルキル、またはシアノであるヘテロアリール、
下記一般構造(XV)を有するヘテロアリールにおいて、
【化17】


(XV)
式中、Qが出現するごとに独立に、CH、SまたはOであり、Qが出現するごとに独立に、S、OあるいはRが水素原子またはC〜CアルキルであるN−Rであり、Rが出現するごとに独立に、水素原子、C〜C12アルキル、C〜C12ハロアルキル、C〜C12アルコキシ、C〜C12ハロアルコキシ、アリール、−C〜Cアルキル−O−C〜Cアルキルまたは−C〜Cアルキル−O−アリールであり、Rが出現するごとに水素原子、C〜Cアルキル、またはシアノであるヘテロアリール、
下記一般構造(XVI)を有するヘテロアリールにおいて、
【化18】


(XVI)
式中、Qが出現するごとに独立に、S、OあるいはRが水素原子またはC〜CアルキルであるN−Rであり、Rが出現するごとに独立に、水素原子、C〜C12アルキル、C〜C12ハロアルキル、C〜C12アルコキシ、C〜C12ハロアルコキシ、アリール、−C〜Cアルキル−O−C〜Cアルキルまたは−C〜Cアルキル−O−アリールであり、
【化19】


がアリールを示すヘテロアリール、
下記一般構造(XVII)を有するヘテロアリールにおいて、
【化20】


(XVII)
式中、Qが出現するごとに独立にSまたはOであり、Qが出現するごとに独立に、S、OあるいはRが水素原子またはC〜CアルキルであるN−Rであり、Rが出現するごとに独立に、水素原子、C〜C12アルキル、C〜C12ハロアルキル、C〜C12アルコキシ、C〜C12ハロアルコキシ、アリール、−C〜Cアルキル−O−C〜Cアルキルまたは−C〜Cアルキル−O−アリールであり、
【化21】


がアリールを示すヘテロアリール、
下記一般構造(XVIII)を有するヘテロアリールにおいて、
【化22】


(XVIII)
式中、Qが出現するごとに独立にSまたはOであり、Qが出現するごとに独立に、S、OあるいはRが水素原子またはC〜CアルキルであるN−Rであり、Qが、C(R、S、OまたはN−Rであり、Rが出現するごとに独立に、水素原子、C〜C12アルキル、C〜C12ハロアルキル、C〜C12アルコキシ、C〜C12ハロアルコキシ、アリール、−C〜Cアルキル−O−C〜Cアルキルまたは−C〜Cアルキル−O−アリールであるヘテロアリール、
下記一般構造(XIX)を有するヘテロアリールにおいて、
【化23】


(XIX)
式中、Qが出現するごとに独立に、S、OあるいはRが水素原子またはC〜CアルキルであるN−Rであり、Qが、C(R、S、OまたはN−Rであり、Rが出現するごとに独立に、水素原子、C〜C12アルキル、C〜C12ハロアルキル、C〜C12アルコキシ、C〜C12ハロアルコキシ、アリール、−C〜Cアルキル−O−C〜Cアルキルまたは−C〜Cアルキル−O−アリールであるヘテロアリール、
下記一般構造(XX)を有するヘテロアリールにおいて、
【化24】


(XX)
式中、Qが出現するごとに独立に、S、OあるいはRが水素原子またはC〜CアルキルであるN−Rであり、Qが出現するごとにC(R、S、OまたはN−Rであり、Rが出現するごとに独立に、水素原子、C〜C12アルキル、C〜C12ハロアルキル、C〜C12アルコキシ、C〜C12ハロアルコキシ、アリール、−C〜Cアルキル−O−C〜Cアルキルまたは−C〜Cアルキル−O−アリールであるヘテロアリール、
下記一般構造(XXI)を有するヘテロアリールにおいて、
【化25】


(XXI)
式中、Qが、S、OあるいはRが水素原子またはC〜CアルキルであるN−Rであり、Qが出現するごとに独立にSまたはOであるヘテロアリール、
下記一般構造(XXII)を有するヘテロアリールにおいて、
【化26】


(XXII)
式中、Qが出現するごとに独立に、S、OあるいはRが水素原子またはC〜CアルキルであるN−Rであり、Qが出現するごとに独立にSまたはOであるヘテロアリール、
下記一般構造(XXIII)を有するヘテロアリールにおいて、
【化27】


(XXIII)
式中、Qが、S、OあるいはRが水素原子またはC〜CアルキルであるN−Rであり、Qが出現するごとに独立にSまたはOであり、Rが出現するごとに独立に、水素原子、C〜C12アルキル、C〜C12ハロアルキル、C〜C12アルコキシ、C〜C12ハロアルコキシ、アリール、−C〜Cアルキル−O−C〜Cアルキルまたは−C〜Cアルキル−O−アリールであるヘテロアリール、
下記一般構造(XXIV)を有するヘテロアリールにおいて、
【化28】


(XXIV)
式中、Qが出現するごとに独立に、S、OあるいはRが水素原子またはC〜CアルキルであるN−Rであり、Qが出現するごとに独立にSまたはOであり、Rが出現するごとに独立に、水素原子、C〜C12アルキル、C〜C12ハロアルキル、C〜C12アルコキシ、C〜C12ハロアルコキシ、アリール、−C〜Cアルキル−O−C〜Cアルキルまたは−C〜Cアルキル−O−アリールであるヘテロアリール、
下記一般構造(XXV)を有するヘテロアリールにおいて、
【化29】


(XXV)
式中、Qが出現するごとに独立に、S、OあるいはRが水素原子またはC〜CアルキルであるN−Rであり、Qが出現するごとに独立にSまたはOであり、Rが出現するごとに独立に、水素原子、C〜C12アルキル、C〜C12ハロアルキル、C〜C12アルコキシ、C〜C12ハロアルコキシ、アリール、−C〜Cアルキル−O−C〜Cアルキルまたは−C〜Cアルキル−O−アリールであり、
【化30】


がアリールを示すヘテロアリール、
下記一般構造(XXVI)を有するヘテロアリールにおいて、
【化31】


(XXVI)
式中、Qが出現するごとに独立に、S、OあるいはRが水素原子またはC〜CアルキルであるN−Rであり、Qが出現するごとに独立にSまたはOであり、Rが出現するごとに独立に、水素原子、C〜C12アルキル、C〜C12ハロアルキル、C〜C12アルコキシ、C〜C12ハロアルコキシ、アリール、−C〜Cアルキル−O−C〜Cアルキルまたは−C〜Cアルキル−O−アリールであるヘテロアリール、
下記一般構造(XXVII)を有するヘテロアリールにおいて、
【化32】


(XXVII)
式中、Qが出現するごとに独立に、S、OあるいはRが水素原子またはC〜CアルキルであるN−Rであり、Qが出現するごとに独立にSまたはOであり、Rが出現するごとに独立に、水素原子、C〜C12アルキル、C〜C12ハロアルキル、C〜C12アルコキシ、C〜C12ハロアルコキシ、アリール、−C〜Cアルキル−O−C〜Cアルキルまたは−C〜Cアルキル−O−アリールであるヘテロアリール、あるいは
前記ヘテロアリールのうち少なくとも1種を含む組合せであることを特徴とするポリマ。
【請求項3】
請求項2に記載のポリマであって、Arが、
下記一般構造(I)、(II)および(III)を有するヘテロアリールにおいて、
【化33】


(I)
【化34】


(II)
【化35】


(III)
式中、QがSまたはOであり、Rが、水素原子、C〜C12アルキルまたはC〜C12ハロアルキルであるヘテロアリール、
下記一般構造(IV)を有するヘテロアリールにおいて、
【化36】


(IV)
式中、Qが出現するごとに独立にOであり、QがSであり、Rが出現するごとに水素原子、C〜C12アルキル、C〜C12ハロアルキル、アリール、−C〜Cアルキル−O−フェニルまたは−C〜Cアルキル−O−ビフェニルであるヘテロアリール、
下記一般構造(VII)を有するヘテロアリールにおいて、
【化37】


(VII)
式中、QがSであり、Rが出現するごとに独立にC〜C12アルキル、C〜C12ハロアルキルまたはアリールであるヘテロアリール、
下記一般構造(VIII)を有するヘテロアリールにおいて、
【化38】


(VIII)
式中、Qが出現するごとに独立にSであり、Rが出現するごとに独立にC〜C12アルキル、C〜C12ハロアルキルまたはアリールであるヘテロアリール、
下記一般構造(IX)を有するヘテロアリールにおいて、
【化39】


(IX)
式中、Qが出現するごとに独立にSであり、Rが出現するごとに独立に水素原子、C〜C12アルキル、C〜C12ハロアルキルまたはアリールであるヘテロアリール、
下記一般構造(XI)を有するヘテロアリールにおいて、
【化40】


(XI)
式中、Qが出現するごとに独立に、S、OあるいはRが水素原子またはC〜CアルキルであるN−Rであり、QがC(Rであり、Rが出現するごとに独立に、水素原子、C〜C12アルキル、C〜C12ハロアルキル、C〜C12アルコキシ、C〜C12ハロアルコキシ、アリール、−C〜Cアルキル−O−C〜Cアルキルまたは−C〜Cアルキル−O−アリールであるヘテロアリール、
下記一般構造(XIII)を有するヘテロアリールにおいて、
【化41】


(XIII)
式中、Qが出現するごとに独立にOであり、QがSであり、Rが出現するごとに水素原子、C〜C12アルキル、C〜C12ハロアルキル、アリール、−C〜Cアルキル−O−フェニルまたは−C〜Cアルキル−O−ビフェニルであるヘテロアリール、
下記一般構造(XIV)を有するヘテロアリールにおいて、
【化42】


(XIV)
式中、Qが出現するごとに独立にSであり、Rが出現するごとに独立に水素原子、C〜C12アルキル、C〜C12ハロアルキル、アリール、−C〜Cアルキル−O−フェニルまたは−C〜Cアルキル−O−ビフェニルであり、Rが出現するごとに水素原子、C〜Cアルキルまたはシアノであるヘテロアリール、
下記一般構造(XV)を有するヘテロアリールにおいて、
【化43】


(XV)
式中、Qが出現するごとに独立にCH、SまたはOであり、Qが出現するごとに独立にSであり、Rが出現するごとに独立に水素原子、C〜C12アルキル、C〜C12ハロアルキル、アリール、−C〜Cアルキル−O−フェニルまたは−C〜Cアルキル−O−ビフェニルであり、Rが出現するごとに水素原子、C〜Cアルキルまたはシアノであるヘテロアリール、
下記一般構造(XVI)を有するヘテロアリールにおいて、
【化44】


(XVI)
式中、Qが出現するごとに独立にSであり、Rが出現するごとに独立に水素原子、C〜C12アルキル、C〜C12ハロアルキル、アリール、−C〜Cアルキル−O−フェニルまたは−C〜Cアルキル−O−ビフェニルであり、
【化45】


が、フラン、ピロール、N−置換ピロール、フェニル、ビフェニル、チオフェン、フルオレンまたは9−アルキル−9H−カルバゾールを示すヘテロアリール、
下記一般構造(XVII)を有するヘテロアリールにおいて、
【化46】


(XVII)
式中、Qが出現するごとに独立にOであり、Qが出現するごとに独立にSであり、Rが出現するごとに独立に水素原子、C〜C12アルキル、C〜C12ハロアルキル、アリール、−C〜Cアルキル−O−フェニルまたは−C〜Cアルキル−O−ビフェニルであり、
【化47】


が、フラン、ピロール、N−置換ピロール、フェニル、ビフェニル、チオフェン、フルオレンまたは9−アルキル−9H−カルバゾールを示すヘテロアリール、
下記一般構造(XVIII)を有するヘテロアリールにおいて、
【化48】


(XVIII)
式中、Qが出現するごとに独立にOであり、Qが出現するごとに独立にSであり、QがC(RまたはN−Rであり、Rが出現するごとに独立に水素原子、C〜C12アルキル、C〜C12ハロアルキル、アリール、−C〜Cアルキル−O−フェニルまたは−C〜Cアルキル−O−ビフェニルであるヘテロアリール、
下記一般構造(XIX)を有するヘテロアリールにおいて、
【化49】


(XIX)
式中、Qが出現するごとに独立にSであり、QがC(RまたはN−Rであり、Rが出現するごとに独立に水素原子、C〜C12アルキル、C〜C12ハロアルキル、アリール、−C〜Cアルキル−O−フェニルまたは−C〜Cアルキル−O−ビフェニルであるヘテロアリール、
下記一般構造(XX)を有するヘテロアリールにおいて、
【化50】


(XX)
式中、Qが出現するごとに独立にSであり、Qが出現するごとにC(RまたはN−Rであり、Rが出現するごとに独立に水素原子、C〜C12アルキル、C〜C12ハロアルキル、アリール、−C〜Cアルキル−O−フェニルまたは−C〜Cアルキル−O−ビフェニルであるヘテロアリール、
下記一般構造(XXI)を有するヘテロアリールにおいて、
【化51】


(XXI)
式中、QがSであり、Qが出現するごとにOであるヘテロアリール、
下記一般構造(XXII)を有するヘテロアリールにおいて、
【化52】


(XXII)
式中、Qが出現するごとに独立にSであり、Qが出現するごとにOであるヘテロアリール、
下記一般構造(XXIII)を有するヘテロアリールにおいて、
【化53】


(XXIII)
式中、QがSであり、Qが出現するごとにOであり、Rが出現するごとに独立に水素原子、C〜C12アルキル、C〜C12ハロアルキル、アリール、−C〜Cアルキル−O−フェニルまたは−C〜Cアルキル−O−ビフェニルであるヘテロアリール、
下記一般構造(XXIV)を有するヘテロアリールにおいて、
【化54】


(XXIV)
式中、Qが出現するごとに独立にSであり、Qが出現するごとにOであり、Rが出現するごとに独立に水素原子、C〜C12アルキル、C〜C12ハロアルキル、アリール、−C〜Cアルキル−O−フェニルまたは−C〜Cアルキル−O−ビフェニルであるヘテロアリール、
下記一般構造(XXV)を有するヘテロアリールにおいて、
【化55】


(XXV)
式中、Qが出現するごとに独立にSであり、Qが出現するごとにOであり、Rが出現するごとに独立に水素原子、C〜C12アルキル、C〜C12ハロアルキル、アリール、−C〜Cアルキル−O−フェニルまたは−C〜Cアルキル−O−ビフェニルであり、
【化56】


が、フラン、ピロール、N−置換ピロール、フェニル、ビフェニル、チオフェン、フルオレンまたは9−アルキル−9H−カルバゾールを示すヘテロアリール、あるいは
前記ヘテロアリールの少なくとも1種を含む組合せであることを特徴とするポリマ。
【請求項4】
請求項2に記載のポリマであって、Arが、
下記一般構造(I)、(II)および(III)を有するヘテロアリールにおいて、
【化57】


(I)
【化58】


(II)
【化59】


(III)
式中、QがSまたはOであり、Rが、水素原子、C〜CアルキルまたはC〜Cハロアルキルであるヘテロアリール、
下記一般構造(IV)を有するヘテロアリールにおいて、
【化60】


(IV)
式中、Qが出現するごとに独立にOであり、QがSであり、Rが出現するごとに水素原子、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、−C〜Cアルキル−O−フェニルまたは−C〜Cアルキル−O−ビフェニルであるヘテロアリール、
下記一般構造(VII)を有するヘテロアリールにおいて、
【化61】


(VII)
式中、QがSであり、Rが出現するごとに独立に、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキルまたはアリールであるヘテロアリール、
下記一般構造(VIII)を有するヘテロアリールにおいて、
【化62】


(VIII)
式中、Qが出現するごとに独立にSであり、Rが出現するごとに独立に、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキルまたはアリールであるヘテロアリール、
下記一般構造(IX)を有するヘテロアリールにおいて、
【化63】


(IX)
式中、Qが出現するごとに独立にSであり、Rが出現するごとに独立に、水素原子、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキルまたはアリールであるヘテロアリール、
下記一般構造(XI)を有するヘテロアリールにおいて、
【化64】


(XI)
式中、Qが出現するごとに独立にSであり、QがC(Rであり、Rが出現するごとに独立に、水素原子、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、−C〜Cアルキル−O−フェニルまたは−C〜Cアルキル−O−ビフェニルであるヘテロアリール、
下記一般構造(XIII)を有するヘテロアリールにおいて、
【化65】


(XIII)
式中、Qが出現するごとに独立にOであり、QがSであり、Rが出現するごとに水素原子、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、−C〜Cアルキル−O−フェニルまたは−C〜Cアルキル−O−ビフェニルであるヘテロアリール、
下記一般構造(XIV)を有するヘテロアリールにおいて、
【化66】


(XIV)
式中、Qが出現するごとに独立にSであり、Rが出現するごとに独立に、水素原子、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、−C〜Cアルキル−O−フェニルまたは−C〜Cアルキル−O−ビフェニルであり、R5が出現するごとに水素原子、C〜Cアルキルまたはシアノであるヘテロアリール、
下記一般構造(XV)を有するヘテロアリールにおいて、
【化67】


(XV)
式中、Qが出現するごとに独立にCHまたはOであり、Qが出現するごとに独立にSであり、Rが出現するごとに独立に、水素原子、C〜C12アルキル、C〜C12ハロアルキル、−C〜Cアルキル−O−フェニルまたは−C〜Cアルキル−O−ビフェニルであり、R5が出現するごとに水素原子、C〜Cアルキルまたはシアノであるヘテロアリール、
下記一般構造(XVI)を有するヘテロアリールにおいて、
【化68】


(XVI)
式中、Qが出現するごとに独立にSであり、Rが出現するごとに独立に、水素原子、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、−C〜Cアルキル−O−フェニルまたは−C〜Cアルキル−O−ビフェニルであり、
【化69】


が、フラン、ピロール、N−置換ピロール、フェニル、ビフェニル、チオフェン、フルオレンまたは9−アルキル−9H−カルバゾールを示すヘテロアリール、
下記一般構造(XVII)を有するヘテロアリールにおいて、
【化70】


(XVII)
式中、Qが出現するごとに独立にOであり、Qが出現するごとに独立にSであり、Rが出現するごとに独立に、水素原子、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、アリール、−C〜Cアルキル−O−フェニルまたは−C〜Cアルキル−O−ビフェニルであり、
【化71】


が、フラン、ピロール、N−置換ピロール、フェニル、ビフェニル、チオフェン、フルオレンまたは9−アルキル−9H−カルバゾールを示すヘテロアリール、
下記一般構造(XVIII)を有するヘテロアリールにおいて、
【化72】


(XVIII)
式中、Qが出現するごとに独立にOであり、Qが出現するごとに独立にSであり、QがC(RまたはN−Meであり、Rが出現するごとに独立に、水素原子、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、−C〜Cアルキル−O−フェニルまたは−C〜Cアルキル−O−ビフェニルであるヘテロアリール、
下記一般構造(XIX)を有するヘテロアリールにおいて、
【化73】


(XIX)
式中、Qが出現するごとに独立にSであり、QがC(RまたはNMeであり、Rが出現するごとに独立に、水素原子、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、−C〜Cアルキル−O−フェニルまたは−C〜Cアルキル−O−ビフェニルであるヘテロアリール、
下記一般構造(XX)を有するヘテロアリールにおいて、
【化74】


(XX)
式中、Qが出現するごとに独立にSであり、Qが出現するごとにC(RまたはNMeであり、Rが出現するごとに独立に、水素原子、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、−C〜Cアルキル−O−フェニルまたは−C〜Cアルキル−O−ビフェニルであるヘテロアリール、
下記一般構造(XXIII)を有するヘテロアリールにおいて、
【化75】


(XXIII)
式中、QがSであり、Qが出現するごとにOであり、Rが出現するごとに独立に、水素原子、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、−C〜Cアルキル−O−フェニルまたは−C〜Cアルキル−O−ビフェニルであるヘテロアリール、
下記一般構造(XXIV)を有するヘテロアリールにおいて、
【化76】


(XXIV)
式中、Qが出現するごとに独立にSであり、Qが出現するごとにOであり、Rが出現するごとに独立に、水素原子、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、アリール、−C〜Cアルキル−O−フェニルまたは−C〜Cアルキル−O−ビフェニルであるヘテロアリール、
下記一般構造(XXV)を有するヘテロアリールにおいて、
【化77】


(XXV)
式中、Qが出現するごとに独立にSであり、Qが出現するごとにOであり、Rが出現するごとに独立に、水素原子、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、−C〜Cアルキル−O−フェニルまたは−C〜Cアルキル−O−ビフェニルであり、
【化78】


が、フラン、ピロール、N−置換ピロール、フェニル、ビフェニル、チオフェン、フルオレンまたは9−アルキル−9H−カルバゾールを示すヘテロアリール、あるいは
前記ヘテロアリールの少なくとも1種を含む組合せであることを特徴とするポリマ。
【請求項5】
請求項1に記載のポリマであって、RおよびRが独立に、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、3−メチルブチル、sec−ペンチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−セプチル、n−オクチルまたはこれらのペルフルオロ化基であることを特徴とするポリマ。
【請求項6】
請求項1に記載のポリマであって、RおよびRが独立にメチルまたはn−オクチルであることを特徴とするポリマ。
【請求項7】
請求項1に記載のポリマであって、Yが出現するごとにSiまたはGeであることを特徴とするポリマ。
【請求項8】
請求項1に記載のポリマであって、SiとしてのYの単位と、GeとしてのYの単位とを含むコポリマであることを特徴とするポリマ。
【請求項9】
請求項1に記載のポリマであって、半結晶性であることを特徴とするポリマ。
【請求項10】
請求項1に記載のポリマであって、液晶状態にあることを特徴とするポリマ。
【請求項11】
下記構造によるポリマであって、
【化79】


;または
【化80】

;
式中、
Arがヘテロアリール基であり、
およびRが出現するごとに独立に、C〜C12アルキル、C〜C12ハロアルキルまたはアリールであり、
Xが、O、S、(YRまたは(CRであり、ここで、xは、0、1、2、3または4であり、RおよびRは独立に、水素原子、C〜C12アルキルまたはC〜C12ハロアルキルであり、
Yが出現するごとに独立に、Si、Ge、SnまたはPbであり、
mが約3以上であり、
pが約5以上であるポリマ、
そのコポリマまたは前記ポリマの少なくとも1種を含むブレンドを含むことを特徴とするポリマ。
【請求項12】
請求項11に記載のポリマであって、導電性共役ポリマであることを特徴とするポリマ。
【請求項13】
請求項11に記載のポリマであって、Arが、
下記一般構造(I)、(II)および(III)を有するヘテロアリールにおいて、
【化81】


(I)
【化82】


(II)
【化83】


(III)
式中、QがSまたはOであり、Rが、水素原子、C〜C12アルキル、C〜C12ハロアルキル、C〜C12アルコキシ、C〜C12ハロアルコキシ、アリール、−C〜Cアルキル−O−C〜Cアルキルまたは−C〜Cアルキル−O−アリールであるヘテロアリール、
下記一般構造(IV)を有するヘテロアリールにおいて、
【化84】


(IV)
式中、Qが出現するごとに独立にSまたはOであり、Qが、S、OあるいはRが水素原子またはC〜CアルキルであるN−Rであり、Rが出現するごとに水素原子、C〜C12アルキル、C〜C12ハロアルキル、C〜C12アルコキシ、C〜C12ハロアルコキシ、アリール、−C〜Cアルキル−O−C〜Cアルキルまたは−C〜Cアルキル−O−アリールであるヘテロアリール、
下記一般構造(V)を有するヘテロアリールにおいて、
【化85】


(V)
式中、Qが、S、OあるいはRが水素原子またはC〜CアルキルであるN−Rであり、Qが出現するごとに独立にCHまたはNであり、Rが出現するごとに独立に、水素原子、C〜C12アルキル、C〜C12ハロアルキル、C〜C12アルコキシ、C〜C12ハロアルコキシ、アリール、−C〜Cアルキル−O−C〜Cアルキルまたは−C〜Cアルキル−O−アリールであるヘテロアリール、
下記一般構造(VI)を有するヘテロアリールにおいて、
【化86】


(VI)
式中、QがSまたはOであるヘテロアリール、
下記一般構造(VII)を有するヘテロアリールにおいて、
【化87】


(VII)
式中、Qが、S、OあるいはRが水素原子またはC〜CアルキルであるN−Rであり、Rが出現するごとに独立に、水素原子、C〜C12アルキル、C〜C12ハロアルキル、C〜C12アルコキシ、C〜C12ハロアルコキシ、アリール、−C〜Cアルキル−O−C〜Cアルキルまたは−C〜Cアルキル−O−アリールであるヘテロアリール、
下記一般構造(VIII)を有するヘテロアリールにおいて、
【化88】


(VIII)
式中、Qが出現するごとに独立に、S、OあるいはRが水素原子またはC〜CアルキルであるN−Rであり、Rが出現するごとに独立に、水素原子、C〜C12アルキル、C〜C12ハロアルキル、C〜C12アルコキシ、C〜C12ハロアルコキシ、アリール、−C〜Cアルキル−O−C〜Cアルキルまたは−C〜Cアルキル−O−アリールであるヘテロアリール、
下記一般構造(IX)を有するヘテロアリールにおいて、
【化89】


(IX)
式中、Qが出現するごとに独立に、S、OあるいはRが水素原子またはC〜CアルキルであるN−Rであり、Rが出現するごとに独立に、水素原子、C〜C12アルキル、C〜C12ハロアルキル、C〜C12アルコキシ、C〜C12ハロアルコキシ、アリール、−C〜Cアルキル−O−C〜Cアルキルまたは−C〜Cアルキル−O−アリールであるヘテロアリール、
下記一般構造(X)を有するヘテロアリールにおいて、
【化90】


(X)
式中、Qが出現するごとに独立に、S、OあるいはRが水素原子またはC〜CアルキルであるN−Rであり、Rが出現するごとに独立に、水素原子、C〜C12アルキル、C〜C12ハロアルキル、C〜C12アルコキシ、C〜C12ハロアルコキシ、アリール、−C〜Cアルキル−O−C〜Cアルキルまたは−C〜Cアルキル−O−アリールであるヘテロアリール、
下記一般構造(XI)を有するヘテロアリールにおいて、
【化91】


(XI)
式中、Qが出現するごとに独立に、S、OあるいはRが水素原子またはC〜CアルキルであるN−Rであり、Qが、C(R、S、OまたはN−Rであり、Rが出現するごとに独立に、水素原子、C〜C12アルキル、C〜C12ハロアルキル、C〜C12アルコキシ、C〜C12ハロアルコキシ、アリール、−C〜Cアルキル−O−C〜Cアルキルまたは−C〜Cアルキル−O−アリールであるヘテロアリール、
下記一般構造(XII)を有するヘテロアリールにおいて、
【化92】


(XII)
式中、Qが出現するごとに独立に、S、OあるいはRが水素原子またはC〜CアルキルであるN−Rであり、EがO、またはRが出現するごとに電子求引基であるC(Rであるヘテロアリール、
下記一般構造(XIII)を有するヘテロアリールにおいて、
【化93】


(XIII)
式中、Qが出現するごとに独立にSまたはOであり、Qが出現するごとに独立に、S、OあるいはRが水素原子またはC〜CアルキルであるN−Rであり、Rが出現するごとに独立に、水素原子、C〜C12アルキル、C〜C12ハロアルキル、C〜C12アルコキシ、C〜C12ハロアルコキシ、アリール、−C〜Cアルキル−O−C〜Cアルキルまたは−C〜Cアルキル−O−アリールであるヘテロアリール、
下記一般構造(XIV)を有するヘテロアリールにおいて、
【化94】


(XIV)
式中、Qが出現するごとに独立に、S、OあるいはRが水素原子またはC〜CアルキルであるN−Rであり、Rが出現するごとに独立に、水素原子、C〜C12アルキル、C〜C12ハロアルキル、C〜C12アルコキシ、C〜C12ハロアルコキシ、アリール、−C〜Cアルキル−O−C〜Cアルキルまたは−C〜Cアルキル−O−アリールであり、Rが出現するごとに水素原子、C〜Cアルキル、またはシアノであるヘテロアリール、
下記一般構造(XV)を有するヘテロアリールにおいて、
【化95】


(XV)
式中、Qが出現するごとに独立に、CH、SまたはOであり、Qが出現するごとに独立に、S、OあるいはRが水素原子またはC〜CアルキルであるN−Rであり、Rが出現するごとに独立に、水素原子、C〜C12アルキル、C〜C12ハロアルキル、C〜C12アルコキシ、C〜C12ハロアルコキシ、アリール、−C〜Cアルキル−O−C〜Cアルキルまたは−C〜Cアルキル−O−アリールであり、Rが出現するごとに水素原子、C〜Cアルキル、またはシアノであるヘテロアリール、
下記一般構造(XVI)を有するヘテロアリールにおいて、
【化96】


(XVI)
式中、Qが出現するごとに独立に、S、OあるいはRが水素原子またはC〜CアルキルであるN−Rであり、Rが出現するごとに独立に、水素原子、C〜C12アルキル、C〜C12ハロアルキル、C〜C12アルコキシ、C〜C12ハロアルコキシ、アリール、−C〜Cアルキル−O−C〜Cアルキルまたは−C〜Cアルキル−O−アリールであり、
【化97】


がアリールを示すヘテロアリール、
下記一般構造(XVII)を有するヘテロアリールにおいて、
【化98】


(XVII)
式中、Qが出現するごとに独立にSまたはOであり、Qが出現するごとに独立に、S、OあるいはRが水素原子またはC〜CアルキルであるN−Rであり、Rが出現するごとに独立に、水素原子、C〜C12アルキル、C〜C12ハロアルキル、C〜C12アルコキシ、C〜C12ハロアルコキシ、アリール、−C〜Cアルキル−O−C〜Cアルキルまたは−C〜Cアルキル−O−アリールであり、
【化99】


がアリールを示すヘテロアリール、
下記一般構造(XVIII)を有するヘテロアリールにおいて、
【化100】


(XVIII)
式中、Qが出現するごとに独立にSまたはOであり、Qが出現するごとに独立に、S、OあるいはRが水素原子またはC〜CアルキルであるN−Rであり、Qが、C(R、S、OまたはN−Rであり、Rが出現するごとに独立に、水素原子、C〜C12アルキル、C〜C12ハロアルキル、C〜C12アルコキシ、C〜C12ハロアルコキシ、アリール、−C〜Cアルキル−O−C〜Cアルキルまたは−C〜Cアルキル−O−アリールであるヘテロアリール、
下記一般構造(XIX)を有するヘテロアリールにおいて、
【化101】


(XIX)
式中、Qが出現するごとに独立に、S、OあるいはRが水素原子またはC〜CアルキルであるN−Rであり、Qが、C(R、S、OまたはN−Rであり、Rが出現するごとに独立に、水素原子、C〜C12アルキル、C〜C12ハロアルキル、C〜C12アルコキシ、C〜C12ハロアルコキシ、アリール、−C〜Cアルキル−O−C〜Cアルキルまたは−C〜Cアルキル−O−アリールであるヘテロアリール、
下記一般構造(XX)を有するヘテロアリールにおいて、
【化102】


(XX)
式中、Qが出現するごとに独立に、S、OあるいはRが水素原子またはC〜CアルキルであるN−Rであり、Qが出現するごとにC(R、S、OまたはN−Rであり、Rが出現するごとに独立に、水素原子、C〜C12アルキル、C〜C12ハロアルキル、C〜C12アルコキシ、C〜C12ハロアルコキシ、アリール、−C〜Cアルキル−O−C〜Cアルキルまたは−C〜Cアルキル−O−アリールであるヘテロアリール、
下記一般構造(XXI)を有するヘテロアリールにおいて、
【化103】


(XXI)
式中、Qが、S、OあるいはRが水素原子またはC〜CアルキルであるN−Rであり、Qが出現するごとに独立にSまたはOであるヘテロアリール、
下記一般構造(XXII)を有するヘテロアリールにおいて、
【化104】


(XXII)
式中、Qが出現するごとに独立に、S、OあるいはRが水素原子またはC〜CアルキルであるN−Rであり、Qが出現するごとに独立にSまたはOであるヘテロアリール、
下記一般構造(XXIII)を有するヘテロアリールにおいて、
【化105】


(XXIII)
式中、Qが、S、OあるいはRが水素原子またはC〜CアルキルであるN−Rであり、Qが出現するごとに独立にSまたはOであり、Rが出現するごとに独立に、水素原子、C〜C12アルキル、C〜C12ハロアルキル、C〜C12アルコキシ、C〜C12ハロアルコキシ、アリール、−C〜Cアルキル−O−C〜Cアルキルまたは−C〜Cアルキル−O−アリールであるヘテロアリール、
下記一般構造(XXIV)を有するヘテロアリールにおいて、
【化106】


(XXIV)
式中、Qが出現するごとに独立に、S、OあるいはRが水素原子またはC〜CアルキルであるN−Rであり、Qが出現するごとに独立にSまたはOであり、Rが出現するごとに独立に、水素原子、C〜C12アルキル、C〜C12ハロアルキル、C〜C12アルコキシ、C〜C12ハロアルコキシ、アリール、−C〜Cアルキル−O−C〜Cアルキルまたは−C〜Cアルキル−O−アリールであるヘテロアリール、
下記一般構造(XXV)を有するヘテロアリールにおいて、
【化107】


(XXV)
式中、Qが出現するごとに独立に、S、OあるいはRが水素原子またはC〜CアルキルであるN−Rであり、Qが出現するごとに独立にSまたはOであり、Rが出現するごとに独立に、水素原子、C〜C12アルキル、C〜C12ハロアルキル、C〜C12アルコキシ、C〜C12ハロアルコキシ、アリール、−C〜Cアルキル−O−C〜Cアルキルまたは−C〜Cアルキル−O−アリールであり、
【化108】


がアリールを示すヘテロアリール、
下記一般構造(XXVI)を有するヘテロアリールにおいて、
【化109】


(XXVI)
式中、Qが出現するごとに独立に、S、OあるいはRが水素原子またはC〜CアルキルであるN−Rであり、Qが出現するごとに独立にSまたはOであり、Rが出現するごとに独立に、水素原子、C〜C12アルキル、C〜C12ハロアルキル、C〜C12アルコキシ、C〜C12ハロアルコキシ、アリール、−C〜Cアルキル−O−C〜Cアルキルまたは−C〜Cアルキル−O−アリールであるヘテロアリール、
下記一般構造(XXVII)を有するヘテロアリールにおいて、
【化110】


(XXVII)
式中、Qが出現するごとに独立に、S、OあるいはRが水素原子またはC〜CアルキルであるN−Rであり、Qが出現するごとに独立にSまたはOであり、Rが出現するごとに独立に、水素原子、C〜C12アルキル、C〜C12ハロアルキル、C〜C12アルコキシ、C〜C12ハロアルコキシ、アリール、−C〜Cアルキル−O−C〜Cアルキルまたは−C〜Cアルキル−O−アリールであるヘテロアリール、あるいは
前記ヘテロアリールのうち少なくとも1種を含む組合せであることを特徴とするポリマ。
【請求項14】
請求項13に記載のポリマであって、Arが、
下記一般構造(I)、(II)および(III)を有するヘテロアリールにおいて、
【化111】


(I)
【化112】


(II)
【化113】


(III)
式中、QがSまたはOであり、Rが、水素原子、C〜C12アルキルまたはC〜C12ハロアルキルであるヘテロアリール、
下記一般構造(IV)を有するヘテロアリールにおいて、
【化114】


(IV)
式中、Qが出現するごとに独立にOであり、QがSであり、Rが出現するごとに水素原子、C〜C12アルキル、C〜C12ハロアルキル、アリール、−C〜Cアルキル−O−フェニルまたは−C〜Cアルキル−O−ビフェニルであるヘテロアリール、
下記一般構造(VII)を有するヘテロアリールにおいて、
【化115】


(VII)
式中、QがSであり、Rが出現するごとに独立にC〜C12アルキル、C〜C12ハロアルキルまたはアリールで
下記一般構造(VIII)を有するヘテロアリールにおいて、
【化116】


(VIII)
式中、Qが出現するごとに独立にSであり、Rが出現するごとに独立にC〜C12アルキル、C〜C12ハロアルキルまたはアリールであるヘテロアリール、
下記一般構造(IX)を有するヘテロアリールにおいて、
【化117】


(IX)
式中、Qが出現するごとに独立にSであり、Rが出現するごとに独立に水素原子、C〜C12アルキル、C〜C12ハロアルキルまたはアリールであるヘテロアリール、
下記一般構造(XI)を有するヘテロアリールにおいて、
【化118】


(XI)
式中、Qが出現するごとに独立に、S、OあるいはRが水素原子またはC〜CアルキルであるN−Rであり、QがC(Rであり、Rが出現するごとに独立に、水素原子、C〜C12アルキル、C〜C12ハロアルキル、C〜C12アルコキシ、C〜C12ハロアルコキシ、アリール、−C〜Cアルキル−O−C〜Cアルキルまたは−C〜Cアルキル−O−アリールであるヘテロアリール、
下記一般構造(XIII)を有するヘテロアリールにおいて、
【化119】


(XIII)
式中、Qが出現するごとに独立にOであり、QがSであり、Rが出現するごとに水素原子、C〜C12アルキル、C〜C12ハロアルキル、アリール、−C〜Cアルキル−O−フェニルまたは−C〜Cアルキル−O−ビフェニルであるヘテロアリール、
下記一般構造(XIV)を有するヘテロアリールにおいて、
【化120】


(XIV)
式中、Qが出現するごとに独立にSであり、Rが出現するごとに独立に水素原子、C〜C12アルキル、C〜C12ハロアルキル、アリール、−C〜Cアルキル−O−フェニルまたは−C〜Cアルキル−O−ビフェニルであり、Rが出現するごとに水素原子、C〜Cアルキルまたはシアノであるヘテロアリール、
下記一般構造(XV)を有するヘテロアリールにおいて、
【化121】


(XV)
式中、Qが出現するごとに独立にCH、SまたはOであり、Qが出現するごとに独立にSであり、Rが出現するごとに独立に水素原子、C〜C12アルキル、C〜C12ハロアルキル、アリール、−C〜Cアルキル−O−フェニルまたは−C〜Cアルキル−O−ビフェニルであり、Rが出現するごとに水素原子、C〜Cアルキルまたはシアノであるヘテロアリール、
下記一般構造(XVI)を有するヘテロアリールにおいて、
【化122】


(XVI)
式中、Qが出現するごとに独立にSであり、Rが出現するごとに独立に水素原子、C〜C12アルキル、C〜C12ハロアルキル、アリール、−C〜Cアルキル−O−フェニルまたは−C〜Cアルキル−O−ビフェニルであり、
【化123】


が、フラン、ピロール、N−置換ピロール、フェニル、ビフェニル、チオフェン、フルオレンまたは9−アルキル−9H−カルバゾールを示すヘテロアリール、
下記一般構造(XVII)を有するヘテロアリールにおいて、
【化124】


(XVII)
式中、Qが出現するごとに独立にOであり、Qが出現するごとに独立にSであり、Rが出現するごとに独立に水素原子、C〜C12アルキル、C〜C12ハロアルキル、アリール、−C〜Cアルキル−O−フェニルまたは−C〜Cアルキル−O−ビフェニルであり、
【化125】


が、フラン、ピロール、N−置換ピロール、フェニル、ビフェニル、チオフェン、フルオレンまたは9−アルキル−9H−カルバゾールを示すヘテロアリール、
下記一般構造(XVIII)を有するヘテロアリールにおいて、
【化126】


(XVIII)
式中、Qが出現するごとに独立にOであり、Qが出現するごとに独立にSであり、QがC(RまたはN−Rであり、Rが出現するごとに独立に水素原子、C〜C12アルキル、C〜C12ハロアルキル、アリール、−C〜Cアルキル−O−フェニルまたは−C〜Cアルキル−O−ビフェニルであるヘテロアリール、
下記一般構造(XIX)を有するヘテロアリールにおいて、
【化127】


(XIX)
式中、Qが出現するごとに独立にSであり、QがC(RまたはN−Rであり、Rが出現するごとに独立に水素原子、C〜C12アルキル、C〜C12ハロアルキル、アリール、−C〜Cアルキル−O−フェニルまたは−C〜Cアルキル−O−ビフェニルであるヘテロアリール、
下記一般構造(XX)を有するヘテロアリールにおいて、
【化128】


(XX)
式中、Qが出現するごとに独立にSであり、Qが出現するごとにC(RまたはN−Rであり、Rが出現するごとに独立に水素原子、C〜C12アルキル、C〜C12ハロアルキル、アリール、−C〜Cアルキル−O−フェニルまたは−C〜Cアルキル−O−ビフェニルであるヘテロアリール、
下記一般構造(XXI)を有するヘテロアリールにおいて、
【化129】


(XXI)
式中、QはSであり、Qが出現するごとにOであるヘテロアリール、
下記一般構造(XXII)を有するヘテロアリールにおいて、
【化130】


(XXII)
式中、Qが出現するごとに独立にSであり、Qが出現するごとにOであるヘテロアリール、
下記一般構造(XXIII)を有するヘテロアリールにおいて、
【化131】


(XXIII)
式中、QがSであり、Qが出現するごとにOであり、Rが出現するごとに独立に、水素原子、C〜C12アルキル、C〜C12ハロアルキル、アリール、−C〜Cアルキル−O−フェニルまたは−C〜Cアルキル−O−ビフェニルであるヘテロアリール、
下記一般構造(XXIV)を有するヘテロアリールにおいて、
【化132】


(XXIV)
式中、Qが出現するごとに独立にSであり、Qが出現するごとにOであり、Rが出現するごとに独立に、水素原子、C〜C12アルキル、C〜C12ハロアルキル、アリール、−C〜Cアルキル−O−フェニルまたは−C〜Cアルキル−O−ビフェニルであるヘテロアリール、
下記一般構造(XXV)を有するヘテロアリールにおいて、
【化133】


(XXV)
式中、Qが出現するごとに独立にSであり、Qが出現するごとにOであり、Rが出現するごとに独立に水素原子、C〜C12アルキル、C〜C12ハロアルキル、アリール、−C〜Cアルキル−O−フェニルまたは−C〜Cアルキル−O−ビフェニルであり、
【化134】


が、フラン、ピロール、N−置換ピロール、フェニル、ビフェニル、チオフェン、フルオレンまたは9−アルキル−9H−カルバゾールを示すヘテロアリール、あるいは
前記ヘテロアリールの少なくとも1種を含む組合せであることを特徴とするポリマ。
【請求項15】
請求項11に記載のポリマであって、Arが、
下記一般構造(I)、(II)および(III)を有するヘテロアリールにおいて、
【化135】


(I)
【化136】


(II)
【化137】


(III)
式中、QがSまたはOであり、Rが、水素原子、C〜CアルキルまたはC〜Cハロアルキルであるヘテロアリール、
下記一般構造(IV)を有するヘテロアリールにおいて、
【化138】


(IV)
式中、Qが出現するごとに独立にOであり、QがSであり、Rが出現するごとに水素原子、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、−C〜Cアルキル−O−フェニルまたは−C〜Cアルキル−O−ビフェニルであるヘテロアリール、
下記一般構造(VII)を有するヘテロアリールにおいて、
【化139】


(VII)
式中、QがSであり、Rが出現するごとに独立に、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキルまたはアリールであるヘテロアリール、
下記一般構造(VIII)を有するヘテロアリールにおいて、
【化140】


(VIII)
式中、Qが出現するごとに独立にSであり、Rが出現するごとに独立に、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキルまたはアリールであるヘテロアリール、
下記一般構造(IX)を有するヘテロアリールにおいて、
【化141】


(IX)
式中、Qが出現するごとに独立にSであり、Rが出現するごとに独立に、水素原子、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキルまたはアリールであるヘテロアリール、
下記一般構造(XI)を有するヘテロアリールにおいて、
【化142】


(XI)
式中、Qが出現するごとに独立にSであり、QがC(Rであり、Rが出現するごとに独立に、水素原子、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、−C〜Cアルキル−O−フェニルまたは−C〜Cアルキル−O−ビフェニルであるヘテロアリール、
下記一般構造(XIII)を有するヘテロアリールにおいて、
【化143】


(XIII)
式中、Qが出現するごとに独立にOであり、QがSであり、Rが出現するごとに水素原子、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、−C〜Cアルキル−O−フェニルまたは−C〜Cアルキル−O−ビフェニルであるヘテロアリール、
下記一般構造(XIV)を有するヘテロアリールにおいて、
【化144】


(XIV)
式中、Qが出現するごとに独立にSであり、Rが出現するごとに独立に、水素原子、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、−C〜Cアルキル−O−フェニルまたは−C〜Cアルキル−O−ビフェニルであり、R5が出現するごとに水素原子、C〜Cアルキルまたはシアノであるヘテロアリール、
下記一般構造(XV)を有するヘテロアリールにおいて、
【化145】


(XV)
式中、Qが出現するごとに独立に、CHまたはOであり、Qが出現するごとに独立にSであり、Rが出現するごとに独立に、水素原子、C〜C12アルキル、C〜C12ハロアルキル、−C〜Cアルキル−O−フェニルまたは−C〜Cアルキル−O−ビフェニルであり、R5が出現するごとに水素原子、C〜Cアルキルまたはシアノであるヘテロアリール、
下記一般構造(XVI)を有するヘテロアリールにおいて、
【化146】


(XVI)
式中、Qが出現するごとに独立にSであり、Rが出現するごとに独立に、水素原子、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、−C〜Cアルキル−O−フェニルまたは−C〜Cアルキル−O−ビフェニルであり、
【化147】


が、フラン、ピロール、N−置換ピロール、フェニル、ビフェニル、チオフェン、フルオレンまたは9−アルキル−9H−カルバゾールを示すヘテロアリール、
下記一般構造(XVII)を有するヘテロアリールにおいて、
【化148】


(XVII)
式中、Qが出現するごとに独立にOであり、Qが出現するごとに独立にSであり、Rが出現するごとに独立に、水素原子、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、アリール、−C〜Cアルキル−O−フェニルまたは−C〜Cアルキル−O−ビフェニルであり、
【化149】


が、フラン、ピロール、N−置換ピロール、フェニル、ビフェニル、チオフェン、フルオレンまたは9−アルキル−9H−カルバゾールを示すヘテロアリール、
下記一般構造(XVIII)を有するヘテロアリールにおいて、
【化150】


(XVIII)
式中、Qが出現するごとに独立にOであり、Qが出現するごとに独立にSであり、QがC(RまたはN−Meであり、Rが出現するごとに独立に、水素原子、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、−C〜Cアルキル−O−フェニルまたは−C〜Cアルキル−O−ビフェニルであるヘテロアリール、
下記一般構造(XIX)を有するヘテロアリールにおいて、
【化151】


(XIX)
式中、Qが出現するごとに独立にSであり、QがC(RまたはNMeであり、Rが出現するごとに独立に、水素原子、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、−C〜Cアルキル−O−フェニルまたは−C〜Cアルキル−O−ビフェニルであるヘテロアリール、
下記一般構造(XX)を有するヘテロアリールにおいて、
【化152】


(XX)
式中、Qが出現するごとに独立にSであり、Qが出現するごとにC(RまたはNMeであり、Rが出現するごとに独立に、水素原子、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、−C〜Cアルキル−O−フェニルまたは−C〜Cアルキル−O−ビフェニルであるヘテロアリール、
下記一般構造(XXIII)を有するヘテロアリールにおいて、
【化153】


(XXIII)
式中、QがSであり、Qが出現するごとにOであり、Rが出現するごとに独立に、水素原子、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、−C〜Cアルキル−O−フェニルまたは−C〜Cアルキル−O−ビフェニルであるヘテロアリール、
下記一般構造(XXIV)を有するヘテロアリールにおいて、
【化154】


(XXIV)
式中、Qが出現するごとに独立にSであり、Qが出現するごとにOであり、Rが出現するごとに独立に、水素原子、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、アリール、−C〜Cアルキル−O−フェニルまたは−C〜Cアルキル−O−ビフェニルであるヘテロアリール、
下記一般構造(XXV)を有するヘテロアリールにおいて、
【化155】


(XXV)
式中、Qが出現するごとに独立にSであり、Qが出現するごとにOであり、Rが出現するごとに独立に、水素原子、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、−C〜Cアルキル−O−フェニルまたは−C〜Cアルキル−O−ビフェニルであり、
【化156】


が、フラン、ピロール、N−置換ピロール、フェニル、ビフェニル、チオフェン、フルオレンまたは9−アルキル−9H−カルバゾールを示すヘテロアリール、あるいは
前記ヘテロアリールの少なくとも1種を含む組合せであることを特徴とするポリマ。
【請求項16】
請求項11に記載のポリマであって、RおよびRが独立に、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、3−メチルブチル、sec−ペンチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−セプチル、n−オクチルまたはこれらのペルフルオロ化基であることを特徴とするポリマ。
【請求項17】
請求項11に記載のポリマであって、RおよびRが独立にメチルまたはn−オクチルであることを特徴とするポリマ。
【請求項18】
請求項11に記載のポリマであって、YがSiまたはGeであることを特徴とするポリマ。
【請求項19】
導電性共役ポリマを調製する方法であって、
下記構造を有する前駆体ポリマ、
【化157】


;または
【化158】


そのコポリマまたは前記ポリマの少なくとも1種を含むブレンドを変換して、
(式中、
Arは出現するごとに独立にヘテロアリール基であり、
およびRは出現するごとに独立に、C〜C12アルキル、C〜C12ハロアルキルまたはアリールであり、
Xは、O、S、(YRまたは(CRであり、ここで、xは、0、1、2、3または4であり、RおよびRは独立に、水素原子、C〜C12アルキルまたはC〜C12ハロアルキルであり、
Yは出現するごとに独立に、Si、Ge、SnまたはPbであり、
nは約10以上である。)
下記構造を有する導電性共役ポリマを形成することを含むことを特徴とする方法。
【化159】


;または
【化160】


(式中、
Arは出現するごとに独立にヘテロアリール基であり、
およびRは出現するごとに独立に、C〜C12アルキル、C〜C12ハロアルキルまたはアリールであり、
Xが、O、S、(YRまたは(CRであり、ここで、xは、0、1、2、3または4であり、RおよびRは独立に、水素原子、C〜C12アルキルまたはC〜C12ハロアルキルであり、
Yは出現するごとに独立に、Si、Ge、SnまたはPbであり、
mは約3以上であり、
pは約5以上である。)
【請求項20】
請求項19に記載の方法であって、前記前駆体ポリマが請求項2に記載のいずれか1つであることを特徴とする方法。
【請求項21】
請求項19に記載の方法であって、前記導電性共役ポリマが請求項13に記載のいずれか1つであることを特徴とする方法。
【請求項22】
請求項19に記載の方法であって、前記変換が、化学酸化、電気化学酸化または臭素変換によるものであることを特徴とする方法。
【請求項23】
請求項22に記載の方法であって、水溶液系において前記化学酸化または電気化学酸化を行うことを特徴とする方法。
【請求項24】
請求項22に記載の方法であって、動作可能に連通している電解質と、作用電極と、対電極と、参照電極とを備える電気化学電池内で前記電気化学酸化を行うことを特徴とする方法。
【請求項25】
請求項24に記載の方法であって、前記作用電極が、白金、金、インジウムドープ酸化スズ、炭素またはステンレス鋼であることを特徴とする方法。
【請求項26】
請求項24に記載の方法であって、前記電解質は、対イオンが、過塩素酸、テトラフルオロボレート、ヘキサフルオロホスフェート、ハライド、有機アニオン、トリフルオロメタンスルホネート、トシラート、ビストリフルオロメチルスルホンイミド、またはポリアニオンであるテトラアルキルアンモニウム塩またはリチウム塩;トリフルオロメタンスルホン酸リチウム;ヘキサフルオロリン酸テトラブチルアンモニウム;テトラフルオロホウ酸テトラブチルアンモニウム;あるいはイオン性液体であることを特徴とする方法。
【請求項27】
請求項22に記載の方法であって、酸化的な前記変換が固体状態で起こることを特徴とする方法。
【請求項28】
請求項22に記載の方法であって、鉄(III)塩、H、KCr、過硫酸アルカリまたはアンモニウム、過ホウ酸アルカリ、過マンガン酸カリウム、銅塩、臭素、ヨウ素、NOBF、あるいは前記酸化剤の2種以上の組合せである化学酸化剤を用いて前記酸化を行うことを特徴とする方法。
【請求項29】
請求項22に記載の方法であって、気相でさらすことによって、または溶液中で前記臭素を与えることを特徴とする方法。
【請求項30】
請求項22に記載の方法であって、加熱しながら前記変換を行うことを特徴とする方法。
【請求項31】
請求項22に記載の方法であって、対イオンが、過塩素酸、テトラフルオロボレート、ヘキサフルオロホスフェート、ハライド、有機アニオン、トリフルオロメタンスルホネート、ビストリフルオロメチルスルホンイミド、トシラートまたはポリアニオンであるナトリウム、リチウムまたはテトラアルキルアンモニウム塩の存在下で変換を行うことを特徴とする方法。
【請求項32】
導電性ポリマフィルムを調製する方法であって、
請求項1に記載の前駆体ポリマで基板をコーティングすること、および、
前記前駆体ポリマを導電性共役ポリマに変換すること、
を含み、
圧縮成形、融解コーティング、インクジェット印刷、スクリーン印刷、ロールツーロール印刷プロセス、スピンコーティング、メニスカスおよびディップコーティング、スプレーコーティング、刷毛コーティング、スプレーキャスティング、ドクターブレード塗布あるいはカーテンキャスティングのうちいずれか1つのプロセスによって前記コーティングを調製することを特徴とする方法。
【請求項33】
導電性ポリマ繊維を調製する方法であって、
請求項1に記載の前駆体ポリマの繊維の電界紡糸、溶融紡糸または融解延伸を行うこと、および、
前記前駆体ポリマを導電性共役ポリマに変換すること、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項34】
物品を調製する方法であって、
請求項1に記載の前駆体ポリマを射出成形すること、および、
前記前駆体ポリマを導電性共役ポリマに変換すること、
を含み、
前記成形が射出成形または圧縮成形を含むことを特徴とする方法。
【請求項35】
請求項11に記載の導電性共役ポリマを含むことを特徴とする調製された物品。
【請求項36】
請求項35に記載の物品であって、エレクトロクロミックデバイス、電子および/または光学デバイスあるいはセンサであることを特徴とする物品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2009−528396(P2009−528396A)
【公表日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−555422(P2008−555422)
【出願日】平成19年2月16日(2007.2.16)
【国際出願番号】PCT/US2007/004515
【国際公開番号】WO2007/098203
【国際公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【出願人】(501315876)ユニバーシティ オブ コネチカット (22)
【Fターム(参考)】