説明

剥離シートの製造方法及び剥離シート。

【課題】保存による硬化を必要としない、シリコーンの皮膜層で形成された剥離紙およびその製造方法の提供。
【解決手段】基材表面に第一工程として任意形状でシリコーンを塗布し、第二工程として前記任意形状にてシリコーン塗布外部にニス剤を設け、第三工程にて紫外線照射加工を施し、第四工程にて電子線照射加工を行って硬化皮膜を形成する。

【発明の詳細な説明】
【発明の属する技術の分野】
【0001】
本発明は、基材にシリコーン加工、電子線照射、紫外線照射加工製造による剥離紙で、粘着ラベル及び粘着シートに活用する剥離紙に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、剥離層を有する構造体及び製造方法(特許公開番号2004−90270)が発明されていた。
【特許文献1】特許公開番号 特開2004−90270
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
これには次のような欠点があった。
従来、剥離紙の製造方法において通常、シリコーンの皮膜構造層で形成されていた。
【0004】
粘着ラベル、粘着シート及びシール等において用いられる、剥離紙の形成は剥離シート用の処理剤として熱硬化型シリコーン組成物が使用され、その硬化後でも反応は完全に終了しておらず、硬化皮膜を形成するためには、保存(エージング)して硬化皮膜を形成する欠点があった。
【0005】
剥離シート用の処理剤として熱硬化型シリコーン組成物の硬化の目的において紫外線照射(ULTORA VIOLET)通称UV照射にて硬化皮膜を形成する方法がとられていた。
【0006】
剥離シート用の処理剤として熱硬化型シリコーン組成物の硬化の目的において電子線照射(ELECTRON BEAM)通称EV照射にて硬化皮膜を形成する方法がとられていた。
【0007】
剥離シート用の処理剤として熱硬化型シリコーン組成物の硬化の目的において電子線照射(ELECTRON BEAM)通称EV照射及び紫外線照射(ULTORA VIOLET)通称UV照射の併用にて硬化皮膜を形成する方法は既存していなかった。
【0008】
従来の粘着ラベルにおけるシリコーン組成において、任意の形状及び必要部分の加工がなされていなかった。
本発明は、これらの問題点を解決するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
基材表面に第一工程として任意形状でシリコーンを塗布し、第二工程とし前記任意形状にてシリコーン塗布外部にニス剤を設け、第三工程にて紫外線照射加工を施し、第四工程に電子線照射加工にて硬化皮膜を形成したことを特徴する剥離シートの製造方法で、前記製造方法により基材に任意形状にてシリコーン加工を施し、シリコーン外部にニス剤を設け紫外線照射加工及び電子線照射加工にて前記シリコーン及びニス剤硬化皮膜を形成したことを特徴する剥離シートの製造方法及び剥離シートを提供する。
【発明の効果】
【0010】
電子線照射は熱の発生をともなわないので熱による基材等の劣化が生じず、基材がプラスチック等の熱に弱いものであっても適用できる効果を発揮し、また、シリコーンの組成効果も紫外線の照射により、保存(エージング)を必要としないシリコーンの組成層の安定が得られる。
【0011】
本発明の基材表面にシリコーン組成物を塗布し、電子照射、紫外線照射にて硬化皮膜を形成したことを特徴とした剥離シートの製造方法の効果は、硬化皮膜の形成にすぐれ、短時間で剥離層の形成と剥離シートの製造が可能とされる。
また、光開始剤が不要であるため、それにともなう不純物の折出、臭気等が防止される。
【0012】
従来の粘着ラベルの剥離紙は剥離紙全面にシリコーン組成されていることで保存(エージング)やシリコーンの乾燥性の課題がなされていたが、本発明の効果において、前記の課題を解決し粘着ラベルの剥離紙のシリコーンを必要部分及び任意の形状で組成することで、剥離紙の製造の簡易及び製造コストの削減効果が望めるものである。
本発明は、以上の効果を実現するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について図1乃至図7をもちいて説明する。
図1に記載されているのは、基材(101)表面にシリコーン組成物を塗布し、電子線照射、紫外線照射にて硬化皮膜を形成したシリコーン層(102)の実施構造の形態図である。
【0014】
図2に記載されているのは、前記図1に記載した実施における、構造断面を示した図である。
本発明の図1及び図2の記載においては、任意の形状にてニス層(103)、シリコーン層(102)にて記載しているが、製品の仕様用途に応じては基材(101)全面にシリコーン層(102)を設けることもある。
【0015】
図3に記載されているのは、前記図1及び図2に記載した実施における、加工における構成形態を示した図で用紙基材(101)からシリコーン加工ユニットにてシリコーン層(102)さらにニス加工ユニットにてニス層(105)を設け、ニス層(105)、シリコーン層(102)の皮膜の硬化形成を促すために、紫外線照射、UV照射(106)電子線照射、EB照射(107)を施す。
【0016】
本発明の図3及の記載においては、第一工程から第四工程までの各一回の工程で記載しているが、製品の必要に応じて重複した加工をおこなうものである。
実施の応用例においては、第一、第二加工にてシリコーン層(102)を設け、第三加工にてニス層(105)を設け、第四、第五、第六加工にてUV照射(106)電子線照射加工を施し、第七加工にてEB照射(107)を施しニス層(105)、シリコーン層(102)の皮膜の硬化形成することも可能である。
【0017】
図4に記載されているのは、前記図3に記載した加工における、工程における構成を示したチャート図である。
【0018】
図5に記載されているのは、本発明剥離シートの実施の形態で、粘着ラベル及び粘着シートにおける剥離シートで、剥離紙(10)の用紙、基材(101)に任意の形状と位置にシリコーン組成物を塗布し、電子線照射、紫外線照射にて硬化皮膜を形成したシリコーン層(102)を設け、用紙基材(101a)のラベル紙(20)でラベル紙(20)の表面に型抜ラベル印刷部(108)、裏面に接着層(106)が設けられ、剥離紙(10)にて丁合される形態の実施を示した図である。
【0019】
図6は前記図5に示した実施の形態におけるラベル紙(20)及び剥離紙(10)の断面を示した図である。
【0020】
前記図6におけるラベル紙(20)及び剥離紙(10)が丁合された状態を示した図である。
【0021】
以上、本発明の構成で、実施において下記に示す。
本発明の実施
本発明は粘着ラベル及び粘着シートに活用する剥離紙の製造方法で、基材として使用される、紙やプラスチックフィルム、PET(ペットボトルフィルム)等に電子線照射及び紫外線照射に対応したシリコーン組成物を塗布する。
前記塗布方法として、ロール塗布、グラビア塗布、ワイヤードクター塗布、エアーナイフ塗布、ディッピング塗布等の公知の方法を採用することができる。
基材表面及び両面にシリコーン組成物を塗布し、電子照射、紫外線照射にて硬化皮膜を形成したことを特徴とし、ラベルシート及びラベルロールの剥離紙として利用するもので、ラベルシート及びラベルロールの仕様に応じてロール状又はシート状に形成した剥離シートの製造方法を実施するものである。
本発明、剥離シートの製造方法において明細に記載されていない事項においても実施されるものである。
以上、本発明は実施される。
【産業上の利用可能性】
【0022】
電子線照射は熱の発生をともなわないので熱による基材等の劣化が生じず、基材がプラスチック等の熱に弱いものであっても適用できる効果を発揮し、また、シリコーンの組成効果も紫外線の照射により、保存(エージング)を必要としないシリコーンの組成層の安定が得られることから、ラベルシート及びラベルロールの剥離紙として利用するもので、ラベルシート及びラベルロールの仕様に応じてロール状又はシート状に形成した剥離シートの製造方法として産業上利用されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】 本発明の剥離シートの実施形態に係る構造図である。
【図2】 本発明の剥離シートの実施形態に係る構造の断面図である。
【図3】 本発明の実施形態に係る加工工程の図である。
【図4】 本発明の実施形態に係る加工工程のチャート図である。
【図5】 本発明の剥離シート及びラベル紙の実施形態に係る構成図である。
【図6】 本発明の剥離シート及びラベル紙の実施形態に係る構成の断面図である。
【図7】 本発明の剥離シート及びラベル紙の実施形態に係る構成図である。
【符号の説明】
【0024】
10. 剥離紙
101.基材
102.シリコーン層
103.ニス層
104.シリコーン加工ユニット
105.UV照射
106.EB照射
107.接着層
108.型抜ラベル印刷部
20. ラベル紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材表面に第一工程として任意形状でシリコーンを塗布し、第二工程とし前記任意形状にてシリコーン塗布外部にニス剤を設け、第三工程にて紫外線照射加工を施し、第四工程に電子線照射加工にて硬化皮膜を形成したことを特徴する剥離シートの製造方法及び剥離シート。
【請求項2】
基材に任意形状にてシリコーン加工を施し、シリコーン外部にニス剤を設け紫外線照射加工及び電子線照射加工にて前記シリコーン及びニス剤硬化皮膜を形成したことを特徴する剥離シートの製造方法及び剥離シート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−256288(P2006−256288A)
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−117503(P2005−117503)
【出願日】平成17年3月17日(2005.3.17)
【出願人】(591171345)
【Fターム(参考)】