説明

剥離用組成物および剥離方法

【課題】安定的に溶解性を保持し、接着剤を迅速に溶解することが可能な、接着剤を剥離するための剥離用組成物を提供する。
【解決手段】本発明は、接着剤を剥離するための剥離用組成物であって、下記化学式(I)
【化1】


で示される骨格を有する化合物を含み、上記化合物の純度が92%以上であって、かつ、上記化合物のトランス体を当該化合物のシス体よりも多く含んでなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接着剤を剥離するための剥離用組成物、および当該剥離用組成物を用いた剥離方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話、デジタルAV機器およびICカード等の高機能化に伴い、半導体シリコンチップの小型化、薄型化および高集積化への要求が高まっている。例えば、一つの半導体パッケージの中に複数の半導体チップを搭載するシステム・イン・パッケージ(SiP)は、搭載されるチップを小型化、薄型化および高集積化し、電子機器を高性能化、小型化かつ軽量化を実現する上で非常に重要な技術になっている。このような薄型化および高集積化への要求に応えるためには、従来のワイヤ・ボンディング技術のみではなく、貫通電極を形成したチップを積層し、チップの裏面にバンプを形成する貫通電極技術も必要になる。
【0003】
ところで、半導体チップの製造では、半導体ウエハ自体が肉薄で脆く、また回路パターンには凹凸があるため、研削工程またはダイシング工程への搬送時に外力が加わると破損しやすい。そのため、研削するウエハにサポートプレートと呼ばれる、ガラス、硬質プラスチック等からなるプレートを貼り合わせることによって、ウエハの強度を保持し、クラックの発生およびウエハの反りを防止するウエハハンドリングシステムが開発されている。ウエハハンドリングシステムによりウエハの強度を維持することができるため、薄板化した半導体ウエハの搬送を自動化することができる。
【0004】
ウエハとサポートプレートとは、粘着テープ、熱可塑性樹脂、接着剤等を用いて貼り合わせられている。サポートプレートが貼り付けられたウエハを薄板化した後、ウエハをダイシングする前にサポートプレートを基板から剥離する。例えば、特許文献1に記載の溶解型の接着剤を用いてウエハとサポートプレートとを貼り合わせた場合には、接着剤から形成した接着層を剥離用組成物によって溶解させた後、ウエハをサポートプレートから剥離している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開WO2010/143510号公報(2010年12月16日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来の剥離用組成物では、特許文献1に記載のような接着剤により形成した接着層に対する溶解性が十分ではないことがある。例えば、ウエハハンドリングシステムにおいてウエハとサポートプレートとを仮止めするために形成した接着層に溶解性が十分でない剥離用組成物を用いた場合には、剥離不良によりウエハが破損したり、ウエハ上に接着剤の残渣が残ったりする。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、安定的に溶解性を保持し、接着剤を迅速に溶解することが可能な、接着剤を剥離するための剥離用組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記課題を解決するために、接着剤を剥離するための剥離用組成物であって、下記化学式(I)
【0009】
【化1】

で示される骨格を有する化合物を含み、上記化合物の純度が92%以上であって、かつ、上記化合物のトランス体を当該化合物のシス体よりも多く含んでなることを特徴としている。
【0010】
本発明に係る剥離用組成物では、上記化合物中に含まれるトランス体の割合が、シス体とトランス体の合計を100%とした場合に、50%より大きいことがより好ましい。
【0011】
本発明に係る剥離用組成物では、上記化合物のトランス/シス比が1.0以上であることがより好ましい。
【0012】
また、上記化合物が、p−メンタンおよび2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキサン−1−オンから選択される少なくとも1種であることがより好ましい。
【0013】
本発明に係る剥離用組成物においては、剥離対象である接着剤が、炭化水素系接着剤であることがより好ましい。
【0014】
また、本発明は、支持体と、上記支持体によって支持されている基板と、上記支持体および上記基板とを貼り合わせている接着層とを備えている積層体における上記基板から、上記支持体を剥離する方法であって、上記接着層に、本発明に係る剥離用組成物を接触させる接触工程を包含していることを特徴としている。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、安定的に溶解性を保持し、接着剤を迅速に溶解することが可能な、接着剤を剥離するための剥離用組成物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】剥離用組成物による接着剤の溶解時間を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
〔剥離用組成物〕
本発明に係る剥離用組成物は、接着剤を剥離するための剥離用組成物であって、下記化学式(I)
【0018】
【化2】

で示される骨格を有する化合物を含み、上記化合物の純度が92%以上であって、かつ、上記化合物のトランス体を当該化合物のシス体よりも多く含んでなるものであればよい。
【0019】
このように、本発明に係る剥離用組成物は、上記化学式(I)で示される骨格を有する化合物の純度および異性体比率が制御されているため、安定的に溶解性を保持し、剥離対象である接着剤を迅速に溶解することが可能である。
【0020】
本発明の剥離用組成物の用途としては、様々な製品の製造時に使用される仮止めした積層体を分離するために利用することが可能である。例えば、ウエハハンドリングシステムにおいて、半導体ウエハをサポートプレートに仮止めして種々の加工処理を施した後に、サポートプレートを半導体ウエハから剥離するために好適に利用することにより、剥離不良によりウエハが破損したり、ウエハ上に接着剤の残渣が残ったりすることを防ぐことができる。
【0021】
本発明に係る剥離用組成物において、剥離する対象の接着剤としては特に限定されるものではないが、炭化水素系接着剤に対して好適に使用することができる。
【0022】
上記化学式(I)で示される骨格を有する化合物としては、特に限定されるものではないが、p−メンタンおよび2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキサン−1−オンから選択される少なくとも1種であることがより好ましい。本発明の剥離用組成物は、これら化合物の純度および異性体比率を制御して用いるため、安定性および接着剤に対する溶解性を向上させることができる。
【0023】
また、本発明に係る剥離用組成物において、上記化合物は、上記化学式(I)で示される骨格を基本骨格として、他の置換基が導入された誘導体であり得る。当該誘導体としては、例えば、p−メンタン、リモネン、メントール、メントン、ジヒドロターピネオール、ジヒドロターピニルアセテート等が挙げられる。
【0024】
なお、本発明に係る剥離用組成物は、ここに例示した化合物を単独で含んでいてもよく、2種以上を併せて含んでいてもよい。当該化合物を2種以上含んでいる場合、本発明の剥離用組成物に含まれる化合物の純度およびトランス/シス比については、含まれる2種以上の化合物の合計として求めればよい。
【0025】
本発明に係る剥離用組成物において、上記化合物の純度は92%以上であればよいが、95%以上であることがより好ましく、98%以上であることがさらに好ましい。剥離用組成物に含まれる上記化合物の純度がこの範囲であれば、接着剤を迅速に溶解することができる。
【0026】
なお、上記化合物の「純度」とは、特に断らない限りガスクロマトグラフィー(GC)を用いて検出したラセミ体の質量換算によって求められる値を意味する。
【0027】
また、本発明に係る剥離用組成物は、上記化合物のトランス体を当該化合物のシス体よりも多く含んでいればよい。すなわち、当該化合物のトランス/シス比が1.0以上であることがより好ましく、1.5以上あることがさらに好ましく、2.0以上であることが特に好ましい。また、本発明に係る剥離用組成物は、上記化合物中に含まれるトランス体の割合が、シス体とトランス体の合計を100%とした場合に、50%より大きいことが好まく、60%以上がより好ましく、70%以上であることが特に好ましい。本発明の剥離用組成物において、上記化合物のトランス体がこの範囲で含まれていれば、安定な溶解性を得ることができる。
【0028】
なお、上記化合物の「トランス/シス比」は、特に断らない限り H−NMRのケミカルシフト、またはGCのリテンションタイムから検出した値に基づいて求められる比を意味する。
【0029】
〔その他の成分〕
本発明に係る剥離用組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、混和性のあるその他の成分を含んでいてもよい。その他の成分としては、例えば、PGME、PGMEA、2−ヘプタノン、酢酸ブチル、デカヒドロナフタレン、テトラヒドロナフタレン等が挙げられる。
【0030】
〔剥離用組成物の製造方法〕
本発明に係る剥離用組成物は、特に限定されるものではないが、例えば市販のまたは天然の上記化合物から任意に調製して、目的の純度およびトランス/シス比を有する化合物を含む剥離用組成物が得られる。そのような調製方法としては、例えば、蒸留等が挙げられる。また、市販の上記化合物、または天然の上記化合物の純度を高める場合には、純度調整として蒸留処理を行なうことがある。
【0031】
〔剥離用組成物の使用方法〕
本発明に係る剥離用組成物の使用方法としては特に限定されず、接着剤(あるいは接着層)に本発明に係る剥離用組成物を接触させればよい。例えば、従来公知の接着剤の剥離液と同様に使用してもよい。また、例えば、接着剤を塗布した基材を本発明に係る剥離用組成物中に浸漬してもよいし、当該接着剤上に本発明に係る剥離用組成物を塗布してもよいし、スプレーによって噴霧してもよい。
【0032】
また、本発明は、支持体と、上記支持体によって支持されている基板と、上記支持体および上記基板とを貼り合わせている接着層とを備えている積層体における上記基板から、上記支持体を剥離する方法もまた包含する。本発明の剥離方法では、当該接着層に、本発明に係る剥離用組成物を接触させる接触工程を包含していればよい。
【0033】
本発明に係る剥離用組成物を例えば上述のようなウエハハンドリングシステムにおいて用いる場合には、複数の貫通孔を有するサポートプレートにウエハが貼り合わせられた積層体から当該サポートプレートを剥離するために、サポートプレートの貫通孔から本発明の剥離用組成物を流し込めばよい。これにより、サポートプレートとウエハとの間に形成された接着層を迅速に溶解することができる。また、例えば、当該接着層がレーザ照射によって変質する分離層と接着剤により形成されている場合、まずレーザ照射によってサポートプレートをウエハから剥離した後、ウエハ上に残存している接着剤の残渣を本発明の剥離用組成物によって溶解して除去してもよい。
【0034】
以下に実施例を示し、本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。もちろん、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、細部については様々な態様が可能であることはいうまでもない。さらに、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、それぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。また、本明細書中に記載された文献の全てが参考として援用される。
【実施例】
【0035】
〔剥離試験〕
(材料の準備)
剥離試験において用いる剥離対象物として、下記化学式(II)
【0036】
【化3】

(式中、m:n=80:20(モル比))で示されるシクロオレフィンポリマーAPEL8008T(三井化学社製)を、溶解後の濃度が25%濃度になるようにデカヒドロナフタリンに溶解させて、接着剤組成物を作製した。この接着剤組成物に対する剥離性を、純度95%のp−メンタンにおいて、それぞれトランス比が異なる実施例1〜6および比較例1〜3の剥離用組成物の剥離性を評価した。実施例1〜6および比較例1〜3の剥離用組成物の純度およびトランス比を以下の表1に示す。
【0037】
表中の「純度」はガスクロマトグラフィー(Agilent社製、製品名「Technologies」を用いて測定した。
【0038】
表中の「トランス:シス」とは、p−メンタン中のトランス体及びシス体の比率(質量比)をH−NMR(BRUKER社製、製品名「AVANCE-600」)により算出した結果である。当該比率より、「トランス/シス比」を算出する。なお、参考までに実施例2の「トランス/シス比を計算すると、2.8である(2.8/1=2.8)。
【0039】
表中の「トランス体の割合」とは、p−メンタン中に含まれるトランス体の割合を示すものであり、上述した「トランス:シス」より算出したものである。
【0040】
【表1】

(剥離性の評価)
剥離用組成物の剥離性を、剥離速度に基づき評価した。具体的には、シリコン基板上にベーク後に15μmの厚さになる量の上述の接着剤組成物をスピン塗布し、100℃、160℃および220℃のそれぞれにおいて3分ずつベークして接着層を形成した。この接着層のみ(塗布膜)を室温下(23℃)で剥離液に浸漬し、シリコン基板上の接着層が完全に溶解した時点を終点とする方法により行なった。溶解速度は剥離膜厚(nm)/剥離時間(秒(s))で算出した。結果を表2および図1に示す。図1は、剥離用組成物による接着剤の溶解時間を示すグラフであり、縦軸が溶解速度(nm/s)を示し、横軸がトランス比を示す。表中の「溶解速度比」とは、トランス体の割合が100%であるp−メンタン剥離液(実施例1)の溶解速度を基準として算出したものである。
【0041】
【表2】

図1および表2に示すように、実施例1〜6の剥離用組成物は溶解速度が50nm/sを超えており、比較例1〜3の剥離用組成物よりも良好な溶解速度が示された。
【0042】
また、純度98%のp−メンタン及び純度92%のp−メンタンにおいて、それぞれトランス比が異なる実施例および比較例の剥離用組成物について、上記と同様に剥離性を評価した。純度98%のp−メンタンの各剥離用組成物のトランス比を表3に示し、純度92%のp−メンタンの各剥離用組成物のトランス比を表4に示す。
【0043】
【表3】

【0044】
【表4】

これらの剥離用組成物を用いて上記実施例1〜6および比較例1〜3と同様に剥離性を評価した。純度98%のp−メンタンの剥離性評価結果を表5に示し、純度92%のp−メンタンの剥離性評価結果を表6に示す。
【0045】
【表5】

【0046】
【表6】

表5および6に示すように、純度98%のp−メンタン及び純度92%のp−メンタンにおいても、実施例の剥離用組成物は、溶解速度が50nm/sを超えており、比較例の剥離用組成物よりも良好な溶解速度が示された。
【0047】
〔積層体の剥離例1〕
続いて、上述の接着剤組成物を用いて積層体を作製し、本発明に係る剥離用組成物の剥離性を確認した。
【0048】
積層体は、半導体ウエハ基板上に、ベーク後に15μmの厚さになる量の上記接着剤組成物の溶液をスピン塗布し、100℃、160℃および220℃のそれぞれにおいて3分ずつベークして接着層を形成して、この接着層と孔あきガラス支持体とを215℃で加熱しながら貼り合わせることによって作製した。
【0049】
積層体の分離は、半導体ウエハ基板の薄化工程およびフォトリソ工程などの処理を行なった後、実施例1〜6および比較例1〜3の剥離用組成物をガラス支持体の孔から注入し、接着剤組成物を溶解させ、ガラス支持体を取り除くことにより行なった。そして、ガラス支持体が剥離された半導体ウエハ基板を実施例1〜6および比較例1〜3の剥離用組成物(純度95%のp−メンタン)を用いてスプレー洗浄し、残っている接着層の残渣を除去した。その結果、実施例1〜6の剥離用組成物を用いてガラス支持体が剥離された半導体ウエハ基板には、残渣残りが見られなかった。
【0050】
〔積層体の剥離例2〕
積層体の剥離例2において用いる積層体を以下のように作製した。
【0051】
カルド構造を繰返し単位に有している下記化学式(III)
【0052】
【化4】

で表される樹脂(Mw=4000、Mw/Mn=3.3)を、溶解後の含有量が20重量%になるようにPGMEAに溶解させた。この溶液を、ガラス支持体(製品名「TENPAX」、SCHOTT社製)上に、5μmの厚さにスピン塗布した。そして、160℃において6分間にわたって加熱することによって溶剤を蒸発させて、10000Å(1μm)の厚さの分離層が形成されたガラス支持体を得た。
【0053】
シクロオレフィン系ポリマーのTOPAS8007X10(ポリプラスティック社製)を、溶解後の含有量が25重量%になるようにp−メンタンに溶解させ、さらに酸化防止剤であるIRGANOX1010(BASF社製)を5質量部加えた。半導体ウエハ基板上に、ベーク後に50μmの厚さになる量のこの溶液をスピン塗布した。そして、100℃、160℃および220℃のそれぞれにおいて、段階的にベークして半導体ウエハ基板上に接着層を形成した。上記分離層および接着層を、互いに向かい合わせにして貼り合わせることによって、積層体を作製した。
【0054】
積層体の分離は、半導体ウエハ基板の薄化工程およびフォトリソ工程などの処理を行なった後、308nmまたは355nmの波長を有するレーザを、積層体のガラス支持体側から分離層に向けて照射した。すなわち、308nmのレーザを、12.5〜50Hzの範囲での繰返し周波数の中から選択した何点かと、180、160、140および120mj/cmのエネルギー密度とをそれぞれ組み合わせることにより、積層体に照射した。また、355nmのレーザを、10〜200kHzの繰返し周波数および平均出力0.3Wの条件において、積層体に照射した。レーザの照射時間はいずれも1分間未満であった。積層体における分離層は、レーザ照射を受けて変質しており、ガラス支持体を持ち上げると、ガラス支持体が半導体ウエハ基板から剥離した。
【0055】
ガラス支持体を剥離した半導体ウエハ基板に接着層の残渣が付着していたので、実施例1〜6および比較例1〜3の剥離用組成物によって残渣を溶解した。その結果、実施例1〜6の剥離用組成物を用いてガラス支持体が剥離された半導体ウエハ基板には、残渣が見られなかった。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明の剥離用組成物は、様々な製品の製造時に使用される仮止めした積層体を分離するために利用することができる。特に、半導体ウエハまたはチップを種々の支持体に仮止めして加工する製造工程において好適に利用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
接着剤を剥離するための剥離用組成物であって、
下記化学式(I)
【化1】

で示される骨格を有する化合物を含み、
上記化合物の純度が92%以上であって、かつ、上記化合物のトランス体を当該化合物のシス体よりも多く含んでなることを特徴とする剥離用組成物。
【請求項2】
上記化合物中に含まれるトランス体の割合が、シス体とトランス体の合計を100%とした場合に、50%より大きいことを特徴とする請求項1に記載の剥離用組成物。
【請求項3】
上記化合物のトランス/シス比が1.0以上であることを特徴とする請求項1に記載の剥離用組成物。
【請求項4】
上記化合物が、p−メンタンおよび2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキサン−1−オンから選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の剥離用組成物。
【請求項5】
剥離対象である接着剤が、炭化水素系接着剤であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の剥離用組成物。
【請求項6】
支持体と、上記支持体によって支持されている基板と、上記支持体および上記基板とを貼り合わせている接着層とを備えている積層体における上記基板から、上記支持体を剥離する方法であって、
上記接着層に、請求項1〜5のいずれか1項に記載の剥離用組成物を接触させる接触工程を包含していることを特徴とする剥離方法。

【図1】
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【公開番号】特開2013−7026(P2013−7026A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−85047(P2012−85047)
【出願日】平成24年4月3日(2012.4.3)
【出願人】(000220239)東京応化工業株式会社 (1,407)
【Fターム(参考)】