説明

剥離紙なしの粘着剤付き壁紙

【課題】糊引きをしなくても継続的に接着状態を保持することができると共に、不要になった剥離紙を排出しない壁紙を提供する。
【解決手段】施工時に接着剤を塗布する手間をなくするため、剥離し付き粘着壁紙は知られているが、施工後は剥離紙が不要になる。剥離紙の替わりに、壁紙の化粧表面層1に剥離層3を被覆して、裏紙2に粘着剤4を付ける。粘着剤は部分的に粘着剤領域のみに形成されたり、空気抜きのため凸凹の形状に形成されても良い。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】

【発明に属する技術分野】
【0001】
本発明は、剥離紙なしの粘着剤付き壁紙及び室内内装用クロスに関するものである。
【0002】
従来、壁紙は天井を含め室内内装材として広く使われているが、施工時に接着剤を付けて貼るのが一般的である。又、粘着剤付きの壁紙もあるが表面に貼り付くため剥離紙が構造上必要であった。
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上記従来の壁紙は糊引きの手間がかかる上、糊で他を汚さないよう養生が必要で下地処理や後で汚れの原因となる壁紙表面に付いた糊を水で拭取る等作業性がかなり悪い。
又、施工場所に合せた糊の調合や施工場所の材質によっては貼れないものもあり、施工には専門的な知識と技術が求められる。
一方、粘着剤付き壁紙は貼り直しが難しく、貼った後不要になった剥離紙が大量のゴミとして排出される問題がある。
そこで、本発明は優れた作業性と安定した接着の保持を追求することにより、新規施工に加え従来難しいとされてきた既存の壁紙の上にも貼ることを可能にして、古い壁紙や剥離紙によるゴミを排出しない壁紙を提供することを目的とするものである。
【0004】
本発明は上記問題を解決するため創作されたものであって、第1に壁紙の表面が剥離層で被覆されており裏面に粘着剤を付けたことを特徴とする。
この第1の構成によれば、表面が剥離層で被覆してあるため巻回しても裏面の粘着剤が表面に貼り付くことなく、糊引きなしで壁紙を貼ることができる。
また、ゴミとなる剥離紙を排出することはない。
【0005】
また、第2には、上記第1の構成において、上記粘着剤は部分的に粘着剤領域に形成されていることを特徴とする。
この部分的な粘着剤領域により全体の粘着力を減少させ位置合せの貼り直しが可能となり、部分的な粘着剤領域は同時に連続した非粘着剤領域を形成するため、空気がそこから自動的に抜けて従来壁紙を貼るときに必ず起きる空気膨れの現象がなく修正の手間がかからずラクにきれいに貼ることができる。
【0006】
第3に上記第1又は第2の構成において、上記粘着層が凸凹の形状により形成されていることを特徴とする。
粘着層が凸凹(厚さが不均等)の形状であることは第2の構成と同じく全体の粘着力を減少させ、又、空気抜きができるため容易に貼ることができる。
【0007】
第4に上記第1又は第2又は第3の構成において裏面にフィルムを貼った上に粘着剤が付いていることを特徴とする。
これにより、壁紙全体の強度が増して破れるのを防ぐと共にハリのあるきれいな仕上がりができる。
【0008】
又、上記第1から第4までの構成において、いずれも表面が剥離層で被覆されているため、1枚貼り終えた後2枚目を貼る場合繋ぎ目をきれいにするため重ね貼りすることが多いが養生のためのジョイントテープを使わなくても壁紙を傷つけることなく剥がすことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の実施の形態を図面で説明する。
本発明に基づく第1実施例における壁紙は、図1に示されるように、化粧表面層1を被覆する剥離層3と裏紙2に粘着剤4aが塗布されて構成している。
化粧表面層1と裏紙2は貼り合わされており、剥離層3が化粧表面層1を被覆しているので巻回しても粘着剤4aが化粧表面層1に貼り付くことはない。
【0010】
ここで剥離層3は剥離剤を塗布することで形成され主としてシリコン樹脂が使われる。シリコン樹脂は滑性があり、防水、撥水効果があるので傷付きにくく、汚れが付かない、又、カビが生えない等の長所を持った壁紙ができる。
また、壁紙を貼るとき刷毛がラクに滑るので広い面積の施工においては負担が少なく疲れず作業ができる。
【0011】
次に、第2実施例について説明をする。
粘着剤4bは図2のごとく部分的な粘着剤領域を形成している。
全面が粘着剤領域と比べ粘着剤領域の面積が少なく粘着力が減少するので貼り直しが可能となり、同時に非粘着剤領域6ができることによりそこから空気が抜けて空気膨れの現象が起きないので優れた作業性を確保することできる。
又、施工後建物にズレが生じた場合、全面接着の場合は下地の接合部分が建物と共に移動して僅かに開いても壁紙は破れてしまうが、部分接着であれば柔軟性があるため破れない。
【0012】
次に、第3実施例について説明をする。
粘着剤4cは図3のごとく凸凹の形状により形成されており、上記第2実施例と同じように粘着力の減少や空気抜きの効果が得られる。
【0013】
次に、第4実施例について説明をする。壁紙の裏にフィルム5を貼りその上に粘着剤を付けて形成されている。
これにより、壁紙の強度が増し破れることもなくハリのあるきれいな仕上がりができる。
フィルムはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、等を裏紙2に貼る。
【0014】
壁紙の化粧表面層の材質は塩ビ、紙、布、ポリオレフィン系、等多種あるが、材質は特に限定しないが、紙や布の場合は剥離剤が含浸して効果が薄れるので浸透防止剤で目埋めする必要があり、塩ビ、ポリオレフィン系、の材質はその必要がなく容易に剥離層を形成することができる。
実施例1において、剥離剤をシリコン樹脂が主に使われると説明したが、特定するものではなく剥離機能がある材質のものであればよい。
図2において、部分的な粘着剤領域4bの形状を格子状で説明したが、これに限らず部分的な粘着剤領域を形成して継続的な接着ができる形状であればよい。
図3において、粘着剤4cが凸凹の形状により形成されていると説明したが、深さや柄については接着が安定して保持されれば特に限定するものはない。従って、壁紙表面にエンボスがあれば直接その上に粘着剤を塗布して乾燥後裏面に転写することで形成ができる。
図4において、フィルムはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、等を貼ると説明したが材質はこれに限定しない。
【0015】
粘着剤の材質はアクリル、ゴム、シリコン、系等いろいろあるが特に限定はしないが、壁紙が室内内装材であることを考えれば有害化学物質を含まず有毒ガスを発生させないものがよい。
粘着剤はドライの状態で壁紙に付いており、接着糊のようにベタベタ手や他に付くこともなく、又、強い刺激臭や目がチカチカするということがないので窓を閉めたまま施工ができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明に基づく剥離紙なしの粘着剤付き壁紙によれば、低コストでつくることができてしかも軽量な上、ゴミを出さず剥離紙を剥す手間もかからずにラクに貼れて継続的に安定した接着状態を保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に基づく壁紙の構成を示す断面図である。
【図2】本発明の第2実施例に基づく壁紙を裏面からの構成で示す斜視図である。
【図3】本発明の第3実施例に基づく壁紙の構成を示す断面図である。
【図4】本発明の第4実施例に基づく壁紙の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
化粧表面層 1
裏紙 2
剥離層 3
粘着剤 4a 4b 4c
フィルム 5
非粘着剤領域 6

【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁紙の表面に剥離層を被覆して裏面に粘着剤を付けたことを特徴とする壁紙。
【請求項2】
粘着剤が部分的に粘着剤領域に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の壁紙。
【請求項3】
粘着剤が凸凹の粘着層の形状により形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の壁紙。
【請求項4】
裏面にフィルムを貼りその上に粘着剤が付いていることを特徴とする請求項1又は2又は3に記載の壁紙。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−176943(P2006−176943A)
【公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−382700(P2004−382700)
【出願日】平成16年12月20日(2004.12.20)
【出願人】(593031458)
【Fターム(参考)】