説明

副鼻腔炎を治療するシステム

【課題】
本発明によれば、鼻内部の目的の部位に、案内ワイヤ、カテーテル等を容易に到達させることができる。
【解決手段】
本システムは、管状案内装置を備え、その管状案内装置の基端部は、金属管を含む第1の管を備え、合成樹脂の管を含む第2の管が第1の管の管腔を通過して延びており、この合成樹脂の管の末端上に、合成樹脂の管より柔軟な、末端の先端部材を備え、合成樹脂の管の末端部及び末端の先端部材が金属管の末端から外側に突出するように、金属管の管腔を通過して延びている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療装置及び方法に関する。より詳細には、副鼻腔炎及びその他の耳鼻咽喉系の疾患を処置するための低侵襲的な装置、システム、及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
鼻は、吸気を暖め、加湿し、不純物を取り除き、呼気から熱及び水分を保存する。鼻は、主に軟骨、骨、粘膜及び、肌から形成される。
【0003】
鼻の骨は、通路により連通する副鼻腔として周知の一連の腔から構成される。副鼻腔は、前頭洞、篩骨洞、ちょう形骨洞、及び、上顎洞を含む。副鼻腔は、粘液を生成する上皮組織で覆われて、最終的には鼻腔内に連通する。通常、上皮組織により生成された粘液は、口として周知の開口を通過して各腔から徐々に流出する。何らかの理由によりこれらの通路のうちの一つの上皮組織が炎症を起こした場合には、同通路を通過して流出する腔は、詰まり得る。この詰まりは周期的になったり(痛みの症状の発現となる)、慢性的になり得る。このような粘液の排出に対する詰まり(例、洞開口部の閉塞)は、副鼻腔内における粘液の詰まりの原因となり得る。腔の慢性的な粘液の詰まりは、酸素圧を低下させて、細菌を成長(例、洞の感染)させることにより、洞を覆う上皮を損傷する原因となり得る。
【0004】
副鼻腔炎
通常、用語「副鼻腔炎」は、バクテリア、ウィルス、菌類(カビ)、アレルギーや、これらの組み合わせに起因する副鼻腔の炎症や感染を意味する。慢性副鼻腔炎(例、3ヶ月以上続く)により、米国において、年間1,800万人乃至2,200万人の患者が内科医の診療所を訪れていると概算されている。
【0005】
通常、副鼻腔炎の患者は、少なくとも以下の兆候のいくつかを経験する。
−頭痛や顔面痛
−鼻づまりやその後の鼻水
−片方か両方の鼻の穴による呼吸の困難
−口臭
−上の歯の痛み
従って、副鼻腔炎の治療法の一つとして、粘液の流れを回復させることである。初期治療としては、炎症部位を減少させるための消炎剤及び感染部位を治療するための抗生物質を使用した薬物療法が挙げられる。多数の患者は、薬物療法に反応しない。現在において、薬物療法に反応しない慢性副鼻炎の患者に対する最も基準となる処置は、機能的内視鏡下副鼻腔手術(Functional Endoscopic Sinus Surgery:FESS)と呼ばれる矯正手術である。
【0006】
副鼻腔炎の治療のための現行の提唱された処置、機能的内視鏡下副鼻腔手術(FESS)
FESSにおいて、内視鏡が鼻内に挿入され、同内視鏡により可視化された下で、外科的処置により患部である、或いは、肥大した組織や骨を取り除き、副鼻腔の通常の排出を回復させるように鼻腔の開口部を拡張する。通常、FESSの処置は、全身麻酔を施した患者に対して行われる。
【0007】
FESSは、重度の副鼻腔炎の外科的処置において最も基準となる処置であるが、FESSは、短所も有する。例えば、FESSは、術後に深刻な痛みを引き起こす。また、FESSの処置は、深刻な術後の出血を伴うこともあり、その結果、通常、術後しばらくの間、患者の鼻内に鼻タンポンを配置することになる。このような鼻タンポンは、不快なものであり、通常の呼吸、飲食等を妨害する。また、患者の中には複数回のFESSの施術後においても、症状が続くものもいる。更に、FESS施術は、眼窩内、頭蓋内、及び、鼻腔内における医原性損傷の危険性を伴うものもある。
【0008】
多くの耳鼻咽喉科医がFESSを重症の副鼻腔炎(例、CTスキャンの下、重度の異常が認められるもの)の患者のための選択肢としてしか考えていない。従って、それほど重症ではない患者は、FESSを候補としては考えておらず、薬物療法以外の選択肢はないまま取り残される。FESSの処置が観血性であり、痛みを伴う理由の一つとして直線的で堅固なシャフトが使用されることがあげられる。直線的で堅固な器具を使用する解剖で深い領域を標的とするために、医師は器具が直接指向する部位にある解剖上の組織を、同解剖上の組織が患部の一部であるか否かに関わらず、取り除いたり、他の処理をしたりする必要性がある。
【0009】
バルーン膨張に基づく副鼻腔炎治療
特許文献1(Robinson)及び特許文献2(Becker)は、副鼻腔に関与する部位において膨張するバルーンを使用する方法及び器具を開示する。例えば、特許文献1(Robinson)は、副鼻腔の手術後に同副鼻腔内に挿入されて膨張させることができる膨張可能な圧力装置を開示する。同特許文献は、複雑な解剖上の鼻を通過して、副鼻腔の未処置の開口部に接触するよう柔軟に案内する装置の設計及び方法を開示するものではない。バルーン材料の検討も、副鼻腔の骨の開口部を膨張させることには略不十分であるゴムのような薄い可撓性を有する材料に帰着する。
【0010】
特許文献2(Becker)は、副鼻腔内に押圧して挿入される堅固なハイポチューブから形成されるバルーンカテーテルを開示する。バルーンカテーテルは、副鼻腔内に押圧して挿入できるように予め一定の角度を設けた堅固なハイポチューブを有する。副鼻腔の開口部内にバルーンカテーテルを配置する処置においては、所望の副鼻腔の開口部内にバルーンカテーテルが適切に配置されるようにバルーンカテーテルを複雑な曲がりくねった解剖学的構造を前進させる必要性がある。また、人の鼻腔内及び副鼻腔の解剖学的構造には個人差がある。従って、全ての患者に使用できるよう好適な形状を備える堅固なシャフトによるバルーンカテーテルの設計は困難である。
【0011】
実際に、医師が予め一定の角度を設けたハイポチューブから形成される堅固なカテーテルを解剖学上の個人差に従って様々な形状とすることは容易ではない。この観点において、Beckerの特許出願文献は、バルーンカテーテルの組であって、各カテーテルが特定の角度を有し、これにより医師が患者の組織に好適なカテーテルを選択可能となるバルーンカテーテルの組の必要性を開示する。多数の使い捨てのカテーテルの使用具合を試験する必要があるため非常に高価となり、実用的ではない。また、仮にこのようなカテーテルが使い捨ての器具であった場合において(例、殺菌不能かつ再使用不能)、理想的な曲げ角度を有するものを発見するまでに多数のカテーテルを試験して破棄する必要性があり、トータルコストはむしろ高くなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】米国特許第2525183号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2004/0064150号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
従って、先行技術文献は、副鼻腔の治療用のバルーンを膨張させて使用することは開示しているが、副鼻腔の開口部への直接的な接触を妨害する病原性のない解剖上の領域を特に扱うことなく複雑な解剖学的構造を案内する様々な手段を開示するものではない。また、先行技術文献は、副鼻腔の開口部を膨張させるための比較的単純な形状や材料を開示するのみである。更に、先行技術文献は、副鼻腔の解剖学的構造内におけるこのような装置の位置を撮像したり、追跡するための内視鏡以外のその他の手段を十分に開示するものではない。
【0014】
従って、鼻腔及び副鼻腔の複雑な解剖学的構造を容易に案内でき、解剖学的構造の個人差による合併症を最小限に抑え、病原性のない解剖学的構造への外傷を最小限に抑えた、副鼻腔の疾患を治療する新しい装置及び方法が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、耳鼻咽頭の副鼻腔炎やその他の疾患を診断又は治療する方法、装置、システムを提供する。
【0016】
本発明に従って、ここで開示される1つ以上の可撓性を備えた、或いは、剛性を備えた長尺状をなす装置が鼻内、鼻咽腔、副鼻腔、中耳や関連のある組織上の通路内に挿入され、介在処置や外科的処置を実施する方法が提供される。可撓性を備えたカテーテルや、その他の可撓性を備えた長尺状をなす装置を使用して実施される処置の例。1つ以上の副鼻腔からの排液に影響する副鼻腔の小口やその他の組織上の部位の形状、寸法や形態の整形や変形。副鼻腔内の骨や軟骨の組織や鼻内のその他の部位の切断、破断、減量、焼灼、加熱、冷却、レージング、截骨による孔や穿孔の形成や、その他の整形。副鼻腔や鼻内のその他の部位からの膿やその他の異常な物質の除去。副鼻腔の内部を覆う細胞のこすり取り、或いはその他の方法による除去。造影剤の搬送。治療に有効な量の治療物質の搬送。ステント、組織整形装置、物質搬送インプラントやその他の治療のための装置の移植。鼻のポリープ、異常な形状の、又は拡大した組織、異常な組織等のような組織の、切断、破断、減量、焼灼、加熱、冷却、レージング、膨張、もしくはその他の整形。細胞や組織の接ぎ木や移植。破砕部の減少、据え付け、ネジ止め、接着剤による接着、取り付け、減圧や、その他の処置。遺伝子や遺伝子治療製剤の搬送。腫瘍の全て、或いは一部の除去。ポリープの除去。副鼻腔からの排液を促進するために、副鼻腔内の組織による粘液を分泌させる要素となるヒスタミン、アレルゲンやその他の物質の搬送。人工内耳や、聴覚補助又は拡大のための留置装置の移植等だがこれらに限定されるものではない。
【0017】
本発明に従った別の態様において、ここで開示される処置のいくつか、或いは全てを実施する装置及び方法が提供される。作業装置(例、バルーンカテーテルのようなカテーテル、組織を切除、或いは、整形する装置、案内ワイヤ、ステント、電気手術装置、エネルギー放射装置、診断のための、或いは、治療のための薬剤を搬送する装置、物質搬送インプラント、スコープ等)を副鼻腔内、及び耳鼻咽喉のその他の部位内に容易に挿入できるように、案内する装置が使用可能である。
【0018】
本発明に従った別の態様において、立体内視鏡を含む内視鏡、蛍光透視鏡、超音波や高周波による位置測定器、電磁気、磁気、及びその他の放射エネルギーベースの器具を使用して、副鼻腔において介在装置の案内及び撮像をする装置及び方法が提供される。これらの撮像及び案内の技術は、医師が組織の好適な部位内に装置を配置することを補助するように、既存の、或いは同時に形成された3Dや2Dのデータセットによりコンピュータによって直接、又は間接的に参照されてもよい。
【0019】
本発明に従った別の態様において、副鼻腔の開口部(例、自然の小口、外科的に、或いは、治療により変形させた小口、外科的に形成した、又は人工の開口部、洞フィステル形成術による開口部、截骨術による開口部、穿孔、バーによる孔、ドリルによる孔、篩骨洞手術による開口部、組織上の通路、自然の又は人工の通路等を含む副鼻腔や頭蓋の顔面の気泡内の経鼻的に接触可能な開口部であるが、これらに限定されるものではない)や、少なくとも一部が粘液組織によって覆われる骨から構成される、人の、或いは、動物の頭部内のその他の組織上の部位を膨張させるために、管状案内部、案内ワイヤ、バルーンカテーテル、管状シース、及びこれらの装置を個別に、或いは様々に組み合わせて使用する関連する方法が提供される。
【0020】
本発明に従った別の態様において、管状案内部、案内ワイヤ、バルーンカテーテル、管状シースを構成する方法及び様式が提供される。
本発明に従った別の態様において、副鼻腔の開口部(例、自然の小口、外科的に、或いは、治療により変形させた小口、外科的に形成した、又は人工の開口部、洞フィステル形成術による開口部、截骨術による開口部、穿孔、バーによる孔、ドリルによる孔、篩骨洞手術による開口部、組織上の通路、自然の又は人工の通路等を含む副鼻腔や頭蓋の顔面の気泡内の経鼻的に接触可能な開口部であるが、これらに限定されるものではない)や、人の、或いは、動物の体内のその他の組織上の部位に、これらの開口部や部位が直接又は内視鏡によっても全体的或いは部分的に隠れた状態においても、接触する(例、カテーテル、案内部やその他の装置を前進させることにより)方法が提供される。
【0021】
更に別の態様において、本発明の詳細及び実施例は、以下の発明の詳細な説明と添付の図面を読むことにより当業者によって理解される。
【発明の効果】
【0022】
この発明によれば、耳鼻咽頭の副鼻腔炎やその他の疾患を診断又は治療する、新規なシステムが提供される。この発明に係るシステムを使用すれば、鼻内部の目的の部位に、案内ワイヤ、カテーテル等を容易に到達させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】患者に副鼻腔の外科的処置を施すことに使用され侵襲性を最小限に抑えた、本発明によるカテーテルベースの副鼻腔の外科的処置のシステムを示す概略図。
【図1A】図1の「1A」部分の拡大図。
【図2A】案内ワイヤを使用して副鼻腔に接触し、副鼻腔と連通する開口部を膨張又は再建する方法の様々な工程を示す人の頭部の矢状部分断面図。
【図2B】案内ワイヤを使用して副鼻腔に接触し、副鼻腔と連通する開口部を膨張又は再建する方法の様々な工程を示す人の頭部の矢状部分断面図。
【図2C】案内ワイヤを使用して副鼻腔に接触し、副鼻腔と連通する開口部を膨張又は再建する方法の様々な工程を示す人の頭部の矢状部分断面図。
【図2D】案内ワイヤを使用して副鼻腔に接触し、副鼻腔と連通する開口部を膨張又は再建する方法の様々な工程を示す人の頭部の矢状部分断面図。
【図2E】操作可能な案内部を使用して副鼻腔に接触する方法の様々な工程を示す人の頭部の矢状部分断面図。
【図2F】操作可能な案内部を使用して副鼻腔に接触する方法の様々な工程を示す人の頭部の矢状部分断面図。
【図2G】操作可能な案内部を使用して副鼻腔に接触する方法の様々な工程を示す人の頭部の矢状部分断面図。
【図2H】操作可能な案内部を使用して副鼻腔に接触する方法の様々な工程を示す人の頭部の矢状部分断面図。
【図2I】一定の形状を有する案内ワイヤの形態の案内する装置を使用して副鼻腔に接触する方法の様々な工程を示す人の頭部の矢状部分断面図。
【図2J】一定の形状を有する案内ワイヤの形態の案内する装置を使用して副鼻腔に接触する方法の様々な工程を示す人の頭部の矢状部分断面図。
【図2K】一定の形状を有する案内ワイヤの形態の案内する装置を使用して副鼻腔に接触する方法の様々な工程を示す人の頭部の矢状部分断面図。
【図2L】一定の形状を有する案内ワイヤの形態の案内する装置を使用して副鼻腔に接触する方法の様々な工程を示す人の頭部の矢状部分断面図。
【図2M】末端部から延びる案内部を有するバルーンカテーテルを使用して副鼻腔に接触する方法の様々な工程を示す人の頭部の矢状部分断面図。
【図2N】末端部から延びる案内部を有するバルーンカテーテルを使用して副鼻腔に接触する方法の様々な工程を示す人の頭部の矢状部分断面図。
【図2O】末端部から延びる案内部を有するバルーンカテーテルを使用して副鼻腔に接触する方法の様々な工程を示す人の頭部の矢状部分断面図。
【図2P】篩骨洞の自然の又は人工的に形成された開口部を介して、篩骨洞に接触する方法の様々な工程を示す人の頭部の矢状部分断面図。
【図2Q】篩骨洞の自然の又は人工的に形成された開口部を介して、篩骨洞に接触する方法の様々な工程を示す人の頭部の矢状部分断面図。
【図2R】篩骨洞の自然の又は人工的に形成された開口部を介して、篩骨洞に接触する方法の様々な工程を示す人の頭部の矢状部分断面図。
【図2S】篩骨洞の自然の又は人工的に形成された開口部を介して、篩骨洞に接触する方法の様々な工程を示す人の頭部の矢状部分断面図。
【図2T】篩骨洞の自然の又は人工的に形成された開口部を介して、篩骨洞に接触する方法の様々な工程を示す人の頭部の矢状部分断面図。
【図2U】篩骨洞の自然の又は人工的に形成された開口部を介して、篩骨洞に接触する方法の様々な工程を示す人の頭部の矢状部分断面図。
【図2V】篩骨洞の自然の又は人工的に形成された開口部を介して、篩骨洞に接触する方法の様々な工程を示す人の頭部の矢状部分断面図。
【図2W】篩骨洞の自然の又は人工的に形成された開口部を介して、篩骨洞に接触する方法の様々な工程を示す人の頭部の矢状部分断面図。
【図2X】篩骨洞の自然の又は人工的に形成された開口部を介して、篩骨洞に接触する方法の様々な工程を示す人の頭部の矢状部分断面図。
【図2Y】前頭洞の粘液嚢胞を治療する方法の様々な工程を示す人の頭部の矢状部分断面図。
【図2Z】前頭洞の粘液嚢胞を治療する方法の様々な工程を示す人の頭部の矢状部分断面図。
【図2AA】前頭洞の粘液嚢胞を治療する方法の様々な工程を示す人の頭部の矢状部分断面図。
【図2AB】前頭洞の粘液嚢胞を治療する方法の様々な工程を示す人の頭部の矢状部分断面図。
【図2AC】前頭洞の粘液嚢胞を治療する方法の様々な工程を示す人の頭部の矢状部分断面図。
【図3A】副鼻腔の人工的に形成された開口部を介して、副鼻腔に接触する方法の様々な工程を示す人の頭部の矢状部分断面図。
【図3B】副鼻腔の人工的に形成された開口部を介して、副鼻腔に接触する方法の様々な工程を示す人の頭部の矢状部分断面図。
【図3C】副鼻腔の人工的に形成された開口部を介して、副鼻腔に接触する方法の様々な工程を示す人の頭部の矢状部分断面図。
【図4A】副鼻腔口やその他の経鼻的な組織の部位を膨張させるシステムであって、順に適用可能な3つの段階的に大きくなる膨張具を備えるシステムを示す長手方向に伸びる部分断面図。
【図4B】圧力により拡張可能なステントを備えるバルーンカテーテルから構成される作業装置を使用して鼻腔を膨張させる方法の様々な工程を示す図。
【図4C】圧力により拡張可能なステントを備えるバルーンカテーテルから構成される作業装置を使用して鼻腔を膨張させる方法の様々な工程を示す図。
【図4D】圧力により拡張可能なステントを備えるバルーンカテーテルから構成される作業装置を使用して鼻腔を膨張させる方法の様々な工程を示す図。
【図4E】圧力により拡張可能なステントを備えるバルーンカテーテルから構成される作業装置を使用して鼻腔を膨張させる方法の様々な工程を示す図。
【図4F】側面の吸引部及び側面のカッターのうち少なくともいずれか一方を備える作業装置の部分斜視図。
【図4G】組織を切除する回転カッターを備える作業装置を示す部分斜視図。
【図4H】機械的膨張具を使用して副鼻腔の小口やその他の鼻の通路を膨張する方法の様々な工程を示す図。
【図4I】機械的膨張具を使用して副鼻腔の小口やその他の鼻の通路を膨張する方法の様々な工程を示す図。
【図4J】ネジ機構を備える機械的膨張具を示す斜視図。
【図4K】ネジ機構を備える機械的膨張具を示す斜視図。
【図4L】押圧可能な部材を備える機械的膨張具を示す断面図。
【図4M】押圧可能な部材を備える機械的膨張具を示す断面図。
【図4N】張引可能な部材を備える機械的膨張具を示す断面図。
【図4O】張引可能な部材を備える機械的膨張具を示す断面図。
【図4P】ヒンジ部材を備える機械的膨張具を示す断面図。
【図4Q】ヒンジ部材を備える機械的膨張具を示す断面図。
【図4R】図4H乃至4Qに示すタイプの機械的膨張具の末端部の構造の別例を示す概略図。
【図4S】4Sは、図4H乃至4Qに示すタイプの機械的膨張具の末端部の構造の別例を示す概略図、4S’は、図4H乃至4Qに示すタイプの機械的膨張具の末端部の構造の別例を示す概略図。
【図4T】図4H乃至4Qに示すタイプの機械的膨張具の末端部の構造の別例を示す概略図。
【図4U】4Uは、図4H乃至4Qに示すタイプの機械的膨張具の末端部の構造の別例を示す概略図、4U’は、図4H乃至4Qに示すタイプの機械的膨張具の末端部の構造の別例を示す概略図。
【図4V】図4H乃至4Qに示すタイプの機械的膨張具の末端部の構造の別例を示す概略図。
【図4W】4Wは、図4H乃至4Qに示すタイプの機械的膨張具の末端部の構造の別例を示す概略図、4W’は、図4H乃至4Qに示すタイプの機械的膨張具の末端部の構造の別例を示す概略図。
【図5A】円錐形の基端部、円錐形の末端部、並びに、同円錐形の基端部及び円錐形の末端部の間における円筒部から構成されるバルーンを示す斜視図。
【図5B】円錐形のバルーンを示す斜視図。
【図5C】球形のバルーンを示す斜視図。
【図5D】円錐形及び長手方向に延びる角柱から構成されるバルーンを示す斜視図。
【図5E】長手方向に延びる球形のバルーンを示す斜視図。
【図5F】2つの突出部を備える「犬の骨」型バルーンを示す斜視図。
【図5G】オフセットバルーンを示す斜視図。
【図5H】角柱形のバルーンを示す斜視図。
【図5I】円錐形及び角柱から構成されるバルーンを示す斜視図。
【図5J】円錐形及び長手方向に延びる角柱から構成されるバルーンを示す斜視図。
【図5K】実施例における、先細のバルーンを示す斜視図。
【図5L】段差を有するバルーンを示す斜視図。
【図5M】円錐形及びオフセットのバルーンを示す斜視図。
【図5N】湾曲したバルーンを示す斜視図。
【図5O】診断のための、或いは、治療のための物質を搬送するバルーンを備えるバルーンカテーテル装置を示す部分斜視図。
【図5P】1つ以上のカッター刃を有するバルーンを備えるバルーン及びカッターカテーテル装置を示す部分斜視図。
【図5Q】5Qは、外表面に補強刃を取り付けたバルーンを備えるバルーンカテーテル装置を示す斜視図、5Q’は、外表面に補強刃を取り付けたバルーンを備えるバルーンカテーテル装置を示す斜視図、5Q”は、図5Q及び5Q’に示すバルーンカテーテル装置に適用可能な補強刃を示す斜視図。
【図5R】膨張ポートをバルーンの末端部近傍に設けたバルーンカテーテルの部分断面図。
【図5S】実施例における、1つの管腔によって膨張される多数のバルーンを備えるバルーンカテーテルを示す部分断面図。
【図5T】多数の管腔によって膨張される多数のバルーンを備えるバルーンカテーテルを示す部分断面図。
【図5U】様々な実施例における、センサを上に取り付けた又は内蔵したバルーンカテーテルを示す斜視図。
【図5V】様々な実施例における、センサを上に取り付けた又は内蔵したバルーンカテーテルを示す断面図。
【図5W】様々な実施例における、センサを上に取り付けた又は内蔵したバルーンカテーテルを示す斜視図。
【図5X】様々な実施例における、センサを上に取り付けた又は内蔵したバルーンカテーテルを示す断面図。
【図5Y】様々な実施例における、センサを上に取り付けた又は内蔵したバルーンカテーテルを示す斜視図。
【図5Z】様々な実施例における、センサを上に取り付けた又は内蔵したバルーンカテーテルを示す断面図。
【図5AA】様々な実施例における、センサを上に取り付けた又は内蔵したバルーンカテーテルを示す斜視図。
【図5AB】様々な実施例における、センサを上に取り付けた又は内蔵したバルーンカテーテルを示す断面図。
【図6A】外部の螺旋状のワイヤを備えるシャフトであって、ここで開示される様々な装置に適用可能なシャフトの設計を示す部分斜視図。
【図6B】硬直ワイヤを備えるシャフトであって、ここで開示される様々な装置に適用可能なシャフトの設計を示す部分斜視図。
【図6C】実施例における、硬直リングを備えるシャフトであって、ここで開示される様々な装置に適用可能なシャフトの設計を示す部分斜視図。
【図6D】制御可能な硬直要素を備えるシャフトであって、ここで開示される様々な装置に適用可能なシャフトの設計を示す部分斜視図。
【図6E】ハイポチューブを備えるシャフトであって、ここで開示される様々な装置に適用可能なシャフトの設計を示す部分斜視図。
【図6F】6Fは、網部を備えるシャフトであって、ここで開示される様々な装置に適用可能なシャフトの設計を示す部分斜視破断図、6F’は、図6Fに示す装置の網部を示す拡大側面図。
【図6G】実施例における、塑性変形可能な領域を有するシャフトを備える装置を示す部分斜視図。
【図6H】可撓性を備える要素を有するシャフトから構成される装置を示す部分斜視図。
【図6I】柔軟な要素を備えるシャフトを示す部分斜視図。
【図6J】図6Iに示すシャフトの湾曲した形態を示す部分斜視図。
【図6K】図6Iの面6K−6Kに沿った断面図。
【図6L】実施例における、制御可能に変形可能なシャフトを示す部分断面図。
【図6M】図6Lに示す制御可能に変形可能なシャフトが変形した状態を示す部分断面図。
【図6N】剛性又は半剛性を備えるバルーンカテーテルを示す斜視図。
【図6O】挿入及び退去可能な要素を備えるバルーンカテーテルを示す断面図。
【図6P】挿入及び退去可能な要素を備えるバルーンカテーテルを示す断面図。
【図6Q】挿入及び退去可能な要素を備えるバルーンカテーテルを示す断面図。
【図7A】2つの円筒状の管腔から構成されるバルーンカテーテルシャフトを示す断面図。
【図7B】内側管腔、及び、内側管腔の周囲に設けられる環状の外側管腔から構成されるバルーンカテーテルシャフトを示す断面図。
【図7C】第1の管腔を有する第1の管状要素、第2の管腔を有する第2の管状要素、及び、第1及び第2の管状要素を包囲するジャケットから構成されるバルーンカテーテルシャフトを示す断面図。
【図7D】3つの管腔から構成されるバルーンカテーテルシャフトを示す断面図。
【図7E】円筒状要素、管腔を有する管状要素、並びに、円筒状要素及び管状要素を包囲するジャケットを備えるバルーンカテーテルシャフトを示す断面図。
【図7F】埋め込まれた網部を備えるバルーンカテーテルシャフトを示す断面図。
【図7G】ジッパー管腔と同ジッパー管腔の一部を通過して延びる案内部を備えるカテーテルシャフトを示す部分斜視図。
【図7H】図7Gの7H−7H線に沿った断面図。
【図7I】高速置換管腔及び同高速置換管腔を通過して延びる案内部を備えるカテーテルシャフトを示す長手方向に延びる部分断面図。
【図7J】図7Iの7J−7J線に沿ったカテーテルシャフトを示す断面図。
【図7K】図7Iの7K−7K線に沿ったカテーテルシャフトを示す断面図。
【図7L】本発明による、貫通管腔及びカテーテルのシャフト内のバルーン膨張管腔から構成されるバルーンカテーテル装置を示す部分斜視図。
【図7M】図7Lの7M−7M線に沿った断面図。
【図7N】図7Lの7N−7N線に沿った断面図。
【図7O】本発明の別例による、カテーテルのシャフト内の貫通管腔、及び、カテーテルシャフトに隣接して設けられ、任意にカテーテルシャフトに取り付けられるバルーン膨張管腔から構成されるバルーンカテーテル装置を示す部分斜視図。
【図7P】図7Oの7P−7P線に沿った断面図。
【図7Q】図7Oの7Q−7Q線に沿った断面図。
【図8A】距離マーカーを備えるカテーテルシャフトを示す部分斜視図。
【図8B】あるタイプの放射線不透過性のマーカーを備えるカテーテルシャフトを示す部分斜視図。
【図8C】別のタイプの放射線不透過性のマーカーを備えるカテーテルシャフトを示す部分斜視図。
【図8D】バルーンの外表面上に配列された放射線不透過性のマーカーの列を備えるバルーンカテーテルを示す部分斜視図。
【図8E】8Eは、バルーンの内表面上に配列された放射線不透過性のマーカーの列を備えるバルーンカテーテルを示す部分斜視図、8E’は、図8Eの長手方向に沿った部分断面図。
【図9A】本発明による管状案内装置を示す側面図。
【図9B】本発明による案内ワイヤを示す側面図。
【図9C】本発明による管状シースを示す側面図。
【図9D】本発明によるバルーンカテーテルを示す側面図。
【図10A】本発明による、直線的な末端部を有する管状案内装置を示す側面図。
【図10B】10Bは、本発明による、末端部において30°の湾曲部を有する管状案内装置を示す側面図、10B’は、図10Bの管状案内装置の末端部を示す拡大図。
【図10C】10Cは、本発明による、末端部において70°の湾曲部を有する管状案内装置を示す側面図、10C’は、図10Cの管状案内装置の末端部を示す拡大図。
【図10D】10Dは、本発明による、末端部において90°の湾曲部を有する管状案内装置を示す側面図、10D’は、図10Dの管状案内装置の末端部を示す拡大図。
【図10E】10Eは、本発明による、末端部において110°の湾曲部を有する管状案内装置を示す側面図、10E’は、図10Eの管状案内装置の末端部を示す拡大図。
【図10F】本発明の実施例における、管状案内装置の末端部を示す断面図。
【図10G】本発明の別例における、管状案内装置の末端部を示す断面図。
【図11】本発明による管状案内装置を示す側面図。
【図11A】図11の11A−11A線に沿った断面図。
【図11B】図11の11B−11B線に沿った断面図。
【図11C】11Cは、図11の11C−11C線に沿った断面図、11C’は、図11Cの領域11C’を示す拡大図。
【図12】本発明による案内ワイヤ装置を示す長手方向に延びる断面図。
【図13A】本発明による実施例における管状シースを示す斜視図。
【図13B】本発明による別例における管状シースを示す斜視図。
【図14】本発明によるバルーンカテーテル装置を示す側面図。
【図14A】図14の14A−14A線に沿った断面図。
【図14B】図14の14B−14B線に沿った断面図。
【図14C】図14の14C部分の拡大図。
【図14D】図14の14D部分の拡大図。
【図14E】図14Cの14E−14E線に沿ったバルーンを示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下の詳細な説明、添付の図面及び図面の簡単な説明は、本発明の実施例のいくつかを説明することを意図したものであり、必ずしも全ての実施例を説明するものではない。この詳細な説明の内容は、いかなるようにも本発明の範囲を制限するものではない。
【0025】
本特許出願における図面は、耳鼻咽喉の解剖学的構造を示すものである。通常、これらの解剖学的構造は、以下の符号が付されている。
鼻腔NC、鼻咽腔NP、前頭洞FS、篩骨洞ES、篩骨蜂巣EAC、ちょう形骨洞SS、ちょう形骨洞口SSO、上顎洞MS、粘液嚢胞MC。
【0026】
図1及び1Aは、低侵襲的外科システムを全体的に示す図である。同システムは、第1の案内装置1002(例、案内カテーテルや案内チューブ)、第2の案内装置1004(例、案内ワイヤや長手方向に延びるプローブ)、及び、機能装置1006(例、バルーンカテーテル、その他の膨張カテーテル、辺縁切除器具、切除器具等)を透視するために使用されるCアーム型X線透視装置から構成される。図2A乃至8Eは、本発明において使用可能である案内装置1002(例、案内カテーテルや案内チューブ)、1004(案内部、案内ワイヤ、長手のプローブ等)、及び、機能装置1006(例、バルーンカテーテル、その他の膨張カテーテル、辺縁切除器具、切除器具等)の例を示す図であるが、これらに限定されるものではない。装置1002、1004、1006は、Cアーム型X線透視装置が処置において同装置1002、1004、1006の位置を撮像し、モニターすることができるように放射線不透過性であってもよく、放射線不透過性のマーカーを含んでもよい。
【0027】
X線撮像装置の使用に加えて、或いは、別例として、装置1002、1004、1006は、FESSの処理において耳鼻咽候科医によって使用される通常の堅固な、或いは、可撓性を備えた内視鏡や立体内視鏡のような一つ以上の内視鏡装置を組み込んだり、組み合わせて使用してもよい。また、実施例において、放射線不透過性による撮像及び/又は内視鏡による可視化に加えて、或いは、これらに代えて、装置1002、1004、1006は、同装置1002、1004、1006が撮像外科手術案内システムやその他の電子解剖の写像又は案内システムと組み合わせて使用可能となるように、センサを組み込んでもよい。これらのシステムには、BrainLAB社の登録商標であるVectorVision、CASurgica社の登録商標であるHipNav、CBYON社の登録商標であるCBYON Suite、GE Medical社の登録商標であるInstaTrak、FluoroTrak、ENTrak、Medtronic社の登録商標であるStealthStation Treon、iOn、Medivision、Orthosoft社の登録商標であるNavitrack、Radionics社の登録商標であるOTS、Siemens社の商標であるVISLAN、Stryker Leibinger社の登録商標であるStryker Navigation System、Z−Katインコーポレイテッドの登録商標であるVoyager、Z−Box、並びに、Johnson&Johnson社の登録商標であるNOGAシステム及びCARTOシステムが含まれるが、これらに限定されるものではない。市場において販売されている診療ナビゲーションシステムは、装置及び方法と組み合わせて使用されてもよい。
【0028】
更に、蛍光透視法によらない診療撮像技術としてB.Braun Aesculap社の登録商標であるOrthoPilot、Odin Medical Technologies社の登録商標であり、Medtronic社により販売されるPoleStar、MISON社の登録商標であるSonoDoppler、SonoWand、UltraGuide社の登録商標であるCT Guide、US Guide等があげられるがこれらに限定されるものではない。これらもまた装置及び方法と組み合わせて使用されてもよい。仮にカテーテルがシステムと好適に相互作用するように変更される場合、磁気共鳴による案内も実現可能である。
【0029】
本発明の装置及び方法は、耳鼻咽頭内の洞開口部やその他の通路への接触及び膨張や変形に関するものと評価される。これらの装置及び方法は、単独で使用されても、その他の外科的または非外科的治療と組み合わせて使用されてもよい。これらは、2004年8月4日付けの名称が「副鼻腔炎及びその他の疾患を治療するよう薬物及びその他の物質を搬送するための移植可能な装置及び方法」である係属中の米国特許出願第10/912578号明細書に開示されるような装置の及び薬物やその他の物質の搬送や移植を含むが、これらに限定されるものではない。米国特許出願第10/912578号は、その全体がここで開示されたものとする。
【0030】
図2A乃至2Dは、案内カテーテルを使用して副鼻腔に接触する方法の様々な工程を示す人の頭部の矢状部分断面図である。図2Aにおいて、案内カテーテル200の形状における第1の案内装置が、鼻孔及び鼻腔NCを通過して、ちょう形骨洞SSのちょう形骨洞口SSO近傍の位置まで案内される。案内カテーテル200は、可撓性を有する。可撓性を備えた装置とは、1インチ(2.54cm)の装置の長さに対して約200重量ポンド以下の曲げ剛性を備える装置とする。案内カテーテル200は、直線的であっても一つ以上の湾曲部や屈曲部を組み込んでもよい。案内カテーテル200が湾曲したり屈曲している実施例において、湾曲や屈曲の偏向角度は、135°以下の範囲内にある。案内カテーテル200の湾曲部や屈曲部により形成される偏向角度の具体例として、0°、30°、45°、60°、70°、90°、120°、135°が挙げられる。
【0031】
案内カテーテル200は、登録商標であるPebax、ポリイミド、網目状のポリイミド、ポリウレタン、ナイロン、ポリ塩化ビニル、登録商標であるHytrel、高密度ポリエチレン、ポリエーテルエーテルケトン、ステンレス鋼のような金属、並びに、PTFE、PFA、FEP及び延伸多孔質PTFE等のフッ素重合体のような好適な要素から構成可能である。案内カテーテル200は、様々な表面のコーティングを有する。例えば、親水性のつるつるしたコーティング、疎水性のつるつるしたコーティング、耐摩耗コーティング、耐穿刺コーティング、導電性又は伝熱性コーティング、放射線不透過性コーティング、音響発生コーティング、血栓形成減少コーティング、及び薬物投下コーティングである。図2Bにおいて、案内ワイヤ202から構成される第2の案内装置は、第1の案内装置(例、案内カテーテル200)を介して導入され、これにより、案内ワイヤ202は、開口部SSOを通過してちょう形骨洞SSに進入する。案内ワイヤ202は、心臓病学の技術において周知の方法により構成されてコーティングされる。図2Cにおいて、例えばバルーンカテーテルのような作業装置204は、案内ワイヤ202を覆ってちょう形骨洞SS内に案内される。図2Dにおいて、その後、作業装置204は、診断や治療をするために使用される。図2Dに明示するように、本具体例における処置は、ちょう形骨洞口SSOを膨張させることである。
【0032】
しかしながら、本発明は、副鼻腔口やその他の、鼻、副鼻腔、鼻咽腔やこれらに隣接する領域内において人工の又は自然に発生した組織上の開口部や通路を膨張させたり変更したりすることにも使用可能であると評価される。処置の完了後、案内カテーテル200、案内ワイヤ202、及び、作業装置204は、回収され取り払われる。当業者に評価されるように、本特許出願明細書において開示されるこの工程や別の工程においては、操作者は、その他のタイプのカテーテルや本発明によるカテーテルを付加的に前進させてもよく、案内ワイヤ202は、調整可能であるか、変形可能であるか、鍛造可能である。案内ワイヤ202は、内蔵型内視鏡やその他のナビゲーション、或いは、撮像様式から構成されてもよい。これらは蛍光透視法、X線撮影法、超音波、高周波による局在、電磁気、磁気、自動装置の、及び、その他の放射エネルギーベースの様式を含むが、これらに限定されるものではない。このことに関して、図面は、波線で任意のスコープSCを示す。これらの任意のスコープSCは、好適なタイプの堅固な、或いは、可撓性を備えた内視鏡であってもよく、本発明の作業装置及び/又は案内装置とは分離させても内部に組み込んでもよいものといえる。
【0033】
図2E乃至図2Hは、調整可能なカテーテルを使用して副鼻腔に接触する方法の様々な工程を示す人の頭部の矢状部分断面図である。図2Eにおいて、調整可能なカテーテル206の形態の案内装置が鼻孔に導入される。市場において販売されている装置は、副鼻腔における本技術に従って設計されているものではなく、容易に使用できるものではないが、ここで開示されるものに類似の機能を備える調整可能な先端部を有する装置の例をあげると、カリフォルニア州フリーモントにあるCardimaインコーポレイテッドにより製造される登録商標名Naviport、Medtronic社により製造される登録商標名Attain Prevail及びAttain Deflectableカテーテル、St.Jude Medical インコーポレイテッドにより製造される登録商標名Livewire Steerable Catheter、ボストンサイエンティフィック社により製造される登録商標名Inquiry Steerable Diagnostic Catheter、EBI社により製造される登録商標名TargetCath、Intraluminal Therapeuticsインコーポレイテッドにより製造される登録商標名Safe−Steerカテーテル、Catheter Researchインコーポレイテッドにより製造されるCynosar、Cordisコーポレーションにより製造されるTorque Control Balloon Catheter、及び、イスラエルのA,M.I. Technologies リミテッドにより製造されるDynamicDeca Steerable CatheterとDynamic XT Steerable Catheterであるが、これらに限定されるものではない。調整可能なカテーテル206は、基端部、末端部、並びに、同基端部及び末端部の間における操作により変形可能な部分から構成される。
【0034】
図2Fにおいて、調整可能なカテーテル206は、鼻の組織において、同調整可能なカテーテル206の末端部がちょう形骨洞SSのちょう形骨洞口SSOの近傍に配置されるように調整される。図2Gにおいて、バルーンカテーテル208の形態の作業装置が、調整可能なカテーテル206を介して案内されて、ちょう形骨洞口SSOを通過してちょう形骨洞SS内に進入する。その後、バルーンカテーテル208は、同バルーンカテーテルのバルーンがちょう形骨洞口SSO内に配置されるように調整される。図2Hにおいて、バルーンカテーテル208は、開口部SSOを膨張させるために使用される。この工程が完了すると、調整可能なカテーテル206及びバルーンカテーテル208は、鼻の組織から取り除かれる。本例において、調整可能なカテーテル206の形態の第1の案内装置のみが作業装置(本例においてはバルーンカテーテル208)の好適な案内及び手術上の配置のために使用される。しかしながら、処置の別例においては、第2の案内装置(例、長尺上の案内部材、案内ワイヤ、長尺上のプローブ等)が調整可能なカテーテル206の管腔を介して挿入され、作業装置208が同第2の案内装置上を所望の手術上の部位に案内される。
【0035】
図2I乃至2Lは、所定の形状を有する案内ワイヤの形態の案内装置を使用して副鼻腔に接触する方法の様々な工程を示す人の頭部の矢状部分断面図である。図2Iにおいて、所定の形状を有する案内ワイヤ210の形態の案内装置が、鼻腔内に案内される。案内ワイヤ210は、基端部及び末端部から構成され、鼻の組織において、容易に案内できる形状に形成されている。実施例において、案内ワイヤ210は、略直線的である。別例において、案内ワイヤ210は、基端部及び末端部の間の傾斜、湾曲又は屈曲した部分から構成される。傾斜、湾曲又は屈曲した部分の偏向角度の例として、0°、30°、45°、60°、70°、90°、120°及び135°が挙げられる。図2Jにおいて、案内ワイヤ210は、同案内ワイヤの末端の先端部がちょう形骨洞口SSOを通過してちょう形骨洞SSに進入するように鼻の組織を通過する。図2Kにおいて、バルーンカテーテル212の形態の作業装置は、案内ワイヤ210に沿ってちょう形骨洞SS内に案内される。
【0036】
通常、後述するように、作業装置は、案内ワイヤ212上の作業装置212を容易に進入させることができるように、診療医療の技術において周知のような、少なくとも作業装置212の一部を貫通するか、一部内又は一部上に形成される案内ワイヤ管腔を有する。その後、バルーンカテーテル212の位置は、バルーンカテーテルのバルーンがちょう形骨洞口SSO内となるように調整される。本出願明細書において開示されるように、バルーンカテーテル212は、放射線不透過性であるか、一つ以上の可視の又は撮像可能なマーカーやセンサを備える。図2Lにおいて、バルーンカテーテル212は、ちょう形骨洞口SSOを膨張させるために使用される。この工程が完了した後、案内ワイヤ210及びバルーンカテーテル212は、鼻組織から取り払われる。
【0037】
実施例において、バルーンカテーテル212は、具体化できるか、適応できる。図2M乃至2Oは、操作ワイヤを末端部に備えるバルーンカテーテルを使用して副鼻腔に接触する方法の様々な工程を示す人の頭部の矢状部分断面図である。図2Mにおいて、基端部及び末端部を有するバルーンカテーテル1214を備える作業装置は、鼻腔内に案内される。バルーンカテーテル214は、末端部において操作ワイヤ216を備える。図2Nにおいて、バルーンカテーテル214は、鼻組織を通過して、ちょう形骨洞口SSOを介してちょう形骨洞SS内に進入する。その後、バルーンカテーテル214の位置は、バルーンカテーテルのバルーンがちょう形骨洞口SSO内にとなるように調整される。図2Oにおいて、バルーンカテーテル214は、ちょう形骨洞口SSOを膨張させるために使用される。この工程の完了後、バルーンカテーテル214は、鼻組織から取り払われる。
【0038】
実施例において、操作ワイヤ216は、バルーンカテーテル214内において後退されるか、バルーンカテーテル214から前進される。操作ワイヤの後退や前進は、親指ホイール、スライド、電気モータに取り付けられたボタン、トリガー等のような様々な手段により操作される。別例において、操作ワイヤ216は、装置や、診断用又は治療用の薬を案内するか取り払うことができるように、中空であるか、一つ以上の管腔を備える。その例が、2004年8月4日付けで出願された、発明の名称が「薬品及びその他の物質を搬送するための装置及び方法」である米国特許出願第10/912578号明細書に開示され、その全体が個々で開示されたものとする。
【0039】
図2P乃至2Xは、未処置の、或いは、処置により形成された篩骨洞の開口部を介して篩骨洞ESに接触する方法の様々な工程を示す人の頭部の矢状部分断面図である。図2Pにおいて、案内カテーテル218の形態の案内装置は、篩骨洞ES内に案内される。篩骨洞ESは、多くの篩骨蜂巣EACから構成される。図2Qにおいて、案内ワイヤ220は、案内カテーテルを介して第1のEAC内に案内される。図2Rにおいて、その後、バルーンカテーテル222は、案内ワイヤ220上を介して第1のEAC内に案内される。図2Sにおいて、バルーンカテーテル222は、ESの組織を膨張させるために膨張される。図2Tにおいて、案内カテーテル218、案内ワイヤ220及びバルーンカテーテル222は、ES内に第1の新しい通路を残したまま取り払われる。ES内に新しく形成された通路により、ESを通過する粘液の排出が容易になる。図2Uでは、これに代えて、バルーンカテーテル222のみが取り払われる。案内カテーテル218の位置が調整されて、案内ワイヤ220が第2のEAC内に導入される。図2Vにおいて、バルーンカテーテル222は、案内ワイヤ220上を介して第2のEAC内に導入される。図2Wにおいて、バルーンカテーテル222は、ESの組織を膨張させるために膨張される。図2Xにおいて、案内カテーテル218、案内ワイヤ220及びバルーンカテーテル222は、ES内に第2の新しい通路を残したまま取り払われる。ES内の第2の新しい通路により、ESを通過する粘液の排出は更に容易になる。ESの組織を膨張させるこの方法は、ES内に多くの新しい通路を形成するために繰り返されてもよい。
【0040】
図2Y乃至2ACは、前頭洞FS内の粘液嚢胞を処置する方法の様々な工程を示す、人間の頭部の前頭面の部分図である。図2Yにおいて、案内カテーテル224の形態の案内装置が、鼻腔NCを介して前頭洞FS内に案内される。前頭洞FSは、処置すべき粘液嚢胞MCを有する。図2Zにおいて、先鋭端228を備える貫通装置226は、洞貫通装置226がMCを少なくとも部分的に貫通するように、案内カテーテル224を介して案内される。図2AAにおいて、バルーンカテーテル230は、貫通装置226上を介してMC内に案内される。図2ABにおいて、その後、バルーンカテーテル230は、MCが破裂してMCの中身が排出されるように、膨張される。図2ACにおいて、貫通装置226及びバルーンカテーテル230が取り払われる。
【0041】
ここで開示される方法は、鼻腔内、副鼻腔内、鼻咽腔内や、周辺の組織内の組織を清掃や洗浄する工程からも構成される。例えば、潅注や吸引によるがこれらに限定されるものではない。診断や治療の工程に先だって、或いは、後に、目的の組織を清掃する工程が行われる。
【0042】
本発明の方法は、処置のために、鼻、副鼻腔、鼻咽腔や、周辺の組織を前処置する工程からも構成される。例えば、鼻組織を収縮させるための血管収縮剤(例、0.025%乃至0.5%のフェニレフリンや塩酸オキシメタゾリン(ネオシネフリンや登録商標であるアフリン))、組織等を浄化するための抗菌剤(例、ポビドンヨード(登録商標であるBetadine))等の噴霧や洗浄である。
【0043】
図3A乃至3Cは、人工的に形成された副鼻腔の開口部を介して同副鼻腔に接触する方法の様々な工程を示す、人間の頭部の前頭面の部分図である。図3Aにおいて、穿刺装置300が、鼻孔を介して挿入され、上顎洞MS内に人工の開口部を形成するために使用される。穿刺装置としては、針、湾曲した柄を備える針、解剖器具、パンチ、ドリル、コアラ、外科用メス、バー、鋏、鉗子及びカッターを含む針類のような周知のものがあげられる。図3Bにおいて、穿刺装置300が取り払われ、例えばバルーンカテーテル302のような作業装置が、人工の開口部を介して上顎洞内に案内される。図3Cにおいて、バルーンカテーテル302は、上顎洞内に人工的に形成された開口部を膨張させるために使用される。
【0044】
この工程の後、バルーンカテーテル302は、取り払われる。実施例において、穿刺装置300は、案内装置(例、案内ワイヤやその他の長手のプローブや部材)が貫通する管腔を備え、上顎洞内に挿入されてもよい。同穿刺装置300は、その後、このような案内装置(例、案内ワイヤやその他の長手のプローブや部材)を配置して取り払われてもよい。このような事例において、作業装置(例、バルーンカテーテル302)は、同作業装置(例、バルーンカテーテル302)が前処置により挿入された案内装置(例、案内ワイヤやその他の長手のプローブや部材)上を介して進入できるように、管腔やその他の組織を備えてもよい。
【0045】
上述した方法においては、バルーンカテーテルは、例示として使用されるに過ぎず、本発明において別の作業装置が使用可能である。図4Aは、3つの組の膨張具、即ち、第1の組の膨張具402、第2の組の膨張具404、及び、第3の組の膨張具406の組み合わせから構成される作業装置の例を示す断面図である。第3の組の膨張具406の直径D3は、第2の組の膨張具404の直径D2より長く、同直径D2は、第1の組の膨張具402の直径D1より長い。組の膨張具は、1つ以上の湾曲、或いは傾斜した部分を備える。組の膨張具は、ステンレス鋼316のような生体適合性を備える様々な材料から形成される。その他の様々な金属、ポリマー、及び、材料も、組の膨張具を形成するために使用可能である。
【0046】
図4B乃至4Eは、圧力により膨張可能なステントを備えるバルーンカテーテルから構成される作業装置を使用して鼻腔を膨張させる方法の様々な工程を示す図である。図4Bにおいて、例えば案内ワイヤ416のような案内装置が、例えば副鼻腔の開口部のような鼻腔内に案内される。図4Cにおいて、バルーンカテーテル418が案内ワイヤ416上を介して鼻腔内に案内される。バルーンカテーテル418は、圧力により膨張可能なステント420から構成される。バルーンカテーテル418の位置は、圧力により膨張可能なステント420が、同圧力により膨張可能なステントが配置される目的の組織において、内部に位置するように調整される。図4Dにおいて、バルーンカテーテル418のバルーンは、膨張されて、圧力により膨張可能なステント420を配置する。図4Eにおいて、バルーンカテーテル418は、圧力により膨張可能なステント420を鼻腔内に残したまま取り払われる。
【0047】
金属チューブ設計、ポリマーチューブ設計、連鎖設計、ロールシート設計、1つのワイヤ設計等、各種のタイプのステントの設計が、ステント420を構成するために使用可能である。これらの設計はオープンセルやクローズドセルの構造を有する。ステント420の製造には、金属やポリマー要素のレーザー切断、金属要素の溶接等を含む様々な製造方法が適用可能であるが、これらに限定されるものではない。ステント420の製造には、金属、ポリマー、フォームタイプの材料、塑性的に変形可能な材料、超弾性を備えた材料等様々な材料が使用可能であるが、これらに限定されるものではない。ステントを形成するために使用可能である材料として、例えば登録商標がSilasticであるシリコン、ポリウレタン、ゲルフィルム及びポリエチレンがあげられるが、これらに限定されるものではない。ステント420には、放射線不透過性コーティング、薬物溶出機構等を含む様々な特徴が付加されるがこれらに限定されるものではない。
【0048】
図4Fは、実施例における側面開口部426が形成された装置本体424から構成される側面吸引及び/又は切断装置422を備える作業装置の部分斜視図である。切断装置422は、鼻孔、鼻腔、開口部、小口、副鼻腔の内部等のような通路内に挿入されて、側面開口部426が切除される部位(例、ポリープ、損傷部位、残屑、組織、凝血部位等)に隣接するように、配置される。切断装置422は、回転されて側面開口部426内に配置された組織を切断する。切断装置422は、側面開口部426を関係する組織の部位と対向させる可撓性を備えた先端部や湾曲した末端部を備えてもよい。更に、この切断装置422は、同切断装置422の一方の側上に組み込まれる任意の安定化バルーンを備えてもよい。これにより、切断装置422は、関係する組織の部位に対して押圧される。切断装置422は、更に、超音波、ファイバーやデジタル光学素子、OCT、RFや、電磁センサやエミッタ等のような1つ以上の実装された撮像様式を含んでもよい。
【0049】
図4Gは、実施例における、組織を切除する回転するカッター装置を備える作業装置の部分斜視図である。回転するカッター装置428は、案内装置432内に設けられる回転部材430から構成される。回転部材430は、回転部材430の末端領域の近傍に設けられる回転刃434から構成される。回転刃434は、回転部材430内において後退可能である。回転カッター装置428は、鼻孔、鼻腔、開口部、小口、副鼻腔の内部等のような通路436内に挿入され、回転刃434が取り払われる部位(例、ポリープ、損傷部位、残屑、組織、凝血部位等)に隣接するように配置される。その後、回転部材430は、回転し、回転刃434により組織が切除される。実施例において、回転部材430は、案内装置432内に後退可能である。別例において、回転カッター装置428は、同回転カッター装置428の末端部近傍に、吸引や潅注のための機構を備える。
【0050】
図4H及び4Iは、機械的膨張具408を備える作業部材を使用して鼻腔を膨張させる方法の様々な工程を示す図である。機械的膨張具408は、外側部材410、内部材412、及び、1つ以上の長手の湾曲可能な部材414から構成される。内部材412は、外側部材410内を摺動可能である。湾曲可能な部材414の基端部は、外側部材410の末端部に取り付けられ、湾曲可能な部材414の末端部は、内部材412の末端部に取り付けられる。図4Hにおいて、機械的膨張具408は、例えば、副鼻腔の小口のような鼻組織内の開口部内に挿入される。機械的膨張具408は、湾曲可能な部材414が鼻組織の開口部内にくるように、開口部内に配置される。
【0051】
図4Iにおいて、外側部材410及び内部材412の相互作用により、外側部材410の末端部が内部材412の末端部近傍にくる。これにより、湾曲可能な部材414は、機械的膨張具408の末端領域の直径が増加するように湾曲する。従って、湾曲可能な部材414は、鼻組織における開口部と接触し、圧力を径方向にかけて同開口部を膨張させる。外側部材410、内部材412、及び、湾曲可能な部材414のような機械的膨張具408の様々な要素は、ステンレス鋼316のような好適な生体適合性材料から形成可能である。その他の様々な金属、ポリマー、及び、材料も膨張具408の様々な要素を構成するために使用可能である。実施例において、外側部材410は、略堅固であり、内部材412は、可撓性を備える。外側部材410は、略直線的であってもよく、1つ以上の屈曲したり湾曲した領域から構成されてもよい。内部材412は、1つ以上の管腔を備える。
【0052】
図4J及び4Kは、ネジ機構を備える機械的膨張具の設計を示す斜視図である。図4Jは、外側部材438及び内部のネジ部材440を備える機械的膨張具を示す図である。内部のネジ部材440は、外側部材438の末端部に設けられる第1のピボット442を介して外側部材438に連結される。内部のネジ部材440の末端部は、第2のピボット444に連結される。機械的膨張具は、更に、1つ以上の湾曲可能な部材446から構成される。湾曲可能な部材446の末端部は第2のピボット444に取り付けられ、湾曲可能な部材446の基端部は第1のピボット442に取り付けられる。図4Kにおいて、内部のネジ部材440は、一方向に回動される。これにより、第2のピボット444は、第1のピボット442の近傍にくる。これにより、湾曲可能な部材446は、径方向に力を発揮しながら湾曲する。この力は、組織の部位の膨張や置き換えのために使用可能である。外側部材438は、略直線的であってもよく、1つ以上の湾曲した、或いは、傾斜した領域を備えてもよい。内部のネジ部材440は、1つ以上の管腔を備える。
【0053】
図4L及び4Mは、押圧可能な部材を備える機械的膨張具の設計の断面図である。図4Lは、外側部材448を備える機械的膨張具を示す図である。外側部材448は、同外側部材448の末端部上に1つ以上の湾曲可能な領域449を備える。機械的膨張具は、内部の押圧可能な部材450を更に備える。内部の押圧可能な部材450は、同内部の押圧可能な部材450の末端部上に拡張領域452を備える。図4Mにおいて、内部の押圧可能な部材450は、末端方向に押圧される。これにより、湾曲可能な領域449上に径方向の力が発揮され、同湾曲可能な領域449は、径方向に力を発揮しながら径方向に湾曲する。この力は、組織の部位を膨張したり、置き換えたりすることに使用可能である。外側部材448は、略直線的であってもよく、1つ以上の湾曲或いは傾斜した領域を備えてもよい。内部の押圧可能な部材450は、1つ以上の管腔を備える。
【0054】
図4N及び4Oは、張引可能な部材を備える機械的膨張具の設計の断面図である。図4Nは、外側部材454を備える機械的膨張具を示す図である。外側部材454は、同外側部材454の末端部上に1つ以上の湾曲可能な領域456を備える。機械的膨張具は、内部の張引可能な部材458を更に備える。内部の張引可能な部材458は、同内部の張引可能な部材458の末端部上に拡張領域460を備える。図4Oにおいて、内部の張引可能な部材458は、基端方向に張引される。これにより、湾曲可能な領域456上に径方向に作用する力が発揮され、同湾曲可能な領域456は、径方向に力を作用させながら径方向に湾曲する。この力は、組織の部位を膨張したり、置き換えたりすることに使用可能である。外側部材454は、略直線的であってもよく、1つ以上の湾曲した、或いは、傾斜した領域を備えてもよい。内部の張引可能な部材458は、1つ以上の管腔を備える。
【0055】
図4P及び4Qは、ヒンジ部材を備える機械的膨張具の設計の断面図である。図4Pは、外側部材462を備える機械的膨張具を示す図である。外側部材462は、同外側部材462の末端部上に1つ以上の湾曲可能な領域464を備える。機械的膨張具は、外側部材462内部に設けられる内部材466を更に備える。実施例において、内部材466は、管状である。内部材466の末端部は、1つ以上の第1のヒンジ部468を備える。第1のヒンジ部468は、1つ以上の作動要素470の基端部にヒンジにより取り付けられる。作動要素470の末端部は、外側部材462の内表面上に位置する1つ以上の第2のヒンジ472に取り付けられる。図4Qにおいて、内部材466は、末端方向に押圧される。これにより、作動要素470は、湾曲可能な領域464上に径方向の力を発揮する。すると、湾曲可能な領域464は、径方向の力により径方向に湾曲する。この径方向の力は、組織の部位を膨張したり、置き換えたりすることに使用可能である。外側部材462は、略直線的であってもよく、1つ以上の湾曲した、或いは、傾斜した領域を備えてもよい。内部材466は、1つ以上の管腔を備える。
【0056】
図4R乃至4Wは、図4H乃至4Qにおける機械的膨張具の構造の例を示す。図4Rは、内側部材474、外部の静止した部材476及び外部の湾曲可能な部材478から構成される機械的膨張具の断面図である。図4S’において、内側部材474が動作するときに発生する力により、外部の湾曲可能な部材478を径方向に移動させる。この力は、組織の部位を膨張、或いは置き換えるために使用可能である。この構造は、特定の径方向に力を発揮するために使用される。
【0057】
図4S’は、図4Rの外部の静止した部材476の部分斜視図である。図4Tは、内側部材480、第1の外部の半管状部材482及び第2の外部の半管状部材484から構成される機械的膨張具の断面図である。図4Uにおいて、内側部材480が動作する時に発生する力により、第1の外部の半管状部材482及び第2の外部の半管状部材484を径方向に移動させる。この力は、組織の部位を膨張、或いは、置き換えるために使用可能である。この構造は、二つの正反対の領域に力を発揮することに有効である。
【0058】
図4U’は、図4Tの第1の外部の半管状部材482及び第2の外部の半管状部材486の部分斜視図である。図4Vは、内側部材486、第1の外部の湾曲した部材488及び第2の外部の湾曲した部材490から構成される機械的膨張具の斜視図である。図4Wにおいて、内側部材486が動作する時に発生する力により、第1の外部の湾曲した部材488及び第2の外部の湾曲した部材490を径方向に移動させる。この力は、組織の部位を膨張、或いは、置き換えるために使用可能である。この構造は、2つの正反対の領域において狭小な方の領域上に力を作用させることに有効である。図4Wは、図4Vの第1の外部の湾曲した部材488及び第2の外部の湾曲した部材490の部分斜視図である。図4H乃至4Qにおける機械的膨張具の同様な設計が、3つ以上の置き換え可能な部材を使用して可能となる。ここで開示される機械的膨張具における内側部材は、外側の部材を置き換えて径方向に力を作用させるために、バルーンに代えてもよい。
【0059】
作業装置のその他の設計として、カッター、歯、回転ドリル、回転刃、先細の膨張具、パンチ、解剖器具、バー、非膨張の機械的に拡張可能な部材、高周波の機械的バイブレーター、高周波の切除装置、マイクロ波の切除装置、レーザー装置(例、CO2、アルゴン、チタン燐酸カリウム、ホルミウムのYAGレーザー装置、ニッカドのYAGレーザー装置)、シュリンゲ、生検器具、診断のための、或いは、治療のための薬物を案内するスコープ及び装置も使用可能であるが、これらに限定されるものではない。
【0060】
図5Aは、実施例における、円錐形の基端部、円錐形の末端部、及び、同円錐形の基端部及び円錐形の末端部の間の円筒状部から構成されるバルーンを示す斜視図である。図5B乃至5Nは、バルーンの別例を示す斜視図である。図5Bは、円錐形のバルーン、図5Cは、球形のバルーン、図5Dは、円錐形及び長手方向に延びる角柱からなるバルーン、図5Eは、長手方向に延びる球形のバルーン、図5Fは、犬の骨型のバルーン、図5Gは、オフセットバルーン、図5Hは、角柱のバルーン、図5Iは、円錐形及び角柱からなるバルーン、図5Jは、円錐形及び長手方向に延びる球形からなるバルーン、図5Kは、先細のバルーン、図5Lは、段差を有するバルーン、図5Mは、円錐形かつオフセットのバルーン、図5Nは、湾曲したバルーンである。
【0061】
ここで開示されるバルーンは、生体適合性の材料から形成可能で、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、架橋ポリエチレン、ポリオレフィン、HPTFE、HPE、LDPE、EPTFE、ブロック共重合体、ラテックス及びシリコンであるが、これらに限定されるものではない。
【0062】
ここで開示されるバルーンは、モールド成形、ブロー成形、浸漬成形、押し出し成形、等の様々な製造方法により製造可能であるが、これらに限定されるものではない。ここで開示されるバルーンは、食塩水、水、空気、X線撮影造影材料、診断のための或いは治療のための物質、超音波を発生する材料、及び、熱、冷気、或いは、電気を伝導する流体等様々な膨張する媒体により膨張可能であるがこれらに限定されるものではない。
【0063】
本発明のバルーンは、目的の組織に診断のための、或いは、治療のための物質を搬送するように変形されてもよい。例えば、図5Oは、実施例における、診断のための、或いは、治療のための物質を搬送するバルーンを備えるバルーンカテーテル装置500の部分斜視図である。バルーンカテーテル装置500は、バルーン504を載置する可撓性を備えたカテーテル502を備える。カテーテル装置500は、バルーン504を膨張させて、鼻孔、鼻腔、鼻道、小口、副鼻腔の内部等のような通路内に進入し、小口、通路、又は、膨張、拡張、或いは、圧縮(例、止血のために圧力をかける)される組織や部位に隣接した部位内に、膨張したバルーン504と共に配置される。その後、バルーン504は、膨張されて、小口、通路、組織や部位を拡張、或いは圧縮する。その後、バルーン504は収縮され、装置500は退去される。このバルーン504は、コーティング、浸漬されるか、同バルーンから隣接した組織に溶出する薬剤や物質を設けてもよい(例、隣接した組織を薬剤で浸漬したり、組織がバルーン504と接触するよう収縮させるために熱やその他のエネルギーを組織に放射する)。
【0064】
別例において、バルーンは複数の開口部を有し、同開口部を介して物質が搬送可能であり、圧力下において物質がバルーンに隣接した組織を浸漬、或いは、組織内に拡散するように、搬送可能である。別例において、放射性シード、繊維、リボン、気体や液体等がカテーテルシャフト502やバルーン504、或いは、全く別のカテーテル本体内に一定時間注入されて、隣接した組織を暴露し、所望の診断の、或いは、治療の効果を得る(例、組織収縮等)。
【0065】
本発明におけるバルーンは、処置の診断の、或いは、治療の効果を高めるための様々な表面の特徴を有する。例えば、図5Pは、実施例における、バルーン510と1つ以上のカッター刃512を有する可撓性を備えたカテーテル508から構成されるバルーン又はカッターカテーテル装置506を示す部分斜視図である。装置506は、バルーン510を膨張させて、鼻孔、鼻腔、鼻道、小口、副鼻腔の内部等のような通路内に進入し、小口、通路、又は、膨張、拡張、或いは、圧縮される組織や部位に隣接した部位内に、膨張したバルーン510と共に配置され、消耗に応じて1つ以上の切断部や溝部を形成する(例、拡張時における組織の破断の制御し、組織の損傷を最小限にするために)。その後、バルーン510は、小口、通路、組織や部位を膨張、拡張や圧縮するために膨張し、これにより、カッター刃512が隣接した組織や部位において切断部を形成する。その後、バルーン510は収縮され、装置506は取り払われる。刃はモノポーラ、或いは、バイポーラRFエネルギーにより駆動され、又は、組織を切断するように過熱され、同時に、コラーゲン繊維やその他の連結する組織のタンパク質を熱収縮させ、軟骨を変形や軟化させる等して止血する。
【0066】
本発明のバルーンは、バルーン特性を高めるために様々な補強手段を有する。例えば、図5Q及び5Q’は、実施例における、1つ以上の補強部材520を上に載置するバルーン518を有する可撓性を備えたカテーテル516から構成されるバルーンカテーテル装置514の斜視図である。本実施例において、補強部材520は、バルーン518の外表面上に取り付けられた網部である。補強網部は、ポリマー繊維(例、PETや登録商標名ケブラー繊維)、金属繊維(例、SS316やニチノール繊維)、及び、金属や非金属の網やシートのような好適な材料から構成される。補強コーティング、外部又は内部の補強コイル、補強織物、補強網、補強ワイヤ、補強リング、バルーン材料等への埋め込み繊維を含むその他の様々な補強手段が使用可能であるが、これらに限定されるものではない。
【0067】
図5Q”は、図5Q及び5Q’におけるバルーンカテーテルと共に使用可能な補強網部を示す斜視図である。本発明におけるバルーンは、バルーン特性を高めるための様々な防諜手段を有する。図5Rは、実施例における、シャフト524及びバルーン526を備えるバルーンカテーテル522の部分断面図である。シャフト524は、バルーン膨張管腔を備える。バルーン膨張管腔の末端部は、バルーン526の末端部の近傍に配置される膨張ポート528内において終端する。従って、バルーンカテーテル522が口部内に挿入されてバルーン526が膨張すると、バルーン526の末端部は、バルーンの基端部に先立って膨張する。これにより、バルーン526の口部外への滑落が抑止される。
【0068】
図5S乃至5Tは、多数のバルーンを備えるバルーンカテーテルの設計を示す図である。図5Sは、実施例における、管腔533を備えるシャフト532から構成されるバルーンカテーテル530を示す部分断面図である。管腔533は、シャフト532上に設けられた3つの口部、即ち第1の口部534、第2の口部536、第3の口部538に対して開口している。これらの3つの口部は、3つのバルーンを膨張させるために使用される。第1の口部534は第1のバルーン540を膨張させ、第2の口部536は、第2のバルーン542を膨張させ、第3の口部538は第3のバルーン544を膨張させる。実施例において、第1のバルーン540及び第3のバルーン544は、同一の管腔により膨張され、第2のバルーン542は、別の管腔により膨張される。別例において、第1のバルーン540、第2のバルーン、第3のバルーンが連通し、同一の管腔により膨張される。バルブ機構により第2のバルーンを膨張されるに先だって、第1のバルーン及び第2のバルーンを膨張させる。
【0069】
これに代えて、バルーンは、個別の管腔によって膨張可能である。図5Tは、実施例における、第1の膨張管腔550、第2の膨張管腔552、第3の膨張管腔554から構成されるシャフト548を備えるバルーンカテーテル546の部分断面図である。これらの3つの膨張管腔は、3つの連通しないバルーンを膨張するために使用される。第1の膨張管腔550は、第1のバルーン556を膨張し、第2の膨張管腔552は、第2のバルーン558を膨張し、第3の膨張管腔554は、第3のバルーン560を膨張する。
【0070】
ここで開示される装置は、1つ以上のナビゲーション、或いは、可視化の様式から構成されてもよい。図5U乃至5ABは、様々な実施例における、センサを備えるバルーンカテーテルの斜視図及び断面図である。図5Uは、外側部材562、内側部材564、並びに、外側部材562の末端領域及び内側部材564の末端領域に取り付けられるバルーン566から構成されるバルーンカテーテルを示す部分斜視図である。バルーンカテーテルは、更に、外側部材562の末端領域上に設けられる第1のセンサ568、及び、内側部材564の末端領域上に設けられる第2のセンサ570を備える。図5Vは、図5Uにおける5V−5V線に沿った断面図である。外側部材562は、第1のセンサ568からリード線を受領する第1のセンサ管腔572を備える。内側部材564は、第2のセンサ570からリード線を受領する第2のセンサ管腔574を備える。内側部材564は、更に、円形の管腔576を備える。外側部材562及び内側部材564は環状の管腔578を内包する。実施例において、環状の管腔578は、バルーン膨張管腔である。
【0071】
図5Wは、外側部材580、内側部材582、及び、同外側部材580の末端領域及び内側部材582の末端領域に取り付けられるバルーン584を備えるバルーンカテーテルを示す部分斜視図である。バルーンカテーテルは、更に、内側部材582の末端領域上に設けられる第1のセンサ586、及び、第1のセンサに対して末端側の内側部材582の末端領域上に設けられる第2のセンサ588を備える。図5Xは、図5Wにおける5X−5X線に沿った断面図である。内側部材582は、第1のセンサ586からリード線を受領する第1のセンサ管腔590、及び、第2のセンサ588からリード線を受領する第2のセンサ管腔592を備える。内側部材582は、更に、円形の管腔594を備える。外側部材580及び内側部材582は、環状の管腔596を内包する。実施例において、環状の管腔596は、バルーン膨張管腔である。
【0072】
図5Yは、外側部材598、内側部材600、及び、同外側部材598の末端領域及び内側部材600の末端領域に取り付けられるバルーン602を備えるバルーンカテーテルを示す部分斜視図である。バルーンカテーテルは、更に、外側部材598の末端領域上に設けられる第1のセンサ604、及び、第1のセンサに対して末端側の外側部材598の末端領域上に設けられる第2のセンサ606を備える。図5Zは、図5Yにおける5Z−5Z線に沿った断面図である。外側部材598は、第1のセンサ604からリード線を受領する第1のセンサ管腔608、及び、第2のセンサ606からリード線を受領する第2のセンサ管腔610を備える。内側部材600は、更に、円形の管腔612を備える。外側部材598及び内側部材600は、環状の管腔614を内包する。実施例において、環状の管腔614は、バルーン膨張管腔である。
【0073】
センサからのリード線は、管腔内に内包されることなく、バルーンカテーテルの要素の表面上に取り付けられてもよい。図5AAは、外側部材616、内側部材618、及び、外側部材616の末端領域及び内側部材618の末端領域に取り付けられるバルーンを備えるバルーンカテーテルの部分斜視図である。バルーンカテーテルは、更に、外側部材616の末端部に設けられる第1のセンサ624、及び、内側部材618の末端領域に設けられる第2のセンサ626を備える。第2のセンサ626は、リード線628を備える。図5ABは、図5AAにおける5AB−5AB線に沿った断面図である。外側部材616は、第1のセンサ624からリード線を受領する第1のセンサ管腔630を備える。内側部材618は、円形の管腔632を備える。第2のセンサ626からのリード線628は、内側部材618の外表面上に取り付けられ、内側部材618に対して平行に指向する。外側部材616及び内側部材618は、環状の管腔634を内包する。実施例において、環状の管腔634は、バルーン膨張管腔である。図5U乃至5ABに示すセンサは、電磁センサや、例えば、位置センサ、磁気センサ、電磁コイル、RFトランスミッタ、ミニトランスポンダ、超音波感応又は放出鉱石、ワイヤマトリックス、マイクロシリコンチップ、光ファイバーセンサ等を含むセンサであるが、これらに限定されるものではない。
【0074】
図6A乃至6Gは、実施例における、ここで開示される様々な装置のためのシャフトの設計を示す部分斜視図である。これらのシャフトの設計は、高トルクや高破壊圧力を経験したり、高い押圧性、操作性、及び、捻れ耐性を必要とする装置に特に有効である。図6Aは、実施例における、シャフトの周囲に巻き付く螺旋要素604を備えるシャフト602を示す部分斜視図である。螺旋要素604は、金属(例SS316L、SS304)及びポリマーのような好適な材料から形成可能である。実施例において、螺旋要素604は、0.04mm乃至0.25mmの直径の円筒状のワイヤの形態である。別例において、螺旋要素は、0.03mm×0.08mm乃至0.08mm×0.25mmの範囲の断面の寸法を有する平坦なワイヤの形態である。
【0075】
図6Bは、実施例における、補強繊維608を備えるシャフト606を示す部分斜視図である。補強繊維608は、シャフト606の軸線に対して略平行に延びる。シャフト606は、補強繊維608と共に外被層により覆われてもよい。補強繊維608は、金属、ポリマー、グラスファイバー等のような好適な材料から形成可能である。補強繊維608は、形状記憶特性を有してもよい。実施例において、補強繊維608は、シャフト606内に埋め込まれる。別例において、補強繊維は、シャフト606内の管腔を介して案内される。シャフト606は、1つ以上の補強繊維608を備えてもよい。図6Cは、実施例における、シャフト610の長さ方向に沿って1つ以上の硬直リング612を備えるシャフト610を示す部分斜視図である。
【0076】
図6Dは、実施例における、シャフトの長さ方向に沿って制御可能に硬直する一連の要素616を備えるシャフト614を示す部分斜視図である。シャフト614は、更に、張引ワイヤ618を備え、同張引ワイヤ618は、制御可能に硬直する要素616を通過して延び、最末端の硬直する要素に取り付けられる。張引ワイヤ618の張引により、制御可能に硬直する要素616は、相互に力で接触する。制御可能に硬直する要素616の間における摩擦により、シャフト614は、一定の堅固さを備える。張引ワイヤ618の張引を強めることにより、制御可能に硬直する要素616が相互に接触する力が強くなる。制御可能に硬直する要素616間における摩擦が強くなり、その結果、シャフト614が堅固なものとなる。同様に、張引ワイヤ618における張引を弱めると、シャフト614の堅固さも低下する。制御可能に硬直する要素616は、金属、ポリマー、複合物のような好適な材料から形成可能である。
【0077】
実施例において、制御可能に硬直する要素616は、1つ以上のバネによって互いに分離している。張引ワイヤ618は、SS316のような金属から形成可能である。張引ワイヤ618は、張引に応じて装置が活発に湾曲したり収縮したりするために使用されてもよい。図6Eは、実施例における、ハイポチューブ622を備えるシャフト620を示す部分斜視図である。実施例において、ハイポチューブ622は、シャフト620の外表面上に設けられる。別例において、ハイポチューブ622は、シャフト620内に内包される。ハイポチューブ620は、ステンレス鋼316のような金属や好適なポリマーから形成可能である。図6F及びF’は、実施例における、シャフト624の外表面上に設けられる補強網部の形態の補強要素626を備えるシャフト624を示す部分斜視図である。補強要素626は、ポリマー繊維(例、PETや登録商標名ケブラー繊維)、SS316ワイヤのような金属ワイヤ等の好適な材料から形成可能である。網部のパターンは、規則的な網パターン、ダイヤモンド型の網パターン、半荷重のダイヤモンド型の網パターン等であってもよい。実施例において、補強要素626の外表面は、外被層により覆われている。
【0078】
ここで開示される様々な装置のシャフトは、長さ方向に沿って均一でなくてもよい。図6G乃至6Hは、そのようなシャフトの例を示す。図6Gは、実施例における、基端部630、末端部632、作業要素634、及び、同基端部630及び末端部632の間に設けられる塑性変形可能な領域636を備えるシャフト628から構成される装置を示す部分斜視図である。塑性変形可能な領域636は、基端部630及び末端部632の間における角度を調整するように医師により変形可能である。これにより、装置は同一の患者の異なる解剖上の部位に対して使用可能なものとなる。また、このような装置は、患者の組織を通過する最適なナビゲーションに調整可能である。実施例において、シャフト628は、多くの塑性変形可能な領域から構成される。別例において、塑性変形可能な領域636は、作業要素634内に設けられる。1つ以上の塑性変形可能な領域から構成されるこのような設計は、ここで開示する装置、即ち、作業要素を備えるカテーテル、案内カテーテル、特定の形状を有する案内カテーテル、操作可能な案内カテーテル、操作可能なカテーテル、案内ワイヤ、特定の形状を有する案内ワイヤ、操作可能な案内ワイヤ、ポート、案内具、シース等に使用可能である。
【0079】
図6Hは、実施例における、可撓性を備えた要素を有するシャフトから構成される装置を示す部分斜視図である。設計は、基端部640、末端部642、及び、作業要素644(例、バルーン)を備えるシャフト638として示される。シャフト638は、更に、基端部640及び末端部642の間に設けられる可撓性を備えた要素646を備える。この設計により、基端部640は末端部642に対して湾曲可能となり、容易に複雑な組織を案内し、作業要素644を所望の位置に搬送できるようになる。実施例において、シャフト638は、多数の可撓性を備えた要素から構成される。別例において、可撓性を備えた要素646は、作業要素644内に設けられる。1つ以上の可撓性を備えた要素から構成されるこのような設計は、ここで開示する装置、即ち、作業要素を備えるカテーテル、案内カテーテル、特定の形状を有する案内カテーテル、操作可能な案内カテーテル、操作可能なカテーテル、案内ワイヤ、特定の形状を有する案内ワイヤ、操作可能な案内ワイヤ、ポート、案内具、シース等に使用可能である。
【0080】
図6I乃至6Kは、鍛造可能な要素を備えるシャフトの例を示す図である。図6Iは、実施例における、鍛造可能な要素650及び管腔652を備えるシャフト648を示す部分斜視図であり、シャフト648は、略直線的な構造である。鍛造可能な要素650は、同鍛造可能な要素650の軸線がシャフト648の軸線に対して略平行となるように、シャフト648内に内包される。図6Jは、実施例における、図6Iの湾曲した形態を示す部分斜視図である。図6Kは、鍛造可能な要素650及び管腔652を備えるシャフト648を示す図6Iの6K−6K線に沿った断面図である。実施例において、シャフト648は、1つ以上の鍛造可能な要素を備える。
【0081】
図6L乃至6Mは、実施例における、制御可能に変形可能なシャフトを示す図である。図6Lは、実施例における、シャフト654の末端部近傍に設けられた張引ワイヤ終端部658に取り付けられる張引ワイヤ656を備える、制御可能に変形可能なシャフト654を示す部分斜視図である。図6Mは、図6Lにおいて、張引ワイヤ656が基端方向に張引されて、制御可能に変形可能なシャフト654が湾曲した形態を示す部分斜視図である。変形は、張引ワイヤ終端部658の位置を変えたりシャフト658の様々な部分の剛性を変化させることにより、変えることができる。シャフト658の部分の剛性は、補強コーティング、外部又は内部の補強コイル、補強織物、補強網部、補強ワイヤ、ヒンジ要素、内包繊維、補強リング等を付加することにより変化させることができる。
【0082】
図6Nは、剛性又は半剛性を備える部材を備えるバルーンカテーテルを示す斜視図である。バルーンカテーテルは、剛性又は半剛性を備える部材660及び同剛性又は半剛性を備える部材660上に設けられるバルーン662を備える。剛性又は半剛性を備える部材660は、1つ以上の管腔を備える。剛性又は半剛性を備える部材660は、1つ以上の屈曲した、湾曲した、或いは、傾斜した領域を備える。バルーン662は、バルーン膨張管664によって膨張される。同バルーン膨張管664は、基端部にハブ666を備える。実施例において、バルーン膨張管664は、長さ方向に沿って、剛性又は半剛性を備える部材660に完全に取り付けられる。別例において、バルーン膨張管664は、長さ方向に沿って、剛性又は半剛性を備える部材660に部分的に取り付けられる。
【0083】
図6O乃至6Qは、挿入可能かつ退去可能な要素を備えるバルーンカテーテルを示す断面図である。図6Oは、バルーン670、第1の管腔672、及び、膨張ポート676を介してバルーン670内に開口するバルーン膨張管674を備えるバルーンカテーテル668を示す図である。図6Pは、基端部680及び末端部682を有する、挿入可能な要素678を示す図である。実施例において、末端部682は、組織を貫通するための鋭利な先端を備える。実施例において、挿入可能な要素678は、1つ以上の屈曲した、傾斜した、或いは、湾曲した領域684を備える。挿入可能な要素678は、例えば、堅固さ、形状記憶、弾性、塑性的な変形可能性等を含む特徴を得られるように、様々な材料から形成可能である。特徴は上述したものに限定されるものではない。図6Qにおいて、挿入可能な要素678は、第1の管腔672を介してバルーンカテーテル668内に挿入される。この組み合わせは、診断のための、或いは、治療のための処置に使用可能である。挿入可能な要素678は、この処置の間、或いは、処置後に取り払われてもよい。
【0084】
図7A乃至7Kは、実施例における、ここで開示される装置の管腔の配置を示す断面図である。図7Aは、実施例における、第1の管腔704及び第2の管腔から構成されるシャフト702の断面図である。実施例において、第1の管腔704は案内ワイヤのための管腔であり、第2の管腔706は、膨張のための管腔である。図7Bは、実施例における、第1の管腔710及び環状の第2の管腔712を備えるシャフト708の断面図であり、第2の環状の管腔712は第1の管腔710に対して略同軸である。実施例において、第1の管腔710は案内ワイヤのための管腔であり、環状の第2の管腔712は、膨張のための管腔である。図7Cは、実施例における、第1の管腔718からなる第1の管状要素716、第2の管腔722からなる第2の管状要素720、並びに、第1の管状要素716及び第2の管状要素720を包囲するジャケット724を備えるシャフト714を示す断面図である。実施例において、第1の管腔718は案内ワイヤのための管腔であり、第2の管腔722は膨張のための管腔である。
【0085】
図7Dは、実施例における、第1の管腔728、第2の管腔730、第3の管腔732を備えるシャフト726を示す断面図である。実施例において、第1の管腔728は案内ワイヤのための管腔であり、第2の管腔730は洗浄又は吸引のための管腔であり、第3の管腔732は膨張のための管腔である。図7Eは、実施例における、円筒状要素736、管腔740からなる管状要素738、並びに、円筒状要素736及び管状要素738を包囲するジャケット742を備えるシャフト734を示す断面図である。図7Fは、実施例における、第1の管腔748及び第2の管腔750からなる管状部材746、同管状部材746の外表面上に設けられる第1のコーティング752、第1のコーティング752の外表面上に設けられる網部754、及び、同網部754を包囲する第2のコーティング756を備えるシャフト744を示す断面図である。第1の管腔748は、親水性の滑りがよいコーティング、疎水性の滑りがよいコーティング、耐摩耗コーティング等のような好適なコーティング758により覆われる。実施例において、第1の管腔748は、案内ワイヤのための管腔であり、第2の管腔750は膨張のための管腔である。ここで開示される管腔は、親水性の滑りがよいコーティング、疎水性の滑りがよいコーティング、耐摩耗コーティング、放射線不透過性を備えたコーティング、音波を発生するコーティング等のような好適なコーティングにより覆われてもよい。
【0086】
図7Gは、実施例における、第1の管腔756*及びジッパー管腔758*を備えるシャフト754*を示す部分斜視図である。ジッパー管腔758*により、案内ワイヤ760*のような装置は、容易にシャフト754*内に案内されるか、或いは、シャフト754*から取り払うことができる。図7Hは、第1の管腔756*及びジッパー管腔758*の配置を示す図7Gにおける7H−7H線に沿った断面図である。
【0087】
図7Iは、第1の管腔764及び高速置換可能管腔766からなるシャフト762を示す断面図である。高速置換可能管腔766は、シャフト762の末端部から基端領域まで延びる。高速置換可能管腔766により、シャフト762は、容易かつ迅速に案内されるか、或いは、案内ワイヤ768のような交換装置上から取り払われることが可能となる。図7Jは、第1の管腔764及び高速置換可能管腔766を示す図7Iの7J−7J線に沿った断面図である。図7Kは、第1の管腔764を示す図7Iの7K−7K線に沿った断面図である。
【0088】
図7L乃至7Qは、ここで開示される装置の長さ方向全体を延びるものではない管腔の斜視図及び断面図である。図7Lは、シャフト770、バルーン772、同シャフト770の全体にわたる管腔774の斜視図である。バルーンカテーテルは、更に、バルーン772に対して開口しているバルーン膨張管腔776を備える。バルーン膨張管腔776の末端部は、プラグ778で栓をしてある。図7Mは、管腔774及びバルーン膨張管腔776からなるシャフト770を示す図7Lにおける7M−7M線に沿った断面図である。図7Nは、管腔774及びプラグ778を備えるシャフト770を示す図7Lの7N−7N線に沿った断面図である。図7Oは、シャフト780、バルーン782、及び、同シャフト780全体にわたる管腔786を備えるバルーンカテーテルを示す斜視図である。バルーンカテーテルは、更に、バルーン膨張管腔784を備える。バルーン膨張管腔784の末端部は、バルーン782に開口する。図7Pは、管腔786及びバルーン膨張管腔784を備えるシャフト780を示す図7Oにおける7P−7P線に沿った断面図である。図7Qは、管腔786からなるシャフト780を示す図7Oにおける7Q−7Q線に沿った断面図である。
【0089】
図8A乃至8Eは、実施例における、ここで開示される装置の要素上に設けられるマーカーを示す部分斜視図である。図8Aは、実施例における、シャフト800の長さ方向に沿って設けられる複数の距離マーカー802を備えるシャフト800の部分斜視図である。図8Bは、実施例における、シャフト804の長さ方向に沿って設けられる複数の放射線マーカー806を備えるシャフト804を示す部分斜視図である。図8Cは、実施例における、シャフト808の長さ方向に沿って設けられるリング型の放射線マーカー810を備えるシャフト808を示す部分斜視図である。図8Dは、実施例における、シャフト814及びバルーン816を備えるバルーンカテーテル812を示す部分斜視図である。
【0090】
バルーン816は、バルーン816の外表面上に設けられる複数の放射線マーカー818を備える。これらのマーカー818は、線形に配置されても、非線形に配置されてもよく、所望のマーカーとしての機能(例、バルーンの長さ及び径のうち少なくともいずれか一方を描く、バルーンの基端部及び末端部のうち少なくともいずれか一方をマークする等)を果たすその他の形態であってもよい。図8E及び8E’は、実施例における、シャフト822及びバルーン824を備えるバルーンカテーテル820を示す長手方向に延びる断面図である。バルーン824は、バルーン824の内表面上に設けられる複数の放射線マーカー826を備える。これらのマーカー826は、線形に配置されても、非線形に配置されてもよく、所望のマーカーとしての機能(例、バルーンの長さ及び径のうち少なくともいずれか一方を描く、バルーンの基端部及び末端部のうち少なくともいずれか一方をマークする等)を果たすその他の形態であってもよい。個々で開示される装置は、超音波マーカー、高周波マーカー、磁気マーカーのようなその他のタイプのマーカーを備えてもよい。同様に、ここで開示される装置は、電磁センサ、電子センサ、磁気センサ、光センサ、超音波センサのような1つ以上のセンサを備えてもよい。
【0091】
図9A乃至9Dは、副鼻腔内や副鼻腔内の開口部(例、自然の小口、外科的に変化させた自然の小口、外科的に形成した開口部、洞フィステル形成術による開口部、小口、穿孔、ドリルによる孔、篩骨洞手術による開口部、自然の又は人工の通路等を含む副鼻腔や気泡内の経鼻的に接触可能な開口部であるが、これらに限定されるものではない)内における経鼻的処置を施すために単独で、或いは組み合わせて使用される要素を示す図である。
【0092】
図9Aは、長尺状の管902を備える案内装置900の側面図である。長尺状の管902は、好適な生体適合性の材料(例、ナイロン、エラストマーのポリエステルブロックアミド(登録商標名PEBAX))から形成可能である。長尺状の管902の末端部は、屈曲、傾斜、或いは、湾曲した領域から構成される。長尺状の管902の内表面は、滑りがよいコーティングや管状の滑りがよいライナーによって覆われてもよい。このような滑りがよいコーティングや管状の滑りがよいライナーは、特に案内装置900が傾斜、湾曲、或いは、屈曲した領域を備える場合において、1つ以上の装置が案内装置900内を容易に通過できるようになり、有効である。長尺状の管902の末端部は、組織の損傷を防止する先端部904を備える。組織の損傷を防止する先端部904は、登録商標名Pebax等のような好適な生体適合性を有する材料から形成可能である。組織の損傷を防止する先端部904は、案内装置900の末端部に起因する組織への損傷の発生を抑止する又は減少させる。案内装置900は、更に、例えば、ハイポチューブ906のような硬直する要素を備える。ハイポチューブ906は、ステンレス鋼、チタン、ニッケルとチタンの合金(例、ニチノール)、ナイロンのようなポリマー等の好適な生体適合性を有する材料から形成可能である。
【0093】
実施例において、案内装置900は、更に、外部カバーを備える。外部カバーは、ナイロンやその他の熱可塑性材料から形成可能である。外部カバーは、ハイポチューブ906の外表面及び同ハイポチューブ906の末端部から露出する長尺状の管902の一部を略包囲する。本実施例において、外部カバーは、案内装置900上に外表面の滑りをよくすることに、特に有効である。本実施例において、外部カバーは、ハイポチューブ906及び長尺状の管902間における結合性を高めることにも有効である。実施例において、外部カバーは、長尺状の管902の末端部及びハイポチューブ906の末端部間を円滑に移動させることにも有効である。案内装置900の基端部は、ハブ908を備える。実施例において、ハブ908は、メスのルーアーハブである。案内装置900の本体に進入する部分の長さは、好適には2インチ(約5.08cm)乃至6インチ(約15.24cm)であり、本体外に留まる部分の長さは、好適には少なくとも0.5インチ(約1.77cm)である。案内装置900は、1つ以上の装置を組織内に案内するために使用可能である。
【0094】
案内装置900は、組織の部位を吸引又は洗浄するためにも使用可能である。案内装置900の基端部は、Touhy−Borst装置のような回転バルブ装置を備え、案内装置900を介して挿入されるシース、案内ワイヤ、バルーンカテーテルやその他の装置等の装置をロックする。同様に、Touhy−Borst装置は、ここで開示される1つ以上の装置の基端部上に設けられる。ここで開示される案内装置900やその他の案内装置の末端領域は、金属、放射性不透過性の物質を備えるポリマー等のような放射性不透過性のマーカーを備える。図9A乃至図9Dは、実施例における、様々な設計による案内装置900を設けたシステム示す図である。図9A乃至9Dに図示するシステムは、1つ以上の案内装置を備える。
【0095】
図9Bは、案内ワイヤ910の側面図である。案内ワイヤ910の外径は、好適には0.020インチ(約0.05cm)より大きい。実施例において案内ワイヤ910の外径は0.035インチ(約0.09cm)である。案内ワイヤ910は、基端部912及び末端部914を備える。末端部914は、可撓性を備える先端部を有する。案内ワイヤ910の剛性は、案内ワイヤ910の長さ方向に沿って変化する。実施例において、案内ワイヤ910は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)のような材料から形成される滑りがよいコーティングを備える。案内ワイヤ910は、1つ以上の放射線不透過性のマーカーを備えてもよい。案内ワイヤ910の外径は、同案内ワイヤ910の通路が図9Dに示すバルーンカテーテルを通過できるように設計される。実施例において、案内ワイヤ910の外径は、0.035インチ(約0.09cm)である。案内ワイヤ910は、1つ以上の装置を組織内に案内するために使用可能である。図9A乃至9Dに図示するシステムは、1つ以上の案内ワイヤを備える。
【0096】
図9Cは、本発明による管状のシース装置920を示す側面図である。シース装置920は、ポリエチレン、弾性を備えたポリエーテルブロックアミド(登録商標名PEBAX)等を含む好適な生体適合性を有する材料から形成される長尺状の管922を備える。生体適合性を有する材料は上述したものに限定されるものではない。実施例において、長尺状の管922は、滑りがよい内部のライナーを備える複合構造の管、ステンレス鋼の網部又はコイル、及び、ポリマーのジャケットから構成される。長尺状の管922の末端部は、同長尺状の管922の末端部に起因する組織への損傷の発生を抑止し、或いは、減少させる、組織の損傷を防止する先端部922から構成される。組織の損傷を防止する先端部は、柔軟性を備えたポリマーから形成されるか、組織の損傷を防止する丸みを帯びた末端部から構成される。長尺状の管922の末端部は、放射線不透過性のマーカーバンド926のようなナビゲーションマーカーから構成される。実施例において、放射線不透過性のマーカーバンド926は、プラチナとイリジウムの合金から形成される。長尺状の管922の基端部は、ハブ928を備える。
【0097】
実施例において、ハブ928は、メスのルーアーハブである。張力緩和管930が、ハブ928及び長尺状の管922の間に設けられてもよい。実施例において、シース装置920の基端領域は、Touhy−Borst装置のような回転止血バルブ装置から構成され、シース装置920を介して案内される案内ワイヤをロックする。これにより、シース装置920及び案内ワイヤは、一体的に操作可能となる。シース装置920は、案内ワイヤの交換、組織の部位の洗浄又は吸引等のために使用可能である。シース装置920は、案内ワイヤによる探査の間に案内ワイヤの向きを変えることにも使用可能である。シース装置920のその他の使用法として、副鼻腔口の膨張や副鼻腔の洗浄及び吸引のような処置の際の、様々な介入及び診断のための装置の案内及び支持があげられるがこれらに限定されるものではない。シース装置920は、耳管を介した中耳疾患や傷害の治療を含むその他の診断又は治療の処置にも使用可能であるが、これらに限定されるものではない。図9A乃至9Dに図示するシステムは、1つ以上のシース装置を備える。
【0098】
図9Dは、バルーンカテーテルの側面図である。バルーンカテーテル934は、長尺状のシャフト936を備える。長尺状のシャフト936は、ナイロン、登録商標名Pebax、ポリエチレン等を含む好適な生体適合性を有するポリマーから形成可能であるが、これらに限定されるものではない。長尺状のシャフト936の末端部は、1つ以上の放射線不透過性のマーカーバンドから構成される。また、カテーテルは、案内カテーテルの末端部からの、バルーン基端側結合部のおおよその出口を示す、基端側シャフト上のマーカーを有する。長尺状のシャフト936は、同長尺状のシャフト936の末端部上に設けられるバルーン938を膨張又は収縮するバルーン膨張管腔を備える。バルーン938は、柔軟バルーン又は非柔軟バルーンである。バルーン938は、推奨される膨張圧力において周知の径及び長さとなるように設計されている。実施例において、バルーン938は、PETから形成される非柔軟バルーンである。
【0099】
実施例において、長尺状のシャフト936は、更に、案内ワイヤ管腔を備える。案内ワイヤ管腔は、バルーン膨張管腔に対して同軸である。案内ワイヤ管腔は、案内ワイヤ910のような1つ以上の案内ワイヤの通路が案内ワイヤ管腔を通過して挿入できるように様々に設計される。別例において、バルーンカテーテル934は、固定した案内ワイヤ940を備え、同固定した案内ワイヤ940の末端部は、バルーンカテーテル934の末端部を形成する。固定した案内ワイヤ940は、組織を通過してナビゲーションバルーンカテーテル934のために使用可能である。図9Dは、実施例における、バルーンカテーテル934を示す図であり、バルーンカテーテルの基端部は、「Y」連結部942を備える。「Y」連結部942の基端部は、バルーンカテーテル934における案内ワイヤ管腔に連通する第1のルーアーポート944から構成される。
【0100】
実施例において、第1のルーアーポート944の周囲における案内装置は、Touhy−Borst装置のような回転止血バルブ装置を備え、第1のルーアーポート944を介して案内される案内ワイヤをロックする。これにより、バルーンカテーテル934及び案内ワイヤ910は、一体化して操作可能となる。「Y」連結部942は、更に、バルーンカテーテル934におけるバルーン膨張管腔と連通する第2のルーアーポート946を備える。バルーン938は、第2のルーアーポート946を介して希釈した対照液のような好適な膨張媒体を注入することにより膨張される。実施例において、長尺状のシャフト936の基端部は、視認可能なマーカーを備える。視認可能なマーカーは、バルーンカテーテル934が案内装置900を通過して案内される場合に、案内装置900の末端部に対するバルーン938の相対的位置を確認するために使用される。視認可能なマーカーが、案内装置900の基端部に完全に進入すると、バルーン938の全体が完全に案内装置900の末端部から退出する。従って、バルーン938が案内装置900内において誤って膨張されることを防止することができる。バルーンカテーテル934は、診断及び治療の処置において、副鼻腔内の小口及び空間のような組織上の領域を膨張するために使用可能である。図9A乃至9Dに図示するシステムは、1つ以上のバルーンカテーテルを備える。
【0101】
図9A乃至図9Dに図示するシステムは、副鼻腔、副鼻腔に通じる小口や通路等のような組織の部位を治療するために使用可能である。実施例における、副鼻腔内の開口部を膨張させることにより副鼻腔炎を治療する方法において、好適な案内装置900が、鼻を介して挿入される。案内装置900は、同案内装置900が関係する開口部(例、自然の小口、外科的に変化させた自然の小口、外科的に形成した開口部、洞フィステル形成術による開口部、小口、穿孔、ドリルによる孔、篩骨洞手術による開口部、自然の又は人工の通路等を含む副鼻腔や気泡内の経鼻的に接触可能な開口部であるが、これらに限定されるものではない)の近傍に位置するように前進される。案内装置900の前進の工程は、内視鏡による視覚化の下で実施される。
【0102】
鼻を介して案内装置900を案内するに先立って、最初の内視鏡による試験を実施してもよい。案内装置900の末端部の正確な位置は、接触する副鼻腔に従う。上顎洞、前頭洞や前方の篩骨洞に接触するために、案内装置900の末端の先端部は、鉤状突起の真上の中鼻甲介下に配置される。中鼻甲介に接触しないように患者の篩骨洞に接触するために、案内装置900は、中鼻甲介の側面に配置される。ちょう形骨洞や後方の篩骨洞に接触するために、案内装置900の末端における先端部は、後方の、中鼻甲介の中間部に移動される。FESSをすでに実施した患者を治療するために、案内装置900を中鼻甲介の側面における、かつて骨胞だった部分を通過させることによりちょう形骨洞に接触してもよい。
【0103】
その後、好適な案内ワイヤ910が、同案内ワイヤ910の末端部が案内装置900の末端部から出現するように、案内装置900を介して案内される。案内ワイヤ910は、副鼻腔の開口部に接触するために使用される(例、自然の小口、外科的に変化させた自然の小口、外科的に形成した開口部、洞フィステル形成術による開口部、小口、穿孔、ドリルによる孔、篩骨洞手術による開口部、自然の又は人工の通路等を含む副鼻腔や気泡内の経鼻的に接触可能な開口部であるが、これらに限定されるものではない)。仮に案内ワイヤ910が実質的な抵抗に遭遇した場合には、案内ワイヤ910は撤回され、案内ワイヤ910の位置が若干変えられ、副鼻腔の開口部の接触が再試行される。
【0104】
仮に案内ワイヤのトルク制御及び操作性が所望される場合には、副鼻腔の開口部に接触する工程において、任意のトルク装置が、案内ワイヤ910上に配置されてもよい。案内装置900及び案内ワイヤ910の位置は、蛍光透視法により追跡可能である。副鼻腔の開口部内及び開口部上への案内ワイヤ910による円滑な通路により、副鼻腔の開口部への接触が達成されマークされる。その後、案内ワイヤ910は、耐光性が感知されるか同案内ワイヤ910の末端部のうち約2乃至7cmが副鼻腔内に挿入されるまで、副鼻腔内に移動される。案内ワイヤ910の位置は蛍光透視法により確認可能である。
【0105】
その後、好適なバルーンカテーテル934が、案内ワイヤ910上に沿って案内装置900を通過し、副鼻腔の開口部内に進入する。その後、バルーンカテーテル934は、目的の部位の横断方向に配置され、膨張される。バルーンカテーテル934の位置は、蛍光透視法及び内視鏡検査法のうち少なくともいずれか一方を使用して確認される。
【0106】
その後、膨張装置が、徐々に圧力を上げることによりバルーン938を膨張させるために使用される。バルーン938を膨張させる工程の間に、バルーンの径、形状、及び、位置が蛍光透視法及び内視鏡検査法のうち少なくともいずれか一方を使用して追跡可能である。バルーン938は、更に、同バルーン938が十分に拡張されるまで膨張される。バルーン938を膨張させる工程において、バルーン938内の圧力が最大許容圧力を超えないことに留意する必要がある。バルーン938が十分に拡張された後、膨張装置により発生した圧力は開放される。バルーン938が収縮するように、膨張装置によって減圧される。
【0107】
その後、案内装置900、案内ワイヤ910、及び、バルーンカテーテル934は、一体化して取り払われる。副鼻腔の開口部の膨張は、内視鏡を使用して決定可能である。
上述した処置の別例が可能である。実施例において、案内ワイヤ910が、予め案内装置900内に装填される。案内ワイヤ910及び案内装置900が、同案内装置900の末端の先端部が組織の目的の部位の近傍に位置するように、共に組織内に案内される。別例において、バルーンカテーテル934が、案内ワイヤ910上に予め載置される。次にバルーンカテーテル934及び案内ワイヤ910の組み合わせが、案内装置900内に予め装填される。このようなバルーンカテーテル934、案内ワイヤ910、及び、案内装置900の組み合わせが、同組み合わせの末端部が所望の目的の部位の近傍に位置するように、鼻腔内に案内されてもよい。その後、案内ワイヤ910が副鼻腔のような所望の目的の部位内に前進される。その後、バルーンカテーテル934は、案内ワイヤ910上を前進される。バルーン938は、組織の領域を拡張するために膨張される。
【0108】
異なる径のバルーンを目的の組織の同じ領域を膨張するために使用してもよい。目的の組織は、バルーン938によって目的の組織が拡張されるに先立って予め拡張される。この工程は、バルーン938の径より小さい径のバルーンを備えるバルーンカテーテルを使用して実施される。目的の組織は、バルーン938によって同目的の組織を拡張した後、再び拡張されてもよい。この工程は、バルーン938の径より大きな径のバルーンを備えるバルーンカテーテルを使用して実施される。予め膨張又は再拡張する工程は、バルーンカテーテル934を挿入するために使用される案内ワイヤ上に1つ以上の付加的なバルーンカテーテルを挿入することにより実施可能である。予め膨張又は再拡張する工程は、所望に応じて多数のバルーンカテーテルを使用して繰り返されてもよい。
【0109】
バルーン934は、組織の多数の領域を拡張するために使用可能である。本実施例は、長目の通路の最適な拡張に特に有効である。本技術において、バルーンは、一位置に配置され、膨張され、収縮される。バルーンを完全に後退させるのに代えて、案内部及び案内ワイヤを定位置に維持したまま、案内ワイヤ上を前進又は後退させて、単純に新しい位置に再配置する。バルーンは再び膨張されて、収縮される。本処置は、全通路が所望に応じて膨張されるまで、何度も繰り返し可能である。
【0110】
本処置は、副鼻腔の開口部を予め膨張してバルーンカテーテルの新たな通路を形成する手段としても使用可能である。バルーンカテーテル934は、副鼻腔(例、自然の小口、外科的に変化させた自然の小口、外科的に形成した開口部、洞フィステル形成術による開口部、小口、穿孔、ドリルによる孔、篩骨洞手術による開口部、自然の又は人工の通路等を含む副鼻腔や気泡内の経鼻的に接触可能な開口部であるが、これらに限定されるものではない)の開口部における骨性の領域、或いは、骨が粘膜組織により略覆われているその他の組織上の部位を破砕するために使用可能である。骨性の領域の破砕は、膨張装置上に設けられる圧力測定器の突然の降下によって表示される。骨性の領域の破砕は、可聴の音を伴うものであってもよい。圧力における突然の降下や可聴の音は、骨性の領域の破砕の処置の成功のフィードバックとして使用可能である。
【0111】
上顎洞探索装置、前頭洞探索装置等のような洞探索装置が、副鼻腔(例、自然の小口、外科的に変化させた自然の小口、外科的に形成した開口部、洞フィステル形成術による開口部、小口、穿孔、ドリルによる孔、篩骨洞手術による開口部、自然の又は人工の通路等を含む副鼻腔や気泡内の経鼻的に接触可能な開口部であるが、これらに限定されるものではない)内に開口部を設けるため、或いは、ここで開示される1つ以上の装置を案内するための軌跡を計画するために使用可能である。洞探索装置は、案内装置900、案内ワイヤ910、シース装置920、バルーンカテーテル934等のような装置を挿入する工程に先だって、或いは、工程後に使用可能である。
【0112】
内視鏡がここで開示される様々な方法の1つ以上の工程の監視及び案内のうち少なくともいずれか一方を実施するために使用可能である。例えば、内視鏡は、案内ワイヤ910を確実に好適に配置するために、同案内ワイヤ910を様々な小口、導管、通路内に指向させることに使用可能である。ここで開示される1つ以上の装置の末端部は、好適な色を有し、これにより、1つ以上の装置は、内視鏡により視認可能となる。内視鏡による可視化及び蛍光透視法による可視化の組み合わせは、ここで開示される様々な方法の1つ以上の工程を監視及び案内のうち少なくともいずれか一方を実施するために使用可能である。
【0113】
シース装置920のようなシース装置は、案内ワイヤ910を配置する間、更に支持し、指向させるために使用可能である。実施例において、シース装置920は、同シース装置920の末端の先端部が案内装置900の末端の先端部よりも目的の部位の近傍に位置するように、案内装置900を介して案内される。その後、案内ワイヤ910は、シース装置920を介して案内される。その後、シース装置920は、案内ワイヤ910を定位置に維持したまま後退される。バルーンカテーテル934は、案内ワイヤ934上に沿って挿入され、副鼻腔の開口部が膨張される。
【0114】
実施例において、副鼻腔の開口部が膨張した後、バルーン938は、収縮される。その後、案内ワイヤ910及び案内装置900は定位置に保持したまま、バルーンカテーテル934のみが組織から取り払われる。その後、シース装置920が、案内装置900を介して案内ワイヤ910上に沿って副鼻腔内に挿入される。案内ワイヤ910は、完全に後退されて、吸引及び洗浄を交互に行い、鼻腔から膿、組織、鼻腔内に位置する流体を排出する。別例において、バルーンカテーテル934は、低粘性の流体の制限された吸引を実施したり、することなく洗浄をすることに使用可能である。バルーンカテーテル934を組織内に保持したまま案内ワイヤ910を退去させ、バルーンカテーテル934の案内ワイヤ管腔を介して洗浄又は吸引する本工程は、膨張工程の後に実施される。
【0115】
図10A乃至10E’は、実施例における、案内装置の側面図である。1つ以上のこれらの案内装置が、図9A乃至9Dに示したシステムの一部として設けられる。図10Aは、第1の実施例における、略直線的な末端部を備える案内装置を示す側面図である。案内装置1000は、長尺状の管1002を備える。長尺状の管1002は、例えば、ナイロン、登録商標名Pebax等のポリマーのような好適な生体適合性の材料から形成可能である。好適な実施例において、長尺状の管1002の材料は、70R乃至110Rにわたるロックウェル硬さを有する。好適な実施例において、末端部は、組織に対する損傷の発生を抑止したり、減少させるために十分な可撓性を有する。しかし、末端部は十分な剛性を有し、1つ以上の装置が案内装置900を通過できるように、その形状を保持する。更に、末端部は、使用者が組織上の部位を置き換えるために同末端部を使用できるように、十分な剛性を有する。長尺状の管1002の末端部は、5°以下の角度に湾曲、屈曲、或いは、傾斜した領域を備える。
【0116】
実施例において、長尺状の管1002の末端部は、略直線的である。長尺状の管1002の内表面は、PTFEのような好適な生体適合性を有する材料から形成される、滑りがよいコーティングや管状の滑りがよいライナーにより覆われてもよい。実施例において、長尺状の管1002の外径は、約0.134+−0.005インチ(約0.3404+−0.0127cm)である。長尺状の管1002の末端部は、組織への損傷を防止する先端部1004から構成される。組織への損傷を防止する先端部1004は、登録商標名Pebax等を含む好適な生体適合性材料から形成可能であるが、これらに限定されるものではない。組織への損傷を防止する先端部1004は、案内装置1000の末端部に起因する組織への損傷の発生を抑止したり減少させる。実施例において、組織への損傷を防止する先端部1004の長さは、0.08+−0.04インチ(約0.2032cm+−0.1016cm)であり、先端部1004の材料は、約35D乃至72Dにわたるショアデュロメータ硬さを有する。案内装置1000は、更に、ハイポチューブ1006を備える。ハイポチューブ1006は、ステンレス鋼304、チタン、ニチノール、ナイロンのようなポリマー等のような好適な生体適合性を有する材料から形成可能である。
【0117】
実施例において、ハイポチューブ1006の外径は、0.154+−0.005インチ(約0.3912cm+−0.0127cm)である。実施例における、案内装置1000を構成する方法では、ステンレス鋼ハイポチューブ1006がナイロンよりなる長尺状をなす管1002に接着され、同長尺状をなす管1002の力を強化する。実施例において、ハイポチューブ1006は、長尺状をなす管1002に熱融着される。1つ以上の開口部、打ち抜き孔や穴部は、長尺状をなす管1002の材料が1つ以上の開口部、打ち抜き孔や穴部内に溶融するように、ハイポチューブ1006上に設けられる。長尺状をなす管1002の溶融した材料が凝固すると、ハイポチューブ1006及び長尺状をなす管1002の間に付加的な機械的結合がなされる。案内装置1000の基端部はハブ1008を備える。実施例において、ハブ1008は、メスのルーアーハブである。ハブ1008は、翼部1009を備えるので、使用者は案内装置1000を回転させることができる。この実施例において、案内装置1000の軸の長さは5+−0.25インチ(約12.7cm+−0.635cm)である。実施例において、案内装置1000の内径は、約0.1インチ(約0.254cm)である。案内装置1000の末端部は、放射線不透過性のマーカーを備える。実施例において、放射線不透過性のマーカーは、プラチナ又はイリジウムのマーカーバンドである。図10Aに示す案内装置の設計は、特にちょう形骨洞の経鼻的な接触に好適である。
【0118】
図10Bは、第1の実施例における、屈曲、傾斜、或いは、湾曲した末端部を有する案内装置を示す側面図である。案内装置1010は、長尺状をなす管1012を備える。長尺状をなす管1012は、例えば、ナイロン、登録商標名Pebax等のポリマーのような好適な生体適合性を有する材料から形成可能である。長尺状をなす管1012は、ハイポチューブ及び湾曲、屈曲、或いは、傾斜した領域からなる末端部によって包囲される、略直線的な末端部から構成される。末端部の湾曲、屈曲、或いは、傾斜した領域の角度は、5°乃至45°の範囲である。本実施例において、長尺状をなす管1012の末端部は、約30°の角度をもって屈曲する。長尺状をなす管1012の内表面は、PTFEのような好適な生体適合性を有する材料から形成される滑りがよいコーティング、又は管状の滑りがよいライナーによって覆われる。
【0119】
実施例において、長尺状をなす管1012の外径は、約0.134+−0.005インチ(約0.3404+−0.0127cm)である。長尺状をなす管1012の末端部は、組織の損傷を防止する先端部1014を備える。組織の損傷を防止する先端部1014は、登録商標名Pebax等を含む好適な生体適合性を有する材料から形成可能であるが、これらに限定されるものではない。組織の損傷を防止する先端部1014は、案内装置1010の末端部に起因する組織の損傷の発生を抑止したり減少させる。実施例において、組織の損傷を防止する先端部1014の長さは、0.08+−0.04インチ(約0.2032cm+−0.1016cm)である。案内装置1010は、更に、長尺状をなす管1012の基端部をカバーするハイポチューブ1016を備える。ハイポチューブ1016は、ステンレス鋼304、チタン、ニチノール、ナイロンのようなポリマー等のような好適な生体適合性を有する材料から形成可能である。実施例において、ハイポチューブ1016の外径は、0.154+−0.005インチ(約0.3912cm+−0.0127cm)である。実施例における、案内装置1010を構成する方法において、ステンレス鋼ハイポチューブ1006は、ナイロンの長尺状をなす管1012に接着される。案内装置1010の基端部は、ハブ1018を備える。
【0120】
実施例において、ハブ1018は、メスのルーアーハブである。ハブ1018は、翼部1019を備えるので、使用者は案内装置1010を回転させることができる。翼部1019は、組織において末端の先端部の位置及び指向方向を表示するものとして、末端の先端部の湾曲部と同一面上に配置される。実施例において、案内装置1010の軸の長さは、5+−0.25インチ(約12.7cm+−0.635cm)である。実施例において、案内装置1010の内径は、約0.1インチ(約0.254cm)である。案内装置1010の末端部は、放射線不透過性のマーカーを備えてもよい。実施例において、放射線不透過性のマーカーは、プラチナ又はイリジウムのマーカーバンドである。
【0121】
図10B’は、図10Bに示す案内装置の末端部を示す拡大図である。図10B’は、ハイポチューブ1016に包囲される長尺状をなす管1012を示す図である。長尺状をなす管1012の末端部は、組織の損傷を防止する先端部1014を備える。後述するパラメータは、案内装置1010の末端部の設計の特性を表す。案内装置1010の末端部の幅はWにより示される。長尺状をなす管1012の末端の湾曲部上の最基端部乃至末端の先端部の計測された長さは、L1により示される。図10B’に示すように、L1は、案内装置1010の直線的な基端部の線形方向に沿って、計測される。基端部の末端乃至末端部の湾曲した領域上の最基端までの長尺状をなす管1012の直線的な領域の長さは、L2により示される。実施例において、Wは、0.34+−0.08インチ(約0.8636+−0.2032cm)であり、L1は、0.46+−0.08インチ(約1.168+−0.2032cm)であり、L2は、0乃至2インチ(約0乃至5.08cm)であり、長尺状をなす管1012の末端の湾曲した領域の湾曲の半径は0.180インチ(約0.4572cm)である。図10B及び10B’に示す案内装置の設計は、特にちょう形骨洞の経鼻的な接触に好適である。
【0122】
図10Cは、第2の実施例における、屈曲、傾斜、或いは、湾曲した末端部を備える案内装置を示す側面図である。案内装置1020の設計は、案内装置1010の設計と同様である。案内装置1020は、長尺状をなす管1022を備える。長尺状をなす管1022の末端部は、30°乃至100°の角度により湾曲、屈曲、或いは、傾斜した領域を備える。本実施例において、長尺状をなす管1022の末端部は約70°の角度により屈曲している。長尺状をなす管1022の末端部は、組織の損傷を防止する先端部1024から構成される。案内装置1020は、更に、ハイポチューブ1026を備える。案内装置1020の基端部はハブ1028を備える。実施例において、ハブ1028は、メスのルーアーハブである。ハブ1028は、翼部1029を備えるので、使用者は案内装置1020を回転させることができる。図10C’は、図10Cに示す案内装置の末端部を示す拡大図である。図10C’は、ハイポチューブ1026によって包囲される長尺状をなす管1022を示す図である。長尺状をなす管1022の末端部は、組織の損傷を防止する先端部1024から構成される。実施例において、Wは、0.45+−0.08インチ(約1.143+−0.2032cm)であり、L1は、0.32+−0.08インチ(約0.8128+−0.2032cm)であり、L2は、0乃至2インチ(約0乃至5.08cm)であり、長尺状をなす管1022の末端の湾曲した領域の湾曲の半径は、0.180インチ(約0.4572cm)である。図10C及び10C’に示す案内装置の設計は、特に前頭洞の経鼻的接触に好適である。
【0123】
図10Dは、第2の実施例における、屈曲、傾斜、或いは、湾曲した末端部を備える案内装置を示す側面図である。案内装置1030の設計は、案内装置1010の設計と同様である。案内装置1030は、長尺状をなす管1032を備える。長尺状をなす管1032の末端部は、70°乃至135°の角度により湾曲、屈曲、或いは、傾斜した領域を備える。本実施例において、長尺状をなす管1032の末端部は約90°の角度に屈曲している。長尺状をなす管1032の末端部は、組織の損傷を防止する先端部1034から構成される。案内装置1030は、更に、ハイポチューブ1036を備える。案内装置1030の基端部はハブ1038を備える。実施例において、ハブ1038は、メスのルーアーハブである。ハブ1038は、翼部1039を備えるので、使用者は案内装置1030を回転させることができる。図10D’は、図10Dに示す案内装置の末端部を示す拡大図である。図10D’は、ハイポチューブ1036によって包囲される長尺状をなす管1032を示す図である。長尺状をなす管1032の末端部は、組織の損傷を防止する先端部1034から構成される。実施例において、Wは、0.39+−0.080インチ(約0.9906+−0.2032cm)であり、L1は、0.25+−0.08インチ(約0.635+−0.2032cm)であり、L2は、0乃至2インチ(約0乃至5.08cm)であり、長尺状をなす管1032の末端の湾曲した領域の湾曲の半径は、0.180インチ(約0.4572cm)である。Wは、長尺状をなす管1032の末端の湾曲した領域の湾曲の半径における縮小に応じて5mm短くてもよい。図10D及び10D’に示す案内装置の設計は、特に上顎洞の経鼻的接触に好適である。
【0124】
図10Eは、第2の実施例における、屈曲、傾斜、或いは、湾曲した末端部を備える案内装置を示す側面図である。案内装置1040の設計は、案内装置1010の設計と同様である。案内装置1040は、長尺状をなす管1042を備える。長尺状をなす管1042の末端部は、100°乃至120°の角度により湾曲、屈曲、或いは、傾斜した領域を備える。本実施例において、長尺状をなす管1042の末端部は約110°の角度により屈曲している。長尺状をなす管1042の末端部は、組織の損傷を防止する先端部1044から構成される。案内装置1040は、更に、ハイポチューブ1046を備える。案内装置1040の基端部はハブ1048を備える。実施例において、ハブ1048は、メスのルーアーハブである。ハブ1048は、翼部1049を備えるので、使用者は案内装置1040を回転させることができる。図10E’は、図10Eに示す案内装置の末端部を示す拡大図である。図10E’は、ハイポチューブ1042によって包囲される長尺状をなす管1042を示す図である。長尺状をなす管1042の末端部は、組織の損傷を防止する先端部1044から構成される。実施例において、Wは、0.46+−0.08インチ(約1.168+−0.2032cm)であり、L1は、0.25+−0.08インチ(約0.635+−0.2032cm)であり、L2は、0乃至0.5インチ(約0乃至1.27cm)であり、長尺状をなす管1042の末端の湾曲した領域の湾曲の半径は、0.180インチ(約0.4572cm)である。L1及びWは、それぞれ、0.25+−0.08インチ(約0.635+−0.2032cm)及び(約1.168+−0.2032cm)以下であってもよい。図10E及び10E’に示す案内装置の設計は、特に上顎洞の経鼻的接触に好適である。
【0125】
図10Fは、第1の実施例における、案内装置の末端の先端部を示す図10Aの面10−10に沿った長手方向に延びる部分断面図である。案内装置1000の末端部は、長尺状をなす管1002を備える。長尺状をなす管1002の末端部は、組織の損傷を防止する先端部1004を有する。本実施例において、組織の損傷を防止する先端部1004の末端部は、案内装置1000に起因する組織の損傷を減少させるように先細である。案内装置1000は、更に、放射線不透過性のマーカーバンド1050を備える。本実施例において、マーカーバンド1050は、組織の損傷を防止する先端部1004の内表面上に設けられる。案内装置1000は、更に、同案内装置1000の内表面上に設けられる滑りがよいライナー1052を備える。
【0126】
図10Gは、第2の実施例における、案内装置の末端の先端部を示す図10Aの面10−10に沿った長手方向に延びる部分断面図である。案内装置1000の末端部は、長尺状をなす管1002を備える。長尺状をなす管1002の末端部は、組織の損傷を防止する先端部1004を有する。本実施例において、組織の損傷を防止する先端部1004の末端部は、案内装置1000に起因する組織の損傷を減少させるように丸みを帯びている。案内装置1000は、更に、放射線不透過性のマーカーバンド1050を備える。本実施例において、マーカーバンド1050は、組織の損傷を防止する先端部1004の内表面上に設けられる。案内装置1000は、更に、同案内装置1000の内表面上に設けられる滑りがよいライナー1052を備える。
【0127】
図11は、実施例における案内装置を示す斜視図である。案内装置1100は、長尺状をなす管1102を備える。長尺状をなす管1102の末端部は湾曲、屈曲、或いは、傾斜した領域から構成される。長尺状をなす管1102の末端部は、組織の損傷を防止する先端部1104を備える。案内装置1100は、更に、ハイポチューブ1106を備える。案内装置1100の基端部は、ハブ1108を備える。この実施例において、ハブ1108は、メスのルーアーハブである。ハブ1108は、翼部1110を有するので、使用者は案内装置1100を回転させることができる。図11Aは、図11の11A−11A線に沿った断面図である。図11Aは、ハイポチューブ1106によって包囲される長尺状をなす管1102を示す案内装置1100の断面図である。
【0128】
本実施例において、長尺状をなす管1106の内表面は、滑りがよいコーティング又は滑りがよいライナー1112によって覆われている。滑りがよいライナー1112は、PTFEのような好適な生体適合性を有する材料から形成可能である。図11Bは、図11の11B−11B線に沿った断面図である。図11Bは、長尺状をなす管1102を示す案内装置1100の断面図である。本実施例において、長尺状をなす管1106の内表面は、滑りがよいコーティング又は滑りがよいライナー1112によって覆われている。図11Cは、図11の11C−11C線に沿った断面図である。図11Cは、放射線不透過性のマーカーバンド1114を包囲する、組織の損傷を防止する管1104を示す案内装置1100の断面図である。本実施例において、案内装置1100の内表面は、滑りがよいコーティング又は滑りがよいライナー1112によって覆われている。図11C’は、放射性不透過性のマーカーバンド1114及び滑りがよいライナー1112を包囲する組織の損傷を防止する管1104を示す図11Cに示す領域11C’の拡大図である。
【0129】
図12は、案内ワイヤを示す長手方向に延びる断面図である。案内ワイヤ1200は、基端部1202、中間部1204、及び、末端部1206を備えるコアワイヤから構成される、可撓性を備えた案内ワイヤである。実施例において、基端部1202及び末端部1206は、略円筒形状であり、基端部1202の直径は、末端部1206の直径より大きい。これにより、案内ワイヤ1200の末端部は略柔軟なものとなる。実施例において、柔軟な領域の長さは、約20cmである。中間部は先細の形状を有する。コアワイヤはステンレス鋼やニチノール等のような好適な生体適合性を有する材料から形成可能である。案内ワイヤ1200は、更に、外部コイル1208を備える。外部コイル1208は、ステンレス鋼を含む好適な生体適合性を有する材料から形成可能であるが、これらに限定されるものではない。外部コイル1208は、案内ワイヤ1200の末端部においてコアワイヤに、円滑かつバリのない、半田付けした又は溶接した末端連結具1210によって連結され、これにより、組織の損傷を防止する末端の先端部を構成する。
【0130】
同様に、外部コイル1208は、案内ワイヤ1200の基端部においてコアワイヤに、円滑かつバリのない、半田付けした又は溶接した基端連結具1212によって連結され、これにより、組織の損傷を防止する基端の先端部を構成する。案内ワイヤ1200は、更に、外部コイル1208によって包囲される案内ワイヤ1200の末端部上に設けられる内部コイルから構成される。内部コイルは、好適な放射線不透過性材料から形成可能であり、これにより、蛍光透視法の下、案内ワイヤ1200の末端部を可視化できる。実施例において、内部コイルは、92%のプラチナと8%のタングステンの合金により形成される。案内ワイヤ1200の一部や全外表面は、PTFEコーティングのような滑りがよいコーティングから構成される。
【0131】
実施例において、中間部1204の長さAは、約16.5cmであり、末端部1206の長さBは約7cmであり、案内ワイヤ1200の全長Cは、約75cmである。別例において、中間部1204の長さAは、約17cmであり、末端部1206の長さBは約7cmであり、案内ワイヤ1200の全長Cは、約120cmである。別例において、中間部1204の長さAは約13cmであり、末端部1206の長さBは約11cmであり、案内ワイヤ1200の全長Cは、約120cmである。
【0132】
実施例において、案内ワイヤ1200の径は、約0.035インチ(約0.0889cm)である。図9Bに示す案内ワイヤ910を設計するために、案内ワイヤ1200の様々な設計が使用可能である。図9A乃至9Dに示すシステムのようなシステムの一部として、外径、硬度、長さのような様々なパラメータを備える多くの案内ワイヤが提供される。案内ワイヤ1200は、組織内の様々な部位に接触するために使用可能である。同案内ワイヤ1200を使用することにより、様々な診断のための、或いは、治療のための処置において、その他の装置を容易に配置できるようになる。案内ワイヤ1200は、特に蛇行した組織を通過する際に同案内ワイヤ1200を容易にナビゲーションできるように回転可能である。案内ワイヤ1200の具体的な使用法として、副鼻腔開口部の拡張、副鼻腔のような組織上の空間の洗浄、吸引等を実施するために、様々な診断のための、或いは、治療のための装置を案内すること及び支持することがあげられるが、これらに限定されるものではない。案内ワイヤ1200の具体的使用法の別例として、耳管を介した中耳の治療のための装置があげられる。案内ワイヤ1200の末端部の一部は、同案内ワイヤ1200の一部が副鼻腔内において巻かれるように、副鼻腔内に案内される。これにより、使用者は、副鼻腔の外形を推定できるようになる。
【0133】
図13Aは、実施例における、略直線的な末端部を備えるシース装置を示す図である。シース装置1350は、可撓性を備えた長尺状をなすシャフト1352を備える。長尺状をなすシャフト1352は、略直線的であり、管腔から構成される。長尺状をなすシャフト1352は、ポリエチレン、ナイロン等のような好適な生体適合性を有する材料から形成可能であるが、これらに限定されるものではない。実施例において、長尺状をなすシャフト1352は、金属製の網部やコイル、ポリマーのジャケット等の硬直する手段を備えるが、これらに限定されるものではない。別例において、長尺状をなすシャフト1352の硬度は、同長尺状をなすシャフト1352の材料を電子線に暴露させて交差結合させることにより高まる。長尺状をなすシャフト1352の末端部は、柔軟なポリマーから形成されるか、丸みを帯びるように形成される、組織の損傷を防止する先端部を備える。長尺状をなすシャフト1352の末端部は、蛍光透視法下において同長尺状をなすシャフト1352の末端部が可視化できるように、プラチナ−イリジウム合金のX線撮影用のマーカーのような放射線不透過性のマーカーを備えてもよい。長尺状をなすシャフトの内表面は、滑りがよいコーティングや滑りがよい内部のライナーによって覆われていてもよい。長尺状をなすシャフト1352の基端部は、ハブ1354を備える。
【0134】
実施例において、ハブ1354は、メスのルーアーハブである。ハブ1354は、使用者がシース装置1350を回転させるための1つ以上の翼部1356を備える。張力緩和管1358がハブ1354及び長尺状をなすシャフト1352の間に設けられてもよい。張力緩和管1358は、ポリイミドのような好適な生体適合性を有する材料から形成可能である。シース装置1350は、様々な寸法及び形状により形成可能であり、これにより、様々な副鼻腔、並びに、副鼻腔と連通する通路及び開口部のような様々な組織上の領域に接触することができるようになる。実施例において、シース装置1350の有効な長さは、29+−1cmであり、長尺状をなすシャフト1352の外径は、0.052+−0.003インチ(約0.1321+−0.00762cm)であり、長尺状をなすシャフト1352の内径は、0.040+−0.003インチ(約0.1016+−0.00762cm)である。このような装置は、内径が0.056インチ(約0.1422cm)より大きい案内装置に適合する。このような装置は、特に組織上の部位を洗浄することに好適である。
【0135】
別例において、シース装置1350の有効な長さは、35+−2cmであり、長尺状をなすシャフト1352の外形は、0.059+−0.002インチ(約0.1499cm+−0.00508cm)であり、長尺状をなすシャフト1352の内径は、0.039+−0.001インチ(約0.09906+−0.00254cm)である。このような装置は、内径が0.065インチ(約0.1651cm)より大きい案内装置に適合する。このような装置は、特に、組織上の領域の吸引、長尺状をなす装置の交換、長尺状をなす装置の案内や退去の支持等に好適である。別例において、シース装置1350の有効な長さは、22+−1cmであり、長尺状をなすシャフト1352の外形は、0.088+−0.002インチ(約0.2235+−0.00508cm)であり、長尺状をなすシャフト1352の内径は、0.065+−0.001インチ(約0.1651cm+−0.00254cm)である。このような装置は、内径が0.097インチ(約0.2464cm)より大きい案内装置に適合する。このような装置は、特に、組織上の領域の吸引、長細い装置の案内の支持等に好適である。
【0136】
図13Bは、別例における、屈曲、湾曲、或いは、傾斜した末端部を備えるシース装置を示す図である。シース装置1360の設計は、シース装置1350の設計に略類似する。シース装置1360は、可撓性を備えた長尺状をなすシャフト1362を備える。長尺状をなすシャフト1362の末端部は、屈曲、湾曲、或いは傾斜した領域を備え、これにより、様々な副鼻腔、並びに、副鼻腔と連通する通路及び開口部のような様々な組織上の領域に容易に接触することができるようになる。実施例において、長尺状をなすシャフト1362の末端部は、約30°の角度により屈曲した領域を備える。別例において、長尺状をなすシャフト1362の末端部は、約45°の角度により屈曲した領域を備える。長尺状をなすシャフト1362の基端部はハブ1364を備える。
【0137】
実施例において、ハブ1364は、メスのルーアーハブである。ハブ1364は、使用者がシース装置1360を回転させる1つ以上の翼部1366を備える。翼部1366は、長尺状をなすシャフト1362の屈曲、湾曲、或いは、傾斜した領域の同一面に配置される。張引緩和管1368が、ハブ1364及び長尺状をなすシャフト1362の間に設けられてもよい。実施例において、シース装置1360の有効な長さは、29+−1cmであり、長尺状をなすシャフト1362の外径は、0.052+−0.003インチ(約0.1321+−0.00762cm)であり、長尺状をなすシャフト1362の内径は、0.040+−0.003インチ(約0.1016+−0.00762cm)である。このような装置は、内径が0.056インチ(約0.1422cm)より大きい案内装置に適合する。このような装置は、特に、組織上の領域を洗浄することに好適である。
【0138】
別例において、シース装置1360の有効な長さは、35+−2cmであり、長尺状をなすシャフト1362の外形は、0.059+−0.002インチ(約0.1499cm+−0.00508cm)であり、長尺状をなすシャフト1362の内径は、0.039+−0.001インチ(約0.09906+−0.00254cm)である。このような装置は、内径が0.065インチ(約0.1651cm)より大きい案内装置に適合する。このような装置は、特に、組織上の領域の吸引、長尺状をなす装置の交換、長尺状をなす装置の案内や退去の支持等に好適である。別例において、シース装置1360の有効な長さは、22+−1cmであり、長尺状をなすシャフト1362の外形は、0.088+−0.002インチ(約0.2235+−0.00508cm)であり、長尺状をなすシャフト1362の内径は、0.065+−0.001インチ(約0.1651cm+−0.00254cm)である。このような装置は、内径が0.097インチ(約0.2464cm)より大きい案内装置に適合する。このような装置は、特に、組織上の領域の吸引、長細い装置の案内の支持等に好適である。
【0139】
図9A乃至9Dに示すシステムの一部として、シース装置1350及びシース装置1360は使用可能である。ここで開示されるシース装置は、副鼻腔のような組織の領域において、洗浄、吸引、及び、ワイヤの交換のために使用可能である。シース装置は、案内ワイヤによる探索において、案内ワイヤの指向を変えることにも使用可能である。シース装置の具体的な使用法として、副鼻腔の小口の拡張、副鼻腔の洗浄、及び、吸引のような処置を実施する際の、様々な介入のための又は診断のための装置の案内及び支持があげられるが、これらに限定されるものではない。シース装置は、耳管を介した中耳の治療等を含むその他の応用にも使用可能であるが、これらに限定されるものではない。
【0140】
図14は、実施例における、バルーンカテーテルを示す側面図である。図14に開示されるバルーンカテーテルの設計は、図9Dに示すバルーンカテーテル934として使用可能である。図14において、バルーンカテーテル1400は、長尺状をなすシャフト1402を備える。実施例において、長尺状をなすシャフト1402の外径は、約0.046+−0.005インチ(約0.1168+−0.0127cm)である。別例において、長尺状をなすシャフト1402の外径は、約0.066+−0.005インチ(約0.1676+−0.0127cm)である。長尺状をなすシャフト1402は、案内ワイヤの管腔を備え、これにより、バルーンカテーテル1400は0.035インチ(約0.0889cm)径の案内ワイヤのような案内ワイヤ上を案内される。バルーン1404は、長尺状をなすシャフト1402の末端部上に設けられる。
【0141】
実施例において、バルーン1404は、非柔軟なバルーンであり、その柔軟度は、単位気圧あたり0.025mm乃至0.030mmの範囲である。バルーン1404は、PET、ナイロン等のような好適な生体適合性を有する材料から形成可能であるが、これらに限定されるものではない。バルーン1404は、穿刺抵抗性を備えるコーティング、摩耗耐性を備えるコーティング、鋲に対する耐性を備えるコーティング等1つ以上のバルーンコーティングによりコーティングされるが、これらに限定されるものではない。実施例において、バルーン1404は、伸長強度が12000乃至16000psi(約82mPa乃至112mPa)であり、破裂圧力が16気圧以上である0.002インチ(約0.00528cm)の厚みを有するポリウレタンコーティングによってコーティングされる、壁厚約0.002インチ(約0.00528cm)のPETから形成される。バルーン1404の作業長さは、4mm乃至50mmの範囲である。
【0142】
実施例において、バルーンの作業長さは、約16+−1mmである。バルーン1404は、約12乃至16気圧の好適な作業圧力となるよう膨張される。実施例における、多数のバルーンカテーテルから構成されるシステムにおいては、バルーン径が約3+−0.5mm、5+−0.5mm、7+−0.5mmである3つのバルーンカテーテルがシステムに設けられる。別例における、多数のバルーンカテーテルから構成されるシステムにおいては、膨張したバルーン径が約5+−0.5mmで、7+−0.5mmである2つのバルーンカテーテルがシステムに設けられる。膨張したバルーン径が約7mmであるバルーンカテーテル1404は、特に、上顎洞と連通する通路を膨張させることに好適である。膨張したバルーン径は約9mmであるバルーンカテーテル1400は、特に、以前に副鼻腔の外科的処置を実施した患者の副鼻腔と連通する通路を膨張することに好適である。
【0143】
バルーン1404は、外形を減少させるために折りたたまれてもよい。バルーン材料の多数の折りたたまれた翼部を形成するために、折りたたんでもよい。例えば、7mm径のバルーンは、バルーン材料の4乃至7つの折りたたまれた翼部を形成するために折りたたまれてもよい。図14に示す、実施例におけるバルーンカテーテル1400においては、バルーンカテーテル1400の基端部がY型連結部1406から構成される。Y型連結部1406の基端部は、バルーンカテーテル1400における案内ワイヤ管腔に連通する第1のルーアーポート1408を備える。Y型連結部1406は、更に、バルーンカテーテル1400のバルーン膨張管腔と連通する第2のルーアーポート1410を備える。バルーン1404は、希釈した対照液のような好適な膨張媒体を第2のルーアーポート1410を介して膨張装置1412により注入することによって、膨張される。実施例において、膨張装置1412は、拡張管の一部によって第2のルーアーポート1410に連結される。応力緩和管1414は、Y型連結部1406及び長尺状をなすシャフト1402の間に設けられる。長尺状をなすシャフト1402は、第1のカテーテルシャフトマーカー1416を備え、任意で第2のカテーテルシャフトマーカー1418を備える。実施例において、バルーンカテーテル1400の長さは30+−1cmである。
【0144】
図14A及び14Bは、それぞれ、図14の線14A−14A及び14B−14Bに沿ったバルーンカテーテルの断面図である。図14Aは、長尺状をなすシャフト1402の断面図である。長尺状をなすシャフト1402は、外側管1420及び内側管1422を備える。外側管1420及び内側管1422は、登録商標名、Pebax、ナイロン等を含む好適な生体適合性を有する材料から形成可能であるが、これらに限定されるものではない。内側管1422は、案内ワイヤ管腔を包囲する。実施例において、案内ワイヤ管腔は、0.0155インチ(約0.03937cm)より大きい内径を有し、これにより、バルーンカテーテル1400を0.014インチ(約0.03556cm)径の案内ワイヤ上に沿って組織内へ挿入できるようになる。別例において、案内ワイヤ管腔は、0.0360インチ(約0.09144cm)より大きい内径を有し、これにより、バルーンカテーテル1400を0.035インチ(約0.0889cm)径の案内ワイヤ上に沿って組織内へ挿入できるようになる。外側管1420及び内側管1422の間における管腔は、バルーン1404と連通するバルーン膨張管腔を包囲する。図14Bは、バルーン1404より末端側の領域における長尺状をなすシャフト1402を示す断面図である。
【0145】
長尺状をなすシャフト1402は、内側管1422を備えるが、外側管1420がバルーン1404内において開放しているため、同外側管1420を備えない。図14Cは、図14の部分14Cを示す拡大図である。外側管1420の末端部は、バルーン1404内において開放する。実施例において、バルーン1404に対して末端側における内側管1422の長さは、3.0+−0.75mmである。別例において、バルーン1404に対して末端側における内側管1422の長さは、5.0+−0.75mmである。この例において、バルーン1404は、円筒状の本体、2つの円錐形の先細部、及び、2つの首部を備える標準的なバルーンである。これに代えて、バルーン1404は、その他のタイプのバルーン設計を備えるものでもよい。バルーン1404に包囲される内側管1422の部分は、1つ以上のX線のマーカーを備える。
【0146】
この例において、内側管1422は、2つのX線のマーカー1424を備える。X線のマーカー1424は、バルーン1400の使用中に、バルーン1404の位置を確認するために使用される。図14Dは、図14における部分14Dを示す拡大図である。長尺状をなすシャフト1402は、第1のカテーテルシャフトのマーカー1416及び第2のカテーテルシャフトのマーカー1418のような可視のマーカーを備える。可視のマーカーは、バルーンカテーテル1481が案内装置を介して案内される場合に、案内装置の末端部に対するバルーン1404の相対的な位置を確認するために使用される。第2のバルーンカテーテルシャフトのマーカー1481が案内装置の基端部に挿入される場合に、バルーンカテーテル1400の末端の先端部は、案内装置の末端部の外に出現する。第1のカテーテルシャフトのマーカー1416は、バルーン1404の材料が案内装置の末端部外に出現し始める場合に、案内装置の基端部に進入し始める。第1のカテーテルシャフトのマーカー1416は、バルーン938の材料が完全に案内装置の末端部の外に出現した場合に、案内装置の基端部に完全に進入する。
【0147】
従って、案内装置内におけるバルーン1404の膨張は、防止可能である。実施例において、第1のカテーテルシャフトのマーカー1416の末端部及びバルーンカテーテル1400の末端における先端部間の距離は、15.0+−1.0cmである。図14Eは、図14Cの14E−14E線に沿ったバルーン1404を示す断面図である。内側管1422は、バルーン1404に包囲される。バルーン1404は、好適な生体適合性を有する材料から形成され、バルーン1404の外表面上に1つ以上のコーティングを備える。
【0148】
探索ツールが、ここで開示される様々な方法及び装置と組み合わせて使用可能である。通常、探索ツールは、鼻を介して挿入される堅固な長尺状をなす要素である。探索ツールの末端部は、略直線的であるか、湾曲、傾斜、或いは、屈曲した領域を備える。探索ツールの末端部や端部は、副鼻腔(例、自然の小口、外科的に又は治療により変化させた小口、外科的に形成した又は人工の開口部、洞フィステル形成術による開口部、小口、穿孔、刻み穴、ドリルによる孔、篩骨洞手術による開口部や、副鼻腔のこれらの開口部の近傍に位置する組織上の領域等を含む、副鼻腔や頭蓋の顔面における気泡内の経鼻的に接触可能な開口部であるが、これらに限定されるものではない)の開口部に到達するまで前進される。探索ツールは、開口部や組織上の領域の位置を決定するために使用される。開口部や組織上の領域の位置及び指向のうち少なくともいずれか一方に関する情報は、多くの方法により、評価又は決定可能である。
【0149】
例えば、鼻外の探索ツールの基端部の指向により、使用者は、開口部や組織上の領域の位置及び指向のうち少なくともいずれか一方に関する情報を得る。第2の実施例において、探索ツールの位置及び指向のうち少なくともいずれか一方は、内視鏡及び蛍光透視法のうち少なくともいずれか一方の下で可視化され、これにより、使用者は、開口部や組織上の領域の位置及び指向のうち少なくともいずれか一方に関する情報を得る。
【0150】
第3の実施例において、探索ツールは、電磁気による外科のナビゲーション様式のようなナビゲーションの様式を備える。探索ツールの末端領域の位置及び指向は、電磁気による外科のナビゲーション様式により可視化され、これにより、開口部や組織上の領域の位置及び指向のうち少なくともいずれか一方に関する情報を得る。開口部や組織上の領域の位置及び指向のうち少なくともいずれか一方に関する情報は、開口部や組織上の領域内へ1つ以上の診断のための、治療のための、或いは、案内するための装置を案内する軌跡を計画するために使用される。これにより、処置にかかる時間を減少させることに有効である。このような探索ツールの例として、前頭洞探索装置、上顎洞探索装置等があげられるが、これらに限定されるものではない。探索ツールは、中空のない固体であっても、管腔を備えてもよい。診断のための、治療のための、或いは、案内するための装置は、探索装置上に沿って又は探索装置を通過して案内されても、案内装置と置き換えられてもよい。探索ツールは、ステンレス鋼、ニチノール、ポリマー等を含む好適な生体適合性を有する材料から形成可能であるが、これらに限定されるものではない。
【0151】
ここで開示されるように、本発明は、副鼻腔(例、自然の小口、外科的に又は治療により変化させた小口、外科的に形成した又は人工の開口部、洞フィステル形成術による開口部、小口、穿孔、刻み穴、ドリルによる孔、篩骨洞手術による開口部、組織上の通路、自然の又は人工の通路等を含む、副鼻腔や頭蓋の顔面における気泡内の経鼻的に接触可能な開口部であるが、これらに限定されるものではない)の開口部、或いは、副鼻腔のこのような開口部の近傍に位置するその他の組織上の領域に接触する方法を含む。これらの方法において、上顎洞探索装置のような探索ツールは、開口部や組織上の領域(例、上顎洞口)の位置及び指向を決定するために使用される。
【0152】
上顎洞口の場合においては、鉤状突起の周囲に上顎洞探索装置の末端部が案内されて、同上顎洞探索装置の末端部が上顎洞口に進入する。上顎洞探索装置の末端領域の位置及び指向が、上顎洞口の位置及び指向のうち少なくともいずれか一方を決定するために使用される。その後、上顎洞探索装置は、組織から退去する。その後、例えば固定したワイヤのバルーンカテーテルのような診断のための、或いは、治療のための装置が、上顎洞口に接触するために使用される。これに代えて、例えば案内装置のような接触装置が好適な位置及び指向に配置されて、診断のための、或いは、治療のための装置が案内装置を使用して上顎洞口内に前進されてもよい。
【0153】
別例における、副鼻腔と連通する小口や通路に接触する方法において、前頭洞探索装置のような管腔を備える探索ツールが、前頭洞と連通する通路の位置及び指向を決定するために使用される。その後、案内ワイヤは、前頭洞探索装置の管腔を介して前頭洞内に案内される。その後、前頭洞探索装置は、案内ワイヤ上において、バルーンカテーテルのような診療のための、或いは、治療のための装置と交換される。
【0154】
ここで使用される用語、「診断のための、或いは、治療のための物質」は、好適な薬物、プロドラッグ、タンパク質、遺伝子治療の調合液、細胞、診断のための薬剤、造影剤、生物製剤等を含め、幅広く解釈される。これらの物質は、結合しているか、液体又は固体、コロイド状、或いは、その他の懸濁液のような遊離した形態であるか、気体や、その他の流体又は非流体の形態である。例えば、微生物感染を治療又は防止しようと所望する実施例において、搬送される物質は、抗菌剤(例、抗生物質、抗ウィルス薬、駆虫薬、抗真菌薬等)の医薬において適格な塩又は調剤、コルチコイドやその他の抗炎症薬(例、非ステロイド系抗炎症薬)、充血除去剤(例、血管収縮剤)、粘膜薄層剤(例、去痰薬や粘液溶解薬)、アレルギー反応抑制又は緩和剤(例、抗ヒスタミン剤、サイトカイン阻害剤、ロイコトリエン阻害剤、IgE阻害剤、免疫賦活剤)等である。本発明において使用可能なその他の診断のための、或いは、治療のための物質の例は、2004年8月4日に出願された、発明の名称が「副鼻腔炎及びその他の疾患を治療するための薬物及びその他の物質を搬送するための移植可能な装置及び方法」である同時継続中の米国特許出願公開第10/912578号明細書に開示され、その全体がここで開示されたものとするが、これらに限定されるものではない。
【0155】
ここで使用される用語「副鼻腔」は、鼻孔及び副鼻腔を含む鼻の領域の組織上の部位に位置する腔を含め、広く解釈される。用語「経鼻的」は、鼻孔を通過することを指示する。ここで言及される「副鼻腔の開口部」や「副鼻腔における開口部」は、自然の小口、外科的に又は治療により変化させた小口、外科的に形成した又は人工の開口部、洞フィステル形成術による開口部、小口、穿孔、刻み穴、ドリルによる孔、篩骨洞手術による開口部、組織上の通路、自然の又は人工の通路等を含む副鼻腔や前頭の顔面における気泡内の、経鼻的に接触可能な開口部を指示するが、これらに限定されるものではない。
【0156】
ここで開示される方法及び装置は、特定の副鼻腔と組み合わせて示されるが、これらの方法及び装置は、その他の副鼻腔はもちろん耳、鼻、咽喉のその他の組織上の通路にも使用可能であるものとする。
【0157】
任意に、ここで開示される作業装置及び案内カテーテルは、案内ワイヤやその他の案内部材(例、長尺状をなすプローブ、縫合材料の糸、その他の長尺状をなす部材)を受領、又は、同案内ワイヤやその他の案内部材上に沿って前進するように構成又は装備されている。これらを欠くと、装置は、意図した目的のために使用できなくなる。ここで開示される具体例として案内ワイヤがあげられるが、案内ワイヤ及び案内ワイヤ管腔の組み込みの使用法は、開示した案内ワイヤや案内ワイヤ管腔の具体例にのみ限定されるものではないといえる。本発明において使用される案内ワイヤは、心臓病学において周知の方法により構成され、コーティングされてもよい。これらは、コイル、先細の又は先細でないコアワイヤ、放射線不透過性を備える先端部及び全長のうち少なくともいずれか一方、成形リボン、様々な剛性、PTFE、シリコン、親水性のコーティング、ポリマーのコーティング等の使用を含む。本発明の範囲おいて、これらのワイヤは、5乃至75cmの長さと0.005インチ乃至0.50インチ(約0.0127乃至1.27cm)の外径の寸法を有する。
【0158】
組織内における装置の案内及び撮像のために、ここで開示される装置及び方法と共に様々な様式が使用可能である。例えば、ここで開示される装置は、目的の組織の可視化のための内視鏡を備える。装置は、組織上の通路及びその他の組織上の部位を撮像するための超音波による撮像様式を備えてもよい。ここで開示される装置は、特に装置の末端部上に、1つ以上の磁気の要素を備えてもよい。このような磁気の要素は、外部磁界を使用して組織を介して案内するために使用可能である。このような案内は、コンピュータインターフェイスを使用してデジタル処理により制御可能である。
【0159】
ここで開示される装置は、1つ以上のマーカー(例、赤外線のマーカー)も備える。マーカーは、撮像案内技術を使用して、装置の正確な位置及び指向を追跡するために使用可能である。その他の撮像又はナビゲーション様式として、蛍光透視法や高周波による位置測定や、電磁気、磁気、及び、その他の放射エネルギーベースの様式があげられ、ここで開示される方法及び装置とともに使用可能であるが、これらに限定されるものではない。これらの撮像及びナビゲーション技術は、事前に又は同時に形成される3Dや2Dのデータセットにより、コンピュータによって直接的又は間接的に参照されてもよい。これにより、医師が装置を組織の好適な領域内に配置する場合に補助となる。
【0160】
ここで開示される装置の末端の先端部は、可撓性を備えた先端部、或いは、組織の損傷を防止する柔軟な先端部から構成される。また、このような装置のシャフトは、高い回転可能性を備えるよう設計される。
【0161】
ここで開示される実施例は、主に侵襲性を最小限に抑えた処置と組み合わせて解説されたが、現行の観血手術や腹腔鏡手術と組み合わせても有効に使用可能である。
発明の例や実施例を参照して発明を上述したが、これらの例や実施例は、本発明の趣旨及び範囲の範囲を超えるものでなければ様々な、追加、削除、変更、修正をされてもよいといえる。例えば、実施例における、要素や特性は、意図した使用において不適なものとならない限り、別例に組み込んだり、別例において使用してもよい。また、開示し、一覧にし、或いは請求した方法や処置の工程の順番は、実施例が当該技術において通常の知識を有する者に対して新規性を失ったり、自明なものとならない限り、或いは、意図した使用において不適なものとならない限り、その他の順番により実施してもよい。全ての妥当な追加、削除、修正、及び、変更が、開示した実施例の均等物とみなされ、特許請求の範囲内に包含される。
【0162】
本発明の好ましい実施態様は以下の通りである。
【0163】
(1) 副鼻腔の開口部内へ、或いは、開口部を通過して案内ワイヤ、カテーテルやその他の装置を容易に前進させる管状案内装置であって、同案内装置は、
管腔及び末端部を有する管状の基端部と、
先の基端部の管腔と略同軸上にある管腔と末端部を有する管状の末端部から構成されることと、同管状の末端部は該基端部の末端部から延びることと、同管状の末端部は基端部より柔軟であり、経鼻的に挿入すること、及び同管状の末端部の末端部が副鼻腔の開口部内、或いは、開口部に隣接して配置されるように装置を配置することが容易にできるように構成されていることを特徴とする管状案内装置。
(2) 30°以下の湾曲部が前記末端部に形成されることを特徴とする実施態様1に記載の装置。
(3) 約30°の湾曲部が前記末端部に形成されることを特徴とする実施態様1に記載の装置。
(4) 約70°の湾曲部が前記末端部に形成されることを特徴とする実施態様1に記載の装置。
(5) 約90°の湾曲部が前記末端部に形成されることを特徴とする実施態様1に記載の装置。
(6) 約110°の湾曲部が前記末端部に形成されることを特徴とする実施態様1に記載の装置。
(7) 前記末端部は、角度(A)の湾曲部及び末端の先端部を有することと、同末端部は、幅(W)と、湾曲部上の最も基端側の地点から末端の先端部までの第1の長さ(L1)を有することを特徴とする実施態様1に記載の装置。
(8) Aは約30°未満であり、Wは約0.034インチ(約0.08636cm)未満であり、L1は約0.046インチ(約0.1168cm)未満であることを特徴とする実施態様7に記載の装置。
(9) 末端部は、基端部の末端部から末端部の湾曲部における最も基端側の地点までの第2の長さL2を有し、同第2の長さL2は、約2インチ(約5.08cm)未満であることを特徴とする実施態様8に記載の装置。
(10) Aは約30°であり、Wは約0.34インチ(約0.8636cm)であり、L1は約0.46インチ(約1.168cm)であることを特徴とする実施態様7に記載の装置。
(11) 末端部は、基端部の末端部から末端部の湾曲部における最も基端側の地点までの第2の長さL2を有し、同第2の長さL2は、約2インチ(約5.08cm)未満であることを特徴とする実施態様10に記載の装置。
(12) Aは約70°であり、Wは約0.48インチ(約1.219cm)であり、L1は約0.32インチ(約0.8128cm)であることを特徴とする実施態様7に記載の装置。
(13) 末端部は、基端部の末端部から末端部の湾曲部における最も基端側の地点までの第2の長さL2を有し、同第2の長さL2は、約2インチ(約5.08cm)未満であることを特徴とする実施態様12に記載の装置。
(14) Aは約90°であり、Wは約0.39インチ(約0.9906cm)であり、L1は約0.25インチ(約0.635cm)であることを特徴とする実施態様7に記載の装置。
(15) 末端部は、基端部の末端部から末端部の湾曲部における最も基端側の地点までの第2の長さL2を有し、同第2の長さL2は、約2インチ(約5.08cm)未満であることを特徴とする実施態様8に記載の装置。
(16) Aは約110°であり、Wは約0.25インチ(約0.635cm)未満であることを特徴とする実施態様7に記載の装置。
(17) 末端部は、基端部の末端部から末端部の湾曲部における最も基端側の地点までの第2の長さL2を有し、同第2の長さL2は、約2インチ(約5.08cm)未満であることを特徴とする実施態様16に記載の装置。
(18) 前記末端部は、外表面及び末端部の外表面上の最も末端側の地点から末端の先端部上の最も基端側の地点までの長さL3を有し、同長さL3は、約0.18インチ(約0.4572cm)であることを特徴とする実施態様16又は17に記載の装置。
(19) 前記基端部は、第1の管を備えることと、第2の管が第1の管の管腔を通過して延びて第1の管の末端部から外方にかつ末端部上に突出することと、装置の末端部は少なくとも部分的に、第1の管の末端部の外方にかつ末端部上に突出する第2の管の一部により構成されていることを特徴とする実施態様1に記載の装置。
(20) 前記第1の管は、略金属により形成されることと、前記第2の管は、略ポリマー材料から形成されることを特徴とする実施態様19に記載の装置。
(21) 第2の管の管腔は、装置の全長にわたって延びる貫通管腔を形成することを特徴とする実施態様19に記載の装置。
(22) 前記ポリマー材料は、ナイロン、ナイロン11、ナイロン12、登録商標名Pebax、Pebax72D、ポリイミド、ポリ(エーテルエーテルケトン)(PEEK)、ポリ(ブチレンテレフタレート)(PBT)、及びこれらの組み合わせや混合物から必要不可欠に構成される一群から選択されることを特徴とする実施態様20に記載の装置。
(23) 前記第1の管はハイポチューブを含むことを特徴とする実施態様20に記載の装置。
(24) 貫通管腔の少なくとも一部を覆うライナーを更に備えることを特徴とする実施態様21に記載の装置。
(25) 前記ライナーは、第2の管に取り付けられることを特徴とする実施態様24に記載の装置。
(26) 前記ライナーは、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ(フッ化ビリニデン)(PVDF)及び高密度ポリエチレン(HDPE)から構成される一群から選択される材料によって実質的に形成されることを特徴とする実施態様24に記載の装置。
(27) 前記装置の末端部は、第1の材料から実質的に形成される本体と、同第1の材料より柔軟な第2の材料から実質的に形成される末端の先端部を備えることを特徴とする実施態様1に記載の装置。
(28) 前記本体は約70R乃至約110Rのロックウェル硬さを有することと、末端の先端部は約35D乃至約72Dのショアデュロメータ硬さを有することを特徴とする実施態様27に記載の装置。
(29) 前記末端部の本体はナイロンから構成されることと、前記末端の先端部は弾性ポリエーテルブロックアミドを含むこととを特徴とする実施態様28に記載の装置。
(30) 装置の少なくとも一部は略透明であることを特徴とする実施態様1に記載の装置。
(31) 装置の末端部は、少なくとも一部が略透明なポリマー材料から形成されることを特徴とする実施態様30に記載の装置。
(32) 装置の末端部に、或いは、近傍に設けられる放射線不透過性のマーカー又は放射線不透過性の材料を更に備えることを特徴とする実施態様1に記載の装置。
(33) 管腔及び末端部を有する金属管と、
管腔及び末端部を有する合成樹脂の管と、同合成樹脂の管は金属管より長いことと、
合成樹脂の管の末端部上の末端の先端部と、同末端の先端部は合成樹脂の管より柔軟であることと、合成樹脂の管は、合成樹脂の末端部及び末端の先端部が金属管の末端部から外側に突出するように、金属管の管腔を通過して延びることを特徴とする実施態様1に記載の装置。
(34) 前記装置の基端部は金属管の末端部に向かって基端方向に延びる部分であり、前記装置の末端部は金属管の末端部に向かって末端方向に延びる部分であることを特徴とする実施態様33に記載の装置。
(35) 合成樹脂の管の管腔を通過して延びるライナーを更に備えることを特徴とする実施態様33に記載の装置。
(36) 金属管の外表面及び金属管の末端部上を突出する合成樹脂の管の一部の外表面を略包囲する外側カバーを更に備えることを特徴とする実施態様33に記載の装置。
(37) 外側カバーは、略ナイロンやその他の熱可塑性材料から形成されることを特徴とする実施態様34に記載の装置。
(38) 前記外側のカバーは、滑りがよい円滑な表面を装置上に形成することを特徴とする実施態様34に記載の装置。
(39) 前記外側のカバーは、金属管及び合成樹脂の管の間の連結部からの漏出を抑止することを特徴とする実施態様34に記載の装置。
(40) 実施態様1に記載の管状案内装置と、同管状案内装置を通過して前進するような寸法に形成され構成され、副鼻腔の開口部を膨張させることに適用可能なバルーンカテーテルを組み合わせて備えることを特徴とするシステム。
(41) 実施態様1に記載の管状案内装置と、管状案内装置を通過して、副鼻腔内や副鼻腔の開口部内に前進可能な案内ワイヤを組み合わせて備えることを特徴とするシステム。
(42) 実施態様1に記載の管状案内装置と、管状案内装置を通過して、副鼻腔内や副鼻腔の開口部内に前進可能な管状シースを組み合わせて備えることを特徴とするシステム。
(43) 案内ワイヤ上を管状案内装置を通過して前進するような寸法に形成され構成され、副鼻腔の開口部を膨張させることに適用可能なバルーンカテーテルを更に備えることを特徴とする実施態様41に記載のシステム。
(44) 案内ワイヤに沿って管状案内装置を通過して前進するような寸法に形成され構成され、少なくとも物質の注入に適用可能な管状シースを更に備えることを特徴とする実施態様41に記載のシステム。
(45) 前記管状案内部は、約5インチ乃至約6インチ(約12.7cm乃至約15.24cm)の長さを有することと、バルーンカテーテルは、約8インチ乃至約20インチ(約20.32cm乃至約50.8cm)の長さを有することを特徴とする実施態様40及び43のうちいずれか一方に記載のシステム。
(46) 前記バルーンカテーテルは、カテーテルシャフトと、膨張可能なバルーンと、目的の部位内に挿入された後のバルーンの位置を示す少なくとも1つのマーカーを備えることを特徴とする実施態様40及び43のうちいずれか一方に記載のシステム。
(47) 前記少なくとも1つのマーカーはバルーンカテーテルシャフト上の少なくとも1つのマーカーであって、直接、又は内視鏡により操作者に認識可能であるマーカーを備えることを特徴とする実施態様46に記載のシステム。
(48) 前記バルーンカテーテルは末端部を有することと、前記少なくとも1つのマーカーは、管状案内部の末端部に対するバルーンカテーテルの末端部の位置を決定することに適用可能であることを特徴とする実施態様46に記載のシステム。
(49) 前記少なくとも1つのマーカーが、管状案内部の末端部に対するバルーンの位置を示すことを特徴とする実施態様46に記載のシステム。
(50) 前記少なくとも1つのマーカーは、
管状案内部の末端部に対するバルーンカテーテルの末端部の位置を示す第1のマーカーと、
管状案内装置の末端部に対するバルーンの位置を示す第2のマーカーを備えることを特徴とする実施態様47、48、49のいずれか一項に記載のシステム。
(51) 前記バルーンは基端部及び末端部を備えることと、第2のマーカーは、a)管状案内装置の末端部に対するバルーンの末端部の位置と、b)管状案内装置の末端部に対するバルーンの基端部の位置とを示すことを特徴とする実施態様50に記載のシステム。
(52) 第2のマーカーは、バルーンの長さと略同じ長さを有する認識可能なマークを備えることを特徴とする実施態様51に記載のシステム。
(53) 前記バルーンカテーテルは、略非柔軟なバルーンを備えることを特徴とする実施態様40及び43のうちいずれか一方に記載のシステム。
(54) 前記バルーンカテーテルは、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、及びポリアミドから構成される一群から選択される材料から実質的に形成されるバルーンを備えることを特徴とする実施態様53に記載のシステム。
(55) 前記バルーンカテーテルは、破裂することなく22気圧以上の圧力に耐久可能なバルーンを備えることを特徴とする実施態様40及び43のうちいずれか一方に記載のシステム。
(56) 前記バルーンカテーテルは、副鼻腔の開口部を膨張することに適用可能なバルーンを備えることを特徴とする実施態様40又は43に記載のシステム。
(57) 前記バルーンは、副鼻腔の開口部周辺に位置する骨を骨折させることが可能であることを特徴とする実施態様56に記載のシステム。
(58) 前記バルーンカテーテルは、少なくとも1つのX線撮影により認識可能な要素を更に備えることと、同要素は、X線撮像装置と組み合わせてバルーンがいつ副鼻腔の開口部内に位置するかを決定することに適用可能であることとを特徴とする実施態様56に記載のシステム。
(59) バルーンがいつ副鼻腔の開口部内に位置するかを決定するためにX線撮影により認識可能な要素を撮像することに適用可能な蛍光透視鏡を更に備えることを特徴とする実施態様56に記載のシステム。
(60) 前記蛍光透視鏡は、Cアーム型蛍光透視鏡を備えることを特徴とする実施態様59に記載のシステム。
(61) 前記バルーンカテーテルは、少なくとも1つの内視鏡により認識可能な要素を更に備えることと、同要素は、内視鏡と組み合わせてバルーンがいつ副鼻腔の開口部内に位置するかを決定することに適用可能であることとを特徴とする実施態様56に記載のシステム。
(62) 内視鏡により認識可能な要素を観察することに適用可能な内視鏡を更に備えることを特徴とする実施態様61に記載のシステム。
(63) 前記バルーンカテーテルは、最初に収縮した状態で配置され、次に膨張した状態に膨張可能であるバルーンを備えることを特徴とする実施態様40及び43のうちいずれか一方に記載のシステム。
(64) 前記バルーンは、収縮した状態であるときに折りたたまれ、複数の翼部を形成することを特徴とする実施態様63に記載のシステム。
(65) 前記バルーンは、3乃至8の翼部を形成するよう折りたたまれることを特徴とする実施態様64に記載のシステム。
(66) 前記バルーンは、ポリマーコーティングによりコーティングされることを特徴とする実施態様40及び43のうちいずれか一方に記載のシステム。
(67) 前記コーティングは、ポリウレタンコーティングから構成されることを特徴とする実施態様66に記載のシステム。
(68) 前記コーティングは、浸漬により適用されることを特徴とする実施態様66に記載のシステム。
(69) 前記バルーンカテーテルは、バルーンが収縮した状態においてバルーンを覆う、退去可能なシースを更に備えることを特徴とする実施態様63に記載のシステム。
(70) 前記バルーンカテーテルはバルーンを備えることと、同バルーンは、約0.002インチ(約0.00508cm)の厚みを有するポリエチレンテレフタレートから実質的に形成されることと、同ポリエチレンテレフタレートはポリウレタンのコーティングを載置することと、同コーティングは約2インチ(約0.00508cm)の厚みを有することとを特徴とする実施態様40及び43のうちいずれか一方に記載のシステム。
(71) 前記バルーンカテーテルは、約20cm未満の長さを有することを特徴とする実施態様40又は43に記載のシステム。
(72) 前記バルーンカテーテルは、約15cm未満の長さを有することを特徴とする実施態様40又は43に記載のシステム。
(73) 前記バルーンカテーテルは、約10cm未満の長さを有することを特徴とする実施態様40又は43に記載のシステム。
(74) 前記案内ワイヤは、異なる可撓性を備える少なくとも2つの領域を有することを特徴とする実施態様41に記載のシステム。
(75) 前記案内ワイヤは、第1の可撓性を有する基端部と、第2の可撓性を有する中間部と、第3の可撓性を有する末端部とを有することを特徴とする実施態様74に記載のシステム。
(76) 前記基端部は約18インチ乃至約21インチ(約45.72cm乃至約53.34cm)の長さを有し、前記中間部は約7インチ乃至約10インチ(約17.78cm乃至約25.4cm)の長さを有し、前記末端部は約0.5インチ乃至約1.5インチ(約1.27cm乃至約3.81cm)の長さを有することを特徴とする実施態様75に記載のシステム。
(77) 前記基端部は約35インチ乃至約39インチ(約88.9cm乃至約99.06cm)の長さを有し、前記中間部は約7インチ乃至約10インチ(約17.78cm乃至約25.4cm)の長さを有し、前記末端部は約0.5インチ乃至約1.5インチ(約1.27cm乃至約3.81cm)の長さを有することを特徴とする実施態様75に記載のシステム。
(78) 前記案内ワイヤは、約120cmを超える長さを有することを特徴とする実施態様77に記載のシステム。
(79) 前記案内ワイヤの少なくとも一部は放射線不透過性であることと、案内ワイヤは、副鼻腔内に前進され、副鼻腔内において巻き付けられ、これにより、副鼻腔のX線撮影による試験のためにX線撮影の対比をなすよう構成されることを特徴とする実施態様41に記載のシステム。
(80) 前記管状案内部の末端部は湾曲していることと、前記管状シースはよじれることなく管状案内部の湾曲した末端部を通過して前進可能となるように構成されていることを特徴とする実施態様42に記載のシステム。
(81) 前記管状案内部は、約70°を超えるs角度の湾曲部を有することを特徴とする実施態様80に記載のシステム。
(82) 前記シースは、側壁及び同側壁内の組み編みを有する管を備えることと、同組み編みは、シースが管状案内装置の湾曲した末端部を通過して前進される場合にシースのよじれの発生を抑止するよう構成されていることとを特徴とする実施態様80に記載のシステム。
(83) 前記シースは、側壁を有する管を備えることと、同側壁は少なくともその一部が、シースが管状案内装置の湾曲した末端部を通過して前進される場合にシースのよじれの発生を抑止する特性を有するポリマー材料から形成されることとを特徴とする実施態様80に記載のシステム。
(84) 前記側壁は少なくともその一部が、架橋されたポリマーから形成されることと、ポリマーの架橋により、ポリマーは、シースが管状案内装置の湾曲した末端部を通過して前進される場合に同シースのよじれの発生を抑止するのに十分な剛性を付与されることを特徴とする実施態様80に記載のシステム。
(85) 前記ポリマーは、前記架橋を発生させるように、電子ビームの放射にさらされたポリエチレンを含むことを特徴とする実施態様84に記載のシステム。
(86) 前記ポリマーは、高密度のポリエチレン及び低密度のポリエチレンの混合体を含むことを特徴とする実施態様85に記載のシステム。
(87) 約0.100インチ+−0.060インチ(約0.254cm+−0.1524cm)の内径を有する管腔が装置を通過して延びることを特徴とする実施態様1に記載の管状案内装置。
(88) 前記末端部は、約0.134インチ+−0.080インチ(約0.3404cm+−0.2032cm)の外径を有することを特徴とする実施態様87に記載の管状案内装置。
(89) 前記基端部は、約0.150インチ+−0.080インチ(約0.381cm+−0.2032cm)の外径を有することを特徴とする実施態様87に記載の管状案内装置。
(90) 目的の部位に挿入されることを意図される、装置の一部は、約2インチ乃至約6インチ(約5.08cm乃至約15.24cm)の長さを有することを特徴とする実施態様1に記載の管状案内装置。
(91) 前記末端部に湾曲部が形成されることと、装置は同装置の基端部上にハブ部材を更に備えることと、同ハブ部材は、湾曲部の方向を示す、少なくとも1つの湾曲方向指示要素を有することとを特徴とする実施態様1に記載の管状案内装置。
(92) 前記湾曲方向表示要素は、ハブ上に1つ以上の翼部を備えることと、同1つ以上の翼部は、湾曲の方向を示すために湾曲部に沿って配置されることを特徴とする実施態様91に記載の管状案内装置。
(93) 実施態様1に記載の複数の管状案内装置を備えることと、各管状案内装置の末端部は異なる形状を有することとを特徴とするシステム。
(94) 管腔が前記案内装置のそれぞれを通過して延びることと、このような管腔は略同じ長さを有することを特徴とする実施態様93に記載のシステム。
(95) カテーテルシャフト、バルーン、及び同シャフト上に設けられる少なくとも1つのバルーン位置決めマーカーを備えるバルーンカテーテルと更に組み合わされることと、同バルーン位置決めマーカーは、システム内の管状案内装置の管腔の共通の長さと相関し、バルーンが管状案内装置のいずれか1つの管腔から外側に充分前進されたときを示すことを特徴とする実施態様94に記載のシステム。
(96) 前記基端部の少なくとも一部は、柔軟であり、これにより、様々な形状に変形可能であることを特徴とする実施態様1に記載の管状案内装置。
(97) 人、或いは、動物の副鼻腔の開口部を膨張させるためのバルーンカテーテル装置であって、同バルーンカテーテル装置は、
カテーテルシャフトと、
同カテーテルシャフト上に設けられる非柔軟なバルーンと、同バルーンは、非膨張状態において副鼻腔の開口部内に配置可能であり、その後同副鼻腔の開口部を膨張させることができるように少なくとも約3mmの直径を有する膨張状態に膨張可能であることと、同バルーンは、ポリマー材料から構成されるを載置する外表面を有することと、
所望に応じて膨張させるために、いつバルーンが副鼻腔の開口部内に位置するかを決定することに適用可能な少なくとも1つの位置表示要素を備えることを特徴とする、人、或いは、動物の副鼻腔の開口部を膨張させるためのバルーンカテーテル装置。
(98) 前記少なくとも1つの位置表示要素はバルーンカテーテルシャフト上の少なくとも1つのマーカーから構成される少なくとも1つのマーカーを備えることと、同マーカーは、直接、又は内視鏡により操作者に認識可能であることを特徴とする実施態様97に記載のバルーンカテーテル装置。
(99) 前記バルーンカテーテルは末端部を有することと、前記少なくとも1つのマーカーは、バルーンカテーテル装置が挿入される管状案内部の末端部に対するバルーンカテーテルの末端部の位置を示すことを特徴とする実施態様97に記載のバルーンカテーテル装置。
(100) 前記少なくとも1つのマーカーは、
管状案内部の末端部に対するバルーンカテーテルの末端部の位置を示す第1のマーカーと、
管状案内装置の末端部に対するバルーンの位置を示す第2のマーカーとを備えることを特徴とする実施態様97に記載のバルーンカテーテル装置。
(101) 前記バルーンは基端部及び末端部を備えることと、第2のマーカーは、a)管状案内装置の末端部に対するバルーンの末端部の位置と、b)管状案内装置の末端部に対するバルーンの基端部の位置とを示すことを特徴とする実施態様100に記載のバルーンカテーテル装置。
(102) 前記第2のマーカーは、バルーンの長さと略同じ長さを有する認識可能なマークから構成されることを特徴とする実施態様100に記載のバルーンカテーテル装置。
(103) 前記バルーンは略非柔軟であることを特徴とする実施態様97に記載のバルーンカテーテル装置。
(104) 前記バルーンは、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、及びポリアミドから構成される一群から選択される材料から形成されることを特徴とする実施態様97に記載のバルーンカテーテル装置。
(105) 前記バルーンは、破裂することなく22気圧以上の圧力に耐久可能であることを特徴とする実施態様97に記載のバルーンカテーテル装置。
(106) 前記バルーンは、副鼻腔の開口部周辺に位置する骨を骨折させることが可能であることを特徴とする実施態様97に記載のバルーンカテーテル装置。
(107) 前記少なくとも1つの位置表示要素は、X線撮影法により認識可能な要素を備えることと、同X線撮影法により認識可能な要素は、開口部を膨張させるためにバルーンがいつ副鼻腔の開口部内に位置するかを決定することにX線撮像装置と組み合わせて適用可能であることを特徴とする実施態様97に記載のバルーンカテーテル装置。
(108) バルーンがいつ副鼻腔の開口部内に位置するかを決定するためにX線撮影により認識可能な要素を撮像することに適用可能な蛍光透視鏡と組み合わせた実施態様97に記載のバルーンカテーテル装置を備えることを特徴とするシステム。
(109) 前記蛍光透視鏡は、Cアーム型蛍光透視鏡から構成されることを特徴とする実施態様108に記載のシステム。
(110) 前記バルーンは、最初に収縮した状態で配置され、続いて膨張した状態に膨張可能であることを特徴とする実施態様97に記載のバルーンカテーテル装置。
(111) 前記バルーンは、収縮した状態であるときに折りたたまれ、複数の翼部を形成することを特徴とする実施態様110に記載のバルーンカテーテル装置。
(112) 前記バルーンは、3乃至8の翼部を形成するよう折りたたまれることを特徴とする実施態様111に記載のバルーンカテーテル装置。
(113) 前記バルーンはポリマーコーティングによりコーティングされることを特徴とする実施態様97に記載のバルーンカテーテル装置。
(114) 前記コーティングはポリウレタンコーティングから構成されることを特徴とする実施態様113に記載のバルーンカテーテル装置。
(115) 前記コーティングは、浸漬により適用されることを特徴とする実施態様113に記載のバルーンカテーテル装置。
(116) バルーンが収縮した状態においてバルーンを覆う、退去可能なシースを更に備えることを特徴とする実施態様110に記載のバルーンカテーテル装置。
(117) 前記バルーンは、約0.002インチ(約0.00508cm)の厚みを有するポリエチレンテレフタレートから形成されることと、同ポリエチレンテレフタレートはポリウレタンのコーティングを載置することと、同コーティングは約2インチ(約0.00508cm)の厚みを有することとを特徴とする実施態様97に記載のバルーンカテーテル装置。
(118) 前記バルーンは、約0.002インチ(約0.00508cm)の厚みを有するポリエチレンテレフタレートから略形成されることと、同ポリエチレンテレフタレートはポリウレタンのコーティングを載置することと、同コーティングは約2インチ(約0.00508cm)の厚みを有することとを特徴とする実施態様97に記載のバルーンカテーテル。
(119) 約20cm未満の長さを有することを特徴とする実施態様97に記載のバルーンカテーテル。
(120) 約15cm未満の長さを有することを特徴とする実施態様97に記載のバルーンカテーテル。
(121) 約10cm未満の長さを有することを特徴とする実施態様97に記載のバルーンカテーテル。
(122) バルーンカテーテルに取り付けられ、バルーンカテーテルの末端部から延びる案内部材を更に備えることを特徴とする実施態様97に記載のバルーンカテーテル。
(123) 前記案内部材は、固定された案内ワイヤを備えることを特徴とする実施態様122に記載のバルーンカテーテル。
(124) 人や動物の副鼻腔の開口部を膨張させる方法であって、同方法は、
a)案内装置を提供する工程と、
b)前記案内装置を通過、或いは案内装置に沿って前進可能であるバルーンカテーテルを提供する工程と、同バルーンカテーテルはカテーテルシャフトと同カテーテルシャフト上に設けられるバルーンを備えることと、
c)同案内装置を副鼻腔の開口部内、開口部を通過して、或いは、開口部の近傍に挿入する工程と、
d)バルーンカテーテルを案内装置を通過、或いは案内装置に沿って、バルーンが副鼻腔の開口部内に位置する地点に前進させる工程と、
e)バルーンを膨張させて副鼻腔の開口部を膨張させる工程とから構成されることを特徴とする人や動物の副鼻腔の開口部を膨張させる方法。
(125) 前記案内装置は案内ワイヤから構成されることと、バルーンカテーテルは、同案内ワイヤに沿って前進されることを特徴とする実施態様124に記載の方法。
(126) 前記案内装置は管状案内部から構成されることと、バルーンカテーテルは、同管状案内部を通過して前進されることを特徴とする実施態様124に記載の方法。
(127) 前記案内装置は、管状案内部、及び同管状案内部を通過して前進可能な案内ワイヤを備えることと、前記バルーンカテーテルは、案内ワイヤに沿って、及び管状案内部を通過して前進されることを特徴とする実施態様124に記載の方法。
(128) 前記案内部は、湾曲部を有することと、工程cは、案内部の湾曲部を既存の組織の部位の周囲に前進させる工程から構成されることとを実施態様124に記載の方法。
(129) 前記案内部は、約70°乃至約135°の湾曲部を有することと、工程cは、案内部の末端部が上顎洞口内、或いは、隣接した部位に位置するように、案内部の湾曲部を鉤状突起の周囲に前進させる工程から構成されることとを特徴とする実施態様128に記載の方法。
(130) 前記案内部は、30°乃至約100°の湾曲部を有することと、工程cは、案内部の末端部が前頭洞口内、或いは、隣接した部位に位置するように、案内部を前頭洞の周囲に前進させる工程から構成されることとを特徴とする実施態様128に記載の方法。
(131) 前記案内部は、約0°乃至約45°の湾曲部を有することと、工程cは、案内部の末端部がちょう形骨洞口内、或いは、隣接した部位に位置するように、案内部を前進させる工程から構成されることとを特徴とする実施態様128に記載の方法。
(132) 前記方法は、成人の自然の上顎洞口を膨張させるために実施されることと、バルーンは、約4mm乃至約10mmの膨張後の径、及び約8mm乃至約16mmの長さを有することを特徴とする実施態様124に記載の方法。
(133) 前記案内部は、約70°乃至約135°の湾曲部を有することを特徴とする実施態様132に記載の方法。
(134) 前記方法は、治療により、或いは、外科的処置により以前に変形された、成人の上顎洞口を膨張させるために実施されることと、バルーンは、約7mm乃至約30mmの膨張後の径、及び約8mm乃至約16mmの長さを有することを特徴とする実施態様124に記載の方法。
(135) 前記案内部は、約0°乃至約135°の湾曲部を有することを特徴とする実施態様134に記載の方法。
(136) 前記方法は、成人の自然の前頭洞口を膨張させるために実施されることと、バルーンは、約3mm乃至約10mmの膨張後の径、及び約8mm乃至約50mmの長さを有することを特徴とする実施態様124に記載の方法。
(137) 前記案内部は、約30°乃至約90°の湾曲部を有することを特徴とする実施態様136に記載の方法。
(138) 前記方法は、治療により、或いは、外科的処置により以前に変形された、成人の前頭洞口を膨張させるために実施されることと、バルーンは、約5mm乃至約30mmの膨張後の径、及び約8mm乃至約50mmの長さを有することを特徴とする実施態様124に記載の方法。
(139) 前記案内部は、約0°乃至約90°の湾曲部を有することを特徴とする実施態様138に記載の方法。
(140) 前記方法は、成人の自然のちょう形骨洞口を膨張させるために実施されることと、バルーンは、約3mm乃至約10mmの膨張後の径、及び約8mm乃至約16mmの長さを有することを特徴とする実施態様124に記載の方法。
(141) 前記案内部は、約0°乃至約30°の湾曲部を有することを特徴とする実施態様140に記載の方法。
(142) 前記方法は、治療により、或いは、外科的処置により以前に変形された、成人のちょう形骨洞口を膨張させるために実施されることと、バルーンは、約5mm乃至約30mmの膨張後の径、及び約8mm乃至約16mmの長さを有することを特徴とする実施態様124に記載の方法。
(143) 前記案内部は、約0°乃至約30°の湾曲部を有することを特徴とする実施態様142に記載の方法。
(144) 前記方法は、成人の自然の篩骨洞口を膨張させるために実施されることと、バルーンは、約1mm乃至6mmの膨張後の径、及び約3mm乃至約12mmの長さを有することを特徴とする実施態様124に記載の方法。
(145) 前記案内部は、約0°乃至約30°の湾曲部を有することを特徴とする実施態様144に記載の方法。
(146) 前記方法は、治療により、或いは、外科的処置により以前に変形された、成人の篩骨洞口を膨張させるために実施されることと、バルーンは、約3mm乃至20mmの膨張後の径、及び約3mm乃至約12mmの長さを有することを特徴とする実施態様124に記載の方法。
(147) 前記案内部は、約0°乃至約30°の湾曲部を有することを特徴とする実施態様146に記載の方法。
(148) 前記案内装置は案内ワイヤを備えることと、工程dは、バルーンカテーテルを案内ワイヤに沿って前進させる工程から構成されることを特徴とする実施態様124に記載の方法。
(149) 案内ワイヤの少なくとも一部は放射線不透過性であることと、前記方法は、
案内ワイヤの放射線不透過性を有する部分を鼻腔内で湾曲し、巻き込まれ、或いは、巻き付かれるように副鼻腔内に前進させる工程と、
副鼻腔内で湾曲し、巻き込まれ、或いは、巻き付かれた、案内ワイヤの放射線不透過性を有する部分のX線撮影による像を得る工程とから更に構成されることを特徴とする実施態様148に記載の方法。
(150) X線撮像装置を提供する工程と、
同X線撮像装置を使用して副鼻腔内で湾曲し、巻き込まれ、或いは、巻き付かれた、案内ワイヤの放射線不透過性を有する部分を撮像する工程とから更に構成されることを特徴とする実施態様149に記載の方法。
(151) 前記X線撮像装置は、Cアーム型蛍光透視鏡を備えることと、X線撮像装置を使用して副鼻腔内で湾曲し、巻き込まれ、或いは、巻き付かれた、案内ワイヤの放射線不透過性を有する部分を撮像する工程は、
Cアームを移動して、所望の視点から副鼻腔の像を得られるように蛍光透視鏡を位置決めする工程と、
その後、蛍光透視鏡を使用して、副鼻腔内で湾曲し、巻き込まれ、或いは、巻き付かれた、案内ワイヤの放射線不透過性の部分を撮像する工程とから構成されることとを特徴とする実施態様150に記載の方法。
(152) 前記案内装置は管状案内部を備えることと、工程dは、バルーンカテーテルを管状案内部を通過して前進させる工程から構成されることを特徴とする実施態様124に記載の方法。
(153) 管状案内部を介して吸引する工程を更に含むことを特徴とする実施態様152に記載の方法。
(154) 管状案内部を介して物質を注入する工程を更に含むことを特徴とする実施態様152に記載の方法。
(155) 管状案内部を介して別の装置を案内する工程を更に含むことを特徴とする実施態様152に記載の方法。
(156) 前記別の装置は、バルーンカテーテル、切断するバルーン、カッター、歯、回転カッター、回転ドリル、回転刃、連続する膨張具、先細の膨張具、パンチ、解剖用器具、バー、非膨張の機械的に拡張可能な部材、高周波の機械的バイブレータ、拡張ステント、及び高周波切断装置、マイクロ波切断装置、レーザー装置、シュリンゲ、生検器具、スコープ、及び診断のための、或いは、治療のための薬剤を案内する装置から構成される一群から選択されることを特徴とする実施態様155に記載の方法。
(157) 管状案内部を通過するような寸法及び形状に形成された管状シースを提供する工程と、
同管状シースを管状案内部を通過してi)副鼻腔の開口部内、或いは開口部に隣接する位置、及びii)副鼻腔内のうちいずれか一方の位置に前進させる工程とから更に構成されることを特徴とする実施態様152に記載の方法。
(158) 前記案内装置は管状案内部と組み合わせた案内ワイヤを備えることと、工程dは、バルーンカテーテルを案内ワイヤに沿って管状案内部を通過して前進させる工程から構成されることを特徴とする実施態様124に記載の方法。
(159) 工程cは、管状案内部を挿入し、その後、案内ワイヤを管状案内部を通過して前進させる工程から構成されることを特徴とする実施態様158に記載の方法。
(160) 工程cは、案内ワイヤを挿入し、その後、管状案内部を案内ワイヤに沿って前進させる工程から構成されることを特徴とする実施態様158に記載の方法。
(161) 工程cは、管状案内部内に案内ワイヤを挿入し、その後、管状案内部及び案内ワイヤを同時に挿入する工程から構成されることを特徴とする実施態様158に記載の方法。
(162) 工程の実施に先立って、前記方法は、バルーンの膨張により開口部が膨張されるようにバルーンが開口部内に位置することを確認する工程から更に構成されることを特徴とする実施態様124に記載の方法。
(163) 前記バルーンカテーテルは、バルーンの位置を決定するためにX線撮影により撮像される、1つ以上の放射線不透過性を有するマーカーを有することと、バルーンの膨張により開口部が膨張されるようにバルーンが開口部内に位置することを確認することとを特徴とする実施態様162に記載の方法。
(164) X線撮像装置を提供する工程と、
同X線撮像装置を使用してバルーンの位置を決定するためにX線撮影により撮像される1つ以上の放射線不透過性を有するマーカーを撮像する工程から更に構成されることを特徴とする実施態様163に記載の方法。
(165) 前記X線撮像装置は、Cアーム型蛍光透視鏡を備えることと、バルーンの位置を決定するためにX線撮影により撮像される、1つ以上の放射線不透過性のマーカーを撮像する工程は、
Cアームを移動して、膨張される副鼻腔の開口部の像を得られるように蛍光透視鏡を位置決めする工程と、
その後、蛍光透視鏡を使用して、開口部に対するバルーンの位置を決定するために副鼻腔の開口部とバルーンカテーテル上の1つ以上のマーカーとを撮像する工程とから構成されることを特徴とする実施態様164に記載の方法。
(166) 骨は開口部に隣接して位置することと、工程dは、開口部に隣接した骨を折る工程から構成されることを特徴とする実施態様124に記載の方法。
(167) バルーンカテーテルの少なくとも一部は可撓性を備えることと、少なくとも1つの組織上の部位は、剛性を備えた長尺状をなす装置が開口部内に経鼻的に前進されることを抑止するように配置されることと、
工程cは、組織上の部位を切断したり寸法や形状を変化させることなく同組織上の部位の周囲の案内装置を副鼻腔の開口部内、或いは、近傍に前進させる工程から構成されることを特徴とする実施態様124に記載の方法。
(168) バルーンカテーテルの少なくとも一部は可撓性を備えることと、工程dは、バルーンカテーテルの可撓性を備えた部分を案内装置に沿って、或いは、案内装置を通過して組織上の部位の周囲に前進させる工程から構成されることとを特徴とする実施態様167に記載の方法。
(169) 像を見ることに適用可能であるスコープを提供する工程と、
同スコープを経鼻的に挿入する工程と、
同スコープを使用して組織、及び方法の少なくとも一部を見る工程とから更に構成されることを特徴とする実施態様124に記載の方法。
(170) 前記スコープは、案内装置及びバルーンカテーテルとは分離していることを特徴とする実施態様169に記載の方法。
(171) 前記スコープは、案内装置に取り付けられるか、一体的に構成されることを特徴とする実施態様169に記載の方法。
(172) 前記案内装置は管腔を備えるスコープから構成されることと、工程dは、バルーンカテーテルをスコープの管腔を通過して前進させる工程から構成されることを特徴とする実施態様171に記載の方法。
(173) 前記スコープは、鼻内や鼻腔内に位置し、少なくとも方法の一部を可視化することに適用可能であることを特徴とする実施態様169に記載の方法。
(174) 前記案内装置は、案内ワイヤを備えることと、同案内ワイヤは末端部を有し、同末端部は案内ワイヤのどの部分よりも可撓性を備えることを特徴とする実施態様124に記載の方法。
(175) 前記方法は、成人の上顎洞や前頭洞の開口部を膨張させるために実施されることと、案内ワイヤの末端部は約1mm乃至20mmの長さ、及び約0.02インチ乃至約0.04インチ(約0.0508cm乃至約0.1016cm)の径を有することを特徴とする実施態様124に記載の方法。
(176) 前記方法は、成人のちょう形骨洞の開口部を膨張させるために実施されることと、案内ワイヤの末端部は約1mm乃至10mmの長さ、及び約0.02インチ乃至約0.02インチ(約0.0508cm乃至約0.0508cm)の径を有することを特徴とする実施態様124に記載の方法。
(177) 前記方法は、成人の篩骨洞の開口部を膨張させるために実施されることと、案内ワイヤの末端部は約0.5mm乃至約5.0mmの長さ、及び約0.02インチ乃至約0.04インチ(約0.0508cm乃至約0.1016cm)の径を有することを特徴とする実施態様124に記載の方法。
(178) 案内装置の少なくとも一部は柔軟であることと、前記方法は、案内装置の柔軟な部分の形状を形成する工程から更に構成されることを特徴とする実施態様124に記載の方法。
(179) バルーンカテーテルの少なくとも一部は柔軟であることと、前記方法は、案内装置の柔軟な部分の形状を形成する工程から更に構成されることを特徴とする実施態様124に記載の方法。
(180) 前記案内装置及びバルーンカテーテルは、案内ワイヤが取り付けられたバルーンカテーテルを備える固定した案内ワイヤバルーンカテーテルから構成されることと、同案内ワイヤの突出部はバルーンカテーテルの末端部から延びることと、工程c及びdは、案内ワイヤの突出部が副鼻腔の開口部を介して、バルーンが副鼻腔の開口部内に位置する地点に前進するように、固定した案内ワイヤバルーンカテーテルを鼻を介して前進させる工程から構成されることを特徴とする実施態様124に記載の方法。
(181) 前記案内装置は管状案内部から構成されることと、前記バルーンカテーテルは、案内ワイヤを取り付けられた、固定された案内ワイヤバルーンカテーテルから構成されることと、これにより、案内ワイヤの突出部は、バルーンカテーテルの末端部上を延びることと、工程dは、案内ワイヤの突出部が副鼻腔の開口部を通過して、バルーンが副鼻腔の開口部内に位置する地点に前進するように、固定した案内ワイヤバルーンカテーテルを管状案内部を通過して前進させる工程から構成されることを特徴とする実施態様180に記載の方法。
(182) 副鼻腔の開口部、或いは、人や動物の頭部内において粘膜により覆われる骨から構成されるその他の組織の通路を膨張させる方法であって、同方法は、
a)少なくとも1つの可撓性を備えた領域及び少なくとも1つの剛性を備えた領域を有する長尺状をなすシャフトから構成される膨張装置を提供する工程と、
b)開口部や組織の通路内に膨張装置を挿入する工程と、
c)膨張装置により開口部や組織の通路を膨張させる工程と、
d)膨張装置を退去させる工程とから構成されることを特徴とする副鼻腔の開口部、或いは、人や動物の頭部内において粘膜により覆われる骨から構成されるその他の組織の通路を膨張させる方法。
(183) 工程cは、骨を骨折させる工程から構成されることを特徴とする実施態様182に記載の方法。
(184) 膨張装置の少なくとも1つの可撓性を備えた領域と、同可撓性を備えた領域のうち少なくとも1つの剛性を備えた領域と、同剛性を備えた領域のうち少なくとも1つは、互いに内部に入れ子構造であり、同軸上を相互に連動して移動可能である管状構造体を構成することを特徴とする実施態様182に記載の方法。
(185) 前記少なくとも1つの可撓性を備えた領域は、膨張装置の長尺状をなすシャフトの末端部から延びる、可撓性を備えた案内ワイヤから構成されることを特徴とする実施態様182に記載の方法。
(186) 膨張装置の基端部は剛性を備え、膨張装置の末端部は可撓性を備えることを特徴とする実施態様182に記載の方法。
(187) 膨張装置の可撓性を備えた領域、及び膨張装置の剛性を備えた領域は、相互に固定された位置にあることを特徴とする実施態様182に記載の方法。
(188) i)膨張装置の可撓性を備えた領域、及びii)膨張装置の剛性を備えた領域のうち少なくとも1つは他方に連動して作動されることを特徴とする実施態様182に記載の方法。
(189) 膨張装置の一部は柔軟であることと、前記方法は、膨張装置の柔軟な部分の形状を形成する工程から更に構成されることを特徴とする実施態様182に記載の方法。
(190) 人や動物の頭部内に位置する、粘液により覆われる骨構造体から構成される目的の部位に進入する方法であって、同方法は、
a)第1の器具を挿入する工程と、同器具は、第1の組織上の領域を骨構造体に対して係合させることができる少なくとも1つの末端の部分を有することと、
b)第1の器具の末端の部分の指向方向を評価し、第1の組織上の領域と同第1の組織上の領域内に案内される第2の器具の目的の位置との間における予想される軌跡と第1の器具の指向方向とを相関させる工程と、
c)第2の器具を第1の組織上の領域内に挿入し、目的の部位内に前進させる工程とから構成されることを特徴とする人や動物の頭部内に位置する、粘液により覆われる骨構造体から構成される目的の部位に進入する方法。
(191) 前記第1の工具は少なくとも1つの管腔を有することと、前記第2の器具は第1の器具の管腔内に挿入されることを特徴とする実施態様190に記載の方法。
(192) 第1の器具は少なくとも部分的に剛性を備えることと、第2の器具は少なくとも部分的に可撓性を備えることを特徴とする実施態様190に記載の方法。
(193) 第2の器具の挿入に先立って、第1の器具を取り外す工程から更に構成されることを特徴とする実施態様190に記載の方法。
(194) 前記第2の器具は、案内ワイヤから構成されることを特徴とする実施態様190に記載の方法。
(195) 前記第1の器具は、ステンレス鋼の器具から構成されることを特徴とする実施態様190に記載の方法。
(196) 人や動物の副鼻腔に外科的処置を施す方法であって、同方法は、
a)少なくとも1つの内視鏡を挿入する工程と、
b)内視鏡の視野において操作可能である少なくとも1つの剛性を備えた器具を挿入する工程と、
c)内視鏡の視野外において操作可能である少なくとも1つの可撓性を備えた領域を有する少なくとも1つの管状装置を挿入する工程と、
d)同剛性を備えた器具を使用して内視鏡の視野内において操作する工程と、
e)前記少なくとも1つの管状装置を使用して内視鏡の視野外において操作する工程とから構成されることを特徴とする人や動物の副鼻腔に外科的処置を施す方法。
(197) 前記堅固な器具は、組織を切断したり取り除くことに使用されることを特徴とする実施態様196に記載の方法。
(198) 前記管状装置は、膨張装置を備えることと、工程eは、副鼻腔の開口部を膨張させるために管状装置を使用する工程から構成されることを特徴とする実施態様196に記載の方法。
(199) 前記管状装置は案内ワイヤを備えることを特徴とする実施態様196に記載の方法。
(200) 前記剛性を備えた器具は、吸引器であることを特徴とする実施態様196に記載の方法。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
管状案内装置と、同管状案内装置を通過して前進するような寸法に形成され構成され、副鼻腔の開口部を膨張させることに適用可能なバルーンカテーテルを組み合わせて備えるシステムにおいて、
前記管状案内装置は、鼻内部の通常の解剖学的構造を外科的に取り除きまたは変化させる必要なく、副鼻腔の自然の開口部内へ、或いは、その開口部を通過して、前記カテーテルを容易に前進させるようになっており、同案内装置は、
管腔及び末端を有する管状の基端部と、
前記基端部の管腔と略同軸上にある管腔と末端を有する管状の末端部とを備え、
同管状の末端部は該基端部の末端から延び、同管状の末端部は基端部より柔軟であり、経鼻的に挿入すること、及び同管状の末端部の末端が副鼻腔の前記開口部内、或いは、前記開口部に隣接して配置されるように前記カテーテルを配置することが容易にできるように構成されており、
前記管状の末端部は、鼻内部の通常の解剖学的構造を外科的に取り除きまたは変化させる必要なく、前記末端が副鼻腔の自然の開口部中にある位置またはそれに並んだ位置に、前記カテーテルを容易に挿入できるように形成されており、
前記基端部は、第1の管を備え、第2の管が第1の管の管腔を通過して延びており、
前記第1の管が、管腔及び末端を有する金属管を含み、
前記第2の管が、管腔及び末端を有する合成樹脂の管を含み、同合成樹脂の管は金属管より長く、
前記合成樹脂の管の前記末端上に末端の先端部材を備え、同末端の先端部材は合成樹脂の管より柔軟であり、
前記合成樹脂の管は、合成樹脂の末端部及び末端の先端部材が金属管の末端から外側に突出するように、金属管の管腔を通過して延びている、
ことを特徴とするシステム。
【請求項2】
管状案内装置と、同管状案内装置を通過して、副鼻腔内や副鼻腔の開口部内に前進可能な案内ワイヤを組み合わせて備えるシステムにおいて、
前記管状案内装置は、鼻内部の通常の解剖学的構造を外科的に取り除きまたは変化させる必要なく、副鼻腔の自然の開口部内へ、或いは、その開口部を通過して、前記案内ワイヤを容易に前進させるようになっており、同案内装置は、
管腔及び末端を有する管状の基端部と、
前記基端部の管腔と略同軸上にある管腔と末端を有する管状の末端部とを備え、
同管状の末端部は該基端部の末端から延び、同管状の末端部は基端部より柔軟であり、経鼻的に挿入すること、及び同管状の末端部の末端が副鼻腔の前記開口部内、或いは、前記開口部に隣接して配置されるように前記案内ワイヤを配置することが容易にできるように構成されており、
前記管状の末端部は、鼻内部の通常の解剖学的構造を外科的に取り除きまたは変化させる必要なく、前記末端が副鼻腔の自然の開口部中にある位置またはそれに並んだ位置に、前記案内ワイヤを容易に挿入できるように形成されており、
前記基端部は、第1の管を備え、第2の管が第1の管の管腔を通過して延びており、
前記第1の管が、管腔及び末端を有する金属管を含み、
前記第2の管が、管腔及び末端を有する合成樹脂の管を含み、同合成樹脂の管は金属管より長く、
前記合成樹脂の管の前記末端上に末端の先端部材を備え、同末端の先端部材は合成樹脂の管より柔軟であり、
前記合成樹脂の管は、合成樹脂の末端部及び末端の先端部材が金属管の末端から外側に突出するように、金属管の管腔を通過して延びている、
ことを特徴とするシステム。
【請求項3】
管状案内装置と、同管状案内装置を通過して、副鼻腔内や副鼻腔の開口部内に前進可能な管状シースを組み合わせて備えるシステムにおいて、
前記管状案内装置は、鼻内部の通常の解剖学的構造を外科的に取り除きまたは変化させる必要なく、副鼻腔の自然の開口部内へ、或いは、その開口部を通過して、前記管状シースを容易に前進させるようになっており、同案内装置は、
管腔及び末端を有する管状の基端部と、
前記基端部の管腔と略同軸上にある管腔と末端を有する管状の末端部とを備え、
同管状の末端部は該基端部の末端から延び、同管状の末端部は基端部より柔軟であり、経鼻的に挿入すること、及び同管状の末端部の末端が副鼻腔の前記開口部内、或いは、前記開口部に隣接して配置されるように前記管状シースを配置することが容易にできるように構成されており、
前記管状の末端部は、鼻内部の通常の解剖学的構造を外科的に取り除きまたは変化させる必要なく、前記末端が副鼻腔の自然の開口部中にある位置またはそれに並んだ位置に、前記管状シースを容易に挿入できるように形成されており、
前記基端部は、第1の管を備え、第2の管が第1の管の管腔を通過して延びており、
前記第1の管が、管腔及び末端を有する金属管を含み、
前記第2の管が、管腔及び末端を有する合成樹脂の管を含み、同合成樹脂の管は金属管より長く、
前記合成樹脂の管の前記末端上に末端の先端部材を備え、同末端の先端部材は合成樹脂の管より柔軟であり、
前記合成樹脂の管は、合成樹脂の末端部及び末端の先端部材が金属管の末端から外側に突出するように、金属管の管腔を通過して延びている、
ことを特徴とするシステム。
【請求項4】
請求項2に記載のシステムにおいて、案内ワイヤ上を管状案内装置を通過して前進するような寸法に形成され構成され、副鼻腔の開口部を膨張させることに適用可能なバルーンカテーテルを更に備えることを特徴とする、システム。
【請求項5】
請求項2に記載のシステムにおいて、案内ワイヤに沿って管状案内装置を通過して前進するような寸法に形成され構成され、少なくとも物質の注入に適用可能な管状シースを更に備えることを特徴とする、システム。
【請求項6】
請求項1または3に記載のシステムにおいて、前記管状案内部は、約5インチ乃至約6インチ(約12.7cm乃至約15.24cm)の長さを有することと、バルーンカテーテルは、約8インチ乃至約20インチ(約20.32cm乃至約50.8cm)の長さを有することを特徴とする、システム。
【請求項7】
請求項1または3に記載のシステムにおいて、前記バルーンカテーテルは、カテーテルシャフトと、膨張可能なバルーンと、目的の部位内に挿入された後のバルーンの位置を示す少なくとも1つのマーカーを備えることを特徴とする、システム。
【請求項8】
請求項7に記載のシステムにおいて、前記少なくとも1つのマーカーはバルーンカテーテルシャフト上の少なくとも1つのマーカーであって、直接、又は内視鏡により操作者に認識可能であるマーカーを備えることを特徴とする、システム。
【請求項9】
請求項7に記載のシステムにおいて、前記バルーンカテーテルは末端を有することと、前記少なくとも1つのマーカーは、管状案内部の末端に対するバルーンカテーテルの末端の位置を決定することに適用可能であることを特徴とする、システム。
【請求項10】
請求項7に記載のシステムにおいて、前記少なくとも1つのマーカーが、管状案内部の末端に対するバルーンの位置を示すことを特徴とする、システム。
【請求項11】
請求項8,9または10に記載のシステムにおいて、
前記少なくとも1つのマーカーは、
管状案内部の末端に対するバルーンカテーテルの末端の位置を示す第1のマーカーと、
管状案内装置の末端に対するバルーンの位置を示す第2のマーカーとを備えることを特徴とする、システム。
【請求項12】
請求項11に記載のシステムにおいて、前記バルーンは基端部及び末端を備えることと、第2のマーカーは、a)管状案内装置の末端に対するバルーンの末端の位置と、b)管状案内装置の末端に対するバルーンの基端部の位置とを示すことを特徴とする、システム。
【請求項13】
請求項11に記載のシステムにおいて、第2のマーカーは、バルーンの長さと略同じ長さを有する認識可能なマークを備えることを特徴とする、システム。
【請求項14】
請求項1または3に記載のシステムにおいて、前記バルーンカテーテルは、略非柔軟なバルーンを備えることを特徴とする、システム。
【請求項15】
請求項14に記載のシステムにおいて、前記バルーンカテーテルは、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、及びポリアミドから構成される一群から選択される材料から実質的に形成されるバルーンを備えることを特徴とする、システム。
【請求項16】
請求項1または3に記載のシステムにおいて、前記バルーンカテーテルは、破裂することなく22気圧以上を超える圧力に耐久可能なバルーンを備えることを特徴とする、システム。
【請求項17】
請求項1または3に記載のシステムにおいて、前記バルーンカテーテルは、副鼻腔の開口部を膨張することに適用可能なバルーンを備えることを特徴とする、システム。
【請求項18】
請求項17に記載のシステムにおいて、前記バルーンは、副鼻腔の開口部周辺に位置する骨を骨折させることが可能であることを特徴とする、システム。
【請求項19】
請求項17に記載のシステムにおいて、前記バルーンカテーテルは、少なくとも1つのX線撮影により認識可能な要素を更に備えることと、同要素は、X線撮像装置と組み合わせてバルーンがいつ副鼻腔の開口部内に位置するかを決定することに適用可能であることとを特徴とする、システム。
【請求項20】
請求項17に記載のシステムにおいて、バルーンがいつ副鼻腔の開口部内に位置するかを決定するためにX線撮影により認識可能な要素を撮像することに適用可能な蛍光透視鏡を更に備えることを特徴とする、システム。
【請求項21】
請求項20に記載のシステムにおいて、前記蛍光透視鏡は、Cアーム型蛍光透視鏡を備えることを特徴とする、システム。
【請求項22】
請求項17に記載のシステムにおいて、前記バルーンカテーテルは、少なくとも1つの内視鏡により認識可能な要素を更に備えることと、同要素は、内視鏡と組み合わせてバルーンがいつ副鼻腔の開口部内に位置するかを決定することに適用可能であることとを特徴とする、システム。
【請求項23】
請求項22に記載のシステムにおいて、内視鏡により認識可能な要素を観察することに適用可能な内視鏡を更に備えることを特徴とする、システム。
【請求項24】
請求項1または3に記載のシステムにおいて、前記バルーンカテーテルは、最初に収縮した状態で配置され、次に膨張した状態に膨張可能であるバルーンを備えることを特徴とする、システム。
【請求項25】
請求項24に記載のシステムにおいて、前記バルーンは、収縮した状態であるときに折りたたまれ、複数の翼部を形成することを特徴とする、システム。
【請求項26】
請求項25に記載のシステムにおいて、前記バルーンは、3乃至8の翼部を形成するよう折りたたまれることを特徴とする、システム。
【請求項27】
請求項1または3に記載のシステムにおいて、前記バルーンは、ポリマーコーティングによりコーティングされることを特徴とする、システム。
【請求項28】
請求項27に記載のシステムにおいて、前記コーティングは、ポリウレタンコーティングを含むことを特徴とする、システム。
【請求項29】
請求項27に記載のシステムにおいて、前記コーティングは、浸漬により適用されることを特徴とする、システム。
【請求項30】
請求項24に記載のシステムにおいて、前記バルーンカテーテルは、バルーンが収縮した状態においてバルーンを覆う、退去可能なシースを更に備えることを特徴とする、システム。
【請求項31】
請求項1または3に記載のシステムにおいて、前記バルーンカテーテルはバルーンを備えることと、同バルーンは、約0.002インチ(約0.00508cm)の厚みを有するポリエチレンテレフタレートから実質的に形成されることと、同ポリエチレンテレフタレートはポリウレタンのコーティングを載置することと、同コーティングは約0.002インチ(約0.00508cm)の厚みを有することとを特徴とする、システム。
【請求項32】
請求項1または3に記載のシステムにおいて、前記バルーンカテーテルは、約20cm未満の長さを有することを特徴とする、システム。
【請求項33】
請求項1または3に記載のシステムにおいて、前記バルーンカテーテルは、約15cm未満の長さを有することを特徴とする、システム。
【請求項34】
請求項1または3に記載のシステムにおいて、前記バルーンカテーテルは、約10cm未満の長さを有することを特徴とする、システム。
【請求項35】
請求項2に記載のシステムにおいて、前記案内ワイヤは、異なる可撓性を備える少なくとも2つの領域を有することを特徴とする、システム。
【請求項36】
請求項35に記載のシステムにおいて、前記案内ワイヤは、第1の可撓性を有する基端領域と、第2の可撓性を有する中間領域と、第3の可撓性を有する末端領域とを有することを特徴とする、システム。
【請求項37】
請求項36に記載のシステムにおいて、前記基端領域は約18インチ乃至約21インチ(約45.72cm乃至約53.34cm)の長さを有し、前記中間領域は約7インチ乃至約10インチ(約17.78cm乃至約25.4cm)の長さを有し、前記末端領域は約0.5インチ乃至約1.5インチ(約1.27cm乃至約3.81cm)の長さを有することを特徴とする、システム。
【請求項38】
請求項36に記載のシステムにおいて、前記基端領域は約35インチ乃至約39インチ(約88.9cm乃至約99.06cm)の長さを有し、前記中間領域は約7インチ乃至約10インチ(約17.78cm乃至約25.4cm)の長さを有し、前記末端領域は約0.5インチ乃至約1.5インチ(約1.27cm乃至約3.81cm)の長さを有することを特徴とする、システム。
【請求項39】
請求項38に記載のシステムにおいて、前記案内ワイヤは、約120cmを超える長さを有することを特徴とする、システム。
【請求項40】
請求項2に記載のシステムにおいて、前記案内ワイヤの少なくとも一部は放射線不透過性であることと、案内ワイヤは、副鼻腔内に前進され、副鼻腔内において巻き付けられ、これにより、副鼻腔のX線撮影による試験のためにX線撮影のコントラストをなすよう構成されることを特徴とする、システム。
【請求項41】
請求項3に記載のシステムにおいて、前記管状案内部の末端部は湾曲していることと、前記管状シースはよじれることなく管状案内部の湾曲した末端部を通過して前進可能となるように構成されていることを特徴とする、システム。
【請求項42】
請求項41に記載のシステムにおいて、前記管状案内部は、約70°を超える角度の湾曲部を有することを特徴とする、システム。
【請求項43】
請求項41に記載のシステムにおいて、前記シースは、側壁及び同側壁内の組み編みを有する管を備えることと、同組み編みは、シースが管状案内装置の湾曲した末端部を通過して前進される場合にシースのよじれの発生を抑止するよう構成されていることとを特徴とする、システム。
【請求項44】
請求項41に記載のシステムにおいて、前記シースは、側壁を有する管を備えることと、同側壁は少なくともその一部が、シースが管状案内装置の湾曲した末端部を通過して前進される場合にシースのよじれの発生を抑止する特性を有するポリマー材料から形成されることとを特徴とする、システム。
【請求項45】
請求項41に記載のシステムにおいて、前記側壁は少なくともその一部が、架橋されたポリマーから形成されることと、ポリマーの架橋により、ポリマーは、シースが管状案内装置の湾曲した末端部を通過して前進される場合に同シースのよじれの発生を抑止するのに十分な剛性を付与されることを特徴とする、システム。
【請求項46】
請求項45に記載のシステムにおいて、前記ポリマーは、前記架橋を発生させるように、電子ビームの放射にさらされたポリエチレンを含むことを特徴とする、システム。
【請求項47】
請求項45に記載のシステムにおいて、前記ポリマーは、高密度のポリエチレン及び低密度のポリエチレンの混合体を含むことを特徴とする、システム。
【請求項48】
複数の管状案内装置を備えることと、各管状案内装置の末端部は異なる形状を有するシステムにおいて、
前記管状案内装置は、鼻内部の通常の解剖学的構造を外科的に取り除きまたは変化させる必要なく、副鼻腔の自然の開口部内へ、或いは、その開口部を通過して、案内ワイヤ、カテーテルやその他の装置を容易に前進させるようになっており、同案内装置は、
管腔及び末端を有する管状の基端部と、
前記基端部の管腔と略同軸上にある管腔と末端を有する管状の末端部とを備え、
同管状の末端部は該基端部の末端から延び、同管状の末端部は基端部より柔軟であり、経鼻的に挿入すること、及び同管状の末端部の末端が副鼻腔の前記開口部内、或いは、前記開口部に隣接して配置されるように前記案内ワイヤ、カテーテルやその他の装置を配置することが容易にできるように構成されており、
前記管状の末端部は、鼻内部の通常の解剖学的構造を外科的に取り除きまたは変化させる必要なく、前記末端が副鼻腔の自然の開口部中にある位置またはそれに並んだ位置に、前記案内ワイヤ、カテーテルやその他の装置を容易に挿入できるように形成されており、
前記基端部は、第1の管を備え、第2の管が第1の管の管腔を通過して延びており、
前記第1の管が、管腔及び末端を有する金属管を含み、
前記第2の管が、管腔及び末端を有する合成樹脂の管を含み、同合成樹脂の管は金属管より長く、
前記合成樹脂の管の前記末端上に末端の先端部材を備え、同末端の先端部材は合成樹脂の管より柔軟であり、
前記合成樹脂の管は、合成樹脂の末端部及び末端の先端部材が金属管の末端から外側に突出するように、金属管の管腔を通過して延びている、
システム。
【請求項49】
請求項48に記載のシステムにおいて、管腔が前記案内装置のそれぞれを通過して延びることと、このような管腔はそれぞれ略同じ長さを有することを特徴とする、システム。
【請求項50】
請求項49に記載のシステムにおいて、カテーテルシャフト、バルーン、及び同シャフト上に設けられる少なくとも1つのバルーン位置決めマーカーを備えるバルーンカテーテルと更に組み合わされることと、同バルーン位置決めマーカーは、システム内の管状案内装置の管腔の共通の長さと相関し、バルーンが管状案内装置のいずれか1つの管腔から外側に充分前進されたときを示すことを特徴とする、システム。

【図1】
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【図1A】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図2E】
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【図2F】
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【図2G】
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【図2H】
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【図2I】
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【図2J】
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【図2K】
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【図2L】
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【図2M】
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【図2N】
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【図2O】
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【図2P】
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【図2Q】
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【図2R】
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【図2S】
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【図2T】
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【図2U】
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【図2V】
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【図2W】
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【図2X】
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【図2Y】
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【図2Z】
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【図2AA】
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【図2AB】
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【図2AC】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図4E】
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【図4F】
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【図4G】
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【図4H】
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【図4I】
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【図4J】
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【図4K】
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【図4L】
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【図4M】
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【図4N】
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【図4O】
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【図4P】
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【図4Q】
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【図4R】
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【図4S】
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【図4T】
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【図4U】
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【図4V】
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【図4W】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図5E】
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【図5F】
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【図5G】
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【図5H】
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【図5I】
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【図5J】
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【図5K】
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【図5L】
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【図5M】
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【図5N】
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【図5O】
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【図5P】
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【図5Q】
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【図5R】
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【図5S】
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【図5T】
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【図5U】
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【図5V】
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【図5W】
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【図5X】
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【図5Y】
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【図5Z】
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【図5AA】
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【図5AB】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図6E】
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【図6F】
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【図6G】
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【図6H】
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【図6I】
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【図6J】
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【図6K】
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【図6L】
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【図6M】
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【図6N】
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【図6O】
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【図6P】
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【図6Q】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図7E】
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【図7F】
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【図7G】
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【図7H】
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【図7I】
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【図7J】
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【図7K】
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【図7L】
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【図7M】
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【図7N】
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【図7O】
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【図7P】
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【図7Q】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図8D】
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【図8E】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図9D】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図10D】
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【図10E】
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【図10F】
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【図10G】
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【図11】
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【図11A】
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【図11B】
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【図11C】
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【図12】
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【図13A】
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【図13B】
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【図14】
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【図14A】
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【図14B】
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【図14C】
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【図14D】
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【図14E】
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【公開番号】特開2012−192196(P2012−192196A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−131840(P2012−131840)
【出願日】平成24年6月11日(2012.6.11)
【分割の表示】特願2008−516013(P2008−516013)の分割
【原出願日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【出願人】(506353574)アクラレント インコーポレイテッド (22)
【Fターム(参考)】