割ピン用工具
【課題】割ピンを効率よく取り付けることができる割ピン用工具を提供する。
【解決手段】一対のロッド部材の接続部に配されるジョーピンの脱落防止に用いられる割ピンの一対のピンを互いに離反する方向に割るための割ピン用工具10であって、ジョーピンの頭部を支持可能な頭部支持部11と、ジョーピンの底部を支持するとともに、割ピンの頭部を支持可能な割ピン頭部支持部が形成された底部支持部12と、底部支持部の下方に設けられ、一対のピンに当接可能な突起部35を有するとともに、突起部を一対のピンを互いに離反する方向に移動可能に構成された割ピン割部14と、を備えている。
【解決手段】一対のロッド部材の接続部に配されるジョーピンの脱落防止に用いられる割ピンの一対のピンを互いに離反する方向に割るための割ピン用工具10であって、ジョーピンの頭部を支持可能な頭部支持部11と、ジョーピンの底部を支持するとともに、割ピンの頭部を支持可能な割ピン頭部支持部が形成された底部支持部12と、底部支持部の下方に設けられ、一対のピンに当接可能な突起部35を有するとともに、突起部を一対のピンを互いに離反する方向に移動可能に構成された割ピン割部14と、を備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、割ピン用工具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、鉄道線路の分岐箇所には電気転てつ機が設置されている。一般的に、電気転てつ機には、トングレールに連結された鎖錠かんや分岐器の可動部を転換する動作かんなどのロッド部材が配されている。そして、それらロッド部材の連結部にはジョーピンが設けられ、連結する一対のロッド部材がジョーピンを中心に回動可能に支持されている。このジョーピンは、一対のロッド部材のそれぞれに形成された貫通孔に挿通し、ジョーピンの先端付近に形成された割ピン挿通孔に割ピンを挿通して、割ピンの先端を割ることにより支持している。
【0003】
ここで、割ピンの先端を割る工具として、特許文献1に記載の工具などが提案されている。この割ピン用工具は、本体の一端側に開閉可能に取り付けられ先端が互いに対向する内側に湾曲されて鋭角状の内端部を形成する一対の爪と、この一対の爪を常時閉状態に付勢するバネと、一対の爪による内側空間に位置し、内端部と対向する位置に割ピンの頭部と嵌合する位置決め用溝を設け、かつ割ピンを挿通させたピンの外周を受ける凹部を設けたガイド部と、本体の他端側に開閉可能に設けられる一対の把握用ハンドルと、把握用ハンドルにリンク機構を介して一端を連結し他端はガイド部に連結して把握用ハンドルの閉動作時リンク機構を介してガイド部を内端部に向けて移動させるガイド棒と、を備えたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭56−126588号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述の特許文献1の割ピン用工具は、割ピンを挿通するピン(本発明におけるジョーピン)を支持する構成になっていないため、作業性が悪いという問題がある。
【0006】
そこで、本発明は、上述の事情を鑑みてなされたものであり、割ピンを効率よく取り付けることができる割ピン用工具を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載した発明は、一対のロッド部材の接続部に配されるジョーピンの脱落防止に用いられる割ピンの一対のピンを互いに離反する方向に割るための割ピン用工具であって、前記ジョーピンの頭部を支持可能な頭部支持部と、前記ジョーピンの底部を支持するとともに、前記割ピンの頭部を支持可能な割ピン頭部支持部が形成された底部支持部と、該底部支持部の下方に設けられ、前記一対のピンに当接可能な突起部を有するとともに、前記突起部を前記一対のピンを互いに離反する方向に移動可能に構成された割ピン割部と、を備えていることを特徴としている。
【0008】
請求項2に記載した発明は、前記突起部が、前記ジョーピンに前記割ピンを挿通した状態から前記一対のピンを互いに離反する方向にそれぞれ30°ずつ移動可能に構成されていることを特徴としている。
【0009】
請求項3に記載した発明は、前記頭部支持部には、前記ジョーピンの頭部の形状に対応した凹部が形成されていることを特徴としている。
【0010】
請求項4に記載した発明は、前記割ピン割部が、前記ジョーピンに前記割ピンを挿通した状態における前記ピンの延設方向に移動可能に構成されており、前記一対のピンの長さが異なる割ピンの先端を、互いに離反する方向に移動可能に構成されていることを特徴としている。
【0011】
請求項5に記載した発明は、転てつ機の接続部に配される前記ジョーピンの脱落防止に用いられる前記割ピンの一対のピンを互いに離反する方向に移動可能に構成されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載した発明によれば、ジョーピンに割ピンを取り付ける際に、ジョーピンの頭部および底部を頭部支持部および底部支持部でそれぞれ支持するとともに、割ピンの頭部も割ピン頭部支持部で支持した状態にすることができるため、ジョーピンおよび割ピンの位置を固定した状態で割ピンを取り付けることができる。したがって、割ピンを効率よく取り付けることができる。
【0013】
請求項2に記載した発明によれば、ジョーピンから突出した割ピンの先端部分を所定の角度に開いて割ピンを取り付けることができるため、ジョーピンに対して確実に割ピンを取り付けることができる。
【0014】
請求項3に記載した発明によれば、凹部にジョーピンの頭部を嵌合することにより、ジョーピンをより確実に支持することができる。したがって、ジョーピンに割ピンを取り付ける際に、ジョーピンおよび割ピンの位置を確実に固定することができるため、割ピンを効率よく取り付けることができる。
【0015】
請求項4に記載した発明によれば、長さの異なる一対のピンを有する割ピンに対して、長さの長い一方のピンに突起部を当接して突起部を他方のピンに対して離反する方向に移動させることにより一方のピンを所定角度折り曲げることができ、その後に割ピン割部を移動させて長さの短い他方のピンに突起部を当接して突起部を一方のピンに対して離反する方向に移動させることにより他方のピンを所定角度折り曲げることができる。
【0016】
請求項5に記載した発明によれば、転てつ機の接続部にジョーピンおよび割ピンを取り付ける際に、周囲のロッド部材などには油が付着しているが、ジョーピンの頭部および底部を支持しながら割ピンを取り付けることができるため、割ピンを効率よく取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態における割ピン用工具の斜視図である。
【図2】本発明の実施形態における割ピン用工具の側面図である。
【図3】本発明の実施形態における頭部支持部の部分拡大図である。
【図4】本発明の実施形態における底部支持部および割ピン割部の部分拡大図である。
【図5】本発明の実施形態におけるジョーピンに割ピンを取り付ける手順を説明する図(1)である。
【図6】本発明の実施形態におけるジョーピンに割ピンを取り付ける手順を説明する図(1)である。
【図7】本発明の実施形態におけるジョーピンに割ピンを取り付ける手順を説明する図(2)である。
【図8】本発明の実施形態におけるジョーピンに割ピンを取り付ける手順を説明する図(3)である。
【図9】本発明の実施形態におけるジョーピンに割ピンを取り付ける手順を説明する図(4)である。
【図10】本発明の実施形態におけるジョーピンに割ピンを取り付ける手順を説明する図(5)である。
【図11】本発明の実施形態におけるジョーピンに割ピンを取り付ける手順を説明する図(6)である。
【図12】本発明の実施形態におけるジョーピンに割ピンを取り付ける手順を説明する図(7)である。
【図13】本発明の実施形態におけるジョーピンに割ピンを取り付ける手順を説明する図(8)である。
【図14】本発明の実施形態におけるジョーピンに割ピンを取り付ける手順を説明する図(9)である。
【図15】本発明の実施形態における割ピン用工具を用いて転てつ機のロッド部材の連結部に設けられたジョーピンに割ピンを取り付ける状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、本発明の実施形態を図1〜図15に基づいて説明する。
図1は割ピン用工具の斜視図であり、図2は割ピン用工具の側面図である。図1、図2に示すように、割ピン用工具10は、ジョーピン30の頭部31を支持する頭部支持部11と、ジョーピン30の底部32を支持する底部支持部12と、割ピン40の一対のピン41,42の先端部41a,42aを所望の方向へ割るための突起部35が形成された割ピン割部14と、を備えている。
【0019】
頭部支持部11と底部支持部12との距離は、把持部15により可変可能に構成されている。把持部15は、上側取手部17と下側取手部18とを有しており、上側取手部17と下側取手部18とはリンク機構28を介して連結されている。また、把持部15の上側取手部17と下側取手部18との間にロック部19が設けられており、頭部支持部11と底部支持部12との間にジョーピン30を支持した状態でロック部19を下側取手部側に押し下げることにより頭部支持部11および底部支持部12の位置を固定することができる。なお、再度ロック部19を上側へ押し上げるとロックが解除されるように構成されている。なお、把持部15は、例えばジュラルミンで形成されている。
【0020】
図3に示すように、頭部支持部11は、下面11aの先端部近傍にジョーピン30の頭部31を嵌合可能な凹部21が形成されている。また、頭部支持部11と把持部15の上側取手部17とは一体形成されている。さらに、頭部支持部11と上側取手部17との境界部には支点部22が形成されており、頭部支持部11と底部支持部12との間を連結するように形成された壁部24に支持されている。つまり、上側取手部17を上下方向に移動させることにより頭部支持部11は支点部22を介して上側取手部17とは逆方向に移動するように構成されている。なお、頭部支持部11は、例えばジュラルミンで形成されている。
【0021】
図4に示すように、底部支持部12は、上面12aの先端部近傍にジョーピン30の底部32を嵌合可能な凹部25が形成されている。また、凹部25における把持部15側の側面には、割ピン40の頭部43を嵌合可能な割ピン頭部支持部26が形成されている。底部支持部12と下側取手部18とは壁部24に設けられた支点部27において連結されている。なお、底部支持部12は、例えばジュラルミンで形成されている。
【0022】
さらに、底部支持部12の下方には、割ピン40の先端部41a,42aに当接可能な突起部35を有するとともに、突起部35を一対のピン41,42を互いに離反する方向に移動可能に構成された割ピン割部14が設けられている。割ピン割部14は、例えば鉄で形成されている。割ピン割部14は回転軸36を介して回転レバー37に連結されており、回転レバー37を水平面内方向に回転させることにより、突起部35を水平面内方向に回転させることができる。なお、回転レバー37は、例えばアルミニウムにより形成されている。
【0023】
なお、割ピン割部14には、底部支持部12から突出した突出部14aが形成されており、突出部14aの先端に突起部35が形成されている。また、突出部14aにおける突起部35の両側には突起部35の回転角度を規制する規制部38,38がそれぞれ形成されている。規制部38はその先端部38aが上方に折曲されており、突起部35を所望の角度(本実施形態では片側30°)回転させたときに、先端部38aが底部支持部12に当接して、それ以上突起部35が回転しないようになっている。つまり、規制部38の先端部38aが底部支持部12に当接するまで割ピン割部14を回転させることにより、常に割ピン40の先端部41a,42aを30°折り曲げることができる。
【0024】
次に、割ピン用工具10を用いて、電気転てつ機のロッド部材にジョーピンを取り付ける方法について説明する。
鉄道のレール沿いに配設されて、列車の進行方向を変更する電気転てつ機には、複数のロッド部材が配されている。これらのロッド部材はリンク機構の一部を成しており、連結する一対のロッド部材は、ジョーピン30を介して連結されている。このジョーピン30を一対のロッド部材に取り付ける方法について説明する。なお、電気転てつ機に用いるジョーピン30は、太さ(直径)22mm〜23mm、長さ720mmの大きさを有しており、頭部31は1辺190mmの矩形状に形成されている。また、割ピン40は、ピン41,42の厚さ5mm、長さ60mmの高強度のステンレス製であり、ピン41,42の先端は4mmの段差が形成されている。つまり、ピン41がピン42よりも4mm長く形成されている。
【0025】
まず、図5(a)に示すように、一対のロッド部材51,52の端部にそれぞれ形成された貫通孔53,54にジョーピン30を挿通する。このとき、図5(b)に示すように、ジョーピン30は頭部31が上側に位置し、底部32が下側に位置するように、一対のロッド部材51,52に対して上方から挿入する。なお、ジョーピン30の頭部31は貫通孔53,54よりも大きくなっている。
【0026】
続いて、図6に示すように、ジョーピン30の底部32側に形成された割ピン40用の挿通孔33に割ピン40を挿入する。なお、図6以降は、一対のロッド部材51,52の図示は省略している。
【0027】
続いて、図7に示すように、割ピン用工具10をセットする。具体的には、割ピン40の頭部43を底部支持部12の割ピン頭部支持部26に嵌合するように配置するとともに、ジョーピン30の底部32を底部支持部12の凹部25に嵌合するように配置する。
【0028】
続いて、図8に示すように、把持部15を作業者が握り、頭部支持部11を下方へ移動させて、頭部支持部11の凹部21にジョーピン30の頭部31が嵌合するまで移動する。なお、ジョーピン30の底部32は凹部25に嵌合された状態を保持している。
【0029】
続いて、図9に示すように、ジョーピン30の頭部31および底部32が支持された状態で、ロック部19を下側取手部18方向へ移動させることにより、頭部支持部11および底部支持部12の位置を固定する。
【0030】
続いて、図10に示すように、割ピン割部14の突起部35を割ピン40の一方のピン41の先端部41aに当接させる。
【0031】
図11に示すように、回転レバー37を反時計回りに回転させることにより一方のピン41をジョーピン30に対して折り曲げる。そして、割ピン割部14に形成された規制部38が底部支持部12に当接するまで回転レバー37を回転させる。ここで、一方のピン41は30°折り曲げられる。
【0032】
続いて、図12に示すように、回転レバー37を元の位置に戻して、突起部35の位置を元の位置に戻すとともに、図13に示すように、回転レバー37をジョーピン30から離反する方向(手前側)に引っ張って、突起部35が他方のピン42の先端部42aに当接するように配する。
【0033】
図14に示すように、回転レバー37を時計回りに回転さえることにより他方のピン42をジョーピンに対して折り曲げる。そして、割ピン割部14に形成された規制部38が底部支持部12に当接するまで回転レバー37を回転させる。ここで、他方のピン42は30°折り曲げられる。
【0034】
そして、ロック部19のロックを解除して、割ピン用工具10を取り外すことにより、ジョーピン30および割ピン40の取り付けが完了する。なお、図15が、実際に一対のロッド部材51,52をジョーピン30で連結し、ジョーピン30に割ピン40を取り付ける状態を示したものである。このように線路脇の砕石55上の狭い場所においても、割ピン用工具10を連結箇所に差し込むようにして、割ピン40を取り付けることができる。
【0035】
本実施形態によれば、ジョーピン30に割ピン40を取り付ける際に、ジョーピン30の頭部31および底部32を頭部支持部11および底部支持部12でそれぞれ支持するとともに、割ピン40の頭部43も割ピン頭部支持部26で支持した状態にすることができるため、ジョーピン30および割ピン40の位置を固定した状態で割ピン40を取り付けることができる。したがって、割ピン40を効率よく取り付けることができる。また、このような構成にすることにより、高強度の割ピンであっても、取り付けることができる。
【0036】
また、割ピン割部14に規制部38を形成したため、ジョーピン30から突出した割ピン40の先端部41a,42aを所定の角度(本実施形態では、それぞれ30°)に開いて割ピン40を取り付けることができるため、ジョーピン30に対して確実に割ピン40を取り付けることができる。なお、割ピン40をジョーピン30に対して60°開くことは鉄道会社の規定値として定められている。
【0037】
また、凹部21にジョーピン30の頭部31を嵌合することにより、ジョーピン30をより確実に支持することができる。したがって、ジョーピン30に割ピン40を取り付ける際に、ジョーピン30および割ピン40の位置を確実に固定することができるため、割ピン40を効率よく取り付けることができる。また、周囲に油などが付着していても、滑らずに確実にジョーピン30を固定することができる。
【0038】
また、突起部35が形成された割ピン割部14を、ジョーピン30に割ピン40を挿通した状態におけるピン41,42の延設方向に移動可能に構成したため、長さの異なる一対のピン41,42を有する割ピン40に対して、長さの長い一方のピン41に突起部35を当接して突起部35を他方のピン42に対して離反する方向に移動させることにより一方のピン41を所定角度折り曲げることができ、その後に割ピン割部14を移動させて長さの短い他方のピン42に突起部35を当接して突起部35を一方のピン41に対して離反する方向に移動させることにより他方のピン42を所定角度折り曲げることができる。
【0039】
さらに、転てつ機の接続部にジョーピン30および割ピン40を取り付ける際に、周囲のロッド部材などには油が付着しているが、本実施形態の割ピン用工具10は、ジョーピン30の頭部31および底部32を支持しながら割ピン40を取り付けることができるため、割ピン40を効率よく取り付けることができる。なお、転てつ機には複数のジョーピン30が配され、狭い場所にも多く取り付けられるが、本実施形態の割ピン用工具10は、そのような狭い場所においてもジョーピン30を支持しながら割ピン40を取り付けることができる。また、転てつ機の接続部に取り付けられるジョーピン30のように地表からの距離がないような箇所に取り付けられる場合にも割ピン用工具10は側方から差し込むようにしてジョーピン30を支持するため、問題なく割ピン40を取り付けることができる。したがって、作業効率を向上することができる。
【0040】
尚、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施形態に種々の変更を加えたものを含む。すなわち、実施形態で挙げた具体的な材料や構成等は一例にすぎず、適宜変更が可能である。
例えば、本実施形態では、転てつ機に設けられるジョーピンに割ピンを取り付ける場合の説明をしたが、これに限らずジョーピンおよび割ピンを用いる箇所に採用することができる。
【符号の説明】
【0041】
10…割ピン用工具 11…頭部支持部 12…底部支持部 14…割ピン割部 21…凹部 26…割ピン頭部支持部 30…ジョーピン 31…頭部 32…底部 35…突起部 40…割ピン 41…一方のピン(一対のピン) 42…他方のピン(一対のピン) 43…頭部 51…ロッド部材 52…ロッド部材
【技術分野】
【0001】
本発明は、割ピン用工具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、鉄道線路の分岐箇所には電気転てつ機が設置されている。一般的に、電気転てつ機には、トングレールに連結された鎖錠かんや分岐器の可動部を転換する動作かんなどのロッド部材が配されている。そして、それらロッド部材の連結部にはジョーピンが設けられ、連結する一対のロッド部材がジョーピンを中心に回動可能に支持されている。このジョーピンは、一対のロッド部材のそれぞれに形成された貫通孔に挿通し、ジョーピンの先端付近に形成された割ピン挿通孔に割ピンを挿通して、割ピンの先端を割ることにより支持している。
【0003】
ここで、割ピンの先端を割る工具として、特許文献1に記載の工具などが提案されている。この割ピン用工具は、本体の一端側に開閉可能に取り付けられ先端が互いに対向する内側に湾曲されて鋭角状の内端部を形成する一対の爪と、この一対の爪を常時閉状態に付勢するバネと、一対の爪による内側空間に位置し、内端部と対向する位置に割ピンの頭部と嵌合する位置決め用溝を設け、かつ割ピンを挿通させたピンの外周を受ける凹部を設けたガイド部と、本体の他端側に開閉可能に設けられる一対の把握用ハンドルと、把握用ハンドルにリンク機構を介して一端を連結し他端はガイド部に連結して把握用ハンドルの閉動作時リンク機構を介してガイド部を内端部に向けて移動させるガイド棒と、を備えたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭56−126588号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述の特許文献1の割ピン用工具は、割ピンを挿通するピン(本発明におけるジョーピン)を支持する構成になっていないため、作業性が悪いという問題がある。
【0006】
そこで、本発明は、上述の事情を鑑みてなされたものであり、割ピンを効率よく取り付けることができる割ピン用工具を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載した発明は、一対のロッド部材の接続部に配されるジョーピンの脱落防止に用いられる割ピンの一対のピンを互いに離反する方向に割るための割ピン用工具であって、前記ジョーピンの頭部を支持可能な頭部支持部と、前記ジョーピンの底部を支持するとともに、前記割ピンの頭部を支持可能な割ピン頭部支持部が形成された底部支持部と、該底部支持部の下方に設けられ、前記一対のピンに当接可能な突起部を有するとともに、前記突起部を前記一対のピンを互いに離反する方向に移動可能に構成された割ピン割部と、を備えていることを特徴としている。
【0008】
請求項2に記載した発明は、前記突起部が、前記ジョーピンに前記割ピンを挿通した状態から前記一対のピンを互いに離反する方向にそれぞれ30°ずつ移動可能に構成されていることを特徴としている。
【0009】
請求項3に記載した発明は、前記頭部支持部には、前記ジョーピンの頭部の形状に対応した凹部が形成されていることを特徴としている。
【0010】
請求項4に記載した発明は、前記割ピン割部が、前記ジョーピンに前記割ピンを挿通した状態における前記ピンの延設方向に移動可能に構成されており、前記一対のピンの長さが異なる割ピンの先端を、互いに離反する方向に移動可能に構成されていることを特徴としている。
【0011】
請求項5に記載した発明は、転てつ機の接続部に配される前記ジョーピンの脱落防止に用いられる前記割ピンの一対のピンを互いに離反する方向に移動可能に構成されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載した発明によれば、ジョーピンに割ピンを取り付ける際に、ジョーピンの頭部および底部を頭部支持部および底部支持部でそれぞれ支持するとともに、割ピンの頭部も割ピン頭部支持部で支持した状態にすることができるため、ジョーピンおよび割ピンの位置を固定した状態で割ピンを取り付けることができる。したがって、割ピンを効率よく取り付けることができる。
【0013】
請求項2に記載した発明によれば、ジョーピンから突出した割ピンの先端部分を所定の角度に開いて割ピンを取り付けることができるため、ジョーピンに対して確実に割ピンを取り付けることができる。
【0014】
請求項3に記載した発明によれば、凹部にジョーピンの頭部を嵌合することにより、ジョーピンをより確実に支持することができる。したがって、ジョーピンに割ピンを取り付ける際に、ジョーピンおよび割ピンの位置を確実に固定することができるため、割ピンを効率よく取り付けることができる。
【0015】
請求項4に記載した発明によれば、長さの異なる一対のピンを有する割ピンに対して、長さの長い一方のピンに突起部を当接して突起部を他方のピンに対して離反する方向に移動させることにより一方のピンを所定角度折り曲げることができ、その後に割ピン割部を移動させて長さの短い他方のピンに突起部を当接して突起部を一方のピンに対して離反する方向に移動させることにより他方のピンを所定角度折り曲げることができる。
【0016】
請求項5に記載した発明によれば、転てつ機の接続部にジョーピンおよび割ピンを取り付ける際に、周囲のロッド部材などには油が付着しているが、ジョーピンの頭部および底部を支持しながら割ピンを取り付けることができるため、割ピンを効率よく取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態における割ピン用工具の斜視図である。
【図2】本発明の実施形態における割ピン用工具の側面図である。
【図3】本発明の実施形態における頭部支持部の部分拡大図である。
【図4】本発明の実施形態における底部支持部および割ピン割部の部分拡大図である。
【図5】本発明の実施形態におけるジョーピンに割ピンを取り付ける手順を説明する図(1)である。
【図6】本発明の実施形態におけるジョーピンに割ピンを取り付ける手順を説明する図(1)である。
【図7】本発明の実施形態におけるジョーピンに割ピンを取り付ける手順を説明する図(2)である。
【図8】本発明の実施形態におけるジョーピンに割ピンを取り付ける手順を説明する図(3)である。
【図9】本発明の実施形態におけるジョーピンに割ピンを取り付ける手順を説明する図(4)である。
【図10】本発明の実施形態におけるジョーピンに割ピンを取り付ける手順を説明する図(5)である。
【図11】本発明の実施形態におけるジョーピンに割ピンを取り付ける手順を説明する図(6)である。
【図12】本発明の実施形態におけるジョーピンに割ピンを取り付ける手順を説明する図(7)である。
【図13】本発明の実施形態におけるジョーピンに割ピンを取り付ける手順を説明する図(8)である。
【図14】本発明の実施形態におけるジョーピンに割ピンを取り付ける手順を説明する図(9)である。
【図15】本発明の実施形態における割ピン用工具を用いて転てつ機のロッド部材の連結部に設けられたジョーピンに割ピンを取り付ける状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、本発明の実施形態を図1〜図15に基づいて説明する。
図1は割ピン用工具の斜視図であり、図2は割ピン用工具の側面図である。図1、図2に示すように、割ピン用工具10は、ジョーピン30の頭部31を支持する頭部支持部11と、ジョーピン30の底部32を支持する底部支持部12と、割ピン40の一対のピン41,42の先端部41a,42aを所望の方向へ割るための突起部35が形成された割ピン割部14と、を備えている。
【0019】
頭部支持部11と底部支持部12との距離は、把持部15により可変可能に構成されている。把持部15は、上側取手部17と下側取手部18とを有しており、上側取手部17と下側取手部18とはリンク機構28を介して連結されている。また、把持部15の上側取手部17と下側取手部18との間にロック部19が設けられており、頭部支持部11と底部支持部12との間にジョーピン30を支持した状態でロック部19を下側取手部側に押し下げることにより頭部支持部11および底部支持部12の位置を固定することができる。なお、再度ロック部19を上側へ押し上げるとロックが解除されるように構成されている。なお、把持部15は、例えばジュラルミンで形成されている。
【0020】
図3に示すように、頭部支持部11は、下面11aの先端部近傍にジョーピン30の頭部31を嵌合可能な凹部21が形成されている。また、頭部支持部11と把持部15の上側取手部17とは一体形成されている。さらに、頭部支持部11と上側取手部17との境界部には支点部22が形成されており、頭部支持部11と底部支持部12との間を連結するように形成された壁部24に支持されている。つまり、上側取手部17を上下方向に移動させることにより頭部支持部11は支点部22を介して上側取手部17とは逆方向に移動するように構成されている。なお、頭部支持部11は、例えばジュラルミンで形成されている。
【0021】
図4に示すように、底部支持部12は、上面12aの先端部近傍にジョーピン30の底部32を嵌合可能な凹部25が形成されている。また、凹部25における把持部15側の側面には、割ピン40の頭部43を嵌合可能な割ピン頭部支持部26が形成されている。底部支持部12と下側取手部18とは壁部24に設けられた支点部27において連結されている。なお、底部支持部12は、例えばジュラルミンで形成されている。
【0022】
さらに、底部支持部12の下方には、割ピン40の先端部41a,42aに当接可能な突起部35を有するとともに、突起部35を一対のピン41,42を互いに離反する方向に移動可能に構成された割ピン割部14が設けられている。割ピン割部14は、例えば鉄で形成されている。割ピン割部14は回転軸36を介して回転レバー37に連結されており、回転レバー37を水平面内方向に回転させることにより、突起部35を水平面内方向に回転させることができる。なお、回転レバー37は、例えばアルミニウムにより形成されている。
【0023】
なお、割ピン割部14には、底部支持部12から突出した突出部14aが形成されており、突出部14aの先端に突起部35が形成されている。また、突出部14aにおける突起部35の両側には突起部35の回転角度を規制する規制部38,38がそれぞれ形成されている。規制部38はその先端部38aが上方に折曲されており、突起部35を所望の角度(本実施形態では片側30°)回転させたときに、先端部38aが底部支持部12に当接して、それ以上突起部35が回転しないようになっている。つまり、規制部38の先端部38aが底部支持部12に当接するまで割ピン割部14を回転させることにより、常に割ピン40の先端部41a,42aを30°折り曲げることができる。
【0024】
次に、割ピン用工具10を用いて、電気転てつ機のロッド部材にジョーピンを取り付ける方法について説明する。
鉄道のレール沿いに配設されて、列車の進行方向を変更する電気転てつ機には、複数のロッド部材が配されている。これらのロッド部材はリンク機構の一部を成しており、連結する一対のロッド部材は、ジョーピン30を介して連結されている。このジョーピン30を一対のロッド部材に取り付ける方法について説明する。なお、電気転てつ機に用いるジョーピン30は、太さ(直径)22mm〜23mm、長さ720mmの大きさを有しており、頭部31は1辺190mmの矩形状に形成されている。また、割ピン40は、ピン41,42の厚さ5mm、長さ60mmの高強度のステンレス製であり、ピン41,42の先端は4mmの段差が形成されている。つまり、ピン41がピン42よりも4mm長く形成されている。
【0025】
まず、図5(a)に示すように、一対のロッド部材51,52の端部にそれぞれ形成された貫通孔53,54にジョーピン30を挿通する。このとき、図5(b)に示すように、ジョーピン30は頭部31が上側に位置し、底部32が下側に位置するように、一対のロッド部材51,52に対して上方から挿入する。なお、ジョーピン30の頭部31は貫通孔53,54よりも大きくなっている。
【0026】
続いて、図6に示すように、ジョーピン30の底部32側に形成された割ピン40用の挿通孔33に割ピン40を挿入する。なお、図6以降は、一対のロッド部材51,52の図示は省略している。
【0027】
続いて、図7に示すように、割ピン用工具10をセットする。具体的には、割ピン40の頭部43を底部支持部12の割ピン頭部支持部26に嵌合するように配置するとともに、ジョーピン30の底部32を底部支持部12の凹部25に嵌合するように配置する。
【0028】
続いて、図8に示すように、把持部15を作業者が握り、頭部支持部11を下方へ移動させて、頭部支持部11の凹部21にジョーピン30の頭部31が嵌合するまで移動する。なお、ジョーピン30の底部32は凹部25に嵌合された状態を保持している。
【0029】
続いて、図9に示すように、ジョーピン30の頭部31および底部32が支持された状態で、ロック部19を下側取手部18方向へ移動させることにより、頭部支持部11および底部支持部12の位置を固定する。
【0030】
続いて、図10に示すように、割ピン割部14の突起部35を割ピン40の一方のピン41の先端部41aに当接させる。
【0031】
図11に示すように、回転レバー37を反時計回りに回転させることにより一方のピン41をジョーピン30に対して折り曲げる。そして、割ピン割部14に形成された規制部38が底部支持部12に当接するまで回転レバー37を回転させる。ここで、一方のピン41は30°折り曲げられる。
【0032】
続いて、図12に示すように、回転レバー37を元の位置に戻して、突起部35の位置を元の位置に戻すとともに、図13に示すように、回転レバー37をジョーピン30から離反する方向(手前側)に引っ張って、突起部35が他方のピン42の先端部42aに当接するように配する。
【0033】
図14に示すように、回転レバー37を時計回りに回転さえることにより他方のピン42をジョーピンに対して折り曲げる。そして、割ピン割部14に形成された規制部38が底部支持部12に当接するまで回転レバー37を回転させる。ここで、他方のピン42は30°折り曲げられる。
【0034】
そして、ロック部19のロックを解除して、割ピン用工具10を取り外すことにより、ジョーピン30および割ピン40の取り付けが完了する。なお、図15が、実際に一対のロッド部材51,52をジョーピン30で連結し、ジョーピン30に割ピン40を取り付ける状態を示したものである。このように線路脇の砕石55上の狭い場所においても、割ピン用工具10を連結箇所に差し込むようにして、割ピン40を取り付けることができる。
【0035】
本実施形態によれば、ジョーピン30に割ピン40を取り付ける際に、ジョーピン30の頭部31および底部32を頭部支持部11および底部支持部12でそれぞれ支持するとともに、割ピン40の頭部43も割ピン頭部支持部26で支持した状態にすることができるため、ジョーピン30および割ピン40の位置を固定した状態で割ピン40を取り付けることができる。したがって、割ピン40を効率よく取り付けることができる。また、このような構成にすることにより、高強度の割ピンであっても、取り付けることができる。
【0036】
また、割ピン割部14に規制部38を形成したため、ジョーピン30から突出した割ピン40の先端部41a,42aを所定の角度(本実施形態では、それぞれ30°)に開いて割ピン40を取り付けることができるため、ジョーピン30に対して確実に割ピン40を取り付けることができる。なお、割ピン40をジョーピン30に対して60°開くことは鉄道会社の規定値として定められている。
【0037】
また、凹部21にジョーピン30の頭部31を嵌合することにより、ジョーピン30をより確実に支持することができる。したがって、ジョーピン30に割ピン40を取り付ける際に、ジョーピン30および割ピン40の位置を確実に固定することができるため、割ピン40を効率よく取り付けることができる。また、周囲に油などが付着していても、滑らずに確実にジョーピン30を固定することができる。
【0038】
また、突起部35が形成された割ピン割部14を、ジョーピン30に割ピン40を挿通した状態におけるピン41,42の延設方向に移動可能に構成したため、長さの異なる一対のピン41,42を有する割ピン40に対して、長さの長い一方のピン41に突起部35を当接して突起部35を他方のピン42に対して離反する方向に移動させることにより一方のピン41を所定角度折り曲げることができ、その後に割ピン割部14を移動させて長さの短い他方のピン42に突起部35を当接して突起部35を一方のピン41に対して離反する方向に移動させることにより他方のピン42を所定角度折り曲げることができる。
【0039】
さらに、転てつ機の接続部にジョーピン30および割ピン40を取り付ける際に、周囲のロッド部材などには油が付着しているが、本実施形態の割ピン用工具10は、ジョーピン30の頭部31および底部32を支持しながら割ピン40を取り付けることができるため、割ピン40を効率よく取り付けることができる。なお、転てつ機には複数のジョーピン30が配され、狭い場所にも多く取り付けられるが、本実施形態の割ピン用工具10は、そのような狭い場所においてもジョーピン30を支持しながら割ピン40を取り付けることができる。また、転てつ機の接続部に取り付けられるジョーピン30のように地表からの距離がないような箇所に取り付けられる場合にも割ピン用工具10は側方から差し込むようにしてジョーピン30を支持するため、問題なく割ピン40を取り付けることができる。したがって、作業効率を向上することができる。
【0040】
尚、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施形態に種々の変更を加えたものを含む。すなわち、実施形態で挙げた具体的な材料や構成等は一例にすぎず、適宜変更が可能である。
例えば、本実施形態では、転てつ機に設けられるジョーピンに割ピンを取り付ける場合の説明をしたが、これに限らずジョーピンおよび割ピンを用いる箇所に採用することができる。
【符号の説明】
【0041】
10…割ピン用工具 11…頭部支持部 12…底部支持部 14…割ピン割部 21…凹部 26…割ピン頭部支持部 30…ジョーピン 31…頭部 32…底部 35…突起部 40…割ピン 41…一方のピン(一対のピン) 42…他方のピン(一対のピン) 43…頭部 51…ロッド部材 52…ロッド部材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対のロッド部材の接続部に配されるジョーピンの脱落防止に用いられる割ピンの一対のピンを互いに離反する方向に割るための割ピン用工具であって、
前記ジョーピンの頭部を支持可能な頭部支持部と、
前記ジョーピンの底部を支持するとともに、前記割ピンの頭部を支持可能な割ピン頭部支持部が形成された底部支持部と、
該底部支持部の下方に設けられ、前記一対のピンに当接可能な突起部を有するとともに、前記突起部を前記一対のピンを互いに離反する方向に移動可能に構成された割ピン割部と、を備えていることを特徴とする割ピン用工具。
【請求項2】
前記突起部が、前記ジョーピンに前記割ピンを挿通した状態から前記一対のピンを互いに離反する方向にそれぞれ30°ずつ移動可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の割ピン用工具。
【請求項3】
前記頭部支持部には、前記ジョーピンの頭部の形状に対応した凹部が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の割ピン用工具。
【請求項4】
前記割ピン割部が、前記ジョーピンに前記割ピンを挿通した状態における前記ピンの延設方向に移動可能に構成されており、
前記一対のピンの長さが異なる割ピンの先端を、互いに離反する方向に移動可能に構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の割ピン用工具。
【請求項5】
転てつ機の接続部に配される前記ジョーピンの脱落防止に用いられる前記割ピンの一対のピンを互いに離反する方向に移動可能に構成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の割ピン用工具。
【請求項1】
一対のロッド部材の接続部に配されるジョーピンの脱落防止に用いられる割ピンの一対のピンを互いに離反する方向に割るための割ピン用工具であって、
前記ジョーピンの頭部を支持可能な頭部支持部と、
前記ジョーピンの底部を支持するとともに、前記割ピンの頭部を支持可能な割ピン頭部支持部が形成された底部支持部と、
該底部支持部の下方に設けられ、前記一対のピンに当接可能な突起部を有するとともに、前記突起部を前記一対のピンを互いに離反する方向に移動可能に構成された割ピン割部と、を備えていることを特徴とする割ピン用工具。
【請求項2】
前記突起部が、前記ジョーピンに前記割ピンを挿通した状態から前記一対のピンを互いに離反する方向にそれぞれ30°ずつ移動可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の割ピン用工具。
【請求項3】
前記頭部支持部には、前記ジョーピンの頭部の形状に対応した凹部が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の割ピン用工具。
【請求項4】
前記割ピン割部が、前記ジョーピンに前記割ピンを挿通した状態における前記ピンの延設方向に移動可能に構成されており、
前記一対のピンの長さが異なる割ピンの先端を、互いに離反する方向に移動可能に構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の割ピン用工具。
【請求項5】
転てつ機の接続部に配される前記ジョーピンの脱落防止に用いられる前記割ピンの一対のピンを互いに離反する方向に移動可能に構成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の割ピン用工具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2010−284730(P2010−284730A)
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−138162(P2009−138162)
【出願日】平成21年6月9日(2009.6.9)
【出願人】(399039719)東日本電気エンジニアリング株式会社 (30)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年6月9日(2009.6.9)
【出願人】(399039719)東日本電気エンジニアリング株式会社 (30)
【Fターム(参考)】
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