説明

力感知ポインティングデバイス

加わる力に比例してアナログ信号を発生する温度安定性があり、大量生産が可能なポインティングデバイス(10)はアーム(22)及び力伝達部材を有するアクチュエータ(20)と、コネクタ(44)と、センサ(50)とを備える。コネクタは力伝達部材のセンサとの接触状態を維持するとともに、外気温度の変化があってもセンサが検出してしまう応力を誘発することなく、外気温度の変化に応じて力伝達部材の寸法変化を許容する。好適な実施例においては、コネクタはエラストマー接着剤により構成し、センサは力感知レジスタによって構成する。力伝達部材は、シェルを構成するリテーナ(12)又は力伝達部材を保持するポッティングコンパウンドのいずれかによって組立体から抜け出るのを阻止するが、力伝達部材の温度膨張又は収縮を許容するものとする。力伝達部材は、丸みのある又は傾斜した底面(28)にし、加わった力の下でアクチュエータが揺動するようにする。力伝達部材の底面の力を伝達する領域はアクチュエータが揺動するにつれて変化し、力の変化に応答して位置が変化する単独の連続領域で力がセンサに伝達される。

【発明の詳細な説明】
力感知ポインティングデバイス技術分野 本発明は、電子装置のための力感知アナログユーザーインターフェース方法及び装置に関するものであり、特に、力感知ポインティングデバイスに関するものである。
発明の背景 ユーザーインターフェースは情報を電子装置に入力するのに使用される。例えば、ポインティングデバイス例えば、ジョイスティック、マウス、及びトラックボールを使用してカーソルをスクリーン上に位置決めするのが代表的である。マウス及びトラックボールは電気−機械的又は光学系を使用してボールの回転運動をカーソルの直線的移動に変換するのが一般的である。ジョイスティックは、ジョイスティックが特別な方向に移動するときを検出するディジタル接点スイッチのアレイを有するのが一般的である。
より洗練さりたアナログポインティングデバイスによっては、カーソル移動の速度及び方向を、ポインティングデバイスに加わる力の大きさ及び方向を感知することによって制御する。例えば、「Porta−Point」及び「Dura−Point」の登録商標名の下でカリフォルニア州カマリロのインターリンクエレクトロニクス(Interlink Electronics)社から市販されているポインティングデバイスを使用することによって、コンピュータオペレータは4個の力感知レジスタのアレイをカバーするエラストマーパッドを押す。このとき、カーソルはオペレータのタッチの方向及び圧力に対応する方向及び速度で移動する。
アーマチュア圧力感知パッドを有するポインティングデバイスはエルゴノミクス的には好ましいが、ジョイスティックは既に広く消費者に認知され受け入れられている。民生用電子機器において低コストで正確な力感知ジョイスティックを得ることが望ましい。力感知ジョイスティックは装置の加わった力の下で曲がる部分に取り付けた歪みゲージセンサを使用するのが代表的である。例えば、ルトレッジ及びセルカー氏等の国際特許出願PCT/US90/06831号(「Analog Input Device Located in the Primary Typing Area of a Keyboard」)には、組み合わせアルファベットキー/ジョイスティックに力が加わるとき曲がるカンチレバーアームに設けた歪みゲージセンサが記載されている。このような歪みゲージセンサは比較的高価であり、従って、このようなセンサを組み込んだポインティングデバイスを使用するコンピュータのコストは上昇する。
現在使用されている力感知ジョイスティックの他の欠点は、温度の影響を受ける点である。外気温が変化すると、ジョイスティック組立体の機械的部分は膨張したり、収縮したりする。この寸法的変化はジョイスティック組立体に対して力センサが検出してしまう応力を引き起こす。例えばブランデンブルグ氏等の米国特許第5,231,386号(「Keyswich-Integrated Pointing Assembly」)
には、組み合わせアルファベットキー/ジョイスティックを4個のパッド上に載置し、各パッドがセンサを動作させるようにした組み合わせアルファベットキー/ジョイスティックを記載している。このキー/ジョイスティックは堅固な緊締手段によってセンサとの接触状態を保持している。しかし、センサ内の応力は外気温の変化に応答して変化する。温度の影響を補正する補償手段はジョイスティックの構造を複雑にしかつコストを上昇させる。温度に対する不安定性の問題は広範囲の場所及び環境で使用される携帯用装置では深刻である。同様に、国際特許出願第PCT/US90/06831号に記載の歪みゲージ装置は、温度変化の影響を大きく受ける問題がある。
発明の開示 従って、本発明の目的は、低コストの力感知ユーザーインターフェース装置を得るにある。
本発明の他の目的は、広範囲の環境で使用する装置を得るにある。
更に、本発明の他の目的は、携帯用電子装置のユーザーインターフェースとして使用する装置を得るにある。
更に、本発明の他の目的は、コンピュータディスプレイ上のカーソルを制御する低コストの力感知ポインティングデバイスを得るにある。
本発明は、ポインティングデバイスを使用することによって電子装置に情報を入力する方法及び装置並びにポインティングデバイスを製造する方法である。本発明によるポインティングデバイスは加わった力に応答するアナログ電気信号を発生する。電気信号の大きさはディスプレイ上のカーソルの移動の方向及び速度に対応するのが一般的である。本発明は、一方の端部に力伝達部材を取り付けたアームを設けたアクチュエータを有する。力伝達部材は力センサに近接する位置でコネクタによって保持する。コネクタは力伝達部材を所定位置に維持するが、外気温の変化があってもセンサ出力に大きな影響を及ぼす力を発生することなく力伝達部材の寸法変化を許容する。
好適な実施例においては、コネクタはエラストマー接着剤とし、このエラストマー接着剤によって力伝達部材をセンサに保持する。コネクタのエラストマー特性により、アクチュエータのアームの僅かな変位量を許容しつつ、アクチュエータのセンサに対する接触を維持する。リテーナにより、アームの最大変位距離を制限し、従って、アクチュエータのコネクタからの分離を防止するが、外気温度の変動に応じたアクチュエータの寸法変化は比較的自由である。
オペレータがアームに力を加えるとき、力伝達部材はこれに応答して圧力を力センサに加える。好適な力伝達部材は丸みのある又は傾斜した底面を有し、アクチュエータが加わった力の下で僅かに揺動する。力伝達部材の底面の力を伝達する部分はアクチュエータが揺動するとき変化し、加わった力が変化するとき位置が変化する単一の連続領域を介して力がセンサに伝達される。センサは加わった力を電気信号の変化に変換する。電気信号は電子装置のカーソル移動又は他の変化に変換するのが一般的である。
本発明ポインティングデバイスはアクチュエータの最大変位距離が極めて僅かなものであり、従って、エルゴノミクス的に好ましいアイソメトリックポインティングデバイスに近づけることができる。本発明によれば、低コスト、小さい寸法、及び温度安定性を示すため、キーボードに使用するのに特に好適であり、キーボードにおいて、アルファベットキー間に配置しても、またアルファベットキーから離して配置しても、またアルファベットキーと組み合わせてもよい。
本発明の他の目的及び利点は以下の添付図面を参照した好適な実施例の詳細な説明から明らかになるであろう。
図面の簡単な説明図1は、本発明によるポインティングデバイスの好適な実施例の斜視図、図2は、図1のポインティングデバイスの分解斜視図、図3は、図1のポインティングデバイスの平面図、図4は、図3の4−4線上の断面を示し、力伝達部材の底部の曲率と、エラストマー接着剤、半導体層、及び導電層の厚さを誇張して詳細に示す断面図、図5は、本発明によるアクチュエータの他の実施例の断面図、図6は、説明を簡単にするため或る詳細部分は省略して或る動作条件を仮想線で例示するアクチュエータの説明図、図7は、ポインティングデバイス内にアクチュエータを保持する異なる補助ホイールを使用した本発明による他の好適な実施例のポインティングデバイスの斜視図、図8は、図7のポインティングデバイスの平面図、図9は、図8の9−9線上の断面であり、力伝達部材の底部の曲率と、エラストマー接着剤、半導体層、及び導電層の厚さを誇張して詳細に示す断面図、図10は、或るアルファベットキー間に位置決めした本発明によるポインティングデバイスを有するキーボードの部分平面図、図11は、本発明によるポインティングデバイスをアルファベットキーから離れた位置決めしたキーボードの部分平面図である。
好適な実施例の詳細な説明 図1〜図6は、本発明による好適な実施例のポインティングデバイス10を示す。図1〜図4に示すように、ポインティングデバイス10は、アクチュエータ20を部分的に包囲する保持シェル12を有する。アクチュエータ20は、一方の端部に先端部24を設け、他方の端部に力伝達部材26を設けたアーム22を有する。アーム22は、断面直径32を有する円筒形形状とする。力伝達部材26は、底面の曲率半径34と高さ36に特徴があるアーチ型底面28を有する球形セグメントの形状とする。アーム22は保持シェル12の孔40を貫通し、部分的にキャップ42でカバーし、このキャップ42はユーザーの指に摩擦を生ずる接触表面にする。力伝達部材26はエラストマー接着剤44によって力センサ50に取り付ける。好適な力センサ50は、4個の力感知レジスタ51のアレイを有し、このアレイはセンササブストレート52、半導体層54、及び指組パターンの導体56とにより構成する。(図4には、曲率半径34を誇張して示し、従って、ポインティングデバイス10の他の構成部材は縮尺通りには描いていない。)センササブストレート52は2個の取付フランジ60を有し、各取付フランジ60には、ポインティングデバイス10をキーボードのような装置に取り付けるための第1取付孔62と、シェル12から突出する取付フィンガ66を収容してサブストレート52を固定する第2取付孔64を設ける。センササブストレート52には、更に、ポインティングデバイス10をホストデバイスに電気的に接続するための5個の接点72を有する接続フランジ70を設ける。5個の接点72は、4個の力感知レジスタ51の各1個のための接点と、1個の共通接点であり、これら接点72を使用して各力感知レジスタ51の指組みパターンの導体56間に電圧を加える。
ユーザーは、ポインティングデバイス10を手で指向性のある力74(図6参照)を先端部24にキャップ42(図6には示さない)を介して加える。力74によりアクチュエータ20を底面28上で揺動させようとするトルクを生ずる。
休止状態にあるアクチュエータ20の位置で決まる基準軸線79に対してアーム22が僅か角度にわたり移動するとき、先端部24は最大変位距離80よりも小さい又は等しい距離にわたり変位し、力伝達部材26は圧力をエラストマー接着剤44を介してセンサ50に加える。エルゴノミクス的理由により、最大変位距離80はゼロに近似するかゼロに等しくするのが好ましい。
ポインティングデバイス10は感度パラメータによって特徴付けられ、この感度パラメータは加える力74の方向及び大きさの変化に応答する装置10の電気的出力の変化として定義される。ポインティングデバイス10の感度は、センサ50の感度及びアクチュエータ20の形状に依存する。底面が平坦な即ち、無限大の曲率半径34を有する力伝達部材26を設けたアクチュエータ20は、ゼロに近似する最大変位距離80を有するが、感度が低くなる。比較的小さい半径34を有するアクチュエータ20は感度が良好であるが、最大変位距離80が大きくなりすぎる。
力伝達部材26の形状は、アーム22の変位距離を最小にしかつポインティングデバイス10の感度を最大化するよう最適化することができる。好適な実施例の力伝達部材26は、アーム22の断面直径32の20倍〜30倍間の値に等しい曲率半径34を有する湾曲底面28にする。たとえば、或る一つの実施例としては、アーム22の断面直径32を0.125インチ(3.2mm)とし、底面の曲率半径34を約8.0インチ(20.3cm)とする。好適な力伝達部材26の幅は約0.370インチ(9.40mm)、厚さ0.030インチ(0.76mm)とし、アーム22の長さは約0.375インチ(9.5mm)とする。
このような設計によれば、最大変位距離80が極めて小さい感度のよいポインティングデバイス10を得ることができ、エルゴノミクス的に好ましいアイソメトリックなポインティングデバイスに近づけることができる。
図5は、傾斜面86を有する平坦底面85にした力伝達部材84を設けたアクチュエータ82を示す。好適な傾斜角度88は1°〜2°の間の値とし、傾斜面86は、底面の中心と力伝達部材84の端縁との間の距離の約1/4の位置を起点とする。底面85には更に、多重斜面又は平坦領域、傾斜領域及び丸み付き領域の組み合わせにすることができる。
力74(図6参照)をアーム22に加えるとき力伝達部材26の底面28はエラストマー接着剤44及び力センサ50上で僅か揺動し、底面28の一部を変化させ、力をセンサ50に伝達し、センサ50に加わる力の位置及び大きさを変化させる。個々の力感知レジスタ51によりセンサ50に加わる力の大きさ及び位置を検出する。或る実施例では、センサ50に、4個の力感知レジスタ51よりなる円形アレイを設け、各力感知レジスタ51のそれぞれは90°の円形セグメントとして構成する。互いに対向する力感知レジスタ51の対の出力を、例えば、微分増幅器を使用して比較し、力74の二次元成分を決定する。当業者にとっては明らかな適当な回路により、力感知レジスタ51からの電気信号を使用して力74の下向き成分を決定し、従って三次元の力の測定を行うことができる。
センサ50の他の構成を適当な既知の可能に使用して力74の一次元的、又は二次元的、又は三次元的成分を決定することができる。例えば、120°の円形セグメントとして構成した3個の力感知レジスタ51の円形アレイを使用して、二次元又は三次元の力を測定することができる。2個又は1個の力感知レジスタ51を有する構成を使用し、一次元又は二次元の力を測定することができる。
力74は、単独の連続的領域90に伝達され、この領域90の位置及び寸法は加わる力が変化するにつれて変化する。このような力伝達機構により、従来技術の力伝達機構よりも感度及び制御性を向上させる。丸みのある又は傾斜した底面28の第1部分はセンサ50内に押し込まれまたセンサ50を圧縮し、この第1部分に対向する第2部分はセンサ50から持ち上がり、従って、エラストマー接着剤44にテンションを生ずる。加わる力が変化するにつれて位置が変化する回動ポイント78により第1部分と第2部分とを分離する。アクチュエータ20の揺動は、張力が力伝達部材26をエラストマー接着剤44から釈放しない程度の僅かなものにする。
保持シェル12はアーム22の最大変位距離80を規定する。即ち、孔40はアーム22の所定の変位距離量のみ可能にする程度の大きさであるためである。
エラストマー接着剤44から浮いてしまうようなアクチュエータ20の過度の変位は阻止される。例えば、アーム22の断面直径が0.125インチ(3.18mm)孔40の直径92(図4参照)が約0.142インチ(3.61mm)の実施例の場合、アーム22と保持シェル12との間の環状ギャップ94の幅が、0.008インチ(0.203mm)〜0.009インチ(0.229mm)となる。
エラストマー層44と内部頂面96との間の空間は内部高さ100を規定する。内部高さ100は力伝達部材26の高さ36よりも僅かに大きく、従って、アクチュエータ20が加わる力74に応答して揺動するギャップ102を小さくする。ギャップ102は、大きな力をセンサ50に発生させるような外部制限力なしに、温度変化に応じてアクチュエータ20を膨張したり、収縮したりする。好適な実施例において、ギャップ102は約0.020インチ(0.508mm)
の幅とする。ギャップ102は、アクチュエータ20の角度運動を制限することによって、アクチュエータ20がエラストマー接着剤44から離れることがないよう十分小さくする。
好適なアクチュエータ20はグラスファイバを充填したポリカーボネートから製造する。エラストマー接着剤44は適当な接合強度を有し、力伝達部材26を僅か揺動させることができしかもアーム22が移動するときに接合部に破断を生じない十分な弾性を有するものとする。好適なエラストマー接着剤44は、ミネソタ州ミネアポリスの3M社から市販されているVHB接着剤により、厚さが約0.005インチ(0.127mm)の層として構成する。センサ50は、例えば、エベントッフ氏の米国特許第4,489,302号(「エレクトロニック プレッシャ センシティブ フォース トランスデューサ(Electronic Pressure Sensitive Force Transducer)」に記載のような、カルフォルニア州カマリロのインターリンク エレクトロニクス社から市販されている4個のゾーンを有する力感知レジスタにより構成するとよい。好適な実施例においては、4個の力感知ゾーンは、図2に示すように連続的にするか又は実質的にオーバーラップさせるかする。他の力センサ例えば、歪みゲージ又は圧電変換器を使用することもできる。
図7、図8、及び図9には本発明による他の実施例のポインティングデバイス108を示し、このポインティングデバイス108は、保持シェル12を使用する代わりに、保持リング110とポッティングコンパウンド112を使用する。
保持リング110はポッティングコンパウンド112を収容するのに使用する。
このポッティングコンパウンド112は、アクチュエータ20の温度変化に応じた膨張又は収縮を大幅に制限することがなく、従って、異質な力がセンサ50によって記録されないようにするに十分柔らかいものとする。ポッティングコンパウンド112は、更に、アクチュエータ20の僅かな角度運動を阻止しない十分な柔らかさにする。
ポッティングコンパウンド112は、しかし、アーム22の最大角度変位を制限し、従って、アクチュエータ20がエラストマー接着剤44から分離するのを阻止するようにする。ポッティングコンパウンド112は、更に、エラストマー接着剤44と力伝達部材26との間の接合力が一時的に無効になり、アクチュエータ20がポインティングデバイス10から抜け出るのを防止する。好適な実施例のポッティングコンパウンドとしては、例えば、イリノイ州インディアナポリスのEMS社から市販されているエレクトロニクスグレードのシリコンコンパウンドがある。
ポインティングデバイス10,108はコンピュータキーボードの内蔵ポインティングデバイスとして使用するのに好適である。環境上の安定性から、ポインティングデバイス10,108は特に変化する環境で動作する携帯用コンピュータに使用するのに好適である。センサ50のための力感知レジスタを使用することによって、特に大量生産に適合することができる安価でありかつ安定した力感知ポインティングデバイスとなる。
図10は、キーボード116のアルファベットキー114間に位置決めしたポインティングデバイス10を例示する。図11は、アルファベットキー114から離してキーボード120のスペースバー118の反対側に配置したポインティングデバイス10を示す。ポインティングデバイス10はアーム22を変更し、またキャップ42の代わりにキーキャップを使用することによってアルファベットキー114のうちの1個に組み込むこともできる。この場合、センサ50の出力は、他のキー例えば、ALTキーと同時に押し下げられたか否かに基づいて、アナログ力又はデジタルキーが入力されるとき中断するようにする。代案としては、キーにキーストロークを記録する別個の機構を組み込み、所定の条件例えば、キーが押し下げ条件に維持されているときにのみアナログ力センサとして作用するようにすることができる。
上述したところは、本発明の好適な実施例を説明したに過ぎず、請求の範囲において種々の変更を加えることができること勿論である。例えば、本発明はカーソル制御装置として述べたが、装置の出力はカーソル位置以外のパラメータを変化させるのに使用することができる。例えば、本発明装置は、多数の選択肢をスクロールしたりオーディオ装置のピッチを変化させたりするのに使用することができる。アクチュエータの形状は上述のものとは別のものに変化させることができる。従って、本発明の範囲は以下の請求の範囲によってのみ決定されるべきである。

【特許請求の範囲】
1.第1端部及び第2端部を有するアームと、 前記アームの第2端部に取り付けた力伝達部材と、 前記アームの前記第1端部に加わる力を検出し、アームを介して力伝達部材に伝達する力センサと、 前記力センサと力伝達部材との間に位置決めし、前記力伝達部材を前記力センサに取り付けるエラストマー接着剤と を備えたことを特徴とするポインティングデバイス。
2.前記力伝達部材を前記ポインティングデバイス内に取り付けるリテーナを設けた請求項1記載のポインティングデバイス。
3.リテーナが前記アームの第1端部の変位距離を制限して、前記アームの第1端部は変位距離に特徴があるものとした請求項2記載のポインティングデバイス。
4.前記リテーナをシェルとした請求項2記載のポインティングデバイス。
5.前記リテーナをポッティングコンパウンドとした請求項2記載のポインティングデバイス。
6.前記センサを力感知レジスタとしたとした請求項1記載のポインティングデバイス。
7.前記センサを圧電センサとした請求項1記載のポインティングデバイス。
8.前記力伝達部材の底面を湾曲底面とした請求項1記載のポインティングデバイス。
9.前記力伝達部材の底面を傾斜底面とした請求項1記載のポインティングデバイス。
10.前記力伝達部材は、アーム部材の断面直径の20倍〜30倍の半径を有するものとして構成した請求項2記載のポインティングデバイス。
11.第1端部及び第2端部を有するアームと、前記アームの第2端部に取り付けた力伝達部材とを有するアクチュエータと、 前記アームの第1端部に加わる力を検出して前記アームを介して前記力伝達部材に伝達する力センサと、 前記力伝達部材の前記力センサに対する接触を維持し、かつ前記力センサに大きな力が加わらないように前記アクチュエータの膨張及び収縮を可能にするコネクタと を備えたことを特徴とするポインティングデバイス。
12.前記コネクタを、前記力センサと前記力伝達部材との間に位置決めしたエラストマー接着剤により構成した請求項11記載のポインティングデバイス。
13.前記力伝達部材が前記エラストマー接着剤から分離するのを阻止するリテーナを更に設けた請求項11記載のポインティングデバイス。
14.前記アームの第1端部の変位距離が前記リテーナによって制限されるように構成した請求項13記載のポインティングデバイス。
15.ユーザーによって加わる力を受けるアームと、 前記アームからの力を伝達するよう連結した力伝達部材と、 前記力伝達部材からの力を受けてこの力を対応する電気信号に変換するセンサと を備え、前記力伝達部材により、力の変化に応答して位置が変化する単一の連続領域で力を前記センサに伝達する構成としたジョイスティック。
16.前記センサは力感知レジスタとした請求項15記載のデョイスティック。
17.前記力感知レジスタは、4個の力感知レジスタのアレイの一部を構成するものとした請求項16記載のジョイスティック。
18.前記力伝達部材の底面は湾曲した底面とした請求項16記載のジョイスティック。
19.前記力伝達部材の底面を傾斜した底面とした請求項16記載のジョイスティック。
20.アルファベットキーのセットと、請求項1記載のポインティングデバイスを備えたことを特徴とするキーボード。
21.前記ポインティングデバイスを、前記アルファベットキーを分離する空間に位置決めした請求項20記載のキーボード。
22.前記ポインティングデバイスを前記アルファベットキーから離して位置決めした請求項20記載のキーボード。
23.スクリーン上のカーソルの動きを制御する方法において、 力をアームに加え、 前記アームからの力を前記アームに取り付けた力伝達部材に伝達し、前記力伝達部材を介してこの力伝達部材を保持するエラストマー接着剤に伝達し、次にセンサに伝達し、 前記力を感知し、 前記力に対応する電気信号を発生する ことよりなることを特徴とするカーソル制御方法。
24.カーソル制御装置を製造する方法において、 センサを設け、 前記センサに隣接するようエラストマー接着剤を位置決めし、 力伝達部材及びアームを有するアクチュエータを前記エラストマー接着剤に付着させ、 前記アームの変位を制限するリテーナを位置決めする ことよりなることを特徴とするカーソル制御装置製造方法。

【図1】
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【図7】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表平9−507315
【公表日】平成9年(1997)7月22日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平7−516994
【出願日】平成6年(1994)12月13日
【国際出願番号】PCT/US94/14577
【国際公開番号】WO95/16975
【国際公開日】平成7年(1995)6月22日
【出願人】
【氏名又は名称】インターリンク エレクトロニクス インコーポレイテッド