説明

加圧された内容物を含む容器のアクチュエータ、及び加圧された内容物の噴霧方法

本発明は、加圧されている容器又はポンプを有する容器の内容物を噴霧する噴射装置用のアクチュエータ(1)であって、その一側には前記容器内の加圧された前記内容物を吸入するべく前記容器の吐出口(19)に接続可能なチャネルを備え、該チャネルは前記アクチュエータ(1)の他側に前記内容物を噴霧するための噴射口(11)を備え、前記チャネルは容量チャンバーを備え、前記噴射口(11)は前記容量チャンバー(71)の吐出口を形成し、前記噴射口(11)は自身を開閉するためのバルブを有し、該バルブは少なくとも一つの付勢手段によって閉位置に付勢されており、前記アクチュエータ(1)は前記容器から前記チャネル及び前記容量チャンバー(71)へ前記内容物を流入させるよう構成された作動手段をさらに備えるアクチュエータに関する。前記作動手段は、該作動手段が作動された場合に、前記バルブを前記閉位置に留めるよう前記バルブに掛かる付勢力を減衰させるため、前記付勢手段と結合することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加圧されている容器又はポンプを有する容器の内容物を噴霧する噴射装置のアクチュエータであって、アクチュエータの一側には前記容器内の加圧された内容物を吸入するべく該容器の吐出口に接続可能なチャネルを備え、アクチュエータの他側には、該チャネルに接続可能な内容物を噴霧するための噴射口を備えた、アクチュエータに関する。本発明はまた、アクチュエータと前記容器との組立品、ならびに該容器内の加圧された内容物を噴霧する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
これに関しては、噴霧される流体で満たされたエアゾール缶、容器又はバッグインボックスが想起されよう。この流体は気体の場合も液体の場合もある。流体が液体の場合、粘性のある液体も使われる。本出願において「流体」とは、クリーム状、ペースト状、ジェル状、粉末の物質及びそれらから調製可能な混合物を意味する。既知の例としては霧化した液体、整髪料、消費材などを噴霧するエアゾール缶が挙げられる。容器には加圧された圧縮気体、好ましくは空気又は窒素のような不活性推進剤と混合された、噴霧用の流体が収容されている。混合物質とは、同一の容器内に含まれた少なくとも二種の物質からなるものを指す。
【0003】
本発明は、特に、空気又は不活性ガス、あるいは二酸化炭素、窒素化合物などの推進剤と、噴霧用の流体とが混合されて充填されている容器に使用されるアクチュエータに関する。
【0004】
アクチュエータの噴射口は、推進剤と流体との混合物を噴霧するよう構成されている。アクチュエータのチャネルは、内容物を容器の吐出口から噴射口に向かって流動させるよう、噴射口に接続されている。
【0005】
米国特許第5、624、055号に、加圧されている容器又はポンプを有する容器の内容物を吐出し噴霧する装置が開示されている。容器の吐出口に、アクチュエータが噴射ヘッドとして接続されている。アクチュエータは、それに摺動可能に取り付けられたシャッターに接続されたスイッチを有する。シャッターは噴射口を閉鎖するものである。アクチュエータは噴射口を開くようにシャッターと直接連結されており、開くことによってアクチュエータ内を流れる内容物が噴霧される。
【0006】
公知の装置、特に、空気又は不活性推進剤混合物を含む容器に用いる公知のアクチュエータの問題点は、特に付着性の高い製品乃至流体、例えばヘアスプレーやラッカーなどがアクチュエータの内外、特に噴射口付近を閉塞することである。従来のシステムにおいては、この問題は環境に有害な他の推進剤を用いることで回避されている。
【0007】
米国特許第5、158、215号は、噴射口に直接接続された容量チャンバーを有するアクチュエータを開示している。アクチュエータは容器に取り付けられている。チャネルは容器の吐出口に接続されている。アクチュエータが容器の方向へ押圧されると、クリーム状の物質が容器からチャネルに向かって流出する。チャネルは、噴射口を閉じるよう付勢されている可動体を収容する容量チャンバーに接続されている。流出した物質はチャンバーに流入しその結果圧力が蓄積される。圧力は緩慢に増大し噴射口を閉じている一定の付勢力を凌駕するに至る。また、このアクチュエータは物質を噴霧せずに吐出するのにも適している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の第一の側面における目的は、噴霧される物質の閉塞を解決することにある。第二の側面においては、本発明は改良された噴霧パターン、特に、容器の内容量の多少に関わらず一定な噴霧パターンを有するアクチュエータを提供する。これはスピッティングのような既知の問題も含む。第三の側面においては、アクチュエータは例えば空気や窒素のような、非汚染物質の推進剤を採用している。
【0009】
上記の及び他の目的の少なくとも一つは、請求項1に記載のアクチュエータによって達成される。休止状態では噴射口は閉じられている。付勢手段がバルブを閉じている。しかし作動によって付勢力は減衰する。それにより、バルブはより容易に開放可能となる。好ましくは、バルブ乃至噴射口に直接接続された容量チャンバー内に圧力が蓄積されることにより、バルブ乃至噴射口が急激で爆発的な開放に至る。本発明によれば、バルブ乃至噴射口は作動によって直接開くのではなく、閉じようとする付勢力の減衰に伴い、間接的に開くのである。作動に伴って、内容物が容器からアプリケータへと流入する。
【0010】
また、噴射口を閉じようとする付勢力の減衰又は消失により、バルブ乃至噴射口を比較的少ない力で開くことが可能となる。このようなバルブ乃至噴射口を開く力は、容器内の圧力が低い場合でも、内容物の流動から取得できる。米国特許第5、158、215号とは異なり、付勢力を低下させられるので、非作動状態では付勢力を受けて堅固に閉鎖できるバルブが使用できることになる。付勢力は比較的強くてもよい。作動によって付勢力が減衰又は消失し、その結果また、容器内の圧力が低下した場合でもアプリケータの使用が可能となる。米国特許第5、158、215号は、容器内の圧力が低い場合は使用不能である。
【0011】
米国特許第5、158、215号とは異なり、容量チャンバー内の圧力は、噴射口を開くためにごくわずかしか上昇させる必要がない。噴射口は一気に開く。
【0012】
内容物のアプリケータへの流入は、好ましくは作動とほぼ同時に起こる。噴射口のバルブは直ぐには開かれないので、内容物の流動は容量チャンバー内で少なくとも限定された時間にわたって阻止され、当該チャンバー内に圧力が蓄積される。このため、ついにバルブが開放された後、例えば容量チャンバー内の圧力が閾値、例えば大気圧より所定量高い圧力に達した後、内容物はバルブ出口から噴出する。閾値圧力は、容量チャンバー内と大気圧とのごく微小な圧力差としてよい。
【0013】
加圧下にあった内容物が噴射口から噴出することにより、スピッティング現象は防止又は低減される。噴射口は、作動後に内容物が直接導入される容量チャンバーに直接接続されているので、またバルブは直接開かれるのではないため(作動に続いて、付勢力の減衰乃至消失が起こる)、その後バルブは圧力蓄積の後に開放される。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明による噴射装置用のアクチュエータは容量チャンバーを備える。容量チャンバーはアクチュエータ内のチャネル(channel)の一部をなす。容量チャンバー内には、容器の内容物を導入可能である。好ましくは、噴射口は容量チャンバーの吐出口を形成する。チャネル内の容量チャンバーは、噴射口の直近の上流側に位置する。容量チャンバーの内容物が流出可能となると、内容物は噴射口から噴霧乃至噴射される。噴射口はアクチュエータの交換可能な部品であってよい。好ましくは、噴射口は、噴霧用の物質が噴射口を通過して流出する際に渦流を形成するよう渦巻部を備えている。
【0015】
好ましい実施形態によれば、噴射口は当該噴射口もしくは容量チャンバーの吐出口を開閉するバルブを有する。これにより容量チャンバー内に圧力を蓄積することが可能となる。好ましい実施形態では、バルブは付勢手段によって閉位置の方に付勢されており、アクチュエータが休止状態にあるときに物質がチャネルを通って流出するのを阻止している。付勢手段はまた、作動が終了した後にバルブを閉じる。
【0016】
バルブは、容量チャンバー内の圧力が閾値圧力に達した時点でバルブを開放するため、圧力センサ要素と連結されているのが好ましい。これによって、容量チャンバー内で噴射口から直接上流側方向に圧力が蓄積されるようになる。圧力が閾値に達した後に初めて、噴射口は内容物を噴霧するために開く。この間の遅延によって、ユーザーが噴霧を開始したいときに内容物が緩慢に噴霧され始めるのを防止することができる。噴射口における圧力は、容量チャンバー内の増加圧力に相当する所期の増加圧力に一気に到達する。
【0017】
噴射口バルブを含む従来のシステムは、噴霧動作の開始から直接操作される。アクチュエータ自体は噴射口の開口部に直接連結されている。本発明では、このような直接結合を採用していない。本発明では、噴射口が開く前に容量チャンバー内で圧力を蓄積することが可能である。
【0018】
アクチュエータの噴射口の近傍で圧力を直接蓄積することにより、アクチュエータ内の付着製の高い物質がスピッティングを起こしてその後の使用に支障をきたすことを防止できることがわかっている。噴射口自体がバルブで閉じられるので詰まりが防止され、作動後の空気の吸入も阻止される。
【0019】
ある実施形態では、噴射口を閉じる付勢手段は所定の力又は閾値圧力に相当する力で付勢するよう設定されている。閾値圧力は、例えば0.5〜20ato、好ましくは1〜12atoに相当する。この圧力が容量チャンバー内で蓄積されると、バルブが開放される。
【0020】
ある実施形態では、バルブは閉じるように付勢されているので、圧力の低下があると、例えば、ユーザーが噴霧動作を終了した結果、すなわち物質の流露を通じての流動が停止する作動終了時に、噴霧動作は直ちに停止される。ある実施形態では噴射口は、それに隣接する容量チャンバー内の圧力が閾値圧力を下回ると、直ちに閉じられる。これにより、ユーザーが噴霧を終了した直後に噴射口において最終圧力が低下することが防止される。噴射口乃至アクチュエータは閉状態及び開状態をとり得る。
【0021】
噴霧又は吐出動作は、ユーザーがアクチュエータを押圧することで開始され、このとき容器の吐出口が開く。アクチュエータ自体は、容器から物質の流動を開始させたり停止する手段を持つ必要はない。容器の内容物はチャネルを通ってアクチュエータの導入口に流入し、容量チャンバー内に導入される。すると圧力が蓄積される。圧力の蓄積は検知されており、圧力が閾値に到達すると噴射口を閉じているバルブが開く。噴射口は容量チャンバーの吐出口でもある。
【0022】
圧力センサ要素は、バルブを開くための制御部に接続された電気機器であってもよい。圧力素子はまた、閾値圧力に到達した場合に付勢を解くよう、バルブを閉じる付勢手段と接続してもよい。
【0023】
好ましい実施形態においては、噴射口を閉じている付勢手段はアクチュエータが作動すると減衰する。作動手段は付勢手段と連結されている。作動により、付勢力は減衰するか消失する。好ましくは、作動の結果として内容物が容器から流出し、チャネルを通って容量チャンバー内へと流入する。これにより直ちに、容量チャンバー内で圧力が蓄積される。その初期では、噴射口は依然バルブで閉じられている。作動が行われない休止状態では、付勢手段がバルブ乃至噴射口を閉じている。作動により、バルブに掛かる付勢力は少なくとも減衰し、又は消失する。例えば容量チャンバー内で閾値圧力に到達した場合、バルブは一気に開く。バルブに掛かる付勢力が減衰又は消失しているため、この閾値圧力は、例えば米国特許第5、158、215号の方式で噴射口を開くために必要な圧力に比べ、相当低い。容量チャンバー内の圧力は大気圧より高いので、スピッティングは起こらないか、起こってもわずかである。
【0024】
好ましい実施形態では、容量チャンバーは拡張可能な容量チャンバーである。容量チャンバーの少なくとも一面の壁がアクチュエータに移動可能に取り付けられているので、容量を増加させることができる。別の実施形態では、容量チャンバーは、少なくとも一つの弾性変形可能な可撓性の壁を有する。これによって、容量チャンバーは非拡張時の容積を小さくできる。作動後、比較的少量の流入で圧力が蓄積できる。容量チャンバーの導入口から吐出口までの容積は20mm未満が好ましく、より好ましくは10mm未満さらには5mm3未満、理想的には3mm未満が望ましい。
【0025】
圧力センサ要素は拡張可能な容量チャンバーと接続するのが有利である。これにより、圧力センサ要素は拡張を検知することができる。拡張は容量チャンバー内での圧力蓄積に呼応して起こるので、ある特定レベルまでの拡張は、バルブを開閉させる閾値圧力への到達と符合する。バルブの開放が起こる所定の拡張度を検知するため、アームを圧力センサに取り付けてもよい。
【0026】
好ましくは、圧力センサ要素は外表面を有し、その外表面は拡張可能な容量チャンバーの可動な壁を構成している。この壁が一定量以上移動することは、例えば当該表面乃至壁に掛かる付勢力を凌駕して移動することは、容量チャンバー内で閾値圧力に達したことを示している。
【0027】
好ましい実施形態では、バルブは実質上直ちに、噴射口を完全に開くよう構成されている。高速シャッターを採用してもよい。これにより、容量チャンバー内で蓄積された圧力は噴射口が開くや、直ちにそこを通じて解放される。
【0028】
バルブを閉じている付勢手段は、拡張可能な容量チャンバーを非拡張状態に保つための付勢手段と同じ手段であるのが好ましい。この付勢手段は、好ましくは拡張可能な容量チャンバーの壁に取り付けられている。
【0029】
また、付勢手段を拡張可能な容量チャンバーの可動な壁に取り付け、当該壁を、容量チャンバーの非拡張時の位置に向けて付勢してもよい。容量チャンバーはそれによって、非拡張時の位置へ付勢される。
【0030】
好ましい実施形態では、バルブはアクチュエータ内に移動可能に配置されたピストン本体を有するピストンを備え、該ピストンはアクチュエータ内に収容され連結されている。ピストンは噴射口まで延びており、閉じられた乃至付勢された状態では噴射口を塞いでいる。休止又は待機状態では、非拡張時の容量チャンバーの容積は従来製品より相当小さい。
【0031】
さらなる実施形態における付勢手段は、ピストンを、噴射口を閉鎖する位置へと付勢するよう構成されている。この付勢手段は例えば板バネのようなバネ手段であってよい。バネはアクチュエータに取り付けてもよく、アクチュエータ内に収納してもよい。別の実施形態では、付勢手段は一定の圧力を有するガスシリンダでもよい。
【0032】
アクチュエータがユーザーによって作動されると、好ましくは、少なくともバルブの付勢手段、及び好ましくは拡張可能な容量チャンバーの壁の付勢手段が、解放されるか弱められる。作動後、バルブを閉じている付勢力は減衰するか、ゼロにまで低下する。これによりバルブは、例えば閾値圧力への到達によって、一気に開くこととなる。
【0033】
好ましくは、ピストンが、容量チャンバーの非拡張時の位置にあり、バルブは付勢力からは解放されているが閉じている、という状態が生まれるのがよい。作動されると、容量チャンバー内の圧力が増加する。ピストンはほぼ摩擦なしてアクチュエータ内に進入するのが好ましい。付勢手段からの解放後は、ピストンをその位置にとどめているのはのみである。蓄積された圧力が慣性モーメントを凌駕し、同時に容量チャンバーを拡張させてバルブを開く。さらなる好ましい実施形態では、導入口のサイズも同時に縮小される。
【0034】
ピストンを、圧力センサ要素をも形成するよう構成するのが好ましい。ピストンは、例えば、容量チャンバーの可動壁を形成する。容量チャンバー内の圧力が閾値まで蓄積されると、ピストン本体が動く。一つの実施形態では付勢手段は依然ピストンと連結されており、この閾値には付勢手段の影響が織り込まれている。
【0035】
好ましくは、ピストンは、ピストン本体から延出して噴射口を閉じるバルブを形成するピンを有するのがよく、こうすればピストン先端が連動的に動き、閾値圧力に到達した場合に噴射口を開くことができる。
【0036】
ピストン本体は容量チャンバー内に収容されている。ピストン本体はピストンに接続され、容量チャンバーが拡張すると移動する。可撓性の要素、好ましくはOリングがピストン本体に取り付けられている。ピストン本体は導入口を通って移動する。可撓性の要素は部品的に導入口に進入して導入口の一部を塞ぎ、導入口の大きさを縮小する。
【0037】
少なくとも一つの、及び/又は他の目的は、導入口がチャネルと容量チャンバーとを連結しており、噴射口はそれを開閉するためのバルブを有し、該バルブは付勢手段により閉位置に付勢されており、前記導入口はその容量チャンバーに対する導入口サイズを縮小する導入口縮小手段を有するアクチュエータであって、前記導入口縮小手段は可撓性の要素を含むことを特徴とする、アクチュエータによって達成される。可撓性の要素、好ましくは導入口の壁を形成するOリングは、例えば米国特許第5、158、215号における構造物のリングよりも高い可撓性を有する壁部品である。当該部品もしくはOリングの可撓性は、導入口のサイズを速やかに変更し、容量チャンバー内により安定した圧力をもたらすものである。導入口のサイズは速やかに調節できる。それによりさらに、容量チャンバー内の圧力が安定し、噴射口からのスピッティング現象が低減される。
【0038】
一つの実施形態では、ピストン本体の表面の一つは容量チャンバーの壁を形成し、前記表面は容量チャンバーが閉じられた状態にあるときその内部へ好ましくは自由に進入し、ピストンは前記表面に対し好ましくは鋭角をなして移動する。表面の寸法及び付勢手段が及ぼす力は、噴射口を開くために必要な閾値に相当する。
【0039】
さらには、アクチュエータが、前記ピンを噴射口に導くための案内手段を備えるのが好ましい。これにより、容量チャンバー内の圧力が閾値より低下した場合に、ピンは元の閉位置に正しく復帰することができる。
【0040】
アクチュエータは、噴射口の開閉に連動して、あるいは独立して、導入口のチャネルに対する、また好ましくは容量チャンバーに対するサイズを縮小するための導入口縮小手段を備えるのが好ましい。前記導入口閉鎖手段は、噴射口が開いている状態では、導入口のチャネル乃至容量チャンバーに対するサイズを小さくするのが好ましい。導入口を小さくすることにより、容量チャンバー内の圧力が低下する。このため容量チャンバー内の圧力が容器の圧力より小さくなる。このような圧力低下と、さらにはアクチュエータ内の圧力制御によって、より良い噴霧パターンが得られる。導入口の縮小によって、アクチュエータと容器とのセット全体の圧力が安定するが、これは欧州特許第1,200,322号により公知であり、引用により本明細書に組み入れられる。
【0041】
好ましくは、圧力センサ要素は導入口を縮小する導入口縮小手段に接続されている。好ましくは、導入口のサイズが縮小される。縮小動作は、容量チャンバーと同一の閾値圧力でも、異なる圧力と連動するものでもよい。
【0042】
別の実施形態では、アクチュエータは、噴射口が閉じた状態にあるとき、好ましくは開状態から閉状態への移行時に、導入口の容量チャンバーに対するサイズを拡大する導入口拡大手段を備える。当該拡大手段は、付勢手段又は二次的付勢手段に連結してもよい。
【0043】
一つの実施形態では圧力センサ要素は、容量チャンバー内の圧力が閾値に到達すると導入口のサイズを拡大する導入口拡大手段に連結されている。
【0044】
好ましくは、本発明によるアクチュエータは、少なくともバルブを閉じ、好ましくは容量チャンバーの拡張を阻止ないしは縮小させる第一の付勢手段を備える。好ましくは第一の付勢手段は、作動後は無力化又は減衰するのがよい。このような第一の付勢手段は、ピストンを休止位置にとどめるよう働く。アクチュエータはまた、導入口の縮小を制御するべく、好ましくはピストンに対しても作用可能な第二の付勢手段を備える。好ましくは第二の付勢手段は、ピストンを付勢力から解放された状態においた後に初めて、ピストンに作用する。これによりピストンは、容量チャンバー内に圧力が蓄積された後、一気に開くことができる。このようにして、二段式付勢方法が実現される。
【0045】
第二の付勢手段は、容量チャンバーの導入口の閉じるのを阻止するように力を加える。好ましくは第二の付勢手段は、非線形の弾性手段である。好ましくは、弾力のある材料をディスク状に形成した付勢手段が用いられる。このような付勢手段は非線形の特性を有する。
【0046】
好ましくは、ピストンはディスクの開口部に収容される。このような付勢手段は、密閉手段としても機能する。ピストンのディスクに対し密着して係合し、例えば内容物の漏洩を防ぐ。
【0047】
好ましくは、ディスクはアクチュエータのハウジング内に収容され固定されている。好ましくはディスクは、ハウジング内に収容され先端が付勢方向に向いた円錐形を形成するよう配置されている。これにより第二の付勢手段は急峻な、好ましくは指数関数的弾性力を有する特性を好適に取得する。
【0048】
容量チャンバーに対する導入口は、ピストン本体と、アクチュエータの壁の内面(好ましくは環状の内面)と、の間のチャネル内に、形成するのが有利である。これによってピストン本体を、閉状態から開状態への移行時、あるいはその逆の場合の使用において導入口の面積を拡大したり縮小したりするのに用いることが可能となる。
【0049】
好ましくは、平坦なシールやOリングのようなシールがピストンに取り付けられており、好ましくはOリングであるシールは、容量チャンバーが開いた状態にあるときその導入口を縮小するよう構成されている。導入口の壁を形成しているOリングは、例えば米国特許第5、158、215号による固形リング体よりも可撓性の高い壁材である。Oリングの可撓性によって、導入口のサイズ変更が速やかに行われ、容量チャンバー内に安定した圧力を形成することが可能となる。Oリングの可撓性は、容量チャンバー内での急速な圧力変化を緩和する。このことは、スピッティング現象の低下にもつながる。
【0050】
Oリングはピストン本体上に取り付けられているのが好ましい。ピストン本体は好ましくは円形である。Oリングの付いたピストン本体は容量チャンバー内へと延びている。ピストンに圧力が加えられると、ピストンは容量チャンバーから出てOリングが導入口のサイズを縮小する。好ましくは、ピストン及びOリングの動く範囲は、Oリングが導入口を完全に塞いでしまわないように制限されている。
【0051】
Oリングは、ハウジング部品及び/又はピストンに使用されている硬質プラスティックよりも可撓性の高い材料で形成されている。Oリングはその可撓性のゆえに、急激な圧力変化、特に局所的な圧力変化に順応できる。またこの可撓性により、基本的には円環状である導入口が、局部的に異なった形状をとることができる。さらに、アクチュエータの使用時にスピッティングを防止することができる。
【0052】
Oリング及びアクチュエータの壁は導入口縮小手段を構成する。Oリングはアプリケータに移動可能に取り付けられているので、導入口を縮小又は拡大する第一の主たる適応手段となる。Oリングと共にピストン全体を動かすことは、導入口全体のサイズ乃至面積に影響する。Oリングの可撓性のゆえ、全体的なサイズを縮小又は拡大する必要はなく、Oリングを屈曲させることで局部的に適応が可能である。作動後に、容器からチャネル及び容量チャンバーへ流入する内容物の圧力が何らかの理由で増加した場合、可撓なOリングは増大した圧力に即座に順応できる。局部的な圧力密度の差にも、適応が可能である。
【0053】
アプリケータが休止時のOリングの位置と作動時の圧力制御位置間の距離に基づいて、アプリケータへの流入量を測定できることが解った。これは、ピストンのOリングより前の部品が容量チャンバー内に進入している距離に相当する。ピストンが容量チャンバー内に多く進入するほど、Oリングが休止時の位置から、導入口が縮小され内容物の流量が減少する作動位置までの移動距離が短くなる。別の実施形態では、導入口を拡大するよう働いている第二の付勢手段は異なっていてもよい。付勢力を大きくした場合、導入口はより大きく開き、流量を増加させることができる。本発明によれば、どのような流量にも適応可能である。Oリングと第二の付勢手段とで、ある程度安定した流量を得ることができる。
【0054】
好ましい実施形態では、噴射口の断面積は容量チャンバーの導入口の断面積の5分の1より小さい。このため、アクチュエータは、容器からの圧力解放を限定的に制御可能である。容器内の圧力は段階的に低下する。第一のステップでは圧力は、容量チャンバー内の閾値圧力に近い圧力まで低下する。噴射口が小さいため、容量チャンバーの圧力から大気圧へと、さらに圧力が低下する。これらの圧力低下ステップによって、容器内の圧力の強さとは無関係に良好で安定した噴霧パターンを実現することが可能となる。
【0055】
さらに別の側面では、アクチュエータは少なくとも一つのアクチュエータフードと、アクチュエータフードに収容可能な、噴射口及びチャネルの導入口を有する第一の部品と、該第一の部品に収容可能な、導入口から噴射口へのチャネルを形成する第二の部品と、該第二の部品に収容可能なピストンと、を備える。これらの部品は射出成型法により製作できる。その他の部品はそれぞれのカバーの内部に収容可能である。
【0056】
別の実施形態では、アクチュエータフードは噴射口及びチャネル導入口を備える。
【0057】
さらに、アクチュエータは、第二の部品に収容可能な、ピストン本体に係合してピストンに噴射口を閉じるように付勢するバネをロックする、第三の部品を備えてもよい。バネはピストン本体のフランジ、好ましくはピストン本体から外側へ延びるフランジの円周部に係合し、バネはピストン本体を取り巻くコイルバネとしてもよい。
【0058】
本発明はまた、加圧されている容器の吐出口に接続されたアクチュエータを含む、加圧されている容器とアクチュエータとの組立品に関する。容器は加圧された内容物を充填可能であるか、圧力を発生させるポンプを有する。容器の吐出口は開くことができる。加圧された内容物は、好ましくは空気や窒素のような流体、あるいは他の好適な、毒性のない推進剤と共に流動する。容器の吐出口は、アクチュエータを介してチャネルに通じるアクチュエータ導入口に接続されている。チャネルはアクチュエータ導入口と、混合内容物を噴霧する噴射口との間を連通している。
【0059】
本発明はまた、容器の内容物を噴霧する方法であって、加圧された内容物を含む容器又はポンプを有する容器を用い、加圧された内容物を容量チャンバーに流入させ、容量チャンバー内に圧力を蓄積し、容量チャンバー内が閾値圧力に到達した後に、内容物を噴霧する噴射口として形成された容量チャンバーの出口を開くことを含む方法に関する。この方法によれば、閾値圧力で、又はそれに近い圧力で噴霧を行うことができ、良好な噴霧パターンが確保でき、噴霧用のアクチュエータ上で内容物が詰まることを抑制できる。
【0060】
好ましくは、バルブにかかる付勢力は作動後に消失するか減衰する。しかしながらバルブは、作動によって開くのではない。閉位置の方向に全く、又はわずかしか付勢されていないバルブは、容量チャンバー内に流入する流動内容物の作用によって、好ましくは容量チャンバー内に圧力を蓄積することによって、開くことが可能である。閾値圧力に到達後、バルブは一気に開くことができ、それゆえスピッティングを低減できる。米国特許第5、158、215号とは異なり、バルブを閉じようとする付勢力の低下により、バルブ乃至ピストンが急激に開くことが可能である。
【0061】
好ましくは、容量チャンバーは、その内部に内容物が流入することによって拡張する。容量チャンバーの壁が、それ自身を拡張させるように可動であることが好ましい。好ましくは壁及び/又は容量チャンバーは非拡張の状態に付勢されている。好ましくは、容量チャンバーの可動壁は、拡張によって噴射口が開放されるように構成されている。
【0062】
好ましい実施形態では、噴射口の開放と容量チャンバーの拡張とは同時に起こる。この目的のため、一体に形成されているのが好ましい。
【0063】
好ましくは、上記方法は容量チャンバーへの導入口を縮小することを含む。
【0064】
容量チャンバーの拡張が、導入口のサイズの縮小、好ましくは容量チャンバーへの導入口のサイズの縮小を引き起こす構造とするのが有利である。このことによって、容量チャンバー内への流入が抑制され、容量チャンバー内の圧力が低下する。この目的のため、一体に形成されているのが好ましい。
【0065】
本発明はまた、流体を噴射するためのアプリケータに使用するガスケットに関する。ガスケットは弾性を有する材料で形成されている。ガスケットはアクチュエータや容器の一部の可動部品の周囲に設けられる。ガスケットには開口部が設けられている。ガスケットは、中心に穴を有するディスク形状とするのが好ましい。ガスケットは、部品、特にピストン、が動く方向に対して、鋭角に又は斜めに配置されている。ガスケットはピストンを特定の位置に抑止する付勢手段として機能する。ガスケットは、Oリングと例えばバネとの組み合わせの代替手段となる。ガスケットは付勢手段及び密閉手段の双方を兼ねている。このようなガスケットはさまざまな用途に適用できる。このようなガスケットを付勢手段として用いることで、別個の部品であるOリングとバネとを組み合わせる必要がなくなる。
【0066】
本発明はさらに、作動のための面を有し、一側に導入口、他方の側に吐出口を有する第二の部品を収容可能な第一の部品を備え、前記吐出口は噴射口を含み得るアプリケータに関する。前記第二の部品は第三の部品を収容するスペースを有する。第二の部品と第三の部品の間には、容量チャンバーが形成され、前記噴射口は容量チャンバーの吐出口である。
【0067】
さらに、ピストンが第三の及び/又は第二の部品内に収容可能かつ可動である。ピストンは容量チャンバーの可動壁も構成し、容量チャンバーは拡張可能である。付勢手段が、ピストンを容量チャンバーが非拡張のときの位置に付勢するハウジング部品のいずれにも、接続可能である。好ましくは、第三のハウジング部品は、第二の部品の導入口と容量チャンバーとを結ぶチャネルを備える。好ましくは、ピストンは噴射口のバルブを形成する先端部を有する。
【0068】
第三のハウジング部品とピストンとの間に、第二の付勢手段が設けられてもよい。第二の付勢手段を制限するため、第四のハウジング部品を用いてもよい。ピストンの動きを制限するため、第四のハウジング部品を用いてもよい。第四のハウジング部品は、第三の及び/又は第二のハウジング部品を収容するスペースを閉鎖するために用いてもよい。
【0069】
本発明によるアクチュエータは、異なるハウジングを互いの内部に固定可能な固定手段を備える。これにより、アクチュエータの迅速で容易な組み付けが可能となる。異なるハウジング部品は互いの内部に収容されるので、アクチュエータは簡単に組み立てられる。好ましくは、接続部を固定するためクリック方式を採用するとよい。部品は射出成型法で製作することができる。そのため、ハウジング部品をわずかな公差で製作可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0070】
以下、本発明を好ましい実施形態により開示する。当業者はしかし、添付の請求項によってのみ定義される本発明の範囲内で実施形態のさまざまな変更が可能であることを理解するであろう。例えば、おそらくは容量チャンバーの拡張やピストンの動きと関連付けられた導入口の縮小に関して、部品的な適用も可能である。
【0071】
本発明をさらに、図面に基づき説明する。
【0072】
図1は、第一の実施形態によるアクチュエータの各要素を示す。アクチュエータは、物質を噴霧する容器の上部に装着するよう構成されたアクチュエータフード1を有する。アクチュエータフード1は、アクチュエータと物質を噴霧又は霧化する容器とのセットを作動するためユーザーが押圧可能な押圧部2を有する。
【0073】
アクチュエータフード1は、射出成型法を用いて製作される。フード1は開口部3を有し、ここに物質を噴霧する噴射口が収容可能である。フードもしくはキャップ1は容器の上部に取り付け可能で、同様の環状の容器の上部に嵌め込み可能なように、スナップ式又はクランプ式の環状部4が形成されている。環状部4の内側には、クランプ用のフランジ5が形成されている。フード1と容器について、他の断面構造もあり得る。当業者には、アクチュエータを対応する容器に取り付ける方法は周知である。
【0074】
アクチュエータフード1は可撓性を有するプラスティックで形成されている。他の材料を用いてもよい。フード1は、アクチュエータの他の部品を収容できるよう、基本的に中空構造となっている。
【0075】
第一の部品10は、フード1の内部に収容されるように、フード1の内壁に対応する外壁を有する。第一の部品10は部品13内の小さな穴で形成された噴射口11を有する。部品13は、製造時に噴射口の断面形状を変更するために、互換性の部品としてもよい。部品13を別々に用いることによって、第一の部品10を量産しつつ、なおかつ異なった形状の噴射口11を形成することができる。部品13は、第一の部品13の開口部14内に固定される。部品13は略円環状の断面を有する。
【0076】
別の実施形態では、部品13は部品10と一体に形成されている。
【0077】
アプリケータ内側では噴射口の近傍に、多数のほぼ放射状のチャネル(図示せず)が噴射口の周囲に形成されている。これらのチャネルは噴射される流体に渦運動を起こさせ、より良好な霧化もしくは噴霧状態を生む。噴射口11はそこに進入しているピン41で構成されるバルブにより直接閉じられており、また噴射口を閉じるとチャネルには全く空気が供給されないため、これらのチャネルが詰まることはない。
【0078】
第一の部品10は、図1の他の要素と同様、断面図で示されている。この断面では、開口部16が、第一の部品16の内部スペース17と導入口スペース18とを連通させている。導入口スペース18は、容器の吐出口19を収容可能なスペースを含む。導入口スペース18の断面は吐出口19の断面と合致する。吐出口19は、エアゾール缶の上部に配置された周知の押しボタンを有する。吐出口19は、吐出口を開閉するための閉鎖バルブを備えてもよい。閉鎖バルブは、セットされた状態で、ユーザーがアクチュエータを押し下げるか、アクチュエータフード1の押圧部2を横向きに押すと、開かれる。
【0079】
図1では省略されている容器もしくはパッケージは、多くの場合液体である流体で部品的に満たされている。この流体が、噴射用の物質に相当する。容器の内部スペースは、例えばその85%を液体で満たすことができる。内部スペース10の残りの部品には、例えば窒素のような不活性ガスが存在する。この不活性ガス又は他の推進剤によって、押しボタン乃至アクチュエータが作動されたとき、液体を吐出口19から噴射するための高い圧力が容器の内部スペースに発生する。
【0080】
吐出口19は矢印20で示すごとく、液体と気体との混合物をその上部から噴射する。混合物はスペース18の上部に形成された、第一の部品10の導管21に収容される。そこから、混合物は導入口の開口部16へと流れる。
【0081】
第一の部品10はさらに、その上端部及び下端部に形成された二つの収容スペース25、26を備える。これらの収容スペースは、後に詳述するように板バネ27を保持するためのものである。
【0082】
内部スペース17には、第二の部品30が収容可能である。第二の部品30は射出成型法で製作できるが、他の製作方法を用いてもよい。
【0083】
第二の部品30は、主としてピストン40を導く手段として設計されている。第二の部品と第一の部品とが合体して、本発明による容量チャンバーが構成される。
【0084】
第二の部品30は、外部から内部スペース33につながる導管32を有する。第二の部品30は、第一の部品10の内壁に係合し密閉する突出部31を有する。
【0085】
第二の部品30は、ピストン先端部34を導く手段を有する。この手段はピストン先端部41を収容可能な開口部35を有する。開口部35は、組み付け時には噴射口11に向かうよう形成されたトンネルを含む。
【0086】
ピストン40は第二の部品30の内部スペース37及びスペース33に収容される。ピストン先端部41はスペース33及び開口部35の内部へ進入する。ピストンは、いずれも好ましくは円環状の断面を有する二つのOリング42、43を備える。ピストンは完全に円柱状でもよい。
【0087】
シール材、ここではOリング42は、ピストン本体の円環状の溝44に嵌め込まれている。ピストンのピン41は溝44より先端側に延びている。
【0088】
Oリング43は、ピストン40の側面部47の周囲にクランプされている。Oリング43はピストン40が第二の部品30に収容された場合に、スペース33とスペース37とを密閉するためのシール材である。Oリング43は第二の部品30の領域36に収容される。
【0089】
部品30の内部スペースにピストン40を収容しているスペース37に、コイルバネ50及びカバー51が収容可能である。カバー51は、部品30の溝38にはまり込んで第二の部品30内にカバー51をスナップ式に固定するための突出部52を有する。
【0090】
バネ50は、ピストン40本体を取り巻くように配置され、ピストンを矢印55のとおり噴射口11の方向へと付勢する。バネ50はピストンの周縁部48と係合する。
【0091】
別の実施形態では、バネ50はもっと短い。ピストン40は第一の付勢手段である板バネ27のみで、閉位置乃至休止位置に付勢されている。作動後に板バネ27は離れたところで屈曲し、付勢力は消失する。するとピストンが矢印55のとおり、ほぼ自由に移動可能となる。
【0092】
ピストン後端部49はカバー51の開口部54を通って延びている。板バネ27は、この端部に係合し、一つの、あるいはより好ましい実施形態では唯一の、ピストンを矢印55の方向に付勢する付勢手段を構成する。バネ50は、バルブを閉じておくための付勢手段である。好ましい実施形態では、バネ50は噴射口を閉じるための付勢手段ではなく、後述するように、容量チャンバーの導入口64が閉じるのを阻止するためだけの付勢手段である。
【0093】
板バネ27はバルブを閉位置の方向に付勢する。バネ50は、容量チャンバーを非拡張時の状態に付勢することも可能である。板バネ27はユーザーが押圧部2に力を加えた場合に屈曲し、ピストンが矢印55の方向に動くことが可能となる。ユーザーによる作動により、付勢手段27によるピストンに掛かる付勢が直ちに消失する。
【0094】
ユーザーがアクチュエータ1の押圧をやめた場合、板バネは直ちに、ピストンを噴射口に押し付けることによってバルブを閉じる。バネ50は閉じられた状態を直接保持するが、時間的には作動後のことである。板バネ27が及ぼす力は、噴射口を閉じたり、ピストンを容量チャンバー71の非拡張時の位置に動かすのに必要な力の何倍にも相当する。
【0095】
図2は、アクチュエータフードが容器の吐出口19上に置かれて組み付けられた状態を示す。以下、アクチュエータ内に形成されたチャネルすなわち導管について説明する。
【0096】
容器の内容物は吐出口19から噴射口11へ導かれる。内容物はまず、スペース21に流入し導入口16へ導かれる。
【0097】
図2に示すように、突出部31が、導入口16から右側への流動を阻んでいる。量産時の公差によって、第一の部品10及び第二の部品30のように二つの成型部品を用いた密閉部品の製造が可能である。
【0098】
本実施形態では、内容物は第二の部品30の周囲の、第一の部品10の内壁で囲まれた隙間60を通ってのみ、流動できる。
【0099】
開口部60は、第二の部品30の開口部32に連通している。内容物は開口部32からピストン40と第二の部品30との間の導入口64を通って進行できる。導入口64はピストンの側面63と突出部65により画定され、第二の部品30の内部へと延びている。
【0100】
導入口64は、ピストン本体40の周囲で突出部65との間で、円環状に延びている。仮にピストンが矢印70のようにわずかに左右に動いたとしても、導入口64の元の容積は不変である。
【0101】
ピストン40は、アクチュエータの中央部分を密閉する。流体がスペース37に進入しようとしても、Oリング43がピストン40と係合しており、流体の通路は閉ざされている。
【0102】
流体は、導入口64から、ピストン40及びOリング42の周囲に形成され、第二の部品30及び第一の部品10に収容された容量チャンバー71に流入できる。噴射口11の周囲の壁は、左側の壁を構成する。第二の部品30のもう一つの突出部31は部品10と係合し、これら二つの部品間の流体の通路を密閉する。
【0103】
作動中は、図3に示すとおり、容量チャンバーは完全に満たされる。そして圧力蓄積が起こる。
【0104】
ピストン40は容量チャンバー内へと延びている。ピストンピン41は噴射口11の案内手段35の内部へ延びている。噴射口11はピストン先端部により閉じられている。すなわちピストン先端部は噴射口内に収容されている。
【0105】
ピストン40はピストンピン41の周囲に円環状の表面72を有し、アクチュエータ内に矢印70の方向に可動に取り付けられているので、容量チャンバー71内での圧力蓄積により、バネ50と板バネ27で又は板バネ27のみで構成された付勢手段に逆らって、前記の表面72に圧力が加わる。これらの(この)バネはピストンを噴射口の方向に、すなわち噴射口を閉じるように付勢している。
【0106】
バネはピストンに力を及ぼしている。表面72の表面積に発生するこの力は、バネによる付勢力を凌駕するのに必要な閾値圧力に相当する。容量チャンバー71内の圧力が閾値圧力に到達すると、ピストン70は矢印70にしたがって動き、ピストンピン41を噴射口11から引き抜き、噴射口が開く。ピストンピン41は、噴射口を開閉するためのバルブとして機能する。
【0107】
別の実施形態では、電気機器のような圧力センサ要素を用いることができる。圧力シリンダや他の可撓性の材料など、別の付勢手段を採用してもよい。ばねは、速い反応が得られるので好ましい。本発明による噴霧パターン及び利点は噴射口が速やかに開き、容量チャンバー71に導入された流体を直ちに流出させることにより、好適に達成できる。図示した実施形態におけるバルブは、爆発的な開放を可能とするタイプである。バルブは高速シャッターで代用してもよい。
【0108】
噴射口を開閉するバルブの、特に容量チャンバーの吐出口をも開くバルブの爆発的な特性は、従来技術によるアクチュエータにおける噴霧動作の開始時と終了時に見られた、流体の「スピッティング現象」を抑制する。
【0109】
従来技術とは異なり、ここでは付勢手段とピストンとで具現されている圧力センサ要素は、外部からの作動に反応するのではなく、容量チャンバーの所定の閾値圧力への到達にのみ反応する。本発明によれば、バルブ乃至噴射口は作動により直接開くものではない。
【0110】
閾値圧力は、大気圧に比べごくわずかだけ大きい圧力で事足りる。ピストンにかかる付勢力が減衰又は消失した場合、ピストンはアクチュエータ内でほぼ自由に移動可能である。作動後、容量チャンバーに流入する流体がもたらすわずかな圧力蓄積が、ピストンを動かし、容量チャンバーを拡張させる。圧力蓄積は、ピストンを動かし容量チャンバーを拡張させるのに必要な小さな慣性によって起こる。圧力蓄積と容量チャンバーの拡張とが協働して、バルブ乃至噴射口の開放手段を構成している。
【0111】
ここでは筒状のバネ50で実現されている第二の付勢手段は、容量チャンバー71の導入口64が拡張したときしか、作動の必要がない。好ましくはアクチュエータ1は二段階の作動動作をとり、ユーザーが押圧部2に加圧して作動した後に、導入口64を通ってチャネル16に進入する流体の圧力蓄積によって、噴射口11と直接接続された容量チャンバー71が拡張し、このときこの拡張によって、噴射口を閉じているバルブが開くに至る。拡張及び/又はバルブの開放は、バルブを閉じようとする付勢力、又は容量チャンバーを非拡張状態にとどめようとする付勢力が作動後に減衰又は消失するからこそ、起こるのである。作動の終了後、容量チャンバー及び/又はバルブに掛かる付勢力は増加し、アクチュエータは図2に示す休止状態をとる。
【0112】
一つの実施形態では、筒状のバネは作動直後、ピストン40に対しても、噴射口を閉じる方向に付勢する。
【0113】
容量チャンバー71は、第二の付勢手段50に逆らって拡張可能である。図示された実施形態では、容量チャンバーの壁の一つ、ここでは表面72が、可動ピストンにより形成されている。壁を動かすことが、容量チャンバーの容積の拡張をもたらす。
【0114】
容量チャンバーの拡張がピストン及びピストンピンによりバルブを開くことに直接つながっている実施形態を図示したが、この関係は、好ましくない実施形態とはいえ、間接的に形成されてもよい。拡張可能な容量チャンバーは「可動」な壁を有していてもよい。この壁が動くと、センサがそれを検知して、例えば付勢手段を取り去るか付勢手段を阻害して、噴射口を閉じているバルブのテンションを解放することによって、バルブを開く信号を発生するようにしてもよい。
【0115】
流体の流れが図3に示されている。流体は噴射口11で霧化される。容量チャンバーは噴射口の上流側に配置されている。噴射口とは、容量チャンバーの吐出口である。
【0116】
図3は、アクチュエータの90側の導入口と、アクチュエータの他方の側91の噴射口11とを有するアクチュエータ1を示す。アクチュエータ内にはそのいろいろな部品内に、あるいは部品を通って、チャネルが設けられている。チャネルは拡張可能な容量チャンバー71を含む。チャネルはまた、容量チャンバーへの導入口を含み、そのサイズは後述するごとく噴射口の開閉状態によって可変である。チャネルの壁の一つは可動なピストンで構成されている。壁は付勢手段に逆らって移動可能である。
【0117】
従来技術とは異なり、噴射口11は、例えば押圧部2と噴射口を閉じているバルブとの連動などによって直接開かれるものではなく、アクチュエータ内の、噴射口から直接上流側にある容量チャンバーに圧力が蓄積されて初めて、噴射口が開くのである。
【0118】
流体は、ユーザーが容器の吐出口を開けて作動した後、容器から放出されてアクチュエータに流入する。
【0119】
流体はまず、第二の部品30に形成された第一の区画32に導入される。そこから導入口64を通り、流体は拡張可能な容量チャンバー71に流入する。圧力は、容器内の初期圧力から大気圧まで三段階で低下する。区画32における圧力は容器内の圧力より低い。容量チャンバー71内の圧力は区画32の圧力より低いが、大気圧よりは高い。
【0120】
図示された実施形態によるアクチュエータは、流体の噴霧状況を改良したさらに別の側面を含む。Oリング42は、ピストンが動いて容量チャンバー71を拡張させた場合、突出部65のほうに動く。ピストンの壁63と突出部65との間にある導入口64は、Oリング42が図3に示す位置まで移動した場合、ついにはサイズが縮小される。Oリングが導入口のサイズを縮小し、容量チャンバー71と、区画32及び容器のそれぞれとの圧力差を増大させる。これにより、噴霧パターンはさらに向上する。流体の圧力を制御しつつ低下させることにより、流動状態の制御が可能となるからである。
【0121】
大気圧と容量チャンバー71との圧力差は、噴射口の特性に依存する。好ましい噴射口は、0.2〜10気圧、好ましくは0.4〜5気圧、さらに好ましくは0.5〜2.5気圧で作動する。圧力差を縮小することは噴霧パターンの向上につながる。ピストン乃至付勢手段を設けることにより、容器の重点状況に関わりなく、このように低い圧力を得ることができる。付勢手段は閾値圧力に到達した場合にのみ、流体を噴射口から噴出させる。第二の閾値圧力は作動後のバルブを閉じておこうとする、あるいは容量チャンバーを非拡張状態に置こうとする付勢力に依存する。
【0122】
作動後に第一の付勢手段27の付勢力を完全に、又はほぼ完全に解放すると、ごくわずかな増加圧力で容量チャンバーを拡張させることが可能となる。このため、従来技術による教示とは異なり、容器内の圧力が非常に低い場合であっても、流体を噴霧/噴射することが可能である。
【0123】
実験により、導入口の、Oリング42と突出部65との間の隙間は液体に対し0.1mm未満、好ましくは気体に対し0.05mm未満であると測定された。容量チャンバーへの導入口は、液体に対し0.03〜0.07mm、気体に対し0.01〜0.03mmの幅を有するのが好ましい。
【0124】
図3はアクチュエータ1の作動時の作動位置を示す。作動の直後、流体がアクチュエータに流入する。第一の付勢手段である板バネ27が矢印70の方向に遠ざかるように屈曲し、ピストンが矢印70の方向に自由に可動となる。しかし初期にはピストン40は噴射口を閉じる位置にとどまっている。好ましくは作動中に、板バネがピストンに対する接触を完全に断つ。作動後は第一の付勢手段がピストンを図2に示す休止位置に戻す。
【0125】
図3はピストンが矢印70の方向に距離80だけ動かされた状態を表す。噴射口は開いている。導入口81の面積は、休止状態における導入口64より小さい。
【0126】
図3はまた、第二の付勢手段50が距離80又はそれより短い距離だけ圧縮され、噴射口を開く力に対抗する力を及ぼしている状態を示す。この付勢力は導入口81のサイズを拡大するのに利用される。容量チャンバー71内の圧力が減少すると、導入口は拡大される。容量チャンバー71内の圧力が増大すると導入口は縮小される。それゆえ、容器内ではより安定した流体の流動を生み出すことができる。
【0127】
Oリング42は壁65と密着させられる。Oリングは可撓性で、流体の流動における局部的な、又は急激な圧力変化に適応するべく局部的に屈曲可能である。
【0128】
コイルバネ50の特性により、流量が決定される。より強力な第二の付勢手段を用いる場合、導入口を大きくしてより大きな流量を実現せねばならない。流量は、異なった弾力特性を有する別の第二の付勢手段を採用することで、調節可能である。
【0129】
図4は第二の実施形態を示す。同様な部品には同じ参照符号を付す。作動に際し、ユーザーは押圧部2を押し、板バネ27が矢印101の方向に動く。ピストン102を矢印101と反対の方向に付勢していた板バネは、ピストン102に対しもはや付勢力を行使しない。作動によって付勢力は消失するか、少なくとも減衰する。板バネの動きは図3に示されている。
【0130】
第二の付勢手段110はアクチュエータ104のハウジング部品103に収容されている。第二の付勢手段はディスク状かつシート状の、可撓性の材料で形成されている。ディスクの開口部111には、ピストンの一部が収容される。
【0131】
ガスケット110は付勢手段と密閉手段を兼ね、第一の実施形態におけるバネ50及びOリング43に替わるものである。さらにディスク110は、ピストンが矢印70の方向に動く場合に、好適な非線形特性を有している。図4に示す休止状態では、ピストン70を動かすにはほとんど力を要しない。そのため作動直後に、噴射口を急激に開くことが可能である。第二の付勢手段は、ピストンに対し矢印101と反対の方向に付勢力を行使することにより、導入口120が閉じるのを阻止する。
【0132】
導入口120は略円環状となっている。拡張可能な容量チャンバーに対する導入口120の壁はハウジング部品及びピストン、より具体的にはOリング42で構成されている。Oリングはハウジング部品よりも可撓性の高い材料で作られている。それゆえOリングは、容量チャンバーに流入する内容物の流れの変動によって起こる圧力変化にも、速やかに適応が可能である。
【0133】
第一の実施形態と同様、第二の実施形態の作動は連続する二つのステップで実行される。作動されると第一のステップとして、容器を閉じているバルブの制動が開かれる。これによってチャネル及び区画が、基本的に缶と同じ圧力によって流体で満たされる。特に、第一の付勢手段(板バネ)が噴射口を閉状態に保つ。
【0134】
その直後に、板バネ27が矢印101のとおり噴射口から遠ざけられ、アクチュエータは第二のステップに入る。区画内の圧力によってピストン40、102が矢印70の方向に動き、噴射口11が開くと共に容量チャンバー71が拡張する。これによって、スピッティングを起こさずにジェット流が発生する。
【0135】
当業者には、容器の制動を開くには板バネをさらに曲げるほどの力は必要としないことが理解されるであろう。したがって、この手順は反復可能である。本発明による装置の作動は、バルブを閉位置にとどめておく付勢力の消失又は減衰に直接結びついている。
【0136】
Oリング42の付いたピストン40、120は壁65に向かって動いた。導入口64、120はバネ50又はガスケット110の付勢力により、開いたままである。
【0137】
図1〜図3に示す第一の実施形態に比べ、チャネル、導入口及び拡張可能な容量チャンバーの容積はさらに小さくなっており、特にチャネルについてはその差が大きい。二つの本体部品122、123間のフリースペースは、特に導入口120の前部の領域において縮小している。
【0138】
本体部品123には多数の、好ましくは2〜3個の放射状のチャネル124が形成され、導入口125と導入口120とを連通させている。
【0139】
図4はまた、本体部品123と一体に形成された部品として噴射口126を示している。
【0140】
ピストン102はOリング42の前方に、距離130だけ延びている。距離130は可変である。この距離は図5Aを参照して後述するように、流体の流量と関連している。
【0141】
図5A及び図5Bは、実験結果を示す。図5Aは容器に残留した内容物(ml)及び噴射口からの流体噴霧量(g/sec)を示す。容器内の初期圧力は11気圧である。距離(x)は図4の距離130に相当する。この距離は、流量の変数を求めるため変更されている。表は、直線的時系列での測定値を表す。流量はおよそ一定である。距離xが大きくなるほど、流量は下がる。「x」を大きくすることは、容量チャンバーの縮小につながる。容量チャンバー内の圧力は低いままとなろう。流量も低下するであろう。実験は、図4に示す実施形態を用いて行った。
【0142】
図5Bは、容量が260mlの試験容器に130mlの水を初期圧力11気圧で充填した場合の、容器に残留した内容物(ml)及び噴射口からの流体噴霧量(g/sec)を表す。表は二つの異なる第二の付勢手段、例えば二つの異なるガスケット110に関する。一つ目の欄は第一のバネ、例えば第一の材料のガスケット110に関し、二つ目のセットはバネや他のガスケット110など異なる第二の付勢手段を用いた実施形態に関する。バネ2のほうが強い。バネ2は、導入口のサイズをさらに拡大する。導入口の縮小は、第二の付勢手段によって阻止される。アプリケータを通っての流量は増加する。各欄は、直線的時系列での測定値を表す。
【0143】
各欄において特定の時点で示された圧力は、その時点での容器内の圧力を表す。容器内の圧力は、11気圧からそれぞれ4.5気圧及び5気圧まで低下した。
【0144】
本発明をその好ましい実施形態に基づいて説明したが、当業者には、具体的に記載されていない追加、改変、代替、及び削除が、添付の請求項によってのみ定義される本発明の趣旨と範囲を逸脱することなく行い得ることが、理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0145】
【図1】本発明の第一の実施形態によるアクチュエータを示す。
【図2】本発明の第一の実施形態によるセットの、閉じられた状態を示す。
【図3】本発明の第一の実施形態によるセットの、開いた状態を示す。
【図4】本発明の第二の実施形態によるセットを示す。
【図5A】実験結果を示す表である。
【図5B】実験結果を示す表である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加圧されている容器の又はポンプを有する容器の、内容物を、噴霧する噴射装置用のアクチュエータであって、
前記アクチュエータが、前記容器内の加圧された前記内容物を吸入するための、前記アクチュエータの一側で容器の吐出口に接続可能な、チャネル、を備えており、
前記チャネルは、前記アクチュエータの他側で前記内容物を噴霧するための噴射口を備えており、
前記チャネルは、容量チャンバーを備えており、
前記噴射口は、前記容量チャンバーの吐出口を形成しており、
前記噴射口は、前記噴射口を開閉するためのバルブを有しており、
前記バルブは、少なくとも一つの付勢手段によって閉位置に付勢されており、
前記アクチュエータが、更に、前記容器から前記チャネル及び前記容量チャンバーの中へ前記内容物を流入させるように構成された、作動手段を、備えている、
アクチュエータにおいて、
前記作動手段は、該作動手段が作動されている場合に、前記バルブを前記閉位置に付勢する、前記バルブに掛かる、付勢力を、減衰させるように、前記付勢手段に連結されている、
ことを特徴とする、アクチュエータ。
【請求項2】
前記作動手段は、前記バルブに掛かる前記付勢力を消失させるように、前記付勢手段に連結されている、
請求項1に記載のアクチュエータ。
【請求項3】
前記付勢手段は、バネ、好ましくは板バネを備えている、
請求項1又は2に記載のアクチュエータ。
【請求項4】
前記容量チャンバー内の圧力に応じて前記バルブを開く開放手段を備えている、
請求項1から3のいずれか一項に記載のアクチュエータ。
【請求項5】
前記開放手段は、前記容量チャンバー内が閾値圧力に到達すると前記バルブを開くように、該バルブに連結されている圧力センサ要素を、有している、
請求項4に記載のアクチュエータ。
【請求項6】
前記圧力センサ要素は表面を有しており、該表面は拡張可能な前記容量チャンバーの可動壁を構成している、
請求項5に記載のアクチュエータ。
【請求項7】
前記閾値圧力は、前記開放手段の一部の移動を開始させる力に相当する、
請求項5又は6に記載のアクチュエータ。
【請求項8】
前記容量チャンバーは、拡張可能な容量チャンバーであり、
前記バルブを閉じておくための前記付勢手段は、前記拡張可能なチャンバーの可動壁を前記チャンバーの非拡張時の位置に付勢するように、前記可動壁にも連結されている、
請求項1〜7のいずれか一項に記載のアクチュエータ。
【請求項9】
前記アクチュエータが、前記アクチュエータ内で移動可能に取り付けられたピストン本体を有するピストンを、備えており、
該ピストンは、前記アクチュエータ内に収容されている、
請求項1〜8のいずれか一項に記載のアクチュエータ。
【請求項10】
前記移動可能なピストンは、前記容量チャンバーの壁を構成しており、
前記バルブは、前記ピストンと一体である、
請求項1〜9のいずれか一項に記載のアクチュエータ。
【請求項11】
前記ピストンは、前記圧力センサ要素も形成している、
請求項9又は10に記載のアクチュエータ。
【請求項12】
前記ピストンは、前記ピストン本体から延出して前記噴射口を閉じるように前記バルブを形成するピン、を有している、
請求項9から11のいずれか一項に記載のアクチュエータ。
【請求項13】
前記アクチュエータが、前記ピンを前記噴射口に導く案内手段を、備えている、
請求項12に記載のアクチュエータ。
【請求項14】
内容物を前記チャネルに流入させる前記作動手段は、前記バルブに掛かる前記付勢力を減衰させるように、前記付勢手段に連結されており、好ましくは前記拡張可能な容量チャンバーにも連結されている、
請求項1から13のいずれか一項に記載のアクチュエータ。
【請求項15】
前記アクチュエータが、前記噴射口が開いている状態のとき、前記容量チャンバーへの導入口のサイズを縮小する導入口縮小手段を備えている、
請求項1から14のいずれか一項に記載のアクチュエータ。
【請求項16】
前記圧力センサ要素は、前記容量チャンバーが閾値圧力に達したときに前記導入口のサイズを縮小するように、前記導入口縮小手段に連動する、
請求項15に記載のアクチュエータ。
【請求項17】
前記アクチュエータが、前記導入口を閉じるのに逆らって、前記導入口縮小手段を付勢する第二の付勢手段を、備えている、
請求項15又は16に記載のアクチュエータ。
【請求項18】
前記アクチュエータの休止状態では、前記第二の付勢手段は作動しない、
請求項17に記載のアクチュエータ。
【請求項19】
前記第二の付勢手段は、前記ピストンを収容する開口部を有する可撓性のシート状の材料を備えており、前記可撓性のシートの外周部は、前記アクチュエータに固定されている、
請求項17又は18に記載のアクチュエータ。
【請求項20】
前記容量チャンバーの前記導入口は、ピストン本体及び前記アクチュエータのハウジング部品の環状の内壁によって構成されており、
Oリングが、前記ピストンに取り付けられており、
前記Oリングは、前記開いた状態にある前記容量チャンバーの前記導入口のサイズを縮小するように構成された、前記導入口縮小手段を構成している、
請求項15から19のいずれか一項に記載のアクチュエータ。
【請求項21】
前記噴射口の断面積は、導入口が縮小されている作動状態の前記アクチュエータにおける前記容量チャンバーの前記導入口の断面積の5分の1より小さい、
請求項15から20のいずれか一項に記載のアクチュエータ。
【請求項22】
前記容量チャンバーの縮小された前記導入口の幅は、0.1mm未満である、
請求項15から21のいずれか一項に記載のアクチュエータ。
【請求項23】
前記アクチュエータが、
少なくとも一つのアクチュエータフードと、
前記アクチュエータフード内に収容可能で、前記噴射口と前記チャネルの導入口とを有する第一の部品と、
第一の部品内に収容可能で、前記導入口から前記噴射口への前記チャネルを形成するための第二の部品と、
第二の部品に収容可能な前記ピストンと、
を備えている、
請求項1から22のいずれか一項に記載のアクチュエータ。
【請求項24】
前記アクチュエータが、
前記噴射口を閉じるように前記ピストンを付勢する、前記ピストン本体に係合する、バネを、固定するために、第二の部品内に収容された第三の部品を備えている、
請求項23に記載のアクチュエータ。
【請求項25】
請求項1〜24のいずれか一項に記載のアクチュエータを備えている、
加圧されている容器とアクチュエータとの組立品。
【請求項26】
容器の内容物を噴霧する方法であって、
加圧された内容物を含む容器又はポンプを有する容器を用意することと、
前記内容物を噴霧する噴射口を開閉するためのバルブを、前記噴射口を閉じる位置に付勢することと、
作動されると、前記噴射口から前記内容物を噴霧することと、
を備えており、
前記噴射口は、前記容器に導入口を介して接続されている拡張可能な容量チャンバーの吐出口を形成しており、
前記内容物は、前記導入口、前記容量チャンバー、及び前記噴射口、を通って流動する、
方法において、
前記方法が、更に、
前記噴射口を閉じるように前記バルブに掛かる付勢力を、減衰することを、
含んでいる、
ことを特徴とする、噴霧方法。
【請求項27】
前記方法が、更に、
作動時に、前記内容物の前記容量チャンバーへの流入によって圧力を蓄積することと、
その後、ピストンを移動させることによって、前記容量チャンバーを拡張させることと、
を含んでいる、
請求項26に記載の噴霧方法。
【請求項28】
前記容量チャンバーの拡張と前記噴射口の開放とが直接連動している、
請求項26又は27に記載の噴霧方法。
【請求項29】
前記チャンバーの拡張は、前記導入口のサイズの縮小と連動している、
請求項26、27、又は28に記載の噴霧方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【公表番号】特表2009−536568(P2009−536568A)
【公表日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−558594(P2008−558594)
【出願日】平成19年3月13日(2007.3.13)
【国際出願番号】PCT/BE2007/000024
【国際公開番号】WO2007/104113
【国際公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【出願人】(507081315)パッケージング・テクノロジー・パーティシペイション・エス・エー (2)
【氏名又は名称原語表記】PACKAGING TECHNOLOGY PARTICIPATION SA
【Fターム(参考)】