説明

加圧された飲料を収容する容器を包囲する小樽

小樽は、飲料を収容する容器(8)、及び且つ飲料を当該小樽(1)から出すよう容器(8)を変形させる手段を包囲する。容器(8)は、2つの実質的に剛性な壁を(13,14)を有する。該壁は、可撓性壁(15)によって相互に接続される。可撓壁(15)は、ベローズとして形成される。かかる手段は、2つの剛性壁(13,14)を互いに向かって動かし得、2つの剛性壁(13,14)間の距離は変化する。容器(8)の材料は、望ましくは金属層を有するか、あるいは金属を有して作る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小樽(ケッグ、keg)にかかり、当該小樽は、飲料を収容する容器、及び飲料を小樽から出すよう容器を変形させる手段を包囲する。それによって、容器は、飲料で完全に充填され、容器内部の飲料の量、即ち容器の内容物の量は、容器を変形させることによって変化され得る。
【背景技術】
【0002】
容器は、ビールを収容し得るが、飲料はまた、他のいかなる飲料でもあり得る。小樽は、飲料ディスペンサとして使用され得、飲料は、小樽において取り付けられる蛇口(タップ)を介して直接ディスペンスされ得る。小樽はまた、例えば家庭用ビールディスペンス装置である、飲料ディスペンス装置において、交換可能な飲料ホルダであり得る。かかる家庭用ビールディスペンス装置は、WO−A−2004/051163(特許文献1)において開示される。
【0003】
文献WO−A−2005/113371(特許文献2)は、可撓性のプラスチック材料を有して作られる変形可能なバッグである容器を備えられた、ビールを格納する小樽を記載する。飲料を小樽から出す手段は、小樽内部及びプラスチックのバッグの外部において加圧空気を有する。容器の材料は、容器を変形させるよう必要とされる可撓性を得るために、比較的薄くなければならない。かかる薄い可撓性の材料を完全に気密にすることは困難及び/又は高価であり、実際には、空気は容器の材料を通過するため、容器内部の飲料は、限られた期間のみ格納され得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】WO−A−2004/051163
【特許文献2】WO−A−2005/113371
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、飲料を収容する容器を包囲し、且つ容器を変形させる手段を有する小樽であり、容器の材料は、比較的厚い厚さを有し得、容易により気密に作られ得る。
【0006】
本発明の他の目的は、飲料を収容する容器を包囲し、且つ容器を変形させる手段を有する小樽であり、容器内部における圧力の少なくとも一部は、容器の材料の弾性によってもたらされる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる目的のうち1つ又は両方を達成するよう、容器は、可撓壁によって相互に接続される2つの実質的に剛性な壁を有する。可撓壁は、ベローズとして形成される。前出の手段は、2つの剛性壁を互いに向かって動かし得、2つの剛性壁間の距離を変化させる。ベローズという語は、シート材料を有して作られるなんらかの壁を意味し、該シート材料の長さは、壁の最大長さである2つの剛性壁間の最大距離よりも実質的に大きい。したがって、壁は、ジグザグ状に曲げられ得るか、折りたたまれ得、材料は、比較的厚く、角部において湾曲され(折りたたまれ)得る。
【0008】
望ましくは、容器の材料は、金属層を有するか、あるいは金属であり、容器は完全に気密にされる。容器のベローズ形状にされた壁の材料は、所望される変形に対して十分な可撓性を有する。
【0009】
ベローズとして形成される側壁を有する、液体に対する折畳み可能且つ膨張性の容器は、例えばUS−A−2006/0180614において記載される。容器は、矩形の断面を有し、2つの端部壁間の距離は変化し得、それに応じて側壁の長さが変化する。ベローズが円形の断面を有する容器は、US−A−2006/0110210において記載される。
【0010】
望ましい一実施例において、2つの剛性壁間の最大距離は、剛性壁間の最小距離の少なくとも10倍、望ましくは15倍より大きい。それによって、容器は、例えば完全に充填される際に6リットルの飲料を収容し得、ごく少量の飲料は、容器が空にされた後に容器に残る。その量は、2つの剛性壁の適切な形状によって、並びに/あるいは、一片の固形材料を容器に挿入することによって、更に低減され得る。
【0011】
望ましい一実施例において、2つの剛性壁は、可撓壁の材料の弾性を用いて互いに向かって引っ張られる。したがって、容器は、容器の材料に力が加えられていない際に、最小の内容物を有する。容器が飲料で充填される際、容器の材料は変形され、材料の弾性は、容器における飲料に加圧する力をもたらす。そのため、ベローズは、飲料において一定の圧力を与え、該圧力は、飲料ディスペンス装置又は小樽の蛇口が開放される際、飲料を容器から出すよう十分であり得る。力が飲料を出すよう十分ではない場合、他の駆動手段は、追加的に使用され得る。
【0012】
2つの剛性壁が可撓壁の材料の弾性を用いて互いに向かって引っ張られる場合、容器における飲料は常に、圧力を受ける。それは、飲料が格納される際にかかる連続的な圧力が所望されるため、小樽の重要な利点であり得る。したがって、かかる圧力は、小樽において、あるいは小樽の外部において他の加圧手段の機能を有さずに存在する。
【0013】
2つの剛性壁は、両方の壁の直線エッジによって相互に接続され得、互いに対してヒンジ留めされ得る。しかしながら、望ましい一実施例において、2つの剛性壁は実質的に平行であり、各剛性壁の完全なエッジは、容器のベローズ形状の側壁に接続される。それによって、断面図において側壁は、望ましくは、実質的に等辺多角形の形状を有する。これは、実質的に円筒形の小樽において適合するための容器の適切な形状である。
【0014】
小樽から飲料を出すよう容器を変形させる手段は、容器の材料の弾性及び/又は他の手段であり得る。望ましい一実施例において、かかる他の手段は、小樽の内部の容器の外部において気体又は流体等である媒体を収容する可撓性の容器を有する。該媒体容器は、2つの剛性壁を互いに向かって押すよう加圧され得る。可撓性媒体容器を加圧するポンプは、小樽が配置され得る飲料ディスペンス装置において存在し得る。
【0015】
望ましい一実施例において、容器を変形させる手段は、2つの剛性壁を互いに向かって動かすよう小樽内部において機械的手段を有する。かかる機械的手段は、スピンドル、又は望ましくはスプリングであり得、該スプリングは、容器内部又は外部に位置決めされ得る。機械的スプリングを利用して、容器における飲料は、小樽外部において装置を有さずに、飲料のディスペンス中に圧力をかけられて維持され得る。したがって、小樽は、蛇口を備えられ得、飲料は、該蛇口を介してディスペンスされ得る。
【0016】
本発明はこれより、小樽の4つの実施例の説明によって更に明らかにされる。当該小樽は、ビールを収容する容器、及びビールを小樽から出すよう容器を変形させる手段を包囲する。概略的な図面が参照される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】先行技術に従った小樽を図示する。
【図2】図2A及び図2Bは、本発明に従った容器の原理を図示する。
【図3】図3A及び図3Bは、小樽の第1の実施例を図示する。
【図4】図4A及び図4Bは、小樽の第2の実施例を図示する。
【図5】小樽の第3の実施例を図示する。
【図6】小樽の第4の実施例を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図面は、単に概略的且つ図式的な描写であり、本発明の説明に関連する小樽の部分のみを図示するものである。異なる実施例が説明される際、同様の部分は、同一の参照符号を有して図示される。
【0019】
図1は、先行技術に従ったビールを収容する金属製小樽1を示す。小樽1は、実質的に円筒形の形状(平面図においては円形)を有し、図1は、垂直方向断面図を概略的に示す。小樽1は、小樽の上方壁を通過するパイプ2を備えられる。パイプ2の一端は、蛇口3を開放するようハンドル4を有する蛇口3に対して接続され、ビールは、蛇口の流出パイプ5を介して流れ得る。パイプ2の他端は、小樽1の底部6の近くに位置決めされる。
【0020】
容器7は、小樽1の内部にあり、プラスチックのバッグと同様の可撓性プラスチック材料を有して作られる。容器7は、底部6及び小樽1の円筒形側壁において静止し得る。パイプ2は、容器7の開口を介して延在し、該開口のエッジは、パイプ2の外側部に対して接続され、パイプ2の周囲における液密密封が得られる。容器7は、十分に大きく、小樽1内部の空間の大部分を占め、ビール9によって充填される。冷却装置10は、小樽1の下方側部にあり、容器7におけるビールを冷却する。更には、図1において示されるポンプ11は、容器7からビール9を出すよう空気をバルブ12を介して小樽1へとポンプする。
【0021】
容器7は、ビール9で完全に充填される際、底部6及び小樽1の側壁に対して静止する。続いて、ごく少量の加圧空気は、ビール9を所望される圧力において維持するよう、容器7の上方の小樽1のより高い部分にある。容器7におけるビール9は、既知の装置であるペルティエ冷却素子等である冷却装置10を用いて、所望される飲料温度において保持され得る。パイプ2及び流出パイプ5を介してビールをディスペンスするよう、蛇口3は、ハンドル4を用いて開放され得る。ポンプ11は、スイッチをオンにされ、バルブ12が開放され、容器7の上方及び/又は周囲における空気圧は保持される一方、ビールは小樽1から流れ出るようにされる。
【0022】
図1は、既知のビールディスペンス装置の原理のみを示す。ディスペンス装置は、小樽1が配置され得る装置であり得る。蛇口3、流出パイプ5、冷却装置10、及びポンプ11は、ディスペンス装置の一部である。パイプ2及び容器7を有する小樽1は、ディスペンス装置内部に位置決めされ、容器7が空にされた後に交換され得る。図1に示される部分はまた、1つの装置において組み込まれ得る。該装置は、容器7が空にされた後、容器7をビール9で再充填するよう充填場所に戻されなければならない。
【0023】
容器7の可撓性材料はプラスチックであり、したがって、容器7の壁は完全には気密ではない。そのため、空気は材料を通過し、ビール9は、容器7において限られた期間のみ格納され得る。所望される可撓性及び他の特性を有する適切な気密シート材料は、受容可能な原価に対して使用可能ではない。
【0024】
図2A及び2Bは、加圧されたビールを収容する容器8の原理を示す。該容器は、小樽(図2A及び2Bには示されていない)に包囲され得る。容器8は、2つの矩形の剛性な壁13,14(図中、上方の剛性壁13のみが可視である)を有し、かかる2つの剛性壁13,14の間にはベローズ15が有るため、2つの剛性壁13,14間の距離は、変化し得る。ベローズ15は、容器8の側壁を形成し、ジグザグ状に折りたたまれ、所謂アコーディオン折りとなる。
【0025】
図2Aは、その最大内容物を有する容器8を示し、図2Bは、蛇口3が開放されてビールが容器8から流出している容器8を示す。2つの剛性壁13,14は、互いに対して動いており、結果として容器8の内容物はより小さくなる。それによって、ベローズ15の形状は、既知の方途において変わる。
【0026】
容器8から出るようビールを案内するパイプ2は、上方剛性壁13に対して固定され得る。パイプ2はまた、下方剛性壁14に対して固定され得、パイプ2は、上方剛性壁13における開口を介して延在する。それによって、上方剛性壁13は、パイプ2の外側表面に沿って軸方向において動き得、パイプと上方剛性壁13との間における密封は、パイプ2と上方剛性壁13との間におけるビールの漏れを防ぐ。ビールは、下方剛性壁14の近くにおいて、容器8内部の1つ又はそれより多くの開口を介してパイプ2に入り得る。
【0027】
ベローズ15の弾性並びにその形状は、2つの剛性壁13,14において引張力(pulling force)を与え得、2つの剛性壁13,14は、ベローズ15によって互いに向かって引っ張られる。かかる力は、容器がビールで充填される際、即ち、2つの剛性壁13,14が互いから離れて位置付けられる際、容器8において圧力をもたらす。力は、蛇口3が開放される際に容器8からビールを出し得るか、あるいは追加的な駆動手段であり得る。容器8における圧力を増大させるよう、2つの引張スプリングは、2つの剛性壁13,14の間において容器8内部に存在し得る。
【0028】
容器8の材料は、比較的厚く、即ち前述された先行技術による容器7の材料より厚くなり得、材料は、金属であり得るか、あるいは金属層を有し得るため、容器8は、完全に気密性である。
【0029】
図2A及び2Bに示される通り、容器8の2つの剛性壁13,14は矩形であり得るが、円形ディスク形状、又は等辺多角形形状等である他の形状を有してもよい。それによって、ベローズ15は、対応する形状を有する。更には、図2A及び2Bは、2つの剛性壁13,14が互いに対して実質的に平行である容器を示す。しかしながら、2つの剛性壁13,14はまた、それらの直線エッジの1つに沿って相互に接続され得、2つの壁13,14は、互いに対してヒンジ留めされ得る。それによって、ベローズ15は、2つの剛性壁13,14の他のエッジに対して取り付けられる。
【0030】
図3A及び3Bは、図2に従って容器8を包囲する小樽1の第1の実施例を示す。容器8は、小樽1の底部6において固定され、ポンプ11は、空気を小樽1へとポンピングするよう存在する。図3Bにおいて示される通り、1.5バール等である小樽1における空気圧は、ポンプ11がスイッチをオンにされて蛇口3が開放される際に、容器8からビールを出す。空気の代りに、他の気体又は液体は、容器8からビールを出すよう小樽1へとポンプされ得る。
【0031】
全ての前述の実施例と同様に、パイプ2は、金属等である剛性な材料を有して作られ得る。パイプ2は、容器8の剛性壁13における開口を通過し、図示される通り、容器8へと延在する。それによって剛性壁13における開口は、パイプ2に沿って摺動し得る。密封リングは、気密密封を与える。しかしながら、パイプ2はまた、可撓性の材料を有して作られ得、パイプ2の端部は、剛性壁13における開口に対して接続され、パイプは、容器8ヘと延在しない。
【0032】
図4A及び4Bは、容器8を包囲する小樽1の第2の実施例を示す。ビールは、可撓性バッグ16を用いて容器8から出され得る。したがって、気体又は液体は、ポンプ11を用いて可撓性のバッグ16へとポンプされ、バッグ16は、剛性壁13を下方向に押す。それによって、空気は、小樽1の下方壁6における通気口17を介して、小樽へと入り得るか、あるいは小樽1から逃げ出得る。
【0033】
図5は、第3の実施例を示す。剛性壁13は、スピンドル18を用いて下方向に押される。該スピンドル18は、モータ19によって駆動される。スピンドル18は、制御された方途において剛性壁13を動かし得、蛇口3を介するビールの流出は、制御され得る。更には、スピンドル18の位置は既知であり、該位置は、容器8におけるビールの量を示す。該量は、例えば、小樽1の外側に示され得る。圧力センサは、ビールの圧力を制御するようフィードバックシステムにおいて使用され得、ビールの高すぎる圧力は避けられ得る。
【0034】
図6は、第4の実施例を示す。ビールを出す力は、複数の押しヘリカルスプリング20を用いて得られる。スプリング20は、小樽1の上方壁とプレート21との間にある。プレート21は、容器8の剛性壁13に対して接続され、剛性壁13は、下方向に押される。スプリングはまた、小樽1の下方壁6と容器8の剛性壁14との間において、容器8の下方に存在し得る。スプリング20の事前搭載は、容器8の充填動作中に行なわれる。
【0035】
上述された4つの実施例は、本発明に従った小樽の単なる例であり、多くの他の実施例は可能である。例えば、容器の2つの剛性壁は、垂直方向に位置付けられ得、剛性壁の一方又は両方の剛性壁は、実質的に水平方向に動く。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
小樽であって、
当該小樽は、飲料を収容する容器、及び前記飲料を当該小樽から出すよう前記容器を変形させる手段を包囲し、
前記容器は、可撓壁によって相互に接続される2つの実質的に剛性である壁を有し、前記可撓壁は、ベローズとして形成され、前記手段は、前記2つの剛性壁を互いに向かって動かすことができ、前記2つの剛性壁間の距離が変わるようにする、ことを特徴とする、
小樽。
【請求項2】
前記容器の材料は、金属層を有する、
ことを特徴とする請求項1記載の小樽。
【請求項3】
前記容器の材料は、金属である、
ことを特徴とする請求項2記載の小樽。
【請求項4】
前記2つの剛性壁間の最大距離は、前記剛性壁間の最小距離の少なくとも10倍、望ましくは15倍より大きい、
ことを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一項記載の小樽。
【請求項5】
前記2つの剛性壁は、前記可撓壁の材料の弾性を用いて互いに向かって引っ張られる、
ことを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか一項記載の小樽。
【請求項6】
前記2つの剛性壁は、実質的に平行である、
ことを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか一項記載の小樽。
【請求項7】
断面図において、前記可撓壁は、実質的に等辺多角形の形状を有する、
ことを特徴とする請求項1乃至6のうちいずれか一項記載の小樽。
【請求項8】
媒体を収容する可撓性容器は、当該小樽の内部の前記容器の外部にあり、前記媒体容器は、前記2つの剛性壁を互いに向かって押すよう加圧され得る、
ことを特徴とする請求項1乃至7のうちいずれか一項記載の小樽。
【請求項9】
前記2つの剛性壁を互いに向かって動かす、当該小樽の内部における機械的手段によって特徴付けられる、
請求項1乃至8のうちいずれか一項記載の小樽。
【請求項10】
前記機械的手段は、スプリングを有する、
ことを特徴とする請求項9記載の小樽。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2010−503585(P2010−503585A)
【公表日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−527947(P2009−527947)
【出願日】平成19年9月12日(2007.9.12)
【国際出願番号】PCT/IB2007/053668
【国際公開番号】WO2008/035250
【国際公開日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】