説明

加圧タンク、粉体の輸送管への送込み装置およびその送込み方法

【課題】粉体を輸送管に間歇的に送り込む簡単な構造の加圧タンクを提供する。
【解決手段】輸送管7を用いて圧縮空気を介し粉体をプラグ輸送するに当り、所定量の粉体を輸送管7に断続的に送り込む装置に用いられる加圧タンクであって、圧力容器構造を成し、上部壁に投入口3をまた下部壁に排出口4をそれぞれ有するタンク本体6aと、タンク本体6aの投入口の真下に上下動自在に配設されかつ圧縮空気によって上昇してその投入口を閉鎖可能な第1逆止弁3 と、タンク本体6aの排出口4の真下に上下動自在に配設されかつ圧縮空気によって上昇して排出口4を閉鎖可能な第2逆止弁10と、を具備したことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、輸送管を用いて圧縮空気を介し粉体をプラグ輸送するに当り、所定量の粉体を前記輸送管に断続的に送り込む装置に用いる加圧タンク、この加圧タンクを用いた粉体の輸送管への送込み装置およびその送込み方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の装置の一つとして、モータで回転される定量切出器を下端に設けると共に上部にダンパー付受入り口を設けた第1圧力計付設の圧力容器をロードセルを介して重量計測可能に支持し、この圧力容器の上方に、その下部に排出口を設けると共に上部にダンパー付供給口を設けた第2圧力計付設の補助タンクを配設し、前記ロードセルと前記ダンパーとを計測演算制御器を介して電気的に接続し、前記圧力容器の受入り口と補給タンクの排出口とを伸縮自在管及びダンパーを介して連通し、前記圧力容器内上部と補給タンク内上部間を配管及び2個の開閉弁を介して連通すると共に配管における2個の開閉弁間に排気弁付設の排気管を連通し、かつ前記第1圧力計と第2圧力計とを計測圧力値の比較演算制御を可能にして電気的に接続したものがある。
【特許文献1】特開平10-35886号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、このように構成された従来の粉体の輸送管への送込み装置では、構造が複雑な上に大規模の高価なものになるなどの問題があった。
【0004】
本発明は上記の問題を解消するためになされたもので、その目的は、粉体を輸送管に断続的に送り込む簡単な構造の加圧タンク、この加圧タンクを用いた装置およびその送込み方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の問題を解消するために請求項1の加圧タンクは、輸送管を用いて圧縮空気を介し粉体をプラグ輸送するに当り、所定量の粉体を前記輸送管に断続的に送り込む装置に用いる加圧タンクであって、圧力容器構造を成し、上部壁に投入口をまた下部壁に排出口をそれぞれ有し、前記投入口の真下に上下動自在に配設されかつ圧縮空気によって上昇して前記投入口を閉鎖可能な第1逆止弁と、前記排出口の真下に上下動自在に配設されかつ圧縮空気によって上昇して前記投入口を閉鎖可能な第2逆止弁と、を具備したことを特徴とする。
【0006】
また、請求項2の粉体の輸送管への送込み装置は、請求項1の加圧タンクを用いて所定量の粉体を前記輸送管に断続的に送り込む装置であって、輸送すべき粉体を貯蔵しかつ前記タンク本体の投入口に臨む粉体排出口を下端に有するホッパと、前記ホッパの粉体排出口と前記タンク本体の投入口とを連通接続するシュート手段と、一端が前記タンク本体の下部外面にそのタンク本体の排出口を包囲して気密に装着され他端が前記輸送管の基端に連通接続された弁箱と、前記第1逆止弁の下面と圧縮空気源との間を第1導管を介して接続・遮断する第1電磁開閉弁と、前記第2逆止弁の下面と前記圧縮空気源との間を第2導管を介して接続・遮断する第2電磁開閉弁と、前記第1導管内の圧縮空気を排出可能な第3電磁開閉弁と、前記タンク本体内の粉体の有無を検知する検知手段と、このレベル計の検知結果に基づき、複数のタイマーを介して前記第1〜第3電磁開閉弁が相互に連動して開閉するようにこれらを制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
このように構成されたものは、検知手段が「粉体無し」を検知すると、第1電磁開閉弁が閉じられたのち第3電磁開閉弁が開かれてタンク本体内の圧縮空気が排出し、第1逆止弁が自重によって下降して投入口が開かれる。これに伴って、ホッパ内の粉体が自重滑降してタンク本体内に流入する。さらに、第2電磁開閉弁が開かれて第2逆止弁および弁箱内に圧縮空気が供給され、第2逆止弁が上昇して排出口が閉じられる。
【0008】
こうして、粉体のタンク本体内への流入により、検知手段が「粉体有り」を検知したのち、複数のタイマーの作動で所要時間がそれぞれ経過すると、第3電磁開閉弁が閉られたのち第1電磁開閉弁が開かれ、粉体のタンク本体内への流入が続行されながら、圧縮空気が第1逆止弁およびタンク本体に供給され、第1逆止弁が上昇して投入口が閉じられるとともにタンク本体内が加圧される。そして、タンク本体内の加圧により、第2逆止弁が押し下げられて排出口が開かれ、タンク本体の粉体が輸送管内に送り込まれる。輸送管内に送り込まれた粉体は粉体貯蔵タンクにプラグ輸送される。
【発明の効果】
【0009】
以上の説明から明らかなように請求項1は、輸送管を用いて圧縮空気を介し粉体をプラグ輸送するに当り、所定量の粉体を前記輸送管に断続的に送り込む装置に用いる加圧タンクであって、圧力容器構造を成し、上部壁に投入口をまた下部壁に排出口をそれぞれ有し、前記投入口の真下に上下動自在に配設されかつ圧縮空気によって上昇して前記投入口を閉鎖可能な第1逆止弁と、前記排出口の真下に上下動自在に配設されかつ圧縮空気によって上昇して前記投入口を閉鎖可能な第2逆止弁と、を具備したから、従来のこの種の装置と比較して構造が簡単な上に小型で価格が安くなるなどの優れた実用的効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明を適用した粉体の輸送管への送込み装置について図1に基づき詳細に説明する。輸送管7を用いて圧縮空気を介し粉体をプラグ輸送するに当り、所定量の粉体を前記輸送管7に断続的に送り込む装置に用いる加圧タンク6は、圧力容器構造を成し、上部壁に投入口3をまた下部壁に排出口4をそれぞれ有するタンク本体6aと、前記投入口3の真下に上下動自在に配設されかつ圧縮空気によって上昇してその投入口3を閉鎖可能な第1逆止弁9と、前記排出口4の真下に上下動自在に配設されかつ圧縮空気によって上昇してその排出口4を閉鎖可能な第2逆止弁10と、で構成してある。
【0011】
そして、本粉体の輸送管への送込み装置は、前記加圧タンク6と、輸送すべき粉体を貯蔵しかつ前記投入口3に臨む粉体排出口を下端に有するホッパ1と、このホッパ1の粉体排出口と前記タンク本体6aの投入口3とを連通接続するシュート手段5と、一端が前記タンク本体6aの下部外面に前記タンク本体6aの排出口4を包囲して気密に装着され他端が前記輸送管7の基端に連通接続された弁箱8と、前記第1逆止弁9の下面と圧縮空気源11との間を第1導管12を介して接続・遮断する第1電磁開閉弁13と、前記第2逆止弁10の下面と前記圧縮空気源11との間を第2導管14を介して接続・遮断する第2電磁開閉弁15と、前記第1導管12内の圧縮空気を排出可能な第3電磁開閉弁16と、前記タンク本体6a内の粉体の有無を検知する検知手段としてのレベル計17、このレベル計17の検知結果に基づき、複数のタイマーを介して前記第1〜第3電磁開閉弁13・15・16が相互に連動して開閉するようにこれらを制御する制御手段18と、で構成してある。
【0012】
また、前記第1・第2逆止弁9・10は、供給された圧縮空気の一部が外部に流出する構造になっている。また、前記第3電磁開閉弁16は、集塵機に連通接続させたダクト21に連通接続してある。また、前記シュート手段5内は、導管22を介して前記ホッパ1の上部に連通接続してあってシュート手段5内とホッパ1の上部内は同圧になっている。また、前記輸送管7の先端は粉体貯蔵タンク23に連通接続してある。なお、図中26は流量調整弁である。
【0013】
このように構成したものは、図示するように、レベル計17が「粉体無し」を検知すると、第1電磁開閉弁13が閉じられたのち第3電磁開閉弁16が開かれてタンク本体6a内の圧縮空気が排出し、これにより、タンク本体6a内が減圧して、第1逆止弁9が自重によって下降して投入口3が開かれる。これに伴って、ホッパ1内の粉体が自重滑降してシュート手段5内を通過したのちタンク本体6a内に流入する。この間、第2電磁開閉弁15が開かれていて第2逆止弁10および弁箱8内に圧縮空気が供給され、これにより、第2逆止弁10が上昇していて排出口4が閉じられるとともに、輸送管7内の既存の粉体が圧縮空気によってプラグ輸送されている。
【0014】
こうして、粉体のタンク本体6a内への流入によりレベル計17が「粉体有り」を検知したのち、複数のタイマーの作動で所要時間がそれぞれ経過すると、第3電磁開閉弁16が閉られたのち第1電磁開閉弁13が開かれ、これにより、粉体のタンク本体6a内への流入が続行されながら、圧縮空気が第1逆止弁9およびタンク本体6aに供給され、これに伴って、第1逆止弁9が上昇して投入口3が閉じられるとともにタンク本体6a内が加圧される。そして、タンク本体6a内の加圧と第2逆止弁10の自重により、第2逆止弁10が押し下げられて排出口4が開かれ、タンク本体6aの粉体が輸送管7内に送り込まれる。輸送管7内に送り込まれた粉体は粉体貯蔵タンク23にプラグ輸送される。また、タンク本体6a内の粉体の輸送管7内への送込みが完了すると、レベル計17が「粉体無し」を検知して、その後、上述の作動が繰り返される。
【0015】
なお、上記の実施例では、前記ホッパ1の粉体排出口と前記タンク本体6aの投入口3とは、前記シュート手段5を介して連通接続してあるが、粉体が砂などのように比較的飛散しないものなら、前記シュート手段5を省略して前記ホッパ1の粉体排出口を前記タンク本体6aの投入口3に直接臨ませるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の最良の形態を示す模式図である。
【符号の説明】
【0017】
1 ホッパ
3 投入口
4 排出口
6 加圧タンク
6a タンク本体
9 第1逆止弁
10 第2逆止弁
11 圧縮空気源
12 第1導管
13 第1電磁開閉弁
14 第2導管
15 第2電磁開閉弁
16 第3電磁開閉弁
17 レベル計
18 制御手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
輸送管を用いて圧縮空気を介し粉体をプラグ輸送するに当り、所定量の粉体を前記輸送管に断続的に送り込む装置に用いられる加圧タンクであって、
圧力容器構造を成し、上部壁に投入口をまた下部壁に排出口をそれぞれ有するタンク本体と、
前記タンク本体の投入口の真下に上下動自在に配設されかつ圧縮空気によって上昇してその投入口を閉鎖可能な第1逆止弁と、
前記タンク本体の排出口の真下に上下動自在に配設されかつ圧縮空気によって上昇してその排出口を閉鎖可能な第2逆止弁と、
を具備したことを特徴とする加圧タンク。
【請求項2】
請求項1の加圧タンクを用いて所定量の粉体を前記輸送管に断続的に送り込む装置であって、
輸送すべき粉体を貯蔵しかつ前記タンク本体の投入口に臨む粉体排出口を下端に有するホッパと、
前記ホッパの粉体排出口と前記タンク本体の投入口とを連通接続するシュート手段と、
一端が前記タンク本体の下部外面に前記タンク本体の排出口を包囲して気密に装着され他端が前記輸送管の基端に連通接続された弁箱と、
前記第1逆止弁の下面と圧縮空気源との間を第1導管を介して接続・遮断する第1電磁開閉弁と、
前記第2逆止弁の下面と前記圧縮空気源との間を第2導管を介して接続・遮断する第2電磁開閉弁と、
前記第1導管内の圧縮空気を排出可能な第3電磁開閉弁と、
前記タンク本体内の粉体の有無を検知する検知手段と、
このレベル計の検知結果に基づき、複数のタイマーを介して前記第1〜第3電磁開閉弁が相互に連動して開閉するようにこれらを制御する制御手段と、
を備えたことを特徴とする粉体の輸送管への送込み装置。
【請求項3】
請求項2に記載の粉体の輸送管への送込み装置を用いて粉体を断続的に輸送管へ送り込む方法であって、
前記検知手段の「粉体無し」の検知により、前記第1電磁開閉弁を閉じたのち前記第3電磁開閉弁を開いて前記タンク本体内の圧縮空気を排出させ、
前記第1逆止弁を自重によって下降させて前記タンク本体の投入口を開き、前記ホッパ内の粉体を前記タンク本体内に流入させ、
前記第2電磁開閉弁を開いて前記第2逆止弁および前記弁箱内に圧縮空気を供給し、前記第2逆止弁を上昇させて前記タンク本体の排出口を閉じ、
粉体の前記タンク本体内への流入による前記検知手段の「粉体有り」の検知により、複数の前記タイマーを順次作動させて、前記第3電磁開閉弁を閉じたのち前記第1電磁開閉弁を開き、粉体の前記タンク本体内への流入を続行されながら、圧縮空気を前記第1逆止弁および前記タンク本体に供給し、
前記第1逆止弁を上昇させて前記タンク本体の投入口を閉じるとともに前記タンク本体内を加圧して、前記第2逆止弁を押し下げ前記排出口を開き、前記タンク本体の粉体を前記輸送管内に送り込むことを特徴とする粉体の輸送管への送込み方法。

【図1】
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【公開番号】特開2007−314346(P2007−314346A)
【公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−237426(P2006−237426)
【出願日】平成18年9月1日(2006.9.1)
【出願人】(000191009)新東工業株式会社 (474)
【Fターム(参考)】