説明

加圧ボトル用ポーチ

本発明は、上部(22)が接合部分によって閉じられ、そこにバルブ(4)が組み込まれた筒状壁(2)によって形成された加圧ボトル用ポーチ(1)に関するものである。
本発明によると、筒状壁(2)は、テープの二つの側縁部を重ね合わせて、はんだ付けすることによって得られ、筒状壁(2)はその下部で実質的に円形の底部壁によって閉じられる。したがって、ポーチの筒状壁(2)は、下方の大きな部分でほとんど円形の横断面を備え、この断面は上端部(22)に近くなるほど楕円形になる傾向があり、上端部では完全に平坦になる。ポーチ(1)は、少なくとも下方の大きな部分で、完全にボトルの空間を占めるようになり、この部分のデッドスペースをかなり小さくする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項に記載される加圧ボトル用ポーチに関するものである。
【0002】
そのようなポーチは、通常、化粧品、食品及び技術的製品のスプレーに使用されている。それによって、塗布すべき製品をボトル内に含まれる推進ガスから分離することができる。
【0003】
それらのポーチは、一般的に、四つのはんだ付けによって一緒に接合された二つの壁によって構成され、バルブが上部接合部分に組み込まれて、それによって、ポーチの内容物を取り出すことができる。
【0004】
したがって、これらのポーチは、充填されると、卵形または楕円形の横断面を示す。二つの側面の接合部分は、各々、突出した縁部を形成しており、それらの場所を残すためにはポーチのサイズを大きくする必要がある。同様に、ポーチの底部もまた平たくされ、ボトルの壁から明らかに離れている。言い換えれば、ポーチの形状に由来するボトルの内部のデッドスペースは無視できない大きさである。
【0005】
特許文献1に、円筒形の中央部分が長方形の合材フィルムを回転させて、向かい合う側面を一緒に貼り合わせることによって形成されている非加圧型のボトル用ポーチが開示されている。
このポーチは、その底部がはんだ付けによって接合された厚い板によって閉じられている。ポーチの上部は環形のフランジにはんだ付けされ、そのフランジ上でポンプ装置をラチェット機構で停止させることができる。製品を取り出すとき、ポーチ内に陰圧が生じ、ポーチが収縮する。しかしながら、底部板が、その剛性によって、ポーチが完全に収縮することを妨害する。そのうえ、常にこの厚い底部板のせいで、また上部のフランジのせいで、ポーチをその縦方向の軸線に沿ってそれ自体の上に巻きつけることができず、例えば、導入首部がより小さいボトル内に容易に導入したり、組立て前に貯蔵容量を小さくしたりすることができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】フランス特許第2853633号A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、一方では、ポーチの製造に必要なはんだ付けの数を減少させることであり、もう一方では、ポーチのボトル内への導入が容易であるように、ポーチをそれ自体に巻きつけることができる十分な柔軟性を保持しながら、ボトル内部のデッドスペースを小さくして、充填率を大きくすることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によると、この目的は、テープの二つの側縁部を重ね合わせて、はんだ付けすることによって、筒状壁が得られることから達成される。そのように、ポーチの筒状壁は、その高さの大部分でほとんど円形の横断面を備える。また、従来の技術のポーチの突出した縁部がなくなる。さらに、従来技術で公知のポーチでは二つ必要だった縦方向の接合部分が、一つだけになる。
【0009】
側方接合部分の上部は、筒状壁の上方接合部分の端部の一つの上に位置することが好ましい。
【0010】
本発明の第一の実施態様では、筒状壁は、その下部が好ましくはバルブを組み込んだ上方接合部分と同一平面内でのその壁の下方縁部の平らなはんだ付けによって閉じられている。この第一の実施態様は、特に実現するのが容易である。ポーチの横断面は、ポーチの高さの中央でほぼ円形であり、この断面は、上端部及び下端部に近づくと楕円形になり、その上端部及び下端部では完全に平坦になる。ポーチは、少なくともその中央部分では、ボトルの空間の大部分を占め、この部分のデッドスペースをかなり小さくする。
【0011】
第二の実施態様では、筒状壁は、その下部がほぼ丸い底部壁によって閉じられる。したがって、円形の横断面がポーチの下方部分まで延び、上端部に近づくと楕円形になる傾向があり、その上端部では完全に平坦になる。ポーチは、少なくともその大きな下方部分では、実際にボトルの空間全部を占め、この部分のデッドスペースがかなり小さくなる。
【0012】
ポーチを筒状壁の縦方向の軸線に沿ってポーチ自体に巻きつけることができるためには、柔軟な材料で、好ましくは筒状壁に使用される材料と同一の材料で底部壁を形成することが好ましい。同一材料を選択すると、製造管理が容易であり、はんだ付けの非相溶性の問題が回避される。そのようにして、ポーチを加圧されたボトル内に導入する前に、ポーチの貯蔵容量を減少させ、ボトルの首部が比較的狭いときにこのボトル内にポーチを導入することを容易にすることができる。
【0013】
この場合、底の壁は、実質的に平坦であり、ポーチの縦方向の軸線に垂直であることが好ましい。これは、実現が最も簡単な解決法である。底部壁は、好ましくは、特に折り返した縁部によって筒状壁の内側面に固定される。
【0014】
本発明によると、筒状壁は、金属‐プラスチックフィルム、好ましくは、ポリプロピレン、高密度または低密度ポリエチレン、EVOH(エチレン‐ビニルアルコール)及び/またはオルガロイ(Orgaloy(登録商標))(ポリアミド及びポリプロピレン混合物)に組み合わされたアルミニウムによって形成されることが好ましい。
【0015】
本発明は、下記の図面を参照して、以下により詳細に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明によるポーチの第一の実施例の斜視図である。
【図2】図1のポーチの正面図である。
【図3】図2の線A−Aによる断面図である。
【図4】図1のポーチの側面図である。
【図5】本発明によるポーチの第二の実施例の斜視図である。
【図6】図5のポーチの正面図である。
【図7】図6の線A−Aによる断面図である。
【図8】図5のポーチの側面図である。
【図9】図5のポーチの底の部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
二つの実施態様では、本発明のポーチ1、101は、筒状壁2、102によって構成されている。この筒状壁は、テープの二つの側縁部を、重ね合わせて、はんだ付けすることによって得られる。したがって、テープの縁部の一つの内側面をもう一つの縁部の外側面上に貼り付けることによって、縦方向の接合部分23、123が形成される。それによって、この接合部分は、テープの二つの縁部をその内側面を向かい合わせてはんだ付けする従来技術の場合のように突出することがなく、筒状壁の延長部内に位置する。
【0018】
筒状壁2、102は、例えばはんだ付けによって、それ自体に閉じられたテープによって構成され、したがって、突出した縁部のない円形の横断面が得られる。
【0019】
上端部22、122は、それ自体に接合するために筒状壁を平らにすることによって閉じられる。それ自体が公知のエアゾールバルブ4、104がこの接合部分22、122の中央に配置され、それによって、ポーチ1、101に内蔵されている製品を取り出すことができる。
【0020】
例えば、材料として、ポリプロピレン、高密度または低密度ポリエチレン、EVOH(エチレン‐ビニルアルコール)、Orgaloy(オルガロイ(登録商標))(ポリアミド及びポリプロピレン混合物)に組み合わされたアルミニウムのような金属‐プラスチックフィルムが選択される。
【0021】
このポーチは、分配ボトルに導入されるためのものである。バルブは、ポーチの内容物を取り出すように働く。ポーチの外側で、容器内に含まれているガスまたは他の推進剤は、バルブが作動するとすぐに、バルブを介してこの内容物を押し出すのに役立つ。
【0022】
本発明の第一の実施態様では、筒状壁102は、その下端部121を壁の下方縁部121にはんだ付けすることによって閉じられる。上部接合部分122及び下部接合部分121は、必須ではないが、同一平面内にあることが好ましい。縦方向の接合部分123は、好ましくは、下部接合部分121及び上部接合部分122の端部の一つに配置される。
【0023】
第二の実施態様では、筒状壁2は、その下端部21が柔軟な材料で形成されたほぼ円形の底部壁3によって閉じられ、その材料は筒状壁用に使用したものと同一であることが好ましい。
【0024】
底部壁3は、例えば、ポーチ2の下端部21へのはんだ付けによって固定される。この底部壁3は、実質的に平坦であり、ポーチ1の縦方向の軸線に垂直な平面内に延びている。例えば、底部壁3の周囲を下方に折り返してはんだ付けすることができ、それによって、図9に示すように、ポーチの縦方向の軸線に平行な突出した縁部31が形成される。
【産業上の利用可能性】
【0025】
このポーチの利点は、従来技術のポーチでははんだ付けが4回あったが、第一の実施態様または第二の実施態様のどちらでも、はんだ付けが3回しか必要ないことである。また、ポーチの形状は、その高さの大きな部分で、実質的に円筒形であり、従来技術のように卵形や楕円形ではない。さらに、ポーチの高さ全体に渡って縦方向の平らな接合部分が存在しないので、ボトル内のデッドスペースを効率的に減少させることができる。これによって、より高い充填率が可能になる。実際、筒状壁は大部分が円筒形であり、したがって、その筒状壁が導入される容器の壁によりぴったりと並ぶ。
【符号の説明】
【0026】
101 ポーチ
102 筒状壁
121 下端部
122 上端部
123 側方接合部分
104 バルブ
1 ポーチ
2 筒状壁
21 下端部
22 上端部
23 側方接合部分
3 底部壁
31 折り返した縁部
4 バルブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
柔軟な筒状壁(2、102)を平らにして、それ自体にはんだ付けすることによって、その上部(22、122)が閉じられる筒状壁によって構成され、エアゾールバルブ(4、104)がその接合部分に組み込まれている加圧ボトル用ポーチ(1、101)において、
筒状壁(2、102)が、テープの二つの側縁部を重ね合わせて、はんだ付け(23、123)することによって得られる
ことを特徴とするポーチ。
【請求項2】
側方接合部分(23、123)の上部が、筒状壁の上方接合部分(22、122)の端部の一つに配置される
請求項1に記載のポーチ(1、101)。
【請求項3】
筒状壁(102)の下部(121)が、その内側縁部を平らにはんだ付けすることによって閉じられる
請求項1または2に記載のポーチ(101)。
【請求項4】
下方接合部分(121)及び上方接合部分(122)が、略同一平面内にある
請求項3に記載のポーチ(101)。
【請求項5】
筒状壁(2)の下部(21)が、実質的に円形の底部壁(3)によって閉じられる
請求項1または2に記載のポーチ(1)。
【請求項6】
底部壁(3)が、柔軟な材料、好ましくは、筒状壁(2)に使用されているものと同一の材料によって形成される
請求項5に記載のポーチ(1)。
【請求項7】
底部壁(3)が、実質的に平坦で、ポーチ(1)の縦方向の軸線に垂直である
請求項5または6に記載のポーチ(1)。
【請求項8】
底部壁(3)が、筒状壁(2)の内側面に固定される
請求項5ないし7のいずれかに記載のポーチ(1)。
【請求項9】
底部壁(3)が、折り返した縁部(31)によって筒状壁に固定される
請求項1ないし8のいずれかに記載のポーチ(1)。
【請求項10】
筒状壁(2)が、金属‐プラスチックフィルム、好ましくは、ポリプロピレン、高密度または低密度ポリエチレン、EVOH(エチレン‐ビニルアルコール)及び/またはオルガロイ(Orgaloy(登録商標))(ポリアミド及びポリプロピレン混合物)に組み合わされたアルミニウムによって形成される
請求項1ないし9のいずれかに記載のポーチ(1)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2010−519144(P2010−519144A)
【公表日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−550720(P2009−550720)
【出願日】平成20年2月22日(2008.2.22)
【国際出願番号】PCT/EP2008/052182
【国際公開番号】WO2008/107319
【国際公開日】平成20年9月12日(2008.9.12)
【出願人】(508332184)リンダル フランス サス (5)
【氏名又は名称原語表記】LINDAL FRANCE SAS
【Fターム(参考)】