説明

加圧吐水装置とそれを用いた局部洗浄装置

【課題】 洗浄水を貯留する容器と、前記容器を密閉する蓋とからなり、前記密閉容器内に貯留された洗浄水にガスを発生する発泡薬剤を投入し、発生するガスによって容器内部に圧力を与え洗浄水を吐出するものであって、使用中および使用後において蓋が容器内の圧力によって勢いよく外れて使用者がけがをすることがない、使用上の安全性に配慮の払われた加圧吐水装置を提供する。
【解決手段】 洗浄水を貯留する容器と、前記容器を密閉する蓋とからなり、前記密閉容器内に貯留された洗浄水にガスを発生する発泡薬剤を投入し、発生するガスによって容器内部に圧力を与え洗浄水を吐出するものであって、容器から蓋の脱落を防止する機構を設けた。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は噴射剤の圧力で、内部に収容されている内容物を外部に噴出させるようにした加圧吐水装置に関するもので、さらに詳述すると、頭皮や頭部やお尻や鼻などの局部を洗浄する携帯に便利な洗浄装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】洗浄水貯留タンクと、洗浄水貯留タンクを密閉する蓋と、一端が洗浄水貯留タンクの内部空間に連通可能であり他端が洗浄水貯留タンク外で開口する通水路と、通水路を開閉する開閉弁とを備え、洗浄水貯留タンクに洗浄水を貯留し、発泡剤を貯留タンクに投入し施蓋して洗浄水貯留タンクを密閉し、発泡剤と洗浄水が反応して発生した気体を前記密閉空間内の空気層に合流させて洗浄水貯留タンク内の洗浄水を加圧し、開閉弁を開き、洗浄水を通水路の前記他端から吐出させる人体洗浄装置が特開平4−58919号に開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】特開平4−58919号の人体洗浄装置は、容器と蓋が外れる構成になっているため、蓋を容器から取り外す際、容器内に圧力が残っていると、蓋が容器内圧力により勢い良く外れ、蓋が使用者にあたり、けがをするおそれがあった。また容器に発泡薬剤と洗浄水を入れて反応させる際、蓋を完全に閉める前に容器内で発泡薬剤と洗浄水が反応してしまう構成であるため、蓋を閉める前に容器内が加圧され洗浄水および発生したガスが容器外に飛散する、また蓋が容器内の圧力により勢い良く外れ、使用者にあたってけがをしてしまうおそれがあった。
【0004】本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、洗浄水を貯留する容器と、前記容器を密閉する蓋とからなり、前記密閉容器内に貯留された洗浄水にガスを発生する発泡薬剤を投入し、発生するガスによって容器内部に圧力を与え洗浄水を吐出するものであって、前記容器から前記蓋が脱落しないような構成にすることにより、使用上の安全性に配慮の払われた加圧吐水装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段および作用・効果】上記課題を解決するために、本発明においては、洗浄水を貯留する容器と、前記容器を密閉する蓋とからなり、前記密閉容器内に貯留された洗浄水にガスを発生する発泡薬剤を投入し、発生するガスによって容器内部に圧力を与え洗浄水を吐出する加圧吐水装置において、前記容器と前記蓋の嵌合部容器側面に容器開口部を設け、前記蓋は、前記蓋を上下に可動させることによって、前記容器開口部を介して容器内部と容器外部とを連通させる状態と連通させない状態に切り換える切り替え手段であり、前記容器開口部が露出した時に容器から蓋の脱落を防止するストッパー部を設けたことを特徴とする加圧吐水装置を提供する。
【0006】本発明に係る加圧吐水装置においては、蓋をはずす方向に引き上げた時に容器開口部が露出し、蓋を引き下げた時に容器が密閉される構成となっている。ここで、前記容器開口部が露出した時に容器から蓋の脱落を防止するストッパー部を設けているため、使用前に洗浄水と発泡薬剤を反応させる場合においても、使用後、容器を開口する場合においても、容器内の圧力により容器から蓋が脱落することがないため、蓋が勢い良く外れて使用者がけがをするといったことがない安全な加圧吐水装置を提供することができる。
【0007】本発明の好ましい態様においては、洗浄水を貯留する容器と、前記容器を密閉する蓋とからなり、前記密閉容器内に貯留された洗浄水にガスを発生する発泡薬剤を投入し、発生するガスによって容器内部に圧力を与え洗浄水を吐出する加圧吐水装置において、前記容器と前記蓋の嵌合部容器側面に容器開口部を設け、嵌合部蓋側面に蓋開口部を設け、前記蓋は前記蓋を左右に可動させることによって、容器開口部と蓋開口部を介して容器内部と容器外部とを連通させる状態と連通させない状態に切り換える切り替え手段となっている。
【0008】本発明に係る加圧吐水装置においては、蓋を左右に可動させることによって、容器開口部が露出した状態とそうでない状態に切り換える。ここで、蓋をはずさないで洗浄水および発泡薬剤を投入できる構成となっているため、蓋が勢い良く外れて使用者がけがをすることがない安全な加圧吐水装置を提供することができる。また、発泡薬剤を投入して容器内の圧力を高めるような装置においては、薬剤を投入して蓋を閉める間にも洗浄水と発泡薬剤の反応が進み、除々に容器内は加圧されている。よって蓋の開閉において容器内体積を圧縮させるような構成であると、さらに容器内の圧力が上昇する傾向になるため蓋の開閉動作が困難となる。本発明の構成においては、蓋を左右に稼動させて容器の開閉を行うため、開閉動作に伴う容器内体積の変化がない。よって、蓋の閉止動作に伴い容器内の空気層が圧縮されて、容器内圧力が上昇することがないため、容器の開閉操作をスムーズにおこなうことができる。
【0009】本発明の好ましい態様においては、洗浄水を貯留する容器と、前記容器を密閉する蓋とからなり、前記密閉容器内に貯留された洗浄水にガスを発生する発泡薬剤を投入し、発生するガスによって容器内部に圧力を与え洗浄水を吐出する加圧吐水装置において、前記蓋と前記容器は開動部を介して連結しており、前記蓋は開動部を介して蓋を可動させることにより容器内部と容器外部を連通させる状態と連通させない状態に切り換える切り替え手段である。
【0010】本発明にかかる加圧吐水装置においては、蓋が開動部を介して容器と連結しているため蓋が容器から脱落することがなく、使用者がけがをすることがない安全な加圧吐水装置を提供することができる。また、蓋の開動部自体が、蓋が容器から脱落するのを防止する機能を有しているため、蓋が容器から脱落するのを防止するストッパー部を別途設ける必要がなく部品点数を減らすことができる。
【0011】本発明の好ましい態様においては、洗浄水を貯留する容器と、前記容器を密閉する蓋とからなり、前記密閉容器内に貯留された洗浄水にガスを発生する発泡薬剤を投入し、発生するガスによって容器内部に圧力を与え洗浄水を吐出する加圧吐水装置において、前記蓋に従属したスライド部を設け、前記スライド部が容器内部と容器外部を連通させる状態と連通させない状態に切り換える切り替え手段である。
【0012】本発明に係る加圧吐水装置においては、容器の開閉状態の切り替えを蓋に従属したスライド部で切り換えるため、蓋およびスライド部が外れて使用者がけがをすることがない安全な加圧吐水装置を提供することができる。また、蓋に別途スライド部を設けたため、操作部自体をコンパクトにすることができるため、操作性が良く、使い勝手の良い加圧吐水装置を提供することができる。
【0013】本発明の好ましい態様においては、洗浄水を貯留する容器と、前記容器を密閉する蓋とからなり、前記密閉容器内に貯留された洗浄水にガスを発生する発泡薬剤を投入し、発生するガスによって容器内部に圧力を与え洗浄水を吐出する加圧吐水装置において、前記蓋は容器内の圧力により容器を密閉する方向に変形する弾性体で形成されている。本発明の好ましい態様においては、洗浄水を貯留する容器と、前記容器を密閉する蓋とからなり、前記密閉容器内に貯留された洗浄水にガスを発生する発泡薬剤を投入し、発生するガスによって容器内部に圧力を与え洗浄水を吐出する加圧吐水装置において、前記蓋の一端は容器内部に開動可能に固定され、他端はバネ弾性力および容器内の圧力により容器内壁に付設するように構成されている。
【0014】本発明に係る加圧吐水装置においては、容器はバネおよび弾性体の弾性力により常時密閉した状態になっている。洗浄水および発泡薬剤は、弾性体の抗力に逆らって容器を開口状態にして投入される。このため、蓋は常時閉止状態となっているため、蓋の閉め忘れなどによって一度容器内に入れた洗浄水および薬剤が容器外へ飛散するのを防止できる。また容器内の圧力によって蓋が閉まる構成となっているため、容器内の圧力が高くなるにつれてより止水性能が高くなるため、加圧時の洗浄水等の液漏れが発生するのを防止できる。また蓋が容器に固定されているため、蓋が勢い良く外れて使用者がけがをすることがないといった、使い勝手のよい安全な加圧吐水装置を提供することができる。
【0015】本発明の好ましい態様においては、前記蓋を前期容器開口部が閉止した状態で保持するロック機構を設けた。本発明に係る加圧吐水装置においては、容器開口部が閉止した状態でロックする機構を設けたため、洗浄水と発泡薬剤が反応してガスが発生し容器内が加圧された状態に、過って容器開口部が開口し、洗浄水および容器内の気体が容器外に放出するのを防止することができる。
【0016】本発明の好ましい態様においては、前記容器開口部は薬剤挿入口と洗浄水挿入口からなり、前記容器内は薬剤収納部と洗浄水収納部に区画されている。
【0017】通常、洗浄水を投入した後に発泡薬剤を投入すると、発泡薬剤を投入した時点で反応が始まり、蓋をしめるまでに容器外に発生したガスが漏れる、また発生したガスにより容器内が加圧され、蓋の閉止が困難であるといった問題がある。本発明に係る加圧吐水装置においては、容器が洗浄水収納部と薬剤収納部に区画されているので、薬剤を容器に投入した際にすぐに薬剤の反応が開始されることがない。よって洗浄水と発泡薬剤を容器に投入する際に容器内が加圧されることはなく蓋の開閉動作がスムーズに行えるだけでなく、発生したガスが容器外にもれることがなく、発泡薬剤を有効に利用することができる。
【0018】本発明の好ましい態様においては、前記薬剤収納部と前記洗浄水収納部は容器内で連通しており、前記連通部は前記洗浄水挿入口よりも前記蓋側の位置に設けられている。
【0019】本発明に係る加圧吐水装置においては、使用者が過って所定量以上の洗浄水を容器に挿入してしまった場合でも、洗浄水挿入口よりも蓋側の上方の位置に洗浄水収納部と薬剤収納部の連通部が設けられているため、洗浄水投入時に薬剤収納部に洗浄水が投入されることがない。よって洗浄水と発泡薬剤を容器に投入する際に容器内が加圧されることはなく蓋の開閉動作がスムーズに行えるだけでなく、発生したガスが容器外にもれることがなく、発泡薬剤を有効に利用することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面に示す実施例に基づいて本発明を説明すると、図1は本発明加圧吐水装置の第1の実施例を示す斜視図、図2は第1の実施例におけるロック部の機構を示す斜視図、図3は本発明の実施例に係る加圧吐水装置が備えるストッパー部の第1の例を示す断面図、図4は本発明の実施例に係る加圧吐水装置が備えるストッパー部の第2の例を示す断面図、図5は本発明の実施例に係る加圧吐水装置が備えるストッパー部の第3の例を示す断面図、図6は本発明加圧吐水装置の第2の実施例を示す斜視図、図7は本発明加圧吐水装置の第3の実施例を示す斜視図、図8は本発明加圧吐水装置の第4の実施例を示す斜視図、図9は本発明加圧吐水装置の第5の実施例を示す斜視図、図10は本発明加圧吐水装置の第6の実施例を示す容器蓋部分の断面図である。
【0021】図1、図2に本発明の第1の実施例に係る加圧吐水装置を説明する。図1(A)、(B)に示すように、本実施例にかかる加圧吐水装置は、洗浄水および発泡薬剤を貯留する容器1と、容器1と協働して密閉空間を形成する蓋2とを備えている。また容器1には発泡薬剤を容器内へ投入する薬剤挿入口3と、洗浄水を容器1内へ投入する洗浄水挿入口4と、発泡薬剤を収納する薬剤収納部5と、洗浄水を貯留する洗浄水収納部6が設けられている。また、薬剤収納部5と洗浄水収納部6は容器1内で連通しており薬剤収納部5と洗浄水収納部6との連通部である容器内連通部7は洗浄水挿入口4よりも蓋2側に設けられている。また、加圧吐水装置には容器開口部である薬剤挿入口3と洗浄水挿入口4が露出した時に容器1から蓋2の脱落を防止するストッパー部が設けられている。また、図2(A)、(B)に示すように、加圧吐水装置には容器開口部である薬剤挿入口3と洗浄水挿入口4が閉止した状態で蓋2を保持させるロック部が設けられている。また、8は蓋2の上壁に取り付けられた押しボタン式のバルブボタンであり、蓋2の上壁から突出する可動筒体の先端に取り付けられている。この可動筒体は上下移動自在であり、バルブボタン8を手指で押し込んだ(開状態にした)のちに、バルブボタン8から手指を離すと、戻しばね(図示せず)の作用により元の位置(閉状態)に戻るようになっている。9は上記バルブボタン8に取り付けたノズルである。そして、上記可動筒体内に形成された通路、上記バルブボタン8内に形成された通路、および上記ノズル9内に形成された通路は互いに連通しており、これら各通路が上記密閉容器の内部に連通している。
【0022】次に加圧吐水装置の動作について説明する。使用者は蓋2を図1(B)に示すように容器上方向に引き上げる。洗浄水挿入口4より容器1内に定量の洗浄水を入れ、その後薬剤挿入口3より発泡薬剤を投入する。このとき、容器1内には薬剤収納部5と洗浄水収納部6が配設されているので、発泡薬剤を容器1内に投入してもすぐには反応は開始せず、施蓋後に発泡薬剤と洗浄水の反応を開始させることができる。この結果施蓋前の反応開始による発生したガスの加圧吐水装置からの散逸が防止される。また、薬剤収納部5と洗浄水収納部6との連通部である容器内連通部7は洗浄水挿入口4よりも蓋2側に設けられているため、洗浄水投入時に使用者が誤って所定量以上の洗浄水を容器1に入れた場合でも、薬剤収納部5に洗浄水が入って施蓋前に洗浄水と発泡薬剤の反応が開始されることはない。
【0023】次に使用者は図1(A)のように蓋を容器下方向に引き下げて施蓋した後、加圧吐水装置を上下に振ることにより、薬剤収納部5と洗浄水収納部6との連通部7を介して発泡薬剤と容器1内の洗浄水とを反応させる。この反応により発生した気体が容器1の内部に溜まる。容器1の内部に十分な圧力が得られた頃に、バルブボタン8を下にし、ノズル9を肛門に向け、その状態でバルブボタン8を押し、ノズル9から洗浄水を噴射して肛門に吹き付け肛門を洗浄水で洗浄する。
【0024】このとき加圧吐水装置には容器開口部である薬剤挿入口3と洗浄水挿入口4が閉止した状態で蓋2を保持させるロック部が設けられているため、容器1内の圧力が上昇しても蓋2が容器1内の圧力により上方に押し上げられ、容器開口部が開口し、発生した気体および加圧された洗浄水が加圧吐水装置から散逸するのを防止できる。ここでロック部の詳細について説明する。ロック部は図2(A)、(B)に示すように蓋2に設けられた蓋凹部10と容器1に設けられた容器凸部11からなる。図2(B)は洗浄水と発泡薬剤とを投入し、蓋2を下方に引きさげ、容器1を密閉した状態を示している。ここで図2(A)に示すように蓋2を左右に稼働させ、蓋凹部10と容器凸部11を併合させることで、蓋2が容器内圧力により上方に押し上げられることがなく、容器開口部が閉止した状態で蓋2を保持させることができる。
【0025】次に図3に容器開口部が露出したときに容器から蓋の脱落を防止するストッパー部の第一の例を示す。通常、使用中および使用後において、容器と蓋が分離可能な加圧吐水装置においては、容器を密閉状態から解除する際(容器開口部を開口する際)、容器内に圧力が残っていると、蓋が容器内の圧力によって勢いよくはずれてしまい、使用者に当たってけがをするおそれがあった。本発明にかかる加圧吐水装置においては、図3(A)に示す容器密閉状態から図3(B)に示す容器開口部を露出させた状態になった時、図3(B)に示すように容器突起部12と蓋突起部13が干渉することにより容器1から蓋2の脱落を防止するストッパー部がになっているため、使用者は蓋2が勢いよくはずれてけがをすることがなく常に安全に使用することができる。また、容器1から蓋2が脱落しないような機構は図3に示すだけでなく次に示すものであってもよい。
【0026】図4に容器開口部が露出したときに容器から蓋の脱落を防止するストッパー部の第二の例を示す。図4(B)に示すようにストッパー部は、剛体14と、蓋2と剛体14を連結している継手部15とからなる。詳細を説明すると、図4(A)に示す容器密閉状態から図4(B)に示す容器開口部を露出させた状態になった時、図4(B)に示すように、剛体14は継手部15により蓋2とともに上方に引き上げられるが、容器1の内壁に引っかかり、容器1から蓋2が脱落するのを防止する機構となっている。
【0027】次に図5に容器開口部が露出したときに容器から蓋の脱落を防止するストッパー部の第三の例を示す。図5(B)に示すようにストッパー部は、容器1と蓋2とに連結された弾性部材A16からなる。図5(A)に示す容器密閉状態から図5(B)に示す容器開口部を露出させた状態になったとき、図5(B)に示すように弾性部材A16が最大伸長となるように取り付けられることで、容器1から蓋2が脱落するのを防止する機構となっている。
【0028】このように、上記の実施の形態では、加圧吐水装置により、水洗浄器を取り付けた西洋式便器が設備されていないトイレ等でも、手軽に肛門を水洗浄することができ、衛生的である。しかも、容器から蓋が脱落しない構成となっているため、蓋がはずれて使用者がけがをすることのない使用上安全な加圧吐水装置を提供することができる。
【0029】図6に本発明の第2の実施例に係る加圧吐水装置を説明する。図番については図1と同じものに関しては説明を省略する。図6(B)に示すように本実施例にかかる加圧吐水装置は容器1と前記蓋2の嵌合部蓋側面に蓋開口部17を設け、蓋2は左右に可動可能な状態で容器1に固定されている。
【0030】詳細を説明すると、容器1には図6(A)のように薬剤挿入口3と洗浄水挿入口4が設けられている。ここで容器1が密閉された状態とは図6(B)のような状態の時であり、蓋開口部17と薬剤挿入口3および洗浄水挿入口4が合致しない状態となっている。洗浄水を投入するときは図6(C)のように蓋2を稼働させて蓋開口部17と洗浄水挿入口4を合致させ洗浄水を投入する。つぎに発泡薬剤を投入するときは図6(D)のように蓋開口部17と薬剤挿入部3を合致させ発泡薬剤を投入する。上記説明のように本発明の第2の実施例の特徴は蓋2を左右に稼働させることにより容器開口部である薬剤挿入口3ないし洗浄水挿入口4と蓋開口部を介して容器内部と容器外部とを連通させる状態と連通させない状態に切り換えることである。
【0031】このことより、蓋をはずさないで洗浄水および発泡薬剤を投入できる構成となっているため、蓋が勢い良く外れて使用者がけがをすることがない安全な加圧吐水装置を提供することができる。また、薬剤挿入口、洗浄水挿入口単独の開閉動作ができるため、洗浄水投入時に誤って薬剤挿入口に洗浄水が投入されるのを防止することができる。さらには、容器内体積を変化させないように容器を密閉することができるため、蓋の閉止動作に伴う容器内の圧縮による圧力上昇を防ぐことができ、容器の開閉をスムーズに行うことができる。
【0032】図7に本発明の第3の実施例に係る加圧吐水装置を説明する。図番については図1と同じものに関しては説明を省略する。図7(B)に示すように本実施例にかかる加圧吐水装置は蓋2と容器1を連結する開動部18を設けた。また、容器開口部が閉止した状態で蓋2を保持させるロック部として蓋2に蓋凸部19、容器1に容器凹部20を設けた。ここで図1においては蓋2に凹を設け容器1に凸部を設けているが、容器開口部が閉止した状態で蓋2を保持できるものであればどちらでもよい。
【0033】詳細を説明すると、容器1が密閉された状態とは図7(A)の状態の時であり、容器開口部が閉止した状態で蓋2を保持させるロック部である蓋凸部19と容器凹部20とは併合した状態となる。洗浄水および発泡薬剤を投入するときは開動部18を介して図7(B)のように容器1を開口する。また、この時、蓋2と容器1は開動部18により連結されているため容器1から蓋2が脱落することはない。
【0034】このことにより、蓋が勢い良く外れて使用者がけがをすることがない安全な加圧吐水装置を提供することができるとともに、開動部自体が、蓋が容器から脱落するのを防止する機能を有しているため、容器から蓋が脱落するのを防止するストッパー部を別途設ける必要がなく部品点数を減らすことができる。さらに、図7(B)をみてわかるように容器開口部を広くとることが可能な構成であるため、容器内の清掃等がしやすくの使い勝手がよくなる。
【0035】図8に本発明の第4の実施例に係る加圧吐水装置を説明する。図番については図1と同じものに関しては説明を省略する。図8(B)に示すように本実施例にかかる加圧吐水装置は蓋2に従属させて、容器内部と容器外部を連通させる状態と連通させない状態に切り換えるスライド部21を設けた。
【0036】図8(A)の状態が容器密閉状態であり、図8(B)の状態が容器開口状態となる。このようにスライド部21を図8(A)、図8(B)のようにスライドさせることにより容器内部と容器外部を連通させる状態と連通させない状態に切り換えることができる。
【0037】このことより、蓋をはずさないで洗浄水および発泡薬剤を投入できる構成となっているため、蓋が勢い良く外れて使用者がけがをすることがない安全な加圧吐水装置を提供することができる。また、薬剤挿入口、洗浄水挿入口単独の開閉動作ができるため、洗浄水投入時に誤って薬剤挿入口に洗浄水が投入されるのを防止することができる。また、容器内体積を変化させないように容器を開閉するため、蓋の閉止動作に伴う容器内の圧縮による圧力上昇を防ぐことができ、容器の開閉をスムーズにおこなうことができる。さらには、蓋に従属させたスライド部により容器の開閉を行うため、蓋よりも操作部であるスライド部はコンパクトな形状にすることができ、使用者の操作性、使い勝手がよくなる。
【0038】図9に本発明の第5の実施例に係る加圧吐水装置を説明する。図番については図1と同じものに関しては説明を省略する。図9(C)に示すように本実施例にかかる加圧吐水装置は蓋が容器1内の圧力により容器1を密閉する方向に変形する弾性部材B22で形成されている。
【0039】詳細を説明すると、通常は図9(A)のように弾性部材22の弾性力により容器1は密閉状態となっている。使用者が本実施例における加圧吐水装置を使用する際には、図9(B)のように弾性部材22の弾性力に逆らって、発泡薬剤および洗浄水を容器1内に投入する。容器1内で発泡薬剤と洗浄水の反応が進むにつれて、容器1内は加圧される。すると図9(C)のように蓋体である弾性部材22は容器内の圧力により容器1の密閉状態を保つ方向に変形する。弾性部材B22の形状は円筒状のものでもよいし、2枚の板状のものをハの字型に組み合わせたものでもよいし、容器1内の圧力が増加すればするほど止水性能が向上する構造であればなんでもよい。
【0040】このことより、蓋をはずさないで洗浄水および発泡薬剤を投入できる構成となっているため、蓋が勢い良く外れて使用者がけがをすることがない安全な加圧吐水装置を提供することができる。また、洗浄水および発泡薬剤を挿入する時だけ一時的に容器が開口状態となる構成のため、新たに薬剤収納部や洗浄水収納部を設けなくても発生した気体が容器外へ逸散するのを防止することができる。
【0041】図10に本発明の第6の実施例に係る加圧吐水装置の蓋部分について説明する。図番については図1R>1と同じものに関しては説明を省略する。図10(B)に示すように本実施例にかかる加圧吐水装置は蓋の一端が容器1内部に開動可能に固定されており、他端はバネ部材23の弾性力および容器1内の圧力により容器1内壁に付設するように構成されている。
【0042】詳細を説明すると、通常は図10(A)のようにバネ部材23の弾性力により容器1は密閉状態となっている。使用者が本実施例における加圧吐水装置を使用する際には、図10(B)のようにバネ部材23の弾性力に逆らって、発泡薬剤および洗浄水を容器1内に投入する。薬剤および洗浄水を投入すると蓋2はバネ部材の弾性力により図10(A)の状態にもどり容器は再び密閉状態となる。容器1内で発泡薬剤と洗浄水の反応が進むにつれて、容器1内は加圧されと、蓋2はバネ部材23の弾性力と容器内の圧力によって容器内壁に付設することになる。
【0043】このことより蓋をはずさないで洗浄水および発泡薬剤を投入できる構成となっているため、蓋が勢い良く外れて使用者がけがをすることがない安全な加圧吐水装置を提供することができる。また、洗浄水および発泡薬剤を挿入する時だけ一時的に容器が開口状態となる構成のため、新たに薬剤収納部や洗浄水収納部を設けなくても発生した気体が容器外へ逸散するのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明加圧吐水装置の第1の実施例を示す斜視図
【図2】第1の実施例におけるロック部の機構を示す斜視図
【図3】本発明の実施例に係る加圧吐水装置が備えるストッパー部の第1の例を示す断面図
【図4】本発明の実施例に係る加圧吐水装置が備えるストッパー部の第2の例を示す断面図
【図5】本発明の実施例に係る加圧吐水装置が備えるストッパー部の第3の例を示す断面図
【図6】本発明加圧吐水装置の第2の実施例を示す斜視図
【図7】本発明加圧吐水装置の第3の実施例を示す斜視図
【図8】本発明加圧吐水装置の第4の実施例を示す斜視図
【図9】本発明加圧吐水装置の第5の実施例を示す斜視図
【図10】本発明加圧吐水装置の第6の実施例を示す容器蓋部分の断面図
【符号の説明】
1 容器
2 蓋
3 薬剤挿入口
4 洗浄水挿入口
5 薬剤収納部
6 洗浄水収納部
7 容器内連通部
8 バルブボタン
9 ノズル
10 蓋凹部
11 容器凸部
12 容器突起部
13 蓋突起部
14 剛体
15 継手部
16 弾性部材A
17 蓋開口部
18 開動部
19 蓋凸部
20 容器凹部
21 スライド部
22 弾性部材B
23 バネ部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】 洗浄水を貯留する容器と、前記容器を密閉する蓋とからなり、前記密閉容器内に貯留された洗浄水にガスを発生する発泡薬剤を投入し、発生するガスによって容器内部に圧力を与え洗浄水を吐出する加圧吐水装置において、前記容器と前記蓋の嵌合部容器側面に容器開口部を設け、前記蓋は、前記蓋を上下に可動させることによって、前記容器開口部を介して容器内部と容器外部とを連通させる状態と連通させない状態に切り換える切り替え手段であり、前記容器開口部が露出した時に容器から蓋の脱落を防止するストッパー部を設けたことを特徴とする加圧吐水装置。
【請求項2】 洗浄水を貯留する容器と、前記容器を密閉する蓋とからなり、前記密閉容器内に貯留された洗浄水にガスを発生する発泡薬剤を投入し、発生するガスによって容器内部に圧力を与え洗浄水を吐出する加圧吐水装置において、前記容器と前記蓋の嵌合部容器側面に容器開口部を設け、嵌合部蓋側面に蓋開口部を設け、前記蓋は前記蓋を左右に可動させることによって、容器開口部と蓋開口部を介して容器内部と容器外部とを連通させる状態と連通させない状態に切り換える切り替え手段であることを特徴とする加圧吐水装置。
【請求項3】 洗浄水を貯留する容器と、前記容器を密閉する蓋とからなり、前記密閉容器内に貯留された洗浄水にガスを発生する発泡薬剤を投入し、発生するガスによって容器内部に圧力を与え洗浄水を吐出する加圧吐水装置において、前記蓋と前記容器は開動部を介して連結しており、前記蓋は開動部を介して蓋を可動させることにより容器内部と容器外部を連通させる状態と連通させない状態に切り換える切り替え手段であることを特徴とする加圧吐水装置。
【請求項4】 洗浄水を貯留する容器と、前記容器を密閉する蓋とからなり、前記密閉容器内に貯留された洗浄水にガスを発生する発泡薬剤を投入し、発生するガスによって容器内部に圧力を与え洗浄水を吐出する加圧吐水装置において、前記蓋に従属したスライド部を設け、前記スライド部が容器内部と容器外部を連通させる状態と連通させない状態に切り換える切り替え手段であることを特徴とする加圧吐水装置。
【請求項5】 洗浄水を貯留する容器と、前記容器を密閉する蓋とからなり、前記密閉容器内に貯留された洗浄水にガスを発生する発泡薬剤を投入し、発生するガスによって容器内部に圧力を与え洗浄水を吐出する加圧吐水装置において、前記蓋は容器内の圧力により容器を密閉する方向に変形する弾性体で形成されていることを特徴とする加圧吐水装置。
【請求項6】 洗浄水を貯留する容器と、前記容器を密閉する蓋とからなり、前記密閉容器内に貯留された洗浄水にガスを発生する発泡薬剤を投入し、発生するガスによって容器内部に圧力を与え洗浄水を吐出する加圧吐水装置において、前記蓋の一端は容器内部に開動可能に固定され、他端はバネの弾性力および容器内の圧力により容器内壁に付設するように構成されたことを特徴とする加圧吐水装置。
【請求項7】 前記蓋を前期容器開口部が閉止した状態で保持するロック機構を設けたことを特徴とする請求項1〜4何れか一項記載の加圧吐水装置。
【請求項8】 前記容器開口部は薬剤挿入口と洗浄水挿入口からなり、前記容器内は薬剤収納部と洗浄水収納部に区画されていることを特徴とする請求項1〜4何れか一項記載の加圧吐水装置。
【請求項9】 前記薬剤収納部と前記洗浄水収納部は容器内で連通しており、前記連通部は前記洗浄水挿入口よりも前記蓋側の位置に設けられていることを特徴とする請求項8記載の加圧吐水装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図9】
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【図10】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2003−221082(P2003−221082A)
【公開日】平成15年8月5日(2003.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2002−21316(P2002−21316)
【出願日】平成14年1月30日(2002.1.30)
【出願人】(000010087)東陶機器株式会社 (3,889)
【Fターム(参考)】