説明

加工ドライフラワーの作成方法

【課題】 本発明は一般家庭やカルチャースクール等でも簡単な方法で、かつ、いままでは作ることができなかった形状や、表情のある加工ドライフラワーの作成方法を得るにある。
【解決手段】 ドライフラワーを作成するドライフラワー作成工程と、このドライフラワー作成工程で作成されたドライフラワーを吸湿材が収納された加熱容器内へ入れ、電子レンジあるいは加熱器で加熱して、吸湿材からの水蒸気でドライフラワーを湿らせて軟らかくするドライフラワー柔軟工程と、このドライフラワー柔軟工程で軟らかくされたドライフラワーを押し花状あるいは半立体状に形を変える形状変更作業工程と、この形状変更作業工程後に乾燥剤で形状を変更した状態で乾燥されるように乾燥する乾燥工程とで加工ドライフラワーの作成方法を構成している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般家庭やドライフラワーのカルチャースクール等で作成される加工ドライフラワーの作成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ドライフラワーを作成する方法として、紙容器内に生花を収納し、この収納された生花を埋没するようにシリカゲルやアルミナ等の乾燥剤を充填して乾燥させてドライフラワーを作成したり、生花を減圧槽内にセットし、減圧し、コントロールされたマイクロ波加熱とコントロールされた遠赤外線加熱を行なってドライフラワーを製造したりする考えがある。
【0003】
しかしながら、前者にあっては一般家庭やカルチャースクール等で簡単にドライフラワーを作成することができるが、生花を乾燥剤で乾燥させるだけであるため、生花に表情をつけた状態での乾燥ができず、きれいなドライフラワーを作成することができないという欠点があった。
【0004】
また、後者は減圧槽やコントロールされたマイクロ波加熱やコントロールされた遠赤外線加熱を行なうため、一般家庭やカルチャースクール等では製造することができないという欠点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−302402号公報
【特許文献2】特開平8−119801号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は以上のような従来の欠点に鑑み、一般家庭やカルチャースクール等でも簡単な方法で、かつ、いままでは作ることができなかった形状や、表情のある加工ドライフラワーの作成方法を提供することを目的としている。
【0007】
本発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴は次の説明を添付図面と照らし合わせて読むと、より完全に明らかになるであろう。
ただし、図面はもっぱら解説のためのものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明はドライフラワーを作成するドライフラワー作成工程と、このドライフラワー作成工程で作成されたドライフラワーを吸湿材が収納された加熱容器内へ入れ、電子レンジあるいは加熱器で加熱して、吸湿材からの水蒸気でドライフラワーを湿らせて軟らかくするドライフラワー柔軟工程と、このドライフラワー柔軟工程で軟らかくされたドライフラワーを押し花状あるいは半立体状に形を変える形状変更作業工程と、この形状変更作業工程後に乾燥剤で形状を変更した状態で乾燥されるように乾燥する乾燥工程とで加工ドライフラワーの作成方法を構成している。
【発明の効果】
【0009】
以上の説明から明らかなように、本発明にあっては次に列挙する効果が得られる。
(1)請求項1により、ドライフラワーを電子レンジあるいは加熱器を用いて湿らせ、軟らかくして表情のある形状に加工した後、乾燥剤で乾燥させるので、ドライフラワーを損傷させることなく、表情のある形状に楽に加工することができ、いままでにない表情のある美しい加工ドライフラワーを作成することができる。
(2)前記(1)により、乾燥剤と電子レンジあるいは加熱器を使用するだけでドライフラワーを加工することができるので、一般家庭やカルチャースクールで簡単に実施することができる。
(3)前記(1)により、ドライフラワー柔軟工程を用いるので、押し花状、半立体状、立体状に加工したドライフラワーでも使用することができる。
したがって、加工ドライフラワーには、どんなドライフラワーでも使用することができる。
(4)前記(1)により、形状変更作業工程後の乾燥は、一度乾燥されたドライフラワーを用いているので、再乾燥となり、容易に乾燥させることができる。
(5)請求項2は前記(1)〜(4)と同様な効果が得られるとともに、ドライフラワー作成工程で押し花状、半立体状、立体状のドライフラワーを作成することができる。
(6)請求項3は前記(1)〜(4)と同様な効果が得られるとともに、PH調整液が吸着された吸湿材を使用することにより、ドライフラワーを自然な色の仕上がりにすることができ、より美しい加工ドライフラワーを作成することができる。
(7)前記(6)により、吸湿材にPH調整液を吸着させて、電子レンジあるいは加熱器で加熱するだけでよいので、誰でもが容易に実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明を実施するための第1の形態の工程図。
【図2】本発明を実施するための第1の形態のドライフラワー作成工程の説明図。
【図3】本発明を実施するための第1の形態のドライフラワー柔軟工程の説明図。
【図4】本発明を実施するための第1の形態の形状変更作業工程の説明図。
【図5】本発明を実施するための第1の形態の乾燥工程の説明図。
【図6】本発明を実施するための第2の形態の工程図。
【図7】本発明を実施するための第2の形態のドライフラワー柔軟工程の説明図。
【図8】本発明を実施するための第2の形態の形状変更作業工程の説明図。
【図9】本発明を実施するための第3の形態の工程図。
【図10】本発明を実施するための第3の形態の乾燥工程の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面に示す本発明を実施するための形態により、本発明を詳細に説明する。
【0012】
図1ないし図5に示す本発明を実施するための第1の形態において、1はドライフラワー2を水蒸気で湿らせ、軟らかくなったところでドライフラワーを損傷させることなく表情のある美しい形状に加工して加工ドライフラワー3を作成する本発明の加工ドライフラワーの作成方法で、この加工ドライフラワーの作成方法1はドライフラワー作成工程4と、ドライフラワー柔軟工程5と、形状変更作業工程6と、乾燥工程7とで構成されている。
【0013】
前記ドライフラワー作成工程4は図2に示すように、ドライフラワーにする生花2aと砂状あるいは小さな粒状のシリカゲルやモレキュラーシーブ等の乾燥剤8を容器9内に収納し、生花2aを乾燥剤8で埋め込み、生花2aの水分を乾燥剤8に吸着させて行なう。
【0014】
前記ドライフラワー柔軟工程5はタッパー等の耐熱容器10内に、水11aを吸着させた新聞紙やティッシュ等の紙や布の吸着材11を収納し、収納された吸湿材11の上部にドライフラワー作成工程4で作成されたドライフラワー2を位置させ、電子レンジ12で加熱し、しばらく放置して蒸らし、吸着材11から発散される水蒸気によってわずかに湿らせ、軟らかいドライフラワー2Aを作成する作業を行なう。
【0015】
なお、前記ドライフラワー柔軟工程5は電子レンジ12以外の加熱器としての蒸し器、加湿器や水11aを吸着させた吸着材11を収納したタッパー等の耐熱容器10を用いた加熱器を用いて行ってもよい。
【0016】
前記形状変更作業工程6は前記ドライフラワー柔軟工程5で軟らかくなった、軟らかいドライフラワー2Aを手作業で上から押さえて押し花状、半立体状にしたり、いままでにない表情のある美しい形状に加工するもので、この加工時には軟らかいドライフラワー2Aはドライフラワー柔軟工程5で軟らかくなっているため、軟らかいドライフラワー2Aを損傷させることなく、いろいろな形状に変形させることができる。
【0017】
前記乾燥工程7は前記形状変更作業工程6で行なった、形状を変更したドライフラワー2Bの形状によって、シート状の乾燥剤13、13に挟んで乾燥させたり、加熱器14で乾燥させ、加工ドライフラワー3を完成させる。
【0018】
上記構成の加工ドライフラワーの作成方法1で作成された加工ドライフラワー3は、乾燥剤8とともに密封袋15に収納され、多数個の加工ドライフラワー3を用いて、ドライフラワーアートを作成するまで保存される。
【0019】
[発明を実施するための異なる形態]
次に、図6ないし図10に示す本発明を実施するための異なる形態につき説明する。なお、これらの本発明を実施するための異なる形態の説明に当って、前記本発明を実施するための第1の形態と同一構成部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0020】
図6ないし図8に示す本発明を実施するための第2の形態において、前記本発明を実施するための第1の形態と主に異なる点は吸湿材11にクエン酸、酢酸、重曹炭酸水素ナトリウム、酒石酸、乳酸、コハク酸、リンゴ酸、アスコルビン 酸、フマル酸、炭酸、硝酸、ホウ酸、アンモニア、水酸化ナトリウム等のいずれかのPH調整液16を吸着させてドライフラワー柔軟工程5Aを行なった点で、このようなドライフラワー柔軟工程5Aを行なうことにより、PH調整液16によりドライフラワー2が乾燥により変色した色を、自然に近い色の花に戻すことができるため、より自然に近い色の加工ドライフラワー3Aを作成することができる加工ドライフラワーの作成方法1Aにできる。
【0021】
図9および図10に示す本発明を実施するための第3の形態において、前記本発明を実施するための第1の形態と主に異なる点は、湿度の低い状態の箱やシート状の乾燥剤、砂状あるいは小さな粒状のシリカゲルやモレキュラーシーブ等の乾燥剤18が収納された乾燥ケース17を用いて形状変更作業工程6を行なって形状を変更したドライフラワー2Bを乾燥させる乾燥工程7Aを行なった点で、このような乾燥工程7Aを用いて加工ドライフラワーの作成方法1Bを行なって加工ドライフラワー3を作成しても、前記本発明を実施するための第1の形態と同様な作用効果が得られる。
【0022】
なお、あらかじめ生花の状態でポリビニールアルコール水等を吹き付け、コーティングしたものをドライフラワー作成工程4で使用することにより、丈夫な加工ドライフラワーを得ることができる。
【0023】
また、生花を立体的に乾燥させ、ドライフラワー柔軟工程5後に、酢酸ビニール樹脂等でコーティングすると、丈夫な加工ドライフラワーを得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0024】
本発明はドライフラワーを表情のある形状に変更した加工ドライフラワーを作成する産業で利用される。
【符号の説明】
【0025】
1、1A、1B:加工ドライフラワー作成方法、
2:ドライフラワー、 2A:柔らかいドライフラワー、
2B:形状を変更したドライフラワー、
3、3A:加工ドライフラワー、 4:ドライフラワー作成工程、
5、5A:ドライフラワー柔軟工程、
6:形状変更作業工程、 7、7A:乾燥工程、
8:乾燥剤、 9:容器、
10:耐熱容器、 11:吸湿材、
12:電子レンジ、 13:シート状乾燥剤、
14:加熱器、 15:密封袋、
16:PH調整液、 17:乾燥ケース。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドライフラワーを作成するドライフラワー作成工程と、このドライフラワー作成工程で作成されたドライフラワーを吸湿材が収納された加熱容器内へ入れ、電子レンジあるいは加熱器で加熱して、吸湿材からの水蒸気でドライフラワーを湿らせて軟らかくするドライフラワー柔軟工程と、このドライフラワー柔軟工程で軟らかくされたドライフラワーを押し花状あるいは半立体状に形を変える形状変更作業工程と、この形状変更作業工程後に乾燥剤で形状を変更した状態で乾燥されるように乾燥する乾燥工程とからなることを特徴とする加工ドライフラワーの作成方法。
【請求項2】
ドライフラワー作成工程はドライフラワーにする花を砂状あるいは小さな粒状の乾燥剤に埋没して作成することを特徴とする請求項1記載の加工ドライフラワーの作成方法。
【請求項3】
ドライフラワー柔軟工程で使用される吸湿材は、紙や布に水あるいはクエン酸、酢酸、重曹炭酸水素ナトリウム、酒石酸、乳酸、コハク酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、フマル酸、炭酸、硝酸、ホウ酸、アンモニア、水酸化ナトリウムのいずれかのPH調整液が吸着されていることを特徴とする請求項1記載の加工ドライフラワーの作成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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