説明

加湿器のヒータ基部

使用者に供給される呼吸ガス流を加熱および加湿するために使用される加湿器で使用するための、加湿器のヒータ基部アセンブリを開示する。アセンブリは、好ましくは、熱伝導性部分と、ヒータプレートの周囲の周囲部分とを有するヒータプレート、および周囲部分に取り付けられた内側部分を有する弾力性部材を含む。弾力性部材の外側部分は、周囲部分の少なくとも一部および好ましくは全体の周りに弾力性周囲フランジを提供するように適合されている。弾力性部材は、ヒータプレートおよび内側部分が加湿器に対してヒータプレートの平面全体に実質的に直角な方向に動くことができるように、弾力性周囲フランジによってヒータ基部を加湿器に固定できるように適合されている。弾力性周囲フランジの少なくとも一部分は、加湿器に対して静止したままである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に、これだけではないが、患者または使用者に供給するガスを加湿するためのガス加湿装置に関し、それらの患者または使用者は、閉塞型睡眠時無呼吸(OSA)、いびき、または慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの疾患を処置するために、加湿ガスを供給される必要がある。特に、本発明は、加湿装置のヒータ基部構成に関する。
【背景技術】
【0002】
治療目的で患者に加湿ガス流を提供する装置またはシステムは当該技術分野でよく知られている。このタイプの治療、例えばCPAP治療を施すシステムは、必要圧力のガスが、補助呼吸ユニットまたはブロワユニットから、ブロワの下流にある加湿器チャンバへ送られる構造を有する。ガスが加湿器チャンバ内の加熱加湿空気を通過すると、ガスは水蒸気で飽和する。その後ガスは、ガス導管を経由して加湿器の下流にいる使用者または患者に送られる。導管によって直列につながれた別個のユニットから組み立てられているモジュール式システム(すなわち、加湿器チャンバ/ヒータと呼吸ユニット/ブロワとが別個のアイテムであるシステム)から加湿ガスを送ることができる。しかしながら、図1に概略的に示すようなブロワ/加湿器一体型システムを使用することが増えてきている。典型的な一体型システムは、加圧ガス流をもたらす主「ブロワ」または補助呼吸ユニット、およびブロワユニットと結合する(噛み合う)または剛結合された加湿器ユニットからなる。この結合は、例えば摺動式または押し込み式接続によって生じるため、加湿器は主ブロワユニット上の適所にしっかりと保持される。このタイプのシステムの例は、米国特許第7,111,624号明細書で示され、説明されているFisher and Paykel Healthcareの「摺動式」水室システムである。
【0003】
一体型装置は、一般的に、別個のユニットから組み立てられたモジュール式呼吸回路より小型であり、個別性が高い。家庭で使用するためのユニットには、小型で個別性のあるユニットが特に有利である。なぜなら、寝床のそばの空間は限られており、かつ、例えば外泊する場合など、使用者は自身の個人用ユニットを他の場所に運搬して組み立てる必要があるためである。小型の一体型ユニットは、一般的に使用者がより容易に組み立てることができる。
【0004】
一般的に、家庭用ユニットは睡眠時無呼吸を軽減するために使用される。使用中の時間(mid−use point)は通常夜間、使用者の睡眠周期中である。使用中に再補充や同様のことが必要となる場合、使用者はこの作業を行うために目を覚ます必要がある。使用者は目を覚ましたら加湿器チャンバを再補充する必要がある。これらのユニットを補充または洗浄するときに問題が生じ得る。なぜなら、現在利用可能な呼吸器の加湿システムのほとんど全てが加湿媒体として水を使用し、洗浄は大抵、水性洗浄剤を使用して行われているためである。ブロワおよび加湿器ユニットは電気的に動作および制御されているので、内部の電子部品が保護されていないと問題が発生する可能性がある。内部部品が保護されていない場合、偶発的に水がこぼれると、エレクトロニクスが短絡し、システムの動作に支障を生じる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、上述の欠点をいくらか克服する、または少なくとも公衆または業界に有用な選択肢を提供する呼吸補助装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様では、本発明は、概して、使用者に供給する呼吸ガス流を加熱および加湿するために使用するタイプの加湿器で使用するためのヒータ基部アセンブリであって、
熱伝導性部分と、ヒータプレートの周囲の周囲部分とを有するヒータプレート、
前記ヒータプレートに結合された第1の部分と、前記周囲部分の少なくとも一部の周りにフランジを提供するように適合された第2の部分とを有する弾力性部材であって、前記ヒータプレートおよび前記第1の部分が前記加湿器に対して動くことができるように、前記フランジによって前記ヒータ基部を前記加湿器に固定できるように適合された弾力性部材、
を含むヒータ基部アセンブリにある。
【0007】
第2の態様では、本発明は、概して、使用者に供給する呼吸ガス流を加熱および加湿するために使用するタイプの加湿器で使用するためのヒータ基部アセンブリであって、
ヒータプレート、およびヒータプレートを加湿器に弾力的に装着するためにヒータプレートに固定され、かつヒータプレートと加湿器との間に流体バリアを提供する弾力性部材、
を含むヒータ基部アセンブリにある。
【0008】
好ましくは、弾力性部材は、ヒータプレートを前記加湿器に弾力的に固定する可撓性ガスケットまたは仕切板である。
【0009】
好ましくは、前記弾力性部材は前記ヒータプレートに成形されている。
【0010】
好ましくは、第1の部分はヒータプレートの周囲部分に取り付けられている。
【0011】
好ましくは、フランジはヒータプレートの全周囲に延在している。
【0012】
好ましくは、弾力性部材は、前記ヒータプレートおよび前記第1の部分が前記加湿器に対して前記ヒータプレートの平面全体に実質的に直角な方向に動くことができるように、前記フランジによって前記ヒータ基部を前記加湿器に固定できるように適合されている。
【0013】
好ましくは、前記ヒータプレートの前記熱伝導性部分は実質的に平面的であり、前記周囲部分の少なくとも一部は前記熱伝導性部分の面外に形成されている。
【0014】
好ましくは、前記ヒータプレートの前記熱伝導性部分は、使用中に加湿器チャンバを支持するように適合された上面を有し、前記周囲部分は、使用中に前記周囲部分の少なくとも一部が前記上面の下方にあるように形成されている。
【0015】
好ましくは、フランジは、2つの加湿器部品間にクランプされてヒータ基部を加湿器に固定するように適合され、フランジの少なくとも一部分は、2つの加湿器部品間で少なくともわずかに圧縮されるように適合されている。
【0016】
好ましくは、フランジは、上部加湿器部品と下部加湿器部品との間でクランプされるように適合され、フランジの少なくとも一部分は、上部加湿器部品と下部加湿器部品との間で少なくともわずかに圧縮されるように適合されている。
【0017】
好ましくは、前記弾力性部材は、前記フランジの上面に形成された上部円周溝を有し、上部加湿器部品から下向きに延出する対応する円周突出部を受け入れる。
【0018】
好ましくは、前記弾力性部材は、前記フランジの下面に形成された下部円周溝を有し、下部加湿器部品から上向きに延出する対応する円周突出部を受け入れる。
【0019】
好ましくは、前記上部および下部円周溝は垂直方向に整列している。
【0020】
好ましくは、フランジの一部分は、使用中、ヒータ基部と加湿器部品との間に流体バリアを提供するように適合されている。
【0021】
好ましくは、フランジの一部分は、使用中、ヒータ基部と加湿器部品との間に流体バリアを提供するように適合され、流体バリアは上部溝と下部加湿器部品との間に配置されている。
【0022】
好ましくは、フランジの一部分は、使用中、ヒータ基部と加湿器部品との間に流体バリアを提供するように適合され、流体バリアは下部溝と上部加湿器部品との間に配置されている。
【0023】
好ましくは、使用中、前記フランジの一部分は、実質的に4%〜20%だけ弾性的に圧縮される。
【0024】
好ましくは、使用中、前記フランジの一部分は実質的に12%だけ弾性的に圧縮される。
【0025】
好ましくは、前記上部および下部円周溝の少なくとも一方および好ましくは双方が、口部が広くて基部が狭くなるように先細になっている。
【0026】
好ましくは、前記弾力性部材は、前記弾力性部材の前記第1の部分と前記フランジとの間に形成された狭窄セクションを含み、前記ヒータプレートが、使用中、前記弾力性部材の前記フランジに対して前記ヒータプレートの前記平面全体に実質的に直角な方向に変位されると、前記狭窄セクションは、前記弾力性部材が優先的に弾性的に撓む領域を提供する。
【0027】
好ましくは、前記狭窄セクションは、前記弾力性部材の上面または下面のいずれかまたはそれら双方に形成された円周谷部を含む。
【0028】
好ましくは、前記弾力性部材は、前記弾力性部材の前記第1の部分と前記フランジとの間に形成されたスカートセクションを含み、使用中、前記ヒータプレートが前記弾力性部材の前記フランジに対して前記ヒータプレートの前記平面全体に実質的に直角な方向に変位されると、前記スカートセクションは弾性的に撓む。
【0029】
好ましくは、第1の部分は、スカートセクションによってフランジから垂直方向に間隔を置かれている。
【0030】
好ましくは、前記弾力性部材は、前記ヒータプレートの上面にわたって連続的な層として形成され、前記連続的な層は前記上面を完全に覆う。
【0031】
好ましくは、前記ヒータ基部が、前記ヒータプレートの裏面に取り付けられた加熱素子をさらに有する。
【0032】
好ましくは、前記ヒータ基部が、前記ヒータプレートの裏面に結合された少なくとも1つの電気部品をさらに有し、前記弾力性部材が、前記弾力性部材の下面に形成されかつ前記弾力性部材の内側部分または内側面から前記弾力性部材の外側部分または外側面まで延びるチャネルをさらに有し、前記電気部品が、使用中に前記電気部品から前記チャネルを経て前記弾力性部材にわたって延在する電線をさらに有する。
【0033】
好ましくは、使用中、弾力性部材がヒータプレートと加湿器との間に流体バリアを形成する。
【0034】
第3の態様では、本発明は、概して、使用者に供給する呼吸ガス流を加熱および加湿するために使用するタイプの加湿器であって、前記加湿器は、使用中に前記加湿器に取り外し可能に取り付けられた加湿器チャンバの内容物を加熱するように適合され、前記加湿器は、
前記加湿器に対して前記加湿器チャンバを適所に保持するように適合されたケーシングまたは基部ユニット、
前記ケーシングまたは基部ユニットに固定されたヒータ基部であって、ヒータプレートと弾力性部材とを含むヒータ基部、
加熱素子
を含み、
前記ヒータプレートは、熱伝導性部分と、前記熱伝導性部分の外側の周りに周囲部分とを有し、
前記弾力性部材は、ヒータプレートに結合された第1の部分と、前記周囲部分の少なくとも一部の周りにフランジを提供する第2の部分とを有し、前記ヒータプレートおよび前記第1の部分が前記ケーシングまたは基部ユニットに対して動くことができるように、前記ヒータ基部は前記フランジによって前記ケーシングまたは基部ユニットに固定され、
前記加熱素子は、使用中、前記ヒータプレートの前記熱伝導性部分に熱をもたらすように適合されている、加湿器にある。
【0035】
第4の態様では、本発明は、概して、使用者に供給する呼吸ガス流を加熱および加湿するために使用するタイプの加湿器であって、使用中、前記加湿器に取り外し可能に取り付けられた加湿器チャンバの内容物を加熱するように適合され、
前記加湿器に対して前記加湿器チャンバを適所に保持するように適合されたケーシングまたは基部ユニット、
前記ケーシングまたは基部ユニットに固定されたヒータ基部であって、ヒータプレートと、ヒータプレートをケーシングまたは基部ユニットに弾力的に装着するためにヒータプレートに固定され、かつヒータプレートとケーシングまたは基部ユニットとの間に流体バリアを提供する弾力性部材とを含むヒータ基部、および
ヒータプレートに熱をもたらす加熱素子
を含む加湿器にある。
【0036】
好ましくは、弾力性部材は、ヒータプレートを加湿器に弾力的に固定する可撓性ガスケットまたは仕切板である。
【0037】
好ましくは、前記弾力性部材は前記ヒータプレートに成形されている。
【0038】
好ましくは、第1の部分は、ヒータプレートの周囲部分に取り付けられている。
【0039】
好ましくは、フランジはヒータプレートの全周囲に延在している。
【0040】
好ましくは、弾力性部材は、前記ヒータプレートおよび前記第1の部分が前記加湿器に対して前記ヒータプレートの平面全体に実質的に直角な方向に動くことができるように、前記フランジによって前記ケーシングまたは基部ユニットに固定されている。
【0041】
好ましくは、前記ヒータプレートの前記熱伝導性部分は実質的に平面的であり、前記周囲部分は前記熱伝導性部分の面外に形成されている。
【0042】
好ましくは、前記ヒータプレートの前記熱伝導性部分は、使用中に加湿器チャンバを支持するように適合された上面を有し、前記周囲部分は、使用中に前記周囲部分の少なくとも一部が前記上面の下方にあるように形成されている。
【0043】
好ましくは、ケーシングまたは基部ユニットは2つの加湿器部品をさらに含み、フランジは前記2つの加湿器部品間にクランプされて、ヒータ基部を前記ケーシングまたは基部ユニットに固定し、フランジの少なくとも一部分が、2つの加湿器部品間で少なくともわずかに圧縮される。
【0044】
好ましくは、ケーシングまたは基部ユニットは上部加湿器部品および下部加湿器部品をさらに含み、フランジは、前記上部加湿器部品と前記下部加湿器部品との間にクランプされ、フランジの少なくとも一部分は、上部加湿器部品と下部加湿器部品との間で少なくともわずかに圧縮される。
【0045】
好ましくは、前記弾力性部材は、前記フランジの上面に形成された上部円周溝を有し、前記上部加湿器部品は、前記上部加湿器部品から前記上部円周溝まで下向きに延出する対応する円周突出部を有する。
【0046】
好ましくは、前記弾力性部材は、前記フランジの下面に形成された下部円周溝を有し、前記下部加湿器部品は、前記下部加湿器部品から前記下部円周溝まで上向きに延出する対応する円周突出部を有する。
【0047】
好ましくは、前記上部および下部円周溝および対応する前記突出部は垂直方向に整列している。
【0048】
好ましくは、フランジの一部分は、ヒータ基部と前記加湿器部品との間に流体バリアを提供する。
【0049】
好ましくは、フランジの一部分は、ヒータ基部と加湿器ケーシングまたは基部ユニットとの間に流体バリアを提供し、流体バリアは、上部溝と加湿器下部部品との間に配置されている。
【0050】
好ましくは、フランジの一部分は、ヒータ基部と加湿器ケーシングまたは基部ユニットとの間に流体バリアを提供し、流体バリアは、下部溝と加湿器上部部品との間に配置されている。
【0051】
好ましくは、使用中、前記フランジの一部分は実質的に4%〜20%だけ弾性的に圧縮される。
【0052】
好ましくは、使用中、前記フランジの一部分は実質的に12%だけ弾性的に圧縮される。
【0053】
好ましくは、前記上部および下部円周溝の少なくとも一方および好ましくは双方が、口部が広くて基部が狭くなるように先細になっており、対応する突出部は、それに適合するように対応して先細になっている。
【0054】
好ましくは、前記弾力性部材は、前記弾力性部材の前記第1の部分と前記フランジとの間に形成された狭窄セクションを含み、使用中、前記ヒータプレートが前記弾力性部材の前記フランジに対して前記ヒータプレートの平面全体に実質的に直角な方向に変位されると、前記狭窄セクションは、前記弾力性部材が優先的に弾性的に撓む領域をもたらす。
【0055】
好ましくは、前記狭窄セクションは、前記弾力性部材の上面または下面のいずれかまたはそれら双方に形成された円周谷部を含む。
【0056】
好ましくは、前記弾力性部材は、前記弾力性部材の前記第1の部分と前記フランジとの間に形成されたスカートセクションを含み、使用中、前記ヒータプレートが前記弾力性部材の前記フランジに対して前記ヒータプレートの前記平面全体に実質的に直角な方向に変位されるとき、前記スカートセクションは弾性的に撓む。
【0057】
好ましくは、第1の部分は、スカートセクションによってフランジから垂直方向に間隔を置かれている。
【0058】
好ましくは、前記弾力性部材は、前記ヒータプレートの上面にわたって連続的な層として形成され、前記連続的な層は前記上面を完全に覆う。
【0059】
好ましくは、前記ヒータ基部は、前記ヒータプレートの裏面に取り付けられた加熱素子をさらに有する。
【0060】
好ましくは、前記ヒータ基部は、前記ヒータプレートの裏面に結合された少なくとも1つの電気部品をさらに有し、前記弾力性部材は、前記弾力性部材の下面に形成されかつ前記弾力性部材の内側部分または内側面から前記弾力性部材の外側部分または外側面まで延びるチャネルをさらに有し、前記電気部品は、使用中に前記電気部品から前記チャネルを経て前記弾力性部材にわたって延在する電線をさらに有する。
【0061】
好ましくは、使用中、弾力性部材がヒータプレートと加湿器との間に流体バリアを形成する。
【0062】
好ましくは、前記上部部品は、使用中に加湿器チャンバを収容するように適合された加湿器チャンバ区画の壁である。
【0063】
好ましくは、前記加湿器チャンバ区画の前記壁の下部は水平の壁セクションを含み、前記フランジは、前記水平の壁セクションと前記加湿器下部部品との間にクランプされている。
【0064】
好ましくは、前記ヒータ基部は、前記加湿器チャンバ区画の基部の少なくとも一部を形成する。
【0065】
好ましくは、前記水平の壁セクションおよび前記ヒータ基部は、前記加湿器チャンバ区画の基部を形成する。
【0066】
好ましくは、フランジの上面は、プレートに取り付けられた弾力性部材の第1の部分の上面に対して下方にずれており、区画壁の水平セクションの上面が、第1の部分の前記上面とほぼ同一面内にある。
【0067】
好ましくは、前記加湿器は、前記加湿器チャンバの基部が前記ヒータプレートに隣接しかつそれと接触する状態で前記加湿器チャンバを取り付け位置に保持するロッキング機構を含み、前記取り付け位置にあるとき、前記加湿器チャンバの前記基部は前記ヒータプレートを下方に変位させ、前記弾力性部材は、前記加湿器チャンバの前記基部に対して前記ヒータプレートを上方に付勢する。
【0068】
好ましくは、前記ロッキング機構は、ロック解除位置からロック位置へおよび再び元の位置へ可動であり、使用中、前記ロック解除位置から前記ロック位置へ動くことにより、前記加湿器チャンバを前記ヒータプレートに対してある距離だけ下方に押圧し、それにより、ヒータプレートを前記距離だけ下方に変位させる。
【0069】
好ましくは、前記ヒータ基部は、前記弾力性部材またはヒータプレートまたはそれら双方の底面の下方に間隙があるように前記ケーシングまたは基部ユニットに組み立てられ、前記間隙は、前記ヒータプレートが使用中に中立位置から下方に変位できるようなサイズにされ、間隙は前記距離よりも大きい。
【0070】
好ましくは、前記加熱素子は、前記ヒータプレートの裏面に取り付けられている。
【0071】
好ましくは、前記加熱素子は、前記ヒータプレートが少なくとも前記取り付け位置まで下方に変位されるとヒータプレートの裏面に接触し、前記ヒータプレートが、持ち上げられた非取り付け位置にあると、前記加熱素子は前記ヒータプレートと接触しない。
【0072】
本願明細書および特許請求の範囲で使用される用語「含む(comprising)」は、「の少なくとも一部からなる」を意味する。用語「含む」を含む、本願明細書および特許請求の範囲の各記載を解釈する際、その用語以外の特徴またはその用語が前置きする特徴も存在し得る。「含む(comprise、comprises)」などの関連語は同じように解釈される。
【0073】
本発明が関係する当業者には、添付の特許請求の範囲に規定される本発明の範囲を逸脱することなく、構成における多くの変更および本発明の広範に異なる実施形態および適用が提案される。本開示および本書の説明は純粋に説明にすぎず、何ら限定を意図するものではない。
【0074】
本発明は前述のものにあり、また、以下の構成は例示にすぎないとみなす。
【0075】
本発明の好ましい実施形態は、一例としてのみ、以下の図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】公知の従来技術のタイプのブロワ/加湿器一体型システムから加湿空気を受け取っている使用者の概略図を示す。
【図2】本発明の一態様の一体型ブロワ/加湿器(一体型ユニット)の好ましい実施形態の斜視図を示し、一体型ユニットは、別個の加湿器チャンバおよびブロワユニット(双方とも図示する)を有し、加湿器チャンバは、使用できる状態でブロワユニット内の適所にある。
【図3】加湿器チャンバ(図示せず)が取り外された状態で、図2のブロワユニットの斜視図を示す。
【図4A】図2のブロワユニットの後面図と切断線D−Dを示す。
【図4B】図2のブロワユニットの切断線D−Dに沿って取った断面図を示す。
【図5】図2のブロワユニットおよび加湿器チャンバの分解図を示す。
【図6】切断線DDに沿って取った断面で、ブロワユニットの内部構造の概略的な詳細図を示す。
【図7A】本発明の加湿器チャンバの後面図を示し、加湿器チャンバの上方に加湿器チャンバの蓋およびロック用ハンドルを分解した状態で示し、切断線A−Aを示す。
【図7B】図7Aの加湿器チャンバ、加湿器チャンバ蓋およびロック用ハンドルの、線A−Aに沿って取った断面図を示す。
【図8】従来技術のヒータプレート装着構成の断面を示す。
【図9A】ヒータ基部アセンブリの好ましい形態の断面図を示す。
【図9B】図9Aに示すヒータ基部アセンブリの片側を拡大して示す。
【図10A】図9Aのヒータ基部アセンブリを組み込む一体型ユニットの断面を示す。
【図10B】図10Aの一体型ユニットの下部隅部を拡大して示し、一体型ユニットの壁および基部の構造細部、およびヒータ基部アセンブリとこれらのアイテムとの関係を示す。
【図11】代替的な形態のヒータ基部アセンブリの一体型ユニットの部分的な断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0077】
図1に、公知の従来技術のブロワ/加湿器一体型ユニット5から空気を受け取っている使用者3の概略図を示す。補助呼吸ユニットまたはブロワ1から加湿器チャンバ2へ加圧空気がもたらされる。加湿、加熱および加圧されたガスが加湿器チャンバ2を出て、導管21を経由して、使用者インターフェース4を介して患者または使用者3にもたらされる。図1に示す使用者インターフェース4は、使用者3の鼻を覆う鼻マスクである。しかしながら、これらのタイプのシステムでは、図示の鼻マスクの代わりにフルフェイスマスク、鼻カニューレ、気管切開取付具、または任意の他の好適な使用者インターフェースを使用できることに留意されたい。
【0078】
図1のユニット5の代わりに本発明のブロワ/加湿器一体型ユニット6を使用できる。図2に、ブロワ/加湿器一体型ユニット6の好ましい形態を組み立て済みの使える状態で示す。ユニット6は、2つの主要部分:外殻を有する一体型補助呼吸ユニット7(ブロワユニットとしても公知)であって、外殻は、呼吸ユニット7の一部を形成しかつ補助呼吸ユニットの作動部分−例えばファン、内部ダクト系統および内部制御システムを取り囲む、一体型補助呼吸ユニット7;および加湿ユニット31を有する(以下詳細に説明する)。
【0079】
補助呼吸ユニット
図3〜図6を参照して、補助呼吸ユニットまたは一体型ユニット6の好ましい形態を以下説明する。
【0080】
一体型ユニット6は2つの主要部分:補助呼吸またはブロワユニット7および加湿ユニット31からなる。加湿ユニット31は、上部を除いて、使用中、一体型ユニット6の外部ケーシング内に収められる。加湿ユニット31の構造を以下詳細に説明する。ブロワユニット7は、実質的に垂直の側壁および後部壁、およびわずかに後方に傾斜した正面を備えるほぼ矩形のブロックである外殻を有する。好ましい実施形態では、壁、基部および上面は全て、継ぎ目が可能な限り最小限にしか生じないように製造されかつ接続されており、必要な継ぎ目はいずれも封止されている。この外殻は、ブロワユニット7の作動部分を取り囲み、ブロワユニット7の一部分を形成する。図3に示すように、一体型ユニット6の正面の下部セクションに調整ノブ8が配置され、ノブ8のすぐ上にコントロール・ディスプレイ9が配置されている。一体型ユニット6の後部壁からは患者側出口25が出ている。好ましい実施形態では、使用中、出口25の自由端は、接続を容易にするために上向きになっている。しかしながら、患者側出口25の好ましい形態では、患者側出口25をより便利な保管または使用位置に動かすかまたは位置合わせするために、どちらか一方に回転できる。患者側出口25は、ユニット6と患者インターフェース−例えばインターフェース4との間に延びる導管−例えば導管21−の一方の端部への空気式接続および電気的接続の双方を可能にするように適合される。
【0081】
図2に、一体型ユニット6の上面の適所にあるロック用ハンドル22を示す。ロック用ハンドル22は、ロック解除して一体型ユニット6の残りの部分から取り外すことができる別個のアイテムである。ロック用ハンドル22はグリップ30を含み、グリップ30は、使用者が一体型ユニット6を持ち上げて運べるようなハンドルの機能を果たすように適合され、かつまた、ハンドル22をロック位置からロック解除位置へ回転できるように適合される。ロック用ハンドル22は、一体型ユニット6の残りの部分に対して解除式にロックできる。ロック用ハンドル22の機能を、以下、「加湿器ユニット」セクションにおいてさらに十分に説明する。
【0082】
図3に、ロック用ハンドル22が取り外され、かつ加湿ユニット31を図示しない一体型ユニット6を示す。すなわち、ブロワユニット7のみを示す。ブロワユニット7の上面は、内部加湿器区画11に至る円形の加湿器アパーチャ1000を含む。開口部は、開口部の円周に配置されたリム24を含む。使用中、加湿器チャンバ12は区画11内に配置される。加湿器チャンバ12を下記で詳細に説明する。加湿器チャンバ12は使用中、最上部を除いて、区画11内部に完全に収められる。
【0083】
図3〜図6を参照して、ブロワユニット7の内部構造を以下説明する。区画11の底部にヒータ基部アセンブリ23を配置する。ヒータ基部アセンブリ23は、弾性または圧縮弾力性をわずかに有するように、区画11の床に装着される。すなわち、区画内で短距離だけ下方に押され得るが、下方に押す力が加えられると押し返す。下方に押す力がない場合には、その元の位置に戻る。
【0084】
区画11の壁に、区画11の上部に向かって、ブロワ吸気ポート13およびブロワ排気ポート14が配置される。好ましい実施形態では、これらのブロワポート13、14は、使用中、加湿器チャンバ12に配置された加湿器ポート15、16と結合するように位置合わせされて(以下詳細に説明する)ブロワから加湿器までのガス経路を形成し、ガスがブロワ7を出て加湿器チャンバ12に入ることができるようにする。他の形態のブロワ吸気口も可能であることに留意されたい。例えば、ブロワユニット7と例えば加湿器チャンバ12の蓋との間に延びる導管である。
【0085】
図6に示すように、一体型ユニット6は、大気から空気を引き込む導入口101を含む。一体型ユニット6は、導入口101から加湿器チャンバへ加圧空気流をもたらす機構も含む。この導入口101は、一体型ユニット6の外面の便利な場所であればどこにでも配置することができる。好ましい実施形態では、導入口101はブロワユニット7の後面に配置される。好ましい実施形態では、加圧空気流機構の好ましい形態の機能を果たすファンユニット100によって、導入口101を通って空気が引き込まれる。空気は、ダクトに通されるかまたはケーシングを通って吸気ポート13まで向けられる。使用中、空気は、吸気ポート13を経由してブロワユニット7の本体から出て、その後、加湿器チャンバ12に入って加湿および加熱されてから、患者側出口25に直接接続されている排気ポート14を通ってチャンバ12から出る。その後、加熱され加湿されたガスは、例えば導管21を経由して使用者3にもたらされる。患者側出口25は、患者側導管21を空気式に取り付けることができるように適合されており、好ましい実施形態では、電気コネクタ19によって出口25における電気的接続も可能である。例えば導管21が加熱される場合には、電気および空気式複合接続も有用とし得る。出口接続は一体型ユニット6のハウジングを経由する必要がないことにも留意されたい。必要に応じて、導管21のための接続を、加湿器チャンバ12からの出口に直接配置できる。
【0086】
ロック用ハンドル22および一体型ユニット6は、ハンドル22を一体型ユニット6にロッキングするためのロッキング機構を含む。好ましい実施形態では、ロッキング機構は以下の通りである:リム24が、リム24の直ぐ下に配置された2つの嵌合溝26を含み、嵌合溝は、リム24の円周上で対向する位置に互いに間隔をあけられている。3つ以上の嵌合溝26を必要に応じて使用することができる。溝26は、ロック用ハンドル22の同数の嵌合突起27に対応する。1つまたは複数の嵌合溝26はリム24上に入口点28を有し、溝26の主要部分はリム24のわずかに下方に配置されている。突起27は下向きに入口点28に押し込まれ、ハンドルが回転されて、突起が溝26の主要部分に入ってハンドル22を適所に保持するようにする。異なるロッキング機構を必要に応じて使用することができる。
【0087】
蓋のある加湿器チャンバ
特に図5および図7を参照して、加湿器ユニット31を以下詳細に説明する。
【0088】
好ましい実施形態では、加湿器ユニット31は、3つの主要部分:加湿器チャンバ12、蓋32およびロック用ハンドル22(一体型ユニット6の動作を説明するために加湿器ユニットの一部とみなされる)で構成される。
【0089】
加湿器チャンバ12の好ましい実施形態は、熱伝導性基部17を備える、上部が開いた容器である。チャンバ12のサイズは、一体型ユニット6の区画11にぴったりと合うようにされている。すなわち、チャンバ12は、チャンバ12の開いている上部を除いてブロワユニット内に入れられている。完全に上部の開いたチャンバ12が好ましい形態である。しかしながら、チャンバ12の代替的な形態は、閉じている上面を有することができ、チャンバに、使用者が容易にチャンバ12を満たすことができるように適切なサイズにされた開口部を含む(必ずしも上面ではない)。
【0090】
チャンバ12はほぼ円形であるが、図7aおよび図7bに示すように(一体型ユニット6に対して)後面の下方部分は平らにされて、区画11の後側の下部にある出っ張り33に対応している。これにより、チャンバ12は、使用中、確実に常に正しい向きにされる。同じ結果を達成する他の方法も使用できることを理解されたい。例えば、チャンバ12および一体型ユニット6は、相補的な溝およびスロットを含むことができる。チャンバ12はまた、必要に応じて充填または水準線などの機能を含むことができる。加湿器吸気ポート15および加湿器排気ポート16を加湿器チャンバ12の壁に、チャンバ壁の上部に向けて配置する。これらは、加湿器チャンバ12が適所にあるときにブロワ吸気ポート13および排気ポート14と整列するように位置決めして、上述のようにブロワから加湿器へのガス経路を形成する。ブロワ7および加湿器チャンバ12の対応するポートが、空隙を最小限にするような形状にされていることが好ましい。良好に封止することが好ましいが、それは必須ではない。好ましい形態では、チャンバ12のリムまたは周囲は、柔らかいシリコーンまたは同様のものから形成されたチャンバシール10を含む。チャンバ12を加湿器区画11内の適所に配置すると、チャンバシール10は、区画11の1つまたは複数の壁に対して押圧され、チャンバ12の本体とシール10とがチャンバ12を確実に封止するので、ポート13を通ってブロワから出る空気は大気に逃げることができない。これは、使用中に加圧空気流が加湿器チャンバ12に確実に入るようにするのを助ける。必要に応じて、チャンバ12の上部リムでまたはその付近で、区画11の壁に、柔らかいシリコーンなどのシーリング材料の実質的に切れ目のないリングを加えて、チャンバシール10の代わりにまたはそれに加えて区画シール(図示せず)を形成する。代替的な実施形態では、ポート13、14は、弾力性シーリングガスケット、例えばシリコーンガスケットによって取り囲まれて、使用中のシールの形成を支援する。好ましい場合には、ポートの周りの弾力性シーリングガスケットは、区画および/またはチャンバシールに加えて使用できる。
【0091】
使用中、チャンバ12を区画11内に(正しい向きで)配置する。次いで、チャンバ12の上部に蓋32を置く。蓋32は、蓋32の下面がチャンバ12の上縁を封止する状態になるように一体型ユニット6の上部開口部を通過できるサイズにされる。好ましい実施形態では、蓋32は、下向きに位置合わせされた縁周囲部分を有する。これは、シリコーンシールまたは同様のもので埋められている円周凹部34を有し、蓋32が適所にあるときにチャンバ12の上向きの縁に押し付けられる。この構成を図7に示す。図7では、蓋32の垂直方向上方に(蓋32とは離れて)ハンドル22も示す。蓋32のサイズは、ハンドル22に示す凹部に適合するようにされる(図7に示すハンドルが、垂直方向下方に蓋32に押し付けられる場合)。チャンバ12が満たされると、蓋32はチャンバ12上の適所に配置される。その後、ロック用ハンドル22が蓋32の上方に位置決めされる。上述のように、ロック用ハンドル22の円周上の突起27が、リム24の相補的な溝26と係合する。
【0092】
区画と、蓋を備えるチャンバとは、突起27の上面が対応する溝26の上側と接触するときに、チャンバの熱伝導性基部17がヒータ基部アセンブリ23の少なくともプレート44と接触するようなサイズにされる。溝26の上側は、開口部28から溝の閉鎖端部26aに向かって下方に傾斜している。ロック用ハンドルを回転させて突起27を溝26に摺動させることによって、チャンバ12がヒータ基部アセンブリ23に向けて下方に動く。突起が溝26の端部26aに達すると、チャンバ12は完全に取り付けられた位置となる。完全に取り付けられた位置では、チャンバの伝導性基部17がヒータ基部アセンブリ23の少なくともプレート44に押し付けられる。
【0093】
通常の使用では、使用者は、一般にロック用ハンドルを下方に押すかまたは押し込んで、蓋32およびチャンバ12の双方を下方にヒータ基部アセンブリ23のプレート44対して押し付ける。ヒータ基部アセンブリ23は下向きの圧力下でわずかにへこみ(give)、ロック用ハンドル22が回転できるようにし、その結果、突起27が溝またはスロット26と係合する。下向きの力が取り除かれたら、アセンブリが突起27およびスロット26によって適所に保持された状態で、チャンバ12、蓋32、およびロック用ハンドル22は、弾力的に装着されたヒータ基部アセンブリ23からの反作用の力によって上方に押される。
【0094】
図3に示す一実施形態では、スロット26は、最初にロック用ハンドル22をわずかに下方に押圧しないと、ロック用ハンドル22を回転させて突起27を係合解除できないような形状にされている。
【0095】
図7から最もよく分かるように、好ましい形態では、蓋32の上部は、ハンドル22の中心凹部に適合する。蓋32とハンドル22とは、蓋22がハンドル22にスナップ嵌めしてハンドルの適所に保持されて、一体式蓋ユニットを形成するようなサイズにされる。蓋22をハンドル32から、その上面または同様のものを押圧することによって係合解除できる。しかしながら、通常の使用時にはスナップ嵌めによってそれらを係合したままにすることが好ましい。ハンドルの凹部および蓋22が円形である場合、それらは、係合時に互いに対して容易に回転することができる。ハンドル22を回転させて一体型ユニット6から係合解除するとき、ハンドルは蓋32に対して容易に回転する(蓋は、周囲縁部のシールのために容易に回転しない)。一体型ユニット6からハンドル22を係合解除したら、一体型ユニット6からハンドルを持ち上げて、ハンドル22および蓋32の双方を取り外すことができる。
【0096】
ヒータ基部アセンブリ
上記において、一体型ユニット6の動作を説明するために、ヒータ基部アセンブリ23をブロワ/加湿器複合ユニットの一部として説明した。しかしながら、ヒータ基部アセンブリ23は加湿器サブユニットの一部を形成し、ヒータ基部アセンブリ23のプレート44は、使用中、加湿器チャンバ12に熱をもたらして、加湿器チャンバ12の液体およびガス状内容物を加熱し、加湿器チャンバ12を流れるガスを加湿するための水蒸気を発生させる。下記で説明するヒータ基部アセンブリ23は、上述の一体型ユニット6などのブロワおよび加湿器一体型ユニットに組み込まれ得るか、またはヒータ基部アセンブリ23は、モジュール式呼吸器システムでの数個の構成要素の1つとして使用される別個の加湿器ユニットに組み込まれ得る。下記および特許請求の範囲で加湿器ユニットに言及する場合、別個の加湿器ユニット(モジュール式システム)、または一体型ユニット6のような一体型ユニットの一部を形成するサブユニットである加湿器ユニットのいずれかを意味するとする。
【0097】
当該技術分野で公知のもののような典型的な加湿器のヒータ基部アセンブリは、一般的にわずかに弾性または圧縮弾力性があり、使用中、加湿器チャンバの基部に対して正の力をもたらす。チャンバ基部とヒータ基部との間の正の力は、確実に、それら2つの間の熱接触を良好にする。図8に、典型的な従来技術のヒータ基部アセンブリの断面を示す。ヒータプレート144は、アルミニウムなどの伝導性材料から形成され、かつ、ほぼ平面的で使用中に加熱面として機能する上面を有する。加熱面に熱をもたらすために加熱素子が取り付けられる(図示せず)。使用中、加湿器チャンバの伝導性基部がヒータプレート144に接触し、チャンバ基部は、ヒータプレート144の上部加熱面と接触することによって加熱され、チャンバ基部はチャンバの内容物に熱をもたらす。図示の従来技術の構成では、プレート144は複数のポスト140によって支持されている。ポスト140は、基部または基部アセンブリ156に可動式に結合されている。プレート144と基部156との間には、1つまたは複数の弾力性要素、この例では支持用ポスト140に対応する複数のコイルばね149が設けられて、プレートを、使用中にプレート144によって支持されるチャンバ(図示せず)の方へ付勢する。使用中、チャンバは、ヒータプレート144およびばね149の力に抗してヒータ基部アセンブリに押し付けられ、ロッキング機構によって適所にロックされる。ばねは正の上向きの力をもたらして、チャンバの基部に対してプレートを付勢し、良好な熱接触を保証する。
【0098】
図8の従来技術のアセンブリは、プレート144と他のヒータ基部の構成要素との間に流体バリアをまったく設けていない。例えば、使用者がチャンバからヒータ基部123に水をこぼすと、ヒータプレート144の下が水浸しになるかもしれない。そのようにこぼれたものを取り除くのは不便かつ困難であり、加湿器または一体式のブロワの電気部品に損傷を与える可能性がある。
【0099】
図10aに、本発明の実施形態を含む一体型ユニットの断面を示す。図10の一体型ユニットはヒータ基部アセンブリ23を含む。ヒータ基部アセンブリ23は、図9aおよび図9bに別々におよび断面を詳細に示す。図9aを参照すると、ヒータ基部アセンブリ23は、2つの主要部分:ヒータプレート44、およびヒータプレート44に取り付けられている弾力性部材40を含む。
【0100】
図9aおよび図9bを参照してヒータ基部アセンブリ23を以下詳細に説明する。ヒータプレート44は、好ましい実施形態では全体的に薄い平坦で平面的なアイテムである。好ましい実施形態では、ヒータプレートの少なくとも一部分は、アルミニウムなどの熱伝導性金属から形成されている。ヒータプレート44は、熱伝導性部分44aと、熱伝導性部分の外側に延びる周囲部分44bとを有する。好ましくは、熱伝導性部分44aおよび周囲部分44bは一体的に形成されている。周囲部分44bの少なくとも一部および好ましくは大部分が、熱伝導性部分44aの面外に形成されていることが好ましい。すなわち、使用中、周囲部分44bは熱伝導性部分44aの下方にある。好ましくは、プレート44は、シート材料からスタンピングおよびプレス成形することによって所望のサイズおよび形状に形成される。あるいは、ヒータプレート44は母材から機械加工できる。好ましくは、プレート44は丸みを帯びている。上記で、平坦で平面的なプレートを好ましい実施形態として説明したが、プレート44は必要に応じて他の形状−例えば凹面または凸面にできることにも留意されたい。
【0101】
好ましい実施形態では、オーバーモールドプロセスによって弾力性部材40をプレート44に取り付ける。好ましい実施形態では、プレート44の少なくとも周囲部分44bが型穴内に配置され、そこに、未硬化または未固化の弾力性材料が射出される。この材料の硬化または固化に続いて、弾力性部材40が形成される。弾力性部材の内側部分40aがプレート44の周囲部分44bに取り付けられる。
【0102】
好ましくは、弾力性材料はケイ素または当該技術分野で公知の他の好適な弾力性またはゴム材料である。
【0103】
好ましくは、上述のオーバーモールド作業の結果、プレート44の周囲部分44bは弾力性部材に成形される。上記のように、プレート44の主要部分または熱伝導性部分の面外に周囲部分44bを形成することが最も好ましい。例えば、シート材料からプレート44を形成する場合には、プレート44の周囲部分44bを切断またはスタンピング作業中に下方に曲げてもよい。これにより、プレート44の平面に対して垂直な方向(この方向は、使用中にプレートが撓む方向でもある)の機械的強度が改善され、かつ所与のサイズのヒータ基部アセンブリ23の機械的結合強度が改善される。好ましくは、プレート44の面外部分は、使用中、プレート44の、加湿器チャンバの基部と接触して使用中に熱伝導性部分の機能を果たす部分の下方にあるように、形成される。この文脈において、「下方」は、熱伝導性部分より下側にある面外部分を指すために使用されており−「下方」は、面外部分が熱伝導性部分の真下にある必要があるという意味では使用されていない(すなわち、「下方」は、ヒータプレートを真上から見る場合に、必ずしも面外部分が熱伝導性部分によって見えないわけではないという意味で使用されている。しかしながら、「下方」は、この構成(見えない)も除外されないという意味で使用される)ことに留意されたい。
【0104】
あるいは、プレートの周囲部分を上向きに形成できる。しかしながら、これは、プレートの周囲に取り付けられている弾力性部材がプレートの熱伝導性部分44aの上面の上方へ延出するため、あまり好ましくない。好ましい実施形態に従って下方に形成された周囲部分44bの場合、弾力性部材を、プレート44の上面が弾力性部材40の上面に隣接するかまたは同一面内にあるように、プレートに取り付けることができる。
【0105】
好ましい実施形態では、プレート44の底部には加熱素子(図9aでアイテム46として示す)が取り付けられる。好ましくは、加熱素子46は、両面接着テープによってプレート44の底部に取り付けられる。熱保護装置などの他の電気部品もプレート44の底部に取り付けてもよい。加熱素子46および任意の他の電気部品に関連付けられた電線は、弾力性部材40の下面または底面500に形成されたチャネル47(または複数のチャネル)を経由してヒータプレートおよび関連の構成要素から離れるように送られ、これらのチャネルは、弾力性部材40の最も内側の部分または表面から弾力性部材40の最も外側の部分または表面まで延びている。好ましい形態では、ヒータプレート44は円形または実質的に円形であり、チャネル47などの1つまたは複数のチャネルは、好ましくはプレート44に対して半径方向に位置合わせされている。
【0106】
加熱素子46を含む電気部品は、例えばポッティング樹脂によって封入してもよい。ヒータプレート44の底部に、フレーム48、例えば電気部品を取り囲むプラスチックフレームを固定してもよい。フレーム48を使用する場合、フレーム48は空洞部を提供し、そこにポッティング樹脂を流し込んでもよい。いくつかの電気部品、例えば熱的過負荷保護装置を弾力性保護用カバー59によって包み込んでもよく、弾力性保護用カバーをプレートに組み立ててから、他の電気部品および電線を例えばポッティング樹脂によって封入する。
【0107】
あるいは、1つ以上の電気部品を、弾力性部材40を形成する弾力性材料によって封入してもよい。プレート44の周囲に取り付けられたこの弾力性材料は、少なくとも部分的にプレート44の下側を通過して1つ以上の電気部品を封入するように、連続的に形成し得る。
【0108】
図10aおよび図10bは、図9aのヒータ基部アセンブリ23を加湿器アセンブリに組み込み得る方法を示す。図示の実施形態では、加湿器アセンブリは一体型ユニット6の一部である。しかしながら、加湿器アセンブリは独立型加湿器の一部とし得る。弾力性部材40は、ヒータプレート44の周囲または周囲部分から外側に、ヒータプレート44の周囲または周囲部分の周りに延在する外側部分を有する。上述のようにおよび図9bに示すように、弾力性部材の内側部分40aは、ヒータプレート44の周囲部分44aに取り付けられている。外側部分は、プレートの周囲部分の少なくとも部分的におよび好ましくは全体の周りに弾力性周囲フランジ44bを提供する。弾力性周囲フランジ40bは、2つの加湿器部品の間にサンドイッチ構成でクランプされている。弾力性周囲フランジは、上部加湿器部品と下部加湿器部品との間にクランプされていることが好ましい。
【0109】
上部が開いた加湿器の区画11は、区画の基部から実質的に垂直に延出する周囲区画壁54によって画成される。図示のように、好ましい実施形態では、区画11が平面図においてほぼ円形であるように、区画壁54はそれ自体が湾曲している。図示の好ましい形態では、平坦な部分510および出っ張り33が、区画11の均一な円形部分を中断している。これらのアイテム(平坦な部分510および出っ張り33)によって、使用中、加湿器チャンバ12を区画11内で確実に正しい向きになる−加湿器チャンバ12は区画11に、ある向きでのみ位置決めできる。区画壁の下部は、好ましくはほぼ環状の水平セクション55として形成される。水平セクション55は区画の基部の一部を形成する。
【0110】
加湿器の区画内側基部56は、加湿器区画の基部の下方に配置される。好ましい形態では、弾力性部材40の弾力性周囲フランジ40bは、区画壁54と区画内側基部56との間にクランプされる。好ましくは、弾力性周囲フランジは、区画壁54の水平セクション55と区画内側基部56との間にクランプされる。
【0111】
区画壁の水平セクション55および垂直セクション54は一体式に形成してもよいし、または組み立てることのできる別個の部分としてもよい。組み立てたら、ヒータ基部アセンブリ23および水平の壁セクション55は加湿器区画の基部を形成する。
【0112】
あるいは、区画壁は、下部水平セクションを含まなくてもよい。この代替的な実施形態では、垂直壁の下部周囲縁は、ヒータ基部アセンブリ23に直接接合する。この実施形態では、弾力性周囲フランジは、垂直区画壁54の周囲縁と区画内側基部との間にクランプされ、ヒータ基部アセンブリ23が加湿器区画11の基部を形成している。
【0113】
区画内側基部はサブハウジングの壁を形成し得る。例えば、図10aに示すように、区画内側基部56は、ファンのサブハウジング400の上壁である。ファンのサブハウジングはブロワファンユニット100を収容する。
【0114】
内側基部56は、区画の基部の表面全体に延在しなくてもよい。例えば、内側基部56は、環状フランジとして形成し得る。例えば、環状フランジが締結具によって区画壁セクションに取り付けられてもよく、締結具は、弾力性部材40を貫通する孔に延びており、弾力性部材40は、環状フランジと水平の壁セクション55との間にクランプされていてもよい。
【0115】
区画壁54、55は、当該技術分野で公知の任意の好適な取り付け方法によって区画内側基部にしっかりと結合または取り付けられている。例えば、区画壁は、ねじによって区画内側基部に取り付け得る。あるいは、区画壁は、区画内側基部にクリップ留めしてもよく、区画壁54、55および区画内側基部56は、クリップ構成の結合半体を共有している。あるいは、壁54、55は外殻36または他の構成要素に取り付けてもよく、区画内側基部も外殻36または同じ他の構成要素に取り付けて、壁54、55と区画内側基部56とをしっかりと結合させる。
【0116】
区画壁および区画内側基部56は、形成されてから加湿器ユニット内に組み立てられるため、例えば水平部分55と区画内側基部56との間には垂直方向に一定の距離がある。壁アイテムおよび基部アイテムは、好ましい実施形態では硬質プラスチックまたは同様のものから形成されるため、加湿器ユニットが組み立てられると、これらのアイテム間または例えばそれらの縁と壁との間に常に公知の一定の距離があることになる。壁54、55と内側基部56との間の垂直方向の一定の距離は、圧縮されていない弾力性部材40の少なくとも一部の厚さよりもわずかに小さい。内側基部、ヒータ基部アセンブリおよび区画壁を組み立てて、弾力性部材40が区画壁54、55と区画の内箱56との間にクランプされた状態になると、弾力性周囲フランジ40の少なくとも一部分は、わずかに圧縮される。弾力性部材40が圧縮されることによって、加湿器ユニットアセンブリ内でヒータ基部アセンブリ23の位置を維持しやすくする。
【0117】
弾力性部材は、外表面または加湿器の使用者がアクセスできる表面と、加湿器内部の構成要素との間に水または流体バリアを提供する。区画壁54、55と区画内側基部56との間で弾力性周囲フランジ40bを圧縮することによって、ヒータ基部アセンブリ23と加湿器区画壁54、55との間に流体または水バリアが形成される。弾力性周囲フランジ40bの圧縮部分は、ヒータ基部アセンブリ23と上部加湿器部品との間に流体バリアを提供する。弾力性周囲フランジ40bの圧縮部分は、ヒータ基部アセンブリ23と加湿器区画壁との間に流体バリアを提供する。組み立てられた加湿器ユニットでは、ヒータ基部アセンブリ23は加湿器区画11の基部の少なくとも一部を形成する。ヒータ基部アセンブリ23と区画壁との間の流体または水バリアは、加湿器区画の内部にこぼれた少なくともある程度の液体が加湿器ユニットの内部の構成要素には到達できないようにすることを保証する。こぼれた液体は好ましくは区画11内に含まれている。
【0118】
好ましくは、弾力性部材40によってもたらされた水バリアは、ヒータ基部アセンブリと、加湿器区画壁などの結合式加湿器部品との間に水密バリアをもたらすシールである。あるいは、水バリアは、ヒータ基部アセンブリと加湿器との間に部分的なシールをもたらし得る;こぼれた水を加湿器区画から加湿器ユニット内部の構成要素に通過させないようにする部分的な水密バリアでも、有益となり得る。
【0119】
好ましくは、弾力性周囲フランジの上面400aは、プレート44に取り付けられた弾力性部材の内側部分40aの上面400bに対して下方にずれているため、組み立てると、区画壁の水平セクションの上面は、プレート44に取り付けられた弾力性部材40の上面400bとほぼ同一面内にある。
【0120】
図9aおよび図9bに示すように、弾力性部材40の好ましい実施形態では、流体バリア部分45は以下の通りに形成される:弾力性部材の上面に上部溝43が形成される。区画壁の水平セクションは、下方に延在する対応する突出部53を有し、突出部53は、加湿器ユニットが組み立てられると溝43に配置される。好ましくは、溝43は、弾力性部材の周りに連続的に延在し、溝43は、弾力性部材の外周囲40cとプレート44の外周囲との間の中間に配置されている。好ましくは、図10aおよび図10bに示すように、突出部53は区画壁の水平セクション55の内周囲部分の周りに連続的に延在する。あるいは、突出部53は、区画壁の水平セクション55の内側周囲と区画壁垂直セクション54との間の中間の位置で、区画壁の水平セクションの周りに連続的に延在し得る。
【0121】
好ましくは突出部53は、加湿器ユニットの組み立て中の区画壁とヒータ基部アセンブリ23との位置合わせを支援するように、先細になっている。好ましくは、溝43がそれに対応して、口部が広く基部が狭くなるように先細になっている。
【0122】
突出部53は、弾力性部材40を容易に圧縮できるように、突出部がないときと比べて弾力性部材の断面積を減少させる。これにより、所望の圧縮状態まで弾力性部材を圧縮させるために必要な力が小さくなるため、加湿器ユニットの組み立てを容易にすることができる。突出部53と区画内側基部との間で弾力性部材40を圧縮することにより、こぼれた流体を加湿区画11内に収容するための流体バリアが形成される。
【0123】
最も好ましい形態では、弾力性部材40の流体バリア45は、弾力性部材40の下面500に形成された第2の溝42を含めることによってさらに形成される。好ましい形態では、区画内側基部はまた、対応する突出部52を有し、突出部は、使用中上向きに延在し、加湿器ユニットが組み立てられると溝42に配置される。好ましくは、溝42は、弾力性周囲フランジ40bの周りに連続的に延在し、溝42は、弾力性部材の外周囲40cとプレート44の外周囲との間の中間に配置されている。好ましい実施形態では、突出部52は区画内側基部56の周りに連続的に延在し、かつ連続的な溝42に対応している。
【0124】
好ましい実施形態では、突出部52は、加湿器ユニットの組み立て中に区画内側基部上でのヒータ基部アセンブリ23の位置合わせを支援するように先細になっている。最も好ましい形態では、溝42は、口部が広くて基部が狭くなるように先細になっている。
【0125】
突出部52は、弾力性部材40を容易に圧縮できるように弾力性部材の断面積を減少させる。これにより、所望の圧縮状態まで弾力性部材を圧縮させるために必要な力が小さくなるため、加湿器ユニットの組み立てを容易にすることができる。突出部52と区画水平セクションとの間の弾力性部材の圧縮は、こぼれた流体を加湿区画11に収容させる流体バリアの形成を支援する。
【0126】
上記で概説したように、好ましい形態では、ヒータ基部アセンブリ23は上部溝43および下部溝42を有する。好ましくは、上部溝43および下部溝42は垂直方向に整列している−すなわち、加湿器ユニットに組み立てられた時および使用中、上部溝43は、下部溝42の直ぐ上にある。垂直に整列した突出部52と53との間に挟まれた弾力性部材40の部分は、こぼれたものを加湿チャンバ11内に収容するための流体バリアの機能を果たす。好ましくは、突出部の寸法、突出部間に設定された距離、および溝42と43との間に配置された対応する弾力性材料の厚さは、加湿器ユニットが組み立てられたときに、弾力性部材の垂直圧縮が約12%となるように計算される。しかしながら、4%〜20%の任意の範囲の圧縮が許容可能であることが分かっている。好ましくはないが、より広範な範囲も考えられる。
【0127】
流体バリア部分45の両側の弾力性材料をわずかに圧縮してもよい。あるいは、流体バリア部分45の両側の弾力性材料は、組み立てられた加湿器ユニットにおいて非圧縮状態に留まることができる。組み立てられた加湿器ユニットでは、流体バリア部分45の外側の弾力性材料(例えば外周囲40cとシール部分45との間の材料)がわずかに圧縮されることが最も好ましい。流体バリア部分45の外側の弾力性材料のこの圧縮は、流体バリア部分45の圧縮よりも小さい。あるいは、流体バリア部分45の外側の弾力性材料は、組み立てられた加湿器ユニットにおいて非圧縮状態に留まることができる。
【0128】
組み立てられた加湿器ユニットでは、流体バリア部分45内の材料(例えばシール部分45とプレート44との間の材料)がわずかに圧縮される。流体バリア部分45内の弾力性材料のこの圧縮は、流体バリア45の圧縮よりも小さい。あるいは、流体バリア部分45内の弾力性材料は、組み立てられた加湿器ユニットにおいて非圧縮状態に留まることができる。
【0129】
上述の説明から分かるように、弾力性部材の流体バリア部分は、垂直に整列された突出部52と53との間にクランプされるか、またはそれらの間に挟まれる。弾力性部材44の内側部分44aはヒータプレート44にオーバーモールドされて永久的に接続されている。それゆえ、弾力性部材44は、ヒータ基部アセンブリ23と加湿器区画壁との間に流体バリアを提供する。加えて、弾力性部材44は、以下説明するように垂下部材の機能を果たす。
【0130】
図10aおよび図10bに示すように、好ましい実施形態では、ヒータ基部アセンブリ23と区画内側基部との間には間隙50が設けられる。間隙50は、弾力性部材44の底面500と区画内側基部56の上面との間にある。使用中、ヒータプレートと弾力性部材の一部分とが下方に変位される(弾力性部材40のクランプ部分または弾力性周囲フランジは適所に留まった状態で)。あるいは、内側基部56の、弾力性周囲フランジ40bをクランプする部分以外は、区画内側基部56がなくてもよい。
【0131】
間隙または隙間50があることによって、ヒータプレートアセンブリ23のクランプされていない部分が垂直方向に下方に動くことができる。間隙50は、弾力性部材40が撓んでいないときに存在する。プレート44が持ち上げられたすなわち非取り付け位置にあって、加湿器チャンバ31が加湿器区画11内に取り付けられていないときには、弾力性部材40は撓まない。上述のように、加湿器チャンバ12を加湿器チャンバ区画11内に取り付けるために、チャンバ12を区画11内に配置してからチャンバ12の上部に蓋32を置く。蓋32およびロック用ハンドル22をわずかに下に押して、ロック用ハンドルが回転して、突起27が溝またはスロット26に係合できるようにする。蓋およびロック用ハンドルを下方に押すことによって、チャンバ12の伝導性基部17をヒータ基部アセンブリ23へ押圧する。ヒータ基部アセンブリ23の弾力性部材40およびヒータ基部アセンブリ23の下側の間隙50によって、ヒータプレート44は区画壁54、55に対して下方に動くことができる。チャンバ12が取り付け位置にある場合、弾力性部材40は撓んだ状態のままである。撓んだ状態では、弾力性部材40は上向きの力をもたらし、ヒータプレート44の熱伝導性部分44aを例えばチャンバ12の基部に対して押しつけまたは付勢し、良好な熱接触を保証する。
【0132】
取り付け位置においてチャンバ12が加湿器ユニットにロックされるまたはそれにより保持される方法は重要ではないことに留意されたい。例えば、本発明による加湿器アセンブリは、上述の好ましい実施形態においてチャンバ区画内に加湿器チャンバを入れなくてもよい。上述の溝26および突起27以外の他の保持またはロッキング機構を使用して、チャンバを取り付け位置に保持してもよく、その取り付け位置で、ヒータプレートは、撓んだ弾力性部材40の作用に抗して下方に変位される。
【0133】
図7aまたは図7bに示すように、チャンバの伝導性基部17は、好ましくは基部の周囲部分18よりもわずかに盛り上がって延在している。図9aから最もよく分かるように、好ましい実施形態では、弾力性部材40は、ヒータプレート44の上面全体には延在しておらず、ヒータプレート44の外側周囲の上方およびその周りに円周リッジを形成している。伝導性基部17および弾力性部材40は、ヒータプレート44に取り付けられた弾力性部材40のリッジによって形成された受け皿セクションに伝導性基部17が収まるような寸法にされており、伝導性基部17は、実質的にその表面全体でヒータプレート44に直接接触する。好ましい実施形態では、伝導性基部17が基部周辺部分18より下側に盛り上がって延在している量は、ヒータプレート44の表面の弾力性材料のリッジの厚さまたは高さよりもわずかに大きくて、弾力性部材40と加湿器チャンバとの間に確実に干渉がないようにして、プレート44と基部17との間に良好な接触が生じるようにしている。あるいは、加湿器チャンバの基部全体が弾力性部材の内のり寸法に収まってもよい。
【0134】
好ましくは、間隙50があることによってヒータプレート44は垂直方向に十分に動くことができ、ロック用ハンドルの突起27が、間隙50を完全に閉鎖しなくても溝26に十分にロックされる。これは、弾力性部材を下方に撓ませることによってのみ−すなわち、弾力性部材をさらにしっかりと圧縮することなく加湿器チャンバを取り付け得ることを保証する。これは、チャンバを位置に押し込むのに必要な力が確実に過度にならないようにする。例えば、好ましい実施形態では、間隙は約1.1mmの垂直方向の移動距離をもたらし、ロッキング突起27を入口点28から溝26まで摺動させるのに必要な垂直方向の移動距離の量は約0.7mmである。
【0135】
下方に撓んでいる場合、弾力性部材40は、ヒータプレートに上向きの力をもたらすので、ヒータプレート44はチャンバ基部17に押し付けられる。
【0136】
本発明者らは、区画11内にチャンバ12をしっかりと取り付けるためにチャンバをヒータプレート44に(およびその逆に)押圧するのに、約29Nの力が望ましいことに気付いた。この大きさの力は、使用者が、ロック用ハンドルの突起27を溝26へ回転させることによって打ち勝つことが非常に難しいというものではなく、この量の力は、良好な熱的接続のための良好な接触圧をチャンバ基部17とヒータプレート44との間にもたらす。
【0137】
チャンバ12を区画11に取り付けるために必要な所望の撓む力を得るために、弾力性部材は、ネック付きまたは狭窄セクション49をさらに有し、そのセクションは、弾力性部材40の内側部分40aとクランプ部分との間に配置されている。狭窄セクション49は、弾力性部材40の下側または上側のいずれか、すなわち表面に谷部41を形成するかまたは含めることによって形成される。図9aおよび図9bに示すように、谷部41は弾力性部材の底面に形成されることが好ましい。あるいは、谷部は、弾力性部材40の上面に、または弾力性部材の両面に形成してもよい。
【0138】
静止位置から下方へのヒータプレート44の動きは、弾力性部材40を撓ませることによって達成される。上記のように、弾力性周囲フランジ40bのクランプ部分は適所にクランプされ、加湿器アセンブリに対して静止したままである。内側部分または内側の一部分40aはヒータプレート44に取り付けられて、加湿器チャンバが適所に配置される場合にはヒータプレート44と共に下方に動く。内側部分40aとクランプ部分との間の弾力性部材40の弾性の撓みは、一般的に狭窄セクション49によって発生する。弾力性部材40は、ヒータプレート44が下方に動く間に撓ませられるために変形し(一般的に狭窄セクション49によって)、上部溝の内側側面51は、上部突出部53から離れるように撓み、側面51と突出部53の側面との間に割れ目を生じ得る。割れ目に、区画内部にこぼれた液体が入る可能性がある。しかしながら、チャンバ12が区画11から取り出されると、弾力性部材は撓んで静止形状に戻り、溝43の側面51を上部突出部53の対応する側面に対して閉鎖する。この割れ目の閉鎖によって、溝43と突出部53との間の領域から液体を絞り出す。流体バリア領域45の圧縮のために、弾力性部材40が最大に撓んだ場合でも、弾力性部材によってもたらされた流体バリアを通過する液体はない。
【0139】
代替的な実施形態では、弾力性部材はヒータプレートの上面にわたって連続的に形成され、ヒータプレートの上面を完全に覆う。オーバーモールドプロセスの間、未硬化または未固化の弾力性材料は、ヒータプレート44の上面を流れることができ、連続的な弾力性材料上面を有するヒータ基部アセンブリを形成する。弾力性材料被覆は使用者の接触からヒータプレートを電気的に絶縁し、防食性をもたらす。
【0140】
さらに別の代替的な実施形態では、加熱素子を区画内側基部または他の加湿器部品に取り付けてもよい。この代替的な実施形態では、弾力性部材40が撓みのない状態にあって、ヒータプレート44が持ち上げられた位置にあるときには、加熱素子はヒータプレート44に接触しない。加湿器チャンバが加湿器区画内に取り付けられると、撓んだ弾力性部材40の作用に抗してヒータプレート44は低い位置まで下方に動かされる。低い位置では、ヒータプレート40の底部が、内側区画の基部または他の加湿器部品に取り付けられた加熱素子と熱接触して、ヒータプレートおよび上方のチャンバの伝導性基部を加熱する。この実施形態は、チャンバ12がヒータプレート44から取り外されるとヒータプレート44と加熱素子との間の接触がなくなるために、チャンバが区画11から取り出されたときにヒータプレート12がより迅速に冷えるという利点を有する。加熱素子は、好ましくは内側区画の基部または他の加湿器部品に弾性的に装着されて、素子が、ヒータプレートの裏面と接触すると、ある程度垂直方向に動けるようにしている。加熱素子の弾性装着のばね定数は、ヒータプレートの弾性装着のばね定数とは異なってもよい。例えば、加熱素子の弾性装着のばね定数は、ヒータプレートの弾性装着のばね定数よりも高くできる。
【0141】
図11に代替的なヒータ基部アセンブリを示す。前述の図9aおよび図9bの実施形態を説明するために使用した同じアイテム符号を、図11の代替的な実施形態の同様の部分を説明するために使用した。
【0142】
図9および図11の実施形態の違いは、弾力性部材アイテム40の断面形状である。図9aおよび図9bの実施形態を参照して前述したように、図11のヒータ基部アセンブリ23の弾力性部材は、好ましくはプレート44に取り付けられて、加湿器アセンブリに組み立てられる。図11を参照すると、弾力性部材40の内側部分40aは、プレート44の周囲部分44bに取り付けられている。好ましくは、弾力性部材はプレートに成形される。図11に示すように、弾力性部材はプレートの下面に成形されるかまたは取り付けられる。弾力性部材の外側部分は、プレートの周囲部分の少なくとも一部および好ましくは全体の周りに弾力性周囲フランジ44bを形成する。図11では、弾力性周囲フランジ40bは、2つの加湿器部品55と56との間でサンドイッチ構成にあるとクレームされている。図9の実施形態を参照して上述したように、ヒータ基部アセンブリと加湿器区画との間には流体バリアが形成される。
【0143】
弾力性部材の内側部分40aと外側部分40bとの間のブリッジはスカート部分40dである。スカート部分40dは、弾力性部材の弾力性周囲フランジに対するヒータプレート44の垂直方向の動きを可能にする。
【0144】
図示の実施形態では、スカート部分40dは、弾力性部材の内側部分40aを弾力性部材の外側部分40bから引き離す。弾力性部材の内側部分と外側部分との間の垂直方向の間隙50’によって、ヒータプレート44は、加湿器アセンブリに固定された弾力性部材の外側部分に対して垂直方向に動くことができる。弾力性部材が撓んでいないとき、プレート44が中立または非変位位置にあり、加湿器チャンバ31が加湿器区画内に取り付けられていないときに、間隙50’は存在する。チャンバが加湿器内のヒータ基部上に取り付けられたら弾力性部材は撓む。撓んだ状態では、弾力性部材は上向きの力をもたらして、チャンバ12の基部に対してプレート44を付勢する。
【0145】
図9の実施形態を参照して上述したように、好ましくは、間隙50’を完全に閉鎖しなくてもヒータ基部にチャンバを取り付けられるように、間隙50’は十分な垂直方向の動きをもたらす。
【0146】
ヒータプレートを下方に変位させるのに必要な力の量は、弾力性部材40のスカートセクション40dの厚さまたはスカートセクションの長さまたはそれら双方によって決定し得る。
【0147】
弾力性部材は、ヒータプレート44と加湿器構造との間にガスケットまたは仕切板を提供して、加湿器アセンブリ内にヒータプレート44を弾力的に装着する。弾力性部材のクランプ部分と、プレート44に結合された弾力性部材の内側部分との間をブリッジする弾力性部材の中間部分は、ヒータプレートの垂直方向の動きを可能にする。
【0148】
別の代替的な実施形態は、本発明から逸脱することなく当業者にそれら自体を提示し得る。例えば、弾力性部材は、加湿器基部またはケーシングに対してヒータプレートを変位させるための所望の抵抗量を達成するように設計されたベローズ形状または他の形状を形成し得る。
【0149】
さらに、弾力性部材は代わりに、ヒータプレートに固定された構成要素に取り付けてもよい。例えば、弾力性部材は、ヒータプレート44の底部に取り付けられたフレーム48に成形してもよいし、またはそれに取り付けてもよい。ヒータプレートへフレームを取り付けることによって、ヒータプレートと弾力性部材とを直接ボンディングすることなく、ヒータプレートへ弾力性部材を結合させる。
【0150】
本発明によるヒータ基部アセンブリは、垂直方向に小型のアセンブリである。ヒータ基部アセンブリが小型であることは、加湿器アセンブリの一部としてのケーシングに組み立てられるときに、加湿器アセンブリまたは一体型ユニットアセンブリの高さを低くするのに役立ち、家庭用に望まれる小型ユニットを達成するのを助ける。本発明によるヒータ基部アセンブリは、加湿器アセンブリまたは一体型ユニットの一部として組み立てられると、こぼれたものが内側ブロワまたは加湿器部品に接触することを防止するかまたは少なくとも減らしかつこぼれたものを加湿器区画内部に収容する流体バリアを提供する。本発明によるヒータ基部アセンブリは、使用中にヒータプレート44と加湿器チャンバの伝導性基部との間に所望の量の力をもたらすように作用する弾力性要素を有して、チャンバの基部に対してヒータプレートを付勢する。この明細書との関連では、所望の量の力は、加湿チャンバを加湿器に組み立てるときに使用者が容易に打ち勝つことができるものの、チャンバ基部とヒータプレートとの間に良好な熱接触を達成するための十分な接触力をもたらす量の力である。
【0151】
上述の本発明の説明には、その好ましい形態を含む。特許請求された本発明の範囲を逸脱せずに、修正を行ってもよい。
【0152】
例えば「上」、「底」、「上方」、「下方」、「上面」、「下面」および「裏面」などの用語を使用する場合、これらの用語は、説明のまたは特許請求する装置の使用中の向きを指すことにも留意されたい。これらの用語は、装置の使用中の、機能部の互いに対する向きまたは位置を説明するために使用され、これらの用語を使用する場合にはそのように解釈されたい。これらの用語の使用は、説明のまたは特許請求する装置を他の方法で限定するものではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者に供給する呼吸ガス流を加熱および加湿するために使用するタイプの加湿器で使用するためのヒータ基部アセンブリであって、
熱伝導性部分と、ヒータプレートの周囲の周囲部分とを有するヒータプレート、
前記ヒータプレートに結合された第1の部分と、前記周囲部分の少なくとも一部の周りにフランジを提供するように適合された第2の部分とを有する弾力性部材であって、前記ヒータプレートおよび前記第1の部分が前記加湿器に対して動くことができるように、前記フランジによって前記ヒータ基部を前記加湿器に固定できるように適合された弾力性部材、
を含むヒータ基部アセンブリ。
【請求項2】
使用者に供給する呼吸ガス流を加熱および加湿するために使用するタイプの加湿器で使用するためのヒータ基部アセンブリであって、
ヒータプレート、および前記ヒータプレートを前記加湿器に弾力的に装着するために前記ヒータプレートに固定され、かつ前記ヒータプレートと前記加湿器との間に流体バリアを提供する弾力性部材、
を含むヒータ基部アセンブリ。
【請求項3】
前記弾力性部材が、前記ヒータプレートを前記加湿器に弾力的に固定するための可撓性のガスケットまたは仕切板である、請求項1または2に記載のヒータ基部。
【請求項4】
前記弾力性部材が前記ヒータプレートに成形されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載のヒータ基部。
【請求項5】
前記第1の部分が前記ヒータプレートの前記周囲部分に取り付けられている、請求項1〜4のいずれか一項に記載のヒータプレート。
【請求項6】
前記フランジが前記ヒータプレートの全周囲に延在している、請求項1〜5のいずれか一項に記載のヒータ基部。
【請求項7】
前記ヒータプレートおよび前記第1の部分が前記加湿器に対して前記ヒータプレートの平面全体に実質的に直角な方向に互いに動くことができるように、弾力性部材が、前記フランジによって前記ヒータ基部を前記加湿器に固定できるように適合されている、請求項1〜6のいずれか一項に記載のヒータ基部。
【請求項8】
前記ヒータプレートの前記熱伝導性部分が実質的に平面的であり、前記周囲部分の少なくとも一部が前記熱伝導性部分の面外に形成されている、請求項1〜7のいずれか一項に記載のヒータ基部。
【請求項9】
前記ヒータプレートの前記熱伝導性部分が、使用中に加湿器チャンバを支持するように適合された上面を有し、および前記周囲部分が、使用中に、前記周囲部分の少なくとも一部が前記上面の下方にあるように形成されている、請求項1〜7のいずれか一項に記載のヒータ基部。
【請求項10】
前記フランジが、2つの加湿器部品間にクランプされて、前記ヒータ基部を前記加湿器に固定するように適合されており、前記フランジの少なくとも一部分が、前記2つの加湿器部品間で少なくともわずかに圧縮されるように適合されている、請求項1〜9のいずれか一項に記載のヒータ基部。
【請求項11】
前記フランジが、上部加湿器部品と下部加湿器部品との間にクランプされるように適合されており、前記フランジの少なくとも一部分が、前記上部加湿器部品と前記下部加湿器部品との間で少なくともわずかに圧縮されるように適合されている、請求項10に記載のヒータ基部。
【請求項12】
前記弾力性部材が、前記フランジの前記上面に形成された上部円周溝を有して、上部加湿器部品から下向きに延出する対応する円周突出部を受け入れる、請求項1〜11のいずれか一項に記載のヒータ基部。
【請求項13】
前記弾力性部材が、前記フランジの前記下面に形成された下部円周溝を有し、下部加湿器部品から上向きに延出する対応する円周突出部を受け入れる、請求項1〜12のいずれか一項に記載のヒータ基部。
【請求項14】
前記上部および下部円周溝が垂直方向に整列している、請求項13に記載のヒータ基部。
【請求項15】
前記フランジの一部分が、使用中、前記ヒータ基部と加湿器部品との間に流体バリアを提供するように適合されている、請求項10〜14のいずれか一項に記載のヒータ基部。
【請求項16】
前記フランジの一部分が、使用中、前記ヒータ基部と加湿器部品との間に流体バリアを提供するように適合され、前記流体バリアが、前記上部溝と下部加湿器部品との間に配置されている、請求項12に記載のヒータ基部。
【請求項17】
前記フランジの一部分が、使用中、前記ヒータ基部と加湿器部品との間に流体バリアを提供するように適合され、前記流体バリアが、前記下部溝と上部加湿器部品との間に配置されている、請求項13に記載のヒータ基部。
【請求項18】
使用中、前記フランジの一部分が実質的に4%〜20%だけ弾性的に圧縮される、請求項15〜17のいずれか一項に記載のヒータ基部。
【請求項19】
使用中、前記フランジの一部分が実質的に12%だけ弾性的に圧縮される、請求項18に記載のヒータ基部。
【請求項20】
前記上部および下部円周溝の少なくとも一方および好ましくは双方が、口部が広くて基部が狭くなるように先細になっている、請求項13に記載のヒータ基部。
【請求項21】
前記弾力性部材が、前記弾力性部材の前記第1の部分と前記フランジとの間に形成された狭窄セクションを含み、使用中、前記ヒータプレートが前記弾力性部材の前記フランジに対して前記ヒータプレートの前記平面全体に実質的に直角な方向に変位されると、前記狭窄セクションが、前記弾力性部材が優先的に弾性的に撓む領域をもたらす、請求項1〜20のいずれか一項に記載のヒータ基部。
【請求項22】
前記狭窄セクションが、前記弾力性部材の上面または下面のいずれかまたはそれら双方に形成された円周谷部を含む、請求項21に記載のヒータ基部。
【請求項23】
前記弾力性部材が、前記弾力性部材の前記第1の部分と前記フランジとの間に形成されたスカートセクションを含み、使用中、前記ヒータプレートが前記弾力性部材の前記フランジに対して前記ヒータプレートの前記平面全体に実質的に直角な方向に変位されると、前記スカートセクションが弾性的に撓む、請求項1〜20のいずれか一項に記載のヒータ基部。
【請求項24】
前記第1の部分が前記スカートセクションによって前記フランジから垂直方向に間隔を置かれている、請求項23に記載のヒータ基部。
【請求項25】
前記弾力性部材が、前記ヒータプレートの前記上面にわたる連続的な層として形成され、前記連続的な層が前記上面を完全に覆う、請求項1〜24のいずれか一項に記載のヒータ基部。
【請求項26】
前記ヒータ基部が、前記ヒータプレートの裏面に取り付けられた加熱素子をさらに有する、請求項1〜25のいずれか一項に記載のヒータ基部。
【請求項27】
前記ヒータ基部が、前記ヒータプレートの前記裏面に結合された少なくとも1つの電気部品をさらに有し、および前記弾力性部材が、前記弾力性部材の前記下面に形成されかつ前記弾力性部材の内側部分または内面から前記弾力性部材の外側部分または外面まで延びるチャネルをさらに有し、前記電気部品が、使用中に前記電気部品から前記チャネルを経て前記弾力性部材にわたって延在する電線をさらに有する、請求項1〜26のいずれか一項に記載のヒータ基部。
【請求項28】
使用中、前記弾力性部材が、前記ヒータプレートと前記加湿器との間に流体バリアを形成する、請求項1に記載のヒータ基部。
【請求項29】
使用者に供給する呼吸ガス流を加熱および加湿するために使用するタイプの加湿器であって、前記加湿器は、使用中に前記加湿器に取り外し可能に取り付けられている加湿器チャンバの内容物を加熱するように適合され、前記加湿器は、
前記加湿器に対して前記加湿器チャンバを適所に保持するように適合されたケーシングまたは基部ユニット、
前記ケーシングまたは基部ユニットに固定されたヒータ基部であって、ヒータプレートおよび弾力性部材を含むヒータ基部、
加熱素子
を含み、
前記ヒータプレートは、熱伝導性部分と、前記熱伝導性部分の外側の周りの周囲部分とを有し、
前記弾力性部材は、前記ヒータプレートに結合された第1の部分と、前記周囲部分の少なくとも一部の周りにフランジを提供する第2の部分とを有し、前記ヒータ基部は、前記ヒータプレートおよび前記第1の部分が前記ケーシングまたは基部ユニットに対して動くことができるように、前記フランジによって前記ケーシングまたは基部ユニットに固定され、
前記加熱素子は、使用中、前記ヒータプレートの前記熱伝導性部分に熱をもたらすように適合されている、加湿器。
【請求項30】
使用者に供給する呼吸ガス流を加熱および加湿するために使用するタイプの加湿器であって、使用中に前記加湿器に取り外し可能に取り付けられた加湿器チャンバの内容物を加熱するように適合され、
前記加湿器に対して前記加湿器チャンバを適所に保持するように適合されたケーシングまたは基部ユニット、
前記ケーシングまたは基部ユニットに固定されたヒータ基部であって、ヒータプレートと、前記ヒータプレートを前記ケーシングまたは基部ユニットに弾力的に装着するために前記ヒータプレートに固定され、かつ前記ヒータプレートと前記ケーシングまたは基部ユニットとの間に流体バリアを提供する弾力性部材とを含むヒータ基部、および
前記ヒータプレートに熱をもたらす加熱素子を含む加湿器。
【請求項31】
前記弾力性部材が、前記ヒータプレートを前記加湿器に弾力的に固定する可撓性ガスケットまたは仕切板である、請求項29または30に記載の加湿器。
【請求項32】
前記弾力性部材が前記ヒータプレートに成形される、請求項29〜31のいずれか一項に記載の加湿器。
【請求項33】
前記第1の部分が前記ヒータプレートの前記周囲部分に取り付けられている、請求項29〜32のいずれか一項に記載の加湿器。
【請求項34】
前記フランジが、前記ヒータプレートの前記全周囲に延在している、請求項29〜33のいずれか一項に記載の加湿器。
【請求項35】
前記ヒータプレートおよび前記第1の部分が前記加湿器に対して前記ヒータプレートの平面全体に実質的に直角な方向に動くことができるように、弾力性部材が前記フランジによって前記ケーシングまたは基部ユニットに固定されている、請求項32〜34のいずれか一項に記載の加湿器。
【請求項36】
前記ヒータプレートの前記熱伝導性部分は実質的に平面的であり、前記周囲部分は、前記熱伝導性部分の面外に形成されている、請求項29〜34のいずれか一項に記載の加湿器。
【請求項37】
前記ヒータプレートの前記熱伝導性部分は、使用中に加湿器チャンバを支持するように適合された上面を有し、前記周囲部分は、使用中に前記周囲部分の少なくとも一部が前記上面の下方にあるように形成されている、請求項29〜34のいずれか一項に記載の加湿器。
【請求項38】
前記ケーシングまたは基部ユニットは2つの加湿器部品をさらに含み、前記フランジが前記2つの加湿器部品間にクランプされて、前記ヒータ基部を前記ケーシングまたは基部ユニットに固定し、前記フランジの少なくとも一部分は、前記2つの加湿器部品間で少なくともわずかに圧縮される、請求項29〜37のいずれか一項に記載の加湿器。
【請求項39】
前記ケーシングまたは基部ユニットが上部加湿器部品および下部加湿器部品をさらに含み、前記フランジが前記上部加湿器部品と前記下部加湿器部品との間にクランプされ、前記フランジの少なくとも一部分は、前記上部加湿器部品と前記下部加湿器部品との間で少なくともわずかに圧縮される、請求項38に記載の加湿器。
【請求項40】
前記弾力性部材は、前記フランジの前記上面に形成された上部円周溝を有し、前記上部加湿器部品は、前記上部加湿器部品から下向きに前記上部円周溝まで延出する対応する円周突出部を有する、請求項39に記載の加湿器。
【請求項41】
前記弾力性部材が、前記フランジの前記下面に形成された下部円周溝を有し、前記下部加湿器部品が、前記下部加湿器部品から上向きに前記下部円周溝まで延出する対応する円周突出部を有する、請求項39または40に記載の加湿器。
【請求項42】
前記上部および下部円周溝および対応する前記突出部が、垂直方向に整列している、請求項41に記載の加湿器。
【請求項43】
前記フランジの一部分が、前記ヒータ基部と前記加湿器部品との間に流体バリアを提供する、請求項38〜42のいずれか一項に記載の加湿器。
【請求項44】
前記フランジの一部分が、前記ヒータ基部と前記加湿器ケーシングまたは基部ユニットとの間に流体バリアを提供し、および前記流体バリアが、前記上部溝と前記加湿器下部部品との間に配置されている、請求項40に記載の加湿器。
【請求項45】
前記フランジの一部分が、前記ヒータ基部と前記加湿器ケーシングまたは基部ユニットとの間に流体バリアを提供し、前記流体バリアが、前記下部溝と前記加湿器上部部品との間に配置されている、請求項41に記載の加湿器。
【請求項46】
使用中、前記フランジの一部分が、実質的に4%〜20%だけ弾性的に圧縮される、請求項43〜45のいずれか一項に記載の加湿器。
【請求項47】
使用中、前記フランジの一部分が、実質的に12%だけ弾性的に圧縮される、請求項46に記載の加湿器。
【請求項48】
前記上部および下部円周溝の少なくとも一方および好ましくは双方が、口部が広くて基部が狭くなるように先細になっており、前記対応する突出部は、それに適合するために対応して先細になっている、請求項41に記載の加湿器。
【請求項49】
前記弾力性部材が、前記弾力性部材の前記第1の部分と前記フランジとの間に形成された狭窄セクションを含み、前記ヒータプレートが、使用中、前記弾力性部材の前記フランジに対して前記ヒータプレートの前記平面全体に実質的に直角な方向に変位すると、前記狭窄セクションが、前記弾力性部材が優先的に弾性的に撓む領域を提供する、請求項29〜48のいずれか一項に記載の加湿器。
【請求項50】
前記狭窄セクションが、前記弾力性部材の上面または下面のいずれかまたはそれら双方に形成された円周谷部を含む、請求項49に記載の加湿器。
【請求項51】
前記弾力性部材が、前記弾力性部材の前記第1の部分と前記フランジとの間に形成されたスカートセクションを含み、使用中、前記ヒータプレートが前記弾力性部材の前記フランジに対して前記ヒータプレートの前記平面全体に実質的に直角な方向に変位されると、前記スカートセクションが弾性的に撓む、請求項29〜48のいずれか一項に記載の加湿器。
【請求項52】
前記第1の部分が、前記スカートセクションによって前記フランジから垂直方向に間隔を置かれている、請求項51に記載のヒータ基部。
【請求項53】
前記弾力性部材が、前記ヒータプレートの前記上面にわたる連続的な層として形成され、前記連続的な層が前記上面を完全に覆う、請求項29〜52のいずれか一項に記載の加湿器。
【請求項54】
前記ヒータ基部が、前記ヒータプレートの裏面に取り付けられた加熱素子をさらに有する、請求項29〜53のいずれか一項に記載の加湿器。
【請求項55】
前記ヒータ基部が、前記ヒータプレートの前記裏面に結合された少なくとも1つの電気部品をさらに有し、前記弾力性部材が、前記弾力性部材の前記下面に形成されかつ前記弾力性部材の内側部分または内側面から前記弾力性部材の外側部分または外側面まで延びるチャネルをさらに有し、前記電気部品が、使用中、前記電気部品から前記チャネルを経て前記弾力性部材にわたって延在する電線をさらに有する、請求項29〜54のいずれか一項に記載の加湿器。
【請求項56】
使用中、前記弾力性部材が、前記ヒータプレートと前記加湿器との間に流体バリアを形成している、請求項29に記載の加湿器。
【請求項57】
前記上部部品が、使用中に加湿器チャンバを収容するように適合された加湿器チャンバ区画の壁である、請求項39に記載の加湿器。
【請求項58】
前記加湿器チャンバ区画の前記壁の下部が水平の壁セクションを含み、前記フランジが、前記水平の壁セクションと前記加湿器下部部品との間にクランプされている、請求項57に記載の加湿器。
【請求項59】
前記ヒータ基部が、前記加湿器チャンバ区画の基部の少なくとも一部を形成している、請求項57または58に記載の加湿器。
【請求項60】
前記水平の壁セクションおよび前記ヒータ基部が、前記加湿器チャンバ区画の基部を形成している、請求項58または59に記載の加湿器。
【請求項61】
前記フランジの上面が、前記プレートに取り付けられた前記弾力性部材の前記第1の部分の前記上面に対して下方にずれていることで、前記区画壁の水平セクションの上面が、前記第1の部分の前記上面とほぼ同一面内にある、請求項58〜60のいずれか一項に記載の加湿器。
【請求項62】
前記加湿器が、前記加湿器チャンバの前記基部が前記ヒータプレートに隣接しかつそれに接触する状態で前記加湿器チャンバを取り付け位置に保持するロッキング機構を含み、前記取り付け位置にあるとき、前記加湿器チャンバの前記基部は前記ヒータプレートを下方に変位させ、前記弾力性部材は、前記加湿器チャンバの前記基部に対して前記ヒータプレートを上方に付勢する、請求項29〜61のいずれか一項に記載の加湿器。
【請求項63】
前記ロッキング機構が、ロック解除位置からロック位置へおよび再び元の位置へ可動であり、使用中、前記ロック解除位置から前記ロック位置まで動くことによって、前記加湿器チャンバを前記ヒータプレートに対してある距離だけ下方に押圧し、それにより、前記距離だけ前記ヒータプレートを下方に変位させる、請求項62に記載の加湿器。
【請求項64】
前記弾力性部材またはヒータプレートまたはそれら双方の底面の下方に間隙があるように、前記ヒータ基部が前記ケーシングまたは基部ユニットに組み立てられ、前記間隙が、使用中、前記ヒータプレートを中立位置から下方に変位できるようなサイズにされ、前記間隙は前記距離よりも大きい、請求項63に記載の加湿器。
【請求項65】
前記加熱素子が前記ヒータプレートの裏面に取り付けられている、請求項47〜64のいずれか一項に記載の加湿器。
【請求項66】
前記ヒータプレートが少なくとも前記取り付け位置まで下方に変位されると、前記加熱素子が前記ヒータプレートの裏面に接触し、前記ヒータプレートが、持ち上げられた非取り付け位置にあると、前記加熱素子は前記ヒータプレートと接触しない、請求項63または64に記載の加湿器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11】
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【公表番号】特表2012−528666(P2012−528666A)
【公表日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−513896(P2012−513896)
【出願日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際出願番号】PCT/NZ2010/000103
【国際公開番号】WO2010/140903
【国際公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【出願人】(504298349)フィッシャー アンド ペイケル ヘルスケア リミテッド (41)
【Fターム(参考)】