説明

加湿装置

【課題】ダンパの開閉動作を検出する検出手段なしに、簡単な構成でダンパが開状態であるべきときに全閉状態だけでなく半閉状態のダンパ異常も検出できる加湿装置を提供する。
【解決手段】制御装置100は、運転状態を決定する運転状態決定部100aと、運転状態決定部100aにより運転状態を決定するための変数を用いて、ダンパの開閉状態の異常を判定するための判定基準値を算出する判定基準値算出部100bと、判定基準値算出部100bにより算出された判定基準値を用いて、ヒータ13をオンした状態で吹出温度センサ16により検出された吹出温度に基づいて、ダンパが開状態であるべきときに開状態になっていないダンパ異常であるか否かを判定するダンパ異常判定部100cとを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、加湿装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、加湿装置としては、空気調和機に備えられ、室外から室内に加湿空気を搬送する加湿通路内にダンパを設けたものがある(例えば、特開2004−77082号公報(特許文献1)参照)。この加湿装置を用いた空気調和機では、加湿運転時や換気運転時にはダンパを開状態にし、運転停止時にはダンパを閉状態にして加湿通路を閉鎖している。
【0003】
このような加湿装置では、加湿通路内に設けられたダンパの開閉動作をリミットスイッチにより検出するダンパ異常検出装置を備えたものもあるが、ダンパの開閉動作を検出するリミットスイッチなどの検出手段のないものでは、ダンパが開状態になるべきときに閉状態となっているダンパ異常を検出できないという問題があり、ダンパが開状態になるべきときに閉状態となった場合、加湿や換気が行えない。
【0004】
このような加湿装置では、ダンパが開状態であるべきときに閉状態となっているときは、加湿吹出温度が上昇するので、それを利用して確実に閉状態を検出できるが、半閉状態となった場合は、開状態と半閉状態との区別ができず、誤検出の可能性があるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−77082号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、この発明の課題は、ダンパの開閉動作を検出する検出手段なしに、簡単な構成でダンパが開状態であるべきときに全閉状態だけでなく半閉状態のダンパ異常も検出できる加湿装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、この発明の加湿装置は、
吸湿通路と、
上記吸湿通路内に吸着領域が配置された加湿ロータと、
上記加湿ロータの脱着領域が配置された加湿通路と、
上記加湿通路に空気を送風する加湿ファンと、
上記加湿通路内かつ上記加湿ロータの脱着領域よりも上流側に配置されたヒータと、
上記加湿通路の出口の吹出温度を検出する吹出温度センサと、
上記加湿通路内かつ上記加湿ロータの脱着領域よりも下流側に配置されたダンパと、
上記加湿ロータと上記加湿ファンと上記ヒータおよび上記ダンパを制御する制御装置と
を備え、
上記制御装置は、
運転状態を決定する運転状態決定部と、
上記運転状態決定部により運転状態を決定するための変数を用いて、上記ダンパの開閉状態の異常を判定するための判定基準値を算出する判定基準値算出部と、
上記判定基準値算出部により算出された上記判定基準値を用いて、上記ヒータをオンした状態で上記吹出温度センサにより検出された吹出温度に基づいて、上記ダンパが開状態であるべきときに開状態になっていないダンパ異常であるか否かを判定するダンパ異常判定部と
を有することを特徴とする。
【0008】
上記構成によれば、運転状態決定部により運転状態を決定するための変数を用いて、判定基準値算出部により算出された判定基準値を用いて、ヒータをオンした状態で吹出温度センサにより検出された吹出温度に基づいて、ダンパ異常判定部により、ダンパが開状態であるべきときに開状態になっていないダンパ異常であるか否かを判定する。これにより、例えば、判定基準値算出部において、ダンパが全開状態のときに吹出温度センサにより検出される吹出温度に相当する判定基準値を算出し、その判定基準値を用いて、吹出温度センサにより検出された吹出温度に基づいて、ダンパが半開状態であることを判定することが可能となる。そうすることによって、ダンパの開閉動作を検出する検出手段なしに、簡単な構成で全閉状態だけでなく半開状態のダンパ異常も検出できる。
【0009】
また、一実施形態の加湿装置では、
外気温度を検出する外気温度センサを備え、
上記運転状態決定部において運転状態を決定するのに用いられる変数が、上記外気温度センサにより検出された上記外気温度である。
【0010】
上記実施形態によれば、運転状態決定部において運転状態を決定するための変数である外気温度を用いて、判定基準値算出部によりダンパ異常の判定基準値を算出することで、外気温度に起因する吹出温度の変動を考慮してダンパ異常を正確に判定できる。
【0011】
また、一実施形態の加湿装置では、
上記運転状態決定部において運転状態を決定するのに用いられる変数が、上記外気温度センサにより検出された上記外気温度に基づいて制御されるヒータの出力である。
【0012】
上記実施形態によれば、運転状態決定部において運転状態を決定するための変数であるヒータの出力を用いて、判定基準値算出部によりダンパ異常の判定基準値を算出することで、ヒータの出力に起因する吹出温度の変動を考慮してダンパ異常を正確に判定できる。
【0013】
また、一実施形態の加湿装置では、
上記運転状態決定部において運転状態を決定するのに用いられる変数が、上記加湿通路の風量である。
【0014】
上記実施形態によれば、運転状態決定部において運転状態を決定するための変数である加湿通路の風量を用いて、判定基準値算出部によりダンパ異常の判定基準値を算出することで、加湿通路の風量に起因する吹出温度の変動を考慮してダンパ異常を正確に判定できる。
【0015】
また、一実施形態の加湿装置では、
上記運転状態決定部において運転状態を決定するのに用いられる変数が、上記加湿ファンの回転速度である。
【0016】
上記実施形態によれば、運転状態決定部において加湿ファンの回転速度を用いて、判定基準値算出部によりダンパ異常の判定基準値を算出することで、加湿ファンの回転速度に起因する吹出温度の変動を考慮してダンパ異常を正確に判定できる。
【0017】
また、一実施形態の加湿装置では、
上記加湿通路の下流の出口と被加湿空間との間に加湿ホースが接続され、
上記運転状態決定部において運転状態を決定するのに用いられる変数が、上記加湿ホースの長さである。
【0018】
上記実施形態によれば、運転状態決定部において運転状態を決定するための変数である加湿ホースの長さを用いて、判定基準値算出部によりダンパ異常の判定基準値を算出することで、加湿ホースの長さに起因する吹出温度の変動を考慮してダンパ異常を正確に判定できる。
【0019】
また、一実施形態の加湿装置では、
上記運転状態決定部において運転状態を決定するのに用いられる変数が、上記加湿ロータの回転速度である。
【0020】
上記実施形態によれば、運転状態決定部において運転状態を決定するための変数である加湿ロータの回転速度を用いて、判定基準値算出部によりダンパ異常の判定基準値を算出することで、加湿ロータの回転速度に起因する吹出温度の変動を考慮してダンパ異常を正確に判定できる。
【0021】
また、一実施形態の加湿装置では、
外気湿度を検出する外気湿度センサを備え、
上記運転状態決定部において運転状態を決定するのに用いられる変数が、上記外気湿度センサにより検出された上記外気湿度である。
【0022】
上記実施形態によれば、運転状態決定部において運転状態を決定するための変数である外気湿度を用いて、判定基準値算出部によりダンパ異常の判定基準値を算出することで、外気湿度に起因する吹出温度の変動を考慮してダンパ異常を正確に判定できる。
【0023】
また、一実施形態の加湿装置では、
上記制御装置は、上記ダンパ異常判定部が上記ダンパ異常であると判定した後、次に上記ダンパを開閉動作させる前に上記ダンパを制御して初期位置にする。
【0024】
上記実施形態によれば、ダンパ異常判定部がダンパ異常であると判定した後、制御装置は、次にダンパを開閉動作させる前にダンパを制御して初期位置にすることによって、凍結などによりダンパの位置が不定になってしまうようなダンパ機構では、ダンパを初期位置することでダンパを正規の位置に戻して制御を始めることができる。したがって、ダンパ異常と判定してから例えば所定時間経過した後にリトライするような場合、凍結などの要因が解消されてダンパが正常動作するときにダンパ制御を正確に行うことができる。
【発明の効果】
【0025】
以上より明らかなように、この発明の加湿装置によれば、ダンパの開閉動作を検出する検出手段なしに、簡単な構成でダンパが開状態であるべきときに全閉状態だけでなく半閉状態のダンパ異常も検出できる加湿装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】図1はこの発明の実施の一形態の加湿装置を備えた空気調和機の概略構成図である。
【図2A】図2Aは上記加湿装置の加湿運転時の断面模式図である。
【図2B】図2Bは上記加湿装置の排気運転時の断面模式図である。
【図3】図3は上記空気調和機の室外機の分解斜視図である。
【図4】図4は切換ダンパ部の分解斜視図である。
【図5】図5は第1状態の切換ダンパ部における空気の流れを示す断面斜視図である。
【図6】図6は第2状態の切換ダンパ部における空気の流れを示す断面斜視図である。
【図7A】図7Aは図2Aに示す要部の切換ダンパ部が第1状態の断面模式図である。
【図7B】図7Bは図2Aに示す要部の切換ダンパ部が第2状態の断面模式図である。
【図7C】図7Cは図2Aに示す要部の切換ダンパ部が第3状態の断面模式図である。
【図7D】図7Dは他の例の切換ダンパ部の断面模式図である。
【図8】図8は上記空気調和機の要部のブロック図である。
【図9】図9は制御装置の切換ダンパ部の制御を説明するための図である。
【図10】図10は上記切換ダンパ部の制御を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、この発明の加湿装置を図示の実施の形態により詳細に説明する。
【0028】
図1はこの発明の実施の一形態の加湿装置を備えた空気調和機の概略構成図である。この空気調和機は、図1に示すように、室内機1と、上記室内機1に連絡配管(図示せず)を介して接続された室外機2と、上記室外機2上に載置され、室内機1と加湿ホース4を介して接続された加湿装置3とを備えている。上記加湿装置3において室外空気を加湿して、加湿された空気を加湿ホース4と室内機1を介して室内に供給する。
【0029】
図2Aは上記加湿装置3の加湿運転時の断面模式図を示しており、図2Aに示すように、加湿装置3は、吸湿ファン11と、上記吸湿ファン11により吸い込まれた室外空気を通過させて水分を吸着する吸着領域と水分を脱着する脱着領域とを有する円板形状の加湿ロータ12と、上記加湿ロータ12の脱着領域の上流側に配置されたヒータ13と、上記加湿ロータ12の脱着領域の下流側に配置された加湿ファン14と、上記ヒータ13と加湿ロータ12の脱着領域と加湿ファン14を通る加湿通路の出口近傍に設けられた切換ダンパ部15とを備えている。上記加湿ロータ12とヒータ13と加湿ファン14と切換ダンパ部15を加湿装置ケーシング10内に配置している。
【0030】
上記加湿ロータ12は、シリカゲル,ゼオライト,アルミナ等の吸湿材が例えばハニカム状または多孔多粒状に成形されており、軸を中心に加湿ロータ駆動モータ37(図3に示す)によって回転する。上記加湿ロータ12は、吸湿ファン11により吸い込まれた室外空気から吸湿通路を通過するときに吸着領域で吸湿する(水分を吸湿する)。一方、上記加湿通路の加湿ロータ12よりも上流側のヒータ13で加熱された空気が加湿ロータ12の脱着領域を通るときに、加湿ロータ12によって加湿される(加湿ロータ12から水分を脱着する)。このように、室外空気から加湿ロータ12が吸湿した水分は、ヒータ13によって加熱された空気によって脱着されて、この空気が加湿される。そうして加湿された空気は、加湿ファン14によって加湿ホース4(図1に示す)に送られる。
【0031】
また、図2Bは上記加湿装置3の排気運転時の断面模式図を示しており、図2Bに示すように、室内機1の室内空気を加湿ホース4と切換ダンパ部15を介して加湿ファン14により吸い込んで室外に排気する。
【0032】
次に、図3は上記空気調和機の室外機2と加湿装置3の分解斜視図である。図3において、21はプロペラファン、22は前面パネル、23は閉鎖弁カバー、24は電装品ユニット、25は防炎板である。
【0033】
上記室外機2は、図3に示すように、プロペラファン21と、前面パネル22と、閉鎖弁カバー23と、電装品ユニット24と、防炎板25と、ケーシング部材や内部に収容される冷媒回路構成部品等を有する室外機本体20で構成されている。
【0034】
また、上記加湿装置3は、図3に示すように、室外機2上に載置された加湿装置ケーシング10を有している。上記加湿装置ケーシング10の前面に、複数のスリット状の開口からなる吸湿用空気吹出口10aを設けており、空気がこの吸湿用空気吹出口10aを通って室外機2の外部に吹き出す。また、加湿装置ケーシング10の背面に、吸湿用空気吸込口10bおよび給排気口10cを設けている。
【0035】
なお、加湿装置ケーシング10の上部は、天板31により覆われている。加湿装置ケーシング10内は、図3の右側が加湿ロータ12等を収容する空間、図3の左側が吸湿ファン11等を収容する空間となっている。この加湿装置ケーシング10内には、加湿ロータ12、ヒータ組立体35、加湿ファン組立体41、切換ダンパ部15、吸湿側ダクト32、吸湿側ベルマウス33、吸湿ファン11などが配置されている。
【0036】
この加湿ロータ12は、加湿装置ケーシング10側に設けられた支持軸10dに、図示しないロータガイドを介して回動自在に支持されている。また、加湿ロータ12の外周面に形成されたギヤ(図示せず)が、加湿ロータ駆動モータ37の駆動軸に取り付けられたロータ駆動ギヤ38と歯合している。
【0037】
また、上記ヒータ組立体35は、その内部にヒータ13(図2Aに示す)が収納されており、室外から取り込まれて加湿ロータ12に送られる空気を加熱する。また、ヒータ組立体35は、加湿ロータ12の上面の略半分(右側の半分)を覆うように配置されている。ヒータ組立体35の下面には、空気を吸入するための吸入口と、ヒータ組立体35で加熱された空気を加湿ロータ12側に排出するための排出口とが形成されている。このヒータ組立体35は、ヒータ支持板36を介して加湿ロータ12の上方に取り付けられている。
【0038】
また、上記加湿ファン組立体41は、加湿ロータ12の側方に配置されており、加湿ファン14(図2Aに示す)と、加湿ファン14を一定回転速度で回転させる加湿ファンモータ40(図4に示す)とを有する。
【0039】
また、図4に示すように、加湿ファン組立体41の底面を上蓋43により閉じている。上蓋43に空気取入口43aと空気吹出口43bを設けている。上記空気取入口43aは、切換ダンパ部15内から加湿ファン組立体41に送られる空気が通る開口である。上記空気吹出口43bは、加湿ファン組立体41から切換ダンパ部15内に送られる空気が通る開口である。
【0040】
上記加湿ファン組立体41は、給排気口10c(図3に示す)から加湿ロータ12(図3に示す)および切換ダンパ部15を経て室内に到る空気の流れを生成して、室外から取り入れた空気を室内機1(図1に示す)に送る(加湿運転または給気運転)。また、逆に、加湿ファン組立体41は、室内機1から取り入れた空気を室外に排出することもできる(排気運転)。
【0041】
また、上記加湿ファン組立体41は、室外から取り入れた空気を室内機1に送る場合には、加湿ロータ12を通過して加湿ロータ12の右側の略半分の部分のうち手前側の部分から降りてきた空気を、切換ダンパ部15を経て給排気ダクト60に送り出す。給排気ダクト60は、加湿ホース4(図1参照)に接続されており、加湿ファン組立体41により、給排気ダクト60と加湿ホース4とを介して空気を室内機1に供給する。
【0042】
一方、上記加湿ファン組立体41は、室内機1から取り入れた室内の空気を室外に排出する場合には、給排気ダクト60から送られてきた空気を加湿装置ケーシング10(図3に示す)の背面に設けられた給排気口10cから室外に排出する。
【0043】
次に、上記切換ダンパ部15の動作について説明する。
【0044】
切換ダンパ部15は、第1状態(加湿運転または給気運転)、第2状態(排気運転)、第3状態(全閉状態)に切り替わる。
【0045】
上記第1状態(加湿運転または給気運転)においては、加湿ファン組立体41から吹き出された空気は、給排気ダクト60(図3に示す)を経て加湿ホース4(図1に示す)を通って室内機1に供給される。
【0046】
また、上記第2状態(排気運転)では、室内機1から加湿ホース4および給排気ダクト60を通ってきた空気が、加湿ファン組立体41から給排気口10cを経て室外に排気される。
【0047】
また、上記第3状態(全閉状態)では、切換ダンパ部15と給排気ダクト60とを繋ぐ経路が閉じられ、室外機2と室内機1との間の空気の流れが遮断される。
【0048】
図3に示す吸湿側ダクト32は、加湿ロータ12の上面のうちヒータ組立体35が位置しない部分(左側の略半分の部分)を覆っている。この吸湿側ダクト32は、吸湿側ベルマウス33とともに、加湿ロータ12の左半分の部分の上面から吸湿用ファン収納空間S1の上部に通じる空気流路を形成する。
【0049】
吸湿用ファン収納空間S1に収容される吸湿ファン11は、吸湿ファンモータ34によって回転する遠心ファンであり、上部に配置される吸湿側ベルマウス33の開口部33aから空気を吸い込むことで、吸湿用空気吸込口10bから加湿ロータ12を介して、開口部33aに流れる気流を生成する。そして、吸湿ファン11は、加湿ロータ12を通るときに水分を吸湿された乾燥空気を吸湿用空気吹出口10aから加湿装置ケーシング10の前方に向けて排気する。吸湿用ファン収納空間S1の上部に設けられた吸湿側ベルマウス33により、吸湿側ダクト32によって形成される空気流路を通ってくる空気を吸湿ファン11に導く。
【0050】
図4は切換ダンパ部15の第1状態の分解斜視図を示しており、図4に示すように、切換ダンパ部15は、切換ダンパケーシング44と、スライド型ダンパの一例としてのダンパ45と、上蓋43と、ダンパ45を回転駆動するダンパ駆動モータ50(図8参照)とで構成されている。切換ダンパ部15は、加湿ファン組立体41の下方に配置され、ダンパ45が所定の円弧に沿って移動することにより空気の流れを切り換える。
【0051】
切換ダンパケーシング44は、ケーシング側壁44aとケーシング底板44bを有し、上方が開放されている。ケーシング側壁44aは、ケーシング底板44bの外縁から上方に延びて円弧状に湾曲している。また、切換ダンパケーシング44の一部に、ケーシング側壁44aが存在しないケーシング側部開口44cを設けて、切換ダンパケーシング44の内部の空間は、ケーシング側部開口44cによって側方に開いている。ケーシング底板44bの中央付近に、ケーシング底板44bから上方に突出する円弧状のレール44dを設けている。このレール44dとケーシング側壁44aとに挟まれた空間は、ダンパ45が移動する移動空間となっている。ケーシング底板44bのうちダンパ45が通過する部分に、ケーシング底部開口44eを設けている。上記ケーシング底部開口44eは、ケーシング底板44bの裏面に設けられた接続管44fの孔と繋がっている。この接続管44fに給排気ダクト60(図5に示す)を接続している。
【0052】
また、上蓋43は、切換ダンパケーシング44の上面を塞ぐ板状の部材であり、その上に加湿ファン組立体41を取り付けている。切換ダンパ部15内から加湿ファン組立体41に送られる空気が通る開口である上蓋43の空気取入口43aを、切換ダンパケーシング44のケーシング底部開口44eと対向するように設けている。また、加湿ファン組立体41から切換ダンパ部15内に送られてくる空気が通る開口である上蓋43の空気吹出口43bを、切換ダンパケーシング44のケーシング底部開口44eの上方に設けている。
【0053】
また、ダンパ45は、移動空間を移動することにより、切換ダンパ部15内を通る空気の流れを切り換える部材である。上記ダンパ45は、切換ダンパケーシング44と上蓋43により形成される切換ダンパケーシング44内の空間をダンパ45の内部の空間S2とダンパ45の外部の空間S3とに分割する(図7A〜図7C参照)。ダンパ45は、主として、内側壁45a、外側壁45b、平側壁45c,45dおよび底板45eで構成されている。
【0054】
上記ダンパ45は、上方に開口を有しており、その開口の一部が上蓋43により覆われている。内側壁45aと外側壁45bとは、互いに約90度の中心角を有する円弧状に湾曲している。外側壁45bは、切換ダンパケーシング44のケーシング側壁44a側に設けられ、内側壁45aは、切換ダンパケーシング44のレール44d側に設けられる。また、内側壁45aの外面に設けられたギヤ45fが、ダンパ駆動モータ50の駆動ギヤ46と噛み合って、ダンパ駆動モータ50(図8に示す)の回転をダンパ45に伝達する。
【0055】
また、上記平側壁45c,45dは、内側壁45aと外側壁45bとの側端を繋ぐ板状の部材であり、平側壁45cに側部開口45gを設けている。側部開口45gは、平側壁45cの外面に設けられた配管45hの孔と繋がっている。配管45hは、平側壁45cの外面から下方に向けて約90度湾曲している。また、底板45eに底部開口45iを設けている。
【0056】
図7Aは図2Aに示す要部Aのダンパ45が閉状態の断面模式図を示しており、ダンパ45は、ダンパ駆動モータ50(図4に示す)により加湿装置ケーシング10内を水平方向に移動する。図7Aでは、ダンパ45が左側に移動して出口10aを閉じている。上記加湿装置ケーシング10内の加湿ファン14とダンパ45との間に吹出温度センサ16を配置している。すなわち、加湿通路において、吹出温度センサ16は、加湿ロータ12の脱着領域の下流側に配置されている。
【0057】
また、図7Bは図2Aに示す要部Aのダンパ45が開状態の断面模式図を示しており、図7Bでは、ダンパ45が右側に移動して出口10aを開いている。
【0058】
また、図7Cは図2Aに示す要部Aのダンパ45が全閉状態の断面模式図を示している。
【0059】
図7Aに示すように、底部開口45iが切換ダンパケーシング44のケーシング底部開口44eの真上に位置するときに、ダンパ45の内部の空間S2が上蓋43の空気取入口43aを介して加湿ファン14側の空間と連通するように、また、図7Bに示すように、ダンパ45の配管45hの下方を向いている開口45jがケーシング底板44bのケーシング底部開口44eの真上に位置するときに、ダンパ45の内部の空間S2が上蓋43の空気取入口43aを介して加湿ファン14側の空間と連通するように、ダンパ45の大きさや底部開口45iの位置等を決定する。
【0060】
上記ダンパ駆動モータ50は、ダンパ45を移動させて、ダンパ45が図5および図7Aに示す位置にくる第1状態(加湿または給気)と、図6および図7Bに示す位置にくる第2状態(排気)と、図7Cに示す位置にくる第3状態(全閉)とを切り換える。
【0061】
次に、切換ダンパ部15の第1状態、第2状態および第3状態について説明する。
図5,図7Aに示すように、第1状態(加湿または給気)では、ダンパ45の内部の空間S2が、開放されている上部を介して空気吹出口43bと連通し、底部開口45iを介して切換ダンパケーシング44のケーシング底部開口44eと連通する。また、ダンパ45の外部の空間S3が空気取入口43aと連通する。図3に示すヒータ組立体35および加湿ロータ12を通ってきた加湿空気(あるいは室外空気)を切換ダンパ部15に導く通路と、ダンパ45の外部の空間S3とは、ケーシング側部開口44cを介して連通しているため、ヒータ組立体35および加湿ロータ12を通ってきた加湿空気(あるいは室外空気)は、加湿ファン組立体41に収容された加湿ファン14が回転することにより空気取入口43aを通って加湿ファン組立体41の内部に入る。そして、空気吹出口43bから吹き出した加湿空気あるいは室外空気は、ダンパ45の内部の空間S2、ダンパ45の底部開口45i、切換ダンパケーシング44のケーシング底部開口44eを通って接続管44fから切換ダンパ部15の外部に送られる。接続管44fは、給排気ダクト60(図3および図5に示す)を介して加湿ホース4(図1に示す)に接続されているため、第1状態においては、加湿ファン組立体41の空気吹出口43bから吹き出された空気は、加湿ホース4を通って室内機1に供給される。これにより、第1状態では、図5および図7Aに示す矢印R1の向きに空気が流れ、加湿空気(あるいは室外空気)が加湿ホース4を通って室内機1側に供給される。
【0062】
次に、図6,図7Bに示すように、第2状態(排気)では、接続管44f内が、配管45hを介してダンパ45内部の空間S2と連通する。また、ダンパ45の内部の空間S2は、加湿ファン組立体41の空気取入口43aを介して加湿ファン14側の空間と連通する。さらに、加湿ファン組立体41の空気吹出口43bを介して、加湿ファン14側の空間がダンパ45の外部の空間S3と連通し、ケーシング側部開口44cを介して室外機2(図3に示す)の外部に通じる通路につながる。
【0063】
したがって、第2状態では、図6および図7Bで示す矢印R2の向きに空気が流れ、室内機1から排出され加湿ホース4を通ってきた空気が、給排気ダクト60を通ってケーシング側部開口44cから吹き出し、図3に示す加湿装置ケーシング10の給排気口10cを通って室外機2の外部に排気される。
【0064】
次に、図7Cに示すように、第3状態は、ダンパ45が第1状態と第2状態との間に位置する。この第3状態では、加湿ファン組立体41の空気取入口43aを介して、加湿ファン14側の空間がダンパ45外部の空間S3と連通する。また、加湿ファン組立体41の空気吹出口43bを介して、加湿ファン14側の空間がダンパ45内部の空間S2と連通する。しかし、ダンパ45の底部開口45iおよび配管45hの下方の開口45jは、切換ダンパケーシング44のケーシング底板44bによって閉じられている。また、切換ダンパケーシング44のケーシング底部開口44eもダンパ45の底板45eによって閉じられている。このように、第3状態では、室外機2と室内機1とを繋ぐ空気の経路が切換ダンパ部15により閉じられた状態となっている。
【0065】
図8は上記加湿装置3の要部のブロック図を示しており、この加湿装置3は、図4に示すように、吹出温度センサ16と外気温度センサ17および外気湿度センサ18からの各信号に基づいて、吸湿ファンモータ34,ヒータ13,加湿ファンモータ40,ダンパ駆動モータ50および加湿ロータ駆動モータ37などを制御する制御装置100を備えている。
【0066】
上記制御装置100は、マイクロコンピュータおよび入出力回路などからなり、運転状態を決定する運転状態決定部100aと、上記運転状態決定部100aにおいて運転状態を決定するための変数を用いて、判定基準値としての予測吹出温度を算出する判定基準値算出部としての予測吹出温度算出部100bと、上記予測吹出温度算出部100bにより算出された予測吹出温度に基づいて、ダンパ45が開状態であるべきときに開状態になっていないダンパ異常であるか否かを判定するダンパ異常判定部100cと、上記ダンパ異常判定部100cによりダンパ異常を判定するときに用いる判定継続タイマ100dとを有する。
【0067】
図9は上記制御装置100の切換ダンパ部15の制御を説明するための図を示している。図9に示すように、ダンパ45は、原点Oを中心とする円弧に沿って、給気全開位置としての給気位置P1と排気全開位置としての排気位置P2との間を移動する。
【0068】
このダンパ制御は、加湿装置3の全ての動作に先立ち実施して、空気経路を確立してから所定の加湿制御を行う。
【0069】
図9に示すように、ダンパ45は、全閉位置P3(図7Cに示す)、給気位置P1(図7Aに示す)、排気位置P2(図7Bに示す)の3つの状態間を移動する。
【0070】
〔全閉位置P3〕
加湿装置3を全く動作させない場合、加湿ホース4内に結露発生させないために、ダンパ45を全閉位置P3にして空気流動を抑える。この全閉位置P3は、ダンパ可動範囲のほぼ中間位置にある。
【0071】
〔給気位置P1〕
加湿運転や給気運転などの外気を導入する状態で運転する場合、給気位置P1にする。
【0072】
〔排気位置P2〕
排気運転や排気防カビ運転などのときは排気位置P2とする。排気位置P2に移動する場合でも、一旦給気位置P1に移動させてから排気位置P2にダンパ45を移動させる。
【0073】
上記切換ダンパ部15では、給気位置P1を原点(0パルス)とし、ダンパ駆動モータ50(図8に示す)に駆動パルスを印加することにより、駆動パルス数に応じて給気位置P1から全閉位置P3を経て排気位置P2に移動する。
【0074】
まず、電源投入時に、給気位置P1にダンパ45を移動させて、そこを原点として、ダンパ駆動モータ50(図8に示す)に駆動パルスを所定パルス数印加することにより、給気位置P1から全閉位置P3にダンパ45移動させる。
【0075】
次に、全閉位置P3から、給気位置P1、排気位置P2、いずれに移動する場合でも、一旦は給気位置P1に移動させてから所定の位置に移動する。
【0076】
このように、全閉位置P3から、給気位置P1、排気位置P2、いずれに移動する場合でも、一旦は初期位置である給気位置P1に移動させることによって、凍結などによりダンパ45の位置が不定になってしまうようなダンパ機構では、ダンパ45を初期位置することでダンパ45を正規の位置に戻して制御を始めることができる。したがって、ダンパ異常と判定してから例えば所定時間経過した後にリトライするような場合、凍結などの要因が解消されてダンパ45が正常動作するときにダンパ制御を正確に行うことができる。
【0077】
図10は上記制御装置100による切換ダンパ部15のダンパ異常を判定する処理を説明するためのフローチャートを示している。
【0078】
この処理がスタートすると、図10に示すステップS11で加湿運転中か否かを判定して、加湿運転中であるときは、ステップS12に進む一方、加湿運転中でないときは、ステップS11を繰り返す。
【0079】
次に、ステップS12で運転状態決定部100aにおいて運転状態を決定するための変数を用いて、判定基準値としての予測吹出温度を予測吹出温度算出部100bにより算出する。
【0080】
ここで、予測吹出温度算出部100bにより算出される予測吹出温度は、現在の加湿運転状態と環境条件において、ダンパ45が全開して加湿運転しているときに予想される吹出温度である。
【0081】
次に、ステップS13に進み、吹出温度センサ16により検出され吹出温度を用いて、[吹出温度−予測吹出温度]≧α(所定値)であるか否かを判定する。そして、ステップS13で[吹出温度−予測吹出温度]≧α(所定値)のとき、すなわち、ダンパ45が半開状態または半開状態よりも閉じた状態であると判定して、ステップS14に進む。
【0082】
一方、ステップS13で[吹出温度−予測吹出温度]<α(所定値)のときは、ステップS12に戻る。
【0083】
次に、ステップS14で判定継続タイマ100dをスタートさせて、ステップS15に進む。
【0084】
次に、ステップS15で判定継続タイマ100dがカウントオーバーか否かを判定する。ここで、判定継続タイマ100dは、スタートしてから所定時間が経過したとき、カウントオーバーとなる。
【0085】
そして、ステップS15で判定継続タイマ100dがカウントオーバーであると判定すると、ステップS16に進み、ダンパー異常を確定し、ステップS17に進んでダンパー異常処理を行った後にこの処理を終了する。ここで、ダンパ異常処理では、例えば、ヒータ13への通電をオフして安全性を確保した上で加湿運転を停止して、ダンパ異常を使用者に報知したり、外気温度が低温でダンパ45が凍結している可能性がある場合に、加湿運転を停止して加熱空気を加湿通路に送る凍結解除運転を行ったりする。
【0086】
一方、ステップS15で判定継続タイマ100dがカウントオーバーでないと判定すると、ステップS18に進み、予測吹出温度算出部100bにより予測吹出温度を算出する。
【0087】
次に、ステップS19に進み、[吹出温度−予測吹出温度]≧α(所定値)のときは、ステップS15に戻る一方、[吹出温度−予測吹出温度]<α(所定値)のときは、ステップS12に戻る。
【0088】
上記判定継続タイマ100dによって、ダンパ45が全開していない状態が連続して所定時間継続したときにダンパ異常とし、ダンパ45が全開していない状態が所定時間以内であれば、ダンパ異常としない。これにより、状態変化で発生する吹出温度のオーバーシュートであるときに誤検出を防止することができる。
【0089】
上記予測吹出温度算出部100bは、現在の加湿運転状態を示す要素としてのヒータ13の出力と加湿ファン14の回転速度と加湿ロータ12の回転速度と加湿ホース長の設定に基づくと共に、現在の環境条件の要素としての外気温度と外気湿度に基づいて、例えば次式により予測吹出温度を算出する。
【0090】
予測吹出温度=A×(ヒータ13の出力)+B×(加湿ロータ12の回転速度)+C×(加湿ファン14の回転速度)+D×加湿ホース長+E×(外気温度)+F×(外気湿度)+G
ただし、A,B,C,D,E,F,Gは、実験などにより求めた定数である。
【0091】
なお、上記式は、各要素の1次式であるが、計算精度を上げるために2次式などの式を採用してもよい。また、上記複数の要素のうちの少なくとも1つに基づいて、予測吹出温度を算出してもよいし、複数の要素のうちの少なくとも2以上の組合せに基づいて、予測吹出温度を算出してもよい。特に、複数の要素のうちの1または2つの要素に基づいて予測吹出温度を算出する場合、外気温度に基づいて算出するか、外気温度とヒータ13の出力に基づいて算出するのが望ましい。
【0092】
上記構成の加湿装置によれば、制御装置100の予想吹出温度算出部100bにおいて、ダンパ45が全開状態のときに吹出温度センサ16により検出される吹出温度に相当する予想吹出温度を算出し、その予想吹出温度を用いて、吹出温度センサ16により検出された吹出温度に基づいて、
[吹出温度−予測吹出温度]≧α(所定値)
のときに、ダンパ異常判定部100cによりダンパ45が半開状態であることを判定することができる。このように、ダンパ45の開閉動作を検出する検出手段なしに、簡単な構成でダンパ45が開状態であるべきときに全閉状態だけでなく半閉状態のダンパ異常も検出できる加湿装置を実現することができる。
【0093】
なお、この実施の形態では、α(所定値)をダンパ45の半開状態を検出できるように設定したが、複数のα(所定値)を設定して、ダンパ45の半開状態だけでなく、より細かく開閉状態を検出できるようにしてもよい。
【0094】
また、上記制御装置100の運転状態決定部100aにおいて運転状態を決定するための変数である外気温度を用いて、予測吹出温度(判定基準値)を算出することで、外気温度に起因する吹出温度の変動を考慮してダンパ異常を正確に判定することができる。
【0095】
また、上記運転状態決定部100aにおいて運転状態を決定するための変数であるヒータ13の出力を用いて、予測吹出温度(判定基準値)に用いることで、ヒータ13の出力に起因する吹出温度の変動を考慮してダンパ異常を正確に判定することができる。
【0096】
また、上記運転状態決定部100aにおいて運転状態を決定するための変数である加湿ファン14の回転速度を用いて、予測吹出温度(判定基準値)を算出することで、加湿ファン14の回転速度に起因する吹出温度の変動を考慮してダンパ異常を正確に判定することができる。
【0097】
また、上記運転状態決定部100aにおいて運転状態を決定するための変数である加湿ホース4の長さを用いて、予測吹出温度(判定基準値)を算出することで、加湿ホース4の長さに起因する吹出温度の変動を考慮してダンパ異常を正確に判定することができる。
【0098】
また、上記運転状態決定部100aにおいて運転状態を決定するための変数である加湿ロータ12の回転速度を用いて、ダンパ異常の予測吹出温度(判定基準値)を算出することで、加湿ロータ12の回転速度に起因する吹出温度の変動を考慮してダンパ異常を正確に判定することができる。
【0099】
また、上記運転状態決定部100aにおいて運転状態を決定するための変数である外気湿度を用いて、予測吹出温度(判定基準値)を算出することで、外気湿度に起因する吹出温度の変動を考慮してダンパ異常を正確に判定することができる。
【0100】
上記実施の形態では、ダンパ異常が判定された後にダンパ異常の報知や凍結解除運転などのダンパを行ったが、これに限らず、ダンパ異常が判定された後、何度か(または所定時間)ダンパ位置修正をトライしたにも拘わらずダンパ異常が解消されない場合に、リモートコントローラ等に表示して報知するようにしてもよい。
【0101】
また、上記実施の形態では、空気調和機に備えられた加湿装置について説明したが、加湿装置のみにこの発明を適用してもよい。
【符号の説明】
【0102】
1…室内機
2…室外機
3…加湿装置
4…加湿ホース
10…加湿装置ケーシング
11…吸湿ファン
12…加湿ロータ
13…ヒータ
14…加湿ファン
15…切換ダンパ部
16…吹出温度センサ
17…外気温度センサ
18…外気湿度センサ
20…室外機本体
21…プロペラファン
22…前面パネル
23…閉鎖弁カバー
24…電装品ユニット
25…防炎板
31…天板
32…吸湿側ダクト
33…吸湿側ベルマウス
34…吸湿ファンモータ
35…ヒータ組立体
36…ヒータ支持板
37…加湿ロータ駆動モータ
38…ロータ駆動ギヤ
40…加湿ファンモータ
41…加湿ファン組立体
43…上蓋
43a…空気取入口
43b…空気吹出口
44…切換ダンパケーシング
45…ダンパ
46…駆動ギヤ
50…ダンパ駆動モータ
60…給排気ダクト
100…制御装置
100a…運転状態決定部
100b…予測吹出温度算出部
100c…ダンパ異常判定部
100d…判定継続タイマ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸湿通路と、
上記吸湿通路内に吸着領域が配置された加湿ロータ(12)と、
上記加湿ロータ(12)の脱着領域が配置された加湿通路と、
上記加湿通路に空気を送風する加湿ファン(14)と、
上記加湿通路内かつ上記加湿ロータ(12)の脱着領域よりも上流側に配置されたヒータ(13)と、
上記加湿通路の出口の吹出温度を検出する吹出温度センサ(16)と、
上記加湿通路内かつ上記加湿ロータ(12)の脱着領域よりも下流側に配置されたダンパ(45)と、
上記加湿ロータ(12)と上記加湿ファン(14)と上記ヒータ(13)および上記ダンパ(45)を制御する制御装置(100)と
を備え、
上記制御装置(100)は、
運転状態を決定する運転状態決定部(100a)と、
上記運転状態決定部(100a)により運転状態を決定するための変数を用いて、上記ダンパ(45)の開閉状態の異常を判定するための判定基準値を算出する判定基準値算出部(100b)と、
上記判定基準値算出部(100b)により算出された上記判定基準値を用いて、上記ヒータ(13)をオンした状態で上記吹出温度センサ(16)により検出された吹出温度に基づいて、上記ダンパ(45)が開状態であるべきときに開状態になっていないダンパ異常であるか否かを判定するダンパ異常判定部(100c)と
を有することを特徴とする加湿装置。
【請求項2】
請求項1に記載の加湿装置において、
外気温度を検出する外気温度センサ(17)を備え、
上記運転状態決定部(100a)において運転状態を決定するのに用いられる変数が、上記外気温度センサ(17)により検出された上記外気温度であることを特徴とする加湿装置。
【請求項3】
請求項2に記載の加湿装置において、
上記運転状態決定部(100a)において運転状態を決定するのに用いられる変数が、上記外気温度センサ(17)により検出された上記外気温度に基づいて制御されるヒータ(13)の出力であることを特徴とする加湿装置。
【請求項4】
請求項1から3までのいずれか1つに記載の加湿装置において、
上記運転状態決定部(100a)において運転状態を決定するのに用いられる変数が、上記加湿通路の風量であることを特徴とする加湿装置。
【請求項5】
請求項1から4までのいずれか1つに記載の加湿装置において、
上記運転状態決定部(100a)において運転状態を決定するのに用いられる変数が、上記加湿ファン(14)の回転速度であることを特徴とする加湿装置。
【請求項6】
請求項1から5までのいずれか1つに記載の加湿装置において、
上記加湿通路の下流の出口と被加湿空間との間に加湿ホース(4)が接続され、
上記運転状態決定部(100a)において運転状態を決定するのに用いられる変数が、上記加湿ホース(4)の長さであることを特徴とする加湿装置。
【請求項7】
請求項1から6までのいずれか1つに記載の加湿装置において、
上記運転状態決定部(100a)において運転状態を決定するのに用いられる変数が、上記加湿ロータ(12)の回転速度であることを特徴とする加湿装置。
【請求項8】
請求項1から7までのいずれか1つに記載の加湿装置において、
外気湿度を検出する外気湿度センサ(18)を備え、
上記運転状態決定部(100a)において運転状態を決定するのに用いられる変数が、上記外気湿度センサ(18)により検出された上記外気湿度であることを特徴とする加湿装置。
【請求項9】
請求項1から8までのいずれか1つに記載の加湿装置において、
上記制御装置(100)は、上記ダンパ異常判定部(100c)が上記ダンパ異常であると判定した後、次に上記ダンパ(45)を開閉動作させる前に上記ダンパ(45)を制御して初期位置にすることを特徴とする加湿装置。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−2184(P2011−2184A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−146547(P2009−146547)
【出願日】平成21年6月19日(2009.6.19)
【出願人】(000002853)ダイキン工業株式会社 (7,604)
【Fターム(参考)】