加湿装置
【課題】霧化体の粒子径が小さいこと、霧化体の飛距離が短いこと、周囲の空気との攪拌量が多いことを満足できる加湿装置を得る。
【解決手段】加湿すべき空間1Aを形成するダクト1と、前記ダクト1内の所定方向に空気と液体の2流体を噴霧して霧化する2流体ノズル2と、前記ダクト1内において前記2流体ノズル2からの2流体の噴霧方向に逆らうように風を発生させるためのファン4と、前記ダクト1内に配設し、前記ファン4からの風の風下側に乱流を発生させるための拡散板3を備えたもの。
【解決手段】加湿すべき空間1Aを形成するダクト1と、前記ダクト1内の所定方向に空気と液体の2流体を噴霧して霧化する2流体ノズル2と、前記ダクト1内において前記2流体ノズル2からの2流体の噴霧方向に逆らうように風を発生させるためのファン4と、前記ダクト1内に配設し、前記ファン4からの風の風下側に乱流を発生させるための拡散板3を備えたもの。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、2流体ノズル手段(気液混合ノズル手段)を利用した加湿装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、半導体製造工場のクリーンルームにおいて、冬場の導入外気加湿用に設置される水噴霧式加湿装置として望ましい条件は、第1の条件は霧化体の粒子径が小さいこと、第2の条件は霧化体の飛距離が短いこと、第3の条件は周囲の空気との攪拌量が多いことである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−301442号公報
【特許文献2】特開平7−301443号公報
【特許文献3】特開2010−247106号公報
【特許文献4】特開昭59−205535号公報
【特許文献5】特開平11−304203号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の3条件を、構成が簡単な手段で満足ができる加湿装置の開発が望まれている。
【0005】
本実施形態は、霧化体の粒子径が小さいこと、霧化体の飛距離が短いこと、空気の拡散が多いことを満足できる加湿装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施形態の代表例は、加湿すべき空間を形成する空間形成手段と、前記空間内の所定方向に空気と液体の2流体を噴霧して霧化する2流体ノズル手段と、前記空間内において前記2流体ノズル手段からの2流体の噴霧方向に逆らうように風を発生させるための風発生手段と、前記空間内に配設し、前記風発生手段からの風の風下側に乱流を発生させるための乱流発生手段とを具備したものである。
【0007】
本実施形態の代表例によれば、霧化体の粒子径が小さいこと、霧化体の飛距離が短いこと、周囲の空気との攪拌量が多いことを満足できる加湿装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施の形態1を説明するための斜視図。
【図2】図1の縦断面図。
【図3】図1の横断面図。
【図4】実施の形態1の基本原理を説明するための立体図。
【図5】図4の縦断面図。
【図6】図4の横断面図。
【図7】実施の形態2を説明するための横断面図。
【図8】実施の形態3を説明するための斜視図。
【図9】実施の形態3を原理を説明するための立体図。
【図10】図8の動作を説明するための縦断面図。
【図11】実施の形態4を説明するための横断面図。
【図12】実施の形態5を説明するための横断面図。
【図13】実施の形態6を説明するための図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。始めに、この発明の実施の形態1を図1〜図6に基づいて説明する。加湿すべき空間1Aを形成する空間形成手段例えばダクト(風洞)1と、空間1A内の所定方向に空気と液体の2流体を噴霧して霧化する2流体ノズル手段例えばノズル2と、空間1A内においてノズル2からの2流体の噴霧方向に逆らうように例えば風速が1〜5m/sの風を発生させるための風発生手段例えばファン4と、ダクト1の空間1A内に配設し、ファン4からの風の風下側に乱流を発生させるための乱流発生手段例えば拡散手段、具体的には拡散板3を備えている。
【0010】
この場合、ノズル2の噴射中心線に対して拡散板3に有する対向する板面のうちの一方の板面が直交するように配置すると共に、ノズル2の噴射中心線上に、拡散板3に有する対向する板面のうちの一方の板面の中心が一致するように配置してある。
【0011】
空間1A内であって、ノズル2の下流側には、スチールウール、化学繊維等でできたエリミネ―タ5が設置され、エリミネ―タ5に風を通すと水分を含んだ霧は大きいものだけがぶっかってここで水になってしまうので、エリミネ―タ5の下流側に濡れが生じなくなる。
【0012】
ここで使用するノズル2は、従来の二流体ノズルと比較して、気水比(空気の体積と液体の体積比)が1/10程度、噴霧距離(飛距離)が1/5程度のものを使用する。この結果、従来のノズルに比べて設備がコンパクトで、安価となる。
【0013】
なお、ノズル2と拡散板3の間隔は0.5(m)ぐらいで、拡散板3とエリミネ―タ5の間隔は1(m)程度となっている。ダクト1は、断面四角形状で一端部の断面寸法が例えば0.8(m)×0.8(m)となっている。
【0014】
ここで用いた拡散板3は、例えば0.08m×0.4m×0.0003mの大きさである。
【0015】
以上のように構成された実施形態1の動作について説明する。その説明の前に、予め次のように定義しておき、この定義をもとに説明する。ファン4の回転により生ずる風(図5の太い矢印)により、拡散板3の周りから下流側(ノズル2が配置されている方向)とノズル2から噴霧される霧と接触する領域に発生する渦(カルマン渦)を第一渦と呼ぶ。ノズル2から噴霧される霧と接触する領域とノズル2の間に発生する渦(カルマン渦)を第二渦と呼ぶ。ノズル2の周りに発生する渦(カルマン渦)を第三渦と呼ぶ。以下、ノズル2の下流側に向かって発生する渦(カルマン渦)を順次、第四渦、第五渦…第N渦と呼ぶ。
【0016】
第一渦と第二渦の間には、ファン4の回転により発生する風(図5の右から左方向に向かう風)と、ノズル2からの噴霧流体(図5の左から右方向に向かう流体)とがぶっかり合うので、この空間において進行方向逆向きの強い風が発生する渦流発生領域が形成される。なお、図4、図5においてSは強い渦流発生領域を示し、Fは噴霧した霧を示している。
【0017】
ノズル2から渦流発生領域を目掛けて順次に噴霧する。これにより、渦流発生領域の空間において生成されるカルマン渦に噴霧した霧が吸込まれ、素早く広い範囲に霧を拡散することができる。
【0018】
なお、実験によれば渦は全て一定の渦流が発生しているのではなく、特に拡散板3にもっとも近い位置で発生する第1渦及びそれより少し離れている第2渦がファン4からの風を大きく巻き込むため、第2渦が発生する付近までの領域にノズルからの霧を吹き込めば、拡散板3側に霧が吸込まれることがわかった。
【0019】
図6の横断面図を見た場合、ノズル2の噴射中心線上に、拡散板3に有する対向する板面のうちの一方の板面の中心が一致するように配置してあるので、強い渦流発生領域が拡散板に対し水平に広く広がっており、この領域に万遍なく霧を拡散させて気化させることができる。
【0020】
このように拡散板3をファン4とノズル2の間に設けるだけの簡単な構成で上記の3条件、すなわち霧化体の粒子径が小さいこと、霧化体の飛距離が短いこと、周囲の空気との攪拌量が多いことを満足できる加湿装置を提供できる。
【0021】
図7は、この発明の実施の形態2を説明するための図1の横断面図である。この実施の形態3は、2流体ノズル手段例えばノズル2の設置位置を、次のようにしたものである。すなわち、図に示す霧の淵の角度を、飛んでくる霧の背後から反れた位置に配置したものである。このようにすることで、前述の実施の形態1の効果に加えて、舞い戻って霧がノズル2に衝突して発生する濡れを抑制することもできる。
【0022】
図8〜図10は、この発明の実施の形態3を説明するためのもので、前述したノズル2と同様なノズル21、22…2Nを複数段毎にそれぞれ複数個(ここでは3個)配設すると共に、各段毎に複数の拡散板31、32…3Nをそれぞれ配設したものである。
【0023】
このように、実施の形態1の基本原理を応用して、例えば空調機内部等の広い空間に、垂直方向(縦方向)に適度な距離を確保しながら、複数個の拡散板31…3Nと複数個のノズル21…2Nを設置したものである。
【0024】
図11は、実施の形態4を説明するためのもので、実施の形態3の複数個の拡散板31…3Nの代りに、1枚の共通の拡散板30を用いた点以外は、実施の形態4と同一である。
【0025】
以上述べた実施の形態3、4のいずれも前述の実施の形態1と同様な作用効果が得られる。
【0026】
図12は、この発明の実施の形態5を説明するためのもので、前述の実施の形態1における空間1A内であって、拡散手段例えば拡散板3と風発生手段例えばファン4の間に、ファン4からの風を層流にする整流体例えばアルミハニカム等の整流板7を配設したものである。ここで層流は、時間的にも空間的にも規則な変動を伴う流れのことを指している。
【0027】
以上述べた実施の形態5のように整流板7を配設することで、拡散板3に均一な層流の気流が当り安定したカルマン渦を発生させることができる。
【0028】
次に、この発明の実施の形態6について図13(a)、(b)を参照して説明する。実施の形態6は、加湿すべき空間1Aを形成する空間形成手段例えばダクト(風洞)1と、空間1A内において所定方向の風を発生させる風発生手段例えばファン4とを備えていることは、前述の実施の形態1と同じである。前述の実施の形態1とは異なるのは、拡散手段と2流体ノズル手段である。具体的には、拡散手段例えば渦発生板6は空間1A内であって、ファン4からの風の方向に対して板面が直交するように配設し、ファン4からの風が交差(接触)する領域で風を拡散させるもので、図13(a)に示すように薄板を断面山高帽状に成形したものである。
【0029】
そして、ノズル2は渦発生板6の凹状部6Aの底面に貫通固定され、空間1A内であってファン4からの風に逆らうように設けられ、空間1A内に空気と液体(水)の2流体を噴霧して霧化するようになっている。
【0030】
渦発生板6は、図13(a)のX1の寸法及びX2の寸法は、いずれも薄いほど効果がある。すなわち、渦発生板6をこのように構成することで、ノズル開口端部(ノズル本体)が濡れず、渦流の渦の中に霧を吹くことができる。また、X1の寸法及びX2の寸法を薄くすることで、図13(b)に示すように渦発生板6の風下側でその空間1Aにおいてより大きな渦が発生し、攪拌性が上がる。
【0031】
前述した乱流発生手段又は拡散手段は、板体、メッシュ体、多孔質体の何れか、又はこれらの組合わせたもので構成する。
【符号の説明】
【0032】
1…ダクト、1A…空間、2、21、22…2N…ノズル、3、31、32…3N、30…拡散板、4…ファン、5…エリミネータ、6…渦発生板、7…整流板。
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、2流体ノズル手段(気液混合ノズル手段)を利用した加湿装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、半導体製造工場のクリーンルームにおいて、冬場の導入外気加湿用に設置される水噴霧式加湿装置として望ましい条件は、第1の条件は霧化体の粒子径が小さいこと、第2の条件は霧化体の飛距離が短いこと、第3の条件は周囲の空気との攪拌量が多いことである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−301442号公報
【特許文献2】特開平7−301443号公報
【特許文献3】特開2010−247106号公報
【特許文献4】特開昭59−205535号公報
【特許文献5】特開平11−304203号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の3条件を、構成が簡単な手段で満足ができる加湿装置の開発が望まれている。
【0005】
本実施形態は、霧化体の粒子径が小さいこと、霧化体の飛距離が短いこと、空気の拡散が多いことを満足できる加湿装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施形態の代表例は、加湿すべき空間を形成する空間形成手段と、前記空間内の所定方向に空気と液体の2流体を噴霧して霧化する2流体ノズル手段と、前記空間内において前記2流体ノズル手段からの2流体の噴霧方向に逆らうように風を発生させるための風発生手段と、前記空間内に配設し、前記風発生手段からの風の風下側に乱流を発生させるための乱流発生手段とを具備したものである。
【0007】
本実施形態の代表例によれば、霧化体の粒子径が小さいこと、霧化体の飛距離が短いこと、周囲の空気との攪拌量が多いことを満足できる加湿装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施の形態1を説明するための斜視図。
【図2】図1の縦断面図。
【図3】図1の横断面図。
【図4】実施の形態1の基本原理を説明するための立体図。
【図5】図4の縦断面図。
【図6】図4の横断面図。
【図7】実施の形態2を説明するための横断面図。
【図8】実施の形態3を説明するための斜視図。
【図9】実施の形態3を原理を説明するための立体図。
【図10】図8の動作を説明するための縦断面図。
【図11】実施の形態4を説明するための横断面図。
【図12】実施の形態5を説明するための横断面図。
【図13】実施の形態6を説明するための図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。始めに、この発明の実施の形態1を図1〜図6に基づいて説明する。加湿すべき空間1Aを形成する空間形成手段例えばダクト(風洞)1と、空間1A内の所定方向に空気と液体の2流体を噴霧して霧化する2流体ノズル手段例えばノズル2と、空間1A内においてノズル2からの2流体の噴霧方向に逆らうように例えば風速が1〜5m/sの風を発生させるための風発生手段例えばファン4と、ダクト1の空間1A内に配設し、ファン4からの風の風下側に乱流を発生させるための乱流発生手段例えば拡散手段、具体的には拡散板3を備えている。
【0010】
この場合、ノズル2の噴射中心線に対して拡散板3に有する対向する板面のうちの一方の板面が直交するように配置すると共に、ノズル2の噴射中心線上に、拡散板3に有する対向する板面のうちの一方の板面の中心が一致するように配置してある。
【0011】
空間1A内であって、ノズル2の下流側には、スチールウール、化学繊維等でできたエリミネ―タ5が設置され、エリミネ―タ5に風を通すと水分を含んだ霧は大きいものだけがぶっかってここで水になってしまうので、エリミネ―タ5の下流側に濡れが生じなくなる。
【0012】
ここで使用するノズル2は、従来の二流体ノズルと比較して、気水比(空気の体積と液体の体積比)が1/10程度、噴霧距離(飛距離)が1/5程度のものを使用する。この結果、従来のノズルに比べて設備がコンパクトで、安価となる。
【0013】
なお、ノズル2と拡散板3の間隔は0.5(m)ぐらいで、拡散板3とエリミネ―タ5の間隔は1(m)程度となっている。ダクト1は、断面四角形状で一端部の断面寸法が例えば0.8(m)×0.8(m)となっている。
【0014】
ここで用いた拡散板3は、例えば0.08m×0.4m×0.0003mの大きさである。
【0015】
以上のように構成された実施形態1の動作について説明する。その説明の前に、予め次のように定義しておき、この定義をもとに説明する。ファン4の回転により生ずる風(図5の太い矢印)により、拡散板3の周りから下流側(ノズル2が配置されている方向)とノズル2から噴霧される霧と接触する領域に発生する渦(カルマン渦)を第一渦と呼ぶ。ノズル2から噴霧される霧と接触する領域とノズル2の間に発生する渦(カルマン渦)を第二渦と呼ぶ。ノズル2の周りに発生する渦(カルマン渦)を第三渦と呼ぶ。以下、ノズル2の下流側に向かって発生する渦(カルマン渦)を順次、第四渦、第五渦…第N渦と呼ぶ。
【0016】
第一渦と第二渦の間には、ファン4の回転により発生する風(図5の右から左方向に向かう風)と、ノズル2からの噴霧流体(図5の左から右方向に向かう流体)とがぶっかり合うので、この空間において進行方向逆向きの強い風が発生する渦流発生領域が形成される。なお、図4、図5においてSは強い渦流発生領域を示し、Fは噴霧した霧を示している。
【0017】
ノズル2から渦流発生領域を目掛けて順次に噴霧する。これにより、渦流発生領域の空間において生成されるカルマン渦に噴霧した霧が吸込まれ、素早く広い範囲に霧を拡散することができる。
【0018】
なお、実験によれば渦は全て一定の渦流が発生しているのではなく、特に拡散板3にもっとも近い位置で発生する第1渦及びそれより少し離れている第2渦がファン4からの風を大きく巻き込むため、第2渦が発生する付近までの領域にノズルからの霧を吹き込めば、拡散板3側に霧が吸込まれることがわかった。
【0019】
図6の横断面図を見た場合、ノズル2の噴射中心線上に、拡散板3に有する対向する板面のうちの一方の板面の中心が一致するように配置してあるので、強い渦流発生領域が拡散板に対し水平に広く広がっており、この領域に万遍なく霧を拡散させて気化させることができる。
【0020】
このように拡散板3をファン4とノズル2の間に設けるだけの簡単な構成で上記の3条件、すなわち霧化体の粒子径が小さいこと、霧化体の飛距離が短いこと、周囲の空気との攪拌量が多いことを満足できる加湿装置を提供できる。
【0021】
図7は、この発明の実施の形態2を説明するための図1の横断面図である。この実施の形態3は、2流体ノズル手段例えばノズル2の設置位置を、次のようにしたものである。すなわち、図に示す霧の淵の角度を、飛んでくる霧の背後から反れた位置に配置したものである。このようにすることで、前述の実施の形態1の効果に加えて、舞い戻って霧がノズル2に衝突して発生する濡れを抑制することもできる。
【0022】
図8〜図10は、この発明の実施の形態3を説明するためのもので、前述したノズル2と同様なノズル21、22…2Nを複数段毎にそれぞれ複数個(ここでは3個)配設すると共に、各段毎に複数の拡散板31、32…3Nをそれぞれ配設したものである。
【0023】
このように、実施の形態1の基本原理を応用して、例えば空調機内部等の広い空間に、垂直方向(縦方向)に適度な距離を確保しながら、複数個の拡散板31…3Nと複数個のノズル21…2Nを設置したものである。
【0024】
図11は、実施の形態4を説明するためのもので、実施の形態3の複数個の拡散板31…3Nの代りに、1枚の共通の拡散板30を用いた点以外は、実施の形態4と同一である。
【0025】
以上述べた実施の形態3、4のいずれも前述の実施の形態1と同様な作用効果が得られる。
【0026】
図12は、この発明の実施の形態5を説明するためのもので、前述の実施の形態1における空間1A内であって、拡散手段例えば拡散板3と風発生手段例えばファン4の間に、ファン4からの風を層流にする整流体例えばアルミハニカム等の整流板7を配設したものである。ここで層流は、時間的にも空間的にも規則な変動を伴う流れのことを指している。
【0027】
以上述べた実施の形態5のように整流板7を配設することで、拡散板3に均一な層流の気流が当り安定したカルマン渦を発生させることができる。
【0028】
次に、この発明の実施の形態6について図13(a)、(b)を参照して説明する。実施の形態6は、加湿すべき空間1Aを形成する空間形成手段例えばダクト(風洞)1と、空間1A内において所定方向の風を発生させる風発生手段例えばファン4とを備えていることは、前述の実施の形態1と同じである。前述の実施の形態1とは異なるのは、拡散手段と2流体ノズル手段である。具体的には、拡散手段例えば渦発生板6は空間1A内であって、ファン4からの風の方向に対して板面が直交するように配設し、ファン4からの風が交差(接触)する領域で風を拡散させるもので、図13(a)に示すように薄板を断面山高帽状に成形したものである。
【0029】
そして、ノズル2は渦発生板6の凹状部6Aの底面に貫通固定され、空間1A内であってファン4からの風に逆らうように設けられ、空間1A内に空気と液体(水)の2流体を噴霧して霧化するようになっている。
【0030】
渦発生板6は、図13(a)のX1の寸法及びX2の寸法は、いずれも薄いほど効果がある。すなわち、渦発生板6をこのように構成することで、ノズル開口端部(ノズル本体)が濡れず、渦流の渦の中に霧を吹くことができる。また、X1の寸法及びX2の寸法を薄くすることで、図13(b)に示すように渦発生板6の風下側でその空間1Aにおいてより大きな渦が発生し、攪拌性が上がる。
【0031】
前述した乱流発生手段又は拡散手段は、板体、メッシュ体、多孔質体の何れか、又はこれらの組合わせたもので構成する。
【符号の説明】
【0032】
1…ダクト、1A…空間、2、21、22…2N…ノズル、3、31、32…3N、30…拡散板、4…ファン、5…エリミネータ、6…渦発生板、7…整流板。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加湿すべき空間を形成する空間形成手段と、
前記空間内の所定方向に空気と液体の2流体を噴霧して霧化する2流体ノズル手段と、
前記空間内において前記2流体ノズル手段からの2流体の噴霧方向に逆らうように風を発生させるための風発生手段と、
前記空間内に配設し、前記風発生手段からの風の風下側に乱流を発生させるための乱流発生手段と、
を具備したことを特徴とする加湿装置。
【請求項2】
加湿すべき空間を形成する空間形成手段と、
前記空間内において所定方向の風を発生させる風発生手段と、
前記空間内であって、前記風発生手段からの風の方向に対して板面が直交するように配設し、前記風発生手段からの風が交差(接触)する領域で前記風を拡散させる断面山高帽状の拡散手段と、
前記拡散手段の凹状部の底面に貫通固定され、前記空間内であって前記風発生手段からの風と同じ方向に、前記空間内に空気と液体(水)の2流体を噴霧して霧化する2流体ノズル手段と、
を具備したことを特徴とする加湿装置。
【請求項3】
前記乱流発生手段又は前記拡散手段は、板体、メッシュ体、多孔質体の何れか、又はこれらの組合わせたものであることを特徴とする請求項1〜請求項2のいずれかに記載の加湿装置。
【請求項4】
前記空間内であって、前記乱流発生手段又は前記拡散手段と前記風発生手段の間に、前記風発生手段からの風を層流にする整流体を配設したことを特徴とする請求項1〜請求項2のいずれかに記載の加湿装置。
【請求項1】
加湿すべき空間を形成する空間形成手段と、
前記空間内の所定方向に空気と液体の2流体を噴霧して霧化する2流体ノズル手段と、
前記空間内において前記2流体ノズル手段からの2流体の噴霧方向に逆らうように風を発生させるための風発生手段と、
前記空間内に配設し、前記風発生手段からの風の風下側に乱流を発生させるための乱流発生手段と、
を具備したことを特徴とする加湿装置。
【請求項2】
加湿すべき空間を形成する空間形成手段と、
前記空間内において所定方向の風を発生させる風発生手段と、
前記空間内であって、前記風発生手段からの風の方向に対して板面が直交するように配設し、前記風発生手段からの風が交差(接触)する領域で前記風を拡散させる断面山高帽状の拡散手段と、
前記拡散手段の凹状部の底面に貫通固定され、前記空間内であって前記風発生手段からの風と同じ方向に、前記空間内に空気と液体(水)の2流体を噴霧して霧化する2流体ノズル手段と、
を具備したことを特徴とする加湿装置。
【請求項3】
前記乱流発生手段又は前記拡散手段は、板体、メッシュ体、多孔質体の何れか、又はこれらの組合わせたものであることを特徴とする請求項1〜請求項2のいずれかに記載の加湿装置。
【請求項4】
前記空間内であって、前記乱流発生手段又は前記拡散手段と前記風発生手段の間に、前記風発生手段からの風を層流にする整流体を配設したことを特徴とする請求項1〜請求項2のいずれかに記載の加湿装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−229855(P2012−229855A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−98367(P2011−98367)
【出願日】平成23年4月26日(2011.4.26)
【出願人】(501137636)東芝三菱電機産業システム株式会社 (904)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月26日(2011.4.26)
【出願人】(501137636)東芝三菱電機産業システム株式会社 (904)
【Fターム(参考)】
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