説明

加熱または冷却用無線電力

例示的な諸実施形態は、無線電力で加熱または冷却することを対象とする。デバイスは、少なくとも1つの結びついた受信アンテナを有する無線電力受信器を備えることができる。デバイスはさらに、無線電力受信器と動作可能に結合され、無線電力を受信するとデバイスの少なくとも一部分を加熱または冷却するように構成された熱電素子を備えることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
35U.S.C.§119による優先権の主張
本出願は、2009年9月10日出願の「WIRELESSLY POWERED HEATING OR COOLING」という名称の米国特許仮出願第61/241,337号の35U.S.C.§119(e)による優先権を主張する。同出願の開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、一般に無線電力に関し、より詳細には、無線電力を介した熱電による冷却または加熱に関する。
【背景技術】
【0003】
一般に、各電池式デバイスは、それ自体の充電器と、通常は交流電源コンセントである電源とを必要とする。このことは、多くのデバイスが充電を必要とする場合には面倒なことになる。
【0004】
送信器と充電されるべきデバイスとの間で無線による電力伝達を用いる手法が開発されている。これらの手法は、一般に2つの部類に入る。1つは、送信アンテナと、充電されるべきデバイス上の受信アンテナとの間の平面波放射(ファーフィールド放射とも呼ばれる)の結合に基づいており、デバイスは、電池を充電するために放射電力を集めて整流する。アンテナは一般に、結合効率を向上するために共振長になっている。この手法では、アンテナ間が離れるにつれ電力結合が急激に減衰してしまう。したがって、妥当な間隔(例えば、>1〜2m)を越えて充電することが困難になる。加えて、システムが平面波を放射するので、フィルタリングによって適切に制御されない場合には、意図しない放射が他のシステムに干渉することがある。
【0005】
他の手法は、例えば「充電」マットまたは面に埋め込まれた送信アンテナと、充電されるべきホストデバイスに埋め込まれた受信アンテナに整流回路を加えたものとの間の誘導結合に基づく。この手法には、送信アンテナと受信アンテナの間が非常に近くなければならない(例えば、数mm)という欠点がある。この手法は、同じ領域内の複数のデバイスを同時に充電する能力を有するが、この領域は一般に小さく、したがってユーザは、ある特定の領域にデバイスを置かなければならない。
【0006】
無線電力転送では、電力貯蔵デバイスを充電することに加えて、他の応用例を見出すことができる。したがって、伝達された無線電力を利用して他の望ましい結果を得るシステム、方法、およびデバイスに対する需要が他にもある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
特許請求の範囲に記載の手段によって課題を解決する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】無線電力転送システムの簡略化ブロック図である。
【図2】無線電力転送システムの簡略化概略図である。
【図3】本発明の例示的な諸実施形態で使用するためのループアンテナの概略図である。
【図4】本発明の例示的な一実施形態による送信器の簡略化ブロック図である。
【図5】本発明の例示的な一実施形態による受信器の簡略化ブロック図である。
【図6】送信器と受信器の間でメッセージングを実行するための送信回路の一部分を示す簡略化概略図である。
【図7】本発明の例示的な一実施形態による無線電力システムを示す図である。
【図8】無線電力デバイス、およびその上に配置された複数のデバイスを含む無線電力システムのブロック図である。
【図9】無線電力デバイス、およびその上に配置された複数のデバイスを含む別の無線電力システムのブロック図である。
【図10】本発明の例示的な一実施形態による、ディスプレイデバイスの一面に配置されたデバイスを示す図である。
【図11】本発明の例示的な一実施形態による、ディスプレイデバイスの一面に配置された別のデバイスを示す図である。
【図12】本発明の例示的な一実施形態による方法を示す流れ図である。
【図13】本発明の例示的な一実施形態による別の方法を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
添付の図に関連して以下に示す詳細な説明は、本発明の例示的な諸実施形態について説明するものであり、本発明を実施できる実施形態を単に示すものではない。本明細書全体を通して使用される「例示的な」という語は、「一例、具体例、または例示的説明として役立つ」ことを意味し、他の例示的な実施形態と比べて好ましい、または有利であるとは必ずしも解釈されるべきではない。詳細な説明には、本発明の例示的な諸実施形態についての完全な理解が得られることを目的として、具体的な細部が含まれる。本発明の例示的な諸実施形態がこれらの細部がなくても実施できることは、当業者には明らかであろう。場合により、よく知られた構造およびデバイスは、本明細書に提示される例示的な諸実施形態の新規性を不明瞭にしないようにするために、ブロック図の形式で示される。
【0010】
「無線電力」という語は、本明細書では、送信器から受信器までの間に物理的電磁伝導体を使用しないで伝達される、電界、磁界、電磁界などを伴う任意の形態のエネルギーを意味するために使用される。
【0011】
図1は、本発明の様々な例示的実施形態による無線伝達または無線充電システム100を示す。入力電力102は、放射場106を発生してエネルギー伝達を行う送信器104に供給される。受信器108は、放射場106に結合し、出力電力110を、出力電力110に結合されたデバイス(図示せず)による貯蔵または消費のために発生する。送信器104と受信器108の両者が距離112で分離されている。例示的な一実施形態では、送信器104と受信器108は相互共振関係によって構成され、受信器108の共振周波数と送信器104の共振周波数が非常に近い場合には、受信器108が放射場106の「近接場」内に置かれているときに送信器104と受信器108の間の伝達損失が最少になる。
【0012】
送信器104はさらに、エネルギー伝達の手段となる送信アンテナ114を含み、受信器108はさらに、エネルギー受取りの手段となる受信アンテナ118を含む。送信アンテナおよび受信アンテナは、応用例に応じて、またアンテナと結合されるべきデバイスに応じて寸法設定される。前述のように、効率的なエネルギー移送は、電磁波中のエネルギーのほとんどを遠距離場へ伝搬するのではなく、送信アンテナの近接場内のエネルギーの大部分を受信アンテナに結合することによって行われる。この近接場内にあるときに、送信アンテナ114と受信アンテナ118の間に結合モードを作り出すことができる。この近接場結合が生じうるアンテナ114および118のまわりの区域を、本明細書では結合モード領域と呼ぶ。
【0013】
図2は、無線電力転送システムの簡略化概略図を示す。送信器104は、発振器122、電力増幅器124、ならびにフィルタおよび整合回路126を含む。発振器は、調整信号123に応じて調整可能な所望の周波数の信号を発生するように構成される。発振器信号は、電力増幅器124によって、制御信号125に応じた増幅量で増幅することができる。フィルタおよび整合回路126は、高調波または他の望ましくない周波数をフィルタ除去し、送信器104のインピーダンスを送信アンテナ114に整合させるために含めることができる。
【0014】
受信器108は、整合回路132と、図2に示される電池136を充電するための、または受信器に結合されたデバイス(図示せず)に電力供給するための、直流電力出力を発生する整流およびスイッチング回路134とを含むことができる。整合回路132は、受信器108のインピーダンスを受信アンテナ118に整合させるために含めることができる。受信器108と送信器104は、別個の通信チャネル119(例えば、ブルートゥース、ジグビー、セルラーなど)で通信することができる。
【0015】
図3に示されるように、例示的な諸実施形態で使用されるアンテナは、本明細書で「磁気」アンテナとも呼ばれる「ループ」アンテナ150として構成することができる。ループアンテナは、空気コア、またはフェライトコアなどの物理コアを含むように構成することができる。空気コアループアンテナは、コアの付近に配置される外部物理デバイスに対し許容性が大きいことがある。さらに、空気コアループアンテナでは、コアの領域内に他の構成要素を配置することが可能になる。加えて、空気コアループアンテナは、送信アンテナ114(図2)の結合モード領域の電力がより強くなりうる送信アンテナ114(図2)の面内に受信アンテナ118(図2)を配置することをより容易に可能にする。
【0016】
前述のように、送信器104と受信器108の間の効率的なエネルギーの転送は、送信器104と受信器108の間の整合された、または実質的に整合された共振時に行われる。しかし、送信器104と受信器108の間の共振が整合していないときにも、低い効率でエネルギーを転送することができる。エネルギーの転送は、送信アンテナからのエネルギーを自由空間の中に伝搬させるのではなく、送信アンテナの近接場からのエネルギーを、この近接場が確立されている近傍に存在する受信アンテナに結合することによって行われる。
【0017】
ループアンテナまたは磁気アンテナの共振周波数は、インダクタンスおよび静電容量に基づいている。ループアンテナのインダクタンスが一般に、ループによって生成された単純なインダクタンスであるのに対し、静電容量は一般に、所望の共振周波数の共振構造体を作り出すために、ループアンテナのインダクタンスに付加される。非限定的な一例として、コンデンサ152およびコンデンサ154をアンテナに付加して、共振信号156を発生する共振回路を作り出すことができる。したがって、直径がより大きいループアンテナでは、ループの直径またはインダクタンスが増大するにつれ、共振を引き起こすのに必要な静電容量のサイズが減少する。さらに、ループアンテナまたは磁気アンテナの直径が増大するにつれ、近接場の効率的エネルギー転送領域が増大する。もちろん、他の共振回路も実現可能である。別の非限定的な例として、コンデンサをループアンテナの2つの端子間に並列に配置することもできる。加えて、送信アンテナでは、共振信号156がループアンテナ150への入力になりうることが当業者には理解されよう。
【0018】
図4は、本発明の例示的な一実施形態による送信器200の簡略化ブロック図である。送信器200は、送信回路202および送信アンテナ204を含む。一般に、送信回路202は、発振信号を供給することによって送信アンテナ204に高周波電力を供給し、その結果、送信アンテナ204の付近に近接場エネルギーが発生することになる。例として示すと、送信器200は、13.56MHzのISMバンドで動作することができる。
【0019】
例示的な送信回路202は、送信回路202のインピーダンス(例えば、50オーム)を送信アンテナ204と整合させる固定インピーダンス整合回路206と、受信器108(図1)に結合されたデバイスの自己妨害を防止するレベルまで高調波放射を低減するように構成された低域通過フィルタ(LPF)208とを含む。他の例示的な諸実施形態は、それだけには限らないが、ノッチフィルタを含む異なるフィルタ形態を含むことができ、このノッチフィルタは、特定の周波数を減衰させる一方で他を通過させることができ、かつアンテナへの出力電力または電力増幅器によって引き出される直流電流など、測定可能な送信測定法に基づいて変えることができる適応型インピーダンス整合を含むことができる。送信回路202はさらに、発振器212によって決定される高周波信号を駆動するように構成された電力増幅器210を含む。この送信回路は、個別のデバイスまたは回路で構成することができ、または別法として、一体型アセンブリで構成することもできる。送信アンテナ204からの例示的な高周波出力は、2.5ワット程度である。
【0020】
送信回路202はさらにコントローラ214を含み、このコントローラは、近傍のデバイスとその装着された受信器を介して対話する通信プロトコルを実施するために、送信位相(またはデューティサイクル)中に特定の受信器に対して発振器212を使用可能にし、発振器の周波数を調整し、出力電力レベルを調整する。
【0021】
送信回路202はさらに、送信アンテナ204によって発生した近接場の近くに活性状態の受信器が存在すること、または存在しないことを検出する負荷検知回路216を含む。例として示すと、負荷検知回路216は、送信アンテナ204によって発生した近接場の近くに活性状態の受信器が存在すること、または存在しないことによって影響を受ける電力増幅器210に向かって流れる電流を監視する。電力増幅器210に対するローディングの変化の検出は、発振器212を使用可能にして活性状態の受信器と通信するためのエネルギーを伝達するかどうかの判定に使用するために、コントローラ214で監視される。
【0022】
送信アンテナ204は、抵抗損失を低く保つように厚さ、幅、および金属の種類が選択されたアンテナストリップとして実施することができる。従来の一実施では、送信アンテナ204は一般に、テーブル、マット、ランプまたは他の携帯性が低い構成物などの、より大きい構造体に付属するように構成することができる。したがって、送信アンテナ204は一般に、実際的な寸法にするための「ターン」が必要になることがない。例示的な一実施の送信アンテナ204は、「電気的に小さく」(すなわち波長の数分の1)にすることができ、共振周波数を規定するのにコンデンサを使用することによって、より低い使用可能周波数で共振するように調整することができる。受信アンテナと比べて送信アンテナ204が直径を大きくできる、または矩形ループの場合に辺の長さを長くできる(例えば、0.50メートル)例示的な応用例では、送信アンテナ204は、妥当な静電容量を得るのに必ずしも多数のターンを必要としない。
【0023】
送信器200は、送信器200と結合することができる受信器デバイスの場所および状態についての情報を収集し追跡することができる。すなわち、送信器回路202は、コントローラ214(本明細書ではプロセッサとも呼ばれる)に接続される存在検出器280、密閉検出器290、またはこれらの組合せを含むことができる。コントローラ214は、存在検出器280および密閉検出器290からの存在信号に応じて、増幅器210から送り出される電力量を調整することができる。送信器は、例えば、屋内にある従来の交流電力を変換するAC-DCコンバータ(図示せず)、または従来の直流電源を送信器200に適した電圧に変換するDC-DCコンバータ(図示せず)などのいくつかの電源を介して、あるいは従来の直流電源(図示せず)から直接、受電することができる。
【0024】
非限定的な例として、存在検出器280は、動き検出器とすることができ、この動き検出器は、送信器の有効範囲領域に挿入された充電されるべきデバイスの最初の存在を検知するのに利用される。検出後、送信器をオンにすることができ、デバイスによって受電される高周波電力を使用して、Rxデバイス上のスイッチを所定の方法で切り替えることができ、その結果、送信器の駆動点インピーダンスが変化することになる。
【0025】
別の非限定的な例として、存在検出器280は、例えば赤外線検出、動き検出、または他の適切な手段によって人を検出できる検出器とすることができる。いくつかの例示的な実施形態では、特定の周波数において送信アンテナが送信できる電力量を制限する規則がありうる。ある場合では、これらの規則は電磁放射から人を保護するためのものである。しかし、例えば車庫、工場現場、店舗など、人によって占有されない、またはまれにしか人によって占有されない区域に送信アンテナが配置される環境がありうる。これらの環境に人がいない場合には、通常の電力制限規則を超えて送信アンテナの電力出力を増大することが許容されうる。言い換えると、コントローラ214は、人の存在に応じて送信アンテナ204の電力出力を規制レベル以下に調整し、送信アンテナ204の電磁場からの規制距離の外側に人がいる場合には、規制レベルを超えるレベルに送信アンテナ204の電力出力を調整することができる。
【0026】
非限定的な例として、密閉検出器290(本明細書では密閉区画検出器または密閉空間検出器と呼ばれることもある)は、筐体が閉状態にあるとき、または開状態にあるときを判別する検知スイッチなどのデバイスとすることができる。送信器が密閉状態の筐体内にある場合には、送信器の電力レベルを増大させることができる。
【0027】
例示的な諸実施形態では、送信器200が無期限にオンのままにならない方法を用いることができる。この場合には、送信器200は、ユーザによって決められた時間の後に遮断されるようにプログラムすることができる。この機能により、送信器200、とりわけ電力増幅器210が、その周辺の無線デバイスが完全に充電されたずっと後まで動作しないようにする。こうした事象は、中継器または受信コイルから送出される、デバイスが完全に充電されているという信号を検出する回路の故障に起因しうる。送信器200が、その周辺に別のデバイスが置かれた場合に自動的に遮断されないようにするために、送信器200の自動遮断機能は、その周辺で動きのないことが検出されたある設定期間の後に初めて活性状態になるようにすることができる。ユーザは、不活性状態の時間間隔を決定し、それを必要に応じて変えることができてもよい。非限定的な例として、この時間間隔は、デバイスが当初は完全に放電されているという想定のもとに、ある特定の種類の無線デバイスを完全に充電するのに必要な時間間隔よりも長くすることができる。
【0028】
図5は、本発明の例示的な一実施形態による受信器300の簡略化ブロック図である。受信器300は、受信回路302および受信アンテナ304を含む。受信器300はさらに、受信電力の供給先のデバイス350に結合する。受信器300は、デバイス350の外部にあるように図示されているが、デバイス350に内蔵できることに留意されたい。一般に、エネルギーは、無線で受信アンテナ304まで伝搬され、次に、受信回路302を介してデバイス350に結合される。
【0029】
受信アンテナ304は、送信アンテナ204(図4)と同じ周波数、または近い周波数で共振するように調整される。受信アンテナ304は、送信アンテナ204と同様に寸法設定することができ、あるいは、結合されるデバイス350の大きさに基づいて別の寸法設定をすることができる。例として示すと、デバイス350は、送信アンテナ204の直径または長さよりも小さい直径または長さ寸法を有する携帯型電子デバイスとすることができる。このような一例で、受信アンテナ304は、同調コンデンサ(図示せず)の静電容量値を低減し、受信アンテナのインピーダンスを増大させるために、マルチターンアンテナとして実施することができる。例として示すと、受信アンテナ304は、アンテナ直径を最大にするために、また受信アンテナのループターン数(すなわち巻数)および相互巻線容量を低減するために、デバイス350のほぼ外周に配置することができる。
【0030】
受信回路302は、受信アンテナ304とのインピーダンス整合を行う。受信回路302は、受信RFエネルギー源をデバイス350で使用される充電電力に変換する電力変換回路306を含む。電力変換回路306はRF-DCコンバータ308を含み、またDC-DCコンバータ310を含むこともできる。RF-DCコンバータ308は、受信アンテナ304で受信したRFエネルギー信号を非交流電力に整流するのに対し、DC-DCコンバータ310は、その整流されたRFエネルギー信号をデバイス350に適合したエネルギー電位(例えば、電圧)に変換する。様々なRF-DCコンバータが、部分整流および完全整流、レギュレータ、ブリッジ、ダブラ、ならびにリニアコンバータおよびスイッチングコンバータを含めて企図されている。
【0031】
受信回路302はさらに、受信アンテナ304を電力変換回路306に接続する、あるいは電力変換回路306を切り離すスイッチング回路312を含む。受信アンテナ304を電力変換回路306から切り離すと、デバイス350の充電が中断されるだけでなく、送信器200(図2)から「見た」ときの「負荷」も変化する。
【0032】
上記で開示されたように、送信器200は、送信器電力増幅器210に与えられるバイアス電流の変動を検出する負荷検知回路216を含む。したがって、送信器200は、受信器が送信器の近接場に存在するときを判別する機構を有する。
【0033】
複数の受信器300が送信器の近接場に存在する場合、他の受信器がより効率的に送信器に結合できるように1つまたは複数の受信器のローディングおよびアンローディングを時分割することが望ましいことがある。受信器はまた、近辺の他の受信器との結合をなくするために、あるいは近辺の送信器に対するローディングを低減するために遮蔽することもできる。この受信器の「アンローディング」はまた、本明細書では「遮蔽」とも呼ばれる。さらに、受信器300によって制御され、送信器200によって検出されるアンローディングとローディングの間のこのスイッチングにより、以下でより完全に説明するように、受信器300から送信器200への通信機構が得られる。加えて、1つのプロトコルをこのスイッチングと関連付けることができ、これにより受信器300から送信器200へのメッセージの送出が可能になる。例として示すと、スイッチング速度は100μs程度になりうる。
【0034】
例示的な一実施形態では、送信器と受信器の間の通信とは、通常の双方向通信ではなく、デバイス検出および充電制御機構を指す。言い換えると、送信器は、送信信号のオン/オフキーイングを用いて、近接場でエネルギーが利用可能かどうかを調整する。受信器は、これらのエネルギーの変化を送信器からのメッセージとして解釈する。受信器側から、受信器は、受信アンテナの同調および離調を用いて、どれだけの電力が近接場から受け入れられるかを調整する。送信器は、近接場から使用されるこの電力の差異を検出し、これらの変化を受信器からのメッセージとして解釈することができる。
【0035】
受信回路302はさらに、信号検出器およびビーコン回路314を含むことができ、この回路は、送信器から受信器への情報信号に対応しうる受信エネルギー変動を識別するために使用される。さらに、信号検出器およびビーコン回路314を使用してまた、低減されたRF信号エネルギー(すなわち、ビーコン信号)の伝達を検出することができ、かつこの低減されたRF信号エネルギーを、受信回路302を無線充電用に構成するために、受信回路302内の電力が供給されない回路または電力が欠乏した回路を呼び起こす定格電力に整流することができる。
【0036】
受信回路302はさらにプロセッサ316を含み、このプロセッサは、本明細書で説明される受信器300の処理を、本明細書で説明されるスイッチング回路312の制御を含めて調和させる。受信器300の遮蔽はまた、デバイス350に充電電力を供給する外部の有線充電源(例えば、壁面コンセント/USB電源)の検出を含め、他の事象の発生後にも行われうる。プロセッサ316は、受信器の遮蔽を制御することに加えてまた、ビーコン回路314を監視してビーコン状態を判別し、送信器から送出されたメッセージを引き出すこともできる。プロセッサ316はまた、DC-DCコンバータ310を動作が改善するように調整することもできる。
【0037】
図6は送信器と受信器の間でメッセージ通信を実行するための送信回路の一部分の簡略化概略図を示す。本発明のいくつかの例示的な実施形態では、通信手段を送信器と受信器の間で使用可能にすることができる。図6では、電力増幅器210が、放射場を発生するために送信アンテナ204を駆動する。電力増幅器は、送信アンテナ204に望ましい周波数で振動しているキャリア信号220で駆動される。送信変調信号224が、電力増幅器210の出力を制御するために使用される。
【0038】
送信回路は、電力増幅器210でON/OFFキーイング処理を用いることによって、受信器に信号を送出することができる。言い換えると、送信変調信号224がアサートされるとき、電力増幅器210はキャリア信号220の周波数を送信アンテナ204に送り出す。送信変調信号224が否定された場合、電力増幅器は、送信アンテナ204にどんな周波数も送り出さない。
【0039】
図6の送信回路はまた、電力増幅器210に電力を供給し受信信号235出力を発生する負荷検知回路216を含む。負荷検知回路216では、電力イン信号226と電力増幅器210への電力供給228との間で、抵抗Rsの両端間に電圧降下が現れる。電力増幅器210で消費される電力に変化があれば電圧降下の変化が生じることになり、この変化は差動増幅器230で増幅される。送信アンテナが、受信器(図6に示されていない)の受信アンテナとの結合モードになっているとき、電力増幅器210によって引き出される電流量が変化する。言い換えると、送信アンテナ204に対して結合モード共振が存在しない場合、放射場を駆動するために必要な電力は第1の量になる。結合モード共振が存在する場合、電力増幅器210で消費される電力量は、多くの電力が受信アンテナの中へ結合されるので上昇する。したがって、受信信号235は、送信アンテナ204に結合された受信アンテナが存在することを示すことができ、また受信アンテナから送出された信号を検出することもできる。加えて、引き出される受信器電流の変化は、送信器の電力増幅器電流引込みでも観察可能であり、この変化を利用して受信アンテナからの信号を検出することができる。
【0040】
前述のように、電子デバイスの充電または電力供給に加えて、無線電力には別の応用例もある。例えば、当業者には理解されるように、異なる熱電特性を有する金属(1つまたは複数)および/または半導体(1つまたは複数)が接合される回路では、熱電効果が示されることがある。このような回路で、接合部に温度差があるときに電流が発生することはゼーベック効果と呼ばれる。ゼーベック効果を示す熱電変換モジュールは、例えば発電装置として利用されてきた。さらに、ある回路を通して電流が流れる場合、接合部の一方の側で熱の発生が起こり、他方の側で熱の吸収が起こる。これは、ペルチェ効果と呼ばれる。より具体的には、ペルチェ効果とは、2つの異種導体がある接合部で電流が維持されているときに、一方の接合部が加熱され、付随する第2の接合部が冷却されることである。つまり、電流が2つの異種金属の接合部を通過するとき、接合部を通る電流の向きに応じて熱が吸収または放出される。電気回路は、連続する電流を確保するには閉じていなければならないので、どんな閉回路でも冷却(低温)接合部と加熱(高温)接合部の両方が存在する。すなわち、電流が存在するだけで熱が1つの場所から別の場所まで移動し、そのため加熱および冷却応用例では、ペルチェデバイスをヒートポンプとして使用することができる。ペルチェデバイスはまた、高温接合部と低温接合部の間の温度差を維持することによって電流を発生することができるように、反対に動作させることもできる。
【0041】
本明細書で説明される様々な例示的実施形態は、無線電力システム、無線電力受信器、および無線電力送信器に関連する。無線電力システムは、少なくとも1つの無線電力送信器および少なくとも1つの無線電力受信器を含むことができる。例示的な一実施形態によれば、少なくとも1つの無線電力送信アンテナは、少なくとも1つの無線電力送信器を含むことができる無線電力デバイスの充電面近くに配置することができる。少なくとも1つの無線電力受信器は、無線電力送信器の少なくとも1つの送信アンテナの近接場領域内に配置できる少なくとも1つの受信アンテナを含むことができる。デバイスの中に一体化することができる少なくとも1つの無線電力受信器はさらに、無線電力の受信に応じてデバイスの少なくとも一部分を冷却または加熱するように構成された熱電素子(例えば、ペルチェデバイス)を含むこともできる。したがって、無線電力システムは、少なくとも1つの無線電力受信器の近くに配置されたデバイス、またはこの受信器を含むデバイス(例えば、プレースマットまたはコースターなどのテーブルウェアまたはテーブルマット)を加熱または冷却するように構成することができる。
【0042】
例示的な一実施形態によれば、冷却または加熱されるべきデバイス(例えば、テーブルウェア)は、少なくとも1つの無線電力受信器を含むテーブルマット(例えば、コースターまたはプレースマット)に近接して配置(例えば、上に配置)することができる。さらに、少なくとも1つの無線電力受信器を含むテーブルマットは、少なくとも1つの無線電力送信器を含む無線電力デバイスの充電面に配置することができる。より具体的な一例として、少なくとも1つの無線電力送信器を含む無線電力デバイスは、テーブル(例えば、レストラン内のテーブル)の中に一体化することができ、かつ少なくとも1つの受信アンテナを有する少なくとも1つの無線電力受信器に無線電力を伝達するように構成することができる。単なる例としてコースターまたはプレースマットの中に一体化することができる無線電力受信器は、熱電法(すなわち、ペルチェ効果)によってコースターまたはプレースマットの少なくとも一部分を加熱または冷却するように構成された少なくとも1つの熱電素子(例えば、ペルチェデバイス)に結合することができる。さらに、コースターまたはプレースマットの上に置かれた、単なる例としてのプレート、グラス、またはカップなどのテーブルウェアを伝導によって加熱または冷却することができる。加えて、テーブルウェアの上または中の内容物(例えば、食品または飲料)を伝導によって加熱または冷却することができる。
【0043】
さらに、本発明の別の例示的な実施形態によれば、テーブルウェア(例えば、コップ類または食器類)は、少なくとも1つの受信アンテナ、およびそれに結合された少なくとも1つの熱電素子を有する無線電力受信器を含むことができる。そのように、この例示的な実施形態では、少なくとも1つの受信アンテナを有する無線電力デバイス(例えば、テーブル)の上に置くことができるテーブルウェアは、無線で電力を受信するように構成することができる。さらに、熱電素子は、無線電力を受け取ると熱電法(すなわち、ペルチェ効果)によってテーブルウェアの少なくとも一部分を加熱または冷却するように構成することができる。加えて、テーブルウェアの上または中の内容物(例えば、食品または飲料)を伝導によって加熱または冷却することができる。
【0044】
図7は、上に第1のデバイス900および第2のデバイス910が置かれている、無線電力デバイス902の充電面908を示す。第1のデバイス900および第2のデバイス910はそれぞれ、テーブルウェアデバイスとして図示されているが(すなわち、それぞれプレートおよびグラス)、第1のデバイス900および第2のデバイス910はそれぞれ、知られているどんなテーブルウェアデバイス(例えば、カップ、プレート、グラス)またはテーブルマットデバイス(例えば、コースターまたはプレースマット)も含むことができることに留意されたい。例示的な一実施形態によれば、無線電力デバイス902は、受信器デバイス(例えば、第1のデバイス900および第2のデバイス910)内の受信器(図示せず)で受信できる無線電力を伝達するように構成することができる。さらに、第1のデバイス900および第2のデバイス910はそれぞれ、無線電力を受信すると1つまたは複数の熱電法(すなわち、ペルチェ効果)によってそれ自体の少なくとも一部分を加熱または冷却するように構成することができる。より具体的には、例えば、第1のデバイス900および第2のデバイス910のそれぞれは、熱電素子を含むことができ、この熱電素子は、無線電力を受け取ると、当技術分野で知られている1つまたは複数の熱電法によって、結びついたデバイスの少なくとも一部分を冷却または加熱するように構成することができる。
【0045】
さらに、マルチタッチディスプレイスクリーンを含むことができる充電面908は、無線電力デバイス902の近接場領域内に置かれた各デバイスの仮想コントローラ909/919(例えば、第1のデバイス900の仮想コントローラ909または第2のデバイス910の仮想コントローラ919)を表示するように構成することができ、かつそれ自体の少なくとも一部分を熱電法によって加熱または冷却するように構成することができる。より具体的には、第1のデバイス900と結びついた仮想コントローラ909は、デバイスユーザが第1のデバイス900の温度を制御できるように構成することができ、第2のデバイス910と結びついた仮想コントローラ919は、デバイスユーザが第2のデバイス910の温度を制御できるように構成することができる。さらに具体的には、例えばデバイスユーザは、タッチすることによって仮想コントローラ909と対話して、それと結びついた第1のデバイス900の温度を調整することができる。同様に、デバイスユーザは、タッチすることによって仮想コントローラ919と対話して、それと結びついた第2のデバイス910の温度を調整することができる。図10は、充電面908の上に置かれた第1のデバイス900の別の描写であり、それに近接して結びついた仮想コントローラ909が表示されている。さらに、図11は、充電面908に置かれた第2のデバイス910の別の描写であり、それに近接して結びついた仮想コントローラ919が表示されている。無線電力デバイス902の近接場領域内に置かれたデバイスに伴う温度制御については、以下でさらに詳細に説明する。
【0046】
本発明の例示的な一実施形態によれば、無線電力デバイス902は、受信器を含むデバイス(例えば、第1のデバイス900または第2のデバイス910)の存在を、そのデバイスが無線電力デバイス902の近接場領域内に置かれると検出するように構成することができる。より具体的には、無線電力デバイス902は、受信器が内蔵されたデバイス(例えば、テーブルウェアまたはテーブルマット)の存在を、そのデバイスが面908に置かれると検出するように構成することができる。無線電力デバイス902は、既知の適切な任意の手段によってデバイスの存在を検出するように構成することができる。単なる例として示すと、無線電力デバイス902は、1つまたは複数のセンサ(例えば、圧力センサまたは光センサ)、存在検出器(例えば、図4の存在検出器280)、またはこれらの任意の組合せを用いてデバイスの存在を検出するように構成することができる。本発明の別の例示的な実施形態によれば、デバイス(例えば、第1のデバイス900または第2のデバイス910)は、無線電力デバイス902の近接場領域内に置かれるとその存在を無線電力デバイス902に既知の適切な任意の手段によって通知するように構成することができる。単なる例としては、デバイスは、その存在を通信(例えば、近接場通信(NFC)手段)によって無線電力デバイス902に通知することができる。
【0047】
加えて、以下でより完全に説明するように、無線電力デバイス902は、デバイス(例えば、第1のデバイス900または第2のデバイス910)の存在が検出または通知されると仮想コントローラ(例えば、仮想コントローラ909または仮想コントローラ919)を表示するように構成することができる。前記のように、仮想コントローラ909は、結びついた関連デバイス900の温度をデバイスユーザが制御できるように構成することができる。より具体的には、例えばデバイスユーザは、タッチすることによって仮想コントローラ909と対話して、結びついたデバイス900の温度を調整することができる。
【0048】
図8は、本発明の例示的な一実施形態による無線電力システム700のブロック図である。無線電力システム700は無線電力デバイス702を含み、無線電力デバイス702は、少なくとも1つの送信アンテナ704を含む少なくとも1つの無線電力送信器(例えば、図4の送信器200)を含むことができる。例示的な一実施形態によれば、無線電力デバイス702は、テーブル(例えば、ダイニングテーブル)を含むことができる。より具体的な例として、無線電力デバイス702は、レストラン内のテーブルを含むことができる。さらに、無線電力デバイス702はディスプレイ710を含むことができ、このディスプレイは、単なる例としては、タッチスクリーンを備えることができる。ディスプレイ710は、無線電力デバイス702の面712にデータ(例えば、画像、仮想アイコン、文字、映像など)を表示するように構成することができる。少なくとも1つの送信アンテナ704を面712に近接して配置することができ、この送信アンテナは、結びついた近接場領域内(例えば、面712の上)に置かれた1つまたは複数の充電可能デバイスに無線で電力を伝達するように構成できることに留意されたい。
【0049】
無線電力システム700はさらに、1つまたは複数のデバイス706を含むことができ、各デバイス706は、少なくとも1つの受信アンテナ708を有する少なくとも1つの無線電力受信器(例えば、図5の受信器300)を含む。加えて、各デバイス706は熱電素子714(例えば、ペルチェデバイス)を含むことができ、この熱電素子は、デバイス706と結びついた少なくとも1つの無線電力受信器からの電圧信号に動作可能に結合し、この信号を受信するように構成される。デバイス706は、例えば、図7に関して前に説明した第1のデバイス900または第2のデバイス910を含むことができることに留意されたい。
【0050】
例示的な一実施形態によれば、デバイス706はテーブルウェアを含むことができ、このテーブルウェアは、例えば食器類(例えば、プレートまたはボウル)またはコップ類(例えば、グラスまたはカップ)を含むことができる。したがって、この実施形態では、結合熱電素子714は、デバイス706で無線電力を受け取ると結びついたデバイス706の少なくとも一部分を加熱または冷却するように構成することができる。したがって、デバイス706の中または上の内容物(すなわち、食品または飲料)を加熱または冷却することができる。より具体的には、デバイス706がコップ類を含む場合、そのコップ類の中の液体を冷却または加熱することができる。同様に、デバイス706が食器類を含む場合、その食器類の上に置かれた食品を冷却または加熱することができる。
【0051】
別の例示的な実施形態によれば、デバイス706は、上にテーブルウェアを置くように構成されたテーブルマット(例えば、コースターまたはプレースマット)を含むことができる。したがって、この実施形態では、結合熱電素子714は、デバイス706で無線電力を受信すると結びついたデバイス706の少なくとも一部分を加熱または冷却するように構成することができる。さらに、デバイス706上に置かれたテーブルウェア(例えば、グラスまたはプレート)は、当業者には理解されるように、伝導理論に従って加熱または冷却することができる。さらに、テーブルウェアの中または上の内容物(すなわち、食品または飲料)を伝導によって加熱または冷却することができる。より具体的には、例えば、デバイス706がコースターを含む場合、コースターの少なくとも一部分、コースター上に置かれたコップ類、およびコップ類の中の液体を冷却または加熱することができる。同様に、デバイス706がプレースマットを含む場合、プレースマットの少なくとも一部分、プレースマット上に置かれた食器類、および食器類の上に置かれた食品を加熱または冷却することができる。
【0052】
次に、図7および図8を参照して、システム700内のデバイス706の温度制御について説明する。前記のように、マルチタッチスクリーンを備えることができるディスプレイ710は、無線電力デバイス702の近接場領域内に置かれたデバイス(例えば、デバイス706)ごとに仮想コントローラ(例えば、仮想コントローラ909)を表示するように構成することができ、かつそれ自体の少なくとも一部分を1つまたは複数の熱電法によって冷却または加熱するように構成することができる。より具体的には、デバイス706と結びついた仮想コントローラは、デバイスユーザがデバイス706の温度を制御できるように構成することができる。例示的な一実施形態によれば、デバイス706は、それと関連する所定のデフォルト温度を有するように構成することができる。単なる例としては、デバイス706がプレートまたはプレースマットを含む場合、デバイス706は、華氏150度のデフォルト温度を有するように構成することができる。別の例としては、デバイス706がグラスを含む場合、デバイス706は、華氏35度のデフォルト温度を有することができる。したがって、以下でより完全に説明するように、デバイス706、無線電力デバイス702、またはこれらの組合せは、デバイス706の温度を関連デフォルト温度に保つために、デバイス706で受信される電力量を調整するように構成することができる。デバイス706は、1つまたは複数の温度センサを含むことができ、かつ測定温度を無線電力デバイス702まで、例えば近接場通信手段によって伝えるように構成できることに留意されたい。
【0053】
さらに、デバイス706は、仮想コントローラ(例えば、仮想コントローラ909)によってデバイス706の温度を調整するデバイスユーザに対応して、それに伴う温度を上げる、または下げるように構成することができる。より具体的には、例示的な一実施形態によれば、1つまたは複数の温度センサ(図示せず)もまた備えることができるデバイス706は、それに伴う温度を測定するように構成することができる。さらに、デバイス706は、それに向けた無線電力伝達の効率を上げる、または下げるように構成することができ、結果としてデバイス706の温度を上げること、または下げることができる。より具体的には、例えば、デバイス706は、無線電力デバイス702から受信する無線電力の量を調整するために、結びついた受信器(例えば、図5の受信器300)の同調を調整するように構成することができる。したがって、無線電力デバイス702から受信する無線電力の量を低減することによって、デバイス706は、それに伴う温度を下げることができる。同様に、無線電力デバイス702から受信する無線電力の量を増大させることによって、デバイス706は、それに伴う温度を上げることができる。この例示的な実施形態では、各デバイス706の温度は独立して制御可能であることに留意されたい。
【0054】
さらに、無線電力デバイス702は、仮想コントローラ(例えば、仮想コントローラ909)によってデバイス706の温度を調整するデバイスユーザに対応して、1つまたは複数のデバイス706に伴う温度を上げる、または下げるように構成することができる。より具体的には、別の例示的な実施形態によれば、無線電力デバイス702は、デバイス706まで伝達される電力の量を増大または低減するように構成することができ、結果としてデバイス706の温度を上げること、または下げることができる。上記のように1つまたは複数の温度センサを備えることができる各デバイス706は、それに伴う温度を、例えばNFC手段によって無線電力デバイス702に伝えることができることに留意されたい。
【0055】
図9は、本発明の例示的な一実施形態による無線電力システム800のブロック図である。無線電力システム800は、複数の送信器(例えば、図4の送信器200)を含むことができる無線電力デバイス802を含み、各送信器は、少なくとも1つの送信アンテナ804を含む。図示のように、送信アンテナ804は、タイルパターンの形で無線電力デバイス802の中に構成することができる。しかし、各送信アンテナ804はサイズが同じように図示されているが、本発明の諸実施形態ではそのように限定されないことに留意されたい。むしろ、様々なサイズの送信アンテナ804を無線電力デバイス802の中に任意のパターンで配置することができる。無線電力デバイス702と同様に、無線電力デバイス708をテーブルの中に一体化することができ、また、単なる例としてのタッチスクリーンを備えることができるディスプレイ810を含むことができる。ディスプレイ810は、無線電力デバイス802の面812にデータ(例えば、画像、仮想アイコン、文字、映像など)を表示するように構成することができる。各送信アンテナ804は、面812に近接して配置することができ、結びついた近接場領域内(例えば面812の上)に置かれた1つまたは複数の充電可能デバイスに電力を無線で伝達するように構成することができることに留意されたい。
【0056】
無線電力システム800はさらに、1つまたは複数のデバイス706を含むことができ、各デバイス706は、少なくとも1つの受信アンテナ708を有する少なくとも1つの無線電力受信器(例えば、図5の受信器300)を含む。加えて、各デバイス706は熱電素子714(例えば、ペルチェデバイス)を含むことができ、この熱電素子は、デバイス706と結びついた少なくとも1つの無線電力受信器からの電圧信号に動作可能に結合し、この信号を受信するように構成される。図7に関して前に記したように、デバイス706は、食器類(例えば、プレート)またはコップ類(例えば、グラスまたはカップ)などのテーブルウェアを含むことができる。したがって、この実施形態では、結合熱電素子714は、デバイス706で無線電力を受け取ると結びついたデバイスの少なくとも一部分を加熱または冷却するように構成することができる。したがって、デバイス706の中または上の内容物(すなわち、食品または飲料)を伝導によって加熱または冷却することができる。より具体的には、デバイス706がコップ類を含む場合、そのコップ類の中の液体を冷却または加熱することができる。同様に、デバイス706が食器類を含む場合、その食器類の上に置かれた食品を冷却または加熱することができる。
【0057】
面812上の位置に応じて、デバイス706は、1つまたは複数の送信アンテナ804の近接場の中に置くことができ、各送信アンテナ804は、1つまたは複数の送信器(例えば、図4の送信器200)と別々に結びつくことに留意されたい。別の言い方をすると、第1のデバイス(例えば、第1のデバイス900、図7参照)は1つまたは複数の受信器と結びつき、第2のデバイス(例えば、第2のデバイス910、図7参照)は、第1のデバイスが結合している受信器から独立している1つまたは複数の受信器と結びつくことができる。
【0058】
上述のように、デバイス706は、上にテーブルウェアを置くように構成されたテーブルマット(例えば、コースターまたはプレースマット)を含むことができる。したがって、この実施形態では、結合熱電素子714は、デバイス706で無線電力を受け取るとテーブルマットの少なくとも一部分を加熱または冷却するように構成することができる。さらに、デバイス706の上に置かれたテーブルウェアは、当業者には理解されるように、伝導理論に従って加熱または冷却することができる。さらに、テーブルウェアの中または上の内容物(すなわち、食品または飲料)を伝導によって加熱または冷却することができる。より具体的には、例えば、デバイス706がコースターを含む場合、コースターの少なくとも一部分、コースター上に置かれたテーブルウェア(例えば、グラス)、およびテーブルウェアの中の液体を冷却または加熱することができる。同様に、デバイス706がプレースマットを含む場合、プレースマットの少なくとも一部分、プレースマット上に置かれた食器類、および食器類の上に置かれた食品を加熱または冷却することができる。
【0059】
次に、図7および図9を参照して、システム800内のデバイス706に伴う温度制御について説明する。前記のように、マルチタッチスクリーンを備えることができるディスプレイ810は、無線電力デバイス802の近接場領域内に置かれたデバイス(例えば、デバイス706)ごとに仮想コントローラ(例えば、仮想コントローラ909)を表示するように構成することができ、かつ結びついたデバイスの少なくとも一部分を1つまたは複数の熱電法によって冷却または加熱するように構成することができる。より具体的には、デバイス706と結びついた仮想コントローラは、デバイスユーザがデバイス706の温度を制御できるように構成することができる。前記のように、デバイス706は、それと関連する所定のデフォルト温度を有するように構成することができる。単なる例としては、デバイス706がプレートまたはプレースマットを含む場合、デバイス706は、華氏150度のデフォルト温度を有するように構成することができる。別の例としては、デバイス706がグラスを含む場合、デバイス706は、華氏35度のデフォルト温度を有することができる。したがって、以下でより完全に説明するように、デバイス706、無線電力デバイス802、またはこれらの組合せは、デバイス706を関連デフォルト温度に保つために、デバイス706で受信される電力量を調整するように構成することができる。デバイス706は、1つまたは複数の温度センサを含むことができ、かつ測定温度を、例えば近接場通信手段によって無線電力デバイス702まで伝えるように構成できることに留意されたい。
【0060】
さらに、デバイス706は、仮想コントローラ(例えば、仮想コントローラ909)によってデバイス706の温度を調整するデバイスユーザに応答して、それに伴う温度を上げる、または下げるように構成することができる。より具体的には、例示的な一実施形態によれば、1つまたは複数の温度センサ(図示せず)をやはり備えることができるデバイス706は、それに伴う温度を測定するように構成することができる。さらに、デバイス706は、それに対する無線電力伝達の効率を上げる、または下げるように構成することができ、その結果、デバイス706の温度を上げる、または下げることができるようになる。より具体的には、例えば、デバイス706は、無線電力デバイス702から受信する無線電力の量を調整するために、結びついた受信器(例えば、図5の受信器300)の同調を調整するように構成することができる。したがって、無線電力デバイス702の1つまたは複数の送信器から受信する無線電力の量を低減することによって、デバイス706は、それに伴う温度を下げることができる。同様に、無線電力デバイス702の1つまたは複数の送信器から受信する無線電力の量を増大させることによって、デバイス706は、それに伴う温度を上げることができる。
【0061】
上記のように、第1のデバイス(例えば、第1のデバイス900、図7参照)は1つまたは複数の受信器と結びつき、第2のデバイス(例えば、第2のデバイス910、図7参照)は、第1のデバイスが結びついた受信器から独立している1つまたは複数の受信器と結びつくことができる。したがって、第1のデバイスは、1つまたは複数の専用送信器から電力を受信することができ、第2のデバイスは、1つまたは複数の別の専用送信器から電力を受信することができる。さらに、無線電力デバイス702は、仮想コントローラ(例えば、仮想コントローラ909)によってデバイス706の温度を調整するデバイスユーザに対応して、1つまたは複数のデバイス706に伴う温度を上げる、または下げるように構成することができる。より具体的には、別の例示的な実施形態によれば、デバイス706と結びついた1つまたは複数の送信器は、デバイス706まで伝達される電力の量を増大または低減するように構成することができ、結果としてデバイス706の温度を上げること、または下げることができる。上記のように1つまたは複数の温度センサを備えることができるデバイス706は、それに伴う温度を例えばNFC手段によって、結びついた1つまたは複数の送信器まで伝えることができることに留意されたい。
【0062】
図12は、例示的な1つまたは複数の実施形態による方法980を示す流れ図である。方法980は、無線電力をデバイスにおいて受信するステップを含むことができる(数字982で示す)。方法980はさらに、無線電力を受信するとデバイスの少なくとも一部分を熱電により加熱または冷却するステップを含むことができる(数字984で示す)。
【0063】
図13は、例示的な1つまたは複数の実施形態による方法990を示す流れ図である。方法990は、無線電力を少なくとも1つのデバイスまで伝達するステップを含むことができる(数字992で示す)。方法990はさらに、デバイスに隣接し、かつデバイスユーザがデバイスの少なくとも一部分の温度を調整できるように構成された仮想コントローラを表示するステップを含むことができる(数字994で示す)。
【0064】
当業者には、情報および信号を様々な異なる技術および技法のどれを用いても表せることが理解されよう。例えば、上記の説明全体を通して参照することができるデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、記号、およびチップは、電圧、電流、電磁波、磁界または磁性粒子、光場または光学粒子、またはこれらの任意の組合せによって表すことができる。
【0065】
当業者にはさらに、本明細書に開示された例示的な諸実施形態と関連して記述された様々な説明のための論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズムステップは、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、または両者の組合せとして実施できることが理解されよう。このハードウェアとソフトウェアの交換可能性を明確に示すために、様々な説明のための構成要素、ブロック、モジュール、回路、およびステップは、概してこれらの機能に関して上で説明してきた。このような機能がハードウェアとして実施されるかソフトウェアとして実施されるかは、具体的な応用例、およびシステム全体に課せられる設計制約事項によって決まる。当業者には、説明された機能を具体的な応用例ごとに異なる方法で実施することが可能であるが、このような実施決定が、本発明の例示的な諸実施形態の範囲から逸脱するものになると解釈されるべきではない。
【0066】
本明細書に開示された例示的な諸実施形態と関連して記述された様々な説明のための論理ブロック、モジュール、および回路は、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、書替え可能ゲートアレイ(FPGA)または他のプログラム可能論理デバイス、個別ゲート論理回路または個別トランジスタ論理回路、個別ハードウェア構成要素、または本明細書に記載の機能を実行するように設計されたこれらの任意の組合せを用いて実施または実行することができる。汎用プロセッサはマイクロプロセッサとすることができるが、別法としてプロセッサは、任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または状態機械とすることもできる。プロセッサはまた、計算デバイスの組合せとして実施することができ、例えば、DSPとマイクロプロセッサの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと結合した1つまたは複数のマイクロプロセッサ、または他の任意のこのような構成として実施することもできる。
【0067】
本明細書に開示された例示的な諸実施形態と関連して記述された方法またはアルゴリズムの諸ステップは、ハードウェア、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュール、またはこれら2つの組合せで直接具体化することができる。ソフトウェアモジュールは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、読出し専用メモリ(ROM)、電気的プログラム可能ROM(EPROM)、消去可能プログラム可能ROM(EEPROM)、レジスタ、ハードディスク、取外し可能ディスク、CD-ROM、または当技術分野で知られている他の任意の形態の記憶媒体に存在することができる。1つの例示的な記憶媒体は、プロセッサがその記憶媒体との間で情報を読出し情報を書き込むことができるようにプロセッサと結合される。別法では、記憶媒体はプロセッサと一体化することができる。プロセッサおよび記憶媒体はASIC内に存在することができる。ASICはユーザ端末に存在することができる。別法では、プロセッサおよび記憶媒体は、ユーザ端末内に個別構成要素として存在することもできる。
【0068】
1つまたは複数の例示的な実施形態では、記述された機能はハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの任意の組合せで実施することができる。ソフトウェアで実施される場合、これらの機能は、1つまたは複数の命令またはコードとしてコンピュータ可読媒体上に記憶でき、またはそれを介して伝送することができる。コンピュータ可読媒体には、コンピュータ記憶媒体と通信媒体の両方が含まれ、この通信媒体には、1つの場所から別の場所へコンピュータプログラムを転送しやすくするあらゆる媒体が含まれる。記憶媒体は、コンピュータによってアクセスできる任意の利用可能な媒体とすることができる。限定ではなく例として示すと、このようなコンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD-ROMまたは他の光ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置または他の磁気記憶デバイスを含むことができ、あるいは、命令またはデータ構造体の形で所望のプログラムコードを搬送および記憶するために使用でき、コンピュータによってアクセスできる他の任意の媒体を含むことができる。また、あらゆる接続が正しくコンピュータ可読媒体と呼ばれる。例えば、ソフトウェアがウェブサイト、サーバ、または他の遠隔のソースから、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL)、または赤外線、電波、およびマイクロ波などの無線技術を使用して伝送される場合、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、DSL、あるいは赤外線、電波およびマイクロ波などの無線技術が媒体の定義に含まれる。本明細書では、ディスク(disk)およびディスク(disc)は、コンパクトディスク(CD)、レーザディスク、光ディスク、デジタル多用途ディスク(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスクおよびブルーレイディスクを含み、この場合ディスク(disk)は通常、磁気的にデータを再生するのに対し、ディスク(disc)はレーザを用いて光学的にデータを再生する。上記の組合せもまた、コンピュータ可読媒体の範囲内に含まれるべきものである。
【0069】
開示された例示的な諸実施形態についてのこれまでの説明は、いかなる当業者でも本発明を作製または使用できるように提示されている。これらの例示的な諸実施形態に対する様々な修正は、当業者には直ちに明らかになり、また本明細書で定義された一般原理は、本発明の趣旨または範囲から逸脱することなく他の実施形態に適用することができる。すなわち、本発明は、本明細書に示された例示的な諸実施形態に限定されるものではなく、本明細書に開示された原理および新規の特徴と一致する最も広い範囲が与えられるべきものである。
【符号の説明】
【0070】
100 無線充電システム
102 入力電力
104 送信器
106 放射場
108 受信器
110 出力電力
112 距離
114 送信アンテナ
118 受信アンテナ
119 通信チャネル
122 発振器
123 調整信号
124 電力増幅器
125 制御信号
126 フィルタおよび整合回路
132 整合回路
134 整流およびスイッチング回路
136 電池
150 ループアンテナ、磁気アンテナ
152 コンデンサ
154 コンデンサ
156 共振信号
200 送信器
202 送信回路
204 送信アンテナ
206 固定インピーダンス整合回路
208 低域通過フィルタ(LPF)
210 電力増幅器
212 発振器
214 コントローラ
216 負荷検知回路
220 キャリア信号
224 送信変調信号
226 電力イン信号
228 電力供給
230 差動増幅器
235 受信信号
280 存在検出器
290 密閉検出器
300 受信器
302 受信回路
304 受信アンテナ
306 電力変換回路
308 RF-DCコンバータ
310 DC-DCコンバータ
312 スイッチング回路
314 信号検出およびビーコン回路
316 プロセッサ
350 デバイス
700 無線電力システム
702 無線電力デバイス
704 送信アンテナ
706 デバイス
708 受信アンテナ
710 ディスプレイ
712 面
714 熱電素子
800 無線電力システム
802 無線電力デバイス
804 送信アンテナ
810 ディスプレイ
812 面
902 無線電力デバイス
908 充電面
909 仮想コントローラ
910 第2のデバイス
919 仮想コントローラ
980 方法
990 方法

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線電力受信器と、
前記無線電力受信器と動作可能に結合され、無線電力を受信すると前記デバイスの少なくとも一部分を加熱または冷却するように構成された熱電素子とを備える、デバイス。
【請求項2】
前記デバイスがテーブルマットを含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記テーブルマットがコースター、プレースマット、またはこれらの組合せを含む、請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記デバイスがテーブルウェアを含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項5】
前記テーブルウェアがコップ類および食器類のうちの少なくとも1つを含む、請求項4に記載のデバイス。
【請求項6】
前記テーブルウェアがコップ類を含み、前記コップ類がグラス、カップおよびマグのうちの少なくとも1つを含む、請求項5に記載のデバイス。
【請求項7】
前記テーブルウェアが食器類を含み、前記食器類がプレートおよびボウルのうちの少なくとも1つを含む、請求項3に記載のデバイス。
【請求項8】
前記熱電素子がペルチェデバイスを含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項9】
デバイスにおいて無線電力を受信するステップと、
前記無線電力を受信すると前記デバイスの少なくとも一部分を熱電により加熱または冷却するステップとを含む、方法。
【請求項10】
デバイスにおいて無線電力を受信するステップが、テーブルウェアデバイスの中に一体化された受信器を用いて無線電力を受信するステップを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記テーブルウェアデバイスの上または前記テーブルウェアデバイスの中に置かれた内容物を伝導によって加熱または冷却するステップをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記テーブルウェアデバイスの上または前記テーブルウェアデバイスの中に置かれた内容物を加熱または冷却するステップが、前記テーブルウェアデバイスの上または前記テーブルウェアデバイスの中に置かれた食品および飲料のうちの少なくとも1つを加熱または冷却するステップを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
デバイスにおいて無線電力を受信するステップが、テーブルウェアデバイスを置くためのテーブルマットと一体化された受信器を用いて無線電力を受信するステップを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記テーブルマットの中に一体化された受信器を用いて無線電力を受信するステップが、コースターおよびプレースマットのうちの少なくとも1つの中に一体化された受信器を用いて無線電力を受信するステップを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記テーブルマット上に置かれた1つまたは複数のテーブルウェアデバイスを加熱または冷却するステップをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記デバイスの温度を調整するステップをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項17】
前記デバイスの温度を調整するステップが、ユーザが前記デバイスの温度を調整できるように構成された充電デバイスの表示面に仮想コントローラを表示するステップを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記デバイスの温度を調整するステップが、前記デバイスと無線電力送信器の間の無線電力伝達の効率を調整するステップを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記デバイスの温度を調整するステップが、無線電力送信器から前記デバイスまで伝達される電力の量を調整するステップを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
受信するステップが、テーブルの中に一体化された無線充電デバイスから無線電力を受信するステップを含み、少なくとも1つの送信アンテナが前記テーブルの面に近接して置かれる、請求項16に記載の方法。
【請求項21】
デバイスにおいて無線電力を受信する手段と、
前記無線電力を受信すると前記デバイスの少なくとも一部分を熱電により加熱または冷却する手段とを備える、デバイス。
【請求項22】
装置の面に近接して結びついた少なくとも1つの送信アンテナを有する少なくとも1つの無線電力送信器と、
前記面に近接し、少なくとも1つの仮想コントローラを表示するように構成されたディスプレイデバイスであって、前記仮想コントローラが、前記少なくとも1つの送信アンテナの近接場領域内に置かれた少なくとも1つの無線電力受信器に転送される無線電力の量を制御できるように構成されるディスプレイデバイスとを備える、装置。
【請求項23】
前記少なくとも1つの無線電力送信器が、前記装置の前記面に近接するタイルパターンの形で構成された複数の無線電力送信器を含む、請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記少なくとも1つの無線電力送信器が、前記無線電力受信器に伝達される電力の量を、少なくとも1つの結びついた仮想コントローラの調整に応じて調整するように構成される、請求項22に記載の装置。
【請求項25】
テーブルを含み、前記少なくとも1つの送信アンテナが前記テーブルの面に近接して置かれる、請求項22に記載の装置。
【請求項26】
前記少なくとも1つの仮想コントローラが、前記無線電力受信器と結びついたデバイスの少なくとも一部分の温度制御を可能にするように構成された少なくとも1つの仮想温度コントローラを含む、請求項22に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図7】
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【公表番号】特表2013−504740(P2013−504740A)
【公表日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−528950(P2012−528950)
【出願日】平成22年9月10日(2010.9.10)
【国際出願番号】PCT/US2010/048535
【国際公開番号】WO2011/032047
【国際公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【出願人】(507364838)クアルコム,インコーポレイテッド (446)
【Fターム(参考)】