説明

加熱回転体、定着装置、及び画像形成装置

【課題】加圧領域における軸方向の断面形状を変化させることができ、加熱回転体を直接駆動する場合に加熱回転体の端部の割れを抑えることができる加熱回転体を得る。
【解決手段】定着装置100に設けられた加熱回転体102は、両端部が回転可能に支持された金属製の筒状体を備え、軸方向の中央部102Cに比べて端部102A、102Bが厚肉の厚肉部とされ、加圧ロール104によって加圧される外周面の加圧領域Sにおいて、軸方向の断面形状が端部102A、102Bから中央部102Cに渡って変化すると共に記録用紙P上のトナー像Tを加熱する。ここで、加熱回転体102は、端部102A、102Bが厚肉部となっており中央部102Cに比べて剛性が高くなっているので、端部102A、102Bを円形に保持して直接駆動することが可能となると共に端部102A、102Bの割れを抑えることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱回転体、定着装置、及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、熱源により加熱された加熱回転体と加圧回転体とで形成される加圧領域に現像剤像が転写された記録用紙を通して、熱と圧力の作用により現像剤像を溶融して定着する定着装置がある。
【0003】
ここで、加熱回転体と加圧回転体を用いた定着装置の一例として、加熱回転体が無端状のベルト部材であり加圧回転体がロール部材で構成され、ベルト部材の両端を該ベルト部材の外径よりも大きい内径を有する軸受部材で保持して、ロール部材と接触させたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
特許文献1の定着装置は、ベルト部材の中央部から両端部まで変形させて加圧領域を形成しており、加圧領域の形状がベルト部材の幅方向で同じとなっている。このため、ベルト部材を直接回転駆動せず、ロール部材を回転駆動させてベルト部材を回転させている。
【0005】
一方、加熱回転体の一例として、両端部を中央部よりも厚肉としてベアリングで直接支持可能としたロール部材がある(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
特許文献2のロール部材は、中央部の肉厚が0.2mmから0.5mm、両端部の肉厚が0.5mmから1.0mmとなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第3738615号公報
【特許文献2】特開平10−166100号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、加圧領域における軸方向の断面形状を変化させることができ、加熱回転体を直接駆動する場合に加熱回転体の端部の割れを抑えることができる加熱回転体、定着装置、及び画像形成装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の請求項1に係る加熱回転体は、両端部が回転可能に支持された金属製の筒状体を備え、前記筒状体は、軸方向の中央部に比べて端部が厚肉の厚肉部とされ、加圧回転体によって加圧される外周面の加圧領域において、断面形状が端部から中央部に渡って変化されると共に記録媒体上の現像剤を加熱する。
【0010】
本発明の請求項2に係る加熱回転体は、前記筒状体は、一方の端部のみが前記厚肉部とされている。
【0011】
本発明の請求項3に係る定着装置は、請求項1又は請求項2に記載の加熱回転体と、前記加熱回転体の両端部を回転可能に支持する支持手段と、前記加熱回転体を加熱する加熱手段と、両端部が回転可能に支持され前記加熱回転体の外周面を加圧する加圧回転体と、を有し、前記加熱回転体の内側には、前記加熱回転体に接触して前記加圧回転体からの加圧を受ける部材が存在しない。
【0012】
本発明の請求項4に係る定着装置は、前記支持手段には、駆動力が伝達される駆動力伝達部材が取り付けられている。
【0013】
本発明の請求項5に係る定着装置は、前記加圧回転体は、発泡スポンジ弾性層を有する。
【0014】
本発明の請求項6に係る定着装置は、前記加圧回転体は、無端状の回転部材と、前記回転部材の内側に設けられ、前記回転部材を介して前記加熱回転体の外周面を加圧すると共に前記加熱回転体の断面形状を軸方向で変化させる加圧部材と、を有する。
【0015】
本発明の請求項7に係る定着装置は、前記加熱手段は、磁界を発生する磁界発生手段を有し、前記加熱回転体は、前記磁界の電磁誘導により発熱する発熱層を有する。
【0016】
本発明の請求項8に係る定着装置は、前記加熱回転体は、感温磁性金属で構成され前記発熱層を支持する支持層を有する。
【0017】
本発明の請求項9に係る定着装置は、前記加熱回転体は、前記発熱層の酸化を保護する保護層を有する。
【0018】
本発明の請求項10に係る画像形成装置は、請求項3から請求項9のいずれか1項に記載の定着装置と、露光光を出射する露光部と、前記露光光で形成された潜像を現像剤で顕在化して現像剤像を形成する現像部と、前記現像部で顕在化された前記現像剤像を記録媒体上に転写する転写部と、前記転写部で前記現像剤像が転写された記録媒体を前記定着装置に搬送する搬送部と、を備えている。
【発明の効果】
【0019】
請求項1に係る発明によれば、加圧領域における軸方向の断面形状を変化させることができ、加熱回転体を直接駆動する場合に、加熱回転体の端部に厚肉部を設けない場合に比較して、加熱回転体の端部の割れを抑えることができる。
【0020】
請求項2に係る発明によれば、両端部が厚肉部の加熱回転体の加工工程に比べて工程を減らすことができる。
【0021】
請求項3に係る発明によれば、加熱回転体を直接駆動する場合に、加熱回転体の端部に厚肉部を設けない場合に比較して、加熱回転体の端部の割れを抑えることができる。
【0022】
請求項4に係る発明によれば、加熱回転体を直接駆動することができる。
【0023】
請求項5に係る発明によれば、加圧回転体が発砲スポンジ弾性層を有しない場合に比較して、加圧回転体の熱膨張を抑えることができる。
【0024】
請求項6に係る発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、加熱回転体の加圧領域の形状を多様に変更することができる。
【0025】
請求項7に係る発明によれば、加熱手段が磁界発生手段を有していない場合に比較して、定着装置の立ち上がり時間を短くすることができる。
【0026】
請求項8に係る発明によれば、加熱回転体が感温磁性金属で構成された支持層を有していない場合に比較して、発熱層の過剰な発熱を抑えることができる。
【0027】
請求項9に係る発明によれば、加熱回転体が発熱層の酸化を保護する保護層を有していない場合に比較して、発熱層の酸化が抑えられる。
【0028】
請求項10に係る発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、画像形成装置を長期間使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の全体図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る定着装置の断面図である。
【図3】(a)本発明の第1実施形態に係る加熱回転体の軸方向断面図である。(b)本発明の第1実施形態に係る加熱回転体の層構成を示す断面図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る加熱回転体の製造方法を示す工程図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係る制御回路及び通電回路の接続図である。
【図6】(a)本発明の第1実施形態に係る加熱回転体及び加圧ロールの断面図である。(b)、(c)本発明の第1実施形態に係る加熱回転体及び加圧ロールの軸方向端部及び中央部における断面図である。
【図7】(a)本発明の第1実施形態に係る加圧領域の形状を示す平面図である。(b)本発明の第1実施形態に係る定着装置でのトナー像の定着状態を示す断面図である。
【図8】(a)〜(c)本発明の第1実施形態に係る定着装置の他の第1実施例を示す断面図である。
【図9】(a)〜(c)本発明の第1実施形態に係る定着装置の他の第2実施例を示す断面図である。
【図10】本発明の第1実施形態に係る定着装置の他の第2実施例の加熱回転体の製造方法を示す工程図である。
【図11】本発明の第2実施形態に係る定着装置の断面図である。
【図12】(a)本発明の第2実施形態に係る加熱回転体及び加圧ロールの断面図である。(b)、(c)本発明の第2実施形態に係る加熱回転体及び加圧ロールの軸方向端部及び中央部における断面図である。
【図13】本発明の第2実施形態に係る定着装置でのトナー像の定着状態を示す断面図である。
【図14】(a)本発明の第3実施形態に係る定着装置の断面図である。(b)本発明の第3実施形態に係る加熱回転体の層構成を示す断面図である。
【図15】(a)本発明の第3実施形態に係る加熱回転体及び加圧ロールの断面図である。(b)、(c)本発明の第3実施形態に係る加熱回転体及び加圧ロールの軸方向端部及び中央部における断面図である。
【図16】(a)本発明の第3実施形態に係る定着装置でのトナー像の定着状態を示す断面図である。(b)本発明の第3実施形態に係る加熱回転体を磁界Hが貫通する状態を示す断面図である。
【図17】本発明の第3実施形態に係る加熱回転体の基層の透磁率と温度の関係を示した模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明の加熱回転体、定着装置、及び画像形成装置の第1実施形態を図面に基づき説明する。
【0031】
図1には、画像形成装置としてのプリンタ10が示されている。プリンタ10は、プリンタ10の本体を構成する筐体12に光走査装置54が固定されており、光走査装置54に隣接する位置に、光走査装置54及びプリンタ10の各部の動作を制御する制御ユニット50が設けられている。
【0032】
光走査装置54は、図示しない光源から出射された光ビームを回転多面鏡(ポリゴンミラー)で走査し、反射ミラー等の複数の光学部品で反射して、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、及び ブラック(K)の各現像剤(トナー)に対応した光ビーム60Y、60M、60C、60Kを出射するようになっている。光ビーム60Y、60M、60C、60Kは、それぞれ対応する各感光体20Y、20M、20C、20Kに導かれる。
【0033】
プリンタ10の下方側には、記録用紙Pを収納する用紙収容部14が設けられている。用紙収容部14の上方には、搬送される記録用紙Pの先端部位置を調整する一対のレジストロール16が設けられている。また、プリンタ10の中央部には、画像形成ユニット18が設けられている。画像形成ユニット18は、前述の4つの感光体20Y、20M、20C、20Kを備えており、これらが上下一列に並んでいる。
【0034】
感光体20Y、20M、20C、20Kの回転方向上流側には、感光体20Y、20M、20C、20Kの表面を帯電する帯電ローラ22Y、22M、22C、22Kが設けられている。また、感光体20Y、20M、20C、20Kの回転方向下流側には、Y、M、C、Kの各トナーをそれぞれ感光体20Y、20M、20C、20K上に現像する現像器24Y、24M、24C、24Kが設けられている。
【0035】
一方、感光体20Y、20Mには第1中間転写体26が接触し、感光体20C、20Kには第2中間転写体28が接触している。そして、第1中間転写体26、第2中間転写体28には第3中間転写体30が接触している。第3中間転写体30と対向する位置には、転写ロール32が設けられており、転写ロール32と第3中間転写体30との間を記録用紙Pが搬送され、第3中間転写体30上の現像剤像(トナー像)を記録用紙Pに転写させる。
【0036】
記録用紙Pが搬送される用紙搬送路34の下流には、定着装置100が設けられている。定着装置100は、加熱回転体102と加圧ロール104を有しており、記録用紙Pを加熱及び加圧してトナー像を記録用紙Pに定着させる。トナー像が定着された記録用紙Pは、用紙搬送路34の下流側に設けられた用紙搬送ロール36で搬送され、プリンタ10の上部に設けられた集積部38に排出される。
【0037】
ここで、プリンタ10の画像形成について説明する。
【0038】
画像形成が開始されると、各感光体20Y、20M、20C、20Kの表面が帯電ローラ22Y、22M、22C、22Kによって一様に帯電される。そして、光走査装置54から出力画像に対応した光ビーム60Y、60M、60C、60Kが、帯電後の感光体20Y、20M、20C、20Kの表面に照射され、感光体20Y、20M、20C、20K上に各色分解画像に応じた静電潜像が形成される。この静電潜像に対して現像器24Y、24M、24C、24Kが選択的に各色、すなわちY、M、C、Kのトナーを付与し、感光体20Y、20M、20C、20K上にY、M、C、K色のトナー像が形成される。
【0039】
その後、マゼンタ用の感光体20Mから第1中間転写体26にマゼンタのトナー像が一次転写される。また、イエロー用の感光体20Yから第1中間転写体26にイエローのトナー像が一次転写され、第1中間転写体26上で前記マゼンタのトナー像に重ね合わされる。
【0040】
一方、同様にブラック用の感光体20Kから第2中間転写体28にブラックのトナー像が一次転写される。また、シアン用の感光体20Cから第2中間転写体28にシアンのトナー像が一次転写され、第2中間転写体28上で前記ブラックのトナー像に重ね合わされる。
【0041】
第1中間転写体26へ一次転写されたマゼンタとイエローのトナー像は、第3中間転写体30へ二次転写される。一方、第2中間転写体28へ一次転写されたブラックとシアンのトナー像も、第3中間転写体30へ二次転写される。ここで、先に二次転写されているマゼンタ、イエローのトナー像と、シアン、ブラックのトナー像とが重ね合わされ、カラー(3色)とブラックのフルカラートナー像が第3中間転写体30上に形成される。
【0042】
二次転写されたフルカラートナー像は、第3中間転写体30と転写ロール32との間のニップ部に達する。そのタイミングに同期して、レジストロール16から記録用紙Pが当該ニップ部分に搬送され、記録用紙P上にフルカラートナー像が三次転写(最終転写)される。
【0043】
この記録用紙Pは、その後、定着装置100に送られ、加熱回転体102と加圧ロール104との接触部である加圧領域S(図7(a)参照)を通過する。その際、加熱回転体102と加圧ロール104とから与えられる熱と圧力との作用により、フルカラートナー像が記録用紙Pに定着される。定着後、記録用紙Pは用紙搬送ロール36で搬送されて集積部38に排出され、記録用紙Pへのフルカラー画像形成が終了する。
【0044】
次に、本実施形態に係る定着装置100について説明する。
【0045】
図2に示すように、定着装置100は、記録用紙Pの進入又は排出を行うための開口が形成された筐体120を備えている。筐体120の内部には、矢印A方向へ回転する無端状の加熱回転体102が設けられている。
【0046】
加熱回転体102の外周面と対向する位置には、絶縁性の材料で構成されたボビン108が配置されている。ボビン108は、加熱回転体102の外周面に倣った略円弧状に形成されており、加熱回転体102とは反対側の面の略中央部から、凸部108Aが突設されている。なお、ボビン108と加熱回転体102との間隔は、1〜3mm程度となっている。
【0047】
ボビン108には、通電によって磁界Hを発生する励磁コイル110が、凸部108Aを中心として軸方向(図2の紙面奥行き方向)に複数回巻き回されている。また、ボビン108と反対側で励磁コイル110と対向する位置には、ボビン108の円弧状に倣って略円弧状に形成された磁性体コア112が配置され、ボビン108に支持されている。
【0048】
一方、加熱回転体102の外周面には、加熱回転体102の回転に対して矢印B方向に従動回転する加圧ロール104が圧接されている。加圧ロール104は、軸方向長さが加熱回転体102よりも短くなっている。また、加熱回転体102と加圧ロール104が接触する加圧領域Sに作用する荷重は、15〜20kgfとされ、本実施形態では20kgfとしている。
【0049】
また、加圧ロール104は、アルミニウム等の金属からなる芯金106の周囲に、厚さ5mmの発泡シリコンゴムスポンジ弾性層を設け、さらに発泡シリコンゴムスポンジ弾性層の外側に、厚さ50μmのカーボン入りPFAからなる離型層を被覆した構成となっている。芯金106の周囲に設けられるスポンジ弾性層は、例えば芯金106の長手方向に貫通する複数の貫通孔を有しているものを用いてもよい。
【0050】
加熱回転体102の表面で、励磁コイル110と対向しない領域で且つ記録用紙Pの排出側の領域には、加熱回転体102の表面の温度を測定する非接触式の温度センサ118が設けられている。温度センサ118の設置位置は、記録用紙Pの横幅の大小によって測定値が変わらないように、加熱回転体102の軸方向(図2の紙面奥行き方向)の略中央部となっている。
【0051】
図5に示すように、温度センサ118は、配線132を介して前述の制御ユニット50(図1参照)の内部に設けられた制御回路134に接続されている。また、制御回路134は、配線136を介して通電回路138に接続されており、通電回路138は、配線140、142を介して前述の励磁コイル110に接続されている。通電回路138は、制御回路134から送られる電気信号に基づいて駆動又は駆動停止され、配線140、142を介して励磁コイル110に交流電流を供給(矢印方向)又は供給停止するようになっている。
【0052】
ここで、制御回路134は、温度センサ118から送られた電気量に基づいて加熱回転体102表面の温度を測定し、この測定温度と予め記憶させてある定着設定温度(本実施形態では170℃)と比較する。そして、測定温度が定着設定温度よりも低い場合は、通電回路138を駆動して励磁コイル110に通電し、磁気回路としての磁界H(図2参照)を発生させる。また、測定温度が定着設定温度よりも高い場合は、通電回路138を停止するようになっている。
【0053】
次に、加熱回転体102の構成について説明する。
【0054】
図3(a)に示すように、加熱回転体102は、中空の筒状体であり、軸方向(矢印M方向)両端部102A、102Bの外径が中央部102Cの外径よりも大きく、両端部102A、102Bの内径が中央部102Cとほぼ同じになっている。これにより、加熱回転体102の両端部102A、102Bの肉厚t1、t2は、中央部102Cの肉厚t3よりも大きくなっており、加熱回転体102の両端部102A、102Bは、外側に凸の厚肉部となっている。
【0055】
また、加熱回転体102の軸方向の長さL=300mmとなっている。なお、加熱回転体102の軸方向の両端部102A、102Bの長さは、定着を行う記録用紙P(図2参照)の横幅に合わせて決定されるが、それぞれ30mm〜40mmが好ましく、ここではそれぞれ30mmとしている。中央部102Cでの直径は、26mm〜30mmが好ましく、ここでは30mmとしている。
【0056】
図3(b)に示すように、加熱回転体102は、半径方向の内側から外側に向けて基層122、発熱層124、保護層126、弾性層128、及び離型層130で構成されており、これらが積層され一体となっている。
【0057】
ここで、図3(a)、(b)に示すように、加熱回転体102の両端部102A、102Bと中央部102Cの厚さの差は、基層122、発熱層124、及び保護層126の厚さが、両端部102A、102Bと中央部102Cで異なることによる。加熱回転体102の両端部102A、102Bにおける基層122、発熱層124、及び保護層126の肉厚t1、t2は等しくなっており、0.5mm〜1.0mmの厚さが好ましい。このため、t1=t2=1.0mmとしている。
【0058】
一方、中央部102Cにおける基層122、発熱層124、及び保護層126の肉厚t3は、70μm〜200μmの厚さが好ましい。このため、t3=90μmとしている。なお、弾性層128及び離型層130の厚さは、軸方向でほぼ同じとなっている。
【0059】
基層122は、加熱回転体102の強度を保持するための土台となるもので、非磁性のステンレスで構成されている。なお、基層122には、スチールやステンレスの他に、鉄、ニッケル、クロム、シリコン、ホウ素、ニオブ、銅、ジルコニウム、コバルト等の金属、又はこれらの合金やこれらからなる多層クラッドメタルなどで構成される金属材料を用いることができる。多層クラッドメタルの場合には、発熱層124を含めた少なくとも2層以上の異種金属からなるものを選択してもよい。
【0060】
発熱層124は、前述の磁界H(図2参照)を打ち消す磁界を生成するように渦電流が流れる電磁誘導作用により発熱する金属材料で構成され、例えば、金、銀、銅、アルミニウム、亜鉛、錫、鉛、ビスマス、ベリリウム、アンチモン、又はこれらの合金の金属材料を用いることができる。本実施形態では、固有抵抗を2.7×10−8Ωcm以下に小さくして必要な発熱量を効率よく得ること、及び低コストの観点から、発熱層124として銅を用いている。
【0061】
また、発熱層124は、熱容量ができるだけ小さい方が定着装置100のウォームアップ時間(定着動作可能となるまでの時間)を短縮することができるため、できるだけ薄い層を設けることが望ましい。上記の非磁性金属であれば2μm〜20μmの厚さの層で加熱できるが、本実施形態では発熱層124の厚さを10μmとしている。
【0062】
保護層126の材質及び厚さは、磁界H(図2参照)を遮断しないことや発熱層124の発熱効率を阻害しないこと、あるいは、酸化(錆び)や腐食に強い等の観点で決定されるが、本実施形態では、保護層126を非磁性ステンレス(固有抵抗60〜80×10−8Ωm)で構成し、厚さを30μmとしている。なお、基層122、発熱層124、及び保護層126を一体で成型し、クラッド鋼からなるシームレス管としている。
【0063】
弾性層128は、優れた弾性と耐熱性が得られる等の観点から、シリコン系ゴム、又はフッ素系ゴムが用いられ、本実施形態ではシリコンゴムを用いている。また、本実施形態では、弾性層128の厚さを200μmとしている。
【0064】
離型層130は、記録用紙P上で溶融されたトナーT(図2参照)との接着力を弱めて、記録用紙Pを加熱回転体102から剥離し易くするために設けられる。優れた表面離型性を得るためには、離型層130として、フッ素樹脂、シリコン樹脂、又はポリイミド樹脂を用いることが好ましく、本実施形態ではPFA(四フッ化エチレン・パーフルオロアルコキシエチレン共重合樹脂)を用いている。なお、本実施形態では、離型層130の厚さを30μmとしている。
【0065】
本発明では、加熱回転体102と加圧ロール104とを押圧して記録用紙Pを定着するに際し、加熱回転体102の内側に加圧ロール104からの加圧を受ける部材を必要としない。よって、加熱回転体102の内周面に摺動抵抗が生じることもなく、加熱回転体102から熱が奪われることも少なくなる。本発明の加熱回転体102は、加圧を受ける部材がなくても、15kgf〜20kgfの加圧をしたときの加圧領域の面圧が0.5kgf/cmとなり、定着性能は保たれる。
【0066】
次に、加熱回転体102の製造方法について説明する。
【0067】
図4(a)に示すように、まず、基層122、発熱層124、及び保護層126(図3(b)参照)が一体となったクラッド鋼からなるシームレス管121を成型する。そして、シームレス管121の内側に加工装置(図示省略)の回転軸123を挿通すると共に、シームレス管121の一方の端部に固定用治具125を外挿してシームレス管121を固定する。この状態で回転軸123を回転させ、シームレス管121を回転させる。
【0068】
続いて、図4(b)に示すように、シームレス管121が回転した状態でシームレス管121の一方の端部の外周面にへら127を接触させ、回転軸123の軸方向へ移動させて絞り加工する。これにより、シームレス管121に厚肉部121Aと薄肉部121Cが形成される。
【0069】
続いて、図4(c)に示すように、へら127をさらに移動させて薄肉部121Cの領域を広げた後、へら127をシームレス管121から離して回転軸123の回転を停止する。これにより、シームレス管121の他方の端部に厚肉部121Bが形成される。
【0070】
続いて、シームレス管121の外周面上に弾性層128及び離型層130(図3(b)参照)を被覆する。このようにして、加熱回転体102が形成される。
【0071】
次に、加熱回転体102及び加圧ロール104の断面状態について説明する。
【0072】
図6(a)に示すように、加熱回転体102の一方の端部102Bには、図示しない駆動モータによって回転駆動される駆動部材144が取付けられている。駆動部材144は、加熱回転体102の内径と略等しい外径を有する円柱状の支持部146と、支持部146の端部に一体成形されたギヤ部148とで構成されている。
【0073】
支持部146及びギヤ部148の断面中央には、加熱回転体102の長手方向に延びる円柱棒状のシャフト150が圧入される貫通穴146Aが形成されている。ここで、駆動部材144は、貫通穴146Aにシャフト150が圧入され、支持部146の外周面が加熱回転体102の内周面に接着されることによって取付けられている。
【0074】
一方、加熱回転体102の他方の端部102Aには、キャップ部材152が取付けられている。キャップ部材152は、加熱回転体102の内径と略等しい外径を有する円柱状の支持部152Aが突設されており、断面中央には、シャフト150が圧入される貫通穴152Bが形成されている。
【0075】
また、キャップ部材152は、駆動部材144が加熱回転体102に取付けられた後、シャフト150に貫通穴152Bが外挿圧入され、支持部152Aの外周面が加熱回転体102の内周面に接着されることで取付けられている。シャフト150の両端は、それぞれ、定着装置100の筐体120(図2参照)内に設けられた図示しないベアリングに挿通され、回転可能に支持されている。
【0076】
ここで、加熱回転体102は、両端部102A、102Bが中央部102Cよりも厚肉で剛性が高くなっており、さらに、支持部146及び支持部152Aによって内側から支持されるため、加熱回転体102と加圧ロール104が接触する加圧領域Sの両端部において支持部146及び支持部152Aの外形に倣う形状となる。
【0077】
これにより、図6(b)の断面A−A’に示すように、加熱回転体102の断面形状が円形状に保持されている。なお、断面A−A’は加熱回転体102の右側の端部102Bに近い断面を表しているが、左側の端部102Aの断面状態も同様であるため、図示を省略している。また、以後の実施形態の説明において、加熱回転体の中央部と端部の断面を図示するときには、端部の断面を一方の断面で表示して他方の断面の図示を省略する。
【0078】
加圧ロール104は、発泡スポンジ弾性層を有しているため、加熱回転体102の外周面に倣って変形し径方向に窪んだ形状となっている。なお、断面A−A’では、加熱回転体102の軸方向と交差する方向の加圧領域Sの幅はW1となっている。
【0079】
一方、図6(c)の断面B−B’に示すように、加熱回転体102の軸方向の中央部では、内側から支持する部材が無いため、加熱回転体102の加熱領域の断面形状が平坦となっている。なお、断面B−B’では、加熱回転体102の軸方向と交差する方向の加圧領域Sの幅はW2となっている。
【0080】
次に、本発明の第1実施形態の作用について説明する。
【0081】
図1、2、5、6に示すように、前述のプリンタ10の画像形成工程を経て、トナーTが転写された記録用紙Pが定着装置100に送られる。定着装置100では、制御ユニット50によって図示しない駆動モータが駆動され、ギヤ部148が回転して加熱回転体102が矢印A方向へ回転する。加圧ロール104は、それに従動して矢印B方向へ回転する。このとき、制御回路134からの電気信号に基づいて通電回路138が駆動され、励磁コイル110に交流電流が供給される。
【0082】
励磁コイル110に交流電流が供給されると、励磁コイル110の周囲に磁気回路としての磁界Hが生成消滅を繰り返す。そして、磁界Hが加熱回転体102の発熱層124を横切ると、磁界Hの変化を妨げる磁界が生じるように発熱層124に渦電流が発生する。
【0083】
発熱層124は、発熱層124の表皮抵抗、及び発熱層124を流れる渦電流の大きさに比例して発熱し、これによって加熱回転体102が加熱される。加熱回転体102の表面の温度は、温度センサ118で検知され、定着設定温度170℃に到達していない場合は、制御回路134が通電回路138を駆動制御して励磁コイル110に交流電流を通電する。また、定着設定温度に到達している場合は、制御回路134が通電回路138の制御を停止する。
【0084】
続いて、定着装置100に送り込まれた記録用紙Pは、定着設定温度(170℃)となっている加熱回転体102と、加圧ロール104とによって加熱及び加圧され、トナー像Tが記録用紙Pの表面に定着される。定着装置100から排出された記録用紙Pは、用紙搬送ロール36により集積部38に排出される。
【0085】
図7(a)、(b)に示すように、定着装置100では、加熱回転体102と加圧ロール104の外形が平坦状となる加圧領域Sの幅W2の領域を記録用紙Pが通過する。ここで、加熱回転体102の両端部102A、102Bが厚肉部となっており、中央部102Cに比べて剛性が高くなっているので、加熱回転体102に駆動力(回転力)を作用させて加圧領域Sの変形の応力が両端部102A、102Bまで伝播しても、両端部102A、102Bでの割れの発生が抑えられている。
【0086】
また、定着装置100では、加圧ロール104が発泡スポンジ弾性層を有しているため、加熱回転体102によって加熱されても加圧ロール104の熱膨張が抑えられているが、加圧ロール104が熱膨張して外径が大きくなることがあっても、加熱回転体102を直接駆動しているため、加熱回転体102の外径に合わせて記録用紙Pの搬送速度が決まる。これにより、加熱回転体102は、予め設定してある線速度を保持しながら回転駆動される。
【0087】
ここで、記録用紙Pが、複数層を有する封筒であった場合、加熱回転体102と加圧ロール104の外形が平坦状となる加圧領域Sの幅W2が封筒の幅以上あれば、封筒には、上層及び下層をそれぞれ円弧状に反らせる圧縮応力あるいは引張応力がほとんど作用せず、矢印F方向に直進しながら熱と圧力の作用によりトナーTが定着される。つまり、平坦状の加圧領域Sにより、加圧領域が上や下に凸の形状を有している場合に比べて封筒のような多層構造の記録用紙はしわになりにくい。
【0088】
次に、本発明の第1実施形態の定着装置100の他の第1実施例について説明する。なお、前述した第1実施形態と基本的に同一の部品には、前記第1実施形態と同一の符号を付与してその説明を省略する。
【0089】
図8(a)には、定着装置160が示されている。定着装置160は、前述の定着装置100(図2参照)の加熱回転体102に換えて、加熱回転体162を設けた構成となっている。加熱回転体162は中空の筒状体であり、軸方向の一方の端部162Bの外径が他方の端部162A及び中央部102Cの外径よりも大きく、両端部162A、162Bの内径は中央部102Cとほぼ同じになっている。
【0090】
これにより、加熱回転体162の一方の端部162Bの肉厚は、中央部162Cの肉厚よりも大きくなっており、加熱回転体162の一方の端部162Bのみが外側に凸の厚肉部となっている。また、加熱回転体162の軸方向の長さL=300mmとなっている。なお、加熱回転体162の軸方向の一方の端部162Bの長さは、定着を行う記録用紙P(図1参照)の横幅に合わせて決定されるが、ここでは30mmとしている。
【0091】
加熱回転体162の層構成は、加熱回転体102と同様であり、半径方向の内側から外側に向けて基層122、発熱層124、保護層126、弾性層128、及び離型層130(図3(b)参照)が積層され一体となっている。また、加熱回転体162の一方の端部162Bには、駆動部材144が取付けられており、加熱回転体162の他方の端部162Aには、キャップ部材152が取付けられている。
【0092】
ここで、加熱回転体162は、一方の端部162Bが中央部162Cよりも厚肉で剛性が高くなっており、さらに、両端部162A、162Bが支持部146及び支持部152Aによって内側から支持されるため、加熱回転体162と加圧ロール104が接触する加圧領域Sの両端部において、支持部146及び支持部152Aの外形に倣う形状となる。
【0093】
これにより、図8(b)の断面C−C’に示すように、加熱回転体162の断面形状が円形状に保持されている。また、加圧ロール104は、発泡スポンジ弾性層を有しているため、加熱回転体102の外周面に倣って変形し径方向に窪んだ形状となっている。なお、断面C−C’では、加熱回転体162の軸方向と交差する方向の加圧領域Sの幅はW3となっている。
【0094】
一方、図8(c)の断面D−D’に示すように、加熱回転体162の軸方向の中央部162Cでは、内側から支持する部材が無いため、加熱回転体162の加圧領域Sの断面形状が平坦となっている。なお、断面D−D’では、加熱回転体162の軸方向と交差する方向の加圧領域Sの幅はW4となっている。
【0095】
図8(a)に示すように、定着装置160では、加熱回転体162と加圧ロール104の外形が平坦状となる加圧領域Sの幅W4の領域を記録用紙Pが通過する。ここで、加熱回転体162の一方の端部162Bが厚肉部で中央部162Cに比べて剛性が高くなっており、さらに、加熱回転体162の他方の端部162Aが支持部152Aで支持されているため、両端部162A、162Bでの割れの発生が抑えられている。
【0096】
次に、本発明の第1実施形態の定着装置100の他の第2実施例について説明する。なお、前述した第1実施形態と基本的に同一の部品には、前記第1実施形態と同一の符号を付与してその説明を省略する。
【0097】
図9(a)には、定着装置170が示されている。定着装置170は、前述の定着装置100(図2参照)の加熱回転体102に換えて、加熱回転体172を設けた構成となっている。加熱回転体172は中空の筒状体であり、軸方向の一方の端部172Bの外径が他方の端部172A及び中央部172Cの外径よりも大きく、一方の端部172Bの内径は中央部172Cとほぼ同じになっている。
【0098】
また、加熱回転体172の他方の端部172Aには、シャフト150へ向けて径方向内側に断面L字状に折り曲げられた端面172Dが形成されている。端面172Dは、シャフト150の軸方向に見て円形となっており、この円形の中央部に貫通穴174が形成されている。さらに、端面172Dの貫通穴174には、キャップ部材176が取付けられている。なお、端面172Dは、加熱回転体172の径方向に延びており、厚肉部となっている。
【0099】
キャップ部材176は、貫通穴174の内径と略等しい外径を有する円柱状の支持部176Aが突設されており、断面中央には、シャフト150が圧入される貫通穴176Bが形成されている。ここで、キャップ部材176は、駆動部材144が加熱回転体172に取付けられた後、シャフト150に貫通穴176Bが外挿圧入され、支持部176Aの外周面が貫通穴176Bの内周面に接着されることで取付けられている。
【0100】
加熱回転体172は、一方の端部172Bと断面L字状の他方の端部172Aとが中央部172Cよりも厚肉で剛性が高くなっており、さらに、支持部146及び支持部176Aによって内側から支持されるため、加熱回転体172と加圧ロール104が接触する加圧領域Sの両端部において支持部146及び支持部176Aの外形に倣う形状となる。
【0101】
加熱回転体172の一方の端部172Bの肉厚は、中央部172Cの肉厚よりも大きくなっており、加熱回転体172の一方の端部172Bのみが外側に凸の厚肉部となっている。また、加熱回転体172の軸方向の長さL=300mmとなっている。なお、加熱回転体172の軸方向の一方の端部172Bの長さは、定着を行う記録用紙P(図1参照)の横幅に合わせて決定されるが、ここでは30mmとしている。
【0102】
加熱回転体172の層構成は、加熱回転体102と同様であり、半径方向の内側から外側に向けて基層122、発熱層124、保護層126、弾性層128、及び離型層130(図3(b)参照)が積層され一体となっている。
【0103】
次に、加熱回転体172の製造方法について説明する。
【0104】
図10(a)に示すように、まず、基層122、発熱層124、及び保護層126(図3(b)参照)が一体となったクラッド鋼からなる板材171を形成しておく。そして、凸型169A及び凹型169Bを有するプレス機169によって板材171をプレスし、有底カップ形状で内側に中空部173を有する加熱回転体172を成形する。
【0105】
続いて、図10(b)に示すように、回転軸123に加熱回転体172の中空部173を外挿して取り付け、回転軸123を回転させると共に、へら127を回転軸123に沿って矢印方向へ移動させながら絞り加工する。そして、へら127を途中で外すことにより加熱回転体172の一方端に厚肉の端部172Bが形成され、中央に中央部172Cが形成される。なお、加熱回転体172は、この時点においては、他方の端部172A側が閉じて円板部172Dが形成されている。
【0106】
続いて、図10(c)に示すように、回転軸123の回転が停止された後に回転軸123から加熱回転体172を取り外して、ドリル(図示省略)により円板部172Dの中央に貫通穴174を形成する。このようにして、厚肉の端部172B及び貫通穴174を有する加熱回転体172が形成される。
【0107】
ここで、図9(a)に示すように、加熱回転体172は、一方の端部172Bが中央部172Cよりも厚肉で剛性が高くなっており、さらに、両端部172A、172Bが支持部176A及び支持部146によって内側から支持されるため、加熱回転体172と加圧ロール104が接触する加圧領域Sの両端部において、支持部176A及び支持部146の外形に倣う形状となる。
【0108】
これにより、図9(b)の断面E−E’に示すように、加熱回転体172の断面形状が円形状に保持されている。また、加圧ロール104は、発泡スポンジ弾性層を有しているため、加熱回転体102の外周面に倣って変形し径方向に窪んだ形状となっている。なお、断面E−E’では、加熱回転体172の軸方向と交差する方向の加圧領域Sの幅はW5となっている。
【0109】
一方、図9(c)の断面F−F’に示すように、加熱回転体172の軸方向の中央部172Cでは、内側から支持する部材が無いため、加熱回転体172の加圧領域Sの断面形状が平坦となっている。なお、断面F−F’では、加熱回転体172の軸方向と交差する方向の加圧領域Sの幅はW6となっている。
【0110】
図9(a)に示すように、定着装置170では、加熱回転体172と加圧ロール104の外形が平坦状となる加圧領域Sの幅W6の領域を記録用紙Pが通過する。ここで、加熱回転体172の一方の端部172Bが厚肉部で中央部172Cに比べて剛性が高くなっており、さらに、加熱回転体172の他方の端部172Aが支持部176Aで支持されているため、両端部172A、172Bでの割れの発生が抑えられている。
【0111】
次に、本発明の加熱回転体、定着装置、及び画像形成装置の第2実施形態を図面に基づき説明する。なお、前述した第1実施形態と基本的に同一の部品には、前記第1実施形態と同一の符号を付与してその説明を省略する。
【0112】
図11には、定着装置180が示されている。定着装置180は、第1実施形態の定着装置100の加圧ロール104に換えて、無端状の加圧ベルト182が用いられている。
【0113】
加圧ベルト182は、厚さ60μmのポリイミドからなる無端ベルト状の基層上に、厚さ30μmのPFAからなる離型層が被覆された構成となっている。また、加圧ベルト182は、幅方向の長さが240mmとなっている。なお、加圧ベルト182は、フレキシビリティに富んだものがよいので、例えば厚さ20〜40μmのスチールやステンレス、ニッケル電鋳などでもよい。
【0114】
一方、図12(a)に示すように、加圧ベルト182の内側略中央には、角柱状の支持部材184が設けられている。支持部材184には、軸方向両端面から外側へ向けて円柱状の支軸186がそれぞれ突設されており、支軸186の端部は、定着装置180の筐体120(図11参照)の側面部に固定されている。
【0115】
支持部材184の一側面(加熱回転体102と加圧ベルト182の接触側)には、耐熱性樹脂であるPPS(ポリフェニレンサルファイド)からなる直方体状の加圧パッド188の一方の側面が接着されている。また、加圧パッド188の他方の側面は、加圧ベルト182の内周面に接触しており、加熱回転体102と加圧ベルト182が接触する加圧領域Sを加圧している。この加圧領域Sに作用する荷重は20kgfとなっている。なお、加圧パッド188は、液晶ポリマーで構成してもよい。
【0116】
一方、加圧ベルト182の両端部内側には、加圧ベルト182の内径とほぼ等しい外径を有する円盤状のキャップ部材187がそれぞれ取付けられている。キャップ部材187の中央には貫通穴が形成されており、この貫通穴にベアリング189が嵌合固定されている。
【0117】
ここで、キャップ部材187は、加圧ベルト182内に支持部材184及び加圧パッド188が配置された後、支軸186にベアリング189の穴部189Aが外挿されると共に、外周面が加圧ベルト182の内側に接着されることにより、加圧ベルト182の両端部に取付けられている。これにより、加圧ベルト182は、支軸186を中心として回転可能に支持され、加熱回転体102の回転によって従動回転する。
【0118】
次に、加熱回転体102及び加圧ベルト182の断面状態について説明する。
【0119】
図12(a)に示すように、加熱回転体102の一方の端部にはギヤ部148が取付けられ、他方の端部にはキャップ部材152が取付けられている。加熱回転体102は、一方の端部102Bが中央部102Cよりも厚肉で剛性が高くなっており、さらに、両端部102A、102Bが支持部152A及び支持部146によって内側から支持されるため、加熱回転体102と加圧ベルト182が接触する加圧領域Sの両端部において、支持部152A及び支持部146の外形に倣う形状となる。
【0120】
これにより、図12(b)の断面G−G’に示すように、加熱回転体102の断面形状が円形状に保持されている。また、加圧ベルト182は、薄肉円筒体となっているため、加熱回転体102の外周面に倣って変形し径方向に窪んだ形状となっている。なお、断面G−G’では、加熱回転体102の軸方向と交差する方向の加圧領域Sの幅はW7となっている。
【0121】
一方、図12(c)の断面H−H’に示すように、加熱回転体102の軸方向の中央部102Cでは、内側から支持する部材が無いため、加熱回転体102の加圧領域Sの断面形状が平坦となっている。なお、断面H−H’では、加熱回転体102の軸方向と交差する方向の加圧領域Sの幅はW8となっている。
【0122】
加圧領域Sの幅W7、W8は、加熱回転体102と支持部材184がそれぞれ荷重を受けて撓むことによって、加熱回転体102の軸方向の両端部102A、102Bにおける幅W7よりも中央部102Cにおける幅W8の方が狭くなる。なお、加圧パッド188の材質、あるいは形状を変えることにより、加熱回転体102の軸方向における加圧領域Sの幅が調整される。例えば、加圧パッド188の軸方向の高さを端部より中央部を大きくしたり、あるいは、支持部材184の加圧パッド188側の厚さを中央部が凸になるようにしてもよい。
【0123】
次に、本発明の第2実施形態の作用について説明する。
【0124】
図11に示すように、トナーTが転写された記録用紙Pが定着装置180に送られる。定着装置180では、加熱回転体102が矢印A方向へ回転し、加圧ベルト182がそれに従動して矢印B方向へ回転する。そして、励磁コイル110に交流電流が供給され、励磁コイル110の周囲に磁界Hが生成消滅を繰り返して加熱回転体102の発熱層124が発熱し、これによって加熱回転体102が加熱される。
【0125】
続いて、定着装置180に送り込まれた記録用紙Pは、予め決められた定着設定温度となっている加熱回転体102と、加圧ベルト182とによって加熱及び加圧され、トナー像Tが記録用紙Pの表面に定着される。
【0126】
図12(a)及び図13に示すように、定着装置180では、加熱回転体102と加圧ベルト182の外形が平坦状となる加圧領域Sの幅W8の領域を記録用紙Pが通過する。ここで、加熱回転体102の両端部102A、102Bが厚肉部となっており、中央部102Cに比べて剛性が高くなっているので、加熱回転体102に駆動力(回転力)を作用させて加圧領域Sの変形の応力が両端部102A、102Bまで伝播しても、両端部102A、102Bでの割れの発生が抑えられている。
【0127】
また、定着装置180では、加圧ベルト182の内側に配置された加圧パッド188の材質、あるいは形状を変えることにより、加熱回転体102の軸方向における加圧領域Sの幅が調整されている。これにより、記録用紙P上のトナー像Tに予め決められた熱量及び加圧力を与えて定着が行われる。
【0128】
次に、本発明の加熱回転体、定着装置、及び画像形成装置の第3実施形態を図面に基づき説明する。なお、前述した第1、第2実施形態と基本的に同一の部品には、前記第1、第2実施形態と同一の符号を付与してその説明を省略する。
【0129】
図14(a)には、定着装置190が示されている。定着装置190は、第2実施形態の定着装置180の加熱回転体102に換えて、加熱回転体192と、加熱回転体192の内側に配置された内側部材194とが設けられている。なお、加圧ベルト182の軸方向長さを360mmとし、加圧パッド188の軸方向長さを350mmとしている。
【0130】
図14(b)に示すように、加熱回転体192は、半径方向の内側から外側に向けて基層191、発熱層124、保護層126、弾性層128、及び離型層130で構成されており、これらが積層され一体となっている。加熱回転体192の軸方向長さは370mmとなっている。
【0131】
基層191は、加熱回転体192の加熱設定温度以上で、加熱回転体192の耐熱温度以下の温度領域にある透磁率変化開始温度から透磁率が連続的に低下し始める特性を有する感温磁性金属で構成される。具体的には、整磁鋼、非晶質合金等が用いられ、Fe、Ni、Si、B、Nb、Cu、Zr、Co、Cr、V、Mn、Moなどからなる金属合金材料で、例えば、Fe−Niの二元系感温磁性合金やFe−Ni−Crの三元系感温磁性合金を用いることが好ましい。ここで、図17に示すように、透磁率変化開始温度とは、透磁率(JIS C2531で測定)が連続的に低下し始める温度であり、磁界Hの磁束の貫通量が変化し始める点をいう。
【0132】
図14(a)、(b)に示すように、本実施形態では、定着装置190の耐熱温度240℃、定着設定温度170℃として、透磁率変化開始温度が200℃程度の厚さ90μmのスチールを基層191として用いている。これにより、基層191は、透磁率変化開始温度より低い温度では強磁性体となり、励磁コイル110から発生した磁界Hを侵入させる。また、基層191は、透磁率変化開始温度より高い温度では、非磁性化(常磁性体化)して磁界Hの磁束貫通量が多くなる。なお、図14(a)の磁界Hの磁路は、加熱回転体192の基層191が透磁率変化開始温度以上の状態を示している。
【0133】
一方、加熱回転体192の内側には、非磁性体であるアルミニウムからなる内側部材194が、加熱回転体192と非接触で配置されている。内側部材194の両端には、外側へ向けて円柱状の支軸195(図15(a)参照)が突設されており、この支軸195が定着装置190の筐体120に固定されている。
【0134】
内側部材194は、加熱回転体192と対向して円弧状に形成された円弧部194Aと、柱状に形成された柱部194Bとで構成され、円弧部194Aと柱部194Bは一体成形されている。円弧部194Aは、加熱回転体102と非接触状態となっている。ここで、加熱回転体192を磁界Hの磁束が貫通する場合は、この円弧部194Aと磁性体コア112との間で磁界Hによる閉磁路が形成される。なお、加熱回転体192の外周面には、前述の加圧ベルト182が接触している。
【0135】
次に、加熱回転体192及び加圧ベルト182の断面状態について説明する。
【0136】
図15(a)に示すように、加熱回転体192の両端部内側には、加熱回転体192の内径とほぼ等しい外径を有する円盤状のキャップ部材196がそれぞれ取付けられている。キャップ部材196の中央には貫通穴が形成されており、この貫通穴にベアリング197が嵌合固定されている。
【0137】
ここで、キャップ部材196は、加熱回転体192内に内側部材194が配置された後、支軸195にベアリング197の穴部197Aが外挿されると共に外周面が加熱回転体192の内側に接着されることにより、加熱回転体192の両端部に取付けられている。これにより、加熱回転体192は、支軸195を中心として回転可能に支持されている。
【0138】
また、加熱回転体192は、前述の加熱回転体102と同様の製造方法で形成され、両端部192A、192Bが中央部192Cよりも厚肉で剛性が高くなっている。加熱回転体192の一方の端部192Bの外周面には駆動用のギヤ198が接着固定されている。
【0139】
さらに、加熱回転体192は、両端部192A、192Bがキャップ部材196によって内側から支持されるため、加熱回転体192と加圧ベルト182が接触する加圧領域Sの両端部において、キャップ部材196の外形に倣う形状となる。
【0140】
これにより、図15(b)の断面J−J’に示すように、加圧領域Sの両端部位置では、加熱回転体192の断面形状が円形状に保持されている。また、加圧ベルト182は、薄肉円筒体となっているため、加熱回転体192の外周面に倣って変形し径方向に窪んだ形状となっている。なお、断面J−J’では、加熱回転体192の軸方向と交差する方向の加圧領域Sの幅はW9となっている。
【0141】
一方、図15(c)の断面K−K’に示すように、加熱回転体192の軸方向の中央部192Cでは、内側から支持する部材が無いため、加熱回転体192の加圧領域Sの断面形状が平坦となっている。なお、断面K−K’では、加熱回転体192の軸方向と交差する方向の加圧領域Sの幅はW10となっている。
【0142】
図15(a)、(b)、(c)に示すように、加圧領域Sの幅W9、W10は、加熱回転体192と支持部材184がそれぞれ荷重を受けて撓むことによって、加熱回転体192の軸方向の両端部192A、192Bにおける幅W9よりも中央部192Cにおける幅W10の方が狭くなる。なお、加圧パッド188の材質、あるいは形状を変えることにより、加熱回転体192の軸方向における加圧領域Sの幅が調整される。例えば、加圧パッド188の軸方向の高さを端部より中央部を大きくしたり、あるいは、支持部材184の加圧パッド188側の厚さを中央部が凸になるようにしてもよい。
【0143】
次に、本発明の第3実施形態の作用について説明する。
【0144】
図14(a)及び図16(a)に示すように、トナーTが転写された記録用紙Pが定着装置190に送られる。定着装置190では、加熱回転体192が矢印A方向へ回転し、加圧ベルト182がそれに従動して矢印B方向へ回転する。そして、励磁コイル110に交流電流が供給され、励磁コイル110の周囲に磁界Hが生成消滅を繰り返して加熱回転体192の発熱層124(図14(b)参照)が発熱し、これによって加熱回転体192が加熱される。
【0145】
続いて、定着装置190に送り込まれた記録用紙Pは、予め決められた定着設定温度となっている加熱回転体192と、加圧ベルト182とによって加熱及び加圧され、トナー像Tが記録用紙Pの表面に定着される。
【0146】
なお、定着装置190では、加熱回転体192と加圧ベルト182の外形が平坦状となる加圧領域Sの幅W9の領域を記録用紙Pが通過する。ここで、図15(a)に示すように、加熱回転体192の両端部192A、192Bが厚肉部となっており、中央部192Cに比べて剛性が高くなっているので、加熱回転体192に駆動力(回転力)を作用させて加圧領域Sの変形の応力が両端部192A、192Bまで伝播しても、両端部192A、192Bでの割れの発生が抑えられている。
【0147】
また、定着装置190では、加圧ベルト182の内側に配置された加圧パッド188の材質、あるいは形状を変えることにより、加熱回転体192の軸方向における加圧領域Sの幅が調整されている。これにより、記録用紙P上のトナー像Tに予め決められた熱量及び加圧力を与えて定着が行われる。
【0148】
ここで、定着装置190において、加熱回転体192の基層191(図14(b)参照)の温度が透磁率変化開始温度以下の場合は、基層191が強磁性体であるため、発熱層124を貫通した磁界Hは、基層191に侵入して閉磁路を形成して磁界Hを強める。これにより、発熱層124の発熱量が必要とされる発熱量まで到達する。
【0149】
一方、図14(a)及び図16(b)に示すように、定着装置190において、加熱回転体192の基層191の温度が透磁率変化開始温度以上となった場合は、磁界Hが基層191を貫通して内側部材194に到達し閉磁路を形成する。このとき、基層191で閉磁路を形成したときに比べて発熱層124に作用する磁界Hが弱まるため、発熱層124の発熱量が減少し、発熱層124は必要以上に昇温されなくなる。
【0150】
なお、本発明は上記の実施形態に限定されない。
【0151】
プリンタ10は、固体の現像剤(トナー)を用いる乾式の電子写真方式だけでなく、液体現像剤を用いるものであってもよい。
【0152】
加熱回転体102、162、172、192の各厚肉部は、加熱回転体の径方向外側に凸、内側に凸のいずれの形態であってもよい。また、定着装置180、190において、両端部に厚肉部がある加熱回転体102、192を、一方の端部に厚肉部がある加熱回転体162で置き換えてもよい。
【0153】
加熱回転体102、192を加熱する加熱手段として、励磁コイル110の他に、加熱回転体102、192の内側又は外側にヒータを配置してもよい。さらに、加熱回転体102、192の温度センサ118の取付け位置は、加熱回転体102、192の表面側に限定されず、内側(内周面)に取付けてもよい。この場合、加熱回転体102、192の表面が摩耗しにくくなる。
【0154】
また、本実施形態では、加圧領域Sの断面形状が加熱回転体の軸方向両端部で加圧ロール(又は加圧ベルト)側に凸となり、軸方向中央部で平坦となるようにしていたが、これに限るものではない。加圧領域Sの断面形状は、加熱回転体側に凸としてもよい。これは、加圧ロールや加圧パッドの形状と剛性を適宜選択することで調整される。
【0155】
また、定着装置190において、加圧ベルト182に発泡スポンジ弾性層を設けてもよく、キャップ部材196とギヤ198を一体で構成してもよい。
【符号の説明】
【0156】
10 プリンタ(画像形成装置)
24 現像器(現像部)
32 転写ロール(転写部)
34 用紙搬送路(搬送部)
54 光走査装置(露光部)
100 定着装置
102 加熱回転体
104 加圧ロール(加圧回転体)
110 励磁コイル(加熱手段、磁界発生手段)
121 シームレス管(加熱回転体、筒状体)
124 発熱層(加熱手段、発熱層)
126 保護層(保護層)
138 通電回路(加熱手段)
146 支持部(支持手段)
148 ギヤ部(駆動力伝達部材)
152 キャップ部材(支持手段)
160 定着装置
162 加熱回転体
170 定着装置
172 加熱回転体
180 定着装置
182 加圧ベルト(加圧回転体、回転部材)
188 加圧パッド(加圧部材)
190 定着装置
191 基層(支持層)
192 加熱回転体(加熱回転体、筒状体)
H 磁界
P 記録用紙(記録媒体)
S 加圧領域
T トナー像(現像剤)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
両端部が回転可能に支持された金属製の筒状体を備え、前記筒状体は、軸方向の中央部に比べて端部が厚肉の厚肉部とされ、加圧回転体によって加圧される外周面の加圧領域において、断面形状が端部から中央部に渡って変化されると共に記録媒体上の現像剤を加熱する加熱回転体。
【請求項2】
前記筒状体は、一方の端部のみが前記厚肉部とされている請求項1に記載の加熱回転体。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の加熱回転体と、
前記加熱回転体の両端部を回転可能に支持する支持手段と、
前記加熱回転体を加熱する加熱手段と、
両端部が回転可能に支持され前記加熱回転体の外周面を加圧する加圧回転体と、
を有し、
前記加熱回転体の内側には、前記加熱回転体に接触して前記加圧回転体からの加圧を受ける部材が存在しない定着装置。
【請求項4】
前記支持手段には、駆動力が伝達される駆動力伝達部材が取り付けられている請求項3に記載の定着装置。
【請求項5】
前記加圧回転体は、発泡スポンジ弾性層を有する請求項3又は請求項4に記載の定着装置。
【請求項6】
前記加圧回転体は、
無端状の回転部材と、
前記回転部材の内側に設けられ、前記回転部材を介して前記加熱回転体の外周面を加圧すると共に前記加熱回転体の断面形状を軸方向で変化させる加圧部材と、
を有する請求項3又は請求項4に記載の定着装置。
【請求項7】
前記加熱手段は、磁界を発生する磁界発生手段を有し、
前記加熱回転体は、前記磁界の電磁誘導により発熱する発熱層を有する請求項3から請求項6のいずれか1項に記載の定着装置。
【請求項8】
前記加熱回転体は、感温磁性金属で構成され前記発熱層を支持する支持層を有する請求項7に記載の定着装置。
【請求項9】
前記加熱回転体は、前記発熱層の酸化を保護する保護層を有する請求項7又は請求項8に記載の定着装置。
【請求項10】
請求項3から請求項9のいずれか1項に記載の定着装置と、
露光光を出射する露光部と、
前記露光光で形成された潜像を現像剤で顕在化して現像剤像を形成する現像部と、
前記現像部で顕在化された前記現像剤像を記録媒体上に転写する転写部と、
前記転写部で前記現像剤像が転写された記録媒体を前記定着装置に搬送する搬送部と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2010−224186(P2010−224186A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−70874(P2009−70874)
【出願日】平成21年3月23日(2009.3.23)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】