説明

加熱炉の灰付着抑制方法及び灰付着抑制装置

【課題】加熱炉を安定運用させるべく、クリンカ灰の大塊が発生する可能性を精度良く予測して、ひいては、灰が付着するのを抑制する。
【解決手段】クリンカ灰の大塊の発生の有無の評価を行う固体燃料のクリンカ組成を算出、クリンカ組成中の鉄成分含有率に基づいてクリンカ灰の大塊の発生の有無を評価し、クリンカ灰の大塊の発生が少なくなる鉄成分含有率の基準値を算出する(S101〜103)。使用を予定する単種類の固体燃料である場合は、クリンカ組成中の鉄成分含有率が基準値以下となる単種類の固体燃料を選択し、また、使用を予定する複数種類の固体燃料である場合は、クリンカ組成中の鉄成分含有率が基準値以下となる所定の混合比率で混合し、燃料として供給する(S104〜106)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固体燃料を供給する加熱炉の灰付着抑制方法及び灰付着抑制装置に関する。
【背景技術】
【0002】
劣質炭を含む単種類あるいは複数種類の固体燃料を燃料とするボイラ等の加熱炉(固体燃料を燃焼させる炉全般を意味する。)では、固体燃料を粉砕機で粉砕した後、搬送用空気で燃料として供給している。そして、加熱炉は、供給された燃料をバーナなどで燃焼させて熱を発生させる火炉と、火炉の上方から下流にわたって配置され、内部に燃焼ガスを流動して熱交換を行う伝熱管群とを備えており、加熱炉からでた燃焼ガスは煙突から排出されるようになっている。
【0003】
このような加熱炉では、燃焼した固体燃料から石炭灰が発生するため、石炭灰の一部が加熱炉の燃焼ガスによって流動し、排出の途中で、石炭灰の粒子が溶解して相互に凝縮し、火炉の壁面や、火炉上方から下流にわたって配置された伝熱管群などに付着して堆積するスラッギングやファウリングが生じる。石炭灰の一部が火炉の壁面や伝熱管群に付着して堆積するスラッギングやファウリングが生じると、伝熱管の伝熱面が塞がれて熱吸収効率が大幅に低下する。更に、スラッギングやファウリングにより壁面などに巨大なクリンカ灰が生成されると、クリンカ灰が加熱炉底部に落下して堆積する。加熱炉底部へのクリンカ灰の落下により、炉内圧が大幅に変動したり、炉底の伝熱管が損傷したり、炉底の閉塞が生じたりするという問題が生じる。また、火炉の上方に設けられる上部伝熱部は、狭い間隔で配置されているため、灰が付着すると、炉内圧が大きく変動したり、伝熱管間に付着した灰が成長してガス流路が閉塞されてしまい、燃焼ガスが通過できなくなり、運転障害を起こしたりする恐れがある。更に、バーナ近傍では、燃料の燃焼火炎の放射熱により火炉の壁面近傍の温度が高くなっているため、比較的低温な伝熱管群に灰が付着溶融しやすく、巨大なクリンカ灰が成長しやすいという問題が生じる。
【0004】
ここで、クリンカ灰は、石炭灰の全発生量の約10%を占める。加熱炉底部に堆積されたこのクリンカ灰は、灰処理設備にて処理されるが、灰処理設備のうち、クリンカ処理設備は、ドライホッパのほか、ドライホッパボトムゲート、クリンカコンベア、1次クラッシャ、クリンカ冷却コンベア、2次クラッシャなどで構成される。そして、クリンカコンベア上に堆積したクリンカ灰は、適宜(例えば、1時間ごと)にクリンカコンベアが自動起動し、炉外に搬出し、1次クラッシャ及び2次クラッシャで所定の大きさまで粉砕される。従って、クリンカ灰の大塊が発生してしまうと、ホッパからのクリンカ灰の搬出が滞ってしまう。その場合、石炭の燃焼によるクリンカ灰の発生量を低減するために、石炭使用量を減らし、即ち、発電出力を下げる必要が生じ、最悪のケースでは操業不能となり発電プラントを停止することになる。
【0005】
従って、加熱炉を安定運転するために、固体燃料を燃焼することによって、クリンカ灰の大塊が発生する可能性を事前に予測して、クリンカ灰の大塊の発生による問題の発生を回避したり、クリンカ灰の大塊の発生の原因となる灰が付着する可能性を事前に予測して、灰付着による問題の発生を回避したりすることが必要である。そこで、従来から、クリンカ灰の大塊の発生の原因となる灰の付着が生じる可能性を指標として表すことが試みられている。
【0006】
例えば、非特許文献1では、灰含有元素を酸化物で表した灰組成に基づいた灰に関する指標と評価基準により、灰が付着する可能性を事前に予測する方法が用いられている。しかしながら、非特許文献1に示された指標と評価基準は、灰の付着などの問題が少ない良質炭である瀝青炭を対象としている。従って、近年需要が高まっている劣質炭(例えば、亜瀝青炭、褐炭、高シリカ炭、高カルシウム炭などの炭種)を対象としていないため、非特許文献1に示される指標と灰付着との関係は必ずしも一致した傾向になく、高い信頼性を持った指標でないことが指摘されている。一方、近年では、良質炭の産出量が減少し、安定した入手が困難になったことや、経済性などの面から劣質炭を利用する需要が高まってきている。従って、これらの劣質炭の燃焼によって生じる灰にも対応できる新しい灰付着に関する指標が必要になってきている。
【0007】
そこで、劣質炭を対象として、特許文献1のように、使用する石炭を予め灰化して得られた石炭灰を焼結させることにより、焼結灰の膠着度を測定し、灰の付着を予測評価する技術が開発されている。しかしながら、灰の焼結性や溶融性は、温度だけでなく、雰囲気ガス組成の影響を大きく受ける。雰囲気がCOやHなどの還元性ガス濃度が高い還元雰囲気であれば、灰の軟化点や融点は下がり、焼結しやすくなる。また、雰囲気が酸化雰囲気であれば、灰の軟化点や融点は上がり、焼結しにくくなる。従って、雰囲気ガス組成を考慮していない特許文献1の技術では、加熱炉内の灰付着を精度良く予測することは困難であるという問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2004−361368号公報
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Gordon Couch, Understanding slagging and fouling during pf combustion (IEACR/72), 1994
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明が解決しようとする課題は、劣質炭を含む単種類或いは複数種類の固体燃料を燃料とする加熱炉において、加熱炉を安定運用させるべく、クリンカ灰の大塊が発生する可能性を精度良く予測して、クリンカ灰の大塊が発生するのを抑制し、ひいては、灰が付着するのを抑制することが可能な加熱炉の灰付着抑制方法及び灰付着抑制装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る加熱炉の灰付着抑制方法は、単種類或いは複数種類の固体燃料を供給する加熱炉において、灰付着を抑制するための灰付着抑制方法であって、単種類或いは複数種類の固体燃料のそれぞれについて予め算出した一定量の灰分のうち溶融状態になっている部分の組成を示すクリンカ組成中の鉄成分含有率に基づいて、クリンカ灰の大塊の発生の有無を評価して、前記クリンカ灰の大塊の発生が少なくなる前記クリンカ組成中の鉄成分含有率の基準値を算出し、前記クリンカ組成中の鉄成分含有率が前記基準値以下になるように、前記単種類の固体燃料を選択し、或いは、前記複数種類の固体燃料の混合比率を決定し、前記単種類の固体燃料、或いは、前記混合比率に基づいて混合した前記複数種類の固体燃料を、燃料として加熱炉に供給することを特徴とする。
【0012】
そして、本発明に係る加熱炉の灰付着抑制装置は、単種類或いは複数種類の固体燃料を供給する加熱炉において、灰付着を抑制するための灰付着抑制装置であって、単種類或いは複数種類の固体燃料のそれぞれについて予め算出した一定量の灰分のうち溶融状態になっている部分の組成を示すクリンカ組成中の鉄成分含有率に基づいて、クリンカ灰の大塊の発生の有無を評価して、前記クリンカ灰の大塊の発生が少なくなる前記クリンカ組成中の鉄成分含有率の基準値を算出すると共に、前記クリンカ組成中の鉄成分含有率が前記基準値以下になるように、前記単種類の固体燃料を選択し、或いは、前記複数種類の固体燃料の混合比率を決定する演算手段と、前記単種類の固体燃料、或いは、前記混合比率に基づいて混合した前記複数種類の固体燃料を、燃料として加熱炉に供給する燃料供給量調整手段と、を備えることを特徴とする。
【0013】
これによると、加熱炉に供給される固体燃料について予め算出した一定量の灰分のうち溶融状態になっている部分の組成を示すクリンカ組成に着目し、クリンカ組成中の鉄成分含有率に基づいて、クリンカ灰の大塊の発生の有無を評価し(クリンカ灰がクリンカコンベア上で引っ掛かり1次クラッシャに搬送できないケースやクリンカ灰が大きいために1次クラッシャに設置された回転刃にクリンカ灰が噛み込まないケースを調査する)、クリンカ灰の大塊の発生が少なくなるような、クリンカ組成中の鉄成分含有率の基準値を算出している。従って、本発明で新たに構築した評価指数であるクリンカ組成中の鉄成分含有率に基づいて、クリンカ組成中の鉄成分含有率が基準値以下になるように、単種類の固体燃料を選択する、或いは、複数種類の固体燃料の混合比率を決定することにより、加熱炉におけるクリンカ灰の大塊の発生を抑制し、ひいては、灰の付着を抑制することができる。そして、クリンカ灰の大塊の生成率を常に低く維持できるように制御されるので、低融点灰を持つ固体燃料も有効に活用しつつ、クリンカ灰の大塊の生成によるトラブルを回避することができる。
尚、固体燃料とは、石炭、汚泥炭化物、バイオマス燃料等を含むものである。また、加熱炉では熱量が重視されるため、燃料となる固体燃料は、加熱炉に投入される熱量が一定になるように供給量が決定されているものとする。
【0014】
ここで、本発明に係る加熱炉の灰付着抑制方法及び加熱炉の灰付着抑制装置において、前記クリンカ組成は、単種類或いは複数種類の固体燃料のそれぞれについて、一定量の灰分を予め所定の雰囲気温度及び雰囲気ガス組成において加熱溶融し、その結果生じる溶融物の組成を分析することにより、前記一定量の灰分のうち溶融状態になっている部分の組成を算出して良い。
【0015】
これによると、実際の加熱試験を実施してクリンカ組成を算出することにより、実際の加熱炉の状況に合わせたクリンカ組成を求めることができる。
【0016】
ここで、本発明に係る加熱炉の灰付着抑制方法及び加熱炉の灰付着抑制装置において、前記クリンカ組成は、単種類或いは複数種類の固体燃料それぞれについて予め測定した灰組成に基づいて、一定量の灰分について所定の雰囲気温度及び雰囲気ガス組成において熱力学平衡計算し、前記熱力学平衡計算の結果から成分毎の液相状態分を抽出し、抽出された前記成分毎の液相状態分と初期値との商をとることにより成分毎の融液割合を求め、算出された前記成分毎の融液割合と前記灰組成の積により、前記一定量の灰分のうち溶融状態になっている部分の組成を算出して良い。ここで、「初期値」とは、熱力学平衡計算の初期に入力した値のことを意味し、ここでいう「一定量の灰分」の成分毎の値を指す。
【0017】
これによると、予め測定した灰組成に基づいて、熱力学平衡計算によりクリンカ組成を算出することにより、実際に加熱試験を行うことなくクリンカ組成を求めることができる。
【0018】
ここで、本発明に係る加熱炉の灰付着抑制方法及び加熱炉の灰付着抑制装置において、前記所定の雰囲気温度及び雰囲気ガス組成は、バーナ近傍の雰囲気温度及び雰囲気ガス組成であってよい。
【0019】
これによると、実際の加熱炉内部のバーナ近傍の雰囲気温度及び雰囲気ガス組成を測定し、測定したバーナ近傍の雰囲気温度及び雰囲気ガス組成に基づいて、クリンカ組成を適正に求めることができる。
【0020】
また、本発明に係る加熱炉の灰付着抑制方法及び加熱炉の灰付着抑制装置において、前記所定の雰囲気温度及び雰囲気ガス組成は、加熱炉設計上の最高雰囲気温度及びその部位の雰囲気ガス組成、または、加熱炉設計上の還元度が最も高い雰囲気ガス組成とその部位の温度、または、加熱炉の設計データをもとにシミュレーションで算出したバーナ近傍の雰囲気温度及び雰囲気ガス組成であって良い。
【0021】
これによると、加熱炉の状態に依存することなく、また、加熱炉の炉内の雰囲気温度や雰囲気ガス組成を実際に測定することなく、クリンカ組成を計算することができる。尚、加熱炉設計上の還元度が最も高い雰囲気ガス組成とは、COやHなどの還元性ガスの濃度が最も高い雰囲気ガス組成のことを意味する。
【0022】
また、本発明に係る加熱炉の灰付着抑制方法及び加熱炉の灰付着抑制装置において、前記鉄成分含有率をFe含有率とし、前記基準値を7〜9%として良い。
【0023】
これによると、鉄成分含有率をFe含有率とし、Fe含有率の基準値を、予め算出したクリンカ組成中のFe含有率に基づくクリンカ灰の大塊の発生の有無の実験結果に基づいて、クリンカ灰の大塊の発生が少ないと想定される値(7〜9%)に決定することにより、クリンカ灰の大塊の発生を抑制し、ひいては、灰の付着を抑制することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明の加熱炉の灰付着抑制方法及び灰付着抑制装置は、劣質炭を含む単種類或いは複数種類の固体燃料を燃料とする加熱炉において、クリンカ灰の大塊が発生する可能性を精度良く予測して、クリンカ灰の大塊が発生するのを抑制し、ひいては、灰が付着するのを抑制することにより、加熱炉を安定運用させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本実施形態に係る加熱炉の灰付着抑制方法の手順を示すステップ図である。
【図2】本実施形態に係るクリンカ組成を算出する手順を示すステップ図である。
【図3】本実施形態に係る加熱炉の灰付着抑制装置を示す概略図である。
【図4】本実施例に係るクリンカ組成のFe含有率に基づいたクリンカ灰の大塊の発生の有無を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照しつつ、本発明に係る加熱炉の灰付着抑制方法及び灰付着抑制装置を実施するための形態について、具体的な一例に即して説明する。尚、以下に説明するものは、例示したものにすぎず、本発明に係る加熱炉の灰付着抑制方法及び灰付着抑制装置の適用限界を示すものではない。すなわち、本発明に係る加熱炉の灰付着抑制方法及び灰付着抑制装置は、下記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいてさまざまな変更が可能なものである。
【0027】
まず、本実施形態に係る加熱炉の灰付着抑制方法の一例について、図1に基づいて説明する。図1は、本実施形態に係る加熱炉の灰付着抑制方法の手順を示すステップ図である。
【0028】
本実施形態に係る加熱炉の灰付着抑制方法は、図1に示すように、クリンカ灰の大塊の発生の有無を評価する各固体燃料のクリンカ組成を算出する(ステップS101)。
【0029】
ここで、ステップS101において、クリンカ組成を算出する(更には、クリンカ組成中の鉄成分含有率を求める)手順について、図2に基づいて説明する。図2は、本実施形態に係るクリンカ組成を算出する手順を示すステップ図である。
【0030】
図2に示すように、クリンカ灰の大塊の発生の有無を評価する各固体燃料の灰組成を分析する(ステップS201)。ここで、クリンカ灰の大塊の発生の有無を評価する固体燃料とは、加熱炉で使用する予定である単種類の固体燃料及び様々な混合比率で混合された複数種類の固体燃料であり、灰組成は、固体燃料の水分含有量、発熱量、灰分含有量、灰成分の組成等の石炭性状を意味する。ここで、固体燃料とは、石炭、汚泥炭化物、バイオマス燃料等を含むものである。また、灰組成は、固体燃料を使用する前に予め実施する蛍光X線分析法等によって測定される。
【0031】
次に、ステップS201で分析された各固体燃料の灰組成に基づいて、一定量の灰分についての「灰組成」を算出する(ステップS202)。ここで、一定量の灰分とは、各固体燃料を単種類で用いた場合と、各固体燃料を所定の混合比率で複数種類用いた場合とを含むものである。
【0032】
そして、ステップS202で算出した一定量の灰分について、ある条件(所定の雰囲気温度及び雰囲気ガス組成)において、熱力学的に最も安定する、つまり、ギブスの自由エネルギー(△G)がゼロに近くなる状態の組成や相を熱力学平衡計算により算出する(ステップS203)。
【0033】
尚、熱力学平衡計算における所定の雰囲気温度及び雰囲気ガス組成として、加熱炉壁への灰付着が顕著に発生するバーナ近傍の雰囲気温度と雰囲気ガス組成を用いて良い。これにより、実際の加熱炉内部のバーナ近傍の雰囲気温度及び雰囲気ガス組成を測定し、測定したバーナ近傍の雰囲気温度及び雰囲気ガス組成に基づいて、クリンカ組成を適正に求めることができる。また、熱力学平衡計算における所定の雰囲気温度及び雰囲気ガス組成は、バーナ近傍の雰囲気温度と雰囲気ガス組成に限らず、灰の付着が生じやすい伝熱管群などの所望の部分の雰囲気温度及び雰囲気ガス組成に基づいて熱力学平衡計算を行って良い。更に、熱力学平衡計算における所定の雰囲気温度及び雰囲気ガス組成は、上述の形態に限らず、加熱炉設計上の最高雰囲気ガス温度及びその部位の雰囲気ガス組成、または、加熱炉設計上の還元度が最も高い(COやHなどの還元性ガスの濃度が最も高い)雰囲気ガス組成とその部位の温度、または、加熱炉の設計データをもとにシミュレーションで算出したバーナ近傍の雰囲気温度及び雰囲気ガス組成を用いても良い。そうすると、加熱炉の状態に依存することなく、また、加熱炉の炉内の雰囲気温度や雰囲気ガス組成を実際に測定することなく、クリンカ組成を計算することができる。
【0034】
ステップS203の熱力学平衡計算の結果に基づいて、成分毎の固相状態分・液相状態分を抽出し、成分毎の初期値(熱力学平衡計算の初期に入力した値のことを意味し、ここでいう「一定量の灰分」の成分毎の値を指す。)との商を取ることにより、「成分毎の融液割合」を算出する(ステップS204)。
【0035】
次に、算出された一定量の灰分についての「灰組成」と「成分毎の融液割合」の積をとることにより、「一定量の灰分のうち溶融状態になっている部分の組成」を計算する(ステップS205)。
【0036】
最後に、「一定量の灰分のうち溶融状態になっている部分の組成」を100%に換算することにより、「クリンカ組成」を計算し(ステップS206)、計算されたクリンカ組成から鉄成分含有率を抽出する(ステップS207)。
【0037】
尚、クリンカ組成の算出は、上述の形態に限らず、予め各固体燃料の灰を所定の雰囲気温度及び雰囲気ガス組成において加熱溶融し、その結果生じる溶融物の成分を直接分析しても良い。そして、クリンカ組成についての鉄成分含有率は、蛍光X線分析法等によって測定された溶融物の成分中の鉄成分の重量割合として算出される。これにより、実際の加熱炉の状況に合わせたクリンカ組成を求めることができる。
【0038】
そして、本実施形態で用いる評価指標であるクリンカ組成中の鉄成分含有率に基づいて、クリンカ灰の大塊の発生の有無を評価する(ステップS102)。ここで、クリンカ灰の大塊の発生の有無は、加熱炉で使用する予定である各固体燃料を燃焼させた場合に、クリンカ灰がクリンカコンベア上で引っ掛かり1次クラッシャに搬送できないケースやクリンカ灰が大きいために1次クラッシャに設置された回転刃にクリンカ灰が噛み込まないケースを調査する。そして、かかるケースに該当すれば、燃焼させた固体燃料のクリンカ組成中の鉄成分含有率に関して、クリンカ灰の大塊の発生が有ると評価する。一方、かかるケースに該当しなければ、燃焼させた固体燃料のクリンカ組成中の鉄成分含有率に関して、クリンカ灰の大塊の発生が無いと評価する。以上により、各固体燃料を燃焼させた場合について、各固体燃料のクリンカ組成中の鉄成分含有率に関して、クリンカ灰の大塊の発生の有無を評価する。
【0039】
次に、ステップS102で行った評価に基づいて、クリンカ灰の大塊の発生が少なくなる(例えば、クリンカ灰の大塊の発生率が10〜30%程度以下。尚、クリンカ灰の大塊の発生率の値は、適宜設定可能である。)鉄成分含有率の基準値を算出する(ステップS103)。
【0040】
そして、使用する予定である固体燃料のクリンカ組成を算出する(ステップS104)。ここで、使用する予定である固体燃料が単種類の固体燃料である場合は選択された単種類の固体燃料についてのクリンカ組成を算出する。即ち、使用する予定である固体燃料が単種類の固体燃料である場合は、選択された固体燃料の混合比率を100%として、クリンカ組成を算出する。また、使用する予定である固体燃料が複数種類の固体燃料である場合は、各固体燃料の混合比率をパラメータとして用い、所定の混合比率で混合した固体燃料の灰組成に基づいて、クリンカ組成を算出する。
【0041】
そして、ステップS104で算出された使用する予定である固体燃料のクリンカ組成中の鉄成分含有率がステップS103で算出した基準値以下であるかどうかを判断する(ステップS105)。
ステップS104で算出された使用する予定である固体燃料のクリンカ組成中の鉄成分含有率がステップS103で算出した基準値以下である場合(ステップS105:YES)は、ステップS104でクリンカ組成を算出した使用する予定である固体燃料を加熱炉に供給する(ステップS106)。ここで、ステップS104でクリンカ組成を算出した使用する予定である固体燃料とは、単種類の固体燃料である場合はステップS104で選択された固体燃料であり、複数種類の固体燃料である場合はステップS104で所定の混合比率で混合された固体燃料である。また、使用する予定である固体燃料が単種類の固体燃料である場合は、ステップS104で選択された固体燃料を、粉砕した後に、燃料として加熱炉に供給する。また、使用する予定である固体燃料が複数種類の固体燃料である場合は、ステップS104で設定した所定の混合比率で各固体燃料を混合し、粉砕した後に、燃料として加熱炉に供給する。ここで、燃料となる固体燃料は、加熱炉に投入される熱量が一定になるように供給量が決定されている。
【0042】
一方、ステップS104で算出された使用する予定である固体燃料のクリンカ組成中の鉄成分含有率がステップS103で算出した基準値以下でない場合(ステップS105:NO)は、ステップS104に戻り、使用する予定である固体燃料が単種類の固体燃料である場合は、既に選択された単種類の固体燃料以外の単種類の固体燃料を選択し、選択された単種類の固体燃料についてのクリンカ組成を算出する。また、使用する予定である固体燃料が複数種類の固体燃料である場合は、各固体燃料の混合比率をパラメータとして用い、既に設定した混合比率以外の混合比率で混合した固体燃料の灰組成に基づいて、クリンカ組成を算出する。
【0043】
次に、本実施形態に係る加熱炉の灰付着抑制装置の一例について、図3に基づいて説明する。図3は、本実施形態に係る加熱炉の灰付着抑制装置を示す概略図である。
【0044】
図2に示すように、加熱炉7は、ホッパ1,2と、燃料供給量調整装置(燃料供給量調整手段)3と、混合機4と、粉砕機5と、バーナ6と、演算機(演算手段)9とを備え、本実施形態に係る加熱炉の灰付着抑制装置は、燃料供給量調整装置3と、演算機9とから構成される。
【0045】
ここで、ホッパ1,2は、灰の性状が異なる2種類の固体燃料をそれぞれ保持するものである。ここで、固体燃料とは、石炭、汚泥炭化物、バイオマス燃料等を含むものである。尚、図2に示すホッパは2つであるが、それに限らず、複数備えることができる。燃料供給量調整装置3は、後述する演算機9で算出された固体燃料の混合比率に基づいて、ホッパ1,2からの固体燃料の切り出し量を調整するものである。混合機4は、燃料供給量調整装置3で切り出された固体燃料を混合するものである。粉砕機5は、混合機4で混合されたあとの固体燃料を粉砕して微粉炭とするものである。バーナ6は、空気と共に吹き込まれた微粉炭を燃焼するものである。加熱炉7は、微粉炭を燃焼させて熱を回収するものである。尚、図示していないが、加熱炉7は、供給された燃料を、バーナ6などで燃焼させて熱を発生させる火炉と、火炉の上方から下流にわたって配置され、内部に燃焼ガスを流動して熱交換を行う伝熱管群とを備えており、加熱炉からでた燃焼ガスは煙突から排出されるようになっている。
【0046】
そして、演算機9は、予め、クリンカ灰の大塊の発生の有無を評価する各固体燃料の灰組成(水分含有率、発熱量、灰分含有率、灰成分の組成等の性状)をデータ8として集積すると共に、クリンカ灰の大塊の発生の有無を評価する固体燃料について本実施形態で用いる評価指標であるクリンカ組成を算出し、クリンカ組成中の鉄成分含有率(例えば、Fe)に基づいて、クリンカ灰の大塊の発生の有無を評価する。ここで、クリンカ灰の大塊の発生の有無を評価する固体燃料とは、加熱炉で使用する予定である単種類の固体燃料及び様々な混合比率で混合された複数種類の固体燃料であり、灰組成は、固体燃料を使用する前に予め実施する蛍光X線分析法等によって測定される。尚、クリンカ組成の算出の手順、及び、クリンカ灰の大塊の発生の有無の評価については、上述した本実施形態に係る加熱炉の灰付着抑制と同様であり、その説明を省略する。そして、クリンカ灰の大塊の発生が少なくなる(例えば、クリンカ灰の大塊の発生率が10〜30%程度以下。尚、クリンカ灰の大塊の発生率の値は、適宜設定可能である。)クリンカ組成中の鉄成分含有率の基準値を算出する。
【0047】
次に、演算機9は、使用する予定である固体燃料が単種類の固体燃料である場合は、選択した単種類の固体燃料のクリンカ組成中の鉄成分含有率が基準値以下であるか判断する。また、使用する予定である固体燃料が複数種類の固体燃料である場合は、各固体燃料の混合比率をパラメータとして用い、所定の混合比率で混合した固体燃料のクリンカ組成中の鉄成分含有率が基準値以下となるか判断する。そして、クリンカ組成中の鉄成分含有率が基準値以下となる場合は、使用する予定である固体燃料が単種類の固体燃料である場合は、選択された単種類の固体燃料を供給し、また、使用する予定である固体燃料が複数種類の固体燃料である場合は、所定の混合比率で混合した固体燃料を供給する。ここで、燃料となる固体燃料は、加熱炉に投入される熱量が一定になるように供給量が決定されている。一方、クリンカ組成中の鉄成分含有率が基準値以下とならない場合は、再度、使用する予定である固体燃料が単種類の固体燃料である場合は、既に選択した単種類の固体燃料以外で選択した単種類の固体燃料のクリンカ組成中の鉄成分含有率が基準値以下であるか判断する。また、使用する予定である固体燃料が複数種類の固体燃料である場合は、各固体燃料の混合比率をパラメータとして用い、既に設定した所定の混合比率以外の所定の混合比率で混合した固体燃料のクリンカ組成中の鉄成分含有率が基準値以下となるか判断する。
【0048】
このように、本実施形態の加熱炉の灰付着抑制方法及び灰付着抑制装置によれば、加熱炉に供給される固体燃料について予め算出した一定量の灰分のうち溶融状態になっている部分の組成を示すクリンカ組成に着目し、クリンカ組成中の鉄成分含有率に基づいて、クリンカ灰の大塊の発生の有無を評価し(クリンカ灰がクリンカコンベア上で引っ掛かり1次クラッシャに搬送できないケースやクリンカ灰が大きいために1次クラッシャに設置された回転刃にクリンカ灰が噛み込まないケースを調査する)、クリンカ灰の大塊の発生が少なくなるような、クリンカ組成中の鉄成分含有率の基準値を算出している。従って、本発明で新たに構築した評価指数であるクリンカ組成中の鉄成分含有率に基づいて、クリンカ組成中の鉄成分含有率が基準値以下になるように、単種類の固体燃料を選択する、或いは、複数種類の固体燃料の混合比率を決定することにより、加熱炉におけるクリンカ灰の大塊の発生を抑制し、ひいては、灰の付着を抑制することができる。そして、クリンカ灰の大塊の生成率を常に低く維持できるように制御されるので、低融点灰を持つ固体燃料も有効に活用しつつ、クリンカ灰の大塊の生成によるトラブルを回避することができる。
【実施例】
【0049】
次に、加熱炉の灰付着抑制方法及び灰付着抑制装置の実施例について説明する。本実施例では、発熱量が700MW級の実缶加熱炉にて、灰の組成が異なる微粉炭を燃焼させて実験を行い、クリンカ灰の大塊の発生の有無を評価した。実験においては、クリンカ灰がクリンカコンベア上で引っ掛かり1次クラッシャに搬送できないケースやクリンカ灰が大きいために1次クラッシャに設置された回転刃にクリンカ灰が噛み込まないケースを調査した。本実施例では、鉄成分含有率として、Fe含有率を求めた。
【0050】
図4に、本実施例の実験で使用した固体燃料のクリンカ組成におけるFe含有率に関するクリンカ灰の大塊の発生の有無を示す。本実施例では、縦軸がクリンカ問題の有・無を示しており、クリンカ灰の大塊の発生が有った場合を、●で示し、クリンカ灰の大塊の発生が無かった場合を、○で示している。また、横軸がクリンカ組成中の鉄成分含有率(Fe2O3)を示している。本実施例では、クリンカ組成を、雰囲気温度が1500℃、雰囲気ガス組成が0:0%、CO:8.2%、CO:12.3%、H:1.5%:HO:7.4%、N:70.6%の条件において、熱力学的に最も安定する、つまりギブスの自由エネルギー(△G)がゼロに近くなる状態の組成や相を熱力学平衡計算により算出した。
【0051】
図4に示すように、本実施例においては、クリンカ組成中のFeが7%を超えると、クリンカ灰の大塊の発生するケースが急激に増加するが、クリンカ組成中のFeの割合が7%以下であると、クリンカ灰の大塊の発生するケースが格段に減少することが分かる。このことから、クリンカ組成中のFeの基準値を7%として、単種類の微粉炭を選択し、或いは、複数種類の微粉炭の混合比率を調整すれば、クリンカ灰の大塊が発生するのを抑制し、ひいては、灰が付着するのを抑制することにより、加熱炉を安定運用させることができる。そして、クリンカ灰の大塊の生成率を常に低く維持できるように制御されるので、低融点灰を持つ固体燃料も有効に活用しつつ、クリンカ灰の大塊の生成によるトラブルを回避することができる。
【0052】
ここで、上述の実施例では、クリンカ灰の大塊の発生するケースが格段に減少しているクリンカ組成中のFeの基準値を7%と算出しているが、それに限らない。図4に基づくと、クリンカ組成中のFeが7〜9%であれば、クリンカ灰の大塊の発生率が10〜30%程度以下となるため、クリンカ組成中のFeの基準値を7〜9%と算出しても良い。
【符号の説明】
【0053】
3 燃料供給量調整装置(燃料供給量調整手段)
7 加熱炉
9 演算機(演算手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
単種類或いは複数種類の固体燃料を供給する加熱炉において、灰付着を抑制するための灰付着抑制方法であって、
単種類或いは複数種類の固体燃料のそれぞれについて予め算出した一定量の灰分のうち溶融状態になっている部分の組成を示すクリンカ組成中の鉄成分含有率に基づいて、クリンカ灰の大塊の発生の有無を評価して、前記クリンカ灰の大塊の発生が少なくなる前記クリンカ組成中の鉄成分含有率の基準値を算出し、
前記クリンカ組成中の鉄成分含有率が前記基準値以下になるように、前記単種類の固体燃料を選択し、或いは、前記複数種類の固体燃料の混合比率を決定し、
前記単種類の固体燃料、或いは、前記混合比率に基づいて混合した前記複数種類の固体燃料を、燃料として加熱炉に供給することを特徴とする加熱炉の灰付着抑制方法。
【請求項2】
前記クリンカ組成は、単種類或いは複数種類の固体燃料のそれぞれについて、一定量の灰分を予め所定の雰囲気温度及び雰囲気ガス組成において加熱溶融し、その結果生じる溶融物の組成を分析することにより、前記一定量の灰分のうち溶融状態になっている部分の組成から算出されることを特徴とする請求項1に記載の加熱炉の灰付着抑制方法。
【請求項3】
前記クリンカ組成は、単種類或いは複数種類の固体燃料それぞれについて予め測定した灰組成に基づいて、一定量の灰分について所定の雰囲気温度及び雰囲気ガス組成において熱力学平衡計算し、前記熱力学平衡計算の結果から成分毎の液相状態分を抽出し、抽出された前記成分毎の液相状態分と初期値との商をとることにより成分毎の融液割合を求め、算出された前記成分毎の融液割合と前記灰組成の積により、前記一定量の灰分のうち溶融状態になっている部分の組成から算出されることを特徴とする請求項1に記載の加熱炉の灰付着抑制方法。
【請求項4】
前記所定の雰囲気温度及び雰囲気ガス組成は、バーナ近傍の雰囲気温度及び雰囲気ガス組成であることを特徴とする請求項2または3に記載の加熱炉の灰付着抑制方法。
【請求項5】
前記所定の雰囲気温度及び雰囲気ガス組成は、加熱炉設計上の最高雰囲気温度及びその部位の雰囲気ガス組成、または、加熱炉設計上の還元度が最も高い雰囲気ガス組成とその部位の温度、または、加熱炉の設計データをもとにシミュレーションで算出したバーナ近傍の雰囲気温度及び雰囲気ガス組成であることを特徴とする請求項2または3に記載の加熱炉の灰付着抑制方法。
【請求項6】
前記鉄成分含有率をFe含有率とし、前記基準値を7〜9%とすることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の加熱炉の灰付着抑制方法。
【請求項7】
単種類或いは複数種類の固体燃料を供給する加熱炉において、灰付着を抑制するための灰付着抑制装置であって、
単種類或いは複数種類の固体燃料のそれぞれについて予め算出した一定量の灰分のうち溶融状態になっている部分の組成を示すクリンカ組成中の鉄成分含有率に基づいて、クリンカ灰の大塊の発生の有無を評価して、前記クリンカ灰の大塊の発生が少なくなる前記クリンカ組成中の鉄成分含有率の基準値を算出すると共に、
前記クリンカ組成中の鉄成分含有率が前記基準値以下になるように、前記単種類の固体燃料を選択し、或いは、前記複数種類の固体燃料の混合比率を決定する演算手段と、
前記単種類の固体燃料、或いは、前記混合比率に基づいて混合した前記複数種類の固体燃料を、燃料として加熱炉に供給する燃料供給量調整手段と、を備えることを特徴とする加熱炉の灰付着抑制装置。
【請求項8】
前記クリンカ組成は、単種類或いは複数種類の固体燃料のそれぞれについて、一定量の灰分を予め所定の雰囲気温度及び雰囲気ガス組成において加熱溶融し、その結果生じる溶融物の組成を分析することにより、前記一定量の灰分のうち溶融状態になっている部分の組成から算出されることを特徴とする請求項7に記載の加熱炉の灰付着抑制装置。
【請求項9】
前記クリンカ組成は、単種類或いは複数種類の固体燃料それぞれについて予め測定した灰組成に基づいて、一定量の灰分について所定の雰囲気温度及び雰囲気ガス組成において熱力学平衡計算し、前記熱力学平衡計算の結果から成分毎の液相状態分を抽出し、抽出された前記成分毎の液相状態分と初期値との商をとることにより成分毎の融液割合を求め、算出された前記成分毎の融液割合と前記灰組成の積により、前記一定量の灰分のうち溶融状態になっている部分の組成から算出されることを特徴とする請求項7に記載の加熱炉の灰付着抑制装置。
【請求項10】
前記所定の雰囲気温度及び雰囲気ガス組成は、バーナ近傍の雰囲気温度及び雰囲気ガス組成であることを特徴とする請求項8または9に記載の加熱炉の灰付着抑制装置。
【請求項11】
前記所定の雰囲気温度及び雰囲気ガス組成は、加熱炉設計上の最高雰囲気温度及びその部位の雰囲気ガス組成、または、加熱炉設計上の還元度が最も高い雰囲気ガス組成とその部位の温度、または、加熱炉の設計データをもとにシミュレーションで算出したバーナ近傍の雰囲気温度及び雰囲気ガス組成であることを特徴とする請求項8または9に記載の加熱炉の灰付着抑制装置。
【請求項12】
前記鉄成分含有率をFe含有率とし、前記基準値を7〜9%とすることを特徴とする請求項7〜11のいずれか一項に記載の加熱炉の灰付着抑制装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−242126(P2012−242126A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−109594(P2011−109594)
【出願日】平成23年5月16日(2011.5.16)
【出願人】(000001199)株式会社神戸製鋼所 (5,860)