説明

加熱薬、着火薬および発煙筒

【課題】発煙筒、発煙弾、花火、発破等に用いられ、環境および人畜に対して可及的に無害である加熱薬および着火薬を提供すると共に、これら加熱薬および着火薬を具備し、従来の鉛化合物を含有した発煙筒と同等の発煙性を維持しつつ、毒性がなく、煤や刺激臭の発生が防止された発煙筒を提供すること。
【解決手段】(1)鉛酸化物無含有および有機物燃料無含有であって、ケイ素および金属酸化物を含有して成ることを特徴とする加熱薬。(2)鉛酸化物無含有であって、アルカリ金属の硝酸塩、ケイ素および金属酸化物を含有して成ることを特徴とする着火薬。(3)パラフィンを含有し、筒体に形成された発煙薬と、前記筒体の内側空間に装填された加熱薬と、前記加熱薬を着火させるための着火薬を具備する着火手段とを備えて成る発煙筒において、前記加熱薬が、前記(1)の加熱薬であり、前記着火薬が、前記(2)の着火薬であることを特徴とする発煙筒。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、加熱薬、着火薬および発煙筒に関し、さらに詳しくは、発煙筒、発煙弾、花火、発破等に用いられ、環境および人畜に対して可及的に無害である加熱薬および着火薬に関し、さらにこれら加熱薬および着火薬を具備し、優れた発煙性を有する発煙筒に関する。
【背景技術】
【0002】
発煙筒は、異常発生報知手段として用いられる外に、防災訓練の際の擬似火災発生報知手段、登山時の遭難救助用信号手段、または各種気密試験、演劇、映画もしくは写真撮影時等における特殊効果用手段等として、多様な目的に使用されている。
【0003】
このような状況下に用いられる発煙筒は、一般的に、発煙薬と、この発煙薬を加熱する加熱薬と、この加熱薬を着火させるための着火薬とを具備する着火手段等を筒状容器内に収納して構成されている。
【0004】
従来から、発煙薬としては、パラフィンを主成分とする混合剤が使用されている。また、加熱薬としては、四三酸化鉛、ケイ素粉末、二酸化マンガン、酸化第二銅、有機物燃料としてのデキストリン等を含有する混合剤、そして、着火薬としては、四三酸化鉛、ケイ素粉末、酸化第二銅を含有する混合剤が、それぞれ使用されている。
【0005】
近年、前記発煙筒は、防災訓練用として、また、登山時の遭難救助用として、その開発が進められている。このような発煙筒は、小型軽量であることに加えて環境および人畜に無害であることが要求される。
【0006】
前記した従来の発煙筒は、加熱薬および着火薬の成分として、毒性を有する鉛化合物が含有されているため、防災訓練等の大規模な使用状況下においてはもとより、携帯用として適当であるとは言い難い発煙筒であった。また、従来の発煙筒においては、発煙の際に煤や刺激臭が発生するという問題もあった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この発明は、このような問題を解消し、発煙筒、発煙弾、花火、発破等に用いられ、環境および人畜に対して可及的に無害である加熱薬および着火薬を提供すると共に、これら加熱薬および着火薬を具備し、従来の鉛化合物を含有した発煙筒と同等の発煙性を維持しつつ、毒性がなく、煤や刺激臭の発生が防止された発煙筒を提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、前記課題を解決するために、種々検討を重ねた結果、毒性を有する鉛酸化物を含有する加熱薬に代えて、鉛酸化物無含有で、ケイ素および金属酸化物を含有して成る混合剤を加熱薬とし、毒性を有する鉛酸化物を含有する着火薬に代えて、鉛酸化物無含有で、アルカリ金属の硝酸塩、ケイ素および金属酸化物を含有して成る混合剤を着火薬とすることによって、前記課題が解決できるということを見出し、この知見に基づいてこの発明を完成するに到った。
【0009】
すなわち、この発明の前記課題を解決するための第1の手段は、
(1)鉛酸化物無含有および有機物燃料無含有であって、ケイ素および金属酸化物を含有して成ることを特徴とする加熱薬である。
【0010】
この第1の手段における好ましい態様としては、前記ケイ素の平均粒径が大きくとも00μmであり、前記金属酸化物が鉄酸化物、銅酸化物、亜鉛酸化物、ニッケル酸化物、錫酸化物およびマグネシウム酸化物から選ばれた少なくとも一種である加熱薬を挙げることができる。
【0011】
この発明の前記課題を解決するための第2の手段は、
(2)鉛酸化物無含有であって、アルカリ金属の硝酸塩、ケイ素および金属酸化物を含有して成ることを特徴とする着火薬である。
【0012】
この第2の手段における好ましい態様としては、前記アルカリ金属の硝酸塩が硝酸カリウムであり、前記ケイ素の平均粒径が大きくとも100μmであり、前記金属酸化物が銅酸化物である着火薬を挙げることができる。
【0013】
また、この発明の前記課題を解決するための第3の手段は、
(3)パラフィンを含有する、筒体に形成された発煙薬と、前記筒体の内側空間に装填された加熱薬と、前記加熱薬を着火させるための着火薬を具備する着火手段とを備えて成る発煙筒において、前記加熱薬が、前記(1)の加熱薬であり、前記着火薬が、前記(2)の着火薬であることを特徴とする発煙筒である。
【発明の効果】
【0014】
この発明によれば、毒性を有する鉛酸化物を含有する加熱薬に代えて、鉛酸化物無含有で、ケイ素および金属酸化物を含有して成る混合剤を加熱薬とし、毒性を有する鉛酸化物を含有する着火薬に代えて、鉛酸化物無含有で、アルカリ金属の硝酸塩、ケイ素および銅酸化物を含有して成る混合剤を着火薬とすることから、発煙筒、発煙弾、花火、発破等に用いられ、環境および人畜に対して可及的に無害である加熱薬および着火薬が提供されると共に、これら加熱薬および着火薬を具備し、従来の鉛化合物を含有した発煙筒と同等の発煙性を維持しつつ、毒性がなく、煤や刺激臭の発生が防止された発煙筒が提供され、発煙筒等の設計および作製分野に寄与するところはきわめて大きい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
(1)この発明の加熱薬は、鉛酸化物無含有および有機物燃料無含有であって、ケイ素および金属酸化物を含有して成る。
【0016】
この発明の加熱薬は、鉛酸化物、例えば、従来使用されていた四三酸化鉛を含有していないため、使用時に鉛および鉛酸化物を生じることがなく、環境に対する負荷のない加熱薬となる。また、人畜無害であり、安全性が高いという利点がある。さらに、従来の加熱薬に含有されていたデキストリン等の有機物燃料を含有していないため、煤や炭酸ガスの発生が抑制されるという効果をも奏する。
【0017】
用いるケイ素は、粒径が小さいことが好ましい。特にその平均粒径が大きくとも100μmであることが好ましく、下限値としては、1〜2μmの範囲にあることが好ましい。粒径が大きいケイ素が多くなると、感度が低下し、また、燃焼速度も低下して、着火しないことがある。
【0018】
また、用いる金属酸化物に特に制限はないが、鉄酸化物、銅酸化物、亜鉛酸化物、ニッケル酸化物、錫酸化物およびマグネシウム酸化物から選ばれた少なくとも一種の金属酸化物を挙げることができる。これら金属酸化物の中でも、鉄酸化物および銅酸化物が好ましい。この鉄酸化物としては、一酸化鉄(FeO)、三酸化二鉄(Fe)および酸化二鉄(Fe)を挙げることができ、酸素含有量が多いことから、一酸化鉄(FeO)が好適である。このとき、一酸化鉄(FeO)を主成分とする限り、三酸化二鉄(Fe)および/または酸化二鉄(Fe)が混在することを妨げることはない。
【0019】
また、前記銅酸化物としては、酸化第一銅(CuO)、酸化第二銅(CuO)のいずれであってもよいが、酸素の含有量から、酸化第二銅(CuO)が好ましい。この発明の加熱薬は、ケイ素および金属酸化物を含有する限り、所望により他の成分、例えば、アルカリ金属の硝酸塩および/または鉄粉を含有していてもよい。
【0020】
この発明の加熱薬において、用いるケイ素と金属酸化物との混合割合に特に制限はないが、両者の合計質量を100質量部としたとき、ケイ素が通常は、20〜70質量部であり、好ましくは、30〜60質量部である。ケイ素の混合割合が20質量部未満の場合、または70質量部を越える場合は、発熱量が不足して、着火しないことがあるので好ましくない。
【0021】
前記アルカリ金属の硝酸塩としては、例えば、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム等を挙げることができ、特に硝酸カリウムが好ましい。鉄粉は、加熱薬を所定温度に調節する作用を有し、鉄分が所定の温度で溶融状態を保つことにより、例えば、発煙薬中のパラフィンが所定の時間、発煙を持続させることができる。
【0022】
アルカリ金属の硝酸塩および/または鉄粉の混合割合についても特に制限はないが、前記ケイ素と金属酸化物との合計100質量部に対し、アルカリ金属の硝酸塩が、通常は、0〜30質量部であり、好ましくは、10〜20質量部である。また、前記ケイ素と金属酸化物との合計100質量部に対し、鉄粉が、通常は、0〜60質量部であり、好ましくは、30〜40質量部である。
【0023】
この発明の加熱薬は、前記の加熱薬の各成分を所定割合で混合し、得られた混合物に水または溶剤を加えて混練、成型および乾燥することによって調製することができる。また、前記混合物をそのまま袋等に詰め、または直接、圧填することによっても調製することができる。
【0024】
(2)この発明の着火薬は、鉛酸化物無含有であって、アルカリ金属の硝酸塩、ケイ素および金属酸化物を含有して成る。
【0025】
この発明の着火薬は、前記加熱薬と同様に、鉛酸化物、例えば、従来使用されていた四三酸化鉛を含有していないため、環境に対する負荷がなく、人畜無害の着火薬である。
【0026】
用いるアルカリ金属の硝酸塩としては、前記加熱薬において、所望により用いるアルカリ金属の硝酸塩と変わるところはなく、また、ケイ素および金属酸化物としても、前記加熱薬において、必須の成分として用いるケイ素および金属酸化物と変わるところはない。
【0027】
この発明の着火薬において、用いるアルカリ金属の硝酸塩、ケイ素および金属酸化物の混合割合に特に制限はないが、三者の合計質量を100質量部としたとき、アルカリ金属の硝酸塩が通常は、5〜20質量部であり、好ましくは、10〜15質量部である。アルカリ金属の硝酸塩の混合割合が5質量部未満では、着火しないことがあり、20質量部を越えると、発炎することがあるので好ましくない。
【0028】
また、前記三者の合計質量を100質量部としたとき、ケイ素が通常は、50〜80質量部であり、好ましくは、60〜70質量部である。ケイ素の混合割合が50質量部未満の場合、または80質量部を越える場合は、発熱量が不足して、着火しないことがあるので好ましくない。
【0029】
さらに、前記三者の合計質量を100質量部としたとき、金属酸化物が通常は、10〜40質量部であり、好ましくは、20〜30質量部である。金属酸化物の混合割合が10質量部未満では、着火しないことがあり、40質量部を越えると、発炎することがあるので好ましくない。
【0030】
この発明の着火薬は、前記の着火薬の各成分を所定割合で混合し、得られた混合物に水または溶剤を加えて混練、成型および乾燥することによって調製することができる。また、前記混合物をそのまま袋等に詰め、または直接、圧填することによっても調製することができる。
【0031】
この発明に係る前記(1)の加熱薬および前記(2)の着火薬は、発煙筒、発煙弾、花火、発破等に用いられる加熱薬および着火薬として有用であるが、これらの中でも、異常発生周知手段として、防災訓練の際の擬似火災発生告知手段として、または各種気密試験、演劇、映画もしくは写真撮影時等における特殊効果用手段等として用いられる発煙筒に好適な加熱薬および着火薬である。
【0032】
(3)この発明の発煙筒は、パラフィンを含有する、筒体に形成された発煙薬と、前記筒体の内側空間に装填された加熱薬と、前記加熱薬を着火させるための着火薬を具備する着火手段とを備えて成る発煙筒において、前記加熱薬が、前記(1)の加熱薬であり、前記着火薬が、前記(2)の着火薬である。
【0033】
この発明の発煙筒において用いられる発煙薬は、パラフィンを主成分として含有している。このパラフィンとしては、炭素数18以上の固形パラフィンであることが好ましい。また、発煙薬は、他の成分として、ゲル状軽油、ゲル状灯油等のゲル状オイル成分を含有していてもよい。また、重炭酸ナトリウムのようなアルカリ金属の炭酸塩を含有していることが好ましい。さらに、必要に応じて発煙を着色するための各種の着色剤を含有していてもよい。
【0034】
前記発煙薬に、パラフィン以外の成分、例えば、重炭酸ナトリウムを含有させるときは、前記パラフィンと重炭酸ナトリウムとの合計質量を100質量部としたとき、重炭酸ナトリウムが通常は、30〜60質量部であり、好ましくは、40〜50質量部である。
【0035】
この発明の発煙筒の一例を、図1に基づいて説明する。発煙筒1は、筒体2と内筒3とから成り、この筒体2の上部開口縁部に、防湿用の、例えば、プルトップ方式の外蓋4と、この外蓋4の下方に、噴煙孔を備えた内蓋5が筒体2に接合されている。内筒3は、通常は紙製である。
【0036】
そして、筒体2の上部空間は、着火時に炎が生じた際、その炎が筒体2から外部に表出することを防止するために形成されたもので、さらに必要に応じて、減熱剤12を配置する。この減熱剤12を固定し、防炎の役目をも果たすために、金網6が配設されている。金網押さえ7は、金網6を固定し、かつ前記上部空間を形成している。減熱剤12としては、例えば、重曹粒等を挙げることができる。
【0037】
8は押さえ間座を、9は間座を、10は点火星を、11は速火線を、13は着火薬を、14は加熱薬を、15は発煙薬を表す。この発明の発煙筒は、加熱薬14として、この発明の前記(1)の加熱薬が用いられ、着火薬13として、この発明の前記(2)の着火薬が用いられている。
【0038】
内筒3には、円筒形の発煙薬15が収納され、この円筒形の発煙薬15の空間内に、円柱形の加熱薬14が装填されている。加熱薬14の上面と発煙薬15の上端内壁とに囲繞された空間には、着火薬13が配置されている。また、筒体2の内部底面と内筒3との間には、筒体2が過度に熱くなることを防止するために、必要に応じて、間座9を入れてもよい。
【0039】
着火薬13の内部には、速火線11の一端が挿通または上部に据置されており、速火線11の他端は、着火薬13上面に配置された押さえ間座8の孔および金網6の孔を通って内蓋5に係止された点火星10に結合されている。つまり、前記の着火薬13、速火線11および点火星10により着火手段が構成されている。なお、点火星10は、電気式点火具または摩擦式点火具に替えることができる。
【0040】
なお、図1には、筒体2として円筒型を示しているが、必ずしも円筒型であることを要せず、角筒型であってもよい。また、図1には、筒体2が単一の筒体として表されているが、複数の筒体2を一体的束ねて用いてもよい。この筒体2は、通常は金属製である。
【0041】
このように構成された発煙筒1は、次のようにして使用する。すなわち、外蓋4を外し、点火星10を使用する場合、すり板等によって点火星10に点火すると、速火線11を介して着火薬13が着火する。
【0042】
着火薬13が着火後燃焼するに従い、加熱薬14が発火する。加熱薬14の発火、燃焼は周囲の発煙薬15を加熱し、加熱された発煙薬15は燃焼することなく、発煙薬15中のパラフィンおよび場合によってはそれと同時に着色剤が蒸発し、筒体2の上方開口から噴出し、外気によって冷却されて液滴化し、白色または着色した煙となる。
【0043】
この一連の燃焼反応において、着火薬13および加熱薬14には、四三酸化鉛のような鉛化合物が含有されていないため、使用時に鉛および鉛酸化物を生じることがなく、環境に対する負荷のない着火薬および加熱薬となる。また、人畜無害であり、安全性が高いという利点がある。このため、防災訓練の際の擬似火災発生告知手段、登山時の遭難救助用手段、または各種気密試験、演劇、映画もしくは写真撮影時等における特殊効果用手段等として、多様な目的に使用され、きわめて高い安全性を確保することのできる発煙筒となる。
【実施例】
【0044】
以下に、実施例を挙げてこの発明をさらに詳しく説明するが、この実施例によってこの発明はなんら限定されることはない。
(実施例1)
【0045】
表1に示した混合割合で、着火薬、加熱薬および発煙薬の成分をそれぞれ混合し、この混合物を圧填して、着火薬、加熱薬および発煙薬を調製した。
【0046】
【表1】

(実施例2)
【0047】
表2に示した混合割合で、着火薬、加熱薬および発煙薬の成分をそれぞれ混合し、実施例1と同様にして、着火薬、加熱薬および発煙薬を調製した。
【0048】
【表2】

(比較例1)
【0049】
表3に示した混合割合で、着火薬、加熱薬および発煙薬の成分をそれぞれ混合し、実施例1と同様にして、着火薬、加熱薬および発煙薬を調製した。
【0050】
【表3】

(実施例3)
【0051】
実施例1で調製した着火薬、加熱薬および発煙薬を用い、図1に示す発煙筒を作製し、評価に供した。
〔評価〕
【0052】
発煙筒(白)を密閉状態の試験場内で点火、燃焼させ、煙中のガス成分をガス検知管(株式会社ガステック製)を用いて測定した。このガス成分(ppm)の測定は、1本づつ2本(1回目および2回目)燃焼させて、1回目の値および2回目の値を測定し、これらの平均値を求めた。結果を表4に示す。
【0053】
【表4】

(比較例2)
【0054】
比較例1で調製した着火薬、加熱薬および発煙薬を用い、図1に示す発煙筒を作製し、実施例3と同様の評価を行った。ただし、燃焼は1本のみである。結果を表5に示す。
【0055】
【表5】

【0056】
表4および表5に示す結果から、比較例2に記載の発煙筒に対し、実施例3に記載の発煙筒においては、発生する炭酸ガスの量が半減し、一酸化炭素ガスの量も低減されていることが分る。よって、この発明の発煙筒は、環境に対する負荷の少ない発煙筒としてきわめて有用である。
【0057】
なお、この発明の加熱薬においては、実施例1に記載の加熱薬のように、硝酸塩を含有しない場合、火薬取締法に基づく火薬類とはみなされず、発煙筒に使用する火薬の総量を15g以下にすることができるため、玩具煙火に分類されるので、運搬、貯蔵、消費等の取り扱いを容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】この発明の発煙筒の一例を示す縦断面図である。
【符号の説明】
【0059】
1 発煙筒
2 筒体
3 内筒
4 外蓋
5 内蓋
6 金網
7 金網押さえ
8 押さえ間座
9 間座
10 点火星
11 速火線
12 減熱剤
13 着火薬
14 加熱薬
15 発煙薬

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉛酸化物無含有および有機物燃料無含有であって、ケイ素および金属酸化物を含有して成ることを特徴とする加熱薬。
【請求項2】
前記ケイ素の平均粒径が大きくとも100μmであり、前記金属酸化物が鉄酸化物、銅酸化物、亜鉛酸化物、ニッケル酸化物、錫酸化物およびマグネシウム酸化物から選ばれた少なくとも一種である請求項1に記載の加熱薬。
【請求項3】
鉛酸化物無含有であって、アルカリ金属の硝酸塩、ケイ素および金属酸化物を含有して成ることを特徴とする着火薬。
【請求項4】
前記アルカリ金属の硝酸塩が硝酸カリウムであり、前記ケイ素の平均粒径が大きくとも100μmであり、かつ前記金属酸化物が銅酸化物である請求項3に記載の着火薬。
【請求項5】
パラフィンを含有する、筒体に形成された発煙薬と、前記筒体の内側空間に装填された加熱薬と、前記加熱薬を着火させるための着火薬を具備する着火手段とを備えて成る発煙筒において、前記加熱薬が、前記請求項1または2に記載の加熱薬であり、前記着火薬が、前記請求項3または4に記載の着火薬であることを特徴とする発煙筒。

【図1】
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