加熱装置
【課題】複数の加熱手段を備えたキッチン用の加熱装置において、トッププレート上に調理容器を仮置き等ができるキッチン用の加熱装置を提供する。
【解決手段】複数の加熱手段を備えたキッチン用の加熱装置1において、耐熱性を有するトッププレート3の上に複数の加熱手段を配置する第1領域が設けられるとともに、前記第1領域とは別に耐熱性を有するトッププレート3で形成された調理容器を載置できる第2領域が設けられてなる。
【解決手段】複数の加熱手段を備えたキッチン用の加熱装置1において、耐熱性を有するトッププレート3の上に複数の加熱手段を配置する第1領域が設けられるとともに、前記第1領域とは別に耐熱性を有するトッププレート3で形成された調理容器を載置できる第2領域が設けられてなる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の加熱手段(ガス、電気、磁場等)を備えたユニットとしての加熱装置、もしくはキッチンに配された台(キッチンカウンター等)の上面に複数の加熱手段(ガス、電気、磁場等)が配置されている加熱装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、加熱手段としてガス、電気、磁場等を利用した加熱装置が存在するが、例えば複数の加熱手段(ガス)を備えた移動可能な加熱装置として、図10に示すような加熱装置がある。この種の加熱装置はその上面にステンレスや耐熱樹脂等で構成された耐熱性を有するトッププレート31が配置されており、その上に複数のガスコンロが配置されている。加熱装置は、例えば人工大理石等で覆われたキッチンカウンター30にトッププレート31が隣接するように配置され、このトッププレート31の右手前にはハイカロリー用のバーナ32、左手前には標準カロリー用のバーナ33、中央奥には小カロリー用のバーナ34が搭載され、奥の左右に排気口35を備え、トッププレート31の手前に各バーナを操作し、表示するための操作表示部36が配置されている(以下、「従来技術1」という。例えば、特許文献1参照)。
【0003】
さらに、加熱調理器のトッププレート上に複数の加熱手段を備えた加熱調理器として、図11に示すように、本体40の内部冷却用の吸気口(図示せず)が本体40の前面に設けられ、排気口43が奥側の左に配置され、トッププレート41上の複数の加熱手段42a〜42cのうち最後方に位置する加熱手段42cが本体の左右方向中心からずれた位置で、かつ排気口43の略隣に配設され、本体手前側左右に設けられた加熱手段42a,42bが前後にずれて配置されたものが知られている(以下、「従来技術2」という。例えば、特許文献2参照)。
【0004】
しかしながら、従来技術1の加熱装置は、排気口35を左右に分割してその中央に小カロリー用のバーナ34を配置するなどして、矩形状のトッププレート31に、3個のバーナ、排気口35および操作表示部36を効率よく配置する点に特徴を有するものであり、トッププレート31上に調理容器を置くことについてまで考慮されていないため、トッププレート31上に調理容器を仮置きするスペースがないという問題があった。
【0005】
また、従来技術2の加熱調理器は、複数の加熱手段42a〜42c上に複数の調理容器を置いて調理をする場合の調理容器同士の干渉による鍋ずれからなる加熱ムラを防ぐことを目的としたものであって、トッププレート上に調理容器を置くことについては考慮されていないため、トッププレート上に調理容器を置く余裕がなく、調理容器の仮置きをすることができないという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−139312号公報
【特許文献2】特開2010−60171号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記のような従来技術の問題点を解決するためになされたもので、複数の加熱手段を備えたキッチン用の加熱装置において、トッププレート上に調理容器を仮置き等ができるキッチン用の加熱装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために、本発明の加熱装置は、
複数の加熱手段を備えたキッチン用の加熱装置において、耐熱性を有するトッププレートの上に複数の加熱手段を配置する第1領域が設けられるとともに、前記第1領域とは別に耐熱性を有するトッププレートで形成された調理容器を載置できる第2領域が設けられてなることを特徴としている。
この特徴によれば、加熱手段の高温部位にあたる第1領域とは別に、耐熱性を有するトッププレートで形成された第2領域が設けられているため、調理容器の温度に係らずに調理容器を載置できる専用の載置場所を確保できることになる。
【0009】
本発明の加熱装置は、
前記耐熱性を有するトッププレートがキッチンカウンター内に配置されるとともに、少なくとも前記トッププレートで形成された第2領域と、キッチンカウンター領域とが、目視により識別可能に配設されていることを特徴としている。
この特徴によれば、調理容器の載置が容易に認識できるため、比較的耐熱性の落ちるキッチンカウンターへの高温状態の調理容器の載置を防止できることになる。
【0010】
本発明の加熱装置は、
前記耐熱性を有するトッププレートがキッチンカウンターと識別可能になっており、前記耐熱性を有するトッププレートの角部が円弧状に形成された一枚板により構成されてなることを特徴としている。
この特徴によれば、トッププレートの角部が円弧状に形成された一枚板で構成されており、人工大理石などで形成されたキッチンカウンターとの継ぎ目部分に対し連続してシールを施すことができるため、キッチンカウンターとトッププレートとの密閉性を高めることができる。
【0011】
本発明の加熱装置は、
前記耐熱性を有するトッププレートがキッチンカウンターと識別可能になっており、前記耐熱性を有するトッププレートが複数に分離された状態で、キッチンカウンターに配置されてなることを特徴としている。
この特徴によれば、キッチンカウンターの設計においてデザイン性を向上できるばかりか、トッププレートの使用量を最少化できることになる。
【0012】
本発明の加熱装置は、
前記トッププレートの後方のガス加熱手段の斜め後方の少なくとも一方にはグリル排気用の排気口が設けられてなることを特徴としている。
この特徴によれば、排気口を設けるスペースを別途用意することなく、排気口を加熱手段の周囲に効率よく配置できるので、仮置きスペースを確保しつつ、トッププレートの面積を比較的小さくできる。
【0013】
本発明の加熱装置は、
前記加熱手段はガスバーナであって、前記トッププレートのガスバーナの開口周囲は上方にせり上げられるとともに、前記排気口の周囲も上方にせり上げられることを特徴としている。
この特徴によれば、調理中に煮こぼれが発生しても、煮汁がガスバーナおよび排気口に浸入することを防止できる。
【0014】
本発明の加熱装置は、
前記ガスバーナの開口周囲の上方にせり上げられた部の周囲はトッププレートの面より低い凹状に形成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、煮こぼれがあっても凹状部で捕集することができ、ガスバーナに煮汁が及ぶことを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施例1における加熱装置の斜視図である。
【図2】本発明の実施例1における加熱装置のトッププレートの形状並びに加熱手段及び排気口の位置を示す平面図である。
【図3】本発明の実施例2における加熱装置のトッププレートの形状並びに加熱手段及び排気口の位置を示す平面図である。
【図4】本発明の実施例3における加熱装置のトッププレートの形状並びに加熱手段及び排気口の位置を示す平面図である。
【図5】本発明の実施例4における加熱装置のトッププレートの形状並びに加熱手段及び排気口の位置を示す平面図である。
【図6】本発明の実施例5における加熱装置のトッププレートの形状並びに加熱手段及び排気口の位置を示す平面図である。
【図7】本発明の実施例6における加熱装置のトッププレートの形状並びに加熱手段及び排気口の位置を示す平面図である。
【図8】本発明における加熱手段に電磁加熱手段を利用した変形例を示す平面図である。
【図9】本発明の実施例1〜7における加熱手段の付近を示す側面断面図である。
【図10】従来技術1を示す平面図である。
【図11】従来技術2を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係る加熱装置を実施するための形態を図面を参照しながら詳細に説明するが、本発明はこれに限定されて解釈されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々の変更、修正、改良を加えうるものである。
【実施例1】
【0017】
図1は、本発明の実施の形態1における加熱装置の斜視図であり、図2は本発明の実施例1における加熱装置のトッププレートの形状並びに加熱手段及び排気口の位置を示す平面図である。
【0018】
図1において、加熱装置1は、ガスバーナからなるガス加熱手段4a〜4c、グリル20、混合管(図示せず)、などを備える加熱ユニットを、キッチン台正面側から挿入した後、人工大理石などから製作されるキッチンカウンター2に設けられた開口部上方より、主にステンレスなどの金属あるいは耐熱ガラスなどから製作されるトッププレート3が取り付けられて構成されている。なおトッププレート3には予め排気口5やバーナヘッド部7が貫通する孔が形成されている。
【0019】
本実施例の加熱装置1は、トッププレート3上には、3つのガス加熱手段4a〜4c及びグリル排気用の排気口5が備えられており、鍋底センサ6、バーナヘッド部7、及びバーナヘッド部7の下方に接続される混合管(図示されていない)などを備えるものであるが、その詳細な説明は省略する。図1では、前方右側のガス加熱手段4aは大火力バーナを、前方左側のガス加熱手段4bは標準火力バーナを、そして後方のガス加熱手段4cは小火力バーナを示しているが、これに限定されることなく、自由に配置することができる。
【0020】
また、本実施例において加熱装置1は、加熱ユニットとトッププレート3が別々になっており、キッチン台に加熱ユニットを取り付けた後、その上からトッププレート3を覆うように取り付けられる態様で示されているが、本発明はこの限りではなく、ガスバーナ、グリル20、混合管(図示せず)、トッププレート3を一体にしたユニットとして、既設のキッチン台に載置するものであってもよい。
【0021】
排気口5は、トッププレート3を貫通する複数の貫通孔が所定の範囲に設けられて構成されており、図1においては、横長の矩形をした排気口5が後方のガス加熱手段4cの斜め後方の両側に設けられている。排気口5は、従来の排気口に比べて縦及び横の寸法が小さく設定されている。さらに、トッププレート3の上面には、五徳8が、ガス加熱手段4a〜4cの周囲に配置されている。
【0022】
図2に示されるように、トッププレート3は4隅が円弧状をなし、前縁及び後縁は略直線状であり、両側縁は内側にやや窪んだ滑らかな曲線状をし、全体としては左右方向に張出部を有する非矩形状の一枚板により形成されている。このような形状のトッププレート3には、前方に2つのガス加熱手段4a、4bが、又、後方の中央に1つのガス加熱手段4cが配置され、後方のガス加熱手段4cの斜め後方の両側には排気口5が配置された構成となっている。
【0023】
そして複数の加熱手段4a、4b、4cは、それぞれトッププレート3に設けられた複数の加熱スペース22(第1領域)上に配置されている。さらに、トッププレート3上には前記加熱スペース22とは別に、調理容器を載置できる仮置きスペース9、9(第2領域)が設けられている。このように、加熱装置1上に加熱手段の高温部位にあたる加熱スペース22とは別に、耐熱性を有するトッププレート3で形成された仮置きスペース9、9が設けられることになるため、調理容器の温度に係らずに調理容器を載置できる専用の載置場所を確保できることになる。
【0024】
続いて図2を用いて、トッププレート3の前方後方におけるガス加熱手段の配置および総面積の設定について説明する。なお、ここではトッププレート3を前後に略二等分に分かつ仮想線Vの紙面下方を前方、紙面上方を後方として説明する。
【0025】
図2に示されるように、トッププレート3上の前方に設けられたガス加熱手段の数は後方に設けられたガス加熱手段の数より多くなっており、またトッププレートの後側の総面積が前側より大きくなるように形成されている。そのため、ガス加熱手段同士の距離を最大限大きくすることができるとともに、トッププレート3の後方には、鍋などの調理容器を仮置きできる仮置きスペースを確保することができる。また、調理容器をトッププレートの後方に仮置きするため、前方のガス加熱手段を使って調理する際に仮置きした調理容器が邪魔になることがない。なお、トッププレート3上の前方に設けられたガス加熱手段の数は後方に設けられたガス加熱手段の数より多い態様で説明しているが、本実施例はその限りでなく、トッププレート3上の前方に設けられたガス加熱手段の数が後方に設けられたガス加熱手段の数と同じかそれ以上であればよく、さらにはトッププレート3が略台形に形成されており、後方に設けられるガス加熱手段の数が前方に設けられたガス加熱手段の数より多くなっており、前方に鍋などの調理容器を仮置きできる仮置きスペースを確保する態様としても良い。
【0026】
図2のように配置された場合の寸法関係の一例を説明すると、前方のガス加熱手段4a、4bのそれぞれに直径28cmのフライパンなどが載置可能なようにトッププレート3の前側の幅b1を68cmとし、後方のガス加熱手段4cに直径22cmの鍋が載置可能なように前方のガス加熱手段4a、4bと後方のガス加熱手段4cとの中心間距離lを23.5cmとし、後方のガス加熱手段4cの45°斜め後方の両側に横幅が10cmの排気口5を設けるとした場合、トッププレート3の後側の幅b2を80cm程度に設定すると、後方のガス加熱手段4cの両側には、直径22cmの鍋などの調理容器を仮置きできる仮置きスペース9、9が確保可能となる。すなわち、トッププレート3の後側の幅b2を前側の幅b1の1.2倍弱広くしただけで、直径22cmの鍋などの調理容器を2つ仮置きできる仮置きスペース9、9が確保される。
【0027】
また、トッププレート3が加熱スペース22および仮置きスペース9、9を効率的に配置可能な角部が円弧状に形成された一枚板で構成されており、人工大理石などで形成されたキッチンカウンターとの継ぎ目部分に対し連続してシールを施すことができるため、キッチンカウンターとトッププレート3との密閉性を高めるられるようになっている。また、加熱スペース22および仮置きスペース9、9を効率的に配置できるため、無駄なスペースを減らし、キッチンカウンターの設計の自由度を増すことができるとともに、キッチンカウンターの設計においてデザイン性を向上できる。
【0028】
また、図2に示すように、加熱スペース22と仮置きスペース9、9とが隣接して設けられているため、加熱手段のある加熱スペース22のすぐ隣に調理容器を載置できる仮置きスペース9、9が位置するため、鍋等の調理容器の移動が極めて容易となり、調理容器の転倒や傾動を防止できる。
【0029】
さらに図2に示すように、トッププレート3がキッチンカウンターに隣接するように配置されるとともに、トッププレート3で形成された仮置きスペース9、9と、比較的耐熱性の落ちるキッチンカウンター領域とが、目視により識別可能に配設されるようになっている。すなわち、トッププレート3はキッチンカウンターと識別するために、それぞれが別々の色に着色されており、調理容器の載置が容易に認識できるため、比較的耐熱性の落ちるキッチンカウンターへの高温状態の調理容器の載置を防止できる。
【0030】
なお、ここではトッププレート3とキッチンカウンターとの識別に、色分けを施して説明してあるが、本発明はこの限りでなく、たとえば、トッププレート3とキッチンカウンターの境界に線または凹凸を設けるなどして識別可能になっていてもよい。
【0031】
また、従来の排気口はグリルの下方にオプションとして設けられるオーブンの排気をも排出するため、排気口を大きくせざるを得なかったが、本発明においては、オーブン無し専用の仕様としているため、排気口を小さくすることができる。そのため、排気口を加熱手段の周囲に効率よく配置できるので、加熱手段同士の距離を最大限大きくすることができるとともに、十分に仮置きスペース9、9を確保できる。
【実施例2】
【0032】
図3は、本発明の実施の形態2における加熱装置のトッププレートの形状並びにガス加熱手段及び排気口の位置を示す平面図であり、図3において、図2と同じ符号は図2と同じ部材を示しており、詳しい説明は省略する。
【0033】
図3に示すように、トッププレート3の平面視における形状は図2と同じであり、後側の面積が前側より大きく形成されている。また、トッププレート3の前方には2つのガス加熱手段4a、4bが、又、後方の左側には1つのガス加熱手段4cが配置され、後方のガス加熱手段4cの斜め後方の右側には排気口5が配置された構成となっている。図3のように配置された場合、後方の中央及び右側には、鍋などの調理容器を仮置きできる仮置きスペース9、9を隣接して複数確保できる。
【実施例3】
【0034】
図4は、本発明の実施の形態3における加熱装置のトッププレートの形状並びにガス加熱手段及び排気口の位置を示す平面図であり、図4において、図2と同じ符号は図2と同じ部材を示しており、詳しい説明は省略する。
【0035】
図4に示すように、トッププレート3の前方には1つのガス加熱手段4aが、又、後方の右側には1つのガス加熱手段4cが配置され、後方のガス加熱手段4cの斜め後方の左側には排気口5が配置された構成となっている。トッププレート3の面積は図2より小さく、4隅が円弧状をなし、前縁及び後縁は略直線状であり、両側縁は内側にやや窪んだ滑らかな曲線状をし、全体としては、略逆台形の形状をしており、後側の面積が前側より大きく形成されている。図4のように配置された場合、加熱スペース22と仮置きスペース9とが隣接するため、鍋等の調理容器の移動が極めて容易となり、調理容器の転倒や傾動を防止できる。
【実施例4】
【0036】
図5は、本発明の実施の形態4における加熱装置のトッププレートの形状並びにガス加熱手段及び排気口の位置を示す平面図であり、図5において、図2と同じ符号は図2と同じ部材を示しており、詳しい説明は省略する。
【0037】
図5に示すように、トッププレート3は複数個からなり、その内、ガス加熱手段が装着されている中央に位置するトッププレート3は、4隅が円弧状をなし、前縁及び後縁は略直線状であって後縁の長さが前縁に比べて短く、両側縁は後方に向かってやや内側に窪みをもって滑らかに狭まるような曲線状をし、全体としては、略台形の形状をしている。また、中央に位置するトッププレート3の後方の両側には、中央に位置するトッププレート3に隣接するようにして、仮置きスペースとしてのトッププレート3がそれぞれ設けられている。仮置きスペースとしてのトッププレート3の形状は円形状に限らず、楕円、星形など、鍋などの調理容器を載置できる形状であればよい。また、大きさも、鍋などの調理容器を載置できるものであればよい。
【0038】
中央に位置するトッププレート3には、前方に2つのガス加熱手段4a、4bが、又、後方の中央に1つのガス加熱手段4cが配置され、後方のガス加熱手段4cの斜め後方の両側には排気口5が配置された構成となっている。
【0039】
このように、耐熱性を有するトッププレート3が複数に分離された状態で、キッチンカウンターに配置されているため、キッチンカウンターの設計においてデザイン性を向上できるばかりか、トッププレートの使用量を最少化できることになる。また、仮置きスペース9、9が独立して配置されているため、調理容器の置き場所を容易に判別できることになる。
【実施例5】
【0040】
図6は、本発明の実施の形態5における加熱装置のトッププレートの形状並びにガス加熱手段及び排気口の位置を示す平面図であり、図6において、図2と同じ符号は図2と同じ部材を示しており、詳しい説明は省略する。
【0041】
図6に示すように、トッププレート3で形成された加熱スペース22および仮置きスペース9、9が、キッチンカウンター上にそれぞれ複数に独立して配置されている。ガス加熱手段4cの斜め後方の両側には排気口5を配置可能な変形部分が設けられ、それぞれに排気口5が配置されている。なお、本実施例では加熱手段4cと排気口5が同じトッププレート3に配置されているが、本発明はこの限りではなく、たとえば加熱手段4cを配置するトッププレートと、排気口5を配置するトッププレート3を別々に分離して構成されるものであってもよい。
【0042】
このように、耐熱性を有するトッププレート3が複数に分離された状態で、キッチンカウンターに配置されているため、キッチンカウンターの設計においてデザイン性を向上できるばかりか、トッププレートの使用量を最少化できることになる。
【実施例6】
【0043】
図7は、本発明の実施の形態6における加熱装置のトッププレートの形状並びにガス加熱手段及び排気口の位置を示す平面図であり、図7において、図2と同じ符号は図2と同じ部材を示しており、詳しい説明は省略する。
【0044】
トッププレート3の前方にはガス加熱手段4a、4bと、それに隣接するように仮置きスペース9が配置され、後方にはガス加熱手段4cと、それに隣接するように2つの仮置きスペース9、9が設けられている。またトッププレート3は4隅が円弧状をなし、略平行四辺形の形状をしている。
【0045】
このように、仮置きスペース9をキッチンカウンターの後方に設けるだけでなく、前方にも設けることにより、調理容器を仮置きできるスペースを増やすことができることになる。また、ここでは仮置きスペース9を前方に1つ、後方に2つ設ける態様で説明しているが、本発明はこの限りではなく、例えば仮置きスペース9を前方に2つ、後方に1つ設けるなど、多様の構成が可能である。
【0046】
本発明における加熱手段は、ガスによるガス加熱手段として説明しているが、本発明はこの限りではなく、たとえば図8に示すように加熱手段に電磁加熱手段14a、14b、14cを用いて構成されるものであってもよい。また、本発明における加熱手段にヒーターによる伝熱加熱手段などを用いる態様であってもよいことは言うまでもない。
【0047】
図9は、本発明の実施の形態1〜4におけるガス加熱手段の付近を示す側面断面図であり、ガス加熱手段としてのガスバーナが概略示されている。バーナヘッド部7は、トッププレート3よりも上方に露出して配置され、バーナヘッド部7の下方にはトッププレート3の下方に配置された混合管10が接続されている。また、バーナヘッド部7の周囲には、トッププレート3に支持されて五徳8が配置されている。
【0048】
バーナヘッド部7の外周部には、トッププレート3の開口縁部11が上方にせり上り、かつ、延長されて直接接続される構造となっている。このため、従来設けられていた環状のバーナリングは省略されている。また、トッププレート3の開口縁部11とバーナヘッド部7の外周部とは図示しないパッキンを介して水密に固定されている。
【0049】
さらに、上方にせり上げられた開口縁部11の外周部はトッププレートの上面より低くへこんだ凹状とされ、この凹状部12が露出するバーナヘッド部7の外周部に接続された開口縁部11を囲んだ形となっている。このため、調理中に煮こぼれが発生しても、煮汁を凹状部で捕集することができ、煮汁のガスバーナおよび排気口への浸入を防止できる
【0050】
以上説明したように、本発明の加熱装置によれば、耐熱性を有するトッププレート上に鍋などの調理容器を仮置きできる仮置きスペースが確保できることから、キッチンカウンター上に鍋敷きなどを別途用意することなく、加熱された調理容器を仮置きでき、大変便利である。
【0051】
以上、本発明の実施形態を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0052】
1 加熱装置
2 キッチンカウンター
3 トッププレート
4 ガス加熱手段
5 排気口
6 鍋底センサ
7 バーナヘッド部
8 五徳
9 仮置きスペース(第2領域)
10 混合管
11 トッププレートの開口縁部
12 凹状部
20 グリル
22 加熱スペース(第1領域)
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の加熱手段(ガス、電気、磁場等)を備えたユニットとしての加熱装置、もしくはキッチンに配された台(キッチンカウンター等)の上面に複数の加熱手段(ガス、電気、磁場等)が配置されている加熱装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、加熱手段としてガス、電気、磁場等を利用した加熱装置が存在するが、例えば複数の加熱手段(ガス)を備えた移動可能な加熱装置として、図10に示すような加熱装置がある。この種の加熱装置はその上面にステンレスや耐熱樹脂等で構成された耐熱性を有するトッププレート31が配置されており、その上に複数のガスコンロが配置されている。加熱装置は、例えば人工大理石等で覆われたキッチンカウンター30にトッププレート31が隣接するように配置され、このトッププレート31の右手前にはハイカロリー用のバーナ32、左手前には標準カロリー用のバーナ33、中央奥には小カロリー用のバーナ34が搭載され、奥の左右に排気口35を備え、トッププレート31の手前に各バーナを操作し、表示するための操作表示部36が配置されている(以下、「従来技術1」という。例えば、特許文献1参照)。
【0003】
さらに、加熱調理器のトッププレート上に複数の加熱手段を備えた加熱調理器として、図11に示すように、本体40の内部冷却用の吸気口(図示せず)が本体40の前面に設けられ、排気口43が奥側の左に配置され、トッププレート41上の複数の加熱手段42a〜42cのうち最後方に位置する加熱手段42cが本体の左右方向中心からずれた位置で、かつ排気口43の略隣に配設され、本体手前側左右に設けられた加熱手段42a,42bが前後にずれて配置されたものが知られている(以下、「従来技術2」という。例えば、特許文献2参照)。
【0004】
しかしながら、従来技術1の加熱装置は、排気口35を左右に分割してその中央に小カロリー用のバーナ34を配置するなどして、矩形状のトッププレート31に、3個のバーナ、排気口35および操作表示部36を効率よく配置する点に特徴を有するものであり、トッププレート31上に調理容器を置くことについてまで考慮されていないため、トッププレート31上に調理容器を仮置きするスペースがないという問題があった。
【0005】
また、従来技術2の加熱調理器は、複数の加熱手段42a〜42c上に複数の調理容器を置いて調理をする場合の調理容器同士の干渉による鍋ずれからなる加熱ムラを防ぐことを目的としたものであって、トッププレート上に調理容器を置くことについては考慮されていないため、トッププレート上に調理容器を置く余裕がなく、調理容器の仮置きをすることができないという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−139312号公報
【特許文献2】特開2010−60171号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記のような従来技術の問題点を解決するためになされたもので、複数の加熱手段を備えたキッチン用の加熱装置において、トッププレート上に調理容器を仮置き等ができるキッチン用の加熱装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために、本発明の加熱装置は、
複数の加熱手段を備えたキッチン用の加熱装置において、耐熱性を有するトッププレートの上に複数の加熱手段を配置する第1領域が設けられるとともに、前記第1領域とは別に耐熱性を有するトッププレートで形成された調理容器を載置できる第2領域が設けられてなることを特徴としている。
この特徴によれば、加熱手段の高温部位にあたる第1領域とは別に、耐熱性を有するトッププレートで形成された第2領域が設けられているため、調理容器の温度に係らずに調理容器を載置できる専用の載置場所を確保できることになる。
【0009】
本発明の加熱装置は、
前記耐熱性を有するトッププレートがキッチンカウンター内に配置されるとともに、少なくとも前記トッププレートで形成された第2領域と、キッチンカウンター領域とが、目視により識別可能に配設されていることを特徴としている。
この特徴によれば、調理容器の載置が容易に認識できるため、比較的耐熱性の落ちるキッチンカウンターへの高温状態の調理容器の載置を防止できることになる。
【0010】
本発明の加熱装置は、
前記耐熱性を有するトッププレートがキッチンカウンターと識別可能になっており、前記耐熱性を有するトッププレートの角部が円弧状に形成された一枚板により構成されてなることを特徴としている。
この特徴によれば、トッププレートの角部が円弧状に形成された一枚板で構成されており、人工大理石などで形成されたキッチンカウンターとの継ぎ目部分に対し連続してシールを施すことができるため、キッチンカウンターとトッププレートとの密閉性を高めることができる。
【0011】
本発明の加熱装置は、
前記耐熱性を有するトッププレートがキッチンカウンターと識別可能になっており、前記耐熱性を有するトッププレートが複数に分離された状態で、キッチンカウンターに配置されてなることを特徴としている。
この特徴によれば、キッチンカウンターの設計においてデザイン性を向上できるばかりか、トッププレートの使用量を最少化できることになる。
【0012】
本発明の加熱装置は、
前記トッププレートの後方のガス加熱手段の斜め後方の少なくとも一方にはグリル排気用の排気口が設けられてなることを特徴としている。
この特徴によれば、排気口を設けるスペースを別途用意することなく、排気口を加熱手段の周囲に効率よく配置できるので、仮置きスペースを確保しつつ、トッププレートの面積を比較的小さくできる。
【0013】
本発明の加熱装置は、
前記加熱手段はガスバーナであって、前記トッププレートのガスバーナの開口周囲は上方にせり上げられるとともに、前記排気口の周囲も上方にせり上げられることを特徴としている。
この特徴によれば、調理中に煮こぼれが発生しても、煮汁がガスバーナおよび排気口に浸入することを防止できる。
【0014】
本発明の加熱装置は、
前記ガスバーナの開口周囲の上方にせり上げられた部の周囲はトッププレートの面より低い凹状に形成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、煮こぼれがあっても凹状部で捕集することができ、ガスバーナに煮汁が及ぶことを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施例1における加熱装置の斜視図である。
【図2】本発明の実施例1における加熱装置のトッププレートの形状並びに加熱手段及び排気口の位置を示す平面図である。
【図3】本発明の実施例2における加熱装置のトッププレートの形状並びに加熱手段及び排気口の位置を示す平面図である。
【図4】本発明の実施例3における加熱装置のトッププレートの形状並びに加熱手段及び排気口の位置を示す平面図である。
【図5】本発明の実施例4における加熱装置のトッププレートの形状並びに加熱手段及び排気口の位置を示す平面図である。
【図6】本発明の実施例5における加熱装置のトッププレートの形状並びに加熱手段及び排気口の位置を示す平面図である。
【図7】本発明の実施例6における加熱装置のトッププレートの形状並びに加熱手段及び排気口の位置を示す平面図である。
【図8】本発明における加熱手段に電磁加熱手段を利用した変形例を示す平面図である。
【図9】本発明の実施例1〜7における加熱手段の付近を示す側面断面図である。
【図10】従来技術1を示す平面図である。
【図11】従来技術2を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係る加熱装置を実施するための形態を図面を参照しながら詳細に説明するが、本発明はこれに限定されて解釈されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々の変更、修正、改良を加えうるものである。
【実施例1】
【0017】
図1は、本発明の実施の形態1における加熱装置の斜視図であり、図2は本発明の実施例1における加熱装置のトッププレートの形状並びに加熱手段及び排気口の位置を示す平面図である。
【0018】
図1において、加熱装置1は、ガスバーナからなるガス加熱手段4a〜4c、グリル20、混合管(図示せず)、などを備える加熱ユニットを、キッチン台正面側から挿入した後、人工大理石などから製作されるキッチンカウンター2に設けられた開口部上方より、主にステンレスなどの金属あるいは耐熱ガラスなどから製作されるトッププレート3が取り付けられて構成されている。なおトッププレート3には予め排気口5やバーナヘッド部7が貫通する孔が形成されている。
【0019】
本実施例の加熱装置1は、トッププレート3上には、3つのガス加熱手段4a〜4c及びグリル排気用の排気口5が備えられており、鍋底センサ6、バーナヘッド部7、及びバーナヘッド部7の下方に接続される混合管(図示されていない)などを備えるものであるが、その詳細な説明は省略する。図1では、前方右側のガス加熱手段4aは大火力バーナを、前方左側のガス加熱手段4bは標準火力バーナを、そして後方のガス加熱手段4cは小火力バーナを示しているが、これに限定されることなく、自由に配置することができる。
【0020】
また、本実施例において加熱装置1は、加熱ユニットとトッププレート3が別々になっており、キッチン台に加熱ユニットを取り付けた後、その上からトッププレート3を覆うように取り付けられる態様で示されているが、本発明はこの限りではなく、ガスバーナ、グリル20、混合管(図示せず)、トッププレート3を一体にしたユニットとして、既設のキッチン台に載置するものであってもよい。
【0021】
排気口5は、トッププレート3を貫通する複数の貫通孔が所定の範囲に設けられて構成されており、図1においては、横長の矩形をした排気口5が後方のガス加熱手段4cの斜め後方の両側に設けられている。排気口5は、従来の排気口に比べて縦及び横の寸法が小さく設定されている。さらに、トッププレート3の上面には、五徳8が、ガス加熱手段4a〜4cの周囲に配置されている。
【0022】
図2に示されるように、トッププレート3は4隅が円弧状をなし、前縁及び後縁は略直線状であり、両側縁は内側にやや窪んだ滑らかな曲線状をし、全体としては左右方向に張出部を有する非矩形状の一枚板により形成されている。このような形状のトッププレート3には、前方に2つのガス加熱手段4a、4bが、又、後方の中央に1つのガス加熱手段4cが配置され、後方のガス加熱手段4cの斜め後方の両側には排気口5が配置された構成となっている。
【0023】
そして複数の加熱手段4a、4b、4cは、それぞれトッププレート3に設けられた複数の加熱スペース22(第1領域)上に配置されている。さらに、トッププレート3上には前記加熱スペース22とは別に、調理容器を載置できる仮置きスペース9、9(第2領域)が設けられている。このように、加熱装置1上に加熱手段の高温部位にあたる加熱スペース22とは別に、耐熱性を有するトッププレート3で形成された仮置きスペース9、9が設けられることになるため、調理容器の温度に係らずに調理容器を載置できる専用の載置場所を確保できることになる。
【0024】
続いて図2を用いて、トッププレート3の前方後方におけるガス加熱手段の配置および総面積の設定について説明する。なお、ここではトッププレート3を前後に略二等分に分かつ仮想線Vの紙面下方を前方、紙面上方を後方として説明する。
【0025】
図2に示されるように、トッププレート3上の前方に設けられたガス加熱手段の数は後方に設けられたガス加熱手段の数より多くなっており、またトッププレートの後側の総面積が前側より大きくなるように形成されている。そのため、ガス加熱手段同士の距離を最大限大きくすることができるとともに、トッププレート3の後方には、鍋などの調理容器を仮置きできる仮置きスペースを確保することができる。また、調理容器をトッププレートの後方に仮置きするため、前方のガス加熱手段を使って調理する際に仮置きした調理容器が邪魔になることがない。なお、トッププレート3上の前方に設けられたガス加熱手段の数は後方に設けられたガス加熱手段の数より多い態様で説明しているが、本実施例はその限りでなく、トッププレート3上の前方に設けられたガス加熱手段の数が後方に設けられたガス加熱手段の数と同じかそれ以上であればよく、さらにはトッププレート3が略台形に形成されており、後方に設けられるガス加熱手段の数が前方に設けられたガス加熱手段の数より多くなっており、前方に鍋などの調理容器を仮置きできる仮置きスペースを確保する態様としても良い。
【0026】
図2のように配置された場合の寸法関係の一例を説明すると、前方のガス加熱手段4a、4bのそれぞれに直径28cmのフライパンなどが載置可能なようにトッププレート3の前側の幅b1を68cmとし、後方のガス加熱手段4cに直径22cmの鍋が載置可能なように前方のガス加熱手段4a、4bと後方のガス加熱手段4cとの中心間距離lを23.5cmとし、後方のガス加熱手段4cの45°斜め後方の両側に横幅が10cmの排気口5を設けるとした場合、トッププレート3の後側の幅b2を80cm程度に設定すると、後方のガス加熱手段4cの両側には、直径22cmの鍋などの調理容器を仮置きできる仮置きスペース9、9が確保可能となる。すなわち、トッププレート3の後側の幅b2を前側の幅b1の1.2倍弱広くしただけで、直径22cmの鍋などの調理容器を2つ仮置きできる仮置きスペース9、9が確保される。
【0027】
また、トッププレート3が加熱スペース22および仮置きスペース9、9を効率的に配置可能な角部が円弧状に形成された一枚板で構成されており、人工大理石などで形成されたキッチンカウンターとの継ぎ目部分に対し連続してシールを施すことができるため、キッチンカウンターとトッププレート3との密閉性を高めるられるようになっている。また、加熱スペース22および仮置きスペース9、9を効率的に配置できるため、無駄なスペースを減らし、キッチンカウンターの設計の自由度を増すことができるとともに、キッチンカウンターの設計においてデザイン性を向上できる。
【0028】
また、図2に示すように、加熱スペース22と仮置きスペース9、9とが隣接して設けられているため、加熱手段のある加熱スペース22のすぐ隣に調理容器を載置できる仮置きスペース9、9が位置するため、鍋等の調理容器の移動が極めて容易となり、調理容器の転倒や傾動を防止できる。
【0029】
さらに図2に示すように、トッププレート3がキッチンカウンターに隣接するように配置されるとともに、トッププレート3で形成された仮置きスペース9、9と、比較的耐熱性の落ちるキッチンカウンター領域とが、目視により識別可能に配設されるようになっている。すなわち、トッププレート3はキッチンカウンターと識別するために、それぞれが別々の色に着色されており、調理容器の載置が容易に認識できるため、比較的耐熱性の落ちるキッチンカウンターへの高温状態の調理容器の載置を防止できる。
【0030】
なお、ここではトッププレート3とキッチンカウンターとの識別に、色分けを施して説明してあるが、本発明はこの限りでなく、たとえば、トッププレート3とキッチンカウンターの境界に線または凹凸を設けるなどして識別可能になっていてもよい。
【0031】
また、従来の排気口はグリルの下方にオプションとして設けられるオーブンの排気をも排出するため、排気口を大きくせざるを得なかったが、本発明においては、オーブン無し専用の仕様としているため、排気口を小さくすることができる。そのため、排気口を加熱手段の周囲に効率よく配置できるので、加熱手段同士の距離を最大限大きくすることができるとともに、十分に仮置きスペース9、9を確保できる。
【実施例2】
【0032】
図3は、本発明の実施の形態2における加熱装置のトッププレートの形状並びにガス加熱手段及び排気口の位置を示す平面図であり、図3において、図2と同じ符号は図2と同じ部材を示しており、詳しい説明は省略する。
【0033】
図3に示すように、トッププレート3の平面視における形状は図2と同じであり、後側の面積が前側より大きく形成されている。また、トッププレート3の前方には2つのガス加熱手段4a、4bが、又、後方の左側には1つのガス加熱手段4cが配置され、後方のガス加熱手段4cの斜め後方の右側には排気口5が配置された構成となっている。図3のように配置された場合、後方の中央及び右側には、鍋などの調理容器を仮置きできる仮置きスペース9、9を隣接して複数確保できる。
【実施例3】
【0034】
図4は、本発明の実施の形態3における加熱装置のトッププレートの形状並びにガス加熱手段及び排気口の位置を示す平面図であり、図4において、図2と同じ符号は図2と同じ部材を示しており、詳しい説明は省略する。
【0035】
図4に示すように、トッププレート3の前方には1つのガス加熱手段4aが、又、後方の右側には1つのガス加熱手段4cが配置され、後方のガス加熱手段4cの斜め後方の左側には排気口5が配置された構成となっている。トッププレート3の面積は図2より小さく、4隅が円弧状をなし、前縁及び後縁は略直線状であり、両側縁は内側にやや窪んだ滑らかな曲線状をし、全体としては、略逆台形の形状をしており、後側の面積が前側より大きく形成されている。図4のように配置された場合、加熱スペース22と仮置きスペース9とが隣接するため、鍋等の調理容器の移動が極めて容易となり、調理容器の転倒や傾動を防止できる。
【実施例4】
【0036】
図5は、本発明の実施の形態4における加熱装置のトッププレートの形状並びにガス加熱手段及び排気口の位置を示す平面図であり、図5において、図2と同じ符号は図2と同じ部材を示しており、詳しい説明は省略する。
【0037】
図5に示すように、トッププレート3は複数個からなり、その内、ガス加熱手段が装着されている中央に位置するトッププレート3は、4隅が円弧状をなし、前縁及び後縁は略直線状であって後縁の長さが前縁に比べて短く、両側縁は後方に向かってやや内側に窪みをもって滑らかに狭まるような曲線状をし、全体としては、略台形の形状をしている。また、中央に位置するトッププレート3の後方の両側には、中央に位置するトッププレート3に隣接するようにして、仮置きスペースとしてのトッププレート3がそれぞれ設けられている。仮置きスペースとしてのトッププレート3の形状は円形状に限らず、楕円、星形など、鍋などの調理容器を載置できる形状であればよい。また、大きさも、鍋などの調理容器を載置できるものであればよい。
【0038】
中央に位置するトッププレート3には、前方に2つのガス加熱手段4a、4bが、又、後方の中央に1つのガス加熱手段4cが配置され、後方のガス加熱手段4cの斜め後方の両側には排気口5が配置された構成となっている。
【0039】
このように、耐熱性を有するトッププレート3が複数に分離された状態で、キッチンカウンターに配置されているため、キッチンカウンターの設計においてデザイン性を向上できるばかりか、トッププレートの使用量を最少化できることになる。また、仮置きスペース9、9が独立して配置されているため、調理容器の置き場所を容易に判別できることになる。
【実施例5】
【0040】
図6は、本発明の実施の形態5における加熱装置のトッププレートの形状並びにガス加熱手段及び排気口の位置を示す平面図であり、図6において、図2と同じ符号は図2と同じ部材を示しており、詳しい説明は省略する。
【0041】
図6に示すように、トッププレート3で形成された加熱スペース22および仮置きスペース9、9が、キッチンカウンター上にそれぞれ複数に独立して配置されている。ガス加熱手段4cの斜め後方の両側には排気口5を配置可能な変形部分が設けられ、それぞれに排気口5が配置されている。なお、本実施例では加熱手段4cと排気口5が同じトッププレート3に配置されているが、本発明はこの限りではなく、たとえば加熱手段4cを配置するトッププレートと、排気口5を配置するトッププレート3を別々に分離して構成されるものであってもよい。
【0042】
このように、耐熱性を有するトッププレート3が複数に分離された状態で、キッチンカウンターに配置されているため、キッチンカウンターの設計においてデザイン性を向上できるばかりか、トッププレートの使用量を最少化できることになる。
【実施例6】
【0043】
図7は、本発明の実施の形態6における加熱装置のトッププレートの形状並びにガス加熱手段及び排気口の位置を示す平面図であり、図7において、図2と同じ符号は図2と同じ部材を示しており、詳しい説明は省略する。
【0044】
トッププレート3の前方にはガス加熱手段4a、4bと、それに隣接するように仮置きスペース9が配置され、後方にはガス加熱手段4cと、それに隣接するように2つの仮置きスペース9、9が設けられている。またトッププレート3は4隅が円弧状をなし、略平行四辺形の形状をしている。
【0045】
このように、仮置きスペース9をキッチンカウンターの後方に設けるだけでなく、前方にも設けることにより、調理容器を仮置きできるスペースを増やすことができることになる。また、ここでは仮置きスペース9を前方に1つ、後方に2つ設ける態様で説明しているが、本発明はこの限りではなく、例えば仮置きスペース9を前方に2つ、後方に1つ設けるなど、多様の構成が可能である。
【0046】
本発明における加熱手段は、ガスによるガス加熱手段として説明しているが、本発明はこの限りではなく、たとえば図8に示すように加熱手段に電磁加熱手段14a、14b、14cを用いて構成されるものであってもよい。また、本発明における加熱手段にヒーターによる伝熱加熱手段などを用いる態様であってもよいことは言うまでもない。
【0047】
図9は、本発明の実施の形態1〜4におけるガス加熱手段の付近を示す側面断面図であり、ガス加熱手段としてのガスバーナが概略示されている。バーナヘッド部7は、トッププレート3よりも上方に露出して配置され、バーナヘッド部7の下方にはトッププレート3の下方に配置された混合管10が接続されている。また、バーナヘッド部7の周囲には、トッププレート3に支持されて五徳8が配置されている。
【0048】
バーナヘッド部7の外周部には、トッププレート3の開口縁部11が上方にせり上り、かつ、延長されて直接接続される構造となっている。このため、従来設けられていた環状のバーナリングは省略されている。また、トッププレート3の開口縁部11とバーナヘッド部7の外周部とは図示しないパッキンを介して水密に固定されている。
【0049】
さらに、上方にせり上げられた開口縁部11の外周部はトッププレートの上面より低くへこんだ凹状とされ、この凹状部12が露出するバーナヘッド部7の外周部に接続された開口縁部11を囲んだ形となっている。このため、調理中に煮こぼれが発生しても、煮汁を凹状部で捕集することができ、煮汁のガスバーナおよび排気口への浸入を防止できる
【0050】
以上説明したように、本発明の加熱装置によれば、耐熱性を有するトッププレート上に鍋などの調理容器を仮置きできる仮置きスペースが確保できることから、キッチンカウンター上に鍋敷きなどを別途用意することなく、加熱された調理容器を仮置きでき、大変便利である。
【0051】
以上、本発明の実施形態を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0052】
1 加熱装置
2 キッチンカウンター
3 トッププレート
4 ガス加熱手段
5 排気口
6 鍋底センサ
7 バーナヘッド部
8 五徳
9 仮置きスペース(第2領域)
10 混合管
11 トッププレートの開口縁部
12 凹状部
20 グリル
22 加熱スペース(第1領域)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の加熱手段を備えたキッチン用の加熱装置において、耐熱性を有するトッププレートの上に複数の加熱手段を配置する第1領域が設けられるとともに、前記第1領域とは別に耐熱性を有するトッププレートで形成された調理容器を載置できる第2領域が設けられてなることを特徴とする加熱装置。
【請求項2】
前記耐熱性を有するトッププレートがキッチンカウンター内に配置されるとともに、少なくとも前記トッププレートで形成された第2領域と、キッチンカウンター領域とが、目視により識別可能に配設されていることを特徴とする請求項1に記載の加熱装置。
【請求項3】
前記耐熱性を有するトッププレートがキッチンカウンターと識別可能になっており、前記耐熱性を有するトッププレートの角部が円弧状に形成された一枚板により構成されてなることを特徴とする請求項1または2に記載の加熱装置。
【請求項4】
前記耐熱性を有するトッププレートがキッチンカウンターと識別可能になっており、前記耐熱性を有するトッププレートが複数に分離された状態で、キッチンカウンターに配置されてなることを特徴とする請求項1または2に記載の加熱装置。
【請求項5】
前記トッププレートの後方のガス加熱手段の斜め後方の少なくとも一方にはグリル排気用の排気口が設けられてなることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の加熱装置。
【請求項6】
前記加熱手段はガスバーナであって、前記トッププレートのガスバーナの開口周囲は上方にせり上げられるとともに、前記排気口の周囲も上方にせり上げられることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の加熱装置。
【請求項7】
前記ガスバーナの開口周囲の上方にせり上げられた部の周囲はトッププレートの面より低い凹状に形成されていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の加熱装置。
【請求項1】
複数の加熱手段を備えたキッチン用の加熱装置において、耐熱性を有するトッププレートの上に複数の加熱手段を配置する第1領域が設けられるとともに、前記第1領域とは別に耐熱性を有するトッププレートで形成された調理容器を載置できる第2領域が設けられてなることを特徴とする加熱装置。
【請求項2】
前記耐熱性を有するトッププレートがキッチンカウンター内に配置されるとともに、少なくとも前記トッププレートで形成された第2領域と、キッチンカウンター領域とが、目視により識別可能に配設されていることを特徴とする請求項1に記載の加熱装置。
【請求項3】
前記耐熱性を有するトッププレートがキッチンカウンターと識別可能になっており、前記耐熱性を有するトッププレートの角部が円弧状に形成された一枚板により構成されてなることを特徴とする請求項1または2に記載の加熱装置。
【請求項4】
前記耐熱性を有するトッププレートがキッチンカウンターと識別可能になっており、前記耐熱性を有するトッププレートが複数に分離された状態で、キッチンカウンターに配置されてなることを特徴とする請求項1または2に記載の加熱装置。
【請求項5】
前記トッププレートの後方のガス加熱手段の斜め後方の少なくとも一方にはグリル排気用の排気口が設けられてなることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の加熱装置。
【請求項6】
前記加熱手段はガスバーナであって、前記トッププレートのガスバーナの開口周囲は上方にせり上げられるとともに、前記排気口の周囲も上方にせり上げられることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の加熱装置。
【請求項7】
前記ガスバーナの開口周囲の上方にせり上げられた部の周囲はトッププレートの面より低い凹状に形成されていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の加熱装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−79793(P2013−79793A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−221309(P2011−221309)
【出願日】平成23年10月5日(2011.10.5)
【出願人】(302045705)株式会社LIXIL (949)
【出願人】(000000284)大阪瓦斯株式会社 (2,453)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月5日(2011.10.5)
【出願人】(302045705)株式会社LIXIL (949)
【出願人】(000000284)大阪瓦斯株式会社 (2,453)
【Fターム(参考)】
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