説明

加熱調理器および加熱調理方法

【課題】調理過程において、被加熱物との関係で、加熱庫の水蒸気量を適切に調整できて、仕上がりよく調理できる加熱調理器を提供すること。
【解決手段】加熱庫4内の被加熱物の温度を検出する内部温度センサを備える。制御装置は、内部温度センサからの被加熱物の状態を表す信号を受けると共に、その信号に基づいて、蒸気発生装置14および加熱ヒータ12の駆動を制御して、加熱庫4内に供給する過熱水蒸気の量を制御する過熱水蒸気制御部を含んでいる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、過熱水蒸気により加熱庫内の例えばシュー皮等の食材を加熱するのに特に好適な加熱調理器に関し、また、水蒸気を用いた加熱調理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、シュークリーム等の洋菓子の製造に用いられるシュー皮は、小麦粉、食用油脂、水、塩、卵等を混練・成形して得られるシュー生地を焼成することにより得られる。ここで、シュー皮の状態は、焼成状態によって4つの異なる区分に分類される。
【0003】
すなわち、焼成初期に生地が垂れる「弛緩期」、また、天板が100℃近くに達すると天板からの温度を吸収し、生地内部から水蒸気が盛んに発生して生地を上に押し上げ、同時に生地内部へ熱が伝達されてより大きく膨らむ「膨化期」、また、次に表面に焦げ色がつき始め、オーブン外へ出しても縮まないように焼き固まる「固定期」、また、その後わずかに焼き縮んで焼成を終了する「乾燥期」である。
【0004】
ここで、シュー皮を焼成する場合、一般的には、シュー生地を天板に絞ったのちに霧吹きなどを用いて水で生地表面を湿らすのが通説である。これは生地が膨らむ前に焼き固まることを防ぎ、シュー皮の膨張量を大きくするためである。
【0005】
従来、シュー皮を自動調理できる加熱調理器としては、特開平5−141670号公報(特許文献1)に記載されているものがある。この加熱調理器は、被加熱物の焼成状態の区分(焼成行程)に応じて同一設定温度に保ったまま、ヒータの輻射熱を段階的もしくは連続的に低下させるように制御して、仕上がり具合をよくする工夫がなされている。
【0006】
しかしながら、上記従来の家庭用の加熱調理器においては、シュー皮の膨らみだす最適のタイミング、すなわち、膨化期の初期段階でシュー生地に水を供給することが難しく、天板にシュー皮を絞り出した時に水分供給するより他なかった。また、シュー生地の状態に寄らず、自動調理が行われるため、仕上がりがばらつくという問題もあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平5−141670号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明の課題は、調理過程において、例えば、シュー皮等の被加熱物との関係で、加熱庫の水蒸気量を適切に調整できて、仕上がりよく調理できる加熱調理器および加熱調理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、この発明の加熱調理器は、
被加熱物を収容する加熱庫と、
給水タンクと、
上記給水タンクからの水から過熱水蒸気を生成して、上記加熱庫内の上記被加熱物を加熱するための過熱水蒸気発生部と、
上記加熱庫内の上記被加熱物の物理的な状態を検出する物理状態検出部と、
制御装置と
を備え、
上記制御装置は、
上記物理状態検出部からの信号に基づいて上記過熱水蒸気発生部の駆動を制御して、上記加熱庫内に供給する上記過熱水蒸気の量を制御する過熱水蒸気制御部を有することを特徴としている。
【0010】
本発明によれば、上記過熱水蒸気制御部が、物理状態検出部からの信号に基づいて上記過熱水蒸気発生部の駆動を制御して、上記加熱庫内に供給する上記過熱水蒸気の量を制御するようになっているから、上記物理状態検出部からの情報により被加熱物の焼成行程を見積もることができて、被加熱物の状態の進行に伴って、加熱庫内の雰囲気中の水蒸気量を適切に制御することができる。したがって、被加熱物(例えば、シュー皮)を焼成する際に、仕上がりのばらつきを小さくすることができて、被加熱物の出来上がりの見栄えを良くすることができる。
【0011】
また、一実施形態では、
上記過熱水蒸気発生部は、
上記給水タンクからの水を加熱して水蒸気を発生させる蒸気発生部と、
上記水蒸気を加熱して上記過熱水蒸気を生成する蒸気加熱部と
を有している。
【0012】
上記実施形態によれば、過熱水蒸気発生部が、水蒸気を発生させる蒸気発生部と、過熱水蒸気を発生させる蒸気加熱部とに分離されているから、蒸気発生部を駆動する一方、蒸気加熱部を駆動させない選択肢を取り得ることができて、水蒸気のみを、加熱庫に導入することができる。したがって、調理の自由度を大きくすることができて、多様な調理を行うことができる。
【0013】
また、一実施形態では、
上記加熱室内の上記過熱水蒸気を、上記加熱庫外に排出するための過熱水蒸気排出部を備え、
上記物理状態検出部は、上記被加熱物の内部温度を検知するための温度検知部を有し、
上記過熱水蒸気制御部は、上記温度検知部から上記被加熱物の温度が第1所定温度以上であることを示す信号を受けると、上記過熱水蒸気が上記加熱庫に供給されるように、上記過熱水蒸気発生部を制御し、
上記制御装置は、
上記温度検知部から上記被加熱物の温度が上記第1所定温度よりも高い第2所定温度以上であることを表す信号を受けると、上記被加熱物の温度を、第1所定時間の間、上記第2所定温度に維持するように、上記過熱水蒸気発生部を制御する温度時間制御部と、
上記第1所定時間の経過後、上記加熱庫内の過熱水蒸気が排出されるように、上記過熱水蒸気排出部を制御する過熱水蒸気排出制御部と
を有している。
【0014】
上記実施形態によれば、過熱水蒸気制御部による制御によって、被加熱物が膨化を始める温度に達したタイミング(被加熱物がシュー皮である場合、シュー皮が膨化を始める内部最低温度(60±3)℃)、すなわち、膨化期の初期段階で、被加熱物との関係で適切に過熱水蒸気を庫内に供給することができる。したがって、被加熱物の蛋白質膜の膨化が始まる膨化期の初期において過熱水蒸気を供給することができるから、最適のタイミングで生地表面の焼き固まりを防ぐことができて、被加熱物の膨張量をより大きく仕上げることができる。
【0015】
また、温度時間制御部による制御によって、被加熱物が焼き固まる温度まで、適切な被加熱物の生地の膨化環境を維持できて(例えば、被加熱物がシュー皮である場合、内部最低温度(98±2)℃を10分維持)、従来の方法、すなわち、天板に生地を絞り出したのちに、霧吹きなどで水分を供給する方法と異なり、ムラが格段に少ない焼き上がりを実現できる。
【0016】
また、過熱水蒸気排出制御部による制御によって、被加熱物が焼き固まる温度に達したタイミング(被加熱物がシュー皮である場合、内部最低温度(98±2)℃を10分維持した後)で、固定期の初期段階で庫内の水蒸気を含んだ雰囲気を排出することができて、被加熱物の焼き固まりに支障がでないようにすることができる。すなわち、固定期の初期において、被加熱物の焼成により生地内部より発生した水蒸気や、膨化期の初期に供給した過熱水蒸気が循環している庫内の雰囲気を排出することで、被加熱物の乾燥を促進させ、食感をより好ましく仕上げることができる。
【0017】
また、一実施形態では、
上記加熱室内の過熱水蒸気を、上記加熱庫外に排出するための過熱水蒸気排出部を備え、
上記物理状態検出部は、上記被加熱物の重量を検知する重量検知部を有し、
上記過熱水蒸気制御部は、上記重量検知部より調理開始時の上記被加熱物の重量に対する上記被加熱物の重量の重量%が第1所定重量%以下になったことを表す信号を受けると、過熱水蒸気が上記加熱庫に供給されるように、上記過熱水蒸気発生部を制御し、
上記制御装置は、上記重量検知部より調理開始時の上記被加熱物の重量に対する上記被加熱物の重量の重量%が上記第1所定重量%よりも小さい第2所定重量%以下になったことを表す信号を受けると、上記加熱庫内の過熱水蒸気が排出されるように、上記過熱水蒸気排出部を制御する過熱水蒸気排出制御部を有している。
【0018】
上記実施形態によれば、上記過熱水蒸気制御部が、重量検知部より調理開始時の上記被加熱物の重量に対する上記被加熱物の重量の重量%が第1所定重量%になったことを表す信号を受けると、上記過熱水蒸気発生部を駆動して、上記加熱庫に過熱水蒸気を供給するようになっているから、例えば、被加熱物の重量が調理開始時重量の95%程度の重量に達するタイミング、すなわち、シュー皮の膨化期の初期段階で、過熱水蒸気を庫内に供給することができる。したがって、被加熱物膨化期の初期において過熱水蒸気を供給することで、最適のタイミングで生地表面の焼き固まりを防ぎ、被加熱物の膨張量をより大きく仕上げることができる。
【0019】
また、被加熱物(シュー皮)の固定期において、被加熱物の焼成により生地内部より発生した水蒸気や膨化期の初期に供給した過熱水蒸気が循環している庫内の雰囲気を排出することができて、例えば、被加熱物の重量が調理開始時重量の70%程度の重量に達するタイミングで、すなわち、シュー皮の固定期の初期段階で、庫内の水蒸気を含んだ雰囲気を排出することができる。したがって、被加熱物の乾燥を促進させることができて、より食感を好ましく仕上げることができる。
【0020】
また、本発明の加熱調理方法は、
過熱水蒸気によって、加熱庫内の被加熱物を加熱する加熱調理方法であって、
上記被加熱物の調理中に、上記被加熱物の内部温度または上記被加熱物の調理開始時の重量に対する上記被加熱物の重量の重量%に基づいて上記加熱庫内に上記過熱水蒸気を供給する過熱水蒸気供給工程と、
上記過熱水蒸気供給工程の後、上記被加熱物の内部温度または上記被加熱物の調理開始時の重量に対する上記被加熱物の重量の重量%に基づいて上記加熱庫内の上記過熱水蒸気を上記加熱庫外に排出する水蒸気排出工程と
を備えることを特徴としている。
【0021】
本発明によれば、焼成行程の最適なタイミングにおいて過熱水蒸気を供給することができ、もしくは、庫内雰囲気の排出を行うことができる。したがって、被加熱物の焼成行程を適切に見積もることができて、調理条件を調整できるから、自動調理で起こりがちな仕上がりのばらつきを軽減することができ、仕上がりのよい調理物を得ることができる。
【0022】
また、一実施形態では、
上記被加熱物が、シュー皮になるべきシュー生地であり、
上記第1所定温度は、(60±3)℃であり、
上記第2所定温度は、(98±2)℃であり、
上記第1所定時間は、10分である。
【0023】
上記実施形態によれば、シュー生地が膨化を始める温度に達したタイミング(被加熱物が膨化を始める内部最低温度(60±3)℃)、すなわち、膨化期の初期段階で過熱水蒸気を庫内に供給でき、また、シュー皮が焼き固まる温度に達したタイミング(内部最低温度(98±2)℃を10分維持)、すなわち、固定期の初期段階で庫内の水蒸気を含んだ雰囲気を排出することができる。したがって、被加熱物が、シュー皮になるべきシュー生地である場合に、加熱庫内の雰囲気の水蒸気量を適切に制御することができて、見た目が良好で、食感も良い、シュー皮を製造することができる。
【0024】
また、一実施形態では、
上記被加熱物が、シュー皮になるべきシュー生地であり、
上記第1所定重量%は、(90±5)重量%であり、
上記第2所定重量%は、(65±5)重量%である。
【0025】
上記実施形態によれば、被加熱物の重量が、調理開始時の被加熱物の重量の95重量%程度に達するタイミング、すなわち、膨化期の初期段階で過熱水蒸気を庫内に供給し、70重量%程度に達するタイミング、すなわち、固定期の初期段階で庫内の水蒸気を含んだ雰囲気を排出することができるから、被加熱物が、シュー皮になるべきシュー生地である場合に、加熱庫内の雰囲気の水蒸気量を適切に制御できて、見た目が良好で、食感も良い、シュー皮を製造することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、制御装置が、物理状態検出部により検出された情報から焼成行程を見積もり、被加熱物の状態の進行に伴って、加熱庫内の雰囲気の水蒸気量を適切に制御できる。したがって、調理過程において、被加熱物との関係で、加熱庫の水蒸気量を適切に調整できて、仕上がりよく調理できる加熱調理器を実現できる。
【0027】
また、本発明によれば、上記加熱庫内の雰囲気の水蒸気量を調節するよう制御できるから、被調理物、例えば、シュー皮をより仕上がりよく焼き上げることができる。
【0028】
また、本発明によれば、霧吹きの手間を省くことができるので、調理が難しいシュー皮のような被加熱物であっても、簡単に調理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の一実施形態の加熱調理器の正面断面図である。
【図2】加熱調理器の上面断面図である。
【図3】加熱調理器の制御系のブロック構成図である。
【図4】シュー皮の焼成を行うときに現れる、シュー皮の互いに異なる4つの状態を示す図であり、異なる4つの状態の外観および縦断面を示す模式図である。
【図5】シュー皮の互いに異なる4つの状態における、シュー生地の内部の最低温度の経時変化の一例と、重量の経時変化の一例とを示す図である。
【図6】シュー皮を製造するときの、本実施形態の加熱調理器の制御の一例を説明するフローチャートである。
【図7】シュー皮を製造するときの、本実施形態の加熱調理器の制御の他の一例を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明を図示の形態により詳細に説明する。
【0031】
図1は、本発明の一実施形態の加熱調理器の正面断面図であり、図2は、その加熱調理器の上面断面図である。
【0032】
図1に示すように、上記加熱調理器1は、本体筺体2内に、前面を開口して扉30(図2参照)により開閉される加熱庫4を有している。加熱庫4内には載置トレイ3が配され、被加熱物5が載置トレイ3に載置されて収納される。載置トレイ3上には、物理状態検出部の一例としての内部温度センサ26が、載置トレイ3の下には、物理状態検出部の一例としての重量センサ27が設けられ、載置トレイ3上の被加熱物5の内部温度や重量が検知できるようになっている。上記内部温度センサ26は、温度検知部を構成し、重量センサ27は、重量検知部を構成している。
【0033】
本体筺体2内には、加熱庫4の外壁に沿う循環ダクト6が設けられる。循環ダクト6は、右側の側面部7、天面の天面部8、左側の側面部9を順に連結して形成されている。図2に示すように、上記側面部7には、加熱庫4に臨む吸気口6aが前後方向の略中央に開口し、また、図1に示すように、天面部8及び側面部9には、加熱庫4に臨む噴出口6b、6cが開口している。
【0034】
図2を参照して、加熱庫4の右側壁で吸気口6aの手前側には、給気口28が開口する一方、奥側には、排出口29が開口している。上記給気口28は、扉30の近傍に配され、給気口28から吹き出される気流が、扉30に向かって流通するようになっている。
【0035】
図1を参照して、側面部7には、循環モータ10aにより駆動される循環ファン10が配置されている。循環ファン10の駆動によって加熱庫4内の水蒸気や空気が吸気口6aから循環ダクト6に吸い込まれ、噴出口6b、6cから吹き出されるようになっている。
【0036】
上記側面部7には、温度センサが設けられ、側面部7に流入する加熱庫4内の水蒸気や空気の温度が検知されるようになっている。また、上記天面部8には、蒸気加熱部の一例としてのシーズヒーター等から成る加熱ヒータ12が配置されている。上記加熱ヒータ12の輻射熱によって循環ダクト6を流通する水蒸気や空気が加熱され、加熱された水蒸気や空気が、噴出口6b、6cから吹き出されるようになっており、これにより、加熱庫4内の水蒸気や空気が所定温度に維持されるようになっている。また、加熱庫4に供給される水蒸気を、加熱ヒータ12により、さらに昇温して、過熱水蒸気を生成できるようになっている。
【0037】
図2を参照して、加熱庫4の右側方には着脱自在の給水タンク31が配置されている。図1を参照して、給水タンク31の背後には、蒸気発生部を構成する蒸気発生装置14が設けられている。図1および図2を参照して、蒸気発生装置14は、給水タンク31に接続され、ヒータ(図示せず)の加熱によって水蒸気を発生するようになっている。上記蒸気発生装置14および加熱ヒータ12は、過熱水蒸気発生部を構成している。
【0038】
図1を参照して、上記蒸気発生装置14は、蒸気ダクト13に接続され、循環ダクト6の側面部7に接続される。上記蒸気発生装置14で発生した水蒸気は、蒸気ダクト13を流通し、流入口13aを介して、循環ダクト6の側面部7に流入するようになっている。
【0039】
図2を参照して、加熱庫4の右側壁には、排出口29につながる排出ダクト32が存在する。上記排出ダクト32は、横方向に伸びる横通路と、横通路から上方に屈曲する縦通路(図1参照)とを有しており、縦通路の上端には、本体筺体2の天面に配置される天面キャップ33(図1参照)が設けられている。
【0040】
図2を参照して、排出ダクトの横通路の背面側には、吸込ダクト34を介して外気を吸い込む吸込口34aが形成される。また、横通路には、排出口29と吸込口34aを択一的に開く排出ダンパ35が設けられている。
【0041】
図1を参照して、加熱庫4の下方及び右側方で、かつ、本体筺体2と、加熱庫4との間には、外気流入ダクト15が形成されている。外気流入ダクト15は、吸込口15aを有し、その吸込口15aは、本体筺体2の底面に開口している。外気流入ダクト15の下部には、冷却ファン16、電装部品17及びマグネトロン(図1、2には、図示せず)が配置されている。図1を参照して、外気流入ダクト15の側部には送風ダクト19が配置されている。上記送風ダクト19内には、駆動モータ20aにより駆動される希釈ファン20が設けられている。
【0042】
上記電装部品17は、加熱調理器1の各部を駆動する駆動回路や、これを制御する制御回路を備え、電装部品17には、多数の発熱素子が実装されている。上記マグネトロン18は、導波管を介して加熱庫4内にマイクロ波を供給する役割を担っている。
【0043】
図1を参照して、上記冷却ファン16は、外気流入ダクト15内に吸込口15aを介して外気を取り込み、発熱する電装部品17やマグネトロン18を冷却するようになっている。また、冷却ファン16によって外気流入ダクト15に流入した外気は、希釈ファン20に導かれるようになっている。また、外気流入ダクト15に取り込まれた外気は、本体筺体2の背面等に形成された開口(図示せず)から流出するようになっている。
【0044】
図3は、この加熱調理器の制御ブロック図である。
【0045】
この加熱調理器は、制御装置21を備え、制御装置21には、循環ファン10、加熱ヒータ12、蒸気発生装置14、冷却ファン16、マグネトロン18、希釈ファン20、重量センサ27、給気ダンパ36、操作部23、表示部24、温度センサ11、内部温度センサ26、湿度センサ22、水位センサ14a、タンク水位センサ25および排出ダンパ35が接続されている。
【0046】
上記操作部23は、扉30(図1参照)の表面に設けられるものであり、押しボタンやダイヤルなどの操作手段を含んでいる。また、上記表示部24は、操作部23の中に設けられるものであり、液晶表示パネル等の表示手段を含んでいる。また、上記水位センサ14aは、蒸気発生装置14に設けられて、その内部の水位を測定し、タンク水位センサ25は、給水タンク31に設けられてその内部の水位を測定するようになっている。
【0047】
上記制御装置21は、過熱水蒸気制御部21aと、温度時間制御部21bと、過熱水蒸気排出制御部21cとを有している。過熱水蒸気制御部21aは、内部温度センサ26からの信号に基づいて、蒸気発生装置14および加熱ヒータ12の駆動を制御して、加熱庫4内に供給する過熱水蒸気の量を制御するようになっている。また、過熱水蒸気制御部21aは、蒸気発生部としての蒸気発生装置14と、循環ファンモータ10aの回転速度とを制御することにより、蒸気発生装置14から加熱ヒータ12へ、循環ダクト6を介して供給する水蒸気の量を制御するようになっている。
【0048】
上記温度時間制御部21bは、タイマ21dからの情報と、内部温度センサ26からの情報とに基づいて、被加熱物の温度を、第1所定時間の間、上記第2所定温度に維持するように、加熱ヒータ12をオンオフ制御するようになっている。
【0049】
また、上記過熱水蒸気排出制御部21cは、排出ダンパ35、吸気ダンパ36および希釈ファン20の駆動を制御するようになっている。詳しくは、加熱庫4内の過熱水蒸気を排出するときには、上記希釈ファン20によって、送風ダクト19と給気通路を介して給気ダンパ36に導かれた外気を、給気口28から加熱庫4内に供給する。このとき、扉30近傍の給気口28から吹き出される気流は、加熱庫4内を扉30に沿って流れる。また、希釈ファン20によって、送風ダクト19を介して排出ダクト32に外気が供給される。このようにして、加熱庫4内の空気を、排出口29から外部に排出するようになっている。
【0050】
上記構成において、上記加熱調理器は、例えば、被加熱物の一例としてのシュー皮を以下のようにして製造する。
【0051】
先ず、加熱ヒータ12を駆動して、加熱庫4内の被加熱物であるシュー皮の温度を、内部温度センサ26で測定する。そして、シュー生地内の内部温度が、第1所定温度の一例としての(60±3)℃に達すると、制御装置21が、第1制御を行う。詳しくは、内部温度センサ26から、シュー生地内の内部温度が(60±3)℃であることを表す信号を受けた制御装置21が、蒸気発生装置14と、加熱ヒータ12と、循環ファン10とを駆動制御することにより、蒸気発生装置14から加熱ヒータ12へ循環ダクト6を介して水蒸気を供給して、更に、加熱ヒータ12で、供給された水蒸気を過熱水蒸気にして、加熱庫4に導入する。
【0052】
その後、内部温度センサ26が、シュー生地の内部温度が、第2所定温度の一例としての(98±2)℃であることを検出すると、第2制御が行われる。詳しくは、内部温度センサ26から、シュー生地内の内部温度が(98±2)℃であることを表す信号を受けた制御装置21の温度時間制御部21bが、加熱ヒータを適宜制御して、シュー生地の内部温度が、(98±2)℃の状態を、10分間維持するようになっている。
【0053】
その後、第3制御が行われるようになっている。詳しくは、過熱水蒸気排出制御部21cが、排出ダンパ35、吸気ダンパ36および希釈ファン20の駆動を適宜制御して、加熱庫4内の雰囲気を排出するようになっている。
【0054】
図4は、シュー皮の焼成を行うときに現れる、シュー皮の互いに異なる4つの状態を示す図である。また、図5は、シュー皮の互いに異なる4つの状態における、シュー生地の内部の最低温度の経時変化の一例と、重量の経時変化の一例とを示す図である。
【0055】
図4に示すように、シュー皮の焼成は、弛緩期・膨化期・固定期・乾燥期の4つの行程(夫々、シュー皮の互いに異なる4つの状態に対応)に分類することができる。
【0056】
図4を参照して、シュー皮は、焼成初期に生地が垂れる状態になるが、これがシュー皮の「弛緩期」である。また、シュー皮が、生地内部から水蒸気が発生することによって膨らむのが「膨化期」である。ヒータからの輻射熱によってシュー皮の表面が、焼き固まってしまうと内部からの水蒸気の発生によって大きく膨らむことが難しくなる。
【0057】
そのために、本実施形態の加熱調理器は、内部から水蒸気が発生し始めるタイミングにおいて、すなわち、内部温度センサ26でシュー生地内部から水蒸気が発生し始める温度(60±3)℃に達したことを検知すると、第1制御を行うことによって、蒸気発生装置14から供給した水蒸気を、加熱ヒータ12で過熱水蒸気とし、加熱庫4に供給するようになっている。このようにして、シュー生地の表面の伸びを促進するようになっている。
【0058】
尚、一般的な加熱調理器を用いてシュー皮を焼成する際は、生地を膨化するために、天板に生地を絞り出したのちに、霧吹きなどで水分を供給するのが不可欠であり、生地の膨化に手間がかかるという問題がある。本実施形態では、この手間のかかる工程を省略できるから、シュー皮を、格段に容易に製造でき、かつ、自動的に製造できる。また、天板に生地を絞り出したのちに、霧吹きなどで水分を供給する方法と異なり、ムラが格段に少ない焼き上がりを実現できる。
【0059】
次に、表面に焦げ色がつき始め、オーブン外に出しても縮まないように焼き固まる状態が「固定期」である。固定期からその次の「乾燥期」までは、シュー皮の表面に焦げ目をつけ、更に、シュー皮を乾燥しなければならないから、加熱庫内は、湿度が少ない雰囲気であることが好ましい。
【0060】
しかしながら、加熱庫内の雰囲気は、蒸気発生装置14から供給した過熱水蒸気やシュー生地から発生した水蒸気が循環しており、湿度に富んだ雰囲気となっている。そのために、本実施形態では、シュー生地が焼き固まるタイミングにおいて、すなわち、内部温度センサ26で(98±2)℃を10分間維持したことを検知すると、第3制御を行うようになっている。そして、排出ダンパ35と給気ダンパ36とを開くと共に、希釈ファン20を駆動することによって、乾燥した雰囲気を取り込むことで、シュー皮の焦げ色をつけ、食感を向上させるようになっている。
【0061】
図6は、シュー皮を製造するときの、本実施形態の加熱調理器の制御の一例を説明するフローチャートである。
【0062】
尚、この制御を行う前段階として、ユーザは、操作部23を介して、シュー皮の製造を選択したものとする。
【0063】
上記操作部23を介して、制御をスタートさせると、まず、図6のステップS1で、制御装置21が、加熱ヒータ12を駆動する。次にステップS2で、制御装置21が、内部温度センサ26の検出値が75℃に達したか否かを判断する。このステップS2で、制御装置21が、内部温度センサ26の検出値が60℃より小さいと判断すると、再度ステップS2を行う。一方、ステップS2で、制御装置21が、内部温度センサ26の検出値が60℃以上であると判断すると、ステップS3で、制御装置21が、蒸気発生装置14および循環ファン10を駆動する。
【0064】
次に、ステップS4では、制御装置21が、内部温度センサ26の検出値が、100℃に到達したか否かを判断する。このステップS4で、制御装置21が、内部温度センサ26の検出値が100℃より小さいと判断すると、再度ステップS4を行う。一方、ステップS4で、制御装置21が、内部温度センサ26の検出値が100℃以上であると判断すると、次のステップS6で、制御装置21のタイマ21dが時間の計測を開始すると共に、内部温度センサ26が100℃を指すように、加熱ヒータ12をオンオフ制御して、加熱ヒータ12のオンオフ制御によるシュー皮生地の100℃の状態の維持を行う。
【0065】
次のステップS7では、加熱ヒータ12のオンオフ制御を持続しながら、タイマ21dによる時間計測の開始を行うと同時に、制御装置21が、蒸気発生装置14の停止、排出ダンパおよび給気ダンパの開駆動、および、希釈ファンの駆動を行う。このようにして、加熱庫4内の過熱水蒸気を排出する。
【0066】
次のステップS8では、タイマ21dの経時時間が、所定の時間に達したか否かを判断する。タイマ21dの経時時間が、所定の時間に達していない場合、再度、ステップS8を行う。一方、タイマ21dの経時時間が、所定の時間を経過した場合には、ステップS9に移行して、全ての部位の駆動を停止して、制御が修了する。
【0067】
尚、上記実施形態では、被加熱物であるシュー皮の状態をリアルタイムに検知する手段として、内部温度センサ26を用いたが、重量センサ27を用いて被加熱物であるシュー皮の状態を検知しても良い。詳しくは、シュー皮は、一般的に焼成すると、初期生地の重量の60%程度まで減少する。また、シュー皮の状態によって、重量が変動する。
【0068】
変形例の加熱調理器では、重量センサ27が、シュー皮の重量が、焼成前の重量の90±5の重量%(第1所定重量%を構成)に達したことを検知すると、第1制御を行うようになっている。詳しくは、重量センサ27から、シュー皮の重量が、焼成前の重量の90±5の重量%に達したことを表す信号を受けた制御装置21が、膨化期の初期と判断し、蒸気発生装置14、加熱ヒータ12および循環ファン10を制御して、蒸気発生装置14から加熱ヒータ12に供給した水蒸気を、加熱ヒータ12によって過熱水蒸気とし、更に、加熱庫4に供給するようになっている。
【0069】
また、変形例の加熱調理器では、過熱水蒸気排出制御部21cが、シュー生地の重量が調理開始時の重量の70重量%程度まで減少したことを表す信号を、重量センサ27から受けた時点で、加熱庫4内の雰囲気を排出するようになっている。詳しくは、重量センサ27が、シュー皮の重量が、焼成前の重量の65±5の重量%(第2所定重量%を構成)に達したことを検知すると、第2制御を行うようになっている。詳しくは、重量センサ27から、シュー皮の重量が、焼成前の重量の65±5の重量%に達したことを表す信号を受けた制御装置21が、シュー皮の固定期の初期と判断し、排出ダンパ35と、給気ダンパ36とを開き、希釈ファン20を駆動して、乾燥した雰囲気を取り込むと共に、湿度が高い空気を、外部に排出する。このようにして、被加熱物であるシュー皮の状態を、リアルタイムに検知しながら行程を見積もり、最適なタイミングで調理条件を設定するようにしている。
【0070】
図7は、シュー皮を製造するときの、本実施形態の加熱調理器の制御の他の一例を説明するフローチャートである。
【0071】
上記操作部23を介して、制御をスタートさせると、まず、図7のステップS1で、制御装置21が、加熱ヒータ12を駆動する。次にステップS2で、制御装置21が、重量センサ27がシュー皮の重量が調理前の初期値の95重量%以下の値を検出したか否かを判断する。このステップS2で、制御装置21が、重量センサ27がシュー皮の重量が調理前の初期値の95重量%よりも大きい値を検出したと判断すると、再度ステップS2を行う。一方、ステップS2で、制御装置21が、重量センサ27がシュー皮の重量が調理前の初期値の95重量%以下の値を検出した判断すると、制御装置21が、ステップS3で蒸気発生装置14および循環ファン10を駆動する。
【0072】
次に、ステップS4では、制御装置21が、重量センサ27がシュー皮の重量が調理前の初期値の70重量%以下の値を検出したか否かを判断する。このステップS4で、制御装置21が、重量センサ27がシュー皮の重量が調理前の初期値の70重量%よりも大きい値を検出したと判断すると、再度ステップS4を行う。一方、ステップS4で、制御装置21が、重量センサ27がシュー皮の重量が調理前の初期値の70重量%以下の値を検出した判断すると、制御装置21が、ステップS5で、制御装置21が、蒸気発生装置14の停止、排出ダンパおよび給気ダンパの開駆動、および、希釈ファンの駆動を行う。このようにして、加熱庫4内の過熱水蒸気を排出する。
【0073】
次のステップS6では、制御装置21が、重量センサ27がシュー皮の重量が調理前の初期値の60重量%以下の値を検出したか否かを判断する。このステップS4で、制御装置21が、重量センサ27がシュー皮の重量が調理前の初期値の60重量%よりも大きい値を検出したと判断すると、再度ステップS6を行う。一方、ステップS6で、制御装置21が、重量センサ27がシュー皮の重量が調理前の初期値の60重量%以下の値を検出した判断すると、ステップS7に移行して、全ての部位の駆動を停止して、制御がエンドになる。
【0074】
尚、上記実施形態では、過熱水蒸気発生部が、蒸気発生部としての蒸気発生装置14と、蒸気発生装置14とは別体の蒸気加熱部としての加熱ヒータ12とで構成されていた。しかしながら、この発明では、蒸気発生部と、蒸気加熱部とが、一体で分離できない構成になっていても良い。
【0075】
また、上記実施形態では、シュー皮の調理を例にして説明したが、例えば、スポンジケーキ、パン等の菓子類、シューマイや餃子の皮、饅頭、その他の食材の加熱調理に広く適用できることは言うまでもない。
【0076】
また、上記実施形態では、物理状態検知部として、内部温度センサや、重量センサを用いた例を説明したが、この発明では、物理状態検知部として、湿度センサを用いることもできる。そして、調理開始時からの時間を計測するタイマと、加熱ヒータと、上記湿度センサとを用いて、シュー皮に与えられる熱量と、シュー皮の湿度とから、シュー皮の焼成の、弛緩期・膨化期・固定期・乾燥期を判断して、シュー皮を適宜に製造するようにしても良い。
【0077】
また、上記実施形態では、第1所定温度が、温度(60±3)℃であり、第2所定温度が、(98±2)℃であり、第1所定重量%が、(90±5)%であり、第2所定重量%が、(65±5)%であった。しかしながら、この発明では、第1所定温度、第2所定温度、第1所定重量%、第2所定重量%が、それらの値(範囲)に限られないのは、勿論であり、これらの値が、被加熱物に基づいて適宜決定されることは言うまでもない。尚、上記記載での±3℃や±2℃等の誤差は、試験結果によって算出されたものであり、この誤差の範囲内にあれば、シュー皮を好適に形成することができる。
【0078】
また、本発明の蒸気加熱部は、過熱水蒸気に加えて、輻射熱を放出して、輻射熱で被加熱物を加熱するようになっていても良い。
【0079】
また、上記実施形態および上記変形例で開示された発明特定事項のうちの二以上の事項を組み合わせて、本発明を構成できることも言うまでもなく、例えば、過熱水蒸気の加熱庫への導入を、被加熱物の温度情報に基づいて行った後、過熱水蒸気の加熱庫からの排出を、被加熱物の重量情報に基づいて行っても良い。
【0080】
また、本発明は、ヒータの構成や、配置形態を適宜変更したり、あるいは、レンジ加熱機能のないオーブン調理専用の加熱調理器に適用して実施しても良い等、要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形をして実施できることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0081】
1 加熱調理器
2 本体筺体
3 載置トレイ
4 加熱庫
6 循環ダクト
10 循環ファン
10a 循環モータ
11 温度センサ
12 加熱ヒータ
13 蒸気ダクト
14 蒸気発生装置
16 冷却ファン
17 電装部品
18 マグネトロン
19 送風ダクト
20 希釈ファン
21 制御装置
22 湿度センサ
23 操作部
24 表示部
25 タンク水位センサ
26 内部温度センサ
27 重量センサ
28 給気口
29 排出口
30 扉
31 給水タンク
32 排出ダクト
33 天面キャップ
34 吸込ダクト
35 排出ダンパ
36 給気ダンパ
21a 過熱水蒸気制御部
21b 温度時間制御部
21c 過熱水蒸気排出制御部
21d タイマ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被加熱物を収容する加熱庫と、
給水タンクと、
上記給水タンクからの水から過熱水蒸気を生成して、上記加熱庫内の上記被加熱物を加熱するための過熱水蒸気発生部と、
上記加熱庫内の上記被加熱物の物理的な状態を検出する物理状態検出部と、
制御装置と
を備え、
上記制御装置は、
上記物理状態検出部からの信号に基づいて上記過熱水蒸気発生部の駆動を制御して、上記加熱庫内に供給する上記過熱水蒸気の量を制御する過熱水蒸気制御部を有することを特徴とする加熱調理器。
【請求項2】
請求項1に記載の加熱調理器において、
上記過熱水蒸気発生部は、
上記給水タンクからの水を加熱して水蒸気を発生させる蒸気発生部と、
上記水蒸気を加熱して上記過熱水蒸気を生成する蒸気加熱部と
を有していることを特徴とする加熱調理器。
【請求項3】
請求項1または2に記載の加熱調理器において、
上記加熱室内の上記過熱水蒸気を、上記加熱庫外に排出するための過熱水蒸気排出部を備え、
上記物理状態検出部は、上記被加熱物の内部温度を検知するための温度検知部を有し、
上記過熱水蒸気制御部は、上記温度検知部から上記被加熱物の温度が第1所定温度以上であることを示す信号を受けると、上記過熱水蒸気が上記加熱庫に供給されるように、上記過熱水蒸気発生部を制御し、
上記制御装置は、
上記温度検知部から上記被加熱物の温度が上記第1所定温度よりも高い第2所定温度以上であることを表す信号を受けると、上記被加熱物の温度を、第1所定時間の間、上記第2所定温度に維持するように、上記過熱水蒸気発生部を制御する温度時間制御部と、
上記第1所定時間の経過後、上記加熱庫内の過熱水蒸気が排出されるように、上記過熱水蒸気排出部を制御する過熱水蒸気排出制御部と
を有していることを特徴とする加熱調理器。
【請求項4】
請求項1または2に記載の加熱調理器において、
上記加熱室内の過熱水蒸気を、上記加熱庫外に排出するための過熱水蒸気排出部を備え、
上記物理状態検出部は、上記被加熱物の重量を検知する重量検知部を有し、
上記過熱水蒸気制御部は、上記重量検知部より調理開始時の上記被加熱物の重量に対する上記被加熱物の重量の重量%が第1所定重量%以下になったことを表す信号を受けると、過熱水蒸気が上記加熱庫に供給されるように、上記過熱水蒸気発生部を制御し、
上記制御装置は、上記重量検知部より調理開始時の上記被加熱物の重量に対する上記被加熱物の重量の重量%が上記第1所定重量%よりも小さい第2所定重量%以下になったことを表す信号を受けると、上記加熱庫内の過熱水蒸気が排出されるように、上記過熱水蒸気排出部を制御する過熱水蒸気排出制御部を有していることを特徴とする加熱調理器。
【請求項5】
過熱水蒸気によって、加熱庫内の被加熱物を加熱する加熱調理方法であって、
上記被加熱物の調理中に、上記被加熱物の内部温度または上記被加熱物の調理開始時の重量に対する上記被加熱物の重量の重量%に基づいて上記加熱庫内に上記過熱水蒸気を供給する過熱水蒸気供給工程と、
上記過熱水蒸気供給工程の後、上記被加熱物の内部温度または上記被加熱物の調理開始時の重量に対する上記被加熱物の重量の重量%に基づいて上記加熱庫内の上記過熱水蒸気を上記加熱庫外に排出する水蒸気排出工程と
を備えることを特徴とする加熱調理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−106578(P2013−106578A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−254971(P2011−254971)
【出願日】平成23年11月22日(2011.11.22)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】