説明

加熱調理器具セットおよび専用弁当箱

【課題】食材に適した火力に調節することができ、仕出し弁当などにコンパクトに収納することができる加熱調理器具セットおよびこれと一緒に用いられる専用弁当箱を提供する。
【解決手段】底部が開口した薄肉のお椀型に成形された大椀部(12a)と、該大椀部の半分程度の高さを有し、かつ、大椀部と隙間なく重ね合わせることができる底部が開口した薄肉のお椀型に形成された小椀部(12b)とからなり、前記大椀部の底面および前記小椀部の底面を対向させた状態で組み合わせることで鼓型に形成されるコンロ部(12)と、前記大椀部内に落とし込むことが可能な大椀部と略同一外形の加熱容器(14)と、前記コンロ部内部に配置され熱源として利用される燃焼燃料(16)と、からなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食材が盛られた加熱容器を固形燃料等を用いて加熱することで食材を調理・保温するためのものであり、例えば仕出し弁当などにコンパクトに収納可能とした加熱調理器具セットおよびその専用弁当箱に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より宿泊施設などにおいて、食材を盛った加熱容器を固形燃料を用いて食卓上で加熱調理するための各人用の卓上加熱調理器具が用いられている。この卓上加熱調理器具としては、金属性や陶器製の筒型の台座(コンロ部)内に配置した固形燃料に点火し、台座上に載せた耐熱食器を直火で加熱するものが一般的である。
このような宿泊施設で使用される卓上加熱調理器具によれば調理直後の暖かい料理を楽しむことができるものの、卓上加熱調理器具は宿泊施設内での使用を前提としているためコンパクトに収納することはできなかった。
【0003】
そのため例えば特許文献1では、重ね合わせ可能な鍋と五徳によって構成することで携帯性を持たせたコンロである「携帯用調理器具」が開示されている。
【特許文献1】特開2004−166732号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の「携帯用調理器具」は、発明の効果に記載されているように、新鮮な食材をアウトドアで十分な火力で調理できるため、インスタント食品にはない賞味を楽しむことができ、又、嵩低くコンパクトにセットできるため携行に便利であるといった特徴を有している。
しかしながらこの調理器具ではさらなるコンパクト化の余地があった。またこの調理器具では固形燃料と鍋との距離や炎の大きさを変えられないため火力の調節を行うことができなかった。そのため、例えば保温を主目的とした使用であっても必要以上に鍋を加熱してしまうことがあった。
【0005】
本発明はこのような問題を解決するためになされたものであり、食材が盛られた加熱容器を固形燃料等を用いて加熱するに際し、加熱容器と固形燃料等との距離や炎の大きさを変更可能とすることで食材に適した火力に調節することができ、加熱調理を目的とするか保温を目的とするかによって使い分けられる、仕出し弁当などにコンパクトに収納することができる加熱調理器具セットおよびこれと一緒に用いられる専用弁当箱を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記の目的を達成するために、底部が開口した薄肉のお椀型に成形された大椀部(12a)と、該大椀部の半分程度の高さを有し、かつ、大椀部と隙間なく重ね合わせることができる底部が開口した薄肉のお椀型に形成された小椀部(12b)とからなり、前記大椀部の底面および前記小椀部の底面を対向させた状態で組み合わせることで鼓型に形成されるコンロ部(12)と、前記大椀部内に落とし込むことが可能な大椀部と略同一外形の加熱容器(14)と、前記コンロ部内部に配置され熱源として利用される燃焼燃料(16)と、からなり、前記コンロ部は大椀部又は小椀部のいずれかを選択して上側とすることで、コンロ部内部に配置した燃焼燃料の炎と前記加熱容器底面との距離を変更可能とした、ことを特徴とする加熱調理器具セットを提供する。
【0007】
ここで、前記燃焼燃料(16)はその上面が燃焼する固形燃料であり、上面の面積が広く背が高いものまたは上面の面積がせまく背が低いもののいずれかを選択して用いる、ものとすることが好ましい。
【0008】
また、前記大椀部(12a)および/または前記小椀部(12b)には内部に空気を取り入れるための開口窓(22)が形成されており、該開口窓はその開口面積を変更可能とする、ことも好ましい。
【0009】
すなわち例えば、前記開口窓(22)は摺動回転可能に構成した薄肉外郭および薄肉内郭を重ねた状態で相対回転させることで、薄肉外郭および薄肉内郭にそれぞれ形成した開口の重なり具合を調節して開口面積を変更する、ものとする。
【0010】
なお、前記コンロ部(12)は金属を用いて製作されており、前記大椀部(12a)および前記小椀部(12b)の組み合わせはその底部同士を螺着することで行われる、ものとすることが好ましい。
【0011】
また本発明は上述した加熱調理器具セット(10)を使用するための弁当箱本体(32)と蓋体(34)からなる専用弁当箱(30)であって、弁当箱本体には大椀部(12a)および小椀部(12b)が落とし込まれる大きさのお椀型の窪み(36)が形成されており、該窪みの壁面には伏せた状態の大椀部または小椀部の上部周縁を掛け止めるための掛止部(38)が形成されている、ことを特徴とするものを提供する。
【発明の効果】
【0012】
本発明の加熱調理器具セットによれば、鼓型のコンロ部を高さの異なる大椀部と小椀部とに分割可能とし、また、大椀部と同一形状加熱容器を採用することで、大椀部に小椀部および食材を盛った加熱容器をほぼ大椀部1つ分の容積に収容することができるため、例えば仕出し弁当などにコンパクトに収納して料理を提供してやることができる。ここで大椀部と小椀部とはその高さが大きく異なり、いずれを上側にして加熱容器を落とし込むように載せ置くかを自由に選択することができるため、コンロ部内部に配置した燃焼燃料の炎と加熱容器底面との距離を変更できる。すなわち、大きな火力を必要とする料理では大椀部を上側に小椀部を下側にしてやることでその上に載せ置いた加熱食器と炎との距離を狭くし、大きな火力を必要としない保温を目的とする料理では小椀部を上側に大椀部を下側にしてやることでその上に載せ置いた加熱食器と炎との距離を広くして、提供される料理に最適な火力で調理・保温することができる。
【0013】
ここで、燃焼燃料にその上面が燃焼する固形燃料であって、上面の面積が広く背が高いものおよび上面の面積がせまく背が低いものを用意してやり、大きな火力を必要とする料理には前者の固形燃料を、大きな火力を必要としない料理には後者の固形燃料を使用してやることで、提供される料理により最適な火力でこれを調理・保温してやることができる。
【0014】
なお、コンロ部を構成する大椀部および/または小椀部には内部に空気を取り入れるための開口窓が形成されている必要があるが、この開口窓の開口面積を調節可能としてやれば、燃焼燃料の炎の大きさの調節を取り入れる空気(酸素)の量によっても調節してやることができる。
【0015】
そのためのコンロ部を構成する大椀部および/または小椀部を摺動回転可能な薄肉外郭および薄肉内郭からなる二重構造とし、薄肉外郭および薄肉内郭を相対回転させることによってそれぞれ形成した開口の重なり変えてやれば、簡易かつ迅速に開口窓の開口面積を調節してやることができる。
【0016】
なおコンロ部を薄い金属板によって製作し、大椀部および小椀部を螺着することとすれば、簡単確実に両者を組み合わせてコンロ部を形成してやることができる。
【0017】
上述した加熱調理器具セットは専用の弁当箱とともに用いられる。この弁当箱にはお椀型の窪みが形成されており、ここに大椀部、小椀部および食材を盛った加熱容器を重ね合わせてコンパクトに収容し、使用時にはこの窪みに組み立てたコンロ部をセットし、その上に加熱容器を載置する。ここで窪みの壁面上端近傍に伏せた状態の大椀部または小椀部の上部周縁を掛け止めるための掛止部を形成してやれば、この窪みに組み立てたコンロ部を安定してセットすることができるとともに、燃焼燃料と加熱容器底面との距離が狭小となりすぎることを回避することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明は、高級仕出し弁当用に製作した専用弁当箱および、これにコンパクトに収納でき、食事の際には組み立てることで食材が盛られた加熱容器を固形燃料等を用いて加熱調理・保温することができる加熱調理器具セットに関するものである。この加熱調理器具セットは組み立て式のコンロ部、コンロ部に載置される加熱容器、コンロ部内部に配置されて熱源として利用される燃焼燃料から構成されている。
【0019】
本発明の加熱調理器具セットは、加熱容器と固形燃料等との距離を変更可能として、加熱される最適な火力で食材を加熱調理・保温することを可能としたことをその特徴としている。また本発明の専用弁当箱は、この加熱調理器具セットと一体として用いることで、加熱調理器具セットの効果を最大限発揮させるためのものである。
以下、本発明の加熱調理器具セットおよび専用弁当箱の構造について最初に説明し、その後、この加熱調理器具セットおよび専用弁当箱の使用方法について説明する。
【実施例1】
【0020】
図1は本発明の加熱調理器具セットに用いられるコンロ部の一実施例を示した斜視図であり、図2はその分解斜視図、図3は側面図である。
【0021】
これらの図に示したようにこの加熱調理器具セットに用いられるコンロ部12は、薄肉のお椀型に成形された大椀部12aと小椀部12bとを、その底面同士を対向させて連結することで全体として鼓型をなすように形成されている。また大椀部12aと小椀部12bの壁面には内部に空気を取り入れるための開口窓22が形成されている。
【0022】
図2および図3からも分かるように、大椀部12aは底部が6cm強程度の直径で開口し、上部周縁の直径が12cm程度で高さが5cm程度の丸椀であり、小椀部12bは底部が6cm程度の直径で開口し、上部周縁の直径が12cm程度で高さが2.5cm程度の丸椀である。この大椀部12aおよび小椀部12bはともに0.4mm程度の薄い金属(例えばチタン合金やステンレス鋼)などをプレス加工することによって製作されており、ほぼ隙間なく重ね合わせることができる。なおチタン合金やステンレス鋼は熱伝導率が低く、かつ、強度の高い材料であるため、これらの材料によってコンロ部を製作してやれば、固形燃焼により熱せられた直後であっても持ち運ぶことが可能となり、強度も確保しやすいためである。
また大椀部12aおよび小椀部12bの壁面には模様をなす複数の開口窓22が等間隔に形成されている。この開口窓22はコンロ部12にデザイン性を付与するとともに、コンロ部内に空気を取り入れるためのものである。
【0023】
また図2に示したように小椀部12bの底部開口の周縁はその一部が鉤状に折り曲げられて鉤部41が90°おきに4箇所形成されている。
一方大椀部12aの底面には鉤部は形成されていないが、底部開口に小椀部12bの鉤部41を差し込むことができるように、鉤部41に対応した位置の開口部周縁の径が一部広くなるように切り広げられてコの字型の差込部45が形成されている。またこの差込部45の左側に位置する底部開口の周縁は、差込部とつながるように若干テーパー状に切り広げられてテーパー部43が形成されている。従って小椀部12bと大椀部12aをその底部開口同士を対向させて、小椀部の鉤部41が大椀部の差込部45を通るように差し込み、両者を若干テーパー部43に沿って相対軸回転させることで、小椀部12bと大椀部12aとをしっかりと螺着して組み合わせて、コンロ部12を形成することができる。
【0024】
図4および図5は組み立てたコンロ部12に加熱容器14を載置した状態の断面図であり、図4は小椀部12bが下になるように、図5は大椀部12aが下になるようにして加熱容器をコンロ部に落とし込んだ状態を表している。
コンロ部12上に載置される加熱容器14は、大椀部12aとほぼ同一形状で上部周縁の一部にフランジ状の持ち手が形成されたアルミ製の器(重ねたアルミ箔を圧縮形成した使い捨ての器)であり、大椀部12a内に隙間なく落とし込むことができるようになっている。もちろんこの加熱容器14は小椀部12b内にも隙間なく落とし込むことができる。その際には加熱容器14の上側半分程度が小椀部12bからはみ出すこととなるが、加熱容器14はその半分程度がコンロ部12に支持されていれば使用上特に問題はない(図5参照)。
【0025】
コンロ部12内部に配置されることとなる略円柱型の燃焼燃料16は固形燃料であり、蝋燭のような芯がなくともその上面全体が燃えることができるものである。なお燃焼燃料16には例えばアルコールランプなどの液体燃料を用いることも可能であるが、取り扱いのしやすさから固形燃料を用いることが好ましい。
ここで固形燃料には、上面の面積が広く背が高いものまたは上面の面積がせまく背が低いものの2種類があり、提供される食材(料理)によってその使い分けをすることとする。
【0026】
図6は上述した加熱調理器具セット10のための専用弁当箱30を構成する弁当箱本体32と蓋体34の斜視図である。また図7はこの専用弁当箱30にコンロ部12をセットして加熱容器14を載置した状態を示した斜視図である。
弁当箱本体32は樹脂または金属を用いて製作され、全体として縦×横×高さが20cm×35cm×6cm程度の大きさをしている。この弁当箱本体32は、ご飯を盛るための場所、惣菜を盛るための場所など複数の場所に区画されており、その左奥の角側にはお椀型の窪み36が形成されている。この窪み36は深さが5cm程度で上部が直径12cm強、低部が直径6cm程度の大きさをしており、その中にすっぽりと大椀部12aを落とし込むことができる大きさとなっている。またこの窪み36の壁面には、図6に示したように伏せた状態の大椀部12aの上部周縁または小椀部12bの上部周縁を掛け止めて固定するための段差状の掛止部38が形成されている。
ここで弁当箱本体32が樹脂製作である場合には、燃焼する固形燃料の熱によって溶けたり変形したりすることがないように、少なくとも窪み36の底面は耐熱仕様となっている。
なお蓋体34は弁当箱本体32に適合する大きさに形成された通常の蓋であるため、その説明は省略する。
【0027】
以上に説明した本実施例の加熱調理器具セット10および専用弁当箱30は次のように使用される。
まず弁当の準備に際しては、分離した大椀部12aと小椀部12bとを大椀部12aが外側になるように重ね合わせてやる。ここで大椀部12aの底部開口の差込部45には小椀部12b底部開口の鉤部41が差し込まれ、小椀部12bを若干軸回転させることで大椀部12aと小椀部12bとは隙間なく重ね合わせられた状態で螺着連結されることとなる。
【0028】
図8に断面図で示したように、重ね合わせられた大椀部12aと小椀部12b内には、食材を盛った加熱容器14が落とし込まれるようにして重ねられて専用弁当箱30の所定の区画であるお椀型の窪み36に配置される。またその他の区画にはご飯や惣菜が盛り付けられ、この状態で弁当箱本体32に蓋体34が載せられたのちに配達が行われる。すなわち大椀部12a、小椀部12b、食材を盛った加熱容器14は重ね合わせることで、これらをほぼ大椀部1つ分の大きさの容積に収容することができる。なお用いられる固形燃料は弁当に添えて配達されるか、弁当箱に形成したスペースに入れて配送されることとする(図6参照)。
【0029】
図7のX−X断面図である図9に示したように、食事の際にはまず弁当の蓋を開け、窪み36から重ね合わされた大椀部12a、小椀部12b、食材を盛った加熱容器14を取り出してやる。次に取り出した大椀部12aと小椀部12bとを、底面開口同士を対向させた状態で小椀部12b底部の鉤部41を大椀部12aの底部開口の差込部45に差し入れて若干相対軸回転させることで両者を螺着連結してコンロ部12を組み立ててやる。組み立てて鼓型に形成したコンロ部12は、その底部中央に固形燃料を配置した弁当箱本体32の窪み36にセットしてやる。なおコンロ部12は掛止部38によって窪み36の上部周縁近傍に嵌合固定されるためがたつくことはない。弁当箱本体32にセットしたコンロ部12上に、食材を盛った加熱容器14を載せ置き、最後に固形燃料に点火することで、加熱容器14に盛られた食材を加熱調理・保温してやることができる。
【0030】
ここで弁当箱本体32へのコンロ部12をセットする際に、大椀部12a又は小椀部12bのいずれかを選択して上側とすることで、コンロ部12上に載せ置いた加熱容器14底面と固形燃料上面との距離を変更する。さらに燃焼燃料16として用いる固形燃料を、上面の面積が広く背が高いものまたは上面の面積がせまく背が低いもののいずれかを選択して用いてやる。
【0031】
このように本実施例の加熱調理器具セット10および専用弁当箱30によれば、加熱容器14底面と固形燃料上面との距離を変更し、また、固形燃料に形状の異なるものを選択して使用することで、加熱容器14に盛って提供される料理に最適な火力でこれを加熱調理・保温してやることが可能となる。
【実施例2】
【0032】
図面は省略するが本実施例ではコンロ部12の壁面に形成した開口窓22の開口面積を調節できるようになっており、これによりコンロ部内に配置した燃焼燃料16の火力を調節可能としたことを特徴としている。なお本実施例はコンロ部12の開口窓22に関する部分以外は実施例1と変わるところがないため、重複した説明を省略する。
【0033】
このコンロ部12は大椀部12aと小椀部12bとを組み合わせることで鼓型に形成されることは既述の通りであるが、開口窓22は小椀部12bにのみ開口して形成されており大椀部12aには形成されていない。
この小椀部12bは、お椀型をした薄肉外郭および薄肉内郭を重ね合わせた二重構造となっており、開口窓22がそれぞれ開口して形成された薄肉外郭と薄肉内郭とはその軸周りに摺動回転することができるようになっている。そのため薄肉外郭および薄肉内郭を相対回転させて、薄肉外郭および薄肉内郭にそれぞれ形成した開口の重なりを調節することで開口窓の開口面積を調節することができる。
なお薄肉外郭と薄肉内郭との摺動回転操作を行いやすくするために、薄肉外郭と薄肉内郭の開口窓部分にツマミを形成してやることも好ましい。
【0034】
このように薄肉外郭および薄肉内郭の開口の重なりを調節して開口窓22の開口面積を変更することで、コンロ部12内部に取り込む酸素の量を調節してやれば、燃焼する燃焼燃料16の炎の大きさをさらに調整してやることが可能となる。すなわち、1)加熱容器底面と固形燃料上面との距離の変更、2)固形燃料の選択的使用、3)酸素供給量の調節の3通りの方法によって、加熱容器14に伝わる熱量を様々に調節することができ、提供される料理を最適な火力によって加熱調理・保温することができる。
【0035】
以上に説明した本発明の加熱調理器具セットおよび専用弁当箱によれば、弁当箱に収める際には食材が盛られた加熱容器とともにコンパクトに収容することができ、また食事の際には加熱容器と固形燃料等との距離や炎の大きさを変更可能とすることで食材に適した火力に調節することができる。
【0036】
なお本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更することができることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の加熱調理器具セットに用いられるコンロ部の一実施例を示した斜視図である。
【図2】コンロ部の分解斜視図である。
【図3】コンロ部の側面図である。
【図4】コンロ部の大椀部に加熱容器を載置した状態の断面図である。
【図5】コンロ部の小椀部に加熱容器を載置した状態の断面図である。
【図6】専用弁当箱を構成する弁当箱本体と蓋体の斜視図である。
【図7】専用弁当箱にコンロ部をセットして加熱容器を載置した状態を示した斜視図である。
【図8】専用弁当箱の窪みに分解したコンロ部および食材を盛った加熱容器を収容した状態を示した断面図である。
【図9】専用弁当箱に組み立てたコンロ部および食材を盛った加熱容器をセットした状態を示した断面図である。
【符号の説明】
【0038】
10 加熱調理器具セット
12 コンロ部
12a 大椀部
12b 小椀部
14 加熱容器
16 燃焼燃料
22 開口窓
30 専用弁当箱
32 弁当箱本体
34 蓋体
36 窪み
38 掛止部
41 鉤部
43 テーパー部
45 差込部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
底部が開口した薄肉のお椀型に成形された大椀部(12a)と、該大椀部の半分程度の高さを有し、かつ、大椀部と隙間なく重ね合わせることができる底部が開口した薄肉のお椀型に形成された小椀部(12b)とからなり、前記大椀部の底面および前記小椀部の底面を対向させた状態で組み合わせることで鼓型に形成されるコンロ部(12)と、
前記大椀部内に落とし込むことが可能な大椀部と略同一外形の加熱容器(14)と、
前記コンロ部内部に配置され熱源として利用される燃焼燃料(16)と、
からなり、
前記コンロ部は大椀部又は小椀部のいずれかを選択して上側とすることで、コンロ部内部に配置した燃焼燃料の炎と前記加熱容器底面との距離を変更可能とした、ことを特徴とする加熱調理器具セット。
【請求項2】
前記燃焼燃料(16)はその上面が燃焼する固形燃料であり、上面の面積が広く背が高いものまたは上面の面積がせまく背が低いもののいずれかを選択して用いる、ことを特徴とする請求項1に記載の加熱調理器具セット。
【請求項3】
前記大椀部(12a)および/または前記小椀部(12b)には内部に空気を取り入れるための開口窓(22)が形成されており、該開口窓はその開口面積を変更可能とする、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の加熱調理器具セット。
【請求項4】
前記開口窓(22)は摺動回転可能に構成した薄肉外郭および薄肉内郭を重ねた状態で相対回転させることで、薄肉外郭および薄肉内郭にそれぞれ形成した開口の重なり具合を調節して開口面積を変更する、ことを特徴とする請求項3に記載の加熱調理器具セット。
【請求項5】
前記コンロ部(12)は金属を用いて製作されており、前記大椀部(12a)および前記小椀部(12b)の組み合わせはその底部同士を螺着することで行われる、ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の加熱調理器具セット。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の加熱調理器具セット(10)を使用するための弁当箱本体(32)と蓋体(34)からなる専用弁当箱(30)であって、
弁当箱本体には大椀部(12a)および小椀部(12b)が落とし込まれる大きさのお椀型の窪み(36)が形成されており、
該窪みの壁面には伏せた状態の大椀部または小椀部の上部周縁を掛け止めるための掛止部(38)が形成されている、ことを特徴とする専用弁当箱。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−226172(P2009−226172A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−78843(P2008−78843)
【出願日】平成20年3月25日(2008.3.25)
【出願人】(504398535)株式会社浅野 (7)
【Fターム(参考)】