加熱送風装置
【課題】毛髪や皮膚を傷めてしまうのを抑制することのできる加熱送風装置を得る。
【解決手段】加熱送風装置1は、ハウジング3内に設けられて両側部に吸込口4aと吹出口4bとを備えた送風流路4と、送風流路4の上流側に配置され吸込口4aから空気を導入して吹出口4bから吐出させる送風部5と、送風部5の下流側に設けられ送風を加熱する加熱部6と、を備えている。また、加熱送風装置1は、酸性成分を含んだミストを生成するミスト生成部10と、ミスト生成部10で生成されたミストの酸性度を検知する検知部11と、ミスト生成部10で生成されるミストの生成量を制御する制御部8と、を備えている。そして、制御部8が、検知部11により検知されたミストの酸性度に応じてミスト生成部10のミストの生成量を制御している。
【解決手段】加熱送風装置1は、ハウジング3内に設けられて両側部に吸込口4aと吹出口4bとを備えた送風流路4と、送風流路4の上流側に配置され吸込口4aから空気を導入して吹出口4bから吐出させる送風部5と、送風部5の下流側に設けられ送風を加熱する加熱部6と、を備えている。また、加熱送風装置1は、酸性成分を含んだミストを生成するミスト生成部10と、ミスト生成部10で生成されたミストの酸性度を検知する検知部11と、ミスト生成部10で生成されるミストの生成量を制御する制御部8と、を備えている。そして、制御部8が、検知部11により検知されたミストの酸性度に応じてミスト生成部10のミストの生成量を制御している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱送風装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、加熱送風装置として、弱酸性ミストを発生させるミスト発生装置を本体ケース内に設け、吹出口から弱酸性ミストを吐出させるようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この特許文献1では、皮膚や毛髪に優しく作用する3.5〜6.0pHの範囲の弱酸性ミストを吐出させるようにしている。このように、弱酸性ミストを吐出させることで、弱酸性ミストが有する効用を毛髪及び頭皮に効率よく作用させることができ、キューティクルを引き締めて潤いのある髪にするトリートメント効果が得られるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−136303号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の技術では、酸性度が3.5〜6.0pHの範囲の酸性ミストを吐出することはできるが、吐出される酸性ミスト量を制御することはできない。そのため、ブリーチやパーマなどで痛んだ毛髪や乾燥している皮膚に酸性成分が過剰に付与されて、酸性成分による脱水反応が促進してしまい、逆に毛髪や皮膚を傷めてしまうおそれがある。
【0006】
そこで、本発明は、毛髪や皮膚を傷めてしまうのを抑制することのできる加熱送風装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の特徴は、ハウジング内に設けられて両側部に吸込口と吹出口とを備えた送風流路と、前記送風流路の上流側に配置され前記吸込口から空気を導入して前記吹出口から吐出させる送風部と、前記送風部の下流側に設けられ送風を加熱する加熱部と、酸性成分を含んだミストを生成するミスト生成部と、前記ミスト生成部で生成されたミストの酸性度を検知する検知部と、前記ミスト生成部で生成されるミストの生成量を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記検知部により検知されたミストの酸性度に応じて前記ミスト生成部で生成されるミストの生成量を制御することを要旨とする。
【0008】
本発明の第2の特徴は、前記ミスト生成部は前記送風流路内に設けられており、前記検知部は前記ミスト生成部の下流側に配置されていることを要旨とする。
【0009】
本発明の第3の特徴は、前記送風流路は、前記送風部の下流側かつ前記加熱部の上流側より分岐されて前記加熱部を経由しない送風が供給される分岐路を備えており、前記分岐路に少なくとも前記ミスト生成部で生成されたミストの一部が供給され、当該分岐路の下流側に前記検知部が設けられていることを要旨とする。
【0010】
本発明の第4の特徴は、前記制御部は、前記送風部が駆動された際に前記ミスト生成部を駆動させ、前記検知部により検知されたミストの酸性度が所定の値以下となるように、前記ミスト生成部を制御することを要旨とする。
【0011】
本発明の第5の特徴は、前記制御部は、前記送風部が駆動された際に前記ミスト生成部を駆動させ、前記検知部により検知されたミストの酸性度が所定の値以下の範囲で一定となるように、前記ミスト生成部を制御することを要旨とする。
【0012】
本発明の第6の特徴は、前記制御部は、前記送風部が駆動された際に前記ミスト生成部を駆動させ、前記検知部により検知されたミストの酸性度が所定の値以下の範囲で増減を繰り返すように前記ミスト生成部を制御することを要旨とする。
【0013】
本発明の第7の特徴は、前記加熱送風装置は、送風量を切替える送風量切替手段と、前記ミスト生成部で生成されるミストの生成量を制御する第2の制御部と、を備え、前記第2の制御部は、前記送風量切替手段が駆動されて送風量が低下した際に、ミスト生成量が低下するように、前記ミスト生成部を制御することを要旨とする。
【0014】
本発明の第8の特徴は、前記加熱送風装置は、送風温度を切替える送風温度切替手段と、前記ミスト生成部で生成されるミストの生成量を制御する第2の制御部と、を備え、前記第2の制御部は、前記送風温度切替手段が駆動されて送風温度が低下した際に、ミスト生成量が低下するように、前記ミスト生成部を制御することを要旨とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、加熱送風装置の制御部が、検知部により検知されたミストの酸性度に応じてミスト生成部で生成されるミストの生成量を制御している。そのため、酸性成分を含んだミストが過剰に吐出されてしまうのを抑制することが可能となる。その結果、髪質や肌質にあった量の酸性成分を含んだミストを吐出することができるようになり、毛髪や皮膚を傷めてしまうのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1実施形態にかかるヘアドライヤを模式的に示す側断面図である。
【図2】本発明の第1実施形態にかかる制御部によってミスト生成部で生成されるミストの生成量を制御する方法を示すタイミングチャートである。
【図3】検知した硝酸イオン濃度と酸性ミスト生成部に流れる電流の関係を模式的に示すグラフである。
【図4】酸性成分を含んだミストを毛髪に付与した場合の平均摩擦係数の変化を模式的に示すグラフである。
【図5】本発明の第1実施形態の第1変形例にかかるヘアドライヤを模式的に示す側断面図である。
【図6】本発明の第1実施形態の第2変形例にかかるヘアドライヤを模式的に示す側断面図である。
【図7】本発明の第2実施形態にかかる制御部によってミスト生成部で生成されるミストの生成量を制御する方法を示すタイミングチャートである。
【図8】本発明の第3実施形態にかかる制御部によってミスト生成部で生成されるミストの生成量を制御する方法を示すタイミングチャートである。
【図9】本発明の第4実施形態にかかるヘアドライヤを模式的に示す側断面図である。
【図10】本発明の第4実施形態にかかる第2の制御部によってミスト生成部で生成されるミストの生成量を制御する方法を示すタイミングチャートである。
【図11】本発明の第5実施形態にかかるヘアドライヤを模式的に示す側断面図である。
【図12】本発明の第5実施形態にかかる第2の制御部によってミスト生成部で生成されるミストの生成量を制御する方法を示すタイミングチャートである。
【図13】本発明の第6実施形態にかかるヘアドライヤを模式的に示す側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。以下では、加熱送風装置としてヘアドライヤを例示する。なお、以下の複数の実施形態には、同様の構成要素が含まれている。よって、以下では、それら同様の構成要素には共通の符号を付与するとともに、重複する説明を省略する。
【0018】
(第1実施形態)
本実施形態にかかる加熱送風装置としてのヘアドライヤ1は、使用者が手で握る部分としての把持部1aと、把持部1aと交差する方向に結合された本体部1bとを備えている。そして、使用時には把持部1aと本体部1bとで略T字状あるいは略L字状(本実施形態では略T字状)の外観を呈するように構成されている。また、把持部1aの突出端部からは、電源コード2が引き出されている。そして、把持部1aは、本体部1b側の根元部1cと先端部1dとに分割されており、これら根元部1cと先端部1dとが、連結部1eを介して回動可能に連結されている。なお、先端部1dは、本体部1bに沿う位置まで折り畳むことができるようになっている。
【0019】
ヘアドライヤ1は、ヘアドライヤ1の外壁をなすハウジング3を備えており、このハウジング3は、複数の分割体を継ぎ合わせて構成されている。そして、ハウジング3の内部には空洞が形成されており、この空洞内に、各種電気部品が収容されている。
【0020】
本実施形態では、本体部1bのハウジング3の内部に、長手方向(図1の左右方向)の一方側(右側)の入口開口(吸入口)4aから出口開口(吐出口)4bに至る送風流路4が形成されている。すなわち、本体部1bのハウジング3の内部に、両側部に入口開口(吸入口)4aと出口開口(吐出口)4bとを備えた送風流路4が設けられている。
【0021】
そして、この送風流路4内の上流側(入口開口4aに近い側)には、送風部5が配置されており、入口開口(吸入口)4aから導入された空気を出口開口(吐出口)4bから吐出させるようにしている。本実施形態では、送風部5は、送風流路4内の上流側に配置されるファン51と、ファン51の下流側に配置されてファン51を駆動するモータ52と、を備えている。そして、モータ52に通電してファン51を駆動し、ファン51を回転させると、外部から入口開口4aを介して送風流路4内に流入し、当該送風流路4内を通って出口開口4bから外部に排出される空気流(送風)が形成される。
【0022】
また、送風部5の下流側(送風部5よりも出口開口4bに近い側)には、送風を加熱する加熱部6が配置されている。この加熱部6を作動させたときには、送風部5によって形成された空気流(送風)が加熱されて出口開口4bから温風が吹き出されることになる。この加熱部6としては、例えば、帯状かつ波板状の電気抵抗体を本体部1bのハウジング3の内周に沿って巻回して配置することで形成したヒータを用いることができる。
【0023】
さらに、本実施形態では、送風流路4内に、酸性成分を含んだミストを生成するミスト生成部10が収容されている。本実施形態では、硝酸イオン(酸性成分)を含んだミストを生成するミスト生成部10を、送風流路4内の送風部5と加熱部6の間に設けている。
【0024】
このミスト生成部10としては、静電霧化方式の装置を用いることができる。すなわち、導電性を有する金属材料によって形成される一対の電極間に高電圧を印加することで放電(コロナ放電等)を生じさせ、放電作用によって硝酸イオンを含むナノメータサイズの非常に細かいミストを生成する装置を用いることができる。
【0025】
また、送風流路4内には、ミスト生成部10で生成されたミスト(硝酸イオンを含んだミスト)の酸性度を検知する検知部11が収容されている。本実施形態では、検知部11は導電性の物質で構成されており、ミスト生成部10の下流側に配置されている。そして、検知部11によってミスト生成部10で生成されたミストのpH(酸性度)を検知するようにしている。
【0026】
具体的には、ヘアドライヤ1への給電により検知部11を正に帯電させた状態で、当該検知部11にミストを当てるようにする。このように、正に帯電した検知部11にミストが当たることで、ミストに含まれる硝酸イオンが検知部11に付着して検知部11の電荷量が変化する。そして、検知部11の単位時間あたりの電荷量の変化からミストに含まれる硝酸イオンの量を検知するようにしている。なお、検知部11は、導電性の物質であれば、金属でもプラスチックでもよい。また、検知部11の形状も球状でもよいし、直方体状でもよいし、楕円状でもよい。また、検知部11の配置位置は、出口開口(吐出口)4bの近傍に限られるものではなく、送風流路4内のいずれに検知部11を配置してもよい。
【0027】
また、把持部1aの側面には、プッシュ式の電源スイッチ7が設けられている。この電源スイッチ7を操作して電源をONにすると、把持部1aの基端部から延びる電源コード2を介してヘアドライヤ1に給電されて、送風部5のモータ52が駆動してファン51が回転し、入口開口(吸入口)4aから送風流路4内に空気が取り込まれる。また、電源をONにすると、加熱部6が発熱して、送風部5から送られてくる空気が加熱される。そして、加熱された空気が温風となって出口開口(吐出口)4bから吐出される。
【0028】
このとき、ミスト生成部10で生成された硝酸イオンを含んだミストが空気とともに出口開口(吐出口)4bから吐出され、検知部11がミストに含まれる硝酸イオンの量を検知する。
【0029】
そして、出口開口(吐出口)4bから吹き出す温風を毛髪に当てることで毛髪を乾燥させるようにしている。さらに、出口開口(吐出口)4bから吐出する硝酸イオンが含まれたミストを毛髪や皮膚に当てることで、毛髪や皮膚の状態を酸性度が3.5〜6.0pHの範囲となるようにし、毛髪や皮膚(頭皮や顔など)が傷まないようにしている。
【0030】
また、本実施形態では、把持部1aのハウジング3の空洞部内に、送風部5、加熱部6、ミスト生成部10および検知部11のそれぞれの出力を制御する制御部8が設けられている。この制御部8は、送風部5(モータ52)のON・OFFのタイミング、および加熱部6のON・OFFのタイミングを制御するようになっている。また、ミスト生成部10のON・OFFのタイミング、および検知部11のON・OFFのタイミングを制御するようになっている。なお、本実施形態では、制御部8や後述するタイマー81等の電子部品は、送風流路4とは画成された空間である把持部1aの空洞部内に配置されている。
【0031】
さらに、本実施形態では、使用者を、ミスト生成部10で発生するイオンの電荷(本実施形態ではマイナスの電荷)の反対極に帯電させる帯電部9を設けている。帯電部9は把持部1aの外表面に露出する導電性樹脂(導電部材)で形成されており、導線を介して制御部8に接続されている。
【0032】
本実施形態にかかるヘアドライヤ1は、上述したように、硝酸イオン(酸性成分)を含んだミストを放出するものである。そのため、ヘアドライヤ1を継続して使用する場合、硝酸イオンの電荷(マイナスの電荷)が使用者に蓄積されてしまい、硝酸イオンが使用者に向けて放出されにくくなってしまう。しかしながら、帯電部9を設けることで、使用者を、ミスト生成部10で発生するイオンの電荷の反対極(プラス極)に帯電させることができる。その結果、ミスト生成部10で発生するイオンの電荷が使用者に蓄積されてイオンが使用者に到達しにくくなってしまうのを抑制することができるようになる。
【0033】
ところで、日常に用いるシャンプーや石鹸に含まれる界面活性剤は、毛髪や皮膚の酸性度を7.5〜10.0pHのアルカリの範囲にもっていき、毛髪や皮膚を構成するたんぱく質の結合を弱める働きをするものである。そのため、通常のシャンプーや石鹸を用いて洗髪等を行うと、毛髪や皮膚の酸性度が弱アルカリ性になってしまう。しかしながら、毛髪や皮膚の状態は、一般的に、酸性度が3.5〜6.0pHの範囲にあるのが正常な状態である。そこで、毛髪や皮膚に優しく作用する酸性ミスト(硝酸イオンを含んだミスト)を毛髪や皮膚に当てることで、毛髪や皮膚の状態をより正常な状態に戻すようにしたヘアドライヤが考案されている。
【0034】
しかしながら、吐出される酸性ミスト量を制御しないと、ブリーチやパーマなどで痛んだ毛髪や、乾燥している皮膚に酸性成分が過剰に付与されてしまい、酸性成分による脱水反応が促進され、逆に毛髪や皮膚を傷めてしまうおそれがある。
【0035】
ここで、ブリーチで痛んだ毛髪に酸性成分を過剰に付与した場合、酸性成分による脱水反応が促進してしまい、逆に毛髪を傷めてしまう事例を、図4に基づき説明する。
【0036】
図4は、酸性成分を含んだミストの濃度を横軸、毛髪の平均摩擦係数を縦軸にとって、グラフ化したものである。
【0037】
今回の実験では、ブリーチした毛髪を0.5mm間隔で30本並べたサンプルを作成し、酸性成分を含んだミストを、10cm離した距離から10秒間付与した後の、サンプルの平均摩擦係数を測定した。なお、今回の実験では、酸性ミストの濃度が、0mg/L(純水)、7mg/L、8mg/L、9mg/L、10mg/L、11mg/Lのミストを付与した時のそれぞれのサンプルの平均摩擦係数を測定した。酸性ミストの濃度は、距離3cm離れたところから、酸性ミストを10分間発生し続け、一定量の液体に溶解した量で示している。また、測定は25℃、50%RHの環境で行い、平均摩擦係数の測定にはカトーテック(社名)製の摩擦感テスターを使用した。
【0038】
図4をみると、酸性ミストの濃度が9mg/Lのとき、平均摩擦係数がもっとも低くなっていることが理解される。一般に、毛髪の平均摩擦係数が低いほど、その毛髪のキューティクルの密着性は良い状態にあるとされる。したがって、酸性ミストの濃度が9mg/Lのときに、毛髪はキューティクルの密着性が良い状態に保たれていることが理解される。そして、図4をみると、9mg/L以下の場合でも9mg/L以上の場合でも、酸性ミストの濃度が下がるにつれて、あるいは、上がるにつれて、徐々に平均摩擦係数が大きくなっている。すなわち、酸性ミストの濃度が、7〜11mg/Lのいずれかのミストを付与した場合、酸性ミストの濃度が9mg/Lのときが、毛髪のキューティクルの密着性を良い状態に保つのに最適な値となることが理解される。この実験から、酸性成分を過剰に付与した場合には、酸性成分による脱水反応が促進され、逆に毛髪を傷めてしまうことが理解される。
【0039】
このように、毛髪や皮膚に酸性成分が過剰に付与されてしまうと、酸性成分による脱水反応が促進され、逆に毛髪や皮膚を傷めてしまうおそれがある。
【0040】
そこで、本実施形態では、制御部8がミスト生成部10で生成される硝酸イオンを含んだミストの生成量を制御するようにした。
【0041】
本実施形態では、制御部8が、検知部11により検知されたミストの酸性度(硝酸イオンの濃度)に応じてミスト生成部10で生成される硝酸イオンを含んだミストの生成量を制御するようにしている。
【0042】
具体的には、送風部5が駆動された際に、制御部8がミスト生成部10を駆動させるようにしている。そして、検知部11により検知されたミストの酸性度(硝酸イオンの濃度)が所定の値以下となるように、制御部8がミスト生成部10を制御するようにした。
【0043】
このとき、本実施形態では、検知部11により検知されたミストのpH(酸性度)が所定の値以下の範囲で一定となるように、制御部8がミスト生成部10を制御するようにしている。
【0044】
次に、制御部8によるミスト生成部10の制御方法の一例を、図2のタイミングチャートに基づいて説明する。
【0045】
まず、プッシュ式の電源スイッチ7を操作して電源をONにすると、図示せぬコンセントを介して、送風部5のモータ52と加熱部6とミスト生成部10と検知部11に、電力が給電される。そして、送風部5のファン51が回転することで、入口開口(吸入口)4aから送風流路4内に空気が取り込まれ、出口開口(吐出口)4bから加熱部6で加熱された温風が吐出される。このとき、ミスト生成部10で生成される硝酸イオンを含んだミストも出口開口(吐出口)4bから吐出される。
【0046】
また、電源をONにすると検知部11にも電気が流れ、検知部11が正に帯電する。そして、ミストに含まれる酸性成分(硝酸イオン)は負に帯電しているので、正に帯電した検知部11に硝酸イオンが付着し、検知部11の電荷量が変化する。そして、検知部11の単位時間あたりの電荷量の変化から、ミストに含まれる硝酸イオンの量を検出する。例えば、タイマー81を用いて、検知部11の電荷量の変化を10秒ごとに測定し、10秒前の検知部11の電荷量との差から硝酸イオンの量を求めるようにすることができる。
【0047】
また、ミスト生成部10の制御部8による制御は、送風部5のモータ52と加熱部6とミスト生成部10と検知部11に、電力が給電された数秒後から開始される。制御を開始するまでの時間は、10秒程度が好ましい。
【0048】
すなわち、図2のタイミングチャートに示すように、ヘアドライヤ1の電源スイッチ7を操作して電源をONにした時点をT0秒とすると、(T0+10)秒後にミスト生成部10の制御を開始するようにしている。
【0049】
そして、制御開始後、検知部11は随時、好ましくは3秒に1回程度、硝酸イオン(酸性成分)の濃度の検出を行う。そして、硝酸イオンを含んだミストの酸性度(硝酸イオン濃度)が所定の量(閾値)x0に達すると、制御部8は、硝酸イオンを含んだミストの硝酸イオン濃度が閾値x0の所定の倍率yで一定に保たれるように、ミスト生成部10で生成されるミストの量を制御する。
【0050】
ところで、図3に示すように、検知される酸性度(硝酸イオン濃度)と、ミスト生成部10に流れる電流Aは比例関係にある。したがって、ミスト生成部10に流れる電流Aを所定の値となるように制御することで、検知される酸性度(硝酸イオン濃度)を閾値x0の所定の倍率yで一定に保つことが可能となる。
【0051】
そこで、本実施形態では、硝酸イオンを含んだミストの酸性度(硝酸イオン濃度)が所定の量(閾値)x0の所定の倍率yで一定に保たれるようにミスト生成部10で生成されるミストの量を制御した後(図4のT1後)は、検知部11への給電を停止するようにしている。なお、検知部11への給電は停止しなくてもよい。検知部11への給電を停止した場合、検知部11に付着した硝酸イオンは、給電停止後、検知部11から離れることとなる。
【0052】
本実施形態では、図2のタイミングチャートに示すように、硝酸イオンを含んだミストの酸性度(硝酸イオン濃度)が所定の量(閾値)x0に達したことを検知部11が検知すると、ミスト生成部10に流れる電流Aを徐々に減少させ、検知される酸性度(硝酸イオン濃度)を徐々に減少させるようにする。
【0053】
そして、硝酸イオンを含んだミストの酸性度(硝酸イオン濃度)が所定の量(閾値)x0の所定の倍率yとなったとき(図2のT1)には、ミスト生成部10に流れる電流Aを一定となるように制御し、硝酸イオンを含んだミストの酸性度(硝酸イオン濃度)が所定の量(閾値)x0の所定の倍率yで一定に保たれるようにする。このとき、検知部11への給電が停止される。
【0054】
最後に、プッシュ式の電源スイッチ7を操作して電源をOFFにする(図2のT2)と、送風部5のモータ52と加熱部6とミスト生成部10への給電が停止される。
【0055】
なお、所定の量(閾値)x0は、距離3cm離れたところから、酸性ミストを10分間発生し続け、一定量の液体に溶解した量で示した場合に、9mg/L程度となる濃度であることが望ましい。具体的には、所定の量(閾値)x0は、30から40mg/L程度、より好ましくは、36mg/L程度とするのが望ましい。このとき、ミスト生成部10に流れる電流Aは、5から15μA程度、より好ましくは、8から10μA程度とするのが望ましい。そして、所定の倍率yは4分の3から2分の1、より好ましくは、3分の2程度とするのが望ましい。
【0056】
このように、ミスト生成部10で生成されるミストの量を制御することで、ヘアドライヤ1を使用した後の毛髪の状態を、濃度が9mg/Lの酸性成分を含んだミストを、10cm離した距離から10秒間付与した毛髪の状態に近づけることが可能となる。
【0057】
なお、送風部5のモータ52、加熱部6やミスト生成部10への電力の給電が小さい場合、ミストに含まれる酸性成分が所定の値を超えない場合もある。この場合には、例えば、硝酸イオンを含んだミストの酸性度(硝酸イオン濃度)が所定の量(閾値)x0の所定の倍率yを超えたときに、一定に保たれるように制御するようにすればよい。
【0058】
以上説明したように、本実施形態では、ヘアドライヤ(加熱送風装置)1の制御部8が、検知部11により検知されたミストの酸性度(硝酸イオン濃度)に応じてミスト生成部10で生成されるミストの生成量を制御している。
【0059】
本実施形態では、制御部8が、送風部5が駆動された際にミスト生成部10を駆動させ、検知部11により検知されたミストの酸性度(硝酸イオン濃度)が所定の値x0以下となるように、ミスト生成部10を制御している。そのため、硝酸イオン(酸性成分)を含んだミストが過剰に吐出されてしまうのを抑制することができる。その結果、髪質や肌質にあった量の硝酸イオン(酸性成分)を含んだミストを吐出することができるようになり、毛髪や皮膚を傷めてしまうのを抑制することができる。
【0060】
また、本実施形態では、検知部11が、ミスト生成部10の下流側に配置されているため、実際に毛髪や皮膚に付着する硝酸イオン(酸性成分)の量を、検知部11によってより正確に検知することができる。
【0061】
また、本実施形態では、制御部8が、検知部11により検知されたミストの酸性度(硝酸イオン濃度)が所定の値x0以下の範囲で一定となるように、ミスト生成部10を制御している。そのため、硝酸イオン(酸性成分)を含んだミストが過剰に吐出されてしまうのをより確実に抑制することができる。
【0062】
次に、本実施形態の変形例について説明する。
【0063】
(第1実施形態の第1変形例)
本変形例にかかるヘアドライヤ1Aは、基本的に上記第1実施形態とほぼ同様の構成をしている。すなわち、ヘアドライヤ1Aは、ハウジング3内に設けられて両側部に入口開口(吸入口)4aと出口開口(吐出口)4bとを備えた送風流路4を備えている。そして、送風流路4の上流側に、入口開口(吸入口)4aから空気を導入して出口開口(吐出口)4bから吐出させる送風部5が配置されており、送風部5の下流側に送風を加熱する加熱部6が設けられている。
【0064】
さらに、送風流路4内には、硝酸イオン(酸性成分)を含んだミストを生成するミスト生成部10と、ミスト生成部10で生成されたミストの酸性度(硝酸イオン濃度)を検知する検知部11と、が設けられている。そして、把持部1aのハウジング3の空洞部内に、ミスト生成部10で生成されるミストの生成量を制御する制御部8が設けられている。
【0065】
また、本変形例にあっても、制御部8によって、図2のタイミングチャートに示す制御が行われている。
【0066】
すなわち、制御部8が、検知部11により検知されたミストの酸性度(硝酸イオンの濃度)に応じてミスト生成部10で生成される硝酸イオンを含んだミストの生成量を制御するようにしている。
【0067】
具体的には、送風部5が駆動された際に、制御部8がミスト生成部10を駆動させるようにしている。そして、検知部11により検知されたミストの酸性度(硝酸イオンの濃度)が所定の値以下となるように、制御部8がミスト生成部10を制御するようにしている。
【0068】
そして、検知部11により検知されたミストの酸性度(硝酸イオン濃度)が所定の値以下の範囲で一定となるように、制御部8がミスト生成部10を制御するようにしている。
【0069】
ここで、本変形例にかかるヘアドライヤ1Aが、上記第1実施形態と主に異なる点は、ヘアドライヤ1Aの送風流路4が、送風部5の下流側かつ加熱部6の上流側より分岐されて加熱部6を経由しない送風が供給される分岐路4cを備えている点にある。
【0070】
そして、分岐路4cに少なくともミスト生成部10で生成されたミストの一部が供給され、当該分岐路4cの下流側に検知部11が設けられるようにしている。
【0071】
具体的には、本体部1bのハウジング3の内部に仕切板3aを設けることで、加熱部6を経由する送風が供給される送付流路4と、加熱部6を経由しない送風が供給される分岐路4cとを形成している。
【0072】
なお、本体部1bのハウジング3の内部に加熱部6を囲うように内筒を設け、分岐路4cを形成するようにしてもよい。
【0073】
以上の本変形例によっても、上記第1実施形態とほぼ同様の作用、効果を奏することができる。
【0074】
また、本変形例によれば、送風流路4が、送風部5の下流側かつ加熱部6の上流側より分岐されて加熱部6を経由しない送風が供給される分岐路4cを備えている。そして、分岐路4cに少なくともミスト生成部10で生成されたミストの一部が供給され、当該分岐路4cの下流側に検知部11が設けられるようにしている。その結果、送風流路4の本流を流れる風の影響を受けずに、硝酸イオン(酸性成分)の量を検知することができるようになり、硝酸イオン(酸性成分)の量を、検知部11によってより正確に検知することができる。
【0075】
(第1実施形態の第2変形例)
本変形例にかかるヘアドライヤ1Bは、基本的に上記第1実施形態の第1変形例とほぼ同様の構成をしている。すなわち、ヘアドライヤ1Bは、ハウジング3内に設けられて両側部に入口開口(吸入口)4aと出口開口(吐出口)4bとを備えた送風流路4を備えている。そして、送風流路4の上流側に、入口開口(吸入口)4aから空気を導入して出口開口(吐出口)4bから吐出させる送風部5が配置されており、送風部5の下流側に送風を加熱する加熱部6が設けられている。
【0076】
さらに、送風流路4内には、硝酸イオン(酸性成分)を含んだミストを生成するミスト生成部10と、ミスト生成部10で生成されたミストの酸性度(硝酸イオン濃度)を検知する検知部11と、が設けられている。そして、把持部1aのハウジング3の空洞部内に、ミスト生成部10で生成されるミストの生成量を制御する制御部8が設けられている。
【0077】
さらに、送風流路4が、送風部5の下流側かつ加熱部6の上流側より分岐されて加熱部6を経由しない送風が供給される分岐路4cを備えている。
【0078】
具体的には、本体部1bのハウジング3の内部に仕切板3aを設けることで、加熱部6を経由する送風が供給される送付流路4と、加熱部6を経由しない送風が供給される分岐路4cとを形成している。
【0079】
なお、本体部1bのハウジング3の内部に加熱部6を囲うように内筒を設け、分岐路4cを形成するようにしてもよい。
【0080】
また、本変形例にあっても、制御部8によって、図2のタイミングチャートに示す制御が行われている。
【0081】
すなわち、制御部8が、検知部11により検知されたミストの酸性度(硝酸イオンの濃度)に応じてミスト生成部10で生成される硝酸イオンを含んだミストの生成量を制御するようにしている。
【0082】
具体的には、送風部5が駆動された際に、制御部8がミスト生成部10を駆動させるようにしている。そして、検知部11により検知されたミストの酸性度(硝酸イオンの濃度)が所定の値以下となるように、制御部8がミスト生成部10を制御するようにしている。
【0083】
そして、検知部11により検知されたミストの酸性度(硝酸イオン濃度)が所定の値以下の範囲で一定となるように、制御部8がミスト生成部10を制御するようにしている。
【0084】
ここで、本変形例にかかるヘアドライヤ1Bが、上記第1実施形態の第1変形例と主に異なる点は、ミスト生成部10が、分岐路4c内に配置されている点にある。
【0085】
以上の本変形例によっても、上記第1実施形態の第1変形例とほぼ同様の作用、効果を奏することができる。
【0086】
(第2実施形態)
本実施形態にかかるヘアドライヤ1は、上記第1実施形態のヘアドライヤ1と同様の構成をしている。ここで、本実施形態においては、制御部8にて行われる制御が上記第1実施形態とは異なっている。
【0087】
以下、本実施形態における制御について、図7のタイミングチャートに基づき説明する。
【0088】
本実施形態の制御部8による制御は、基本的には上記第1実施形態の制御部8による制御とほぼ同様であるが、第1実施形態における制御と主に異なる点は、検知部11により検知されたミストの酸性度(硝酸イオンの濃度)が所定の値以下の範囲で増減を繰り返すように制御部8がミスト生成部10を制御する点にある。
【0089】
すなわち、制御部8が、検知部11により検知されたミストの酸性度(硝酸イオンの濃度)に応じてミスト生成部10で生成される硝酸イオンを含んだミストの生成量を制御するようにしている。
【0090】
具体的には、送風部5が駆動された際に、制御部8がミスト生成部10を駆動させるようにしている。そして、検知部11により検知されたミストの酸性度(硝酸イオンの濃度)が所定の値以下となるように、制御部8がミスト生成部10を制御するようにしている。
【0091】
このとき、本実施形態では、検知部11により検知されたミストの酸性度(硝酸イオンの濃度)が所定の値以下の範囲で増減を繰り返すように制御部8がミスト生成部10を制御するようにしている。
【0092】
次に、制御部8によるミスト生成部10の制御方法の一例を、図7のタイミングチャートに基づいて説明する。
【0093】
まず、プッシュ式の電源スイッチ7を操作して電源をONにすると、図示せぬコンセントを介して、送風部5のモータ52と加熱部6とミスト生成部10と検知部11に、電力が給電される。そして、送風部5のファン51が回転することで、入口開口(吸入口)4aから送風流路4内に空気が取り込まれ、出口開口(吐出口)4bから加熱部6で加熱された温風が吐出される。このとき、ミスト生成部10で生成される硝酸イオンを含んだミストも出口開口(吐出口)4bから吐出される。
【0094】
また、電源をONにすると検知部11にも電気が流れ、検知部11が正に帯電する。そして、ミストに含まれる酸性成分(硝酸イオン)は負に帯電しているので、正に帯電した検知部11に硝酸イオンが付着し、検知部11の電荷量が変化する。そして、検知部11の単位時間あたりの電荷量の変化から、ミストに含まれる硝酸イオンの量を検出する。例えば、タイマー81を用いて、検知部11の電荷量の変化を10秒ごとに測定し、10秒前の検知部11の電荷量との差から硝酸イオンの量を求めるようにすることができる。
【0095】
また、ミスト生成部10の制御部8による制御は、送風部5のモータ52と加熱部6とミスト生成部10と検知部11に、電力が給電された数秒後から開始される。制御を開始するまでの時間は、10秒程度が好ましい。
【0096】
すなわち、図7のタイミングチャートに示すように、ヘアドライヤ1の電源スイッチ7を操作して電源をONにした時点をT0秒とすると、(T0+10)秒後にミスト生成部10の制御を開始するようにしている。
【0097】
そして、制御開始後、検知部11は随時、好ましくは3秒に1回程度、硝酸イオン(酸性成分)の濃度の検出を行う。そして、硝酸イオンを含んだミストの酸性度(硝酸イオン濃度)が所定の量(閾値)x0に達すると、制御部8は、検知部11により検知されたミストの酸性度(硝酸イオンの濃度)が所定の値x0以下の範囲で増減を繰り返すように制御する。
【0098】
具体的には、ミスト生成部10に流れる電流Aを所定の値x0以下の範囲で増減を繰り返すように制御することで、ミストの酸性度(硝酸イオンの濃度)が所定の値x0以下の範囲で増減を繰り返すようにしている。
【0099】
本実施形態では、ミストの酸性度(硝酸イオンの濃度)が所定の値x0の所定の倍率y以下の範囲で増減を繰り返すようにしている。
【0100】
具体的には、図7のタイミングチャートに示すように、硝酸イオンを含んだミストの酸性度(硝酸イオン濃度)が所定の量(閾値)x0に達したことを検知部11が検知すると、ミスト生成部10に流れる電流Aを徐々に減少させ、検知される酸性度(硝酸イオン濃度)を徐々に減少させるようにする。
【0101】
そして、硝酸イオンを含んだミストの酸性度(硝酸イオン濃度)が所定の量(閾値)x0の所定の倍率yとなったとき(図7のT1)には、ミスト生成部10に流れる電流Aを所定の値x0の所定の倍率y以下の範囲で増減を繰り返すように制御し、硝酸イオンを含んだミストの酸性度(硝酸イオン濃度)が所定の量(閾値)x0の所定の倍率y以下の範囲で増減を繰り返すようにしている。
【0102】
最後に、プッシュ式の電源スイッチ7を操作して電源をOFFにする(図7のT2)と、送風部5のモータ52と加熱部6とミスト生成部10と検知部11への給電が停止される。
【0103】
なお、所定の量(閾値)x0は、距離3cm離れたところから、酸性ミストを10分間発生し続け、一定量の液体に溶解した量で示した場合に、9mg/L程度となる濃度であることが望ましい。具体的には、所定の量(閾値)x0は、30から40mg/L程度、より好ましくは、36mg/L程度とするのが望ましい。このとき、ミスト生成部10に流れる電流Aは、5から15μA程度、より好ましくは、8から10μA程度とするのが望ましい。そして、所定の倍率yは4分の3から2分の1、より好ましくは、3分の2程度とするのが望ましい。
【0104】
このように、ミスト生成部10で生成されるミストの量を制御することで、ヘアドライヤ1を使用した後の毛髪の状態を、濃度が9mg/Lの酸性成分を含んだミストを、10cm離した距離から10秒間付与した毛髪の状態に近づけることが可能となる。
【0105】
以上の本実施形態によっても、上記第1実施形態と同様の作用、効果を奏することができる。
【0106】
また、本実施形態によれば、検知部11により検知されたミストの酸性度(硝酸イオンの濃度)が所定の値以下の範囲で増減を繰り返すように制御部8がミスト生成部10を制御している。すなわち、硝酸イオン(酸性成分)を含んだミストの酸性度(硝酸イオン濃度)が所定の値(閾値)に達した場合、その後、硝酸イオン(酸性成分)を含んだミストの酸性度(硝酸イオン濃度)が閾値の所定の倍率を超えない範囲で強弱をつけて生成されるようにミスト生成部10を制御している。この結果、毛髪の一部にだけ局所的に硝酸イオン(酸性成分)が付着するのを抑制することができる。
【0107】
なお、強弱をつけて生成されるように制御する方法としては、図7に示すもの以外に、sin波状となるように制御することが考えられる。また、波形がパルス状となるように制御することも考えられる。また、徐々に減衰していく波形となるように制御することも考えられる。
【0108】
また、上記第1実施形態の変形例に示したヘアドライヤ1A、1Bに本実施形態の制御を適用することも可能である。
【0109】
(第3実施形態)
本実施形態にかかるヘアドライヤ1は、上記第1実施形態のヘアドライヤ1と同様の構成をしている。ここで、本実施形態においては、制御部8にて行われる制御が上記第1実施形態とは異なっている。
【0110】
以下、本実施形態における制御について、図8のタイミングチャートに基づき説明する。
【0111】
本実施形態の制御部8による制御は、基本的には上記第1実施形態の制御部8による制御とほぼ同様であるが、第1実施形態における制御と主に異なる点は、検知部11により検知されたミストの酸性度(硝酸イオンの濃度)が単に所定の値以下の範囲となるようにミスト生成部10を制御する点にある。
【0112】
すなわち、制御部8が、検知部11により検知されたミストの酸性度(硝酸イオンの濃度)に応じてミスト生成部10で生成される硝酸イオンを含んだミストの生成量を制御するようにしている。
【0113】
具体的には、送風部5が駆動された際に、制御部8がミスト生成部10を駆動させるようにしている。そして、検知部11により検知されたミストの酸性度(硝酸イオンの濃度)が所定の値以下となるように、制御部8がミスト生成部10を制御するようにしている。
【0114】
次に、制御部8によるミスト生成部10の制御方法の一例を、図8のタイミングチャートに基づいて説明する。
【0115】
まず、プッシュ式の電源スイッチ7を操作して電源をONにすると、図示せぬコンセントを介して、送風部5のモータ52と加熱部6とミスト生成部10と検知部11に、電力が給電される。そして、送風部5のファン51が回転することで、入口開口(吸入口)4aから送風流路4内に空気が取り込まれ、出口開口(吐出口)4bから加熱部6で加熱された温風が吐出される。このとき、ミスト生成部10で生成される硝酸イオンを含んだミストも出口開口(吐出口)4bから吐出される。
【0116】
また、電源をONにすると検知部11にも電気が流れ、検知部11が正に帯電する。そして、ミストに含まれる酸性成分(硝酸イオン)は負に帯電しているので、正に帯電した検知部11に硝酸イオンが付着し、検知部11の電荷量が変化する。そして、検知部11の単位時間あたりの電荷量の変化から、ミストに含まれる硝酸イオンの量を検出する。例えば、タイマー81を用いて、検知部11の電荷量の変化を10秒ごとに測定し、10秒前の検知部11の電荷量との差から硝酸イオンの量を求めるようにすることができる。
【0117】
また、ミスト生成部10の制御部8による制御は、送風部5のモータ52と加熱部6とミスト生成部10と検知部11に、電力が給電された数秒後から開始される。制御を開始するまでの時間は、10秒程度が好ましい。
【0118】
すなわち、図8のタイミングチャートに示すように、ヘアドライヤ1の電源スイッチ7を操作して電源をONにした時点をT0秒とすると、(T0+10)秒後にミスト生成部10の制御を開始するようにしている。
【0119】
そして、制御開始後、検知部11は随時、好ましくは3秒に1回程度、硝酸イオン(酸性成分)の濃度の検出を行う。そして、硝酸イオンを含んだミストの酸性度(硝酸イオン濃度)が所定の量(閾値)x0に達すると、制御部8は、検知部11により検知されたミストの酸性度(硝酸イオンの濃度)が所定の値x0以下の範囲で変化するように制御する。
【0120】
すなわち、図8のタイミングチャートに示すように、硝酸イオンを含んだミストの酸性度(硝酸イオン濃度)が所定の量(閾値)x0に達したことを検知部11が検知すると、ミスト生成部10に流れる電流Aを所定の電流A0以下の範囲で変化させて、検知される酸性度(硝酸イオン濃度)が所定の値x0以下の範囲で変化するようにしている。
【0121】
最後に、プッシュ式の電源スイッチ7を操作して電源をOFFにする(図8のT2)と、送風部5のモータ52と加熱部6とミスト生成部10と検知部11への給電が停止される。
【0122】
なお、所定の量(閾値)x0は、距離3cm離れたところから、酸性ミストを10分間発生し続け、一定量の液体に溶解した量で示した場合に、9mg/L程度となる濃度であることが望ましい。具体的には、所定の量(閾値)x0は、30から40mg/L程度、より好ましくは、36mg/L程度とするのが望ましい。このとき、ミスト生成部10に流れる電流Aは、5から15μA程度、より好ましくは、8から10μA程度とするのが望ましい。
【0123】
このように、ミスト生成部10で生成されるミストの量を制御することで、ヘアドライヤ1を使用した後の毛髪の状態を、濃度が9mg/Lの酸性成分を含んだミストを、10cm離した距離から10秒間付与した毛髪の状態に近づけることが可能となる。
【0124】
以上の本実施形態によっても、上記第1実施形態と同様の作用、効果を奏することができる。
【0125】
また、上記第1実施形態の変形例に示したヘアドライヤ1A、1Bに本実施形態の制御を適用することも可能である。
【0126】
(第4実施形態)
本実施形態にかかるヘアドライヤ1Cは、基本的に上記第1実施形態の第2変形例とほぼ同様の構成をしている。すなわち、ヘアドライヤ1Cは、図9に示すように、ハウジング3内に設けられて両側部に入口開口(吸入口)4aと出口開口(吐出口)4bとを備えた送風流路4を備えている。そして、送風流路4の上流側に、入口開口(吸入口)4aから空気を導入して出口開口(吐出口)4bから吐出させる送風部5が配置されており、送風部5の下流側に送風を加熱する加熱部6が設けられている。
【0127】
さらに、送風流路4内には、硝酸イオン(酸性成分)を含んだミストを生成するミスト生成部10と、ミスト生成部10で生成されたミストの酸性度(硝酸イオン濃度)を検知する検知部11と、が設けられている。そして、把持部1aのハウジング3の空洞部内に、ミスト生成部10で生成されるミストの生成量を制御する制御部8が設けられている。
【0128】
さらに、送風流路4が、送風部5の下流側かつ加熱部6の上流側より分岐されて加熱部6を経由しない送風が供給される分岐路4cを備えている。
【0129】
具体的には、本体部1bのハウジング3の内部に仕切板3aを設けることで、加熱部6を経由する送風が供給される送付流路4と、加熱部6を経由しない送風が供給される分岐路4cとを形成している。
【0130】
なお、本体部1bのハウジング3の内部に加熱部6を囲うように内筒を設け、分岐路4cを形成するようにしてもよい。
【0131】
そして、ミスト生成部10が、分岐路4c内に配置されている。
【0132】
また、本実施形態においても、制御部8が、検知部11により検知されたミストの酸性度(硝酸イオンの濃度)に応じてミスト生成部10で生成される硝酸イオンを含んだミストの生成量を制御するようにしている。
【0133】
具体的には、上記第1から第3実施形態で説明したいずれかの制御方法によって、ミスト生成部10で生成される硝酸イオンを含んだミストの生成量を制御している。
【0134】
ここで、本実施形態にかかるヘアドライヤ1Cが、上記第1実施形態の第2変形例と主に異なる点は、ヘアドライヤ1Cが、送風量を切替える送風量切替手段12を有している点にある。送風量切替手段12は、把持部1aの電源スイッチ7の上部に形成されており、導線を介して制御部8に接続されている。そして、送風量を2段階に切替えることができるようになっている。
【0135】
さらに、ヘアドライヤ1Cは、送風量切替手段12が駆動されて送風量が低下した際に、ミスト生成量が低下するように、ミスト生成部10を制御する第2の制御部を有している。本実施形態では、制御部8が、第2の制御部を兼ねている。なお、第2の制御部を制御部8とは別体に設けるようにしてもよい。この場合、送風量切替手段12は、導線を介して制御部8とは別体に設けた第2の制御部に接続されることとなる。
【0136】
次に、制御部8によるミスト生成部10の制御方法の一例を、図10のタイミングチャートに基づいて説明する。
【0137】
まず、プッシュ式の電源スイッチ7を操作して電源をONにすると、図示せぬコンセントを介して、送風部5のモータ52と加熱部6とミスト生成部10と検知部11に、電力(例えば、1200Wの電力)が給電される。そして、送風部5のファン51が回転することで、入口開口(吸入口)4aから送風流路4内に空気が取り込まれ、出口開口(吐出口)4bから加熱部6で加熱された温風が吐出される。このとき、ミスト生成部10で生成される硝酸イオンを含んだミストも出口開口(吐出口)4bから吐出される。なお、1200Wの電力が供給されている場合、1.3m2/分の風が送出されることとなる。
【0138】
また、電源をONにすると検知部11にも電気が流れ、検知部11が正に帯電する。そして、ミストに含まれる酸性成分(硝酸イオン)は負に帯電しているので、正に帯電した検知部11に硝酸イオンが付着し、検知部11の電荷量が変化する。そして、検知部11の単位時間あたりの電荷量の変化から、ミストに含まれる硝酸イオンの量を検出する。例えば、タイマー81を用いて、検知部11の電荷量の変化を10秒ごとに測定し、10秒前の検知部11の電荷量との差から硝酸イオンの量を求めるようにすることができる。
【0139】
また、ミスト生成部10の制御部8による制御は、送風部5のモータ52と加熱部6とミスト生成部10と検知部11に、電力が給電された数秒後から開始される。制御を開始するまでの時間は、15秒程度が好ましい。
【0140】
すなわち、図10のタイミングチャートに示すように、ヘアドライヤ1Cの電源スイッチ7を操作して電源をONにした時点をT0秒とすると、(T0+15)秒後にミスト生成部10の制御を開始するようにしている。なお、上記第1から第3実施形態で示したように、制御を開始するまでの時間を、10秒程度とすることも可能である。
【0141】
そして、制御開始後、検知部11は随時、好ましくは3秒に1回程度、硝酸イオン(酸性成分)の濃度の検出を行う。そして、硝酸イオンを含んだミストの酸性度(硝酸イオン濃度)が所定の量(閾値)x0に達すると、制御部8は、硝酸イオンを含んだミストの硝酸イオン濃度が閾値x0の所定の倍率yで一定に保たれるように、ミスト生成部10で生成されるミストの量を制御する。
【0142】
本実施形態においても、ミスト生成部10に流れる電流Aを所定の値となるように制御することで、検知される酸性度(硝酸イオン濃度)を閾値x0の所定の倍率yで一定に保つようにしている。
【0143】
なお、所定の量(閾値)x0は、距離3cm離れたところから、酸性ミストを10分間発生し続け、一定量の液体に溶解した量で示した場合に、9mg/L程度となる濃度であることが望ましい。具体的には、所定の量(閾値)x0は、30から40mg/L程度、より好ましくは、36mg/L程度とするのが望ましい。このとき、ミスト生成部10に流れる電流Aは、5から15μA程度、より好ましくは、8から10μA程度とするのが望ましい。そして、所定の倍率yは4分の3から2分の1、より好ましくは、3分の2程度とするのが望ましい。図10では、所定の倍率yが4分の3のもの(ミスト生成部10に流れる電流Aが3/4A0となるように制御するもの)を例示している。
【0144】
このように、ミスト生成部10で生成されるミストの量を制御することで、ヘアドライヤ1Cを使用した後の毛髪の状態を、濃度が9mg/Lの酸性成分を含んだミストを、10cm離した距離から10秒間付与した毛髪の状態に近づけることが可能となる。
【0145】
そして、ヘアドライヤ1Cの使用途中で、送風量切替手段12を操作して送風量を切替えると、600Wの電力が供給され(図10のT1)、0.75m2/分の風が送出されることとなる。
【0146】
このとき、制御部8は、酸性ミストが1200Wのときの1/2だけ生成されるようにミスト生成部10で生成されるミストの量を制御する。すなわち、制御部8は、ミスト生成部10に流れる電流Aが3/8A0となるように制御することとなる。このように、送風量切替手段12が駆動されて送風量が低下した際に、第2の制御部としての制御部8がミスト生成量が低下するようにミスト生成部10を制御するようにしている。
【0147】
そして、送風量切替手段12を再度操作して1200Wの電力が供給されるようにした場合には(図10のT2)、1.3m2/分の風が送出されるようになる。この場合には、制御部8による制御ももとの状態となる。すなわち、硝酸イオンを含んだミストの酸性度(硝酸イオン濃度)が所定の量(閾値)x0に達した際に、制御部8が、硝酸イオンを含んだミストの硝酸イオン濃度が閾値x0の所定の倍率y(図10では3/4)で一定に保たれるように(ミスト生成部10に流れる電流Aが3/4A0となるように)、ミスト生成部10で生成されるミストの量を制御するようになる。
【0148】
最後に、プッシュ式の電源スイッチ7を操作して電源をOFFにする(図10のT3)と、送風部5のモータ52と加熱部6とミスト生成部10への給電が停止される。
【0149】
以上の本実施形態によっても、上記第1から第3実施形態およびその変形例と同様の作用、効果を奏することができる。
【0150】
また、本実施形態では、ヘアドライヤ(加熱送風装置)1Cの制御部(第2の制御部)8が、送風量切替手段12が駆動されて送風量が低下した際に、ミスト生成量が低下するように、ミスト生成部10を制御している。すなわち、制御部(第2の制御部)8が送風量に応じた生成量となるようにミスト生成部10を制御している。
【0151】
このように、送風量が低下した際に、ミスト生成量が低下するように、ミスト生成部10を制御することで、硝酸イオン(酸性成分)を含んだミストが高濃度な状態で吐出されて毛髪に付着してしまうのを抑制することができるようになる。その結果、送風量の増減にかかわらず、髪質や肌質にあった量の硝酸イオン(酸性成分)を含んだミストを吐出することができるようになり、毛髪や皮膚を傷めてしまうのをより抑制することができる。
【0152】
なお、図10では、通常時の制御部8によるミスト生成部10の制御として、上記第1実施形態で示した制御を例示したが、通常時の制御部8によるミスト生成部10の制御を、上記第2、第3実施形態で示した制御とすることも可能である。
【0153】
また、上記第1実施形態およびその変形例に示したヘアドライヤ1、1Aに本実施形態の構成や制御を適用することも可能である。
【0154】
(第5実施形態)
本実施形態にかかるヘアドライヤ1Dは、基本的に上記第1実施形態の第2変形例とほぼ同様の構成をしている。すなわち、ヘアドライヤ1Dは、図11に示すように、ハウジング3内に設けられて両側部に入口開口(吸入口)4aと出口開口(吐出口)4bとを備えた送風流路4を備えている。そして、送風流路4の上流側に、入口開口(吸入口)4aから空気を導入して出口開口(吐出口)4bから吐出させる送風部5が配置されており、送風部5の下流側に送風を加熱する加熱部6が設けられている。
【0155】
さらに、送風流路4内には、硝酸イオン(酸性成分)を含んだミストを生成するミスト生成部10と、ミスト生成部10で生成されたミストの酸性度(硝酸イオン濃度)を検知する検知部11と、が設けられている。そして、把持部1aのハウジング3の空洞部内に、ミスト生成部10で生成されるミストの生成量を制御する制御部8が設けられている。
【0156】
さらに、送風流路4が、送風部5の下流側かつ加熱部6の上流側より分岐されて加熱部6を経由しない送風が供給される分岐路4cを備えている。
【0157】
具体的には、本体部1bのハウジング3の内部に仕切板3aを設けることで、加熱部6を経由する送風が供給される送付流路4と、加熱部6を経由しない送風が供給される分岐路4cとを形成している。
【0158】
なお、本体部1bのハウジング3の内部に加熱部6を囲うように内筒を設け、分岐路4cを形成するようにしてもよい。
【0159】
そして、ミスト生成部10が、分岐路4c内に配置されている。
【0160】
また、本実施形態においても、制御部8が、検知部11により検知されたミストの酸性度(硝酸イオンの濃度)に応じてミスト生成部10で生成される硝酸イオンを含んだミストの生成量を制御するようにしている。
【0161】
具体的には、上記第1から第3実施形態で説明したいずれかの制御方法によって、ミスト生成部10で生成される硝酸イオンを含んだミストの生成量を制御している。
【0162】
ここで、本実施形態にかかるヘアドライヤ1Dが、上記第1実施形態の第2変形例と主に異なる点は、ヘアドライヤ1Dが、送風温度を切替える送風温度切替手段13を有している点にある。送風温度切替手段13は、把持部1aの電源スイッチ7の上部に形成されており、導線を介して制御部8に接続されている。本実施形態では、加熱部6のオン・オフを切替えることで、送風温度を2段階に切替えることができるようになっている。
【0163】
さらに、ヘアドライヤ1Dは、送風温度切替手段13が駆動されて送風温度が低下した際に、ミスト生成量が低下するように、ミスト生成部10を制御する第2の制御部を有している。本実施形態においても、制御部8が、第2の制御部を兼ねている。なお、第2の制御部を制御部8とは別体に設けるようにしてもよい。この場合、送風温度切替手段13は、導線を介して制御部8とは別体に設けた第2の制御部に接続されることとなる。
【0164】
次に、制御部8によるミスト生成部10の制御方法の一例を、図12のタイミングチャートに基づいて説明する。
【0165】
まず、プッシュ式の電源スイッチ7を操作して電源をONにすると、図示せぬコンセントを介して、送風部5のモータ52と加熱部6とミスト生成部10と検知部11に、電力(例えば、1200Wの電力)が給電される。そして、送風部5のファン51が回転することで、入口開口(吸入口)4aから送風流路4内に空気が取り込まれ、出口開口(吐出口)4bから加熱部6で加熱された温風が吐出される。このとき、ミスト生成部10で生成される硝酸イオンを含んだミストも出口開口(吐出口)4bから吐出される。なお、30℃の環境下で距離を15cm程度離して計測した場合、送風温度は約120℃となる。
【0166】
また、電源をONにすると検知部11にも電気が流れ、検知部11が正に帯電する。そして、ミストに含まれる酸性成分(硝酸イオン)は負に帯電しているので、正に帯電した検知部11に硝酸イオンが付着し、検知部11の電荷量が変化する。そして、検知部11の単位時間あたりの電荷量の変化から、ミストに含まれる硝酸イオンの量を検出する。例えば、タイマー81を用いて、検知部11の電荷量の変化を10秒ごとに測定し、10秒前の検知部11の電荷量との差から硝酸イオンの量を求めるようにすることができる。
【0167】
また、ミスト生成部10の制御部8による制御は、送風部5のモータ52と加熱部6とミスト生成部10と検知部11に、電力が給電された数秒後から開始される。制御を開始するまでの時間は、15秒程度が好ましい。
【0168】
すなわち、図12のタイミングチャートに示すように、ヘアドライヤ1Dの電源スイッチ7を操作して電源をONにした時点をT0秒とすると、(T0+15)秒後にミスト生成部10の制御を開始するようにしている。なお、上記第1から第3実施形態で示したように、制御を開始するまでの時間を、10秒程度とすることも可能である。
【0169】
そして、制御開始後、検知部11は随時、好ましくは3秒に1回程度、硝酸イオン(酸性成分)の濃度の検出を行う。そして、硝酸イオンを含んだミストの酸性度(硝酸イオン濃度)が所定の量(閾値)x0に達すると、制御部8は、硝酸イオンを含んだミストの硝酸イオン濃度が閾値x0の所定の倍率yで一定に保たれるように、ミスト生成部10で生成されるミストの量を制御する。
【0170】
本実施形態においても、ミスト生成部10に流れる電流Aを所定の値となるように制御することで、検知される酸性度(硝酸イオン濃度)を閾値x0の所定の倍率yで一定に保つようにしている。
【0171】
なお、所定の量(閾値)x0は、距離3cm離れたところから、酸性ミストを10分間発生し続け、一定量の液体に溶解した量で示した場合に、9mg/L程度となる濃度であることが望ましい。具体的には、所定の量(閾値)x0は、30から40mg/L程度、より好ましくは、36mg/L程度とするのが望ましい。このとき、ミスト生成部10に流れる電流Aは、5から15μA程度、より好ましくは、8から10μA程度とするのが望ましい。そして、所定の倍率yは4分の3から2分の1、より好ましくは、3分の2程度とするのが望ましい。図12では、所定の倍率yが4分の3のもの(ミスト生成部10に流れる電流Aが3/4A0となるように制御するもの)を例示している。
【0172】
このように、ミスト生成部10で生成されるミストの量を制御することで、ヘアドライヤ1Dを使用した後の毛髪の状態を、濃度が9mg/Lの酸性成分を含んだミストを、10cm離した距離から10秒間付与した毛髪の状態に近づけることが可能となる。
【0173】
そして、ヘアドライヤ1Dの使用途中で、送風温度切替手段13を操作して送風温度を切替えると、加熱部6への給電が停止される(図12のT1)。このように、加熱部6への給電が停止されると、30℃の環境下で距離15cm程度離して計測した場合、送風温度は約120℃から約30℃に下がり、約30℃の風が送出されることとなる。
【0174】
このとき、制御部8は、酸性ミストが加熱部6への給電が行われているときの1/2だけ生成されるようにミスト生成部10で生成されるミストの量を制御する。すなわち、制御部8は、ミスト生成部10に流れる電流Aが3/8A0となるように制御することとなる。このように、送風温度切替手段13が駆動されて送風温度が低下した際に、第2の制御部としての制御部8がミスト生成量が低下するようにミスト生成部10を制御するようにしている。
【0175】
そして、送風温度切替手段13を再度操作して加熱部6への給電が行われるようにした場合には(図12のT2)、約120℃の風が送出されるようになる。この場合には、制御部8による制御ももとの状態となる。すなわち、硝酸イオンを含んだミストの酸性度(硝酸イオン濃度)が所定の量(閾値)x0に達した際に、制御部8が、硝酸イオンを含んだミストの硝酸イオン濃度が閾値x0の所定の倍率y(図12では3/4)で一定に保たれるように(ミスト生成部10に流れる電流Aが3/4A0となるように)、ミスト生成部10で生成されるミストの量を制御するようになる。
【0176】
最後に、プッシュ式の電源スイッチ7を操作して電源をOFFにする(図12のT3)と、送風部5のモータ52と加熱部6とミスト生成部10への給電が停止される。
【0177】
以上の本実施形態によっても、上記第1から第3実施形態およびその変形例と同様の作用、効果を奏することができる。
【0178】
また、本実施形態では、送風温度切替手段13が駆動されて送風温度が低下した際に、第2の制御部としての制御部8がミスト生成量が低下するようにミスト生成部10を制御するようにしている。
【0179】
ところで、毛髪に約30℃程度の冷風をあてるようにすると、冷風によってキューティクルが引き締まり、酸性成分が毛髪に入りにくくなってしまう。そのため、毛髪に約30℃程度の冷風をあてている際に、約120℃程度の温風をあてているときと同量の硝酸イオン(酸性成分)を含んだミストを供給すると、毛髪にとって過剰な量の硝酸イオン(酸性成分)を含んだミストが供給されてしまう。
【0180】
しかしながら、本実施形態のように、送風温度が低下した際に、ミスト生成量が低下するように、ミスト生成部10を制御すれば、過剰な量の硝酸イオン(酸性成分)を含んだミストが毛髪に吐出されてしまうのを抑制することができるようになる。その結果、送風温度の高低にかかわらず、髪質や肌質にあった量の硝酸イオン(酸性成分)を含んだミストを吐出することができるようになり、毛髪や皮膚を傷めてしまうのをより抑制することができる。
【0181】
なお、図12では、通常時の制御部8によるミスト生成部10の制御として、上記第1実施形態で示した制御を例示したが、通常時の制御部8によるミスト生成部10の制御を、上記第2、第3実施形態で示した制御とすることも可能である。
【0182】
また、上記第1実施形態およびその変形例に示したヘアドライヤ1、1Aに本実施形態の構成や制御を適用することも可能である。
【0183】
(第6実施形態)
本実施形態にかかるヘアドライヤ1Eは、基本的に上記第4実施形態とほぼ同様の構成をしている。すなわち、ヘアドライヤ1Eは、図13に示すように、ハウジング3内に設けられて両側部に入口開口(吸入口)4aと出口開口(吐出口)4bとを備えた送風流路4を備えている。そして、送風流路4の上流側に、入口開口(吸入口)4aから空気を導入して出口開口(吐出口)4bから吐出させる送風部5が配置されており、送風部5の下流側に送風を加熱する加熱部6が設けられている。
【0184】
さらに、送風流路4内には、硝酸イオン(酸性成分)を含んだミストを生成するミスト生成部10と、ミスト生成部10で生成されたミストの酸性度(硝酸イオン濃度)を検知する検知部11と、が設けられている。そして、把持部1aのハウジング3の空洞部内に、ミスト生成部10で生成されるミストの生成量を制御する制御部8が設けられている。
【0185】
さらに、送風流路4が、送風部5の下流側かつ加熱部6の上流側より分岐されて加熱部6を経由しない送風が供給される分岐路4cを備えている。
【0186】
具体的には、本体部1bのハウジング3の内部に仕切板3aを設けることで、加熱部6を経由する送風が供給される送付流路4と、加熱部6を経由しない送風が供給される分岐路4cとを形成している。
【0187】
なお、本体部1bのハウジング3の内部に加熱部6を囲うように内筒を設け、分岐路4cを形成するようにしてもよい。
【0188】
そして、ミスト生成部10が、分岐路4c内に配置されている。
【0189】
また、本実施形態においても、制御部8が、検知部11により検知されたミストの酸性度(硝酸イオンの濃度)に応じてミスト生成部10で生成される硝酸イオンを含んだミストの生成量を制御するようにしている。
【0190】
具体的には、上記第1から第3実施形態で説明したいずれかの制御方法によって、ミスト生成部10で生成される硝酸イオンを含んだミストの生成量を制御している。
【0191】
ここで、本実施形態にかかるヘアドライヤ1Eが、上記第4実施形態と主に異なる点は、ヘアドライヤ1Eが、送風量を切替える送風量切替手段12だけでなく送風温度を切替える送風温度切替手段13も有している点にある。送風量切替手段12および送風温度切替手段13は、把持部1aの電源スイッチ7の上部に形成されており、導線を介して制御部8に接続されている。そして、送風量および送風温度をそれぞれ2段階に切替えることができるようになっている。
【0192】
さらに、ヘアドライヤ1Eは、送風量切替手段12が駆動されて送風量が低下した際に、ミスト生成量が低下するように、ミスト生成部10を制御する第2の制御部を有している。
【0193】
本実施形態では、制御部8が、第2の制御部を兼ねている。なお、第2の制御部を制御部8とは別体に設けるようにしてもよい。
【0194】
次に、制御部8によるミスト生成部10の制御方法の一例を説明する。なお、消費電力の変化(送風量の変化)の方が、加熱部6のオン・オフによる送風温度の変化よりも、毛髪や皮膚に与える影響が大きいので、本実施形態では、図10のタイミングチャートに基づく制御を行っている。具体的には、以下の通りである。
【0195】
まず、プッシュ式の電源スイッチ7を操作して電源をONにすると、図示せぬコンセントを介して、送風部5のモータ52と加熱部6とミスト生成部10と検知部11に、電力(例えば、1200Wの電力)が給電される。そして、送風部5のファン51が回転することで、入口開口(吸入口)4aから送風流路4内に空気が取り込まれ、出口開口(吐出口)4bから加熱部6で加熱された温風が吐出される。このとき、ミスト生成部10で生成される硝酸イオンを含んだミストも出口開口(吐出口)4bから吐出される。なお、1200Wの電力が供給されている場合、1.3m2/分の風が送出されることとなる。また、30℃の環境下で距離を15cm程度離して計測した場合、送風温度は約120℃となる。
【0196】
そして、電源をONにすると検知部11にも電気が流れ、検知部11が正に帯電する。そして、ミストに含まれる酸性成分(硝酸イオン)は負に帯電しているので、正に帯電した検知部11に硝酸イオンが付着し、検知部11の電荷量が変化する。そして、検知部11の単位時間あたりの電荷量の変化から、ミストに含まれる硝酸イオンの量を検出する。例えば、タイマー81を用いて、検知部11の電荷量の変化を10秒ごとに測定し、10秒前の検知部11の電荷量との差から硝酸イオンの量を求めるようにすることができる。
【0197】
また、ミスト生成部10の制御部8による制御は、送風部5のモータ52と加熱部6とミスト生成部10と検知部11に、電力が給電された数秒後から開始される。制御を開始するまでの時間は、15秒程度が好ましい。
【0198】
すなわち、図10のタイミングチャートに示すように、ヘアドライヤ1Eの電源スイッチ7を操作して電源をONにした時点をT0秒とすると、(T0+15)秒後にミスト生成部10の制御を開始するようにしている。なお、上記第1から第3実施形態で示したように、制御を開始するまでの時間を、10秒程度とすることも可能である。
【0199】
そして、制御開始後、検知部11は随時、好ましくは3秒に1回程度、硝酸イオン(酸性成分)の濃度の検出を行う。そして、硝酸イオンを含んだミストの酸性度(硝酸イオン濃度)が所定の量(閾値)x0に達すると、制御部8は、硝酸イオンを含んだミストの硝酸イオン濃度が閾値x0の所定の倍率yで一定に保たれるように、ミスト生成部10で生成されるミストの量を制御する。
【0200】
本実施形態においても、ミスト生成部10に流れる電流Aを所定の値となるように制御することで、検知される酸性度(硝酸イオン濃度)を閾値x0の所定の倍率yで一定に保つようにしている。
【0201】
なお、所定の量(閾値)x0は、距離3cm離れたところから、酸性ミストを10分間発生し続け、一定量の液体に溶解した量で示した場合に、9mg/L程度となる濃度であることが望ましい。具体的には、所定の量(閾値)x0は、30から40mg/L程度、より好ましくは、36mg/L程度とするのが望ましい。このとき、ミスト生成部10に流れる電流Aは、5から15μA程度、より好ましくは、8から10μA程度とするのが望ましい。そして、所定の倍率yは4分の3から2分の1、より好ましくは、3分の2程度とするのが望ましい。図10では、所定の倍率yが4分の3のもの(ミスト生成部10に流れる電流Aが3/4A0となるように制御するもの)を例示している。
【0202】
このように、ミスト生成部10で生成されるミストの量を制御することで、ヘアドライヤ1Eを使用した後の毛髪の状態を、濃度が9mg/Lの酸性成分を含んだミストを、10cm離した距離から10秒間付与した毛髪の状態に近づけることが可能となる。
【0203】
そして、ヘアドライヤ1Eの使用途中で、送風量切替手段12を操作して送風量を切替えるとともに送風温度切替手段13を操作して送風温度を切替えると、600Wの電力が供給されるとともに加熱部6への給電が停止され(図10のT1)、0.75m2/分の風が約30℃で送出されることとなる。
【0204】
このとき、制御部8は、酸性ミストが1200Wのときの1/2だけ生成されるようにミスト生成部10で生成されるミストの量を制御する。すなわち、制御部8は、ミスト生成部10に流れる電流Aが3/8A0となるように制御することとなる。このように、送風量切替手段12が駆動されて送風量が低下した際に、第2の制御部としての制御部8がミスト生成量が低下するようにミスト生成部10を制御するようにしている。
【0205】
そして、送風量切替手段12を再度操作して1200Wの電力が供給されるようにするとともに、送風温度切替手段13を再度操作して加熱部6への給電が行われるようにした場合には(図10のT2)、1.3m2/分の風が約120℃で送出されるようになる。この場合には、制御部8による制御ももとの状態となる。すなわち、硝酸イオンを含んだミストの酸性度(硝酸イオン濃度)が所定の量(閾値)x0に達した際に、制御部8が、硝酸イオンを含んだミストの硝酸イオン濃度が閾値x0の所定の倍率y(図10では3/4)で一定に保たれるように(ミスト生成部10に流れる電流Aが3/4A0となるように)、ミスト生成部10で生成されるミストの量を制御するようになる。
【0206】
最後に、プッシュ式の電源スイッチ7を操作して電源をOFFにする(図10のT3)と、送風部5のモータ52と加熱部6とミスト生成部10への給電が停止される。
【0207】
なお、上述したように、消費電力の変化(送風量の変化)の方が、加熱部6のオン・オフによる送風温度の変化よりも、毛髪や皮膚に与える影響が大きい。そのため、本実施形態では、1200Wの電力が供給されて1.3m2/分の風が送出されている状態で、加熱部6への給電を停止し、約30℃の冷風が送出されるようにした場合であっても、1.3m2/分の風が送出されているため、制御部8によって通常の制御(図10におけるT0からT1、T2からT3までの制御)がなされるようにしている。
【0208】
また、加熱部6への給電が行われて約120℃の温風が送出されている状態で、600Wの電力が供給されて0.75m2/分の風が送出されるようにした場合には、0.75m2/分の風が送出されているため、制御部8によって酸性ミストが1200Wのときの1/2だけ生成される制御(図10におけるT1からT2までの制御)がなされるようにしている。
【0209】
このように、本実施形態にかかる第2の制御部は、送風量切替手段12が駆動されて送風量が低下した際に、ミスト生成量が低下するように、ミスト生成部10を制御している。
【0210】
なお、送風量切替手段12が駆動されて送風量が低下した際だけでなく、送風温度切替手段13が駆動されて送風温度が低下した際にも、ミスト生成量が低下するように、第2の制御部がミスト生成部10を制御するようにしてもよい。
【0211】
以上の本実施形態によっても、上記第4、第5実施形態と同様の作用、効果を奏することができる。
【0212】
なお、上記第1実施形態およびその変形例に示したヘアドライヤ1、1Aに本実施形態の構成や制御を適用することも可能である。
【0213】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態には限定されず、種々の変形が可能である。
【0214】
例えば、上記各実施形態では、ミスト生成部として静電霧化方式の装置を用いたものを例示したが、硝酸イオン(酸性成分)を含んだ液体をベンチュリ管から放出するようにしたベンチュリ方式の装置を用いるようにしてもよい。
【0215】
また、上記各実施形態では、ミストに含まれる硝酸イオンの濃度を検知して制御するものを例示したが、その他の成分を検知することで、霧化される酸性成分の量を予想して、制御するようにしてもよい。酸性成分を含むミストの生成方式が、静電霧化方式であり、電極がPtやZnなどであった場合、放出されるPtやZnなどの量は、酸性成分の量とほぼ比例関係にあるからである。
【0216】
また、上記第1から第3実施形態では、ミスト生成部の制御のみ行うものを例示したが、風量や熱量の制御を組み合わせるようにしてもよい。
【0217】
また、上記第4および第6実施形態では、送風量切替手段が送風量を2段階に切替えるものを例示したが、送風量切替手段が送風量を3段階以上に切替えることができるようにしてもよい。
【0218】
また、上記第5および第6実施形態では、送風温度切替手段が送風温度を2段階に切替えるものを例示したが、送風温度切替手段が送風温度を3段階以上に切替えることができるようにしてもよい。
【0219】
また、送風流路、送風部や加熱部、その他細部のスペック(形状、大きさ、レイアウト等)も適宜変更することが可能である。
【符号の説明】
【0220】
1 加熱送風装置
3 ハウジング
4 送風流路
4a 入口開口(吸入口)
4b 出口開口(吐出口)
4c 分岐路
5 送風部
6 加熱部
8 制御部(制御部および第2の制御部)
10 ミスト生成部
11 検知部
12 送風量切替手段
13 送風温度切替手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱送風装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、加熱送風装置として、弱酸性ミストを発生させるミスト発生装置を本体ケース内に設け、吹出口から弱酸性ミストを吐出させるようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この特許文献1では、皮膚や毛髪に優しく作用する3.5〜6.0pHの範囲の弱酸性ミストを吐出させるようにしている。このように、弱酸性ミストを吐出させることで、弱酸性ミストが有する効用を毛髪及び頭皮に効率よく作用させることができ、キューティクルを引き締めて潤いのある髪にするトリートメント効果が得られるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−136303号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の技術では、酸性度が3.5〜6.0pHの範囲の酸性ミストを吐出することはできるが、吐出される酸性ミスト量を制御することはできない。そのため、ブリーチやパーマなどで痛んだ毛髪や乾燥している皮膚に酸性成分が過剰に付与されて、酸性成分による脱水反応が促進してしまい、逆に毛髪や皮膚を傷めてしまうおそれがある。
【0006】
そこで、本発明は、毛髪や皮膚を傷めてしまうのを抑制することのできる加熱送風装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の特徴は、ハウジング内に設けられて両側部に吸込口と吹出口とを備えた送風流路と、前記送風流路の上流側に配置され前記吸込口から空気を導入して前記吹出口から吐出させる送風部と、前記送風部の下流側に設けられ送風を加熱する加熱部と、酸性成分を含んだミストを生成するミスト生成部と、前記ミスト生成部で生成されたミストの酸性度を検知する検知部と、前記ミスト生成部で生成されるミストの生成量を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記検知部により検知されたミストの酸性度に応じて前記ミスト生成部で生成されるミストの生成量を制御することを要旨とする。
【0008】
本発明の第2の特徴は、前記ミスト生成部は前記送風流路内に設けられており、前記検知部は前記ミスト生成部の下流側に配置されていることを要旨とする。
【0009】
本発明の第3の特徴は、前記送風流路は、前記送風部の下流側かつ前記加熱部の上流側より分岐されて前記加熱部を経由しない送風が供給される分岐路を備えており、前記分岐路に少なくとも前記ミスト生成部で生成されたミストの一部が供給され、当該分岐路の下流側に前記検知部が設けられていることを要旨とする。
【0010】
本発明の第4の特徴は、前記制御部は、前記送風部が駆動された際に前記ミスト生成部を駆動させ、前記検知部により検知されたミストの酸性度が所定の値以下となるように、前記ミスト生成部を制御することを要旨とする。
【0011】
本発明の第5の特徴は、前記制御部は、前記送風部が駆動された際に前記ミスト生成部を駆動させ、前記検知部により検知されたミストの酸性度が所定の値以下の範囲で一定となるように、前記ミスト生成部を制御することを要旨とする。
【0012】
本発明の第6の特徴は、前記制御部は、前記送風部が駆動された際に前記ミスト生成部を駆動させ、前記検知部により検知されたミストの酸性度が所定の値以下の範囲で増減を繰り返すように前記ミスト生成部を制御することを要旨とする。
【0013】
本発明の第7の特徴は、前記加熱送風装置は、送風量を切替える送風量切替手段と、前記ミスト生成部で生成されるミストの生成量を制御する第2の制御部と、を備え、前記第2の制御部は、前記送風量切替手段が駆動されて送風量が低下した際に、ミスト生成量が低下するように、前記ミスト生成部を制御することを要旨とする。
【0014】
本発明の第8の特徴は、前記加熱送風装置は、送風温度を切替える送風温度切替手段と、前記ミスト生成部で生成されるミストの生成量を制御する第2の制御部と、を備え、前記第2の制御部は、前記送風温度切替手段が駆動されて送風温度が低下した際に、ミスト生成量が低下するように、前記ミスト生成部を制御することを要旨とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、加熱送風装置の制御部が、検知部により検知されたミストの酸性度に応じてミスト生成部で生成されるミストの生成量を制御している。そのため、酸性成分を含んだミストが過剰に吐出されてしまうのを抑制することが可能となる。その結果、髪質や肌質にあった量の酸性成分を含んだミストを吐出することができるようになり、毛髪や皮膚を傷めてしまうのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1実施形態にかかるヘアドライヤを模式的に示す側断面図である。
【図2】本発明の第1実施形態にかかる制御部によってミスト生成部で生成されるミストの生成量を制御する方法を示すタイミングチャートである。
【図3】検知した硝酸イオン濃度と酸性ミスト生成部に流れる電流の関係を模式的に示すグラフである。
【図4】酸性成分を含んだミストを毛髪に付与した場合の平均摩擦係数の変化を模式的に示すグラフである。
【図5】本発明の第1実施形態の第1変形例にかかるヘアドライヤを模式的に示す側断面図である。
【図6】本発明の第1実施形態の第2変形例にかかるヘアドライヤを模式的に示す側断面図である。
【図7】本発明の第2実施形態にかかる制御部によってミスト生成部で生成されるミストの生成量を制御する方法を示すタイミングチャートである。
【図8】本発明の第3実施形態にかかる制御部によってミスト生成部で生成されるミストの生成量を制御する方法を示すタイミングチャートである。
【図9】本発明の第4実施形態にかかるヘアドライヤを模式的に示す側断面図である。
【図10】本発明の第4実施形態にかかる第2の制御部によってミスト生成部で生成されるミストの生成量を制御する方法を示すタイミングチャートである。
【図11】本発明の第5実施形態にかかるヘアドライヤを模式的に示す側断面図である。
【図12】本発明の第5実施形態にかかる第2の制御部によってミスト生成部で生成されるミストの生成量を制御する方法を示すタイミングチャートである。
【図13】本発明の第6実施形態にかかるヘアドライヤを模式的に示す側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。以下では、加熱送風装置としてヘアドライヤを例示する。なお、以下の複数の実施形態には、同様の構成要素が含まれている。よって、以下では、それら同様の構成要素には共通の符号を付与するとともに、重複する説明を省略する。
【0018】
(第1実施形態)
本実施形態にかかる加熱送風装置としてのヘアドライヤ1は、使用者が手で握る部分としての把持部1aと、把持部1aと交差する方向に結合された本体部1bとを備えている。そして、使用時には把持部1aと本体部1bとで略T字状あるいは略L字状(本実施形態では略T字状)の外観を呈するように構成されている。また、把持部1aの突出端部からは、電源コード2が引き出されている。そして、把持部1aは、本体部1b側の根元部1cと先端部1dとに分割されており、これら根元部1cと先端部1dとが、連結部1eを介して回動可能に連結されている。なお、先端部1dは、本体部1bに沿う位置まで折り畳むことができるようになっている。
【0019】
ヘアドライヤ1は、ヘアドライヤ1の外壁をなすハウジング3を備えており、このハウジング3は、複数の分割体を継ぎ合わせて構成されている。そして、ハウジング3の内部には空洞が形成されており、この空洞内に、各種電気部品が収容されている。
【0020】
本実施形態では、本体部1bのハウジング3の内部に、長手方向(図1の左右方向)の一方側(右側)の入口開口(吸入口)4aから出口開口(吐出口)4bに至る送風流路4が形成されている。すなわち、本体部1bのハウジング3の内部に、両側部に入口開口(吸入口)4aと出口開口(吐出口)4bとを備えた送風流路4が設けられている。
【0021】
そして、この送風流路4内の上流側(入口開口4aに近い側)には、送風部5が配置されており、入口開口(吸入口)4aから導入された空気を出口開口(吐出口)4bから吐出させるようにしている。本実施形態では、送風部5は、送風流路4内の上流側に配置されるファン51と、ファン51の下流側に配置されてファン51を駆動するモータ52と、を備えている。そして、モータ52に通電してファン51を駆動し、ファン51を回転させると、外部から入口開口4aを介して送風流路4内に流入し、当該送風流路4内を通って出口開口4bから外部に排出される空気流(送風)が形成される。
【0022】
また、送風部5の下流側(送風部5よりも出口開口4bに近い側)には、送風を加熱する加熱部6が配置されている。この加熱部6を作動させたときには、送風部5によって形成された空気流(送風)が加熱されて出口開口4bから温風が吹き出されることになる。この加熱部6としては、例えば、帯状かつ波板状の電気抵抗体を本体部1bのハウジング3の内周に沿って巻回して配置することで形成したヒータを用いることができる。
【0023】
さらに、本実施形態では、送風流路4内に、酸性成分を含んだミストを生成するミスト生成部10が収容されている。本実施形態では、硝酸イオン(酸性成分)を含んだミストを生成するミスト生成部10を、送風流路4内の送風部5と加熱部6の間に設けている。
【0024】
このミスト生成部10としては、静電霧化方式の装置を用いることができる。すなわち、導電性を有する金属材料によって形成される一対の電極間に高電圧を印加することで放電(コロナ放電等)を生じさせ、放電作用によって硝酸イオンを含むナノメータサイズの非常に細かいミストを生成する装置を用いることができる。
【0025】
また、送風流路4内には、ミスト生成部10で生成されたミスト(硝酸イオンを含んだミスト)の酸性度を検知する検知部11が収容されている。本実施形態では、検知部11は導電性の物質で構成されており、ミスト生成部10の下流側に配置されている。そして、検知部11によってミスト生成部10で生成されたミストのpH(酸性度)を検知するようにしている。
【0026】
具体的には、ヘアドライヤ1への給電により検知部11を正に帯電させた状態で、当該検知部11にミストを当てるようにする。このように、正に帯電した検知部11にミストが当たることで、ミストに含まれる硝酸イオンが検知部11に付着して検知部11の電荷量が変化する。そして、検知部11の単位時間あたりの電荷量の変化からミストに含まれる硝酸イオンの量を検知するようにしている。なお、検知部11は、導電性の物質であれば、金属でもプラスチックでもよい。また、検知部11の形状も球状でもよいし、直方体状でもよいし、楕円状でもよい。また、検知部11の配置位置は、出口開口(吐出口)4bの近傍に限られるものではなく、送風流路4内のいずれに検知部11を配置してもよい。
【0027】
また、把持部1aの側面には、プッシュ式の電源スイッチ7が設けられている。この電源スイッチ7を操作して電源をONにすると、把持部1aの基端部から延びる電源コード2を介してヘアドライヤ1に給電されて、送風部5のモータ52が駆動してファン51が回転し、入口開口(吸入口)4aから送風流路4内に空気が取り込まれる。また、電源をONにすると、加熱部6が発熱して、送風部5から送られてくる空気が加熱される。そして、加熱された空気が温風となって出口開口(吐出口)4bから吐出される。
【0028】
このとき、ミスト生成部10で生成された硝酸イオンを含んだミストが空気とともに出口開口(吐出口)4bから吐出され、検知部11がミストに含まれる硝酸イオンの量を検知する。
【0029】
そして、出口開口(吐出口)4bから吹き出す温風を毛髪に当てることで毛髪を乾燥させるようにしている。さらに、出口開口(吐出口)4bから吐出する硝酸イオンが含まれたミストを毛髪や皮膚に当てることで、毛髪や皮膚の状態を酸性度が3.5〜6.0pHの範囲となるようにし、毛髪や皮膚(頭皮や顔など)が傷まないようにしている。
【0030】
また、本実施形態では、把持部1aのハウジング3の空洞部内に、送風部5、加熱部6、ミスト生成部10および検知部11のそれぞれの出力を制御する制御部8が設けられている。この制御部8は、送風部5(モータ52)のON・OFFのタイミング、および加熱部6のON・OFFのタイミングを制御するようになっている。また、ミスト生成部10のON・OFFのタイミング、および検知部11のON・OFFのタイミングを制御するようになっている。なお、本実施形態では、制御部8や後述するタイマー81等の電子部品は、送風流路4とは画成された空間である把持部1aの空洞部内に配置されている。
【0031】
さらに、本実施形態では、使用者を、ミスト生成部10で発生するイオンの電荷(本実施形態ではマイナスの電荷)の反対極に帯電させる帯電部9を設けている。帯電部9は把持部1aの外表面に露出する導電性樹脂(導電部材)で形成されており、導線を介して制御部8に接続されている。
【0032】
本実施形態にかかるヘアドライヤ1は、上述したように、硝酸イオン(酸性成分)を含んだミストを放出するものである。そのため、ヘアドライヤ1を継続して使用する場合、硝酸イオンの電荷(マイナスの電荷)が使用者に蓄積されてしまい、硝酸イオンが使用者に向けて放出されにくくなってしまう。しかしながら、帯電部9を設けることで、使用者を、ミスト生成部10で発生するイオンの電荷の反対極(プラス極)に帯電させることができる。その結果、ミスト生成部10で発生するイオンの電荷が使用者に蓄積されてイオンが使用者に到達しにくくなってしまうのを抑制することができるようになる。
【0033】
ところで、日常に用いるシャンプーや石鹸に含まれる界面活性剤は、毛髪や皮膚の酸性度を7.5〜10.0pHのアルカリの範囲にもっていき、毛髪や皮膚を構成するたんぱく質の結合を弱める働きをするものである。そのため、通常のシャンプーや石鹸を用いて洗髪等を行うと、毛髪や皮膚の酸性度が弱アルカリ性になってしまう。しかしながら、毛髪や皮膚の状態は、一般的に、酸性度が3.5〜6.0pHの範囲にあるのが正常な状態である。そこで、毛髪や皮膚に優しく作用する酸性ミスト(硝酸イオンを含んだミスト)を毛髪や皮膚に当てることで、毛髪や皮膚の状態をより正常な状態に戻すようにしたヘアドライヤが考案されている。
【0034】
しかしながら、吐出される酸性ミスト量を制御しないと、ブリーチやパーマなどで痛んだ毛髪や、乾燥している皮膚に酸性成分が過剰に付与されてしまい、酸性成分による脱水反応が促進され、逆に毛髪や皮膚を傷めてしまうおそれがある。
【0035】
ここで、ブリーチで痛んだ毛髪に酸性成分を過剰に付与した場合、酸性成分による脱水反応が促進してしまい、逆に毛髪を傷めてしまう事例を、図4に基づき説明する。
【0036】
図4は、酸性成分を含んだミストの濃度を横軸、毛髪の平均摩擦係数を縦軸にとって、グラフ化したものである。
【0037】
今回の実験では、ブリーチした毛髪を0.5mm間隔で30本並べたサンプルを作成し、酸性成分を含んだミストを、10cm離した距離から10秒間付与した後の、サンプルの平均摩擦係数を測定した。なお、今回の実験では、酸性ミストの濃度が、0mg/L(純水)、7mg/L、8mg/L、9mg/L、10mg/L、11mg/Lのミストを付与した時のそれぞれのサンプルの平均摩擦係数を測定した。酸性ミストの濃度は、距離3cm離れたところから、酸性ミストを10分間発生し続け、一定量の液体に溶解した量で示している。また、測定は25℃、50%RHの環境で行い、平均摩擦係数の測定にはカトーテック(社名)製の摩擦感テスターを使用した。
【0038】
図4をみると、酸性ミストの濃度が9mg/Lのとき、平均摩擦係数がもっとも低くなっていることが理解される。一般に、毛髪の平均摩擦係数が低いほど、その毛髪のキューティクルの密着性は良い状態にあるとされる。したがって、酸性ミストの濃度が9mg/Lのときに、毛髪はキューティクルの密着性が良い状態に保たれていることが理解される。そして、図4をみると、9mg/L以下の場合でも9mg/L以上の場合でも、酸性ミストの濃度が下がるにつれて、あるいは、上がるにつれて、徐々に平均摩擦係数が大きくなっている。すなわち、酸性ミストの濃度が、7〜11mg/Lのいずれかのミストを付与した場合、酸性ミストの濃度が9mg/Lのときが、毛髪のキューティクルの密着性を良い状態に保つのに最適な値となることが理解される。この実験から、酸性成分を過剰に付与した場合には、酸性成分による脱水反応が促進され、逆に毛髪を傷めてしまうことが理解される。
【0039】
このように、毛髪や皮膚に酸性成分が過剰に付与されてしまうと、酸性成分による脱水反応が促進され、逆に毛髪や皮膚を傷めてしまうおそれがある。
【0040】
そこで、本実施形態では、制御部8がミスト生成部10で生成される硝酸イオンを含んだミストの生成量を制御するようにした。
【0041】
本実施形態では、制御部8が、検知部11により検知されたミストの酸性度(硝酸イオンの濃度)に応じてミスト生成部10で生成される硝酸イオンを含んだミストの生成量を制御するようにしている。
【0042】
具体的には、送風部5が駆動された際に、制御部8がミスト生成部10を駆動させるようにしている。そして、検知部11により検知されたミストの酸性度(硝酸イオンの濃度)が所定の値以下となるように、制御部8がミスト生成部10を制御するようにした。
【0043】
このとき、本実施形態では、検知部11により検知されたミストのpH(酸性度)が所定の値以下の範囲で一定となるように、制御部8がミスト生成部10を制御するようにしている。
【0044】
次に、制御部8によるミスト生成部10の制御方法の一例を、図2のタイミングチャートに基づいて説明する。
【0045】
まず、プッシュ式の電源スイッチ7を操作して電源をONにすると、図示せぬコンセントを介して、送風部5のモータ52と加熱部6とミスト生成部10と検知部11に、電力が給電される。そして、送風部5のファン51が回転することで、入口開口(吸入口)4aから送風流路4内に空気が取り込まれ、出口開口(吐出口)4bから加熱部6で加熱された温風が吐出される。このとき、ミスト生成部10で生成される硝酸イオンを含んだミストも出口開口(吐出口)4bから吐出される。
【0046】
また、電源をONにすると検知部11にも電気が流れ、検知部11が正に帯電する。そして、ミストに含まれる酸性成分(硝酸イオン)は負に帯電しているので、正に帯電した検知部11に硝酸イオンが付着し、検知部11の電荷量が変化する。そして、検知部11の単位時間あたりの電荷量の変化から、ミストに含まれる硝酸イオンの量を検出する。例えば、タイマー81を用いて、検知部11の電荷量の変化を10秒ごとに測定し、10秒前の検知部11の電荷量との差から硝酸イオンの量を求めるようにすることができる。
【0047】
また、ミスト生成部10の制御部8による制御は、送風部5のモータ52と加熱部6とミスト生成部10と検知部11に、電力が給電された数秒後から開始される。制御を開始するまでの時間は、10秒程度が好ましい。
【0048】
すなわち、図2のタイミングチャートに示すように、ヘアドライヤ1の電源スイッチ7を操作して電源をONにした時点をT0秒とすると、(T0+10)秒後にミスト生成部10の制御を開始するようにしている。
【0049】
そして、制御開始後、検知部11は随時、好ましくは3秒に1回程度、硝酸イオン(酸性成分)の濃度の検出を行う。そして、硝酸イオンを含んだミストの酸性度(硝酸イオン濃度)が所定の量(閾値)x0に達すると、制御部8は、硝酸イオンを含んだミストの硝酸イオン濃度が閾値x0の所定の倍率yで一定に保たれるように、ミスト生成部10で生成されるミストの量を制御する。
【0050】
ところで、図3に示すように、検知される酸性度(硝酸イオン濃度)と、ミスト生成部10に流れる電流Aは比例関係にある。したがって、ミスト生成部10に流れる電流Aを所定の値となるように制御することで、検知される酸性度(硝酸イオン濃度)を閾値x0の所定の倍率yで一定に保つことが可能となる。
【0051】
そこで、本実施形態では、硝酸イオンを含んだミストの酸性度(硝酸イオン濃度)が所定の量(閾値)x0の所定の倍率yで一定に保たれるようにミスト生成部10で生成されるミストの量を制御した後(図4のT1後)は、検知部11への給電を停止するようにしている。なお、検知部11への給電は停止しなくてもよい。検知部11への給電を停止した場合、検知部11に付着した硝酸イオンは、給電停止後、検知部11から離れることとなる。
【0052】
本実施形態では、図2のタイミングチャートに示すように、硝酸イオンを含んだミストの酸性度(硝酸イオン濃度)が所定の量(閾値)x0に達したことを検知部11が検知すると、ミスト生成部10に流れる電流Aを徐々に減少させ、検知される酸性度(硝酸イオン濃度)を徐々に減少させるようにする。
【0053】
そして、硝酸イオンを含んだミストの酸性度(硝酸イオン濃度)が所定の量(閾値)x0の所定の倍率yとなったとき(図2のT1)には、ミスト生成部10に流れる電流Aを一定となるように制御し、硝酸イオンを含んだミストの酸性度(硝酸イオン濃度)が所定の量(閾値)x0の所定の倍率yで一定に保たれるようにする。このとき、検知部11への給電が停止される。
【0054】
最後に、プッシュ式の電源スイッチ7を操作して電源をOFFにする(図2のT2)と、送風部5のモータ52と加熱部6とミスト生成部10への給電が停止される。
【0055】
なお、所定の量(閾値)x0は、距離3cm離れたところから、酸性ミストを10分間発生し続け、一定量の液体に溶解した量で示した場合に、9mg/L程度となる濃度であることが望ましい。具体的には、所定の量(閾値)x0は、30から40mg/L程度、より好ましくは、36mg/L程度とするのが望ましい。このとき、ミスト生成部10に流れる電流Aは、5から15μA程度、より好ましくは、8から10μA程度とするのが望ましい。そして、所定の倍率yは4分の3から2分の1、より好ましくは、3分の2程度とするのが望ましい。
【0056】
このように、ミスト生成部10で生成されるミストの量を制御することで、ヘアドライヤ1を使用した後の毛髪の状態を、濃度が9mg/Lの酸性成分を含んだミストを、10cm離した距離から10秒間付与した毛髪の状態に近づけることが可能となる。
【0057】
なお、送風部5のモータ52、加熱部6やミスト生成部10への電力の給電が小さい場合、ミストに含まれる酸性成分が所定の値を超えない場合もある。この場合には、例えば、硝酸イオンを含んだミストの酸性度(硝酸イオン濃度)が所定の量(閾値)x0の所定の倍率yを超えたときに、一定に保たれるように制御するようにすればよい。
【0058】
以上説明したように、本実施形態では、ヘアドライヤ(加熱送風装置)1の制御部8が、検知部11により検知されたミストの酸性度(硝酸イオン濃度)に応じてミスト生成部10で生成されるミストの生成量を制御している。
【0059】
本実施形態では、制御部8が、送風部5が駆動された際にミスト生成部10を駆動させ、検知部11により検知されたミストの酸性度(硝酸イオン濃度)が所定の値x0以下となるように、ミスト生成部10を制御している。そのため、硝酸イオン(酸性成分)を含んだミストが過剰に吐出されてしまうのを抑制することができる。その結果、髪質や肌質にあった量の硝酸イオン(酸性成分)を含んだミストを吐出することができるようになり、毛髪や皮膚を傷めてしまうのを抑制することができる。
【0060】
また、本実施形態では、検知部11が、ミスト生成部10の下流側に配置されているため、実際に毛髪や皮膚に付着する硝酸イオン(酸性成分)の量を、検知部11によってより正確に検知することができる。
【0061】
また、本実施形態では、制御部8が、検知部11により検知されたミストの酸性度(硝酸イオン濃度)が所定の値x0以下の範囲で一定となるように、ミスト生成部10を制御している。そのため、硝酸イオン(酸性成分)を含んだミストが過剰に吐出されてしまうのをより確実に抑制することができる。
【0062】
次に、本実施形態の変形例について説明する。
【0063】
(第1実施形態の第1変形例)
本変形例にかかるヘアドライヤ1Aは、基本的に上記第1実施形態とほぼ同様の構成をしている。すなわち、ヘアドライヤ1Aは、ハウジング3内に設けられて両側部に入口開口(吸入口)4aと出口開口(吐出口)4bとを備えた送風流路4を備えている。そして、送風流路4の上流側に、入口開口(吸入口)4aから空気を導入して出口開口(吐出口)4bから吐出させる送風部5が配置されており、送風部5の下流側に送風を加熱する加熱部6が設けられている。
【0064】
さらに、送風流路4内には、硝酸イオン(酸性成分)を含んだミストを生成するミスト生成部10と、ミスト生成部10で生成されたミストの酸性度(硝酸イオン濃度)を検知する検知部11と、が設けられている。そして、把持部1aのハウジング3の空洞部内に、ミスト生成部10で生成されるミストの生成量を制御する制御部8が設けられている。
【0065】
また、本変形例にあっても、制御部8によって、図2のタイミングチャートに示す制御が行われている。
【0066】
すなわち、制御部8が、検知部11により検知されたミストの酸性度(硝酸イオンの濃度)に応じてミスト生成部10で生成される硝酸イオンを含んだミストの生成量を制御するようにしている。
【0067】
具体的には、送風部5が駆動された際に、制御部8がミスト生成部10を駆動させるようにしている。そして、検知部11により検知されたミストの酸性度(硝酸イオンの濃度)が所定の値以下となるように、制御部8がミスト生成部10を制御するようにしている。
【0068】
そして、検知部11により検知されたミストの酸性度(硝酸イオン濃度)が所定の値以下の範囲で一定となるように、制御部8がミスト生成部10を制御するようにしている。
【0069】
ここで、本変形例にかかるヘアドライヤ1Aが、上記第1実施形態と主に異なる点は、ヘアドライヤ1Aの送風流路4が、送風部5の下流側かつ加熱部6の上流側より分岐されて加熱部6を経由しない送風が供給される分岐路4cを備えている点にある。
【0070】
そして、分岐路4cに少なくともミスト生成部10で生成されたミストの一部が供給され、当該分岐路4cの下流側に検知部11が設けられるようにしている。
【0071】
具体的には、本体部1bのハウジング3の内部に仕切板3aを設けることで、加熱部6を経由する送風が供給される送付流路4と、加熱部6を経由しない送風が供給される分岐路4cとを形成している。
【0072】
なお、本体部1bのハウジング3の内部に加熱部6を囲うように内筒を設け、分岐路4cを形成するようにしてもよい。
【0073】
以上の本変形例によっても、上記第1実施形態とほぼ同様の作用、効果を奏することができる。
【0074】
また、本変形例によれば、送風流路4が、送風部5の下流側かつ加熱部6の上流側より分岐されて加熱部6を経由しない送風が供給される分岐路4cを備えている。そして、分岐路4cに少なくともミスト生成部10で生成されたミストの一部が供給され、当該分岐路4cの下流側に検知部11が設けられるようにしている。その結果、送風流路4の本流を流れる風の影響を受けずに、硝酸イオン(酸性成分)の量を検知することができるようになり、硝酸イオン(酸性成分)の量を、検知部11によってより正確に検知することができる。
【0075】
(第1実施形態の第2変形例)
本変形例にかかるヘアドライヤ1Bは、基本的に上記第1実施形態の第1変形例とほぼ同様の構成をしている。すなわち、ヘアドライヤ1Bは、ハウジング3内に設けられて両側部に入口開口(吸入口)4aと出口開口(吐出口)4bとを備えた送風流路4を備えている。そして、送風流路4の上流側に、入口開口(吸入口)4aから空気を導入して出口開口(吐出口)4bから吐出させる送風部5が配置されており、送風部5の下流側に送風を加熱する加熱部6が設けられている。
【0076】
さらに、送風流路4内には、硝酸イオン(酸性成分)を含んだミストを生成するミスト生成部10と、ミスト生成部10で生成されたミストの酸性度(硝酸イオン濃度)を検知する検知部11と、が設けられている。そして、把持部1aのハウジング3の空洞部内に、ミスト生成部10で生成されるミストの生成量を制御する制御部8が設けられている。
【0077】
さらに、送風流路4が、送風部5の下流側かつ加熱部6の上流側より分岐されて加熱部6を経由しない送風が供給される分岐路4cを備えている。
【0078】
具体的には、本体部1bのハウジング3の内部に仕切板3aを設けることで、加熱部6を経由する送風が供給される送付流路4と、加熱部6を経由しない送風が供給される分岐路4cとを形成している。
【0079】
なお、本体部1bのハウジング3の内部に加熱部6を囲うように内筒を設け、分岐路4cを形成するようにしてもよい。
【0080】
また、本変形例にあっても、制御部8によって、図2のタイミングチャートに示す制御が行われている。
【0081】
すなわち、制御部8が、検知部11により検知されたミストの酸性度(硝酸イオンの濃度)に応じてミスト生成部10で生成される硝酸イオンを含んだミストの生成量を制御するようにしている。
【0082】
具体的には、送風部5が駆動された際に、制御部8がミスト生成部10を駆動させるようにしている。そして、検知部11により検知されたミストの酸性度(硝酸イオンの濃度)が所定の値以下となるように、制御部8がミスト生成部10を制御するようにしている。
【0083】
そして、検知部11により検知されたミストの酸性度(硝酸イオン濃度)が所定の値以下の範囲で一定となるように、制御部8がミスト生成部10を制御するようにしている。
【0084】
ここで、本変形例にかかるヘアドライヤ1Bが、上記第1実施形態の第1変形例と主に異なる点は、ミスト生成部10が、分岐路4c内に配置されている点にある。
【0085】
以上の本変形例によっても、上記第1実施形態の第1変形例とほぼ同様の作用、効果を奏することができる。
【0086】
(第2実施形態)
本実施形態にかかるヘアドライヤ1は、上記第1実施形態のヘアドライヤ1と同様の構成をしている。ここで、本実施形態においては、制御部8にて行われる制御が上記第1実施形態とは異なっている。
【0087】
以下、本実施形態における制御について、図7のタイミングチャートに基づき説明する。
【0088】
本実施形態の制御部8による制御は、基本的には上記第1実施形態の制御部8による制御とほぼ同様であるが、第1実施形態における制御と主に異なる点は、検知部11により検知されたミストの酸性度(硝酸イオンの濃度)が所定の値以下の範囲で増減を繰り返すように制御部8がミスト生成部10を制御する点にある。
【0089】
すなわち、制御部8が、検知部11により検知されたミストの酸性度(硝酸イオンの濃度)に応じてミスト生成部10で生成される硝酸イオンを含んだミストの生成量を制御するようにしている。
【0090】
具体的には、送風部5が駆動された際に、制御部8がミスト生成部10を駆動させるようにしている。そして、検知部11により検知されたミストの酸性度(硝酸イオンの濃度)が所定の値以下となるように、制御部8がミスト生成部10を制御するようにしている。
【0091】
このとき、本実施形態では、検知部11により検知されたミストの酸性度(硝酸イオンの濃度)が所定の値以下の範囲で増減を繰り返すように制御部8がミスト生成部10を制御するようにしている。
【0092】
次に、制御部8によるミスト生成部10の制御方法の一例を、図7のタイミングチャートに基づいて説明する。
【0093】
まず、プッシュ式の電源スイッチ7を操作して電源をONにすると、図示せぬコンセントを介して、送風部5のモータ52と加熱部6とミスト生成部10と検知部11に、電力が給電される。そして、送風部5のファン51が回転することで、入口開口(吸入口)4aから送風流路4内に空気が取り込まれ、出口開口(吐出口)4bから加熱部6で加熱された温風が吐出される。このとき、ミスト生成部10で生成される硝酸イオンを含んだミストも出口開口(吐出口)4bから吐出される。
【0094】
また、電源をONにすると検知部11にも電気が流れ、検知部11が正に帯電する。そして、ミストに含まれる酸性成分(硝酸イオン)は負に帯電しているので、正に帯電した検知部11に硝酸イオンが付着し、検知部11の電荷量が変化する。そして、検知部11の単位時間あたりの電荷量の変化から、ミストに含まれる硝酸イオンの量を検出する。例えば、タイマー81を用いて、検知部11の電荷量の変化を10秒ごとに測定し、10秒前の検知部11の電荷量との差から硝酸イオンの量を求めるようにすることができる。
【0095】
また、ミスト生成部10の制御部8による制御は、送風部5のモータ52と加熱部6とミスト生成部10と検知部11に、電力が給電された数秒後から開始される。制御を開始するまでの時間は、10秒程度が好ましい。
【0096】
すなわち、図7のタイミングチャートに示すように、ヘアドライヤ1の電源スイッチ7を操作して電源をONにした時点をT0秒とすると、(T0+10)秒後にミスト生成部10の制御を開始するようにしている。
【0097】
そして、制御開始後、検知部11は随時、好ましくは3秒に1回程度、硝酸イオン(酸性成分)の濃度の検出を行う。そして、硝酸イオンを含んだミストの酸性度(硝酸イオン濃度)が所定の量(閾値)x0に達すると、制御部8は、検知部11により検知されたミストの酸性度(硝酸イオンの濃度)が所定の値x0以下の範囲で増減を繰り返すように制御する。
【0098】
具体的には、ミスト生成部10に流れる電流Aを所定の値x0以下の範囲で増減を繰り返すように制御することで、ミストの酸性度(硝酸イオンの濃度)が所定の値x0以下の範囲で増減を繰り返すようにしている。
【0099】
本実施形態では、ミストの酸性度(硝酸イオンの濃度)が所定の値x0の所定の倍率y以下の範囲で増減を繰り返すようにしている。
【0100】
具体的には、図7のタイミングチャートに示すように、硝酸イオンを含んだミストの酸性度(硝酸イオン濃度)が所定の量(閾値)x0に達したことを検知部11が検知すると、ミスト生成部10に流れる電流Aを徐々に減少させ、検知される酸性度(硝酸イオン濃度)を徐々に減少させるようにする。
【0101】
そして、硝酸イオンを含んだミストの酸性度(硝酸イオン濃度)が所定の量(閾値)x0の所定の倍率yとなったとき(図7のT1)には、ミスト生成部10に流れる電流Aを所定の値x0の所定の倍率y以下の範囲で増減を繰り返すように制御し、硝酸イオンを含んだミストの酸性度(硝酸イオン濃度)が所定の量(閾値)x0の所定の倍率y以下の範囲で増減を繰り返すようにしている。
【0102】
最後に、プッシュ式の電源スイッチ7を操作して電源をOFFにする(図7のT2)と、送風部5のモータ52と加熱部6とミスト生成部10と検知部11への給電が停止される。
【0103】
なお、所定の量(閾値)x0は、距離3cm離れたところから、酸性ミストを10分間発生し続け、一定量の液体に溶解した量で示した場合に、9mg/L程度となる濃度であることが望ましい。具体的には、所定の量(閾値)x0は、30から40mg/L程度、より好ましくは、36mg/L程度とするのが望ましい。このとき、ミスト生成部10に流れる電流Aは、5から15μA程度、より好ましくは、8から10μA程度とするのが望ましい。そして、所定の倍率yは4分の3から2分の1、より好ましくは、3分の2程度とするのが望ましい。
【0104】
このように、ミスト生成部10で生成されるミストの量を制御することで、ヘアドライヤ1を使用した後の毛髪の状態を、濃度が9mg/Lの酸性成分を含んだミストを、10cm離した距離から10秒間付与した毛髪の状態に近づけることが可能となる。
【0105】
以上の本実施形態によっても、上記第1実施形態と同様の作用、効果を奏することができる。
【0106】
また、本実施形態によれば、検知部11により検知されたミストの酸性度(硝酸イオンの濃度)が所定の値以下の範囲で増減を繰り返すように制御部8がミスト生成部10を制御している。すなわち、硝酸イオン(酸性成分)を含んだミストの酸性度(硝酸イオン濃度)が所定の値(閾値)に達した場合、その後、硝酸イオン(酸性成分)を含んだミストの酸性度(硝酸イオン濃度)が閾値の所定の倍率を超えない範囲で強弱をつけて生成されるようにミスト生成部10を制御している。この結果、毛髪の一部にだけ局所的に硝酸イオン(酸性成分)が付着するのを抑制することができる。
【0107】
なお、強弱をつけて生成されるように制御する方法としては、図7に示すもの以外に、sin波状となるように制御することが考えられる。また、波形がパルス状となるように制御することも考えられる。また、徐々に減衰していく波形となるように制御することも考えられる。
【0108】
また、上記第1実施形態の変形例に示したヘアドライヤ1A、1Bに本実施形態の制御を適用することも可能である。
【0109】
(第3実施形態)
本実施形態にかかるヘアドライヤ1は、上記第1実施形態のヘアドライヤ1と同様の構成をしている。ここで、本実施形態においては、制御部8にて行われる制御が上記第1実施形態とは異なっている。
【0110】
以下、本実施形態における制御について、図8のタイミングチャートに基づき説明する。
【0111】
本実施形態の制御部8による制御は、基本的には上記第1実施形態の制御部8による制御とほぼ同様であるが、第1実施形態における制御と主に異なる点は、検知部11により検知されたミストの酸性度(硝酸イオンの濃度)が単に所定の値以下の範囲となるようにミスト生成部10を制御する点にある。
【0112】
すなわち、制御部8が、検知部11により検知されたミストの酸性度(硝酸イオンの濃度)に応じてミスト生成部10で生成される硝酸イオンを含んだミストの生成量を制御するようにしている。
【0113】
具体的には、送風部5が駆動された際に、制御部8がミスト生成部10を駆動させるようにしている。そして、検知部11により検知されたミストの酸性度(硝酸イオンの濃度)が所定の値以下となるように、制御部8がミスト生成部10を制御するようにしている。
【0114】
次に、制御部8によるミスト生成部10の制御方法の一例を、図8のタイミングチャートに基づいて説明する。
【0115】
まず、プッシュ式の電源スイッチ7を操作して電源をONにすると、図示せぬコンセントを介して、送風部5のモータ52と加熱部6とミスト生成部10と検知部11に、電力が給電される。そして、送風部5のファン51が回転することで、入口開口(吸入口)4aから送風流路4内に空気が取り込まれ、出口開口(吐出口)4bから加熱部6で加熱された温風が吐出される。このとき、ミスト生成部10で生成される硝酸イオンを含んだミストも出口開口(吐出口)4bから吐出される。
【0116】
また、電源をONにすると検知部11にも電気が流れ、検知部11が正に帯電する。そして、ミストに含まれる酸性成分(硝酸イオン)は負に帯電しているので、正に帯電した検知部11に硝酸イオンが付着し、検知部11の電荷量が変化する。そして、検知部11の単位時間あたりの電荷量の変化から、ミストに含まれる硝酸イオンの量を検出する。例えば、タイマー81を用いて、検知部11の電荷量の変化を10秒ごとに測定し、10秒前の検知部11の電荷量との差から硝酸イオンの量を求めるようにすることができる。
【0117】
また、ミスト生成部10の制御部8による制御は、送風部5のモータ52と加熱部6とミスト生成部10と検知部11に、電力が給電された数秒後から開始される。制御を開始するまでの時間は、10秒程度が好ましい。
【0118】
すなわち、図8のタイミングチャートに示すように、ヘアドライヤ1の電源スイッチ7を操作して電源をONにした時点をT0秒とすると、(T0+10)秒後にミスト生成部10の制御を開始するようにしている。
【0119】
そして、制御開始後、検知部11は随時、好ましくは3秒に1回程度、硝酸イオン(酸性成分)の濃度の検出を行う。そして、硝酸イオンを含んだミストの酸性度(硝酸イオン濃度)が所定の量(閾値)x0に達すると、制御部8は、検知部11により検知されたミストの酸性度(硝酸イオンの濃度)が所定の値x0以下の範囲で変化するように制御する。
【0120】
すなわち、図8のタイミングチャートに示すように、硝酸イオンを含んだミストの酸性度(硝酸イオン濃度)が所定の量(閾値)x0に達したことを検知部11が検知すると、ミスト生成部10に流れる電流Aを所定の電流A0以下の範囲で変化させて、検知される酸性度(硝酸イオン濃度)が所定の値x0以下の範囲で変化するようにしている。
【0121】
最後に、プッシュ式の電源スイッチ7を操作して電源をOFFにする(図8のT2)と、送風部5のモータ52と加熱部6とミスト生成部10と検知部11への給電が停止される。
【0122】
なお、所定の量(閾値)x0は、距離3cm離れたところから、酸性ミストを10分間発生し続け、一定量の液体に溶解した量で示した場合に、9mg/L程度となる濃度であることが望ましい。具体的には、所定の量(閾値)x0は、30から40mg/L程度、より好ましくは、36mg/L程度とするのが望ましい。このとき、ミスト生成部10に流れる電流Aは、5から15μA程度、より好ましくは、8から10μA程度とするのが望ましい。
【0123】
このように、ミスト生成部10で生成されるミストの量を制御することで、ヘアドライヤ1を使用した後の毛髪の状態を、濃度が9mg/Lの酸性成分を含んだミストを、10cm離した距離から10秒間付与した毛髪の状態に近づけることが可能となる。
【0124】
以上の本実施形態によっても、上記第1実施形態と同様の作用、効果を奏することができる。
【0125】
また、上記第1実施形態の変形例に示したヘアドライヤ1A、1Bに本実施形態の制御を適用することも可能である。
【0126】
(第4実施形態)
本実施形態にかかるヘアドライヤ1Cは、基本的に上記第1実施形態の第2変形例とほぼ同様の構成をしている。すなわち、ヘアドライヤ1Cは、図9に示すように、ハウジング3内に設けられて両側部に入口開口(吸入口)4aと出口開口(吐出口)4bとを備えた送風流路4を備えている。そして、送風流路4の上流側に、入口開口(吸入口)4aから空気を導入して出口開口(吐出口)4bから吐出させる送風部5が配置されており、送風部5の下流側に送風を加熱する加熱部6が設けられている。
【0127】
さらに、送風流路4内には、硝酸イオン(酸性成分)を含んだミストを生成するミスト生成部10と、ミスト生成部10で生成されたミストの酸性度(硝酸イオン濃度)を検知する検知部11と、が設けられている。そして、把持部1aのハウジング3の空洞部内に、ミスト生成部10で生成されるミストの生成量を制御する制御部8が設けられている。
【0128】
さらに、送風流路4が、送風部5の下流側かつ加熱部6の上流側より分岐されて加熱部6を経由しない送風が供給される分岐路4cを備えている。
【0129】
具体的には、本体部1bのハウジング3の内部に仕切板3aを設けることで、加熱部6を経由する送風が供給される送付流路4と、加熱部6を経由しない送風が供給される分岐路4cとを形成している。
【0130】
なお、本体部1bのハウジング3の内部に加熱部6を囲うように内筒を設け、分岐路4cを形成するようにしてもよい。
【0131】
そして、ミスト生成部10が、分岐路4c内に配置されている。
【0132】
また、本実施形態においても、制御部8が、検知部11により検知されたミストの酸性度(硝酸イオンの濃度)に応じてミスト生成部10で生成される硝酸イオンを含んだミストの生成量を制御するようにしている。
【0133】
具体的には、上記第1から第3実施形態で説明したいずれかの制御方法によって、ミスト生成部10で生成される硝酸イオンを含んだミストの生成量を制御している。
【0134】
ここで、本実施形態にかかるヘアドライヤ1Cが、上記第1実施形態の第2変形例と主に異なる点は、ヘアドライヤ1Cが、送風量を切替える送風量切替手段12を有している点にある。送風量切替手段12は、把持部1aの電源スイッチ7の上部に形成されており、導線を介して制御部8に接続されている。そして、送風量を2段階に切替えることができるようになっている。
【0135】
さらに、ヘアドライヤ1Cは、送風量切替手段12が駆動されて送風量が低下した際に、ミスト生成量が低下するように、ミスト生成部10を制御する第2の制御部を有している。本実施形態では、制御部8が、第2の制御部を兼ねている。なお、第2の制御部を制御部8とは別体に設けるようにしてもよい。この場合、送風量切替手段12は、導線を介して制御部8とは別体に設けた第2の制御部に接続されることとなる。
【0136】
次に、制御部8によるミスト生成部10の制御方法の一例を、図10のタイミングチャートに基づいて説明する。
【0137】
まず、プッシュ式の電源スイッチ7を操作して電源をONにすると、図示せぬコンセントを介して、送風部5のモータ52と加熱部6とミスト生成部10と検知部11に、電力(例えば、1200Wの電力)が給電される。そして、送風部5のファン51が回転することで、入口開口(吸入口)4aから送風流路4内に空気が取り込まれ、出口開口(吐出口)4bから加熱部6で加熱された温風が吐出される。このとき、ミスト生成部10で生成される硝酸イオンを含んだミストも出口開口(吐出口)4bから吐出される。なお、1200Wの電力が供給されている場合、1.3m2/分の風が送出されることとなる。
【0138】
また、電源をONにすると検知部11にも電気が流れ、検知部11が正に帯電する。そして、ミストに含まれる酸性成分(硝酸イオン)は負に帯電しているので、正に帯電した検知部11に硝酸イオンが付着し、検知部11の電荷量が変化する。そして、検知部11の単位時間あたりの電荷量の変化から、ミストに含まれる硝酸イオンの量を検出する。例えば、タイマー81を用いて、検知部11の電荷量の変化を10秒ごとに測定し、10秒前の検知部11の電荷量との差から硝酸イオンの量を求めるようにすることができる。
【0139】
また、ミスト生成部10の制御部8による制御は、送風部5のモータ52と加熱部6とミスト生成部10と検知部11に、電力が給電された数秒後から開始される。制御を開始するまでの時間は、15秒程度が好ましい。
【0140】
すなわち、図10のタイミングチャートに示すように、ヘアドライヤ1Cの電源スイッチ7を操作して電源をONにした時点をT0秒とすると、(T0+15)秒後にミスト生成部10の制御を開始するようにしている。なお、上記第1から第3実施形態で示したように、制御を開始するまでの時間を、10秒程度とすることも可能である。
【0141】
そして、制御開始後、検知部11は随時、好ましくは3秒に1回程度、硝酸イオン(酸性成分)の濃度の検出を行う。そして、硝酸イオンを含んだミストの酸性度(硝酸イオン濃度)が所定の量(閾値)x0に達すると、制御部8は、硝酸イオンを含んだミストの硝酸イオン濃度が閾値x0の所定の倍率yで一定に保たれるように、ミスト生成部10で生成されるミストの量を制御する。
【0142】
本実施形態においても、ミスト生成部10に流れる電流Aを所定の値となるように制御することで、検知される酸性度(硝酸イオン濃度)を閾値x0の所定の倍率yで一定に保つようにしている。
【0143】
なお、所定の量(閾値)x0は、距離3cm離れたところから、酸性ミストを10分間発生し続け、一定量の液体に溶解した量で示した場合に、9mg/L程度となる濃度であることが望ましい。具体的には、所定の量(閾値)x0は、30から40mg/L程度、より好ましくは、36mg/L程度とするのが望ましい。このとき、ミスト生成部10に流れる電流Aは、5から15μA程度、より好ましくは、8から10μA程度とするのが望ましい。そして、所定の倍率yは4分の3から2分の1、より好ましくは、3分の2程度とするのが望ましい。図10では、所定の倍率yが4分の3のもの(ミスト生成部10に流れる電流Aが3/4A0となるように制御するもの)を例示している。
【0144】
このように、ミスト生成部10で生成されるミストの量を制御することで、ヘアドライヤ1Cを使用した後の毛髪の状態を、濃度が9mg/Lの酸性成分を含んだミストを、10cm離した距離から10秒間付与した毛髪の状態に近づけることが可能となる。
【0145】
そして、ヘアドライヤ1Cの使用途中で、送風量切替手段12を操作して送風量を切替えると、600Wの電力が供給され(図10のT1)、0.75m2/分の風が送出されることとなる。
【0146】
このとき、制御部8は、酸性ミストが1200Wのときの1/2だけ生成されるようにミスト生成部10で生成されるミストの量を制御する。すなわち、制御部8は、ミスト生成部10に流れる電流Aが3/8A0となるように制御することとなる。このように、送風量切替手段12が駆動されて送風量が低下した際に、第2の制御部としての制御部8がミスト生成量が低下するようにミスト生成部10を制御するようにしている。
【0147】
そして、送風量切替手段12を再度操作して1200Wの電力が供給されるようにした場合には(図10のT2)、1.3m2/分の風が送出されるようになる。この場合には、制御部8による制御ももとの状態となる。すなわち、硝酸イオンを含んだミストの酸性度(硝酸イオン濃度)が所定の量(閾値)x0に達した際に、制御部8が、硝酸イオンを含んだミストの硝酸イオン濃度が閾値x0の所定の倍率y(図10では3/4)で一定に保たれるように(ミスト生成部10に流れる電流Aが3/4A0となるように)、ミスト生成部10で生成されるミストの量を制御するようになる。
【0148】
最後に、プッシュ式の電源スイッチ7を操作して電源をOFFにする(図10のT3)と、送風部5のモータ52と加熱部6とミスト生成部10への給電が停止される。
【0149】
以上の本実施形態によっても、上記第1から第3実施形態およびその変形例と同様の作用、効果を奏することができる。
【0150】
また、本実施形態では、ヘアドライヤ(加熱送風装置)1Cの制御部(第2の制御部)8が、送風量切替手段12が駆動されて送風量が低下した際に、ミスト生成量が低下するように、ミスト生成部10を制御している。すなわち、制御部(第2の制御部)8が送風量に応じた生成量となるようにミスト生成部10を制御している。
【0151】
このように、送風量が低下した際に、ミスト生成量が低下するように、ミスト生成部10を制御することで、硝酸イオン(酸性成分)を含んだミストが高濃度な状態で吐出されて毛髪に付着してしまうのを抑制することができるようになる。その結果、送風量の増減にかかわらず、髪質や肌質にあった量の硝酸イオン(酸性成分)を含んだミストを吐出することができるようになり、毛髪や皮膚を傷めてしまうのをより抑制することができる。
【0152】
なお、図10では、通常時の制御部8によるミスト生成部10の制御として、上記第1実施形態で示した制御を例示したが、通常時の制御部8によるミスト生成部10の制御を、上記第2、第3実施形態で示した制御とすることも可能である。
【0153】
また、上記第1実施形態およびその変形例に示したヘアドライヤ1、1Aに本実施形態の構成や制御を適用することも可能である。
【0154】
(第5実施形態)
本実施形態にかかるヘアドライヤ1Dは、基本的に上記第1実施形態の第2変形例とほぼ同様の構成をしている。すなわち、ヘアドライヤ1Dは、図11に示すように、ハウジング3内に設けられて両側部に入口開口(吸入口)4aと出口開口(吐出口)4bとを備えた送風流路4を備えている。そして、送風流路4の上流側に、入口開口(吸入口)4aから空気を導入して出口開口(吐出口)4bから吐出させる送風部5が配置されており、送風部5の下流側に送風を加熱する加熱部6が設けられている。
【0155】
さらに、送風流路4内には、硝酸イオン(酸性成分)を含んだミストを生成するミスト生成部10と、ミスト生成部10で生成されたミストの酸性度(硝酸イオン濃度)を検知する検知部11と、が設けられている。そして、把持部1aのハウジング3の空洞部内に、ミスト生成部10で生成されるミストの生成量を制御する制御部8が設けられている。
【0156】
さらに、送風流路4が、送風部5の下流側かつ加熱部6の上流側より分岐されて加熱部6を経由しない送風が供給される分岐路4cを備えている。
【0157】
具体的には、本体部1bのハウジング3の内部に仕切板3aを設けることで、加熱部6を経由する送風が供給される送付流路4と、加熱部6を経由しない送風が供給される分岐路4cとを形成している。
【0158】
なお、本体部1bのハウジング3の内部に加熱部6を囲うように内筒を設け、分岐路4cを形成するようにしてもよい。
【0159】
そして、ミスト生成部10が、分岐路4c内に配置されている。
【0160】
また、本実施形態においても、制御部8が、検知部11により検知されたミストの酸性度(硝酸イオンの濃度)に応じてミスト生成部10で生成される硝酸イオンを含んだミストの生成量を制御するようにしている。
【0161】
具体的には、上記第1から第3実施形態で説明したいずれかの制御方法によって、ミスト生成部10で生成される硝酸イオンを含んだミストの生成量を制御している。
【0162】
ここで、本実施形態にかかるヘアドライヤ1Dが、上記第1実施形態の第2変形例と主に異なる点は、ヘアドライヤ1Dが、送風温度を切替える送風温度切替手段13を有している点にある。送風温度切替手段13は、把持部1aの電源スイッチ7の上部に形成されており、導線を介して制御部8に接続されている。本実施形態では、加熱部6のオン・オフを切替えることで、送風温度を2段階に切替えることができるようになっている。
【0163】
さらに、ヘアドライヤ1Dは、送風温度切替手段13が駆動されて送風温度が低下した際に、ミスト生成量が低下するように、ミスト生成部10を制御する第2の制御部を有している。本実施形態においても、制御部8が、第2の制御部を兼ねている。なお、第2の制御部を制御部8とは別体に設けるようにしてもよい。この場合、送風温度切替手段13は、導線を介して制御部8とは別体に設けた第2の制御部に接続されることとなる。
【0164】
次に、制御部8によるミスト生成部10の制御方法の一例を、図12のタイミングチャートに基づいて説明する。
【0165】
まず、プッシュ式の電源スイッチ7を操作して電源をONにすると、図示せぬコンセントを介して、送風部5のモータ52と加熱部6とミスト生成部10と検知部11に、電力(例えば、1200Wの電力)が給電される。そして、送風部5のファン51が回転することで、入口開口(吸入口)4aから送風流路4内に空気が取り込まれ、出口開口(吐出口)4bから加熱部6で加熱された温風が吐出される。このとき、ミスト生成部10で生成される硝酸イオンを含んだミストも出口開口(吐出口)4bから吐出される。なお、30℃の環境下で距離を15cm程度離して計測した場合、送風温度は約120℃となる。
【0166】
また、電源をONにすると検知部11にも電気が流れ、検知部11が正に帯電する。そして、ミストに含まれる酸性成分(硝酸イオン)は負に帯電しているので、正に帯電した検知部11に硝酸イオンが付着し、検知部11の電荷量が変化する。そして、検知部11の単位時間あたりの電荷量の変化から、ミストに含まれる硝酸イオンの量を検出する。例えば、タイマー81を用いて、検知部11の電荷量の変化を10秒ごとに測定し、10秒前の検知部11の電荷量との差から硝酸イオンの量を求めるようにすることができる。
【0167】
また、ミスト生成部10の制御部8による制御は、送風部5のモータ52と加熱部6とミスト生成部10と検知部11に、電力が給電された数秒後から開始される。制御を開始するまでの時間は、15秒程度が好ましい。
【0168】
すなわち、図12のタイミングチャートに示すように、ヘアドライヤ1Dの電源スイッチ7を操作して電源をONにした時点をT0秒とすると、(T0+15)秒後にミスト生成部10の制御を開始するようにしている。なお、上記第1から第3実施形態で示したように、制御を開始するまでの時間を、10秒程度とすることも可能である。
【0169】
そして、制御開始後、検知部11は随時、好ましくは3秒に1回程度、硝酸イオン(酸性成分)の濃度の検出を行う。そして、硝酸イオンを含んだミストの酸性度(硝酸イオン濃度)が所定の量(閾値)x0に達すると、制御部8は、硝酸イオンを含んだミストの硝酸イオン濃度が閾値x0の所定の倍率yで一定に保たれるように、ミスト生成部10で生成されるミストの量を制御する。
【0170】
本実施形態においても、ミスト生成部10に流れる電流Aを所定の値となるように制御することで、検知される酸性度(硝酸イオン濃度)を閾値x0の所定の倍率yで一定に保つようにしている。
【0171】
なお、所定の量(閾値)x0は、距離3cm離れたところから、酸性ミストを10分間発生し続け、一定量の液体に溶解した量で示した場合に、9mg/L程度となる濃度であることが望ましい。具体的には、所定の量(閾値)x0は、30から40mg/L程度、より好ましくは、36mg/L程度とするのが望ましい。このとき、ミスト生成部10に流れる電流Aは、5から15μA程度、より好ましくは、8から10μA程度とするのが望ましい。そして、所定の倍率yは4分の3から2分の1、より好ましくは、3分の2程度とするのが望ましい。図12では、所定の倍率yが4分の3のもの(ミスト生成部10に流れる電流Aが3/4A0となるように制御するもの)を例示している。
【0172】
このように、ミスト生成部10で生成されるミストの量を制御することで、ヘアドライヤ1Dを使用した後の毛髪の状態を、濃度が9mg/Lの酸性成分を含んだミストを、10cm離した距離から10秒間付与した毛髪の状態に近づけることが可能となる。
【0173】
そして、ヘアドライヤ1Dの使用途中で、送風温度切替手段13を操作して送風温度を切替えると、加熱部6への給電が停止される(図12のT1)。このように、加熱部6への給電が停止されると、30℃の環境下で距離15cm程度離して計測した場合、送風温度は約120℃から約30℃に下がり、約30℃の風が送出されることとなる。
【0174】
このとき、制御部8は、酸性ミストが加熱部6への給電が行われているときの1/2だけ生成されるようにミスト生成部10で生成されるミストの量を制御する。すなわち、制御部8は、ミスト生成部10に流れる電流Aが3/8A0となるように制御することとなる。このように、送風温度切替手段13が駆動されて送風温度が低下した際に、第2の制御部としての制御部8がミスト生成量が低下するようにミスト生成部10を制御するようにしている。
【0175】
そして、送風温度切替手段13を再度操作して加熱部6への給電が行われるようにした場合には(図12のT2)、約120℃の風が送出されるようになる。この場合には、制御部8による制御ももとの状態となる。すなわち、硝酸イオンを含んだミストの酸性度(硝酸イオン濃度)が所定の量(閾値)x0に達した際に、制御部8が、硝酸イオンを含んだミストの硝酸イオン濃度が閾値x0の所定の倍率y(図12では3/4)で一定に保たれるように(ミスト生成部10に流れる電流Aが3/4A0となるように)、ミスト生成部10で生成されるミストの量を制御するようになる。
【0176】
最後に、プッシュ式の電源スイッチ7を操作して電源をOFFにする(図12のT3)と、送風部5のモータ52と加熱部6とミスト生成部10への給電が停止される。
【0177】
以上の本実施形態によっても、上記第1から第3実施形態およびその変形例と同様の作用、効果を奏することができる。
【0178】
また、本実施形態では、送風温度切替手段13が駆動されて送風温度が低下した際に、第2の制御部としての制御部8がミスト生成量が低下するようにミスト生成部10を制御するようにしている。
【0179】
ところで、毛髪に約30℃程度の冷風をあてるようにすると、冷風によってキューティクルが引き締まり、酸性成分が毛髪に入りにくくなってしまう。そのため、毛髪に約30℃程度の冷風をあてている際に、約120℃程度の温風をあてているときと同量の硝酸イオン(酸性成分)を含んだミストを供給すると、毛髪にとって過剰な量の硝酸イオン(酸性成分)を含んだミストが供給されてしまう。
【0180】
しかしながら、本実施形態のように、送風温度が低下した際に、ミスト生成量が低下するように、ミスト生成部10を制御すれば、過剰な量の硝酸イオン(酸性成分)を含んだミストが毛髪に吐出されてしまうのを抑制することができるようになる。その結果、送風温度の高低にかかわらず、髪質や肌質にあった量の硝酸イオン(酸性成分)を含んだミストを吐出することができるようになり、毛髪や皮膚を傷めてしまうのをより抑制することができる。
【0181】
なお、図12では、通常時の制御部8によるミスト生成部10の制御として、上記第1実施形態で示した制御を例示したが、通常時の制御部8によるミスト生成部10の制御を、上記第2、第3実施形態で示した制御とすることも可能である。
【0182】
また、上記第1実施形態およびその変形例に示したヘアドライヤ1、1Aに本実施形態の構成や制御を適用することも可能である。
【0183】
(第6実施形態)
本実施形態にかかるヘアドライヤ1Eは、基本的に上記第4実施形態とほぼ同様の構成をしている。すなわち、ヘアドライヤ1Eは、図13に示すように、ハウジング3内に設けられて両側部に入口開口(吸入口)4aと出口開口(吐出口)4bとを備えた送風流路4を備えている。そして、送風流路4の上流側に、入口開口(吸入口)4aから空気を導入して出口開口(吐出口)4bから吐出させる送風部5が配置されており、送風部5の下流側に送風を加熱する加熱部6が設けられている。
【0184】
さらに、送風流路4内には、硝酸イオン(酸性成分)を含んだミストを生成するミスト生成部10と、ミスト生成部10で生成されたミストの酸性度(硝酸イオン濃度)を検知する検知部11と、が設けられている。そして、把持部1aのハウジング3の空洞部内に、ミスト生成部10で生成されるミストの生成量を制御する制御部8が設けられている。
【0185】
さらに、送風流路4が、送風部5の下流側かつ加熱部6の上流側より分岐されて加熱部6を経由しない送風が供給される分岐路4cを備えている。
【0186】
具体的には、本体部1bのハウジング3の内部に仕切板3aを設けることで、加熱部6を経由する送風が供給される送付流路4と、加熱部6を経由しない送風が供給される分岐路4cとを形成している。
【0187】
なお、本体部1bのハウジング3の内部に加熱部6を囲うように内筒を設け、分岐路4cを形成するようにしてもよい。
【0188】
そして、ミスト生成部10が、分岐路4c内に配置されている。
【0189】
また、本実施形態においても、制御部8が、検知部11により検知されたミストの酸性度(硝酸イオンの濃度)に応じてミスト生成部10で生成される硝酸イオンを含んだミストの生成量を制御するようにしている。
【0190】
具体的には、上記第1から第3実施形態で説明したいずれかの制御方法によって、ミスト生成部10で生成される硝酸イオンを含んだミストの生成量を制御している。
【0191】
ここで、本実施形態にかかるヘアドライヤ1Eが、上記第4実施形態と主に異なる点は、ヘアドライヤ1Eが、送風量を切替える送風量切替手段12だけでなく送風温度を切替える送風温度切替手段13も有している点にある。送風量切替手段12および送風温度切替手段13は、把持部1aの電源スイッチ7の上部に形成されており、導線を介して制御部8に接続されている。そして、送風量および送風温度をそれぞれ2段階に切替えることができるようになっている。
【0192】
さらに、ヘアドライヤ1Eは、送風量切替手段12が駆動されて送風量が低下した際に、ミスト生成量が低下するように、ミスト生成部10を制御する第2の制御部を有している。
【0193】
本実施形態では、制御部8が、第2の制御部を兼ねている。なお、第2の制御部を制御部8とは別体に設けるようにしてもよい。
【0194】
次に、制御部8によるミスト生成部10の制御方法の一例を説明する。なお、消費電力の変化(送風量の変化)の方が、加熱部6のオン・オフによる送風温度の変化よりも、毛髪や皮膚に与える影響が大きいので、本実施形態では、図10のタイミングチャートに基づく制御を行っている。具体的には、以下の通りである。
【0195】
まず、プッシュ式の電源スイッチ7を操作して電源をONにすると、図示せぬコンセントを介して、送風部5のモータ52と加熱部6とミスト生成部10と検知部11に、電力(例えば、1200Wの電力)が給電される。そして、送風部5のファン51が回転することで、入口開口(吸入口)4aから送風流路4内に空気が取り込まれ、出口開口(吐出口)4bから加熱部6で加熱された温風が吐出される。このとき、ミスト生成部10で生成される硝酸イオンを含んだミストも出口開口(吐出口)4bから吐出される。なお、1200Wの電力が供給されている場合、1.3m2/分の風が送出されることとなる。また、30℃の環境下で距離を15cm程度離して計測した場合、送風温度は約120℃となる。
【0196】
そして、電源をONにすると検知部11にも電気が流れ、検知部11が正に帯電する。そして、ミストに含まれる酸性成分(硝酸イオン)は負に帯電しているので、正に帯電した検知部11に硝酸イオンが付着し、検知部11の電荷量が変化する。そして、検知部11の単位時間あたりの電荷量の変化から、ミストに含まれる硝酸イオンの量を検出する。例えば、タイマー81を用いて、検知部11の電荷量の変化を10秒ごとに測定し、10秒前の検知部11の電荷量との差から硝酸イオンの量を求めるようにすることができる。
【0197】
また、ミスト生成部10の制御部8による制御は、送風部5のモータ52と加熱部6とミスト生成部10と検知部11に、電力が給電された数秒後から開始される。制御を開始するまでの時間は、15秒程度が好ましい。
【0198】
すなわち、図10のタイミングチャートに示すように、ヘアドライヤ1Eの電源スイッチ7を操作して電源をONにした時点をT0秒とすると、(T0+15)秒後にミスト生成部10の制御を開始するようにしている。なお、上記第1から第3実施形態で示したように、制御を開始するまでの時間を、10秒程度とすることも可能である。
【0199】
そして、制御開始後、検知部11は随時、好ましくは3秒に1回程度、硝酸イオン(酸性成分)の濃度の検出を行う。そして、硝酸イオンを含んだミストの酸性度(硝酸イオン濃度)が所定の量(閾値)x0に達すると、制御部8は、硝酸イオンを含んだミストの硝酸イオン濃度が閾値x0の所定の倍率yで一定に保たれるように、ミスト生成部10で生成されるミストの量を制御する。
【0200】
本実施形態においても、ミスト生成部10に流れる電流Aを所定の値となるように制御することで、検知される酸性度(硝酸イオン濃度)を閾値x0の所定の倍率yで一定に保つようにしている。
【0201】
なお、所定の量(閾値)x0は、距離3cm離れたところから、酸性ミストを10分間発生し続け、一定量の液体に溶解した量で示した場合に、9mg/L程度となる濃度であることが望ましい。具体的には、所定の量(閾値)x0は、30から40mg/L程度、より好ましくは、36mg/L程度とするのが望ましい。このとき、ミスト生成部10に流れる電流Aは、5から15μA程度、より好ましくは、8から10μA程度とするのが望ましい。そして、所定の倍率yは4分の3から2分の1、より好ましくは、3分の2程度とするのが望ましい。図10では、所定の倍率yが4分の3のもの(ミスト生成部10に流れる電流Aが3/4A0となるように制御するもの)を例示している。
【0202】
このように、ミスト生成部10で生成されるミストの量を制御することで、ヘアドライヤ1Eを使用した後の毛髪の状態を、濃度が9mg/Lの酸性成分を含んだミストを、10cm離した距離から10秒間付与した毛髪の状態に近づけることが可能となる。
【0203】
そして、ヘアドライヤ1Eの使用途中で、送風量切替手段12を操作して送風量を切替えるとともに送風温度切替手段13を操作して送風温度を切替えると、600Wの電力が供給されるとともに加熱部6への給電が停止され(図10のT1)、0.75m2/分の風が約30℃で送出されることとなる。
【0204】
このとき、制御部8は、酸性ミストが1200Wのときの1/2だけ生成されるようにミスト生成部10で生成されるミストの量を制御する。すなわち、制御部8は、ミスト生成部10に流れる電流Aが3/8A0となるように制御することとなる。このように、送風量切替手段12が駆動されて送風量が低下した際に、第2の制御部としての制御部8がミスト生成量が低下するようにミスト生成部10を制御するようにしている。
【0205】
そして、送風量切替手段12を再度操作して1200Wの電力が供給されるようにするとともに、送風温度切替手段13を再度操作して加熱部6への給電が行われるようにした場合には(図10のT2)、1.3m2/分の風が約120℃で送出されるようになる。この場合には、制御部8による制御ももとの状態となる。すなわち、硝酸イオンを含んだミストの酸性度(硝酸イオン濃度)が所定の量(閾値)x0に達した際に、制御部8が、硝酸イオンを含んだミストの硝酸イオン濃度が閾値x0の所定の倍率y(図10では3/4)で一定に保たれるように(ミスト生成部10に流れる電流Aが3/4A0となるように)、ミスト生成部10で生成されるミストの量を制御するようになる。
【0206】
最後に、プッシュ式の電源スイッチ7を操作して電源をOFFにする(図10のT3)と、送風部5のモータ52と加熱部6とミスト生成部10への給電が停止される。
【0207】
なお、上述したように、消費電力の変化(送風量の変化)の方が、加熱部6のオン・オフによる送風温度の変化よりも、毛髪や皮膚に与える影響が大きい。そのため、本実施形態では、1200Wの電力が供給されて1.3m2/分の風が送出されている状態で、加熱部6への給電を停止し、約30℃の冷風が送出されるようにした場合であっても、1.3m2/分の風が送出されているため、制御部8によって通常の制御(図10におけるT0からT1、T2からT3までの制御)がなされるようにしている。
【0208】
また、加熱部6への給電が行われて約120℃の温風が送出されている状態で、600Wの電力が供給されて0.75m2/分の風が送出されるようにした場合には、0.75m2/分の風が送出されているため、制御部8によって酸性ミストが1200Wのときの1/2だけ生成される制御(図10におけるT1からT2までの制御)がなされるようにしている。
【0209】
このように、本実施形態にかかる第2の制御部は、送風量切替手段12が駆動されて送風量が低下した際に、ミスト生成量が低下するように、ミスト生成部10を制御している。
【0210】
なお、送風量切替手段12が駆動されて送風量が低下した際だけでなく、送風温度切替手段13が駆動されて送風温度が低下した際にも、ミスト生成量が低下するように、第2の制御部がミスト生成部10を制御するようにしてもよい。
【0211】
以上の本実施形態によっても、上記第4、第5実施形態と同様の作用、効果を奏することができる。
【0212】
なお、上記第1実施形態およびその変形例に示したヘアドライヤ1、1Aに本実施形態の構成や制御を適用することも可能である。
【0213】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態には限定されず、種々の変形が可能である。
【0214】
例えば、上記各実施形態では、ミスト生成部として静電霧化方式の装置を用いたものを例示したが、硝酸イオン(酸性成分)を含んだ液体をベンチュリ管から放出するようにしたベンチュリ方式の装置を用いるようにしてもよい。
【0215】
また、上記各実施形態では、ミストに含まれる硝酸イオンの濃度を検知して制御するものを例示したが、その他の成分を検知することで、霧化される酸性成分の量を予想して、制御するようにしてもよい。酸性成分を含むミストの生成方式が、静電霧化方式であり、電極がPtやZnなどであった場合、放出されるPtやZnなどの量は、酸性成分の量とほぼ比例関係にあるからである。
【0216】
また、上記第1から第3実施形態では、ミスト生成部の制御のみ行うものを例示したが、風量や熱量の制御を組み合わせるようにしてもよい。
【0217】
また、上記第4および第6実施形態では、送風量切替手段が送風量を2段階に切替えるものを例示したが、送風量切替手段が送風量を3段階以上に切替えることができるようにしてもよい。
【0218】
また、上記第5および第6実施形態では、送風温度切替手段が送風温度を2段階に切替えるものを例示したが、送風温度切替手段が送風温度を3段階以上に切替えることができるようにしてもよい。
【0219】
また、送風流路、送風部や加熱部、その他細部のスペック(形状、大きさ、レイアウト等)も適宜変更することが可能である。
【符号の説明】
【0220】
1 加熱送風装置
3 ハウジング
4 送風流路
4a 入口開口(吸入口)
4b 出口開口(吐出口)
4c 分岐路
5 送風部
6 加熱部
8 制御部(制御部および第2の制御部)
10 ミスト生成部
11 検知部
12 送風量切替手段
13 送風温度切替手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング内に設けられて両側部に吸込口と吹出口とを備えた送風流路と、
前記送風流路の上流側に配置され前記吸込口から空気を導入して前記吹出口から吐出させる送風部と、
前記送風部の下流側に設けられ送風を加熱する加熱部と、
酸性成分を含んだミストを生成するミスト生成部と、
前記ミスト生成部で生成されたミストの酸性度を検知する検知部と、
前記ミスト生成部で生成されるミストの生成量を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記検知部により検知されたミストの酸性度に応じて前記ミスト生成部で生成されるミストの生成量を制御することを特徴とする加熱送風装置。
【請求項2】
前記ミスト生成部は前記送風流路内に設けられており、前記検知部は前記ミスト生成部の下流側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の加熱送風装置。
【請求項3】
前記送風流路は、前記送風部の下流側かつ前記加熱部の上流側より分岐されて前記加熱部を経由しない送風が供給される分岐路を備えており、
前記分岐路に少なくとも前記ミスト生成部で生成されたミストの一部が供給され、当該分岐路の下流側に前記検知部が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の加熱送風装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記送風部が駆動された際に前記ミスト生成部を駆動させ、前記検知部により検知されたミストの酸性度が所定の値以下となるように、前記ミスト生成部を制御することを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか1項に記載の加熱送風装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記送風部が駆動された際に前記ミスト生成部を駆動させ、前記検知部により検知されたミストの酸性度が所定の値以下の範囲で一定となるように、前記ミスト生成部を制御することを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか1項に記載の加熱送風装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記送風部が駆動された際に前記ミスト生成部を駆動させ、前記検知部により検知されたミストの酸性度が所定の値以下の範囲で増減を繰り返すように前記ミスト生成部を制御することを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか1項に記載の加熱送風装置。
【請求項7】
前記加熱送風装置は、送風量を切替える送風量切替手段と、前記ミスト生成部で生成されるミストの生成量を制御する第2の制御部と、を備え、
前記第2の制御部は、前記送風量切替手段が駆動されて送風量が低下した際に、ミスト生成量が低下するように、前記ミスト生成部を制御することを特徴とする請求項1〜6のうちいずれか1項に記載の加熱送風装置。
【請求項8】
前記加熱送風装置は、送風温度を切替える送風温度切替手段と、前記ミスト生成部で生成されるミストの生成量を制御する第2の制御部と、を備え、
前記第2の制御部は、前記送風温度切替手段が駆動されて送風温度が低下した際に、ミスト生成量が低下するように、前記ミスト生成部を制御することを特徴とする請求項1〜7のうちいずれか1項に記載の加熱送風装置。
【請求項1】
ハウジング内に設けられて両側部に吸込口と吹出口とを備えた送風流路と、
前記送風流路の上流側に配置され前記吸込口から空気を導入して前記吹出口から吐出させる送風部と、
前記送風部の下流側に設けられ送風を加熱する加熱部と、
酸性成分を含んだミストを生成するミスト生成部と、
前記ミスト生成部で生成されたミストの酸性度を検知する検知部と、
前記ミスト生成部で生成されるミストの生成量を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記検知部により検知されたミストの酸性度に応じて前記ミスト生成部で生成されるミストの生成量を制御することを特徴とする加熱送風装置。
【請求項2】
前記ミスト生成部は前記送風流路内に設けられており、前記検知部は前記ミスト生成部の下流側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の加熱送風装置。
【請求項3】
前記送風流路は、前記送風部の下流側かつ前記加熱部の上流側より分岐されて前記加熱部を経由しない送風が供給される分岐路を備えており、
前記分岐路に少なくとも前記ミスト生成部で生成されたミストの一部が供給され、当該分岐路の下流側に前記検知部が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の加熱送風装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記送風部が駆動された際に前記ミスト生成部を駆動させ、前記検知部により検知されたミストの酸性度が所定の値以下となるように、前記ミスト生成部を制御することを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか1項に記載の加熱送風装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記送風部が駆動された際に前記ミスト生成部を駆動させ、前記検知部により検知されたミストの酸性度が所定の値以下の範囲で一定となるように、前記ミスト生成部を制御することを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか1項に記載の加熱送風装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記送風部が駆動された際に前記ミスト生成部を駆動させ、前記検知部により検知されたミストの酸性度が所定の値以下の範囲で増減を繰り返すように前記ミスト生成部を制御することを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか1項に記載の加熱送風装置。
【請求項7】
前記加熱送風装置は、送風量を切替える送風量切替手段と、前記ミスト生成部で生成されるミストの生成量を制御する第2の制御部と、を備え、
前記第2の制御部は、前記送風量切替手段が駆動されて送風量が低下した際に、ミスト生成量が低下するように、前記ミスト生成部を制御することを特徴とする請求項1〜6のうちいずれか1項に記載の加熱送風装置。
【請求項8】
前記加熱送風装置は、送風温度を切替える送風温度切替手段と、前記ミスト生成部で生成されるミストの生成量を制御する第2の制御部と、を備え、
前記第2の制御部は、前記送風温度切替手段が駆動されて送風温度が低下した際に、ミスト生成量が低下するように、前記ミスト生成部を制御することを特徴とする請求項1〜7のうちいずれか1項に記載の加熱送風装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−63238(P2013−63238A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−244137(P2011−244137)
【出願日】平成23年11月8日(2011.11.8)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月8日(2011.11.8)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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