説明

加熱重合レジンおよびエラストマーからなる複合材料部材

本発明は、薄いハードプラスチック外側層(12)と、当該外側層に内側が隣接している少なくとも一のエラストマ層(14)と、当該エラストマ層に内側が隣接しており、繊維強化プラスチック(FRP)、カーボン繊維強化プラスチック(CRP)、またはガラス繊維強化プラスチック(GRP)でできた少なくとも一の金属及び/又はプラスチックキャリア層(16)と、によって形成されたプラスチック複合コンポーネント(10)であって、一のコンポーネント上に配置されているか、あるいは、振動減衰あるいは音響減衰のために、後者を、少なくとも部分的に、衝撃保護部、断裂保護部、突然の全体破壊保護部、あるいは振動及び振動によるダメージ、共鳴に対する保護部として形成しているプラスチック複合コンポーネントに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、独立クレームのプリアンブルに記載の加熱重合レジンおよびエラストマーからなる複合材料部材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
エラストマー層を有する加熱重合レジンから複合材料部材を製造するための現在の先行技術は、最初に加熱重合レジンから成形品を作製し、新たな処理ステップにおいて、エラストマーの層をそこに貼り付けることで構成されている。このシステムは、現在、エラストマーコーティングされたローラーやシリンダーだけでなく、他のマルチコンポーネント成形品の場合に使用される。樹脂系成形品の製造と硬化は、高温でオートクレーブまたはホットプレス機で行われ、織布または繊維材料製の強化インサートを追加で組み込むことができる。両方のプロセスで、硬化は化学反応によって起きる。例えば、ローラー、車輪、プラスチック材料からなる滑り止めコーティング、または、特定の固有の剛性を与えるエラストマー製品は、このようにして製造することができる。
【0003】
プラスチック製のプレートを使用すると、例えば自動車の製造や造船で、パーツの輪郭を描いたエラストマーが、エッジ部に対して、固定され、例えば接着されたりネジ止めされ、シールを作成して異なる熱膨張係数を補い、あるいは、走行状態によって発生する車両の弾性的な移動の場合には反りやきしみを避ける。
【0004】
繊維強化プラスチックは、一般的にエネルギー弾性で脆弱であり、そのため、振動、衝突、衝撃や衝突によるエネルギーが適用された場合に、エネルギーをほとんど獲得せず吸収しない。これは部材のダメージにつながる可能性があり、損傷を引き起こすであろうシャープでギザギザの破断端が発生する。必要に応じて、具体的な施策が、エネルギーを吸収し、共振によって引き起こされる部材のダメージを防ぐために実施されなければならない。繊維強化プラスチックは、樹脂の含有量に起因して簡単に燃焼し、火災の発生時に追加の燃料をそれに供給する。
【0005】
WO2006/122749A1において、出願人は、すでに、複合材料部材、その製造のための方法およびいくつかの有利なアプリケーションを開示した。
【0006】
本発明の目的は、様々な分野で顧客の利益を増加させる、さらに有利に製造可能なプラスチック複合材料部材を提供することにある。
【発明の概要】
【0007】
この目的は、別の独立請求項に開示されているプラスチックの複合材料部材によって達成される。本発明の有利な実施形態は、それぞれの従属請求項から推測される。
【0008】
本発明によれば、架橋剤とともに形成されたエラストマー層が化学反応によって硬化または加硫されると同時に、ハード層は化学反応によって加熱重合レジンから複合材料の表面として形成され、エラストマー層とハード層との間の直接結合が達成され、そして最後にエラストマー層の背面に配置されたプラスチックのキャリア層への接続が形成される。
【0009】
織物のインサート、繊維材料、または、金属粉は、1つあるいは複数の層に含まれていてもよい。
【0010】
「プラスチックの外層」および「内側に隣接している」の用語は、それぞれ、プラスチックの複合材料部材の利用の側面から考えられている。車両の内側のクラッド部分の場合には、プラスチックの外層は、従って、車両の内装が直面している層となる。
【0011】
本発明が「層」を参照している場合、これは、互いの上に設けられたまたは完全にまたは部分的に互いに埋め込まれた、前述の材料のストリップ、断片または領域を意味する場合がある。
【0012】
本発明の意味においては、プラスチック複合材料部材の1つあるいはそれ以上の層がプラスチックとして参照されない金属または他の材料から成る場合でも、プラスチック複合材料部材として参照する。
【0013】
固体キャリアとして動作するプラスチックキャリア層であって、少なくとも1つの金属キャリア層によって補完または置き換えることができるプラスチックキャリア層と、その上に位置するエラストマー層と、プラスチック外層とが、共同で単一の処理ステップで組み立てされ、その後、オートクレーブまたはホットプレスにおける熱の影響下で、硬化または加硫される。関与するすべての原材料は、それらが同時に同一の反応条件下での化学ネットワークを形成し互いに結合を形成するように、お互いに適応されている。寸法安定性を有する製品はこれらのプロセスによって生成される。硬化温度は好ましくは80乃至200℃の間である。
【0014】
加熱重合レジン、架橋剤とともに形成されたエラストマー層、金属および/またはプラスチックのキャリア層からなるマルチコンポーネント製品の組み立ては、次のように多数の代替案において発生する:
−第1の代替案によれば、接着防止コーティングされた金型は個々の層の異なる原料成分とともにロードされ、複合材料の部分は圧力と熱(ホットプレス)の影響下で硬化される;
−第2の代替案によれば、原料から予め製造された製品が、オートクレーブまたは熱風炉で高温で密閉型を使用せずに硬化される。プラスチックキャリア層で形成されたキャリア材料に固定されていても良い;
−第3の代替案によれば、原料から予め製造された製品が、真空バッグにおいて高温で密閉型を使用せずに硬化される。
【0015】
型の接着防止コーティングは、パラフィン、シリコン、界面活性剤またはフルオロカーボン(例えばテフロン用)によって形成することができる。
【0016】
ポリエステル樹脂、フェノールホルムアルデヒド樹脂、シアン酸エステル樹脂、エポキシ樹脂およびアクリル樹脂が、合成樹脂として好適に使用することができる。
【0017】
加硫されていないが架橋剤とともに形成したエラストマー部材および織布のインサートは、繊維強化プラスチック部品の製造時に対応する位置で金型内に直接配置される。ガラス繊維、ナイロン、ポリエステル、炭素繊維、ビスコース、アラミド繊維および/または金属繊維などが、複合材料製品のインサートとして好適に使用される。インサートは、織布、不織布またはパルプの形態で提供される。
【0018】
熱硬化性プラスチックのキャリア層と一緒にエラストマー層のための熱可塑性エラストマー(TPE)を使用することで、TPEは、任意に、TPEの軟化点付近の温度まで熱硬化性樹脂と組み合わされる前に加熱される。TPEは、このように、熱硬化性樹脂に一層よく掛けることができる。それは、その輪郭および/またはプラスチック複合材料部材の製造に使用されるモールドや金型の輪郭により良く適応する。
【0019】
柔らかいエラストマーの層を導入することにより、振動吸収と振動絶縁の両方が、適切な材料の選択によって達成することができる。亀裂の広がりは阻止され、ここで、亀裂の広がりは、エラストマー材料中に完全に埋め込まれた、織布、編物、または高性能繊維(アラミドやベクトラン(登録商標)、株式会社クラレ(日本)の登録商標)からなる繊維構造によって、特に防止される。
【0020】
火の広がりは、難燃エラストマー層の付加的な導入によって減じられる。
【0021】
導電性または放射線スクリーニングの変形例の生産は、導電性繊維、ストリップまたは織布の埋め込みに起因するかなり高い材料費なしで可能となる。
【0022】
本発明に係るプラスチック複合材料部材の特に有利な特性は、プラスチック複合材料部材がエネルギーを吸収するため、部材が機械的なエネルギーや衝動に対し保護されなければならない領域、または、その逆に、人や対象物が複合材料部材への影響に対し保護されなければならない領域、などの全ての領域において使用される。
【0023】
本発明に係る複合材料部材のさらなる有利な特性は、複合材料部材が、損傷を避けるための効果的な破片の保護の結果により改善されたクラッシュの挙動を示すこと、および、複合材料部材の突然の全体の損傷の回避を示すこと、にある。
【0024】
すでに言及した一般的な文献であるWO2006/122749A1において、本発明に係るプラスチック複合材料部材のための有利な幅広いアプリケーションは開示されているが、各アプリケーションのために特に有利である階層構造、または、アプリケーションの好ましい分野(以下に示す)、についての詳細な表示をしていない:
−風のホイールやヘリコプターの一例としてのローターブレード、
−航空機の翼、
−自動車の構造体の一例としての、板ばね、
−バイク衣類のプロテクターや防弾チョッキや装甲車両におけるプロテクターなどの、防護服における耐衝撃や耐ミサイル部材、
−スキー、スノーボード、そり、ボブスレー、サーフボード、ボート、テニスラケットやアイスホッケーのスティックのようなスポーツ用品の安定した制振コア、
−機械、機械部品、橋梁、他の構造物のための軸受けおよび構造部品、
−コンピュータやノートブックなどの貴重な消費財のためのハウジング、
−パイプの壁材、エラストマーコーティングされたシリンダーまたはパイプ、
−エンジンのシリンダーヘッドカバーやバンパーなど、車両のクラッドやボディワークの一部、
−変形による破損と分裂の縮小傾向を持つ部材、
−不燃性で弾力性のある層のインストールによる、難燃性複合材部品(例えば金属または金属水酸化物の粒子またはエラストマーの凝集体としてのハロゲン化パラフィン)、
−自己破壊的および耐火性のゴム混合物。
【0025】
一般的な文献WO2006/122749A1は、複層構造が、合成樹脂層および架橋剤を備えるエラストマー層が有利に交替し、一方または両方の外側の層が合成樹脂によって有利に形勢される、特定のアプリケーションに対し有利であることを記載している。しかし、柔らかい外層が必要ならば、サンドイッチ構造は、卓球のラケット、車両の内側クラッドの一部またはマウスのマットの場合には、例えば、逆にしてもよい。
【0026】
一般的な文献WO2006/122749A1に開示の利点は、原則的に、本出願で記載されているプラスチックの複合材料部材に適用される:
−樹脂系固体担体の別の生産はもはや必要ない;
−全体の成形は、同じワークステーションでの連続処理工程で形成される;
−接着促進剤の使用は必要ない;
−生産ための時間の少ない消費、したがって、かなりのコスト削減。
【0027】
一般的な文献WO2006/122749A1に記載されているように、エラストマー層が、過酸化物、アミンおよび/またはビスフェノールの群から選択された少なくとも1つの架橋剤の少なくとも0.5pph(parts per hundred)を含み、キャリア層およびエラストマー層の両者が、熱の影響、または、接着促進剤を必要とせず、単一の処理ステップにおけるエネルギーの適用の他の形式によって、相互接続される場合、原理的には、本出願で記載されているプラスチックの複合材料部材にも有利である。このような架橋剤は、スチレン/エチレン−ブテン/スチレンブロック共重合体(SEBS)、または、スチレン/ブタジエン/スチレンブロック共重合体(SBS)、または、ポリウレタンに基づく熱可塑性エラストマー(TPU)、または、低密度ポリエチレン(LDPE)、または、50%以上のスチレン含有量を有するスチレン/ブタジエンゴム(SBR)などの熱可塑性エラストマー(TPE)の使用により、必要ではない。
【0028】
合成樹脂と前者に隣接するエラストマー層からなる少なくとも1つの薄い硬質プラスチックが、金属および/またはプラスチックのキャリア層を使用して接続されてプラスチック複合材料部材を形成し、ここでプラスチックキャリア層が、繊維強化プラスチック(FRP)、炭素繊維強化プラスチック(CRP)、または、ガラス繊維強化プラスチック(GFP)で形成されているために、本発明はすでに提案されたアプリケーションを広げている。そのような交互の「ハード・ソフト・ハード」層の構造は、3つの独立請求項の重要な側面が次の3つの本質的に異なるアプリケーションである、独立請求項1乃至3に開示されたプラスチック複合材料部材のために特に有利であることが証明されている:
−請求項1に係る耐衝撃保護;
−請求項2に係る改良されたクラッシュ動作(破片の保護、部材の完全な故障の回避);および
−請求項3に係る振動との関係で改善された動作。
【0029】
これら3つのアプリケーションのうち、少なくとも2つは、一部の部材において重複する場合がある。例えば、車両のバンパーまたはボンネットの場合には、車両に衝突する乗客とすべての個人のアクティブおよびパッシブセーフティが重要であるだけでなく、衝撃エネルギーを吸収するための破片なしの変形、および、小さい物体(石のチッピング)のインパクト時におけるインパルスの減少も重要である。しかし、ボンネットには、車両またはその駆動の振動に起因する単調なノイズを生成すべきではなく、そのため、最初の2つの側面および振動減衰の第3の側面の両方が、この場合は重要となる。
【0030】
請求項33に係る第4のアプリケーションでは、プラスチック複合材料部材が、合成樹脂製の少なくとも1つの薄い硬質プラスチック外側層、および、内部に埋め込まれた織布、編物や繊維層により外側層に接続したエラストマー層から形成されている。この場合、プラスチック複合材料部材は、エラストマー側からの力の適用の際のたわみが合成樹脂側からの同一の力の適用の際よりも強い、双方向の柔軟性を有している。言い換えれば、合成樹脂側から力を適用する場合は、プラスチック複合材料部材は、エラストマー側からの力の適用の場合よりも高い弾性率を有する。この特性は多くの技術分野で完全に新しいアプリケーションを開拓する。例としては、一方の側からの圧縮力および他方の側からのベース流体抵抗にさらされ、それらの異なるたわみのために、それらの材料特性によってのみ特定の機能(リフト、ダウンフォース、バルブの漏れ)をコントロールまたはアシストする、スポイラー、翼、尾部、およびバルブ膜のような異なる動作条件下で別の面から空気力学的または流体力学的にロードされた部材が含まれている。このようなプラスチック複合材料部材は、また、好ましくは1つの方向(特に低い弾性率の曲げ方向)に曲げることができるヒンジとしての使用に適している。
【0031】
合成樹脂製の少なくとも1つの薄い硬質プラスチックの外側層、少なくとも1つのエラストマー層および少なくとも1つの織布、編物または繊維層で作られた、請求項34に係るプラスチック複合材料部材のアプリケーションの5番目のフィールドは、そのデザインがプラスチック複合材料部材の隣接する領域のヒンジのような可動性を可能にする、プラスチック複合材料部材の定義済み領域(アーティキュレーション領域)で提供されるフレキシブルデザインである。プラスチック複合材料部材のフレキシブルな領域は、少なくとも1つのエラストマー層と、必要に応じてより多くのエラストマー層および必要に応じて少なくとも1つの織布、編物または繊維層とが、前記プラスチック複合材料部材中に設けられており、一方、プラスチック複合材料部材の他の層特に合成樹脂層は、好ましくは、この領域では省略されている。アプリケーションのこの5番目のフィールドは、異なる技術分野における多数の新しいアプリケーションを可能にする。例は次のとおりである:
−例えば、建物、家具や自動車用などのためだけではなく、スーツケース、チェスト、コンテナやその他の容器のためのドアやフラップヒンジであって、ヒンジのエッジに沿って連続的にヒンジ領域のタイトなデザインが、空気、液体や粒子のこの領域への侵入を防ぐ;
−三次元の輪郭に合わせて行なわれているシール;
−板やホースのよじれ領域;
−2部材の面間の垂直方向または横方向のオフセットの補正のための補正器;
−コーナー領域における被覆の形成(例えば、地下駐車場の柱や外角上の「ソフトエッジの保護」);
−航空機の着陸フラップ、保持堰における流れを方向付けるフラップ、ヘリコプターのローターブレードなどの可動フラップのアーティキュレーション;
−フレキシブルなサスペンション(モータースポーツでの例)。
【0032】
それによりプラスチック複合材料部材のアーティキュレーション領域が形成される層構造に応じて、アーティキュレーションは、1つあるいはそれ以上の自由度を取得する:
−好ましくは1つのエラストマー層中にまたは2つのエラストマー層の間に埋め込まれている合成樹脂の少なくとも1つの層(プリプレグ)によってのみ発生するねじれまたは屈曲;
−双方向織布の少なくとも1つの層によるよじれやねじれ;
−単一方向織物または方向付け繊維の少なくとも1つの層によるよじれ、ねじれおよび対角線変位;
−エラストマーの少なくとも1つの層による全自由度(例えばゴムまたはシリコーン用)。
【0033】
前述のリストにおいて、アーティキュレーションの可動性は、上から下へ増加する。そのため、下位の層は上述した層に如何なる制限をも形成せず、それと組み合わせて使用することができる。
【0034】
すべてのアプリケーションのための有利な実施形態において、プラスチックの外側層は、既に合成樹脂(プリプレグ)で飽和している織布材で形成されている。また、プラスチックの外側層は、樹脂注入法により形成または作製される。
【0035】
また、乾燥繊維(織布、不織布またはパルプ)をエラストマー層に配置することができ、そのためエラストマー層およびオプションとして隣接する層と接続する。エラストマー層またはTPE層に埋め込まれている乾燥した繊維層は、積層ガラスパネルにおけるフィルムと同様の働きをし、複合材料部材が破損した場合は、それは一緒にすべての個々の部品を保持する。
【0036】
プラスチックの外側層は、好ましくは、繊維強化複合プラスチック(FRP、CRP、GRP)、ポリエチレン(PE)、特に、高分子量ポリエチレン(HMW−PE、または超高分子量ポリエチレン−UHMW−PE)またはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)で構成されている。プラスチックの外側層の表面は、そのため比較的硬く、好ましくはまた、非常に滑らかである。プラスチックの外側層および/またはプラスチックのキャリア層は、代替的に、「有機シート」または埋め込まれた長繊維強化またはエンドレス繊維強化の熱可塑性ポリマーにより、形成することができる。これに関連して、2mm乃至50mmの繊維長さが長い繊維として参照され、エンドレス繊維は繊維長50mmを超える繊維として当業者に理解されている(DE102007036660A1を参照)。特に、プラスチックの外側層および/またはプラスチックのキャリア層としての有機シートの使用により、プラスチック複合材料部材は、プレス成形または熱成形によって、単一の処理ステップでは他の層と一緒に製造することができる。
【0037】
少なくとも1つの織布または編物または繊維構造体は、好ましくは、その繊維が少なくとも特定のストレスを受ける部分領域で、エラストマーによって完全に囲まれるような方法で、エラストマーの層に埋め込まれている。エラストマー層内の埋め込みは、織布または編物または繊維構造体がプラスチック複合材料部材の引張荷重または曲げ引張荷重の側に配置されるように、生成される。キャリア層の織布の材料は、好ましくは、ガラス繊維、ナイロン、ポリエステル、炭素繊維、ビスコース、アラミド繊維や金属繊維で構成されている。繊維は織布、不織布またはパルプの形態で配置してもよい。ポリエステル樹脂、フェノールホルムアルデヒド樹脂、シアネートエステル樹脂、エポキシ樹脂やアクリル樹脂が、特に好ましい合成樹脂として使用される。特に、分裂や突然の総部材の故障をいかなる代償を払っても避けなければならないそのようなプラスチック複合材料部材において、織布または編物または繊維構造体は、特に好ましくは、アラミドやベクトラン(登録商標)(株式会社クラレ(日本)の登録商標)のような高性能の繊維で構成される。
【0038】
それがTPEで構成されていない限りは、エラストマー層は、使用されるエラストマーに応じて、過酸化物、アミンおよび/またはビスフェノールのグループから選ばれた少なくとも1つの架橋剤を含んでおり、キャリア層の合成樹脂との反応を可能にする。キャリア層の合成樹脂とエラストマー層の架橋のための熱処理の別の方法として、例えば紫外線(UV光)による別の架橋処理をすることもできる。さらに、エラストマー層は、異なる強さと硬さを持つ必要がある場合は、最初のエラストマー層に適用することができ、その下に位置する各々のエラストマー層にそれらが結合するような方法で構成される。少なくとも1つのエラストマー層は、特に好ましくは、ゴムに基づく材料で構成される。また、少なくとも1つのエラストマー層は、熱可塑性エラストマー(TPE)で構成される。
【図面の簡単な説明】
【0039】
本発明の実施形態は、以下、図面を参照して記載される:
【図1】図1はプラスチック複合材料部材の基本的な層構造の模式図である;
【図2】図2はローターブレードの平面図である;
【図3】図3はローターブレードの前縁領域(回転方向)を介して示す断面図である;
【図4】図4はエッジ保護部または分裂保護部として働くプラスチック複合材料部材を介して示す断面図である;
【図5】図5は自転車のハンドルバーの平面図である;
【図6】図6は図5に示す自転車のハンドルバーの中央領域を介して示す断面図である;
【図7】図7はストライプ状の振動減衰領域を有する平面状のプラスチック複合材料部材の平面図である;
【図8】図8は第1の変形例における図7に係るストライプ状の振動減衰領域を介する断面を示す;
【図9】図9は第2の変形例における図7に係るストライプ状の振動減衰領域を介する断面を示す;
【図10】図10は第1の変形例における平面状の振動減衰部を有するプラスチック複合材料部材を介する断面を示す;
【図11】図11は第2の変形例における平面状の振動減衰部を有するプラスチック複合材料部材を介する断面を示す;
【図12】図12は第3の変形例における平面状の振動減衰部を有するプラスチック複合材料部材を介する断面を示す;
【図13】図13は第4の変形例における平面状の振動減衰部を有するプラスチック複合材料部材を介する断面を示す;
【図14】図14はアイドル位置における平面状の振動減衰部を有するプラスチック複合材料部材を介する断面を示す;
【図15】図15は振動により偏向された位置における平面状の振動減衰部を有するプラスチック複合材料部材を介する断面を示す;
【図16】図16は振動減衰を有するプラスチック複合材料部材を介する断面を示す;
【図17】図17は無負荷状態で双方向の弾力性のあるプラスチック複合材料部材を介する断面を示す;
【図18】図18はハード層側からの負荷を有する図17に係るプラスチック複合材料部材を示す;
【図19】図19はソフト層側からの負荷を有する図17に係るプラスチック複合材料部材を示す;
【図20】図20はヒンジ状の可動接続領域(アーティキュレーション領域)を有するプラスチック複合材料部材を示す;および
【図21】図21はエラストマーからなるコア層を有するプラスチック複合材料部材を示す。
【発明を実施するための形態】
【0040】
図1に示されたプラスチック複合材料部材10は、プラスチックの外側層12、外側層の内側に隣接するエラストマー層14、および、前記エラストマー層の内側に隣接するプラスチックのキャリア層16から構成されている。
【0041】
プラスチックの外側層12は、液体合成樹脂を染み込ませた1つまたは2つの繊維層で構成されている。合成樹脂を染み込ませたプラスチックの外側層12の繊維層は、合成樹脂(プリプレグ)を染み込ませた繊維マットの形で予め製造された部材として形成するか、あるいは、樹脂注入法によって製造される。プラスチック外側層12は、好ましくは、繊維強化複合プラスチック(FRP、CRP、GRP)やポリエチレン(PE)、特に、高密度ポリエチレン(HMW−PE−高分子量ポリエチレン、または、UHMW−PE−超高分子量ポリエチレン)から形成される。
【0042】
エラストマー層14は、以下の物質のいずれかで構成されている:エチレンプロピレンゴム(EPM)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、エチレン−アクリレートゴム(EAM)、フッ素ゴム(FCM)、アクリルゴム(ACM)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、必要に応じて混合するポリ塩化ビニル(PVC)、水素化ニトリルゴム(HNBR)、カルボン酸ニトリルゴム(XNBR)、水素化カルボン酸ニトリルゴム(XHNBR)、天然ゴム(NR)、エチレン酢酸ビニル(EVA)、クロロスルホニル−ポリエチレンゴム(CSM)、塩素化ポリエチレン(CM)、ブチルまたはハロブチルゴム、シリコーンゴム(VMQ、MVQ)、フロロシリコーンゴム(FVMQ、MFQ)、クロロヒドリンゴム(CO)、エピクロルヒドリンゴム(ECO)、ポリクロロプレンゴム(CR)、一液形ポリウレタン(PU)または前記物質の組み合わせまたは混合物。あるいは、少なくとも1つのエストラマー層が、熱可塑性エストラマー(TPE)から構成されていても良い。
【0043】
それが熱可塑性エラストマー(TPE)から構成されていない限り、エラストマー層14は、外側層12の合成樹脂との反応を可能にする架橋システムおよびプラスチックのキャリア層16を含んでいる。エラストマー層14に使用されるエラストマーに応じて、過酸化物、アミンおよび/またはビスフェノールのグループから選択される少なくとも1つからの以下の材料が、架橋剤として適している:


【0044】
エラストマー材料中の単独あるいは複数の架橋剤の割合は、約0.5乃至15pphゴム(ゴム混合物のゴム100部当たりの部数)であるが、かなり高くなることがある。
【0045】
プラスチックのキャリア層16は、好ましくは、繊維強化プラスチック(FRP)、炭素繊維強化プラスチック(CRP)やガラス繊維強化プラスチック(GRP)の少なくとも1層から形成されている。あるいは、または加えて、プラスチックのキャリア層16の少なくとも1つの層はまた、別の材料特に金属から構成される。さらに別の方法として、プラスチックの外側層および/またはプラスチックのキャリア層はまた、「有機シート」、または、埋め込まれた長繊維強化またはエンドレス繊維強化の熱可塑性ポリマーから形成することができる。
【0046】
図2および3の実施例により示される実施形態では、プラスチック複合材料部材は衝撃を与える対象物に対する保護(衝撃保護)のために使用される。例えば、風車のローターブレード20を図2に示し、ここで、プラスチック複合材料部材22は、雨、塵、砂、雹の粒子の結果としての、あるいは、鳥の群れの結果としての風化による損傷に対する保護として、回転の方向の前方であって、少なくともエッジの領域に配置されている。近代的な洋上風力タービンでは、風車の直径は現在最大で約126mであり、ローターブレードの端部の周速度は最大で500km/hにまで達する。これらの速度で、雨や雹がローターに衝突すると、ローターブレードは、衝突またはローターの空力特性によって深刻にダメージを受け、そのため、風力タービンの出力が早期の磨耗によって損なわれる可能性がある。エラストマー層14を有するプラスチック複合材料部材10が、好ましくはUHMW−PEから構成される、薄くて硬質のプラスチック外側層12の下に配置されているために、実際のローターブレード20に作用するような対象物の衝撃はかなり低減され、その結果衝撃は効果的に防止される。ローターブレード20は、プラスチック複合材料部材10により他の領域においても保護され、または、プラスチック複合材料部材で形成することもできる。別の方法として、例えば、金属製の浸食のシールドに基づくDE102008006427A1に例が記載されているように、キャップしてのプラスチック複合材料部材10のデザインも可能である。キャップは、好ましくは、ローターブレード20の長さの4分の1から5分の1の前面外側をカバーしている。これは、高回転の結果として、浸食や破損のリスクが最も高い領域である。プラスチック外側層12の硬くて滑らかな表面は、凍結と同様にローターブレード20上の腐食や堆積を防止し、そのためメンテナンスコストを最小限に削減する。ローターブレード20の製造時にわずかに高いコストが、より低いメンテナンスコストとダウンタイムの短縮によって何倍にも相殺されている。20年の期間を超える風力タービンのメンテナンスフリー操作の目的は、本発明によって達成される。
【0047】
図4において、プラスチック複合材料部材10は、エッジの保護のための複合材料部材または分裂の保護のための複合材料部材として形成されている。エラストマー層14とプラスチックのキャリア層16は、プラスチック外側層12の内側上で隣接している。織布、編物、または、アラミドまたはベクトラン(登録商標)(株式会社クラレ(日本)の登録商標)などの高性能な繊維で作られた繊維構造18は、少なくとも潜在的な衝撃にさらされる領域において、繊維がエラストマー層14の材料によって完全に囲まれるように、エラストマー層14中に埋め込まれている。好ましくは、繊維構造18が、エラストマー層14内において、引張または曲げ引張応力がかかるプラスチック複合材料部材10の側面に対して近くに、そのため本例では、プラスチックの外側層12に対して近くに、配置されるように、埋め込みを行う。繊維構造18の破断強度と耐クラック性は、エラストマー材料に埋め込むことによってさらに増加する。テストは、通常値の400%以上の衝撃エネルギーに、プラスチック複合材料部材10がダメージを受けることなく、耐えることができることを示している。クラッシュの際、分裂または破断した部材のさらなる割れのリスクは、大幅に削減される。
【0048】
図1に記載された平面状のプラスチック複合材料部材10、および、図4に記載されたエッジ保護複合材料部材または分裂保護複合材料部材30は、本体に衝撃を受ける部材の多くの可能なアプリケーションをカバーしている。例えば、本発明に係るこれらのアプリケーションは、以下のとおりである:
−翼の前縁、航空機の翼や尾のユニット、または
−ヘリコプターや風車のローターブレードの前縁(回転の方向で)、または
−バンパーやボンネットなどの車両の車体部材、または
−道路車両または鉄道車両の足回りの保護部材、シャーシの支柱、ステアリングギア、ドライブシャフトやカルダンシャフト、ペダルのベアリング、または、特にカーボンフレームで提供されるマウンテンバイクのチェーンステーなどの、渦対象物に当接する車両の部材、または
−土地、水、空気や宇宙船の内側クラッド、または
−落下する道具によって生じるダメージに対する保護のため、メンテナンスの目的でアクセス可能なキャビティであって、土地、水、空気や宇宙船のキャビティの内面、または
−輸送および貨物自動車やコンテナの貨物保持のように、開いているか閉じている輸送スペースの貨物が直面している面、または
−モーターボート、スピードボートやカヤックなどの、船のフロント船体領域またはビルジ領域、または
−アイスホッケーのスティックのブレード領域、ノルディックウォーキングスティックやスキーのスティックのベースコンタクト面、カヌーやカヤックパドルのパドルブレードなどの、スポーツ用具の高い負荷のかかる有効領域、または
−装甲車両の補強部分。
ここで、上述したリストは、単なる例示であって、包括的なものではないものとして理解される。
【0049】
破断の際、刃の鋭い破断エッジおよびルーズな破断片の発生がほとんどなく、繊維が残留安定性を確保するため、図4に示された、プラスチック複合材料部材または分裂保護複合複合材料部材10は、エラストマー層14に埋め込まれた繊維構造18により大きく改良されたクラッシュ挙動を示す。本発明に係るこのためのアプリケーションの例は、以下のとおりである:
−ドアのクラッドなどの、車両の内側クラッド部材、または
−スポイラー、マッドガード、車両の屋根、テールゲート、ボンネット、クラッシュノーズやレーシングカーの側面部材などの、外側車体部材、または
−フレーム、ハンドルバー、ハンドルバーのフロント部分または自転車のシートピラー、テニスラケット、インラインスケートのレールやヒールキャップ、仕事やレジャー目的用の防護服のためのボディプロテクターや保護ヘルメット(消防機関、警察、軍隊、救急サービス、自転車、バイク、スケートやスキーヘルメットやプロテクター)。
ここで、上述したリストは、単なる例示であって、包括的なものではないものとして理解される。
【0050】
本発明に係るプラスチック複合材料部材または分裂保護複合材料部材10の更なるアプリケーションは、自転車のハンドルバー40に基づき図5および6により例示して示されている。このアプリケーショングループは、部材の完全な破壊がいずれにしても除外される対象物に関係する。この目的のために、自転車のハンドルバー40は、好ましくは炭素繊維構造(CRP)で形成されているプラスチックの外側層12から構成される。エラストマー層14は、織布、編物または繊維構造18からなる、好ましくは、アラミドまたはベクトラン(登録商標)(株式会社クラレ(日本)の登録商標)からなるエラストマー層が、繊維が完全にエラストマー層14の材料で囲まれるように埋め込まれた、自転車のハンドルバー40の少なくとも内側複合材料部材領域42において、その内部に隣接している。さらに薄いプラスチックのキャリア層16は、任意的に、その内部においてエラストマー層10に隣接しており、そのプラスチックキャリア層は、また好ましくは、炭素繊維構造(CRP)で形成されている。自転車のハンドルバー40のプラスチックの外側層12が、極端な負荷の際(例えば、マウンテンバイクでのダウンヒルレース時など)、クラックが入ったり破壊したとしても、自転車のハンドルバー40は、エラストマー層14に埋め込まれた繊維構造18によって、突然の致命的な破損から保護される。ライダーはバイクをまだ操縦することができるので、バイクから落ちることなく、早めに彼のハンドルバーに破壊が生じたことを知り、それに応じてスピードを落とすことができる。本発明によれば、このグループからのアプリケーションの対象として、例えば以下の対象を含む:
−スポーツ飛行機のローターブレードや翼、または
−補綴や装具、または
−フレーム、ハンドルバー、自転車のハンドルバーの前方部分またはシートピラー、テニスラケット、インラインスケートのレールやヒールキャップ、身体の保護装置または保護用ヘルメット(バイクヘルメット、自転車ヘルメット、労働保護用ヘルメットまたは防止、消防士のヘルメットなど)、または
−フロント領域(特に取りの群れのリスクにさらされている、あるいは、悪い道路での小さなエンジンの場合には、石のチッピングのリスクにさらされている、エンジンまたはタービンの入口領域と最初の圧縮ステージ)。
ここで、上述したリストは、単なる例示であって、包括的なものではないものとして理解される。
【0051】
エラストマー層14に埋め込まれた繊維構造物18を有するプラスチック複合材料部材10は、また、個人用保護具の分野(防弾チョッキ、保護シールド)における、また、スポーツの対応するタイプ(フェンシング、乗馬、オートバイレース、モトクロス、アイスホッケー)の場合における、ショット、スタブや衝撃によって引き起こされる傷害に対する保護として、非常に効果的に防護服に統合され、あるいは、対応するプロテクターに組み込まれる。
【0052】
図7乃至15はプラスチック複合材料部材10のための発明的なアプリケーションのさらなるグループを示す。このグループは、振動が減衰されるおよび/または共鳴が防止または軽減されるおよび/または音響振動の低減が達成される、部材に関する。この目的のために、少なくとも1つの減衰複合材料部材52が、図7に示されているストリップなどの少なくとも部分領域、例えばボンネット50となる平面状のプラスチック複合材料部材10によって設けられている。エラストマー層14と、この上の、プラスチックの外側層12は、減衰複合材料部材52の部分領域におけるプラスチックのキャリア層16上に設けられている。配置はまた逆にすることもでき、その結果、図8および9において参照符号16で示される層は、エラストマー層14と層12の代わりのプラスチックのキャリア層16によって、その内側に隣接したプラスチックの外側層12を形成する。この可能な逆配置は、原則として、プラスチックの外側層12が、この出願に記載されているすべてのアプリケーション対象物のためのプラスチックのキャリア層として機能することを示しているが、内側層16はこの場合軸受機能を持っておらず、その内部の振動を制限するエラストマー層14を単に制限している。図8において、エラストマー層14は完全に層12で覆われているのに対し、図9において、エラストマー層14は両側に開いている。
【0053】
振動、共振や音響振動を効果的に減衰させることができる、平面状のプラスチック複合材料部材10の多くの実施形態は、図10乃至13に示されている。図10において、エラストマー層14は、それが出口領域140によりプラスチックの外側層12で出てくるような方法で、プラスチックの外側層12とプラスチックのキャリア層16との間に埋め込まれている。
【0054】
図11において、エラストマー層14は、両側で開くようにプラスチックのキャリア層16上に配置され、プラスチックの外側層12によって上方から覆われている。
【0055】
図12において、エラストマー層14は、それが2つの出口領域142、144を介してプラスチックの外側層12と接触するような方法で、プラスチックの外側層12とプラスチックのキャリア層16との間に埋め込まれている。
【0056】
図13において、エラストマー層14は、それが中央出口領域146を介してプラスチックの外側層12の表面に接続されるような方法で、プラスチックの外側層12とプラスチックのキャリア層16との間に埋め込まれている。
【0057】
図7乃至9について既に記載したコメントは、図10乃至13に係る実施形態に適用でき、プラスチックの外側層12とプラスチックのキャリア層16への参照をこの場合は交換することができ、その結果、外部において完全にスムーズな部材上の振動の減衰を可能にすることができる。この場合、出口領域140、142、144および146は、各プラスチック複合材料部材10の内面に設けられる。
【0058】
機械的または音響振動のエネルギーFがプラスチック複合材料部材10に吸収される方法は、それに垂直に配置されたせん断力Fsによって、図14および15に示されている。エラストマー層14は、プラスチックの外側層12とプラスチックのキャリア層16との境界で振動のエネルギーFを吸収し、それに垂直に配置されたせん断力Fsにこれを変換する。図14はそのアイドル位置におけるプラスチック複合材料部材10を示し、一方図15におけるプラスチック複合材料部材10は、振動の力Fによって一方向に偏向されている。
【0059】
図16において、空気ハンマーのシャフトの少なくとも1つのグリップは、振動減衰プラスチック複合材料部材60として形成される。約50mmの外径を有する空気ハンマーの管状シャフトは、請求項5に示されている材料の1つで、好ましくは繊維強化複合プラスチックで、特に炭素繊維強化プラスチック(CRP)で形成される、プラスチック外側層62を備えている。エラストマーまたはゴム層64は、好ましくは、約15cmの長さのグリップ領域においてプラスチックの外側層62に隣接しており、そのエラストマーまたはゴム層は、請求項6乃至11に示された材料の1つで、または、熱可塑性エラストマー(TPE)で形成されている。エラストマーまたはゴム層64は、また、そのような層の多数で形成される。内側において、エラストマーまたはゴム層64は、プラスチックのキャリア層66に隣接しており、その材料は、好ましくは、プラスチックの外側層62の材料に対応している。一端に、管状のプラスチックのキャリア層66は、図示の実施形態において、スレッドとして形成されているツールサポート662を形成し、ツール664を保持している。スレッドは、図示の実施形態では、プラスチックのキャリア層66上に直接形成される。これに代えて、金属スレッド片が、プラスチックのキャリア層66に埋め込まれることがある。図示の実施形態とは対照的に、ツールサポート662は、また、バヨネットのファスナーとしてまたは円錐形のサポートとして、形成される。柔らかいエラストマー材料からなるグリップ領域68は、必要に応じてさらに、プラスチックの外側層62上に設けられる。これは、オペレータと振動の付加的な分離とによって、空気ハンマーの安全な保持を保証する。すべての層62、64、66および68は、好ましくは、図示のプラスチック複合材料部材を形成する方法で、単一の処理ステップで同時に接着されている。
【0060】
シールリップ682は、好ましくは、グリップ領域68に成形され、汚れやほこりに対してそこに配置された空気部材を含むシャフトの内側を保護している。傷害に対しユーザの手を保護する外方に開いた唇の形での手の保護684が、また好ましくは、ツール664と面するグリップ領域68の端部に成形される。
【0061】
加工する材料(石、コンクリート、アスファルト、タイル)との接触に応じて、ツール664によって生成される振動は、エラストマー層64によって大きく分離されるか減衰され、その結果、グリップ領域を保持しているユーザは可能な限りこれらの振動を容認することが不可欠である。
【0062】
図16に示されたものと同じデザインは、また、自転車のシートピラーに適している。この場合、ツールの代わりに、シートがサポート662に固定され、一方プラスチックの外側層62を備えるシャフトがフレームチューブに固定するために使用される。エラストマー層64は、特に道路の凹凸の結果としてシートに作用する振動を切り離す。
【0063】
比較的薄くてフレキシブルなプラスチックの外側層72と、埋め込まれたまたは組み込まれた織布や繊維層75を有するそれと接続したエラストマー層74とで形成されている、プラスチック複合材料部材70が、図17乃至19に示されている。プラスチックの外側層72は、請求項5に示されている材料の1つで構成されている。それは、好ましくは薄プリプレグの層またはSMC層として形成される。エラストマー層74は、請求項6乃至11に示されている材料の1つで形成されている。エラストマー層74のエラストマー材料に埋め込まれた、織布、編物または繊維層75は、好ましくは、アラミドやベクトラン(登録商標)のような高性能の繊維で構成されている。プラスチック複合材料部材70は、両方の曲方向にフレキシブルであり、これは、結果として同じ力で異なるたわみAとAになる。図18において、横方向のベアリング力Fのもとその単位面積当たりの復元力を検出するプラスチックの外側層72のハード側から部材の中心に作用する力2×F1が、図19に従って、エラストマー層74のソフト側からプラスチック複合材料部材70の中心に作用する同じ大きさの力2×F1によって発生する、たわみAよりもはるかに小さいたわみAを発生させる。このような異なる曲げ挙動は、例えば、リーフスプリングや、別の側面への圧力やベースドラッグの影響下で「自動的に」異なる方法でかなり変形する、空気力学的または流体力学的に負荷された部材で、完全に新しいアプリケーションの可能性を提供する。例えば、高速車両のスポイラー、翼と航空機の翼、プロペラ、タービンなどが可能なアプリケーションとなる。
【0064】
図20は中央部でフレキシブルなアーティキュレーション領域80Cを備えるプラスチック複合材料部材80を示す。モーターレースでの使用を示す高性能プラスチック複合材料部材は、2層のカーボンプリプレグ86、その下の2層ガラスプリプレグ88、その下のガラス繊維織物82の層、その下の接着フィルム90及びその下のエラストマー層84を備えている。個々の層または被膜は、図20に示されているように、互いに垂直距離を保ち、それらの間で明確に区別できるようにしている。実際には、すべてのこれらの層は、それらが互いの上に密接に配列されている相互接続された方法で、プラスチック複合材料部材80を形成する。ガラスプリプレグ層88の代わりに、さらにカーボンプリプレグ86を形成することもできる。図示の実施形態において、ガラス繊維織物82およびエラストマー層84はアーティキュレーション領域を通過する一方、カーボンプリプレグ86及びガラスプリプレグ88の層は、アーティキュレーション領域80Cで中断され、この場合には、それらの端部を介して接続されたエラストマー部分85によってブリッジングされる。中央のアーティキュレーション領域80Cにおいて、前記中央のアーティキュレーション領域の右と左に設けられた、カーボンプリプレグ層86およびガラスプリプレグ層88を備えるプラスチック複合材料部材80のリジッド領域80Aおよび80Bのフレキシブルな接続が、このようにして生成される。実施形態において、アーティキュレーションは、以下のような3自由度を可能とする:
−左側のリジッド部80Bに対する右側のリジッド部80Bのピボットやキンク動作S;
−左側のリジッド部80Bに対する右側のリジッド部80Bの垂直方向オフセットVおよび;
−左側のリジッド部80Bに向かって右側のリジッド部80Bの水平変位H。
【0065】
要件に応じて、炭素繊維の織物、アラミド繊維の織物またはベクトラン(登録商標)(株式会社クラレ(日本)の登録商標)の織物によって置き換えられる可能性がある、ガラス繊維の織物82で作られた層が、アーティキュレーション領域80Cにおいて中断され、または、弾力性のある繊維製の織布で置き換えられる場合、左側のリジッド部80Bから離れた右側のリジッド部80Bの限定された水平変位もさらに可能となる。アーティキュレーション領域80Cが1つまたはそれ以上のエラストマー層84および/または85によってのみ形成されている場合、左側のリジッド部80Bに対する右側のリジッド部80Bの投影面に対し出たり入ったりする限られたひずみ動作Tもさらに付加的に可能となる。少なくとも1つの薄い合成樹脂層(カーボンプリプレグ層86またはガラスプリプレグ層88)がアーティキュレーション領域80Cにまたがるとき、アーティキュレーション80Cの可動性の最も強い制限が提供される。左側のリジッド部80Bに対する右側のリジッド部80Bの1つの限られたピボット運動Sのみが依然として可能である。この場合、プラスチック複合材料部材80の第5のアプリケーションは、図17乃至19によるプラスチック複合材料部材70の第4のアプリケーションに近似している。非常に薄くて硬質の合成樹脂層72および織布または繊維層75で提供されるエラストマー層74から形成された、そこに記載のある結合は、プラスチック複合材料部材80のヒンジ状のアーティキュレーション領域を生成するために使用することができる。アプリケーションの可能な分野は以下のように多様である:
−例えば、建物、家具や車両用だけでなく、スーツケース、チェスト、コンテナやその他の容器のための、ドアやフラップヒンジであって、ヒンジの端に沿って連続するヒンジ領域のタイトなデザインが、この領域における空気、液体または粒子の侵入を防ぐもの;
−3次元の輪郭に適合して行なわれるシール;
−板やホースのキンクした領域;
−垂直方向または横方向の2部材の面の間のオフセットの補正のための補償器;
−2つの部材間のギャップを回避することによる、空気力学的に有利に形成された遷移;
−コーナー領域における建物のクラッド部(例えば地下駐車場のピラーや門柱などの「ソフトエッジの保護」);
−航空機の着陸フラップ、保持ダムでの流れ偏向フラップ、ヘリコプターのローターブレードなどの、可動フラップのアーティキュレーション;
−フレキシブルなサスペンション(例えばモータースポーツにおける)。
ここで、上述したリストは、単なる例示であって、包括的なものではないものとして理解される。
【0066】
図21に従って、エラストマーからなるコア層104が、中央に、すなわちプラスチック複合材料部材100の中間繊維の領域に配置されるプラスチック複合材料部材100は、例えば、モータースポーツ車両の車体のパーツなどの高負荷の部材のために有利である。炭素繊維プリプレグ106(CRP)および/またはガラス繊維プリプレグ(GRP)および/またはその他の繊維強化複合プラスチック層(FRP)からなる複数の層が、好ましくはコア層104の外側に隣接する、滑らかで硬い表面を形成する。本実施態様において、3つの比較的薄い炭素繊維プリプレグ層106は、コア層104の各々の側面に設けられている。比較的厚いエラストマー層の単位体積当たりの重量がたかだか約1g/cmであり、一方CRPは約1.8g/cmの単位体積当たりの重量を有し、GRPが約2.0g/cmの単位体積当たりの重量を有しているため、コア層104は純粋なCRPまたはGRP部材と比較してかなり軽い部材を作製する。
【0067】
2つのカバー層(ハニカム構造、例えば、セルロースまたはカードからなる)間にスペーサーを備えるサンドイッチ構造を有する非常に軽いコア層が使用されている他の既知のプラスチック複合材料部材に比べ、本発明に係るエラストマーからなるコア層104の重量はより高い。しかしながら、エラストマーからなるコア層104を有する本発明に係るプラスチック複合材料部材100は、部材の振動に関して、インパクト動作と振動保護または減衰動作の観点から、これらの非常に軽量な複合材料部材と比較してかなり有利である。中立性エラストマー層に高機能繊維を一体化することで、分裂保護の機能をさらに統合することができる。
【0068】
本発明に係るプラスチック複合材料部材の効果的な表面は、容易に望ましいアプリケーションに適合させることができ、既知の複合材料部材とは対称的に、全ての層の接続を単一の処理ステップで生成する。プラスチック複合材料の効果的な表面は、滑らかでハードな傷のつきにくいプラスチックの外側層により形成することができ、ここで、最小限の摩擦と良好な摺動特性(例えばスキーまたはスノーボードの場合)、空気力学や流体力学的特性(例えば、飛行機または船の翼や胴体/船体の場合)、浸食、腐食、摩耗及び風化に対する保護(例えば、ヘリコプターのブレードや風車のホイールの場合、建物や車両の外部パネルや外部クラッド部の場合)、または、メディアや異物の付着の回避(例えば、攪拌装置の容器、プールや下水処理場の流域の場合、または船体の場合)は、重要となる。
【0069】
対照的に、本発明に係るプラスチック複合材料部材の効果的な表面は、部材が、表面の感触(例えば、グリップ部品、ステアリングホイール、スイッチ、および、他の操作部材)やアンチスリップ特性(例えば、サーフボードの表面、貨物の内部クラッドの保持、車両の入口と出口領域でのステップ板)を必要とする場合、エラストマーやTPEからなる摩擦を増加させたソフト層とすることができる。
【0070】
本発明に係るプラスチック複合材料部材のアプリケーションのさらなる分野は、流体導入のための容器またはパイプラインである。埋め込まれたエラストマー層のために、そのような容器やチューブは破裂に対して優れた保護を示す。特に、難燃性の提供と併せて、そのようなパイプや容器は、例えば、化学的に攻撃的なまたは非常に爆発性の高い流体の貯蔵や導入のために適している。媒体導入側に配置されたゴムまたはゴム状エラストマーから形成された追加のコーティングは、そのような容器やラインの必要な媒体に対する抵抗を保証する。アプリケーションの可能な分野は、特に、ヘリコプターや船などの車両の全てのタイプの燃料またはオイルタンク、また、軍事用アプリケーション、加圧された空気容器やラインのための航空機、または、タンク、および、水、ジュース、その他の飲料、乳製品あるいは他の食料品のラインであり、ここで、熱可塑性エラストマー(TPE)は、特によく媒体導入側のコーティングとして適している。
【0071】
それらの間に配置されたエラストマー層14、64、74、84、85または104と同様に、プラスチックの外側層12、62、72、86または106および金属またはプラスチックのキャリア層16、66または88を有するプラスチック複合材料部材10、22、42、50、60、70、80または100は、エネルギーのアプリケーションに供よる処理に供されることにより製造される。例えば、これは、オーブン、オートクレーブ、加熱プレスや加熱された熱成形金型、マイクロ波システム、ハイパワーのライト照射システムおよび/または加熱可能なテーブルにおける熱処理によって行われる。処理温度は、摂氏約80度乃至摂氏約200度の範囲、好ましくは摂氏約130度である。処理の持続時間は約5時間である。しかし、処理の持続時間は、顧客の要求に応じて約10分乃至約8時間の所定の温度範囲内で変えることができる。また、プラスチック複合材料部材10は、例えばUV光で別の架橋処理に付される。少なくとも1つのエラストマー層14は、プラスチックの外側層12およびプラスチックのキャリア層16の合成樹脂と架橋反応を行う。プラスチックの外側層12、プラスチックのキャリア層16、および、1つのエラストマーの層または複数のエラストマー層12は、分離不能の状態で互いに結合されている。
【符号の説明】
【0072】
10 プラスチック複合材料部材
12 プラスチックの外側層
14 エラストマー層
140 出口領域
142 出口領域
144 出口領域
146 出口領域
16 プラスチックのキャリア層
18 織布/編物/繊維構造
20 ローターブレード
22 プラスチック複合材料部材(20の上)
30 エッジの保護複合材料部材
40 自転車のハンドルバー
42 複合材料部材の領域(40の)
44 ハンドルバーエンド(グリップ領域)
50 ボンネット
52 ダンピング複合材料部材
60 プラスチック複合材料部材
62 プラスチックの外側層
64 エラストマー層
66 プラスチックのキャリア層
662 ツールサポート
664 ツール
68 グリップ領域
682 シールリップ
684 手の保護
70 プラスチック複合材料部材
72 プラスチックの外側層
74 エラストマー層
75 織布/編物/繊維層
80 プラスチック複合材料部材
82 ガラス繊維織物
84 エラストマー層
85 エラストマーの部分
86 カーボンプリプレグ
88 ガラスプリプレグ
90 接着フィルム
100 プラスチック複合材料部材
104 エラストマー層
106 カーボンプリプレグ

F (垂直の)振動エネルギー
(水平の)せん断力

(最初の)たわみ
(第2の)たわみ
S ピボット運動
V 垂直オフセット
H 水平変位
T ねじれ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つの層(12、14、16)からなるプラスチック複合材料部材(10)であって、少なくとも部分的に熱硬化性合成樹脂から構成される第1の層(12)、および、少なくとも部分的にエラストマーから構成される第2の層(14)が、単一の処理ステップでの、共同熱処理またはUV光での照射などの、エネルギーの適用によって接合され、エラストマー層(14)が、過酸化物、アミンおよび/またはビスフェノールのグループから選択された少なくとも1つの架橋剤を少なくとも0.5pph(parts per hundred /ゴム100部当たりの架橋剤の部数)含むプラスチック複合材料部材において、
プラスチック複合材料部材(10)が、薄い硬質のプラスチックの外側層(12)、外側層の内部で隣接する少なくとも1つのエラストマー層(14)、および、前記エラストマー層とその内部で隣接し、繊維強化プラスチック(FRP)、炭素繊維強化プラスチック(CRP)またはガラス繊維強化プラスチック(GRP)からなる少なくとも1つの金属および/またはプラスチックのキャリア層(16)から形成され、以下の部材上の衝撃保護部材として設けられていることを特徴とする、プラスチック複合材料部材:
・翼の前縁、航空機の翼や尾のユニット上、または
・ヘリコプターや風車のローターブレード(20)の前縁(回転の方向で)上、または
・バンパーやボンネット(50)などの車両の車体部材上、または
・道路車両または鉄道車両の足回りの保護部材、シャーシの支柱、ステアリングギア、ドライブシャフトやカルダンシャフト、または、特にカーボンフレームで提供されるマウンテンバイクのペダルのベアリングなどの、渦対象物に当接する車両の部材上、または
・土地、水、空気や宇宙船の内側クラッド上、または
・落下する道具によって生じるダメージに対する保護のため、メンテナンスの目的でアクセス可能なキャビティであって、土地、水、空気や宇宙船のキャビティの内面上、または
・輸送および貨物自動車やコンテナの貨物保持のように、開いているか閉じている輸送スペースの貨物が直面している面上、または
・モーターボート、スピードボートやカヤックなどの、船のフロント船体領域またはビルジ領域上、または
・アイスホッケーのスティックのブレード領域、ノルディックウォーキングスティックやスキーのスティックのベースコンタクト面、カヌーやカヤックパドルのパドルブレードなどの、スポーツ用具の高い負荷のかかる有効領域上、
または少なくとも部分的に後者を形成している。
【請求項2】
少なくとも2つの層(12、14、16)からなるプラスチック複合材料部材(10)であって、少なくとも部分的に熱硬化性合成樹脂から構成される第1の層(12)、および、少なくとも部分的にエラストマーから構成される第2の層(14)が、単一の処理ステップでの、共同熱処理またはUV光での照射などの、エネルギーの適用によって接合され、エラストマー層(14)が、過酸化物、アミンおよび/またはビスフェノールのグループから選択された少なくとも1つの架橋剤を少なくとも0.5pph(parts per hundred /ゴム100部当たりの架橋剤の部数)を含むプラスチック複合材料部材において、
プラスチック複合材料部材(10)が、薄い硬質のプラスチックの外側層(12)、外側層の内部で隣接する少なくとも1つのエラストマー層(14)、および、前記エラストマー層とその内部で隣接し、繊維強化プラスチック(FRP)、炭素繊維強化プラスチック(CRP)またはガラス繊維強化プラスチック(GRP)からなる少なくとも1つの金属および/またはプラスチックのキャリア層(16)から形成され、以下の部材上の分裂保護部としてまたは突然の総故障に対する保護部として設けられていることを特徴とする、プラスチック複合材料部材:
・ドアのクラッドなどの、車両の内側クラッド部材上、または
・スポイラー、マッドガード、車両の屋根、テールゲート、ボンネット(50)、クラッシュノーズやレーシングカーの側面部材などの、外側車体部材上、または
・スポーツ飛行機のローターブレードや翼上、または
・補綴や装具上、または
・フレーム、ハンドルバー(40)、ハンドルバーのフロント部分または自転車のシートピラー、テニスラケット、インラインスケートのレールやヒールキャップ、ボディプロテクターや保護ヘルメット上、または
・装甲車両の補強部分上、または
・ショット、スタブや衝撃によって引き起こされる傷害に対する保護としての、分裂保護部または突き刺し保護部上、
または少なくとも部分的に後者を形成している。
【請求項3】
少なくとも2つの層(12、14、16)からなるプラスチック複合材料部材(10)であって、少なくとも部分的に熱硬化性合成樹脂から構成される第1の層(12)、および、少なくとも部分的にエラストマーから構成される第2の層(14)が、単一の処理ステップでの、共同熱処理またはUV光での照射などの、エネルギーの適用によって接合され、エラストマー層(14)が、過酸化物、アミンおよび/またはビスフェノールのグループから選択された少なくとも1つの架橋剤を少なくとも0.5pph(parts per hundred /ゴム100部当たりの架橋剤の部数)を含むプラスチック複合材料部材において、
プラスチック複合材料部材(10)が、薄い硬質のプラスチックの外側層(12)、外側層の内部で隣接する少なくとも1つのエラストマー層(14)、および、前記エラストマー層とその内部で隣接し、繊維強化プラスチック(FRP)、炭素繊維強化プラスチック(CRP)またはガラス繊維強化プラスチック(GRP)からなる少なくとも1つの金属および/またはプラスチックのキャリア層(16)から形成され、以下の部材上の、振動および振動ダメージに対する、振動減衰のための共振に対する、または、音響減衰に対する、保護部として設けられていることを特徴とする、プラスチック複合材料部材:
・ドアのクラッドなどの、車両の内側クラッド部材上、または
・バンパー、車両の屋根、車両のドア、トランク蓋やボンネット(50)などの、外側車体部材上、または
・工業ロボットのロボットアーム、空気ツールのグリップ領域、フレーム、マウントまたはスタッドなどの、機械構造物中の振動に供される部材上、または
・タービン、ローターブレード(20)または翼上、または
・測定装置上または光学装置上、または
・機械上、または
・スキーまたはスノーボード上、または
・橋梁上、
または少なくとも部分的に後者を形成している。
【請求項4】
プラスチックの外側部材(12)が、合成樹脂をすでに染み込ませている(プリプレグ)、または、樹脂注入法により製造されている、織布材料から形成されていることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のプラスチック複合材料部材。
【請求項5】
プラスチックの外側部材(12)が、繊維強化複合プラスチック(FRP、CRP、GRP)、ポリエチレン(PE)、特に、超高分子量ポリエチレン(UHMW−PE)、高分子量ポリエチレン(HMW−PE)またはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)で構成されていることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のプラスチック複合材料部材。
【請求項6】
少なくとも1つのエラストマー層(14)が、エチレンプロピレンゴム(EPM)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、エチレン−アクリレートゴム(EAM)、フッ素ゴム(FCM)、アクリルゴム(ACM)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、必要に応じて混合するポリ塩化ビニル(PVC)、水素化ニトリルゴム(HNBR)、カルボン酸ニトリルゴム(XNBR)、水素化カルボン酸ニトリルゴム(XHNBR)、天然ゴム(NR)、エチレン酢酸ビニル(EVA)、クロロスルホニル−ポリエチレンゴム(CSM)、塩素化ポリエチレン(CM)、ブチルゴム(BIIR))またはハロブチルゴム、シリコーンゴム(VMQ、MVQ)、フロロシリコーンゴム(FVMQ、MFQ)、クロロヒドリンゴム(CO)、エピクロルヒドリンゴム(ECO)、ポリクロロプレンゴム(CR)、一液形ポリウレタン(PU)または前記物質の組み合わせまたは混合物から構成され、0.5乃至15pph、特に1.5乃至5pphの過酸化物が架橋剤として供給されていることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか1項に記載のプラスチック複合材料部材。
【請求項7】
少なくとも1つのエラストマー層(14)が、エチレンプロピレンゴム(EPM)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、エチレン−アクリレートゴム(EAM)、フッ素ゴム(FCM)、アクリルゴム(ACM)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、必要に応じて混合するポリ塩化ビニル(PVC)、水素化ニトリルゴム(HNBR)、カルボン酸ニトリルゴム(XNBR)、水素化カルボン酸ニトリルゴム(XHNBR)、天然ゴム(NR)、エチレン酢酸ビニル(EVA)、クロロスルホニル−ポリエチレンゴム(CSM)、シリコーンゴム(VMQ、MVQ)、フロロシリコーンゴム(FVMQ、MFQ)、一液形ポリウレタン(PU)または前記物質の組み合わせまたは混合物から構成され、0.5乃至25pph、特に1.5乃至5pphのアクリレート基熱硬化性樹脂が、付加的に、架橋剤をアシストするために供給されていることを特徴とする、請求項6に記載のプラスチック複合材料部材。
【請求項8】
少なくとも1つのエラストマー層(14)が、エチレン−アクリレートゴム(EAM)、フッ素ゴム(FCM)、アクリルゴム(ACM)、エチルビニルアセテート(EVA)、クロロスルホニル−ポリエチレンゴム(CSM)、塩素化ポリエチレン(CM)、クロロヒドリンゴム(CO)、エピクロルヒドリンゴム(ECO)、ポリクロロプレンゴム(CR)、または前記物質の組み合わせまたは混合物から構成され、0.5乃至15pph、特に1.5乃至5pphのアミンが架橋剤として供給されていることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか1項に記載のプラスチック複合材料部材。
【請求項9】
少なくとも1つのエラストマー層がフッ素ゴム(FCM)から構成され、0.5乃至15pph、特に1.5乃至5pphのビスフェノールが架橋剤として供給されていることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか1項に記載のプラスチック複合材料部材。
【請求項10】
少なくとも1つのエラストマー層(14)が、クロロヒドリンゴム(CO)、エピクロルヒドリンゴム(ECO)、ポリクロロプレンゴム(CR)、または前記物質の組み合わせまたは混合物から構成され、0.5乃至15pph、特に1.5乃至5pphのチオ尿素、チオ尿素誘導体またはジチオカーボネート誘導体が架橋剤として供給されていることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか1項に記載のプラスチック複合材料部材。
【請求項11】
少なくとも1つのエラストマー層(14)が、エチレンプロピレンゴム(EPM)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、エチレン−アクリレートゴム(EAM)、フッ素ゴム(FCM)、アクリルゴム(ACM)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、必要に応じて混合するポリ塩化ビニル(PVC)、水素化ニトリルゴム(HNBR)、カルボン酸ニトリルゴム(XNBR)、水素化カルボン酸ニトリルゴム(XHNBR)、天然ゴム(NR)、エチレン酢酸ビニル(EVA)、クロロスルホニル−ポリエチレンゴム(CSM)、シリコーンゴム(VMQ、MVQ)、一液形ポリウレタン(PU)または前記物質の組み合わせまたは混合物から構成され、0.5乃至15pph、特に1.5乃至5pphのフェノール樹脂が、付加的に、架橋剤をアシストするために供給されていることを特徴とする、請求項1乃至10のいずれか1項に記載のプラスチック複合材料部材。
【請求項12】
プラスチック複合材料部材(10)が、熱硬化性樹脂からなる少なくとも1つの第1の層(12)、および、単一の処理ステップでの、共同熱処理またはUV光での照射などの、エネルギーの適用によって接合される、少なくとも部分的にエラストマーから構成される少なくとも1つの第2の層(14)、から構成され、
熱硬化性樹脂からなる少なくとも1つの第1の層(12)が繊維インサートとともに供給され、少なくとも1つの第2の層(14)が、スチレン/エチレン−ブテン/スチレンブロック共重合体(SEBS)、または、スチレン/ブタジエン/スチレンブロック共重合体(SBS)、または、ポリウレタンに基づく熱可塑性エラストマー(TPU)、または、低密度ポリエチレン(LDPE)、または、50%以上のスチレン含有量を有するスチレン/ブタジエンゴム(SBR)などの熱可塑性エラストマー(TPE)から構成され、
プラスチック複合材料部材(10)が、請求項1に示された目的の1つのための衝撃保護部材として使用され、分裂保護部材として使用され、請求項2に示された目的の1つのための突然の総破壊に対する保護部材として使用され、請求項3に示された目的の1つのための振動および振動ダメージに対する、振動減衰のための共振に対する、または、音響減衰に対する、保護部として使用され、請求項17乃至32のいずれか1項による目的のために使用されることを特徴とする、プラスチック複合材料部材。
【請求項13】
少なくとも1つのエラストマー層(14)が、スチレン/エチレン−ブテン/スチレンブロック共重合体(SEBS)、または、スチレン/ブタジエン/スチレンブロック共重合体(SBS)、または、ポリウレタンに基づく熱可塑性エラストマー(TPU)、または、低密度ポリエチレン(LDPE)、または、50%以上のスチレン含有量を有するスチレン/ブタジエンゴム(SBR)などの熱可塑性エラストマー(TPE)から構成されることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか1項に記載のプラスチック複合材料部材。
【請求項14】
少なくとも1つの織布または編物または繊維構造体(18)が、前記織布または編み物または繊維構造体がエラストマーによって完全に囲まれるように、少なくともその地域の部分領域において、少なくとも1つのエラストマー層(14)に埋め込まれていることを特徴とする、請求項1乃至13のいずれか1項に記載のプラスチック複合材料部材。
【請求項15】
織布または編物または繊維構造体(18)が、それがプラスチック複合材料部材(10)の引張負荷または曲げ引張負荷の側に近い箇所に設けられるように、エラストマー層(14)中に埋め込まれていることを特徴とする、請求項14に記載のプラスチック複合材料部材。
【請求項16】
織布または編物または繊維構造体(18)が、アラミドやベクトラン(登録商標)のような高性能の繊維で構成されていることを特徴とする、請求項14または15に記載のプラスチック複合材料部材。
【請求項17】
少なくとも部分的に、プラスチック複合材料部材(10)として形成され、プラスチック複合材料部材(10)が、薄い硬質のプラスチックの外側層(12)、外側層の内部で隣接する少なくとも1つのエラストマー層(14)、および、前記エラストマー層とその内部で隣接し、繊維強化プラスチック(FRP)、炭素繊維強化プラスチック(CRP)またはガラス繊維強化プラスチック(GRP)からなる少なくとも1つの金属および/またはプラスチックのキャリア層(16)から形成されることを特徴とする、航空機の翼、翼部または尾部ユニット。
【請求項18】
少なくとも部分的に、プラスチック複合材料部材(10)として形成され、プラスチック複合材料部材(10)が、薄い硬質のプラスチックの外側層(12)、外側層の内部で隣接する少なくとも1つのエラストマー層(14)、および、前記エラストマー層とその内部で隣接し、繊維強化プラスチック(FRP)、炭素繊維強化プラスチック(CRP)またはガラス繊維強化プラスチック(GRP)からなる少なくとも1つの金属および/またはプラスチックのキャリア層(16)から形成されることを特徴とする、ヘリコプターや風車のローターブレード。
【請求項19】
少なくとも部分的に、プラスチック複合材料部材(10)として形成され、プラスチック複合材料部材(10)が、薄い硬質のプラスチックの外側層(12)、外側層の内部で隣接する少なくとも1つのエラストマー層(14)、および、前記エラストマー層とその内部で隣接し、繊維強化プラスチック(FRP)、炭素繊維強化プラスチック(CRP)またはガラス繊維強化プラスチック(GRP)からなる少なくとも1つの金属および/またはプラスチックのキャリア層(16)から形成されることを特徴とする、バンパー、スポイラー、マッドガード、車両の屋根、テールゲート、ボンネット(50)、クラッシュノーズまたはレーシングカーの側面部材などの、車両の車体部材。
【請求項20】
少なくとも部分的に、プラスチック複合材料部材(10)として形成され、プラスチック複合材料部材(10)が、薄い硬質のプラスチックの外側層(12)、外側層の内部で隣接する少なくとも1つのエラストマー層(14)、および、前記エラストマー層とその内部で隣接し、繊維強化プラスチック(FRP)、炭素繊維強化プラスチック(CRP)またはガラス繊維強化プラスチック(GRP)からなる少なくとも1つの金属および/またはプラスチックのキャリア層(16)から形成されることを特徴とする、道路車両または鉄道車両の足回りの保護部材、シャーシの支柱、ステアリングギア、ドライブシャフトやカルダンシャフト、ホイールケーシングのライニング、または、特にカーボンフレームで提供されるマウンテンバイクのペダルのベアリング領域などの、渦対象物に当接する車両の部材。
【請求項21】
土地、水、空気や宇宙船の内側クラッドであって、前記クラッドが、少なくとも部分的に、プラスチック複合材料部材(10)として形成され、プラスチック複合材料部材(10)が、薄い硬質のプラスチックの外側層(12)、外側層の内部で隣接する少なくとも1つのエラストマー層(14)、および、前記エラストマー層とその内部で隣接し、繊維強化プラスチック(FRP)、炭素繊維強化プラスチック(CRP)またはガラス繊維強化プラスチック(GRP)からなる少なくとも1つの金属および/またはプラスチックのキャリア層(16)から形成されることを特徴とする、内側クラッド。
【請求項22】
土地、水、空気や宇宙船のメンテナンスの目的でアクセス可能なキャビティであって、前記キャビティが、少なくとも部分的に、プラスチック複合材料部材(10)として形成され、プラスチック複合材料部材(10)が、薄い硬質のプラスチックの外側層(12)、外側層の内部で隣接する少なくとも1つのエラストマー層(14)、および、前記エラストマー層とその内部で隣接し、繊維強化プラスチック(FRP)、炭素繊維強化プラスチック(CRP)またはガラス繊維強化プラスチック(GRP)からなる少なくとも1つの金属および/またはプラスチックのキャリア層(16)から形成されることを特徴とする、キャビティ。
【請求項23】
輸送および貨物自動車やコンテナの貨物保持のように、開いているか閉じている輸送スペースの貨物が直面している面であって、その面が、少なくとも部分的に、プラスチック複合材料部材(10)として形成され、プラスチック複合材料部材(10)が、薄い硬質のプラスチックの外側層(12)、外側層の内部で隣接する少なくとも1つのエラストマー層(14)、および、前記エラストマー層とその内部で隣接し、繊維強化プラスチック(FRP)、炭素繊維強化プラスチック(CRP)またはガラス繊維強化プラスチック(GRP)からなる少なくとも1つの金属および/またはプラスチックのキャリア層(16)から形成されることを特徴とする、面。
【請求項24】
モーターボート、スピードボートやカヤックなどの、船のフロント船体領域であって、そのフロント船体領域が、少なくとも部分的に、プラスチック複合材料部材(10)として形成され、プラスチック複合材料部材(10)が、薄い硬質のプラスチックの外側層(12)、外側層の内部で隣接する少なくとも1つのエラストマー層(14)、および、前記エラストマー層とその内部で隣接し、繊維強化プラスチック(FRP)、炭素繊維強化プラスチック(CRP)またはガラス繊維強化プラスチック(GRP)からなる少なくとも1つの金属および/またはプラスチックのキャリア層(16)から形成されることを特徴とする、フロント船体領域。
【請求項25】
アイスホッケーのスティックのブレード領域、ノルディックウォーキングスティックやスキーのスティックのベースコンタクト面、カヌーやカヤックパドルのパドルブレードなどの、スポーツ用具の有効領域であって、その有効領域が、少なくとも部分的に、プラスチック複合材料部材(10)として形成され、プラスチック複合材料部材(10)が、薄い硬質のプラスチックの外側層(12)、外側層の内部で隣接する少なくとも1つのエラストマー層(14)、および、前記エラストマー層とその内部で隣接し、繊維強化プラスチック(FRP)、炭素繊維強化プラスチック(CRP)またはガラス繊維強化プラスチック(GRP)からなる少なくとも1つの金属および/またはプラスチックのキャリア層(16)から形成されることを特徴とする、スポーツ用具の有効領域。
【請求項26】
少なくとも部分的に、プラスチック複合材料部材(10)として形成され、プラスチック複合材料部材(10)が、薄い硬質のプラスチックの外側層(12)、外側層の内部で隣接する少なくとも1つのエラストマー層(14)、および、前記エラストマー層とその内部で隣接し、繊維強化プラスチック(FRP)、炭素繊維強化プラスチック(CRP)またはガラス繊維強化プラスチック(GRP)からなる少なくとも1つの金属および/またはプラスチックのキャリア層(16)から形成されることを特徴とする、補綴や装具。
【請求項27】
フレーム、ハンドルバー(40)、ハンドルバーのフロント部分またはシートピラーなどの自転車部材であって、前記自転車部材が、少なくとも部分的に、プラスチック複合材料部材(10)として形成され、プラスチック複合材料部材(10)が、薄い硬質のプラスチックの外側層(12)、外側層の内部で隣接する少なくとも1つのエラストマー層(14)、および、前記エラストマー層とその内部で隣接し、繊維強化プラスチック(FRP)、炭素繊維強化プラスチック(CRP)またはガラス繊維強化プラスチック(GRP)からなる少なくとも1つの金属および/またはプラスチックのキャリア層(16)から形成されることを特徴とする、自転車部材。
【請求項28】
テニスラケット、スキー、スノーボード、または、インラインスケートなどのスポーツ用具の部分であって、前記スポーツ用具の部分が、少なくとも部分的に、プラスチック複合材料部材(10)として形成され、プラスチック複合材料部材(10)が、薄い硬質のプラスチックの外側層(12)、外側層の内部で隣接する少なくとも1つのエラストマー層(14)、および、前記エラストマー層とその内部で隣接し、繊維強化プラスチック(FRP)、炭素繊維強化プラスチック(CRP)またはガラス繊維強化プラスチック(GRP)からなる少なくとも1つの金属および/またはプラスチックのキャリア層(16)から形成されることを特徴とする、スポーツ用具の部分。
【請求項29】
ボディプロテクター、保護ヘルメット、保護シールド、装甲車両の保護部、分裂保護部または突き刺し保護部などの保護装置であって、前記保護装置が、少なくとも部分的に、プラスチック複合材料部材(10)として形成され、プラスチック複合材料部材(10)が、薄い硬質のプラスチックの外側層(12)、外側層の内部で隣接する少なくとも1つのエラストマー層(14)、および、前記エラストマー層とその内部で隣接し、繊維強化プラスチック(FRP)、炭素繊維強化プラスチック(CRP)またはガラス繊維強化プラスチック(GRP)からなる少なくとも1つの金属および/またはプラスチックのキャリア層(16)から形成されることを特徴とする、保護装置。
【請求項30】
少なくとも部分的に、プラスチック複合材料部材(10)として形成され、プラスチック複合材料部材(10)が、薄い硬質のプラスチックの外側層(12)、外側層の内部で隣接する少なくとも1つのエラストマー層(14)、および、前記エラストマー層とその内部で隣接し、繊維強化プラスチック(FRP)、炭素繊維強化プラスチック(CRP)またはガラス繊維強化プラスチック(GRP)からなる少なくとも1つの金属および/またはプラスチックのキャリア層(16)から形成されることを特徴とする、測定装置または光学装置。
【請求項31】
少なくとも部分的に、プラスチック複合材料部材(10)として形成され、プラスチック複合材料部材(10)が、薄い硬質のプラスチックの外側層(12)、外側層の内部で隣接する少なくとも1つのエラストマー層(14)、および、前記エラストマー層とその内部で隣接し、繊維強化プラスチック(FRP)、炭素繊維強化プラスチック(CRP)またはガラス繊維強化プラスチック(GRP)からなる少なくとも1つの金属および/またはプラスチックのキャリア層(16)から形成されることを特徴とする、建設機械。
【請求項32】
橋梁または橋梁のベアリングのような、構造物または構造物の部分であって、前記構造物または構造物の部分が、少なくとも部分的に、プラスチック複合材料部材(10)として形成され、プラスチック複合材料部材(10)が、薄い硬質のプラスチックの外側層(12)、外側層の内部で隣接する少なくとも1つのエラストマー層(14)、および、前記エラストマー層とその内部で隣接し、繊維強化プラスチック(FRP)、炭素繊維強化プラスチック(CRP)またはガラス繊維強化プラスチック(GRP)からなる少なくとも1つの金属および/またはプラスチックのキャリア層(16)から形成されることを特徴とする、構造物または構造物の部分。
【請求項33】
少なくとも1つの薄くて硬質のプラスチックの外側層(72)およびそこに接続した少なくとも1つのエラストマー層(74)とから形成され、織布、編物または繊維層(75)が少なくとも1つのエラストマー層(74)に埋め込まれ、プラスチックの外側層(72)の側からの力Fの作用のもとのプラスチック複合材料部材(70)の屈曲弾性係数が、エラストマー層(74)の側からの同じ力Fの作用のもとにおける値よりも大きいことを特徴とする、プラスチック複合材料部材(70)。
【請求項34】
フレキシブルなアーティキュレーション領域(80C)によって相互接続される2つのリジッド領域(80A、80B)を備え、少なくとも1つのエラストマー層(84、85)がフレキシブルなアーティキュレーション領域に供給されていることを特徴とする、プラスチック複合材料部材(80)。
【請求項35】
少なくとも1つのエラストマー層(84)が、また、2つのリジッド領域(80A、80B)中に延びていることを特徴とする、請求項34に記載のプラスチック複合材料部材(80)。
【請求項36】
フレキシブルなアーティキュレーション領域(80C)によって相互接続される2つのリジッド領域(80A、80B)を備え、少なくとも1つの織布、編物または繊維層(82)がフレキシブルなアーティキュレーション領域に供給されていることを特徴とする、プラスチック複合材料部材(80)。
【請求項37】
織布、編物または繊維層(82)が、また、2つのリジッド領域(80A、80B)中に延びていることを特徴とする、請求項36に記載のプラスチック複合材料部材(80)。
【請求項38】
少なくとも1つのエラストマー層(84、85)および少なくとも1つの織布、編物または繊維層(82)が、フレキシブルなアーティキュレーション領域(80C)に供給されていることを特徴とする、請求項34乃至37のいずれか1項に記載のプラスチック複合材料部材(80)。
【請求項39】
少なくとも1つの織布、編物または繊維層(82)がガラス繊維またはカーボン繊維から形成されていることを特徴とする、請求項36乃至38のいずれか1項に記載のプラスチック複合材料部材(80)。
【請求項40】
少なくとも1つの織布、編物または繊維層(82)が単方向繊維から形成されていることを特徴とする、請求項36乃至39のいずれか1項に記載のプラスチック複合材料部材(80)。
【請求項41】
少なくとも1つの織布、編物または繊維層(82)が双方向繊維から形成されていることを特徴とする、請求項36乃至39のいずれか1項に記載のプラスチック複合材料部材(80)。
【請求項42】
少なくとも1つの織布、編物または繊維層(82)が弾性的に拡張可能な繊維から形成されていることを特徴とする、請求項36乃至38または40乃至41のいずれか1項に記載のプラスチック複合材料部材(80)。
【請求項43】
エラストマー層(104)がコア層としてプラスチック複合材料部材(100)の中立繊維の領域に設けられていることを特徴とする、請求項1乃至15のいずれか1項に記載のプラスチック複合材料部材(100)。
【請求項44】
コア層としてプラスチック複合材料部材(100)の中央に配置されたエラストマー層(104)が、炭素プリプレグ(106)の複数層によって両側で接続されていることを特徴とする、請求項43に記載のプラスチック複合材料部材(100)。
【請求項45】
エラストマーからなる付加コーティングを有する、媒体と面する面に設けられた、媒体導入容器または媒体導入ラインの壁として使用されることを特徴とする、請求項1乃至44のいずれか1項に記載のプラスチック複合材料部材。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公表番号】特表2012−523334(P2012−523334A)
【公表日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−505087(P2012−505087)
【出願日】平成22年4月14日(2010.4.14)
【国際出願番号】PCT/EP2010/002293
【国際公開番号】WO2010/118860
【国際公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(511245156)グミヴェルク クライブルク ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト (1)
【氏名又は名称原語表記】GUMMIWERK KRAIBURG GmbH & CO.KG
【Fターム(参考)】