説明

加飾性多層共押出成形体

【課題】断面形状が特定方向において異なったり、曲線部を有したり、長尺であったりしても、低コストで簡便に製造可能で、深みのある模様をムラなく有し、加飾性を備えた合成樹脂曲げ加工板を提供すること。
【解決手段】熱可塑性合成樹脂からなる基材層(3)、熱可塑性合成樹脂からなる模様付き加飾層(2)、および透明または半透明合成樹脂からなる厚み250〜900μmの表面層(1)の少なくとも3層からなる多層共押出成形体が金型で加熱加圧成形されてなることを特徴とする合成樹脂曲げ加工板。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、住宅用等に使用できる、加飾性を備えた合成樹脂曲げ加工板に関する。
【背景技術】
【0002】
住宅等の内外装材や室内のユニットバスやキッチンのカウンター部材として、模様や光沢などの加飾性を備えた合成樹脂板材が多種使用されている。加飾性を備えた合成樹脂板材として、例えば、熱可塑性合成樹脂からなる基材層、熱可塑性合成樹脂からなる加飾層、および透明または半透明合成樹脂からなる表面層の少なくとも3層からなる成形体が知られている。そのような合成樹脂板材は、一般には共押出成形方法によって均一且つ一定の形態で優れた生産性をもって成形できる。また、異型押出によって断面がL型をしたものやリブ構造を有する成形品も連続して製造できる。しかしながら、押出方向において一定の断面形状を有するものが容易に成形できる反面、断面形状が変動するものを成形することは極めて困難であり、ましてや、曲線部を有する異型製品を製造することは更に困難であった。
【0003】
合成樹脂板材の立体構造品を製造する方法として、折曲げ手段はそのひとつであり、平板状の合成樹脂板材から立体構造を形成することが可能である。折曲げを容易にするため、しばしば折曲げ部にカット加工が行われる。特許文献1〜4には折曲げ加工するためのカット溝の形成が記載されている。
【特許文献1】実開平1-161145号公報
【特許文献2】特開平6-246827号公報
【特許文献3】実開平9-32266号公報
【特許文献4】特開2004−160737号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術では平板状の合成樹脂板材を製造した後、折曲げ部ごとにカット溝を形成するので作業が煩雑であった。
【0005】
そこで、本発明の発明者等は多層共押出成形体を加熱加圧成形することを試みたところ、白濁や凹凸により模様にムラが生じたり、模様に深みが出ないなどの新たな外観不良の問題が生じた。そのような問題は曲げ部、特に3面からなる頂点部としての曲げ部において顕著であった。
【0006】
本発明は、断面形状が特定方向において異なったり、曲線部を有したり、長尺であったりしても、低コストで簡便に製造可能で、深みのある模様をムラなく有し、加飾性を備えた合成樹脂曲げ加工板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、熱可塑性合成樹脂からなる基材層(a)、熱可塑性合成樹脂からなる模様付き加飾層(b)、および透明または半透明合成樹脂からなる厚み250〜900μmの表面層(c)の少なくとも3層からなる多層共押出成形体が金型で加熱加圧成形されてなることを特徴とする合成樹脂曲げ加工板に関する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の合成樹脂曲げ加工板は深みのある模様をムラなく有し、しかも加飾性を備えている。
本発明の合成樹脂曲げ加工板は、多層共押出成形体を金型で加熱加圧成形することによって曲げ部が付与されるので、断面形状が押出方向において異なったり、曲線部を有したり、長尺であったりしても、低コストで簡便に製造され得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の合成樹脂曲げ加工板(以下、単に「曲げ加工板」ということがある)を形成する多層共押出成形体は、図1に示すように、基材層3(a)、加飾層2(b)、および表面層1(c)の少なくとも3層からなる平板状のものである。以下、多層共押出成形体を単に多層成形体ということがある。
【0010】
基材層(a)は曲げ加工板に厚みを持たせて、内外装材として使用した場合に高級感と重厚感を付与すると共に、曲げ加工板に強度を持たせ、且つ下地構造体への取り付けを容易にするという役割を有する。相当の厚さを持たせた場合でも加工性と軽量性を保持することができるように、また多層成形時や加熱加圧成形時の冷却工程での反りや変形を防止するためにも、基材層には低発泡又は非発泡の熱可塑性合成樹脂が用いられる。多層共押出成形体の厚みは基材層の厚さによって大略決定されるが、基材層の厚さは用途によって広い範囲で変えることができ、通常3〜18mmの範囲で自由に設計することができる。
【0011】
基材層は単色均一なものでもよいが、加飾層を透明または半透明にした場合には、基材層に模様を付けることにより、加飾層の模様と重なり合って従来にない立体感と深みのある、しかも複雑な色配合をもった模様をより有効に現出することができる。基材層の模様は、粉体や着色剤を混合することによる分散模様であってもよいし、発泡状態の粗密によるものであってもよいし、または表面凹凸によるものでもよいし、更に他の方法による模様であってもよい。
【0012】
基材層を形成する熱可塑性合成樹脂は、ポリ塩化ビニル樹脂(以後、PVC樹脂という)、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合樹脂(以後、ABS樹脂という)、ポリスチレン樹脂(以後、PS樹脂という)、ハイインパクトポリスチレン樹脂(以後、HIPS樹脂という)、アクリロニトリル-スチレン共重合樹脂(以後、AS樹脂という)、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂またはこれらの混合樹脂等を用いることができる。成形性、強靭性、経済性の面から特に好ましいのはPVC樹脂、ABS樹脂である。これらの熱可塑性合成樹脂には、炭酸カルシウム、タルク、マイカ、シラスバルーン等の充填材や軽量化材、ガラス繊維やセルロース繊維等の補強材、難燃剤、その他の、合成樹脂成形体に添加される各種添加材を含むことができる。特にPVCのような熱安定性にかける樹脂を用いる場合には、熱安定剤、滑剤を配合することが一般には不可欠である。
【0013】
基材層が低発泡性を有する場合、当該基材層の発泡倍率は1.1〜5.0倍、好ましくは1.5〜3.0倍である。なお、発泡倍率は、樹脂の真比重と成形品の比重から算出する。すなわち、真比重/成形品比重の値を発泡倍率とする。例えばABS樹脂の真比重が1.1とし、成形品の比重が0.55であるとすると、発泡倍率は2.0倍となる。
【0014】
加飾層(b)は模様を有する非発泡熱可塑性合成樹脂層であって、視覚的に美観を喚起させ得る層である。
加飾層を形成する熱可塑性合成樹脂は、押出成形性を有するものであれば特に制限されるものではなく、PVC樹脂;ABS樹脂;PS樹脂;HIPS樹脂;AS樹脂;;アクリロニトリル-アクリルゴム-スチレン共重合樹脂(以下、「AAS樹脂」という);クリロニトリル-エチレンプロピレンゴム-スチレン共重合樹脂(以下、「AES樹脂」という);ポリエチレン樹脂;ポリプロピレン樹脂;PET樹脂;ポリメチルメタクリレート(以下、PMMAと記す)、メチルメタクリレート-ブチルアクリレート共重合体、メチルメタクリレート-スチレン共重合体などのアクリル系樹脂;ニトリル樹脂またはこれらの混合樹脂等を使用することができる。
【0015】
加飾層を通して、加飾層の模様と基材層の模様を重ね合わせて深みのある模様を発現するという効果を達成するため、加飾層のベース樹脂として透明な合成樹脂を用いて加飾層を透明または半透明としてもよい。そのような合成樹脂としてはPVC樹脂、アクリル系樹脂、透明ABS樹脂、AS樹脂、PET樹脂、ニトリル樹脂またはこれらの混合樹脂等を使用することができる。特に好ましい樹脂はアクリル系樹脂、中でもPMMA樹脂である。
【0016】
加飾層に模様を形成するには下記の種々の方法が可能である:
(a)合成樹脂中にマイカ粉末;バーミキュライト粉末;金属粉末;金属箔粉末;セルロース等の有機繊維;木粉;熱硬化性樹脂等の粉粒体類;から選択される1種または2種以上の加飾性粉粒体を分散させる方法、
(b)合成樹脂中に1種または2種以上の着色剤を不均一に分散させる方法、
(c)金型により加飾層に凹凸を付与し、樹脂密度の差で濃淡を引き出す方法、等。
本発明では加飾層の模様形成方法として特に限定するものではないが、好ましいのは(a)の加飾性粉粒体を分散させる方法によるものである。上記方法は組み合わせて採用してもよい。特に(a)の方法を採用すると石目模様や斑点模様が良好に形成される。
【0017】
加飾層の厚さは、本発明の目的が達成される限り特に制限されず、通常は0.1〜2.5mmである。白濁や凹凸等による模様のムラをより有効に防止し、より深みのある模様を得る観点から、好ましくは300〜900μm、より好ましくは400〜800μmである。
【0018】
耐候性、成形性及び表面加飾性の観点から、加飾層の樹脂と基材層の樹脂とは以下の組み合わせで使用されることが好ましい。
(1)加飾層の樹脂;PMMA樹脂−基材層の樹脂;ABS樹脂;
(2)加飾層の樹脂;ABS樹脂−基材層の樹脂;ABS樹脂;
(3)加飾層の樹脂;AES樹脂−基材層の樹脂;ABS樹脂;
(4)加飾層の樹脂;PMMA樹脂−基材層の樹脂;PVC樹脂;
【0019】
加飾層の樹脂として基材層との接着性の良くない樹脂を用いる場合は、基材層と加飾層との間に接着層を設けても良い。
例えば、加飾層の樹脂がPMMA樹脂であって、基材層の樹脂がPS樹脂である場合、メチルメタクリレート−スチレン共重合樹脂等からなる接着層を設ければよい。
【0020】
表面層(c)は透明または半透明の合成樹脂層である。これによって、深みのある模様を得ることができ、また耐候性が向上する。
【0021】
表面層を形成する透明合成樹脂としては、加飾層のところで記載したものと同じものが使用可能であるが、好ましくはアクリル系樹脂、ABS、AS、AAS、AES、PVCである。より好ましい表面層(c)の合成樹脂はアクリル系樹脂、特にPMMAである。
表面層樹脂には種々の物性を高めるために、通常合成樹脂に用いられる種々の添加剤を添加してもよい。
また透明性を損なわない範囲で着色剤を配合することもできる。
【0022】
表面層の厚さは250〜900μmである。厚みが薄すぎると、加熱加圧成形時において、加飾層が曲げ部分表面に滲出するため、模様に深みが出ないと共に模様にムラが生じる。特に、加飾層に前記(a)の方法により模様を形成した場合、成形後、曲げ部において加飾性粉粒体が表面に現出し易くなるので、当該粒子に基づく凹凸により模様ムラが生じ易い。厚みが厚すぎると効果が変わらない割りには経済的に不利となり、また加熱加圧成形時の加工性も低下する。表面層の好ましい厚さは300〜800μm、特に400〜800μmである。加飾性粉粒体の凹凸による模様ムラをより有効に防止できるためである。
【0023】
耐候性、成形性及び表面加飾性の観点から、表面層の樹脂と加飾層の樹脂とは以下の組み合わせで使用されることが好ましい。
(1)表面層の樹脂;PMMA樹脂−加飾層の樹脂;PMMA樹脂;
(2)表面層の樹脂;PMMA樹脂−加飾層の樹脂;ABS樹脂;
【0024】
表面層の樹脂として加飾層との接着性の良くない樹脂を用いる場合は、加飾層と表面層との間に接着層を設けても良い。
【0025】
多層成形体の厚さは4〜20mmであることが好ましく、より好ましくは5〜15mmである。多層成形体の厚みが薄すぎると、多層成形における各層の厚みのムラが生じやすくなる。厚すぎると、効果が変わらない割りには経済的に不利となり、また加熱加圧成形時の加工性も低下する。
【0026】
図1において、加飾層2および表面層1は、基材層3の片面に順次積層されているが、両面に形成されてもよい。
【0027】
多層成形体は共押出成形法によって成形される。すなわち、共押出成形法によって全ての層が一括して成形される。生産性、長尺物成形、製品特性の一定性という面から、図2に示すような共押出成形機により、1個のダイス内で各樹脂を積層して共押出成形するのが最も適切である。加飾層または表面層を塗布法等によって形成すると、基材層と加飾層との間または加飾層と表面層との間で、加熱加圧成形時において剥離が起こり、成形不良となる。
【0028】
共押出成形を行うには、従来から合成樹脂の共押出成形体の製造に使用されている共押出成形機を適宜利用して、通常の共押出成形方法により行うことができる。
【0029】
基材層が低発泡性を有する場合、基材層を低発泡押出するために、上記の基材層の熱可塑性合成樹脂には発泡剤を配合する必要がある。発泡剤は押出温度で分解して気体を発生する固体状の発泡剤が好ましく、このような発泡剤として重炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、アゾジカルボン酸アミド、ベンゼンスルホニルヒドラジド等を用いることができる。
【0030】
本発明の合成樹脂曲げ加工板は、上記のような多層共押出成形体が金型で加熱加圧成形されて、3次元形状を付与されたものである。特に、3次元形状の凹凸を表現するうえで極めて有効であるため、加熱加圧と共に空気圧を利用する真空成形法や圧空成形法を用いることが多いが、この真空成形法等では一般的に層間剥離が生じやすい。本発明において上記多層共押出成形体は層間剥離を有効に防止するため、そのような成形法は特に有効である。
【0031】
また本発明の合成樹脂曲げ加工板は、例えば図4に示すように、曲げ部(矢印)を有するものであり、図3に示すように、加熱加圧成形によって当該曲げ部が付与されるので、たとえ断面形状が押出方向において異なったり、曲線部を有したり、長尺であったりしても、低コストで簡便に製造され得る。図3(A)および(B)はいずれも、図4に示す合成樹脂曲げ加工板10を成形するときのX−Y断面の模式図である。図4において「D」は例えば、共押出成形時の押出方向を示す。
【0032】
詳しくは図3(A)に示すように多層成形体20を、まず、加熱された上下金型(21,22)間に保持して、軟化させる。多層成形体は上下金型による加圧によって所定の形状に成形され得る程度に軟化されればよく、通常は、当該成形体の上下面の表面温度が100〜150℃、好ましくは110〜150℃、より好ましくは125〜145℃になるまで加熱される。成形体の表面温度が低すぎると、成形が十分に行われず、特にその曲げ部に割れが生じる。成形体の表面温度が高すぎると、白濁が生じ模様に深みが出ない。また模様にムラが生じる。
【0033】
上下金型間に保持されるときの、多層成形体の表裏(向き)は特に制限されず、多層成形体の所定の面に所定の形状が付与されればよい。例えば、多層成形体が基材層3の片面に加飾層2および表面層1を順次積層してなる構造を有する場合、当該多層成形体は基材層面が上型と対向するように保持されてもよいし、または下型と対向するように保持されてもよい。
【0034】
上下金型の材質は、所定の形状を多層成形体に付与できれば特に制限されず、例えば、シリコン樹脂、アルミニウム等であってよい。
【0035】
多層成形体の軟化を十分に行った後は、上下金型によって多層成形体に対する加圧を行い、上下金型成形面が有する形状を多層成形体に転写させる。加圧時の圧力および加圧時間は所定の形状が多層成形体に付与される限り、特に制限されるものではない。
【0036】
多層成形体に金型形状が十分に転写されたら、上下金型を開放して冷却することによって、図4に示すような合成樹脂曲げ加工板を得ることができる。
【0037】
本発明の曲げ加工板は加熱加圧成形によって3次元形状を付与されるので、基材層、加飾層および表面層の厚さはそれぞれ、一般に、多層成形体のときとほとんど同じか、またはそれよりも薄くなっている。特に、図4に示すような3面からなる頂点部としての曲げ部R(矢印R)において曲げ加工板の加飾層および表面層の厚さは最も小さく、多層成形体の加飾層および表面層の厚さが、例えば前記範囲内にあるとき、当該曲げ部Rの各層の厚さは通常は以下の範囲内にある。
加飾層;0.08〜2.0mm、特に0.1〜0.6mm;
表面層;0.1〜0.8mm、特に0.2〜0.6mm。
【0038】
本発明の曲げ加工板が有する3次元形状は、本発明の目的が達成される限り特に制限されるものではない。
【実施例】
【0039】
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明する。「部」は「重量部」を意味するものとする。
【0040】
(実施例1〜5および比較例1〜3)
基材層、加飾層および表面層の配合物をそれぞれ、図2に示すような共押出成形機により、基材層用押出機C、加飾層用押出機B、表面層用押出機Aから同時に押出し、ダイス内で積層し、冷却後に所定長さに切断し、表1に示す3層の多層成形体を成形した。多層成形体は平板形状を有し、長さ1200mm×幅400mm×所定厚みの寸法を有していた。押出条件は次の通りである:
基材用押出機: 45φ、二軸押出機(押出温度 180℃)
加飾層用押出機:40φ、一軸押出機(押出温度 200℃)
表面層用押出機:40φ、一軸押出機(押出温度 200℃)
基材層、加飾層および表面層にはそれぞれ表に示す配合物を用いた。
【0041】
多層成形体に対し、真空引きを伴う加熱加圧成形を行い、図4に示すような合成樹脂曲げ加工板10を得た
詳しくは図3(A)に示すように多層成形体20を、加熱された上型21(380℃)と下型22(380℃)との間で保持した。多層成形体20は基材層面が上型21と対向するように保持した。上型21はシリコン樹脂からなり、下型22はアルミニウムからなっていた。多層成形体20の上面温度が130℃、下面温度が140℃になったとき、図3(B)に示すように、下型22を上方移動させると同時に上型21を下方移動させて、30秒間加圧した。その後、上型21−下型22間を開放し、冷却し、図4に示す合成樹脂曲げ加工板10を得た。
【0042】
(評価)
・模様のムラ
合成樹脂曲げ加工板の表面を目視により観察した。
○;模様にムラは全く生じていなかった;
△;商品として支障はないが、若干模様ムラが生じている;
×;模様にムラが生じ、商品として支障がある。
【0043】
・模様の深み
合成樹脂曲げ加工板の表面を目視により観察した。
○;模様に深みがでていた;
×;模様に深みがでていなかった。
【0044】
・厚さ
厚さは、成形体断面を拡大鏡で見ることにより実測した。表中、曲げ加工板の厚さとは、図4に示す曲げ部R(矢印R)における厚さである。
【0045】
【表1】

【0046】
【表2】

【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明の合成樹脂曲げ加工板は住宅等の内外装材や室内のユニットバスやキッチンのカウンター部材として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の合成樹脂曲げ加工板の製造のための多層成形体の断面構造の一例を示す模式図である。
【図2】本発明の合成樹脂曲げ加工板の製造のための共押出成形機の一例を示す模式図である。
【図3】(A)および(B)は、本発明の合成樹脂曲げ加工板の製造のための加熱加圧成形の一例を示す模式的フロー図である。
【図4】本発明の合成樹脂曲げ加工板の一例を示す模式的見取り図である。
【符号の説明】
【0049】
1:表面層、2:加飾層、3:基材層、A:表面層用押出機、B:加飾層用押出機、C:基材層用メイン押出機、10:合成樹脂曲げ加工板、20:多層成形体、21:上型、22:下型。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱可塑性合成樹脂からなる基材層(a)、熱可塑性合成樹脂からなる模様付き加飾層(b)、および透明または半透明合成樹脂からなる厚み250〜900μmの表面層(c)の少なくとも3層からなる多層共押出成形体が金型で加熱加圧成形されてなることを特徴とする合成樹脂曲げ加工板。
【請求項2】
多層共押出成形体の厚みが4〜20mmである請求項1に記載の合成樹脂曲げ加工板。
【請求項3】
加飾層(b)の厚みが300〜900μmである請求項1または2に記載の合成樹脂曲げ加工板。
【請求項4】
加飾層(b)の厚みが400〜800μmであり、表面層(c)の厚みが400〜800μmである請求項1〜3のいずれかに記載の合成樹脂曲げ加工板。
【請求項5】
表面層(c)がアクリル系樹脂からなる請求項1〜4のいずれかに記載の合成樹脂曲げ加工板。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−36832(P2008−36832A)
【公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−209887(P2006−209887)
【出願日】平成18年8月1日(2006.8.1)
【出願人】(000001096)倉敷紡績株式会社 (296)
【Fターム(参考)】