説明

劣化検知システム及び劣化検知方法

【課題】路側機の通信性能の劣化を検知することができ、故障して通信不能となる前にメンテナンスを可能とさせる劣化検知システムを提供する。
【解決手段】交通状況取得部15は、道路に設置された車両感知器7から得られる感知器情報に基づいて受信エリアA内の交通状況に関する交通状況情報を取得する。予測部16は、取得された交通状況情報に基づいて、受信エリアA内に存在している車載機2から発信された無線信号を、路側機1が所定期間内に受信する受信予定回数Qを予測する。劣化検出部17は、受信予定回数Qと実際に受信した実受信回数Rとを比較することによって、路側機1の通信性能の劣化を推定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、路側通信装置の通信性能の劣化を検知する劣化検知システム及び劣化検知方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、交通安全の促進や交通事故の防止を目的として、道路に設置されたインフラ装置からの情報を受信し、この情報を活用することで車両の安全性を向上させる高度道路交通システム(ITS:Intelligent Transport System)が検討されている(例えば、特許文献1参照)。
この交通システムは、主に、インフラ側の通信装置としての複数の路側通信装置と、各車両に搭載される通信装置である車載通信装置(移動端末)とによって実現される。通信の組み合わせとしては、路側通信装置同士での路路間通信と、路側通信装置と車載通信装置とによる路車(または車路)間通信と、車載通信装置同士での車車間通信とがある。
【0003】
【特許文献1】特許第2806801号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
路側通信装置は、例えば道路の各交差点に設置されていて、ある交差点に設置された路側通信装置から送信された情報を、近隣または同一の交差点に設置された他の路側通信装置が受信することができる。このような路路間通信が行われるとともに、路側通信装置と、その周囲を走行している車両の車載通信装置との間で路車間通信が行われることにより、車載通信装置に、例えば交差点の死角になっている部分の情報を予め通知することが可能となり、交差点における交通事故を未然に防止することができる。
【0005】
しかし、路側通信装置は屋外である例えば交差点に設置されており、また、長期間にわたって使用されていると、路側通信装置が備えているアナログ回路やアンプ等が劣化し、周波数が変動したり、通信エリアが減少したり、通信マージンが減少したりする。
このまま路側通信装置が放置されていると、劣化が進行し、やがて他の通信装置との間で無線通信ができなくなる(故障する)。この場合、故障した路側通信装置と通信相手となっている他の通信装置において、受信エラーが多く発生することとなるが、例えば、その受信エラーの発生率が、予め定められた閾値よりも大きくなることを、当該他の通信装置が検出することで、前記路側通信装置が故障したことを検知することができる。
【0006】
しかし、路側通信装置が故障して通信不能になったことを検知してから、修理や交換をする場合では、その路側通信装置の運用が長期間にわたって停止されてしまうおそれがある。
そこで、本発明は、路側通信装置の通信性能の劣化を検知することができ、路側通信装置が故障して通信不能となる前に、路側通信装置のメンテナンスを可能とさせる劣化検知システム及び劣化検知方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明は、車載通信装置から発信された無線信号を受信できる受信エリアを道路上に有している路側通信装置の通信性能の劣化を検知する劣化検知システムであって、前記道路に設置された車両感知器から得られる感知器情報に基づいて前記受信エリア内の交通状況に関する交通状況情報を取得する交通状況取得部と、取得された前記交通状況情報に基づいて、前記受信エリア内に存在している前記車載通信装置から発信された無線信号を、前記路側通信装置が所定期間内に受信する受信予定回数を予測する予測部と、前記受信予定回数と、前記車載通信装置から発信された無線信号を前記路側通信装置が前記所定期間内に実際に受信した実受信回数と、を比較することによって、前記路側通信装置の通信性能の劣化を推定する劣化検出部とを備えたことを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、交通状況取得部が、車両感知器から得られる感知器情報に基づいて受信エリア内の交通状況に関する交通状況情報を取得すると、予測部は、取得された交通状況情報に基づいて、受信エリア内に存在している車載通信装置から発信された無線信号を、路側通信装置が所定期間内に受信する受信予定回数を予測する。
なお、車両感知器から得られる感知器情報は、例えば、車両感知器の感知エリアを単位時間に通過した車両の台数や、当該車両の走行速度である。そして、前記交通状況情報は、路側通信装置の受信エリアに存在している車両の台数や走行速度についての情報である。
【0009】
そして、前記予測部が受信予定回数を予測すると、劣化検出部は、前記受信予定回数と、路側通信装置が前記所定期間内に実際に受信した実受信回数とを比較する。ここで仮に、路側通信装置の通信性能が劣化して(性能が低下して)前記受信エリアが狭くなっていれば、実受信回数は減少する。このため、劣化検出部が、前記比較により、実受信回数が受信予定回数よりも(例えば閾値以上に)減少していると判定した場合、劣化検出部は、路側通信装置の通信性能の劣化を推定する。
このように、路側通信装置の劣化を推定することができるので、劣化が推定された路側通信装置が故障して通信不能となる前に、路側通信装置のメンテナンス等が可能となり、路側通信装置の故障の予防が可能となる。
【0010】
なお、前記受信予定回数を、ある値として予測部は求めてもよく、この場合、実受信回数との差異が所定の閾値以内であるか否かを基準として、劣化検出部は、路側通信装置の通信性能の劣化を推定してもよい。又は、前記受信予定回数を、所定の幅を持つ数値範囲として予測部は求めてもよく、この場合、実受信回数がその数値範囲内に入っているか否かを基準として、劣化検出部は、路側通信装置の通信性能の劣化を推定してもよい。このように、劣化検出部による前記比較には、前記のような双方の手段が含まれる。
【0011】
そして、予測部による受信予定回数の予測方法としては、例えば以下のような方法がある。
予め与えられ定期的に更新される車載通信装置の車両への搭載率と車両台数とから、受信エリア内およびその近傍に同時に存在する車載通信装置の予想台数を算出する。そして、車載通信装置の台数と受信予定回数とを対応付けたテーブル(情報)を事前に用意しておき、当該テーブルを参照することにより、前記算出した車載通信装置の予想台数に基づいて受信予定回数を算定する方法である。
又は、例えば1週間あるいは1月といった期間において、交通状況と実受信回数の実績値を統計データとして記憶しておき、現状の交通状況と似通った交通状況における過去の統計データに基づいて受信予定回数を予測しても良い。
【0012】
(2)そこで、前記劣化検知システムは、前記交通状況情報と、前記受信予定回数とが対応付けられた対応情報を記憶している記憶部を更に備え、前記予測部は、取得された前記交通状況情報に基づいて、前記受信予定回数を予測する構成とすることによって、予測部は、受信予定回数を予測することができる。
【0013】
(3)また、前記劣化検知システムは、前記車載通信装置が発信した前記無線信号に含まれている当該車載通信装置の識別情報を取得する識別情報取得部を更に備え、前記予測部は、取得された前記識別情報に基づいて、一つの前記車載通信装置から前記所定期間内に発信された無線信号の受信回数を検知する回数検知部と、検知された受信回数に基づいて前記受信予定回数を補正する補正部を有しているのが好ましい。
【0014】
前記路側通信装置の受信エリア内で、一つの車載通信装置から前記所定期間内に無線信号が複数回発信され、路側通信装置が当該無線信号を複数回受信している場合、車載通信装置の数は一つであっても前記複数回の受信が前記実受信回数に含まれてしまう。この場合、路側通信装置が正常であっても、実受信回数と受信予定回数とに齟齬が生じてしまう。
しかし、識別情報取得部が車載通信装置の識別情報を取得することで、予測部の回数検知部が、一つの車載通信装置から所定期間内に発信された無線信号の受信回数を検知することにより、当該一つの車載通信装置から発信された無線信号を複数回受信していることが判り、予測部の補正部は、前記受信予定回数を補正することで、劣化検出部は、実受信回数と、補正した受信予定回数とを比較することができ、判定精度を高めることが可能となる。
【0015】
(4)また、本発明は、車載通信装置から発信された無線信号を受信できる受信エリアを道路上に有している路側通信装置の通信性能の劣化を検知する劣化検知方法であって、前記道路に設置された車両感知器から得られる感知器情報に基づいて前記受信エリア内の交通状況に関する交通状況情報を取得し、取得した前記交通状況情報に基づいて、前記受信エリア内に存在している前記車載通信装置から発信された無線信号を、前記路側通信装置が所定期間内に受信する受信予定回数を予測し、前記受信予定回数と、前記車載通信装置から発信された無線信号を前記路側通信装置が前記期間内に実際に受信した実受信回数と、を比較することによって、前記路側通信装置の通信性能の劣化を推定することを特徴とする。
【0016】
本発明によれば、車両感知器から得られる感知器情報に基づいて受信エリア内の交通状況に関する交通状況情報を取得すると、取得された交通状況情報に基づいて、受信エリア内に存在している車載通信装置から発信された無線信号を、路側通信装置が所定期間内に受信する受信予定回数を予測する。受信予定回数を予測すると、当該受信予定回数と、路側通信装置が前記所定期間内に実際に受信した実受信回数とを比較する。ここで仮に、路側通信装置の通信性能が劣化して(性能が低下して)前記受信エリアが狭くなっていれば、実受信回数は減少する。このため、前記比較により、実受信回数が受信予定回数よりも(例えば閾値以上に)減少していると判定した場合、路側通信装置の通信性能の劣化を推定する。
このように、路側通信装置の劣化を推定することができるので、劣化が推定された路側通信装置が故障して通信不能となる前に、路側通信装置のメンテナンス等が可能となり、路側通信装置の故障の予防が可能となる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、通信性能の劣化が推定された路側通信装置が故障して通信不能となる前に、その路側通信装置のメンテナンスが可能となるので、路側通信装置の故障の予防が可能となる。路側通信装置が故障して通信不能となってからでは、その路側通信装置の運用が長期間にわたって停止されてしまうおそれがあるが、本発明によれば、このような長期間の運用の停止を防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
〔交通システム〕
図1は、交通システムが設けられている道路の模式図であり、図2は図1の一部(二点鎖線で囲まれた部分)を拡大して説明している説明図である。
交通システムは、複数の路側通信装置(以下、「路側機」という)1を有している。図1では路側機1として、路側機1A〜1Iが示されている。また、この交通システムは、道路を走行している車両5(図2参照)を感知する車両感知器7を有している。図1では路側機1Aの近傍に一つの車両感知器7が代表として示されているが、交通システムは複数の車両感知器を有している。
【0019】
さらに、交通システムは、複数の路側機1及び車両感知器7を統括する交通管制センターの中央制御装置4を有している。これら路側機1及び車両感知器7は、交通管制センターの中央制御装置4と接続されていて、中央制御装置4と、路側機1及び車両感知器7のそれぞれとの間は、有線または無線で通信可能である。また、路側機1と車両感知器7との間においても、有線または無線で通信可能である。
【0020】
車両5には、車載通信装置(以下、「車載機」という)2が搭載されている。車載機2は無線信号を発信する。路側機1(1A)は、交差点(交差点の近傍を含む)Jに設置されていて、前記車載機2との間で通信が可能である。つまり、路側機1(1A)は、道路上の所定領域に通信エリア(送信エリア及び受信エリアA)を有するように設定されていて、受信エリアAに進入した車両5の車載機2から発信された無線信号を受信することができる。この路側機1と車載器2との間の通信を「路車間通信」というものとする。
【0021】
また、各車載機2は、路側機1との通信の他、他の車載機2との間の通信も可能であり、車載機2同士で情報を交換することが可能である。この車載機2同士の通信を「車車間通信」というものとする。
さらに、路側機1(例えば路側機1A)は、他の路側機(路側機1B,1C,1D,1E)との間の通信も可能であり、路側機1同士で情報を交換することが可能である。この路側機1同士の通信を「路路間通信」というものとする。
なお、交通システムが使用する周波数は、例えば720MHz帯であり、特に路路間通信では2.4GHzや5GHz帯がある。
【0022】
車両感知器7は、カメラ式、超音波式、光学式等とすることができ、路側機1とは別に設けられ、車両感知器7が設置されている道路を走行する車両5を感知する。図2において、車両感知器7は、感知ヘッド7aと感知器制御部7bとを有し、感知器制御部7bは、感知エリアを通過した車両5の台数及び当該車両5の速度を求めることができる。求められた台数及び速度についての情報(感知情報)は、中央制御装置4及び路側機1(1A)に送信される。このため、路側機1(1A)は、車両5に搭載した車載機2からの無線信号(無線情報)を受信することができると共に、車両感知器7を介して当該車両5の感知情報も受信することができる。
車両感知器7が超音波式、光学式である場合、感知ヘッド7aが超音波や近赤外線を発信して車両5を検出する形式以外に、車載機2が例えば近赤外線を発信しこれを感知ヘッド7aが感知する形式のものであってもよい。
【0023】
本実施形態では、道路構造の例として、南北方向の複数の道路と、東西方向の複数の道路が交差した碁盤目構造を想定する。したがって、一つの交差点Jには、東西南北の4方位から4本の道路RE,RW,RN,RSが流入するように接続されている。
図2において、各交差点Jには、4本の各道路RE,RW,RN,RS用に4つ(複数)の交通信号灯器20a,20b,20c,20dが設置されている。
また、各交差点の角には、ビル等の障害物がある。なお、道路構造は、上記に限定されるものではない。
【0024】
図3のブロック図に示しているように、各路側機1は、通信装置本体10と、この通信装置本体10に接続されたアンテナ11とを有している。アンテナ11は、前記交通信号灯器20a,20b,20c,20dにそれぞれ設置されている(アンテナ11a,11b,11c,11d)。通信装置本体10が、交通システムを統括している前記交通管制センターの中央制御装置4と通信可能となっている。通信装置本体10は、無線部(送受信部)12と、通信に関する制御を行う制御部13とを有している。制御部13は、CPUを有するマイコンなどからなり、記憶しているプログラムによって各種処理を実行することができる。
【0025】
また、路側機1は、時分割多重方式によって通信を行うことができ、このために、制御部13は時分割スロットの管理を行う。なお、このスロットの管理は、無線部12が行っても良い。
路側機1は、車載機2に対して同報通信(1対多通信)が可能であり、交通情報などを、周囲に存在している車載機2に対して一斉に送信することができる。
【0026】
図3において、車載機2は、通信装置本体20と、通信装置本体20に接続された無指向性アンテナ21とを有している。通信装置本体20は、路側機1の通信装置本体10と同様に、無線部22と、通信に関する制御を行う制御部23とを有している。制御部23は、CPUを有するマイコンなどからなり、記憶しているプログラムによって各種処理を実行することができる。
【0027】
また、車載機2は、路側機1との通信の他、キャリアセンス方式によって、車載機同士の車車間通信が可能である。車載機2のアンテナ21は、無指向性であるため、路側機1や他の車載機2がいずれの方向にあっても電波を受信することができる。
【0028】
以上のように構成された交通システム(路路間、路車間及び車車間の通信システム)の通信方式は、MACレイヤにおいて、TDMA方式とCSMA/CA方式とが組み合わされている。すなわち、路側機1が信号を送信するための時間帯(第一時間帯)が確保されていて、さらに、この第一時間帯における複数の路側機1のスロットの割り当てに、TDMA方式が採用されている。
そして、前記第一時間帯以外の残りの第二時間帯が、車載機2が信号を送信することのできる時間であり、この第二時間帯で例えばCSMA/CA方式による車車間通信が行われる。
【0029】
これにより、第一時間帯では、路側機1同士の路路間通信、路側機1から車載機2へ信号が送られる路車間通信が行われる。そして、第二時間帯では、車載機2から路側機1へ信号が送られる路車間通信、車載機2同士の車車間通信が行われる。なお、第一時間帯では、車載機2は信号の送信が禁止されている。
このように、路側機1が信号を送信する時間(第一時間帯)が優先的に与えられていることで、路側機1から送信される信号の品質を確保している。
【0030】
また、すべての路側機1は、信号を送信するタイミングを制御するために、時刻を同期させる機能を有している。そして、前記交通管制センターの中央制御装置4から、通信によって各路側機1は、前記第一時間帯(および第二時間帯)の時間の割り当てに関する情報(割り当て情報)を得ることができる。各路側機1の記憶部14(図3参照)は、この割り当て情報を記憶することができる。
そして、各路側機1は、時刻を同期させ、通信エリア内に(通信エリア内の車載機2に対して)前記割り当て情報を送信する。
【0031】
したがって、割り当て情報を共有している各路側機1は、第一時間帯の内の指定されたスロットで、路路間通信と路車間通信との内の一方または双方を行うことができる。
一方、割り当て情報を受信して取得した車載機2は、路側機1が信号を送信する時間帯(第一時間帯)と、当該車載機2が信号を送信することが可能となる通信可能時間帯(第二時間帯)とを知ることができる。これにより、車載機2は、第二時間帯で、車路間通信と車車間通信との内の一方または双方を行うことができる。
【0032】
路側機1は、路車間通信のために、受信エリアA内の様々な位置にある車載機2が路側機1に対して送信している無線信号を受信することができる他に、車載機2同士が車車間通信を行っている時間帯(前記第二時間帯)においても、当該車載機2が発信した無線信号を傍受することができる。つまり、車載機2が発信した無線信号が、路側機1を介することなく車載機2同士が直接的に行う移動体通信(車車間通信)のための情報であっても、路側機1は、この移動体通信のための情報を傍受可能となっている。
【0033】
また、車載機2は、キャリアセンス方式によって車車間通信を行っていて、車載機2は、路側機1の受信エリアAを通過するまでの間で、複数回、無線信号を送信することもある。特に、車載機2を搭載している車両5の台数が多く、交通状況が渋滞乃至混雑している場合、1台の車載機2が受信エリアAを通過するまでの時間が長くなり、1台の車載機2が無線信号を送信する回数は増える。この場合、路側機1が無線信号を受信する受信回数は多くなる。
逆に車載機2を搭載している車両5の台数が少なく、走行速度が速い場合、車両5は短時間で受信エリアAを通過するため、受信エリアAを通過する間に1台の車載機2が無線信号を送信できる回数が減る。この場合、路側機1が無線信号を受信する受信回数は少なくなる。しかし、車両5の台数が少なくても、速度が遅い場合、路側機1が無線信号を受信する受信回数は増加する傾向にある。
【0034】
また、本発明では、各路側機1に、予め識別情報がそれぞれ割り当てられていて、各路側機1における記憶部14は、自己の識別情報(ID情報)を記憶していると共に、他の路側機1の識別情報も記憶している。そして、路側機1は、自己の識別情報を含ませて無線信号を発信することができる。
また、各車載機2に、予め識別情報が割り当てられていて、各車載機2における記憶部(図示せず)は、自己の識別情報(ID情報)を記憶している。そして、車載機2は、自己の識別情報を含ませて無線信号を発信することができる。
【0035】
〔劣化検知システム〕
以上のように、交通システムは複数の路側機1及び車両感知器7を有し、これらは中央制御装置4によって統括されている。そして、この交通システムには、路側機1の通信性能の劣化を検知する劣化検知システムSが設けられている(図3参照)。図3の実施形態では、各路側機1(図1のすべての路側機1)の通信装置本体10に、劣化検知システムSが設けられている。劣化検知システムSは、CPU及び記憶部を有しているプログラマブルなマイコンなどからなる。
以下の説明では、図1の路側機1Aにおける通信性能の劣化を検知する場合について説明する。この場合、路側機1Aのアンテナ11が設置されている位置(交差点)から、車両5の走行方向上流側に、車両感知器7は設置されていて、アンテナ11が設置されている位置に向かって走行する車両5を感知するように構成されている。
【0036】
劣化検知システムSが備えている記憶部19には、所定の各機能を実行するプログラムが格納されている。そして、劣化検知システムSは、このプログラムによって実行される機能部として、交通状況取得部15、予測部16、劣化検出部17および識別情報取得部18を備えている。これらの機能部については後に説明する。記憶部19および前記記憶部14は、各種情報やコンピュータプログラムを記憶するROMやRAM等の記憶装置よりなる。
なお、図3では路側機1に劣化検知システムSを設けた場合が示されているが、劣化検知システムSは、中央制御装置4に設けられていてもよく、または、劣化検知システムSの各機能部が、路側機1と中央制御装置4とに分かれて設けられていてもよい。また、各機能部は、通信装置本体10の制御部13が有していてもよい。
【0037】
図4は劣化検知システムSの機能を説明する説明図である。図4(a)は路上に設置された路側機1の受信系の装置の通信性能が劣化する前の状態であり、図4(b)は劣化した状態を示している。なお、路側機1の受信系の装置としては無線部12の例えば信号受信側のアナログ回路やアンプがある。
劣化検知システムSの機能について図3と図4とにより説明する。
【0038】
車両感知器7がカメラ式である場合、感知ヘッド7aはカメラであり、感知器制御部7bは、車両感知器7の感知エリアB(図4(a)参照)を通過する車両5の感知器情報を容易に検出することができる。感知器情報は、前記のとおり、車両感知器7の感知エリアを、単位時間の間(例えば1分間)に通過した車両5の台数及び当該車両5の速度についての情報である。車両5の速度は、平均速度とすることができる。
車両感知器7が超音波式、光学式である場合も、感知器制御部7bが検出する感知情報は、感知エリアB(図4(a)参照)を単位時間の間に通過した車両5の台数及び速度である。なお、この場合、速度は、例えば感知ヘッド7aを複数備えていることによって求められる。
【0039】
そして、感知結果に関する感知器情報が路側機1へ送信され、交通状況取得部15は当該感知情報を取得する。そして、交通状況取得部15は、取得した感知情報に基づいて、路側機1の受信エリアAに存在している車両5a〜5dの交通状況(台数及び速度)に関する交通状況情報を取得する。
このために、交通状況取得部15は、路側機1の正常時における受信エリアAの広さ(車両走行方向の長さ)に関する情報を記憶部19から取得する。この広さに関する情報と、取得した前記感知情報とに基づいて、交通状況取得部15は演算処理することによって、路側機1の受信エリアA内に存在していると思われる車両5の台数を推定することができる。また、車両感知器7の感知エリアBは、路側機1の受信エリアAに含まれていることにより、交通状況取得部15は、感知エリアBにおける車両5の速度を、受信エリアAにおける車両5の速度とみなすことができる。なお、交通状況情報の取得については後にも説明する。
【0040】
前記予測部16は、前記交通状況取得部15によって取得された前記交通状況情報に基づいて、路側機1の受信エリアA内に存在している車載機2から発信された無線信号を、当該路側機1が所定期間(所定時間t:例えば、前記単位時間と同じ1分間)内に受信する受信予定回数Qを予測する機能を有している。
このために、記憶部19には、交通状況情報と、受信予定回数Qとが対応付けられた対応情報(図5)が記憶されている。そして、予測部16は、取得された前記交通状況情報に基づいて、前記受信予定回数Qを予測することができる。
例えば、交通状況取得部15によって取得された交通状況情報が、受信エリアA内の車両5の台数が4台であり、平均速度が60km/hであった場合、図5の対応情報によれば、受信予定回数Q=4であると、予測部16は予測することができる。
【0041】
または、前記対応情報は関数であってもよく、この関数を記憶部19が記憶していて、予測部16が交通状況情報に基づき当該関数を用いて、受信予定回数Qを求めてもよい。この場合、正常時における受信エリアAの広さをL(m)とし、車両5の台数をN(台)とし、平均速度をv(km/h)とすると、受信予定回数Qは、
Q=k×L×N/v (kは係数)
という、関数とすることができる。この関数は、車両5の台数Nに比例し、平均速度vに反比例する関係を有している。
このように、図5のようなデータ又は前記関数によって、予測部16は、取得された交通状況情報に基づいて、受信予定回数Qを予測することができる。
【0042】
また、車載機2が発信する無線信号には、当該車載機2の識別情報(ID情報)が含まれているため、この無線信号を路側機1が受信することにより、前記識別情報取得部18は、車載機2が発信した無線信号に含まれている当該車載機2の識別情報を取得する機能を有している。この場合、前記予測部16は、機能部の一部として、回数検知部16aと補正部16bを有している。
【0043】
前記回数検知部16aは、識別情報取得部18によって取得された車載機2の識別情報に基づいて、一つの車載機2から前記所定期間内(1分間)に発信された無線信号の受信回数(以下、重複受信回数という、)を検知する機能を有している。
例えば、図4(a)において、所定期間内に、受信エリアA内に進入している車両5aが、当該受信エリアA内で例えば3回(複数回)無線信号を路側機1に送信していて、当該路側機1がこの3回の無線信号をすべて受信しているとする。なお、所定期間内に、他の車両5b、5c、5dの車載機2はそれぞれ1回のみ無線信号を路側機1に送信していて、当該路側機1がそれぞれ無線信号を受信しているとする。
【0044】
この場合、路側機1は実際、所定期間内に、車両5aの車載機2からの無線信号を3回と、車両5b、5c、5dの車載機2からの無線信号(それぞれ1回)とを受信し、合計6回の無線信号を受信しているが、受信エリアAに車載機2を搭載した車両が6台存在していたのではない。
そして、図4(a)において、車両感知器7による感知器情報によれば、受信エリアA内の車両台数は4台(5a、5b、5c、5d)であるため、交通状況取得部15が取得する交通状況情報によれば車両5が4台であり、予測部16によって、受信予定回数Qが4回であると予想される。
しかし、前記のとおり、1台の車両5aの車載機2は受信エリアAで3回の無線信号を送信し、路側機1はこれを全て受信しているので、受信予定回数Q(=4回)と、路側機1(無線部12)が実際に受信する実受信回数R(=6回)とが異なる結果となる。
【0045】
しかし、前記回数検知部16aによれば、車載機2の識別情報を参照すれば、1台の車両5aの車載機2が受信エリアAで複数回(3回)、無線信号を送信し、路側機1がこれを受信していることを検知することができ、前記の場合、回数検知部16aは、重複受信回数Mが3回(R=3回)であると検知することができる。
【0046】
そこで、予測部16の前記補正部16bは、回数検知部16aによって検知された前記重複受信回数Mに基づいて、受信予定回数Qを補正する機能を有している。
これは、前記のとおり、前記予測部16が、交通状況情報に基づけば車両5が4台であり、受信予定回数Qを4回であると予想していても、路側機1が実際に受信する実受信回数Rが6回となり、異なる結果となるが、前記補正部16bは、当初の受信予定回数Qに、車載機2毎の重複受信回数Mに1少ない回数(M−1)を加算する演算処理を行う。
つまり、回数検知部16aによって検知された重複受信回数Mが3回である場合、当初の受信予定回数Q=4に、重複受信回数Mに1少ない回数(M−1=3−1=)2を加算して、補正後の受信予定回数Q1を、6回とする(Q1=6)。これにより、補正後の受信予定回数Q1と、実受信回数Rとの間の齟齬は解消される。
【0047】
前記劣化検出部17は、車載機2から発信された無線信号を、路側機1(無線部12)が前記所定期間(所定時間t:1分間)内に実際に受信した実受信回数Rを計上する。そして、劣化検出部17は、予測部16が予測した受信予定回数Qと、前記実受信回数Rとを比較することによって、前記路側機1の通信性能の劣化を推定する。
なお、前記受信予定回数Qは、補正部16bによって補正されている場合、補正後の受信予定回数Q1が採用される。
【0048】
以上のように構成された劣化検知システムSによって実行される、路側機1の劣化検知方法の具体例を説明する。図6は、劣化検知方法を説明するフロー図である。図4と図6とに基づいて説明する。
車両感知器7は、感知エリアBにおける車両5を感知する(図6のステップS1)。車両感知器7(感知器制御部7b)は、単位時間あたりで感知エリアBを通過した車両5の台数及び当該車両5の速度(平均速度)を求める。これら台数及び速度についての感知情報は、路側機1の劣化検知システムSに送信される(ステップS2)。
【0049】
路側機1が感知器情報を受信すると、交通状況取得部15が当該感知器情報を取得し、当該感知器情報に基づいて路側機1の受信エリアAに存在している車両5の交通状況(台数N及び平均速度v)に関する交通状況情報を取得する(ステップS3)。
具体例を説明すると、交通状況取得部15は、路側機1の正常時(図4(a))における受信エリアAの広さ(車両走行方向の長さL)に関する情報を記憶部19から取得する。交通状況取得部15は、車両感知器7によって求められた感知エリアBにおける車両5の平均速度を、受信エリアAにおける車両5の平均速度vとみなす。
そして、前記受信エリアAの広さ(長さL)と、前記平均速度vとによって、車両5が受信エリアAを通過する時間を求める。そして、求めた時間の間で感知エリアBを通過した車両5の台数を計上することにより、交通状況取得部15は、受信エリアAに存在している車両5の台数Nを取得(推定)することができる。
【0050】
予測部16は、交通状況取得部15が取得した前記交通状況情報(台数N及び平均速度v)に基づいて、路側機1の受信エリアA内に存在している車載機2から発信された無線信号を当該路側機1が所定期間内(1分間)に受信する受信予定回数Qを予測する(ステップS4)。
予測部16は、図5の対応関係の情報に基づいて受信予定回数Qを予測してもよく、前記関数に基づいて受信予定回数Qを予測してもよい。
【0051】
そして、予測部16は、受信予定回数Qを調整する必要があるか否かについての判定を行う(ステップS5)。調整が必要な場合としては、例えば、受信エリアAに存在している車両5の台数が少なくても、当該車両5の走行速度が遅い場合である。これは、取得された交通状況情報に基づいて判定することができる。
【0052】
受信エリアAに存在している車両5の台数が少なくても、当該車両5の走行速度が遅い場合、路側機1が実際に受信する受信回数は増加する傾向にある。そこで、図5に示しているように、前記対応情報には、速度に応じた係数kについての情報が含まれている。この係数kは、受信予定回数Qを調整するために(ステップS6)、図5の(基本)受信予定回数Nを増加させるための値である。つまり、予測部16(補正部16b)は、交通状況情報の内の速度vに応じて、(基本)受信予定回数Qに係数kを乗じて、受信予定回数Qを調整してもよい。
【0053】
例えば、交通状況情報の内の台数Nが少なくても(例えば4台であっても)、速度vが30km/hを下回っている場合、予測部16は、(基本)受信予定回数Q=4に、係数k=3を乗じて、受信予定回数Qを12回とするように調整する(ステップS6)。
なお、以下では速度v=60km/hであり、受信予定回数Qを4回として説明する。
【0054】
そして、劣化検出部17は、車載機2から発信された無線信号を、路側機1(無線部12)が所定期間内(所定時間t:1分間)に実際に受信した実受信回数Rを計上する(ステップS7)。
これと共に、路側機1は車載機2から当該車載機2の識別情報(ID情報)を取得しているので、前記補正部16bによる補正を行う(ステップS8)。これは、予測部16の前記回数検知部16aによって検知された重複受信回数Mに基づいて、前記のとおり、受信予定回数Qを補正する。なお、補正が不要である場合は、補正処理は実行されない。
【0055】
ここで、図4(b)は、路側機1の受信系の装置の通信性能が劣化した(性能が低下した)状態を示している。この場合、図4(a)の正常時と比べて、受信エリアAは狭くなっているので、アンテナ11から遠い車両5aの車載機2と車両5dの車載機2が発信した無線信号を、路側機1は受信することができなくなっている。路側機1の受信系の装置としては無線部12の例えば信号受信側のアナログ回路やアンプがある。
【0056】
この場合であっても、車両感知器7は、図4(a)の場合と同じ感知情報を得ることができ、図4(a)の場合と同じ交通状況情報を得ることができる。その交通状況情報によれば、劣化前の受信エリアAを通過する1分あたりの車両5の台数が4台であり、平均速度が60km/hとなり、図5の対応情報によれば、受信予定回数Q=4であると、予測部16は予測することができる。
【0057】
しかし、図4(b)の場合、アンテナ11から遠い車両5aの車載機2と車両5dの車載機2が発信した無線信号を、路側機1は受信することができなくなっているので、1分間に路側機1が車載機2から無線信号を実際に受信する回数は、減少してしまう。すなわち、ステップS7で劣化検出部17が計上する実受信回数Rは、図4(a)の場合よりも減少してしまう。
【0058】
そこで、劣化検出部17は、予測部16が予測した(補正した)受信予定回数Qと、計上した実受信回数Rとを比較し(ステップS9)、路側機1の通信性能の劣化を推定する。
具体的には、受信予定回数Qと実受信回数Rとの差(R−Q)が、閾値α以上である場合、劣化検出部17は、路側機1の受信系装置の通信性能が劣化していると推定する(ステップS10)。なお、閾値αは、例えば、受信予定回数Qの±5%とすることができる。
なお、前記実施形態では、補正部による受信予定回数Qの補正処理(ステップS8)を行ったが、これを省略してもよい。この場合、閾値αを変更する必要があり、例えば、受信予定回数Qの±20%とすることができる。
【0059】
劣化検出部17によって路側機1の受信系の装置の通信性能が劣化していると推定されると(ステップS10)、劣化検出部17は当該路側機1にはメンテナンスが必要である旨のメンテナンス情報を作成する(ステップS11)。このメンテナンス情報は、路側機1の無線部12を通じて、交通管制センターの中央制御装置4(図1)へ送信される。
そして、交通管制センターの管理者が、取得したメンテナンス情報に基づいて、通信性能の劣化が推定された路側機1に対してメンテナンスを行うことが可能となる。このため、劣化が推定された路側機1が故障して通信不能となる前に、路側機1のメンテナンスを行うことができる。つまり、路側機1の故障の予防が可能となる。なお、路側機1が故障して通信不能となってからでは、その路側機1の運用が長期間にわたって停止されてしまうおそれがあるが、本発明によれば、このような長期間の運用の停止を防ぐことができる。
【0060】
また、本発明に関して、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】交通システムが設けられている道路の模式図である。
【図2】図1の一部を拡大して説明している説明図である。
【図3】交通管制センター、車両感知器、路側機および車載機のブロック図である。
【図4】劣化検知システムの機能を説明する説明図である。
【図5】交通状況情報と受信予定回数とが対応付けられた対応情報の説明図である。
【図6】劣化検知方法のフロー図である。
【符号の説明】
【0062】
1 路側機(路側通信装置)
2 車載機(車載通信装置)
5 車両
7 車両感知器
15 交通状況取得部
16 予測部
16a 回数検知部
16b 補正部
17 劣化検出部
18 識別情報取得部
19 記憶部
A 受信エリア
Q 受信予定回数
R 実受信回数
S 劣化検知システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車載通信装置から発信された無線信号を受信できる受信エリアを道路上に有している路側通信装置の通信性能の劣化を検知する劣化検知システムであって、
前記道路に設置された車両感知器から得られる感知器情報に基づいて前記受信エリア内の交通状況に関する交通状況情報を取得する交通状況取得部と、
取得された前記交通状況情報に基づいて、前記受信エリア内に存在している前記車載通信装置から発信された無線信号を、前記路側通信装置が所定期間内に受信する受信予定回数を予測する予測部と、
前記受信予定回数と、前記車載通信装置から発信された無線信号を前記路側通信装置が前記所定期間内に実際に受信した実受信回数と、を比較することによって、前記路側通信装置の通信性能の劣化を推定する劣化検出部と、
を備えたことを特徴とする劣化検知システム。
【請求項2】
前記交通状況情報と、前記受信予定回数とが対応付けられた対応情報を記憶している記憶部を更に備え、
前記予測部は、取得された前記交通状況情報に基づいて、前記受信予定回数を予測する請求項1に記載の劣化検知システム。
【請求項3】
前記車載通信装置が発信した前記無線信号に含まれている当該車載通信装置の識別情報を取得する識別情報取得部を更に備え、
前記予測部は、取得された前記識別情報に基づいて、一つの前記車載通信装置から前記所定期間内に発信された無線信号の受信回数を検知する回数検知部と、検知された受信回数に基づいて前記受信予定回数を補正する補正部を有している請求項1又は2に記載の劣化検知システム。
【請求項4】
車載通信装置から発信された無線信号を受信できる受信エリアを道路上に有している路側通信装置の通信性能の劣化を検知する劣化検知方法であって、
前記道路に設置された車両感知器から得られる感知器情報に基づいて前記受信エリア内の交通状況に関する交通状況情報を取得し、
取得した前記交通状況情報に基づいて、前記受信エリア内に存在している前記車載通信装置から発信された無線信号を、前記路側通信装置が所定期間内に受信する受信予定回数を予測し、
前記受信予定回数と、前記車載通信装置から発信された無線信号を前記路側通信装置が前記期間内に実際に受信した実受信回数と、を比較することによって、前記路側通信装置の通信性能の劣化を推定することを特徴とする劣化検知方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−134662(P2010−134662A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−309217(P2008−309217)
【出願日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】