説明

助成制度提示システムおよび助成制度提示方法

【課題】患者にとって最適な助成制度を提示する助成制度提示システムおよび助成制度提示方法を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明による助成制度提示システムは、利用者が利用可能な助成制度を選択する助成制度提示装置が、前記利用者が操作する利用者端末装置に前記選択した助成制度を表示させる助成制度提示システムであって、前記助成制度提示装置の記憶部は、前記利用者ごとに、当該利用者が利用した医療機関から請求された金額である請求額を記憶している利用者情報と、前記助成制度ごとに、前記助成制度を利用するための条件である利用条件を記憶している助成制度内容管理情報と、を格納し、前記助成制度提示装置の制御部は、前記医療機関からの請求に対して、前記利用条件を満たすか否かの判定を行い、前記利用者が利用可能な前記助成制度を選択する助成制度管理部を、有すること、を特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、利用者に助成制度を提示することができる助成制度提示システムおよび助成制度提示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
公的医療費助成制度は、国や地方公共団体や健康保険組合毎に、異なる条件および助成内容にて運用されている。この公的医療費助成制度を利用するためには、まず患者からの申請があり、それから利用可能であるか否かが審査されることが一般的である。そのため、患者が公的医療費助成制度の存在を知らない場合は、申請すら行うことができず、当該公的医療費助成制度を利用する機会を失ってしまうという問題がある。また、患者が公的医療費助成制度の存在を知っていた場合でも、当該公的医療費助成制度を利用するための条件を満たしているか否かを調べなければならず、患者の負担が大きいという問題がある。
【0003】
民間の保険会社が提供する民間保険も同様に、患者からの申請があり、それから利用可能であるか否かが審査されることが一般的である。この民間保険は、患者が任意に加入するものであるが、加入したことを患者が忘れている場合は、民間保険を利用する機会を失ってしまうという問題がある。また、民間保険に加入したことを患者が覚えていた場合でも、民間保険を利用するための条件を満たしているか否かを調べなければならず、患者の負担が大きいという問題がある。
このように、患者の負担を和らげる制度を利用するために、患者に負担がかかっているという課題があった。
【0004】
一方、公的医療費助成制度の利用申請における負担を軽減する技術として、申請書類等を自動で作成する方法等が、特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−301945号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載されている技術は、患者が利用可能な公的医療費助成制度を決定するタイミングを、医師による診断によって病名が決定された時としている。そのため、特定疾病を対象とする助成制度の申請書類等を作ることはできるが、利用条件として病名を問わない助成制度の場合は、当該技術を用いることができないという課題が残っている。なお、利用条件として病名を問わない助成制度の一例として、乳幼児を対象とする助成制度や、母子家庭を対象とする助成制度がある。
【0007】
そこで、本発明は、患者にとって最適な助成制度を提示する助成制度提示システムおよび助成制度提示方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するため、本発明による助成制度提示システムは、利用者が利用可能な助成制度を選択する助成制度提示装置が、前記利用者が操作する利用者端末装置に前記選択した助成制度を表示させる助成制度提示システムであって、前記助成制度提示装置の記憶部は、前記利用者ごとに、当該利用者が利用した医療機関から請求された金額である請求額を記憶している利用者情報と、前記助成制度ごとに、前記助成制度を利用するための条件である利用条件を記憶している助成制度内容管理情報と、を格納し、前記助成制度提示装置の制御部は、前記医療機関からの請求に対して、前記利用条件を満たすか否かの判定を行い、前記利用者が利用可能な前記助成制度を選択する助成制度管理部を、有すること、を特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、患者にとって最適な助成制度を提示する助成制度提示システムおよび助成制度提示方法を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本実施形態の概略を説明する図である。
【図2】助成制度提示装置の構成を説明する図である。
【図3】認証装置の構成を説明する図である。
【図4】利用者端末装置の構成を説明する図である。
【図5】利用者情報マスタの一例を説明する図である。
【図6】世帯情報マスタの一例を説明する図である。
【図7】利用者支払情報テーブルの一例を説明する図である。
【図8】支払内訳テーブルの一例を説明する図である。
【図9】制度マスタの一例を説明する図である。
【図10】条件マスタの一例を説明する図である。
【図11】病名マスタの一例を説明する図である。
【図12】事由IDテーブルの一例を説明する図である。
【図13】地域IDテーブルの一例を説明する図である。
【図14】科目IDマスタの一例を説明する図である。
【図15】助成内容マスタの一例を説明する図である。
【図16】(a)は、ログイン画面を説明する図である。(b)は、利用者情報登録画面を説明する図である。
【図17】利用者情報参照画面を説明する図である。
【図18】負担金詳細画面を説明する図である。
【図19】助成制度提示システムの処理内容を説明するシーケンス図である。
【図20】助成制度選択処理のフローチャートである。
【図21】突合処理のフローチャートである。
【図22】助成制度選択処理のシーケンス図である。
【図23】制度背反チェック処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以降、本発明を実施するための形態(「本実施形態」という)を、図等を参照しながら詳細に説明する。また、本実施形態を説明するための全図において、同一部には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0012】
(全体構成)
図1は、本実施形態の全体構成を説明する図である。
助成制度提示システムSは、助成制度提示装置100、認証装置200、利用者端末装置300、病院情報管理装置400、健康保険管理装置500、民間保険管理装置600、住民基本台帳管理装置700、地方自治体納税管理装置800および公的医療費助成制度管理装置900を含んで構成される。助成制度提示装置100は、ネットワーク10を介して、病院情報管理装置400〜公的医療費助成制度管理装置900と接続される。
【0013】
ネットワーク10は、各種装置間の情報のやりとりを仲介する通信網である。
利用者属性情報20は、利用者の氏名や、利用者が病気や怪我等で医療機関を利用した際に支払った費用等の、利用者に関する情報である。
助成制度情報30は、助成制度を利用する条件や助成内容等の、助成制度に関する情報である。
認証情報40は、助成制度提示システムSにログインする利用者を認証する情報である。認証情報40には、後記する個人IDおよびパスワードが含まれる。
【0014】
助成制度提示装置100は、病院情報管理装置400〜公的医療費助成制度管理装置900が保持する情報を集約して、自己の記憶装置へ記憶し、患者である助成制度提示システムSの利用者(以降、利用者と称す)が利用可能な助成制度の候補を選択し、利用者端末装置300を介して利用者へ提示する装置である(詳細後記)。
認証装置200は、利用者を認証し、助成制度提示システムSへのログインを許可するか否かを判定する装置である(詳細後記)。
利用者端末装置300は、利用者が操作する携帯電話やパーソナルコンピュータ等の一般的なコンピュータである(詳細後記)。
【0015】
病院情報管理装置400は、利用者の病状・処置・経過等を記録した診療記録(カルテ情報)や、診療に対する会計・レセプト(医事会計情報)を管理する装置である。病院情報管理装置400は、主として医療機関により運用される。利用者は複数の医療機関を利用することが想定されるため、病院情報管理装置400は複数存在することを想定している。
健康保険管理装置500は、公的な健康保険の制度に関する情報や、加入者情報・保険料納入状況等の、健康保険に関する情報を管理する装置である。健康保険管理装置500は、主として健康保険組合により運用される。
民間保険管理装置600は、民間の健康保険の制度に関する情報や、加入者情報・保険料納付状況等の、民間の健康保険に関する情報を管理する装置である。民間保険管理装置600は、主として民間保険会社により運用される。利用者は複数の民間保険会社を利用することが想定されるため、民間保険管理装置600は複数存在することを想定している。
住民基本台帳管理装置700は、市町村および特別区において、住民の居住関係の公証、選挙人名簿の登録、世帯と当該世帯の構成員(世帯主および世帯員)に関する情報、その他住民に関する記録である住民基本台帳を管理する装置である。住民基本台帳管理装置700は、主として市町村および特別区により運用される。
地方自治体納税管理装置800は、地方公共団体において、住民の納税状況・年収・職業や、地方公共団体が実施している助成制度に関する情報を管理する装置である。地方自治体納税管理装置800は、主として地方公共団体により運用される。
公的医療費助成制度管理装置900は、国が実施している医療費を助成する制度に関する情報を管理する装置である。公的医療費助成制度管理装置900は、主として国により運用される。
【0016】
(概要)
次に、図1および図22を参照して、助成制度提示システムSの概要について説明する。
図22は、助成制度提示装置100が、利用者が利用可能な助成制度の候補を選択する処理(助成制度選択処理)のシーケンス図である。
助成制度提示装置100は、利用者端末装置300から送信され、認証装置200により認証された利用者属性情報20に基づいて、自己の記憶装置に記憶されている各種マスタを検索し、利用者が利用可能な助成制度の候補を選択する。
一般的に、1つの助成制度に対して複数の条件が課せられることが多く、全ての条件を満たす場合に、利用者は当該助成制度を利用することが可能となる。助成制度提示装置100は、助成制度ごとに定められた条件の1つ1つに対し、各種マスタを検索して、利用者が条件を満たしているか否かを判定する。そして、助成制度提示装置100は、利用者が全ての条件を満たしていると判定した場合、当該助成制度を当該利用者の利用可能な助成制度の候補として選択する。
【0017】
(助成制度提示装置)
図2は、助成制度提示装置100の構成を説明する図である。
助成制度提示装置100は、演算装置110、記憶装置120、情報送受信装置130、出力装置140および入力装置150を含んで構成される。
【0018】
演算装置110は、プログラムである助成制度管理部111(詳細後記)を実行して、助成制度提示装置100を制御する装置である。
記憶装置120は、例えばハードディスクやRAM(Random Access Memory)であり、利用者情報マスタ群121(詳細後記)、助成制度内容管理マスタ群122(詳細後記)および利用者別助成制度候補テーブル123を記憶する装置である。利用者別助成制度候補テーブル123は、利用者が利用可能な助成制度の候補を記憶する。
情報送受信装置130は、他の装置の入出力インタフェースとの間で、情報のやり取りを行う装置である。情報送受信装置130は、他の装置との間で、ネットワーク10を介して利用者属性情報20および助成制度情報30のやり取りを行う。また、情報送受信装置130は、認証装置200との間で、利用者属性情報20および助成制度情報30のやり取りを行う。
出力装置140は、例えばディスプレイであり、助成制度提示装置100の操作画面を表示する装置である。
入力装置150は、例えばキーボードやマウスであり、助成制度提示装置100の操作者からの指示を受け付ける。
【0019】
(認証装置)
図3は、認証装置200の構成を説明する図である。
認証装置200は、演算装置210、記憶装置220、情報送受信装置230、出力装置240および入力装置250を含んで構成される。
【0020】
演算装置210は、プログラムである認証装置制御部211(詳細後記)を実行して、認証装置200を制御する装置である。
記憶装置220は、例えばハードディスクやRAMであり、登録済利用者情報管理マスタ221を記憶する装置である。登録済利用者情報管理マスタ221は、助成制度提示システムSの利用者を認証するための情報であり、個人IDおよびパスワードが対応付けられて記憶されている。
情報送受信装置230は、他の装置の入出力インタフェースとの間で、情報のやり取りを行う装置である。情報送受信装置230は、助成制度提示装置100との間で、利用者属性情報20および助成制度情報30のやり取りを行う。また、情報送受信装置230は、利用者端末装置300との間で、利用者属性情報20、助成制度情報30および認証情報40のやり取りを行う。
出力装置240は、例えばディスプレイであり、認証装置200の操作画面を表示する装置である。
入力装置250は、例えばキーボードやマウスであり、認証装置200の操作者からの指示を受け付ける。
【0021】
(利用者端末装置)
図4は、利用者端末装置300の構成を説明する図である。
利用者端末装置300は、演算装置310、記憶装置320、情報送受信装置330、出力装置340および入力装置350を含んで構成される。
【0022】
演算装置310は、プログラムである利用者端末装置制御部311(詳細後記)を実行して、利用者端末装置300を制御する装置である。
記憶装置320は、例えばハードディスクやRAMであり、利用者端末装置制御部311が実行する際のデータ等を記憶する装置である。
情報送受信装置330は、他の装置の入出力インタフェースとの間で、情報のやり取りを行う装置である。情報送受信装置330は、認証装置200との間で、利用者属性情報20、助成制度情報30および認証情報40のやり取りを行う。
出力装置340は、例えばディスプレイであり、利用者端末装置300の操作画面を表示する装置である。
入力装置350は、例えばキーボードやマウスであり、利用者端末装置300の操作者(利用者)からの指示を受け付ける。
【0023】
以上の各装置の各機能や各部は、それぞれの演算装置が記憶装置に格納されたプログラムを実行することにより、具現化される。また、各プログラムは、予め各記憶装置に記憶されていても良いし、必要に応じて、当該装置が利用可能な、脱着可能な記憶媒体や、ネットワーク10を通じて、他の装置から導入されてもよい。
【0024】
(利用者情報マスタ群)
次に、図5〜図8を参照して、利用者情報マスタ群121を説明する。
図5は、利用者情報マスタ1211の一例を説明する図である。
図6は、世帯情報マスタ1212の一例を説明する図である。
図7は、利用者支払情報テーブル1213の一例を説明する図である。
図8は、支払内訳テーブル1214の一例を説明する図である。
【0025】
利用者情報マスタ群121は、利用者が医療機関を利用した際の記録を統合的に管理し記憶している情報である。なお、利用者情報マスタ群121に記憶されている情報を、利用者情報という。
利用者情報マスタ群121は、利用者情報マスタ1211(図5)、世帯情報マスタ1212(図6)、利用者支払情報テーブル1213(図7)および支払内訳テーブル1214(図8)を含んで構成される。
【0026】
(利用者情報マスタ)
図5に示す利用者情報マスタ1211は、利用者に関する情報と医療機関を利用した際の記録を関連付けて記憶している情報である。
利用者情報マスタ1211においては、個人ID(identifier)欄12111に記憶された個人IDに関連付けて、世帯ID欄12112には世帯IDが、医療機関番号欄12113には医療機関番号が、請求番号欄12114には請求番号が、記憶されている。
【0027】
個人ID欄12111の個人IDは、利用者を一意に特定する識別子である。
世帯ID欄12112の世帯IDは、利用者が属する世帯を一意に特定する識別子である。
医療機関番号欄12113の医療機関番号は、医療機関を一意に特定する識別子である。医療機関番号は、助成制度提示システムSにおいて共通に使用され、予め助成制度提示装置100が、病院名と関連付けて記憶しているものとする。
請求番号欄12114の請求番号は、利用者が病気や怪我等で医療機関を利用した際の費用を、医療機関が利用者に対して請求したとき、当該請求を一意に特定する識別子である。
【0028】
(世帯情報マスタ)
図6に示す世帯情報マスタ1212は、世帯と、世帯の構成員とを関連付けて記憶している情報である。
世帯情報マスタ1212においては、世帯ID欄12121に記憶された世帯IDに関連付けて、個人ID欄12122には個人IDが、氏名欄12123には氏名が、生年月日欄12124には生年月日が、性別欄12125には性別区分が、住所ID欄12126には地域IDが、続柄欄12127には続柄区分が、職業欄12128には職業区分が、年収欄12129には年収が、記憶されている。
【0029】
世帯ID欄12121の世帯IDは、図5と同様である。
個人ID欄12122の個人IDは、図5と同様である。
氏名欄12123の氏名は、利用者の氏名である。
生年月日欄12124の生年月日は、利用者の氏名である。
性別欄12125の性別区分は、性別を示す区分(1:男、2:女)である。
住所ID欄12126の地域IDは、利用者の居住する地域を示す識別子である。ここで、地域とは、都道府県や市区町村や町・字等で区画された範囲をいう。地域IDには、郵便番号を用いてもよい。なお、地域IDは、「日本国東京都」および「日本国東京都江戸川区」のように、包含関係も許されるものとする。
続柄欄12127の続柄区分とは、利用者と世帯主との続柄を示す区分(1:本人、2:配偶者、3:子、・・・)である。
職業欄12128の職業区分は、利用者の職業を示す区分(1:自営業、2:会社員、3:未就学児童、4:小学生、5:中学生、・・・)である。職業により、利用者が利用する健康保険が適切なものであるかを確認することが可能となる。例えば、職業が「自営業」である場合は、健康保険が「国民健康保険」であることが適切である。
年収欄12129の年収は、利用者の年収である。年収は、「200万円〜300万円」のように範囲で示されてもよいし、「200万円未満」や「600万円以上」等のように上限・下限で示されてもよい。また、1年という期間に限定しない「収入」としてもよい。
【0030】
(利用者支払情報テーブル)
図7に示す利用者支払情報テーブル1213は、利用者が医療機関に支払った金額を記憶している情報である。
利用者支払情報テーブル1213においては、個人ID欄12131に記憶された個人IDに関連付けて、医療機関番号欄12132には医療機関番号が、請求番号欄12133には請求番号が、請求額欄12134には請求額が、支払額欄12135には支払額が、診断病名ID欄12136には病名IDが、使用保険欄12137には保険区分が、事由ID欄12138には事由IDが、記憶されている。
【0031】
個人ID欄12131の個人IDは、図5と同様である。
医療機関番号欄12132の医療機関番号は、図5と同様である。
請求番号欄12133の請求番号は、図5と同様である。
請求額欄12134の請求額は、医療機関が利用者へ金銭の支払いを請求した金額である。
支払額欄12135の支払額は、医療機関からの請求に対し、利用者が支払った金額である。支払額が請求額に達していない場合は、未納金が存在することを示している。
診断病名ID欄12136の病名IDは、医師により診断された利用者の病名を一意に特定する識別子である。病名IDは、後記する病名マスタにおいて定義されている。
使用保険欄12137の保険区分は、利用者が使用した健康保険を示す区分(01:協会けんぽ、02:船員保険、03:日雇一般、06:組合健保、08:国民健康保険(本人)、09:国民健康保険(家族)・・・)である。なお、健康保険を使用しない場合の保険区分は、「00」(自費)である。
事由ID欄12138の事由IDは、利用者が医療機関を利用することとなった事由を一意に特定する識別子である。事由IDは、後記する事由IDテーブルにおいて定義されている。
【0032】
(支払内訳テーブル)
図8に示す支払内訳テーブル1214は、利用者支払情報テーブル1213(図7)の内訳を管理し記憶している情報である。
支払内訳テーブル1214においては、個人ID欄12141に記憶された個人IDに関連付けて、医療機関番号欄12142には医療機関番号が、請求番号欄12143には請求番号が、科目欄12144には科目IDが、入外区分欄12145には入外区分が、診療開始日欄12146には診療開始日が、診療終了日欄12147には診療終了日が、科目別請求額欄12148には科目別請求額が、記憶されている。
【0033】
個人ID欄12141の個人IDは、図5と同様である。
医療機関番号欄12142の医療機関番号は、図5と同様である。
請求番号欄12143の請求番号は、図5と同様である。
科目欄12144の科目IDは、利用者が病気や怪我等で医療機関を利用した際の費用を区分けしたものである科目を、一意に特定する識別子である。科目IDは、後記する科目IDマスタにおいて定義されている。
入外区分欄12145の入外区分は、診療が入院により行われたか、外来により行われたかを示す区分である。入外区分は「1」が入院を示し、「0」が外来を示す。
診療開始日欄12146の診療開始日は、医療機関が利用者(患者)の診療を開始した日付である。
診療終了日欄12147の診療終了日は、医療機関が利用者(患者)の診療を終了した日付である。なお、診療開始日および診療終了日は対になっており、両者が同日付の場合は「外来」を示す。
科目別請求額欄12148の科目別請求額は、利用者が病気や怪我等で医療機関を利用した際の費用を医療機関が利用者へ請求したとき、その請求額を構成する、科目ごとの請求額である。
【0034】
(助成制度内容管理マスタ群)
図9〜図15は、助成制度内容管理マスタ群122の一例を説明する図である。
図9は、制度マスタ1221の一例を説明する図である。
図10は、条件マスタ1222の一例を説明する図である。
図11は、病名マスタ1223の一例を説明する図である。
図12は、事由IDテーブル1224の一例を説明する図である。
図13は、地域IDテーブル1225の一例を説明する図である。
図14は、科目IDマスタ1226の一例を説明する図である。
図15は、助成内容マスタ1227の一例を説明する図である。
【0035】
助成制度内容管理マスタ群122は、助成制度を利用することにより受けることが可能となる利益の内容(助成内容)および助成制度を利用するために課される条件(利用条件)を定義し記憶している情報である。助成制度内容管理マスタ群122は、助成制度提示装置100が、健康保険管理装置500〜公的医療費助成制度管理装置900(図1参照)から収集した情報である。
助成制度内容管理マスタ群122は、制度マスタ1221(図9参照)、条件マスタ1222(図10参照)、病名マスタ1223(図11参照)、事由IDテーブル1224(図12参照)、地域IDテーブル1225(図13参照)、科目IDマスタ1226(図14参照)および助成内容マスタ1227(図15参照)を含んで構成される。
【0036】
(制度マスタ)
図9に示す制度マスタ1221は、助成制度、助成内容および条件を関連付けて記憶している情報である。
制度マスタ1221においては、制度ID欄12211に記憶された制度IDに関連付けて、制度名称欄12212には制度名称が、条件ID欄12213には条件IDが、助成内容ID欄12214には助成内容IDが、背反制度ID欄12215には制度IDが、記憶されている。
【0037】
制度ID欄12211の制度IDは、助成制度を一意に特定する識別子である。
制度名称欄12212の制度名称は、助成制度の名称である。
条件ID欄12213の条件IDは、助成制度を利用するために課せられる条件を一意に特定する識別子である。条件IDは、後記する条件マスタ1222(図10)において定義され記憶されている。
助成内容ID欄12214の助成内容IDは、助成内容を一意に特定する識別子である。助成内容IDは、後記する助成内容マスタ1227(図15)において定義され記憶されている。
背反制度ID欄12215の制度IDは、制度ID欄12211に記憶されている制度IDと併せて利用することができない助成制度(背反助成制度)の制度ID(背反制度ID)である。
【0038】
(条件マスタ)
図10に示す条件マスタ1222は、助成制度を利用するために課せられる条件を定義し記憶している情報である。助成制度を利用するために課せられる条件は、1つの助成制度に対して複数の条件が課せられることが多いので、条件マスタ1222は、これら複数の条件の組み合わせを定義し記憶している情報である。
条件マスタ1222においては、条件ID欄12221に記憶された条件IDに関連付けて、対象病名ID欄12222には病名IDが、対象事由ID欄12223には事由IDが、対象科目ID欄12224には科目IDが、対象入外区分欄12225には入外区分が、対象地域ID欄12226には地域IDが、世帯年収欄12227には世帯年収が、記憶されている。
【0039】
条件ID欄12221の条件IDは、図9と同様である。
対象病名ID欄12222の病名IDは、病名を一意に特定する識別子である。病名IDは、後記する病名マスタ1223(図11)において定義され記憶されている。
対象事由ID欄12223の事由IDは、病気の原因(事由)を一意に特定する識別子である。事由IDは、後記する事由IDテーブル1224(図12)において定義され記憶されている。
対象科目ID欄12224の科目IDは、図8と同様である。科目IDは、後記する科目IDマスタ1226(図14)において定義され記憶されている。
対象入外区分欄12225の入外区分は、図8と同様である。
対象地域ID欄12226の地域IDは、都道府県や市区町村や町・字等で区画された地域を一意に示す識別子である。地域IDは、後記する地域IDテーブル1225(図13)において定義され記憶されている。
世帯年収欄12227の世帯年収は、世帯の構成員の年収を合算した値である。世帯年収は、図6の年収と同様に、範囲で示されてもよいし、上限・下限で示されてもよい。世帯年収も、図6の年収と同様に、1年という期間に限定しない「収入」としてもよい。
【0040】
(病名マスタ)
図11に示す病名マスタ1223は、病名IDを定義し記憶している情報である。
病名マスタ1223においては、病名ID欄12231に記憶された病名IDに関連付けて、病名欄12232には病名が、助成対象区分欄12233には助成対象区分が、記憶されている。
【0041】
病名ID欄12231の病名IDは、図10と同様である。
病名欄12232の病名は、病気の名称である。
助成対象区分欄12233の助成対象区分は、助成制度の対象であるか否かを示す区分である。助成対象区分は、「1」が助成制度の対象であることを示し、「0」が助成制度の対象でないことを示す。
【0042】
(事由IDテーブル)
図12に示す事由IDテーブル1224は、事由IDを定義し記憶している情報である。
事由IDテーブル1224においては、事由ID欄12241に記憶された事由IDに関連付けて、事由欄12242には事由が、記憶されている。
【0043】
事由ID欄12241の事由IDは、図10と同様である。
事由欄12242の事由は、利用者が医療機関を利用することとなった事由である。
【0044】
(地域IDテーブル)
図13に示す地域IDテーブル1225は、地域IDを定義し記憶している情報である。
地域IDテーブル1225においては、地域ID欄12251に記憶された地域IDに関連付けて、地域名欄12252には地域名が、記憶されている。
【0045】
地域ID欄12251の地域IDは、図10と同様である。
地域名欄12252の地域名は、地域の名称である。
【0046】
(科目IDマスタ)
図14に示す科目IDマスタ1226は、科目IDを定義し記憶している情報である。
科目IDマスタ1226においては、科目ID欄12261に記憶された科目IDに関連付けて、科目名欄12262には科目名が、健保内外区分欄12263には健保内外区分が、記憶されている。
【0047】
科目ID欄12261の科目IDは、図8と同様である。
科目名欄12262の科目名は、科目の名称である。
健保内外区分欄12263の健保内外区分は、健康保険の適用が認められる診療であるか否かを示す区分である。健保内外区分は、「1」が健康保険の適用が認められる診療であることを示し、「0」が健康保険の適用が認めらない診療であることを示す。
【0048】
(助成内容マスタ)
図15に示す助成内容マスタ1227は、助成内容を定義し記憶している情報である。
助成内容マスタ1227においては、助成内容ID欄12271に記憶された助成内容IDに関連付けて、助成金額欄12272には助成金額が、上限金額欄12273には上限金額が、利用可能期間欄12274欄には利用可能期間が、利用可能回数欄12275には利用回数が、支払方法欄12276には支払方法区分が、記憶されている。
【0049】
助成内容ID欄12271の助成内容IDは、図9と同様である。
助成金額欄12272の助成金額は、1回の助成につき援助される金額である。
上限金額欄12273の上限金額は、助成金額の上限値である。1つの助成制度につき複数回の助成が認められる場合、上限金額を設定することで、無制限に認めることを防ぐことができる。
利用可能期間欄12274の利用可能期間は、助成制度を利用することができる期間である。利用可能期間は、始期および終期のどちらか一方のみを指定することもできる。図15は、利用可能期間に始期のみを指定した例である。利用可能期間は、「2010/04/01」のように1日のみを指定することもできる。
利用可能回数欄12275の利用可能回数は、1つの助成制度につき、助成が認められる回数の上限値である。1つの助成制度につき複数回の助成が認められる場合、利用可能回数を設定することで、無制限に認めることを防ぐことができる。
支払方法欄12276の支払方法区分は、助成金額の支払方法を示す区分である。支払方法区分は、「1」が償還払いを示し、「2」が療養の給付を示す。「償還払い」とは、利用者が費用を医療機関へいったん支払い、その後、助成制度の利用によって払い戻しを受けることをいう。「療養の給付」とは、医療機関において診療を受ける等、必要な療養そのものを、現物として給付することをいう。
【0050】
(ログイン画面および利用者情報登録画面)
図16を参照して、利用者端末装置300の利用者端末装置制御部311が出力装置340に表示するログイン画面1610および利用者情報登録画面1620について説明する。図16(a)に示すログイン画面1610は、利用者が助成制度提示システムSを利用する際に表示される画面を説明する図である。図16(b)に示す利用者情報登録画面1620は、利用者が助成制度提示システムSを利用するために利用者登録を行う際に表示される画面を説明する図である。
【0051】
ログイン画面1610は、個人ID欄1611、パスワード欄1612、ログインボタン1613、キャンセルボタン1614および登録画面へのリンク1615を含んで構成される。
個人ID欄1611は、利用者の個人IDを入力するための欄である。
パスワード欄1612は、利用者のパスワードを入力するための欄である。
ログインボタン1613は、助成制度提示システムSにログインするためのボタンである。
キャンセルボタン1614は、ログイン画面1610を終了するためのボタンである。
登録画面へのリンク1615は、利用者情報登録画面1620を表示するためのリンクである。
【0052】
利用者情報登録画面1620は、氏名欄1621、生年月日欄1622、性別欄1623、住所欄1624、登録ボタン1625およびキャンセルボタン1626を含んで構成される。
氏名欄1621は、利用者の氏名を表示する欄である。
生年月日欄1622は、利用者の生年月日を表示する欄である。
性別欄1623は、利用者の性別を表示する欄である。
住所欄1624は、利用者の住所を表示する欄である。
登録ボタン1625は、氏名欄1621〜住所欄1624の情報を確認し、利用者登録を行う指示を行うためのボタンである。
キャンセルボタン1626は、利用者登録を中止するためのボタンである。
なお、利用者情報登録画面1620には、世帯の構成員ごとの情報が表示される。
【0053】
(利用者情報参照画面)
図17を参照して、利用者端末装置300の利用者端末装置制御部311が出力装置340に表示する利用者情報参照画面1700について説明する。利用者情報参照画面1700は、助成制度提示装置100が選択した、利用者が利用可能な助成制度の候補の有無を表示する画面である。
利用者が、図16に示すログイン画面1610により助成制度提示システムSにログインすると、図17に示す利用者情報参照画面1700が表示される。
【0054】
利用者情報参照画面1700は、氏名欄1711、生年月日欄1712、性別欄1713、年齢欄1714、住所欄1715、氏名欄1721、病院名欄1722、請求額欄1723、入外区分欄1724、診療科欄1725、診療開始日欄1726、診療終了日欄1727および利用可能助成制度欄1728を含んで構成される。
【0055】
氏名欄1711は、利用者の氏名を表示する欄である。
生年月日欄1712は、利用者の生年月日を表示する欄である。
性別欄1713は、利用者の性別を表示する欄である。
年齢欄1714は、利用者の年齢を表示する欄である。
住所欄1715は、利用者の住所を表示する欄である。
【0056】
氏名欄1721は、利用者の氏名を表示する欄である。
病院名欄1722は、病院の名称(病院名)を表示する欄である。
請求額欄1723は、請求額を表示する欄である。
入外区分欄1724は、入外区分を表示する欄である。
診療科欄1725は、利用者が診療を受けた科を表示する欄である。
診療開始日欄1726は、診療を開始した日である。
診療終了日欄1727は、診療を終了した日である。
利用可能助成制度欄1728は、利用者が利用可能な助成制度の候補の有無を表示する欄である。
【0057】
なお、氏名欄1721〜利用可能助成制度欄1728を、利用者負担金情報と呼ぶ。この利用者負担金情報は、1つの請求番号につき1つのレコードが表示される。換言すれば、利用者負担金情報のレコードは、請求番号と関連付けられている。また、利用者が属する世帯の他の構成員に関する利用者負担金情報も表示される。
【0058】
そして、利用可能助成制度欄1728は、利用者が利用可能な助成制度の候補の制度IDと関連付けられている。
利用可能助成制度欄1728に表示されている「有り」を利用者がマウス操作等により押下すると、関連付けられている制度ID(助成制度)の詳細情報が利用者端末装置300の出力装置340に表示される。この画面が、図18に示す負担金詳細画面1800である。
【0059】
(負担金詳細画面)
図18を参照して、利用者端末装置300の利用者端末装置制御部311が出力装置340に表示する負担金詳細画面1800について説明する。負担金詳細画面1800は、助成制度提示装置100が選択した、利用者が利用可能な助成制度の候補に関する詳細情報を表示する画面である。
【0060】
負担金詳細画面1800は、No欄1811、病院名欄1812、診療科欄1813、請求額欄1814、入外区分欄1815、診療開始日欄1816、診療終了日欄1817、使用保険欄1821、病名欄1822、事由欄1823、助成制度No欄1831、助成制度名欄1832、制度使用後利用者負担金額欄1833および備考欄1834を含んで構成される。
【0061】
No欄1811は、利用者が病気や怪我等で医療機関を利用した際の費用を、医療機関が利用者に対して請求したとき、当該請求1つを1レコードとして表示する際に、便宜的に割り当てた番号を表示する欄である。当該番号は、換言すれば、請求番号1つを1レコードとして表示する際に、便宜的に割り当てた番号である。
病院名欄1812は、病院名を表示する欄である。
診療科欄1813は、利用者が診療を受けた科を表示する欄である。
請求額欄1814は、請求額を表示する欄である。
入外区分欄1815は、入外区分を表示する欄である。
診療開始日欄1816は、診療開始日を表示する欄である。
診療終了日欄1817は、診療終了日を表示する欄である。
【0062】
使用保険欄1821は、利用者が使用した健康保険を表示する欄である。
病名欄1822は、病名を表示する欄である。
事由欄1823は、利用者が医療機関を利用することとなった事由を表示する欄である。
【0063】
助成制度No欄1831は、利用者が利用可能な助成制度の候補1つを1レコードとして表示する際に、便宜的に割り当てた番号を表示する欄である。
助成制度名欄1832は、助成制度の名称である。
制度使用後利用者負担金額欄1833は、助成制度を使用した場合に、利用者が病気や怪我等で医療機関を利用した際の費用として医療機関へ支払う金額(利用者負担金額)である。利用者負担金額は、請求額から助成金額を減算した値である。利用者負担金額の少ない順に、助成制度の候補を表示することで、利用者の目に留まりやすくなり、利用者は自身に最適な助成制度を把握することが可能となる。
備考欄1834は、備考を表示する欄である。備考欄1834には、背反助成制度に関する情報を表示してもよい(詳細後記)。
【0064】
(処理内容)
次に、図19を参照して、助成制度提示システムSの処理内容について説明する。
図19は、助成制度提示システムSの処理内容を説明するシーケンス図である。図19においては、図1に示す病院情報管理装置400〜公的医療費助成制度管理装置900を「各種関連システム」と表記している。
【0065】
図19の処理の前提として、助成制度提示装置100の助成制度内容管理マスタ群122(図2参照)には、図9〜図15に示す情報が予め登録されているものとする。また、これらの図9〜図15に示す情報は、健康保険管理装置500〜公的医療費助成制度管理装置900から収集されたものであり、健康保険管理装置500〜公的医療費助成制度管理装置900は、自己が保持する情報が更新されたとき、当該更新された情報を助成制度提示装置100へ送信するものとする。これにより、図9〜図15に示す情報は最新のものを保持することとなる。
【0066】
また、利用者が助成制度提示システムSを利用したいと思った場合、助成制度提示システムSの管理者へ利用申請を行う。すると、助成制度提示システムSの管理者は認証装置200(図3参照)を操作して、当該利用者に関する情報(図16(a)(b)参照)を、認証装置200の登録済利用者情報管理マスタ221へ仮登録し、仮の個人IDおよびパスワードを当該利用者へ通知する。
そして、利用者は、ログイン画面1610(図16(a)参照)に前記通知された個人IDおよびパスワードを入力し、マウス操作等により登録画面へのリンク1615を押下する。すると、利用者端末装置300の利用者端末装置制御部311(図3参照)は、認証要求を認証装置200へ送信する。
【0067】
ステップS101において、利用者端末装置300の利用者端末装置制御部311は、認証要求を認証装置200へ送信する。具体的には、利用者端末装置300の利用者端末装置制御部311は、次のような処理を行う。
第一に、利用者端末装置300の利用者端末装置制御部311は、出力装置340にログイン画面1610を表示し、利用者がキーボード操作等により入力した個人IDおよびパスワードを受け付ける。第二に、利用者端末装置300の利用者端末装置制御部311は、利用者がマウス操作等により登録画面へのリンク1615を押下したことを検知する。第三に、利用者端末装置300の利用者端末装置制御部311は、認証要求を認証装置200へ送信する。ここで、認証要求には、認証情報40が含まれる。
【0068】
ステップS102において、認証装置200の認証装置制御部211は、認証処理を行う。具体的には、認証装置200の認証装置制御部211は、次のような処理を行う。
第一に、認証装置200の認証装置制御部211は、認証情報40に含まれる個人IDおよびパスワードが一致する情報が、登録済利用者情報管理マスタ221に記憶されているか否かを判定する。認証情報40に含まれる個人IDおよびパスワードが一致する情報が、登録済利用者情報管理マスタ221に記憶されている場合、認証装置200の認証装置制御部211は、認証OKと判定する。一方、認証情報40に含まれる個人IDおよびパスワードが一致する情報が、登録済利用者情報管理マスタ221に記憶されていない場合、認証装置200の認証装置制御部211は、認証NGと判定する。
第二に、認証装置200の認証装置制御部211は、認証結果(認証OKまたは認証NG)を、利用者端末装置300へ送信する。なお、認証結果が認証OKの場合、認証装置200の認証装置制御部211は、利用者属性情報20も合わせて送信する。ここで、利用者属性情報20には、登録済利用者情報管理マスタ221に記憶され、利用者情報登録画面1620(図16(b))に表示する情報が含まれる。
【0069】
ステップS103において、利用者端末装置300の利用者端末装置制御部311は、登録要求を認証装置200へ送信する。具体的には、利用者端末装置300の利用者端末装置制御部311は、次のような処理を行う。
認証装置200から受信した認証結果が認証OKの場合、利用者端末装置300の利用者端末装置制御部311は、出力装置340に利用者情報登録画面1620を表示する。利用者が利用者情報登録画面1620に表示された情報を確認し、マウス操作等により登録ボタン1625を押下すると、利用者端末装置300の利用者端末装置制御部311は、登録要求を認証装置200へ送信する。ここで、登録要求には、利用者属性情報20および認証情報40が含まれる。
一方、認証装置200から受信した認証結果が認証NGの場合、利用者端末装置300の利用者端末装置制御部311は、個人IDおよびパスワードの再入力を利用者へ促す。
【0070】
ステップS104において、認証装置200の認証装置制御部211は、利用者登録を行う。具体的には、認証装置200の認証装置制御部211は、次のような処理を行う。
第一に、認証装置200の認証装置制御部211は、利用者属性情報20に含まれる、利用者情報登録画面1620に表示され、利用者により確認された情報を、登録済利用者情報管理マスタ221に記憶する。なお、前提条件として、登録済利用者情報管理マスタ221には既に同様の情報が仮登録されている。ステップS104において再度記憶するのは、利用者が確認を終えた情報を本登録するためである。
第二に、認証装置200の認証装置制御部211は、個人IDおよびパスワードを生成し、登録済利用者情報管理マスタ221に記憶する。なお、前提条件として、登録済利用者情報管理マスタ221には既に個人IDおよびパスワードが仮登録されている。ステップS104において再度記憶するのは、個人IDおよびパスワードを本登録するためである。
第三に、認証装置200の認証装置制御部211は、利用者登録の完了を助成制度提示装置100へ送信する。
【0071】
なお、ここで生成される個人IDは、助成制度提示システムSにおいて共通のものであり、各種関連システムにおいても共通に使用されている。一般的に、個人を特定する識別子は、各種関連システムが独自で管理するものであり、共通のものを使用しないことが多い。例えば、病院情報管理装置400においては「患者ID」が使用され、健康保険管理装置500においては「被保険者ID」が使用されている。
そこで、本実施形態においては、助成制度提示システムSにおいて共通する識別子である個人IDにより、個人を特定するものとする。
【0072】
ステップS105において、助成制度提示装置100の助成制度管理部111は、利用者情報取得要求を各種関連システムへ送信する。なお、利用者情報取得要求には、ステップS104の「第二」において登録された個人IDを含む利用者属性情報20が含まれる。
【0073】
ステップS106において、各種関連システムの制御部は、利用者情報取得要求を受信する。
【0074】
ステップS107において、各種関連システムの制御部は、利用者情報を助成制度提示装置100へ送信する。具体的には、各種関連システムの制御部は、各自の記憶装置に保持する情報から、利用者情報取得要求に含まれる個人IDに対応付けられている情報を抽出し、利用者属性情報20に含んで、助成制度提示装置100へ送信する。なお、各種関連システムの制御部が抽出した情報には、図5〜図8に示す情報が含まれる。
ここで、各種関連システムの制御部が抽出した情報のうち、重複するものがあった場合は、更新日が新しいものを送信することとしてもよい。これにより、最新情報を優先するという情報収集方針を定めることが可能である。
【0075】
ステップS108において、助成制度提示装置100の助成制度管理部111は、利用者情報を受信する。
【0076】
ステップS109において、助成制度提示装置100の助成制度管理部111は、利用者情報を登録する。具体的には、助成制度提示装置100の助成制度管理部111は、各種関連システムから受信した利用者属性情報20に含まれる情報を、利用者情報マスタ群121(図2、図5〜図8参照)に登録する。
【0077】
ステップS110において、助成制度提示装置100の助成制度管理部111は、ステップS109における登録が完了した通知を、認証装置200を介して利用者端末装置300へ送信する。なお、当該通知には、利用者属性情報20が含まれる。この利用者属性情報20には、図16(a)(b)に表示する情報が含まれる。
なお、登録完了通知を受信した利用者端末装置300の利用者端末装置制御部311は、受信した利用者属性情報20に基づいて、ログイン画面1610(図16(a)参照)および利用者情報登録画面1620(図16(b)参照)を再度表示してもよい。その際、仮登録された情報と本登録された情報とに不一致がある場合は、利用者へ不一致を知らせるためのメッセージや強調表示をしてもよい。これにより、利用者は自己に関する最新情報を知ることが可能となる。
【0078】
以上、ステップS101〜S110を「初回登録処理」と呼ぶ。これから説明する処理は、初回登録処理が終了していることを前提とする処理である。
【0079】
ステップS121において、利用者端末装置300の利用者端末装置制御部311は、認証要求を認証装置200へ送信する。具体的には、利用者端末装置300の利用者端末装置制御部311は、ステップS101と同様の処理を行う。ステップS101と異なる点は、「第二」において、利用者端末装置300の利用者端末装置制御部311が、利用者がマウス操作等によりログインボタン1613を押下したことを検知する点である。
【0080】
ステップS122において、認証装置200の認証装置制御部211は、認証処理を行う。具体的には、認証装置200の認証装置制御部211は、ステップS102と同様の処理を行う。ステップS102と異なる点の一つめは、「第二」において、認証結果がOKの場合、利用者端末装置300の利用者端末装置制御部311は、認証結果を助成制度提示装置100にも送信する点である。二つめは、利用者属性情報20には、個人IDと、当該個人IDが認証OKであることを示す情報が含まれる点である。そして、当該利用者属性情報20を受信した助成制度提示装置100の助成制度管理部111は、利用者端末装置300との接続が可能となる。
【0081】
ステップS123において、利用者端末装置300の利用者端末装置制御部311は、助成制度選択要求を認証装置200へ送信する。具体的には、利用者端末装置300の利用者端末装置制御部311は、次のような処理を行う。
認証装置200から受信した認証結果が認証OKの場合、利用者端末装置300の利用者端末装置制御部311は、助成制度選択要求を助成制度提示装置100へ送信する。ここで、助成制度選択要求には、個人IDを含む利用者属性情報20が含まれる。
一方、認証装置200から受信した認証結果が認証NGの場合、利用者端末装置300の利用者端末装置制御部311は、個人IDおよびパスワードの再入力を利用者へ促す。
【0082】
ステップS124において、助成制度提示装置100の助成制度管理部111は、助成制度選択処理を行う(詳細後記)。当該処理によって、利用者が利用可能な助成制度の候補が選択され、図17に示す情報が出力される。
【0083】
ステップS125において、助成制度提示装置100の助成制度管理部111は、利用者が利用可能な助成制度の候補を、利用者端末装置300へ送信する。具体的には、助成制度提示装置100の助成制度管理部111は、利用者が利用可能な助成制度の候補および図17に示す情報を含む利用者属性情報20および助成制度情報30を、利用者端末装置300へ送信する。当該情報を受信した利用者端末装置300の利用者端末装置制御部311は、利用者情報参照画面1700(図17参照)を出力装置340に表示する。
【0084】
以上、ステップS121〜S125を「候補助成制度表示処理」と呼ぶ。これから説明する処理は、候補助成制度表示処理が終了していることを前提とする処理である。
【0085】
ステップS131において、利用者端末装置300の利用者端末装置制御部311は、利用者が利用を希望する助成制度の選択を受け付ける。具体的には、利用者端末装置300の利用者端末装置制御部311は、利用者情報参照画面1700の利用可能助成制度欄1728(図17参照)が、利用者のマウス操作等により押下(選択)されたことを検知し、助成制度提示装置100へ送信する。
【0086】
ステップS132において、助成制度提示装置100の助成制度管理部111は、制度背反チェック処理を行う(詳細後記)。当該処理によって、図18に示す情報が出力される。
【0087】
ステップS133において、助成制度提示装置100の助成制度管理部111は、制度背反チェック処理の結果を、利用者端末装置300へ送信する。具体的には、助成制度提示装置100の助成制度管理部111は、図18に示す情報を含む利用者属性情報20および助成制度情報30を、利用者端末装置300へ送信する。
【0088】
ステップS134において、利用者端末装置300の利用者端末装置制御部311は、制度背反チェック処理の結果を出力装置340に表示する。
以上、ステップS131〜S134を「候補助成制度表示処理」と呼ぶ。
そして、処理を終了する。
【0089】
(助成制度選択処理)
次に、図20を参照して、助成制度提示装置100の助成制度管理部111が行う助成制度選択処理(図19のステップS124)について説明する。なお、助成制度選択処理においては、図19のステップS122において認証装置200から受信した個人IDに関連付けて記憶されている情報(利用者本人の情報)または当該個人IDに関連付けて記憶されている世帯IDを含む情報(利用者が属する世帯の構成員の情報)を参照する。
図20は、助成制度選択処理のフローチャートである。
【0090】
ステップS201において、助成制度提示装置100の助成制度管理部111は、利用者端末装置300から送信された助成制度選択要求を検知する。
【0091】
ステップS202において、助成制度提示装置100の助成制度管理部111は、利用者情報マスタ群121(図1、図5〜図8参照)を参照する。
【0092】
ステップS203において、助成制度提示装置100の助成制度管理部111は、支払額欄12135(図7参照)を参照し、支払額が「1」(円)以上のレコードが存在するか否かを判定する。
支払額が1円以上のレコードが存在する場合(ステップS203“Yes”)、ステップS204に進む。
支払額が1円以上のレコードが存在しない場合(ステップS203“No”)、ステップS205に進む。
【0093】
ステップS204において、助成制度提示装置100の助成制度管理部111は、突合処理(詳細後記)を行う。当該処理によって、利用者が利用可能な助成制度の候補が選択され、図17に示す情報が出力される。
そして、図19のステップS124に戻る。
【0094】
ステップS205において、助成制度提示装置100の助成制度管理部111は、助成対象が存在しないことを利用者端末装置300に送信する。
そして、図19のステップS124に戻る。
【0095】
(突合処理)
次に、図21および図22を参照して、助成制度提示装置100の助成制度管理部111が行う突合処理(図20のステップS204)について説明する。この突合処理は、利用者情報マスタ群121(図2、図5〜図8参照)と助成制度内容管理マスタ群122(図2、図9〜図15)とを比較(突合)し、利用者が利用可能な助成制度の候補を選択する処理である。
図21は、突合処理のフローチャートである。図22は、突合処理のシーケンス図である。
【0096】
ステップS301において、助成制度提示装置100の助成制度管理部111は、助成制度内容管理マスタ群122の各マスタの要素数をカウントし、記憶装置120へ記憶する。ここで、各マスタとは、病名マスタ1223(図11参照)、事由IDテーブル1224(図12参照)、地域IDテーブル1225(図13参照)および科目IDマスタ1226(図14参照)をいう。また、要素数とは、レコード数をいう。
【0097】
ステップS302において、助成制度提示装置100の助成制度管理部111は、制度マスタ1221(図9参照)に登録されている全ての制度IDに対し、ステップS305〜S310の処理を行う。
【0098】
ステップS303において、助成制度提示装置100の助成制度管理部111は、条件マスタ1222(図10参照)を参照する。具体的には、助成制度提示装置100の助成制度管理部111は、参照中の制度IDに関連付いている条件IDと一致する条件マスタ1222のレコードを参照する。
【0099】
ステップS304において、助成制度提示装置100の助成制度管理部111は、各マスタの比較順序を決定する。具体的には、助成制度提示装置100の助成制度管理部111は、ステップS301において記憶した各マスタの要素数の小さい順に、比較順序(突合順序)を決定する。ここで、比較順序とは、参照中の条件マスタ1222(図10参照)のレコードの各項目と、利用者情報マスタ群121(図2、図5〜図8参照)とを比較する際、条件マスタ1222のいずれの項目(対象病名ID欄12222〜世帯年収欄12227)から比較をするかを示すものである。
【0100】
例えば、地域IDテーブル1225(図13参照)には「日本国北海道」〜「日本国沖縄県」の47レコードが登録されており、科目IDマスタ1226(図14参照)には「入院料」〜「室料差額」の9999レコードが登録されているとする。そして、条件マスタ1222(図10参照)には、地域IDおよび科目IDが設定されているレコードが登録されているとする。条件マスタ1222の当該レコードを参照中の場合、助成制度提示装置100の助成制度管理部111は、1番目が地域ID、2番目が科目ID、のように比較順序を決定する。
【0101】
まず、助成制度提示装置100の助成制度管理部111は、条件マスタ1222の地域IDと一致する地域IDを含む情報を、利用者情報マスタ群121(図2、図5〜図8参照)から検索する。次に、助成制度提示装置100の助成制度管理部111は、条件マスタ1222の科目IDと一致する科目IDを含む情報を、利用者情報マスタ群121から検索する。地域IDは47個のIDしか存在しないため、9999個のIDが存在する科目IDに比べて処理の負荷が軽くなり、処理速度の向上を図ることができる。
【0102】
ステップS305〜S310において、助成制度提示装置100の助成制度管理部111は、ステップS304において決定した比較順序に基づいて、利用者情報マスタ群121(図2、図5〜図8参照)との比較を行う。なお、図21において示す比較順序は一例である。
また、ステップS305〜S310は、全てのステップを行う必要はない。例えば、前記した例において、参照中の条件マスタ1222のレコードには、地域IDおよび科目IDが設定されており、他の項目は設定されていない。この場合、ステップS305、S306、S309を行う必要はない。
【0103】
なお、ステップS305〜S310は、請求番号ごとに行う。図21に示す突合処理により、利用者情報参照画面1700(図17参照)に表示する情報が出力される。この突合処理は、医療機関からの請求に対し、利用者が利用可能な助成制度の候補を選択する処理である。換言すれば、請求番号ごとに、利用者が利用可能な助成制度の候補を特定する処理である。助成制度の利用条件に一部でも一致しない請求番号については、以降の比較を行わず(ステップS305〜S309“No”)、利用可能な助成制度がない旨を出力し、次の請求番号について比較(ステップS305〜S309)を行う。
【0104】
ステップS305において、助成制度提示装置100の助成制度管理部111は、病名IDが一致するか否かを判定する。具体的には、助成制度提示装置100の助成制度管理部111は、条件マスタ1222(図10参照)の病名IDと一致する病名IDを含む情報を、利用者支払情報テーブル1213(図7参照)から検索する。
【0105】
ステップS306において、助成制度提示装置100の助成制度管理部111は、事由IDが一致するか否かを判定する。具体的には、助成制度提示装置100の助成制度管理部111は、条件マスタ1222(図10参照)の事由IDと一致する事由IDを含む情報を、利用者支払情報テーブル1213(図7参照)から検索する。
【0106】
ステップS307において、助成制度提示装置100の助成制度管理部111は、科目IDが一致するか否かを判定する。具体的には、助成制度提示装置100の助成制度管理部111は、条件マスタ1222(図10参照)の科目IDと一致する科目IDを含む情報を、支払内訳テーブル1214(図8参照)から検索する。
【0107】
ステップS308において、助成制度提示装置100の助成制度管理部111は、地域IDが一致するか否かを判定する。具体的には、助成制度提示装置100の助成制度管理部111は、条件マスタ1222(図10参照)の地域IDと一致する地域IDを含む情報を、世帯情報マスタ1212(図6参照)から検索する。なお、地域IDは包含関係も許されるため、条件マスタ1222の地域IDが、世帯情報マスタ1212の地域IDを包含する場合も、当該ステップにおいては「一致」と扱う。
【0108】
ステップS309において、助成制度提示装置100の助成制度管理部111は、世帯年収が一致するか否かを判定する。具体的には、助成制度提示装置100の助成制度管理部111は、条件マスタ1222(図10参照)の世帯年収と一致する情報を、世帯情報マスタ1212(図6参照)から検索する。なお、世帯年収は、範囲や上限・下限で示されることもあるため、条件マスタ1222の世帯年収条件を、世帯情報マスタ1212の世帯年収(利用者の属する世帯の構成員の年収を合算した値)が満たす場合、当該ステップにおいては「一致」と扱う。
【0109】
ステップS310において、助成制度提示装置100の助成制度管理部111は、制度IDを記憶する。具体的には、助成制度提示装置100の助成制度管理部111は、個人IDと請求番号と制度IDとを関連付けて、利用者別助成制度候補テーブル123(図2参照)に記憶する。
【0110】
ステップS311において、助成制度提示装置100の助成制度管理部111は、次に登録されている制度IDに進む(ステップS302に戻る)。
そして、図20のステップS204に戻る。
【0111】
(制度背反チェック処理)
次に、図23を参照して、助成制度提示装置100の助成制度管理部111が行う制度背反チェック処理(図19のステップS132)について説明する。この制度背反チェック処理は、利用者が利用可能な助成制度の候補が複数存在する場合に、それらを併せて利用することができるか否かを判定する処理である。換言すれば、背反助成制度を検索する処理である。この制度背反チェック処理により、図18に示す負担金詳細画面1800に表示する情報が出力される。
図23は、制度背反チェック処理のフローチャートである。
【0112】
ステップS401において、助成制度提示装置100の助成制度管理部111は、利用者負担金情報の選択を検知する。具体的には、助成制度提示装置100の助成制度管理部111は、利用者情報参照画面1700の利用可能助成制度欄1728(図17参照)が、利用者のマウス操作等により押下(選択)されたことを検知する。
【0113】
ステップS402において、助成制度提示装置100の助成制度管理部111は、選択された利用者負担金情報において、利用可能な助成制度の候補が複数存在するか否かを判定する。具体的には、助成制度提示装置100の助成制度管理部111は、選択された利用者負担金情報に関連付けられた制度IDが、複数存在するか否かを判定する。
制度IDが複数存在する場合(ステップS402“Yes”)、ステップS403に進む。
制度IDが複数存在しない場合(ステップS402“No”)、ステップS405に進む。
【0114】
ステップS403において、助成制度提示装置100の助成制度管理部111は、背反助成制度があるか否かを判定する。具体的には、助成制度提示装置100の助成制度管理部111は、選択された利用者負担金情報に関連付けられた複数の制度IDにおいて、相互に背反制度IDとする制度IDがあるか否かを判定する。助成制度提示装置100の助成制度管理部111は、選択された利用者負担金情報に関連付けられた複数の制度IDごとに、背反助成制度があるか否かを判定する。
【0115】
第一に、助成制度提示装置100の助成制度管理部111は、選択された利用者負担金情報に関連付けられた複数の制度IDのうちの1つの制度IDに着目する。
第二に、助成制度提示装置100の助成制度管理部111は、当該制度IDを制度マスタ1221(図9参照)の制度ID欄12211から検索し、背反制度ID欄12215の制度ID(背反制度ID)を取得する。
第三に、助成制度提示装置100の助成制度管理部111は、「第二」において取得した背反制度IDが、「第一」において着目した制度ID以外の他の制度IDのいずれかと一致するか否かを判定する。
そして、相互に背反制度IDとする制度IDがある場合(ステップS403“Yes”)、ステップS404に進む。
そして、相互に背反制度IDとする制度IDがない場合(ステップS403“No”)、ステップS405に進む。
【0116】
ステップS404において、助成制度提示装置100の助成制度管理部111は、背反制度IDを記憶する。具体的には、助成制度提示装置100の助成制度管理部111は、背反制度IDを含む、図18に示す負担金詳細画面1800に表示する情報を利用者別助成制度候補テーブル123(図2参照)に記憶する。これにより、負担金詳細画面1800に背反助成制度に関する情報を表示することができる。また、背反助成制度を表示しないようにしたり、不活性表示にしたりしてもよい。図18に示す例では、備考欄1834に、背反助成制度に関する情報を表示している。また、助成制度No欄1831が「2」のレコードを表示しないようにしたり、不活性表示にしたりしてもよい。
そして、図19のステップS132に戻る。
【0117】
ステップS405において、助成制度提示装置100の助成制度管理部111は、結果を出力する。具体的には、助成制度提示装置100の助成制度管理部111は、図18に示す負担金詳細画面1800に表示する情報を利用者別助成制度候補テーブル123(図2参照)に記憶する。
そして、図19のステップS132に戻る。
【0118】
(まとめ)
本実施形態の助成制度提示装置100によれば、利用者にとって最適な助成制度を提示することができるので、利用者が助成制度について調べたり、助成制度を利用するための条件を満たしているか否かを判断したり、複数の助成制度を比較したりすることが容易となる。また、利用者が自ら、自己に関する情報を参照することができるので、国や地方公共団体や健康保険組合や民間保険会社に、助成制度について問い合わせる手間と時間を省くことができる。これにより、助成制度の利用がより促進される効果も期待できる。
【0119】
(その他)
なお、前記した実施形態は、本発明を実施するための好適なものであるが、その実施形式はこれらに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々変更することが可能である。
【0120】
例えば、図9〜図15に示す情報は、当該情報が更新されたとき、当該更新された情報を助成制度提示装置100へ送信されるものとしたが、所定の期間(1週間、1ヶ月)の更新情報をまとめて送信してもよい。
また、助成制度の条件は、前記したものに限られず、未納金が存在する場合は助成の対象外としてもよい。
【0121】
図18の負担金詳細画面1800においては、利用者負担金額の少ない順に助成制度の候補を表示したが、助成制度の利用可能期間の終了が迫っている順(終期の昇順)に表示してもよい。これにより、利用者は、助成制度の利用申請を急いで行うことができるので、利用する機会を失ってしまうという事態を避けることができる。
【0122】
また、図18の負担金詳細画面1800は、1つの請求番号(図17の利用者負担金情報の1レコード)ごとに、複数の助成制度の候補を表示することとしたが、複数の請求番号につき、複数の助成制度の候補を表示してもよい。例えば、高額医療費助成制度のように、所定の期間の支払額が所定の金額を超えることを条件とする制度があるとする。この場合、図17の利用者負担金情報のレコードを複数選択可能としてもよい。そして、図18のNo欄1811が「1」、「2」・・・のように、選択した利用者負担金情報のレコード数に応じて増え、当該レコードに関する情報が病院名欄1812〜診療終了日欄1817に表示されるようにしてもよい。
【0123】
また、図23に示す制度背反チェック処理においては、図21に示す助成制度選択処理において選択された助成制度が相互に背反助成制度であるか否かをチェックしたが、図9に示す制度マスタ1221に記憶されている全ての助成制度を対象として、チェックを行ってもよい。
【0124】
また、本実施形態においては、利用者が医療機関を利用し、費用の請求をされたことを前提としているが、医療機関を利用する前に、助成制度の検索を可能としてもよい。例えば、図16のログイン画面1610を表示した後、条件入力画面を表示し、利用者が入力した条件に基づいて図16のステップS124〜S134を行う。
これにより、利用者は医療機関を利用する前に、助成制度について調べることが可能となる。また、利用者が助成制度の存在を知ることで、医療機関を利用する契機となり、国民の健康増進に資することもできる。
【符号の説明】
【0125】
10 ネットワーク
20 利用者属性情報
30 助成制度情報
40 認証情報
100 助成制度提示装置
110 演算装置(制御部)
111 助成制度管理部(制御部)
120 記憶装置(記憶部)
121 利用者情報マスタ群(利用者情報)
1211 利用者情報マスタ(利用者基本情報)
1212 世帯情報マスタ(世帯情報)
1213 利用者支払情報テーブル(利用者支払情報)
1214 支払内訳テーブル(支払内訳情報)
122 助成制度内容管理マスタ群(助成制度内容管理情報)
1221 制度マスタ(制度情報)
1222 条件マスタ(条件情報)
1223 病名マスタ(病名情報)
1224 事由IDテーブル(事由ID情報)
1225 地域IDテーブル(地域ID情報)
1226 科目IDマスタ(科目ID情報)
1227 助成内容マスタ(助成内容情報)
123 利用者別助成制度候補テーブル(利用者別助成制度候補情報)
200 認証装置
300 利用者端末装置
400 病院情報管理装置
500 健康保険管理装置
600 民間保険管理装置
700 住民基本台帳管理装置
800 地方自治体納税管理装置
900 公的医療費助成制度管理装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者が利用可能な助成制度を選択する助成制度提示装置が、前記利用者が操作する利用者端末装置に前記選択した助成制度を表示させる助成制度提示システムであって、
前記助成制度提示装置の記憶部は、
前記利用者ごとに、当該利用者が利用した医療機関から請求された金額である請求額を記憶している利用者情報と、
前記助成制度ごとに、前記助成制度を利用するための条件である利用条件を記憶している助成制度内容管理情報と、
を格納し、
前記助成制度提示装置の制御部は、
前記医療機関からの請求に対して、前記利用条件を満たすか否かの判定を行い、前記利用者が利用可能な前記助成制度を選択する助成制度管理部を、
有すること、
を特徴とする、助成制度提示システム。
【請求項2】
前記助成制度提示装置の前記助成制度内容管理情報は、
前記利用者が前記助成制度を利用することにより、援助される金額である助成金額を記憶しており、
前記助成制度提示装置の助成制度管理部は、
前記請求額から前記助成金額を減算した値である利用者負担金額を算出すること、
を特徴とする、請求項1に記載の助成制度提示システム。
【請求項3】
前記助成制度提示装置の前記助成制度内容管理情報は、
前記助成制度と併用不可能な他の前記助成制度である背反助成制度を記憶しており、
前記助成制度提示装置の助成制度管理部は、
前記選択した助成制度と併用不可能な他の前記助成制度を検索すること、
を特徴とする、請求項1または請求項2に記載の助成制度提示システム。
【請求項4】
前記助成制度提示装置の前記利用者情報は、
前記利用者の病名、前記医療機関を利用することとなった事由、前記請求額を区分けしたものである科目、前記利用者の居住する地域、前記利用者の収入、の少なくともいずれか1つを記憶しており、
前記助成制度提示装置の前記助成制度内容管理情報は、
前記病名、前記事由、前記科目、前記地域、前記収入、の少なくともいずれか1つを前記利用条件として記憶していること、
を特徴とする、請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の助成制度提示システム。
【請求項5】
利用者が利用可能な助成制度を選択し、前記利用者が操作する利用者端末装置に前記選択した助成制度を表示させる助成制度提示装置の助成制度提示方法であって、
前記助成制度提示装置の記憶部は、
前記利用者ごとに、当該利用者が利用した医療機関から請求された金額である請求額を記憶している利用者情報と、
前記助成制度ごとに、前記助成制度を利用するための条件である利用条件を記憶している助成制度内容管理情報と、
を格納しており、
前記助成制度提示装置の制御部は、
助成制度管理部によって、前記医療機関からの請求に対して、前記利用条件を満たすか否かの判定を行い、前記利用者が利用可能な前記助成制度を選択すること、
を特徴とする、助成制度提示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2013−114414(P2013−114414A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−259456(P2011−259456)
【出願日】平成23年11月28日(2011.11.28)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)