説明

動かすことおよび取り外すことができる本体部品を有するインタラクティブな話す玩具

動かすことおよび取り外すことができる本体部品を有するインタラクティブな話す玩具は、ユーザから入力された音声に応えて、話し、歌い、動き、踊る能力を有する。予めプログラムされたパラメータと、各種センサからのリアルタイム入力との組合せに基づいて玩具の動きおよびそれに伴う音を制御およびカスタマイズするために、各種モータ、アクチュエータ、マイクロフォン、スピーカ、および集積回路手段が用いられる。玩具は、高度なインタラクティブ性、ならびにユーモア、自発性、および予測不可能性をユーザに提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、動かすことおよび取り外すことができる本体部品を有するインタラクティブな話す玩具に関する。
【背景技術】
【0002】
背景
玩具の分野においては、話す玩具、ならびに動かすことおよび取り外すことができる本体部品を有する玩具がよく知られている。しかしながらこれまで、動かすことおよび取り外すことができる本体部品を有するインタラクティブな話す玩具であって、ある瞬間においていずれの部品が取り付けられているのかおよび取り付けられていないのかに従って変化する、カスタマイズされた一連のフレーズおよび本体の動きをユーザに提供できるものは何らなかった。また、ユーザから入力された音の大きさや繰返しパターンに応じた特定の仕方で音声および機械的な反応を出力する能力と前記特徴を組み合わせたインタラクティブな玩具は従来技術にはなかった。さらに、音や音声の入力に応えて、バネ負荷方式で本体部品を押し出す(外す)能力と前記特徴を組み合わせたインタラクティブな玩具は従来技術にはなかった。
【0003】
従って、高度なインタラクティブ性、ならびにユーモア、自発性、および予測不可能性をユーザに提供することができる、動かすことおよび取り外すことができる本体部品を有するインタラクティブな話す玩具は望ましいであろう。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、前述の所望の特徴の全てを一つのパッケージに結合した、動かすことおよび取り外すことができる本体部品を有するインタラクティブな話す玩具の必要性に実質的な程度まで応えるものである。
【0005】
従って、本発明の様々な態様において、以下を行う、動かすことおよび取り外すことができる本体部品を有するインタラクティブな話す玩具が提供される:
−ユーザや周囲からの接触、音声および音の入力に対して応答する;
−話し、うなり、歌い、踊り、および本体部品を動かすことにより応答する;
−カスタマイズされた一連のフレーズを提供する;
−話し、歌うのと動作を同期させる能力を有する;
−ある瞬間においていずれの部品が取り付けられているのかおよび取り付けられていないのかに従って変化する、フレーズ、歌、動き、雰囲気および口調を提供する;
−音や音声の入力に応えて本体部品を押し出す(外す)能力を有する;
−道具のいらない、スナップイン取り付け/取り外しに従う。
【0006】
本発明のこれらおよび他の態様および利点は、添付の図面と併せて以下の詳細な説明を考慮した上で、当業者には明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】図1は、見本の付属品が取り付けられた、好ましい実施形態の正面図である。
【図2】図2は、取り外し可能な付属品を全て外した状態の、該好ましい実施形態の正面図である。
【図3】図3は、機能ユニットを示す、玩具本体の内部回路図である。
【図4】図4は、見本の付属品が取り付けられた、代替的な実施形態の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
好ましい実施形態の詳細な説明
好ましい実施形態において、本玩具は、本体と付属品を有する。図1〜2を参照すると、手/腕(2)、脚(3)、または装身具などの外部付属品、および、耳(4)、唇/口(5)、鼻(6)、目/眉(7)、帽子(8)などの頭部付属品を本体(1)に取り付けることができる。関節(9)を介して外部付属品は本体に取り付けられる。関節(9)は、本体の内部に位置する電気モータ(11)およびアクチュエータ(10)から外部付属品へ動きを伝達することができる。ユーザが取り外しできるタイプではない脚の関節(14)を除いて、他の全ての関節(9)には、そこに接続される付属品のスナップイン取り付け/取り外しを可能にする付勢手段、ロックおよびラッチが装着されている。
【0009】
唇/口(5)、鼻(6)、目/眉(7)などの「顔の」付属品が、本体(1)へ直に取り付けられると、玩具の全体的な見た目は、図1〜2におけるように、歩く/話す頭のそれになる。図4に示される実施形態などの他の実施形態では、専用の「頭」の付属品(17)があり、計器(18)、腕(19)、道具(20)、武器(21)、車輪、プロペラ、触手、枝状物、装甲、羽根、リールなどの様々な他の「顔ではない」付属品が本体(1)に取り付けられる。適当な形状の本体(1)を適切にマッチする付属品と組み合わせることによって、人間、漫画のキャラクタ、ロボット、動物、モンスター、擬人化された物体など、様々な玩具の構造および実施形態が提供されうる。
【0010】
好ましくは、玩具の本体内には、バッテリパック(14)、1以上のモータ(11)、1以上のマイクロフォン(15)、1以上のスピーカ(13)、およびモータ(11)からの駆動力を変換して関節(9)へ伝達する1以上のアクチュエータ(10)が配設される。それらは、図3の回路図に示されている。アクチュエータ(10)は、驚くべき目をみはる「飛び出し(pop off)」効果のために、関節(9)から付属品をばね負荷で解放(押し出し)することもできる。本発明の様々な実施形態において、アクチュエータ(10)は、1以上の歯車、ギアボックス、軸、板、ベルト、プーリ、レバー、スイッチ、ピストン、付勢手段、偏心輪、突き出しピン、ラック、およびピニオンなどを備えてもよい。
【0011】
センサ(16)は、好ましくは関節(9)内に位置し、どの関節に付属品が接続されているかを検知し、また、所定の関節にどの特定の取り付け品が接続されているかを検知することもできる。センサ(16)は、付属品がユーザによって動かされ、または押されたときもこれを検知することができる。センサ(16)によって集められた情報は、同様に好ましくは玩具の本体内に位置する、1以上の集積回路電子制御モジュール(12)へ、機械的または電気的な信号として入力される。制御モジュール(12)は、モータ(11)およびアクチュエータ(10)の制御を介して付属品の動きを管理し、また、スピーカ(13)の制御を介して玩具によって作られる音を管理するために用いられる。制御モジュール(12)の反応は、予めプログラムされたパラメータと、センサ(16)およびマイクロフォン(15)からのリアルタイム入力との組合せに基づく。また、内部タイマーによって制御モジュール(12)は機械的なまたは音的な入力の長期不在を検出することができ、それに応じて、ユーザが玩具で遊ぶように促したり、玩具を節電モードにしたり、または完全に電源オフにしたりする。
【0012】
好ましい実施形態において、玩具の電子制御モジュール(12)は、カスタマイズされた一連の予め記録されたフレーズや音楽を保存するためにも用いられる。ユーザが玩具に取り付けられている付属品に触れ、動かし、もしくは押すと、またはユーザから(および/または周囲から)の外部音声や音の入力に応えて、制御モジュール(12)は、玩具に、しゃべらせ、うならせ、歌わせ、口笛を吹かせ、踊らせ、本体部品を動かさせる。また、制御モジュール(12)は、玩具の機械的な動きや付属品の動きと話すことおよび歌うことを同期させる能力を玩具に与える。
【0013】
さらなる好ましい実施形態において、玩具には、その本体上の各関節点(9)のための複数の異なる外部付属品のセットが付属している。そのような各々のセット内の異なる付属品によって、玩具は異なる雰囲気、個性、および特徴を表すことができる。そのような各々のセット内の異なる付属品は、センサ(16)に結合する異なる手段を有しうる。そのようなセンサの異なる結合によって、玩具の制御モジュール(12)は、ある瞬間においていずれの付属品が本体に取り付けられているかを知ることができ、そしてこの情報に応じて、現在の付属品の構成に最も適合する範囲の動きおよび音の出力を提供する。例えば、「幸せな目」の付属品を本体に取り付けると、玩具は、快活なおしゃべりやダンスの動きで反応するようになる。一方、「怒った目」の付属品を取り付けると刺々しい言い回しや威嚇した動きをする。同じセンサ(16)を通じて、玩具の制御モジュール(12)に、玩具本体上のある関節(9)内に付属品が取り付けられていないときに情報を与えることもでき、この情報に応えて、玩具に適切かつ論理的に反応させることができる(例えば、玩具がなくなった付属品についてコメントしたり、「口」の付属品(5)が取り付けられていないときはしゃべらなかったり、「耳」(4)の付属品が接続されていないときは音声刺激に反応しないようにしたりなど)。
【0014】
さらなる好ましい実施形態において、玩具には1以上の内蔵式マイクロフォン(15)が付属している。この内蔵式マイクロフォン(15)により、制御モジュール(12)は、入ってくる音に関連する強さまたは繰返しのパターンを検出し、この情報に応えて、音入力のパターンに最も適合する範囲の予めプログラムされた動きや音の出力を提供することができる。例えば、ユーザがささやけば、大声や騒々しい雑音と比べると異なった機械的/音響的な反応が玩具から引き出される。同様に、ユーザが1回手を打てば、3回連続して手を打ったときと比べると異なった反応が玩具から引き出される。
【0015】
さらなる好ましい実施形態において、玩具の制御モジュール(12)は、より広範な予め設定された反応をすることができる。該反応としては、コマンドをモータ(11)およびアクチュエータ(10)へ送り、本体の関節(9)から1以上の付属品を押し出す能力が挙げられる。また、1つ以上、または全ての付属品の本体の関節からの押し出しをユーザがマニュアルで引き起こすための1以上の専用のプッシュボタンを玩具本体に設けることもできる。一方で、ユーザが付属品を外方向へ引くことで関節から1つ1つ手で外すようにすることもできる。
【0016】
開示したものに加えて、対象の、動かすことおよび取り外すことができる本体部品を有するインタラクティブな話す玩具についての多くの変更、改良、バリエーションならびに他の使用および適用が可能であり予期されることが、本明細書を検討した後には当業者に明らかであり、そして本発明の趣旨および範囲から逸脱しない全てのそのような変更、改良、バリエーションならびに他の使用および適用が、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される本発明に包含されると見なされる。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)モータ手段およびアクチュエーション手段を備えた本体と、
b)1以上の付属品と、
c)1以上の関節手段であって各々が、前記付属品の各々と前記本体との間の接続を解放可能に形成し、前記接続を可逆的に解放するように構成され、スナップイン方式で前記付属品のうちの1つを係合して受け入れ、かつその接続を再形成するように構成され、前記アクチュエーション手段からの動きを、該関節手段に接続された1つの前記付属品へ伝達できるように構成された関節手段と、
d)音が検出されたとき、第一のプロセッサ信号を生成する受入手段と、
e)可聴音発生装置を備えるコミュニケーション手段と、
f)1以上のセンサ手段であって各々が、1以上の前記付属品と前記本体との間に接続が形成されたときに第二のプロセッサ信号を生成し、かつ、ユーザが前記関節手段に接続された1以上の前記付属品を動かし、または該付属品に触れたときに第三のプロセッサ信号を生成するセンサ手段と、
g)モータ手段、アクチュエーション手段およびコミュニケーション手段の動作を制御するために接続された制御装置
を備える玩具であって、モータ手段は機械的な駆動力を生成し、アクチュエーション手段は前記駆動力を1以上の前記関節手段へ選択的に伝達することを特徴とする玩具。
【請求項2】
前記制御装置が、前記受入手段から受信した前記第一のプロセッサ信号の入力に基づいて、前記モータ手段、アクチュエーション手段およびコミュニケーション手段の動作を制御することを特徴とする、請求項1に記載の玩具。
【請求項3】
前記制御装置がさらに、前記センサ手段から受信した前記第二のプロセッサ信号の入力に基づいて、前記モータ手段、アクチュエーション手段およびコミュニケーション手段の動作を制御することを特徴とする、請求項1または2のいずれかに記載の玩具。
【請求項4】
前記制御装置がさらに、前記センサ手段から受信した前記第三のプロセッサ信号の入力に基づいて、前記モータ手段、アクチュエーション手段およびコミュニケーション手段の動作を制御することを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の玩具。
【請求項5】
前記制御装置が、集積回路手段を備えることを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載の玩具。
【請求項6】
前記モータ手段が、1以上の電気モータを備えることを特徴とする、請求項1から5のいずれか1項に記載の玩具。
【請求項7】
前記受入手段が、1以上のマイクロフォンを備えることを特徴とする、請求項1から6のいずれか1項に記載の玩具。
【請求項8】
前記コミュニケーション手段が、人間の発話および歌唱を真似るように構成された音生成手段を備えることを特徴とする、請求項1から7のいずれか1項に記載の玩具。
【請求項9】
前記コミュニケーション手段が、一連の予め記録されたフレーズおよび歌を有する集積回路と、該集積回路から信号を受信するように構成されたオーディオスピーカを備えることを特徴とする、請求項1から8のいずれか1項に記載の玩具。
【請求項10】
前記制御装置が、1以上の前記付属品と前記本体との間の接続の解放を引き起こすことができることを特徴とする、請求項1から9のいずれか1項に記載の玩具。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2013−502242(P2013−502242A)
【公表日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−525006(P2012−525006)
【出願日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際出願番号】PCT/CA2010/001280
【国際公開番号】WO2011/020192
【国際公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【出願人】(509302331)シンキング テクノロジー インコーポレイテッド (2)
【Fターム(参考)】