説明

動きに基づく通信方法、携帯装置、通信プログラム

【課題】携帯装置のための動きに基づく通信方法を提供する。
【解決手段】携帯装置のユーザは、無線ネットワークを介して、目標ユーザに対して、動きに基づく通信を行う。複数の動きは、複数の対応する通信と関連付けられている。携帯装置の動きを検出すると、その検出した携帯装置の動きが、既知の複数の動きのうちの1つと一致するか否かの判定が行われる。もし、一致すれば、複数の対応する通信のうちの1つが、無線ネットワークを介して、携帯装置から目標ユーザ装置に送信される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、動きに基づく通信に関し、特に、携帯装置のために動きに基づく通信を可能にすることに関する。
【背景技術】
【0002】
モバイル携帯装置(例えば、携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistant)、携帯電話、高機能携帯電話など)は、絶えず進化していて、増大し続ける多数のオンラインのサービスやコンテンツ(例えば、オンラインゲーム、インターネット閲覧、オンラインショッピング、ソーシャルネットワーク、オンライン三次元(3D(dimension))環境のナビゲーションなど)にアクセスするのに用いられている。しかし、これらの新しいアプリケーションの出現にもかかわらず、ユーザの通信手段は、基本的に2つの形式(言葉とキー入力)に限られていた。つまり、モバイル携帯装置のユーザは、音声での通信か、希望する通信(「通信内容」の意も含む。以下同様)に対応する個別のキーの一連の入力という面倒な作業のいずれかを行う必要があった。
【0003】
例証として、オンラインチャット環境では、現在もう一人のユーザに特定の情報を送ることを望んでいるユーザは、送られる情報に対応する一連のキーパッド入力を行わなければならない。いわゆる「ショートカット」(あらかじめ定義した情報を使うために少ないキー入力で代替する方法)の使用さえ、ある程度のキー入力を必要とする。この入力形式は、ユーザに小さなキーパッドを使用させるだけでなく、ユーザが迅速な方法で一連の情報を伝えるのを妨げる。例えば、携帯装置を用いる際の2つの一般的な情報伝達形式には、ショートメッセージサービス(SMS(short message service))によるメッセージの送信と、いわゆる「顔符号(顔文字)」の送信がある。「顔符号」とは、一連の普通の印刷可能な文字(例えば、「:-)」、「^_^」、「._.」、「-_-」、「:)」、「o_o」など)、あるいは、小さな画像(人間の表情を意味するものや、特定の感情を伝達するもの)のことである。単純なオンラインメッセージ発信(例えば、電子メール、インスタントメッセージング、オンラインチャットなど)を行うとき、顔符号は誤解を避けるのに有効である。オンラインメッセージ発信は、本質的に、付随的な表情、ボディランゲージあるいは声の抑揚が不足するからである。
【0004】
さらに、オンライン3D環境の場面では、可能な表現の範囲と、そのような表現を伝えるモバイル装置の能力との間に顕著な差がある。したがって、携帯装置のユーザのために、通信形式を改善する必要がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、携帯装置において、通信形式を改善することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書では、動きに基づく通信の方法と携帯装置について開示する。1つの実施形態において、携帯装置を使って動きに基づく通信を行うための方法は、複数の動きを複数の対応する通信と関連付けることと、携帯装置の動きを検出することを含む。この方法は、さらに、検出した携帯装置の動きが複数の動きのうちの1つと一致するかどうかを判定して、もし一致すれば、携帯装置から、対応する通信を無線ネットワークに対して送ることを含む。
【0007】
他の実施形態において、携帯装置は無線ネットワークを介して目標ユーザ装置と通信するように構成される。そこで、携帯装置は、無線ネットワークに接続するための無線ネットワークインタフェースと、動きに基づく通信を実行するためのプロセッサ実行可能な命令を保持するメモリとを備える。携帯装置は、さらに、プロセッサ実行可能な命令を実行するように構成されたプロセッサを備える。その命令の内容とは、複数の動きを複数の対応する通信と関連付け、携帯装置の動きを検出し、その動きが複数の動きのうちの1つと一致するかどうか判定して、もし一致すれば、無線ネットワークを介して目標ユーザ装置に複数の対応する通信のうちの1つを送ることである。
【0008】
本発明に関する他の側面、特徴および技術は、以下の本発明の典型的な実施形態の説明に基づき、当業者に明らかになるであろう。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、携帯装置において、通信形式を改善することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明は、概して、携帯装置を使った動きに基づく通信に関する。1つの実施形態において、複数の動きは、複数の対応する通信と関連付けられている。この関連付けは、携帯装置でローカルに(あるいは遠隔地(の別の装置)で)格納(保存)された、携帯装置の動作とその対応する通信に関するデータベースによって行われる。なお、特定の通信種別(例えば、チャットデータベース、アバター通信データベース、SMSデータベースなど)ごとに、異なるデータベースを使ってもよい。他の実施形態において、携帯装置は、特定の携帯装置の動作とその対応する通信で「学習」される。
【0011】
特定の実施形態において、携帯装置は、例えば、動きセンサ回路を使って、携帯装置の動きを検出できる。その後、検出された携帯装置の動きが前記した複数の動きのうちの1つと一致するか否かについての判定がなされる。1つの実施形態において、この判定は、携帯装置で実行される検索動作、あるいは、そこで実行されるアプリケーションに基づいて行われる。特定の実施形態において、動きセンサは、検出された携帯装置の動きに関する動き信号の典型例を与える。その後、この動き信号は、データベースに保存されている既知の動き(例えば、ユーザが定義した動きのリスト)と比較される。
【0012】
検出された動きは、データベースに保存されている既知の動きと一致しなければ、無視される。一方、検出された動きが、もし、データベースに保存されている既知の動きと一致すれば、本発明の1つの実施形態にしたがって、その検出された動きに対応する通信が、携帯装置から目標ユーザ装置に送信される。
【0013】
本発明は、オンライン3D環境に特に適用できるという側面を持つ。オンライン3D環境とは、例えば、米国特許出願公開第2007/001161号明細書で詳述される3D環境の実施形態である。その特許文献を参照すれば、その技術を本発明に完全に取り入れることができる。3D環境という場面における多様な可能表現と一般的な通信があれば、動きに基づく通信の使用は、本発明の1つの実施形態に従って、そのような表現や通信がとても単純化されるという顕著な利点を生む。
【0014】
本実施形態で用いられる「ユーザ」という用語は、特定の個人、あるいは、その個人によって作成された(またはその個人と関連する)一人以上の「パーソナリティ」または「プレーヤー」のことを指す。そのような各々のオンライン人物は、いわゆる「アバター」によって視覚的に表現される。「アバター」は、典型的には二次元のアイコンの形で、ユーザ自身の視覚的描写を示す。また、パーソナリティ(別名「プレーヤー」)は、オンライン環境の所定の場面において固有であり、あるいは、異なる場面の間で代わりに動きうる。このように、「ユーザ」という表現が、適宜、そのようなユーザのオンライン人物を意味することがあることを理解すべきである。
【0015】
本実施形態において、「1つ」という用語は、「1つ」あるいは、「2つ以上」を意味する。「複数」という用語は、「2つ以上」を意味する。「他」という用語は、2番目以降として定義される。「含む」や「持つ」という用語は、「〜から構成する」などの広い意味で用いられる。本明細書を通して、「1つの実施形態」、「特定の実施形態」、「実施形態」あるいはそれらに類似した用語の使用は、実施形態と関連して記述される特定の特徴、構造または特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。このように、この明細書を通していろいろな箇所におけるそれらのようなフレーズの出現のすべてが、必ずしもその同じ実施形態に言及しているというわけではない。また、特定の特徴、構造または特性は、限定なく、1つ以上の実施形態の中で、適切な方法によって組み合わせられる。本実施形態で使用される「あるいは(または)」という用語は、包括的、いずれか1つ、あるいは、あらゆる組み合わせとして解釈される。したがって、「A、BあるいはC」と記載したときは、「A」、「B」、「C」、「AとB」、「AとC」、「BとC」、「AとBとC」のいずれの場合も含みうる。要素、機能、ステップまたは動作における組み合わせが本質的に互いに相容れない場合のみ、この定義に対する例外が起こりえる。
【0016】
コンピュータプログラミングの技術に慣れた人が実施できるように、本発明について、コンピュータシステム(あるいは類似する電子システム)によって実行される動作に関して、以下に記述する。そのような動作は、「コンピュータの実行」を指すこともある。象徴的に表現された動作が、データビットを表す電気信号のプロセッサ(CPU(Central Processing Unit)など)で処理されることや、記憶場所(システムメモリなど)でデータビットを保持(記憶)することを含むと解釈される(一般的な信号処理と同様である)。データビットが保持される記憶場所とは、データビットに対応する特定の電気的、磁気的、光学的あるいは有機(化学)的な特性を有する物理的な位置のことである。
【0017】
ソフトウェアで実行されるとき、本発明の要素は、本質的に、必要なタスク(仕事)を遂行するコード部分である。コード部分は、プロセッサで読み取り可能な媒体に保存される。この媒体は、情報を保存または転送できるどんな媒体でもよい。プロセッサで読み取り可能な媒体としては、例えば、電子回路、半導体メモリ装置、読出し専用メモリ(ROM(Read Only Memory))、フラッシュメモリまたは他の不揮発性メモリ、フレキシブルディスク、CD(Compact Disc)−ROM、光ディスク、ハードディスク、光ファイバー媒体、無線周波数(RF(Radio Frequency))関連などを含む。
【0018】
図1は、本発明の1つ以上の内容が実行される通信システム100を表す。特に、通信システム100は、無線通信サービスを少なくとも1台の携帯装置110に提供するキャリアネットワーク105を含むものとして示されている。キャリアネットワーク105は、少なくとも1つの無線通信プロトコルをサポートする。無線通信プロトコルとしては、例えば、GSM(Global System for Mobile)通信、GPRS(General Packet Radio Service)、CDMA(Code Division Multiple Access)あるいはW(Wideband)CDMAがある。携帯装置110は、キャリアネットワーク105と通信することができる電子機器であればよい。携帯装置110は、例えば、携帯電話、高機能携帯電話、PDA、携帯型コンピュータなどがある。
【0019】
携帯装置110は、表示部115、ユーザ入力部120、動きセンサ125、および、1つ以上のアプリケーションクライアント130を備える。アプリケーションクライアント130は、1つの実施形態において、携帯装置110のプロセッサ(図示せず)によって実行可能な1つ以上のソフトウェアモジュールから成る。以下でさらに詳細に説明するが、動きセンサ125には、どんな既知のモーション(動き)センシング技術が使用されていてもよい。既知のモーションセンシング技術は、ユーザによる携帯装置110の動きを検出することができるものであればよく、例えば、三次元の加速センサや速度センサの技術、二次元の加速センサや速度センサの技術、圧力センサ、傾斜センサ、その他どんなセンサに関するものであってもよい。
【0020】
1つの実施形態において、表示部115は液晶ディスプレイ(LCD(Liquid Crystal Display))である。表示部115は、発明の趣旨と合致していれば、他のどんなタイプの表示装置であってもよい。ユーザ入力部120は、キーパッド、数字パッド、キーボードなどの個々のキーの集合体、ボタンなどの形式で、1つ以上のボタンやキーを備えるものである。他の実施形態において、ユーザ入力部120は、タッチスクリーンの形で表示部115と統合(一体化)されている。
【0021】
アプリケーションクライアント130は、ユーザがオンラインのコンテンツ、環境やサービスを利用する際に使用する表示部115のグラフィカルユーザインタフェース(GUI(Graphical User Interface))の表示を行う。1つの実施形態において、アプリケーションクライアント130は、3DGUlクライアント(米国特許出願公開第2007/001161号明細書参照)である。アプリケーションクライアント130は、オペレーティングシステムインタフェース、アプリケーションインタフェース、ウェブブラウザインタフェース、または、ユーザが使用可能な他の環境に対するインタフェースなどであれば、あるいはそれらに統合されていてもよい。
【0022】
引き続き図1を参照して説明すると、アプリケーションクライアント130によって、ユーザはコンテンツ配布システム135からのコンテンツを要求することができる。コンテンツ配布システム135は、IP(Internet Protocol)ネットワーク140(例えばインターネット)を介してキャリアネットワーク105に接続されている。特定の実施形態において、コンテンツとは、マルチメディアコンテンツ(例えば音楽、ビデオ、画像など)である。一方、他の実施形態においては、要求されたコンテンツとは、ユーザが扱うオンライン環境(仮想または現実)に関するものである。そのために、1つの実施形態において、コンテンツ配布システム135は、オンライン環境サーバ145を備える。オンライン環境サーバ145は、携帯装置110の表示部115にオンライン環境のグラフィック描写を生成するためのコンテンツを提供する。特定の実施形態において、オンライン環境サーバ145は、1つ以上のコンテンツサーバ150−150にアクセスする。コンテンツサーバ150−150は、コンテンツ(関係する環境など)やサービスを携帯装置110に提供するために、IPネットワーク140に接続されている。
【0023】
図2は、本発明の1つ以上の実施形態を実現することができる携帯装置の概略図である。図2の実施形態において、携帯装置200は、プロセッサ205、メモリ210、表示部215、ユーザ入力部220、動きセンサ225およびスピーカ/マイク230を備え、それらはバス235で相互接続されている。プロセッサ205は、一般的なプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、特定用途向け集積回路、デジタル論理装置、アナログプロセッサ、あるいは、その他現在知られている処理回路である。
【0024】
ユーザ入力部220は、キーパッド(例えば、押しボタン式ダイヤリングパッド、キーボードなど)を使って実現される。表示部215は、LCDや、消費者向け電子機器で一般に使われるあらゆるタイプの表示器であればよい。表示部215は、ユーザ入力部220の機能も兼ね備えるように、タッチパネルであってもよい。スピーカ/マイク230は、携帯電話での会話を容易にするために、音声通信や声を送受信するのに用いられる。他の実施形態において、スピーカ/マイク230は、スピーカとマイクの統合回路から成る。
【0025】
携帯装置200は、また、RFインタフェース240を備える。RFインタフェース240は、無線ネットワーク(例えば、図1のキャリアネットワーク105)からのRF通信を送受信する機能を実行する。RFインタフェース240による送受信は、オペレーティングシステム(OS(Operating System))245の制御下、あるいは、携帯装置200で動作する他のアプリケーションプログラム(アプリケーションクライアント250)の制御下で実行される。1つの実施形態において、アプリケーションクライアント250は、ウェブブラウザ、チャットインタフェースアプリケーション、あるいは、複数の他のユーザと交流するために使えるオンライン環境クライアントから構成される。発明の開示範囲に必ずしも関係しないが、他のアプリケーションプログラムはメモリ210に格納される。他のアプリケーションプログラムとは、例えば、電話ダイアルプログラム、電子メールプログラム、スケジューリングプログラム、インターネットブラウザプログラム、ワープロプログラム、表計算プログラム、インスタントメッセージングプログラムなどである。
【0026】
引き続き図2を参照して説明すると、動きセンサ225は、例えば、加速度計であり、例えば、1軸、2軸あるいは3軸方向の加速度検出装置におけるピエゾ抵抗素子または予めパッケージされた加速度計である。1つの実施形態において、動きセンサ225は、マイクロ電気機械システム(MEMS(Micro Electro Mechanical System))装置である。MEMS装置は、1つ以上の、吊り下げ型片持ち梁、あるいは、たわみセンサと関連回路が結合されたテスト済みの集合体から成る。そのような加速度計は、例えば、三次元または二次元の加速度計であればよい。1つの実施形態において、動きセンサ225は、商品名「iMEMS(登録商標)」の下で、マサチューセッツ州ノーウッドのアナログデバイス社によって製造されて、市場に出されている加速度計のうちの1つであればよい。代わりに、三次元または二次元の速度センサが、同様に、ユーザによる携帯装置200の動きを検出するために、単独で、または、1つ以上の加速度計とともに使われてもよい。他の実施形態で、動きセンサ225は、複数のそのような加速度計から成る。
【0027】
動きセンサ225の構成に関係なく、プロセッサ205およびその関連するモーションセンシングアプリケーション255と連携する動きセンサ225の動作によって、携帯装置200のユーザは、ネットワーク(例えば、図1のキャリアネットワーク105やIPネットワーク140)を介して、目標ユーザに、動きに基づく通信を送ることができる。非限定的な例として、そのような通信としては、例えば、テキストベースのメッセージ送信(例えば、SMSメッセージ、アイコンに基づく通信(顔符号送信やアバター通信など))である。「アバター通信」という用語は、他のオンラインユーザとの関係におけるオンライン環境で、特定のユーザのアバター(またはオンライン人物)の動きをコントロールすることを含む。オンライン環境におけるそのようなアバターの動きは、他のユーザへの通信の形として用いられる。なお、前記した通信の形は、互いに相容れない必要はない。言い換えると、アバター通信は、例えば、1つのアバターから他のアバターまで顔符号を送ることをそれ自身で含むかもしれない。アバター通信に係わることは、アバターの行動(例えば、有効なチャットセッションを開始しなさい、あるいは停止しなさいという命令)に影響を及ぼすためのユーザ命令を送ることを含むこともある。
【0028】
図3の(a)および(b)は、図2の携帯装置200がユーザによって特定の動きを与えられているときの様子を示す補足図である。図3(a)の実施形態において、携帯装置200は、ユーザによって、前後(方向310の動きの次に方向320)の動きを与えられている。本発明の1つの特徴によると、この前後の動きは、あらかじめ定義された通信(例えば、特定のSMSメッセージ、顔符号、アバターアクション、命令など)と関連付けられている。同様に、図3(b)は、図2の携帯装置200が位置330と位置340の間を下方傾斜動作する様子を示す補足図である。また、この携帯装置200の下へ下がる動きは、あらかじめ定義された通信(例えば、特定のSMSメッセージ、顔符号、アバターアクション、命令など)と関連付けられている。携帯装置200が動作する位置の範囲に実質的な制限はなく、図3の(a)および(b)は単に2つの例(可能性)を示したに過ぎない。
【0029】
図2に戻って説明を続けると、携帯装置200は、動きセンサ225を備えている。動きセンサ225は、携帯装置200の動きを検出するのに使用される。携帯装置200の動きとは、例えば、図3(a)に示す前後運動や、図3(b)に示す下方傾斜動動作である。そして、動きセンサ225は、これらの動作に応答して動き信号をプロセッサ205に提供する。プロセッサ205によって実行されるモーションセンシングアプリケーション255は、望まれている対応する通信を決定するために、受信した動き信号に基づく検索動作を実行するように構成される。そのために、携帯装置の動作とその対応する通信に関するデータベースは、ローカルに、または、離れた場所に格納される。また、特定の通信種別(例えば、チャットデータベース、アバター通信データベース、SMSデータベースなど)ごとに、異なるデータベースを使ってもよい。このような方式では、図3の(a)および(b)に示すような特定の動きは、異なる状況で使用されるとき、異なる意味を有することになる。
【0030】
他の実施形態において、ユーザは、携帯装置の動作とその対応する通信に関するデータベースに頼るよりも、特定の動きと特定の通信を関連付けることによって、携帯装置200を学習させることができる。1つの実施形態において、この機能は、モーションセンシングアプリケーション255の学習モードを使用することで提供される。動きに基づく通信は、ユーザ定義の動作に基づくものとしてもよいし、一部が、対応する予め格納された携帯装置の動作に基づくものであってもよい。
【0031】
引き続き図2を参照して説明すると、望まれている通信が認識されれば、モーションセンシングアプリケーション255は、この情報をアプリケーションクライアント250に提供する。アプリケーションクライアント250は、目標ユーザ(例えば、オンライン環境アプリケーションクライアント、SMSクライアント、チャットクライアントなど)に通信をするために用いられるアプリケーションである。他の実施形態において、モーションセンシングアプリケーション255は、動きに基づく通信を目標ユーザに直接送るように構成される。いずれにしても、ユーザの動きは望まれた通信に効果的に変わる。そして、そのように結果として生じる通信は、あらゆる既知の通信プロトコルを使って、送信される。
【0032】
不注意な(誤った)メッセージが送られるのを防ぐために、1つの実施形態において、携帯装置200は、モーションセンシングモードで使用される。例証として、携帯装置200がモーションセンシングモードではないとき、携帯装置200の動きは無視される。対照的に、携帯装置200がモーションセンシングモードで動いているとき、携帯装置200の動きは検出され、前記したように、モーションセンシングアプリケーション255によって対応する処理がなされる。特定の実施形態において、携帯装置200は、ユーザの声による命令、または、特定のキー入力に応じて、モーションセンシングモードに入る。他の実施形態において、モーションセンシングモードは、アプリケーションクライアント250の実行と同時に、自動的に入ってもよい。さらに別の実施形態において、携帯装置の動きは、状況に基づいて処理されてもよい。例えば、ユーザがオンライン会話に活発にかかわっているならば、各々の携帯装置の動きが動きセンサ225によって検出されるものとしてもよい。その場合、その動きの検出を原因として、対応する動き信号がモーションセンシングアプリケーション255に送られる。そして、モーションセンシングアプリケーション255で、その動きがあらかじめ定義された通信と一致するかどうかが判定される。
【0033】
図4は、図1の通信システム100の他の実施形態を示す。この実施形態では、通信システム400は、オンライン環境サーバ450(1つの実施形態における3D環境サーバ)によって生成されるオンライン環境で、目標ユーザ装置460(目標側の携帯装置)と通信している通信開始側携帯装置410を備えている。通信システム400は、特定の通信と一致する動きを与えられている通信開始側携帯装置410を備えている。特定の動きと対応する通信があると判定されると、その通信は動きに基づく通信420としてキャリアネットワーク430に送られ、キャリアネットワーク430はその通信420をIPネットワーク440に送信する。IPネットワーク440に接続しているオンライン環境サーバ450は、適用可能なオンライン環境パラメータに従って、その動きに基づく通信420を受信して処理する。図4に示すように、その後、その対応する通信信号470は、オンライン環境サーバ450から目標ユーザ装置460に送られる。このようにして、動きに基づく通信の1つの実施形態が実現される。
【0034】
図5は、本発明(例えば、図4の通信システム400)の原理と合致した通信システムを使用した、動きに基づく通信を実現する処理500の1つの実施形態を示す。処理500は、複数の動きを複数の対応する通信と関連付けるブロック510から始まる。1つの実施形態において、このブロック510は、携帯装置(例えば、図4の通信開始側携帯装置410)でローカルに(あるいは遠隔地(の別の装置)で)格納(保存)された、携帯装置の動作とその対応する通信に関するデータベースを設ける処理である。前記したように、また、特定の通信種別(例えば、チャットデータベース、アバター通信データベース、SMSデータベースなど)ごとに、異なるデータベースを使ってもよい。他の実施形態において、携帯装置は、特定の携帯装置の動作とその対応する通信によって「学習」される。1つの実施形態において、携帯装置の学習モードやそこで実行されるアプリケーションは、特定の動きと特定の通信を対応付けるために用いられる。ユーザによる学習の結果は、同様に、ローカルで、あるいは、遠隔地で格納される。
【0035】
処理500は、その後、ブロック520に移る。ブロック520では、携帯装置の動きが検出される。前記したように、動きセンサ(例えば図2の動きセンサ225)は、ユーザによって与えられた携帯装置の動きを検出するのに用いられる。そのような動きセンサは、1軸、2軸あるいは3軸方向の検出装置における、加速度計、MEMS装置、ピエゾ抵抗素子、あるいは、予めパッケージされた加速度計など、どんな種類の既知の動きセンサや回路であってもよい。
【0036】
処理500は、その後、判定ブロック530に移る。判定ブロック530では、検出された携帯装置の動きが、ブロック510で関連付けられている複数の動きのうちの1つと一致するか否かについての判定がなされる。1つの実施形態において、この判定は、携帯装置やそこで実行されるアプリケーション(例えば図2のモーションセンシングアプリケーション255)によって遂行される検索動作に基づいて行われる。1つの実施形態において、動きセンサは、検出された携帯装置の動きに関する動き信号の典型例を与える。その後、この動き信号は、データベースやユーザが定義した動きのリストに保存されている複数の動きと比較される。検出された動きがデータベース等に保存されている既知の動きと一致しなければ、処理500は、検出された動きを無視し、ブロック520に戻る。ブロック520では、引き続き、携帯装置の動作が監視される。一方、もし、検出された動きがデータベース等に保存されている既知の動きと一致すれば、処理500は、ブロック540に進む。ブロック540では、検出された動きに対応する通信が、接続された無線ネットワーク(例えば、図4のキャリアネットワーク430とIPネットワーク440)を介して、目標ユーザ装置(例えば、図4の目標ユーザ装置460)へ、その携帯装置から送られる。
【0037】
様々な実施形態において本発明に関する説明をしたが、本発明にはさらなる変更(変形例)が可能である。本発明は、本明細書における開示内容に限定されるものではなく、その趣旨(原理)を逸脱せず、当業者による既知の技術や慣習の範囲内で、種々のバリエーション、使用法、適用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の実施形態における通信システムを例示する。
【図2】本発明の実施形態における携帯装置の簡略化した概略図を例示する。
【図3】1つの実施形態において、動きに基づく通信を実行している図2の携帯装置の斜視図を例示する。
【図4】本発明の原理と合致する通信システムの他の実施形態を例示する。
【図5】本発明の1つの実施形態にしたがって動きに基づく通信を実施する方法を示す。
【符号の説明】
【0039】
100 通信システム
105 キャリアネットワーク
110 携帯装置
115 表示部
120 ユーザ入力部
125 動きセンサ
130 アプリケーションクライアント
135 コンテンツ配布システム
140 IPネットワーク
145 オンライン環境サーバ
150−150 コンテンツサーバ
200 携帯装置
205 プロセッサ
210 メモリ
215 表示部
220 ユーザ入力部
225 動きセンサ
230 スピーカ/マイク
235 バス
240 RFインタフェース
250 アプリケーションクライアント
255 モーションセンシングアプリケーション
400 通信システム
410 通信開始側携帯装置
420 通信
430 キャリアネットワーク
440 IPネットワーク
450 オンライン環境サーバ
460 目標ユーザ装置
470 通信信号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯装置を用いた動きに基づく通信方法であって、
前記携帯装置は、
複数の動きを複数の対応する通信と関連付ける関連付けステップと、
前記携帯装置の動きを検出する検出ステップと、
前記検出した携帯装置の動きが、前記複数の動きのうちの1つと一致するか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップで一致すると判定した場合、前記携帯装置の動きに関連付けられた通信を、無線ネットワークを介して送信する送信ステップと、
を実行することを特徴とする動きに基づく通信方法。
【請求項2】
前記携帯装置は、
前記関連付けステップにおいて、
前記記憶部のデータベースに、複数の動きを複数の対応する通信と関連付けて格納する処理を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の動きに基づく通信方法。
【請求項3】
前記携帯装置は、
前記関連付けステップにおいて、
前記記憶部のデータベースに、ユーザが定義した動きを格納し、その動きに対応するユーザが定義した通信を格納する処理を含む
ことを特徴とする請求項2に記載の動きに基づく通信方法。
【請求項4】
前記携帯装置は、
前記判定ステップにおいて、
前記検出した携帯装置の動きを前記データベースにおいて検索する処理を含む
ことを特徴とする請求項2に記載の動きに基づく通信方法。
【請求項5】
前記携帯装置は、
前記判定ステップにおいて、
前記一致を判定するために、前記検出した携帯装置の動きと前記複数の動きとを比較する処理を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の動きに基づく通信方法。
【請求項6】
前記携帯装置の動きは、前記携帯装置のユーザによる動きによって生じるものである
ことを特徴とする請求項1に記載の動きに基づく通信方法。
【請求項7】
前記複数の対応する通信の1つは、テキストデータに基づく通信、アイコンに基づく通信、および、アバター通信のうちの1つである
ことを特徴とする請求項1に記載の動きに基づく通信方法。
【請求項8】
前記携帯装置は、
前記判定ステップにおいて、
前記携帯装置の動きが前記複数の動きのうちの1つと一致しているか否かを判定するために構成された、前記携帯装置におけるモーションセンシングアプリケーションプログラムを実行する処理を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の動きに基づく通信方法。
【請求項9】
前記携帯装置は、
前記検出ステップの前に、さらに、
モーションセンシングモードに入るステップを含み、実行する
ことを特徴とする請求項1に記載の動きに基づく通信方法。
【請求項10】
前記携帯装置は、
さらに、通信種別を判定するステップを含み、実行し、
前記複数の動きは、少なくとも一部がその通信種別に基づくものである
ことを特徴とする請求項1に記載の動きに基づく通信方法。
【請求項11】
無線ネットワークを介して目標ユーザ装置と通信するように構成される電子機器である携帯装置であって、
前記携帯装置を前記無線ネットワークに接続するための無線ネットワークインタフェースと、
動きに基づく通信を実行するためのプロセッサ実行可能な命令を格納するメモリと、
前記プロセッサ実行可能な命令を実行するように構成され、前記メモリと電気的に接続されたプロセッサと、を備え、
前記プロセッサは、
前記プロセッサ実行可能な命令を実行することにより、
複数の動きを複数の対応する通信と関連付け、
前記携帯装置の動きを検出し、
前記検出した携帯装置の動きが、前記複数の動きのうちの1つと一致するか否かを判定し、
一致すると判定した場合、前記携帯装置の動きに関連付けられた通信を、前記無線ネットワークを介して送信する
ことを特徴とする携帯装置。
【請求項12】
前記複数の動きとそれらに関連付けられた複数の対応する通信とは、前記プロセッサによってアクセス可能な前記メモリのデータベースに格納されている
ことを特徴とする請求項11に記載の携帯装置。
【請求項13】
前記プロセッサは、
前記プロセッサ実行可能な命令を実行することにより、
前記メモリのデータベースに、ユーザが定義した動きを格納し、その動きに対応するユーザが定義した通信を格納する
ことを特徴とする請求項12に記載の携帯装置。
【請求項14】
前記プロセッサは、
前記プロセッサ実行可能な命令を実行することにより、
前記検出した携帯装置の動きを前記データベースにおいて検索することによって、前記検出した携帯装置の動きが前記複数の動きのうちの1つと一致するか否かを判定する
ことを特徴とする請求項12に記載の携帯装置。
【請求項15】
前記プロセッサは、
前記プロセッサ実行可能な命令を実行することにより、
前記一致があったと判定されるまで、前記検出した携帯装置の動きと前記複数の動きとを比較することによって、前記検出した携帯装置の動きが前記複数の動きのうちの1つと一致するか否かを判定する
ことを特徴とする請求項11に記載の携帯装置。
【請求項16】
前記携帯装置の動きは、前記携帯装置のユーザによる動きによって生じるものである
ことを特徴とする請求項11に記載の携帯装置。
【請求項17】
前記複数の対応する通信の1つは、テキストデータに基づく通信、アイコンに基づく通信、および、アバター通信のうちの1つである
ことを特徴とする請求項11に記載の携帯装置。
【請求項18】
前記プロセッサは、
前記プロセッサ実行可能な命令を実行することにより、
前記携帯装置の動きが前記複数の動きのうちの1つと一致しているか否かを判定するために構成された、前記携帯装置におけるモーションセンシングアプリケーションプログラムを実行することによって、前記検出した携帯装置の動きが前記複数の動きのうちの1つと一致するか否かを判定する
ことを特徴とする請求項11に記載の携帯装置。
【請求項19】
前記プロセッサは、
前記携帯装置の動きを検出する前に、
モーションセンシングモードに入るための前記プロセッサ実行可能な命令を実行する
ことを特徴とする請求項11に記載の携帯装置。
【請求項20】
前記プロセッサは、
通信種別を判定するための前記プロセッサ実行可能な命令を実行し、
前記複数の動きは、少なくとも一部がその通信種別に基づくものである
ことを特徴とする請求項11に記載の携帯装置。
【請求項21】
請求項1に記載の動きに基づく通信方法をコンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータに読み取り可能な通信プログラム。
【請求項22】
請求項2に記載の動きに基づく通信方法をコンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータに読み取り可能な通信プログラム。
【請求項23】
請求項3に記載の動きに基づく通信方法をコンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータに読み取り可能な通信プログラム。
【請求項24】
請求項4に記載の動きに基づく通信方法をコンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータに読み取り可能な通信プログラム。
【請求項25】
請求項5に記載の動きに基づく通信方法をコンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータに読み取り可能な通信プログラム。
【請求項26】
請求項6に記載の動きに基づく通信方法をコンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータに読み取り可能な通信プログラム。
【請求項27】
請求項7に記載の動きに基づく通信方法をコンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータに読み取り可能な通信プログラム。
【請求項28】
請求項8に記載の動きに基づく通信方法をコンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータに読み取り可能な通信プログラム。
【請求項29】
請求項9に記載の動きに基づく通信方法をコンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータに読み取り可能な通信プログラム。
【請求項30】
請求項10に記載の動きに基づく通信方法をコンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータに読み取り可能な通信プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−5334(P2009−5334A)
【公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−72405(P2008−72405)
【出願日】平成20年3月19日(2008.3.19)
【出願人】(508007536)ジェミニ モバイル テクノロジーズ インク. (6)
【Fターム(参考)】